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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】改良された水分輸送特性を有する布地
(51)【国際特許分類】
   D04B 1/00 20060101AFI20221024BHJP
   A41B 9/12 20060101ALI20221024BHJP
   A47C 17/86 20060101ALI20221024BHJP
   A47C 27/12 20060101ALI20221024BHJP
   A47G 9/00 20060101ALI20221024BHJP
   A47G 9/10 20060101ALI20221024BHJP
   A47K 10/02 20060101ALI20221024BHJP
   D02G 3/04 20060101ALI20221024BHJP
   D03D 15/44 20210101ALI20221024BHJP
   D03D 15/47 20210101ALI20221024BHJP
   D03D 15/56 20210101ALI20221024BHJP
   D04B 1/16 20060101ALI20221024BHJP
   D04B 1/18 20060101ALI20221024BHJP
   A41D 31/12 20190101ALN20221024BHJP
【FI】
D04B1/00 B
A41B9/12 C
A47C17/86
A47C27/12 B
A47G9/00
A47G9/10 Z
A47K10/02 C
D02G3/04
D03D15/44
D03D15/47
D03D15/56
D04B1/16
D04B1/18
A41D31/12
【請求項の数】 42
(21)【出願番号】P 2021509183
(86)(22)【出願日】2020-05-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 AU2020050523
(87)【国際公開番号】W WO2020237301
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2021-04-16
(31)【優先権主張番号】2019901800
(32)【優先日】2019-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522383160
【氏名又は名称】コンフィニット リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ラウ,チュン キー
【審査官】長谷川 大輔
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109385717(CN,A)
【文献】特開2015-190073(JP,A)
【文献】特開2012-097399(JP,A)
【文献】特開2001-329470(JP,A)
【文献】特開2002-363864(JP,A)
【文献】国際公開第2017/057391(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/180801(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D31/00-31/32
A47C7/00-7/74
27/00-27/22
31/00-31/12
A47G9/00-11/00
A47K10/00-10/14
10/18-10/48
D02G1/00-3/48
D02J1/00-13/00
D03D1/00-27/18
D04B1/00-39/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類又は家庭用繊維製品のための布地であって、
5~25重量%のモダール(登録商標)と75~95重量%のポリエステルの繊維ブレンドからなる第1の糸により形成される下層と、
スパンデックスを含む第2の糸により形成される中間層と、
ポリエステルを含む第3の糸により形成される上層と、
を含み、
前記繊維ブレンドにおける前記ポリエステルは、毛細管現象を促進する前記第1の糸の長さに沿った複数の空間を作り出す断面を有する、
布地。
【請求項2】
前記第1の糸は、紡績糸である、請求項1に記載の布地。
【請求項3】
前記ポリエステルは、前記繊維ブレンドに80重量%~90重量%の量で存在し、前記モダールは、前記繊維ブレンドに10重量%~20重量%の量で存在する、請求項1又は2に記載の布地。
【請求項4】
前記ポリエステルは、前記繊維ブレンドに84重量%の量で存在し、前記モダールは、前記繊維ブレンドに16重量%の量で存在する、請求項に記載の布地。
【請求項5】
前記繊維ブレンドにおける前記ポリエステルは、X字型、M字型、I字型、ハニカム型、Y字型、U字型又はO字型である断面を有し、これにより、毛細管現象を促進する前記第1の糸の長さに沿った複数の空間を作り出す、請求項1~のいずれか一項に記載の布地。
【請求項6】
前記繊維ブレンドにおける前記ポリエステルは、X字型である断面を有し、これにより、毛細管現象を促進する前記第1の糸の長さに沿った複数の空間を作り出す、請求項に記載の布地。
【請求項7】
