(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】ブラキセラピーのための挿入可能なファスナー、アプリケータおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/10 20060101AFI20221024BHJP
A61B 17/08 20060101ALI20221024BHJP
【FI】
A61B17/10
A61B17/08
(21)【出願番号】P 2017250408
(22)【出願日】2017-12-27
【審査請求日】2020-11-27
(32)【優先日】2017-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】スタニスロウ コストシェフスキー
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルド ホジキンソン
(72)【発明者】
【氏名】リー アン オルソン
(72)【発明者】
【氏名】ラッセル プリバニック
(72)【発明者】
【氏名】マシュー チョワニク
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト ペドロス
(72)【発明者】
【氏名】トーマス カンパネッリ
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ニコラス
【審査官】宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0354408(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0031935(US,A1)
【文献】特表2014-533121(JP,A)
【文献】特表2007-533362(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/10
A61B 17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファスナーアプリケータであって、前記ファスナーアプリケータは、
ハンドルアセンブリを含む本体部分と、
前記本体部分内に支持されているカートリッジアセンブリであって、前記カートリッジアセンブリは、複数の挿入可能なファスナーを含み、少なくとも1つの挿入可能なファスナーは、バックスパンを含む本体と、前記本体から延びる組織貫通部分と、密閉されたカプセルとを有し、前記密閉されたカプセルは、放射性材料を含む、カートリッジアセンブリと、
前記本体部分内に支持されている駆動アセンブリであって、前記駆動アセンブリは、前記複数の挿入可能なファスナーと係合するように前記カートリッジアセンブリに動作的に結合されている、駆動アセンブリと、
前記ハンドルアセンブリ内に支持されている作動アセンブリであって、前記作動アセンブリが作動すると、前記作動アセンブリは、最先端の挿入可能なファスナーを発射するように前記駆動アセンブリに動作的に結合されている、作動アセンブリと
を備え、
前記バックスパンは、前記バックスパンの少なくとも一部に沿って延びる平らな表面を画定し、前記平らな表面は、増加した表面積を提供し、
前記平らな表面は、前記バックスパンの長さ未満の長さを有し、前記密閉されたカプセルは、
スナップフィット係合を用いて前記バックスパンの前記平らな表面に付着されている、ファスナーアプリケータ。
【請求項2】
前記複数の挿入可能なファスナーのうちの少なくとも1つは、外科用ステープルであり、かつ、1回分の放射線量を標的外科部位に提供するように構成されている放射性材料を含む、請求項1に記載のファスナーアプリケータ。
【請求項3】
前記複数の挿入可能なファスナーのうちの少なくとも1つの前記組織貫通部分は、前記バックスパンの第一の端部から延びる第一の脚および前記バックスパンの第二の端部から延びる第二の脚を含み、前記第一の脚および前記第二の脚は、前記バックスパンから同一の方向に実質的に延びる、請求項1に記載のファスナーアプリケータ。
【請求項4】
前記複数の挿入可能なファスナーのうちの少なくとも1つの前記組織貫通部分は、未定形の状態と定形の状態とを含み、前記未定形の状態では、前記第一の脚および前記第二の脚は、互いに実質的に平行であり、かつ、互いに相対距離の間隔で配置されており、前記定形の状態では、前記第一の脚および前記第二の脚にアールが形成され、かつ、互いにおよび前記バックスパンに対して相対的に近接する、請求項3に記載のファスナーアプリケータ。
【請求項5】
前記複数の挿入可能なファスナーのうちの少なくとも1つの全体が放射線を放出するように、前記複数の挿入可能なファスナーのうちの少なくとも1つを通して放射性材料が分散されている、請求項1に記載のファスナーアプリケータ。
【請求項6】
前記複数の挿入可能なファスナーは、第一の挿入可能なファスナーと第二の挿入可能なファスナーとを含み、前記第一の挿入可能なファスナーは、組織を一緒に保持するために十分な力学的強度を有し、前記第二の挿入可能なファスナーは、標的外科部位に対して1回分の放射線量を提供するために前記第二の挿入可能なファスナーの上に付着されている前記密閉されたカプセルを有する、請求項1に記載のファスナーアプリケータ。
【請求項7】
前記外科用ステープルの第一の脚および第二の脚のそれぞれは、第一の部分および第二の部分を含み、前記第一の脚の前記第一の部分および前記第二の脚の前記第一の部分は、前記第一の脚および前記第二の脚のそれぞれの前記第一の部分が重なるようにある角度で前記バックスパンから離れて延び、前記第一の脚および前記第二の脚の前記第二の部分は、それぞれ前記バックスパンに向かって前記第一の脚および前記第二の脚のそれぞれの前記第一の部分から延びる、請求項3に記載のファスナーアプリケータ。
【請求項8】
外科部位に外科手技を実施するためのファスナーアプリケータであって、前記ファスナーアプリケータは、
前記ファスナーアプリケータに装填されるよう構成されている複数の挿入可能なファスナー
であって、前記複数の挿入可能なファスナーは、
バックスパンを含む本体と、
前記本体から延びる組織貫通部分
と
を有する、複数の挿入可能なファスナーと、
密閉されたカプセルであって、前記密閉されたカプセルは、放射性材料を含む、密閉されたカプセルと
を備え、
前記バックスパンは、前記バックスパンの少なくとも一部に沿って延びる平らな表面を画定し、前記平らな表面は、増加した表面積を提供し、前記密閉されたカプセルは、前記バックスパンの前記平らな表面に付着されており、
前記ファスナーアプリケータは
、前記密閉されたカプセルが前記外科部位の第一の標的に隣接した組織に接触するように、前記外科部位の前記第一の標的に固定されるべき第一の挿入可能なファスナーを発射するように構成されて
いる、ファスナーアプリケータ。
【請求項9】
前記ファスナーアプリケータは、前記ファスナーアプリケータの上に付着されている前記密閉されたカプセルが前記外科部位の第二の標的に隣接した組織に接触するように、前記第二の標的に固定されるべき第二の挿入可能なファスナーを発射するようにさらに構成されている、請求項8に記載のファスナーアプリケータ。
【請求項10】
