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特許7163088整形外科用関節置換処置のためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】整形外科用関節置換処置のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/38 20060101AFI20221024BHJP
【FI】
A61F2/38
【請求項の数】 7
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018132972
(22)【出願日】2018-07-13
(65)【公開番号】P2019018012
(43)【公開日】2019-02-07
【審査請求日】2021-05-11
(31)【優先権主張番号】15/650,353
(32)【優先日】2017-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516312682
【氏名又は名称】デピュイ・アイルランド・アンリミテッド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】DEPUY IRELAND UNLIMITED COMPANY
【住所又は居所原語表記】Loughbeg Industrial Estate, Ringaskiddy, County Cork, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ディー・シュミット
【審査官】寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04262368(US,A)
【文献】実開平05-027343(JP,U)
【文献】特開2017-020626(JP,A)
【文献】特開2008-062030(JP,A)
【文献】特表2014-519864(JP,A)
【文献】特許第2779857(JP,B2)
【文献】仏国特許出願公開第03045313(FR,A1)
【文献】特表2005-514157(JP,A)
【文献】中国実用新案第205459218(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
整形外科用プロテーゼアセンブリであって、
患者の大腿骨の遠位端に取り付けられるように構成されている大腿骨コンポーネントであって、(i)一対の顆と、(ii)前記顆の間に画定された顆間ノッチと、(iii)前記一対の顆を通って内側-外側方向に延在する後方の穴と、を含む大腿骨コンポーネントと、
患者の脛骨の近位端に取り付けられるように構成されている脛骨トレーであって、プラットホームと、前記プラットホームから遠位に延在するポストと、を含む脛骨トレーと、
脛骨インサートであって、(i)前記大腿骨コンポーネントの前記顆の対応する顆表面に係合するように構成されている一対の表面を有する本体と、(ii)前記本体から遠位に延在し、前記脛骨トレー内に画定された空洞に受容されるような寸法であるステムと、(iii)前記本体から近位に延在する突起部と、(iv)前記脛骨インサートの前記突起部を通って延在するピンホールと、を含む脛骨インサートと、
前記突起部の前記ピンホール内に位置付けられるような寸法及び形状である一対のブッシングと、
前記脛骨インサートを前記大腿骨コンポーネントに結合させるために、前記一対のブッシング及び前記後方の穴の中に位置付けられるような寸法及び形状であるヒンジピンと、を備え、
前記突起部は、内側開口部と、外側開口部と、前記内側開口部と前記外側開口部との間に延在して前記ピンホールを画定する内壁と、を含み、
前記ブッシングは、環状フランジと、前記環状フランジから延在する細長い本体と、を有し、前記細長い本体は、固定タブを含み、第1のブッシングの前記固定タブが、第2のブッシングの前記固定タブに固定して、前記一対のブッシングを前記突起部に固定するような寸法及び形状である、整形外科用プロテーゼアセンブリ。
【請求項2】
前記ブッシングの前記固定タブは、前記細長い本体の側表面から端面まで延在する一対の傾斜表面を含む、請求項に記載の整形外科用プロテーゼアセンブリ。
【請求項3】
前記ブッシングの前記固定タブが、長手方向軸線を含み、前記傾斜表面が、前記細長い本体から前記端面まで前記長手方向軸線から外向きに角度をつけて曲がる、請求項に記載の整形外科用プロテーゼアセンブリ。
【請求項4】
前記第1のブッシングの前記固定タブの傾斜表面が、前記第2のブッシングの前記固定タブの傾斜表面に係合して、前記第1のブッシングを前記第2のブッシングに固定する、請求項に記載の整形外科用プロテーゼアセンブリ。
【請求項5】
前記固定タブが、複数の固定タブを含み、前記細長い本体が、複数のスロットを含み、前記複数のスロットの各スロットが、前記複数の固定タブの隣接する固定タブの間に位置付けられ、前記複数の固定タブの各固定タブが、前記複数のスロットの隣接するスロットの間に位置付けられている、請求項に記載の整形外科用プロテーゼアセンブリ。
【請求項6】
前記第1のブッシングの前記複数の固定タブのそれぞれが、前記第2のブッシングの前記複数のスロットのうちの1つの内部に位置付けられて、前記第1のブッシングを前記第2のブッシングに固定する、請求項に記載の整形外科用プロテーゼアセンブリ。
【請求項7】
