(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】水栓
(51)【国際特許分類】
E03C 1/042 20060101AFI20221024BHJP
F16K 31/60 20060101ALI20221024BHJP
【FI】
E03C1/042 C
F16K31/60 Z
(21)【出願番号】P 2018132917
(22)【出願日】2018-07-13
【審査請求日】2021-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000242378
【氏名又は名称】株式会社KVK
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】矢口 翔平
(72)【発明者】
【氏名】加藤 喜好
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-210775(JP,A)
【文献】特開2011-074640(JP,A)
【文献】特開2009-103321(JP,A)
【文献】特開平11-293727(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/042
F16K 31/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回動軸を有する水栓本体と、前記回動軸に取付けられ、前記回動軸と一体に回動可能なハンドルとを備える水栓であって、
前記ハンドルは、筒状の周壁と、前記周壁の内周側に設けられた複数のリブとを有し、
前記水栓本体は、前記複数のリブに当接するとともに前記ハンドルの回動時に前記複数のリブとの当接状態が維持される当接部を有
し、当該当接部は、前記ハンドルと一体に回動しないことを特徴とする水栓。
【請求項2】
前記水栓本体は、カバー部材を備え、
前記当接部は、前記カバー部材に設けられている請求項1に記載の水栓。
【請求項3】
前記複数のリブは、前記水栓本体側の各端面において前記当接部と当接しており、
前記各端面は、前記周壁の軸方向に直交する方向において同一平面上に位置する請求項1又は2に記載の水栓。
【請求項4】
前記水栓本体は、前記複数のリブの各端面に対向する対向面を有し、
前記当接部は、前記対向面から前記各端面側に突出した円環状の凸部で構成されている請求項1~3のいずれか一項に記載の水栓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水栓に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、回動軸を有する水栓本体と、流量調整用の筒状のハンドルと、水栓本体とハンドルとの間に介在させた円板状の支持部材とを備える水栓が開示されている。
図8に示すように、特許文献1の水栓70では、ハンドル72の係合爪72aの突起72bと回動軸71aの係合溝71bとが係合することによって、水栓本体71にハンドル72が取付けられている。支持部材73は、回動軸71aの基端側に嵌合した状態で、ハンドル72内に収容されている。ハンドル72は、係合爪72aと支持部材73の2箇所で回動軸71aに支持されることによって、ハンドル操作時の応力で係合爪72aと回動軸71aが撓むことが抑制される。これにより、水栓本体71の回動軸71aの軸心に対してハンドル72の軸心がずれることが抑制されるため、ハンドル操作時のハンドル72のがたつきが抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の水栓では、ハンドルのがたつき抑制のため支持部材を別途用いる必要があり、部品点数が増加する。部品点数が増加することにより、水栓の組立時の作業性が低下する。本発明は、こうした事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、部品点数を増やすことなくハンドルのがたつきが抑制された水栓を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための水栓は、回動軸を有する水栓本体と、前記回動軸に取付けられ、前記回動軸と一体に回動可能なハンドルとを備える水栓であって、前記ハンドルは、筒状の周壁と、前記周壁の内周側に設けられた複数のリブとを有し、前記水栓本体は、前記複数のリブに当接するとともに前記ハンドルの回動時に前記複数のリブとの当接状態が維持される当接部を有することを要旨とする。
【0006】