前記複数の挿入可能なファスナーは、任意の構成において、任意のパターンにおいて、または、任意の量において、配置されるように構成されている、請求項9に記載のファスナーアプリケータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年6月2日に出願された米国仮特許出願第62/514,089号、2017年1月30日に出願された米国仮特許出願第62/451,936号、2017年1月5日に出願された米国仮特許出願第62/442,610号の利益および優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
本開示は、外科用インプラント、ステープル、クリップまたはファスナーに関し、より詳細には、低線量ブラキセラピーカプセルを含む挿入可能なファスナーおよびそのためのファスナーアプリケータに関する。
【0003】
一般的に、ブラキセラピーはがん治療のための高度な形式である。特に、放射性シード(縫合糸、バットレス等内で単独の、またはそれらに組み込まれる放射性シード)は、がん部位自体内に置かれ、またはその近くに置かれ、ここにおいて、それらは、放射線の健康な組織周囲への露出を低減しながら、比較的低線量の放射線をがん部位に直接放出する。
【0004】
治療されるべき根本的ながんおよび根本的な組織に応じて、特定の放射線測定ガイドラインが、放射性シードの配置および放射性シードにより放出される放射線レベルのために発展している。一般的に、放射性シードは、効果的な放射線測定を可能にするために互いに対して既定の距離に置かれる。
【0005】
したがって、改善された放射性シードを組み込む構造およびその構造をがん部位にまたはがん部位の近くに配置する改善された方法が、有利であり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
放射性シードを含むブラキセラピーカプセルを有する挿入可能なファスナーが、本開示に従って提供される。ブラキセラピーカプセルを有する挿入可能なファスナーは、本開示に従うファスナーアプリケータを使用してがん部位に個別に置かれる。
【0007】
本開示の一態様によれば、本体部分であって、ハンドルアセンブリと、本体部分内に支持されたカートリッジアセンブリであって、挿入可能なファスナーを含むカートリッジアセンブリと、本体部分内に支持され、かつカートリッジアセンブリに動作的に連結されて挿入可能なファスナーと係合する駆動アセンブリと、ハンドルアセンブリ内に支持される作動アセンブリであって、作動アセンブリが作動するとき、最先端の挿入可能なファスナーを発射するために駆動アセンブリに動作的に連結される作動アセンブリとを含む本体部分を含むファスナーアプリケータが提供される。少なくとも1つの挿入可能なファスナーは、本体であって、組織接面と、本体から延びる組織貫通部分と、本体の組織接面に付着され、放射性材料を含むカプセルとを含む本体を含む。
【0008】
一定の実施形態では、少なくとも1つの挿入可能なファスナーは、外科用ステープルであり、また1回分の放射線量を標的外科部位に提供するように構成された放射性材料を含み得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの挿入可能なファスナーの本体は、組織接面を有するバックスパンであって、組織接面がその少なくとも一部分に沿って延びる平らな表面を画定し、平らな表面がバックスパンの組織接面上にカプセルを付着させるための増加した表面積を提供する、バックスパンを含む。
【0010】
実施形態では、少なくとも1つの挿入可能なファスナーの組織貫通部分は、バックスパンの第一の端部から延びる第一の脚およびバックスパンの第二の端部から延びる第二の脚を含み、ここにおいて、第一の脚および第二の脚は、バックスパンから同一の方向に実質的に延びる。
【0011】
一定の実施形態では、少なくとも1つの挿入可能なファスナーの組織貫通部分は、第一の脚および第二の脚が互いに実質的に平行であり、かつ互いに相対距離の間隔で配置される未定形の状態と、第一の脚および第二の脚にアールが形成され、かつ互いにおよびバックスパンに対して相対的に近接する定形の状態とを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの挿入可能なファスナーの全体が放射線を放出するように、放射性材料は少なくとも1つの挿入可能なファスナーを通じて分散される。
【0013】
実施形態では、挿入可能なファスナーは、組織を結合するための十分な力学的強度を有する第一の挿入可能なファスナーと、標的外科部位に対して1回分の放射線量を提供するためにその上に付着されたカプセルを有する第二の挿入可能なファスナーとを含む。
【0014】
一定の実施形態では、外科用ステープルの第一の脚および第二の脚のそれぞれは、第一の部分および第二の部分を含み、第一の脚の第一の部分および第二の脚の第一の部分は、第一の脚と第二の脚の第一の部分が部分的に重なるようにある角度でバックスパンから離れて延び、第一の脚と第二の脚の第二の部分は、それぞれバックスパンに向かって第一の脚と第二の脚のそれぞれの第一の部分から延びる。
【0015】
本開示の別の態様によれば、外科部位に外科手技を実施する方法は、ファスナーアプリケータを組織の開口部内に配置することであって、ファスナーアプリケータに挿入可能なファスナーが装填され、各挿入可能なファスナーは、組織接面と、本体から延びる組織貫通部分と、本体の組織接面に付着され、放射性材料を含むカプセルとを有する本体を含む、配置することを含む。方法はさらに、外科部位の第一の標的の位置を特定することと、ファスナー上に付着されたカプセルが外科部位の第一の標的に隣接した組織と接触するように、ファスナーアプリケータを発射して第一の挿入可能なファスナーを外科部位の第一の標的に固定させることとを含む。
【0016】
実施形態では、方法はさらに、外科部位の第二の標的の位置を特定することと、ファスナーアプリケータを外科部位の第二の標的に再配置することと、ファスナー上に付着されたカプセルが外科部位の第二の標的に隣接した組織と接触するように、ファスナーアプリケータを発射して第二の挿入可能なファスナーを第二の標的に固定させることとを含む。
【0017】
一定の実施形態では、方法はさらに、外科部位の複数の標的の位置を特定することと、ファスナーアプリケータを外科部位の複数の標的に再配置することと、任意の構成において、任意のパターンにおいて、または任意の量において挿入可能なファスナーを配置することとを含む。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
本体部分であって、ハンドルアセンブリと、
上記本体部分内に支持されたカートリッジアセンブリであって、上記カートリッジアセンブリが挿入可能なファスナーを含み、少なくとも1つの挿入可能なファスナーが、
組織接面を含む本体、
上記本体から延びる組織貫通部分、および
上記本体の上記組織接面に付着されたカプセルを有し、上記カプセルが放射性材料を含む、カートリッジアセンブリと、
上記本体部分内に支持され、かつ上記カートリッジアセンブリに動作的に連結されて上記挿入可能なファスナーと係合する駆動アセンブリと、
作動アセンブリであって、上記ハンドルアセンブリ内に支持され、かつ上記作動アセンブリが作動するとき、最先端の挿入可能なファスナーを発射するために上記駆動アセンブリに動作的に連結される作動アセンブリとを含む、本体部分を備えるファスナーアプリケータ。
(項目2)
少なくとも1つの上記挿入可能なファスナーが、外科用ステープルであり、また1回分の放射線量を標的外科部位に提供するように構成された放射性材料を含む、上記項目に記載のファスナーアプリケータ。
(項目3)
