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特許7163007拡張可能な構造体と導電要素を有する装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】拡張可能な構造体と導電要素を有する装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/287 20210101AFI20221024BHJP
   A61B 5/25 20210101ALI20221024BHJP
   A61B 5/273 20210101ALI20221024BHJP
   A61B 18/14 20060101ALI20221024BHJP
【FI】
A61B5/287 300
A61B5/25
A61B5/273
A61B18/14
【請求項の数】 7
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017113536
(22)【出願日】2017-06-08
(65)【公開番号】P2017217485
(43)【公開日】2017-12-14
【審査請求日】2020-05-22
(31)【優先権主張番号】15/177,775
(32)【優先日】2016-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/359,838
(32)【優先日】2016-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】メイル・バル-タル
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・レビン
(72)【発明者】
【氏名】アビ・レウベニ
(72)【発明者】
【氏名】デビー・エスター・ハイスミス
(72)【発明者】
【氏名】アリエル・ガルシア
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・オサドチー
(72)【発明者】
【氏名】シュムエル・アウアーバッハ
【審査官】藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-167864(JP,A)
【文献】特表2013-531525(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0004087(US,A1)
【文献】特開平11-076183(JP,A)
【文献】特表2014-530039(JP,A)
【文献】特表2008-508064(JP,A)
【文献】特開2002-345765(JP,A)
【文献】特開平06-205837(JP,A)
【文献】特表2014-507197(JP,A)
【文献】特表2011-500172(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0296679(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/25-5/297
A61B 18/14-18/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
バルーンを備えた拡張可能な構造体であって、被検者の体への挿入のために構成された、拡張可能な構造体と、
前記バルーンの表面に印刷された複数の導電要素であって、前記導電要素のうちのそれぞれは、
前記被検者の組織から電気絶縁されるコイルと、
前記組織と接触している間に信号を前記組織とやりとりするように構成された絶縁されていない部分とを有する、複数の導電要素と、
を備えており、
前記絶縁されていない部分は、前記コイルに接続された電極を含み、前記電極は、前記信号を前記組織とやりとりするように構成され、前記コイルは、前記やりとりされた信号を搬送するように構成されている、装置。
【請求項2】
前記コイルは、前記コイルが接続されている前記電極に近位に位置する、請求項に記載の装置。
【請求項3】
前記コイルは、シングルループコイルである、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記コイルは、平坦である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記信号を前記導電要素と前記装置の近位端との間で搬送するように構成された、前記コイルに接続された2つのリードを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記コイルは、前記コイルが前記被検者の体の内側で受ける歪みに応じて変動する電気抵抗を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記コイルは、熱電対接合部を含む、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
出願は、2016年6月9日出願の、「Dual-function sensors for a basket catheter」という名称の、米国特許出願第15/177,775号の一部継続出願であり、この米国特許出願の利益を主張するものであり、この開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明の実施形態は、一般に、医療機器の分野、特に、心内心電図(ECG)信号を記録し及び/又は心臓組織をアブレートするカテーテルに関する。
【背景技術】
【0003】