前記繊維ブレンドにおける前記モダールは、長方形の断面を有する、請求項1~のいずれか一項に記載の布地。
【請求項8】
前記第1の糸は、前記布地の45重量%~75重量%を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の布地。
【請求項9】
第1の糸は、前記布地の60重量%~61重量%を含む、請求項に記載の布地。
【請求項10】
前記第2の糸は、フィラメント糸である、請求項1~のいずれか一項に記載の布地。
【請求項11】
前記第2の糸は、100%のスパンデックスを含むか、又はこれからなる、請求項1~10のいずれか一項に記載の布地。
【請求項12】
前記第2の糸の前記スパンデックスは、20デニール~70デニールである、請求項1~11のいずれか一項に記載の布地。
【請求項13】
前記第2の糸の前記スパンデックスは、20デニール~30デニールである、請求項12に記載の布地。
【請求項14】
前記第2の糸の前記スパンデックスは、20デニール又は30デニールである、請求項13に記載の布地。
【請求項15】
前記第2の糸は、前記布地の4重量%~12重量%を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の布地。
【請求項16】
前記第2の糸は、前記布地の5重量%を含む、請求項15に記載の布地。
【請求項17】
前記第3の糸は、フィラメント糸である、請求項1~16のいずれか一項に記載の布地。
【請求項18】
前記第3の糸は、100%のポリエステルを含むか、又はこれからなる、請求項1~17のいずれか一項に記載の布地。
【請求項19】
前記第3の糸の前記ポリエステルは、20デニール~80デニールである、請求項1~18のいずれか一項に記載の布地。
【請求項20】
前記第3の糸の前記ポリエステルは、50デニールである、請求項19に記載の布地。
【請求項21】
前記第3の糸は、前記布地の20重量%~50重量%を含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の布地。
【請求項22】
前記第3の糸は、前記布地の34重量%~35重量%を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の布地。
【請求項23】
前記布地は、シングルジャージ、ピケ、ポインテル、ダブルニット、ジャカード、又はテリーからなる群から選択される、請求項1~22のいずれか一項に記載の布地。
【請求項24】
衣類又は家庭用繊維製品のための布地であって、
16重量%のモダールと84重量%のポリエステルの繊維ブレンドからなる紡績糸である下糸により形成される下層と、
20デニールの100%のスパンデックスを含むか、又はこれからなるフィラメント糸である中間糸により形成される中間層と、
50デニールの100%のポリエステルを含むか、又はこれからなるフィラメント糸である上糸により形成される上層と、
を含み、
前記繊維ブレンドにおける前記ポリエステルは、X字型、M字型、I字型、ハニカム型、Y字型、U字型又はO字型の断面を有し、これにより、毛細管現象を促進する前記下糸の長さに沿った複数の空間を作り出す、
布地。
【請求項25】
前記繊維ブレンドにおける前記ポリエステルは、X字型の断面を有し、これにより、毛細管現象を促進する前記下糸の長さに沿った複数の空間を作り出す、請求項24に記載の布地。
【請求項26】
前記上糸は、前記布地の35重量%を含み、前記中間糸は、前記布地の5重量%を含み、前記下糸は、前記布地の60重量%を含む、請求項24又は請求項25に記載の布地。
【請求項27】
シングルジャージである、請求項2426のいずれか一項に記載の布地。
【請求項28】
衣類又は家庭用繊維製品のための布地であって、
16重量%のモダールと84重量%のポリエステルの繊維ブレンドからなる紡績糸である下糸により形成される下層と、
30デニールの100%のスパンデックスを含むか、又はこれからなるフィラメント糸である中間糸により形成される中間層と、
50デニールの100%のポリエステルを含むか、又はこれからなるフィラメント糸である上糸により形成される上層と、
を含む布地であって、前記繊維ブレンドにおける前記ポリエステルは、X字型、M字型、I字型、ハニカム型、Y字型、U字型又はO字型の断面を有し、これにより、毛細管現象を促進する前記下糸の長さに沿った複数の空間を作り出す、布地。
【請求項29】
前記繊維ブレンドにおける前記ポリエステルは、X字型の断面を有し、これにより、毛細管現象を促進する前記下糸の長さに沿った複数の空間を作り出す、請求項28に記載の布地。
【請求項30】
前記上糸は、前記布地の35重量%を含み、前記中間糸は、前記布地の5重量%を含み、前記下糸は、前記布地の60重量%を含む、請求項28又は請求項29に記載の布地。
【請求項31】
ピケである、請求項2830のいずれか一項に記載の布地。
【請求項32】
衣類又は家庭用繊維製品のための布地であって、
16%のモダールと84%のポリエステルの繊維ブレンドからなる紡績糸である下糸により形成される下層と、
20デニールの100%のスパンデックスを含むか、又はこれからなるフィラメント糸である中間糸により形成される中間層と、
50デニールの100%のポリエステルを含むか、又はこれからなるフィラメント糸である上糸により形成される上層と、
を含み、
