(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】サプライチェーン業務プロセス最適化装置およびサプライチェーン業務支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20120101AFI20221024BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20221024BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20221024BHJP
【FI】
G06Q10/06 302
G06Q50/04
G05B19/418 Z
(21)【出願番号】P 2018156257
(22)【出願日】2018-08-23
【審査請求日】2021-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】特許業務法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 綾香
(72)【発明者】
【氏名】古橋 亮慈
(72)【発明者】
【氏名】高橋 雄一
(72)【発明者】
【氏名】野本 多津
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/002278(WO,A1)
【文献】特開2012-256307(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0129992(US,A1)
【文献】特開2018-063598(JP,A)
【文献】米国特許第10685319(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2016/0110681(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
CPUと、メモリとを備え、
前記メモリは、
サプライチェーンの業務制約を緩和した業務組合せを導出する第1業務組合せ生成部と、
前記サプライチェーンの業務制約を充足する業務組合せを導出する第2業務組合せ生成部と、
前記業務制約を緩和した業務組合せの導出にかかる時間に基づいて、前記業務制約を緩和した業務組合せの導出開始タイミングを決定するスケジューリング部とを備え
、
前記第2業務組合せ生成部は、前記CPUのリソース情報に基づいて、前記業務制約を充足する業務組合せの導出にかかった時間を推定し、前記業務制約を充足する業務組合せの導出にかかった時間に基づいて、前記業務制約を緩和した業務組合せの導出にかかる時間を推定し、
前記第1業務組合せ生成部は、前記サプライチェーンを構成する各部門の各計画または指示の更新タイミングおよび方法を1つずつ緩和した全ての業務組合せを導出するサプライチェーン業務プロセス最適化装置。
【請求項2】
サプライチェーンの業務制約を緩和した業務組合せを導出する第1業務組合せ生成部と、
前記業務制約を緩和した業務組合せの導出にかかる時間に基づいて、前記業務制約を緩和した業務組合せの導出開始タイミングを決定するスケジューリング部とを備え、
前記サプライチェーンは、
第1サプライチェーンと、
前記第1サプライチェーンよりも優先順位が低い第2サプライチェーンとを備え、
前記スケジューリング部は、
前記第1サプライチェーンの業務制約を緩和した業務組合せの導出が提案タイミングに間に合うように導出開始タイミングを決定し、
前記第1サプライチェーンの業務制約を緩和した業務組合せの導出処理の空き時間に前記第2サプライチェーンの業務制約を緩和した業務組合せの導出処理を実行するサプライチェーン業務プロセス最適化装置。
【請求項3】
サプライチェーンの業務制約を緩和した業務組合せを導出する第1業務組合せ生成部と、
前記業務制約を緩和した業務組合せの導出にかかる時間に基づいて、前記業務制約を緩和した業務組合せの導出開始タイミングを決定するスケジューリング部とを備え、
前記サプライチェーンは、
第1サプライチェーンと、
前記第1サプライチェーンよりも優先順位が低い第2サプライチェーンとを備え、
前記スケジューリング部は、
前記第1サプライチェーンの業務制約を緩和した業務組合せの導出が提案タイミングに間に合うように導出開始タイミングを決定し、
前記第2サプライチェーンの業務制約を緩和した業務組合せの導出処理中に、前記第1サプライチェーンの業務制約を緩和した業務組合せの導出開始タイミングが到来した場合、前記第2サプライチェーンの業務制約を緩和した業務組合せの導出処理を中断し、前記第1サプライチェーンの業務制約を緩和した業務組合せの導出処理を開始するサプライチェーン業務プロセス最適化装置。
【請求項4】
前記スケジューリング部は、前記業務制約を緩和した業務組合せの導出が提案タイミングに間に合うように、前記業務制約を緩和した業務組合せの導出開始タイミングを決定する請求項1
から請求項3の何れか一項に記載のサプライチェーン業務プロセス最適化装置。
【請求項5】
前記スケジューリング部は、前記業務制約を緩和した業務組合せのうち、所定の閾値を超える緩和効果値を持つ業務組合せが前記提案タイミングまでに特定できるように、前記業務制約を緩和した業務組合せの導出開始タイミングを決定する請求項
4に記載のサプライチェーン業務プロセス最適化装置。
【請求項6】
前記スケジューリング部は、前記業務制約を緩和した業務組合せの導出にかかる時間および前記業務制約を緩和した業務組合せの提案タイミングに基づいて、前記業務制約を緩和した業務組合せの導出開始日時および導出終了日時を決定する請求項1
から請求項3の何れか一項に記載のサプライチェーン業務プロセス最適化装置。
【請求項7】
前記第1業務組合せ生成部は、前記サプライチェーンを構成する各部門の各計画または指示の更新タイミングおよび方法を緩和した業務組合せを生成する請求項1
から請求項3の何れか一項に記載のサプライチェーン業務プロセス最適化装置。
【請求項8】
前記サプライチェーンの業務、物およびキャッシュの流れに関する情報をサプライチェーンモデルとして、前記サプライチェーンモデルの識別情報と合わせて登録するサプライチェーンモデル登録部をさらに備える請求項1
から請求項3の何れか一項に記載のサプライチェーン業務プロセス最適化装置。
【請求項9】
前記サプライチェーンを構成する各部門の各計画または指示を更新するタイミングおよび方法の制約に関する情報を前記業務制約として登録する業務制約登録部をさらに備える請求項1
から請求項3の何れか一項に記載のサプライチェーン業務プロセス最適化装置。
【請求項10】
前記サプライチェー
ンの前記業務制約を緩和する優先順位および前記業務制約を緩和した業務組合せの提案タイミングを登録する更新契機変更部をさらに備える請求項1
から請求項3の何れか一項に記載のサプライチェーン業務プロセス最適化装置。
【請求項11】
前記スケジューリング部にて決定された導出開始タイミングに基づいて、前記業務制約が緩和された業務組合せの導出を開始させるスケジュール実行部をさらに備える請求項1
から請求項3の何れか一項に記載のサプライチェーン業務プロセス最適化装置。
【請求項12】
前記第2業務組合せ生成部は、各計画または指示の更新タイミングおよび方法の業務組合せを充足する全ての業務組合せの評価指標値の算出にかかった時間に基づいて、前記業務制約を充足する業務組合せの導出にかかった時間を取得する請求項
1に記載のサプライチェーン業務プロセス最適化装置。
【請求項13】
前記スケジューリング部は、前記業務制約を緩和した業務組合せの導出にかかる時間の推定値に基づいて、前記業務制約を緩和した業務組合せの導出開始タイミングを決定する請求項
1に記載のサプライチェーン業務プロセス最適化装置。
【請求項14】
前記サプライチェーンを構成する各部門に含まれる企業の企業数および前記
各部門間で取引される品目の品目数に基づいて、前記業務制約を充足する業務組合せの導出にかかる時間を推定し、
前記業務制約を充足する業務組合せの導出にかかる時間の推定値に基づいて、前記業務制約を緩和した業務組合せの導出にかかる時間を推定する請求項
1に記載のサプライチェーン業務プロセス最適化装置。
【請求項15】
前記スケジューリング部は、前記業務制約を充足する業務組合せの導出にかかる時間の推定値と、前記業務制約を緩和した業務組合せの導出にかかる時間の推定値に基づいて、前記業務制約を充足する業務組合せおよび前記業務制約を緩和した業務組合せの導出開始タイミングを決定する請求項14に記載のサプライチェーン業務プロセス最適化装置。
【請求項16】
プロセッサを備えるサプライチェーン業務支援方法であって、
前記プロセッサは、
当該プロセッサのリソース情報に基づいて、サプライチェーンの
業務制約を充足する業務組合せの導出にかかった時間を推定し、
前記業務制約を充足する業務組合せの導出にかかった時間に基づいて、前記業務制約を緩和した業務組合せの導出にかかる時間を推定し、
前記業務制約を緩和した業務組合せの導出にかかる時間に基づいて、前記業務制約を緩和した業務組合せの導出開始タイミングを決定
し、
前記サプライチェーンを構成する各部門の各計画または指示の更新タイミングおよび方法を1つずつ緩和した全ての業務組合せを導出するサプライチェーン業務支援方法。
【請求項17】
プロセッサを備えるサプライチェーン業務支援方法であって、
前記プロセッサは、
第1サプライチェーンと、前記第1サプライチェーンよりも優先順位が低い第2サプライチェーンとを備えるサプライチェーンの業務制約を緩和した業務組合せの導出にかかる時間に基づいて、前記第1サプライチェーンの業務制約を緩和した業務組合せの導出が提案タイミングに間に合うように前記業務制約を緩和した業務組合せの導出開始タイミングを決定し、
前記第1サプライチェーンの業務制約を緩和した業務組合せの導出処理の空き時間に前記第2サプライチェーンの業務制約を緩和した業務組合せの導出処理を実行するサプライチェーン業務支援方法。
【請求項18】
プロセッサを備えるサプライチェーン業務支援方法であって、
前記プロセッサは、
第1サプライチェーンと、前記第1サプライチェーンよりも優先順位が低い第2サプライチェーンとを備えるサプライチェーンの業務制約を緩和した業務組合せの導出にかかる時間に基づいて、前記第1サプライチェーンの業務制約を緩和した業務組合せの導出が提案タイミングに間に合うように前記業務制約を緩和した業務組合せの導出開始タイミングを決定し、
前記第2サプライチェーンの業務制約を緩和した業務組合せの導出処理中に、前記第1サプライチェーンの業務制約を緩和した業務組合せの導出開始タイミングが到来した場合、前記第2サプライチェーンの業務制約を緩和した業務組合せの導出処理を中断し、前記第1サプライチェーンの業務制約を緩和した業務組合せの導出処理を開始するサプライチェーン業務支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サプライチェーン業務プロセスの導出に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、グローバル化および競争の激化により、市場の変動が激しくなっている。製造業では、在庫削減、リードタイムの短縮化、納期遵守などを目的にサプライチェーンの最適化への期待が高まっている。サプライチェーンを最適化するために、計画値に対する実績値の乖離を削減することが求められている。例えば、実績値を用いたシミュレーションにより最適なサプライチェーンを算出することで、このような要求に対応可能である。
【0003】
また、製造業の競争力は、製品力に着目するだけでは不十分で、短納期かつ迅速な納期回答などという顧客満足度の向上や、在庫削減によるキャッシュフローの改善による財務体質の強化も求められるようになってきた。さらに、消費者の嗜好の多様化に伴う多品種少量化と、製品ライフサイクルの短縮にも、工場運営から対応するように適宜見直しが必要である。これらの要請に対し、対策立案と実行が作業者の経験と勘に委ねられており、最適な対応策が安定的に取られていなかった。
【0004】
業務制約を満たす、より適切なサプライチェーン業務プロセス案を生成する技術に関して記載されている特許文献1がある。特許文献1には、制約充足最適業務組合せや制約緩和最適業務組合せを生成し、評価指標値や緩和効果値の高い業務組合せを導出する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
サプライチェーン業務プロセスをより適切に構成するためには、ある拠点から他の拠点への物(部品や製品)やキャッシュの流れの指示のタイミングや量を頻繁に変更する必要がある。例えば、サプライチェーンを構成する企業数や、サプライチェーンを構成する各企業の計画または指示の数が増加した場合、制約緩和最適業務組合せを適用するタイミングまでに、より適した業務組合せの導出が必要になる。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、制約緩和最適業務組合せを適用するタイミングについては言及されていない。また、特許文献1には、「生成する業務組合せの数を軽減するために様々な生成方法を採用してもよい」と記載されているが、最適業務組合せを導出するまでにかかる時間については言及されていない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、必要な日時までにサプライチェーンのより適切な業務組合せを提案することが可能なサプライチェーン業務プロセス最適化装置およびサプライチェーン業務支援方法を提供する。
【0009】
本発明の一態様におけるサプライチェーン業務プロセス最適化装置は、サプライチェーンの業務制約を緩和した業務組合せを導出する第1業務組合せ生成部と、前記業務制約を緩和した業務組合せの導出にかかる時間に基づいて、前記業務制約を緩和した業務組合せの導出開始タイミングを決定するスケジューリング部とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、必要な日時までにより適切なサプライチェーンの業務組合せを提案することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態に係るサプライチェーン業務プロセス最適化システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図1の第1実施形態に係るサプライチェーン業務プロセス最適化装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図2のサプライチェーンモデル記憶部に格納されているモデル名テーブルの一例を示す図である。
【
図4】
図2のサプライチェーンモデル記憶部に格納されている部門間取引条件パラメータテーブルの一例を示す図である。
【
図5】
図2のサプライチェーンモデル記憶部に格納されている生産条件パラメータテーブルの一例を示す図である。
【
図6】
図2のサプライチェーンモデル記憶部に格納されている計画または指示業務パラメータテーブルの一例を示す図である。