少なくとも1つの複数の挿入可能なファスナーの本体が、上記組織接面を有するバックスパンであって、上記組織接面がその少なくとも一部分に沿って延びる平らな表面を画定し、上記平らな表面が上記バックスパンの上記組織接面上に上記カプセルを付着させるための増加した表面積を提供する、バックスパンを含む、上記項目のいずれか一項に記載のファスナーアプリケータ。
(項目4)
少なくとも1つの上記挿入可能なファスナーの上記組織貫通部分が、上記バックスパンの第一の端部から延びる第一の脚および上記バックスパンの第二の端部から延びる第二の脚を含み、ここにおいて、上記第一の脚および上記第二の脚が、上記バックスパンから同一の方向に実質的に延びる、上記項目のいずれか一項に記載のファスナーアプリケータ。
(項目5)
少なくとも1つの上記挿入可能なファスナーの上記組織貫通部分が、上記第一の脚および上記第二の脚が互いに実質的に平行であり、かつ互いに相対距離の間隔で配置される未定形の状態と、上記第一の脚および上記第二の脚にアールが形成され、かつ互いにおよび上記バックスパンに対して相対的に近接する定形の状態とを含む、上記項目のいずれか一項に記載のファスナーアプリケータ。
(項目6)
少なくとも1つの上記挿入可能なファスナーの全体が放射線を放出するように、放射性材料が少なくとも1つの上記挿入可能なファスナーを通じて分散される、上記項目のいずれか一項に記載のファスナーアプリケータ。
(項目7)
上記挿入可能なファスナーが、組織を結合するための十分な力学的強度を有する第一の挿入可能なファスナーと、標的外科部位に対して1回分の放射線量を提供するためにその上に付着された上記カプセルを有する第二の挿入可能なファスナーとを含む、上記項目のいずれか一項に記載のファスナーアプリケータ。
(項目8)
上記外科用ステープルの第一の脚および第二の脚のそれぞれが、第一の部分および第二の部分を含み、上記第一の脚の上記第一の部分および上記第二の脚の上記第一の部分が、上記第一の脚と上記第二の脚のそれぞれの上記第一の部分が部分的に重なるようにある角度で上記バックスパンから離れて延び、上記第一の脚と上記第二の脚の上記第二の部分が、それぞれ上記バックスパンに向かって上記第一の脚と上記第二の脚のそれぞれの上記第一の部分から延びる、上記項目のいずれか一項に記載のファスナーアプリケータ。
(項目9)
外科部位に外科手技を実施するためのファスナーアプリケータであって、上記ファスナーアプリケータが、
上記ファスナーアプリケータに装填されるよう構成された挿入可能なファスナーと、
本体であって、組織接面、
上記本体から延びる組織貫通部分、および
上記本体の上記組織接面に付着されたカプセルを有し、上記カプセルが放射性材料を含む、本体を含み、
上記ファスナーアプリケータが、ファスナー上に付着された上記カプセルが上記外科部位の上記第一の標的に隣接した組織と接触するように、第一の挿入可能なファスナーを発射して上記外科部位の上記第一の標的に固定させるように構成される、ファスナーアプリケータ。
(項目10)
ファスナー上に付着された上記カプセルが上記外科部位の上記第二の標的に隣接した組織と接触するように、第二の挿入可能なファスナーを発射して上記第二の標的に固定させるようにさらに構成される、上記項目に記載のファスナーアプリケータ。
(項目11)
上記挿入可能なファスナーが、任意の構成において、任意のパターンにおいて、または任意の量において配置されるように構成される、上記項目のいずれか一項に記載のファスナーアプリケータ。
(項目9A)
外科部位に外科手技を実施する方法であって、上記方法が、
ファスナーアプリケータを組織の開口部内に配置することであって、上記ファスナーアプリケータには挿入可能なファスナーが装填され、各挿入可能なファスナーが、
本体であって、組織接面、
上記本体から延びる組織貫通部分、および
上記本体の上記組織接面に付着されたカプセルを有し、上記カプセルが放射性材料を含む、本体を含む、配置することと、
上記外科部位の第一の標的の位置を特定することと、
ファスナー上に付着された上記カプセルが上記外科部位の上記第一の標的に隣接した組織と接触するように、上記ファスナーアプリケータを発射して第一の挿入可能なファスナーを上記外科部位の上記第一の標的に固定させることとを含む、方法。
(項目10A)
上記外科部位の第二の標的の位置を特定することと、
上記ファスナーアプリケータを上記外科部位の上記第二の標的に再配置することと、
ファスナー上に付着された上記カプセルが上記外科部位の上記第二の標的に隣接した組織と接触するように、上記ファスナーアプリケータを発射して第二の挿入可能なファスナーを上記第二の標的に固定させることとをさらに含む、上記項目に記載の方法。
(項目11A)
上記外科部位の複数の標的の位置を特定することと、
上記ファスナーアプリケータを上記外科部位の上記複数の標的に再配置することと、
任意の構成において、任意のパターンにおいて、または任意の量において上記挿入可能なファスナーを配置することとをさらに含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(摘要)
ファスナーアプリケータは、本体部分であって、ハンドルアセンブリと、本体部分内に支持されたカートリッジアセンブリであって、挿入可能なファスナーを含むカートリッジアセンブリと、本体部分内に支持され、かつカートリッジアセンブリに動作的に連結されて挿入可能なファスナーと係合する駆動アセンブリと、ハンドルアセンブリ内に支持される作動アセンブリであって、作動アセンブリが作動するとき、最先端の挿入可能なファスナーを発射するために駆動アセンブリに動作的に連結される作動アセンブリとを含む本体部分を含む。少なくとも1つの挿入可能なファスナーは、本体であって、組織接面と、本体から延びる組織貫通部分と、本体の組織接面に付着され、放射性材料を含むカプセルとを含む本体を含む。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本開示は、以下の添付図面を参照しながらさらに説明され、ここにおいて、同様の参照符号は、いくつかの図において同様の部分を意味する。
【
図1A】
図1Aは、未定形の状態における本開示の実施形態に従う挿入可能なファスナーの斜視図である。
【
図1C】
図1Cは、その組織接面を示す
図1Aの挿入可能なファスナーのバックスパンの斜視図である。
【
図2A】
図2Aおよび
図2Bは、バックスパンの種々の配置においてその上に付着されたカプセルを示す
図1Aの挿入可能なファスナーの斜視図である。
【
図2B】
図2Aおよび
図2Bは、バックスパンの種々の配置においてその上に付着されたカプセルを示す
図1Aの挿入可能なファスナーの斜視図である。
【
図3A】
図3Aは、未定形の状態における本開示の別の実施形態に従う挿入可能なファスナーの斜視図である。
【
図4A】
図4Aは、未定形の状態における本開示の別の実施形態に従う挿入可能なファスナーの斜視図である。
【
図5】
図5は、本開示の別の実施形態に従う挿入可能なファスナーの斜視図である。
【
図6】
図6は、本開示の別の実施形態に従う挿入可能なファスナーの斜視図である。
【
図7】
図7は、本開示の別の実施形態に従う挿入可能なファスナーの斜視図である。
【
図8】
図8は、本開示の別の実施形態に従う挿入可能なファスナーの斜視図である。
【
図9】
図9は、
図1A~
図2Bの挿入可能なファスナーを適用するための本開示の実施形態に従うファスナーアプリケータの斜視図である。
【
図10】