前記第2のブッシングの前記複数の固定タブのそれぞれが、前記第1のブッシングの前記複数のスロットのうちの1つの内部に位置付けられて、前記第1のブッシングを前記第2のブッシングに固定する、請求項に記載の整形外科用プロテーゼアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概ね、プロテーゼコンポーネント及び整形外科用関節置換処置中にプロテーゼコンポーネントを組み立てる方法、並びに、より具体的には、整形外科用プロテーゼコンポーネント及び膝関節置換処置中にプロテーゼコンポーネントを組み立てる方法を含む、整形外科用プロテーゼシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
自然のヒトの膝関節の運動(例えば、屈曲及び伸展)は、大腿骨と脛骨の運動を伴う。詳細には、屈曲及び伸展の際には、大腿骨の遠位端と脛骨の近位端とが一連の複雑な運動を通じて互いに対して関節接合する。損傷(例えば、外傷)又は疾患により、膝の骨、関節軟骨、及び靱帯が劣化し、最終的には自然の膝関節がそのように機能する能力に影響する場合がある。このため、人工膝関節が開発されており、これを外科的な準備処置が施された大腿骨及び脛骨の端部に埋め込むことが行われている。
【0003】
全膝関節置換術用の一般的な人工膝関節は、例えば、患者の脛骨と結合される脛骨コンポーネント又は脛骨トレー、患者の大腿骨と結合される大腿骨コンポーネント、及び、脛骨トレーと大腿骨コンポーネントとの間に配置される、大腿骨コンポーネントの顆を受容するためのベアリング面を有するベアリングコンポーネントを有している。拘束式人工膝関節は、しかしながら、患者の側副靭帯が損傷を受けた、ないしは別の方法で適切な支持及び安定性を膝関節に提供できないときに使用される場合がある。1つのそのような拘束式人工膝関節は、ヒンジ式人工膝関節であり、これは典型的には、人工膝関節のコンポーネントを一緒に拘束し、機械的にリンクするために、大腿骨コンポーネントをベアリングコンポーネント及び脛骨コンポーネントのうちの1つ又は両方と結合するヒンジ機構を含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一態様によると、整形外科用プロテーゼアセンブリは、患者の大腿骨の遠位端に取り付けられるように構成されている大腿骨コンポーネントを含む。大腿骨コンポーネントは、一対の顆を含む。顆間ノッチは、顆の間に画定される。後方の穴は、一対の顆を通って内側-外側方向に延在する。脛骨トレーは、患者の脛骨の近位端に取り付けられるよう構成されている。脛骨トレーは、プラットホームと、プラットホームから遠位に延在するポストと、を含む。脛骨インサートは、大腿骨コンポーネントの顆の対応する顆表面と係合するように構成されている一対の表面を有する本体を含む。ステムは、本体から遠位に延在し、脛骨トレー内に画定された空洞に受容されるような寸法である。突起部は、本体から近位に延在する。ピンホールは、脛骨インサートの突起部を通って延在する。ブッシングは、突起部のピンホール内に位置付けられるような寸法及び形状である。ヒンジピンは、脛骨インサートを大腿骨コンポーネントに結合させるために、ブッシング及び後方の穴の中に位置付けられるような寸法及び形状である。突起部は、内側開口部、外側開口部、及び内側開口部と外側開口部との間に延在してピンホールを画定する内壁を含む。ブッシングは、環状フランジを有する。細長い本体は、環状フランジから延在する。細長い本体は、突起部の内壁と係合してブッシングを突起部に固定するように構成されている固定タブを含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、固定タブは、細長い本体の外側表面の周りに円周方向に延在し得る。いくつかの実施形態では、固定タブは、突起部の内壁と係合してブッシングを突起部に固定する湾曲した外壁を有し得る。いくつかの実施形態では、突起部の内壁は、第1の直径を有し得る。固定タブの湾曲した外壁は、第2の直径を有し得る。固定タブを突起部の内壁から係合解除するとき、第2の直径は、第1の直径より大きくてもよい。いくつかの実施形態では、固定タブが突起部の内壁と係合するとき、第2の直径は、第1の直径と等しくてもよい。いくつかの実施形態では、固定タブが突起部の内壁と係合するとき、固定タブは、縮み得る。
【0006】
いくつかの実施形態では、固定タブは、複数の固定タブを有してもよく、細長い本体は、複数のスロットを有してもよい。複数のスロットの各スロットは、複数の固定タブの隣接する固定タブ間に位置付けられてもよく、複数の固定タブの各固定タブは、複数のスロットの隣接するスロット間に位置付けられてもよい。いくつかの実施形態では、突起部の内壁は、第1の直径を有し得る。複数の固定タブの各固定タブは、第2の直径を有する外縁を有し得る。複数の固定タブを突起部の内壁から係合解除するとき、第2の直径は、第1の直径より大きくてもよい。いくつかの実施形態では、複数の固定タブが突起部の内壁と係合するとき、第2の直径は、第1の直径と等しくてもよい。いくつかの実施形態では、複数の固定タブが突起部の内壁と係合するとき、複数の固定タブは、一緒に圧縮されてもよい。
【0007】
本開示の別の態様によると、整形外科用プロテーゼアセンブリは、患者の大腿骨の遠位端に取り付けられるように構成されている大腿骨コンポーネントを含む。大腿骨コンポーネントは、一対の顆を含む。顆間ノッチは、顆の間に画定される。後方の穴は、一対の顆を通って内側-外側方向に延在する。脛骨トレーは、患者の脛骨の近位端に取り付けられるよう構成されている。脛骨トレーは、プラットホームと、プラットホームから遠位に延在するポストと、を含む。脛骨インサートは、大腿骨コンポーネントの顆の対応する顆表面と係合するように構成されている一対の表面を有する本体を含む。ステムは、本体から遠位に延在し、脛骨トレー内に画定された空洞に受容されるような寸法である。突起部は、本体から近位に延在する。ピンホールは、脛骨インサートの突起部を通って延在する。一対のブッシングは、突起部のピンホール内に位置付けられるような寸法及び形状である。ヒンジピンは、脛骨インサートを大腿骨コンポーネントに結合させるために、一対のブッシング及び後方の穴の中に位置付けられるような寸法及び形状である。突起部は、内側開口部、外側開口部、及び内側開口部と外側開口部との間に延在してピンホールを画定する内壁を含む。各ブッシングは、環状フランジを有する。細長い本体は、環状フランジから延在する。細長い本体は、固定タブを含む。第1のブッシングの固定タブは、第2のブッシングの固定タブに固定して、一対のブッシングを突起部に固定するような寸法及び形状である。