前記繊維ブレンドにおける前記ポリエステルは、X字型、M字型、I字型、ハニカム型、Y字型、U字型又はO字型の断面を有し、これにより、毛細管現象を促進する前記下糸の長さに沿った複数の空間を作り出す、
布地。
【請求項33】
前記繊維ブレンドにおける前記ポリエステルは、X字型の断面を有し、これにより、毛細管現象を促進する前記下糸の長さに沿った複数の空間を作り出す、請求項32に記載の布地。
【請求項34】
前記上糸は、前記布地の34.5重量%を含み、前記中間糸は、前記布地の5重量%を含み、前記下糸は、前記布地の60.5重量%を含む、請求項32又は請求項33に記載の布地。
【請求項35】
ポインテルである、請求項3234のいずれか一項に記載の布地。
【請求項36】
衣類又は家庭用繊維製品のための布地であって、
9重量%のモダールと91重量%のポリエステルの繊維ブレンドからなる紡績糸である下糸により形成される下層と、
20デニールの100%のスパンデックスを含むか、又はこれからなるフィラメント糸である中間糸により形成される中間層と、
50デニールの100%のポリエステルを含むか、又はこれからなるフィラメント糸である上糸により形成される上層と、
を含み、
前記繊維ブレンドにおける前記ポリエステルは、X字型、M字型、I字型、ハニカム型、Y字型、U字型又はO字型の断面を有し、これにより、毛細管現象を促進する前記下糸の長さに沿った複数の空間を作り出す、
布地。
【請求項37】
前記繊維ブレンドにおける前記ポリエステルは、O字型の断面を有し、これにより、毛細管現象を促進する前記下糸の長さに沿った複数の空間を作り出す、請求項36に記載の布地。
【請求項38】
前記上糸は、前記布地の30重量%を含み、前記中間糸は、前記布地の5重量%を含み、前記下糸は、前記布地の65重量%を含む、請求項36又は請求項37に記載の布地。
【請求項39】
ジャージである、請求項3638のいずれか一項に記載の布地。
【請求項40】
請求項1~38のいずれか一項に記載の布地から作製される場合の衣類又は家庭用繊維製品の物品。
【請求項41】
前記衣類は、シャツ、ランニングシャツ、ジャージ、パジャマ、マイヨ、フリース、ショートパンツ、パンツ、フード、ランニングハット、スカルキャップ、ヘルメットライナー、マスク、ヘッドバンド、又は靴下である、請求項40に記載の衣類又は家庭用繊維製品の物品。
【請求項42】
前記家庭用繊維製品は、タオル、寝具、クッション、ソファ、又は家具である、請求項40に記載の衣類又は家庭用繊維製品の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、一般的に、改良された水分輸送特性を有する布地、並びに衣類及び家庭用繊維製品の品目におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 本明細書全体に渡る従来技術のいかなる議論も、このような従来技術が、広く知られているか、又はその分野における技術常識の一部を形成していることを認めるものと決して見なされるべきではない。
【0003】
[0003] 速乾性の衣類は、衣類の着用者が大量の汗を発する、スポーツ、レクリエーション、及び外で働く職業などの分野でますます人気が高まっている。速乾性の衣類に使用される布地は、蒸発が起こる布地の外面に皮膚から汗を発散させることによって機能する。
【0004】
[0004] 本発明者は、汗を迅速に吸収し、汗を衣類の外面に効率的に輸送することができる、速乾性の衣類用途での使用に適した改良された布地を開発した。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005] 第1の態様では、本発明は、
モダール(登録商標)とポリエステルの繊維ブレンドを含む第1の糸と、
スパンデックスを含む第2の糸と、
ポリエステルを含む第3の糸と、
を含むか、又はこれらからなる布地を提供する。
【0006】
[0006] 第1の糸は、モダール及びポリエステルの繊維ブレンドからなり得る。
【0007】
[0007] 第1の糸は、紡績糸であり得る。
【0008】
[0008] 紡績糸は、40~70のシングルカウントの紡績糸であり得る。
【0009】
[0009] 紡績糸は、55~65のシングルカウントの紡績糸であり得る。
【0010】
[0010] 紡績糸は、50又は60のシングルカウントの紡績糸であり得る。
【0011】
[0011] ポリエステルは、繊維ブレンドに約65重量%~約95重量%の量で存在し得、モダールは、繊維ブレンドに約5重量%~約35重量%の量で存在し得る。
【0012】
[0012] ポリエステルは、繊維ブレンドに約75重量%~約95重量%の量で存在し得、モダールは、繊維ブレンドに約5重量%~約25重量%の量で存在し得る。
【0013】
[0013] ポリエステルは、繊維ブレンドに約85重量%~約95重量%の量で存在し得、モダールは、繊維ブレンドに約5重量%~約15重量%の量で存在し得る。
【0014】
[0014] ポリエステルは、繊維ブレンドに約80重量%~約90重量%の量で存在し得、モダールは、繊維ブレンドに約10重量%~約20重量%の量で存在し得る。
【0015】
[0015] ポリエステルは、繊維ブレンドに約84重量%の量で存在し得、モダールは、繊維ブレンドに約16重量%の量で存在し得る。
【0016】
[0016] 繊維ブレンドにおけるポリエステルは、毛細管現象を促進する第1の糸の長さに沿った複数の空間を作り出す断面を有し得る。