【
図7】
図2の業務制約記憶部に格納されている更新タイミング制約テーブルの一例を示す図である。
【
図8】
図2の業務制約記憶部に格納されている更新方法制約テーブルの一例を示す図である。
【
図9】
図2の業務制約記憶部に格納されている制約変更テーブルの一例を示す図である。
【
図10】
図2の更新契機記憶部に格納されている優先テーブルの一例を示す図である。
【
図11】
図2の更新契機記憶部に格納されている提案タイミングテーブルの一例を示す図である。
【
図12】
図2の業務組合せ記憶部に格納されている充足導出業務組合せテーブルの一例を示す図である。
【
図13】
図2の業務組合せ記憶部に格納されている緩和導出業務組合せテーブルの一例を示す図である。
【
図14】
図2の導出時間記憶部に格納されている導出時間テーブルの一例を示す図である。
【
図15】
図2のスケジューリング記憶部に格納されているスケジューリングテーブルの一例を示す図である。
【
図16】
図2のスケジューリング記憶部に格納されている実行タイミングテーブルの一例を示す図である。
【
図17】サプライチェーンモデル登録処理の一例を示すフローチャートである。
【
図18】サプライチェーンモデル登録画面の一例を示す図である。
【
図19】業務制約登録処理の一例を示すフローチャートである。
【
図21】更新契機変更処理の一例を示すフローチャートである。
【
図23】制約充足最適業務組合せ生成処理の一例を示すフローチャートである。
【
図24】制約充足最適業務組合せ画面の一例を示す図である。
【
図25】スケジューリング処理の一例を示すフローチャートである。
【
図26】スケジュール実行処理の一例を示すフローチャートである。
【
図27】スケジュール実行部によるスケジューリング実行処理の一例を示すタイミングチャートである
【
図28】制約緩和最適業務組合せ生成処理の一例を示すフローチャートである。
【
図29】制約緩和最適業務組合せ画面の一例を示す図である。
【
図30】
図2のサプライチェーン業務プロセス最適化装置の処理シーケンスの一例を示す図である。
【
図31】第2実施形態に係るサプライチェーンモデル登録処理の一例を示すフローチャートである。
【
図32】第2実施形態に係る制約充足最適業務組合せ生成処理の一例を示すフローチャートである。
【
図33】第2実施形態に係るスケジューリング実行処理の一例を示すフローチャートである。
【
図34】
図1のサプライチェーン業務プロセス最適化装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている諸要素およびその組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
図1は、第1実施形態に係るサプライチェーン業務プロセス最適化システムの構成を示すブロック図である。
図1において、サプライチェーン業務プロセス最適化システムは、サプライチェーン業務プロセス最適化装置101、工場業務PC(Personal Computer)102、販社業務PC103およびクライアント104を備える。サプライチェーン業務プロセス最適化装置101は、工場業務PC102と、販社業務PC103と、クライアント104とネットワークを介して接続されている。
【0014】
サプライチェーン業務プロセス最適化装置101は、登録されたサプライチェーンモデルに対して、設定されたタイミングまでに評価指標値がより高い業務組合せを提示する。サプライチェーンモデルは、サプライチェーンの業務、物およびキャッシュの流れに関する情報を含むことができる。登録されるサプライチェーンモデルは複数存在してもよい。
【0015】
この時、サプライチェーン業務プロセス最適化装置101は、サプライチェーンの業務制約を緩和した業務組合せの導出にかかる時間に基づいて、業務制約を緩和した業務組合せの導出開始タイミングを決定することができる。業務制約は、サプライチェーンを構成する各部門の各計画または指示の更新タイミングおよび方法に関する制約を含むことができる。
【0016】
工場業務PC102は、各工場企業で扱う品目などの情報を保持する。各工場企業で扱う品目などの情報は、工場企業の従業員などが入力することができる。販社業務PC103は、各販社企業で扱う品目などの情報を保持する。各販社企業で扱う品目などの情報は、販社企業の従業員などが入力することができる。
【0017】
クライアント104は、サプライチェーン業務プロセス最適化装置101を介して抽出された、工場業務PC102と、販社業務PC103に蓄積されている各企業の情報をサプライチェーン改善担当者であるユーザに向けて表示する。また、クライアント104は、ユーザが最適化する対象のサプライチェーンモデルに必要な情報を、サプライチェーン業務プロセス最適化装置101に登録する。
【0018】
上述のように、サプライチェーン業務プロセス最適化装置101は、サプライチェーンの業務制約を緩和した業務組合せの導出にかかる時間に基づいて、業務制約を緩和した業務組合せの導出開始タイミングを決定する。これにより、コンピューティングリソースが限られている場合においても、および/または、サプライチェーンの業務組合せ数が増加した場合においても、必要な日時までに緩和効果のより高いサプライチェーンの業務組合せを提案することができる。
【0019】
図2は、
図1の第1実施形態に係るサプライチェーン業務プロセス最適化装置の構成を示すブロック図である。
図2において、サプライチェーン業務プロセス最適化装置101は、Central-Processing-Unit(以下、CPUと言う)111と、メモリ112と、通信ポート113とを備える。CPU111、メモリ112および通信ポート113は、互いに接続されている。通信ポート113は、
図1の工場業務PC102、販社業務PC103およびクライアント104との通信に用いることができる。
【0020】
メモリ112は、入力受付部121と、出力処理部122と、サプライチェーンモデル登録部123と、業務制約登録部124と、更新契機変更部125と、制約充足最適業務組合せ生成部126と、スケジューリング部127と、スケジュール実行部128と、制約緩和最適業務組合せ生成部129と、サプライチェーンモデル記憶部130と、業務制約記憶部131と、更新契機記憶部132と、業務組合せ記憶部133と、導出時間記憶部134と、スケジューリング記憶部135とを備える。
【0021】
入力受付部121と、出力処理部122と、サプライチェーンモデル登録部123と、業務制約登録部124と、更新契機変更部125と、制約充足最適業務組合せ生成部126と、スケジューリング部127と、スケジュール実行部128と、制約緩和最適業務組合せ生成部129は、CPU111で実行可能なプログラムで構成することができる。
【0022】
CPU111は、メモリ112に格納されたプログラムをロードして実行することにより、入力受付部121と、出力処理部122と、サプライチェーンモデル登録部123と、業務制約登録部124と、更新契機変更部125と、制約充足最適業務組合せ生成部126と、スケジューリング部127と、スケジュール実行部128と、制約緩和最適業務組合せ生成部129との機能を実現する。
【0023】
入力受付部121は、クライアント104の入力装置を介して、ユーザから指示や情報の入力を受け付ける。例えば、入力受付部121は、入力装置を介して、業務プロセスの最適化対象のサプライチェーンについて、業務、物およびキャッシュのうちの任意の1つ以上の流れに関する情報や各部門の各計画または指示を更新するタイミングおよび方法の制約に関する情報の入力を受け付ける。また、入力受付部121は、入力を受け付けた情報や指示の種類に応じて、それらの情報や指示を所定の機能部に受け渡す。なお、入力受付部121は、入力装置を介した指示入力に限らず、外部装置からの遠隔操作による指示入力を受け付けてもよい。
【0024】
出力処理部122は、クライアント104の出力装置に表示させる画面情報を生成する。具体的には、出力処理部122は、ユーザから所定情報の入力を受け付ける入力画面を構成する画面情報や、最適業務組合せに関する情報の表示画面を構成する画面情報を生成し、それらを出力装置に表示する。なお、出力処理部122は、外部装置に画面情報を送信することにより、外部装置に所定の画面情報を表示させてもよい。
【0025】
サプライチェーンモデル登録部123は、業務プロセスの最適化対象のサプライチェーンについて、業務、物およびキャッシュのうちの任意の1つ以上の流れに関する情報を取得し、それらをサプライチェーンモデルとして、サプライチェーンモデル名と合わせて登録する。具体的には、サプライチェーンモデル登録部123は、入力装置を介してクライアント104から受け付けたサプライチェーンの業務、物およびキャッシュの流れに関する情報に基づいて、
図4の部門間取引条件パラメータテーブル150と、
図5の生産条件パラメータテーブル160と、
図6の計画または指示業務パラメータテーブル170とを生成し、それらをサプライチェーンモデル記憶部130に格納する。また、サプライチェーンモデルの構成より、CPU111のリソース情報等を基に制約充足最適業務組合せを導出するために必要な時間(充足導出時間と言う)を推定し、
図14の導出時間テーブル270を生成し、導出時間記憶部134に格納してもよい。
【0026】
業務制約登録部124は、業務プロセスの最適化対象のサプライチェーンについて、各部門の各計画または指示を更新するタイミングおよび方法の制約に関する情報を受け付けて、それらを業務制約として登録する。各部門の各計画または指示を更新するタイミングおよび方法の制約として、サイクル制約と、曜日または日制約と、時刻制約と、更新所要時間制約と、更新ロジック制約がある。業務制約登録部124は、これら5つの制約の変更容易性の順位を設定する。具体的には、業務制約登録部124は、入力装置を介して受け付けた各部門の各計画または指示を更新するタイミングおよび方法の制約に関する情報に基づいて、
図7の更新タイミング制約テーブル180と、
図8の更新方法制約テーブル190と、
図9の制約変更テーブル200とを生成し、それらを業務制約記憶部131に格納する。
【0027】
更新契機変更部125は、業務プロセスの最適化対象のサプライチェーンモデルについて、登録済みの全てのサプライチェーンモデルにおける制約を緩和する優先順位および緩和提案タイミングを登録する。緩和提案タイミングは、制約緩和最適業務組合せの必要な日時である。具体的には、更新契機変更部125は、入力装置を介して受け付けた優先順位および緩和提案タイミングに関する情報に基づいて、
図10の優先テーブル210と、
図11の提案タイミングテーブル220とを生成し、それらを更新契機記憶部132に格納する。また、生成した優先テーブル210および提案タイミングテーブル220に基づいて、
図15のスケジューリングテーブル280を生成し、スケジューリング記憶部135に格納する。
【0028】
制約充足最適業務組合せ生成部126は、業務制約を充足する各計画または指示の更新タイミングおよび方法の業務組合せを生成し、全ての業務組合せに対し評価指標値を計算し、制約充足最適業務組合せを導出する。また、制約充足最適業務組合せ生成部126は、充足導出時間に基づいて制約緩和最適業務組合せを導出するまでにかかる時間(緩和導出時間と言う)を推定する。具体的には、制約充足最適業務組合せ生成部126は、生成した業務組合せから制約充足最適業務組合せを導出するまでにかかる時間を計測し、その計測結果に基づいて、
図14の導出時間テーブル270を生成し、導出時間記憶部134に格納する。さらに、制約充足最適業務組合せ生成部126は、サプライチェーンモデル記憶部130に格納されている計画または指示業務パラメータテーブル170と、業務制約記憶部131に格納されている更新タイミング制約テーブル180および更新方法制約テーブル190を参照し、
図12の充足導出業務組合せテーブル230を生成し、業務組合せ記憶部133に格納する。
【0029】
スケジューリング部127は、各サプライチェーンモデルの制約緩和最適業務組合せを導出するまでにかかる時間および緩和提案タイミングより、サプライチェーンモデルそれぞれの導出開始日時および導出終了日時を決定する。具体的には、スケジューリング部127は、導出時間記憶部134に格納されている導出時間テーブル270およびスケジューリング記憶部135に格納されているスケジューリングテーブル280に基づいて、
図16の実行タイミングテーブル290を生成し、スケジューリング記憶部135に格納する。
【0030】
スケジュール実行部128は、スケジューリング部127にて決定された導出開始日時に基づいて、対象のサプライチェーンモデルの制約緩和最適業務組合せを導出開始し、導出中のサプライチェーンモデルを識別する。また、スケジュール実行部128は、スケジューリング記憶部135に格納されている実行タイミングテーブル290を更新する。
【0031】
制約緩和最適業務組合せ生成部129は、制約を緩和した場合の各計画または指示の更新タイミングおよび方法の業務組合せを生成する。また、制約緩和最適業務組合せ生成部129は、制約緩和後の各業務組合せについて評価指標値を計算する。また、制約緩和最適業務組合せ生成部129は、制約緩和前の業務組合せの評価指標値と、制約緩和後の組合せの評価指標値に基づいて、制約の緩和効果を示す緩和効果値を計算する。制約緩和最適業務組合せ生成部129は、これら評価指標値、緩和効果値および充足導出業務組合せテーブル230に基づいて、
図13の緩和導出業務組合せテーブル250を生成し、業務組合せ記憶部133に格納する。
【0032】
サプライチェーンモデル記憶部130は、サプライチェーンモデル名、業務、物(部品や製品)およびキャッシュの流れに関する情報を記憶する。業務制約記憶部131は、各部門の各計画または指示を更新するタイミングおよび方法の制約に関する情報を記憶する。更新契機記憶部132は、複数サプライチェーンモデル間の優先順位および制約を緩和するタイミングに関する情報を記憶する。業務組合せ記憶部133は、サプライチェーンを構成する各部門の各計画または指示について、更新タイミングおよび方法の全通りの組合せを記憶する。導出時間記憶部134は、サプライチェーンモデルごとに制約充足最適業務組合せおよび制約緩和最適業務組合せの導出時間を記憶する。スケジューリング記憶部135は、複数のサプライチェーンモデルの制約緩和最適業務組合せを導出するに当たり、その導出がサプライチェーン業務プロセス最適化装置101で競合しないようにスケジューリングを行うために用いる情報を記憶する。
【0033】
図3は、
図2のサプライチェーンモデル記憶部に格納されているモデル名テーブルの一例を示す図である。
図3において、モデル名テーブル140は、モデルID141と、モデル名142とが対応付けられたレコードを備える。
【0034】
モデルID141は、複数のサプライチェーンモデルのそれぞれを一意に特定する識別子である。モデル名142は、モデルID141に対して、ユーザがクライアント104を介して入力するサプライチェーンモデル名(例えば、顧客Aの商品P)である。