【0008】
いくつかの実施形態では、各ブッシングの固定タブは、細長い本体の外側表面から端面まで延在する一対の傾斜表面を有し得る。いくつかの実施形態では、各ブッシングの固定タブは、長手方向軸線を有してもよく、傾斜表面は、細長い本体から端面まで長手方向軸線から外向きに角度をつけて曲がってもよい。いくつかの実施形態では、第1のブッシングの固定タブの傾斜表面は、第2のブッシングの固定タブの傾斜表面と係合して、第1のブッシングを第2のブッシングに固定し得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、固定タブは、複数の固定タブを有してもよく、細長い本体は、複数のスロットを有してもよい。複数のスロットの各スロットは、複数の固定タブの隣接する固定タブ間に位置付けられてもよく、複数の固定タブの各固定タブは、複数のスロットの隣接するスロット間に位置付けられてもよい。いくつかの実施形態では、第1のブッシングの複数の固定タブのそれぞれは、第2のブッシングの複数のスロットのうちの1つの内部に位置付けられて、第1のブッシングを第2のブッシングに固定し得る。いくつかの実施形態では、第2のブッシングの複数の固定タブのそれぞれは、第1のブッシングの複数のスロットのうちの1つの内部に位置付けられて、第1のブッシングを第2のブッシングに固定し得る。
【0010】
本開示の更に別の態様によると、整形外科用プロテーゼアセンブリを埋め込む方法は、大腿骨コンポーネントを患者の大腿骨の遠位端に取り付けることを含む。大腿骨コンポーネントは、一対の顆を含む。顆間ノッチは、顆の間に画定される。後方の穴は、一対の顆を通って内側-外側方向に延在する。方法はまた、脛骨トレーを患者の脛骨の近位端に取り付けること(ttaching)を含む。脛骨トレーは、プラットホームと、プラットホームから遠位に延在するポストと、を含む。方法はまた、脛骨インサートのステムを脛骨トレー内に画定された空洞に挿入することを含む。脛骨インサートは、大腿骨コンポーネントの顆の対応する顆表面と係合するように構成されている一対の表面を有する本体を含む。ステムは、本体から遠位に延在する。突起部は、本体から近位に延在する。突起部は、内側開口部、外側開口部、及び内側開口部と外側開口部との間に延在してピンホールを画定する内壁を含む。方法はまた、各ブッシングの固定タブがブッシングをピンホール内部に固定するように、一対のブッシングを突起部のピンホール内に挿入することも含む。方法はまた、ヒンジピンを一対のブッシング及び後方の穴の中に挿入して、脛骨インサートを大腿骨コンポーネントに結合させることも含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、突起部の内壁は、第1の直径を有してもよく、固定タブは、第2の直径を有する外壁を有してもよい。第2の直径は、第1の直径より大きくてもよい。方法はまた、固定タブの外壁が、縮んで第1の直径と等しくなるように第2の直径を縮小させて、ブッシングを突起部の内壁に固定するように、一対のブッシングをピンホール内に挿入することも必要とし得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、固定タブは、複数の固定タブであってもよく、細長い本体は、複数のスロットを有してもよい。複数のスロットの各スロットは、複数の固定タブの隣接する固定タブ間に位置付けられてもよく、複数の固定タブの各固定タブは、複数のスロットの隣接するスロット間に位置付けられてもよい。方法はまた、第1のブッシングの複数の固定タブのそれぞれが、第2のブッシングの複数のスロットのうちの1つの内部に位置付けられ、第2のブッシングの複数の固定タブのそれぞれが、第1のブッシングの複数のスロットのうちの1つの内部に位置付けられて、第1のブッシングを第2のブッシングに固定するように、一対のブッシングをピンホール内に挿入することも必要とし得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
「発明を実施するための形態」では、特に次の図面を参照する。
図1】脛骨コンポーネントにヒンジ結合されている大腿骨コンポーネントを有する整形外科用プロテーゼアセンブリの斜視図である。
図2図1の整形外科用プロテーゼアセンブリの分解図である。
図3】ある実施形態に従って形成されたブッシングの斜視図である。
図4図3の線分4-4に沿った断面図である。
図5図3のブッシングの正面図である。
図6図1に示される脛骨インサートの断面図であり、その中に図3に示される一対のブッシングが組み込まれている。
図7図1の整形外科用プロテーゼアセンブリで使用するためのブッシングの別の実施形態の斜視図である。
図8図7の線分8-8に沿った断面図である。
図9図6に類似した脛骨インサートの断面図であり、その中に組み込まれた図7に示される一対のブッシングを示している。
図10図1の整形外科用プロテーゼアセンブリで使用するためのブッシングの別の実施形態の正面図である。
図11図10のブッシングの詳細図である。
図12図10のブッシングの平面図である。
図13図10の線分13-13に沿った断面図である。
