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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】内容物容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 51/28 20060101AFI20221024BHJP
   B65D 51/22 20060101ALI20221024BHJP
【FI】
B65D51/28 100
B65D51/22 100
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021520211
(86)(22)【出願日】2021-03-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-29
(86)【国際出願番号】 KR2021003349
(87)【国際公開番号】W WO2021194160
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2021-06-07
(31)【優先権主張番号】10-2020-0037081
(32)【優先日】2020-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521146805
【氏名又は名称】コルマー ビーエヌエイチ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】KOLMAR BNH CO., LTD
【住所又は居所原語表記】22,Techno 3-ro,Yuseong-gu Daejeon 34012,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】イ、チャン ス
(72)【発明者】
【氏名】アン、グ ソプ
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジョン ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ハン、サン イン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ヘ ジン
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/135065(WO,A1)
【文献】特開2007-076738(JP,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2018-0002032(KR,U)
【文献】韓国登録特許第10-1525862(KR,B1)
【文献】特開2007-269403(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 51/28
B65D 51/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物容器であって、
液相内容物を収容する容器部と;
前記容器部に着脱可能に結合し、内側において固相内容物を収容する第1収容部と、加圧によって移動する加圧部と、を有する上キャップと;
前記容器部の内側に挿入され、第2収容部を形成する収容管と、前記収容管の外側に形成されて前記容器部と連通する複数の連通穴と、を有する下キャップと;
を備え、
前記上キャップを加圧することにより、前記固相内容物が前記第1収容部から前記第2収容部に移動し、
前記収容管の上端が前記上キャップの底面に密着して前記第2収容部を密閉する
ことを特徴とする内容物容器。
【請求項2】
前記加圧部は、少なくとも一部が外部に露出されて前記加圧が加えられ、
前記加圧部の移動によって前記第1収容部が開放されて前記固相内容物が前記第2収容部に移動する
請求項1に記載の内容物容器。
【請求項3】
前記加圧部は、水平方向に形成されて前記加圧を受ける加圧壁と、前記加圧壁から下向きに形成され、傾斜端部を有する支持管と、を備え、
前記加圧部の移動に際して、前記傾斜端部が前記第1収容部の底面を切断して前記第1収容部を開放する
請求項2に記載の内容物容器。
【請求項4】
前記傾斜端部は、前記底面の一部のみを切断することにより、前記底面が前記上キャップから分離されて前記第2収容部に移動することを防止する
請求項3に記載の内容物容器。
【請求項5】