一部の用途では、複数のスプライン上に配設された多数の電極を備えるバスケットカテーテルが、心内心電図(ECG)信号を取得するために使用される。このような信号は、例えば、心臓の電子解剖学的マップを構成するために使用することができる。
【0004】
他の用途では、バルーン上に配設された複数の電極を備えるバルーンカテーテルが、心臓組織をアブレートし、及び/又は、心臓内ECG信号を取得するために使用される。
【0005】
開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2011/0118590号では、解剖学的内部挿入用カテーテル挿入装置を含む解剖学的内部検査用侵襲型システムが記載されている。カテーテル挿入装置は、電気信号を患者解剖学的組織に外部的に印加された磁場内でカテーテル挿入装置を通る軸線周りの少なくとも1つのセンサの回転運動に応答して生成する少なくとも1つの磁場センサと、電気信号を更なる処理のためにバッファリングする信号インターフェースを含む。信号プロセッサは、バッファリングされた電気信号を処理して、カテーテル挿入装置の回転角を示す信号を基準に対して導出する。回転角は、カテーテル挿入装置を通る軸線周りである。再生装置は、カテーテル挿入装置の回転角を示すデータをユーザに提示する。
【0006】
開示内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2003/0093067号では、体腔を撮像し、治療要素を体腔内で案内するシステム及び方法が記載されている。システムは、体腔の画像データを収集する撮像デバイス及び画像プロセッサを有する撮像サブシステムを含むことができる。マッピング装置及びマッププロセッサを含め、マッピングサブシステムを、標的部位を体腔内で特定して部位の場所データを提供するために設置することができる。システムは、また、場所要素の場所を追跡するために治療装置上の場所要素に結合された場所プロセッサを含むことができる。治療要素の場所は、場所要素に参照して判定される。治療要素及び治療実施電源を有する治療装置を含む治療サブシステムも設置することができる。登録サブシステムが、他のサブシステムからデータを受け取って、登録し、データを表示する。
【0007】
開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,272,371号では、力が一部に印加されたときに該一部が所定の曲線形態を呈する、遠位端の近傍の遠位部分を有する可撓性長形プローブを被検者の体への挿入のためにを含む侵襲性プローブ装置が記載されている。第1及び第2のセンサが、遠位端に対してわかっている位置でプローブの遠位部分に固定され、該センサは、プローブの屈曲に応じた信号を生成する。信号処理回路は、少なくとも第1のセンサの位置及び配向座標を見つけて、プローブの遠位部分の長さに沿った複数の点の場所を判定するために、屈曲部に応じた信号を受信して処理する。
【0008】
開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2006/0025677号では、非侵襲性動的基準フレーム及び/又は基準マーカ、センサ先端を有する器具、及び、絶縁装置回路を含むことができる、患者の領域をナビゲートする外科用ナビゲーションシステムが記載されている。器具を案内する動的基準フレームは、正確な場所に患者上に載置することができる。動的基準フレームは、患者上に固定載置することができる。また、動的基準フレームは、動的基準フレームに対する軟組織の概ね自然な移動を可能にするために留置することができる。また、動的基準フレームの位置を判定する方法を提供する。解剖学的目印を、手術中に及び解剖学的構造へのアクセスなしに判定することができる。
【0009】
開示内容が、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,892,091号では、近位端及び遠位端を有する本体を含むカテーテルを利用する、心室の電気マップを素早く生成する装置及び方法が記載されている。遠位端は、遠位先端と、近位端及び遠位端、並びに、少なくとも1つの位置センサとを有する非接触電極のアレイとを有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
2つの位置センサが利用されることが好ましい。第1の位置センサは、カテーテル遠位先端に近接していることが好ましく、第2の位置センサは、非接触電極アレイの近位端に近接していることが好ましい。カテーテル遠位端は、接触電極を遠位先端にて更に含むことが好ましい。好ましくは、位置センサのうちの少なくとも一方、好ましくは両方が6つの段階の場所情報を提供する。位置センサは、電磁位置センサであることが好ましい。カテーテルは、心臓の電気マップを少なくとも1つの心周期内で素早く生成するのに使用され、心臓アブレーション及びアブレーション後の妥当性確認を含むことが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のいくつかの実施形態により、被検者の体への挿入のために構成された拡張可能な構造体と、拡張可能な構造体に結合された複数の導電要素とを含む装置を提供する。導電要素のうちのそれぞれは、それぞれのコイルを含み、被検者の組織から電気絶縁される絶縁部分と、組織と接触している間に信号を組織とやりとりするように構成された絶縁されていない部分とを有する。
【0012】
いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体は、バルーンを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、拡張可能な構造体は、バスケットを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、導電要素のうちのそれぞれは、コイルに接続された電極を含み、電極は、信号を組織とやりとりするように構成され、コイルは、やりとりされた信号を搬送するように構成されている。
【0015】
いくつかの実施形態では、コイルは、コイルが接続されている前記電極に近位に位置する。
【0016】
いくつかの実施形態では、コイルは、シングルループコイルである。
【0017】
いくつかの実施形態では、コイルは、螺旋コイルである。
【0018】
いくつかの実施形態では、コイルは、平坦である。
【0019】
いくつかの実施形態では、装置は、信号を導電要素と装置の近位端との間で搬送するように構成された、導電要素のうちのそれぞれの導電要素に接続された2つのリードを更に含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、導電要素のうちのそれぞれの導電要素の少なくとも一部は、導電要素が被検者の体の内側で受ける歪みに応じて変動する電気抵抗を有する。
【0021】
いくつかの実施形態では、導電要素のうちのそれぞれは、熱電対接合部を含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、コイルは、絶縁されていない部分を含む。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態により、導電要素から、磁場により導電要素全体にわたって誘発された電圧差を、導電要素をカテーテルの近位端に接続する2つのリードを介して受け取ることを含む方法を更に提供する。方法は、電圧差に応じて、導電要素の場所を確認することと、導電要素が被検者の組織と接触している間、信号を導電要素及びリードのうちの少なくとも1つを介して組織とやりとりすることとを更に含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、信号は、心電図(ECG)信号であり、信号をやりとりすることは、ECG信号を組織から取得することを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、信号は、アブレーション信号であり、信号をやりとりすることは、アブレーション信号を組織内に伝えることを含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、信号をやりとりすることは、導電要素が被検者の体の内側にある間に信号をやりとりすることを含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、導電要素は、シングルループコイルである。
【0028】
いくつかの実施形態では、導電要素は、螺旋コイルである。
【0029】
いくつかの実施形態では、電圧差は、第1の電圧差であり、方法は、温度を、第2の電圧差をリード全体にわたって測定することにより測定することを更に含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、方法は、導電要素に掛けられた歪みを、導電要素の電気抵抗を測定することにより測定することを更に含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、方法は、導電要素と、被検者の皮膚に結合されたパッチとの間でインピーダンスを、電流を導電要素とパッチとの間で伝えることにより測定することを更に含み、場所の確認は、更に、測定されたインピーダンスに応じる。
【0032】
本発明は、その実施形態の以下の詳細な説明を図面と併せ読むことによってより深い理解がなされるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明のいくつかの実施形態によるバスケットカテーテルの概略図である。
図2】本発明の一部の実施形態による、導電要素から受信された信号を処理する回路の概略図である。
図3】本発明の一部の実施形態による、導電要素から受信された信号を処理する回路の概略図である。
図4】本発明のいくつかの実施形態による、多機能導電要素を備えるカテーテルの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
概説
本明細書で説明する実施形態は、複数の機能を、例えば、同時に実行する導電要素を備えるカテーテルを含む。例えば、導電要素は、磁場が存在する場合、導電要素が配設されるカテーテルの場所及び/又は配向を確認するために使用することができる信号を出力することにより、電磁センサとして機能することができる。更に、導電要素は、電極として機能することができる。例えば、導電要素は、ECG信号を組織から取得するか、又は、アブレート信号を組織内に伝えることによりなど、信号を組織とやりとりするために使用することができる。あるいは又は更に、導電要素は、インピーダンス、温度、歪み、及び/又は、他の関連のパラメータを測定するために使用することができる。
【0035】
更に詳しくは、本明細書で説明する実施形態は、例えば、電子解剖学的マップを構築するために使用することができるバスケットカテーテルを含む。バスケットカテーテルは、複数のスプラインを遠位端にて備え、スプライン上に配設される複数の螺旋状の導電要素を更に備える。電子解剖学的マッピング手順中、螺旋状の導電要素は、生成された磁場は、それぞれの電圧差を導電要素全体にわたって誘発するという点において誘導体として機能する。誘発された電圧差に基づいて、導電要素のうちのそれぞれの場所及び配向-従って、バスケットカテーテルの場所及び配向-を正確に判定することができる。