図10は、
図6のファスナーアプリケータの内視鏡のシャフトアセンブリの部品が分離された状態の分解組立図である。
【
図11】
図11は、
図6のファスナーアプリケータのカートリッジアセンブリの部品が分離された状態の分解組立図である。
【
図12】
図12は、挿入可能なファスナーを発射する前の
図8のカートリッジアセンブリの遠位端部の側面断面図である。
【
図13】
図13は、組織内に形成された挿入可能なファスナーを示す、
図8のカートリッジアセンブリの遠位端部の上面断面図である。
【
図14】
図14は、
図3A~
図4Bの挿入可能なファスナーを適用するための本開示の別の実施形態に従うファスナーアプリケータの斜視図である。
【
図15】
図15は、
図5~
図7の挿入可能なファスナーを装填するためのカートリッジアセンブリの実施形態を含む、
図5~
図8の挿入可能なファスナーを適用するための本開示の別の実施形態に従うファスナーアプリケータの斜視図である。
【
図16】
図16は、
図8の挿入可能なファスナーを装填するための
図15のファスナーアプリケータのカートリッジアセンブリの別の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示の挿入可能なファスナーおよびファスナーアプリケータの実施形態が、これから図面を参照しながら詳細に説明され、同様の参照符号は、それぞれのいくつかの図において同様の要素または対応する要素を示す。以下の図面において、また記述において、「近位」という用語は、操縦者に近い挿入可能なファスナーおよびファスナーアプリケータの端部を意味し、一方「遠位」という用語は、操縦者から遠い挿入可能なファスナーおよびファスナーアプリケータの端部を意味する。
【0020】
本開示に従って、
図1A~
図1Cに示すように、本体102および本体102から延びる組織貫通部分104を全体的に含む挿入可能なファスナー100の実施形態が提供される。本体102は、クラウンまたはバックスパン106ならびにバックスパン106の第一の端部106aから延びる第一の脚108およびバックスパン106の第二の端部106bから延びる第二の脚110を含む組織貫通部分104を含む。第一の脚108および第二の脚110は、例えば、バックスパン106から遠位に延びるように同一の方向に延び得る。
【0021】
バックスパン106は、その上にカプセル112を固定して支持するように構成された上面または組織接面106cを含む。カプセル112は、以下で詳しく説明されるような放射線源を含むことが想定される。カプセル112は、レーザ溶接または他の適切な方法を用いてバックスパン106の組織接面106cに付着される。いくつかの実施形態では、
図1Cに示すように、組織接面106は、その少なくとも一部分に沿って延び、かつその上にカプセル112を付着させるための増加した表面積を提供するように構成された平らな表面106dを含み得る。実施形態では、カプセル112は、スナップフィット係合を用いて、例えば、組織接面106の平らな表面106dなどのバックスパン106の一部分に付着され得る。バックスパン106は次に、挿入可能なファスナー100からのカプセル112の転位および移動の可能性を減少させるために加熱され、または捲縮され得る。バックスパン106の組織接面106c上にカプセル112を付着させることは、カプセル112が例えば、組織等などの標的外科部位と直接的に接触することが可能になるので(
図10参照)、有利であり得ることが予期される。例えば、カプセル112と標的外科部位との間の直接接触は、制御された均一な放射線量を標的外科部位に提供し、一方、構造の周りの標準的な線量を実質的に回避し得ることが予期される。カプセル112と標的外科部位との間の直接接触は、放射線源から標的外科部位への減少された減衰線量を提供し得ることがさらに予期される。別の方法として、
図2Aおよび
図2Bに示すように、カプセル112は、バックスパン106の下部面106eまたは外側面106fに付着されてもよい。特に図において示されないが、第一の脚108および第二の脚110は、レーザ溶接、捲縮または他の適切な方法を用いてカプセル112上に直接的に付着され得ることが予期される。
【0022】
挿入可能なファスナー100は、
図1Aに示すような未定形の状態を有していてもよく、ここにおいて、第一の脚108および第二の脚110は、互いに平行であり、または実質的に平行であり、かつ互いに相対距離の間隔で配置される。挿入可能なファスナー100は、
図1Bに示すような定形の状態を有していてもよく、ここにおいて、第一の脚108および第二の脚110にアールが形成され、また第一の脚108および第二の脚110は、互いにおよびバックスパン106に対して相対的に近接する。
【0023】
挿入可能なファスナー100は、例えば、チタン、ステンレス鋼またはポリマーなどの形成に適した材料から製造され得る。この手法では、未定形の状態の間、挿入可能なファスナー100は、標的導管または標的組織にわたって挿入され、次に挿入可能なファスナー100を標的導管または標的組織に固定するために標的導管または標的組織上に形成され、または締め付けられ得る。挿入可能なファスナー100は、当業者に公知な任意の非分解性の生体適合性材料から製造され得ることが予期される。挿入可能なファスナー100またはそのいくつかの部品は、マグネシウムなどの分解性材料で形成され得ることがさらに予期される。
【0024】
本開示に従って、
図1A~
図2Bに示すように、上述の挿入可能なファスナー100は、放射線源を有するカプセル112を含み得る。カプセル112は、ブラキセラピーカプセルまたはシードであり、かつその中に配置される放射性材料112aを含み得る。放射性材料112aは、任意の多くの放射性同位体を含み得る。実行可能な低線量同位体には、セシウム131(
131Cs)、イリジウム192(
192Ir)、ヨウ素125(
125I)、パラジウム103(
103Pd)、およびイッテルビウム169(
169Yb)が挙げられるが、これらに限定されない。治療投薬は、同位体および所望の露出に応じて80~150Gyの範囲であり得る。挿入可能なファスナー100は、治療計画における適応性を提供するために種々の標的エネルギーを有し得る。放射線場の特定の強度および/または放射線場の特定の幾何学的形状は、放射性材料112aの機能であり得ることが想定される。カプセル112は、放出される放射線の幾何学的形状または放出される放射線の強度を決定するように寸法され得ることがさらに想定される。カプセル112の長さは、挿入可能なファスナー100の形成に干渉しないようにバックスパン106の長さ未満であり得ることが予期される。
【0025】
特に図において示されないが、第一の脚108、第二の脚110および/またはバックスパン106は、カプセル112または放射性材料112aを受けるために1つ以上のくぼみを含み得る。挿入可能なファスナー100におけるカプセル112の配置の任意の他の組合せ、ならびにカプセル112の統合がまた、本開示の範囲内において予期される。
【0026】
挿入可能なファスナー100の全体が挿入可能なファスナー100を通じて分散された放射性材料112aから放射線を放出するように、挿入可能なファスナー100は処理され得ることがさらに想定される。例えば、本開示の範囲内において、挿入可能なファスナー100は、放出される放射線の強度を決定するように処理され得る。特に、一実施形態では、挿入可能なファスナー100は、放射性の生体適合性材料から製造される高分子外科用クリップであり得る。
