(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20221024BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20221024BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20221024BHJP
G02F 1/1345 20060101ALI20221024BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20221024BHJP
【FI】
G09F9/30 330
G02F1/133 550
G02F1/1333
G02F1/1345
G02F1/1368
G09F9/30 308Z
G09F9/30 349Z
(21)【出願番号】P 2017224897
(22)【出願日】2017-11-22
【審査請求日】2020-10-22
(31)【優先権主張番号】10-2016-0164328
(32)【優先日】2016-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】金 ▲玄▼ 雄
(72)【発明者】
【氏名】郭 源 奎
(72)【発明者】
【氏名】李 承 珪
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0225312(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0232826(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0368228(US,A1)
【文献】特開2014-021479(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0043010(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0319523(US,A1)
【文献】特開2006-215550(JP,A)
【文献】特開2004-253303(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0127606(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0022180(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/13-1/1334
1/1339-1/141
G09F9/00-9/46
H01L27/32
51/50
H05B33/00-33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素およびデータ線を含む表示領域と、
前記表示領域の外側に位置する周辺領域と、
前記周辺領域に位置するパッド部と、
前記周辺領域に位置し、ベンディングされているかベンディングされ得るベンディング領域と、
前記表示領域と前記パッド部との間に位置し、スイッチング素子を含む第1クラック感知回路部と、
前記ベンディング領域に位置する第1屈曲部を含み、前記パッド部と前記第1クラック感知回路部との間に連結されている第1クラック感知線と、
前記周辺領域にて第1方向に伸びる第1検査データ線及び第2検査データ線とを、表示パネル上に含み、
前記第2検査データ線は、前記パッド部と連結されており、
前記ベンディング領域は、前記パッド部並びに前記第1検査データ線及び前記第2検査データ線と平行に直線状に延びており、
前記第1クラック感知線の一端は前記パッド部に連結されており、前記第1クラック感知線の他端は前記第1検査データ線に連結されており、
前記第1クラック感知回路部は、第1スイッチング素子および第2スイッチング素子を含み、
前記第1スイッチング素子は、前記第2検査データ線と連結されている入力端子、および、前記データ線のうちの第1データ線と連結されている出力端子を含み、
前記第2スイッチング素子は、前記第1検査データ線と連結されている入力端子、および、前記データ線のうちの第2データ線と連結されている出力端子を含み、
前記表示領域と前記パッド部の間に位置し、スイッチング素子を含む第2クラック感知回路部と、
前記周辺領域のうち前記表示領域の周辺に位置する第2屈曲部を含み、前記パッド部と前記第2クラック感知回路部の間に連結されている第2クラック感知線と、
前記周辺領域で第1方向に伸びる第4検査データ線及び第5検査データ線とを、表示パネル上に含み、
前記第5検査データ線は、前記パッド部と連結されており、
前記第2クラック感知線の一端は前記パッド部に連結されており、前記第2クラック感知線の他端は前記第4検査データ線に連結されており、
前記第2クラック感知回路部は、第4スイッチング素子および第5スイッチング素子を含み、
前記第4スイッチング素子は、前記第5検査データ線と連結されている入力端子および前記データ線のうちの第4データ線と連結されている出力端子を含み、
前記第5スイッチング素子は、前記第4検査データ線と連結されている入力端子および前記データ線のうちの第5データ線と連結されている出力端子を含み、
前記パッド部と前記第5検査データ線との間に位置するマッチング抵抗をさらに含み、
前記マッチング抵抗は、前記第5検査データ線の端部にのみ連結されるように配置される表示装置。
【請求項2】
画素およびデータ線を含む表示領域と、
前記表示領域の外側に位置する周辺領域と、
前記周辺領域に位置するパッド部と、
前記周辺領域に位置し、ベンディングされているかベンディングされ得るベンディング領域と、
前記表示領域と前記パッド部との間に位置し、スイッチング素子を含む第1クラック感知回路部と、
前記ベンディング領域に位置する第1屈曲部を含み、前記パッド部と前記第1クラック感知回路部との間に連結されている第1クラック感知線と、
前記表示領域と前記パッド部の間に位置し、スイッチング素子を含む第2クラック感知回路部と、
前記周辺領域のうち前記表示領域の周辺に位置する第2屈曲部を含み、前記パッド部と前記第2クラック感知回路部の間に連結されている第2クラック感知線と、を含み、
前記第2クラック感知回路部は、前記ベンディング領域と前記パッド部との間に位置し、
前記第2クラック感知線は、前記ベンディング領域を通過する部分を含み、
前記ベンディング領域にて、前記第1クラック感知線は、前記第2クラック感知線と前記周辺領域の外側周縁との間に位置する、表示装置。
【請求項3】
画素およびデータ線を含む表示領域と、
前記表示領域の外側に位置する周辺領域と、
前記周辺領域に位置するパッド部と、
前記周辺領域に位置し、ベンディングされているかベンディングされ得るベンディング領域と、
前記表示領域と前記パッド部との間に位置し、スイッチング素子を含む第1クラック感知回路部と、
前記ベンディング領域に位置する第1屈曲部を含み、前記パッド部と前記第1クラック感知回路部との間に連結されている第1クラック感知線と、
前記表示領域と前記パッド部の間に位置し、スイッチング素子を含む第2クラック感知回路部と、
前記周辺領域のうち前記表示領域の周辺に位置する第2屈曲部を含み、前記パッド部と前記第2クラック感知回路部の間に連結されている第2クラック感知線と、を含み、
前記第1クラック感知回路部と、前記第2クラック感知回路部との間に、前記ベンディング領域が位置する、表示装置。
【請求項4】
前記周辺領域にて第1方向に伸びる第1検査データ線をさらに含み、
前記第1クラック感知線の一端は前記パッド部に連結されており、前記第1クラック感知線の他端は前記第1検査データ線に連結されており、
前記周辺領域にて前記第1方向に伸び、前記パッド部と連結されている第2検査データ線をさらに含み、
前記第1クラック感知回路部は、第1スイッチング素子および第2スイッチング素子を含み、
前記第1スイッチング素子は、前記第2検査データ線と連結されている入力端子、および、前記データ線のうちの第1データ線と連結されている出力端子を含み、
前記第2スイッチング素子は、前記第1検査データ線と連結されている入力端子、および、前記データ線のうちの第2データ線と連結されている出力端子を含み、
前記周辺領域で第1方向に伸びる第4検査データ線及び第5検査データ線とを、表示パネル上に含み、
前記第5検査データ線は、前記パッド部と連結されており、
前記第2クラック感知線の一端は前記パッド部に連結されており、前記第2クラック感知線の他端は前記第4検査データ線に連結されており、
前記第2クラック感知回路部は、第4スイッチング素子および第5スイッチング素子を含み、
前記第4スイッチング素子は、前記第5検査データ線と連結されている入力端子および前記データ線のうちの第4データ線と連結されている出力端子を含み、
前記第5スイッチング素子は、前記第4検査データ線と連結されている入力端子および前記データ線のうちの第5データ線と連結されている出力端子を含む、請求項2または3に記載の表示装置。
【請求項5】
画素およびデータ線を含む表示領域と、
前記表示領域の外側に位置する周辺領域と、
前記周辺領域に位置するパッド部と、
前記周辺領域に位置し、ベンディングされているかベンディングされ得るベンディング領域と、
前記表示領域と前記パッド部との間に位置し、スイッチング素子を含む第1クラック感知回路部と、
前記ベンディング領域に位置する第1屈曲部を含み、前記パッド部と前記第1クラック感知回路部との間に連結されている第1クラック感知線と、
前記周辺領域にて第1方向に伸びる第1検査データ線及び第2検査データ線とを、表示パネル上に含み、
前記第2検査データ線は、前記パッド部と連結されており、
前記ベンディング領域は、前記パッド部並びに前記第1検査データ線及び前記第2検査データ線と平行に直線状に延びており、
前記第1クラック感知線の一端は前記パッド部に連結されており、前記第1クラック感知線の他端は前記第1検査データ線に連結されており、
前記第1クラック感知回路部は、第1スイッチング素子および第2スイッチング素子を含み、
前記第1スイッチング素子は、前記第2検査データ線と連結されている入力端子、および、前記データ線のうちの第1データ線と連結されている出力端子を含み、
前記第2スイッチング素子は、前記第1検査データ線と連結されている入力端子、および、前記データ線のうちの第2データ線と連結されている出力端子を含み、
前記表示領域と前記パッド部の間に位置し、スイッチング素子を含む第2クラック感知回路部と、
前記周辺領域のうち前記表示領域の周辺に位置する第2屈曲部を含み、前記パッド部と前記第2クラック感知回路部の間に連結されている第2クラック感知線と、
前記周辺領域で第1方向に伸びる第4検査データ線及び第5検査データ線とを、表示パネル上に含み、
前記第5検査データ線は、前記パッド部と連結されており、
前記第2クラック感知線の一端は前記パッド部に連結されており、前記第2クラック感知線の他端は前記第4検査データ線に連結されており、
前記第2クラック感知回路部は、第4スイッチング素子および第5スイッチング素子を含み、
前記第4スイッチング素子は、前記第5検査データ線と連結されている入力端子および前記データ線のうちの第4データ線と連結されている出力端子を含み、
前記第5スイッチング素子は、前記第4検査データ線と連結されている入力端子および前記データ線のうちの第5データ線と連結されている出力端子を含み、
前記第2及び第4検査データ線と連結されるスイッチング素子は、前記第1方向での内側に位置するデータ線に対応して配置され、前記第1及び第5検査データ線と連結されるスイッチング素子は、前記第1方向での端部の近傍のデータ線に対応して配置される、表示装置。
【請求項6】
画素およびデータ線を含む表示領域と、
