(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】空気圧輸送システムにおけるフィルタ監視
(51)【国際特許分類】
B65G 53/60 20060101AFI20221024BHJP
B65G 53/66 20060101ALI20221024BHJP
【FI】
B65G53/60
B65G53/66 B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018098348
(22)【出願日】2018-05-22
【審査請求日】2021-05-11
(32)【優先日】2017-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】500258868
【氏名又は名称】ピアブ アクチエボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100137969
【氏名又は名称】岡部 憲昭
(74)【代理人】
【識別番号】100104824
【氏名又は名称】穐場 仁
(72)【発明者】
【氏名】フレドリック トゥマン
【審査官】山▲崎▼ 歩美
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-167041(JP,A)
【文献】特開2012-086935(JP,A)
【文献】特開2016-222463(JP,A)
【文献】特開昭55-120697(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 53/00-53/28
B65G 53/32-53/66
B01D 46/00-46/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気圧装置によって空気圧輸送システム内で空気圧輸送可能材料を輸送するための、少なくとも1つの材料輸送キャリアと、連続輸送経路内に設けられ、前記連続輸送経路内の前記材料輸送キャリアと前記空気圧輸送可能材料とを分離するように適合されている分離フィルタを備え、前記空気圧装置は、
前記連続輸送経路を形成する1つまたは複数の管を備える前記空気圧輸送システム内で前記空気圧輸送可能材料を輸送するために、前記材料輸送キャリアに対して負圧で動作するように適合されている、前記空気圧輸送システムであって、
前記空気圧輸送システムの開始期間中に前記分離フィルタの清浄側で初期圧力降下を検出するための圧力降下監視要素が設けられ、前記圧力降下監視要素は、前記圧力降下監視要素によって前記空気圧輸送システムの異なる開始期間にわたって検出された初期圧力降下を比較することによって前記分離フィルタのフィルタ性能を監視するように適合されていることを特徴とする、空気圧輸送システム。
【請求項2】
前記空気圧装置は、加圧空気によって駆動されるエジェクタであり、前記空気圧輸送システムは、負圧を有する材料輸送キャリア流体を使用する搬送システムである、請求項1に記載の空気圧輸送システム。
【請求項3】
前記空気圧装置は、加圧空気によって駆動されるエジェクタであり、前記空気圧輸送システムは、真空圧を有する空気を使用する搬送システムである、請求項2に記載の空気圧輸送システム。
【請求項4】
前記圧力降下監視要素は、初期負圧挙動を測定し、前記挙動のデータを取得するように適合された圧力センサである、請求項1~3のいずれか一項に記載の空気圧輸送システム。
【請求項5】
前記圧力センサは、真空センサである、請求項4に記載の空気圧輸送システム。
【請求項6】
前記圧力降下監視要素に接続可能であり、前記圧力降下監視要素と通信するように適合されたコントローラが、データを収集してストアに格納するように適合されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の空気圧輸送システム。
【請求項7】
前記コントローラは、前記分離フィルタにわたる特定の測定される高すぎる圧力降下に起因して、自動フィルタ洗浄のような措置を取るように適合されている、請求項6に記載の空気圧輸送システム。
【請求項8】
前記コントローラは、前記分離フィルタにわたる特定の測定される高すぎる圧力降下に起因して、手動フィルタ洗浄またはフィルタの交換を指示することのような措置を取るように適合されている、請求項6に記載の空気圧輸送システム。
【請求項9】