【0027】
その中に配置された放射性材料112aを有する挿入可能なファスナー100は、例えば、X線等の撮像技術を用いて位置特定可能であり得ることが予期される。挿入可能なファスナー100が放射性材料112aを含まない実施形態では、挿入可能なファスナー100は、例えば、金などの材料で被覆されてもよく、または挿入可能なファスナー100を比較的より可視的にするように色付きの酸化層で被覆されてもよい。金被覆または他の被覆は、追跡手技の間に挿入可能なファスナー100のX線撮影位置を容易にするように利用され得る。この手法では、挿入可能なファスナー100は基準の標識として役立ち得る。
【0028】
本開示に従って、標的導管または標的組織上に挿入可能なファスナー100を締め付けることにより、放射線の治療量は、カプセル112の活性材料および同位体材料に基づいて組織の設定された位置および公知な量に適用され得る。
【0029】
実施形態では、カプセル112を含む挿入可能なファスナー100は、例えば、腫瘍に対するまたはがん性腫瘍の除去の後の切除部位に対する局所治療量の放射線を適用するために役立つ。それ自体として、カプセル112を含むそれらの挿入可能なファスナー100は、適所にカプセル112を固定するために十分な力学的強度のみを要求し、また組織を結合するように意図され得ない。しかし、複数の挿入可能なファスナー100は、組織を結合するための十分な力学的強度を有して設計される1つ以上の挿入可能なファスナー100を含んでもよい。別の方法として、カプセル112を含む挿入可能なファスナー100は、組織を結合するための十分な力学的強度を有して設計される一方、また適所にカプセル112を固定し得る。
【0030】
挿入可能なファスナー100は、腫瘍状の成長を持つまたは例えば、肺組織、実質臓器、胃腸組織および軟組織などのがん細胞を含むと思われる任意の数の組織に適用されまたは締め付けられ得る。
【0031】
本開示に従って、挿入可能なファスナー100は、臨床医により所定の位置に別々におよび個別に適用され得ることが想定される。カプセル112は、公知の放射線強度および放射線幾何学的形状の設定された3次元場を有し、それ自体として、カプセル112を含む複数の挿入可能なファスナー100は、制御された均一な放射線源の線量を標的外科部位に提供するために標的組織に適用され得ることが予期される。
【0032】
挿入可能なファスナー100は、意図した目的を達成するために、任意の構成、任意のパターンまたは任意の量において適用されまたは配置され得ることが予期される。例えば、挿入可能なファスナー100は、例えば、直線、弓形、三角形、長方形、円形または他の構成で配置されてもよい。挿入可能なファスナー100は、所望の放射線測定を達成するために互いから一様な距離で標的組織に締め付けられ得ることがさらに予期される。別の方法として、挿入可能なファスナー100は、互いから種々の距離でまたはその組合せで標的組織に締め付けられ得る。
【0033】
本開示に従って、挿入可能なファスナー100の形状における1つの挿入可能なファスナーが示され、また詳細に説明される一方、挿入可能なファスナーは、外科用ステープル、外科用コイル等を含み得るが、これらに限定され得ないことが予期される。上述したように、また本明細書で予期されるように、いくつかの挿入可能なファスナーは、例えば、チタン、ステンレス鋼またはポリマーなどの生体適合性の材料から製造され得る。同様に、上述したように、また本明細書で予期されるように、いくつかの挿入可能なファスナーは、その中に放射性材料112aを有するカプセル112を組み込んでもよく、またはその上に放射性材料112aを有するカプセル112を支持してもよく、または挿入可能なファスナーの全体が放射線を放出するように処理されてもよい。
【0034】
例えば、
図3Aおよび
図3Bと関連して、「Bの形の」外科用ステープルの形状における挿入可能なファスナーが示され、また全体的に200として示される。挿入可能なファスナー100と同様に、挿入可能なファスナー200は、本体202および本体202から延びる組織貫通部分204を全体的に含み得る。本体202は、クラウンまたはバックスパン206ならびにバックスパン206の第一の端部206aから延びる第一の脚208およびバックスパン206の第二の端部206bから延びる第二の脚210を含む組織貫通部分204を含む。
【0035】
本開示に従って、カプセル112と同様に少なくとも1つのカプセル212は、バックスパン206の組織接面206cに付着され得る。カプセル212は、放射性材料212aを含み得る。追加的に、または別の方法として、挿入可能なファスナー200の全体が挿入可能なファスナー200を通じて分散された放射性材料から放射線を放出するように、挿入可能なファスナー200は処理され得ることがさらに想定される。例えば、挿入可能なファスナー200は、放出される放射線の強度を決定するように処理され得る。
【0036】
挿入可能なファスナー200は、
図3Aに示すように、未定形の状態を有していてもよく、ここにおいて、第一の脚208および第二の脚210は、互いに平行であり、または実質的に平行であり、かつ互いに相対距離の間隔で配置される。挿入可能なファスナー200は、
図3Bに示すように、定形の状態を有していてもよく、ここにおいて、第一の脚208および第二の脚210の少なくとも一部分にアールが形成され、また実質的にBの形の構造を画定するように互いにおよびバックスパン206に対して相対的に近接する。
【0037】
挿入可能なファスナー200は、例えば、チタン、ステンレス鋼またはポリマーから製造され得る。一実施形態では、挿入可能なファスナー200は、放射性の生体適合性材料から製造される高分子外科用ピンであり得る。非分解性の生体適合性ポリマーのいくつかの例には、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのポリオレフィン、ナイロン、ポリエステル、シリコーン、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリフタラミド、ポリウレタン、PTFE、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、PEEK等の少数のポリマーが挙げられる。
【0038】
追加的な例として、
図4Aおよび
図4Bと関連して、「Wの形の」外科用ステープルの形状における挿入可能なファスナーが示され、また全体的に300として示される。挿入可能なファスナー100、200と同様に、挿入可能なファスナー300は、本体302および本体302から延びる組織貫通部分304を全体的に含み得る。本体302は、クラウンまたはバックスパン306と、第一の部分308aおよび第二の部分308bを有する第一の脚308ならびに第一の部分310aおよび第二の部分310bを有する第二の脚310を含む組織貫通部分304とを含む。第一の脚308の第一の部分308aは、バックスパン306の第一の端部306aから延び、また第一の脚308の第二の部分308bの近位端部309aと連結される。同様に、第二の脚310の第一の部分310aは、バックスパン306の第二の端部306bから延び、また第二の脚310の第二の部分3010bの近位端部311Aと連結される。
【0039】