前記表示領域の外側に位置する周辺領域と、
前記周辺領域に位置するパッド部と、
前記周辺領域に位置し、ベンディングされているかベンディングされ得るベンディング領域と、
前記表示領域と前記パッド部との間に位置し、スイッチング素子を含む第1クラック感知回路部と、
前記表示領域と前記パッド部の間に位置し、スイッチング素子を含む第2クラック感知回路部と、
前記周辺領域のうち前記表示領域の周辺に位置する第2屈曲部を含み、前記パッド部と前記第2クラック感知回路部の間に連結されている第2クラック感知線と、
前記ベンディング領域に位置する第1屈曲部を含み、前記パッド部と前記第1クラック感知回路部との間に連結されている第1クラック感知線と、
前記周辺領域にて第1方向に伸びる第1検査データ線及び第2検査データ線とを、表示パネル上に含み、
前記第2検査データ線は、前記パッド部と連結されており、
前記ベンディング領域は、前記パッド部並びに前記第1検査データ線及び前記第2検査データ線と平行に直線状に延びており、
前記第1クラック感知線の一端は前記パッド部に連結されており、前記第1クラック感知線の他端は前記第1検査データ線に連結されており、
前記第1クラック感知回路部は、第1スイッチング素子および第2スイッチング素子を含み、
前記第1スイッチング素子は、前記第2検査データ線と連結されている入力端子、および、前記データ線のうちの第1データ線と連結されている出力端子を含み、
前記第2スイッチング素子は、前記第1検査データ線と連結されている入力端子、および、前記データ線のうちの第2データ線と連結されている出力端子を含み、
前記第1クラック感知回路部のスイッチング素子に連結されるデータ線と、前記第2クラック感知回路部のスイッチング素子に連結されるデータ線とは、一定の数ごとに互いに切り替わるようにして、前記第1方向に交互に配置される、表示装置。
【請求項7】
前記周辺領域で第1方向に伸びる第4検査データ線及び第5検査データ線とを、表示パネル上に含み、
前記第5検査データ線は、前記パッド部と連結されており、
前記第2クラック感知線の一端は前記パッド部に連結されており、前記第2クラック感知線の他端は前記第4検査データ線に連結されており、
前記第2クラック感知回路部は、第4スイッチング素子および第5スイッチング素子を含み、
前記第4スイッチング素子は、前記第5検査データ線と連結されている入力端子および前記データ線のうちの第4データ線と連結されている出力端子を含み、
前記第5スイッチング素子は、前記第4検査データ線と連結されている入力端子および前記データ線のうちの第5データ線と連結されている出力端子を含む、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記パッド部と前記第5検査データ線との間に位置するマッチング抵抗をさらに含む、請求項5または7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記マッチング抵抗は、前記第5検査データ線の端部にのみ連結されるように配置される請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1クラック感知線は、ベンディング領域を繰り返し往復して横切るように形成されている、請求項1~9のいずれかに記載の表示装置。
【請求項11】
前記ベンディング領域が
前記データ線を横切る方向に延びており、
前記第2クラック感知線は、前記表示領域の両側にて、前記表示領域から
、前記
データ線を横切る方向の左右に延長された領域を、繰り返し往復して、データ線に沿った方向に横切るように形成されている、請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第2クラック感知線は、前記パッド部の逆側にて、前記表示領域の隅角の近傍から、前記
データ線を横切る方向における中央部との間を繰り返し往復するように形成されている、請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第2データ線は、前記画素のうちの第1色を示す画素と連結されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項14】
前記第1クラック感知回路部は、前記ベンディング領域と前記パッド部との間に位置する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項15】
前記ベンディング領域を通り抜けて伸び、共通電圧を伝達する共通電圧伝達線をさらに含み、
前記ベンディング領域にて、前記第1クラック感知線は、前記共通電圧伝達線と、前記周辺領域の周縁との間に位置する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項16】
前記ベンディング領域を通り抜けて伸び、共通電圧を伝達する共通電圧伝達線をさらに含み、
前記ベンディング領域にて、前記共通電圧伝達線は、前記第1クラック感知線と、前記周辺領域の周縁との間に位置する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項17】
前記第2データ線は、前記画素のうちの第1色を示す画素と連結されており、前記第5データ線は、前記画素のうちの第2色を示す画素と連結されている、請求項1または13に記載の表示装置。
【請求項18】
前記第2クラック感知回路部は、前記ベンディング領域と前記パッド部との間に位置する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項19】
前記ベンディング領域に位置する抵抗線を含むストレインゲージをさらに含む、請求項1~3のいずれかに記載の表示装置。
【請求項20】
前記抵抗線は、前記第1クラック感知線と、前記周辺領域の周縁との間に位置する、請求項19に記載の表示装置。
【請求項21】
複数の画素および複数のデータ線が位置する表示領域と、
前記表示領域の外側に位置する周辺領域と、
前記周辺領域に位置し、ベンディングされているかベンディングされ得るベンディング領域と、
前記ベンディング領域に位置する第1クラック感知線と、
前記周辺領域のうちの前記表示領域の少なくとも一辺に沿った領域に位置する第2クラック感知線と、
前記周辺領域に位置するパッド部と、
を、表示パネル上に含み、
前記ベンディング領域は、前記パッド部と平行に直線状に延びており、
前記第1クラック感知線は、ベンディング領域を繰り返し横切るように形成されており、
前記第2クラック感知線は、前記表示領域の両側にて、前記表示領域から、前記データ線を横切る方向の左右に延長された領域を、繰り返し、前記データ線に沿った方向に横切るように形成されている、表示装置。
【請求項22】
前記第2クラック感知線は、前記パッド部の逆側にて、前記表示領域の隅角の近傍から、前記パッド部と平行の方向における中央部との間を繰り返し往復するように形成されている、請求項21に記載の表示装置。
【請求項23】
前記第1クラック感知線の一端と連結されている第1スイッチング素子、および、前記第1クラック感知線の他端と連結されている第2スイッチング素子を含む第1クラック感知回路部と、
前記第2クラック感知線の一端と連結されている第3スイッチング素子、および、前記第2クラック感知線の他端と連結されている第4スイッチング素子を含む第2クラック感知回路部と、
をさらに含む、請求項22に記載の表示装置。
【請求項24】
前記第1スイッチング素子、前記第2スイッチング素子、前記第3スイッチング素子および前記第4スイッチング素子は、いずれも、前記複数のデータ線のうちの一つと、それぞれ連結されている、請求項23に記載の表示装置。
【請求項25】
前記第1および第2スイッチング素子は、前記複数の画素のうちの第1色を示す第1色画素と連結されており、
前記第3および第4スイッチング素子は、前記複数の画素のうちの前記第1色と異なる第2色を示す第2色画素と連結されている、
請求項24に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関し、より具体的には、ベンディング領域を含む表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置(liquid crystal displayay、LCD)、発光表示装置(light emitting diode display)などの表示装置は、映像を表示できる複数の画素と、複数の信号線とを含む表示パネルを含む。各画素は、データ信号の印加を受ける画素電極を含み、画素電極は、少なくとも一つのトランジスタに連結されてデータ信号の印加を受けることができる。表示パネルは積層された複数の層を含むことができる。
【0003】
表示パネルの製造過程において、表示パネルが衝撃を受けて、基板、またはその上に積層された層に、クラック(crack)が発生することがある。クラックは、時間の経過により漸次に大きくなったり、他の層または他の領域に広まったりして、表示パネルの不良が発生することがある。例えば、データ線または走査線といった信号線に、クラックが発生して断線したり抵抗が増加することもあり、クラックを通じて表示パネルの内部に水分などが侵入して発光素子の信頼性が落ちることがある。そのため、表示パネルの画素が発光しないかまたは誤発光するなどの様々な問題が発生する恐れがある。
【0004】
特に、最近に開発されているフレキシブル表示装置(flexible display)は、製造または使用中に、反ったり曲がったりすることがあるが、表示パネルの基板または積層された層に、微細ながらもクラックが存在すれば、初期には問題がなくても、時間の経過に連れて、表示パネルの反りまたは曲がりにより微細なクラックが、より大きいクラックへ発展することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2008-015287号公報
【文献】特開2016-162447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本記載の実施形態の目的は、表示装置が含む表示パネルが、ベンディング領域を含み、ベンディング領域でベンディングされているかまたはベンディング可能な場合、表示装置のベンディング領域、およびベンディング領域以外の表示パネル周縁領域で発生し得る、クラックなどの不良を、すべて検出することができる表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る表示装置は、(i)画素およびデータ線を含む表示領域と、(ii)前記表示領域の外側に位置する周辺領域と、(iii)前記周辺領域に位置するパッド部と、(iv)前記周辺領域に位置し、ベンディングされているかベンディングされ得るベンディング領域と、(v)前記表示領域と前記パッド部との間に位置し、スイッチング素子を含む第1クラック感知回路部と、(vi)前記ベンディング領域に位置する第1屈曲部を含み、前記パッド部と前記クラック感知回路部との間に連結されている第1クラック感知線と、を含む。
【0008】
前記周辺領域で第1方向に伸びる第1検査データ線をさらに含み、前記第1クラック感知線の一端は前記パッド部に連結されており、前記第1クラック感知線の他端は前記第1検査データ線に連結されていてもよい。
【0009】
前記周辺領域で前記第1方向に伸び、前記パッド部と連結されている第2検査データ線をさらに含み、前記第1クラック感知回路部は、第1スイッチング素子および第2スイッチング素子を含み、前記第1スイッチング素子は、前記第2検査データ線と連結されている入力端子および前記データ線のうちの第1データ線と連結されている出力端子を含み、前記第2スイッチング素子は、前記第1検査データ線と連結されている入力端子および前記データ線のうちの第2データ線と連結されている出力端子を含むことができる。