前記コントローラは、前記分離フィルタにわたる測定される圧力降下が特に低すぎることに起因して、前記空気圧輸送システムの危険な可能性がある動作を自動的に停止するように適合されている、請求項6に記載の空気圧輸送システム。
【請求項10】
前記コントローラは、初期圧力挙動に対応する本質的に欠落した圧力降下に起因して、前記空気圧輸送システムの危険な可能性がある動作を緊急停止するように適合されている、請求項9に記載の空気圧輸送システム。
【請求項11】
前記空気圧装置は電気真空ポンプであり、前記空気圧輸送システムは、負圧を有する材料輸送キャリア流体を使用する搬送システムである、請求項1に記載の空気圧輸送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、空気圧輸送システムに関する。より具体的には、本開示は、真空搬送システムなどの空気圧輸送システムにおけるフィルタ監視に関する。
【背景技術】
【0002】
空気圧輸送システムは、例えば、複数の相互接続されたパイプの第1の位置と第2の目的地との間での空気圧輸送可能材料の輸送のためによく知られている。典型的な空気圧輸送システムは、その中で空気圧によって空気圧輸送可能材料を輸送するための、パイプラインなどの搬送ラインに相互接続された複数の空気圧パイプを含む。例えばパイプラインを流れる空気のような流体などの材料輸送キャリアが、パイプライン内で空気圧輸送可能材料を輸送するためのキャリアとして使用される。したがって、空気圧輸送システムは、正圧、負圧または真空圧である流体圧下で材料を輸送する。これらの空気圧輸送システムでは、しばしば真空が搬送手段として使用され、それゆえ、それらは単に「真空搬送」と呼ばれることもある。
【0003】
真空搬送システムのような空気圧輸送システム内では、搬送される材料と材料輸送キャリアとを分離するために1つまたは複数のフィルタが使用される。本明細書においては、これらのフィルタを「分離フィルタ」と呼ぶ。
【0004】
典型的には、記載されている輸送システムにおいて使用される分離フィルタは、輸送システムにおける長期にわたる持続性の機能および性能を得るために不可欠である。動作中、1つまたは複数の分離フィルタ(複数可)が汚染され、典型的には経時的に、フィルタにわたる望ましくない圧力降下が蓄積して、結果的に輸送能力が低下する。通常、何らかの種類の従来のフィルタ洗浄システムが提供される。
【0005】
1つまたは複数の分離フィルタ(複数可)にわたる圧力降下は、フィルタ(複数可)が経時的に使用される結果として蓄積し、通常、輸送システムの性能/機能に悪影響をもたらす。典型的には、フィルタにわたる圧力降下の増大は、(材料の)物質の粒子が構造体に入るか、または分離フィルタの表面に付着し、従来のフィルタ洗浄システムによって除去されないためである。分離フィルタの清掃などの交換または少なくとも適切なメンテナンスの欠如は、最悪の場合には分離フィルタの破損を招く可能性がある。分離フィルタが破損した場合、輸送される材料、物質が、例えば、エジェクタの排出口から吹き飛ばされ、周囲環境を汚染することになる。有害物質を含む有害材料を取り扱う場合、これはオペレータにとって致命的となることさえある。
【0006】
これまでのところ、空気圧輸送システムに関し、そのような輸送システムにおける分離フィルタの不適切なメンテナンスに関する上記の問題のいずれも、業界の最善の知識に基づいて適切に対処されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、真空搬送システムにおける分離フィルタのフィルタ性能を、従来の技術および使用されている方法と比較して改善した方法で監視することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様によれば、フィルタ性能が監視され、特に分離フィルタにわたる圧力降下が監視され、これによって、この圧力降下を低減する措置を取って、必要な容量を経時的に維持することが可能になる。
【0009】
本開示の第1の実施形態によれば、空気圧輸送システムが提供される。空気圧輸送システムは、空気圧装置によって空気圧システム内で空気圧輸送可能材料を輸送するための、例えば、流体などの少なくとも1つの材料輸送キャリアを備え、空気圧装置は、連続輸送経路を形成する1つまたは複数の管を備える空気圧システム内で空気圧輸送可能材料を輸送するために、材料輸送キャリアに対して負圧で動作するように適合されている。圧力降下監視要素が設けられ、分離フィルタのフィルタ性能を監視するように適合される。分離フィルタは、輸送経路内に設けられ、輸送経路内の材料輸送キャリアと輸送可能材料とを分離するように適合されている。