この構成によれば、水栓本体が複数のリブに当接する当接部を有することによって、水栓本体以外の部品を用いることなくハンドルのがたつきを抑制することができる。
上記水栓について、前記水栓本体は、カバー部材を備え、前記当接部は、前記カバー部材に設けられていることが好ましい。この構成によれば、水栓本体のカバー部材を活用して、ハンドルのがたつきを抑制することができる。
【0007】
上記水栓について、前記複数のリブは、前記水栓本体側の各端面において前記当接部と当接しており、前記各端面は、前記周壁の軸方向に直交する方向において同一平面上に位置することが好ましい。この構成によれば、ハンドルの回動時に複数のリブと当接部との当接状態を維持することが容易になるため、ハンドルのがたつきを好適に抑制することができる。
【0008】
上記水栓について、前記水栓本体は、前記複数のリブの各端面に対向する対向面を有し、前記当接部は、前記対向面から前記各端面側に突出した円環状の凸部で構成されていることが好ましい。この構成によれば、ハンドル回動時のリブと当接部の摩擦を低減することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の水栓によれば、部品点数を増やすことなくハンドルのがたつきを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図5】(a)はカバー部材を組み付ける前の側面図、(b)はカバー部材を組み付けた後の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
水栓の実施形態を説明する。
図1に示すように、水栓10は、浴室の壁面11に設置されている。水栓10は、壁面11側に向かって、中央に位置する水栓本体12を備えている。水栓本体12の左側には、温調ハンドル13が回動可能に取り付けられているとともに、水栓本体12の右側には、切換ハンドル14が回動可能に取り付けられている。なお、本実施形態における左側及び右側は、壁面11側に向かって水栓10を見た場合の左側及び右側である。
【0012】
図2に示すように、水栓本体12は、金属製(例えば、銅合金製)の筒状のボデー20と、ボデー20の一端側の開口からボデー20の内部に取付けられて混合水の温度を調整する混合弁40と、ボデー20の他端側の開口からボデー20の内部に取付けられて吐止水を切り換える切換弁50とを備える。混合弁40は、一端側がボデー20から露出した状態で固定具としての袋ナット16によってボデーに固定されている。切換弁50は、他端側がボデー20から露出した状態で固定具としての袋ナット16によってボデー20に固定されている。水栓本体12は、ボデー20の側部における壁面側を覆うカバー部材(第1カバー21)と、ボデー20の側部における手前側(壁面側とは反対側)を覆うカバー部材(第2カバー22)を備える。さらに、水栓本体12は、第1カバー21及び第2カバー22の両端部に取付けられて混合弁40及び切換弁50のボデー20から露出した側部を覆う一対のカバー部材(第3カバー60)を備える。一対の第3カバー60は、同一形状で構成されている。
【0013】
図1、2に示すように、ボデー20は、第1の吐出口33a及び第2の吐出口33bを有する管部30と、管部30の周面から管部30に湯を流入させる給湯管31と、管部30の周面から管部30に水を流入させる給水管32とが一体に形成された鋳造体で構成されている。ボデー20の管部30は、水栓10が壁面11に設置された状態で、水平方向に延びるように設けられている。管部30の第1の吐出口33aは、水栓10が壁面11に設置された状態で、管部30から水平方向に吐出するように設けられるとともに、エルボ管24を介してシャワー用のホース17に接続されている。第2の吐出口33bは、水栓10が壁面11に設置された状態で、管部30から鉛直方向に吐出するように設けられるとともに、集中吐水用の吐水管15に接続されている。ボデー20は、
図1に示すように、給湯管31が湯用配管18に接続されるとともに、給水管32が水用配管19に接続されることにより、壁面11に固定されている。
【0014】
図2に示すように、混合弁40は、ケーシングとしての筒体40aを有する。筒体40aの一端側の端部には、回動軸40bが突出した状態で設けられており、この回動軸40bに温調ハンドル13が取り付けられる。温調ハンドル13を操作することにより、混合弁40を操作することができるように構成されている。切換弁50は、ケーシングとしての筒体50aを有する。筒体50aの他端側の端部には、回動軸50bが突出した状態で設けられており、この回動軸50bに切換ハンドル14が取り付けられる。切換ハンドル14を操作することにより、切換弁50を操作することができるように構成されている。