【0017】
[0017] 繊維ブレンドにおけるポリエステルは、X字型、M字型、I字型、ハニカム型、Y字型、U字型又はO字型である断面を有し得、これにより、毛細管現象を促進する第1の糸の長さに沿った複数の空間を作り出す。
【0018】
[0018] 繊維ブレンドにおけるポリエステルは、X字型である断面を有し得、これにより、毛細管現象を促進する第1の糸の長さに沿った複数の空間を作り出す。
【0019】
[0019] 繊維ブレンドにおけるモダールは、実質的に長方形の断面を有し得る。
【0020】
[0020] 繊維ブレンドにおけるポリエステルとモダールは、ステープル(staple)の長さであり得る。
【0021】
[0021] 第1の糸は、布地の約45重量%~約75重量%を含み得る。
【0022】
[0022] 第1の糸は、布地の約55重量%~約65重量%を含み得る。
【0023】
[0023] 第1の糸は、布地の約60重量%~61重量%を含み得る。
【0024】
[0024] 第2の糸は、フィラメント糸であり得る。
【0025】
[0025] 第2の糸は、100%のスパンデックスを含み得るか、又はこれからなり得る。
【0026】
[0026] 第2の糸のスパンデックスは、約20デニール~約70デニールであり得る。
【0027】
[0027] 第2の糸のスパンデックスは、約15デニール~約35デニールであり得る。
【0028】
[0028] 第2の糸のスパンデックスは、約20デニール~約30デニールであり得る。
【0029】
[0029] 第2の糸のスパンデックスは、約20デニール又は約30デニールであり得る。
【0030】
[0030] 第2の糸は、布地の約4重量%~約12重量%、又は約2.5重量%~約10重量%を含み得る。
【0031】
[0031] 第2の糸は、布地の約5重量%を含み得る。
【0032】
[0032] 第3の糸は、フィラメント糸であり得る。
【0033】
[0033] 第3の糸は、100%のポリエステルを含み得るか、又はこれからなり得る。
【0034】
[0034] 第3の糸のポリエステルは、約20デニール~約80デニールであり得る。
【0035】
[0035] 第3の糸のポリエステルは、約45デニール~約55デニールであり得る。
【0036】
[0036] 第3の糸のポリエステルは、50デニールであり得る。
【0037】
[0037] 第3の糸は、布地の約20重量%~約50重量%を含み得る。
【0038】
[0038] 第3の糸は、布地の約30重量%~約40重量%を含み得る。
【0039】
[0039] 第3の糸は、布地の約34重量%~35重量%を含み得る。
【0040】
[0040] 第2の糸は、第1の糸と第3の糸の間に編み合わされることができる。
【0041】
[0041] 第1、第2及び第3の糸は、層として存在し得る。
【0042】
[0042] 第1の糸は、下層を形成し得、第2の糸は、中間層を形成し得、第3の糸は、上層を形成し得る。
【0043】
[0043] 布地は、3つの層からなり得る。
【0044】
[0044] 布地は、シングルジャージ、ピケ、ポインテル、ダブルニット、ジャカード、又はテリーであり得る。
【0045】
[0045] 第1の態様の実施形態では、本発明は、
約16重量%のモダールと約84重量%のポリエステルの繊維ブレンドを含むか、又はこれからなる60のシングルカウントの紡績糸である下糸と、
20デニールの100%のスパンデックスを含むか、又はこれからなるフィラメント糸である中間糸と、
50デニールの100%のポリエステルを含むか、又はこれからなるフィラメント糸である上糸と、
を含むか、又はこれらからなる布地を提供し、この場合、繊維ブレンドにおけるポリエステルは、X字型、M字型、I字型、ハニカム型、Y字型、U字型又はO字型である断面を有し、これにより、毛細管現象を促進する下糸の長さに沿った複数の空間を作り出す。
【0046】
[0046] この実施形態では、上糸は、布地の約35重量%を含み得、中間糸は、布地の約5重量%を含み得、下糸は、布地の約60重量%を含み得る。
【0047】
[0047] この実施形態では、布地は、単一のジャージであり得る。
【0048】
[0048] 第1の態様の別の実施形態では、本発明は、
約16重量%のモダールと約84重量%のポリエステルの繊維ブレンドを含むか、又はこれからなる60のシングルカウントの紡績糸である下糸と、
30デニールの100%のスパンデックスを含むか、又はこれからなるフィラメント糸である中間糸と、
50デニールの100%のポリエステルを含むか、又はこれからなるフィラメント糸である上糸と、
を含むか、又はこれらからなる布地を提供し、この場合、繊維ブレンドにおけるポリエステルは、X字型、M字型、I字型、ハニカム型、Y字型、U字型又はO字型の断面を有し、これにより、毛細管現象を促進する下糸の長さに沿った複数の空間を作り出す。
【0049】
[0049] この実施形態では、上糸は、布地の約35重量%を含み得、中間糸は、布地の約5重量%を含み得、下糸は、布地の約60重量%を含み得る。
【0050】
[0050] この実施形態では、布地はピケであり得る。
【0051】
[0051] 第1の態様の別の実施形態では、本発明は、
約16%のモダールと約84%のポリエステルの繊維ブレンドを含むか、又はこれからなる60のシングルカウントの紡績糸である下糸と、
