(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】固形粉末化粧料及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/25 20060101AFI20221024BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20221024BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20221024BHJP
A61K 8/92 20060101ALI20221024BHJP
A61K 8/891 20060101ALI20221024BHJP
A61Q 1/08 20060101ALI20221024BHJP
A61Q 1/10 20060101ALI20221024BHJP
A61Q 1/12 20060101ALI20221024BHJP
【FI】
A61K8/25
A61K8/81
A61K8/37
A61K8/92
A61K8/891
A61Q1/08
A61Q1/10
A61Q1/12
(21)【出願番号】P 2018042209
(22)【出願日】2018-03-08
【審査請求日】2020-12-16
(31)【優先権主張番号】P 2017060796
(32)【優先日】2017-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(74)【代理人】
【識別番号】110000590
【氏名又は名称】特許業務法人 小野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 洋輔
【審査官】小川 慶子
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-105952(JP,A)
【文献】特開2006-151851(JP,A)
【文献】特開2004-238371(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)~(D):
(A)水膨潤性粘土鉱物
(B)有機変性粘土鉱物
(C)粉体
(D)不揮発油剤
を含有することを特徴とする固形粉末化粧料。
【請求項2】
成分(A)と成分(B)の含有質量比が4:6~1:9であることを特徴とする請求項1記載の固形粉末化粧料。
【請求項3】
成分(A)および成分(B)の含有合計量が2~15質量%であることを特徴とする請求項1記載の固形粉末化粧料。
【請求項4】
成分(D)の含有量が3~15質量%であることを特徴とする請求項1に記載の固形粉末化粧料。
【請求項5】
成分(A)水膨潤性粘土鉱物、(B)有機変性粘土鉱物、(C)粉体及び(D)不揮発油剤を混合した化粧料基剤と、揮発性溶媒とを混合し、容器に充填した後、前記揮発性溶媒を除去する固形粉末化粧料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形粉末化粧料に関し、更に詳しくは塗布時の伸びの軽さと、優れた成型性を有する固形粉末化粧料と、その製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
固形粉末化粧料は、簡便な使用性と携帯に便利なため、メークアップ化粧料として広く用いられている製剤であり、着色顔料、光輝性顔料、体質粉体等の粉体を主成分とし、油剤や水溶性成分等を加え、固形に成型して得られる化粧料である。固形粉末化粧料の成型方法としては、粉体を主成分とし、これに油剤等を分散させた化粧料基剤を、皿等の容器に充填し圧縮する乾式成型法、粉体と油剤等の化粧料基剤に、溶媒を加えた流動性のあるスラリー状態にて、容器に充填した後、該溶媒を除去し固化させる湿式成型法(いわゆる、スラリー充填法)等がある。湿式成形法は乾式成型法に比べ、溶媒を用いて流動性のある状態で充填するため、油剤の分散性の向上に加え、粉体の配向性が良く、光輝性粉体を含有する際に、輝度の高い外観を有する化粧料が得られる等の理由から好まれている。
【0003】
湿式成型法に用いられる溶媒には、水やエタノール等の水系溶媒、油剤を用いた油性溶媒等がある。水系溶媒を用いた場合は、粉体間の結合力が強くなるため、少量の油剤で成型することができ、粉体化粧料のさらさらとした伸びの良い化粧料を得ることができる。
しかし、水系溶媒と油剤は溶解性が良くないために、油剤が凝集して不均一な使用感になったり、ケーキングの原因になる場合があった。そこで、粉体、油分及び水膨潤性粘土鉱物を含有し、化粧料表面が硬くなり使用に支障をきたすケーキングを起こさず、耐衝撃性に優れた固形粉末化粧料の技術(例えば、特許文献1)等が検討されてきた。
【0004】
一方、油性溶媒を用いた場合は、溶媒の乾燥に伴って毛細管現象により成型品の表面に油剤が局在化をおこし、使用を続けるうちに化粧料表面が硬くなるケーキングを起こしたり、化粧料のとれが不均一になる場合があった。また、湿式成形法では皿等の容器に化粧料基剤を充填した後に溶媒を除去するため、内容物が収縮したり、ひび割れが生じたりする成形性や耐衝撃性に懸念があった。こうした懸念を解決するべく、これまでにも撥水性粉体と、有機性ベントナイト(粘土鉱物)を有機溶媒と混合し、成型、乾燥して有機溶媒を除去する工程により、成形状態が良好で使用性に優れた粉末固形化粧料の技術(例えば、特許文献2)等が検討されてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開昭63―188612号公報