前記加圧部の少なくとも一部は、透明または半透明の材質で形成されて、前記加圧部を通して前記第1収容部の内部が投影される
請求項1に記載の内容物容器。
【請求項6】
前記第2収容部に移動した前記固相内容物と前記容器部の前記液相内容物とは、前記収容管により遮断される
請求項1に記載の内容物容器。
【請求項7】
前記固相内容物が前記第1収容部に位置した状態で前記上キャップが前記容器部から分離されると、前記上キャップを加圧することで前記固相内容物が前記第1収容部から外部に排出される
請求項1に記載の内容物容器。
【請求項8】
前記固相内容物が前記第2収容部に移動した後、前記上キャップが前記容器部から分離されると、前記第2収容部および前記連通穴が開放されて、前記固相内容物および前記液相内容物が外部に露出される
請求項1に記載の内容物容器。
【請求項9】
前記第2収容部は、前記第1収容部の下側に位置し、前記第1収容部に対するエアポケットとして機能する
請求項1に記載の内容物容器。
【請求項10】
前記下キャップは、前記容器部の先端部に結合する係止部を有する外枠と、前記外枠と前記収容管とを連結し、前記連通穴を形成するブリッジと、をさらに備える
請求項1に記載の内容物容器。
【請求項11】
前記上キャップは、前記容器部の先端部の外側に着脱可能に結合する内キャップと、前記内キャップの外側に結合し、内側に前記加圧部を収容する外キャップと、をさらに備える
請求項1に記載の内容物容器。
【請求項12】
前記外キャップは、内側に貫通領域が形成される上壁と、前記上壁の周りに沿って下向きに延設され、前記内キャップと密着する外側壁と、前記貫通領域の周りに沿って下向きに延設され、内側に前記加圧部が配置されて前記加圧部の移動をガイドする保護管と、を備える
請求項11に記載の内容物容器。
【請求項13】
前記外キャップには、前記加圧部の位置を維持するために、前記加圧部の上面および下面にそれぞれ接する上側係止突起および下側係止突起が形成される
請求項11に記載の内容物容器。
【請求項14】
前記内キャップは、前記容器部と結合する内側壁と、前記内側壁から内向きに延在し、前記収容管と接して前記第2収容部を密閉する密閉部と、前記密閉部の上向きに延在して前記第1収容部の一部を形成し、前記加圧部の移動をガイドし、前記加圧部の移動範囲を制限する案内管と、を備える
請求項11に記載の内容物容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物容器に係り、具体的には、固相内容物と液相内容物を同時又は個別に利用できる内容物容器に関する。
【背景技術】
【0002】
ビタミン、乳酸菌などの健康補助食品は、粉末や錠剤のような剤形で提供されるので、飲み物と一緒に摂取するのが通常である。しかしながら、この場合、使用者は、健康補助食品と飲料容器を別々に備え、摂取時にもそれぞれ開放して摂取しなければならないという点で不便があった。
【0003】
これを解決するために、飲料容器の栓に健康補助食品を一緒に保管する飲料容器が提案された。このような飲料容器では、健康補助食品が容器内の飲料とは別に保管されるものの、緊密な密閉が提供されず、内容物が互いに混合したり、変質したりするという問題が頻繁に発生した。特にビタミンや乳酸菌などのように外部環境に脆弱な内容物の場合、飲料が直接的に触れずとも湿度によって変質しやすいという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記問題を解決するためのものであり、固相内容物と液相内容物を同時又は個別に利用できる内容物容器を提供することを目的とする。
【0005】
本発明の技術的課題は、上述した技術的課題に何ら制限されるものではなく、未言及の他の技術的課題は、次の記載から本発明が属する当業者にとって明らかに理解できる筈である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係る内容物容器が提供される。内容物容器は、液相内容物を収容する容器部と;前記容器部に着脱可能に結合し、内側において固相内容物を収容する第1収容部と、加圧によって移動する加圧部と、を有する上キャップと;前記容器部の内側に挿入され、第2収容部を形成する収容管と、前記収容管の外側に形成されて前記容器部と連通する複数の連通穴と、を有する下キャップと;を備え、前記上キャップを加圧することにより、前記固相内容物が前記第1収容部から前記第2収容部に移動してもよい。
【0007】