【0010】
1つの定義によれば、用語「材料輸送キャリア」は、空気圧システムにおいて輸送可能材料を輸送または搬送することができる。材料輸送キャリアは、空気、窒素のような流体または少なくとも真空搬送システムもしくは正圧を使用する同様の搬送システム内で使用することができる任意の他の適切な手段であり得る。
【0011】
本開示の1つの態様によれば、圧力降下監視要素は圧力センサであり、典型的には、初期負圧挙動のデータを測定し捕捉するように適合される。
【0012】
本開示の1つの態様によれば、圧力センサに接続可能であり、圧力センサと通信するように適合されたコントローラが、データを収集してストアに格納するように適合される。
【0013】
典型的には、空気圧装置は、加圧空気によって駆動されるエジェクタであり、空気圧輸送システムは、負圧を有するキャリア流体を使用する搬送システムである。
【0014】
典型的には、空気圧輸送システムは、真空圧の空気を輸送キャリア流体として使用する搬送システムである。代わりに、窒素のような他の流体を使用することもできる。
【0015】
典型的には、第1の実施形態の態様を含む一実施形態によれば、コントローラは、1つまたは複数の分離フィルタ(複数可)にわたる、特定の測定された高すぎる圧力降下に起因して、自動フィルタ洗浄などの措置を取るように構成される。この実施形態による利点は、必要な容量を経時的に維持するために、この高すぎるフィルタ降下(複数可)を監視し、これを低減するための措置を取ることである。
【0016】
代替的に、第1の実施形態の態様を含む1つの実施形態によれば、コントローラは、1つまたは複数の分離フィルタ(複数可)にわたる、測定される圧力降下が非常に低いか、または本質的に欠落していることに起因して、輸送システムの危険な可能性がある動作を自動的に停止するように適合される。この実施形態による利点は、分離フィルタが損傷している場合に圧力降下が非常に低いか、または本質的に欠落していることによってトリガされる緊急停止動作に起因する危険な可能性がある動作を停止するために使用できることである。
【0017】
本開示において、「空気圧輸送可能材料」という用語は、負圧または正圧の空気または窒素のような負圧または正圧の流体によって輸送することができる任意の材料に関連する。
【0018】
本開示において、「流体」という用語は、空気または窒素を含むが、これらの流体に限定されない。
【0019】
本明細書において、「空気圧装置」という用語は、典型的には、エジェクタポンプまたは電気真空ポンプであるが、これらに限定されない。
【0020】
本開示およびそのさらなる利点のより完全な理解のために、ここで図面と関連して取り上げられる以下の詳細な説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】分離フィルタと、圧力センサと、フィルタ監視のためのコントローラとを備える、本発明による空気圧輸送システムの一実施形態を示す図。
【
図2A】分離フィルタにわたる異なる測定圧力降下に関する、真空システム圧力対時間のグラフを示す図である。
【
図2B】
図2Aに示されたグラフの第1の部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ここで、少なくとも本発明の様々な関連する特徴を例示するのを助けることが意図されている添付の図面を参照する。これに関して、以下の説明は、例示および説明のために提示される。さらに、説明は、本発明の開示されている実施形態を本明細書に開示されている形態に限定することを意図するものではない。したがって、以下の教示、ならびに関連技術の技能および知識に相応する変形および変更は、提示された発明の範囲内である。
【0023】
ここで、本発明による空気圧輸送システム10の一実施形態を示す
図1を参照する。空気圧輸送システム10は、空気圧輸送可能材料Mを輸送するための、例えば真空圧などの負圧P
-を有する流体などのキャリア流体によって、空気圧輸送システム10内の空気圧輸送可能材料Mを輸送するための、本明細書においてはエジェクタ(ただし、代替的に電気真空ポンプのような別のタイプの真空ポンプであってもよい)である、少なくとも1つの空気圧装置1aを備える。エジェクタ1aは、パイプ13内で空気圧輸送可能材料を輸送するためにパイプ内を流れる空気のようなキャリア流体に作用する力(矢印によって示される搬送ラインCLの流れの方向を参照)を与える。したがって、空気圧輸送システム10は、流体圧または真空下で材料を輸送する。ここで、負圧、特に真空が、エジェクタ1aによって提供される。空気圧輸送可能材料Mは、空気圧輸送システム10内で輸送される直前において示されている。