【0035】
図4は、
図2のサプライチェーンモデル記憶部に格納されている部門間取引条件パラメータテーブルの一例を示す図である。
図4において、部門間取引条件パラメータテーブル150は、モデルID151と、To部門152と、From部門153と、品目154と、単価155と、輸送リードタイム156と、売掛リードタイム157とが対応付けられたレコードを備える。
【0036】
モデルID151は、
図3のモデル名テーブル140における同名の項目と同様の情報である。To部門152は、物の受取元を特定する情報である。To部門152は、例えば、市場(米国市場など)や販社(米国販社など)などである。From部門153は、物の出荷元を特定する情報である。From部門153は、例えば、販社(米国販社など)や工場(日本工場)などである。品目154は、出荷や受け取りを行う物(製品)を特定する情報(例えば、製品名や製品コード)である。単価155は、品目154で特定される物を取り引きする際の1単位あたりの価格を特定する情報である。輸送リードタイム156は、品目154で特定される物を取り引きする際の輸送にかかる期間を特定する情報である。売掛リードタイム157は、To部門152の受取元により品目154で特定される物が受け取られた時点から、From部門153の出荷元に代金が支払われるまでの期間を特定する情報である。
【0037】
図5は、
図2のサプライチェーンモデル記憶部に格納されている生産条件パラメータテーブルの一例を示す図である。
図5において、生産条件パラメータテーブル160は、モデルID161と、部門162と、品目163と、生産リードタイム164と、生産単価165とが対応付けられたレコードを備える。
【0038】
モデルID161は、
図3のモデル名テーブル140における同名の項目と同様の情報である。部門162は、モデルID161および品目163で特定される物を生産する部門を特定する情報(例えば、部門名など)である。品目163は、生産される品目を特定する情報である。生産リードタイム164は、モデルID161および品目163で特定される物の生産にかかる期間を特定する情報である。生産単価165は、モデルID161および品目163で特定される物を1単位生産するためにかかる直材費以外の費用を特定する情報である。
【0039】
図6は、
図2のサプライチェーンモデル記憶部に格納されている計画または指示業務パラメータテーブルの一例を示す図である。
図6において、計画または指示業務パラメータテーブル170は、モデルID171と、部門172と、計画または指示173と、更新サイクル174と、更新曜日または日175と、更新時刻176と、時刻基準177と、更新所要時間178と、更新方法179とが対応付けられたレコードを備える。
【0040】
モデルID171は、
図3のモデル名テーブル140における同名の項目と同様の情報である。部門172は、計画または指示を作成する部門を特定する情報(例えば、部門名)である。計画または指示173は、作成される計画または指示の種類を特定する情報である。計画または指示173は、例えば、注文、販売計画、調達計画、出庫指示、供給計画、生産計画および生産指示などである。更新サイクル174は、計画または指示が更新される周期を特定する情報である。更新サイクル174は、例えば、随時、日次、週次、月次、旬次および四半期毎などである。更新曜日または日175は、計画または指示を更新する曜日若しくは日付を特定する情報である。更新曜日または日175は、例えば、月、火、第1月(月の第1週目の月曜日を示す)、第1金(月の第1週目の金曜日を示す)などである。更新時刻176は、計画または指示の更新完了時刻を特定する情報である。時刻基準177は、更新時刻の時刻基準を特定する情報である。時刻基準177は、例えば、PST(PACIFIC-Standard-Time:太平洋沿岸標準時間)やJST(Japan-Standard-Time:日本標準時間)などである。更新所要時間178は、計画または指示の更新にかかる所要時間を特定する情報である。更新方法179は、計画または指示の更新方法を特定する情報(例えば、更新ロジック名)である。更新方法179は、例えば、ロジックL01、L02などで示すことができる。ロジックL01、L02などは、更新サイクル174や更新曜日または日175などの更新方法を特定することができる。
【0041】
なお、
図4の部門間取引条件パラメータテーブル150と、
図5の生産条件パラメータテーブル160と、
図6の計画または指示業務パラメータテーブル170は、
図12の充足導出業務組合せテーブル230の生成に用いられる。
【0042】
図7は、
図2の業務制約記憶部に格納されている更新タイミング制約テーブルの一例を示す図である。
図7において、更新タイミング制約テーブル180は、モデルID181と、部門182と、計画または指示183と、サイクル制約184と、曜日または日制約185と、時刻制約186と、時刻基準187と、更新所要時間制約188とが対応付けられたレコードを備える。
【0043】
モデルID181と、部門182と、計画または指示183と、時刻基準187とは、
図6の計画または指示業務パラメータテーブル170における同名の項目と同様の情報である。サイクル制約184は、計画または指示の更新サイクルの制約を特定する情報である。例えば、レコード189のサイクル制約184は「週次」である。これは、米国販社における調達計画の更新サイクルを、「週次」よりも長い「月次」、「旬次」および「四半期毎」とすることは可能であるが、「週次」よりもサイクルの短い「日次」とすることはできないことを示している。
【0044】
曜日または日制約185は、計画または指示を更新する曜日の制約を特定する情報である。例えば、レコード189の曜日または日制約185は「月、水、金」である。これは、米国販社における調達計画について、月曜日、水曜日または金曜日のいずれかの曜日でのみ計画および指示を更新可能であることを示している。
【0045】
時刻制約186は、計画または指示を更新する時刻の制約を特定する情報である。例えば、レコード189の場合、米国販社における調達計画について、09:00から17:00の間でのみ計画または指示を更新可能であることを示している。
【0046】
更新所要時間制約188は、計画または指示を更新する所要時間の制約を特定する情報である。例えば、レコード189の場合、米国販社における調達計画について、計画または指示の更新にかかる所要時間を5hr未満とすることはできないことを示している。
【0047】
そして、レコード189に登録されている制約内容に基づいて、サプライチェーンの業務組合せを生成するものとする。レコード189には、部門182に「米国販社」が登録され、その計画または指示183には「調達計画」が登録されている。また、サイクル制約184には「週次」が登録されている。この場合、
図6の米国販社の調達計画の更新サイクル174は、週次よりも頻度が低い「週次」、「月次」、「旬次」および「四半期毎」が業務組合せの選択パターンになる。曜日または日制約185は、「月、水、金」が登録されているため、「月」、「水」および「金」が業務組合せの選択パターンになる。
【0048】
このようなサイクル制約184および曜日または日制約185のみでサプライチェーンの業務組合せを生成する場合を例に説明すると、業務組合せには、更新サイクル174が週次につき、更新曜日または日175は月曜日、水曜日および金曜日の3つの選択パターンが存在する。また、更新サイクル174が月次につき、更新曜日または日175は、第1月曜日から第4月曜日までの4つの選択パターンと、第1水曜日から第4水曜日までの4つの選択パターンと、第1金曜日から第4金曜日までの4つの選択パターンとの計12個の選択パターンが存在する。また、更新サイクル175が旬次および四半期毎についても同様に、各々複数の選択パターンが存在する。
【0049】
以上、サイクル制約184および曜日または日制約185のみを用いた業務組合せの選択パターンについて説明したが、制約充足最適業務組合せ生成部126は、それらに加えて、更新時刻176や更新所要時間178も含めてレコード189の制約を満たす米国販社の調達計画における選択パターンを特定することができる。また、制約充足最適業務組合せ生成部126は、各部門の各計画または指示ごとに更新タイミング制約テーブル180および
図8の更新方法制約テーブル190に登録されている制約を満たす業務組合せの選択パターンを同様の方法により特定し、特定した選択パターンの全通りの組合せをサプライチェーンの業務組合せとして生成して、
図12の充足導出業務組合せテーブル230に登録する。なお、更新タイミング制約テーブル180および更新方法制約テーブル190に登録されていない計画または指示173については、制約充足最適業務組合せ生成部126は、取り得る全ての選択パターンをかかる計画または指示183、193の選択パターンとして特定する。
【0050】
なお、制約充足最適業務組合せ生成部126は、生成する業務組合せの数を軽減するために様々な生成方法を採用してもよい。例えば、更新タイミング制約テーブル180のサイクル制約184に「週次」が登録されている場合、制約充足最適業務組合せ生成部126は、更新サイクルとして「週次」のみを選択パターンとし、それより頻度の低い「月次」や「旬次」などを選択パターンに含めないようにすることができる。また、更新タイミング制約テーブル180および更新方法制約テーブル190に登録されていない部門172の計画または指示173について、制約充足最適業務組合せ生成部126は、取り得る全ての選択パターンを特定するのではなく、計画または指示業務パラメータテーブル170に登録されている内容に固定してサプライチェーンの業務組合せを生成するようにしてもよい。
【0051】
図8は、
図2の業務制約記憶部に格納されている更新方法制約テーブルの一例を示す図である。
図8において、更新方法制約テーブル190は、モデルID191と、部門192と、計画または指示193と、更新ロジック制約194とが対応付けられたレコードを備える。
【0052】
モデルID191と、部門192と、計画または指示193とは、
図6の計画または指示業務パラメータテーブル170における同名の項目と同様の情報である。更新ロジック制約194は、計画または指示を更新する際に採用可能な所定の更新ロジックを特定する情報である。
【0053】
図9は、
図2の業務制約記憶部に格納されている制約変更テーブルの一例を示す図である。
図9において、制約変更テーブル200は、制約201と、変更容易性202とが対応付けられたレコードを備える。
【0054】
制約201は、
図6の計画または指示業務パラメータテーブル170に格納されている項目において、サイクル制約と、曜日または日制約と、時刻制約と、更新所要時間制約と、更新ロジック制約とを格納している。変更容易性202は、前述の5つの制約に対する変更容易性の順位を示す情報である。
【0055】
なお、
図7の更新タイミング制約テーブル180と、
図8の更新方法制約テーブル190とは、
図12の充足導出業務組合せテーブル230の生成に用いられる。
図9の制約変更テーブル200は、
図13の緩和導出業務組合せテーブル250の生成に用いられる。
【0056】
図10は、
図2の更新契機記憶部に格納されている優先テーブルの一例を示す図である。
図10において、優先テーブル210は、モデルID211と、優先順位212とが対応付けられたレコードを備える。
【0057】
モデルID211は、
図3のモデル名テーブル140における同名の項目と同様の情報である。優先順位212は、複数のサプライチェーンモデルのそれぞれに対して、最適業務組合せを導出する優先順位を示す情報である。
【0058】
図11は、
図2の更新契機記憶部に格納されている提案タイミングテーブルの一例を示す図である。
図11において、提案タイミングテーブル220は、モデルID221と、次回提案タイミング222と、提案周期223と、繰り返し回数224とが対応付けられたレコードを備える。
【0059】
モデルID221は、
図3のモデル名テーブル140における同名の項目と同様の情報である。次回提案タイミング222は、次に制約が緩和された業務組合せを提案するタイミングの日時を保持する情報である。提案周期223は、制約が緩和された業務組合せを提案する周期を保持し、クライアント4が入力する情報(例えば、1回限り、または、隔週、または、隔日)である。繰り返し回数224は、制約が緩和された業務組合せを提案周期223で提案するタイミングを繰り返す回数を保持する情報である。
【0060】
なお、
図10の優先テーブル210と、
図11の提案タイミングテーブル220は、
図15のスケジューリングテーブル280の生成に用いられる。
【0061】
図12は、
図2の業務組合せ記憶部に格納されている充足導出業務組合せテーブルの一例を示す図である。
図12において、充足導出業務組合せテーブル230は、モデルID231と、組合せID232と、部門233と、計画または指示234と、更新サイクル235と、更新曜日または日236と、更新時刻237と、時刻基準238と、更新所要時間239と、更新方法240と、評価指標値241とが対応付けられたレコードを備える。
【0062】
モデルID231と、部門233と、計画または指示234と、更新サイクル235と、更新曜日または日236と、更新時刻237と、時刻基準238と、更新所要時間239と、更新方法240とは、
図6の計画または指示業務パラメータテーブル170における同名の項目と同様の情報である。組合せID232は、ある1つのサプライチェーンモデルのサプライチェーンを構成する各部門が有する各計画または指示の更新タイミングおよび方法の組合せのうち、1つの組合せを一意に識別する情報である。評価指標値241は、前述の1つの組合せごとに算出する評価指標を表す情報である。
【0063】
評価指標値は、例えば、サプライチェーン全体の物流や金流など、所定の評価指標基準に基づいて、所定の方法により計算する。例えば、特開2002-145421号公報に記載される離散シミュレーション技術を用いたサプライチェーンのシミュレーションにより評価指標値を計算することができる。
【0064】
図12では、モデルIDが01のモデルについて、各部門が有する各計画または指示の更新タイミングおよび方法の1つの組合せの組合せID232が340に設定された時に、この組合せの評価指標値241が460M¥と計算された例を示した。
【0065】
図13は、
図2の業務組合せ記憶部に格納されている緩和導出業務組合せテーブルの一例を示す図である。
図13において、緩和導出業務組合せテーブル250は、モデルID251と、組合せID252と、部門253と、計画または指示254と、更新サイクル255と、更新曜日または日256と、更新時刻257と、時刻基準258と、更新所要時間259と、更新方法260と、評価指標値261と、緩和効果値262と、導出終了フラグ263とが対応付けられたレコードを備える。
【0066】
