(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】車両用エアバッグ装置
(51)【国際特許分類】
B60R 21/231 20110101AFI20221024BHJP
B60R 21/2338 20110101ALI20221024BHJP
B60R 21/207 20060101ALI20221024BHJP
【FI】
B60R21/231
B60R21/2338
B60R21/207
(21)【出願番号】P 2021549479
(86)(22)【出願日】2019-12-04
(86)【国際出願番号】 KR2019016991
(87)【国際公開番号】W WO2020175771
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-08-23
(31)【優先権主張番号】10-2019-0022463
(32)【優先日】2019-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503358097
【氏名又は名称】オートリブ ディベロップメント エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100098143
【氏名又は名称】飯塚 雄二
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ドンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】イ、スンジン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ドンヨン
【審査官】田邉 学
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-278195(JP,A)
【文献】米国特許第04946191(US,A)
【文献】特開2004-189216(JP,A)
【文献】特開2001-163162(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/231
B60R 21/2338
B60R 21/207
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用エアバッグ装置であって、
乗員の両側を保護するために、車両衝突時に前記乗員の両側から前向き方向に膨張して展開されるエアバッグクッションと、
衝撃検出信号によってガスを発生し、前記ガスを前記エアバッグクッションに供給するように構成されたインフレータと、を備え、
前記エアバッグクッションは、前記乗員の肩から前記乗員の下半身部分まで、
両側を保護するように構成された第1のエアバッグと、
前記乗員の頭部及び前記乗員の肩の両側を保護するように構成された第2のエアバッグと、を備え
、
前記第2のエアバッグは、折り畳まれた状態でヘッドレスト内に受け入れられており、
前記第2のエアバッグは、車両衝突時にガスが供給され、前記ヘッドレストに形成された切断ラインを通って外側に膨張して展開される、
車両用エアバッグ装置。
【請求項2】
前記第2のエアバッグが展開されたとき、前記第2のエアバッグの中心は、前記ヘッドレストの後部側に配置されており、
前記第2のエアバッグの両端部は、前記乗員の頭部の両側から前向き方向に、かつ上向き方向及び下向き方向に膨張して展開され、
前記展開された第2のエアバッグの前記両端部は、前記第1のエアバッグの上端部と重なり合う、
請求項1に記載のエアバッグ装置。
【請求項3】
前記第2のエアバッグの前記両端部は、前記第1のエアバッグの前記上端部よりも更に内側に配置されており、前記車両の側方衝突時に前記乗員の頭部の横方向の移動を防止又は抑制するために、前記第1のエアバッグによって支持されている、
請求項
2に記載のエアバッグ装置。
【請求項4】
前記第2のエアバッグの前記両端部は、前記第1のエアバッグの前記上端部よりも更に外側に配置されており、前記車両の側方衝突時に乗員の身体の横方向の移動を防止又は抑制するために、前記第1のエアバッグを支持する、
請求項
2に記載のエアバッグ装置。
【請求項5】
前記第2のエアバッグの膨張展開形状を制限するために、前記第2のエアバッグにテザーが設置されている、
請求項
2に記載のエアバッグ装置。
【請求項6】
シートの背もたれの両側に1対の第1のエアバッグが設けられ、設置されている、請求項