【0010】
前記第2データ線は、前記画素のうちの第1色を示す画素と連結されていてもよい。
【0011】
前記第1クラック感知回路部は、前記ベンディング領域と前記パッド部の間に位置することができる。
【0012】
前記ベンディング領域を通過しながら共通電圧を伝達する共通電圧伝達線をさらに含み、前記ベンディング領域で前記第1クラック感知線は、前記共通電圧伝達線と前記周辺領域の外側周縁の間に位置することができる。
【0013】
前記ベンディング領域を通過しながら共通電圧を伝達する共通電圧伝達線をさらに含み、前記ベンディング領域で前記共通電圧伝達線は、前記第1クラック感知線と前記周辺領域の外側周縁の間に位置することができる。
【0014】
前記周辺領域のうち前記表示領域の周辺に位置する第2屈曲部を含み、前記パッド部と前記第1クラック感知回路部の間に連結されている第2クラック感知線と、前記周辺領域で前記第1方向に伸びる第3検査データ線と、をさらに含み、前記第2クラック感知線の一端は前記パッド部に連結されており、前記第2クラック感知線の他端は前記第3検査データ線に連結されていてもよい。
【0015】
前記第1クラック感知回路部は、第3スイッチング素子をさらに含み、前記第3スイッチング素子は、前記第3検査データ線と連結されている入力端子および前記データ線のうちの第3データ線と連結されている出力端子を含むことができる。
【0016】
前記第3データ線は、前記画素のうちの第2色を示す画素と連結されていてもよい。
【0017】
前記第2データ線は、前記画素のうちの第1色を示す画素および第3色を示す画素と連結されていてもよい。
【0018】
前記表示領域と前記パッド部の間に位置し、スイッチング素子を含む第2クラック感知回路部と、前記周辺領域のうち前記表示領域の周辺に位置する第2屈曲部を含み、前記パッド部と前記第2クラック感知回路部の間に連結されている第2クラック感知線と、をさらに含むことができる。
【0019】
前記周辺領域で第1方向に伸びる第4検査データ線をさらに含み、前記第2クラック感知線の一端は前記パッド部に連結されており、前記第2クラック感知線の他端は前記第4検査データ線に連結されていてもよい。
【0020】
前記周辺領域で前記第1方向に伸び、前記パッド部と連結されている第5検査データ線をさらに含み、前記第2クラック感知回路部は、第4スイッチング素子および第5スイッチング素子を含み、前記第4スイッチング素子は、前記第5検査データ線と連結されている入力端子および前記データ線のうちの第4データ線と連結されている出力端子を含み、前記第5スイッチング素子は、前記第4検査データ線と連結されている入力端子および前記データ線のうちの第5データ線と連結されている出力端子を含むことができる。
【0021】
前記パッド部と前記第5検査データ線の間に位置するマッチング抵抗をさらに含むことができる。
【0022】
前記第2データ線は、前記画素のうちの第1色を示す画素と連結されており、前記第5データ線は、前記画素のうちの第2色を示す画素と連結されていてもよい。
【0023】
前記第2クラック感知回路部は、前記ベンディング領域と前記パッド部の間に位置することができる。
【0024】
前記第2クラック感知線は、前記ベンディング領域を通過する部分を含み、前記ベンディング領域で、前記第1クラック感知線は前記第2クラック感知線と前記周辺領域の外側周縁の間に位置することができる。
【0025】
前記第1クラック感知回路部と前記第2クラック感知回路部の間に前記ベンディング領域が位置することができる。
前記ベンディング領域に位置する抵抗線を含むストレインゲージをさらに含むことができる。
【0026】
前記抵抗線は、前記第1クラック感知線と前記周辺領域の外側周縁の間に位置することができる。
【0027】
一実施形態に係る表示装置は、複数の画素および複数のデータ線が位置する表示領域と、前記表示領域の外側に位置する周辺領域と、前記周辺領域に位置し、ベンディングされているかベンディングされ得るベンディング領域と、前記ベンディング領域に位置する第1クラック感知線と、前記周辺領域のうちの前記表示領域の少なくとも一辺周囲の領域に位置する第2クラック感知線と、を含む。
【0028】
前記第1クラック感知線の一端と連結されている第1スイッチング素子および前記第1クラック感知線の他端と連結されている第2スイッチング素子を含む第1クラック感知回路部と、前記第2クラック感知線の一端と連結されている第3スイッチング素子および前記第2クラック感知線の他端と連結されている第4スイッチング素子を含む第2クラック感知回路部と、をさらに含むことができる。
【0029】
前記第1スイッチング素子、前記第2スイッチング素子、前記第3スイッチング素子および前記第4スイッチング素子のそれぞれは、前記複数のデータ線のそれぞれと連結されていてもよい。
【0030】
前記第1および第2スイッチング素子は、前記複数の画素のうちの第1色を示す第1色画素と連結されており、前記第3および第4スイッチング素子は、前記複数の画素のうちの前記第1色と異なる第2色を示す第2色画素と連結されていてもよい。
【0031】
好ましい一実施形態の表示装置は、
(i) 九十九折(つづらおり、zigzag folded shape)状に延びるクラック感知線と、
(ii) 表示パネルの一端のパッド部中に備えられ、テストの際に、クラック感知線の一端にテスト電圧を供給するためのテストパッドと、
(iii) 一連の検査用スイッチング素子であって、
各検査用スイッチング素子は、入力端子が検査データ線を介して、クラック感知線の他端と接続され、出力端子が、表示領域に画像データを供給するための一のデータ線に接続される検査用スイッチング素子と、
(iv) 検査用スイッチング素子をターンオンするための検査ゲート線と、を含む。
【0032】
また、さらに好ましい一実施形態の表示装置は、
(vi) 検査用スイッチング素子と交互に配置され、同じ検査ゲート線によってターンオンされる一連のダミー検査用スイッチング素子を、さらに含み、各ダミー検査用スイッチング素子は、入力端子が、ダミー検査データ線を介して、上記のテストパッドに接続され、出力端子が他の一のデータ線に接続される。
【発明の効果】
【0033】
本記載の実施形態によると、ベンディング領域を含む表示装置にて、ベンディング領域、および、ベンディング領域以外の表示パネル周縁領域で発生し得るクラックなどの不良をすべて検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】一実施形態に係る表示装置が含む表示パネルの概略的な平面図である。
【
図2】一実施形態に係る表示パネルがベンディングされた状態を示す図面である。
【
図3】一実施形態に係る表示装置が含む表示パネルの平面図である。
【
図4】
図3に示した表示装置のIII-IIIa線による断面図である。
【
図5】一実施形態に係る表示装置の一つの画素に対する配置図である。
【
図6】
図5に示した実施形態による表示装置のV-Va線による断面図である。
【
図7】一実施形態に係る表示装置が含む表示パネルの平面図であり、ベンディング領域にクラックが発生した場合の画素の点灯状態を示す図面である。
【
図8】一実施形態に係る表示装置が含む表示パネルの平面図であり、ベンディング領域にクラックが発生した場合の画素の点灯状態を示す図面である。
【
図9】一実施形態に係る表示装置が含む表示パネルの平面図であり、ベンディング領域以外の周辺領域にクラックが発生した場合の画素の点灯状態を示す図面である。
【
図10】一実施形態に係る表示装置が含む表示パネルの平面図であり、ベンディング領域以外の周辺領域にクラックが発生した場合の画素の点灯状態を示す図面である。
【
図11】一実施形態に係る表示装置が含む表示パネルの平面図であり、ベンディング領域およびベンディング領域以外の周辺領域にクラックが発生した場合の画素の点灯状態を示す図面である。
【
図12】一実施形態に係る表示装置が含む表示パネルの平面図であり、ベンディング領域およびベンディング領域以外の周辺領域にクラックが発生した場合の画素の点灯状態を示す図面である。
【
図13】一実施形態に係る表示装置が含む表示パネルの平面図である。
【
図14】
図13に示した実施形態による表示装置のXIII-XIIIa線による断面図である。
【
図15】一実施形態に係る表示装置が含む表示パネルの平面図である。
【
図16】一実施形態に係る表示装置が含む表示パネルのベンディング領域を拡大して示す平面図である。
【
図17】一実施形態に係る表示装置が含む表示パネルの平面図である。
【
図18】一実施形態に係る表示装置が含む表示パネルのベンディング領域を拡大して示す平面図である。
【
図19】一実施形態に係る表示装置が含む表示パネルの平面図である。
【
図20】一実施形態に係る表示装置が含む表示パネルの平面図である。
【
図21】一実施形態に係る表示装置が含む表示パネルの平面図である。
【
図22】一実施形態に係る表示装置が含む表示パネルの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付した図面を参照して本発明の多様な実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。本発明は、多様な異なる形態に具現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0036】
本発明を明確に説明するために、説明上、不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似する構成要素については同一の参照符号を付した。
【0037】
図面に示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したため、本発明が必ず図示されたものに限定されるのではない。図面において、複数の層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして、図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0038】
層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるという時、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。反対に、ある部分が他の部分の「直上」にあるという時には、中間にまた他の部分がないことを意味する。また、基準になる部分の「上」にあるということは、基準になる部分の上または下に位置することであり、必ず重力反対方向に向かって「上」に位置することを意味するのではない。
【0039】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むことが できることを意味する。
【0040】
まず、
図1および
図2を参照して一実施形態に係る表示装置について説明する。
【0041】
図1および
図2を参照すると、一実施形態に係る表示装置は、表示領域DAおよび周辺領域PAを含む表示パネル1000を含む。周辺領域PAは、表示領域DAの外側に位置する領域である。
【0042】
表示領域DAは、複数の画素PXおよび複数の信号線を含む。
【0043】
表示領域DAは、x方向およびy方向に平行な面の上で映像を表示することができる。以下でx方向およびy方向に垂直な方向に見た時に観察される構造を平面上の構造といい、x方向およびy方向に垂直な方向に切断した時に見える構造を断面上の構造という。
【0044】