図14図6に類似した脛骨インサートの断面図であり、その中に組み込まれた図10に示される一対のブッシングを示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の概念には様々な改変及び代替的形態が考えられるが、その特定の例示的な実施形態を図面に例として示し、本明細書において詳細に述べる。しかしながら、本開示の概念を開示される特定の形態に限定することを何ら意図するものではなく、その逆に、本発明は、添付の「特許請求の範囲」において定義される発明の趣旨及び範囲に包含されるすべての改変、等価物、並びに代替物を網羅することを意図するものであることを理解されたい。
【0015】
解剖学的基準を表す、前、後、内側、外側、上、下などの用語は、本明細書全体を通じて、本明細書において述べられる整形外科用インプラント及び整形外科用器具に関して、並びに患者の自然の解剖学的構造に関して使用されてよい。これらの用語は、解剖学の研究及び整形外科学の分野のいずれにおいても広く理解された意味を有するものである。本明細書及び特許請求の範囲におけるこれらの解剖学的基準を表す用語の使用は、特に断らない限り、それらの十分に理解されている意味と一貫性を有するものとする。
【0016】
プロテーゼ膝関節及び膝関節コンポーネント、並びに膝関節を埋め込み、再建する方法を包含する、本開示の例示的な実施形態を下記で説明及び例示する。また、以下に議論される好ましい実施形態が本質的に例示的なものであり、本発明の範囲及び意図から逸脱せずに構成が変更され得ることは、当業者には明白であろう。しかしながら、明確さ及び精密さを目的にして、下記で説明する例示的な実施形態は、本発明の範囲に含まれるための要件ではない、当業者が認識すべき任意の段階、方法、及び特徴を含むことができる。
【0017】
ここで図1及び図2を参照すると、整形外科用人工膝関節10が示されている。整形外科用人工膝関節10は、大腿骨コンポーネント12及びヒンジ機構を介して大腿骨コンポーネント12に結合されている脛骨インサート16を含む。大腿骨コンポーネント12は、患者の大腿骨(図示せず)の準備された端部に埋め込まれるように構成され、一対の離間した外側及び内側の顆22を有する本体20を含む。顆22は、それぞれの外側及び内側の顆表面24、26を含み、これらは、脛骨インサート16の表面に対応するように湾曲し、形状がつけられている。顆間ノッチ28は、外側及び内側の顆22の間に画定される。大腿骨コンポーネント12はまた、外側及び内側の顆22を通って内側-外側方向に延在する後方の穴30も含む。より詳細に後述するように、穴30は、ヒンジ機構14の一部を形成し、及びヒンジピン56を受容するような寸法である。
【0018】
プロテーゼ10はまた、患者の脛骨の準備された端部(図示せず)に埋め込まれるように構成される脛骨コンポーネント又はトレー18も含む。脛骨トレー18は、空洞(図示せず)が中を通って延在する概ね平坦な上面を有するプラットホーム32を含む。脛骨ステムは、プラットホーム32から延在する。
【0019】
脛骨インサート16は、プラットホーム32の概ね平坦な上面の上に静止するように構成されている概ね平坦な下面を有する本体36を含む。脛骨インサート16は、外側ベアリング面38及び内側ベアリング面40を更に含む。ベアリング面38、40は、大腿骨コンポーネント12の外側顆表面24及び内側顆表面26とそれぞれ関節をなすように構成される。ステム33は、本体36から遠位に延在し、脛骨トレー18内に画定された空洞に受容されるような寸法である。突起部44は、本体36から近位に延在する。突起部44は、内側開口部46、外側開口部48、及び内側開口部46と外側開口部48との間に延在する内壁50を含む。内壁50は、突起部44内に円筒形ピンホール52を画定する。円筒形ピンホール42は、直径43を有し、突起部44を通して通路45を画定する。通路45は、内側開口部46と外側開口部48との間に延在する。
【0020】
一対のブッシング54は、突起部44のピンホール52内に位置付けられるような寸法及び形状である。ブッシング54の第1の端部120は、その中に形成される開口部122を有する。開口部126は、ブッシング54の第2の端部124を通って形成される。通路128は、開口部122と開口部126との間にブッシング54を通って延在する。通路128は、ブッシング54の長手方向軸線110に沿って延在する。ヒンジピン56は、脛骨インサート16を大腿骨コンポーネント12に結合させるために、一対のブッシング54及び大腿骨コンポーネント12の後方の穴30の中に位置付けられるような寸法及び形状である。ヒンジピン56は、先端部57から延在する細長い本体55を有する。細長い本体55は、各ブッシング54及び後方の穴30の通路128を通って延在する。ヒンジピン56は、ブッシング54及び後方の穴30の内部の位置に係止される。
【0021】
自然骨に係合する大腿骨コンポーネント12及び脛骨トレー18などの人工膝関節10のコンポーネントは、例えば、チタン又はコバルトクロム合金などの生体適合性の金属から構成され得る。これらのコンポーネントの骨係合面は、コンポーネントを骨にセメント接合するのを容易にするように、非平滑化されてもよい。かかる表面は多孔質コーティングされて、永久的な固定を行うために骨の内部成長が促進されてよい。あるいは、脛骨インサート16は、脛骨インサート16と隣接する大腿骨及び脛骨コンポーネント12、18との間の滑らかな関節運動及び回転を可能にする材料から構成され得る。1つのかかる材料は超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)である。当然のことながら、脛骨インサート16は、同様に他の好適なポリマーから構成され得る。
【0022】