また、前記加圧部は、少なくとも一部が外部に露出されて前記加圧が加えられ、前記加圧部の移動によって前記第1収容部が開放されて前記固相内容物が前記第2収容部に移動してもよい。
【0008】
さらに、前記加圧部は、水平方向に形成されて前記加圧を受ける加圧壁と、前記加圧壁から下向きに形成され、傾斜端部を有する支持管と、を備え、前記加圧部の移動に際して、前記傾斜端部が前記第1収容部の底面を切断して前記第1収容部を開放してもよい。
【0009】
さらにまた、前記傾斜端部は、前記底面の一部のみを切断することにより、前記底面が前記上キャップから分離されて前記第2収容部に移動することを防止してもよい。
【0010】
さらにまた、前記加圧部の少なくとも一部は、透明または半透明の材質で形成されて、前記加圧部を通して前記第1収容部の内部が投影されてもよい。
【0011】
さらにまた、前記第2収容部に移動した前記固相内容物と前記容器部の前記液相内容物とは、前記収容管により遮断されてもよい。
【0012】
さらにまた、前記固相内容物が前記第1収容部に位置した状態で前記上キャップが前記容器部から分離されると、前記上キャップを加圧することで前記固相内容物が前記第1収容部から外部に排出されてもよい。
【0013】
さらにまた、前記固相内容物が前記第2収容部に移動した後、前記上キャップが前記容器部から分離されると、前記第2収容部および前記連通穴が開放されて、前記固相内容物および前記液相内容物が外部に露出されてもよい。
【0014】
さらにまた、前記第2収容部は、前記第1収容部の下側に位置し、前記第1収容部に対するエアポケットとして機能してもよい。
【0015】
さらにまた、前記収容管の上端が前記上キャップの底面に密着して前記第2収容部を密閉してもよい。
【0016】
さらにまた、前記下キャップは、前記容器部の先端部に結合する係止部を有する外枠と、前記外枠と前記収容管とを連結し、前記連通穴を形成するブリッジと、をさらに備えていてもよい。
【0017】
さらにまた、前記上キャップは、前記容器部の先端部の外側に着脱可能に結合する内キャップと、前記内キャップの外側に結合し、内側に前記加圧部を収容する外キャップと、をさらに備えていてもよい。
【0018】
さらにまた、前記外キャップは、内側に貫通領域が形成される上壁と、前記上壁の周りに沿って下向きに延設され、前記内キャップと密着する外側壁と、前記貫通領域の周りに沿って下向きに延設され、内側に前記加圧部が配置されて前記加圧部の移動をガイドする保護管と、を備えていてもよい。
【0019】
さらにまた、前記外キャップには、前記加圧部の位置を維持するために、前記加圧部の上面および下面にそれぞれ接する上側係止突起および下側係止突起が形成されてもよい。
【0020】
さらにまた、前記内キャップは、前記容器部と結合する内側壁と、前記内側壁から内向きに延在し、前記収容管と接して前記第2収容部を密閉する密閉部と、前記密閉部の上向きに延在して前記第1収容部の一部を形成し、前記加圧部の移動をガイドし、前記加圧部の移動範囲を制限する案内管と、を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、内容物容器内において固相内容物が液相内容物とは別に保管されるため、固相内容物が液相内容物により溶けたり変質したりすることを防止することができる。
【0022】
また、本発明によれば、固相内容物を第1収容部に収容するものの、第1収容部の下端に密閉状態の第2収容部を備えることで、第2収容部が第1収容部に対してエアポケットとして機能しつつ、湿度や温度などから固相内容物を保護する役目を果たすことができる。特に、ビタミンや乳酸菌などの外部環境に脆弱な固相内容物をより安全に保管することができる。
【0023】
さらに、本発明によれば、上キャップの一部を透明または半透明の材質で形成し、その内部に固相内容物を収容することにより、使用者が固相内容物を肉眼で観察することができる。
【0024】
さらにまた、本発明によれば、上キャップを加圧することにより、第1収容部内の固相内容物を第2収容部に移動させることができる。上キャップが分離されると、第2収容部が開放されて固相内容物および液相内容物を同時に使用者に提供することができる。
【0025】
さらにまた、本発明によれば、固相内容物が収容された上キャップを分離し、加圧部を移動させて固相内容物を排出することにより、液相内容物とは別に固相内容物を使用者に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施形態に係る内容物容器の斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る内容物容器の断面図である。