信号線は、ゲート信号を伝達する複数のゲート線(図示せず)およびデータ信号を伝達する複数のデータ線171を含む。データ線171は、表示領域DAでほぼy方向に伸び、周辺領域PAに延長されて周辺領域PAに位置するパッド部PDAに連結されてもよい。
【0045】
画素PXは、少なくとも一つのスイッチング素子(図示せず)およびこれに連結された画素電極(図示せず)を含むことができる。スイッチング素子は、表示パネル1000に集積されているトランジスタなどの三端子素子であってもよい。スイッチング素子は、ゲート線が伝達するゲート信号によりターンオンまたはターンオフされてデータ信号を選択的に画素電極に伝達することができる。
【0046】
色表示を具現するために各画素PXは特定色のうちの一つを表示することができ、これらの特定色が表示する映像の合計で所望の色の映像が認識され得る。複数の画素PXが表示する特定色の例としては、赤色、緑色および青色の三原色、またはイエロー、シアンおよびマゼンタなどの三原色などが挙げられ、これらの三原色以外に白色のような少なくとも一つの他の色をさらに含むこともできる。
【0047】
表示パネル1000は、画素PXおよび信号線が形成されている基板110をさらに含むことができる。基板110は、ガラス、プラスチックなどを含むことができ、柔軟性(flexibility)を有することができる。例えば、基板110は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルスルホン(PES)またはポリイミド(PI)などの多様なプラスチック、金属薄膜または超薄型ガラスなどを含むことができる。
【0048】
周辺領域PAは、パッド部PDA、ベンディング領域BDA、メインクラック感知線MCDa、MCDb、ベンディングクラック感知線BCDa、BCDb、メインクラック感知回路部MCDA、そしてベンディングクラック感知回路部BCDAを含むことができる。
【0049】
パッド部PDAは、表示パネル1000の一側周縁に位置してもよく、駆動ICチップ(図示せず)または膜IC(図示せず)のパッドと電気的に連結され得る複数のパッド(図示せず)を含むことができる。図示していないが、一実施形態に係る表示装置は、パッド部PDAを通じて表示パネル1000と電気的に連結されている駆動チップまたは膜ICをさらに含むことができる。膜ICは、フィルムの形態であってもよく、取り付けられた駆動ICチップを含むことができる。表示パネル1000の上に位置するか、膜ICの上に位置する駆動ICチップは、画素PXを駆動するためのデータ信号を生成するデータ駆動部、タイミングコントローラーなどを含むことができ、多様な駆動電圧を表示パネル1000に伝達することができる。
【0050】
このパッド部PDAには、クラックなどの不良の有無を検査する際に、テスト電圧を供給するためのテストパッドが含まれうる。なお、この検査の際には、表示領域内に画像データを伝達するためのデータ線には、電圧を印加しないままとすることができる。また、この検査は、定期的に自動的に行うように、表示装置の制御部にてプログラムされてもよく、また、ユーザーなどが、検査を開始するようにすることもできる。
【0051】
ベンディング領域BDAは、表示パネル1000をx方向に横切って延長されてもよい。
図1は、表示パネル1000がベンディング領域BDAで曲がらずに広げて延ばされた状態を示し、
図2は、表示パネル1000がベンディング領域BDAでベンディングされた状態を概略的に示す。
図2を参照すると、表示パネル1000は、ベンディング領域BDAで曲がって、ベンディング領域BDAよりも外側に位置する周辺領域PAが、表示パネル1000の後方に倒されて巻き上げられ、前面からは見えない。ベンディング領域BDAには、複数の配線を通すことができ、複数の配線は、ベンディング領域BDAで、ほぼy方向に伸びてもよい。ベンディング領域BDAで基板110の少なくとも一部が除去されてもよい。例えばx方向の両端部または中央部が省かれていてもよい。
【0052】
メインクラック感知線MCDa、MCDbは、周辺領域PA内にあって、表示領域DAの周辺に位置することができる。具体的に、メインクラック感知線MCDa、MCDbは、表示領域DAをその左側、右側および上側から囲むように、表示領域DAの周縁に沿って伸びる形態に配置されてもよい。例えば、一方のメインクラック感知線MCDaは、表示領域DAの左側の周辺領域PAでほぼy方向に長く伸びる部分、および、表示領域DAの左半部上側の周辺領域PAでほぼx方向に長く伸びる部分を含み、他方のメインクラック感知線MCDbは、表示領域DAの右側の周辺領域PAでほぼy方向に長く伸びる部分、および、表示領域DAの右半部上側の周辺領域PAでほぼx方向に長く伸びる部分を含むことができる。
【0053】
左右のメインクラック感知線MCDa、MCDbは、パッド部PDAから始まってベンディング領域BDAを通過し、周辺領域PAで表示領域DAの周辺に沿って伸び、表示領域DAの左右側および/または上側の周辺領域PAで1回以上往復して少なくとも一つの屈曲部を形成した後、再びベンディング領域BDAを通過してメインクラック感知回路部MCDAに連結されてもよい。メインクラック感知線MCDa、MCDbの一端はパッド部PDAと連結されてテスト電圧の印加を受けることができ、他端はメインクラック感知回路部MCDAと連結されてもよい。
【0054】
図示したものとは異なり、左側および右側のメインクラック感知線MCDa、MCDbは表示領域DAの上側で互いに連結されていてもよい。
【0055】
メインクラック感知線MCDa、MCDbは、ベンディング領域BDAの上下の縁の近傍に位置する少なくとも一つのコンタクト部(図示せず)を含むことができる。メインクラック感知線MCDa、MCDbは、コンタクト部を基準に断面上で互いに異なる層に位置する部分を含むことができる。コンタクト部は少なくとも一つの接触孔を含むことができる。
【0056】
2つのベンディングクラック感知線BCDa、BCDbは、それぞれベンディング領域BDAの左右の端部に位置し、ほぼy方向に長く伸びる部分を含むことができる。ベンディングクラック感知線BCDa、BCDbは、パッド部PDAから始まって、ベンディング領域BDA内で1回以上往復して屈曲部を形成した後、ベンディングクラック感知回路部BCDAに連結されてもよい。ベンディングクラック感知線BCDa、BCDbの一端はパッド部PDAと連結されてテスト電圧の印加を受けることができ、他端はベンディングクラック感知回路部BCDAと連結されてもよい。
【0057】
ベンディング領域BDA内で、左側のベンディングクラック感知線BCDaは、左側のメインクラック感知線MCDaと、基板110の周縁との間に位置することができる。基板110の周縁は、周辺領域PAの周縁と同一であってもよい。同様に、ベンディング領域BDA内にて、右側のベンディングクラック感知線BCDbは、右側のメインクラック感知線MCDbと、基板110の周縁または周辺領域PAの周縁との間に位置することができる。
【0058】
ベンディングクラック感知線BCDa、BCDbは、ベンディング領域BDAの上下の縁の近傍に位置する少なくとも一つのコンタクト部(図示せず)を含むことができ、ベンディングクラック感知線BCDa、BCDbはコンタクト部を基準に断面上で互いに異なる層に位置する部分を含むことができる。コンタクト部は少なくとも一つのコンタクトホール(接触孔)を含むことができる。
【0059】
ベンディングクラック感知回路部BCDAは、平面上でベンディング領域BDAとメインクラック感知回路部MCDAの間に位置することができるが、これに限定されるのではない。図示したものとは異なり、メインクラック感知回路部MCDAとベンディングクラック感知回路部BCDAのうちの少なくとも一つは、ベンディング領域BDAと表示領域DAとの間に位置することもでき、メインクラック感知回路部MCDAが、ベンディング領域BDAとベンディングクラック感知回路部BCDAとの間に位置することもできる。
【0060】
左右のメインクラック感知線MCDa、MCDbとメインクラック感知回路部MCDAは、表示パネル1000の周辺領域PAで、基板110または基板110の上に積層された層に発生するクラック、浮きなどの不良を、インクラック感知線MCDa、MCDbの抵抗変化を通じて感知することができる。左右のメインクラック感知線MCDa、MCDbの抵抗変化は、メインクラック感知回路部MCDAを用いる検査により、それぞれ確認することができ、詳しくは、
図7~12を用いて後で説明するように、表示領域DAの点灯状態を検査して確認することができる。
【0061】
左右のベンディングクラック感知線BCDa、BCDbとベンディングクラック感知回路部BCDAは、ベンディング領域BDAの左右の端部で発生するクラック、浮きなどの不良を、ベンディングクラック感知線BCDa、BCDbの抵抗変化を通じて感知することができる。ベンディングクラック感知線BCDa、BCDbの抵抗変化は、ベンディングクラック感知回路部BCDAを通じて表示領域DAの点灯状態を検査して確認することができる。
【0062】
次に、前述した
図1および
図2と共に
図3乃至
図6を参照して一実施形態に係る表示装置の具体的な構造について説明する。以降、前述した実施形態と同一の構成要素については同一の図面符号を付与し、同一の説明は省略する。
【0063】
まず、
図3を参照して表示装置の平面構造について主に説明した後、
図4を参照して表示装置の断面構造について説明する。
【0064】
図3を参照すると、表示領域DAに位置する複数の画素PXは、特定色の例として赤色、緑色および青色を表示することができる。四角形をなすように隣接した四つの画素PXは、二つの緑色画素G、一つの赤色画素R、そして一つの青色画素Bを含むことができる。緑色画素Gだけを含む画素列(pixel column)と、赤色画素Rと青色画素Bを含む画素列とはx方向に交互に配列されてもよく、赤色画素Rと青色画素Bは各画素列でy方向に交互に配列されていてもよい。しかし、複数の画素PXの配置は図示したものに限定されず、多様な方式で配置されてもよい。
【0065】
表示領域DAに位置する複数の信号線は、ゲート信号を伝達する複数のゲート線121をさらに含むことができる。複数のゲート線121のそれぞれは、ほぼx方向に伸び、データ線171と交差することができる。各画素R、G、Bは一つのデータ線171と少なくとも一つのゲート線121に連結されていてもよい。
【0066】
表示パネル1000は、周辺領域PAに位置し、複数のゲート線121と連結されてゲート信号をかというゲート駆動部400a、400bをさらに含むことができる。ゲート駆動部400a、400bは、表示領域DAに位置する複数の信号線およびスイッチング素子と共に基板110の上に形成されてもよい。
図3は、表示領域DAを中心に左右両側にゲート駆動部400a、400bがそれぞれ位置する例を示すが、これに限定されず、表示領域DAの左右の一方の側に位置する一つのゲート駆動部400a、400bが省略されることもできる。
【0067】
図3を参照すると、メインクラック感知線MCDa、MCDbのそれぞれは、表示領域DAの外側の周辺領域PAのうち、特に左右側および/または上側の周辺領域PAで複数回往復して蛇行状をなす屈曲部を有することができる。具体的に、メインクラック感知線MCDa、MCDbのそれぞれは、表示領域DAの左右の周辺領域PAで複数回上下に往復して一つ以上の蛇行状をなす屈曲部を有し、表示領域DAの上側の周辺領域PAで左右に複数回往復して一つ以上の蛇行状をなす屈曲部を有することができる。
【0068】
