(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】情報出力システム、情報出力方法および情報出力プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/20 20190101AFI20221024BHJP
G06F 16/28 20190101ALI20221024BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20221024BHJP
【FI】
G06F16/20
G06F16/28
A61B5/00 M
A61B5/00 G
(21)【出願番号】P 2018193734
(22)【出願日】2018-10-12
【審査請求日】2021-08-03
(31)【優先権主張番号】P 2017198828
(32)【優先日】2017-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000113470
【氏名又は名称】ポーラ化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】本川 智紀
(72)【発明者】
【氏名】加藤 朋美
(72)【発明者】
【氏名】及川 優
(72)【発明者】
【氏名】飯田 隆
(72)【発明者】
【氏名】横田 幸信
(72)【発明者】
【氏名】村越 淳
(72)【発明者】
【氏名】寺田 知彦
【審査官】三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/029801(WO,A1)
【文献】特開2013-238970(JP,A)
【文献】特開2014-219850(JP,A)
【文献】特開2013-198794(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
A61B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの固有のユーザ情報を認識するユーザ情報認識部と、
情報を出力する出力部と、
前記ユーザ情報に基づいて、
当該ユーザ情報に含まれる複数の要素のスコアの時系列遷移を示す
スコア情報を認識するスコア情報認識部と、
前記
スコア情報に基づいて、一の要素のスコアの時系列遷移と
、他の要素のスコアの時系列遷移
を所定期間ずらした時系列遷移との相関を認識する関係認識部と、
前記相関に基づいて、互いに相関を有する要素を示す情報及び当該要素間の相関係数を記憶する相関情報記憶部と、
前記ユーザの最新の情報である現状ユーザ情報を認識する現状ユーザ情報認識部と、
前記現状ユーザ情報に示される前記ユーザの第1要素を認識する第1要素認識部と、
前記互いに相関を有する要素を示す情報に基づいて、前記第1要素と相関のある前記ユーザの第2要素を抽出する第2要素抽出部と、
前記要素間の前記相関係数及び前記現状ユーザ情報に示される前記第1要素のスコアに基づいて、前記ユーザの第2要素の将来のスコアを予測する予測部と、
前記ユーザの第2要素の将来のスコアに応じた情報を前記出力部に出力する出力制御部と、を備えることを特徴とする情報出力システム。
【請求項2】
ユーザの固有のユーザ情報を認識するユーザ情報認識部と、
情報を出力する出力部と、
前記ユーザ情報に基づいて、当該ユーザ情報に含まれる複数の要素のスコアの時系列遷移を示すスコア情報を認識するスコア情報認識部と、
前記スコア情報に基づいて、一の要素のスコアの時系列遷移と、他の要素のスコアの時系列遷移を所定の期間ずらした時系列遷移との相関を認識する関係認識部と、
前記相関に基づいて、互いに相関を有する要素を示す情報及び当該要素間の相関係数を記憶する相関情報記憶部と、
前記ユーザの最新の情報である現状ユーザ情報を認識する現状ユーザ情報認識部と、
前記現状ユーザ情報に示される前記ユーザの第1要素を認識する第1要素認識部と、
前記互いに相関を有する要素を示す情報に基づいて、前記第1要素と相関のある前記ユーザの第2要素を抽出する第2要素抽出部と、
前記相関係数及び前記現状ユーザ情報に示される前記第1要素のスコアに基づいて、ユーザの第2要素の将来のスコアを予測する予測部と、
前記ユーザの第2要素の将来のスコアが所定範囲に含まれる場合、前記第2要素の将来のスコアを前記所定範囲の範囲外にする行動を認識する行動認識部と、
前記行動の実施または回避を推奨する情報を前記出力部に出力するように構成されている出力制御部と、を備え、
前記相関情報記憶部は、各要素と相関を有する行動及び当該各要素と当該行動との相関係数を示す相関行動情報を記憶するように構成され、
前記行動認識部は、前記ユーザの第2要素の将来のスコアが所定範囲に含まれる場合、前記相関行動情報に基づいて、前記第1要素または前記第2要素と相関を有し、かつ、前記第2要素の将来のスコアを前記所定範囲の範囲外にする行動を認識するように構成されていることを特徴とする情報出力システム。
【請求項3】
請求項1又は2記載の情報出力システムにおいて、
前記第1要素は、肌、体および心のうちの一に関する要素であり、前記第2要素は、肌、体および心のうちの他に関する要素であることを特徴とする情報出力システム。
【請求項4】
請求項
1又は2記載の情報出力システムにおいて、