【0015】
以下、温調ハンドル13について具体的に説明する。
図3、4に示すように、温調ハンドル13は、混合弁40の回動軸40bと一体回動可能なハンドル本体13aを備えている。ハンドル本体13aは、両端が開放された筒状の周壁13bを備えている。周壁13bの内周面における一端側(水栓本体12と反対側の部分)には、径方向内側に延びる複数の壁部(第1リブ13c)が設けられている。複数の第1リブ13cは、周壁13bの補強用に設けられている。第1リブ13cの先端には、周壁13bの軸方向に延びる筒状の被挿入部13dが設けられている。被挿入部13dは、回動軸40bが一体回動可能に挿入される部位である。
【0016】
周壁13bの内周面における第1リブ13cよりも他端側には、複数の壁部(第2リブ13e)が設けられている。複数の第2リブ13eは、周壁13bの補強用に設けられており、周壁13bの軸方向から見て、被挿入部13dを挟んだ両側にT字状となるように設けられている。複数の第2リブ13eの基端部には、周壁13bの他端側(水栓本体12側)に延出した延出部13fを備える。複数の第2リブ13eの延出部13fにおける他端側の各端面は、面一で構成され、周壁13bの軸方向に直交する方向において同一平面上に位置するように構成されている。
【0017】
図3及び
図4に示すように、温調ハンドル13は、ハンドル本体13aの一端側の端部(水栓本体12側の反対側の端部)に取り付けられるキャップ13gを備えている。キャップ13gは、ハンドル本体13aの端部を覆う板状の被覆部13hと、被覆部13hの内面側に突出する係合部13iとを備えている。係合部13iは、ハンドル本体13aの被挿入部13dに挿入されて、被挿入部13d内において混合弁40の回動軸40bに係合する部位である。係合部13iと回動軸40bとが係合することにより、回動軸40bに対して温調ハンドル13が抜け止めされる。
【0018】
温調ハンドル13は、所定の温度(例えば、43℃)に対応する位置を越えて高温側に温調ハンドル13が回動されることを規制するロック機構を有している。温調ハンドル13の外面には、このロック機構によるロック状態を解除する押しボタン13kが設けられている。押しボタン13kは、付勢部材としてのバネ材13mによって付勢された状態で、ハンドル本体13aの内部に配置されている。
【0019】
以下、切換ハンドル14について説明する。
図2に示すように、切換ハンドル14は、切換弁50の回動軸50bと一体回動可能なハンドル本体14aを備えている。ハンドル本体14aは、両端が開放された筒状の周壁14bを備えている。周壁14bの内周面における他端側(水栓本体12と反対側の部分)には、径方向内側に延びる複数の壁部(第1リブ14c)が設けられている。複数の第1リブ14cは、周壁14bの補強用に設けられている。第1リブ14cの先端には、周壁14bの軸方向に延びる筒状の被挿入部14dが設けられている。被挿入部14dは、回動軸50bが一体回動可能に挿入される部位である。複数の第1リブ14cの基端部には、周壁14bの一端側(水栓本体12側)に延出した延出部14eを備える。複数の第1リブ14cの延出部14eにおける一端側の各端面は、面一で構成され、周壁14bの軸方向に直交する方向において同一平面上に位置するように構成されている。切換ハンドル14は、温調ハンドル13と同様にキャップ(図示せず)を備えている。キャップの係合部と回動軸50bとが係合することにより、回動軸50bに対して切換ハンドル14が抜け止めされる。
【0020】
以下、第3カバー60について説明する。
混合弁40側の第3カバー60と切換弁50側の第3カバー60は同一形状であるため、以下では、混合弁40側の第3カバー60について説明する。
【0021】
図2に示すように、第3カバー60は、円形の底壁60aと、底壁60aから立設した筒状の側壁60bとを備え、有底筒状に構成されている。底壁60aの中央には貫通孔60cが設けられている。この貫通孔60cは、混合弁40の一端側を挿通させることができる大きさに構成されている。底壁60aには、側壁60bが立設した面とは反対側の面Sから突出した当接部としての凸部61が設けられている。凸部61は、底壁60aの貫通孔60cを囲む位置に円環状に設けられている。凸部61の高さは、略一定に構成されている。凸部61の先端は、第3カバー60の軸方向に直交する方向において、同一平面上に位置するように構成されている。第3カバー60及び温調ハンドル13が水栓本体12のボデー20に取付けられた状態において、底壁60aにおける凸部61が設けられた側の面Sは、温調ハンドル13の第2リブ13eの各端面に対向している。そのため、底壁60aにおける凸部61が設けられた側の面Sは、第2リブ13eの各端面に対向する対向面として機能する。