メインクラック感知線MCDa、MCDbの一端はパッド部PDAに連結されており、メインクラック感知線MCDa、MCDbの他端は、検査データ線TDa2、TDb2にそれぞれ連結される。メインクラック感知線MCDaと連結された検査データ線TDa2の一端と、メインクラック感知線MCDbと連結された検査データ線TDb2の一端とは、互いに対向するが、互いに離隔し、電気的に連結されていなくてもよい。それぞれの検査データ線TDa2、TDb2は、ベンディング領域BDAとパッド部PDAの間の領域でほぼx方向に伸びてもよく、データ線171と絶縁されて交差することができる。
【0069】
メインクラック感知回路部MCDAは、検査データ線TD1を含むことができる。検査データ線TD1は、ベンディング領域BDAとパッド部PDAの間の領域でほぼx方向に伸びてもよく、データ線171と絶縁されて交差することができる。
【0070】
検査データ線TD1は、パッド部PDAと連結されていてもよい。図示した通り、検査データ線TD1は、パッド部PDAと連結されたメインクラック感知線MCDa、MCDbの一端と連結されていてもよい。メインクラック感知線MCDa、MCDbと検査データ線TD1とは、パッド部PDAから、実質的に同一のテスト電圧を伝達されて受けることができる。
【0071】
メインクラック感知回路部MCDAは、複数のスイッチング素子Q1、Q2および検査ゲート線TG1をさらに含むことができる。複数のスイッチング素子Q1、Q2は、ほぼx方向に一列に配列されてもよく、複数のスイッチング素子Q1、Q2は、複数のデータ線171のうちの一部に、それぞれ対応するようにして配置されてもよい。具体的に、スイッチング素子Q1、Q2は、二つのデータ線171毎に一つずつ配置されてもよい。検査ゲート線TG1は、ほぼx方向に伸びてもよい。
【0072】
スイッチング素子Q1、Q2のゲート端子は、検査ゲート線TG1に連結されており、出力端子は、対応するデータ線171に連結されている。スイッチング素子Q1、Q2が連結されたデータ線171が表示領域DAで連結されている画素が示す色は特定の一つの色を含むことができる。例えば
図3に示した通り、スイッチング素子Q1、Q2が連結されたデータ線171が、表示領域DAで連結されている画素は、すべて緑色画素Gであってもよいが、これに限定されるのではない。
【0073】
スイッチング素子Q1の入力端子は、検査データ線TD1に連結されており、スイッチング素子Q2の入力端子は、検査データ線TDa2、TDb2に連結されている。
【0074】
スイッチング素子Q2は、メインクラック感知回路部MCDAの一部の領域、例えば表示パネル1000の左側の一部および右側の一部の領域に位置し、残りの領域にスイッチング素子Q1が配置されてもよい。スイッチング素子Q2が位置する領域で複数のスイッチング素子Q2がx方向に隣接して位置することができる。しかし、スイッチング素子Q1、Q2の配置はこれに限定されるのではない。
【0075】
図3を参照すると、パッド部PDAと検査データ線TD1の間にマッチング抵抗R1、R2が連結されていてもよい。パッド部PDAを通じて印加されたテスト電圧は、マッチング抵抗R1、R2を経て第1電圧差の分だけ減圧された後、検査データ線TD1に印加されてスイッチング素子Q1の入力端子に印加され得る。一方、パッド部PDAを通じて印加されたテスト電圧は、メインクラック感知線MCDa、MCDbに伝達され、メインクラック感知線MCDa、MCDbの配線抵抗により第2電圧差の分だけ減圧された電圧が、検査データ線TDa2、TDb2を経て、メインクラック感知回路部MCDAのスイッチング素子Q2の入力端子に印加され得る。マッチング抵抗R1、R2の抵抗値は、メインクラック感知線MCDa、MCDbの配線抵抗と、同じかまたは類似していてもよい。または、メインクラック感知線MCDa、MCDbにクラックや浮きなどの損傷がないため、正常状態である場合には、第1電圧差と第2電圧差が、互いに実質的に同じかまたは同等になるよう決められ得る。しかし、これに限定されず、マッチング抵抗R1、R2の抵抗値は、クラック感知感度などの必要に応じて適切な値で決められ得る。例えば、マッチング抵抗R1、R2の抵抗値は、メインクラック感知線MCDa、MCDbの配線抵抗のほぼ1.5倍に決められ得る。
【0076】
図3を参照すると、ベンディングクラック感知線BCDa、BCDbのそれぞれは、ベンディング領域BDAの左右周縁領域で1回以上、上下に往復して蛇行状をなす、屈曲部を有することができる。
【0077】
ベンディングクラック感知線BCDa、BCDbの一端はパッド部PDAに連結されており、ベンディングクラック感知線BCDa、BCDbの他端は、検査データ線TDa4、TDb4にそれぞれ連結される。ベンディングクラック感知線BCDaと連結された検査データ線TDa4の一端と、ベンディングクラック感知線BCDbと連結された検査データ線TDb4の一端とは、互いに対向するが、互いに離隔して電気的に連結されていなくてもよい。それぞれの検査データ線TDa4、TDb4は、ベンディング領域BDAとパッド部PDAの間の領域で、ほぼx方向に伸びてもよく、データ線171と絶縁されて交差することができる。
【0078】
ベンディングクラック感知回路部BCDAは、検査データ線TD3を含むことができる。検査データ線TD3は、ベンディング領域BDAとパッド部PDAの間の領域で、ほぼx方向に伸びてもよく、データ線171と絶縁されて交差することができる。
【0079】
検査データ線TD3は、パッド部PDAと連結されていてもよい。図示した通り、検査データ線TD3は、パッド部PDAに連結されているベンディングクラック感知線BCDa、BCDbの一端と連結されていてもよい。ベンディングクラック感知線BCDa、BCDbと検査データ線TD3は、パッド部PDAから実質的に同一のテスト電圧の伝達を受けることができる。
【0080】
ベンディングクラック感知回路部BCDAは、複数のスイッチング素子Q3、Q4および検査ゲート線TG2をさらに含むことができる。複数のスイッチング素子Q3、Q4は、ほぼx方向に一列に配列されてもよく、複数のスイッチング素子Q3、Q4は、複数のデータ線171のうちの一部に、それぞれ対応して配置されてもよい。具体的に、スイッチング素子Q3、Q4は、二つのデータ線171毎に一つずつ配置されてもよい。検査ゲート線TG2は、ほぼx方向に伸びてもよい。
【0081】
スイッチング素子Q3、Q4のゲート端子は、検査ゲート線TG2に連結されており、出力端子は、対応するデータ線171に連結されている。スイッチング素子Q3、Q4が連結されたデータ線171が表示領域DAで連結されている画素が示す色は一つまたは二つの特定色を含むことができる。例えば
図3に示した通り、スイッチング素子Q3、Q4が連結されたデータ線171が表示領域DAで連結されている画素列は、赤色画素Rと青色画素Bが交互に配列されている画素列であってもよいが、これに限定されるのではない。
【0082】
スイッチング素子Q3の入力端子は、検査データ線TD3に連結されており、スイッチング素子Q4の入力端子は、検査データ線TDa4、TDb4に連結されている。
【0083】
スイッチング素子Q4は、ベンディングクラック感知回路部BCDAの一部の領域、例えば表示パネル1000の左側の一部および右側の一部の領域に位置し、残りの領域にスイッチング素子Q3が配置されてもよい。スイッチング素子Q4が位置する領域では、複数のスイッチング素子Q4が、x方向に順次隣接して位置することができる。また、スイッチング素子Q3が位置する領域では、複数のスイッチング素子Q3が、x方向に順次隣接して位置することができる。しかし、スイッチング素子Q3、Q4の配置はこれに限定されるのではない。
【0084】
図3を参照すると、メインクラック感知回路部MCDAのスイッチング素子Q1、Q2と、ベンディングクラック感知回路部BCDAのスイッチング素子Q3、Q4とは、x方向に配列された複数のデータ線171に、順に連結されていてもよい。つまり、x方向に沿って、メインクラック感知回路部MCDAのスイッチング素子Q1、Q2と、ベンディングクラック感知回路部BCDAのスイッチング素子Q3、Q4とが、交互に配置されてもよい。言い換えると、x方向に配列されるデータ線171は、一つがメインクラック感知回路部MCDAのスイッチング素子Q1、Q2に連結されると、その隣の他の一つがベンディングクラック感知回路部BCDAのスイッチング素子Q3、Q4に連結されるという具合に、交互に2種の感知回路部に連結されうる。
【0085】
図示していないが、パッド部PDAと検査データ線TD3の間にマッチング抵抗(図示せず)が連結されていてもよい。しかし、このようなマッチング抵抗は、ベンディングクラック感知線BCDa、BCDbの配線抵抗が大きくない場合、省略されてもよい。
【0086】
次に、前述した
図1乃至
図3と共に
図4を参照して一実施形態に係る表示装置の断面構造について説明する。
【0087】
図4を参照すると、基板110の上にバリア層120が位置することができる。バリア層120は、図示した通り複数の層を含むこともでき、単一層からなることもできる。
【0088】
バリア層120の上にはアクティブパターンが位置する。アクティブパターンは、表示領域DAに位置するアクティブパターン130と、周辺領域PAに位置するアクティブパターン130dを含むことができる。アクティブパターン130、130dのそれぞれは、ソース領域およびドレイン領域と、これらの間に位置するチャンネル領域を含むことができる。アクティブパターンは、非晶質シリコン、多結晶シリコン、または酸化物半導体などを含むことができる。
【0089】
アクティブパターン130、130dの上には第1絶縁層141が位置し、第1絶縁層141の上には第1導電層が位置することができる。第1導電層は、表示領域DAに位置するアクティブパターン130と平面図にて重複する導電体155、周辺領域PAに位置するアクティブパターン130dと平面図にて重複する導電体150d、そして前述した複数のゲート線121、検査ゲート線TG1、TG2などを含むことができる。
【0090】
アクティブパターン130、およびこれと平面図にて重複する第1導電層の導電体155は、組み合わさってにトランジスタTRaを形成し、アクティブパターン130d、およびこれと重複する第1導電層の導電体150dは、組み合わさってトランジスタTRdを形成することができる。表示領域DAのトランジスタTRaは、表示領域DAに位置する画素PX、R、G、Bに含まれているスイッチング素子として機能することができ、周辺領域PAのトランジスタTRdは、例えばゲート駆動部400a、400bが含むスイッチング素子(図示せず)として機能するか、メインクラック感知回路部MCDAまたはベンディングクラック感知回路部BCDAに含まれている複数のスイッチング素子Q1、Q2、Q3、Q4として機能することができる。画素PXの具体的な構造の一例については後述する。
【0091】
第1導電層および第1絶縁層141の上には第2絶縁層142が位置することができ、第2絶縁層142の上には第2導電層が位置することができる。第2導電層は、前述したメインクラック感知線MCDa、MCDbを含むことができる。これとは異なり、メインクラック感知線MCDa、MCDbは、第1導電層と同一層に位置し、同一の物質を含むこともできる。
【0092】
第2導電層は、前述した検査データ線TD1、TDa2、TDb2、TD3、TDa4、TDb4などをさらに含むことができる。これとは異なり、検査データ線TD1、TDa2、TDb2、TD3、TDa4、TDb4のうちの少なくとも一つは第1導電層に位置することもできる。
【0093】
第1導電層および第2導電層のうちの少なくとも一つは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、これらの合金など金属を含むことができる。
【0094】