モデルID251と、組合せID252と、部門253と、計画または指示254と、更新サイクル255と、更新曜日または日256と、更新時刻257と、時刻基準258と、更新所要時間259と、更新方法260とは、
図12の充足導出業務組合せテーブル230における同名の項目と同様の情報である。評価指標値261は、制約緩和後の1つの組合せごとの評価指標値である。緩和効果値262は、制約緩和後の1つの組合せごとの緩和効果を表す情報である。緩和効果値262は、制約緩和後の業務組合せの評価指標値261から、制約を1つも緩和せずに行った制約充足最適業務組合せの最も結果の良かった評価指標値241を引いた値である。導出終了フラグ263は、1つの組合せごとに制約緩和後の制約充足最適業務組合せを導出完了しているか(T)、まだ導出完了していないか(F)を識別する情報である。
【0067】
例えば、
図12の充足導出業務組合せテーブル230の組合せID232が340の組合せの「日本工場」の「生産計画」の更新サイクル235の週次が月次に緩和され、この緩和に伴って更新曜日または日236の木が第1木に変更されたものとする。この時、
図13の緩和導出業務組合せテーブル250では、組合せID252が440に設定され、「日本工場」の「生産計画」の更新サイクル255が月次に設定され、更新曜日または日256が第1木に設定される。制約緩和後の評価指標値261が400M¥と計算されたものとすると、緩和効果値262は-60M¥と計算される。また、導出終了フラグ263はTに設定される。
【0068】
図14は、
図2の導出時間記憶部に格納されている導出時間テーブルの一例を示す図である。
図14において、導出時間テーブル270は、モデルID271と、充足導出時間272と、推定緩和導出時間273とが対応付けられたレコードを備える。
【0069】
モデルID271は、
図3のモデル名テーブル140における同名の項目と同様の情報である。充足導出時間272は、1つのサプライチェーンモデルの制約充足最適業務組合せを導出するまでにかかる時間を示す情報である。充足導出時間272は、実際に制約充足最適業務組合せを導出するまでにかかった時間に限らず、サプライチェーンモデル構成から推定した制約充足最適業務組合せの導出時間であってもよい。推定緩和導出時間273は、1つのサプライチェーンモデルの制約緩和最適業務組合せを導出するまでにかかる推定時間を示す情報である。
【0070】
図15は、
図2のスケジューリング記憶部に格納されているスケジューリングテーブルの一例を示す図である。
図15において、スケジューリングテーブル280は、スケジュール番号281と、モデルID282と、提案タイミング283とが対応付けられたレコードを備える。
【0071】
モデルID282と、提案タイミング283とは、提案タイミングテーブル220における同名の項目と同様の情報である。スケジュール番号281は、スケジューリングテーブル280を生成する際に上位レコードから順に番号付けし、モデルID282と提案タイミング283の組合せを識別する情報である。
【0072】
例えば、
図10の優先テーブル210および
図11の提案タイミングテーブル220が設定されている場合、優先順位の最も高いモデルID=03の次回提案タイミング「2017/12/02 10:00:00」をスケジューリングテーブル280に登録する。モデルID=03の繰り返し回数は「1」のため、次に優先順位の高いモデルID=01について同様に行う。その次に優先順位の高いモデルID=02は、繰り返し回数が「2」、提案周期が「隔週」である。このため、次回提案タイミング「2017/12/04 0:00:00」と、一週間後の「2017/12/11 0:00:00」をスケジューリングテーブル1215に登録する。同様にして、優先順位に従ってモデルごとに提案タイミング283をスケジューリングテーブル280に追加する。
【0073】
なお、
図14の導出時間テーブル270と、
図15のスケジューリングテーブル280は、
図16の実行タイミングテーブル290の生成に用いられる。
【0074】
図16は、
図2のスケジューリング記憶部に格納されている実行タイミングテーブルの一例を示す図である。
図16において、実行タイミングテーブル290は、モデルID291と、導出開始日時292と、導出終了日時293と、実行フラグ294と、導出済み割合295とが対応付けられたレコードを備える。
【0075】
モデルID291は、
図3のモデル名テーブル140における同名の項目と同様の情報である。導出開始日時292は、制約緩和最適業務組合せ導出を開始する日時を示す情報である。また、制約充足最適業務組合せをスケジューリングする際は、制約充足最適業務組合せ導出を開始する日時であってもよい。導出終了日時293は、制約緩和最適業務組合せ導出を終了する日時を示す情報である。また、制約充足最適業務組合せをスケジューリングする際は、制約充足最適業務組合せ導出を終了する日時であってもよい。実行フラグ294は、最適業務組合せ導出中(T)か、最適業務組合せ導出中ではない(F)かを識別する情報である。導出済み割合295は、
図12の充足導出業務組合せテーブル230と、
図13の緩和導出業務組合せテーブル250の対象のモデルIDにおける全通りの業務組合せに対して、導出完了している業務組合せの割合を示す情報である。
【0076】
ここで、導出開始日時292および導出終了日時293をモデルID291ごとに設定する場合、各モデルID291の優先順位に従って、各モデルID291の提案タイミング283以前の空き時間を、
図14の推定緩和導出時間273分だけ取得する。そして、モデルID291ごとに取得された空き時間に導出開始日時292および導出終了日時293を設定する。モデルID291ごとに取得された空き時間は、連続的であってもよいし、断続的であってもよい。なお、空き時間とは、現在日時より後で決定済みの全てのモデルの導出開始日時から導出終了日時までに当てはまらない時間を言う。
【0077】
例えば、実行タイミングテーブル290が空の状態の時に、
図15のスケジューリングテーブル280のレコード284に対する空き時間を取得するものとする。実行タイミングテーブル290が空の状態では、現在日時より後の全ての時間が空き時間となる。このため、スケジューリングテーブル280のレコード284に対する空き時間の開始時間は、「現在日時」、空き時間の終了時間は、レコード284の提案タイミングと一致する「2017/12/02 10:00:00」となる。ただし、現在日時を「2017/12/01 00:00:00」とした。
【0078】
また、スケジューリングテーブル280のレコード284に対する残導出時間は、
図14のモデルIDが03の推定緩和時間273と一致する「15時間」となる。このため、空き時間の終了時間から残導出時間分を減算した結果である「2017/12/01 19:00:00」を導出開始日時292、空き時間の終了時間「2017/12/02 10:00:00」を導出終了日時293としたレコード296を、実行タイミングテーブル290に追加する。この時、レコード296では、導出開始日時292から導出終了日時293までに推定緩和時間273と一致する「15時間」が確保されているので、導出済み割合295は100%となる。
【0079】
また、スケジューリングテーブル280のレコード285では、導出終了日時293は、
図15のモデルIDが01の提案タイミング283である「2017/12/01 09:00:00」となる。一方、導出開始日時292は、
図14のモデルIDが01の推定緩和導出時間273である20時間だけ遡った「2017/11/30 13:00:00」とすべきであるが、現在日時が「2017/12/01 00:00:00」である。このため、スケジューリングテーブル280のレコード285では、導出開始日時292が現在日時である「2017/12/01 00:00:00」となり、導出終了日時293から9時間しか遡ることができない。従って、スケジューリングテーブル280のレコード285に対しては、導出済み割合295が9/20=45%であるレコード297が実行タイミングテーブル290に追加される。
【0080】
また、
図16の実行タイミングテーブル290にレコード296~298が登録されている状態で、
図15のスケジューリングテーブル280のレコード286の空き時間を取得するものとする。スケジューリングテーブル280のレコード286の提案タイミング「2017/12/01 08:00:00」は、実行タイミングテーブル290のレコード297の導出開始日時292から導出終了日時293までに含まれている。このため、レコード286の空き時間の開始時間は「現在日時」、空き時間の終了時間はレコード297の導出開始日時「2017/12/01 00:00:00」となる。ただし、レコード286の空き時間の終了時間が現在日時と一致しているため、空き時間は「なし」となる。従って、スケジューリングテーブル280のレコード286に対しては、実行タイミングテーブル290のレコードは登録されない。
【0081】
図17は、サプライチェーンモデル登録処理の一例を示すフローチャートである。
図17において、
図2のサプライチェーンモデル登録部123は、入力受付部121がクライアント104から実行指示を受け付けると、処理を開始する。サプライチェーンモデル登録部123は、処理を開始すると、出力処理部122を介して、所定の情報の入力画面である
図18のサプライチェーンモデル登録画面400を表示させる。
【0082】
図18は、サプライチェーンモデル登録画面の一例を示す図である。
図18において、サプライチェーンモデル登録画面400には、モデル名設定領域401と、品目およびBOM指定領域402と、物流および金流設定領域403と、生産情報設定領域404と、業務設定領域405と、登録ボタン406と、サプライチェーン407の構成が表示されている。
【0083】
モデル名設定領域401には、自由記述入力を受け付けたモデル名が表示される。品目およびBOM指定領域402には、選択入力を受け付けた親品目および子品目の品目名が表示される。物流および金流設定領域403は、選択入力を受け付けた品目に対する、受取元と、出荷元と、単価と、輸送リードタイムと、売掛リードタイムとの選択入力を受け付ける。生産情報設定領域404は、選択入力を受け付けた品目に対する、生産部門と、生産リードタイムと、生産単価との選択入力を受け付ける。業務設定領域405は、選択入力を受け付けた部門に対する、計画または指示と、更新サイクルと、更新曜日または日と、更新時刻と、時刻基準と、更新所要時間と、更新方法との選択入力を受け付ける。登録ボタン406は、サプライチェーンモデル登録画面400を介して受け付けた情報を登録する。
【0084】
サプライチェーン407は、例えば、米国市場(消費者)が、米国販社へ製品を注文し、製品の購入が完了すると、米国販社に代金を支払う。米国販社は、販売計画を立案し、販売計画を基に調達計画を立案する。また、米国販社は、調達計画を基に日本工場へ製品を注文し、日本工場から製品が輸送されると、保管庫に入庫し、日本工場に代金を支払う。また、米国販社は、米国市場からの注文と販売計画を基に出荷指示を作成し、出荷指示を基に製品を保管庫から米国市場へ出庫し、米国市場から代金を受け取る。
【0085】
日本工場は、米国販社の調達計画を基に供給計画を立案し、供給計画を基に生産計画を立案し、生産計画を基に調達計画を立案する。また、日本工場は、調達計画を基に部品を注文し、部品が輸送されると、部品保管庫に入庫し、供給元に代金を支払う。また、日本工場は、生産計画を基に生産指示を作成し、生産指示を基に部品を部品保管庫から出庫し、製品を生産し、完成した製品を製品保管庫に入庫する。また、日本工場は、供給計画と米国販社からの注文を基に出庫指示を作成し、出庫指示を基に製品を製品保管庫から米国販社へ出庫し、米国販社から代金を受け取る。
【0086】
図17において、
図1のサプライチェーンモデル登録部123は、サプライチェーンモデル登録画面400を表示させると、サプライチェーンモデル名の登録を行う(S1)。具体的には、サプライチェーンモデル登録部123は、入力受付部121を介して入力欄への入力情報(サプライチェーンモデル名の情報)を取得し、
図3のモデル名テーブル140のモデル名142に登録する。この時、サプライチェーンモデル登録部123は、出力処理部122を介して出力装置にサプライチェーンモデル登録画面400を表示し、入力受付部121を介してサプライチェーンモデル登録画面400のモデル名設定領域401に自由記述入力可能に表示し、ユーザによる自由記述入力を受け付ける。
【0087】
次に、サプライチェーンモデル登録部123は、サプライチェーンを構成する部門の設定を行う(S2)。具体的には、サプライチェーンモデル登録部123は、入力受付部121を介して入力欄への入力情報(サプライチェーン構成部門を特定する情報)を取得し、サプライチェーンを構成する部門の設定を行う。
【0088】
例えば、
図18に示すサプライチェーン407の場合、サプライチェーンモデル登録部123は、入力情報として、米国市場と、米国販社と、日本工場とをサプライチェーン構成部門を特定する情報として取得すると、これらの情報を
図6の計画または指示業務パラメータテーブル170の部門172に登録する。また、サプライチェーンモデル登録部123は、「市場」、「販社」および「工場」という部門172のタイプ別にテンプレート化され、予め格納されている計画または指示一覧情報から対応する計画または指示を抽出し、それらの情報を各部門172に対応付けて計画または指示業務パラメータテーブル170の計画または指示173に登録する。なお、計画または指示一覧情報は、例えば、「販社」という部門タイプに「販売計画」、「調達計画」、「出庫指示」および「注文」という計画または指示が対応付けられているものとする。
【0089】
次に、サプライチェーンモデル登録部123は、品目およびBOM(Bills Of Materials)の設定を行う(S3)。具体的には、サプライチェーンモデル登録部123は、入力受付部121を介して入力欄に入力された品目およびBOMに関する情報を取得し、この情報を
図4の部門間取引条件パラメータテーブル150の品目154に登録する。この時、サプライチェーンモデル登録部123は、
図18のサプライチェーンモデル登録画面400の品目およびBOM指定領域402に品目およびBOMに関する情報を選択可能に表示し、ユーザによる選択入力を受け付ける。
【0090】
次に、サプライチェーンモデル登録部123は、物流および金流の設定を行う(S4)。具体的には、サプライチェーンモデル登録部123は、入力受付部121を介して入力欄に入力された品目の受取元および出荷元に関する情報を取得し、各々、部門間取引条件パラメータテーブル150のTo部門152およびFrom部門153に登録する。また、サプライチェーンモデル登録部123は、入力受付部121を介して入力欄に入力された品目の単価と、輸送リードタイムと、売掛リードタイムとを取得し、各々、部門間取引条件パラメータテーブル150における同名の項目欄に登録する。この時、サプライチェーンモデル登録部123は、サプライチェーンモデル登録画面400の物流および金流設定領域403に品目ごとに選択可能に表示して、ユーザによる選択入力を受け付ける。