図3を参照すると、ブッシング54の実施形態は、環状フランジ102及び環状フランジ102から延在する細長い本体104を含む。ブッシング54は、例えば、チタン又はコバルトクロム合金などの生体適合性の金属から構成され得る。あるいは、ブッシング54は、例えば、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)などのポリマーから構成され得る。環状フランジ102は、外側表面106及び反対側の内側表面108を含む。環状フランジ102の外側表面106は、ブッシング54の第1の端部120を形成する。細長い本体104は、長手方向軸線110に沿って内側表面108から延在する。複数の固定タブ112は、細長い本体104から長手方向に延在する。複数のスロット114は、固定タブ112間に形成される。各スロット114は、隣接する固定タブ112間に位置付けられている。各固定タブ112は、隣接するスロット114間に位置付けられている。例示的な実施形態では、ブッシング54は、4つの固定タブ112及び4つのスロット114を含む。いくつかの実施形態では、ブッシング54は、任意の数の固定タブ112及びスロット114を含んでもよい。例えば、ブッシング54は、少なくとも2つの固定タブ112及び少なくとも2つのスロット114を含み得る。各固定タブ112は、端面116及び一対の側面118(より詳細に後述される)によって画定される。固定タブ112の端面116は、ブッシング54の第2の端部124を形成する。
【0023】
図5を参照すると、各固定タブ112は、基部117から端面116まで延在する。側面図で見たとき、図5に例示されるように、端面116は、基部117よりも広い。つまり、各側面118は、基部117から端面116まで外向きに延在する。各スロット114は、固定タブ112の側面118及び下面132によって画定される。各スロット114は、下面132の幅よりも小さい開口部115を含む。側面118は、下面132から開口部115まで角度をつけて曲がる。つまり、各側面118は、下面132から開口部115まで内向きに延在する。
【0024】
各固定タブ112は、ほぼ同じ形状及び寸法であるように形成される。同様に、各スロット114は、ほぼ同じ形状及び寸法であるように形成される。スロット114は、固定タブ112の寸法及び形状の鏡像のような寸法及び形状である。各固定タブ112の端面116は、各スロット114の下面132の表面積に実質的に等しい表面積を有する。各固定タブ112の端面116は、各固定タブ112の基部117よりも広い。側面118は、基部117から端面116まで角度をつけて曲がる。第1のブッシング54が第2のブッシング54に結合されるとき、固定タブ112は、変形して、各固定タブ112のより広い端面116を、対応のスロット114の開口部115を介して挿入できるようにする。第1のブッシング54が第2のブッシング54に結合されるとき、第1のブッシング54の側面118は、実質的に平坦な構成で第2のブッシング54の側面118に係合する。
【0025】
図6を参照すると、ユーザーは、一対のブッシング54を、突起部44のピンホール52の中に前進させる。ブッシング54は、環状フランジ102の内側表面108が突起部44と同一平面上に位置付けられるように、ピンホール52内部に位置付けられている。第1のブッシング54は、第2のブッシング54にピンホール52内で係合する。具体的に、第1のブッシング54の各固定タブ112は、第2のブッシング54のスロット114内に位置付けられている。第1のブッシング54の各固定タブ112の端面116は、第2のブッシング54の対応のスロット114の下面132と同一平面上に位置付けられている。同様に、第2のブッシング54の各固定タブ112は、第1のブッシング54のスロット114内に位置付けられている。第2のブッシング54の各固定タブ112の端面116は、第1のブッシング54の対応のスロット114の下面132と同一平面上に位置付けられている。第1のブッシング54の各固定タブ112の側面118は、第2のブッシング54の対応する固定タブ112の側面118に係合する。したがって、第1のブッシング54の固定タブ112は、第2のブッシング54の固定タブ112に係合して、第1のブッシング54を第2のブッシング54に係止する。
【0026】
ピンホール52内に固定されたブッシング54を使用して、ユーザーは、大腿骨コンポーネント12の後方の穴30がブッシング54の通路128と整列するように大腿骨コンポーネント12を突起部44上に位置付ける。ユーザーは次に、ブッシング54の通路128及び大腿骨コンポーネント12の後方の穴30を通ってヒンジピン56を前進させて、脛骨インサート16を大腿骨コンポーネント12に結合させる。
【0027】
図7を参照すると、ブッシング200の実施形態は、環状フランジ202及び環状フランジ202から延在する細長い本体204を含む。ブッシング200は、例えば、チタン又はコバルトクロム合金などの生体適合性の金属から構成され得る。あるいは、ブッシング200は、例えば、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)などのポリマーから構成され得る。環状フランジ202は、外側表面206及び反対側の内側表面208を含む。細長い本体204は、長手方向軸線210に沿って内側表面208から延在する。複数の固定タブ212は、細長い本体204から対応の端面216まで長手方向に延在する。複数のスロット214は、固定タブ212間に形成される。各スロット214は、隣接する固定タブ212間に位置付けられている。各固定タブ212は、隣接するスロット214間に位置付けられている。スロット214は、各固定タブ212間に間隙を形成する。例示的な実施形態では、ブッシング200は、4つの固定タブ212及び4つのスロット214を含む。いくつかの実施形態では、ブッシング200は、任意の数の固定タブ212及びスロット214を含んでもよい。例えば、ブッシング200は、少なくとも2つの固定タブ212及び少なくとも2つのスロット214を含み得る。固定タブ212は、固定タブ212が共に圧潰することができるように変形可能である。固定タブ212が圧潰するとき、固定タブ212は、スロット214によって画定される間隙の中へ互いに接触するように移動する。