【文献】特公平5―003450号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら水膨潤性粘土鉱物を用いた技術では滑らかな伸び広がりは優れるものの、水膨潤性粘土鉱物の分散性が悪く、使用時のとれの均一性に関しては不十分なものであった。さらには、水溶性の染料を使用した場合には、染料が溶媒に溶出してしまうことから、使用できる着色剤に制限があった。一方、有機変性ベントナイトと有機溶剤を用いた技術では、着色剤の制限は受けないが、使用感の点で滑らかな伸び広がりと、ケーキングに関しては満足のいくものではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる実情に鑑み、本発明者は、鋭意検討した結果、粉体、油剤、水膨潤性粘土鉱物、有機変性粘土鉱物とを含有する固形粉末化粧料が、成型性が良く、肌上で軽い伸び広がりを有することを見出した。また、湿式成形法においては、幅広い色域に対応した固形粉末化粧料が得られるだけでなく、溶媒と混合し容器に充填した際に硬さを有することから、製造時の振動等に対して優れた保型性を有し、さらに溶剤の除去後の化粧料が、外部からの衝撃に対して優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は次の成分(A)~(D);
(A)水膨潤性粘土鉱物
(B)有機変性粘土鉱物
(C)粉体
(D)不揮発性油剤
を含有することを特徴とする固形粉末化粧料を提供するものである。
さらには(A)~(D);
(A)水膨潤性粘土鉱物
(B)有機変性粘土鉱物
(C)粉体
(D)不揮発性油剤
を含有する化粧料基剤に揮発性溶媒とを混合し、容器に充填した後、前記揮発性溶媒を除去する固形粉末化粧料の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の固形粉末化粧料は、成型性の良さに加え、使用時にバルクが凝集することなく、肌上で軽く伸び広がる使用性に優れた固形粉末化粧料を提供することである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において固形粉末化粧料とは、主成分を粉体とする化粧料基材に、油剤、水性成分、結合剤、美容成分、感触調整剤等を含有し、固形に成型されたものをいう。
【0011】
本発明において水膨潤力は、日本薬局方記載のベントナイトの試験法に基づくものとし、試料2gを水100mlのメスシリンダーに加え、24時間経過後の膨潤した後の見かけ上の体積(ml/2g)とする。
【0012】
本発明の成分(A)水膨潤性粘土鉱物とは、層間に陽イオンを有しており、水と陽イオンの相互作用により、粘土鉱物の底面間隔を広げることで水に対して膨潤性を有する性質を持つ粘土鉱物のことであり、水膨潤力が20ml/2g以上のものをいう。水膨潤性粘土鉱物は、例えば下記の一般式(1)にて表されるものである。
【0013】
【0014】
このような式(1)の構造を有する水膨潤性粘土鉱物の例としては、ベントナイト、モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイト等のスメクタイト型の粘土や、フッ素を導入した膨潤性雲母等が挙げられる。これらの粘土鉱物は、天然由来、合成品の何れでも良い。
【0015】
成分(A)の市販品としてはサポナイトであるスメクトンSA-2(クニミネ工業社製、膨潤力60ml/2g)、ベントナイトであるクニピアGー4(クニミネ工業社製、膨潤力65ml/2g)等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。特に滑らかな伸び広がりを得る点からサポナイトを用いることが好ましい。本発明においては成型性の観点から、成分(A)の膨潤力は50ml/2g以上であると好ましい。
【0016】
本発明において、成分(A)の好ましい含有量は0.5~8質量%(以下%と略す)、より好ましくは0.5~4質量%、更に好ましくは0.5~2%である。この範囲であれば成形性と滑らかな伸び広がりに優れた固形粉末化粧料を得ることができ好ましい。
【0017】
本発明の成分(B)有機変性粘土鉱物は、粘土鉱物の層間金属イオンを第4級アルキルアンモニウムイオン等のカチオンで置換したものであり、具体的には、下記の一般式(2)で示されるもの等が挙げられる。
【0018】
【0019】
前記一般式(2)におけるアルキル基は、具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、アミル、ヘキシル、ヘプチルオクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、オクタデシル等が挙げられる。
【0020】
成分(B)有機変性粘土鉱物のカチオンでの変性方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、粘土鉱物を水中に分散させた懸濁液に第4級アルキルアンモニウム塩を添加し、十分に混合する方法や、第4級アルキルアンモニウム塩溶液中に、粘土鉱物懸濁液を添加し、十分に混合する方法等が挙げられる。前記変性反応は、室温で充分進行するが、必要に応じて加温してもよい。加温する場合の最高温度は、用いられる第4級アルキルアンモニウム塩の耐熱性に支配され、その分解点以下であれば任意に設定が可能である。次いで固液を分離し、生成物を水洗浄して、副成電解質を充分に除去する。これを乾燥し、必要に応じて粉砕して用いる。
【0021】