第2導電層および第2絶縁層142の上には第3絶縁層160が位置することができる。
【0095】
第1絶縁層141、第2絶縁層142、そして第3絶縁層160のうちの少なくとも一つは、窒化ケイ素(SiNx)、酸化ケイ素(SiOx)などの無機絶縁物質および/または有機絶縁物質を含むことができる。ベンディング領域BDAで第1絶縁層141、第2絶縁層142および第3絶縁層160のうちの少なくとも一つの少なくとも一部が除去されてもよい。
【0096】
第1絶縁層141、第2絶縁層142および第3絶縁層160は、トランジスタTRa、TRdのソース領域および/またはドレイン領域の上にそれぞれ位置するコンタクトホール(接触孔)165、165dを含むことができる。
【0097】
第3絶縁層160の上には第3導電層が位置することができる。第3導電層は、接触孔165、165dを通じてトランジスタTRa、TRdのソース領域またはドレイン領域と連結されている導電体170、170d、電圧伝達線177、そして前述したデータ線171などを含むことができる。電圧伝達線177は、周辺領域PAに位置することができ、共通電圧(ELVSS)といった一定の電圧を伝達することができる。
【0098】
第3導電層は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、これらの合金などの金属を含むことができる。
【0099】
第3導電層と第3絶縁層160の上には保護膜180が位置する。保護膜180は、無機絶縁物質および/またはポリアクリル系樹脂(polyacrylics resin)、ポリイミド系樹脂(polyimides resin)などの有機絶縁物質を含むことができ、保護膜180の上面は実質的に平坦に形成されてもよい。保護膜180は、周辺領域PAに位置する電圧伝達線177の上に位置するコンタクトホール(接触孔)177dを含むことができる。
【0100】
保護膜180の上には画素電極層が位置する。画素電極層は、表示領域DAの各画素PXに対応する画素電極191、そして周辺領域PAに位置する電圧伝達電極197を含むことができる。電圧伝達電極197は、保護膜180のコンタクトホール177dを通じて電圧伝達線177と物理的、電気的に連結されて共通電圧(ELVSS)の伝達を受けることができる。
【0101】
画素電極層は、半透過性導電物質または反射性導電物質を含むことができる。
【0102】
保護膜180および画素電極層の上には画素定義層(画素開口を区切るバンプ)350が位置する。画素定義層350は、画素電極191の上に位置する開口部351を有し、周辺領域PAに位置する少なくとも一つのダム部分350dをさらに含むことができる。ダム部分350dは、平面上で基板110の周縁と平行に伸びてもよい。ダム部分350dの一部はコンタクトホール177d内に位置することができる。ダム部分350dの上にはスペーサ360dがさらに位置することができる。
【0103】
図4を参照すると、メインクラック感知線MCDa、MCDbは、ダム部分350dを基準にして、外側に位置することができるが、これに限定されるのではない。つまり、メインクラック感知線MCDa、MCDbは、ダム部分350dを基準にして、内側に位置することもできる。
【0104】
電圧伝達電極197は、画素定義層350により覆われない部分を含む。
【0105】
画素定義層350は、ポリアクリル系樹脂(polyacrylates resin)、ポリイミド系(polyimide)樹脂などの感光性物質を含むことができる。
【0106】
画素電極191の上には発光層370が位置する。発光層370は、画素定義層350の開口部351内に位置する部分を含むことができる。発光層370は、周辺領域PAに位置し、画素定義層350の上に位置する少なくとも一つのダミー発光層370dを、さらに含むことができる。発光層370は、有機発光物質または無機発光物質を含むことができる。
【0107】
発光層370の上には共通電極270が位置する。共通電極270は、画素定義層350の上にも形成され、複数の画素PXにかけて連続的に形成されるのであってもよい。共通電極270は、周辺領域PAで電圧伝達電極197と物理的かつ電気的に連結されて、共通電圧(ELVSS)の伝達を受けることができる。共通電極270は、導電性透明物質を含むことができる。
【0108】
各画素PXの画素電極191、発光層370および共通電極270は、組み合わさって発光ダイオードEDをなし、画素電極191および共通電極270のうちの一方がカソード(cathode)となり、他方がアノード(anode)となる。
【0109】
共通電極270の上には発光ダイオードEDを保護し密封する封止部380が位置することができる。封止部380は、少なくとも一つの無機層381、383および少なくとも一つの有機層382を含み、少なくとも一つの無機層381、383と、少なくとも一つの有機層382は、交互に積層されていてもよい。有機層382は、有機物質を含み、平坦化特性を有することができる。無機層381、383は、酸化アルミニウム(AlOx)、酸化ケイ素(SiOx)、窒化ケイ素(SiNx)などの無機物質を含むことができる。
【0110】
有機層382の平面上の面積よりも、無機層381、383の平面上の面積がより広いために、周辺領域PAで二つの無機層381、383が互いに接触することができる。無機層381、383中の最下に位置する無機層381は、周辺領域PAで第3絶縁層160の上面と接触することができるが、これに限定されるのではない。周辺領域PAで、無機層381、383を含む封止部380は、メインクラック感知線MCDa、MCDbと、平面上で重なることができる。
【0111】
封止部380が含む有機層382の周縁は、ダム部分350dと表示領域DAの間に位置することができる。ダム部分350dは、封止部380の有機層382を形成する時、有機物質が外側に流れて溢れることを防ぐ機能をすることができ、これによって、封止部380の有機層382の周縁はほぼダム部分350dよりも内側に位置することができる。
【0112】
封止部380の上には無機絶縁物質または/および有機絶縁物質を含むバッファー層389が位置することができる。バッファー層389は省略されてもよい。
【0113】
バッファー層389の上には第4導電層が位置する。第4導電層は、第1タッチ導電体TEaを含むことができる。第4導電層の上には第1タッチ絶縁層391が位置し、その上に第5導電層が位置することができる。第5導電層は、第2タッチ導電体TEbを含むことができる。第5導電層の上には第2タッチ絶縁層392が位置することができる。第1タッチ導電体TEaと第2タッチ導電体TEbは、容量式タッチセンサーを形成して外部の物体によるタッチが行われると、タッチの有無、タッチの位置などのタッチ情報を感知することができる。第1タッチ導電体TEaと第2タッチ導電体TEbは、網(mesh)状に形成されてもよい。
【0114】
次に、前述した
図1乃至
図4と共に
図5および
図6を参照して一実施形態に係る表示装置が含む一つの画素PXについての、具体的な構造の一例について説明する。前記で説明した部分についての同一の説明は省略する。
【0115】
まず、
図5を参照すると、一実施形態に係る表示装置が含む複数の画素PXは前述した赤色画素R、緑色画素Gおよび青色画素Bのうちの一つであってもよい。
【0116】
一実施形態に係る表示装置は、第1スキャン信号を伝達する第1スキャン線151、第2スキャン信号を伝達する第2スキャン線152、第3スキャン信号を伝達する第3スキャン線154、そして発光制御信号を伝達する制御線153などを含む。複数のスキャン線151、152、154および制御線153は、前述したゲート線121に含まれてもよく、断面上前述した第1導電層に含まれてもよい。
【0117】
一実施形態に係る表示装置は、ストレージ線156および初期化電圧線159などをさらに含むことができ、これらは断面上前述した第2導電層に含まれてもよい。ストレージ線156は、各画素PXに位置する拡張部157を含むことができる。初期化電圧線159は初期化電圧を伝達することができる。
【0118】
一実施形態に係る表示装置は、データ線171および駆動電圧線172などをさらに含むことができ、これらは断面上前述した第3導電層に含まれてもよい。データ線171および駆動電圧線172は、平面上ほぼ同一の方向(例えば
図5で縦方向)に伸び、複数のスキャン線151、152、154と交差することができる。ストレージ線156の拡張部157は、コンタクトホール68を通じて駆動電圧線172と連結されて駆動電圧(ELVDD)の印加を受けることができる。
【0119】
各画素PXは、スキャン線151、152、154、制御線153、データ線171、および駆動電圧線172と連結されている複数のトランジスタT1、T2、T3_1、T3_2、T4_1、T4_2、T5、T6、T7およびキャパシタCst、そして発光ダイオードEDとを含むことができる。複数のトランジスタT1、T2、T3_1、T3_2、T4_1、T4_2、T5、T6、T7は、前述したトランジスタTRaに含まれてもよい。複数のトランジスタT1、T2、T3_1、T3_2、T4_1、T4_2、T5、T6、T7のそれぞれのチャンネル(channel)は、前述したアクティブパターン130の内部に形成されてもよい。アクティブパターン130は、トランジスタT1、T2、T3_1、T3_2、T4_1、T4_2、T5、T6、T7のそれぞれのチャンネルを形成するチャンネル領域(channel region)131a、131b、131c_1、131c_2、131d_1、131d_2、131e、131f、131gおよび導電領域(conductive region)を含む。アクティブパターン130の導電領域は、各チャンネル領域131a、131b、131c_1、131c_2、131d_1、131d_2、131e、131f、131gの両側に位置し、チャンネル領域131a、131b、131c_1、131c_2、131d_1、131d_2、131e、131f、131gのキャリア濃度よりも高いキャリア濃度を有する。各トランジスタT1、T2、T3_1、T3_2、T4_1、T4_2、T5、T6、T7のチャンネル領域131a、131b、131c_1、131c_2、131d_1、131d_2、131e、131f、131gの両側に位置する一対の導電領域は、当該トランジスタT1、T2、T3_1、T3_2、T4_1、T4_2、T5、T6、T7のソース領域およびドレイン領域であり、それぞれソース電極およびドレイン電極として機能することができる。
【0120】
第1トランジスタT1は、チャンネル領域131a、ソース領域136aおよびドレイン領域137a、そしてチャンネル領域131aと平面上重複する駆動ゲート電極155aを含む。駆動ゲート電極155aは、前述した第1導電層に含まれてもよく、接触孔61を通じて連結部材174と連結されてもよい。連結部材174は、断面上前述した第3導電層に含まれてもよい。コンタクトホール61は、拡張部157が含むコンタクトホール51内に位置することができる。
【0121】
第2トランジスタT2は、チャンネル領域131b、ソース領域136bおよびドレイン領域137b、そしてチャンネル領域131bと平面上重複するゲート電極155bを含む。ゲート電極155bは、第1スキャン線151の一部である。ソース領域136bは、接触孔62を通じてデータ線171と連結されており、ドレイン領域137bは第1トランジスタT1のソース領域136aと連結されている。
【0122】