【0028】
図8に例示されるように、環状フランジ202の外側表面206は、ブッシング200の第1の端部220を形成する。外側表面206は、その中に形成される開口部222を含む。固定タブ212の端面216は、ブッシング200の第2の端部224を形成する。開口部226は、端面216を通って形成される。通路228は、開口部222と開口部226との間にブッシング200を通って延在する。通路228は、細長い本体204の長手方向軸線210に沿って延在する。
【0029】
細長い本体204は、外側表面230を含む。外側表面230は、固定タブ212の外側表面232を形成する。ブッシング200が突起部44のピンホール52内部で組み立てられていないとき、外側表面230は、未組み立ての直径234を有する。直径234は、細長い本体204の直径である。固定タブ212が共に圧潰されるとき、外側表面230は、未組み立ての直径234未満である組み立ての直径238(図9に示される)を有する。
【0030】
図9を参照すると、突起部44のピンホール52は、直径236を有する。ピンホール52の直径236は、ブッシング200の未組み立ての直径234未満である。図9に例示されるように、組み立て中に、ユーザーは、一対のブッシング200を突起部44のピンホール52の中に前進させる。ブッシング200は、環状フランジ202の内側表面208が突起部44と同一平面上に位置付けられるように、ピンホール52内部に位置付けられている。ブッシング200は、ブッシング200が前進するにつれて各ブッシング200の固定タブ212が縮むように、ピンホール52の中へ前進する。つまり、固定タブ212は、スロット214によって生じた間隙の中に共に圧縮される。ブッシング200がピンホール52内部に位置付けられているとき、図9に例示されるように、固定タブ212は、ブッシング200の外側表面230が、ピンホール52の直径236と等しい組み立ての直径238を有するように、圧縮される。この構成では、ブッシング200の外側表面230は、ピンホール52の内壁50に係合して、ブッシング200を突起部44に固定する。
【0031】
ピンホール52内に固定されたブッシング200を使用して、ユーザーは、大腿骨コンポーネント12の後方の穴30がブッシング200の通路228と整列するように大腿骨コンポーネント12を突起部44上に位置付ける。ユーザーは次に、一対のブッシング200及び大腿骨コンポーネント12の後方の穴30を通ってヒンジピン56を前進させて、脛骨インサート16を大腿骨コンポーネント12に結合させる。
【0032】
図10を参照すると、ブッシング300の実施形態は、環状フランジ302及び環状フランジ302から延在する細長い本体304を含む。ブッシング300は、例えば、チタン又はコバルトクロム合金などの生体適合性の金属から構成され得る。あるいは、ブッシング300は、例えば、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)などのポリマーから構成され得る。環状フランジ302は、外側表面306及び反対側の内側表面308を含む。細長い本体304は、長手方向軸線310に沿って内側表面308から端面312まで延在する。図12に示されるように、固定タブ314は、細長い本体304の周りに円周方向に延在する。固定タブ314は、外側の湾曲した壁部316を有する環状リムである。図11に示されるように、外側の湾曲した壁部316は、曲率半径318を有する。例えば、曲率半径318は、約0.96mmであってもよい。固定タブ314は、外側の湾曲した壁部316が圧力下で圧潰できるようにする変形可能な材料から形成される。図10に戻って参照すると、ブッシング300が突起部44のピンホール52内部で組み立てられていないとき、外側の湾曲した壁部316は、未組み立ての直径334を有する。固定タブ314が、圧力下で変形して外側の湾曲した壁部316の直径334を組み立ての直径338(図14に示される)に修正し得るように、固定タブ314は、変形可能である。
【0033】
図13に例示されるように、環状フランジ302の外側表面306は、ブッシング300の第1の端部320を形成する。外側表面306は、その中に形成される開口部322を含む。細長い本体304の端面312は、ブッシング300の第2の端部324を形成する。開口部326は、端面312を通って形成される。通路328は、開口部322と開口部326との間にブッシング300を通って延在する。通路328は、細長い本体304の長手方向軸線310に沿って延在する。
【0034】
図14を参照すると、突起部44のピンホール52は、直径236を有する。ピンホール52の直径236は、固定タブ314の未組み立ての直径334未満である。図14に例示されるように、組み立て中に、ユーザーは、一対のブッシング300を突起部44のピンホール52の中に前進させる。ブッシング300は、環状フランジ302の内側表面308が突起部44と同一平面上に位置付けられるように、ピンホール52内部に位置付けられている。ブッシング300は、ブッシング300が前進するにつれて各ブッシング300の固定タブ314が変形するように、ピンホール52の中へ前進する。つまり、ブッシング300がピンホール52内部に位置付けられているとき、図14に例示されるように、固定タブ314が、ピンホール52の直径236と等しい組み立ての直径338を有するように、固定タブ314は、圧縮される。この構成では、各固定タブ314の外側の湾曲した壁部316は、ピンホール52の内壁50に係合して、ブッシング300を突起部44に固定する。