前記第1要素は、ユーザの行動であり、前記第2要素は、肌、体および心のうちの一に関する要素であることを特徴とする情報出力システム。
【請求項5】
請求項
2記載の情報出力システムにおいて、
前記ユーザの第2要素に関する目標を認識する目標認識部を備え、
前記行動認識部は、前記ユーザの第2要素の将来のスコアが、目標から遠ざかると予測された場合、前記第2要素の将来のスコアを前記目標に近づける行動を認識し、
前記出力制御部は、前記行動の実施を推奨する情報を前記出力部に出力するように構成されていることを特徴とする情報出力システム。
【請求項6】
請求項
1~5のうちいずれか1項記載の情報出力システムにおいて、
前記ユーザ情報認識部は、前記ユーザの肌細胞画像データ、肌画像データ及び舌画像データのうち少なくとも1つを認識し、
前記スコア情報認識部は、前記ユーザの肌細胞画像データ、肌画像データ及び舌画像データに基づいて、前記ユーザの複数の要素のスコアの時系列遷移を示す情報を認識するように構成されていることを特徴とする情報出力システム。
【請求項7】
請求項
1~6のうちいずれか1項記載の情報出力システムにおいて、
前記ユーザの操作を受け付ける入力部を備え、
前記ユーザ情報認識部は、前記入力部に入力された情報を前記ユーザの情報として認識し、
前記スコア情報認識部は、前記入力部に入力された情報に基づいて、前記ユーザの複数の要素のスコアの時系列遷移を示す情報を認識するように構成されていることを特徴とする情報出力システム。
【請求項8】
情報を出力する出力部を備えるシステムに、
ユーザの固有のユーザ情報を認識するステップと、
前記ユーザ情報に基づいて、当該ユーザ情報に含まれる複数の要素のスコアの時系列遷移を示すスコア情報を認識するステップと、
前記スコア情報に基づいて、一の要素のスコアの時系列遷移と、他の要素のスコアの時系列遷移を所定の期間ずらした時系列遷移との相関を認識するステップと、
前記相関に基づいて、互いに相関を有する要素を示す情報及び当該要素間の相関係数を記憶するステップと、
前記ユーザの最新の情報である現状ユーザ情報を認識するステップと、
前記現状ユーザ情報に示される前記ユーザの第1要素を認識するステップと、
前記互いに相関を有する要素を示す情報に基づいて、前記第1要素と相関のある前記ユーザの第2要素を抽出するステップと、
前記要素間の前記相関係数及び前記現状ユーザ情報に示される前記第1要素のスコアに基づいて、前記ユーザの第2要素の将来のスコアを予測するステップと、
前記ユーザの第2要素の将来のスコアに応じた情報を前記出力部に出力するステップと、を実行させることを特徴とする情報出力プログラム。
【請求項9】
情報を出力する出力部を備えるシステムに、
ユーザの固有のユーザ情報を認識するステップと、
前記ユーザ情報に基づいて、当該ユーザ情報に含まれる複数の要素のスコアの時系列遷移を示すスコア情報を認識するステップと、
前記スコア情報に基づいて、一の要素のスコアの時系列遷移と、他の要素のスコアの時系列遷移を所定の期間ずらした時系列遷移との相関を認識するステップと、
前記相関に基づいて、互いに相関を有する要素を示す情報及び当該要素間の相関係数を記憶する相関情報記憶ステップと、
ユーザの最新の情報である現状ユーザ情報を認識するステップと、
前記現状ユーザ情報に示される前記ユーザの第1要素を認識するステップと、
前記互いに相関を有する要素を示す情報に基づいて、前記第1要素と相関のある前記ユーザの第2要素を抽出するステップと、
前記相関係数及び前記現状ユーザ情報に示される前記第1要素のスコアに基づいて、ユーザの第2要素の将来のスコアを予測するステップと、
前記ユーザの第2要素の将来のスコアが所定範囲に含まれる場合、前記第2要素の将来のスコアを前記所定範囲の範囲外にする行動を認識する行動認識ステップと、
前記行動の実施または回避を推奨する情報を前記出力部に出力するように構成されているステップと、を実行させ、
前記相関情報記憶ステップは、各要素と相関を有する行動及び当該各要素と当該行動との相関係数を示す相関行動情報を記憶するように構成され、
前記行動認識ステップは、前記ユーザの第2要素の将来のスコアが所定範囲に含まれる場合、前記相関行動情報に基づいて、前記第1要素または前記第2要素と相関を有し、かつ、前記第2要素の将来のスコアを前記所定範囲の範囲外にする行動を認識するように構成されていることを特徴とする情報出力プログラム。
【請求項10】
請求項8又は9記載の情報出力プログラムにおいて、
前記第1要素は、肌、体および心のうちの一に関する要素であり、前記第2要素は、肌、体および心のうちの他に関する要素であることを特徴とする情報出力プログラム。
【請求項11】
請求項8又は9記載の情報出力プログラムにおいて、
前記第1要素は、ユーザの行動であり、前記第2要素は、肌、体および心のうちの一に関する要素であることを特徴とする情報出力プログラム。
【請求項12】
情報を出力する出力部を備えるシステムが実行する方法であって、
ユーザの固有のユーザ情報を認識するステップと、
前記ユーザ情報に基づいて、当該ユーザ情報に含まれる複数の要素のスコアの時系列遷移を示すスコア情報を認識するステップと、
前記スコア情報に基づいて、一の要素のスコアの時系列遷移と他の要素のスコアの時系列遷移を所定の期間ずらした時系列遷移との相関を認識するステップと、
前記相関に基づいて、互いに相関を有する要素を示す情報及び当該要素間の相関係数を記憶するステップと、