図3】本発明の実施形態に係る内容物容器の分解斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係る内容物容器の分解断面図である。
図5】本発明の実施形態に係る内容物容器の動作状態図である。
図6】本発明の実施形態に係る内容物容器の動作状態図である。
図7】本発明の実施形態に係る内容物容器の動作状態図である。
図8】本発明の実施形態に係る内容物容器の動作状態図である。
図9】本発明の実施形態に係る内容物容器の組立工程図である。
図10】本発明の実施形態に係る内容物容器の組立工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の詳細な説明の欄において引用される図面をより十分に理解するために、各図面についての簡単な説明が提供される。
【0028】
また、添付図面に記載の内容物を参照し、本発明に係る例示的な実施形態について詳細に説明する。各図面で提示された同一参照番号または符号は、実質的に同一機能を遂行する部品または構成要素を示す。以下に記載される便宜上の上下左右の方向は、図面を基準としたものであり、当該方向に本発明の権利範囲が必ずしも限定されるものではない。
【0029】
第1、第2などのように序数を含む用語は、様々な構成要素を説明するために使用できるが、前記構成要素は、前記用語により限定されものではない。前記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別するための目的のみで使用される。例えば、本発明の権利範囲を脱しない範囲で、第1構成要素は第2構成要素と命名することができ、同様に第2構成要素も第1構成要素と命名することができる。「および/または」という用語は、複数の関連項目の組み合わせまたは複数の関連項目のうちのいずれかの項目を含む。
【0030】
本明細書で使用した用語は、実施形態を説明するために使用されたもので、本発明を限定する意図はない。単数の表現は、文脈上明らかに異なるものを意味しない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「備える(含む)」、または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しない。
【0031】
明細書の全般に亘って、ある部分が他の部分と「連結」されているとしたとき、これは、「直接的に連結」されている場合だけではなく、これらの間に他の素子を挟んで「間接的に連結」されている場合も含む。明細書の全般に亘って、ある部分がある構成要素を「備える(含む)」としたとき、これは、特に断りのない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含んでいてもよいということを意味する。
【0032】
図1は、本発明の実施形態に係る内容物容器の斜視図であり、図2は、本発明の実施形態に係る内容物容器の断面図であり、図3は、本発明の実施形態に係る内容物容器の分解斜視図であり、図4は、本発明の実施形態に係る内容物容器の分解断面図である。
【0033】
図1から図4を参照すると、内容物容器1000は、容器部100と、上キャップ200と、下キャップ300と、を備えていてもよい。
【0034】
容器部100は、上側が開放されており、内部に収容空間が形成されてもよい。収容空間には液相内容物を収容してもよい。液相内容物は、例えば、清涼飲料水、水、コーヒー、ヨーグルト、および牛乳などの飲料内容物であってもよい。しかしながら、本発明はそれに限定されるものではなく、容器部100には、単独で又は固相内容物とともに使用できる様々な種類の液相内容物を収容してもよい。
【0035】
実施形態において、容器部100の先端部110の外側にはねじ山が形成されてもよい。容器部100は、ねじ山を介して上キャップ200と螺合してもよい。
【0036】
実施形態において、容器部100の先端部110の外側には係止溝120が形成されてもよい。係止溝120に係止部が嵌合されることにより、下キャップ300の外枠340が容器部100に結合可能である。
【0037】