【0035】
ピンホール52内に固定されたブッシング300を使用して、ユーザーは、大腿骨コンポーネント12の後方の穴30がブッシング300の通路328と整列するように大腿骨コンポーネント12を突起部44上に位置付ける。ユーザーは次に、一対のブッシング300及び大腿骨コンポーネント12の後方の穴30を通ってヒンジピン56を前進させて、脛骨インサート16を大腿骨コンポーネント12に結合させる。
【0036】
図面及び上記の説明において本開示を詳細に例証及び説明してきたが、このような例証及び説明は、その性質上、あくまで例示的なものであって限定的なものとは見なすべきではなく、あくまで代表的な実施形態を示しかつ説明してきたのにすぎず、本開示の趣旨の範囲内に含まれるすべての変更及び改変は保護されることが望ましいことが理解される。
【0037】
本明細書に記載の装置及びアセンブリの様々な特性から本開示の複数の利点が生ずることに留意する。本開示の装置及びアセンブリの代替実施形態は、記載された特徴のすべてを含んでいない場合もあるが、それでも依然としてこのような特徴の利点の少なくともいくつかから恩恵を享受していることが留意される。当業者であれば、本発明の1つ以上の特徴を取り入れた、「特許請求の範囲」において定義される本開示の趣旨及び範囲に包含される装置及び組立体を独自に実施することが容易に可能であろう。
【0038】
〔実施の態様〕
(1) 整形外科用プロテーゼアセンブリであって、
患者の大腿骨の遠位端に取り付けられるように構成されている大腿骨コンポーネントであって、(i)一対の顆と、(ii)前記顆の間に画定された顆間ノッチと、(iii)前記一対の顆を通って内側-外側方向に延在する後方の穴と、を含む大腿骨コンポーネントと、
患者の脛骨の近位端に取り付けられるように構成されている脛骨トレーであって、プラットホームと、前記プラットホームから遠位に延在するポストと、を含む脛骨トレーと、
脛骨インサートであって、(i)前記大腿骨コンポーネントの前記顆の対応する顆表面に係合するように構成されている一対の表面を有する本体と、(ii)前記本体から遠位に延在し、前記脛骨トレー内に画定された空洞に受容されるような寸法であるステムと、(iii)前記本体から近位に延在する突起部と、(iv)前記脛骨インサートの前記突起部を通って延在するピンホールと、を含む脛骨インサートと、
前記突起部の前記ピンホール内に位置付けられるような寸法及び形状であるブッシングと、
前記脛骨インサートを前記大腿骨コンポーネントに結合させるために、前記ブッシング及び前記後方の穴の中に位置付けられるような寸法及び形状であるヒンジピンと、を備え、
前記突起部は、内側開口部と、外側開口部と、前記内側開口部と前記外側開口部との間に延在して前記ピンホールを画定する内壁と、を含み、
前記ブッシングは、環状フランジと、前記環状フランジから延在する細長い本体と、を有し、前記細長い本体は、前記突起部の前記内壁と係合して前記ブッシングを前記突起部に固定するように構成されている固定タブを含む、整形外科用プロテーゼアセンブリ。
(2) 前記固定タブが、前記細長い本体の前記外側表面の周りに円周方向に延在する、実施態様1に記載の整形外科用プロテーゼアセンブリ。
(3) 前記固定タブが、前記突起部の前記内壁に係合して前記ブッシングを前記突起部に固定する湾曲した外壁を有する、実施態様2に記載の整形外科用プロテーゼアセンブリ。
(4) 前記突起部の前記内壁が、第1の直径を有し、
前記固定タブの前記湾曲した外壁が、第2の直径を有し、
前記固定タブを前記突起部の前記内壁から係合解除するとき、前記第2の直径が、前記第1の直径より大きい、実施態様3に記載の整形外科用プロテーゼアセンブリ。
(5) 前記固定タブが前記突起部の前記内壁と係合するとき、前記第2の直径が、前記第1の直径と等しい、実施態様4に記載の整形外科用プロテーゼアセンブリ。
【0039】
(6) 前記固定タブが前記突起部の前記内壁と係合するとき、前記固定タブが縮む、実施態様5に記載の整形外科用プロテーゼアセンブリ。
(7) 前記固定タブが、複数の固定タブを含み、前記細長い本体が、複数のスロットを含み、前記複数のスロットの各スロットが、前記複数の固定タブの隣接する固定タブの間に位置付けられ、前記複数の固定タブの各固定タブが、前記複数のスロットの隣接するスロットの間に位置付けられている、実施態様1に記載の整形外科用プロテーゼアセンブリ。
(8) 前記突起部の前記内壁が、第1の直径を有し、
前記複数の固定タブの各固定タブが、第2の直径を有する外縁を含み、
前記複数の固定タブを前記突起部の前記内壁から係合解除するとき、前記第2の直径が、前記第1の直径より大きい、実施態様7に記載の整形外科用プロテーゼアセンブリ。
(9) 前記複数の固定タブが前記突起部の前記内壁と係合するとき、前記第2の直径が、前記第1の直径と等しい、実施態様8に記載の整形外科用プロテーゼアセンブリ。
(10) 前記複数の固定タブが前記突起部の前記内壁と係合するとき、前記複数の固定タブが共に圧縮される、実施態様9に記載の整形外科用プロテーゼアセンブリ。
【0040】
(11) 整形外科用プロテーゼアセンブリであって、
患者の大腿骨の遠位端に取り付けられるように構成されている大腿骨コンポーネントであって、(i)一対の顆と、(ii)前記顆の間に画定された顆間ノッチと、(iii)前記一対の顆を通って内側-外側方向に延在する後方の穴と、を含む大腿骨コンポーネントと、