【0091】
また、サプライチェーンモデル登録部123は、出力処理部122を介して所定の情報の入力画面であるサプライチェーンモデル登録画面400を表示させ、入力受付部121を介して、ステップS3で取得した品目の生産を行う部門と、生産リードタイムと、生産単価とに関する情報を取得する。また、サプライチェーンモデル登録部123は、取得した情報を各々、
図5の生産条件パラメータテーブル160における同名の項目欄に登録する。この時、サプライチェーンモデル登録部123は、サプライチェーンモデル登録画面400の生産情報設定領域404に品目ごとに選択可能に表示して、ユーザによる選択入力を受け付ける。
【0092】
次に、サプライチェーンモデル登録部123は、サプライチェーン業務の設定を行う(S5)。具体的には、サプライチェーンモデル登録部123は、入力受付部121を介して入力欄に入力された部門および計画または指示に応じた更新サイクルと、更新曜日または日と、更新時刻と、時刻基準と、更新所要時間と、更新方法とに関する情報を取得し、各々、
図6の計画または指示業務パラメータテーブル170における同名の項目欄に登録する。この時、サプライチェーンモデル登録部123は、サプライチェーンモデル登録画面400の業務設定領域405に部門ごとに選択可能に表示して、ユーザによる選択入力を受け付ける。
【0093】
なお、部門の立地を特定する情報がサプライチェーン業務プロセス最適化装置101のメモリ112に予め格納されている場合、サプライチェーンモデル登録部123は、かかる情報から時刻基準を特定し、登録を行ってもよい。また、予め計画または指示と更新方法とが対応付けられたテンプレートが存在する場合、サプライチェーンモデル登録部123は、かかるテンプレートを用いて、特定した計画または指示に対応する更新方法を登録するようにしてもよい。また、サプライチェーンモデル登録部123は、例えば、品目やBOM情報を工場業務PC102からネットワークを介して取得し、登録を行うようにしてもよい。
【0094】
そして、サプライチェーンモデル登録画面400の登録ボタン406が押下されると、サプライチェーンモデル登録部123は、自由入力されたモデル名と、モデル名を一意に特定するモデルIDを採番し、これらの情報を
図3のモデル名テーブル140における同名の項目欄に登録する。また、サプライチェーンモデル登録部123は、採番したモデルIDを最低優先順位として、
図10の優先テーブル210のモデルID211と、優先順位212に格納する。さらに、サプライチェーンモデル登録部123は、採番したモデルIDと、選択入力されたTo部門と、From部門と、品目と、単価と、輸送リードタイムと、売掛リードタイムと、生産リードタイムと、生産単価と、更新サイクルと、更新曜日または日と、更新時刻と、時刻基準と、更新所要時間と、更新方法とを、
図4の部門間取引条件パラメータテーブル150と、
図5の生産条件パラメータテーブル160と、
図6の計画または指示業務パラメータテーブル170における同名の項目欄に登録する。
【0095】
ステップS5の処理が終了すると、サプライチェーンモデル登録部123は、サプライチェーンモデル登録処理を終了する。
【0096】
図19は、業務制約登録処理の一例を示すフローチャートである。
図19において、
図2の業務制約登録部124は、入力受付部121がクライアント104から実行指示を受け付けると、処理を開始する。業務制約登録部124は、処理を開始すると、出力処理部122を介して、所定の情報の入力画面である
図20の業務制約登録画面410を表示させる。
【0097】
図20は、業務制約登録画面の一例を示す図である。
図20において、業務制約登録画面410には、モデル領域411と、計画または指示指定領域412と、更新タイミング制約設定領域413と、更新方法制約設定領域414と、変更容易性設定領域415と、登録ボタン416とが表示されている。
【0098】
モデル領域411には、
図3のモデル名テーブル140に登録されているモデル名が選択可能に表示される。計画または指示指定領域412には、
図6の計画または指示業務パラメータテーブル170に登録されている部門172および計画または指示173が選択可能に表示される。更新タイミング制約設定領域413は、サイクル制約と、曜日または日制約と、時刻制約と、時間基準と、更新所要時間制約との選択入力を受け付ける。更新方法制約設定領域414は、更新ロジックの選択入力を受け付ける。変更容易性設定領域415は、「サイクル制約」、「曜日または日制約」、「時刻制約」、「更新所要時間制約」および「更新ロジック制約」のそれぞれの優先順位の選択入力を受け付ける。
【0099】
図19において、業務制約登録部124は、業務制約登録画面410を表示させると、業務制約を登録するサプライチェーンモデルの選択入力を受け付ける(S11)。具体的には、業務制約登録部124は、入力受付部121を介して入力欄に入力されたモデル名に関する情報を取得する。この時、業務制約登録部124は、
図6の計画または指示業務パラメータテーブル170に登録されているモデルID171に対応するモデル名を、
図3のモデル名テーブル140のモデル名142より取得し、業務制約登録画面410のモデル領域411に選択可能に表示し、ユーザによる選択入力を受け付ける。
【0100】
次に、業務制約登録部124は、業務制約を登録するサプライチェーンの構成部門および計画または指示の選択入力を受け付ける(S12、S13)。具体的には、業務制約登録部124は、入力受付部121を介して入力欄に入力されたサプライチェーンの構成部門と、計画または指示とに関する情報を取得する。この時、業務制約登録部124は、
図6の計画または指示業務パラメータテーブル170に登録されている部門172および計画または指示173を業務制約登録画面410の計画または指示指定領域412に選択可能に表示し、ユーザによる選択入力を受け付ける。
【0101】
次に、業務制約登録部124は、業務制約の登録を行う(S14)。この時、業務制約登録部124は、サイクル制約と、曜日または日制約と、時刻制約と、時間基準と、更新所要時間制約とを業務制約登録画面410の更新タイミング制約設定領域413に選択可能に表示し、更新ロジックを更新方法制約設定領域414に表示し、ユーザによる選択入力を受け付ける。
【0102】
次に、業務制約登録部124は、変更容易性の登録を行う(S15)。具体的には、業務制約登録部124は、変更可能な業務制約として、「サイクル制約」、「曜日または日制約」、「時刻制約」、「更新所要時間制約」および「更新ロジック制約」を対象とし、入力受付部121を介して入力欄に入力された業務制約の変更容易性に関する情報を取得し、
図9の制約変更テーブル200の変更容易性202に登録する。この時、業務制約登録部124は、これらの優先順位を業務制約登録画面410の変更容易性設定領域415に選択可能に表示して、ユーザによる選択入力を受け付ける。
【0103】
そして、業務制約登録画面410の登録ボタン416が押下されると、業務制約登録部124は、選択入力を受け付けたモデル名からサプライチェーンモデル記憶部130のモデル名テーブル140のモデルIDを取得し、モデルIDと、さらに、選択入力を受け付けた部門および計画または指示と、サイクル制約と、曜日または日制約と、時刻制約と、時間基準と、更新所要時間制約と、更新ロジックとを取得し、それらの情報を
図7の更新タイミング制約テーブル180および
図8の更新方法制約テーブル190の対応する項目欄に格納する。また、業務制約登録部124は、選択入力を受け付けた変更容易性を
図9の制約変更テーブル200における同名の項目欄に登録する。
【0104】
次に、業務制約登録部124は、他に制約を登録すべき計画または指示があるか否かを判定する(S16)。例えば、業務制約登録部124は、出力処理部122を介して、制約の登録を引き続き継続して行うか否かの指示を受け付ける指示ボタンを含むダイアログを表示させ、入力受付部121を介してクライアント104から取得したユーザの応答指示に基づき判定する。
【0105】
そして、入力受付部121を介して、制約の登録を継続して行うことを指示する指示ボタンの押下を受け付けると(S16のYES)、業務制約登録部124は、ステップS11に戻る。一方、制約の登録を継続して行わないことを指示する指示ボタンの押下を受け付けると(S16のNO)、業務制約登録部124は、業務制約登録処理を終了する。
【0106】
図21は、更新契機変更処理の一例を示すフローチャートである。
図21において、
図2の更新契機変更部125は、入力受付部121がクライアント104から実行指示を受け付けると、処理を開始する。更新契機変更部125は、処理を開始すると、出力処理部122を介して、所定の情報の入力画面である
図22の更新契機変更画面420を表示させる。
【0107】
図22は、更新契機変更画面の一例を示す図である。
図22において、更新契機変更画面420には、モデル領域421と、優先順位設定領域422と、緩和提案タイミング設定領域423と、登録ボタン424とが表示されている。
【0108】
モデル領域421には、モデル名テーブル140に登録されているモデル名が選択可能に表示される。優先順位設定領域422には、
図10の優先テーブル210に登録されている優先順位212が表示され、優先順位の選択入力を受け付ける。また、緩和提案タイミング設定領域423は、
図11の提案タイミングテーブル220に登録される提案周期223、繰り返し回数224および次回提案タイミング222のユーザ入力を受け付ける。
【0109】
図21において、更新契機変更部125は、更新契機変更画面420を表示させると、更新契機を変更するサプライチェーンモデルがあるか否かを判定する(S21)。例えば、更新契機変更部125は、出力処理部122を介して、更新契機を変更するサプライチェーンモデルがあるか否かの指示を受け付ける指示ボタンを含むダイアログを表示させ、入力受付部121を介してクライアント104から取得したユーザの応答指示に基づき判定する。
【0110】
そして、入力受付部121を介して、更新契機を変更するサプライチェーンモデルがないことを指示する指示ボタンの押下を受け付けると(S21のNO)、更新契機変更部125は、更新契機変更処理を終了する。一方、更新契機を変更するサプライチェーンモデルがあることを指示する指示ボタンの押下を受け付けると(S21のYES)、更新契機変更部125は、ステップS22に進む。
【0111】
次に、更新契機変更部125は、更新契機変更を行うサプライチェーンモデルの選択入力を受け付ける(S22)。具体的には、更新契機変更部125は、
図6の計画または指示業務パラメータテーブル170に登録されているモデルID171に対応するモデル名を、
図3のモデル名テーブル140のモデル名142より取得し、更新契機変更画面420のモデル領域421に選択可能に表示し、ユーザによる選択入力を受け付ける。また、更新契機変更部125は、選択したモデルのサプライチェーン407の構成を更新契機変更画面420に表示させる。
【0112】
次に、更新契機変更部125は、更新契機を変更するサプライチェーン407の優先順位の選択入力を受け付ける(S23)。具体的には、更新契機変更部125は、
図10の優先テーブル210に登録されている優先順位212を更新契機変更画面420の優先順位設定領域422に選択可能に表示し、ユーザによる選択入力を受け付ける。また、更新契機変更部125は、更新契機を変更する前のサプライチェーンの優先順位を更新契機変更画面420に表示させる。
【0113】
次に、更新契機変更部125は、更新契機を変更する提案タイミングの入力を受け付ける(S24)。具体的には、更新契機変更部125は、
図11の提案タイミングテーブル220に登録されている提案周期223、繰り返し回数224および次回提案タイミング222を更新契機変更画面420の緩和提案タイミング設定領域423に表示させ、ユーザによる入力変更を受け付ける。この時、提案タイミングの初回設定時には、緩和提案タイミング設定領域423を空欄で表示する。
【0114】
そして、更新契機変更画面420の登録ボタン424が押下されると、更新契機変更部125は、選択入力を受け付けたモデル名からサプライチェーンモデル記憶部130のモデル名テーブル140のモデルIDを取得し、モデルIDと、選択入力を受け付けた優先順位を
図10の優先テーブル210の優先順位212に登録し、選択入力を受け付けた提案周期と、繰り返し回数と、次回提案タイミングとを
図11の提案タイミングテーブル220の対応する項目欄に格納する。
【0115】
更新契機変更部125は、サプライチェーンモデル記憶部130に格納されているモデル名テーブル140と、更新契機記憶部132に格納されている優先テーブル210および提案タイミングテーブル220とに基づいて、提案タイミングテーブル220に格納されている提案周期223および繰り返し回数224を満たすように、優先順位に従ってモデルID282と、提案タイミング283とを、
図15のスケジューリングテーブル280の対応する項目欄に順に格納する。また、更新契機変更部125は、提案タイミング283ごとにスケジュール番号281を採番し、これをスケジューリングテーブル280の対応する項目欄に格納する。
【0116】
ステップS205の処理が終了すると、更新契機変更部125は、更新契機変更処理を終了する。
【0117】
図23は、制約充足最適業務組合せ生成処理の一例を示すフローチャートである。
図23において、
図2の制約充足最適業務組合せ生成部126は、サプライチェーンモデル登録部123、業務制約登録部124および更新契機変更部125の各々が所定情報を格納すると、処理を開始する。あるいは、制約充足最適業務組合せ生成部126は、サプライチェーンモデル記憶部130、業務制約記憶部131および更新契機記憶部132の各々に所定情報が格納された状態で、入力受付部121がクライアント104から実行指示を受け付けると、処理を開始してもよい。
【0118】
制約充足最適業務組合せ生成部126は、サプライチェーンの制約充足最適業務組合せを導出するまでにかかる時間である充足導出時間の計測を開始する(S31)。この時、制約充足最適業務組合せ生成部126は、制約充足最適業務組合せ生成処理の開始時点の日時をメモリ112上に記憶する。
【0119】
次に、制約充足最適業務組合せ生成部126は、サプライチェーンの業務組合せを生成する(S32)。具体的には、制約充足最適業務組合せ生成部126は、サプライチェーンモデル記憶部130に格納されている計画または指示業務パラメータテーブル170と、業務制約記憶部131に格納されている更新タイミング制約テーブル180および更新方法制約テーブル190を参照し、これらの制約テーブルに登録されている所定の制約を満たし、かつ、重複しないサプライチェーンの業務組合せを
図12の充足導出業務組合せテーブル230に格納する。また、制約充足最適業務組合せ生成部126は、業務組合せごとに組合せIDを採番し、充足導出業務組合せテーブル230の対応する項目欄に格納する。