1~5のいずれか一項に記載のエアバッグ装置。
【請求項7】
車両用エアバッグ装置であって、
乗員の両側を保護するために、車両衝突時に前記乗員の両側から前向き方向に膨張して展開されるエアバッグクッションと、
衝撃検出信号によってガスを発生し、前記ガスを前記エアバッグクッションに供給するように構成されたインフレータと、を備え、
前記エアバッグクッションは、前記乗員の肩から前記乗員の下半身部分まで、を保護するように構成された第1のエアバッグと、
前記乗員の頭部及び前記乗員の肩の両側を保護するように構成された第2のエアバッグと、を備え、
前記第1のエアバッグはシートの背もたれの片側に1つだけ設置されており、
前記乗員の横方向の移動を防止するために、前記背もたれの他方の側に支持構造体が設置され、
前記第2のエアバッグは、折り畳まれた状態でヘッドレスト内に受け入れられており、
前記第2のエアバッグは、車両衝突時にガスが供給され、前記ヘッドレストに形成された切断ラインを通って外側に膨張して展開される、
車両用エアバッグ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用エアバッグ装置に関し、より具体的には、車両衝突時に膨張して展開されることにより、乗員を拘束し保護する車両用エアバッグ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両用エアバッグ装置は、車両衝突時の衝撃検出センサの信号に従ってエアバッグにガスを注入し、エアバッグを迅速に膨張させることによって乗員を保護する安全デバイスである。
【0003】
このようなエアバッグ装置は、車両に設けられたステアリングホイール、ダッシュボード、シート、側壁部などの中に設置され、車両衝突時に乗員の前側又は側方に向かって膨張することによって乗員を保護する。
【0004】
すなわち、車両は、運転席及び助手席の前方に展開される前方エアバッグ、カーテンエアバッグ、及び乗員を保護するために乗員の側方から展開されるサイドエアバッグ、並びに乗員の膝を保護するためのニーエアバッグなどを備え得る。
【0005】
近年、ドライバーが運転することなく車両自体によって移動する自律的車両が開発されている。
【0006】
自律的車両は、車両に設けられた各デバイスの状態を検出し、かつ、車両の周囲の物体を認識するためのハイテクセンサ及び高性能グラフィック処理デバイスを使用することによって車両の周囲の状態を検出し、検出結果に従って、車両に設けられた各デバイスの動作を制御しながら走行する。
【0007】
ハイテクセンサは、人間のような物体間の距離を測定することができ、かつ、危険を検出すること、及び車両が不感区域なしに全ての領域を見ることを補助し得る。加えて、グラフィック処理デバイスは、いくつかのカメラによって車両の周囲環境を把握することができ、その画像を分析して、車両の安全な走行を補助することができる。
【0008】
例えば、自律的車両は、内部に装着されたLiDARデバイス、音波デバイス、3Dカメラ、レーダーデバイスなどを有し得る。
【0009】
上述のように構成された自律的車両では、ドライバーが運転する必要がないので、運転席を含む全てのシートは自由に回転することができ、背もたれの角度を傾斜操作によって水平に調整することができる。
【0010】
乗員は、背もたれの角度を様々に調整することができ、シートを回転させることができ、後部席の乗員を向いて会議を行うことができる。
【0011】
したがって、自律的車両に対して前向きのシートに座っている乗員の姿勢を基準として設計された通常のエアバッグ装置を適用することは不可能である。
【0012】
下記特許文献1及び特許文献2には、車両用の乗員保護ステム構成が開示されている。
【0013】
自律的車両に乗っている乗員が直接運転しないので、乗員は、目的地に移動している間に、水平方向にシートを旋回させることによって会議を行うことができ、あるいは、背もたれを後向きにリクライニングさせることによって休憩することができる。
【0014】
シート及び背もたれは、自律的車両において前向き方向及び後向き方向、並びに水平方向に自由に回転することができるので、乗員の方向及び姿勢を様々に変更することができる。
【0015】
したがって、車両衝突時の乗員の方向及び姿勢にかかわらず、乗員を安全に保護するためのエアバッグ技術が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【文献】韓国特許登録第10-1655569号(2016年9月8日発行)