本開示に従って、カプセル112、212と同様に少なくとも1つのカプセル312は、バックスパン306の組織接面306cに付着され得る。カプセル312は、放射性材料312aを含み得る。追加的に、または別の方法として、挿入可能なファスナー300の全体が挿入可能なファスナー300を通じて分散された放射性材料から放射線を放出するように、挿入可能なファスナー300は処理され得ることがさらに想定される。挿入可能なファスナー300は、放出される放射線の強度を決定するように処理され得ることが予期される。
【0040】
未定形の状態において、
図4Aに示すように、バックスパン306は、第一および第二の脚308、310の近位端部309a、311Aのそれぞれに対して遠位位置にある。特に、バックスパン306は、第一の脚308の第二の部分308bの遠位端部309bおよび第二の脚310の第二の部分310bの遠位端部311bに比較的近接する。未定形の状態において、
図4Aに示すように、第一の部分308a、310aが互いに部分的に重なるように、第一および第二の脚308、310の第一の部分308a、310aはそれぞれ、ある角度でバックスパン306から離れて延びる。さらに、未定形の状態において、第一および第二の脚308、310の第二の部分308b、310bはそれぞれ、互いに相対距離の間隔で配置され、かつバックスパン306に向かって延びる。
【0041】
本開示に従って、挿入可能なファスナー300は、
図4Bに示すように、定形の状態を有してもよく、ここにおいて、バックスパン306は、第一および第二の脚308、310の遠位端部309b、311bのそれぞれに対して近位位置にある。定形の状態において、第一および第二の脚308、310の第二の部分308b、310bの少なくとも一部分にそれぞれアールが形成され、かつその少なくとも一部分は互いに比較的に近接する。定形の状態において、
図4Bに示すように、第一および第二の脚308、310のそれぞれの第一の部分308a、310aおよびバックスパン306は、互いに平行または実質的に平行であり、また互いにおよびバックスパン306に対して比較的に近接する。さらに、定形の状態において、バックスパン306は、第一および第二の脚308、310の第二の部分308b、310bの遠位端部309b、311bのそれぞれから相対距離の間隔で配置される。
【0042】
追加的な例として、
図5と関連して、外科用コイルの形状における挿入可能なファスナーが示され、また全体的に400として示される。特に、挿入可能なファスナー400は螺旋形のコイルファスナーである。挿入可能なファスナー400は、標的組織内へ、かつ標的組織を通じて挿入可能なファスナー400を回転させることによって組織に適用するように設計される。挿入可能なファスナー400は、組織貫通部分404で終端するコイル本体部分402を全体的に含む。組織貫通部分404は貫通点404aを含む。コイル本体部分402は、1つ以上の巻またはコイルを含み得ることが予期される。
【0043】
挿入可能なファスナー400は、コイル本体部分402の組織貫通部分404から対向する端にタング406を含む。タング406は、コイル本体部分402の中心に向かって全体的に内向きに延び、かつその中に画定されるくぼみ406aを含む。くぼみ406aは、タング406のくぼみ406aの開口部のサイズおよび形状に対応したサイズおよび形状を持つプラグ408を用いて覆い隠され、または密閉される。
【0044】
本開示に従って、少なくとも1つのカプセル410は、タング406のくぼみ406a内に配置され得る。カプセル112、212、312と同様に、カプセル410は放射性材料410aを含む。追加的に、または別の方法として、放射性材料410aは、挿入可能なファスナー400のコイル本体部分402内に、またはコイル本体部分402上に配置されてもよい。挿入可能なファスナー400の全体が挿入可能なファスナー400を通じて分散された放射性材料410aから放射線を放出するように、挿入可能なファスナー400は処理され得ることがさらに想定される。例えば、本開示の範囲内において、挿入可能なファスナー400は、放出される放射線の強度を決定するように処理され得る。
【0045】
図6と関連して、実施形態では、挿入可能なファスナー400は、レーザ溶接または他の適切な方法を用いてタング406’の外側表面に付着された少なくとも1つのカプセル410’を含み得る。特に、タング406’は、その少なくとも一部分に沿って延び、かつカプセル410’を付着させるための増加した表面積を提供するように構成された平らな表面406bを含み得る。加えて、または代わりに、少なくとも1つのカプセル410’は、コイル本体部分402の外側表面に付着され得る。カプセル112、212、312、410と同様に、カプセル410’はその中に配置された放射性材料410a’を含む。カプセル410’は、カプセル410’の開口部のサイズおよび形状に対応したサイズおよび形状を持つプラグ412を用いて覆い隠され、または密閉される。実施形態では、プラグ412は、レーザ溶接、接着剤または他の適切な方法を用いてカプセル410’の対向する端に付着される内側に向けられたキャップである。別の方法として、プラグ412は、少なくとも1つのカプセル410’内に配置された放射性材料410a’を保持するように構成された任意の適切な構成を含み得る。
【0046】
実施形態では、
図7に示すような挿入可能なファスナー800が提供される。挿入可能なファスナー800は、
図5および
図6に示す挿入可能なファスナー400と同様の螺旋形のコイルファスナーである。したがって、挿入可能なファスナー800は、組織貫通部分804で終端するコイル本体802を全体的に含む。組織貫通部分804は貫通点804aを含む。コイル本体部分802は、1つ以上の巻またはコイルを含み得ることが予期される。
【0047】
挿入可能なファスナー800は、コイル本体部分802の組織貫通部分804から対向する端にタング806を含む。タング806は、コイル本体部分802の中心に向かって全体的に内向きに延び、かつタング806に隣接したくぼみ812内に少なくとも1つのカプセル810を捕えて保持するように構成される捲縮部分808を含む。実施形態では、カプセル810は、タング806およびタング806と捲縮部分808との間の摩擦ばめ係合によってくぼみ812内にカプセル810を固定するようにカプセル810の周りに形成された捲縮部分808に隣接して配置され得る。別の方法として、捲縮部分808は、くぼみ812を画定するようにタング806の周りに形成されてもよく、またカプセル810はその中に配置されてもよい。追加的に、または別の方法として、カプセル810は、レーザ溶接または他の適切な方法を用いてくぼみ812内に固定され得る。実施形態では、捲縮部分808およびタング806のうちの少なくとも1つは、その少なくとも一部分に沿って延び、かつカプセル810を付着させるための増加した表面積を提供するように構成された溝814を含み得る。カプセル810は、カプセル410’と同様であり、かつその中に配置された放射性材料810aを保持するように構成される。
【0048】
挿入可能なファスナー400、800は、例えば、チタン、ステンレス鋼またはポリマーから製造され得る。一実施形態では、挿入可能なファスナー400、800は、放射性の生体適合性材料から製造される高分子外科用コイルであり得る。
【0049】
図8と関連して、「Sの形の」ファスナーの形状における挿入可能なファスナーが示され、また全体的に900として示される。挿入可能なファスナー900は、本体902、第一の脚904および第二の脚906を全体的に含む。本体902は、長軸方向軸「A1-A1」を画定し、かつ第一の端部902a、対向する第二の端部902bおよびその間に長軸方向に延びるカニューレ902cを含む。