20デニールの100%のスパンデックスを含むか、又はこれからなるフィラメント糸である中間糸と、
50デニールの100%のポリエステルを含むか、又はこれからなるフィラメント糸である上糸と、
を含むか、又はこれらからなる布地を提供し、この場合、繊維ブレンドにおけるポリエステルは、X字型、M字型、I字型、ハニカム型、Y字型、U字型又はO字型の断面を有し、これにより、毛細管現象を促進する下糸の長さに沿った複数の空間を作り出す。
【0052】
[0052] この実施形態では、上糸は、布地の約34.5重量%を含み得、中間糸は、布地の約5重量%を含み得、下糸は、布地の約60.5重量%を含み得る。
【0053】
[0053] この実施形態では、布地は、ポインテルであり得る。
【0054】
[0054] 第1の態様の更に別の実施形態では、本発明は、
約9%のモダールと約91%のポリエステルの繊維ブレンドを含むか、又はこれからなる50のシングルカウントの紡績糸である下糸と、
20デニールの100%のスパンデックスを含むか、又はこれからなるフィラメント糸である中間糸と、
50デニールの100%のポリエステルを含むか、又はこれからなるフィラメント糸である上糸と、を含むか、又はこれらからなる布地を提供し、この場合、繊維ブレンドにおけるポリエステルは、X字型、M字型、I字型、ハニカム型、Y字型、U字型又はO字型の断面を有し、これにより、毛細管現象を促進する下糸の長さに沿った複数の空間を作り出す。
【0055】
[0055] この実施形態では、上糸は、布地の約30.4重量%を含み得、中間糸は、布地の約4.7重量%を含み得、下糸は、布地の約61.9重量%を含み得る。
【0056】
[0056] この実施形態では、布地は、ジャージであり得る。
【0057】
[0057] 第2の態様では、本発明は、第1の態様の布地から作製される場合の衣類又は家庭用繊維製品の物品を提供する。
【0058】
[0058] 衣類は、シャツ、ランニングシャツ、ジャージ、パジャマ、マイヨ、フリース、ショートパンツ、パンツ、フード、ランニングハット、スカルキャップ、ヘルメットライナー、マスク、ヘッドバンド、又は靴下であり得る。
【0059】
[0059] 家庭用繊維製品は、タオル、寝具、クッション、ソファ、又は家具であり得る。
【0060】
定義
[0060] 本明細書を通して、文脈上別段の必要がない限り、「~を含む(comprise)」という語、又は「~を含む(comprises)」又は「~を含む(comprising)」などの変形形態は、指定された要素、整数又は工程、又は要素の群、複数の整数又は工程を含むことを意味すると理解されるが、任意の他の要素、整数又は工程、又は要素の群、複数の整数又は工程を除外することはない。従って、本明細書の文脈において、「~を含む(comprising)」という用語は、「主に、~を含む、しかし必ずしもそれだけではない」を意味する。
【0061】
[0061] 本明細書の文脈において、「1つの(a)」及び「1つの(an)」という用語は、本明細書では、冠詞の文法的目的の1つ又は複数(即ち、少なくとも1つ)を指すために使用される。例として、「要素」は、1つの要素又は複数の要素を意味する。
【0062】
[0062] 「約」という用語は、同じ機能又は結果を達成するという文脈において記載された値と同等であると当業者が見なすであろう数の範囲を指すと理解される。
【0063】
[0063] 本明細書の文脈において、「糸」という用語は、繊維製品材料を作成することができる連続した長さの噛み合わされた繊維を意味すると理解される。
【0064】
[0064] 本明細書の文脈において、「フィラメント糸」という用語は、各フィラメントが糸の全長に渡って延びるフィラメントの形態の1つ以上の連続繊維からなる糸を意味すると理解される。
【0065】
[0065] 本明細書の文脈において、「紡績糸」という用語は、連続ストランドを形成するために一緒に撚られる又は紡がれるステープルの長さの繊維を意味すると理解される。
【0066】
[0066] 本明細書の文脈において、「ステープルの長さ」という用語は、繊維の群の平均の長さを指し、繊維の元のものに依る。綿又は羊毛などの天然繊維は、各ステープルにおける長さの範囲を有するため、ステープルの長さは平均である。特定の長さに切断された合成繊維の場合、ステープルの長さは、全ての繊維で同じである。
【0067】
[0067] 本明細書の文脈において、「デニール」という用語は、繊維の9000メートル当たりの質量(グラム単位)として定義される繊維の線形質量密度(linear mass density)の測定単位を指す。
【図面の簡単な説明】
【0068】
[0068] 以下、本発明の実施形態は、添付の図面のみを参照して例として記載される。
図1】M字型の断面を有するポリエステル繊維の倍率100倍の顕微鏡画像。
図2】I字型の断面を有するポリエステル繊維の倍率100倍の顕微鏡画像。
図3】ハニカム型の断面を有するポリエステル繊維の倍率100倍の顕微鏡画像。
図4】Y字型の断面を有するポリエステル繊維の倍率100倍の顕微鏡画像。
図5】U字型の断面を有するポリエステル繊維の倍率100倍の顕微鏡画像。
図6】O字型の断面を有するポリエステル繊維の倍率100倍の顕微鏡画像。
図7】X字型の断面を有するポリエステル繊維の倍率100倍の顕微鏡画像。