【0017】
【文献】韓国特許登録第10-1611087号(2016年4月11日発行)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本開示は、上述の課題を解決し、車両衝突時に乗員の両側に向かって膨張して展開されることによって乗員を保護する車両用エアバッグ装置を提供することを目的とする。
【0019】
本開示の別の目的は、シートの両側からエアバッグクッションの複数の対を膨張させ展開することによって乗員を安全に保護することができる車両用エアバッグ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上述の目的を達成するために、車両用エアバッグ装置は、乗員の両側を保護するために、車両衝突時に乗員の両側から前向き方向に膨張して展開される、エアバッグクッションと、衝撃検出信号によってガスを発生し、ガスをエアバッグクッションに供給するように構成されたインフレータと、を含むことができ、エアバッグクッションは、乗員の肩から乗員の下半身部分まで、両側又は片側を保護するように構成された第1のエアバッグと、乗員の頭部及び乗員の肩の両側を保護するように構成された第2のエアバッグと、を含むことができる。
【発明の効果】
【0021】
上述の本開示に係る車両用エアバッグ装置によれば、第1のエアバッグ及び第2のエアバッグが車両衝突時に乗員の両側に向かって膨張して展開され、乗員の上半身及び下半身を拘束し保護する効果がある。
【0022】
すなわち、本開示によれば、第1のエアバッグは、車両のシートの背もたれ内に設置され、第2のエアバッグは、ヘッドレスト内に設置され、それによって、車両衝突時に乗員の身体及び頭部を拘束することができる効果がある。
【0023】
特に、本開示によれば、第2のエアバッグは、第1のエアバッグの上端部と重なり合うように配置され、それによって、車両の側方衝突によって生じる乗員の移動を効果的に防止又は抑制することができる効果がある。
【0024】
したがって、シート及び背もたれが自律的車両内で様々な方向及び角度で回転される状態で、乗員を効果的に拘束し、安全に保護することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、本開示の好ましい実施形態による車両用エアバッグ装置の斜視図である。
【0026】
【
図2】
図2は、それぞれ、
図1に示した車両用エアバッグ装置の正面図及び平面図である。
【
図3】
図3は、それぞれ、
図1に示した車両用エアバッグ装置の正面図及び平面図である。
【0027】
【
図4】
図4は、本開示の別の実施形態による車両用エアバッグ装置の斜視図である。
【0028】
【
図5】
図5は、
図4に示した車両用エアバッグ装置の正面図である。
【0029】
【
図6】
図6は、本開示の更に別の実施形態による車両用エアバッグ装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本開示の好ましい実施形態による車両用エアバッグ装置について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
本開示は、乗員の両肩を基準にして乗員の頭部及び胸部を含む上半身の両側、並びに乗員の骨盤及び臀部を含む下半身の両側に向かってエアバッグクッションを膨張させ展開することにより乗員の上半身及び下半身の全体を拘束することによって、乗員を安全に保護する。
【0032】
特に、本開示は、車両衝突時に、乗員の両側と共に前部を囲い込むようにエアバッグクッションを膨張させ展開することによって、乗員の前方を保護することができ、飛んできた物体又は車両の部分による怪我の発生を防止することができる。
【0033】
加えて、本開示は、乗員の骨盤及び臀部の前方下部から上向きにエアバッグクッションを膨張させ展開することによって、車両の前方衝突時に乗員が前向きに移動するサブマリン現象を防止することができる。
【0034】
加えて、本開示は、シートの背もたれの後面からエアバッグクッションを膨張させ展開することにより、後部席の乗員が背もたれと衝突したときに緩衝することによって、後部席の乗員を安全に保護することができる。
【0035】