【0050】
第一の脚904は、第一の組織貫通先端908aを有する第一の組織貫通部分908を含み、第二の脚906は、第二の組織貫通先端910aを有する第二の組織貫通部分910を含む。第一の組織貫通先端908aが本体902の第二の端部902bに隣接して配置されるように、第一の脚904は本体902の第一の端部902aから全体的に、かつ本体902の第二の端部902bに向かって放射状に延びる。同様に、第二の組織貫通先端910aが本体902の第一の端部902aに隣接して配置されるように、第二の脚906は本体902の第二の端部902bから全体的に、かつ本体902の第一の端部902aに向かって放射状に延びる。第一および第二の組織貫通先端908a、910aは、
図8に示すような長軸方向軸「A1-A1」の同一の側面または長軸方向軸「A1-A1」の対向する側面のどちらかの上に配置され得ることが予期される。
【0051】
本開示に従って、少なくとも1つのカプセル912は、本体902のカニューレ902c内に配置され、かつ圧力ばめ係合、摩擦ばめ係合またはその他の適切な方法によってその中に固定され得る。カプセル912は、カプセル410’、810と同様であり、かつその中に配置された放射性材料912aを保持するように構成される。
図16と簡潔に関連して、実施形態では、挿入可能なファスナー900’がカートリッジアセンブリ720’内に装填される前に、カプセル912’は挿入可能なファスナー900’のカニューレ902c’内に配置される。別の方法として、以下に詳しく説明されるように、挿入可能なファスナー900がカートリッジアセンブリ内に装填された後に、カプセル912は本体902のカニューレ902c内に配置され得る。
【0052】
挿入可能なファスナー900は、例えば、チタン、ステンレス鋼またはポリマーから製造され得る。実施形態では、ポリマーは、インビボで約4~5週間強度保持プロフィールを持つ生分解性ポリマーを含んでもよい。
【0053】
外科用ステープルおよび外科用コイル等の形状における挿入可能なファスナーが示され、かつ本明細書において説明される一方、2つの部分のファスナー、タック、ロッキングヒンジ付きのファスナー、ステープル等をさらに含み得る挿入可能なファスナーも本開示の範囲内である。例えば、一実施形態では、挿入可能なファスナーは、ポリマーおよび/または放射性材料の被覆を持つ2つの部分の高分子ファスナーを含み得る。
【0054】
本開示に従って、本明細書で開示される挿入可能なファスナー100の配置のための、
図9に示すようなファスナーアプリケータ500の形状における外科用装置が提供される。ファスナーアプリケータ500の一実施例の構造および操作のより詳細な説明に関して、本明細書において参照によりその全内容が組み込まれる米国特許第7,624,903号を援用する。
【0055】
ファスナーアプリケータ500は、ハンドルアセンブリ520、ハンドルアセンブリ520から延びる内視鏡シャフトアセンブリ530、内視鏡シャフトアセンブリ530から延びるカートリッジアセンブリ540、およびハンドルアセンブリ520内に少なくとも部分的に支持される作動アセンブリ550を有する本体部分510を含む。
【0056】
内視鏡シャフトアセンブリ530がその長軸方向軸「X1-X1」の周りで回転可能であるように、内視鏡シャフトアセンブリ530はハンドルアセンブリ520に回転可能に接続される。カートリッジアセンブリ540は、内視鏡シャフトアセンブリ530の遠位端部に旋回可能に接続され、かつ内視鏡シャフトアセンブリ530の長軸方向軸「X1-X1」に対して旋回可能である。
図9では、カートリッジアセンブリ540は、内視鏡シャフトアセンブリ530の長軸方向軸「X1-X1」と一直線上に全体的に示され、かつ追加的に移動または関節の範囲を示すためにファントムにおいて示される。示されるように、カートリッジアセンブリ540の旋回動作の全範囲は、約90度(すなわち、ニュートラルな位置のそれぞれの側に対して45度)である。
【0057】
図10を参照すると、内視鏡シャフトアセンブリ530は、図示の便宜のために部品が分離された分解組立図において示され、かつ上部ハウジング片側部分530aおよび下部ハウジング片側部分530bを含む。上部および下部ハウジング片側部分530a、530bの間に、駆動アセンブリ531が配置される。駆動アセンブリ531は、押出機または駆動ビーム532およびアンビル延長部分533を全体的に含み、かつカートリッジアセンブリ540において支持される挿入可能なファスナー100と係合するようにカートリッジアセンブリ540に動作的に連結される。
【0058】
追加的に
図11を参照すると、駆動ビーム532は、作動アセンブリ550が作動するとき、挿入可能なファスナー100のうちの最も遠位側の挿入可能なファスナー100と係合するように構成されたプッシャープレート534を有する。
図11に示すように、アンビル延長部分533は、旋回軸ピン533bによってカートリッジアセンブリ540と旋回可能に連結するように提供された遠位端部533aを含む。
【0059】
引き続き
図11を参照すると、カートリッジアセンブリ540は、挿入可能なファスナー100を支持するように適合される。本開示に従って、挿入可能なファスナー100は、隣接した積み重ね式の関係において配置される。一実施形態では、挿入可能なファスナー100は、長軸方向軸「X1-X1」に対して約45度の角度を形成するように積み重ねられる(
図12参照)。カートリッジアセンブリ540は、その周りに挿入可能なファスナー100が形成されるアンビルプレート542をさらに含む。
【0060】
ここで
図12および
図13を参照すると、挿入可能なファスナー100の前進および発射が示される。作動アセンブリ550が最初に作動するとき、プッシャープレート534が最も遠位側の挿入可能なファスナー100と置き換えられることによって挿入可能なファスナー100の積み重ねの整合性および位置を保持するように、プッシャープレート534は遠位に前進し、また最も遠位側の挿入可能なファスナー100は挿入可能なファスナー100の遠位に前進する。プッシャープレート534は、一時にただ1つの挿入可能なファスナー100と係合することが予期される。
【0061】
作動アセンブリ550がさらに作動するとき、最も遠位側の挿入可能なファスナー100が組織を貫通し、かつその上にカプセル112を形成して固定するように、プッシャープレート534は十分に遠位に前進する。特に、プッシャープレート534は、バックスパン106の第一および第二の端部106a、106bへの前進力の伝達を容易にするために一対のランド534a、534bを含む。プッシャープレート534の一対のランド534a、534bと挿入可能なファスナー100の第一および第二の端部106a、106bとによる挿入可能なファスナー100の係合が所定の手法において挿入可能なファスナー100を組織の周りに形成させ、かつ固定させるように、アンビルプレート542はバックスパン106と係合するように配置される。
【0062】
本開示に従って、本明細書で開示される挿入可能なファスナー200、300の配置のための、
図14に示すようなファスナーアプリケータ600の形状における外科用装置が提供される。ファスナーアプリケータ600の一実施例の構造および操作のより詳細な説明に関して、本明細書において参照によりその全内容が組み込まれる米国特許第8,403,946号を援用する。