上キャップ200は、容器部100の先端部110に着脱可能に結合することで容器部100内の収容空間を開閉することができる。さらに、上キャップ200は、固相内容物を収容するために内側に第1収容部210を形成してもよい。ここで、第1収容部210は、例えば、内キャップ230及び加圧部220によって形成される収容空間であってもよいが、これに限定されるものではない。固相内容物は、例えば、乳酸菌やビタミンなどの食用内容物であり、錠剤、顆粒、粉末などの剤形を有してもよい。しかしながら、本発明はそれに限定されるものではなく、第1収容部210には、単独で又は液相内容物とともに使用できる様々な種類の固相内容物を収容してもよい。
【0038】
上キャップ200の第1収容部210内の固相内容物は、使用者からの外力が加えられると、下キャップ300の第2収容部310に移動することができる。このため、上キャップ200は、使用者から外力を受けることにより下向きに移動可能な加圧部220を備えていてもよい。加圧部220は、外力を加えることができるように少なくとも一部が外部に露出されてもよく、加圧によって移動しながら第1収容部210を開くことができる。これにより、第1収容部210内の固相内容物は、第2収容部310に移動して収容される。
【0039】
実施形態において、加圧部220は、水平方向に形成され、外力を受けるために外部に露出されている加圧壁222と、加圧壁222から下向きに形成された支持管224と、を備えていてもよい。加圧部220を加圧により移動させる場合、加圧壁222の移動範囲は、内キャップ230の案内管236によって制限されてもよい。すなわち、加圧部220は、加圧壁222が案内管236と接触するまで移動することができる。移動することにより、支持管224の端部は、第1収容部210の底面の周りの少なくとも一部を切断して、第1収容部210を開いてもよい。このとき、支持管224は、案内管236によって下向きにガイドされてもよい。
【0040】
実施形態において、周りの一方の領域が他方の領域よりもさらに下向きに突出する支持管224の端部を形成してもよい。このとき、支持管224の端部のうち、突出領域(すなわち、切開領域)は、底面を切断して第1収容部210を開き、非突出領域(すなわち、加圧領域)は、底面が第1収容部210の開放を妨げないように、底面を下向きに加圧することができる。例えば、支持管224の端部は、傾斜した端部であってもよい。第1収容部210の底面の一部は、傾斜端部(すなわち、傾斜端部の切開領域など)によって切断されてもよい。一部のみが切断されるので、底面が上キャップ200から分離して第2収容部310に移動することを防止できる。
【0041】
付加的に/代替的に、支持管224の端部は、周りに沿って下向きに尖った尖頭を有し得る。このとき、支持管224の端部に形成された尖頭は、底面をより容易に切開して第1収容部210を開放することができる。このとき、尖頭は、支持管224の端部の全周に形成されてもよく、または周りの一部(例えば、切開領域など)に形成されてもよい。後者の場合、尖頭が形成された端部は、底面を切開して第1収容部210を開放するが、尖頭が形成されていない端部(例えば、加圧エリアなど)は、底面を加圧して底面が下向きに回転または屈曲できるようにする。すなわち、底面の完全な切開を防止する一方で、底面が、第1収容部210から第2収容部310に移動する固相内容物を妨げることを防止することができる。
【0042】
付加的に/代替的に、支持管224の加圧領域は、隣接する切開領域に比べて所定の距離以上離れて上側に位置することができる。加圧領域が前記離隔距離を下降する間に切開領域による切開が完了するようにして、切開領域による切開が完了する前に加圧領域が底面に接して切開を妨害することを防止できる。
【0043】
実施形態において、加圧壁222の上面は、下向きに凹状になるように形成されてもよい。凹状の上面を介して使用者からの外力をより簡単に加えることができる。
【0044】
実施形態において、加圧部220の少なくとも一部を、内部が投影されるように、透明または半透明材質で形成してもよい。すなわち、第1収容部210に位置する固相内容物を、外部に露出した加圧部220を通して肉眼で観察することができる。また、固相内容物が第1収容部210から第2収容部310に移動した後でも、上キャップ200を取り外さなくても、加圧部220を通して固相内容物を目視観察することができる。
【0045】
実施形態において、上キャップ200は、容器部100の先端部110の外側に着脱可能に結合する内キャップ230と、内キャップ230の外側に結合して、内側に加圧部220を収容する外キャップ240と、を備えていてもよい。
【0046】
