(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】経過時間付き歩行者用信号灯器ユニット及び経過時間付き歩行者用信号灯器
(51)【国際特許分類】
G08G 1/01 20060101AFI20221024BHJP
G08G 1/07 20060101ALI20221024BHJP
G08G 1/095 20060101ALI20221024BHJP
【FI】
G08G1/01 F
G08G1/07 A
G08G1/095 A
(21)【出願番号】P 2018093119
(22)【出願日】2018-05-14
【審査請求日】2021-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001292
【氏名又は名称】株式会社京三製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平田 慶樹
(72)【発明者】
【氏名】栗島 佑典
【審査官】白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-118481(JP,A)
【文献】特表2013-504880(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/01
G08G 1/07
G08G 1/095
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
横断歩道の通行許可又は通行禁止を歩行者に表示する歩行者用信号灯器に用いられる経過時間付き歩行者用信号灯器ユニットであって、
前記通行許可及び前記通行禁止の一方を表示する第1表示部と、
第1ケーブルによって信号制御機に接続され、他方の表示に使用する信号を
前記信号制御機から前記第1ケーブルを介して受信する第1接続部と、
他方の表示の経過時間を表示する第2表示部と、
前記第1接続部で受信する前記信号に基づいて前記第2表示部で表示される前記他方の表示の経過時間を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする経過時間付き歩行者用信号灯器ユニット。
【請求項2】
前記第1表示部は、前記通行許可を表示し、
前記第2表示部は、前記通行禁止の待ち時間を表示する、
ことを特
徴とする請求項1に記載の歩行者用信号灯器ユニット。
【請求項3】
横断歩道の通行許可を歩行者に表示する経過時間付き第1歩行者用信号灯器ユニット、及び前記横断歩道の通行禁止を歩行者に表示する経過時間付き第2歩行者用信号灯器ユニットを備える経過時間付き歩行者用信号灯器であって、
前記第1歩行者用信号灯器ユニットは、
前記通行許可及び前記通行禁止の一方を表示する第1表示部と、
第1ケーブルによって信号制御機に接続され、他方の表示に使用する信号を
前記信号制御機から前記第1ケーブルを介して受信する第1接続部と、
他方の表示の経過時間を表示する第2表示部と、
経過時間を制御する制御部と、
第2ケーブルが接続される第1コネクタと、
を備え、
前記第2歩行者用信号灯器ユニットは、
第3ケーブルによって前記第1歩行者用信号灯器ユニットに接続され、前記第1接続部が受信する前記他方の表示に使用する信号を
前記第1歩行者用信号灯器ユニットから前記第3ケーブルを介して受信する第2接続部と、
前記他方を表示する第3表示部と、
前記一方の表示の経過時間を表示する第4表示部と、
前記第2ケーブルが接続される第2コネクタと、
を備え、
前記第1歩行者用信号灯器ユニットは、更に、
前記第1ケーブルによって前記信号制御機に接続され、前記一方の表示に使用する信号を
前記信号制御機から前記第1ケーブルを介して受信する第3接続部を備え、
前記制御部は、前記第1接続部で受信する前記他方を表示する信号に基づいて前記第2表示部で表示される前記他方の表示の経過時間を制御すると共に、前記第3接続部で受信する前記一方を表示する信号に基づいて
前記第2ケーブルを介して前記第2歩行者用信号灯器ユニットに前記第4表示部の点灯信号を出力することにより、前記第4表示部で表示される前記一方の表示の経過時間を制御する、
ことを特徴とする経過時間付き歩行者用信号灯器。
【請求項4】
前記第1歩行者用信号灯器ユニットは、
前記第3ケーブルを前記制御部と接続する第4接続部を備え、
前記制御部は、前記第2歩行者用信号灯器ユニット
から前記第3ケーブルを介して前記第4接続部で受信する信号に基づいて前記第2表示部で表示される前記他方の表示の経過時間を制御する、
ことを特徴とする請求項3に記載の経過時間付き歩行者用信号灯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経過時間付き歩行者用信号灯器ユニット及び経過時間付き歩行者用信号灯器に関する。
【背景技術】
【0002】
LED表示装置を用いた歩行者用信号灯器が知られている。LED表示装置としては、パネルに一配列のLEDが取り付けられ、1又は2以上のLEDを作動させ、あるいは停止させる技術が知られている(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