前記ユーザの最新の情報である現状ユーザ情報を認識するステップと、
前記現状ユーザ情報に示される前記ユーザの第1要素を認識するステップと、
前記互いに相関を有する要素を示す情報に基づいて、前記第1要素と相関のある前記ユーザの第2要素を抽出するステップと、
前記要素間の前記相関係数及び前記現状ユーザ情報に示される前記第1要素のスコアに基づいて、前記ユーザの第2要素の将来のスコアを予測するステップと、
前記ユーザの第2要素の将来のスコアに応じた情報を前記出力部に出力するステップと、を実行させることを特徴とする情報出力方法。
【請求項13】
情報を出力する出力部を備えるシステムが実行する方法であって、
ユーザの固有のユーザ情報を認識するステップと、
前記ユーザ情報に基づいて、当該ユーザ情報に含まれる複数の要素のスコアの時系列遷移を示すスコア情報を認識するステップと、
前記スコア情報に基づいて、一の要素のスコアの時系列遷移と他の要素のスコアの時系列遷移を所定の期間ずらした時系列遷移との相関を認識するステップと、
前記相関に基づいて、互いに相関を有する要素を示す情報及び当該要素間の相関係数を記憶する相関情報記憶ステップと、
ユーザの最新の情報である現状ユーザ情報を認識するステップと、
前記現状ユーザ情報に示される前記ユーザの第1要素を認識するステップと、
前記互いに相関を有する要素を示す情報に基づいて、前記第1要素と相関のある前記ユーザの第2要素を抽出するステップと、
前記相関係数及び前記現状ユーザ情報に示される前記第1要素のスコアに基づいて、ユーザの第2要素の将来のスコアを予測するステップと、
前記ユーザの第2要素の将来のスコアが所定範囲に含まれる場合、前記第2要素の将来のスコアを前記所定範囲の範囲外にする行動を認識する行動認識ステップと、
前記行動の実施または回避を推奨する情報を前記出力部に出力するように構成されているステップと、を実行させ、
前記相関情報記憶ステップは、各要素と相関を有する行動及び当該各要素と当該行動との相関係数を示す相関行動情報を記憶するように構成され、
前記行動認識ステップは、前記ユーザの第2要素の将来のスコアが所定範囲に含まれる場合、前記相関行動情報に基づいて、前記第1要素または前記第2要素と相関を有し、かつ、前記第2要素の将来のスコアを前記所定範囲の範囲外にする行動を認識するように構成されていることを特徴とする情報出力方法。
【請求項14】
請求項12又は13記載の情報出力方法において、
前記第1要素は、肌、体および心のうちの一に関する要素であり、前記第2要素は、肌、体および心のうちの他に関する要素であることを特徴とする情報出力方法。
【請求項15】
請求項12又は13記載の情報出力方法において、
前記第1要素は、ユーザの行動であり、前記第2要素は、肌、体および心のうちの一に関する要素であることを特徴とする情報出力方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報出力システム、情報出力方法および情報出力プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カウンセリングを受ける人の健康状態と精神状態と肌トラブルとの因果関係を、カウンセリングを受ける人に理解させるシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の技術では、次のようにしてカウンセリングを受ける人に上記因果関係を認識させている。
【0004】
すなわち、カウンセリングシステムの処理部は、カウンセリングに必要となる質問(例えば、「13.冷え性である」)に対する回答(例えば、「はい」)に基づいて、対応する自覚的要素(例えば、「冷え」)に得点として1点を付与する。
【0005】
そして、カウンセリングシステムの処理部は、カウンセリングシステムの記憶部に記憶された、自覚的要素および非自覚的要素間の因果関係を示す相関図に基づいて、上記回答に関連する自覚的要素(例えば、「冷え」)と因果律を有する自覚的要素および非自覚的要素(例えば、「血液循環不良」、「皮膚血流、うっ血」、「くま」、「肩こり」)のそれぞれを認識する。
【0006】
また、カウンセリングシステムの処理部は、カウンセリングシステムの記憶部に記憶された因果律を有する2つの要素間の相関係数(例えば、「冷え」に対する「血液循環不良」の相関係数「0.9」)に基づいて、認識された各要素(例えば、「血液循環不良」)に得点(例えば、1×0.9=0.9)を与える。
【0007】
高い評価点の要素が因果関係を示す矢印とともに画像表示部に強調表示されることで、カウンセリングを受ける人に、本人が自覚していない症状又は質問項目に対する回答の結果からみて今後症状となる可能性がある肌トラブルについて注意を喚起することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1の技術では、予め医学的に検証された因果関係または経験則に基づいて予め定められた因果関係、換言すれば一般的な因果関係に基づいて、回答に対応する要素と関連する要素を見出すにとどまっている。
【0010】
このため、特許文献1の技術では、カウンセリングを受ける人それぞれの体質等に鑑みた要素間の因果関係をカウンセリングを受ける人に知らせることはできなかった。
【0011】