【0063】
ファスナーアプリケータ600は、ハンドルアセンブリ610およびハンドルアセンブリ610から延びる内視鏡シャフトアセンブリ620を含む。内視鏡シャフトアセンブリ620がその長軸方向軸「X2-X2」の周りで回転可能であるように、内視鏡シャフトアセンブリ620はハンドルアセンブリ610に回転可能に接続される。内視鏡シャフトアセンブリ620は、近位部分622および遠位部分624を含み得る。エンドエフェクタ626は、遠位部分624に旋回可能に接続され、ここにおいて、エンドエフェクタ626は、遠位部分624に対して関節でつながれ得る。
【0064】
内視鏡シャフトアセンブリ620のエンドエフェクタ626は、その中に前もって装填されたある量の挿入可能なファスナー200、300(図示せず)を含んでもよく、またはその中にある量の挿入可能なファスナー200、300が装填されたカートリッジアセンブリ(図示せず)を選択的に受けるように構成されてもよい。例えば、カートリッジアセンブリには、10個以下の挿入可能なファスナー200、300が装填されてもよく、または任意の量の挿入可能なファスナー200、300が装填されてもよい。
【0065】
内視鏡シャフトアセンブリ620のエンドエフェクタ626は、一対のあご628内に単一の最も遠位側の挿入可能なファスナー200、300を装填し、また一対のあご628内に装填された挿入可能なファスナー200、300を形成するように構成された駆動アセンブリを含んでもよい。ファスナーアプリケータ600は、全ての作動順序の間に単一の挿入可能なファスナー200、300を発射するように、かつ形成するように構成される。本明細書で開示されるいくつかの実施形態では、ファスナー器具は、オープンステープラ、内視鏡ステープラ、クリップアプライヤ器具、またはその他のタイプの外科用器具であることができる。一定の実施形態では、本明細書で開示されるファスナーは、ロボット外科用システムで使用されてもよく、または一時に1つのファスナーまたは一時に複数のファスナーを適用するエンジン付きの外科用器具と共に使用されてもよい。本明細書で開示されるいくつかの実施形態では、外科医がどの程度の量のファスナーを適用するか、およびどの程度の量の放射性カプセルを適用するか、または他のタイプの医療用の活性カプセルもしくは製薬用の活性カプセルを適用するかを決定することを可能にするように、ファスナーアプライヤは構成されてもよい。
【0066】
本開示に従って、挿入可能なファスナー400、800、900の配置のための、
図15に示すようなファスナーアプリケータ700の形状における外科用装置が提供される。挿入可能なファスナー400、800、900を発射することが可能なファスナーアプリケータ700の一実施例の構造および操作のより詳細な説明に関して、本明細書において参照によりその全内容が組み込まれる米国特許第5,830,221号を援用する。ファスナーアプリケータ700は、挿入可能なファスナー400、800が前もって装填された状態で提供されてもよく、または挿入可能なファスナー400、800が装填されたカートリッジアセンブリ720を選択的に受けるように構成されてもよい。
【0067】
図16を参照すると、実施形態では、ファスナーアプリケータ700(
図15)は、複数の挿入可能なファスナー900が前もって装填されたカートリッジアセンブリ720’を選択的に受けるように構成されてもよい。カートリッジアセンブリ720’は、その外側表面を通じて延びる複数のポート740を含む。各ポート740は、カートリッジアセンブリ720’内に前もって装填された各挿入可能なファスナー900の本体902のそれぞれのカニューレ902cと長軸方向に位置合わせされるように構成され、かつ寸法される。カートリッジアセンブリ720’内に前もって装填された複数の挿入可能なファスナー900を有することによって、複数のカプセル912は、複数のポート740を通じて挿入され、複数の挿入可能なファスナー900のそれぞれのカニューレ902c内に配置され得る。この構成は、個別に各挿入可能なファスナー900を取り扱うことなく複数の挿入可能なファスナー900に複数のカプセル912を効率的に装填することを容易にする。この構成はペイロードのフィールドカスタマイゼーションを容易にし得ることが予期される。
【0068】
ファスナーアプリケータ700は、全ての作動順序の間に挿入可能なファスナー400、800、900を発射するように、または送達するように構成され得る。ファスナーアプリケータ700はまた、そこで挿入可能なファスナー400、800、900を発射することを容易にするために関節でつながれて構成されてもよい。
【0069】
本開示に従って、本明細書で開示される挿入可能なファスナーおよびファスナーアプリケータの組合せは、所望の標的外科部位へ放射線放出インプラント(例えば、挿入可能なファスナー100、200、300、400、800、900など)を配置することに基づいて比較的多くの適応性およびカスタマイゼーションを臨床医に提供し、それに従って、ファスナーアプリケータ(例えば、ファスナーアプリケータ500など)は、放射線放出インプラントを配置することに基づいて増大した適応性および正確度を臨床医に提供するために関節でつなげられることが可能であり、および/または回転可能である。ファスナーはまた、製薬用活性物質などの他のタイプの医療用治療薬を供給できることが予期される。
【0070】
例えば、挿入可能なファスナー100、200、300、400、800、900の幾何学的配置およびファスナーアプリケータ500、600、700の幾何学的配置は、互いに隣接する挿入可能なファスナー100、200、300、400、800、900を最適に配置するために位置ガイドとして協働するように最適化されてもよく、ここにおいて、カプセル112、212、316、410、410’、810、912は、効果的な放射線測定を達成するために公知の幾何学的配置および放射線場強度を有することが予期される。
【0071】
本開示に従って、挿入可能なファスナー100、200、300、400、800、900の配置の位置決めは、既定の幾何学的配置、パターン、密度等に限定されない。特に、上述したように、挿入可能なファスナー100、200、300、400、800、900は、臨床医の要望または要求に従って、任意の幾何学的配置、パターンおよび/または密度で標的組織部位に固定されてもよい。
【0072】
実施例として、標的組織部位(例えば、任意の幾何学的配置、パターンおよび/または密度における肺切除手技での肺組織など)に対して挿入可能なファスナー100、200、300、400、800、900を固定する能力は、損なわれた肺気量に苦しみ、また肺気量の不必要な損失に耐えることができない多くの肺がん患者に非常に有用であり得、また不十分に細い切除断端の治療を確実にするためにブラキセラピー源の複数の列が必要であり得る。
【0073】
本明細書で開示されるいくつかの実施形態では、挿入可能なファスナー100、200、300、400、800、900は、電動外科用システムまたはロボット外科用システムの部品である装置内に組み込まれてもよく、またはその装置と共に使用するように構成されてもよい。
【0074】
本明細書で開示された実施形態に対して種々の改変が行われ得ることが理解されよう。したがって、上記の記述は、限定的に解釈されるべきではなく、単に好ましい実施形態の例証としてのものである。当業者は、添付の請求項の範囲および精神内での他の改変を想定するであろう。