第3トランジスタT3_1、T3_2は、互いに連結されている上部第3トランジスタT3_1および下部第3トランジスタT3_2を含むことができる。上部第3トランジスタT3_1は、チャンネル領域131c_1、ソース領域136c_1およびドレイン領域137c_1、そしてチャンネル領域131c_1と重複するゲート電極155c_1を含む。ゲート電極155c_1は、第1スキャン線151の一部であってもよい。ドレイン領域137c_1は、接触孔63を通じて連結部材174と連結されている。下部第3トランジスタT3_2は、チャンネル領域131c_2、ソース領域136c_2およびドレイン領域137c_2、そしてチャンネル領域131c_2と重複するゲート電極155c_2を含む。ゲート電極155c_2は、第1スキャン線151の一部である。
【0123】
第4トランジスタT4_1、T4_2も互いに連結されている左側第4トランジスタT4_1および右側第4トランジスタT4_2を含むことができる。左側第4トランジスタT4_1は、チャンネル領域131d_1、ソース領域136d_1およびドレイン領域137d_1、そしてチャンネル領域131d_1と重複するゲート電極155d_1を含む。ゲート電極155d_1は、第2スキャン線152の一部である。ドレイン領域137d_1は、上部第3トランジスタT3_1のドレイン領域137c_1と連結されており、接触孔63を通じて連結部材174と連結されている。右側第4トランジスタT4_2は、チャンネル領域131d_2、ソース領域136d_2およびドレイン領域137d_2、そしてチャンネル領域131d_2と重複するゲート電極155d_2を含む。ゲート電極155d_2は、第2スキャン線152の一部である。ドレイン領域137d_2は、左側第4トランジスタT4_1のソース領域136d_1と連結されており、ソース領域136d_2は接触孔65を通じて連結部材175と連結されている。
【0124】
連結部材175は、断面上前述した第2導電層または第3導電層に含まれてもよい。連結部材175が第3導電層に含まれる場合、連結部材175はコンタクトホール64を通じて初期化電圧線159と電気的に連結されてもよい。
【0125】
第5トランジスタT5は、チャンネル領域131e、ソース領域136eおよびドレイン領域137e、そしてチャンネル領域131eと重複するゲート電極155eを含む。ゲート電極155eは、制御線153の一部である。ソース領域136eは、コンタクトホール67を通じて駆動電圧線172と連結されており、ドレイン領域137eは第1トランジスタT1のソース領域136aと連結されている。
【0126】
第6トランジスタT6は、チャンネル領域131f、ソース領域136fおよびドレイン領域137f、そしてチャンネル領域131fと重複するゲート電極155fを含む。ゲート電極155fは、制御線153の一部である。ソース領域136fは、第1トランジスタT1のドレイン領域137aと連結されており、ドレイン領域137fは、接触孔69を通じて連結部材179と連結されている。連結部材179は、断面上前述した第3導電層に含まれてもよい。
【0127】
第7トランジスタT7は、チャンネル領域131g、ソース領域136gおよびドレイン領域137g、そしてチャンネル領域131gと重複するゲート電極155gを含む。ゲート電極155gは、第3スキャン線154の一部である。ソース領域136gは、第6トランジスタT6のドレイン領域137fと連結されており、ドレイン領域137gは、接触孔65を通じて連結部材175と連結されて初期化電圧の印加を受けることができる。
【0128】
キャパシタCstは、第2絶縁層142を間に挟んで、互いに重なる駆動ゲート電極155aと、ストレージ線156の拡張部157とを、二端子として含むことができる。
【0129】
前述した画素電極層は、画素電極191および画素導電パターン192を含むことができる。画素電極191は、コンタクトホール89を通じて連結部材179と連結されてデータ電圧の印加を受けることができる。画素導電パターン192は、隣接した画素電極191の周縁に沿って屈曲されてもよい。画素導電パターン192は初期化電圧を伝達することができる。
【0130】
その他に
図5および
図6に示した構成要素についての説明は前述したものと同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0131】
次に、前述した図面と共に
図7乃至
図12を参照して一実施形態に係る表示装置でクラックなどの不良を検出する方法について説明する。
【0132】
パッド部PDAを通じて、テスト電圧を、検査データ線TD1、TD3に印加する。検査データ線TD1、TD3に印加されるテスト電圧は、メインクラック感知線MCDa、MCDbおよびベンディングクラック感知線BCDa、BCDbを経ずに印加され得る。このようにテスト電圧を印加すると共に、検査ゲート線TG1、TG2に、ゲートオン電圧のゲート信号を印加する。すると、メインクラック感知回路部MCDAおよびベンディングクラック感知回路部BCDAのスイッチング素子Q1、Q2、Q3、Q4がターンオンされる。そうすると、検査データ線TD1、TD3に印加されたテスト電圧は、ターンオンされたスイッチング素子Q1、Q3を通じて、データ線171に印加される。テスト電圧は、所定の電圧であってもよく、例えば画素R、G、Bが最低階調を表示するようにする電圧であってもよく、この場合、ほぼ7Vであってもよい。したがって、ターンオンされたスイッチング素子Q1、Q3と連結された画素R、G、Bは、ブラックなどの低い階調を表示することができる。
【0133】
表示パネル1000の周辺領域PAとベンディング領域BDAでクラック、浮きなどが発生せず、メインクラック感知線MCDa、MCDbとベンディングクラック感知線BCDa、BCDbに損傷が加わらなかった正常状態であれば、メインクラック感知線MCDa、MCDbおよびベンディングクラック感知線BCDa、BCDbを経てメインクラック感知回路部MCDAの検査データ線TDa2、TDb2とベンディングクラック感知回路部BCDAの検査データ線TDa4、TDb4に印加される電圧は、検査データ線TD1、TD3に印加される電圧と実質的に同一であってもよい。このために、マッチング抵抗R1、R2を調節することができる。この場合、スイッチング素子Q2、Q4と連結された画素R、G、Bも、スイッチング素子Q1、Q3と連結された画素R、G、Bと同様に、ブラックなどの所定の階調を表示することができる。
【0134】
しかし、表示パネル1000の周辺領域PAおよび/またはベンディング領域BDAでクラック、浮きなどが発生して、メインクラック感知線MCDa、MCDbおよび/またはベンディングクラック感知線BCDa、BCDbが、断線したり損傷で配線抵抗が増加した状態であれば、スイッチング素子Q2および/またはスイッチング素子Q4と連結された画素R、G、Bに、ブラックデータ電圧が印加されないか、または十分なブラックデータ電圧が印加されない。したがって、スイッチング素子Q2および/またはスイッチング素子Q4と連結された画素R、G、Bの列に沿って、強い明線が視認され得る。このように視認された明線を通じて表示パネル1000の周辺領域PAおよび/またはベンディング領域BDAに発生したクラックなどの不良を検出することができる。
【0135】
特に、メインクラック感知線MCDa、MCDbのスイッチング素子Q2と連結されている画素列が、緑色画素Gだけを含むと、表示領域DA周囲の周辺領域PAにクラックなどの不良が発生した場合、緑色の明線が示され得る。ベンディングクラック感知線BCDa、BCDbのスイッチング素子Q4と連結されている画素列が、赤色画素Rおよび青色画素Bを含むと、ベンディング領域BDAの周縁領域にクラックなどの不良が発生した場合、紫色の明線が示され得る。したがって、クラックなどの不良検出時、表示領域DAに現れる明線の色を通じて表示領域DA周辺の周辺領域PAで不良が発生したのか、ベンディング領域BDAに不良が発生したのかを区分して検出することができる。
【0136】
例えば、
図7および
図8を参照すると、ベンディング領域BDAの左側周縁領域にクラックなどの不良が発生した場合、ベンディングクラック感知線BCDaの抵抗が相対的に高まって、ベンディングクラック感知回路部BCDAのスイッチング素子Q4に連結された画素列PPL1に沿って、紫色の明線が示され得る。
図7にてグレーで表示した画素R、Bは、実際に、周辺画素よりも明るく示され得る。
【0137】
図9および
図10を参照すると、表示領域DAの左側に位置する周辺領域PAに、クラックなどの不良が発生した場合、メインクラック感知線MCDaの抵抗が相対的に高まって、メインクラック感知回路部MCDAのスイッチング素子Q2に連結された画素列GRL1に沿って緑色明線が示され得る。
図9にてグレーで表示した画素Gは実際の周辺画素よりも明るく示され得る。
【0138】
図11および
図12を参照すると、表示領域DAの右側に位置する周辺領域PA、および、ベンディング領域BDAの右側周縁領域に、クラックなどの不良が発生した場合、メインクラック感知線MCDbおよびベンディングクラック感知線BCDbの抵抗が相対的に高まって、メインクラック感知回路部MCDAのスイッチング素子Q2に連結された画素列GRL2に沿って、緑色明線が示され、ベンディングクラック感知回路部BCDAのスイッチング素子Q4に連結された画素列PPL2に沿って、紫色明線が示され得る。
図11にてグレーで表示した画素R、G、Bは、実際に、周辺画素よりも明るく示され得る。
【0139】
このように一実施形態によると、ベンディング領域BDA、および表示領域DAを囲む周辺領域PAのいずれにおいても、クラックといった不良を、全て検出することができ、後続工程へ不良表示パネルが流出されることを防ぐことができる。特に、ベンディング領域BDAの周縁領域でクラックなどの不良発生も検出することができるため、ベンディング領域BDAを通過する複数の信号線における、断線、抵抗増加などの不良発生の有無を簡単に把握することができる。
【0140】
検査ゲート線TG1にゲートオン電圧を印加して、周辺領域PA中、表示領域DAを囲む周辺部にクラックなどの不良が発生したのかについて検査する段階と、検査ゲート線TG2にゲートオン電圧を印加して、ベンディング領域BDAにクラックなどの不良が発生したのかについて検査する段階とは、同時に行われることもでき、別の時間に行われることもできる。
【0141】
次に、前述した図面と共に
図13および
図14を参照して一実施形態に係る表示装置について説明する。
【0142】
図13および
図14を参照すると、一実施形態に係る表示装置1000aは、前述した実施形態とほとんど同一であるが、メインクラック感知線MCDa、MCDbとベンディングクラック感知線BCDa、BCDbが、ベンディング領域BDAの周辺に位置するコンタクト部CNT1、CNT2を含むことができる。
【0143】
具体的に、メインクラック感知線MCDa、MCDbは、表示領域DAの左右側の周辺領域PAで1回以上往復する屈曲部(便宜上、MCDaおよびMCDbで表示)、ベンディング領域BDAを通過する連結配線CB、そしてベンディング領域BDAの下側に位置し、パッド部PDAと連結される連結配線CW1を含むことができる。
【0144】
連結配線CBは、ベンディング領域BDAの上下の縁の近傍で、コンタクト部CTN2を通じて屈曲部MCDa、連結配線CW1および検査データ線TDa2、TDb2と連結されてもよい。各連結配線CBは、メッシュ(mesh)の形態からなることで、高い柔軟性を有することができる。
【0145】
コンタクト部CNT2は、
図14に示した通り、少なくとも一つのコンタクトホールを含むことができる。コンタクト部CNT2のコンタクトホールは、屈曲部MCDa、MCDbと連結配線CBの間に位置する絶縁層、または連結配線CBと連結配線CW1および検査データ線TDa2、TDb2の間に位置する絶縁層に形成されてもよい。例えば、連結配線CBは、前述した第3導電層に位置し、屈曲部MCDa、MCDb、連結配線CW1および検査データ線TDa2、TDb2は、前述した第2導電層に位置するか、第1導電層に位置することができる。