歩行者用信号灯器は、一般に2種類の人型の図柄を有し、一方の図柄を青灯色、他方の図柄を赤灯色で表示されるようにLEDランプを用いて構成すると共に、これらを交互に表示することにより横断歩道の通行許可(青信号)又は通行禁止(赤信号)を歩行者に報知する。このように単純に青灯色及び赤灯色を切り替えて表示する歩行者用信号灯器の他に、表示された信号の経過時間を表示することができるものがある。このような経過時間付き歩行者用信号灯器は、経過時間の表示を制御する制御基板等を設ける必要があるため、前述の歩行者用信号灯器とは構成が異なっている。以下、歩行者用信号灯器、及び経過時間付き歩行者用信号灯器の制御構成についてそれぞれ簡単に説明する。
【0005】
図6は、歩行者用信号灯器10の制御構成を説明するための図である。歩行者用信号灯器10は、青灯色を表示するGユニット11、赤灯色を表示するRユニット12を有しており、これらが灯箱に組み込まれて歩行者用信号灯器10が構成される。なお、説明の便宜上、Gユニット11、及びRユニット12それぞれの表面と裏面とを同一紙面に示している(以下の
図7の場合も同様である)。
【0006】
Gユニット11の表面は横断歩道の通行を許可することを報知する歩く人型の図柄Gが設けられ、Rユニット12の表面は横断歩道の通行の禁止を報知する立止まった人型の図柄Rが設けられている。これらの裏側の基板に配置された青色、赤色のLEDランプが発光することにより図柄G及び図柄Rがそれぞれ青灯色、赤灯色で表示される。また、Gユニット11及びRユニット12の裏面は、それぞれ、コネクタ(G,C,E)13及びコネクタ(R,C,E)14が設けられている。さらに、端子台(R,G,C,E)18が設けられ、交差点に配置された車両用信号灯器及び歩行者用信号灯器等の全体を制御する図示しない信号制御機と接続され、青色及び赤色の点灯を指示する信号が入力される。歩行者用信号灯器10を組み立てる際に、端子台18に圧着端子等で端末処理した電線を接続したケーブル15のもう一方の端子先のコネクタ16、17をそれぞれコネクタ13,14に接続することにより、信号制御機からの信号をGユニット11及びRユニット12に供給することが可能になり、歩行者用信号灯器10は、設置後に図柄G及び図柄Rを交互に切り替えて表示するようになる。
【0007】
一方、
図7は、経過時間付き歩行者用信号灯器30の制御構成を説明するための図であり、
図8は、経過時間付き歩行者用信号灯器30での配置の一例を示す図である。経過時間付き歩行者用信号灯器30は、歩行者用信号灯器10の構成に、経過時間を表示するための構成が必要になる。
Gユニット31の表面には、歩く人型の図柄Gの表示の両側にライン状に複数の矩形状の表示部R11,R12が設けられており、この表示部R11,R12が赤灯色で表示されるように構成される。また、Rユニット32の表面には、立ち止まった人型の図柄Rの両側にライン状に複数の矩形状の表示部G11,G12が設けられており、この表示部G11,G12が青灯色で表示されるように構成される。図柄Gが表示されているときに表示部G11,G12も青灯色で表示され、この表示部G11,G12がそれぞれ順次消灯していくことにより残り時間を歩行者に報知し、図柄Rが表示されているときに表示部R11,R12も赤灯色で表示され、この表示部R11,R12がそれぞれ順次消灯していくことにより待ち時間を歩行者に報知する。
【0008】
経過時間付き歩行者用信号灯器30には、表示部R11,R12、表示部G11,G12の表示を制御するために制御基板40が追加されている。制御基板40には、Gユニット31及びRユニット32と接続し、表示部G11,G12及び表示部R11,R12の表示を開始するための信号が入力する端子台(RX,GX,C,E)39が設けられると共に、表示部R11,R12の表示する信号を出力するコネクタ41と、表示部G11,G12の表示する信号を出力するコネクタ42が設けられている。また、Gユニット31の裏面には、図柄Gを点灯させる信号を入力するコネクタ(C,GX,E、G)33と、表示部R11,R12を点灯させる信号を入力するコネクタ43が設けられており、Rユニット32の裏面には、図柄Rを点灯させる信号を入力するコネクタ(C,RX,E,R)34と、表示部G11,G12を点灯させる信号を入力するコネクタ44が設けられている。信号制御機と接続され、青色及び赤色の点灯を指示する信号が入力される端子台数は、既述の歩行者用信号灯器10の端子台18の端子台数は4つであるのに対して、経過時間付き歩行者用信号灯器30の端子台36の端子台数は6つであり、端子台数が異なっている。これは、信号制御機からの表示信号を図柄G又は図柄Rで受けてから表示部G11,G12又は表示部R11,R12に表示信号を供給して、図柄Gが点灯していないときは、必ず表示部G11,G12を点灯させないためと、図柄Rが点灯していないときは、必ず表示部R11,R12を点灯させないためである。具体的には、表示部G11,G12及び表示部R11,R12を点灯制御する制御基板40に表示信号を供給するために、図柄Gを点灯させるGユニット31のコネクタ33のGからの入力信号により図柄Gが点灯した後、コネクタ33のGX(ケーブル35のコネクタ37のGX)から表示信号が出力され端子台36のGX端子台を経由して制御基板40の端子台39のGX端子台に表示信号を供給すると共に、図柄Rを点灯させるRユニット32のコネクタ34のRからの入力信号により図柄Rが点灯した後、コネクタ34のRX(ケーブル35のコネクタ38のRX)から表示信号が出力され端子台36のRX端子台を経由して制御基板40の端子台39のRX端子台に表示信号を供給する。なお、端子台36のGX端子台及び端子台36のRX端子台を経由するのは、製造上の問題でケーブル35を容易に製作するためである。