成分(B)において、粘土鉱物を変性する第4級アルキルアンモニウム塩の添加量は、第4級アルキルアンモニウムイオンとして、粘土鉱物のカチオン交換容量と当量用いることが好ましい。より具体的には、粘土鉱物のカチオン交換容量に対する第4級アルキルアンモニウム塩の添加量は0.5~1.5倍量(モル当量換算)が好ましく更には0.8~1.4倍量(モル当量換算)であることが好ましい。
【0022】
成分(B)の市販品としては、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライトであるスメクトンSAN-P(クニミネ工業社製)、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムヘクトライトであるベントン27(エレメンティスジャパン社製)が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。特に滑らかな伸び広がりを得る点からジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライトを用いることが好ましい。
【0023】
本発明において、成分(B)の好ましい含有量は0.5~14%、より好ましくは4~10%である。この範囲であれば滑らかな伸び広がりに優れた固形粉末化粧料を得ることができ好ましい。
【0024】
本発明の固形粉末化粧料における、成分(A)と成分(B)の含有質量比は4:6~1:9であることが好ましく、2:8~1:9であることがより好ましい。この範囲であると、成型性に優れた固形粉末化粧料を得ることができ好ましい。また、成分(A)と成分(B)は合計で2~15%含有することが好ましく、より好ましくは5~15%、さらに好ましくは7~10%である。この範囲であれば成型性および滑らかな伸び広がりの点で好ましい。
【0025】
本発明の固形粉末化粧料における、成分(C)粉体は、成分(A)及び(B)以外の任意の無機又は有機粉体を使用することができる。具体的には、酸化チタン、黒色酸化チタン、酸化セリウム、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、無水ケイ酸、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、窒化硼素等の無機粉体類、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、黒色401号、褐色201号、紫色401号、青色1号、青色2号、青色203号、青色205号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、緑色401号、緑色402号、黄色4号、黄色5号、黄色202号(1)、黄色202号(2)、黄色203号、黄色402号、黄色403号の(1)、黄色406号、黄色407号、橙色205号、橙色402号、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号(1)、赤色105号(1)、赤色106号、赤色227号、赤色230号(1)、赤色231号、赤色401号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色506号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカチタン、有機顔料被覆マイカチタン、酸化チタン被覆ガラスフレーク、アルミニウムパウダー、ポリエチレンテレフタレート積層末等の光輝性粉体類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、アクリロニトリル-メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン-メタクリル酸共重合体パウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーパウダー、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマーパウダー、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリウレタンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、N-アシルリジン等の有機粉体類、微粒子酸化チタン被覆マイカチタン、微粒子酸化亜鉛被覆マイカチタン、硫酸バリウム被覆マイカチタン、酸化チタン含有シリカ、酸化亜鉛含有シリカ等の複合粉体類等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。これらの粉体は表面処理されたものを用いることもできる。表面処理剤としては、通常化粧料に用いられるものであれば特に限定されず、フッ素化合物、シリコーン系化合物、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、金属石鹸、界面活性剤、水溶性高分子等の通常公知のものを使用できる。中でもシリコーン系化合物を用いた表面処理が、使用性の点から好ましい。成分(C)は、板状粉体を含有すると滑らかなのび広がりが得られ、例えばマイカ、セリサイト、合成マイカを含有すると好ましい感触が得られる。板状粉体の平均粒子径は5μm以上が好ましく、10~50μmの範囲がより好ましい。これらの平均粒子径はレーザー解析法にて求められる。
【0026】