図8】ポリエステル繊維のX字型断面を示す、本発明の一実施形態による繊維ブレンドの断面。
図9】第2の糸が第1の糸と第3の糸の間に編み合わされている本発明の一実施形態による編み布地。
図10】本発明の一実施形態による3層の3つ編み(tri-knit)ピケ布地。
図11】本発明の一実施形態による3層の3つ編みピケ布地の倍率100倍の顕微鏡画像。
図12】本発明の一実施形態による3層の3つ編みシングルジャージ布地。
図13】本発明の一実施形態による3層の3つ編みシングルジャージ布地の倍率100倍の顕微鏡画像。
図14】本発明の一実施形態による3層の3つ編みポインテル布地。
図15】本発明の一実施形態による3層の3つ編みポインテル布地の倍率100倍の顕微鏡画像。
図16】本発明による3層の3つ編みジャージ布地の一実施形態の概略図。
図17】本発明による3層の3つ編みジャージ布地の一実施形態の顕微鏡画像。(A)前面。(B)前面の端部。(C)裏面。(D)裏面の端部。
【発明を実施するための形態】
【0069】
[0069] 一態様では、本発明は、
モダールとポリエステルの繊維ブレンドを含む第1の糸と、
スパンデックスを含む第2の糸と、
ポリエステルを含む第3の糸と、
を含むか、又はこれらからなる布地を提供する。
【0070】
[0070] いくつかの実施形態では、第1の糸は、紡績糸であり得る。紡績糸は、約10~約100のシングルカウント、又は約20~約90のシングルカウント、又は約30~約80のシングルカウント、又は約40~約70のシングルカウント、又は約50~約70のシングルカウント、又は約55~約65のシングルカウント、又は約60のシングルカウントを有し得る。
【0071】
[0071] モダールは、約1%~約40%、又は約1%~約30%、又は約5%~約30%、又は約5%~約35%、又は約5%~約25%、又は約5%~約20%、又は約10%~約20%、又は約7.5%~約20%、又は約14%~約18%、又は約16重量%の量で繊維ブレンドに存在し得る。
【0072】
[0072] ポリエステルは、約60%~約99%、又は約70%~約99%、又は約70%~約95%、又は約65%~約95%、又は約75%~約95%、又は約80%~約95%、又は約70%~約90%、又は約75%~約90%、又は約80%~約90%、又は約82重量%~約86重量%、又は約84重量%の量で繊維ブレンドに存在し得る。繊維ブレンドにおけるポリエステルは、再利用されたポリエステルであり得る。
【0073】
[0073] 一実施形態では、ポリエステルは、繊維ブレンドに約70重量%~約95重量%の量で存在し得、モダールは、繊維ブレンドに約1重量%~約30重量%の量で存在し得る。
【0074】
[0074] 第1の糸は、布地の約45重量%~約75重量%、又は約55重量%~約65重量%、又は約59重量%~約61重量%、又は約60重量%を含み得る。
【0075】
[0075] いくつかの実施形態では、第2の糸は、フィラメント糸であり、100%のスパンデックスを含み得るか、又はこれからなり得る。スパンデックスは、布地に弾力性を与える。第2の糸のスパンデックスは、約20デニール~約70デニール、又は約15デニール~約45デニール、又は約15デニール~約35デニール、又は約20デニール~約40デニール、又は約20デニール~約30デニールであり得る。
【0076】
[0076] 第2の糸は、布地の約4重量%~約12重量%、又は約2.5重量%~約10重量%、又は約2.5重量%~約7.5重量%、又は約5重量%を含み得る。
【0077】
[0077] 第3の糸は、フィラメント糸であり得、100%のポリエステルを含み得る、又はこれからなり得る。いくつかの実施形態では、第3の糸のポリエステルは、約20デニール~約80デニール、又は約30デニール~約75デニール、又は約35デニール~約65デニール、又は約45デニール~約55デニール、又は約47デニール~約53デニール、又は約50デニールであり得る。ポリエステルは、再利用されたポリエステルであり得る。
【0078】
[0078] 第3の糸は、布地の約20重量%~約50重量%、又は約30重量%~約40重量%、又は約35重量%を含み得る。
【0079】
[0079] 第1、第2及び第3の糸は、層として存在し得る。いくつかの実施形態では、第1の糸は、下層を形成し得、第2の糸は、中間層を形成し得、第3の糸は、上層を形成し得る。衣類の物品の一部である場合、下層は、着用者の皮膚と接触することが意図されている。いくつかの実施形態では、繊維ブレンドのポリエステルは、X字型、M字型、I字型、ハニカム型、Y字型、U字型、又はO字型の断面を有し得る。これらの断面構成は、第1の糸の長さに沿った複数の空間を作り出す(図1~8を参照されたい)。複数の空間は、汗などの液体を、着用者の皮膚から繊維の長さに沿って下層の上部まで引き込むことができる毛細管現象を促進する。また、断面積は、繊維の表面積を最大化し得、これにより、布地の乾燥時間を短縮する。更にまた、繊維の通気性は、着用者を新鮮で涼しく保つのを助けるために、熱い空気を放出するのを助けることができる。汗が下層の上部に移動すると、これは中間層を通って移動し、次いで上層に移動し、そこで環境に放射される。これらの実施形態では、通常は疎水性のポリエステル繊維は、これらの断面構造を変えることによって親水性にされる。
【0080】