【0009】
経過時間付き歩行者用信号灯器30を組み立てる際に、ケーブル35の端子先を端子台36及び端子台39に接続し、コネクタ37,38をそれぞれコネクタ33,34に接続することにより、信号制御機からの信号をGユニット31、Rユニット32、及び制御基板40に表示信号として供給する。また、ケーブル45のコネクタ46,47をそれぞれGユニット31のコネクタ43,制御基板40のコネクタ41に、ケーブル48のコネクタ49,50をそれぞれRユニット32のコネクタ44,制御基板40のコネクタ42に接続することにより、表示部G11,G12又は表示部R11,R12の点灯信号を供給する。これにより、経過時間付き歩行者用信号灯器30は、設置後に図柄G及び図柄Rを交互に切り替えて表示すると共に、経過時間(待ち時間は表示部R11,R12又は残り時間は表示部G11,G12)を表示できるようになる。
【0010】
このように歩行者用信号灯器10と、経過時間付き歩行者用信号灯器30とは灯箱に設けられる端子台の端子台数やケーブルの接続先の構成が異なっている。このため、歩行者用信号灯器10を経過時間付き歩行者用信号灯器30に変更する場合、端子台18を端子台36に取り換えると共に、灯箱の中に制御基板40を追加するための加工をしたうえで、歩行者用信号灯器ユニットをそれぞれ交換する必要があった。また、この際、経過時間付き歩行者用信号灯器30用のケーブル35を用いる必要があった。したがって、歩行者用信号灯器10を経過時間付き歩行者用信号灯器30に変更する場合、手間とコストが非常にかかっていた。仮に、歩行者用信号灯器10を経過時間付き歩行者用信号灯器30にまるごと取り換えるとすると、コストはさらに上昇する。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、歩行者用信号灯器の経過時間付き歩行者用信号灯器への変更を容易かつ低コストで行うことができる経過時間付き歩行者用信号灯器ユニット、及び経過時間付き歩行者用信号灯器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、横断歩道の通行許可又は通行禁止を歩行者に表示する歩行者用信号灯器に用いられる経過時間付き歩行者用信号灯器ユニットであって、前記通行許可及び前記通行禁止の一方を表示する第1表示部と、第1ケーブルによって信号制御機に接続され、他方の表示に使用する信号を前記信号制御機から前記第1ケーブルを介して受信する第1接続部と、他方の表示の経過時間を表示する第2表示部と、前記第1接続部で受信する前記信号に基づいて前記第2表示部で表示される前記他方の表示の経過時間を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
【0013】
このように構成された経過時間付き歩行者用信号灯器ユニットによると、従来の経過時間付き歩行者用信号灯器のように、歩行者用信号灯器そのものを取り換える必要がなく、経過時間を表示する構成と、歩行者用信号灯器ユニットとを一体化することができるため、従来の歩行者用信号灯器の灯箱、端子台及びケーブル等を流用し、従来の歩行者用信号灯器ユニットを、本発明の経過時間付き歩行者用信号灯器ユニットに入れ替えることで、従来の歩行者用信号灯器を、入れ替えた歩行者用信号灯器ユニットについては経過時間表示機能を付けた歩行者用信号灯器に変更することができる。したがって、歩行者用信号灯器から経過時間付き歩行者用信号灯器への変更を容易かつ低コストで行うことができる。
【0014】
また、前記第1表示部は、前記通行許可を表示し、前記第2表示部は、前記通行禁止の待ち時間を表示するようにしてもよい。一般に、通行禁止のときにどれくらい待てば通行許可に変わるのかを知りたいという要望は、通行許可のときに残りどれくらいで通行禁止に変わるかを知りたいという要望より大きい。上記構成によると、経過時間として待ち時間の機能のみを歩行者用信号灯器に設けることができるため、このようなニーズを満たすことができ、他方の歩行者用信号灯器ユニットには残り時間機能を備えなくてもよく、コストを下げることができる。
【0015】
他の本発明は、横断歩道の通行許可を歩行者に表示する経過時間付き第1歩行者用信号灯器ユニット、及び前記横断歩道の通行禁止を歩行者に表示する経過時間付き第2歩行者用信号灯器ユニットを備える経過時間付き歩行者用信号灯器であって、前記第1歩行者用信号灯器ユニットは、前記通行許可及び前記通行禁止の一方を表示する第1表示部と、第1ケーブルによって信号制御機に接続され、他方の表示に使用する信号を前記信号制御機から前記第1ケーブルを介して受信する第1接続部と、他方の表示の経過時間を表示する第2表示部と、経過時間を制御する制御部と、第2ケーブルが接続される第1コネクタと、を備え、前記第2歩行者用信号灯器ユニットは、第3ケーブルによって前記第1歩行者用信号灯器ユニットに接続され、前記第1接続部が受信する前記他方の表示に使用する信号を前記第1歩行者用信号灯器ユニットから前記第3ケーブルを介して受信する第2接続部と、前記他方を表示する第3表示部と、前記一方の表示の経過時間を表示する第4表示部と、前記第2ケーブルが接続される第2コネクタと、を備え、前記第1歩行者用信号灯器ユニットは、更に、前記第1ケーブルによって前記信号制御機に接続され、前記一方の表示に使用する信号を前記信号制御機から前記第1ケーブルを介して受信する第3接続部を備え、前記制御部は、前記第1接続部で受信する前記他方を表示する信号に基づいて前記第2表示部で表示される前記他方の表示の経過時間を制御すると共に、前記第3接続部で受信する前記一方を表示する信号に基づいて前記第2ケーブルを介して前記第2歩行者用信号灯器ユニットに前記第4表示部の点灯信号を出力することにより、前記第4表示部で表示される前記一方の表示の経過時間を制御することを特徴とする。