実施形態において、内キャップ230は、内側壁232と、密閉部234と、案内管236と、押さえ部238と、を備えていてもよい。内側壁232は、容器部100の先端部110を取り囲むように形成されるもので、内側にねじ山が形成されて容器部100と螺合することができる。密閉部234は、内側壁232の上端から内側に向かって形成されてもよい。密閉部234の上面は、第1収容部210の底面を形成し、密閉部234の下面は、下キャップ300の収容管320と接して第2収容部310を密閉することができる。案内管236は、密閉部234の上向きに延設されてもよい。案内管236は、第1収容部210の一部を形成し、加圧部220の支持管224と内向きに接しながら加圧部220の移動をガイドすることができる。特に、案内管236は、上端が加圧壁222の底面と接触するまで加圧部220を移動させることにより、加圧部220の移動範囲を制限することができる。押え部238は、密閉部234と内側壁232との間に形成されて、係止部の上面と接することができる。内キャップ230が容器部100と結合するとき、押え部238が係止部を加圧するため、下キャップ300が容器部100に強固に結合し、係止部により液相内容物が流出することを防ぐことができる。
【0047】
実施形態において、密閉部234、すなわち、第1収容部210の底面には、加圧部220の端部に対応する切開溝が形成されてもよい。切開溝は、加圧部220の端部が底面を切開するのを容易にすることができる。このとき、切開溝は、加圧部220の端部の全周に対応するように形成されていてもよいし、加圧部220の端部の周りの一部に対応するように形成されていてもよい。後者の場合、加圧部220の端部が移動しても、切開溝が形成されていない底面の領域が切開されないようにしてもよい。すなわち、底面の完全な切開を防止する一方で、底面が、第1収容部210から第2収容部310に移動する固相内容物を妨げることを防止することができる。
【0048】
実施形態において、外キャップ240は、上壁242と、外側壁244と、保護管246と、を備えていてもよい。上壁242は、内側に貫通領域が形成されていて、加圧部220の一部が外部に露出するようにしてもよい。外側壁244は、上壁242の周りから下向きに延設されてもよい。外キャップ240の外側壁244は、内キャップ230の内側壁232と密着することで外キャップ240と内キャップ230とを一体化することができる。保護管246は、貫通領域の周りから下向きに延設され、加圧部220を内側に配置することを可能にする。外キャップ240が内キャップ230に結合するとき、保護管246の下側端部は、内キャップ230(特に、押さえ部238)の上部面により支持されてもよく、保護管246の内面には、加圧部220(例えば、加圧壁222の側面)が接して、加圧部220の移動がガイドされてもよい。
【0049】
実施形態において、外側壁244は、使用者から外力を受けることにより回転することができ、外側壁244の回転に応じて内側壁232が回転し、これにより上キャップ200と容器部100とが互いに螺合したり結合解除されたりすることができる。このため、内キャップ230及び外キャップ240は、互いに同期して回転するように結合することができる。例えば、外キャップ240の外側壁244の内面には、上下方向に少なくとも一つの結合突起が形成され、それに応じて、内キャップ230の内側壁232の外面には少なくとも一つの結合溝が形成されてもよい。
【0050】
実施形態において、外キャップ240には、加圧部220の位置を維持するために、加圧部220の上面および下面にそれぞれ接する上側係止突起248-1および下側係止突起248-2が形成されてもよい。上側係止突起248-1は、加圧部220が上方に、すなわち外側に離脱するのを防ぎ、下側係止突起248-2は、加圧部220が下向きに移動するの防ぐことができる。加圧部220に外力が加えられると、加圧部220は、下側係止突起248-2を越えて下向きに移動することができる。上側係止突起248-1および下側係止突起248-2は、下向きに移動する前の加圧部220の位置を固定するために保護管246の上側内面に形成されることが示されているが、これは例示的なものであり、保護管246内の別の位置に形成されてもよい。また、付加的に/代替的に、下向き移動した後の加圧部220の位置を固定するための上側係止突起および/または下側係止突起を備えていてもよい。
【0051】