【0036】
螺旋状の導電要素は、更に、バスケットカテーテルに別個のECG取得電極を装備することが必要ではないようにECG信号を取得する電極として機能する。例えば、電気絶縁層は、螺旋状の導電要素のうちのそれぞれの大半を被覆することができるが、螺旋状の導電要素のごく一部は露出されたままにしておくことができる。この露出した部分は、心臓内組織と接触させたとき、ECG信号を組織から取得する。
【0037】
って、単一の手順中に2つの潜在的な可能性において-例えば、同時に-機能することができる。第1に、心臓内ECG信号を感知することによりECG電極として機能することができる。第2に、生成された磁場に応じて(上記の誘起電圧の形で)場所表示信号を出力することにより磁場センサとして機能することができる。導電要素は、したがって、更に、磁場センサとして、又は、更にECG電極として機能する磁場センサとして機能するECG電極と説明することができる。(上記にもかかわらず、いくつかの実施形態では、導電要素は、磁場センサのみとして使用され、スプラインに結合された別個の電極が、ECG信号を取得するために使用される。)
【0038】
本明細書で説明する他の実施形態は、バルーンを備えるバルーンカテーテルと、バルーンに結合された複数の導電要素とを含む。導電要素のうちのそれぞれの1つは、信号を組織とやりとりするように構成された電極と、電極に接続されているコイルとを備える。コイルは、組織とやりとりされる信号を搬送して、また、信号(誘起電圧の形態で)を磁場に応じて出力する。導電要素は、したがって、磁場センサ及び電極の両方として機能する。あるいは又は更に、導電要素は、インピーダンス、温度、又は、歪みなど他のパラメータを測定することができる。
【0039】
本明細書で説明する実施形態は、多機能導電要素から受信された信号を処理する回路を更に含む。例えば、本明細書で説明する回路は、電子解剖学的マップを構成するためにプロセッサにより使用される複数の出力を、上記の螺旋状の導電要素から受信された信号に基づいて生成することができる。これらの出力は、組織の電気的活性を示す複数の第1の出力と、導電要素全体にわたるそれぞれの誘発された電圧差を示す複数の第2の出力と、導電要素のうちのそれぞれの組織に対する近接性を示す複数の第3の出力とを含む。
【0040】
装置の説明
初めに、本発明のいくつかの実施形態による、バスケットカテーテル22の概略図である図1を参照する。図1は、被検者26の心臓25の電子解剖学的マッピングを実行するためにバスケットカテーテル22を使用する医師34を示す。マッピング手順中、スプライン28のバスケット20を備えるカテーテルの遠位端は、心臓25に挿入される。スプラインは、その後、心臓内組織と接触させられ、スプライン上の導電要素24は、心臓内ECG信号を取得する。バスケットカテーテルに接続され、コンピュータプロセッサ32を備えるコンソール36は、これらのECG信号を受信する。
【0041】
心臓内ECG信号が取得されている間、磁場が、被検者26の下に、又は、そうでない場合は被検者の付近に位置する複数の磁場発生器30により発生される。(図1に示すように、コンソール36内の信号発生器(「SIG GEN」)40は、交流を発生器に供給することにより発生器30に磁場を発生させることができる。)磁場は、電圧差を導電要素24全体にわたって誘発する。誘発された電圧差は、コンソールにより受け取られ、誘起電圧に基づいて、プロセッサ32は、導電要素のうちのそれぞれの位置を確認する。プロセッサ32は、その後、心臓の電子解剖学的マップを、(心臓内組織の電気的活性を示す)ECG信号、及び、(ECG信号の発生源のそれぞれの場所を示す)螺旋状の導電要素から受信された電圧に基づいて構成する。このようなマップは、医師34による閲覧のためにモニタ38上に表示することができ、及び/又はその後の分析のために記憶することができる。
【0042】
スプライン28は、図1に示す球状バスケットなど、任意の適切に成形バスケットを画成するように配置することができる。図1は、複数の螺旋状の導電要素24がスプラインのそれぞれの表面上に配設されている実施形態を示す。図の左上部分は、単一のこのような螺旋状の導電要素の拡大図を示す。この拡大図では、導電要素の中実部分は、ビューアーに対向する、スプラインの近側上にある導電要素の一部に対応する。点線の部分は、ビューアーから離れて面する、スプラインの向こう側にある導電要素の一部に対応する。導電要素のうちのそれぞれの2つの端子のそれぞれは、スプラインの内部を通るワイヤ42を介して典型的にはコンソールに接続される。
【0043】
いくつかの実施形態では、導電要素は、スプライン上へ印刷される。例えば、導電要素のうちのそれぞれは、スプライン上へ螺旋状に塗装される導電性塗料を備えることができる。他の実施形態では、導電要素は、スプラインに巻回され(即ち、コイル状)、接着されるか、又は、その他の方法で装着されるワイヤを備える。いずれにしても、螺旋状の導電要素がスプラインの表面上にある実施形態については、電気絶縁層44が、典型的には、螺旋状の導電要素の少なくとも大部分を覆う。電気絶縁層44は、任意の所与の導電要素の巻きが互いと短絡するのを防止する。
【0044】
