(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】電気電子機器廃棄物に含まれる構成要素を回収する目的で電気電子機器廃棄物を処理し除去するための方法
(51)【国際特許分類】
B09B 3/35 20220101AFI20221024BHJP
B09B 3/38 20220101ALI20221024BHJP
B03B 5/34 20060101ALI20221024BHJP
B03B 5/28 20060101ALI20221024BHJP
B03B 7/00 20060101ALI20221024BHJP
B03C 1/00 20060101ALI20221024BHJP
B09B 101/15 20220101ALN20221024BHJP
B09B 101/75 20220101ALN20221024BHJP
【FI】
B09B3/35 ZAB
B09B3/38
B03B5/34
B03B5/28 A
B03B5/28 Z
B03B7/00
B03C1/00 A
B03C1/00 B
B09B101:15
B09B101:75
(21)【出願番号】P 2017534019
(86)(22)【出願日】2015-09-15
(86)【国際出願番号】 IB2015057075
(87)【国際公開番号】W WO2016042469
(87)【国際公開日】2016-03-24
【審査請求日】2018-06-14
(32)【優先日】2014-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】522301027
【氏名又は名称】ソシエテ フィナンシエール アンデュストゥリエル
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100181021
【氏名又は名称】西尾 剛輝
(72)【発明者】
【氏名】ステファン ペイ
(72)【発明者】
【氏名】アシュリー オサリヴァン
【審査官】柴田 啓二
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-008148(JP,A)
【文献】特開平06-106091(JP,A)
【文献】米国特許第04155838(US,A)
【文献】特開2001-096261(JP,A)
【文献】特開2001-064735(JP,A)
【文献】米国特許第04252280(US,A)
【文献】特表平09-511440(JP,A)
【文献】特表2014-508853(JP,A)
【文献】三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社,平成24年度環境省関東地方環境事務所請負業務報告書 平成24年度関東圏域における地域循環圏の構築に向けた調査検討業務報告書,日本,2013年03月,第64頁~第74頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B 3/00
B09B 5/00
B03B 5/34
B03B 5/28
B03B 7/00
B03C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気電子機器廃棄物に含まれる金属を個々に回収する目的で電気電子機器廃棄物を処理するためのプロセスであって、
・前記廃棄物の様々な金属構成要素を個々に分離するのに適した条件の下で前記廃棄物を粉砕することによって、平均径が約10~100μmの間である金属粒子を形成する粉砕ステップと、
・前記粉砕された廃棄物を水と混合し、懸濁液を形成する懸濁液形成ステップと、
・ハイドロサイクロニングを用いて、重力によって、前記懸濁液の中で、前記金属の大部分を含む前記金属粒子を、非金属粒子から分離する重力分離ステップと、
・密度によって、前記金属の大部分を含む前記懸濁液を分離し、個々に分離された異なる2種類以上の前記金属粒子をそれぞれ含む異なる2種類以上の懸濁液を得る密度分離ステップと、
を含むことを特徴とするプロセス。
【請求項2】
前記粉砕ステップ後の前記金属粒子の平均径が、約20~50μmの間であることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記金属粒子が、前記粉砕ステップの後、約25~60μmの間の分布値D80を有することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記粉砕ステップの少なくとも1つの最終段階が磨滅によって実行されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記懸濁液中の固体の比率が、約5~30重量%の間であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記懸濁液中の固体の比率が、約8~15重量%の間であることを特徴とする、請求項5に記載のプロセス。