本実施形態では、普通車の運転席内に設置されたエアバッグ装置の構成について説明し、運転席を基準として車両の前面を向いた方向を「前向き方向(F)」と呼び、車両の後面に向いた「方向を後向き方向(B)」と呼ぶ。これらの用語と共に、「左側(L)」、「右側(R)」、「上向き方向(U)」、「下向き方向(D)」のような方向を示す用語は、上述の前向き方向及び後向き方向を基準にしてそれぞれの方向を示すように定義される。また、図面に示される参照符号Iは、車両の幅方向における車両の内向き方向を示し、参照符号Oは、車両の幅方向における車両の外向き方向を示す。
【0036】
したがって、車両の前向き方向(F)及び後向き方向(B)は水平方向と表すことができ、車両の上向き方向(U)及び下向き方向(D)は垂直方向と表すことができる。
【0037】
図1は、本開示の好ましい実施形態による車両用エアバッグ装置の斜視図であり、
図2及び
図3はそれぞれ、
図1に示した車両用エアバッグ装置の正面図及び平面図である。
【0038】
図1~
図3に示されるように、本開示の好ましい実施形態による車両用エアバッグ装置10は、乗員の両側を保護するために、車両衝突時に乗員の両側から前向き方向に膨張して展開される、エアバッグクッション20と、衝撃検出信号によってガスを発生し、ガスをエアバッグクッション20に供給するインフレータ21と、を含む。
【0039】
エアバッグクッション20は、乗員の両肩を基準にして乗員の頭部及び胸部、腹部を含む上半身部分、並びに乗員の骨盤及び臀部を含む下半身部分に対応する乗員の両側から前向き方向に膨張して展開され得る。
【0040】
これを達成するために、エアバッグクッション20は、乗員の肩から下半身部分の両側を保護するための1対の第1のエアバッグ30と、乗員の頭部及び乗員の肩の上端部の両側を保護する第2のエアバッグ40と、を含むことができる。
【0041】
具体的には、1対の第1のエアバッグ30は、乗員が座っているシート11の背もたれ12内に設置され、乗員の肩部から下半身部分の両側を拘束するために、背もたれ12の両側から前向き方向、かつ上向き方向及び下向き方向に膨張して展開される。
【0042】
第1のエアバッグ30は、折り畳まれた状態で車両の背もたれ12に受け入れられてもよく、乗員の上半身部分及び下半身部分の両側を拘束し保護するサイドエアバッグとして提供され得る。
【0043】
第2のエアバッグ40は、背もたれ12の上端部に設置されたヘッドレスト13内に設置されており、かつ、乗員の頭部及び乗員の肩の上端部の両側を拘束するために、乗員の頭部の両側から前向き方向、かつ上向き方向及び下向き方向に膨張される。
【0044】
第2のエアバッグ40は、ヘッドレスト13内に折り畳まれた状態で受け入れられてもよく、車両衝突時にインフレータからガスを供給することができ、ヘッドレスト13の後面に形成された切断ラインを通ってヘッドレスト13の外側に膨張して展開され得る。
【0045】
第2のエアバッグ40は、上から見ると、実質的に反転したU字形(「∩」)に膨張し展開され得る。
【0046】
すなわち、第2のエアバッグ40が展開されたとき、第2のエアバッグ40は、第2のエアバッグ40の中心41がヘッドレスト13の後部側に配置され、第2のエアバッグ40の両端部42がそれぞれ乗員の頭部の両側に配置されるように、膨張して展開され得る。
【0047】
本明細書では、第2のエアバッグ40の両端部42は、1対の第1のエアバッグ30の上端部にそれぞれ重なり合うように、1対の第1のエアバッグ30の上端部よりも更に内側に配置され得る。
【0048】
したがって、第2のエアバッグ40の両端部42は、片側に向かって移動すると、1対の第1のエアバッグの上端部によってそれぞれ捕捉され、支持され得る。
【0049】
すなわち、乗員の頭部が片側に向かって移動し、第2のエアバッグが車両の側方衝突に起因して押し出されると、第2のエアバッグの端部は、乗員の頭部の移動を効果的に防止又は抑制するために、第1のエアバッグの上端部に支持される。
【0050】
本実施形態では、第2のエアバッグ40の両端部42は、1対の第1のエアバッグ30の上端部よりも更に内側に配置されていることが示されているが、本開示はこれに限定されない。
【0051】
図4は、本開示の別の実施形態による車両用エアバッグ装置の斜視図であり、
図5は、
図4に示した車両用エアバッグ装置の正面図である。
【0052】
図4及び
図5に示されるように、本開示の別の実施形態による車両用エアバッグ装置10は、
図1~
図3を参照して上述したエアバッグ装置10の構成と同じであるが、第2のエアバッグ40の両端部42が1対の第1のエアバッグ30の上端部よりも更に外側に配置されているという点で異なる。