【0024】
空気圧輸送システム10は、典型的には、複数の相互接続されたパイプ13を備える。パイプ13は、一例として、断面が円形であってもよいが、これに限定されない。パイプ13は、空気圧輸送可能材料Mを輸送するための、輸送ラインとも呼ばれることがある連続空気圧輸送経路CLをともに形成する、例えば、ステンレス鋼、または用途に応じた他の適切な材料から作成することができる。圧力降下監視要素3aが、分離フィルタ16の清浄側16aに設けられ、連続輸送経路CL内に設けられた分離フィルタ16のフィルタ性能を監視するように適合される。
【0025】
本開示において、「清浄側」は、分離フィルタの、輸送されている材料Mによって汚染されていない側を意味する。
【0026】
本開示において、「輸送可能な(transportable)」および「輸送されている(transported)」という用語は両方とも、材料Mがどこに位置するかに依存して使用される。用語「輸送されている」は、分離フィルタ16における輸送されている材料の位置を示す。
【0027】
分離フィルタ16は、エジェクタ1aにおいて輸送経路CL内に設けられ、そこで、キャリア流体と輸送可能材料Mとを分離するように適合される。1つまたは複数(
図1には1つのみが示されているが)分離フィルタ16が取り付けられてもよい。動作中、分離フィルタ16は(典型的には清浄側16aと反対の側16bにおいて)汚染され、動作時間にわたって、分離フィルタ16にわたる望ましくない圧力降下が経時的に蓄積し、結果として経時的に容量が低減する。
【0028】
典型的には、圧力降下監視要素3aは、搬送される流体が真空圧力の空気である場合、真空圧力センサであり、当該要素は、搬送ライン(複数可)CLに接続され、システム圧力P-を検知するように適合される。典型的には、真空圧力センサ3aは、分離フィルタ16の清浄側16aの特定の負のシステム圧力P-を示すセンサ信号Ssensorを生成する。真空圧力センサ3aは、データを監視することに加えてデータを捕捉することも可能であるように、多かれ少なかれ高度化することができる。
【0029】
動作時、分離フィルタ16のフィルタ性能が監視され、特に分離フィルタ16にわたる圧力降下が監視および捕捉され、これによって、この圧力降下を低減する措置を取って、必要な容量を経時的に維持することが可能になる。分離フィルタ16の清浄側16aの真空圧力P-が一定の時間枠にわたって測定、収集および記憶される。
【0030】
分離フィルタ16の圧力降下を監視し、これを低減するための措置を取ることを含め、これを制御するように適合されているコントローラ4が、通信ライン3を介して圧力センサ3aに接続可能であり、通信ライン3を介して圧力センサ3aと通信するように適合されており、データを収集し、典型的にはコントローラ4の一部またはセンサ3aの一部であるストア4aに格納するようにさらに適合されている。
【0031】
コントローラ4は、分離フィルタ16にわたる特定の測定される高すぎる圧力降下に起因して、自動フィルタ洗浄を可能にするなどの措置を取るように適合されている。この実施形態による利点は、コントローラ4が、必要な容量を経時的に維持するために、分離フィルタにわたるこの高すぎる圧力降下を監視し、これを低減するための措置を取ることである。これは、コントローラ4がフィルタ16を洗浄するためにフィルタクリーナユニット2aに信号5aを送ることによって可能にすることができる。
【0032】
代替的に、または上記に加えて、コントローラ4は、フィルタ16内に穴が空いていることを示す可能性がある、フィルタ16にわたり測定される圧力降下が特に低すぎることに起因して、輸送システム10の危険な可能性がある動作を自動的に停止するように適合されている。これによる利点は、フィルタが損傷している場合に圧力降下が本質的に欠落していることによってトリガされる緊急停止動作に起因する危険な可能性がある動作を停止するために使用できることである。
【0033】
ここで、
図2Aおよび
図2Bも参照する。
図2Aは、分離フィルタにわたる異なる測定圧力降下に関する、真空システム圧力対時間のグラフ全体を示す。
【0034】
図2Bは、