【請求項7】
前記懸濁液が湿潤剤を追加的に含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記湿潤剤が非イオン性であることを特徴とする、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記密度分離ステップが、遠心力式重力分離装置、密度測定テーブル、浮遊型分離装置、スパイラルコンセントレータおよびマルチ重力ドラム分離装置を含む群から選択される1つまたは複数の分離機械によって実行されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項10】
カスケード式に接続されかつ異なる密度範囲に設定された分離装置の組を含むことを特徴とする、請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
前記密度分離ステップの前に磁気分離ステップを含むことを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
液体の除去および前記分離された金属のペレット化を含む最終梱包ステップを追加的に含むことを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック材料および様々な金属を含む物品の処理に関し、特に、電気電子機器廃棄物の処理に関し、電気電子機器廃棄物を形成する物質を、特にそのような廃棄物の製造に使用される金属を回収することを目的とする。
【0002】
この廃棄物は、回路基板、メモリーカード、スマートカード、および別個のまたは一体化された電子部品を取り付けられた他のいずれかの回路または物品を含み得る。
【背景技術】
【0003】
この電気電子機器廃棄物は、2つの物質の群を本質的に含み、すなわち、一方はポリマー物質であり、他方は金属であり、その中には貴重なものもあればそれほど貴重でないものもあり、具体的には(しかし非徹底的に)銀、銅、鉄、鉛、錫、金、銀、アルミニウム、タンタル、パラジウム、および希土類金属(ランタニド)である。
【0004】
今日、これらの金属の回収は、使用できないまたは劣化した廃棄物を回収しリサイクルすることを目的とする環境的動機付け、および益々高まる特定金属の希少性に関連して、極めて重要な課題である。
【0005】
従って、電気電子機器廃棄物から再利用可能な物質を、特に金属を回収するためにこの廃棄物を処理することにおいて、経済的利益だけでなく、環境的利益が存在する。
【0006】
しかしながら、この処理は相当の困難に直面する、すなわち:
・回収される金属のそれぞれの量が、この廃棄物の総重量または総体積に対して比較的少ない;
・この同じ廃棄物が異なる金属を含み、それらは、特に特定金属の密度の点での、それらの類似する特性を考慮すると、分離が先験的に困難である;
・廃棄物中のポリマー物質の存在は、処理をさらに複雑にする。
【0007】
従って特に精製または溶融による、単一種の金属だけを含む廃棄物中の金属を回収するための知られている技術は、そのような用途に直接使用することができない。
【0008】
ゆえに、電気電子機器廃棄物に含まれる様々な金属を回収することを目的とするプロセスが、すでに開発されている。
【0009】
第1の知られているプロセスは、乾式冶金に基づき、廃棄物は以下の処理に連続的にかけられる:
・金属源を均質化するための(焙焼)、およびプラスチックおよび耐火性酸化物を分離するための熱処理;
・分離を可能にする酸化;および
・精製。
【0010】
そのようなプロセスは、銅、ニッケルまたは亜鉛を回収するために特に用いられる。
【0011】
しかしながら、この知られているプロセスは欠点を有し、特に:
・プラスチック物質および他の可燃物質を燃焼させるという事実は、環境の観点で、特にフランおよびダイオキシンの排出により、有害な結果を有する;
・それは化学的処理を必要とし、その環境的な結果は、重大な影響を及ぼす;
・それはエネルギー集約的であり、長い処理時間を必要とする;
・それは特定の金属の回収に制限され、特にアルミニウム、鉄およびタンタルを除外する。
【0012】
湿式冶金プロセスと称されるプロセスもすでに提案されており、それは溶媒、特に酸またはハロゲン化物の使用に基づき、それは金属を隔離し凝縮するために、例えば不純物の沈降、溶媒の抽出、吸収およびイオン交換による分離および純化プロセスが続く。
【0013】
例えば、硫酸による電気電子機器廃棄物の酸化は、銅および銀の浸出を可能にするが、シアン化は金、銀、パラジウムおよび少量の銅を回収することを可能にする。