下キャップ300は、容器部100の内側に挿置されてもよい。下キャップ300において、第2収容部310は、上側が開いている収容管320によって形成されてもよい。また、下キャップ300は、収容管320の外側に複数の連通穴330を備えており、それを通って、容器部100内の液相内容物を外部に吐出することができる。
【0052】
実施形態において、第2収容部310は、第1収容部210の下側に位置してもよい。このとき、上キャップ200の少なくとも一部は、下キャップ300と密着して第2収容部310を密閉してもよい。例えば、密閉部234の底面が収容管320の上部と密着している間、第2収容部310の開放された上部を密閉してもよい。密閉された第2収容部310は、第1収容部210に対してエアポケット(air pocket)として機能してもよい。その後、上キャップ200が容器部100から分離されると、第2収容部310の上部も開かれて、固相内容物が使用者に露出され得る。
【0053】
実施形態において、下キャップ300は、容器部100の先端部110(特に、係止溝120)に結合する係止部を有する外枠340と、外枠340と第2収容部310とを連結し、互いに離隔して複数の連通穴330を形成するブリッジ350と、を備えていてもよい。このとき、第2収容部310(特に、収容管320)を密閉することにより、液相内容物が第2収容部310に流入するか、第2収容部310の液相内容物が容器部100に流入することを防ぐことができる。
【0054】
図5から図7は、本発明の実施形態に係る内容物容器の動作状態図である。
【0055】
具体的には、図5は、液相内容物(L)および固相内容物(S)が内容物容器1000に収容されている状態を示し、図6は、内容物容器1000において上キャップ200の加圧部220を加圧した状態を示すし、図7は、内容物容器1000から上キャップ200を分離した状態を示す。
【0056】
図5を参照すると、容器部100には液相内容物(L)が収容され、上キャップ200の第1収容部210には固相内容物(S)が収容され得る。使用者は、内部に位置する固相内容物(S)を、透明または半透明の材質の加圧部220を通して肉眼で観察することができる。また、第1収容部210は、容器部100とは遮断されているため、容器部100内の液相内容物(L)により固相内容物(S)が溶けたり変質したりする問題が発生することを防止することができる。特に、第1収容部210の下側に位置する第2収容部310は、密閉状態を維持し、その結果、第2収容部310は、エアポケットとして機能し、これにより湿度や温度などから固相内容物(S)を保護することができる。特に、ビタミンや乳酸菌などの外部環境に脆弱な内容物をより安全に保管することができる。
【0057】
図6を参照すると、上キャップ200の加圧部220を加圧することにより、加圧部220を下向きに移動させることができる。このとき、加圧部220は上面が凹状であるため、使用者が指等で容易に加圧することができる。
【0058】
加圧部220は、案内管236の内面と接触している間、揺れなく下向きに移動することができる。加圧部220の移動は、加圧壁222の底面が案内管236の上端に接触するまで行われ得、加圧部220の傾斜端部は、加圧部220の移動によって第1収容部210の底面を切断することができる。
【0059】
このとき、底面の一部のみを切断することにより、底面が上キャップ200から完全に分離されて第2収容部310に移動するのを防ぐことができる。このような底面の一部切断は、案内管236による加圧部220の移動範囲の制限および加圧部220の傾斜端部により行われてもよい。
【0060】
また、収容管320は、第2収容部310と容器部100との間を遮断することにより、第2収容部310内の固相内容物(S)を密閉し続けることができる。
【0061】
図7を参照すると、固相内容物(S)が第2収容部310に移動した後に上キャップ200を除去してもよい。上キャップ200を除去することにより、第2収容部310の上端が開かれて、固相内容物(S)が外部に露出される。
【0062】
また、容器部100内の連通穴330は、第2収容部310の外側に形成されているため、液相内容物(L)が連通穴330を通って流出することができる。したがって、使用者は、容器部100を把持して飲む動作をとることで、液相内容物(L)を固相内容物(S)と一緒に摂取することができる。
【0063】
図8は、本発明の実施形態に係る内容物容器の動作状態図である。
【0064】