図2Aに示されたグラフの第1の部分の拡大図である。この図は、本発明を説明するためにグラフ全体の最も重要な部分を示しているため、主に
図2Bを参照する。
【0035】
一例によれば、真空センサ3aは、初期の真空挙動のデータを収集するために使用される。
【0036】
フィルタ16の清浄側16aの真空レベルP
-は、圧力センサ3aによって測定され、一定の時間枠にわたって収集される。データは記憶され、輸送システム10の平均初期真空特性(グラフ)が、例えば1~5サイクルなどの規定サイクル数、から作成される。典型的にはコントローラ4によって収集され、ストア4aにおいてソフトウェアへと記憶される、収集されたデータは、
図2Bに示されるものとして「1」で示される開始グラフを設定するために使用され、これは、フィルタ16にわたる初期圧力降下「1」を含む適用の総初期圧力降下特性を記述する。この初期圧力降下「1」(
図2B参照)は、その後、後のグラフ「2」または「3」を比較して、フィルタ16にわたる圧力降下の増大を決定するために使用される。「1」で示すような、初期圧力降下に続くすべての後続サイクルは、この平均開始グラフ「1」と比較される。比較のために(
図2Aに示されるような)サイクル全体の限定された部分が使用される(
図2Aに示されるように)。
図2Aに示すこの限定部分は、輸送システム10内の搬送される材料Mが影響を及ぼさないように画定される。
【0037】
比較から得られた情報に基づいて、分離フィルタ16に対する圧力降下を低減するための措置を取ることによって、分離フィルタ16にわたる圧力降下を最小にするために、いくつかの測定を行うことができる。取られる措置の例は、分離フィルタ16にわたる圧力降下を低減するためのフィルタ洗浄手順である。
【0038】
フィルタ洗浄プロセスは、特定の圧力降下レベルで繰り返すことができる(
図2Bの「2」参照)。例えば、圧力降下がこのレベルを超えて増大する場合(
図2Bの「2」参照)、フィルタ降下を低減するために、フィルタ16を自動的に洗浄するか、または手動で分解および洗浄する必要がある。所与の数の洗浄サイクルが行われた後、最大圧力降下(
図2Bの「3」を参照)に達すると、使用済みのフィルタは新しいものと交換する必要がある。
【0039】
コンベヤラインCLに漏れが生じた場合、特性(グラフ)は、「1」、「2」または「3」とは逆の様態(
図2Bの「4」を参照)で平均特性(グラフ)と異なる。すなわち、真空流が未知の開口を通じてエジェクタ1aに向けて導かれるため、真空(または負圧)が蓄積しない。この開口は、破損したフィルタ16または破損したボトムバルブ(図示せず)からなる可能性がある。この場合、両方の偏差は深刻であり、典型的には輸送システム10の緊急停止動作をもたらす。この緊急停止動作は、コントローラ4によって行うことができる。
【0040】
さらに、本発明は、フィルタが破損した場合の圧力降下の欠如によって緊急停止処置が行われることに起因する危険な可能性がある動作を停止するためにも使用することができる。
【0041】
本発明により、真空搬送システムの使用者は多くの利益を得ることができる。最も重要なものは、フィルタが損傷した場合の自動非常停止動作からもたらされる安全性である。これは、避けられている大気中の潜在的な有害粒子の塵埃を防止するため、人身傷害を防止することができる。
【0042】
自動または手動で繰り返し行われる繰り返しのフィルタ洗浄のために、本発明を用いない従来のシステムに比べて、搬送される材料Mの容量をより長期間にわたって維持することができる。ソフトウェアによる対策および比較に基づいて本システムによって提案されるフィルタを清掃または交換する事象は、容量低減の根本原因を突き止めるのに使用されていた多くの時間を節約する。
【0043】
すべての実施形態および実施例において、空気圧装置1aは、流体駆動式エジェクタの代わりに、電動式真空ポンプであってもよい。
【0044】
本発明の前述の説明は、例示および説明のために提示されたものである。さらに、説明は、本発明を本明細書に開示されている形態に限定することを意図するものではない。したがって、上記の教示、ならびに関連技術の技能および知識に相応する変形および変更は、提示された発明の範囲内である。上述した実施形態は、本発明の実践の知られている形態を説明するようにさらに意図されており、当業者がそのようなまたは他の実施形態において、また、特定の用途(複数可)または使用(複数可)によって必要とされる様々な変更を伴って本発明を利用することを可能にするようにさらに意図されている。