本発明において、成分(C)の含有量は滑らかな伸び広がりを得る点において好ましくは、70~95%、さらに好ましくは75~85%である。また、板状粉体の含有量は、化粧料中に30~95%が好ましく、より好ましくは40~90%、更に好ましくは60~70%である。
【0027】
本発明の成分(D)不揮発性油剤は、化粧料に通常使用される油剤であれば、特に限定されない。例えば、エチレンホモポリマー、(エチレン/プロピレン)コポリマー、パラフィンワックス、セレシンワックス、オゾケライト、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、流動パラフィン、ワセリン、スクワラン、スクワレン、ポリイソブチレン、ポリブテン等の炭化水素油類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、キャンデリラワックス、ミツロウ、ライスワックス、モクロウ、ゲイロウ、モンタンワックス、カルナウバワックス、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸イソブチル、ステアリン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸ブチル、イソステアリン酸デシル、イソステアリン酸ラウリル、イソデカン酸イソデシル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコ-ル、ジカプリン酸プロピレングリコ-ル、ジカプリル酸プロピレングリコ-ル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、モノイソステアリン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、セバシン酸ジエチル、2-エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸エチル、N-ラウロイル-グルタミン酸ジ(フィトステリル/2-オクチルドデシル)、N-ラウロイル-グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/2-オクチルドデシル)、N-ラウロイル-グルタミン酸ジ(コレステリル/2-オクチルドデシル)、N-ラウロイル-グルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/2-オクチルドデシル)、N-ラウロイル-サルコシン-イソプロピル、ダイマージリノール酸ジ(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノール酸ジリノレイル、ジイソステアリン酸ダイマージリノレイル、アジピン酸ジグリセリル混合脂肪酸エステル、ロジン酸ペンタエリトリット、ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、水添ヒマシ油、水添ヒマシ油脂肪酸エステル、マカデミアンナッツ油脂肪酸フィトステリル、水添ホホバ油等のエステル油類、トリメチルシロキシケイ酸、メタクリル変性ポリシロキサン、ステアリル変性メチルポリシロキサン、オレイル変性メチルポリシロキサン、ベヘニル変性メチルポリシロキサン、ポリビニルピロリドン変性メチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、アルコキシ変性ポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン等のシリコーン油類、デキストリン脂肪酸エステル、フラクトオリゴ糖脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、12-ヒドロキシステアリン酸、デンプン脂肪酸エステル、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類、α-オレフィン・ビニルピロリドン共重合体等が挙げられ、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
【0028】
成分(D)は、滑らかな伸び広がりを得る点において、25℃で液状の油剤が好ましく、より好ましくは、25℃で液状の分子量250~700のエステル油であり、2-エチルヘキサン酸セチル(分子量:369)、イソノナン酸イソトリデシル(分子量:341)、オレイン酸エチル(分子量:310)、パルミチン酸エチルヘキシル(分子量:369)、トリエチルヘキサノイン(分子量:471)、リンゴ酸ジイソステアリル(分子量:640)等があげられる。中でも2-エチルヘキサン酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリルを用いるとより滑らかな伸び広がりを得る点で好ましい。
【0029】
本発明において、成分(D)の好ましい含有量は、滑らかな伸び広がりの点から3~15%が好ましく、より好ましくは5~15%、さらに好ましくは5~10%である。3%以上であれば使用感に粉っぽさを感じにくく、15%以下であると滑らかな伸び広がりが得られやすい。
【0030】
また、本発明における固形粉末化粧料では、本発明を損なわない範囲において、上記成分(A)~(D)の他に、通常化粧料に使用される任意成分として、水性成分、界面活性剤、紫外線吸収剤、保湿剤、酸化防止剤、美容成分、糖類、防腐剤、香料等を含有することができる。
【0031】