図8を参照すると、固相内容物(S)は、液相内容物とは別に使用者に提供され得る。このため、固相内容物(S)が第1収容部210に位置した状態において、上キャップ200を容器部100および下キャップ300から分離することができる(図8の(a)参照)。分離された上キャップ200において、加圧部220を加圧すると、加圧部220は、第1収容部210を開いて固相内容物(S)を外部に排出することができる(図8の(b)参照)。これにより、使用者は、容器部100や、容器部100に収容されている液相内容物とは関係なく、固相内容物(S)を摂取することができる。
【0065】
図9は、本発明の実施形態に係る内容物容器の組立工程図である。
【0066】
図9の(a)を参照すると、容器部100に液相内容物(L)を充填した後、下キャップ300および内キャップ230を順次結合してもよい。例えば、下キャップ300は、外枠340の係止部を介して、容器部100の先端部110の係止溝120に結合してもよく、内キャップ230は、内側壁232のねじ山と容器部100の先端部110のねじ山との螺合により結合してもよい。
【0067】
続いて図9の(b)を参照すると、内キャップ230の第1収容部210に固相内容物(S)を位置させてもよい。その後、外キャップ240と加圧部220の組立体を内キャップ230に結合することにより、液相内容物(L)および固相内容物(S)が充填された内容物容器1000が完成されてもよい。
【0068】
図10は、本発明の実施形態に係る内容物容器の組立工程図である。
【0069】
図10は、図9の説明と同様であるため、以下では重複する説明を省略する。
【0070】
図10の(b)を参照すると、容器部100に液相内容物(L)を充填し、下キャップ300および内キャップ230を結合した後に内キャップ栓をさらに結合してもよい。
【0071】
内キャップ栓は、内キャップ230の上端に結合して第1収容部210を密閉するためのものであり、内キャップ栓を第1収容部210に結合することにより、液相内容物(L)の充電時に発生する熱による湿気、および/または殺菌工程時に発生する水蒸気(湿気)が第1収容部210に侵入することを防止することができる。すなわち、第1収容部210内の湿気により固相内容物(S)が溶けたり変質したりすることを防止することができる。
【0072】
その後、内キャップ栓が除去されると、内キャップ230の第1収容部210に固相内容物(S)を位置させ、外キャップ240と加圧部220の組立体を内キャップ230に結合することにより、液相内容物(L)および固相内容物(S)が充填された内容物容器1000が完成されてもよい。
【0073】
図10では、固相内容物(S)を充電する前に内キャップ栓を結合する工程を行うことを示すが、これは例示的なものであり、実施形態により、固相内容物(S)を充填した後に内キャップ栓を結合し、殺菌工程などを行うこともできる。
【0074】
上記においては、構成要素間の結合を螺合、嵌合、係合、結合などで説明したが、これは例示なものであり、実施形態により、様々な結合方式が適用可能である。たとえば、嵌合において、突起と溝が互いに変更されてもよいし、嵌合の代わりに螺合などの他の結合方式が適用されてもよい。
【0075】
以上のように、実施形態をたとえ限定された図面によって説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、上記の記載に基づいて様々な修正及び変形が可能である。例えば、説明された技術が、説明された方法と異なる順で実行されるし、及び/又は、説明された方法と異なると形態で結合又は組み合わせられてもよいし、他の構成要素又は均等物によって代替又は置換されたとしても適切な結果を達成することができる。また、それぞれの実施形態は、必要に応じて組み合わせられて運用されてもよい。したがって、他の実現、他の実施形態及び特許請求の範囲と均等なものなども後述する請求の範囲の範囲に属する。
【符号の説明】
【0076】
100 容器部
110 先端部
120 係止溝
200 上キャップ
210 第1収容部
220 加圧部
222 加圧壁
224 支持管
230 内キャップ
232 内側壁
234 密閉部
236 案内管
238 押え部
240 外キャップ
242 上壁
244 外側壁
246 保護管
248-1 上側係止突起
248-2 下側係止突起
300 下キャップ
310 第2収容部
320 収容管
330 連通穴
340 外枠
350 ブリッジ
1000 内容物容器

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10