【0146】
ベンディングクラック感知線BCDa、BCDbは、ベンディング領域BDAで1回以上往復する屈曲部(便宜上、BCDa、BCDbで表示)、そしてベンディング領域BDAの下側に位置し、パッド部PDAと連結される連結配線CW2を含むことができる。
【0147】
屈曲部BCDa、BCDbは、ベンディング領域BDAの下側付近でコンタクト部CTN1を通じて連結配線CW2および検査データ線TDa4、TDb4と連結されてもよい。コンタクト部CNT1は、少なくとも一つのコンタクトホールを含むことができる。
【0148】
コンタクト部CNT1のコンタクトホールは、屈曲部BCDa、BCDbと連結配線CW2の間に位置する絶縁層または屈曲部BCDa、BCDbと検査データ線TD3の間に位置する絶縁層に形成されてもよい。例えば、屈曲部BCDa、BCDbは、前述した第3導電層に位置し、連結配線CW2および検査データ線TDa4、TDb4は、前述した第2導電層に位置するか、第1導電層に位置することができる。
【0149】
次に、前述した図面と共に
図15~
図18を参照して一実施形態に係る表示装置について説明する。
【0150】
まず、
図15および
図16を参照すると、一実施形態に係る表示装置1000bは、前述した実施形態とほとんど同一であるが、ベンディング領域BDAを通過する複数の信号線を含むことができる。
【0151】
図16を参照すると、ベンディング領域BDAを通過する複数の信号線は、第1信号線グループSL1、第2信号線グループSL2、そして第3信号線グループSL3を含み、各信号線グループSL1、SL2、SL3は少なくとも一つの信号線を含むことができる。例えば、第1信号線グループSL1はデータ線171を含むことができ、第2信号線グループSL2は多様なクロック信号を伝達する信号線、多様なフレーム信号を伝達する信号線、そしてメインクラック感知線MCDa、MCDbなどを含むことができ、第3信号線グループSL3は共通電圧(ELVSS)を伝達する共通電圧伝達線、ゲート低電圧を伝達する信号線、そして初期化電圧を伝達する信号線などを含むことができる。
【0152】
一実施形態によると、ベンディングクラック感知線BCDa、BCDbは、ベンディング領域BDAにて、第3信号線グループSL3と基板110の周縁との間に位置することができる。この場合、
図15に示した通り、ベンディング領域BDAにて、第3信号線グループSL3に含まれている共通電圧伝達線(ELS)と、基板110の周縁との間にベンディングクラック感知線BCDa、BCDbが位置することができる。共通電圧伝達線(ELS)は、パッド部PDAから始まって、ベンディング領域BDAを通過し、表示領域DAの外側周辺に沿って伸びてもよい。共通電圧伝達線(ELS)の両端は、表示パネル1000の左右側でパッド部PDAに連結されて共通電圧の印加を受け、表示領域DAの周辺に沿って伸びてもよい。
【0153】
次に、
図17および
図18を参照すると、本実施形態による表示装置1000cは、
図15および
図16に示した実施形態とほとんど同一であるが、
図16に示すベンディング領域BDA中の配置構成において、ベンディングクラック感知線BCDa、BCDbが、第3信号線グループSL3と、第2信号線グループSL2の間に位置することができる。この場合、
図17に示した通り、ベンディング領域BDAで第3信号線グループSL3に含まれている共通電圧伝達線(ELS)が基板110の周縁とベンディングクラック感知線BCDa、BCDbの間に位置することができる。
【0154】
次に、前述した図面と共に
図19および
図22をそれぞれ参照して一実施形態に係る表示装置について説明する。
【0155】
まず、
図19を参照すると、本実施形態による表示装置1000dは、前述した実施形態とほとんど同一であるが、ベンディング領域BDAに位置するベンディングクラック感知線BCDa'、BCDb’の長さがより長くなって配線抵抗をより高めることができる。これと共にまたは別途に、ベンディング領域BDAに位置するベンディングクラック感知線BCDa'、BCDb’の線幅を減らして配線抵抗をより高めることもできる。このようにベンディング領域BDAに位置するベンディングクラック感知線BCDa'、BCDb’の抵抗を高めることによって抵抗変化量を増加させることができ、これによって、ベンディング領域BDAでのクラックなど不良検出に対する感度を高めることができる。
【0156】
これとは異なり、ベンディング領域BDAに位置するベンディングクラック感知線BCDa'、BCDb’の長さおよび/または線幅を減らすか増やして、配線抵抗を条件に合うように調節することができる。
【0157】
次に、
図20を参照すると、本実施形態による表示装置1000eは、前述した実施形態とほとんど同一であるが、ベンディング領域BDAに位置する抵抗線を含むストレインゲージ(strain gauge)GAU1、GAU2をさらに含むことができる。ストレインゲージGAU1、GAU2の抵抗線は、ベンディング領域BDAの左側および/または右側周縁領域に位置することができる。ストレインゲージGAU1、GAU2の抵抗線の抵抗は、ベンディング領域BDAのベンディングの程度により変わることがあり、このような抵抗変化をセンシングしてベンディング領域BDAが受けるストレスを感知することができる。ストレインゲージGAU1、GAU2の抵抗線は、ベンディング領域BDAで複数回往復して屈曲部をなすことができ、複数の連結配線CL1、CL2を通じてパッド部PDAに連結されていてもよい。連結配線CL1、CL2は、ストレインゲージGAU1、GAU2の抵抗線の他の部分にそれぞれ連結されていてもよい。
【0158】
ストレインゲージGAU1、GAU2の抵抗線は、前述した第1導電層、第2導電層、そして第3導電層のうちの一つと同一の層に位置することができる。
【0159】
次に
図21を参照すると、本実施形態による表示装置1000fは、前述した実施形態とほとんど同一であるが、メインクラック感知回路部MCDAとベンディングクラック感知回路部BCDAのうちの少なくとも一つが、ベンディング領域BDAと表示領域DAとの間に位置することもできる。
図21は、メインクラック感知回路部MCDAがベンディング領域BDAと表示領域DAの間に位置し、ベンディングクラック感知回路部BCDAは、ベンディング領域BDAとパッド部PDAの間に位置する例を示す。
【0160】
また、パッド部PDAとベンディングクラック感知回路部BCDAの検査データ線TD3の両端にマッチング抵抗R3、R4がそれぞれ連結されていてもよい。マッチング抵抗R3、R4の抵抗値は、ベンディングクラック感知線BCDa"、BCDb"の全体配線抵抗と同じかまたは類似していてもよい。しかし、これに限定されるのではなく、マッチング抵抗R3、R4の抵抗値はベンディング領域BDAでのクラック感知感度など必要に応じて適切な値で決められ得る。
【0161】
また、表示領域DAの左右周辺領域PAに位置するメインクラック感知線MCDa'、MCDb’の屈曲部は、多様なブロックUBを含んで配線抵抗を高めることができる。各ブロックUBのメインクラック感知線MCDa'、MCDb’はy方向に複数回往復することができる。
【0162】
最後に
図22を参照すると、本実施形態による表示装置1000gは、前述した実施形態とほとんど同一であるが、互いに分離されたメインクラック感知回路部MCDAとベンディングクラック感知回路部BCDAの代わりに一つのクラック感知回路部CDAを含むことができる。クラック感知回路部CDAは、ベンディング領域BDAとパッド部PDAの間に位置することができる。
【0163】
メインクラック感知線MCDa"、MCDb"のそれぞれの一端はノードJN1、JN2を通じてパッド部PDAと連結され、他端はベンディング領域BDAとクラック感知回路部CDAの間でほぼx方向に伸びる検査データ線TDb1、TDb2に連結されてもよい。メインクラック感知線MCDa"と連結された検査データ線TDb1の一端とメインクラック感知線MCDb"と連結された検査データ線TDb2の一端とは互いに対向するが、互いに離隔して分離されていてもよい。
【0164】
左右のベンディングクラック感知線BCDa"'、BCDb"’は、一端がノードJN1、JN2を通じてパッド部PDAと連結され、他端は、ベンディング領域BDAとクラック感知回路部CDAとの間にてほぼx方向に伸びる、検査データ線TDc1、TDc2に連結されてもよい。左側のベンディングクラック感知線BCDa"’と連結された検査データ線TDc1の一端と、右側のベンディングクラック感知線BCDb"’と連結された検査データ線TDc2の一端とは、互いに対向するが、互いに離隔して分離されていてもよい。
【0165】
クラック感知回路部CDAは、複数のスイッチング素子Qa、Qb、Qcおよび検査ゲート線TGaを含むことができる。複数のスイッチング素子Qa、Qb、Qcはほぼx方向に一列に配列されてもよく、複数のスイッチング素子Qa、Qb、Qcは複数のデータ線171にそれぞれ対応して配置されている。検査ゲート線TGaはほぼx方向に伸びてもよい。
【0166】
スイッチング素子Qa、Qb、Qcのゲート端子は、検査ゲート線TGaに連結されており、出力端子は対応するデータ線171に連結されている。スイッチング素子Qb、Qcが連結されたデータ線171が連結されている画素が示す色は、一部の特定色であってもよい。例えばスイッチング素子Qbが連結されたデータ線171に連結されている画素列は、すべて緑色画素Gであってもよく、スイッチング素子Qcが連結されたデータ線171に連結されている画素列は、赤色画素Rと青色画素Bが交互に配列されている画素列であってもよいが、これに限定されるのではない。
【0167】
スイッチング素子Qaの入力端子は検査データ線TDaに連結されており、スイッチング素子Qbの入力端子は検査データ線TDb1、TDb2に連結されており、スイッチング素子Qcの入力端子は検査データ線TDc1、TDc2に連結されている。
【0168】
スイッチング素子Qb、Qcは、クラック感知回路部CDAの一部の領域、例えば表示パネル1000gの左側の一部および右側の一部の領域に位置し、残りの領域にスイッチング素子Qaが配置されてもよい。スイッチング素子Qb、Qcが位置する領域でスイッチング素子Qbとスイッチング素子Qcがx方向に交互に隣接して配置されてもよいが、これに限定されるのではない。
【0169】
ノードJN1、JN2と検査データ線TDaの間にマッチング抵抗R1、R2が連結されていてもよい。
【0170】
本実施形態によると、表示領域DA周囲の周辺領域PAでのクラックなど不良発生検出と、ベンディング領域BDAでのクラックなどの不良発生検出のための回路とを共用して、同じ感度で不良を検出することができ、クラック検出回路部の領域を最小化することができる。
【0171】
一実施形態に係る表示装置は、液晶表示装置、有/無期発光表示装置などの多様な表示装置であってもよい。
【0172】
以上で本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるのではなく、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0173】
BDA…ベンディング領域
BCDa、BCDb…ベンディングクラック感知線
BCDA…ベンディングクラック感知回路部
DA…表示領域
MCDa、MCDb…メインクラック感知線
MCDA…メインクラック感知回路部
PA…周辺領域
PDA …パッド部
PX…画素
110…基板
171…データ線171
1000…表示パネル