水性成分としては、水及び水に可溶な成分であれば特に制限されず、例えば、エチルアルコール、プロピルアルコール等の低級アルコール類、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液等が挙げられ、水溶性高分子としては、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体類、アルギン酸ソーダ、カラギーナン、クインスシードガム、寒天、ゼラチン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ペクチン、ジェランガム等の天然高分子類、ポリビニルアルコール、カルボシキビニルポリマー、アルキル付加カルボシキビニルポリマー、ポリアクリル酸ソーダ、ポリメタクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸グリセリンエステル、ポリビニルピロリドン等の合成高分子類等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。
【0032】
界面活性剤としては、化粧料に一般に使用される界面活性剤であれば、いずれでも良く、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。例えば、非イオン界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物等が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸の無機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α-スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N-メチル-N-アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N-アシルアミノ酸塩、N-アシル-N-アルキルアミノ酸塩、ο-アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。カチオン系界面活性剤としては、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム及び塩化ベンザルコニウム塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものが挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。
【0033】
紫外線吸収剤としては、通常、化粧料に用いられるものであれば何れでもよく、例えば、ベンゾフェノン系としては、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸ナトリウム、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸ナトリウム、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6-トリアニリノ-パラ-(カルボ-2’-エチルヘキシル-1’-オキシ)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス[{4-(2-エチルヘキシロキシ)-2-ヒドロキシ}-フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-(1,3,5)-トリアジン、2-2’-メチレン-ビス-{6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3、-テトラメチルブチル)フェノール}等が挙げられ、PABA系としては、p-アミノ安息香酸、p-アミノ安息香酸エチル、p-アミノ安息香酸グリセリル、p-ジメチルアミノ安息香酸アミル、p-ジメチルアミノ安息香酸-2-エチルヘキシル、p-ジヒドロキシプロピル安息香酸エチル、2-{4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル}安息香酸ヘキシル等が挙げられ、ケイ皮酸系としては、p-メトキシケイ皮酸-2-エチルヘキシル、4-メトキシケイ皮酸-2-エトキシエチル等が挙げられ、サリチル酸系としてはサリチル酸-2-エチルヘキシル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメンチル等、ジベンゾイルメタン系としては、4-tert-4’-メトキシジベンゾイルメタン等、また、2-2’-メチレン-ビス-{6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール}等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。
【0034】
保湿剤としては、例えば、タンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等、酸化防止剤としては、例えば、α-トコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては、例えば、ビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、1,2-ペンタンジオール等が挙げられる。
【0035】
本発明の固形粉末化粧料は、通常公知の方法で製造することができる。特に限定されず、例えば以下のような方法を挙げることができる。