また、特許文献1の技術では、すでに医学的な研究がなされているような要素間の因果関係を用いているので、例えば、電子タバコ等の先端技術を用いた装置を使うことによる肌への影響など、着目されていない要素間の因果関係をカウンセリングを受ける人に知らせることはできなかった。
【0012】
また、特許文献1の技術では、各要素間の因果関係を画像表示部に表示するにとどまっている。このため、特許文献1の技術では、カウンセリングを受ける人に改善のためには何が有効な施策なのかという情報を提供することはできなかった。
【0013】
そこで、このような問題に鑑み、本発明は、ユーザ個別の事情に鑑みた要素間の関係又は今まで着目されていなかった要素間の関係をユーザに認識させることができる情報出力システム、情報出力方法および情報出力プログラムを提供することを第1の目的とする。
【0014】
また、本発明は、ユーザに対し、当該ユーザに有効な行動を認識させることができる情報出力システム、情報出力方法および情報出力プログラムを提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第1態様の情報出力システムは、
ユーザの固有のユーザ情報を認識するユーザ情報認識部と、
情報を出力する出力部と、
前記ユーザ情報に基づいて、当該ユーザ情報に含まれる複数の要素のスコアの時系列遷移を示すスコア情報を認識するスコア情報認識部と、
前記スコア情報に基づいて、一の要素のスコアの時系列遷移と、他の要素のスコアの時系列遷移を所定期間ずらした時系列遷移との相関を認識する関係認識部と、
前記相関に基づいて、互いに相関を有する要素を示す情報及び当該要素間の相関係数を記憶する相関情報記憶部と、
前記ユーザの最新の情報である現状ユーザ情報を認識する現状ユーザ情報認識部と、
前記現状ユーザ情報に示される前記ユーザの第1要素を認識する第1要素認識部と、
前記互いに相関を有する要素を示す情報に基づいて、前記第1要素と相関のある前記ユーザの第2要素を抽出する第2要素抽出部と、
前記要素間の前記相関係数及び前記現状ユーザ情報に示される前記第1要素のスコアに基づいて、前記ユーザの第2要素の将来のスコアを予測する予測部と、
前記ユーザの第2要素の将来のスコアに応じた情報を前記出力部に出力する出力制御部と、を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の情報出力システムによれば、スコア情報認識部により、ユーザの固有のユーザ情報に基づいて、当該ユーザ情報に含まれる複数の要素のスコアの時系列遷移を示すスコア情報が認識される。
【0017】
そして、関係認識部により、前記スコア情報に基づいて、一の要素のスコアの時系列遷移と、他の要素のスコアの時系列遷移を所定期間ずらした時系列遷移との相関が認識される。
【0018】
一の要素のスコアの時系列遷移と他の要素のスコアの時系列遷移を所定の期間ずらした時系列遷移との間に相関があれば、換言すれば、一方の要素の変化が、変化のあった時点よりも後の他方の要素の変化と相関がある場合、当該一方の要素の変化が当該他方の要素の変化の原因となっていたり、同一の原因により両方の変化が起こっていたりする可能性がある。
【0019】
また、相関情報記憶部により、前記相関に基づいて、互いに相関を有する要素を示す情報及び当該要素間の相関係数が記憶され、現状ユーザ情報認識部により、前記ユーザの最新の情報である現状ユーザ情報が認識される。
【0020】
さらに、第1要素認識部により、前記現状ユーザ情報に示されるユーザの第1要素が認識され、そして、第2要素抽出部により、互いに相関を有する要素を示す情報に基づいて、前記第1要素と相関のある前記ユーザの第2要素が抽出される。
【0021】
さらに、予測部により、前記要素間の前記相関係数及び前記現状ユーザ情報に示される前記第1要素のスコアに基づいて、ユーザの第2要素の将来のスコアが予測される。そして、出力制御部により、ユーザの第2要素の将来のスコアに応じた情報が出力部に出力される。
【0022】
これにより、ユーザの情報に基づいて認識された相関とユーザの現状を示す現状ユーザ情報とに基づいて、ユーザにユーザの現状から予測されるユーザの将来の状態を認識させることができるので、ユーザにより有用な情報が与えられる。
【0023】
本発明の第2態様の情報出力システムは、
ユーザの固有のユーザ情報を認識するユーザ情報認識部と、
情報を出力する出力部と、
前記ユーザ情報に基づいて、当該ユーザ情報に含まれる複数の要素のスコアの時系列遷移を示すスコア情報を認識するスコア情報認識部と、
前記スコア情報に基づいて、一の要素のスコアの時系列遷移と、他の要素のスコアの時系列遷移を所定の期間ずらした時系列遷移との相関を認識する関係認識部と、
前記相関に基づいて、互いに相関を有する要素を示す情報及び当該要素間の相関係数を記憶する相関情報記憶部と、
前記ユーザの最新の情報である現状ユーザ情報を認識する現状ユーザ情報認識部と、
前記現状ユーザ情報に示される前記ユーザの第1要素を認識する第1要素認識部と、
前記互いに相関を有する要素を示す情報に基づいて、前記第1要素と相関のある前記ユーザの第2要素を抽出する第2要素抽出部と、
前記相関係数及び前記現状ユーザ情報に示される前記第1要素のスコアに基づいて、ユーザの第2要素の将来のスコアを予測する予測部と、
前記ユーザの第2要素の将来のスコアが所定範囲に含まれる場合、前記第2要素の将来のスコアを前記所定範囲の範囲外にする行動を認識する行動認識部と、