【0120】
次に、制約充足最適業務組合せ生成部126は、充足導出業務組合せテーブル230に登録されている業務組合せの中から1つの業務組合せを抽出し(S33)、抽出した業務組合せの評価指標値241を計算する(S34)。例えば、制約充足最適業務組合せ生成部126は、サプライチェーン全体の物流や金流など、所定の評価指標基準に基づいて、所定の方法(例えば、特開2002-145421号公報に記載される離散シミュレーション技術を用いたサプライチェーンのシミュレーション)により、抽出した業務組合せの評価指標値241を計算する。また、制約充足最適業務組合せ生成部126は、算出した業務組合せの評価指標値241を充足導出業務組合せテーブル230の対応する項目欄に格納する。
【0121】
なお、評価指標値241の計算は、離散シミュレーション技術による方法に限定されることなく、例えば、業務プロセスパラメータと評価指標値との因果関係から作成した回帰式などを用いて計算してもよい。
【0122】
次に、制約充足最適業務組合せ生成部126は、充足導出業務組合せテーブル230に登録されている全ての業務組合せについて評価指標値を計算したか否かを判定し(S35)、評価指標値を計算していない業務組合せがある場合(S35のNO)、ステップS33に戻る。
【0123】
一方、全ての業務組合せについて評価指標値を計算した場合(S35のYES)、制約充足最適業務組合せ生成部126は、評価指標値の計算結果を出力する(S36)。具体的には、制約充足最適業務組合せ生成部126は、評価指標値の計算結果がより良い順にサプライチェーンの業務組合せをソートし、上位の業務組合せに関する情報を所定数(例えば、4つ)抽出する。なお、制約充足最適業務組合せ生成部126は、所定の閾値を超える評価指標値を計算結果の良い評価指標値として判定し、かかる閾値を超えた評価指標値の中から所定数(例えば、4つ)の業務組合せに関する情報を抽出するようにしてもよい。制約充足最適業務組合せ生成部126は、全ての業務組合せについて評価指標値を計算すると、出力処理部122を介して、抽出した業務組合せに関する情報を表示する。
【0124】
次に、制約充足最適業務組合せ生成部126は、ステップS31で計測開始したサプライチェーンの全ての制約充足最適業務組合せを導出するまでにかかる時間の計測を終了し(S37)、計測した時間から充足導出時間を求め、導出時間記憶部134に記憶する(S38)。この時、制約充足最適業務組合せ生成部126は、全ての業務組合せの生成時に計測した充足導出時間を、
図14の導出時間デーブル270の充足導出時間273に格納する。
【0125】
次に、制約充足最適業務組合せ生成部126は、サプライチェーンの制約充足最適業務組合せ導出時間を基に、制約緩和最適業務組合せの導出までにかかる推定時間である推定緩和導出時間を算出する(S39)。具体的には、制約充足最適業務組合せ生成部126は、ステップS38で取得した充足導出時間を用いて、推定緩和導出時間を算出する。例えば、制約緩和最適業務組合せ数は、制約充足最適業務組合せの制約数および計画または指示数に比例するため、充足導出時間に制約数を乗算し、さらに計画または指示数を乗算した値を推定緩和導出時間とする。さらに、制約充足最適業務組合せ生成部126は、算出した推定緩和導出時間を導出時間デーブル273の推定緩和導出時間273に格納する。
【0126】
ステップS39の処理が終了すると、制約充足最適業務組合せ生成部126は、制約充足最適業務組合せ生成処理を終了する。
【0127】
図24は、制約充足最適業務組合せ画面の一例を示す図である。
図24において、制約充足最適業務組合せ画面430には、モデル選択領域431と、最適業務組合せ表示領域432と、選択した業務組合せの詳細表示領域433とが表示される。
【0128】
モデル選択領域431には、選択入力を受け付けたモデル名が表示される。最適業務組合せ表示領域432には、評価指標値の計算結果が良い所定数(例えば、4つ)の業務組合せの順位と、組合せIDと、評価指標値とが表示される。選択した業務組合せの詳細表示領域433には、最適業務組合せ表示領域432に表示された組合せのうち、ユーザによって選択された組合せの詳細情報が表示される。
【0129】
制約充足最適業務組合せ生成部126は、最適業務組合せ表示領域432に表示させた業務組合せの中から特定の業務組合せがユーザによって選択されると、選択された業務組合せの組合せIDをキーとして、
図12の充足導出業務組合せテーブル230から詳細情報を抽出し、出力処理部122を介して詳細表示領域433に表示させる。
【0130】
例えば、最適業務組合せ表示領域432に表示された組合せのうち、組合せIDが340の組合せが選択されたものとする。組合せIDが340の組合せは、
図12の充足導出業務組合せテーブル230に登録されている組合せに対応しているものとすると、
図12の部門233と、計画または指示234と、更新サイクル235と、更新曜日または日236と、更新時刻237と、時刻基準238と、更新所要時間239と、更新方法240とが、詳細表示領域433に表示される。
図12の組合せID232と、評価指標値241とは、最適業務組合せ表示領域432に表示される。
【0131】
図25は、スケジューリング処理の一例を示すフローチャートである。
図25において、
図2のスケジューリング部127は、制約充足最適業務組合せ生成処理が終了すると、処理を開始する。
【0132】
スケジューリング部127は、制約緩和最適業務組合せの導出開始日時および導出終了日時を決定する対象モデルの提案タイミングを取得する(S41)。具体的には、スケジューリング部127は、スケジューリング記憶部135に格納されているスケジューリングテーブル280のスケジュール番号281の小さい順にモデルID282および提案タイミング283を取得する。
【0133】
次に、スケジューリング部127は、ステップS41で取得したモデルの制約緩和最適業務組合せを導出するまでにかかる時間を残導出時間に登録する(S42)。具体的には、スケジューリング部127は、ステップS41で取得したモデルの推定緩和導出時間を
図14の導出時間テーブル270より取得し、その推定緩和導出時間を残導出時間とする。
【0134】
次に、スケジューリング部127は、ステップS41で取得した提案タイミング以前に空き時間があるか否かを判定し(S43)、提案タイミング以前に空き時間がないと(S43のNO)、ステップS49に進む。
【0135】
提案タイミング以前に空き時間があると(S43のYES)、スケジューリング部127は、ステップS41で取得した提案タイミング以前で最も提案タイミングに近い空き時間を取得する(S44)。具体的には、スケジューリング部127は、
図16の実行タイミングテーブル290を参照し、ステップS41で取得した提案タイミングから遡り、提案タイミングに最も近い空き時間を取得する。この時、実行タイミングテーブル290には決定済みの導出開始日時292および導出終了日時293が格納されている。
【0136】
次に、スケジューリング部127は、ステップS44で取得した空き時間が残導出時間よりも大きいか否かを判定し(S45)、空き時間が残導出時間よりも小さいと(S45のNO)、空き時間全てを導出時間に割り当て、残導出時間から空き時間分を減算する(S46)。具体的には、スケジューリング部127は、残導出時間からステップS44で取得した空き時間を減算して残導出時間を更新する。
【0137】
次に、スケジューリング部127は、空き時間の開始日時および終了日時を、導出開始日時および導出終了日時として決定する(S47)。具体的には、スケジューリング部127は、ステップS44で取得した空き時間の開始時間および終了時間を、導出開始日時292および導出終了日時293として実行タイミングテーブル290にエントリを追加し、対応する項目欄に格納し、S43に戻る。
【0138】
一方、空き時間が残導出時間よりも大きいと(S45のYES)、スケジューリング部127は、提案タイミングの直近の空き時間を導出時間に割り当て、導出開始日時および導出終了日時として決定する(S48)。具体的には、スケジューリング部127は、空き時間の終了時間から残導出時間分を減算し、得られた日時を導出開始日時292、空き時間の終了時間を導出終了日時293として実行タイミングテーブル290にエントリを追加し、対応する項目欄に格納する。
【0139】
次に、スケジューリング部127は、
図15のスケジューリングテーブル280から全てのエントリを選択したか否かを判定し(S49)、全てのエントリを選択したならば(S49のYES)、スケジューリング処理を終了する。一方、スケジューリングテーブル280から選択していないエントリが残っていると(S49のNO)、スケジューリング部127は、ステップS41に戻る。
【0140】
スケジューリング部127は、例えば、
図15のスケジューリングテーブル280に登録された全てのエントリについてスケジューリング処理を実行することにより、
図16の実行タイミングテーブル290を生成することができる。
【0141】
図26は、スケジュール実行処理の一例を示すフローチャートである。
図26において、
図2のスケジュール実行部128は、スケジューリング処理の開始以降、実行タイミングテーブル290を監視しつつ、スケジュール実行処理を定期的に開始する。スケジュール実行部128は、スケジュール実行処理を開始すると、現在時刻を取得する(S51)。
【0142】
次に、スケジュール実行部128は、実行タイミングテーブル290を参照し、スケジューリングされたエントリを全て実行したか否かを判定する(S52)。スケジュール実行部128は、スケジューリングされたエントリのうち未だ実行していないモデルがない場合は(S52のYES)、スケジュール実行処理を終了する。一方、スケジューリングされたエントリのうち未だ実行していないモデルがある場合は(S52のNO)、スケジュール実行部128は、S53に進む。
【0143】
具体的には、スケジュール実行部128は、
図16の実行タイミングテーブル290の導出開始日時292を参照し、導出開始日時292が現在時刻と同じまたは後のエントリがあるか否かを判定する(S52)。そして、スケジュール実行部128は、導出開始日時が現在時刻と同じまたは後のエントリが1つもないと(S52のYES)、実行タイミングテーブル290のエントリ全て導出中または導出済みとしてスケジュール実行処理を終了する。一方、スケジュール実行部128は、導出開始日時292が現在時刻と同じまたは後のエントリがあると(S52のNO)、ステップS53に進む。
【0144】
次に、スケジュール実行部128は、実行タイミングテーブル290を参照し、次に導出開始が必要なモデルがあるか否かを判定し(S53)、導出開始が必要なモデルがないと(S53のNO)、スケジュール実行処理を終了する。一方、スケジュール実行部128は、導出開始が必要なモデルがあると(S53のYES)、ステップS54に進む。
【0145】
具体的には、スケジュール実行部128は、実行タイミングテーブル290の導出開始日時292と、実行フラグ294と、導出済み割合295とを参照し、実行フラグが「F」かつ、導出済み割合が「0%」かつ、導出開始日時292が現在時刻と同じまたは前のエントリがあるか否かを判定する(S53)。そして、スケジュール実行部128は、かかるエントリが1つもないと(S53のNO)、スケジュール実行処理を終了し、かかるエントリがあると(S53のYES)、ステップS54に進む。
【0146】
次に、スケジュール実行部128は、実行タイミングテーブル290を参照し、導出中のモデルがあるか否かを判定し(S54)、導出中のモデルがないと(S54のNO)、ステップS56に進み、導出中のモデルがあると(S54のYES)、ステップS55に進む。
【0147】
具体的には、スケジュール実行部128は、実行タイミングテーブル290の実行フラグ294を参照し、実行フラグが「T」のエントリが1つもないと(S54のNO)、ステップS56に進み、実行フラグが「T」のエントリがあると(S54のYES)、ステップS55に進む。
【0148】
次に、スケジュール実行部128は、導出開始の必要なモデルを導出開始するために、導出中のモデルの制約緩和最適業務組合せ生成処理を中断する(S55)。具体的には、実行タイミングテーブル290の実行フラグ294が「T」のモデルに対して、制約緩和最適業務組合せ生成処理を中断し、かかるエントリの実行フラグ294を「F」に更新する。
【0149】
次に、スケジュール実行部128は、導出開始の必要なモデルの制約緩和最適業務組合せ生成処理を開始する(S56)。具体的には、ステップS53で取得したエントリに対して、実行タイミングテーブル290の実行フラグ294を「F」から「T」に更新し、制約緩和最適業務組合せ生成処理を開始する。
【0150】
ステップS56の処理が終了すると、スケジュール実行部128は、スケジュール実行処理を終了する。
【0151】
図27は、スケジュール実行部によるスケジューリング実行処理の一例を示すタイミングチャートである。
図27において、
図16のモデルID291の01~04であるモデルM1~M4が登録されると、
図2の制約充足最適業務組合せ生成部126は、各モデルM1~M4について制約充足最適業務組合せ生成処理E1~E4を実行する。この時、制約充足最適業務組合せ生成部126は、各制約充足最適業務組合せ生成処理E1~E4にかかった時間を計測し、
図14の導出時間テーブル270の充足導出時間272に格納するとともに、各モデルM1~M4について推定緩和導出時間273を算出する。
【0152】
次に、スケジューリング部127は、各モデルM1~M4について推定緩和導出時間273および
図15の提案タイミング283を参照し、各モデルM1~M4の提案タイミングT1~T3、T4A~T4Cまでに制約緩和最適業務組合せ生成処理F1~F3、F4B、F4Cが終了するように制約緩和最適業務組合せ生成処理F1~F3、F4B、F4Cの処理タイミングを設定する。各モデルM1~M4の提案タイミングT1~T3、T4A~T4Cまでに全ての制約緩和最適業務組合せ生成処理F1~F3、F4B、F4Cを終了させるための空き時間を確保できない場合は、モデルM1~M4のうち優先順位の高い順に空き時間を割り当てる。優先順位の高いモデルについて、提案タイミングまでに、業務組合せを導出し、その導出処理の空き時間を利用して、残りの優先順位の高いモデルについて導出するようにスケジューリングすることで、効率的に時間を使うことができる。
【0153】
次に、スケジュール実行部128は、スケジューリング部127にて設定された処理タイミングに従って制約緩和最適業務組合せ生成部129を呼び出すことにより、約緩和最適業務組合せ導出処理F1~F3、F4B、F4Cを実行させる。
【0154】
図28は、制約緩和最適業務組合せ生成処理の一例を示すフローチャートである。
図28において、
図2の制約緩和最適業務組合せ生成部129は、スケジュール実行部128より呼び出されることで制約緩和最適業務組合せ生成処理を開始する。
【0155】