成分(A)~(D)及びその他の任意成分を均一分散した化粧料基剤を、金皿や樹脂皿等の容器に充填し、圧縮成型する乾式成形法。
成分(A)~(D)及びその他の任意成分を均一分散した化粧料基剤を、水、エタノール、揮発性油や、非揮発性油等の溶媒と混合し、これを充填成型した後、溶媒を除去して成型する湿式成型法。
本発明の固形粉末化粧料では、湿式成型法を用いて製造することで本発明の効果を特に顕著に得ることができ、好ましい。
【0036】
湿式成型法に用いられる溶媒としては、非揮発性、揮発性のいずれも用いることができるが、常圧における沸点が260℃以下の揮発性溶媒が好ましく、具体的には、水性成分として水、もしくはエチルアルコール、イソプロピルアルコールのような低沸点アルコール、油性成分としてイソドデカン、イソヘキサデカン、軽質流動イソパラフィン等の低沸点炭化水素油、低重合度のジメチルポリシロキサン、メチルトリメチコン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の低沸点の鎖状もしくは環状シリコーン油、低沸点パーフルオロポリエーテル等の低沸点フッ素化合物等が挙げられ、これらは一種または二種以上を組み合わせて混合物として用いることができる。本発明においては、着色剤の制限を受けない点で、油性のものが好ましく用いられ、特にイソドデカン、軽質流動イソパラフィン等の揮発性炭化水素油が好ましく用いられる。これらの溶媒は、減圧吸引、加熱乾燥、加圧時に紙や不織布等の吸収体を用いた吸い取り除去、プレス型等に設けられた排出孔を通して除去する等の通常公知の方法を用いて除去することができる。本発明においては、溶媒の量が化粧料基剤100質量部に対し溶媒40~200質量部が好ましく、更には60~150質量部である。
【0037】
本発明の固形粉末化粧料は、特に限定されないが、ボディパウダー、ファンデーション、頬紅、白粉、アイシャドウ、アイライナー、アイブロウ、等に用いることができ、特に滑らかなのび広がりの良さを活かしやすい、頬紅もしくはアイシャドウに用いることが好適である。
【実施例】
【0038】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0039】
実施例1~10及び比較例1~3:頬紅
表1及び2に示す頬紅を調製し、イ.乾燥前硬度、ロ.乾燥後硬度、ハ.連続使用性(ケーキングのなさ)、二.滑らかな伸び広がり、ホ.凝集物のなさを下記の評価方法にて評価した。その結果も併せて表1及び2に示す。
【0040】
【0041】
【0042】
*1 クラウンタルクK-20(松村産業社製)
*2 MICA POWDER Y-3000(ヤマグチマイカ社製)
*3 PDM-20L(トピー工業社製)
*4 TLF-64(トピー工業社製)
*5 MR-7GC(綜研化学社製)
*6 スメクトン SA-2 (クニミネ工業社製)
*7 クニピアG-4(クニミネ工業社製)
*8 スメクトンSAN-P(クニミネ工業社製)
*9 BENTONE 27V(エレメンティス社製)
【0043】
(製造方法)
A.成分(1)~(7)を均一に混合する。
B.成分(8)~(12)を均一に混合する。
C.AにBを加え化粧料基材とし、化粧料基材100質量部に対し、イソドデカン約120質量部を添加して混合混錬し、混合物2.5gを金皿容器(2.5cm×2cm)×0.3cm)に充填する。
D.Cの表面に厚さ0.02mmのセルロース紙2枚を重ねた上から押し型を用い、2kgf/cm2にて圧縮成型しながらイソドデカンを4秒間吸引除去した後、70℃で8時間乾燥して頬紅(固形)を得た。
【0044】
<評価方法>
イ.乾燥前硬度
実施例1~10及び比較例1~3の頬紅について、溶媒を吸引除去した乾燥前の各試料について、レオメーター(FUDOH レオメーター 株式会社レオテック製)を用いて針入硬度(g/cm2)を測定条件(針:2mm 速度:2cm/min,深さ:1mm)にて測定し、試験数(N)=3の平均値を算出し、化粧料表面に欠損や凹凸が発生していないかの成形性を以下の判定基準により判定した。
<判定基準>
(判定):(針入硬度の平均値):
◎ :200以上 :微細な振動の影響も受けず成型性が良く合格
〇 :100~200未満 :振動の影響を受けず成型性が良く合格
× :100未満 :振動により表面に凹凸が発生し不合格
【0045】
ロ.乾燥後硬度
実施例1~10及び比較例1~3の頬紅について、70℃で8時間乾燥後の各試料について、イ.と同様に針入硬度を測定し、試験数(N)=3の平均値を算出し、化粧料が、衝撃や振動に対して割れや欠損が発生しないかの成型性を以下の判定基準により判定した。
<判定基準>
(判定):(針入硬度の平均値):
◎ :200以上 :持ち歩き等の大きな衝撃に対しても成型性が良く合格
〇 :100~200未満 :振動の影響を受けず成型性が良く合格
× :100未満 :振動により割れや欠損が生じやすく不合格
【0046】
ハ.連続使用性(ケーキングのなさ)
ニ.滑らかな伸び広がり
化粧品評価専門パネル20名に、実施例及び比較例の頬紅を使用してもらい、各々の項目について、各自が以下の評価基準に従って5段階評価し評点を付し、全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。ハ.連続使用性(ケーキングのなさ)については、各試料を指で往復60回なぞった後の試料表面状態が固化していないかどうか、二.滑らかな伸び広がりについては、塗布時に肌上ですべりよく伸び広がるかどうかについて評価を行った。
(評価基準)