前記行動の実施または回避を推奨する情報を前記出力部に出力するように構成されている出力制御部と、を備え、
前記相関情報記憶部は、各要素と相関を有する行動及び当該各要素と当該行動との相関係数を示す相関行動情報を記憶するように構成され、
前記行動認識部は、前記ユーザの第2要素の将来のスコアが所定範囲に含まれる場合、前記相関行動情報に基づいて、前記第1要素または前記第2要素と相関を有し、かつ、前記第2要素の将来のスコアを前記所定範囲の範囲外にする行動を認識するように構成されていることを特徴とする。
【0024】
当該構成の情報出力システムによれば、スコア情報認識部により、ユーザの固有のユーザ情報に基づいて、当該ユーザ情報に含まれる複数の要素のスコアの時系列遷移を示すスコア情報が認識される。そして、関係認識部により、前記スコア情報に基づいて、一の要素のスコアの時系列遷移と、他の要素のスコアの時系列遷移を所定期間ずらした時系列遷移との相関が認識される。
【0025】
一の要素のスコアの時系列遷移と他の要素のスコアの時系列遷移を所定の期間ずらした時系列遷移との間に相関があれば、換言すれば、一方の要素の変化が、変化のあった時点よりも後の他方の要素の変化と相関がある場合、当該一方の要素の変化が当該他方の要素の変化の原因となっていたり、同一の原因により両方の変化が起こっていたりする可能性がある。
【0026】
さらに、第1要素認識部により、前記現状ユーザ情報に示されるユーザの第1要素が認識され、そして、第2要素抽出部により、互いに相関を有する要素を示す情報に基づいて、前記第1要素と相関のある前記ユーザの第2要素が抽出される。
【0027】
また、予測部により、前記要素間の前記相関係数及び前記現状ユーザ情報に示される前記第1要素のスコアに基づいて、ユーザの第2要素の将来のスコアが予測される。さらに、行動認識部により、前記ユーザの第2要素の将来のスコアが所定範囲に含まれる場合に、前記第2要素の将来のスコアを前記所定範囲の範囲外にする行動が認識される。そして、出力制御部により、前記行動の実施または回避を推奨する情報が前記出力部に出力される。
【0028】
これにより、相関係数に基づいて、第2要素の将来のスコアが所定範囲に含まれると予測された場合、前記第2要素の将来のスコアを前記所定範囲の範囲外にする行動の実施または回避を推奨する情報が出力部に出力される。その結果、ユーザの第2要素の将来のスコアを所定範囲に維持させ又は所定範囲から逸脱させる観点から有効な行動を、ユーザに提供することができる。
【0029】
さらに、前記行動認識部により、前記ユーザの第2要素の将来のスコアが所定範囲に含まれる場合、前記相関行動情報に基づいて、前記第1要素または前記第2要素と相関を有し、かつ、前記第2要素の将来のスコアを前記所定範囲の範囲外にする行動が認識される。
【0030】
ここで、相関行動情報は、各要素と相関を有する行動及び各要素と行動との相関係数を示す。これにより、第1要素又は第2要素と因果関係が存在する可能性のある行動をユーザに認識させることができる。
【0031】
また、仮に、第1要素又は第2要素と当該行動との関係が今まで注目されていなかったとしても、当該構成の情報出力システムによれば、第1要素又は第2要素と因果関係を有している可能性があり、かつ、前記第2要素の将来のスコアを前記所定範囲の範囲外にする当該行動をユーザに認識させることができる。
【0032】
当該構成の情報出力システムにおいて、
前記第1要素は、肌、体および心のうちの一に関する要素であり、前記第2要素は、肌、体および心のうちの他に関する要素であることが好ましい。
【0033】
当該構成の情報出力システムによれば、ユーザが関心を持ちやすい肌、体及び心のうち2つに関する要素間の因果関係を、ユーザに知らしめることができる。
【0034】
当該構成の情報出力システムにおいて、
前記第1要素はユーザの行動であり、前記第2要素は肌、体および心のうちの一に関する要素であることが好ましい。
【0035】
当該構成の情報出力システムによれば、ユーザが直接コントロールできるユーザの行動と、ユーザが関心を持ちやすい肌、体及び心のうち一に関する要素との関連をユーザに知らしめることができる。この結果、ユーザに、ユーザが関心を持ちやすい肌、体及び心のうち一に関する要素の状態を間接的にコントロールするヒントを与えることができる。
【0036】
本発明の情報出力システムにおいて、
前記ユーザ情報認識部は、前記ユーザの肌細胞画像データ、肌画像データ及び舌画像データのうち少なくとも1つを認識し、
前記スコア情報認識部は、前記ユーザの肌細胞画像データ、肌画像データ及び舌画像データに基づいて、前記ユーザの複数の要素のスコアの時系列遷移を示す情報を認識するように構成されていることが好ましい。
【0037】
本発明者らの検討により、前記肌細胞画像データ、前記肌画像データ、前記舌画像データのうち少なくとも1つに基づいて、前記ユーザの各要素のスコアを比較的高精度に認識できることが判明した。
【0038】
この点に鑑みて構成された当該構成の情報出力システムによれば、前記肌細胞画像データ、前記肌画像データ、前記舌画像データのうち少なくとも1つに基づいて前記ユーザの各要素のスコアが認識される。これにより、ユーザがアンケートなどの情報を入力したりする手間が省かれながら、高精度に各要素のスコアが認識され、ひいては、これらの要素間の関係性をユーザに認識させることができる。