[0080] また、ポリエステル繊維間に作られた空間に存在する汗は、良好な熱伝導体として機能することができる。結果として、熱の抽出速度が向上し、閉じ込められた熱に起因する更なる汗を防止又は最小限に抑える。
【0081】
[0081] モダールは親水性であるため、皮膚から汗を引き出すのを助ける。また、モダールの存在は、ポリエステル繊維間に作られた空間への汗の侵入を助けることができる。また、モダールの親水性は、汗を吸収し、半径方向にて外側に分散させることができ、これにより、汗の上層への輸送速度を増加させるために、下層の広い領域を湿潤させる。モダールは親水性が高いため、皮膚からの汗の除去の速度を劇的に高めるために、下層には、比較的少量(例えば、約15%~20%)だけが必要とされ得る。モダールを含むことに関連する更なる利点は、ポリエステルの一般的な粘着性の感触を相殺して、着用者に柔らかく/絹のような感触を提供することができ、その曇った外観が着用者の皮膚への望ましくない熱の反射を最小限に抑えることである。
【0082】
[0082] 第3の糸が上層として存在する場合、ポリエステルは、大きな外面を形成し、これにより、外面に達する汗が、空気の移動又は一般的な蒸発のいずれかによって効率的に蒸発することを可能にする。ポリエステルを上層として使用する別の利点は、衣類製造業者が簡単に装飾できることである。
【0083】
[0083] いくつかの実施形態では、第2の糸は、第1の糸と第3の糸の間に編み合わされることができる(図9を参照されたい)。
【0084】
[0084] 本発明による布地は、3本糸編み方法(three-thread knitting method)によって調製することができる。いくつかの実施形態では、布地は、以下の工程:
(i)原料を3本糸フィーダーを用いて編んで、第1、第2、及び第3の糸を含む生糸を得ることと、
(ii)(i)で編まれた布地において、例えば、約20~25ヤードの機械速度及び約190℃~約200℃の温度でステンター(stenter)仕上げを行うことと、
(iii)工程(ii)に従って得られた布地を染色し、続いて平幅(flat-width)布地乾燥機で脱水及び乾燥することと、
(iv)工程(iii)に従って得られた布地のステンター仕上げを、例えば、約18ヤード~22ヤードの機械速度及び約145℃~約155℃の温度で行い、完成した布地製品を得ることと、
を含む方法によって調製することができる。
【実施例
【0085】
実施例1:3層の3つ編みピケ布地の調製
[0085] 以下の組成を有する3層の3つ編みピケ布地を調製した:
・50デニールの100%のポリエステルからなるフィラメント糸である上糸、
・30デニールの100%のスパンデックスからなるフィラメント糸である中間糸、
・16重量%のモダールと84重量%のポリエステルとを含む繊維ブレンドからなる60のシングルカウントの紡績糸である下糸、この場合、ポリエステルは、X字型の断面を有する、
・上糸は、布地の35重量%であり、中間糸は、布地の5重量%であり、下糸は、布地の60重量%である、
・布地は、86%のポリエステル、9%のモダール、及び5%のスパンデックスからなる。
【0086】
[0086] 布地を調製するために使用された方法は、段落[0084]で上述された方法に従った。
【0087】
[0087] 布地の構造は、図10及び11に例示される。
【0088】
[0088] 布地の水蒸気抵抗(ISO 11092:2014)は、以下の表1に示された詳細に従って試験された。
【0089】
【表1】
【0090】
[0089] 結果を以下の表2に示す。
【0091】
【表2】
【0092】
[0090] 布地の乾燥時間は、米国繊維化学技術・染色技術協会(American Association of TextileChemists)(AATCC)199-2013を使用して決定し、結果を以下の表3に示す。
【0093】
【表3】
【0094】
[0091] 布地の垂直発散能力は、AATCC197、オプションBを使用して決定し、結果を以下の表4に示す。
【0095】
【表4】
【0096】
[0092] 布地の吸収性は、AATCC79-14を使用して決定し、結果を以下の表5に示す。
【0097】
【表5】
【0098】
実施例2:3層の3つ編みシングルジャージ布地の調製
[0093] 以下の組成を有する3層の3つ編みシングルジャージ布地を調製した:
・50デニールの100%のポリエステルからなるフィラメント糸である上糸、
・20デニールの100%のスパンデックスからなるフィラメント糸である中間糸、
・16重量%のモダールと84重量%のポリエステルとを含む繊維ブレンドからなる60のシングルカウントの紡績糸である下糸、この場合、ポリエステルは、X字型の断面を有する、
・上糸は、布地の35重量%であり、中間糸は、布地の5重量%であり、下糸は、布地の60重量%である、
・布地は、86%のポリエステル、9%のモダール、及び5%のスパンデックスからなる。
【0099】
[0094] 布地を調製するために使用された方法は、段落[0084]で上述された方法に従った。
【0100】
[0095] 布地の構造を図12及び13に例示する。
【0101】
[0096] 布地の水蒸気抵抗(ISO 11092:2014)は、上記の表1に示されるパラメータに従って試験した。結果を以下の表6に示す。
【0102】
【表6】
【0103】
[0097] 布地の乾燥時間は、AATCC199-2013を使用して決定し、結果を以下の表7に示す。