【0014】
湿式冶金プロセスは、特にアルミニウム、亜鉛および銅に用いられるが、ニッケル、クロムおよびマンガンにも用いられる。
【0015】
しかしながら、この知られているプロセスは大量の酸を使用し、これは環境および安全の観点で大きなハンディキャップである。
【0016】
細菌または真菌を必要とする生物工学的なプロセスが同じく、知られている方法で提案されている。
【0017】
しかしながら、これらのプロセスは依然として実験段階であり、特に経済的および環境的基準に関連するそれらの有効性をまだ証明していない。
【0018】
最後に、ある技術が、文書“A Novel Flowsheet for the Recovery of Metal Values from Waste Printed Circuit Boards”から知られており、これは、湿潤段階処理(ハイドロサイクロニング、浮遊および多重力分離によるサイジング)と乾燥段階処理(電気力学的および静電的分離)の組合せにより、粉砕されたプリント回路基板の構成要素を、一方で軽い部分(本質的にプラスチック物質)に、他方で重い部分(本質的に金属)に分離することを可能にする。
【0019】
しかしながら、この知られているプロセスは平凡な分離能力に帰結し、金属を互いに分離できないことが分かっている。
【0020】
さらに、この文書の教示は、効果的な分離は44~100μmの間の粒径に対してのみ生じること、およびそれより小さい粒子は除去されることを示している(465頁、表1参照)。さらに、この文書は、回路基板の粉砕は、大量の非金属微粉および細長い形状の金属粒子を生成し、これは完全に機械化された分離プロセスを先験的に複雑にし得ることを示しているように見える。
【0021】
従って、申し分のない産業的解決策がないので、金属のわずかな部分を回収することを試みるためにそこでは電気電子機器廃棄物が単に燃やされる多くの領域が依然として世界に存在する。これらのプロセスは、しかしながら、環境および健康の観点で最悪であり、結局のところ、物質の最低限の回収が可能になるだけである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明は、先行技術の欠点の全てまたはいくつかを克服すること、および、あるプロセスを提案することを目的とし、このプロセスは、電気電子機器廃棄物の構成に含まれる様々な金属を、申し分のない純度で個々に回収することを、熱の入力も反応物も必要とせずに可能にし、および、望ましくない排出物を生成しない。本発明は、特定の粒径特徴によってこの廃棄物の破砕を実行し、廃棄物の構成要素を個々に分離することを可能にすることによって、および、液体媒体中のこれらの破砕物を分離プロセスの一端から他端へ運ぶことによって、非常に効率的な機械的分離処理を、反応物に頼ることなく、望ましくない排出物なしに、制限されたエネルギー消費で、プロセスに与えることができたという事実の発見に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0023】
その結果、電気電子機器廃棄物に含まれる金属を個々に回収する目的で電気電子機器廃棄物を処理するためのプロセスが提案され、このプロセスは一連の以下のステップ:
・廃棄物の様々な金属構成要素を個々に分離するのに適した条件の下で廃棄物を粉砕するステップと、
・粉砕された廃棄物を液体と混合し、懸濁液を形成するステップと、
・重力によって懸濁液を分離し、金属の大部分を含む最高密度の粒子を、最低密度の粒子から分離するステップと、
・密度によって、金属の大部分を含む懸濁液を分離し、個々に分離された金属を含む懸濁液を得るステップと
を含むことを特徴とする。
【0024】
当業者が技術的に適合性があると認定し得る、個々にまたはいずれかの組合せで利用されるこのプロセスの特定の利点であるが任意選択的な特徴は以下の通りである:
・粉砕ステップ後の金属粒子の平均径は、約10~100μmの間、より好ましくは20~50μmの間である;
・金属粒子は、粉砕後、約25~60μmの間の分布値D80を有する;
・粉砕の少なくとも1つの最終段階は、磨滅によって実行される;
・重力分離ステップは、ハイドロサイクロニング(hydrocycloning)によって実行される;
・懸濁液中の固体の比率は、約5~30重量%の間、好ましくは約8~15重量%の間である;
・液体は水であり、懸濁液は追加的に湿潤剤を含む;
・湿潤剤は非イオン性である;
・密度分離ステップは、遠心力式重力分離装置、密度測定テーブル(densimetric tables)、浮遊型分離装置、スパイラルコンセントレータおよびマルチ重力ドラム分離装置を含む群から選択される1つまたは複数の分離機械によって実行される;