(評点):(評価)
5 :非常に良い
4 :良い
3 :普通
2 :悪い
1 :非常に悪い
(判定基準)
(判定):(評点の平均点)
◎ :4.0以上
○ :3.5点以上4.0点未満
△ :2.0点以上3.5点未満
× :2.0点未満
【0047】
ホ.凝集物のなさ
実施例及び比較例の頬紅に対しブラシを用いて試料表面を20回擦り、ブラシと試料表面および試料の周囲に飛散した凝集物の数を算出した。
(判定基準)
(判定):(評点の平均点)
◎ :粉の凝集物なし
○ :粉の凝集物が1つ
△ :粉の凝集物が2~4つ
× :粉の凝集物が5つ以上
【0048】
表1及び2の結果から明らかなように、本発明の実施例1~10の頬紅は、乾燥前硬度が十分であり、耐衝撃性を有し、連続使用性(ケーキングのなさ)、滑らかな伸び広がり、凝集物のなさすべてにおいて優れたものであった。これに対して、成分(B)を含有しない比較例1は、特に乾燥前荷重が低く、取扱いに注意を要するものであった。加えて、連続使用時にケーキングを起こし、満足のいくものが得られなかった。成分(A)を含有しない比較例2は、滑らかなのび広がりと使用時のとれの均一さの点で満足のいくものが得られなかった。成分(A)と(B)両方を含有しない比較例3は滑らかな伸び広がりと凝集物のなさの点で満足のいくものが得られなかった。
【0049】
実施例11:アイシャドウ
(成分) (%)
1.タルク(平均粒子径 10μm)*10 残量
2.合成金雲母(平均粒子径 20μm)*3 10
3.マイカ(平均粒子径 19μm)*11 20
4.雲母チタン(平均粒子径 25μm)*12 20
5.ホウケイ酸(Ca/Al)(平均粒子径:80μm)※13 10
6.赤202号 1
7.黄色4号 1
8.メチルパラベン 0.2
9.カルナバロウ 0.5
10.リンゴ酸ジイソステアリル 3
11.ジメチルポリシロキサン(25℃粘度20mPa・s) 3
12.サポナイト*6 0.8
13.ベンジルジメチルステアリルアンモニウムヘクトライト*9 6
*10 ハイフィラーK-5(松村産業社製)
*11 MICA POWDER Y-2300(ヤマグチマイカ社製)
*12 FLAMENCO GOLD(BASF社製)
*13 マイクログラスメタシャイン MT1080RR(日本板硝子社製)
(製造方法)
A.成分(1)~(8)を均一に混合する。
B.成分(9)~(13)を均一に混合する。
C.AにBを加え化粧料基材とし、化粧料基材100質量部に対し、イソドデカン約100質量部を添加して混合混錬し、金皿容器に充填し、圧縮しながらイソドデカンを除去し、その後、70℃で8時間乾燥し、アイシャドウを得た。
実施例11のアイシャドウは、成型性、連続使用性(ケーキングのなさ)、滑らかな伸び広がり、凝集物のなさのすべてにおいて優れたものであった。
【0050】
実施例12:ボディパウダー
(成分) (%)
1.タルク(平均粒子径 10μm)*10 残量
2.合成金雲母(平均粒子径 10μm)*15 15
3.ナイロン粉末*16 25
4.球状ポリエチレン*17 10
5.黄酸化鉄 0.1
6.酸化亜鉛 3
7.コンジョウ 0.1
8.トリエチルヘキサノイン 2
9.ミネラルオイル 3
10.セスキイソステアリン酸ソルビタン 0.2
11.サポナイト*6 1
12.ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト*8 4
*15 PDM-10L(トピー工業社製)
*16 オルガソール2002(アトフィナジャパン社製)
*17 ミペロンPM-200(三井化学社製)
(製造方法)
A.成分(1)~(7)を均一に混合する。
B.成分(8)~(12)を均一に混合する。
C.AにBを加え混合し、パルペライザーを用いて粉砕し、金皿容器に充填し、圧縮成型してボディパウダーを得た。
実施例12のボディパウダーは、成型性、連続使用性(ケーキングのなさ)、滑らかな伸び広がり、凝集物のなさのすべてにおいて優れたものであった。
【0051】
実施例13:パウダーファンデーション
(成分) (%)
1.タルク(平均粒子径 10μm)*10 残量
2.2%ジメチコン表面処理タルク(平均粒子径 7~11μm)*18 10
3.3%ジメチコン表面処理セリサイト(平均粒子径 3~4μm)*19 20
4.メタクリル酸メチルクロスポリマー*20 10
5.酸化チタン 10
6.酸化亜鉛 8
7.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 2
8.トリエチルヘキサノイン 8
9.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 3
10.ベントナイト*7 1
11.ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト*8 8
*18 SA-JA-46R(三好化成社製)
*19 SA-セリサイトFSE(三好化成社製)
*20 MR-7GC(綜研化学社製)
(製造方法)
A.成分(1)~(6)を均一に混合する。
B.成分(7)~(11)を均一に混合する。
C.AにBを加え化粧料基材とし、化粧料基材100質量部に対し、軽質流動イソパラフィンを約80質量部添加して混合混錬し、金皿容器に充填し、圧縮しながらイソドデカンを除去し、その後、70℃で8時間乾燥し、パウダーファンデーションを得た。
実施例13のパウダーファンデーションは、成型性、連続使用性(ケーキングのなさ)、滑らかな伸び広がり、凝集物のなさのすべてにおいて優れたものであった。