【0016】
このように構成すると、従来の経過時間付き歩行者用信号灯器のように、歩行者用信号灯器そのものを取り換える必要がなく、経過時間を表示する構成と、歩行者用信号灯器ユニットとを一体化することができるため、従来の歩行者用信号灯器の灯箱、端子台及びケーブル等を流用し、従来の歩行者用信号灯器ユニットを、本発明の経過時間付き歩行者用信号灯器ユニットのセットに入れ替えることで、従来の歩行者用信号灯器を、経過時間表示機能を付けた歩行者用信号灯器に変更することができる。したがって、歩行者用信号灯器から経過時間付き歩行者用信号灯器への変更を容易かつ低コストで行うことができる。
【0017】
また、前記第1歩行者用信号灯器ユニットは、前記第3ケーブルを前記制御部と接続する第4接続部を備え、前記制御部は、前記第2歩行者用信号灯器ユニットから前記第3ケーブルを介して前記第4接続部で受信する信号に基づいて前記第2表示部で表示される前記他方の表示の経過時間を制御するようにしてもよい。このように構成すると、通行禁止又は通行許可の表示に連動して経過時間を表示することができ、従来の経過時間付き歩行者用信号灯器の機能を備えることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、歩行者用信号灯器の経過時間付き歩行者用信号灯器への変更を容易かつ低コストで行うことができる経過時間付き歩行者用信号灯器ユニット、及び経過時間付き歩行者用信号灯器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る歩行者用信号灯器の正面図の一例を示す図。
【
図2】同実施形態に係る歩行者用信号灯器の扉を開いた状態の一例を示す図。
【
図3】同実施形態に係る歩行者用信号灯器の制御構成の一例を説明するための図。
【
図4】同実施形態に係る歩行者用信号灯器Gユニットに内蔵された制御基板等の制御構成の一例を説明するためのブロック図。
【
図5】本発明の第2の実施形態に係る歩行者用信号灯器の制御構成の一例を説明するための図。
【
図6】従来技術の歩行者用信号灯器の制御構成を説明するための図。
【
図7】従来技術の経過時間付き歩行者用信号灯器の制御構成を説明するための図。
【
図8】従来技術における経過時間付き歩行者用信号灯器での配置の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表示している。
【0021】
(第1の実施形態)
図1は、経過時間付き歩行者用信号灯器(以下、「歩行者用信号灯器)という。)100の正面図の一例である。歩行者用信号灯器100は、例えば、横断歩道の横断方向の両端近傍に立設される柱の所定の高さに、横断歩道を通行する歩行者に表示面を向けて設置される。
図1に示すように、歩行者用信号灯器100は、歩行者用信号灯器ユニットであるGユニット(第1歩行者用信号灯器ユニット)101、及びRユニット(第2歩行者用信号灯器ユニット)32を備えている。ここで、Rユニット32は、従来技術の経過時間付き歩行者用信号灯器30のRユニット32と同一である。
【0022】
Gユニット101は、横断歩道の通行許可を表示するものであり、歩く人型の図柄G(第1表示部)が設けられている。この図柄Gの裏側に配置される複数の青色のLEDランプが発光することにより、Gユニット101は、歩く人型の図柄Gを青灯色で表示する。Gユニット101の歩く人型の図柄Gの両側には、図示縦方向にライン状に構成される8個の矩形状の図柄をそれぞれ含む表示部(第2表示部)R111,R112が設けられている。表示部R111,R112の8個の矩形状の図柄は、図示横方向にそれぞれ同じ位置に配置されると共に、図示縦方向に等間隔となるように配置されている。この表示部R111,R112の裏側に配置される複数の赤色のLEDランプが発光することにより、Gユニット101は、通行禁止の待ち時間(経過時間)を赤灯色で表示する。
【0023】
一方、Rユニット32は、横断歩道の通行禁止を表示するものであり、立ち止まった人型の図柄R(第3表示部)が設けられている。この図柄Rの裏側に配置される複数の赤色のLEDランプが発光することにより、Rユニット32は、立ち止まった人型の図柄Rを赤灯色で表示する。Rユニット32の立ち止まった人型の図柄Rの両側には、図示縦方向にライン状に構成される8個の矩形状の図柄をそれぞれ含む表示部(第4表示部)G11,G12が設けられている。表示部G11,G12の8個の矩形状の図柄は、図示横方向にそれぞれ同じ位置に配置されると共に、図示縦方向に等間隔となるように配置されている。この表示部G11,G12の裏側に配置される複数の青色のLEDランプが発光することにより、Rユニット32は、通行できる残り時間(経過時間)を青灯色で表示する。