患者の脛骨の近位端に取り付けられるように構成されている脛骨トレーであって、プラットホームと、前記プラットホームから遠位に延在するポストと、を含む脛骨トレーと、
脛骨インサートであって、(i)前記大腿骨コンポーネントの前記顆の対応する顆表面に係合するように構成されている一対の表面を有する本体と、(ii)前記本体から遠位に延在し、前記脛骨トレー内に画定された空洞に受容されるような寸法であるステムと、(iii)前記本体から近位に延在する突起部と、(iv)前記脛骨インサートの前記突起部を通って延在するピンホールと、を含む脛骨インサートと、
前記突起部の前記ピンホール内に位置付けられるような寸法及び形状である一対のブッシングと、
前記脛骨インサートを前記大腿骨コンポーネントに結合させるために、前記一対のブッシング及び前記後方の穴の中に位置付けられるような寸法及び形状であるヒンジピンと、を備え、
前記突起部は、内側開口部と、外側開口部と、前記内側開口部と前記外側開口部との間に延在して前記ピンホールを画定する内壁と、を含み、
各ブッシングは、環状フランジと、前記環状フランジから延在する細長い本体と、を有し、前記細長い本体は、固定タブを含み、第1のブッシングの前記固定タブが、第2のブッシングの前記固定タブに固定して、前記一対のブッシングを前記突起部に固定するような寸法及び形状である、整形外科用プロテーゼアセンブリ。
(12) 各ブッシングの前記固定タブは、前記細長い本体の前記外側表面から端面まで延在する一対の傾斜表面を含む、実施態様11に記載の整形外科用プロテーゼアセンブリ。
(13) 各ブッシングの前記固定タブが、長手方向軸線を含み、前記傾斜表面が、細長い本体から前記端面まで前記長手方向軸線から外向きに角度をつけて曲がる、実施態様12に記載の整形外科用プロテーゼアセンブリ。
(14) 前記第1のブッシングの前記固定タブの傾斜表面が、前記第2のブッシングの前記固定タブの傾斜表面に係合して、前記第1のブッシングを前記第2のブッシングに固定する、実施態様13に記載の整形外科用プロテーゼアセンブリ。
(15) 前記固定タブが、複数の固定タブを含み、前記細長い本体が、複数のスロットを含み、前記複数のスロットの各スロットが、前記複数の固定タブの隣接する固定タブの間に位置付けられ、前記複数の固定タブの各固定タブが、前記複数のスロットの隣接するスロットの間に位置付けられている、実施態様11に記載の整形外科用プロテーゼアセンブリ。
【0041】
(16) 前記第1のブッシングの前記複数の固定タブのそれぞれが、前記第2のブッシングの前記複数のスロットのうちの1つの内部に位置付けられて、前記第1のブッシングを前記第2のブッシングに固定する、実施態様15に記載の整形外科用プロテーゼアセンブリ。
(17) 前記第2のブッシングの前記複数の固定タブのそれぞれが、前記第1のブッシングの前記複数のスロットのうちの1つの内部に位置付けられて、前記第1のブッシングを前記第2のブッシングに固定する、実施態様16に記載の整形外科用プロテーゼアセンブリ。
(18) 整形外科用プロテーゼアセンブリを埋め込む方法であって、
患者の大腿骨の遠位端に大腿骨コンポーネントを取り付けることであって、前記大腿骨コンポーネントが(i)一対の顆と、(ii)前記顆の間に画定された顆間ノッチと、(iii)前記一対の顆を通って内側-外側方向に延在する後方の穴と、を含む、ことと、
患者の脛骨の近位端に脛骨トレーを取り付けることであって、前記脛骨トレーが、プラットホームと、前記プラットホームから遠位に延在するポストと、を含む、ことと、
脛骨インサートのステムを前記脛骨トレー内に画定された空洞に挿入することであって、前記脛骨インサートが、(i)前記大腿骨コンポーネントの前記顆の対応する顆表面に係合するように構成されている一対の表面を有する本体であって、前記ステムが前記本体から遠位に延在する、本体と、(ii)前記本体から近位に延在する突起部と、を含み、前記突起部が、内側開口部と、外側開口部と、前記内側開口部と前記外側開口部との間に延在して前記ピンホールを画定する内壁と、を含む、ことと、
各ブッシングの固定タブが前記ブッシングを前記ピンホール内部に固定するように、一対のブッシングを前記突起部の前記ピンホール内に挿入することと、
ヒンジピンを、前記脛骨インサートを前記大腿骨コンポーネントに結合させるために、前記一対のブッシング及び前記後方の穴の中に挿入することと、を含む方法。
(19) 前記突起部の前記内壁が第1の直径を有し、前記固定タブが第2の直径を有する外壁を含み、前記第2の直径が前記第1の直径より大きく、前記方法は、前記固定タブの前記外壁が、縮んで前記第1の直径と等しくなるように前記第2の直径を縮小させて、前記ブッシングを前記突起部の前記内壁に固定するように、前記ピンホール内に前記一対のブッシングを挿入することを更に含む、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記固定タブが、複数の固定タブを含み、前記細長い本体が、複数のスロットを含み、前記複数のスロットの各スロットが、前記複数の固定タブの隣接する固定タブの間に位置付けられ、前記複数の固定タブの各固定タブが、前記複数のスロットの隣接するスロットの間に位置付けられ、前記方法は、第1のブッシングの前記複数の固定タブのそれぞれが、第2のブッシングの前記複数のスロットのうちの1つの内部に位置付けられ、前記第2のブッシングの前記複数の固定タブのそれぞれが、前記第1のブッシングの前記複数のスロットのうちの1つの内部に位置付けられて、前記第1のブッシングを前記第2のブッシングに固定するように、前記一対のブッシングを前記ピンホール内に挿入することを更に含む、実施態様18に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14