【0053】
すなわち、第2のエアバッグ40は、上からミルと、実質的に反転した正方形状のU字形(「┏┓」)に膨張して展開され得る。
【0054】
したがって、車両の側方衝突に起因して、乗員の上半身又は下半身が片側に向かって、例えば左側に移動し、左側の第1のエアバッグ30が押し出されると、対応する第1のエアバッグ30は、乗員の頭部の移動を効果的に防止又は抑制するために、第2のエアバッグ40の左端部42に支持され得る。
【0055】
本明細書では、膨張展開形状を制限するために、第2のエアバッグ40に1対のテザー43が設置され得る。
【0056】
各テザー43の一端を第2のエアバッグ40の前面の中心に接続することができ、各テザー43の他端を第2のエアバッグ40の両端部42に接続することができる。
【0057】
当然ながら、本開示は、必ずしもこれに限定されるものではなく、テザーの数、接続位置、長さなどは、第2のエアバッグのサイズ、展開形状に従って様々に変更され得る。
【0058】
例えば、複数の対のテザー43を設けてもよく、あるいは第2のエアバッグ40の両端部42に1つのテザー43の両端部をそれぞれ接続してもよい。
【0059】
加えて、テザー43の両端部を、ヘッドレスト13及び第2のエアバッグ40の両端部42にそれぞれ接続してもよい。
【0060】
加えて、本開示は、展開形状を制限するためにテザーを第1のエアバッグに適用するように変更され得る。
【0061】
上述の実施形態では、第1のエアバッグが背もたれの両側に配置されていることが示されているが、本開示はこれに限定されない。
【0062】
例えば、
図6は、本開示の更に別の実施形態による車両用エアバッグ装置の斜視図である。
【0063】
図6に示されるように、本開示の更に別の実施形態による車両用エアバッグ装置10は、
図1~
図5を参照して上述した車両用エアバッグ装置10の構成と同じであるが、アームレスト14が背もたれ12の片側に設置されているという点で異なっている。
【0064】
本明細書では、アームレスト14は、乗員が自分の腕を載せたときに乗員の腕を快適に支持する機能を果たすことができ、また、車両の側方衝突時に乗員が衝突の反対側に向かって移動することを防止又は抑制する機能を果たすことができる。
【0065】
上述したように、アームレスト14をシート11の片側に、例えば右側に設置するとき、背もたれ12の右側に設置された第1のエアバッグ30を取り外すことができ、背もたれ120の左側に1つの第1のエアバッグ30を設置することができる。
【0066】
当然ながら、本開示はこれに限定されるものではなく、アームレスト14又はコンソールボックスのような、乗員の横方向の移動を防止する支持構造体がシート11の片側に設けられた場合、背もたれ12の片側にのみ設置された第1のエアバッグ30を有するように変更されてもよい。
【0067】
したがって、第2のエアバッグ40の両端部42の一方のみが第1のエアバッグ30の上端部と接触して設置され得る。
【0068】
上述のプロセスにより、本開示は、車両衝突時に乗員の両側で第1のエアバッグ及び第2のエアバッグを膨張させ展開することによって、乗員の上半身及び下半身を拘束し保護することができる。
【0069】
すなわち、本開示は、車両のシートの背もたれ内に設置された第1のエアバッグと、ヘッドレスト内に設置された第2のエアバッグとを有し、それによって、車両衝突時に乗員の身体及び頭部が拘束される。
【0070】
特に、本開示は、第1のエアバッグの上端部と重なり合うように配置された第2のエアバッグを有し、それによって、車両の側方衝突によって生じる乗員の移動が効果的に防止又は抑制される。
【0071】
したがって、本開示は、シート及び背もたれが自律的車両の様々な方向及び角度で回転される状態で乗員を効果的に拘束することによって、乗員を安全に保護することができる。
【0072】
発明者らによる本発明は、上記実施形態に基づいて具体的に説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的本質の範囲内で様々に修正され得る。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本開示は、車両衝突時に乗員の両側からエアバッグクッションを膨張させ展開することにより乗員を拘束することによって、乗員を安全に保護する車両用エアバッグ装置の技術に適用される。