【0024】
このように構成された歩行者用信号灯器100では、Rユニット32の立ち止まった人型の図柄Rが赤灯色(通行禁止)で表示されると共に、Gユニット101の表示部R111,R112の全ての矩形状の図柄が赤灯色で表示される。このため歩行者は、横断歩道の通行禁止を視認することができる。
【0025】
そして、時間の経過に従って、表示部R111,R112のそれぞれの上側から矩形状の図柄が順次1つずつ消灯されていく。このため歩行者は、横断歩道の通行禁止の待ち時間を視認することができる。表示部R111,R112のそれぞれ一番下の矩形状の図柄が消灯したタイミングで、Rユニット102の立ち止まった人型の図柄Rが消灯し、Gユニット101の歩く人型の図柄Gが青灯色(通行許可)で表示されると共に、Rユニット32の表示部G11,G12の全ての矩形状の図柄が青灯色で表示される。このため歩行者は、横断歩道の通行許可を視認することができる。
【0026】
そして、時間の経過に従って、表示部G11,G12のそれぞれの上側から矩形状の表示が順次1つずつ消灯されていく。このため歩行者は、横断歩道の通行許可の残り時間を視認することができる。表示部G11,G12のそれぞれ一番下の矩形状の表示が消灯したタイミングで、Gユニット101の歩く人型の図柄Gが点滅し、通行許可時間が終わることを示した後、Gユニット101の歩く人型の図柄Gが消灯し、Rユニット32の立止まった人型の図柄Rが赤灯色(通行禁止)で表示されると共に、Gユニット101の表示部R111,R112の全ての矩形状の図柄が赤灯色で表示される。このように歩行者用信号灯器100は、歩行者に対して、通行許可及び残り時間、並びに通行禁止及び待ち時間を表示する。
【0027】
図2は、歩行者用信号灯器100の扉を開いた状態の一例を示す図である。
灯箱150から扉151を開いており、扉151にはGユニット101,Rユニット32が嵌め込まれている。Gユニット101、Rユニット32の裏面が示されており、Gユニット101、Rユニット32にはそれぞれ扉151から取り外すための把持部101a,102aが設けられている。さらに、Gユニット101には、端子台105(第4接続部),コネクタ104,106(第3接続部),107(第1接続部)が設けられ、制御基板(制御部)103が内蔵されている。また、Rユニット32にはコネクタ34(第2接続部),44が設けられている。一方、灯箱150には、交差点の信号機を設置する電柱の下部に設置され、交差点に配置された車両用信号灯器及び歩行者用信号灯器等を制御する図示しない信号制御機と接続して、信号制御機から青色及び赤色の点灯を指示する表示信号を受信する端子台18が設けられている。
【0028】
図3は、歩行者用信号灯器100の制御構成の一例を説明するための図である。
図3に示すように、歩行者用信号灯器100は、Gユニット101、Rユニット32、ケーブル15、ケーブル111及びケーブル114を有している。なお、説明の便宜上、Gユニット101、及びRユニット32それぞれの表面と裏面とを同一紙面に示している。また、Gユニット101には、表示部R111,R112、及び表示部G11,G12の表示を制御する制御基板103が内蔵されている。
【0029】
Gユニット101の裏面に設けられるコネクタ(G,C,E)106は、ケーブル15のコネクタ16と嵌合して、ケーブル15の電線の接続先である端子台18に接続し、信号制御機からの青灯色の表示信号である表示信号Gを受信し、コネクタ(R,C,E)107は、ケーブル15のコネクタ17と嵌合してケーブル15の電線の接続先である端子台18に接続し、信号制御機からの赤灯色の表示信号である表示信号Rを受信する。Rユニット32の裏面に設けられるコネクタ(R,C,E,RX)34は、ケーブル114のコネクタ115と嵌合して、ケーブル114の電線の接続先である端子台105に接続し、図柄Rを赤灯色で表示する表示信号Rを端子台105から受信し、Gユニットの表示部R111,R112の赤灯色の表示信号である表示信号RXを端子台105へ出力する。Rユニット32の裏面に設けられるコネクタ44は、ケーブル111のコネクタ113と嵌合して、ケーブル111のコネクタ112の接続先であるコネクタ104に接続し、表示部G11,G12の青色LEDが点灯する点灯信号を受信する。なお、各コネクタ及び端子台の記号は、Rは赤灯色の表示信号R、Gは青灯色の表示信号G、Cはコモンであり、Eはアースを示している。また、RXは、表示部R111,R112のLEDランプの点灯を開始させる信号で、Rユニット32の図柄Rの裏側の赤色LEDランプが配置された基板に表示信号Rが入力され、赤色LEDランプを点灯させるとともに出力される信号の表示信号RXである。さらに、GXは表示部G11,G12のLEDランプの点灯を開始させる信号で、Gユニット101の図柄Gの裏側の青色LEDランプが配置された基板に表示信号Gが入力され、青色LEDランプを点灯させるとともに出力される信号の表示信号GXである。これは、図柄Gが点灯していないときは、必ず表示部G11,G12を点灯させないためと、図柄Rが点灯していないときは、必ず表示部R11,R12を点灯させないための処置である。
【0030】
図4は、歩行者用信号灯器100のGユニット101に内蔵された制御基板103等の制御構成の一例を説明するためのブロック図である。