制約緩和最適業務組合せ生成部129は、スケジュール実行部128よりモデルIDを取得する(S61)。具体的には、制約緩和最適業務組合せ生成部129は、
図16の実行タイミングテーブル290の実行フラグが「T」のエントリのモデルID291を取得する。
【0156】
次に、制約緩和最適業務組合せ生成部129は、ステップS61で取得したモデルが制約緩和最適業務組合せ導出途中のモデルであるか否かを判定し(S62)、制約緩和最適業務組合せ導出途中のモデルであると(S62のYES)、ステップS64に進む。具体的には、ステップS61で取得したモデルIDのレコードが、
図13の緩和導出業務組合せテーブル250に存在するか否かを判定する。
【0157】
一方、ステップS61で取得したモデルが制約緩和最適業務組合せ導出途中のモデルでないと(S62のNO)、制約緩和最適業務組合せ生成部129は、そのモデルの変更容易性の高い順に1つずつ業務制約を緩和した業務組合せを生成する(S63)。具体的には、ステップS61で取得したモデルIDの業務組合せが緩和導出業務組合せテーブル250に存在する場合は、当該エントリを削除した後、
図12の充足導出業務組合せテーブル230に対し、ステップS61で取得したモデルIDに関する業務組合せの中で最も評価指標値の高い業務組合せに対して、業務制約登録部124で登録した
図9の制約変更テーブル200より変更容易性の順位の高い順に1つずつ業務制約を緩和して業務組合せを生成し、緩和導出業務組合せテーブル250にエントリを追加する。
【0158】
この時、モデルIDごとに緩和導出業務組合せテーブル250に追加するエントリの順に組合せIDを採番する。また、緩和導出業務組合せテーブル250の緩和効果値262は、制約を1つも緩和せずに行った制約充足最適業務組合せ生成処理において最も結果の良かった評価指標値を引いた値を格納する。また、導出終了フラグ263は全て「F」を格納する。ただし、
図9の制約変更テーブル200が更新され、順位が変更された場合、緩和導出業務組合せテーブル250に次にエントリを追加する時点から更新された変更容易性の順位を適用する。
図7のレコード189を例にとると、制約緩和最適業務組合せ生成部129は、調達計画に対応付けられているサイクル制約184を選択し、サイクル制約184を1段階緩和する。具体的には、制約緩和最適業務組合せ生成部129は、サイクル制約184の「週次」を、1段階頻度の低い「月次」に緩和する。
【0159】
なお、曜日または日制約185を選択した場合、制約緩和最適業務組合せ生成部129は、「月、水、金」という制約を、全ての曜日を更新可能日とするように緩和する。時刻制約186を選択した場合、制約緩和最適業務組合せ生成部129は、「9:00から17:00」という制約を、00:00から24:00まで更新可能時間とするように緩和する。更新所要時間制約188を選択した場合、制約緩和最適業務組合せ生成部129は、「5hr(5時間未満の更新所要時間は不可)」という制約を、「3hr(3時間未満の更新所要時間は不可)」という制約に緩和する。更新ロジック制約を選択した場合、制約緩和最適業務組合せ生成部129は、採用可能なロジックの種類を追加することにより制約を緩和する。なお、このような業務制約の緩和の度合いは、ユーザによって選択および設定されてもよい。
【0160】
次に、制約緩和最適業務組合せ生成部129は、緩和導出業務組合せテーブル250に登録されている業務組合せの中から、ステップS61で取得したモデルの業務組合せを1つ抽出する(S64)。具体的には、緩和導出業務組合せテーブル250の中でステップS61で取得したモデルIDのうち、導出終了フラグ263が「F」の中で最も組合せIDの小さい業務組合せを抽出する。
【0161】
次に、制約緩和最適業務組合せ生成部129は、ステップS64で取得した制約緩和後の業務組合せに対して、制約充足最適業務組合せを生成する(S65)。具体的には、充足導出業務組合せテーブル230からステップS61で取得したモデルIDのエントリを全て削除する。そして、ステップS64で抽出した緩和導出業務組合せテーブル250の業務組合せに対して、制約充足最適業務組合せを生成する。この制約充足最適業務組合せは、制約充足最適業務組合せ生成部126が生成する。
【0162】
次に、制約緩和最適業務組合せ生成部129は、ステップS65で得られた制約充足最適業務組合せで最も評価指標値の高い業務組合せを記憶する(S66)。具体的には、緩和導出業務組合せテーブル250のステップS64で取得した制約緩和後の業務組合せに対して、ステップS65で得られた制約充足最適業務組合せで最も評価指標値の高い業務組合せに更新する。この時、充足導出業務組合せテーブル230の部門233と、計画または指示234と、更新サイクル235と、更新曜日または日236と、更新時刻237と、時刻基準238と、更新所要時間239と、更新方法240と、評価指標値241とを、緩和導出業務組合せテーブル250の対応する項目欄に登録する。
【0163】
次に、制約緩和最適業務組合せ生成部129は、ステップS66で更新した業務組合せについて、制約の緩和効果値を計算する(S67)。具体的には、制約緩和最適業務組合せ生成部129は、ステップS66で更新した業務組合せの評価指標値から、制約を1つも緩和せずに行った制約充足最適業務組合せ生成処理において最も結果の良かった評価指標値を引いた値を、制約緩和後の各業務組合せの緩和効果値262として算出し、緩和導出業務組合せテーブル250の緩和効果値262を更新する。
【0164】
次に、制約緩和最適業務組合せ生成部129は、ステップS66で更新した業務組合せに対して制約緩和最適業務組合せの導出を終了する(S68)。具体的には、制約緩和最適業務組合せ生成部129は、緩和導出業務組合せテーブル250におけるステップS66で更新した業務組合せの導出終了フラグ263を「T」に更新する。また、制約緩和最適業務組合せ生成部129は、実行タイミングテーブル290におけるステップS61で取得したエントリの導出済み割合295を更新する。導出済み割合295は、ステップS63で生成した緩和業務組合せのうち緩和効果値まで算出済みの業務組合せの割合を表す。
【0165】
次に、制約緩和最適業務組合せ生成部129は、ステップS61で取得したモデルに対して全ての業務組合せの制約充足最適業務組合せを導出したか否か判定し(S69)、全ての業務組合せを導出していないと(S69のNO)、ステップS64に戻る。具体的には、緩和導出業務組合せテーブル250のステップS61で取得したモデルIDの業務組合せの導出終了フラグ263が全て「T」か否かを判定する。
【0166】
一方、制約緩和最適業務組合せ生成部129は、ステップS61で取得したモデルに対して全ての業務組合せの制約充足最適業務組合せを導出すると(S69のYES)、制約の緩和効果の計算結果を出力する(S70)。具体的には、制約緩和最適業務組合せ生成部129は、ステップS67で計算した緩和効果値を結果の良い順にソートし、上位の業務組合せに関する情報を所定数(例えば、4つ)抽出する。なお、制約緩和最適業務組合せ生成部129は、所定の閾値を超える緩和効果値を結果の良い緩和効果値として判定し、この閾値を超えた緩和効果値の中から所定数(例えば、4つ)の業務組合せに関する情報を抽出するようにしてもよい。また、制約緩和最適業務組合せ生成部129は、出力処理部122を介して、抽出した業務組合せに関する情報およびその他の所定情報をクライアント104に表示するようにしてもよい。
【0167】
次に、制約緩和最適業務組合せ生成部129は、ステップS67で得られた制約の緩和効果値の計算結果が最も良い業務組合せを制約充足最適業務組合せとして更新する(S71)。具体的には、制約緩和最適業務組合せ生成部129は、充足導出業務組合せテーブル230におけるステップS61で取得したモデルに関する業務組合せのエントリを全て削除し、緩和導出業務組合せテーブル250の中で制約の緩和効果値の計算結果が最も良い業務組合せの情報を、充足導出業務組合せテーブル230に登録する。この時、緩和導出業務組合せテーブル250のモデルID251と、組合せID252と、部門253と、計画または指示254と、更新サイクル255と、更新曜日または日256と、更新時刻257と、時刻基準258と、更新所要時間259と、更新方法260と、評価指標値261とを、充足導出業務組合せテーブル230の対応する項目欄に登録する。
【0168】
次に、制約緩和最適業務組合せ生成部129は、ステップS61で取得したモデルの制約緩和最適業務組合せ導出を終了する(S72)。具体的には、制約緩和最適業務組合せ生成部129は、実行タイミングテーブル290のステップS61で取得したモデルIDの実行フラグ294を「F」に更新する。
【0169】
制約緩和最適業務組合せ生成部129は、ステップS72の処理を行うと、本フローの処理を終了する。
【0170】
図29は、制約緩和最適業務組合せ画面の一例を示す図である。
図29において、制約緩和最適業務組合せ画面440には、モデル選択領域441と、制約充足最適業務組合せ表示領域442と、制約緩和最適業務組合せ導出状況表示領域443と、制約緩和最適業務組合せ表示領域444と、選択した業務組合せの詳細表示領域445とが表示される。モデル選択領域441には、選択入力を受け付けたモデル名が表示される。制約充足最適業務組合せ表示領域442には、制約緩和最適業務組合せ処理前に実行された制約充足最適業務組合せ処理により計算された評価指標値のうち、計算結果が最も良い業務組合せの評価指標値およびその業務組合せの組合せIDが表示される。制約緩和最適業務組合せ導出状況表示領域443には、制約緩和最適業務組合せ導出スケジュールおよび実行タイミングテーブル290のモデルID291と、導出開始日時292と、導出済み割合295とを元に決定されたモデル名と、導出開始日時と、導出完了率とが表示される。制約緩和最適業務組合せ表示領域444には、
図28のステップS70で抽出された制約の緩和効果値の計算結果が良い所定数(例えば、4つ)の業務組合せに関する情報が表示される。具体的には、制約緩和最適業務組合せ表示領域444には、ステップS70で抽出された業務組合せの順位と、組合せIDと、評価指標値と、緩和部門と、緩和計画または指示と、緩和項目とが表示される。選択した業務組合せの詳細表示領域445には、制約緩和最適業務組合せ表示領域444に表示した組合せのうち、ユーザによって選択された組合せの詳細情報が表示される。
【0171】
なお、制約緩和最適業務組合せ生成部129は、制約緩和最適業務組合せ表示領域444に表示した業務組合せの中から特定の業務組合せがユーザによって選択されると、選択された業務組合せの組合せIDとモデルIDをキーとして、制約緩和後の業務組合せが登録されている緩和導出業務組合せテーブル250から対応する業務組合せの詳細情報を抽出し、出力処理部122を介して業務組合せの詳細表示領域445に表示する。
【0172】
例えば、制約緩和最適業務組合せ表示領域444に表示された組合せのうち、組合せIDが440の組合せが選択されたものとする。組合せIDが440の組合せは、
図13の緩和導出業務組合せテーブル250に登録されている組合せに対応しているものとすると、
図13の部門253と、計画または指示254と、更新サイクル255と、更新曜日または日256と、更新時刻257と、時刻基準258と、更新所要時間259と、更新方法260とが、詳細表示領域445に表示される。
図13の組合せID252と、評価指標値261とは、制約緩和最適業務組合せ表示領域444に表示される。
【0173】
図30は、
図2のサプライチェーン業務プロセス最適化装置の処理シーケンスを示す図である。
図30において、
図2の入力受付部121は、入力要求をサプライチェーンモデル登録部123へ送信する(S81)。サプライチェーンモデル登録部123は、入力要求指示を受信すると、サプライチェーンモデル登録処理を実行し(S82)、サプライチェーンモデル登録画面の出力要求を出力処理部122へ送信する(S83)。
【0174】
次に、入力受付部121は、入力要求を業務制約登録部124へ送信する(S84)。業務制約登録部124、入力要求指示を受信すると、業務制約登録処理を実行し(S85)、業務制約登録画面の出力要求を出力処理部122へ送信する(S86)。
【0175】
次に、入力受付部121は、入力要求を更新契機変更部125へ送信する(S87)。更新契機変更部125は、入力要求指示を受信すると、更新契機変更処理を実行し(S88)、更新契機変更画面の出力要求を出力処理部122へ送信する(S89)。
【0176】
更新契機変更処理実行終了後、更新契機変更部125は、制約充足最適業務組合せ生成処理の開始を指示する(S90)。制約充足最適業務組合せ生成部126は、制約充足最適業務組合せ生成処理を実行し(S91)、制約充足最適業務組合せ結果出力要求を出力処理部122へ送信する(S92)。
【0177】
制約充足最適業務組合せ生成処理実行終了後、制約充足最適業務組合せ生成部126は、スケジューリング処理の開始を指示し(S93)、スケジューリング部127は、スケジューリング処理を実行する(S94)。
【0178】
スケジューリング処理実行終了後、スケジューリング部127は、スケジュール実行処理の開始を指示し(S95)、スケジュール実行部128は、スケジュール実行処理を実行する(S96)。ただし、スケジュール実行部128は、ある短期間周期に実行タイミングテーブル290を監視し、実行タイミングテーブル290のエントリが全て実行済みとなると、監視を終了する(S97)。一方、実行タイミングテーブルを監視し、次に導出必要なモデルが存在すると、スケジュール実行部128は、制約緩和最適業務組合せ生成処理の開始を制約緩和最適業務組合せ生成部129に指示する(S98)。
【0179】
次に、制約緩和最適業務組合せ生成部129は、制約緩和最適業務組合せ生成処理を実行し(S99)、制約緩和最適業務組合せ結果出力要求を出力処理部122へ送信する(S100)。
【0180】
以上説明したように、上述した第1実施形態によれば、サプライチェーン業務プロセス最適化装置101は、1つ以上のサプライチェーンモデルに対して、業務制約を満たす、評価指標値がより高いサプライチェーン業務プロセス案を生成することに加え、提案タイミングまでに制約を緩和した場合の緩和効果が高い業務組合せを提示することができる。特に、サプライチェーン業務プロセス最適化装置101は、販売計画を始めとする各計画また指示を更新するタイミングおよび方法の制約を考慮したサプライチェーンの業務組合せを生成し、それらの評価指標値を用いて結果の良い業務組合せを特定しているため、より適切なサプライチェーン業務プロセス案をユーザに提示することができる。また、サプライチェーン業務プロセス最適化装置101は、制約を緩和した場合の緩和効果が高い業務組合せを生成するため、ユーザは、どの制約を緩和すれば、より大きな評価指標の改善が得られるのかを容易に把握することができる。そして、複数のサプライチェーンに対して、優先順位を付けてスケジューリングをすることで、ユーザの求めるタイミングまでに可能な限りより緩和効果の高い業務組合せを生成することができる。