【0039】
本発明の情報出力システムにおいて、
前記ユーザの操作を受け付ける入力部を備え、
前記ユーザ情報認識部は、前記入力部に入力された情報を前記ユーザの情報として認識し、
前記スコア情報認識部は、前記入力部に入力された情報に基づいて、前記ユーザの複数の要素のスコアの時系列遷移を示す情報を認識するように構成されていることが好ましい。
【0040】
当該構成の情報出力システムによれば、前記入力部に入力された情報に基づいて、前記ユーザの複数の要素のスコアが認識されるので、多岐にわたる要素についてのスコアの時系列遷移及びこれらの間の関係をユーザに認識させることができる。
【0041】
本発明の第3態様の情報出力プログラムは、
情報を出力する出力部を備えるシステムに、
ユーザの固有のユーザ情報を認識するステップと、
前記ユーザ情報に基づいて、当該ユーザ情報に含まれる複数の要素のスコアの時系列遷移を示すスコア情報を認識するステップと、
前記スコア情報に基づいて、一の要素のスコアの時系列遷移と、他の要素のスコアの時系列遷移を所定の期間ずらした時系列遷移との相関を認識するステップと、
前記相関に基づいて、互いに相関を有する要素を示す情報及び当該要素間の相関係数を記憶するステップと、
前記ユーザの最新の情報である現状ユーザ情報を認識するステップと、
前記現状ユーザ情報に示される前記ユーザの第1要素を認識するステップと、
前記互いに相関を有する要素を示す情報に基づいて、前記第1要素と相関のある前記ユーザの第2要素を抽出するステップと、
前記要素間の前記相関係数及び前記現状ユーザ情報に示される前記第1要素のスコアに基づいて、前記ユーザの第2要素の将来のスコアを予測するステップと、
前記ユーザの第2要素の将来のスコアに応じた情報を前記出力部に出力するステップと、を実行させることを特徴とする。
【0042】
本発明の第4態様の情報出力プログラムは、
情報を出力する出力部を備えるシステムに、
ユーザの固有のユーザ情報を認識するステップと、
前記ユーザ情報に基づいて、当該ユーザ情報に含まれる複数の要素のスコアの時系列遷移を示すスコア情報を認識するステップと、
前記スコア情報に基づいて、一の要素のスコアの時系列遷移と、他の要素のスコアの時系列遷移を所定の期間ずらした時系列遷移との相関を認識するステップと、
前記相関に基づいて、互いに相関を有する要素を示す情報及び当該要素間の相関係数を記憶する相関情報記憶ステップと、
ユーザの最新の情報である現状ユーザ情報を認識するステップと、
前記現状ユーザ情報に示される前記ユーザの第1要素を認識するステップと、
前記互いに相関を有する要素を示す情報に基づいて、前記第1要素と相関のある前記ユーザの第2要素を抽出するステップと、
前記相関係数及び前記現状ユーザ情報に示される前記第1要素のスコアに基づいて、ユーザの第2要素の将来のスコアを予測するステップと、
前記ユーザの第2要素の将来のスコアが所定範囲に含まれる場合、前記第2要素の将来のスコアを前記所定範囲の範囲外にする行動を認識する行動認識ステップと、
前記行動の実施または回避を推奨する情報を前記出力部に出力するように構成されているステップと、を実行させ、
前記相関情報記憶ステップは、各要素と相関を有する行動及び当該各要素と当該行動との相関係数を示す相関行動情報を記憶するように構成され、
前記行動認識ステップは、前記ユーザの第2要素の将来のスコアが所定範囲に含まれる場合、前記相関行動情報に基づいて、前記第1要素または前記第2要素と相関を有し、かつ、前記第2要素の将来のスコアを前記所定範囲の範囲外にする行動を認識するように構成されていることを特徴とする。
【0043】
本発明の情報出力プログラムにおいて、
前記第1要素は、肌、体および心のうちの一に関する要素であり、前記第2要素は、肌、体および心のうちの他に関する要素であることが好ましい。
【0044】
本発明の情報出力プログラムにおいて、
前記第1要素は、ユーザの行動であり、前記第2要素は、肌、体および心のうちの一に関する要素であることが好ましい。
【0045】
本発明の第5態様の情報出力方法は、
情報を出力する出力部を備えるシステムが実行する方法であって、
ユーザの固有のユーザ情報を認識するステップと、
前記ユーザ情報に基づいて、当該ユーザ情報に含まれる複数の要素のスコアの時系列遷移を示すスコア情報を認識するステップと、
前記スコア情報に基づいて、一の要素のスコアの時系列遷移と他の要素のスコアの時系列遷移を所定の期間ずらした時系列遷移との相関を認識するステップと、
前記相関に基づいて、互いに相関を有する要素を示す情報及び当該要素間の相関係数を記憶するステップと、
前記ユーザの最新の情報である現状ユーザ情報を認識するステップと、
前記現状ユーザ情報に示される前記ユーザの第1要素を認識するステップと、
前記互いに相関を有する要素を示す情報に基づいて、前記第1要素と相関のある前記ユーザの第2要素を抽出するステップと、
前記要素間の前記相関係数及び前記現状ユーザ情報に示される前記第1要素のスコアに基づいて、前記ユーザの第2要素の将来のスコアを予測するステップと、
前記ユーザの第2要素の将来のスコアに応じた情報を前記出力部に出力するステップと、を実行させることを特徴とする。
【0046】
本発明の第6態様の情報出力方法は、