図4に示すように、制御基板103は、表示部G11、G12を表示する表示信号GXを検知するG表示検知部131、表示部R111、R112を表示する表示信号RXを検知するR表示検知部132、CPU等の演算装置やRAM,ROM等の記憶装置を有し、表示部R111,R112及び表示部G11,G12の点灯制御を行う制御部133、赤灯色の表示信号RX又は青灯色の表示信号GXの交流100Vの信号を直流+3.3V、+5V、+12V等に変換して、制御基板103に配置された電子部品等を動作させる電源や、表示部G11、G12及び表示部R111、R112のLEDランプが点灯するための電源を供給する電源部134を有している。また、Gユニット101の図柄G及び矩形状の図柄の裏側に配置されたLED基板120は、図柄Gの青色LEDランプを配置した図柄G部121と、表示部R111、R112の赤色LEDランプを配置した表示R部122を有する。
【0031】
また、制御部133は、表示信号GXを基に前5回分の青灯色で表示した時間、及び表示信号RXを基に前5回分の赤灯色で表示した時間を記憶し、その記憶した5回分の平均時間を算出し、さらに、算出した平均時間を8分割する。この8分割した時間毎に、表示部R111,R112又は表示部G11,G12の矩形状の図柄の表示を順次消灯する。以上により、制御部113は、表示部R111,R112、表示部G11,G12の各矩形状の図柄の表示/消灯を制御する。
【0032】
コネクタ106から青灯色の表示信号Gを受信した場合は、LED基板120の図柄G部121に入力され図柄Gの青色LEDランプが点灯するとともに、表示信号GXを制御基板103に出力する。次に、表示信号GXが制御基板103のG表示検知部131に入力され表示信号GXを検知すると、制御部133は表示部G11、G12の点灯/消灯の制御を開始して、表示信号をコネクタ104に表示部G11及び表示部G12の各8箇所を点灯させる点灯信号D1からD8を出力する。また、表示信号GXは電源部134に入力され制御基板103内に電源を供給するとともに表示部G11、G12の青色のLEDランプの電源である電源VGをコネクタ104に出力する。
【0033】
コネクタ104から出力された点灯信号D1からD8及び電源VGは、コネクタ104と嵌合するケーブル111のコネクタ112からコネクタ113と嵌合するコネクタ44を介してRユニット32に入力する。コネクタ44は、表示部G11の8個の矩形状の図柄を表示する青色のLEDランプそれぞれと、また、表示部G12の8個の矩形状の図柄を表示する青色のLEDランプそれぞれと接続されている(図示省略)。表示部G11,G12の8個の矩形状の図柄の一番下に位置する矩形状の図柄に点灯信号D1が接続され、その上の矩形状の図柄に点灯信号D2が接続され、順次接続されて一番上の矩形状の図柄に点灯信号D8が接続されている。そして、制御基板103の制御部133から点灯信号D1からD8が入力されると電源VGで供給される電源により青色LEDランプが全点灯して矩形状の図柄の表示が開始され、時間の経過とともに制御部133からの点灯信号を点灯信号D8から順次出力を止めると、青色LEDランプが上から順次消灯する。
【0034】
次に、コネクタ107の表示信号のR、コモンのC及びアースのEは、Gユニット10
1の内部で端子台105のR端子台、C端子台及びE端子台とそれぞれ接続され、コネクタ107から赤灯色の表示信号Rを受信した場合は、端子台105に出力し、端子台105へ出力するとケーブル114によりコネクタ115と嵌合するRユニット32のコネクタ34に表示信号Rが入力される。表示信号RがRユニット32に入力すると図柄Rの赤色LEDランプが点灯するとともに、表示信号RXがコネクタ34に出力され、表示信号RXはケーブル114のコネクタ115からケーブル114の接続先の端子台105に入力される。そして、表示信号RXは端子台105から制御基板103のR表示検知部132及び電源部134に入力される。表示信号RXが制御基板103のR表示検知部132に入力され表示信号RXを検知すると、制御部133は表示部R111、R112の点灯/消灯の制御を開始して、表示部R111及び表示部R112の各8箇所を点灯させる点灯信号RD1からRD8をLED基板120の表示R部122に出力する。また、表示信号RXは電源部134に入力され制御基板103内に電源を供給するとともに表示部R111、R112の赤色のLEDランプの電源である電源VRを表示R部122に出力する。
【0035】
表示R部122に点灯信号が入力されると、表示R部122に配置された表示部R111の8個の矩形状の図柄を表示する赤色のLEDランプとそれぞれと、さらに、表示部R112の8個の矩形状の図柄を表示する赤色のLEDランプそれぞれと接続されている(図示省略)。表示部R111,R112の8個の矩形状の図柄の一番下に位置する矩形状の図柄に点灯信号RD1が接続され、その上の矩形状の図柄に点灯信号RD2が接続され、順次接続されて一番上の矩形状の図柄に点灯信号RD8が接続されている。そして、制御基板103の制御部133から点灯信号RD1からRD8が入力されると電源VRで供給される電源により赤色LEDランプが全点灯して矩形状の図柄の表示が開始され、時間の経過とともに制御部133からの点灯信号を点灯信号RD8から順次出力を止めると、赤色LEDランプが上から順次消灯する。
【0036】