【0104】
【表7】
【0105】
[0098] 布地の垂直発散能力は、AATCC197、オプションBを使用して決定し、結果を以下の表8に示す。
【0106】
【表8】
【0107】
[0099] 布地の吸収性は、AATCC79-14を使用して決定し、結果を以下の表9に示す。
【0108】
【表9】
【0109】
[0100] 布地の吸収性、乾燥時間、垂直発散性、及び水蒸気抵抗を、Nike製の一般的に使用されている100%のポリエステルの編まれた速乾性ジャージと比較した。各試験の結果を、表10に要約する。
【0110】
【表10】
【0111】
[0101] 表11に示すように、水蒸気抵抗試験を実施した。
【0112】
【表11】
【0113】
[0102] 表10の結果から、本発明の布地は、Nikeのジャージと比較して、より速く乾燥し、より良好な発散性、及びより小さい水蒸気抵抗を与えることが分かる。
【0114】
[0103] また、布地の吸収性及び発散性を、Adidas製の一般的に使用されているCLIMACHILL布地と比較した。結果を表12に要約する。本発明の布地は、複数回の洗浄後を含めて、優れた吸収性及び発散性を与えることが分かる。
【0115】
【表12】
【0116】
実施例3:3層の3つ編みポインテル布地の調製
[0104] 以下の組成を有する3層の3つ編みポインテル布地を調製した。
・50デニールの100%のポリエステルからなるフィラメント糸である上糸
・20デニールの100%のスパンデックスからなるフィラメント糸である中間糸
・16重量%のモダールと84重量%のポリエステルとを含む繊維ブレンドからなる60のシングルカウントの紡績糸である下糸、この場合、ポリエステルは、X字型の断面を有する、
・上糸は、布地の34.5重量%であり、中間糸は、布地の5重量%であり、下糸は、布地の60.5重量%である。
・布地は、85%のポリエステル、10%のモダール、及び5%のスパンデックスからなる。
【0117】
[0105] 布地を調製するために使用された方法は、段落[0084]で上述された方法に従った。
【0118】
[0106] 布地の構造を図14及び15に例示する。
【0119】
[0107] 布地の水蒸気抵抗(ISO 11092:2014)は、上記の表1に示されたパラメータに従って試験した。結果を以下の表13に示す。
【0120】
【表13】
【0121】
[0108] 布地の乾燥時間は、AATCC199-2013を使用して決定し、結果を以下の表14に示す。
【0122】
【表14】
【0123】
[0109] 布地の垂直発散能力は、AATCC197、オプションBを使用して決定し、結果を以下の表15に示す。
【0124】
【表15】
【0125】
[0110] 布地の吸収性は、AATCC79-14を使用して決定し、結果を以下の表16に示す。
【0126】
【表16】
【0127】
実施例4:3層の3つ編みジャージ布地の調製と機能特性
[0111] 以下の組成を有する3層の3つ編みジャージ布地を調製した:
・50デニールの36穴(36F)の100%の再利用されたポリエステルからなるフィラメント糸である上糸。上糸は、布地の30.4重量%を占めている。
・20デニールの100%のスパンデックスからなるフィラメント糸である中間糸。中間糸は、布地の4.7重量%を占めている。
・9重量%のモダールと91重量%のO字型の断面の発散された再利用されたポリエステルとを含む繊維ブレンドからなる50のシングルカウント(50s)の紡績糸である下糸。下糸は、布地の64.9重量%を占めている。O字型の断面とは別に、例えば、M字型、I字型、ハニカム型、Y字型、U字型などの異なる型の再利用されたポリエステル断面を採用することができることが理解されよう。
・布地は、89%の再利用されたポリエステル、6%のモダール、及び5%のスパンデックスからなる。
【0128】
[0112] 布地を調製するために使用された方法は、段落[0084]で上述された方法に従った。布地の構造を図16及び17に例示する。
【0129】
[0113] 表17に示すように、水蒸気抵抗は、ISO 11092:2014に従って試験した。布地の平均水蒸気抵抗(Ret)は、3.69(m・Pa)/Wであると測定された。
【0130】
【表17】
【0131】
[0114] 布地の乾燥時間は、AATCC TM199-2018(乾燥温度37℃、終点:試験片の元の乾燥重量まで、20℃、65%RHで測定)に従って決定した。結果を表18に示す。
【0132】
【表18】
【0133】
[0115] 布地の垂直発散能力は、AATCC197-2018、オプションBに従って決定した。布地の表面側が試験され、結果を表19に示す。
【0134】
【表19】
【0135】
[0116] 布地の吸収性は、AATCC TM 79-2018に従って決定し、平均して、水滴はほとんどすぐに消えた。
【0136】
[0117] 3つ編み布地は、表20に示されているものを含め、異なる組成及びサイズを含み得ることが理解されよう。
【0137】
【表20】
【0138】
[0118] 本発明は、特定の実施形態を参照して説明されてきたが、本発明が多くの他の形態で具現化され得ることが当業者によって理解されるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図17C
図17D