情報を出力する出力部を備えるシステムが実行する方法であって、
ユーザの固有のユーザ情報を認識するステップと、
前記ユーザ情報に基づいて、当該ユーザ情報に含まれる複数の要素のスコアの時系列遷移を示すスコア情報を認識するステップと、
前記スコア情報に基づいて、一の要素のスコアの時系列遷移と他の要素のスコアの時系列遷移を所定の期間ずらした時系列遷移との相関を認識するステップと、
前記相関に基づいて、互いに相関を有する要素を示す情報及び当該要素間の相関係数を記憶する相関情報記憶ステップと、
ユーザの最新の情報である現状ユーザ情報を認識するステップと、
前記現状ユーザ情報に示される前記ユーザの第1要素を認識するステップと、
前記互いに相関を有する要素を示す情報に基づいて、前記第1要素と相関のある前記ユーザの第2要素を抽出するステップと、
前記相関係数及び前記現状ユーザ情報に示される前記第1要素のスコアに基づいて、ユーザの第2要素の将来のスコアを予測するステップと、
前記ユーザの第2要素の将来のスコアが所定範囲に含まれる場合、前記第2要素の将来のスコアを前記所定範囲の範囲外にする行動を認識する行動認識ステップと、
前記行動の実施または回避を推奨する情報を前記出力部に出力するように構成されているステップと、を実行させ、
前記相関情報記憶ステップは、各要素と相関を有する行動及び当該各要素と当該行動との相関係数を示す相関行動情報を記憶するように構成され、
前記行動認識ステップは、前記ユーザの第2要素の将来のスコアが所定範囲に含まれる場合、前記相関行動情報に基づいて、前記第1要素または前記第2要素と相関を有し、かつ、前記第2要素の将来のスコアを前記所定範囲の範囲外にする行動を認識するように構成されていることを特徴とする。
【0047】
本発明の情報出力方法において、
前記第1要素は、肌、体および心のうちの一に関する要素であり、前記第2要素は、肌、体および心のうちの他に関する要素であることを特徴とする情報出力方法。
【0048】
本発明の情報出力方法において、
前記第1要素は、ユーザの行動であり、前記第2要素は、肌、体および心のうちの一に関する要素であることを特徴とする情報出力方法。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【
図3】肌サポートサーバによる一連の肌サポート処理の説明図。
【
図4】肌サポートサーバにおける処理の第1のフローチャート。
【
図5】肌サポートサーバにおける処理の第2のフローチャート。
【
図6】ユーザ端末における処理の第1のフローチャート。
【
図7】ユーザ端末における処理の第2のフローチャート。
【
図8】主観データ及び客観データによる肌、心、体の初期データの解析処理の説明図。
【
図11】
図11Aは各施策とその施策の改善傾向等との関係を示す図で、
図11Bは各工程のスケジュールを示す図で、
図11Cはなりたい肌と肌状態の主観状態、客観状態との関係を示す図。
【
図12】画像表示を実施している期間における日々のモニタリングに基づく進捗表の説明図。
【
図14】ユーザ端末における肌状態の改善度の表示画面の説明図。
【
図16】暮らし及び特殊事例の評価方法の説明図であり、
図16Aは暮らし及び特殊事例の評価基準を示し、
図16Bは暮らし及び特殊事例の評価例を示している。
【
図22】肌のスコアのグラフと、行動のスコアのグラフを示す図。
【
図23】肌のスコアと行動のスコアとの相関の求め方を説明する図。
【
図24】
図24Aは、肌、心、体の各要素と行動と相関係数とを記憶するテーブル、
図24Bは、肌の要素と、体の要素との相関係数とを記憶するテーブル。
【
図26】肌のスコアのグラフと、体のスコアのグラフを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0074】
本発明の実施形態の一例について、
図1~
図27を参照して説明する。
【0075】
[A.肌サポートサーバの利用形態]
図1を参照して、肌サポートサーバ10の構成および本発明を構成する系に対する位置付けを説明する。肌サポートサーバ10は、CPU、メモリ、各種インターフェース回路等を備えたコンピュータシステムにより構成される。肌サポートサーバ10は、メモリに保持された画像表示用のプログラムをCPUで実行することによって、複数のユーザU(
図1ではUa,Ub,Ucを例示)の肌状態を改善又は維持するための処理(画像表示処理)を実行する機能を実現する。
【0076】
肌サポートサーバ10は、インターネット等の通信ネットワーク1を介して、複数のユーザUの通信端末(ユーザ端末)30(
図1では30a,30b,30cを例示)との間でデータ通信を行うことにより、ユーザUの肌状態の改善又は維持をサポートする。肌サポートサーバ10と、ユーザ端末30とにより構成されるシステムが、本発明の「情報出力システム」の一例に相当する。
【0077】
通信ネットワーク1には、担当者T(
図1ではTa,Tbを例示)の通信端末50(
図1では50a,50bを例示)も接続されている。担当者Tは、通信端末50を介して、ユーザUの肌の特徴や趣味嗜好、生活スタイル等を考慮した適切な肌ケア法等の情報を含むデータを、肌サポートサーバ10及びユーザ端末30に送信することにより、ユーザUの肌状態の改善に対するアドバイスを行う。なお、担当者Tの通信端末50とユーザUのユーザ端末30とは必ずしも一対一である必要はなく、肌サポートサーバ10、担当者Tの通信端末50、通信ネットワーク1を合わせた系全体によってユーザUの肌状態の改善に対するアドバイスがユーザUのユーザ端末30に提供されればよい。例えば、ユーザUの1又は複数のユーザ端末30に対して、複数の担当者Tによってそれぞれの通信端末50を介してアドバイスを提供する方法でも良い。