ケーブル15のコネクタ16,17をそれぞれ、Gユニット101のコネクタ106,107に嵌合させて灯箱150の端子台18に接続することにより、信号制御機からの表示信号をGユニット101に青灯色の表示信号G、及び赤灯色の表示信号Rを供給することができる。また、Gユニット101の内部でコネクタ107のRと端子台105のR端子台が接続され、Gユニット101に供給される赤灯色の表示信号Rは、コネクタ107及び端子台105を介して、さらに端子台105に接続したケーブル114によりケーブル114のコネクタ115を介して、Rユニット32のコネクタ34に供給される。このように構成されることにより、歩行者用信号灯器100は、歩く人型の図柄G及び立ち止まった人型の図柄Rの表示を制御すると共に、立ち止まった人型の図柄Rを表示しているときは表示部R111,R112を制御して待ち時間を表示し、歩く人型の図柄Gを表示しているときは表示部G11,G12を制御して残り時間を表示することができる。
【0037】
以上のように構成された歩行者用信号灯器100においては、Gユニット101が歩く人型の図柄Gと、コネクタ106と、コネクタ107と、矩形状の図柄を表示する表示部R111,R112と、端子台105と、コネクタ104と、さらに内蔵された制御基板103とを備え、Rユニット32がコネクタ34と、立ち止まった人型の図柄Rと、矩形状の図柄を表示する表示部G11,G12と、コネクタ44を備え、さらにGユニット101とRユニット32の各信号をやり取りするためのケーブル111と、ケーブル114を備えている。
【0038】
このため、従来の歩行者用信号灯器(参照:
図6)10から経過時間付き歩行者用信号灯器への変更を容易かつ低コストで行うことができる。より詳細には、従来の経過時間付き歩行者用信号灯器(参照:
図7)30のように、歩行者用信号灯器10そのものを取り換える必要がなく、Gユニット101が経過時間を表示する構成と歩行者用信号灯器ユニットとを一体化しているため、従来の歩行者用信号灯器10の灯箱、端子台18及びケーブル15等を流用し、Gユニット11,Rユニット12のセットをそれぞれ、Gユニット101,Rユニット32のセットに入れ替えるだけで、従来の歩行者用信号灯器10を本実施形態の経過時間表示機能を付けた歩行者用信号灯器100に変更することができる。
【0039】
また、従来の経過時間付き歩行者用信号灯器(参照:
図7)30において、Gユニット31をGユニット101に交換することにより制御基板40の取り付け作業をなくすことができるため製造時間、製造コストの上昇を抑えることができる。
【0040】
なお、上記実施の形態では、制御基板103をGユニット101に内蔵して設ける構成で説明しているが、これに限るものではない。制御基板103をGユニット101の裏面に取り付けてもよい。その場合は、LED基板120へ直接配線してもよいし、コネクタを介して接続してもよい。また、制御基板103をRユニット32に設け、端子台18からの青灯色、赤灯色の表示信号をRユニット32で受信するように構成し、Rユニット32からGユニット101の図柄Gを表示する表示信号G及び待ち時間を表示する表示部R111,R112の表示を制御して点灯信号を出力するようにしてもよい。
【0041】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、通行許可を表示するGユニットにのみ経過時間(待ち時間)の表示部が設けられている点が第1の実施形態と異なっている。なお、第1の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、これらの構成については詳細な説明は省略する。
【0042】
図5は、経過時間付き歩行者用信号灯器(以下、「歩行者用信号灯器」という。)200の制御構成の一例を説明するための図である。
図5に示すように、歩行者用信号灯器200は、経過時間付き歩行者用信号灯器ユニットであるGユニット101、Rユニット12、及び灯箱150(
図5では図示省略)を有している。なお、説明の便宜上、Gユニット101、及びRユニット12それぞれの表面と裏面とを同一紙面に示しているのは、第1の実施形態と同様である。ここで、Gユニット101及びケーブル114は、第1の実施形態の歩行者用信号灯器100のGユニット101及びケーブル114と同一であり、Rユニット12は従来技術の歩行者用信号灯器10のRユニット12と同一である。
【0043】
Gユニット101は、歩く人型の図柄Gの裏側に配置される複数の青色のLEDランプが発光することにより、歩く人型の図柄G(第1表示部)の青灯色を表示する。この歩く人型の図柄Gの両側には、図示縦方向にライン状に構成される8個の矩形状の図柄をそれぞれ含む表示部(第2表示部)R111,R112が設けられている。この表示部R111,R112の裏側に配置される複数の赤色のLEDランプが発光することにより、Gユニット101は、通行禁止の待ち時間を赤灯色で表示する。
【0044】
一方、Rユニット12は、立ち止まった人型の図柄Rの裏側に配置される複数の赤色のLEDランプが発光することにより、歩く人型の図柄Rの赤灯色を表示する。Rユニット12には、通行許可の残り時間を表示する表示部G11,G12が設けられていない点が第1の実施形態と異なっている。
【0045】