・プロセスは、カスケード式に接続されかつ異なる密度範囲に設定される分離装置の組を含む;
・プロセスは、密度分離ステップの前、磁気分離ステップを含む;
・プロセスは、液体の除去および分離された金属のペレット化を含む最終梱包ステップを追加的に含む。
【0025】
本発明は、非限定的な例として提供されおよび付随する図面を参照する、その好ましい実施形態の以下の記載を考慮すると、より深く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明のプロセスの様々なステップのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図面を参照して、本発明のプロセスの様々なステップ、およびそれらのステップを実行するための手段を以下に記載する。
【0028】
プロセスは以下のステップを含む。
【0029】
ステップ1:微粉化
このステップは、好ましくは10~100μmの間、より好ましくは約20~50μmの間の平均径を有する粒子の粉体が得られるまで、電気電子機器廃棄物(ホールボード、スマートカード、等)を粉砕することを含む。この粉砕は、廃棄物の特性およびその予想される構成に依存して、1つまたは複数のステップにおいて実行され得、任意選択的に、下流の粒径スクリーニング工程に由来する過度に粗い粒子の再粉砕を伴う。
【0030】
ここで目標とされる粒径は金属のそれであり、粉砕は、プロセスの効率を妥協することなく、非金属粒子(特にプラスチック(これはより展性がある))のより粗い径を生じさせる可能性がある。
【0031】
有利に、粉砕は、粉砕ステップ後の金属粒子の平均径が上に定義したようなものになるような条件の下で、および金属粒子の径の分布が約25~60μmの間の分布値D80を有するような条件の下で、実行される。分布値D80は、粒子の80%がこの値よりも小さい径を有する粒子の径であることを、ここで思い起こされたい。
【0032】
そのような粒子径での粉砕は、処理される電子製品の様々な部品が、以下に記載されるような後続の分離ステップの良好な質を保証できる程度に十分に上手く個々に分離されることを保証することを可能にすることが、ここで指摘される。
【0033】
様々な供給業者が、多様な粉砕技術に基づく機械(ボールミル、磨滅ミル(attrition mills)、ナイフミル、遠心分離ミル、等)を販売し、これらはこの粉砕を実行可能であるが、供給業者は具体的には、Poittemill(Bethune,France)、Manfredini & Schianti(Sasuollo,Italy)、Atritor(Coventry,United Kingdom)、Pulveris(Aniche,France)、またはHosokawa Alpine(Augsburg,Germany)である。
【0034】
さらに、非金属粒子の平均径よりも小さい金属粒子の平均径をもたらすように粉砕の種類を選択することが有利である。これにより、一方で、金属/非金属の分離にかかる時間を低減することが、および他方で、金属を互いに分離する効率を改善することが可能になる。
【0035】
磨滅粉砕は、この結果をもたらすことを特に可能にする。
【0036】
ステップ2:水性懸濁
ステップ1で微粉化された粒子を、水性媒体、好ましくは水の中に、約8~15重量%の固体の比率で導入し、この懸濁はタンク内を撹拌することによって実行され得、必要であれば、好ましくは非イオン性および非発泡性である、界面活性剤などの湿潤剤を、懸濁を促すために水性媒体に組み込む。
【0037】
この液体媒体は、全ての後続のステップを通して、微粉化された粒子のキャリアのままであり、以下で理解されるように、分離の最後で除去される。
【0038】
ステップ3:金属/非金属分離
このステップは、好ましくは、ハイドロサイクロン型分離装置によって実行され、これにより、一方で、最高密度の粒子(典型的に全ての金属)を、および他方で、最低密度の粒子、典型的にポリマーおよび他の非金属粒子、を分離することが可能になる。それ自体周知の方法において、最も高い密度の粒子は、ハイドロサイクロンの円錐状の壁に対して投げられ、およびハイドロサイクロンから、その一番低い開口を介して放出され(アンダーフロー)、一方でより軽い粒子は、上昇する第2の渦を介して上昇し、上部開口を介して現れるオーバーフローと称される流れを形成する。
【0039】
サイクロンの直径の、サイクロンのその長さのおよび円錐角度の、ボルテックスファインダー中のオーバーフローの出口直径の、アンダーフローの差口の直径の、最適な選択によって、最も重い粒子(金属)は、下部開口の方へ首尾よく方向付けられ、その一方で、溶液中の懸濁中のより軽い物質(ポリマー)は、上昇する渦の中で上昇し、上部開口を介して排出されるが、この際、密度閾値の微細な調整の可能性がある。