【0181】
なお、上述した第1実施形態では、制約緩和最適業務組合せ生成処理のスケジューリング方法について説明したが、制約緩和最適業務組合せ生成処理だけでなく制約充足最適業務組合せ生成処理についてもスケジューリングしてもよい。
【0182】
以下、第2実施形態を具体的に説明する。以下の説明では、第1実施形態と異なる処理を中心に説明する。第2実施形態では、登録されたサプライチェーンモデルの構成より、
図2のCPU111のリソース情報等を基に制約充足最適業務組合せを導出するために必要な時間を推定する。
【0183】
図31は、第2実施形態に係るサプライチェーンモデル登録処理の一例を示すフローチャートである。
図31において、第2実施形態では、サプライチェーンモデル登録部123は、サプライチェーン業務の設定を行った後(S5)、制約充足最適業務組合せ導出時間の推定を行う(S6)。この時、サプライチェーンモデル登録部123は、サプライチェーンモデル登録画面400の登録ボタン406が押下されることで更新された部門間取引条件パラメータテーブル150と、生産条件パラメータテーブル160の企業数および品目数の情報を取得する。
【0184】
具体的には、サプライチェーンモデル登録部123は、部門間取引条件パラメータテーブル150において更新されたモデルID151のTo部門152およびFrom部門153より企業数を取得し、生産条件パラメータテーブル160における品目163より品目数を取得する。そして、CPU111のリソース情報等を基に測定した1企業1品目のモデルの評価指標値の計算時間に、取得した企業数を乗算し、さらに取得した品目数を乗算することで制約充足最適業務組合せの導出時間を推定する。さらに、サプライチェーンモデル登録部123は、推定した制約充足最適業務組合せの導出時間をモデルIDと合わせて、
図14の導出時間テーブル270のモデルID271と、充足導出時間272とに登録する。
【0185】
次に、サプライチェーンモデル登録部123は、推定緩和導出時間の算出を行う(S7)。具体的には、サプライチェーンモデル登録部123は、ステップS6で取得した充足導出時間を用いて、推定緩和導出時間を算出する。算出方法は、充足導出時間に制約数を乗算し、さらに計画または指示数を乗算した値を推定緩和導出時間と推定する。さらに、制約充足最適業務組合せ生成部126は、算出した推定緩和導出時間を導出時間デーブル270の推定緩和導出時間273に格納する。
【0186】
ステップS7の処理が終了すると、サプライチェーンモデル登録部123は、サプライチェーンモデル登録処理を終了する。
【0187】
図32は、第2実施形態に係る制約充足最適業務組合せ生成処理の一例を示すフローチャートである。
図32において、第2実施形態では、
図2の制約充足最適業務組合せ生成部126は、制約充足最適業務組合せ生成処理もスケジューリング対象とするため、充足導出時間の計測や緩和導出時間の推定を行わない。一方、制約充足最適業務組合せ生成処理がスケジューリング対象となることで、制約充足最適業務組合せ生成処理を中断する場合もある。
【0188】
制約充足最適業務組合せ生成部126は、スケジュール実行部128よりモデルIDを取得する(S121)。具体的には、制約充足最適業務組合せ生成部126は、実行タイミングテーブル290の実行フラグが「T」のエントリのモデルID291を取得する。
【0189】
次に、制約充足最適業務組合せ生成部126は、ステップS121で取得したモデルが制約充足最適業務組合せ導出途中のモデルであるか否かを判定し(S122)、制約充足最適業務組合せ導出途中のモデルであると(S122のNO)、ステップS124に進む。具体的には、
図12の充足導出業務組合せテーブル230にステップS121で取得したモデルIDのレコードが存在するか否かを判定する。
【0190】
一方、制約充足最適業務組合せ生成部126は、ステップS121で取得したモデルが制約充足最適業務組合せ導出途中のモデルでないと(S122のNO)、充足導出業務組合せテーブル230の業務組合せを生成する(S123)。具体的には、制約充足最適業務組合せ生成部126は、サプライチェーンモデル記憶部130に格納されている計画または指示業務パラメータテーブル170と、業務制約記憶部131に格納されている更新タイミング制約テーブル180および更新方法制約テーブル190を参照し、これらの制約テーブルに登録されている所定の制約を満たし、かつ、重複しないサプライチェーンの業務組合せを格納した充足導出業務組合せテーブル230を生成する。また、制約充足最適業務組合せ生成部126は、業務組合せごとに組合せIDを採番し、これを充足導出業務組合せテーブル230の対応する項目欄に格納する。
【0191】
次に、制約充足最適業務組合せ生成部126は、充足導出業務組合せテーブル230に登録されている業務組合せの中から1つの業務組合せを抽出する(S124)。具体的には、制約充足最適業務組合せ生成部126は、充足導出業務組合せテーブル230においてステップS121で取得したモデルIDの業務組合せの中で未だ評価指標値を算出していない業務組合せを1つ抽出する。
【0192】
次に、制約充足最適業務組合せ生成部126は、抽出した業務組合せの評価指標値を計算する(S125)。次に、充足導出業務組合せテーブル230に登録されている全ての業務組合せについて評価指標値を計算したか否かを判定し(S126)、評価指標値を計算していない業務組合せがある場合(S126のNO)、ステップS124に戻る。
【0193】
一方、全ての業務組合せについて評価指標値を計算した場合(S124のYES)、制約充足最適業務組合せ生成部126は、評価指標値の計算結果を出力する(S127)。
【0194】
ステップS127の処理が終了すると、制約充足最適業務組合せ生成部126は、制約充足最適業務組合せ生成処理を終了する。
【0195】
次に、スケジューリング部127は、
図25のスケジューリング処理においてステップS42では、第1実施形態と異なり、ステップS41で取得したモデルの充足導出時間と推定緩和導出時間の合計を残導出時間とする。具体的には、スケジューリング部127は、ステップS41でスケジューリングテーブル280のスケジュール番号の小さい順にモデルIDおよび提案タイミングを取得する際に、各モデルに対して初めて制約緩和最適業務組合せ生成を行う時のみ推定緩和導出時間に充足導出時間を加算した結果を残導出時間とする。
【0196】
図33は、第2実施形態に係るスケジューリング実行処理の一例を示すフローチャートである。
図33において、第2実施形態では、制約充足最適業務組合せ生成処理もスケジューリング対象とするため、制約充足最適業務組合せ生成部126は、スケジュール実行部128より呼び出されることで処理を開始する。
【0197】
スケジュール実行部128は、現在時刻を取得する(S131)。次に、スケジュール実行部128は、実行タイミングテーブル290を参照し、スケジューリングされたエントリを全て実行したか否かを判定する(S132)。スケジュール実行部128は、スケジューリングされたエントリのうち未だ実行していないモデルがない場合は(S132のYES)、スケジュール実行処理を終了する。一方、スケジューリングされたエントリで未だ実行していないモデルがある場合は(S132のNO)、スケジュール実行部128は、ステップS133に進む。
【0198】
次に、スケジュール実行部128は、次に導出開始が必要なモデルがあるか否かを判定し(S133)、導出開始が必要なモデルないと(S133のNO)、スケジュール実行処理を終了する。一方、導出開始が必要なモデルがあると(S133のYES)、ステップS134に進む。
【0199】
次に、スケジュール実行部128は、実行タイミングテーブル290を参照し、導出中のモデルがあるか否かを判定し(S134)、導出中のモデルがないと(S134のNO)、ステップS136に進む。具体的には、スケジュール実行部128は、実行タイミングテーブル290の実行フラグ294を参照し、実行フラグが「T」のエントリが1つもないと(S134のNO)、ステップS136に進む。
【0200】
一方、スケジュール実行部128は、導出中のモデルがあると(S134のYES)、ステップS135に進む。具体的には、スケジュール実行部128は、実行フラグが「T」のエントリがあると(S134のYES)、導出開始の必要なモデルを導出開始するために、導出中のモデルの制約充足最適業務組合せ生成処理または制約緩和最適業務組合せ生成処理を中断する(S135)。
【0201】
次に、スケジュール実行部128は、制約を緩和する前の制約充足最適業務組合せは生成済みか否かを判定し(S136)、制約を緩和する前の制約充足最適業務組合せが生成済みであると(S136のYES)、ステップS138に進む。一方、制約を緩和する前の制約充足最適業務組合せを未だ生成していないと(S136のNO)、スケジュール実行部128は、制約充足最適業務組合せ生成処理を開始する(S137)。具体的には、スケジュール実行部128は、ステップS133で取得したエントリのモデルの制約充足最適業務組合せ生成処理を開始する。
【0202】
次に、スケジュール実行部128は、導出開始の必要なモデルの制約緩和最適業務組合せ生成処理を開始する(S138)。
【0203】
ステップS138の処理が終了すると、スケジュール実行部128は、スケジューリング実行処理を終了する。
【0204】
以上説明したように、上述した第2実施形態によれば、制約緩和最適業務組合せ生成処理だけでなく制約充足最適業務組合せ生成処理についてもスケジューリングすることができる。このため、複数のサプライチェーンモデルに対して、あるサプライチェーンモデルの制約緩和最適業務組合せ生成処理の空き時間に、他のサプライチェーンモデルの制約充足最適業務組合せ生成処理を実行することができ、必要な日時までに提案可能なサプライチェーンの業務組合せの緩和効果を向上させることができる。
【0205】
なお、サプライチェーン業務プロセス最適化装置101の機能ブロックは、本実施形態において実現されるサプライチェーン業務プロセス最適化装置101の機能を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものであり、各機能の分類の仕方やその名称によって、本発明が制限されることはない。また、サプライチェーン業務プロセス最適化装置101の各構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、一つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0206】
図34は、
図1のサプライチェーン業務プロセス最適化装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図34において、サプライチェーン業務プロセス最適化装置101には、プロセッサ201、通信制御デバイス202、通信インターフェース203、主記憶デバイス204、外部記憶デバイス205および入出力インターフェース207が設けられている。プロセッサ201、通信制御デバイス202、通信インターフェース203、主記憶デバイス204および外部記憶デバイス205および入出力インターフェース207は、内部バス206を介して相互に接続されている。主記憶デバイス204および外部記憶デバイス205は、プロセッサ201からアクセス可能である。
【0207】
プロセッサ201は、サプライチェーン業務プロセス最適化装置201全体の動作制御を司るハードウェアである。主記憶デバイス204は、例えば、SRAMまたはDRAMなどの半導体メモリから構成することができる。主記憶デバイス204には、プロセッサ201が実行中のプログラムを格納したり、プロセッサ201がプログラムを実行するためのワークエリアを設けたりすることができる。
【0208】
外部記憶デバイス205は、大容量の記憶容量を有する記憶デバイスであり、例えば、ハードディスク装置やSSD(Solid State Drive)である。外部記憶デバイス205は、各種プログラムの実行ファイルやプログラムの実行に用いられるデータを保持することができる。外部記憶デバイス205には、サプライチェーン業務支援プログラム205Aを格納することができる。サプライチェーン業務支援プログラム205Aは、サプライチェーン業務プロセス最適化装置22Aにインストール可能なソフトウェアであってもよいし、サプライチェーン業務プロセス最適化装置101にファームウェアとして組み込まれていてもよい。
【0209】
通信制御デバイス202は、外部との通信を制御する機能を有するハードウェアである。通信制御デバイス202は、通信インターフェース203を介してネットワーク209に接続される。ネットワーク209は、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)であってもよいし、無線又は有線のLAN(Local Area Network)であってもよいし、WANとLANが混在していてもよい。入出力インターフェース207は、データ入出力機能を有するハードウェアである。
【0210】
プロセッサ201がサプライチェーン業務支援プログラム205Aを主記憶デバイス204に読み出し、サプライチェーン業務支援プログラム205Aを実行することにより、サプライチェーンの業務制約を緩和した業務組合せの導出にかかる時間に基づいて、業務制約を緩和した業務組合せの導出開始タイミングを決定し、設定されたタイミングまでに評価指標値がより高い業務組合せを提示することができる。
【0211】
ここで、サプライチェーン業務支援プログラム205Aは、
図2の入力受付部121と、出力処理部122と、サプライチェーンモデル登録部123と、業務制約登録部124と、更新契機変更部125と、制約充足最適業務組合せ生成部126と、スケジューリング部127と、スケジュール実行部128と、制約緩和最適業務組合せ生成部129の機能を実現することができる。
【0212】
なお、サプライチェーン業務支援プログラム205Aの実行は、複数のプロセッサやコンピュータに分担させてもよい。あるいは、プロセッサ201は、ネットワーク209を介してクラウドコンピュータなどにサプライチェーン業務支援プログラム205Aの全部または一部の実行を指示し、その実行結果を受け取るようにしてもよい。
【0213】
本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えなくても良い。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、または、削除、または、置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0214】
101 サプライチェーン業務プロセス最適化装置、121 入力受付部、122 出力受付部、123 サプライチェーンモデル登録部、124 業務制約登録部、125 更新契機変更部、126 制約充足最適業務組合せ生成部、127 スケジューリング部、128 スケジュール実行部、129 制約緩和最適業務組合せ生成部