Gユニット101には、表示部R111,R112を制御する制御基板103が内蔵されている。Gユニット101の裏面に設けられるコネクタ106は、青灯色の表示を制御する表示信号Gを受信し、コネクタ107は赤灯色を表示する表示信号Rを受信する。また、Rユニット12の裏面に設けられるコネクタ14は、赤灯色を表示する表示信号RをGユニット101の端子台105からケーブル114を介して受信する。
【0046】
Gユニット101の制御基板103には、表示部R111,R112の矩形状の各図柄の赤灯色の表示/消灯の制御を行うR表示検知部132と制御部133が設けられている。なお、本実施形態では、Rユニット12に表示部G11,G12が設けられていないため点灯信号を出力するためのコネクタを設ける必要はないが、表示部G11,G12の矩形状の各図柄の青灯色の表示/消灯の制御を行うコネクタ104が設けられている。
【0047】
ケーブル15の端子先のコネクタ16,17をそれぞれ、Gユニット101のコネクタ106,107に接続することにより、信号制御機からの青灯色の表示信号G、及び赤灯色の表示信号Rを端子台18からGユニット101に供給することができる。また、Rユニット101の内部でコネクタ107のRと端子台105のR端子台が接続されているため、Gユニット101のコネクタ107に供給される赤灯色の表示信号Rは、コネクタ107から端子台105を経由し、端子台105に接続するケーブル114のコネクタ115を介して、Rユニット12のコネクタ14に供給される。
【0048】
ここで、Rユニット12のコネクタ14から表示部R111,R112のLEDランプの点灯を開始させる表示信号RXが出力されない。そこで、Gユニット101の端子台105のR端子台とRX端子台を電線の電線201で繋げることで、端子台105の表示信号RXを供給する。このため、第1の実施形態のGユニット101を流用することが可能になる。なお、電線201は電線に限られるものではなく、端子台105のR端子台とRX端子台は、電気信号が流れるもので繋がれていればよく、例えば金属製の板でもよい。また、予め繋げることを想定して、接続を入り切りできるスイッチを設けてもよい。
【0049】
このように構成されることにより、歩行者用信号灯器200は、歩く人型の図柄G及び立ち止まった人型の図柄Rの表示を制御すると共に、立ち止まった人型の図柄Rを表示しているときは表示部R111,R112を制御して待ち時間を表示することができる。
【0050】
以上のように構成された歩行者用信号灯器200においては、Gユニット101が歩く人型の図柄Gと、待ち時間を表示する表示部R111,R112と、コネクタ106,107,104と、端子台105と、及び制御基板103と、Rユニット12がコネクタ14と、立ち止まった人型の図柄Rとを備え、さらにGユニット101とRユニット12の各信号をやり取りするためのケーブル114を備えている。
【0051】
このため、従来の歩行者用信号灯器(参照:
図6)10からGユニット101のみ待ち時間表示機能を付けた歩行者用信号灯器への変更を容易かつ低コストで行うことができる。より詳細には、従来の経過時間付き歩行者用信号灯器(参照:
図7)30のように、歩行者用信号灯器10そのものを取り換える必要がなく、Gユニット101が経過時間を表示する構成と歩行者用信号灯器ユニットとを一体化しているため、従来の歩行者用信号灯器10の灯箱、端子台18及びケーブル15等を流用し、Gユニット11を、Gユニット101に入れ替えるだけで、従来の歩行者用信号灯器10を本実施形態のGユニット101にのみ経過時間表示機能を付けた歩行者用信号灯器200に変更することができる。
【0052】
また、歩行者用信号灯器200において、Gユニット101は、歩く人型の図柄Gを青灯色で表示したときに、表示部R111,R112は、通行禁止の待ち時間を表示する。ここで、一般に、立ち止まった人型の図柄Rが表示されているとき、つまり、赤信号のときにどれくらい待てば青信号に変わるのかを知りたいという要望は、歩く人型の図柄Gが表示されているとき、つまり、青信号のときに残りどれくらいで赤信号に変わるかを知りたいという要望より大きい。このため、コストも考慮すると、従来の歩行者用信号灯器10からGユニット11のみを待ち時間(経過時間)機能を付けた歩行者用信号灯器に対するニーズがある。本実施形態の歩行者用信号灯器200は、このようなニーズを満たすことができる。
【0053】
なお、第2の実施形態では、Gユニット101が待ち時間(経過時間)を表示し、Rユニット12が残り時間(経過時間)を表示しない構成について説明したが、これに限るものではなく、Gユニット101が待ち時間(経過時間)を表示せず、Rユニット12が残り時間(経過時間)を表示する構成についても本発明を適用することができる。
この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。さらに、異なる実施形態の構成を組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0054】
10…歩行者用信号灯器、13,14,16,17…コネクタ、15…ケーブル、18…端子台、21…主制御基板、30…経過時間付き歩行者用信号灯器、150…灯箱、151…扉、100,200…経過時間付き歩行者用信号灯器、11,101…Gユニット、12,32…Rユニット、103…制御基板、105…端子台、34,44,104,106,107…コネクタ、111,114…ケーブル、112,113,115…コネクタ