典型的には、電気絶縁層は、螺旋状の導電要素のうちのそれぞれの正確に1つのそれぞれの巻きの一部を被覆するわけではない。従って、電気絶縁層は、(それぞれの導電要素のほんの1つの巻きのみが露出されるという点において)巻きを短絡させることを防止するが、また、導電要素がECG信号を取得することを可能にする。例えば、図1の拡大部分は、電気絶縁層が導電要素の部分46を露出させる実施形態を示す。露出した部分46は、ECG信号を取得するために組織と接触させることができる。
【0045】
上述したように、導電要素の露出した一部は、導電要素の1巻きに限定される。これは、導電要素の最遠位の露出した部分と導電要素の最近位の露出した部分との間の距離が導電要素の連続した巻数の間で分離する距離D未満であることを意味する。
【0046】
いくつかの実施形態では、電気絶縁層は、複数の導電要素全体にわたって連続している。他の実施形態では、図1に示すように、電気絶縁層は、電気絶縁層のいかなる部分も導電要素の1つを超えて覆わないように不連続である。同様に、任意の所与の導電要素については、電気絶縁層によりもたらされるカバーは、連続又は不連続であり得る。後者の一例として、図1において、導電要素は、電気絶縁層の2つの別個の交わらない部分により覆われ、これらの部分は、導電要素の露出した部分46のそれぞれの両側にある。
【0047】
いくつかの実施形態では、図1の場合のようにスプライン上に配設されることに対して代替的に、導電要素は、スプライン内に含まれる。このような実施形態では、スプラインは、(プラスチックなどの)電気絶縁材料で作製され、導電要素が短絡するのを防止する「カバー」をもたらす。導電要素が更にECG信号を取得するために使用される実施形態については、スプラインは、螺旋状の導電要素のうちのそれぞれの正確に1つのそれぞれの巻きの一部を露出させる複数の開口部を画成するように成形される。換言すれば、このような実施形態は、上述した実施形態に類似しており、スプラインの表面は、導電要素の短絡を防止するが、また、任意選択的に、ECG信号取得に備えることにおいて電気絶縁層44に同様に機能する。
【0048】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、導電要素24から受信された信号を処理する回路48の概略図である図2を参照する。回路48は、典型的には、カテーテル-コンソールインターフェースとプロセッサの間で、コンソール36内に位置する。図2に示すように、回路48は、典型的には導電要素に接続された正確に2つの接続部(又は「リード」)、即ち、導電要素の1つ端子との第1の接続部50a、及び、導電要素の他の端子との第2の接続部50bを介してそれぞれの螺旋状の導電要素24に接続されている。以下で更に説明するように、回路48は、出力を、それぞれの螺旋状の導電要素から接続部50a及び50bを介して受信された信号に基づいて生成する。これらの出力に基づいて、プロセッサ32は、被検者の心臓の電子解剖学的マップを構成する。
【0049】
典型的には、回路48は、第1の差動増幅器52aと、第2の差動増幅器52bとを備える。接続部50a及び50bは、第2の差動増幅器52bに接続され、一方、接続部のうちの一方-例えば、第1の接続部50a-は、また、第1の差動増幅器52aに接続されている。接続部50a及び50bは、従って、以下で更に説明するように、入力を差動増幅器に伝える。
【0050】
先述したように、それぞれの導電要素24の露出した部分は、(先では「ECG信号」と呼んだ)ECG電圧が組織から導電要素に移送されるように心臓内組織56と接触させられる。(ECG電圧は導電要素全体にわたって概ね一定である、即ち、導電要素の端子でのECG電圧は導電要素の露出した部分でのECG電圧と有意に異なるものではない。)第1の接続部50aは、ECG電圧を第1の差動増幅器52aに搬送し、第1の差動増幅器52aは、第1の出力54aを、受信ECG電圧と基準電圧の差を増幅することによりECG電圧に基づいて生成する。プロセッサは、電気的活性情報を第1の出力54aから導出し、この情報を使用して電子解剖学的マップを構築する。典型的には、基準電圧は、バスケットカテーテル上に、例えば、カテーテルシャフト(図1には図示せず)の中央スプライン上に配設された基準電極58での電圧である。(図2では、基準電極58は、基準電圧が接地であるように接地に接続されている。)
【0051】
接続部50aは、また、導電要素の1つ端子にて磁場により誘発された電圧を第2の差動増幅器52bに搬送し、一方、接続部50bは、他の端子にて誘発される電圧を搬送する。換言すると、接続部50a及び50bは、導電要素全体にわたって誘発される電圧差を第2の差動増幅器に集合的に搬送する。この電圧差に基づいて、第2の差動増幅器52bは、電圧差を増幅することにより、第2の出力54bを生成する。第2の出力54bは、第2の出力は、導電要素の位置、従って、ECG信号の発生源の場所を示すという点において、解剖学的情報を含む。プロセッサは、この解剖学的情報を第2の出力から導出し、その後、電子解剖学的マップを構築する際に、この解剖学的情報を第1の出力から導出された電気的活性情報と組み合わせる。
【0052】