【0022】
図5(a)に示すように、第3カバー60の側壁60bには、径方向外側に突出した複数の係合凸部60dが設けられている。係合凸部60dは、径方向外側に向かって拡幅した形状を有し、側壁60bの軸方向に沿って形成されている。この係合凸部60dが、第1カバー21及び第2カバー22に形成された係合溝23(アリ溝)に係合した状態で、第3カバー60は第1カバー21及び第2カバー22に取付けられる。具体的には、
図5(b)に示すように、第1カバー21及び第2カバー22を嵌合して筒体を形成した後、この筒体の軸方向の一端側に第3カバー60の他端側を挿入するとともに、筒体の軸方向の他端側に、別の第3カバー60の一端側を挿入する。この際、筒体の軸方向側から各第3カバー60の係合凸部60dを第1カバー21及び第2カバー22の係合溝23に係合させる。第3カバー60を取り付けることにより、第1カバー21及び第2カバー22の嵌合状態が維持されて、第1カバー21及び第2カバー22の分離が抑制された状態となる。第3カバー60を取付けることによって、混合弁40の一端側の側部、及び、切換弁50の他端側の側部が覆われた状態となる。
【0023】
本実施形態の作用について説明する。
図6に、水栓本体12に温調ハンドル13が取り付けられた状態を示す。温調ハンドル13は、温調ハンドル13の周壁13bの軸心と、第3カバー60の軸心と、混合弁40の回動軸40bの軸心とが同軸状となった状態で水栓本体12に取付けられている。そして、温調ハンドル13の複数の第2リブ13eの各端面に、第3カバー60の円環状の凸部61の先端が当接している。第2リブ13eの各端面が周壁13bの軸方向に直交する方向において同一平面上に位置するとともに、凸部61の先端が第3カバー60の軸方向に直交する方向において同一平面上に位置することにより、温調ハンドル13の回動時に、第2リブ13eの各端面と凸部61の先端との当接状態が維持される。そして、第2リブ13eの各端面と、凸部61の先端とが当接していることにより、ハンドル操作時の荷重で温調ハンドル13が変位することが抑制される。温調ハンドル13の変位が抑制されることによって、混合弁40の回動軸40bの軸心に対して温調ハンドル13の軸心がずれることが抑制されるため、ハンドル操作時の温調ハンドル13のがたつきが抑制される。同様に、水栓本体12に取付けられた切換ハンドル14においても、第1リブ14cの各端面と、第3カバー60の凸部61の先端とが当接していることにより、ハンドル操作時の荷重で切換ハンドル14が変位することが抑制される。
【0024】
本実施形態の効果について説明する。
(1)温調ハンドル13及び切換ハンドル14は、筒状の周壁13b、14bと、周壁13b、14bの内周側に設けられた複数の第2リブ13e及び第1リブ14cを有する。水栓本体12は、複数の第2リブ13e及び第1リブ14cに当接するとともに温調ハンドル13及び切換ハンドル14の回動時に複数の第2リブ13e及び第1リブ14cとの当接状態が維持される凸部61を有する。
【0025】
水栓本体12が、複数の第2リブ13e及び第1リブ14cに当接するとともにハンドルの回動時に複数の第2リブ13e及び第1リブ14cとの当接状態が維持される凸部61を有することによって、水栓本体12以外の部品を用いることなくハンドルのがたつきを抑制することができる。水栓本体12として元々用いられている部品を利用しているため、水栓10の組立時における作業性の低下を抑制することができる。
【0026】
(2)水栓本体12は、第3カバー60を備え、凸部61は、第3カバー60に設けられている。したがって、水栓本体12の第3カバー60を活用して、ハンドルのがたつきを抑制することができる。
【0027】
(3)複数の第2リブ13e及び第1リブ14cは、水栓本体12側の各端面において凸部61と当接しており、各端面は、ハンドル本体13a、14aの周壁13b、14bの軸方向に直交する方向において同一平面上に位置する。したがって、ハンドルの回動時に複数の第2リブ13e及び第1リブ14cと凸部61との当接状態を維持することが容易になるため、ハンドルのがたつきを好適に抑制することができる。
【0028】