【0040】
例えば、Salter Cyclones Ltd.(Cheltenham,United Kingdom)、FLSmidth & Krebbs(Valby,Denmark)、Neyrtec Mineral(Lorient,France)、またはMultotec(Johannesburg,South Africa)によって製造されたハイドロサイクロンが使用される。
【0041】
ステップ4:磁気分離(任意選択)
液体ストリーム中の懸濁中の金属粒子から本質的になる、ハイドロサイクロニングから得られた最も高い密度の粒子を磁気分離にかけ、それにより、磁性金属、典型的には鉄を含む金属を、他の金属から隔離する。
【0042】
例えば、Liquisort Recycling B.V.(El Son,the Netherlands)によって商業的に提案されるプロセスを実行することが可能である。
【0043】
電気電子機器廃棄物の種類に依存して、このステップは任意選択的なものであることがここで注意される。特に、フェライト型物質は同じく、適切な場合、次に記載される下流の密度分離ステップによって回収され得る。
【0044】
ステップ5:密度分離
様々な密度の金属(磁気分離から得られた鉄を含まない金属、または磁気分離が実行されない場合、先行するステップから得られた全ての金属)から本質的になる粒子を、次いで、密度分離ステップにかける。これは、様々な密度の金属を、互いに隔離することを目的とする。分離手段は、遠心力式重力分離装置、密度測定テーブル(densimetric tables)、および浮遊型分離装置またはスパイラルコンセントレータから選択され得る。廃棄物の性質、分離される金属の数、および分離装置の種類に依存して、分離手段は、様々な方法で構成され得る。有利には、Sepro(Langley,Canada)によって販売されるFalcon rangeのもの、または、FLSmidth & Krebbs(Valby,Denmark)によって販売されるもの(Knelsonコンセントレータ)、または好ましくは、Salter Cyclones Ltd.(Cheltenham,United Kingdom)によって販売されるマルチ重力ドラム分離装置などの重力コンセントレータが、使用される。
【0045】
好ましくは、分離される粒子を運ぶ液体媒体のストリームが、一連の分離装置を通して流される。各装置は、特定の密度を有する金属を送達する。なおも分離装置の種類に依存して、増大する密度に従って、または低減する密度に従って(Salterマルチ重力分離装置では低減する密度)、事を進めることが可能である。
【0046】
任意選択的に、各分離は、濃度を上げるために、ひいては各金属について所望の純度を達成するために、繰り返される。
【0047】
さらに、処理される液体ストリームに対する機械の分離能力に依存して、所与の金属の分離に対し、平行にまたはカスケード式に作動するいくつかの機械を提供することが可能である。
【0048】
典型的に、以下の金属:アルミニウム、銅、鉄、鉛、錫、金、銀、タンタルの分離に関して機械の調整が提供される。しかし、処理される廃棄物の上流の特性(特に回路基板の質)に依存して、一部の種類の金属を無視すること、またはその他の種類の金属を加えることを決定することが可能である。
【0049】
似た密度の金属の場合、それらを一緒に分離し、後続の差別化処理を提供することが追加的に可能である。
【0050】
プラスチック材料を分離するために使用されるものと同じ種類の上流のハイドロサイクロン式の分離が、最低密度の金属を、特にアルミニウムを分離するために実行されてもよいことがさらに注記される。
【0051】
ステップ6:最終梱包
依然として液体キャリア中の粒子の形態にある、先行ステップにおいて分離された様々な金属は、典型的にろ過および乾燥によって液体を奪われ、次いで、回収された金属のそれぞれについて、圧密化を経由するペレット化などの梱包処理にかけられる。
【0052】
適切な場合、プロセスのステップを任意選択的に調整するために、特にハイドロサイクロニングのおよび密度分離のパラメータを調整するために、いずれかの周知の分析方法によって、処理される廃棄物の上流の特徴付けを実行することが可能である。
【0053】
回収された金属の純度を評価するために、およびなおも存在するあり得る二次金属を特定するために、およびプロセス中の起こり得る分離問題を検出するために、回収された金属の最終的な特徴付けを実行することも可能である。
【0054】
当然のことながら、本発明は先行する記載に制限されず、当業者であれば、本発明の多数の変更または修正の導入の仕方を認識するであろう。