典型的には、回路48は、電流源として一緒に機能する、電流源、又は、図2の場合と同様に、抵抗器62と直列の電圧源60を更に備える。電流源は、電流「I」を、接続部50aにわたって、導電要素と基準電極58(又は、ECG基準電圧に使用されていない異なる基準電極)との間で伝える。電流が伝えられる間、導電要素上の電圧は、導電要素により見られるインピーダンスを示し、電圧が高いほど、インピーダンスは高い。インピーダンスは、次に、組織に対する導電要素の近接性を示し、インピーダンスが高いほど、近接性は大きい。従って、導電要素上の電圧は、組織に対する導電要素の近接性を示す。第1の差動増幅器は、近接性を示す電圧と基準電圧との差を増幅することにより、第3の出力54cをこの近接性を示す電圧に基づいて生成する。プロセッサは、その後、第3の出力を使用して電子解剖学的マップを構築する。特に、プロセッサは、先ず、組織に対する電要素の近接性を第3の出力から導出する。プロセッサは、その後、第1の(電気的活性に関する)出力を受理するべきであるかをこの近接性に基づいて判定する。例えば、プロセッサは、閾値に対する近接性を比較し、第1の出力を、近接性が閾値よりも大きい(即ち、導電要素と組織との間の距離は十分に小さい)場合に限り受理することができる。
【0053】
尚、ECG電圧、誘起電圧、及び、近接性を示す電圧は、3つの電圧が接続部50a上で同時に搬送される(従って、同時に回路により受け取られる)ように十分に異なる周波数である。従って、第1の出力54a、第2の出力54b、及び、第3の出力54cは、同時に生成することができる。いくつかの実施形態では、加算器61が、第1の出力、第2の出力、及び第3の出力を加算し、様々な周波数にて複数の成分を有する組合せ出力64が得られる。組合せ出力64は、その後、アナログ/デジタル変換器(ADC)66に伝えられ、アナログ/デジタル変換器(ADC)66は、組合せ出力をプロセッサに伝えられるデジタル信号に変換する。
【0054】
簡潔さのために、単一の螺旋状の導電要素24のみを図2に示すが、バスケットカテーテル22は、典型的には多数の螺旋状の導電要素を備える。この注に基づいて、ここで、本発明のいくつかの実施形態による、回路48の概略図である図3を参照する。
【0055】
図3は、図2に示す回路48の構成が多数の螺旋状の導電要素からの多数の入力を取り扱うために拡張することができる方法を示す。特に、図3では、図2に示す回路のブロック68は、導電要素のうちのそれぞれについて複製される。従って、図3では、導電要素24aは、回路のブロック68aに接続し、導電要素24bは、ブロック68bに接続し、導電要素24cは、ブロック68cに接続する。同様に、抵抗器62は、電圧源60が抵抗器62aを介してブロック68aに、抵抗器62bを介してブロック68bに、又は抵抗器62cを介してブロック68cに接続することができるように導電要素のうちのそれぞれについて複製される(典型的には、スイッチ70は、電圧源が1度に1つのブロックのみに接続されることを確保する。)従って、例えば、電流を導電要素24aと基準電極の間で伝えるために、電圧源は、ブロック68aに接続されている。
【0056】
図中に3点シーケンスにより示すように、図3に示す構成は、任意の数の導電要素を取り扱うように拡張することができる。
【0057】
本明細書で説明する原理を多くの方法で適用することができることが強調されている。例えば、本開示の範囲は、1つ以上のコイル及び/又は他の導電要素のうちのそれぞれを、任意の関連の用途において、(i)磁気トラッキング、及び、(ii)組織との信号のやりとりの両方のために使用することを含む。(図2~3を参照して説明する回路は、用途に合うように適宜修正することができる。)信号を組織とやりとりすることは、例えば、先述したようなECG信号を取得し、及び/又は、アブレート信号を組織内に伝えることを含む。(後者の場合、誘起電圧を導電要素から搬送する同じリードを使用して、アブレート信号を導電要素に送給することができる。)更に、例えば、本明細書で説明する多機能センサは、ラッソーカテーテル、バルーンカテーテル、又は、他の形式のカテーテルなどの体内装置を含め、任意の適切な装置上に配設することができる。
【0058】
例えば、ここで、本発明のいくつかの実施形態による、多機能導電要素74を備えるカテーテル72の概略図である図4を参照する。「バルーンカテーテル」として説明することができるカテーテル72は、カテーテルのシャフト82の遠位端に又は該遠位端の近くに位置するバルーン76、及び、バルーン76に結合された複数の多機能導電要素74を備える。導電要素74は、例えば、バルーンの表面上へ印刷することができるか、又は、任意の他の好適な方法でバルーンに結合することができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、それぞれの導電要素74は、信号を組織とやりとりするように構成された電極78と、電極78に電気的に接続されたコイル80とを備える。組織から一般的に電気絶縁されるコイル80とは対照的に、電極78は、電極が組織と電気的に接触することができるように絶縁されない。シャフト82を介して近位遠位に走るリード(又は、「接続部」)88は、導電要素をカテーテルの近位端に接続し、カテーテルは、コンソール36(図1)に接続されている。図4に示すように、カテーテル72は、また、1つ以上の更なる電極78を含むことができ、該電極78は、コイルに結合されず、その代わりに、リード86に直結される。
【0060】
(バスケットカテーテル22について図1に全体的に示すように)被検者の心臓へのカテーテル72の挿入後、バルーン76は、膨張されて、1つ以上の電極78が、心臓内組織と接触させられる。電極は、その後、例えば、心臓内ECG信号を取得し、及び/又は、アブレート信号を組織内に伝えることにより信号を組織とやりとりする。それぞれのこのような信号は、電極が装着されるコイル及び/又はリードにより関連の電極へ又は関連の電極から搬送される。例えば、多機能導電要素に属する電極の場合、それぞれのやりとりされた信号は、リード88により導電要素とカテーテルの近位端との間で、及び、コイル80によりリードと電極の間で搬送される。(コイル80は、従って、導電トレースとして機能する。)