(4)第3カバー60は、複数の第2リブ13e及び第1リブ14cの各端面に対向する対向面を有し、凸部61は、対向面から各端面側に突出した円環状に構成されている。したがって、ハンドル回動時の第2リブ13e及び第1リブ14cと凸部61の摩擦を低減することができる。
【0029】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・複数の第2リブ13e及び第1リブ14cと、水栓本体12の凸部61との間には、温調ハンドル13及び切換ハンドル14のスムーズな回動を許容する範囲で、多少の隙間(クリアランス)が設けられていてもよい。
【0030】
・一対の第3カバー60の両方に当接部が設けられた態様に限定されない。混合弁40側の第3カバー60と切換弁50側の第3カバー60のいずれか一方のみに当接部が設けられていてもよい。温調ハンドル13は、回動操作時にロック状態を解除する押しボタン13kが操作されることが多いため、混合弁40側の第3カバー60に当接部が設けられていることが好ましい。
【0031】
・第3カバー60は、当接部としての円環状の凸部61を有していなくてもよい。例えば、第3カバー60の底壁60aにおける側壁60bが立設した面とは反対側の面S全面が、当接部として機能するように構成されていてもよい。
【0032】
・水栓本体12において当接部が設けられる箇所は、第3カバー60に限定されない。例えば、当接部は、第1カバー21及び第2カバー22の両端部に設けられていてもよい。水栓本体12のカバー部材が、第3カバー60を有してなく、第1カバー21及び第2カバー22のみで構成されている場合は、第1カバー21及び第2カバー22の両端部に、当接部としての凸部61が設けられていてもよい。
【0033】
・当接部は、混合弁40又は切換弁50を水栓本体12に固定する袋ナット16に設けられていてもよい。例えば、
図7に示すように、袋ナット16における温調ハンドル13の第2リブ13eに対向する端面Uに、温調ハンドル13の第2リブ13eに対向する方向に突出した円環状の凸部16aが設けられ、この凸部16aが温調ハンドル13の第2リブ13eに当接するように構成されていてもよい。
【0034】
・当接部としての凸部61は、円環状に限定されない。第3カバー60の底壁60aの貫通孔60cを囲む位置に設けられ、温調ハンドル13又は切換ハンドル14の回動時に第2リブ13e及び第1リブ14cとの当接を維持することができれば、円環状以外の形状であってもよい。円環状以外の形状としては、例えば、多角形状、楕円形状、オーバル形状、星型形状などが挙げられる。さらに、第3カバー60の底壁60aの貫通孔60cを囲む位置に複数の凸部を設け、複数の凸部のいずれかが常時温調ハンドル13又は切換ハンドル14の第2リブ13e又は第1リブ14cに当接するように構成されていれば、凸部は環状でなくてもよい。
【0035】
・複数の第2リブ13e及び第1リブ14cの延出部13f、14eにおける水栓本体12側の各端面は、周壁13b、14bの軸方向に直交する方向において同一平面上に位置しなくてもよい。複数の第2リブ13e及び第1リブ14cのうち少なくとも一部の第2リブ13e及び第1リブ14cにおいて、延出部13f、14eにおける水栓本体12側の端面が、周壁13b、14bの軸方向に直交する方向において同一平面上に位置するように構成されていればよい。
【0036】
・複数の第2リブ13e及び第1リブ14cは、水栓本体12側に延びる延出部13f、14eを備えていなくてもよい。すなわち、複数の第2リブ13e及び第1リブ14cにおける水栓本体12側の端部が、全体として同一平面上になるように構成され、この端部に、当接部が当接するように構成されていてもよい。
【0037】
・複数の第2リブ13eの形状はT字状に限定されない。周壁13bを補強することができる形状を適宜採用することができる。
上述した実施形態やその変形例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に記載する。
【0038】
(イ)複数の第2リブ13e及び第1リブ14cの基端部には、水栓本体12側に延びる延出部13f、14eを備え、複数の第2リブ13e及び第1リブ14cの延出部13f、14eにおける水栓本体12側の端面は、周壁13b、14bの軸方向に直交する方向において、同一平面上に位置する。
【符号の説明】
【0039】
10…水栓、12…水栓本体、13…ハンドル(温調ハンドル)、14…ハンドル(切換ハンドル)、13b…周壁、14b…周壁、13e…リブ(第2リブ)、14c…リブ(第1リブ)、40b…回動軸、50b…回動軸