【0061】
図4に示すように、リード88は、それぞれのコイルがシャフト82を遠位に通過し、バルーンの表面に沿ってループを形成し、その後、カテーテルシャフトを近位に通過して戻る、単一のリードの遠位ループ式端部と描くことができるように、コイルと一体形成され、従って、コイルと完全に一続きとすることができる。
【0062】
コイル80は、また、場所表示信号を磁場に応じて出力する。特に、外部的に印加された磁場が存在する場合、交流(AC)電圧が、コイル内に誘発され、それぞれのコイルの2台の端子92のAC電圧差が発生し、この電圧差は、磁場発生器30(図1)に対するコイルの場所及び/又は配向を示す。例えば、図4は、コイルの1つの端子92間の誘発された電圧差V2-V1を示す。この電圧差は、リード88によりコンソールに搬送される。プロセッサ32は、電圧差を受け取り、電圧差に応じて、コイルの(従って、コイルが接続されている電極の)場所及び/又は配向を確認する。
【0063】
(コイルの「端子」は、コイルの近位端での2点であり、この2点にて、コイルは、事実上閉じられ、コイルは、リード88と遭遇する、つまり、リード88に「なる」)。コイルの近位端にて、リード88は、互いと機械式に(ただし、電気的にではなく)接触することができ、いくつかの実施形態では、互いを越えることができる。)
【0064】
導電要素からの場所表示信号を使用して、導電要素を信号のやりとりのために適切な場所に案内することができる。例えば、特定の導電要素が組織と接触している間、場所表示信号を導電要素から受信することができる。場所表示信号により示された場所が信号やりとりの所望の場所である場合、信号を導電要素(特に、導電要素に属する電極)及びリードのうちの少なくとも1つを介して組織とやりとりすることができる。そうでない場合、カテーテル72の位置及び/又は配向を信号のやりとりの前に適宜調整することができる。
【0065】
それぞれのコイルは、コイルが接続されている電極に近位に又は遠位に位置することができる。典型的には、図示するように、コイルは、コイルがバルーンの表面から過度に突出しないように平坦である、即ち、バレルコイルではない。典型的には、図示するように、それぞれのコイルは、シングルループコイルである。いくつかの実施形態では、図示するように、コイルは、多角形、例えば、5辺の多角形を画成するように成形される。あるいは、コイルは、円又は楕円の形状など、任意の他の好適な形状を有することができる。図示するように、コイルは、接続線90により(例えば、多角形の「底辺」にて)電極に接続することができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、それぞれのコイル80は、また、電極として機能する。例えば、それぞれのコイルは、組織から電気絶縁された絶縁部分に加えて、絶縁されていない部分を備えることができる。この絶縁されていない部分は、組織と接触している間、ECG信号及びアブレーション信号など、信号を組織とやりとりする。コイルは、従って、少なくとも3つの機能、即ち、(i)組織との信号のやりとり、(ii)組織への又は組織からのこれらの信号の搬送、及び、(iii)磁場に応じた電圧差の出力を実行する。尚、このようなコイルを備える導電要素74は、コイルが電極78の機能を既に実行することができることから、コイルとは別個である電極78を必ずしも備えるというわけではない。
【0067】
いくつかの実施形態では、導電要素のうちのそれぞれの少なくとも一部は、導電要素が被検者の体の内側で受ける歪みに応じて変動する電気抵抗を有する。例えば、コイル80は、全部、一部を問わず、生体用の歪みの影響を受けやすい材料で作製することができ、及び/又は、コイルを歪みの影響を受けやすくする形を有することができる。このような実施形態では、導電要素のうちのそれぞれに掛けられた歪みは、導電要素の電気抵抗を測定することにより測定することができる。例えば、既知の振幅(及び生成された磁場の周波数と異なる周波数)の電流を、接続されたリードを介して導電要素のうちのそれぞれを介して通すことができ、リードの近位端子の間の結果として生じる電圧を測定することができる。この電圧を、電流の振幅で割ると(また、リードの電気抵抗を考慮に入れると)導電要素の電気抵抗が得られ、電気抵抗は、次に、導電要素に印加された歪みの大きさを示す。カテーテルに印加された歪みは、その後、導電要素について測定された歪みから導出することができる。
【0068】
あるいは又は更に、導電要素のうちのそれぞれは、熱電対接合部を備えることができる。換言すると、導電要素のうちのそれぞれは、導電要素のうちのそれぞれが、熱電対温度センサとして機能するように、温度検知接合部にて互いに接続された、異なる金属で作製された2つの部分を備えることができる。例えば、コイル80の一部は、銅で作製することができ、コイルの別の部分は、コンスタンタンで作製することができ、銅及びコンスタンタンは、熱電対接合部にて互いに接続される。このような接合部は、例えば、コイル80の遠位端にて、例えば、コイル80が接続線90に遭遇する地点にて位置することができる。あるいは、このような接合部は、コイル80に沿って、又は、リード88の1つに沿って他のどこでも位置してもよい。このような実施形態では、熱電対接合部は、組織の及び/又は周囲環境の温度を測定するために使用することができる。例えば、熱電対接合部が被検者の組織に接触している間、電圧差をリード全体にわたって測定することにより組織の温度を測定することができる。(この電圧は、生成された磁場により誘発される交流電圧と区別することができるように、直流(DC)電圧である。)
【0069】
あるいは又は更に、導電要素とパッチとの間のインピーダンスを測定するためになど、電流を導電要素と被検者の皮膚に結合されたパッチとの間に通すことができる。このようなインピーダンス測定を、例えば、インピーダンスベースの追跡システムに使用することができ、これによって、導電要素の場所は、生成された磁場により導電要素において誘発される電圧に応じて確認されることに対して、代替的に又は追加的に、測定されたインピーダンスに応じて確認される。
【0070】
尚、上記の歪み、温度、及び、インピーダンス測定は、また、図1に関して先述した導電要素24により、並びに、任意の他の好適な多機能導電要素により実行することができる。本明細書で説明する多機能導電要素は、図1のバスケット20、又は、図4のバルーン76など、拡張可能な構造体に、又は、任意の他の好適な工具に結合することができる。
【0071】
当業者であれば、本発明が上記で具体的に図示及び記載されたものに限定されない点を理解するであろう。むしろ、本発明の実施形態の範囲は、上述した様々な特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせ、並びに上記の説明を読むことで当業者には想到されるであろう、従来技術には見られない特徴の変形例及び改変例をも含むものである。参照により本特許出願に援用される文献は、これらの援用文献においていずれかの用語が、本明細書において明示的又は暗示的になされた定義と矛盾して定義されている場合には本明細書における定義のみを考慮するものとする点を除き、本出願の一部とみなすものとする。
【0072】
〔実施の態様〕
(1) 装置であって、
被検者の体への挿入のために構成された拡張可能な構造体と、
前記拡張可能な構造体に結合された複数の導電要素であって、前記導電要素のうちのそれぞれは、それぞれのコイルを含み、
前記被検者の組織から電気絶縁される絶縁部分と、
前記組織と接触している間に信号を前記組織とやりとりするように構成された絶縁されていない部分とを有する、複数の導電要素と、
を備える、装置。
(2) 前記拡張可能な構造体は、バルーンを含む、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記拡張可能な構造体は、バスケットを含む、実施態様1に記載の装置。
(4) 前記導電要素のうちのそれぞれは、前記コイルに接続された電極を含み、前記電極は、前記信号を前記組織とやりとりするように構成され、前記コイルは、前記やりとりされた信号を搬送するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(5) 前記コイルは、前記コイルが接続されている前記電極に近位に位置する、実施態様4に記載の装置。
【0073】
(6) 前記コイルは、シングルループコイルである、実施態様1に記載の装置。
(7) 前記コイルは、螺旋コイルである、実施態様1に記載の装置。
(8) 前記コイルは、平坦である、実施態様1に記載の装置。
(9) 前記信号を前記導電要素と前記装置の近位端との間で搬送するように構成された、前記導電要素のうちのそれぞれの導電要素に接続された2つのリードを更に備える、実施態様1に記載の装置。
(10) 前記導電要素のうちのそれぞれの導電要素の少なくとも一部は、前記導電要素が被検者の体の内側で受ける歪みに応じて変動する電気抵抗を有する、実施態様1に記載の装置。
【0074】
(11) 前記導電要素のうちのそれぞれは、熱電対接合部を含む、実施態様1に記載の装置。
(12) 前記コイルは、前記絶縁されていない部分を含む、実施態様1に記載の装置。
(13) 方法であって、
導電要素から、磁場により前記導電要素全体にわたって誘発された電圧差を、前記導電要素をカテーテルの近位端に接続する2つのリードを介して受け取ることと、
前記電圧差に応じて、前記導電要素の場所を確認することと、
前記導電要素が被検者の組織と接触している間、信号を前記導電要素及び前記リードのうちの少なくとも1つを介して前記組織とやりとりすることと、
を含む、方法。
(14) 前記信号は、心電図(ECG)信号であり、前記信号をやりとりすることは、前記ECG信号を前記組織から取得することを含む、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記信号は、アブレーション信号であり、前記信号をやりとりすることは、前記アブレーション信号を前記組織内に伝えることを含む、実施態様13に記載の方法。
【0075】
(16) 前記信号をやりとりすることは、前記信号を前記導電要素が被検者の体の内部にある間にやりとりすることを含む、実施態様13に記載の方法。
(17) 前記導電要素は、シングルループコイルである、実施態様13に記載の方法。
(18) 前記導電要素は、螺旋コイルである、実施態様13に記載の方法。
(19) 前記電圧差は、第1の電圧差であり、前記方法は、温度を、第2の電圧差を前記リード全体にわたって測定することにより測定することを更に含む、実施態様13に記載の方法。
(20) 前記導電要素に掛けられた歪みを、前記導電要素の電気抵抗を測定することにより測定することを更に含む、実施態様13に記載の方法。
【0076】
(21) 前記導電要素と、前記被検者の皮膚に結合されたパッチとの間のインピーダンスを、電流を前記導電要素と前記パッチとの間で伝えることにより、測定することを更に含み、前記場所の前記確認は、更に、前記測定されたインピーダンスに応じる、実施態様13に記載の方法。
図1
図2
図3
図4