【0078】
さらに、肌サポートサーバ10は、複数のユーザUのユーザ端末30から送信される各ユーザの固有データを解析して、汎用的に活用可能な2次データを生成する機能を有し、この2次データを通信ネットワーク1を介して他のシステム60に提供するサービスも行うことができる。
【0079】
[B.肌サポートサーバ、及びユーザ端末の構成]
図2を参照して、肌サポートサーバ10およびユーザ端末30の構成について説明する。肌サポートサーバ10は、メモリに保持された情報出力プログラムをCPUで実行することにより、肌状態認識部11、施策グループ選択部12、施策情報送信部13、2次データ生成部19、スコア情報認識部21、関係認識部22、現状ユーザ情報認識部23、第1要素認識部24、第2要素抽出部25、予測部26、目標認識部27及び行動認識部28として機能する。これらの構成による処理については後述する。また、肌サポートサーバ10は、ユーザUの画像表示処理に使用する各種データを保持するサポートDB(データベース)20を備えている。このサポートDB20はたとえばRAM上に展開され、後述する主観および客観データの更新によって書き換え可能である。サポートDB20は、本発明の「相関情報記憶部」の一例に相当する。
【0080】
次に、本実施形態のユーザ端末30は、表示器31、タッチパネル32、カメラ33、マイク34、CPU35、及びメモリ36等を備えている。表示器31が、本発明の「出力部」に相当する。タッチパネル32が、本発明の「入力部」に相当する。これに代えてまたは加えて、カメラ33で撮像したユーザUの画像又はマイク34から入力されたユーザUの音声に基づいてユーザの指定を認識することにより、カメラ33又はマイク34を本発明の「入力部」として機能させてもよい。
【0081】
なお、一の装置が情報を「認識する」とは、一の装置が他の装置から当該情報を受信すること、一の装置が当該一の装置に接続された記憶媒体に記憶された情報を読み取ること、一の装置が当該一の装置に接続されたセンサから出力された信号に基づいて情報を取得すること、一の装置が、受信した情報又は記憶媒体に記憶された情報又はセンサから取得した情報に基づいて、所定の演算処理(計算処理又は検索処理など)を実行することにより当該情報を導出すること、一の装置が他の装置による演算処理結果としての当該情報を当該他の装置から受信すること、一の装置が当該受信信号にしたがって内部記憶装置又は外部記憶装置から当該情報を読み取ること等、当該情報を取得するためのあらゆる演算処理が実行されることを意味する。
【0082】
本実施形態においては、ユーザ端末30は例えばスマートフォンであるため、カメラ33やマイク34等を備えているが、ユーザ端末と有線無線にかかわらずやり取りできる構成であれば、外付けでの構成であったり、専門的な撮像装置を用いても良い。CPU35は、メモリ36に保持された画像表示用のアプリケーション35a(以下、肌サポートアプリ35aという)のプログラムを実行することにより、ユーザUが肌サポートアプリ35aを介して肌サポートサーバ10によるサポートを享受可能な状態とする。アプリケーション35aを実行したCPU35が本発明の「ユーザ情報認識部」及び「出力制御部」として機能する。
【0083】
また、ユーザUは、肌の細胞を取得するための角質採取テープ37(
図1では37a、37b、37cを例示)を別途有している。この角質採取テープ37は、予め担当者TによりユーザUに提供されたものであってもよいし、ユーザUが市販の角質採取テープ37を購入してもよい。
【0084】
なお、以下の説明では、説明の便宜のため、肌状態の改善又は維持のサポート処理の対象のユーザをユーザUaと表し、「ユーザUa」と異なるユーザを「他のユーザUb、Uc」と表す。
【0085】
[C.肌サポートサーバによる一連の処理]
次に、
図3を参照して、肌サポートサーバによる一連の処理について説明する。肌サポートサーバ10は、「1.ゴール設定」、「2.スケジュール決定」、「3.モニタリング」、「4.スケジュール修正」、[5.ゴール判定]及び「6.2次データ生成」の各工程の処理を、
図4,5に示したフローチャートに従って実行する。また、ユーザ端末30は、各工程における肌サポートサーバ10による処理に応じて、
図6,7に示したフローチャートによる処理を実行する。以下では、各工程における肌サポートサーバ10及びユーザ端末30のCPU35の処理について、
図4~7に示したフローチャート
を参照しつつ説明する。
【0086】
ユーザUaは、
図6のSTEP50で、肌サポートアプリ35aのプログラムをユーザ端末30にダウンロードして肌サポートアプリ35aを起動する。そして、ユーザUaは肌サポートアプリ35aへの登録申請を行う。
【0087】
肌サポートサーバ10は、
図4のSTEP10で、ユーザUaからの登録申請を受け付けたときに、「ユーザUaからの登録申請を受け付けた」と認識し、STEP11に処理を進める。そしてSTEP11以降の画像表示処理を開始する。
【0088】
[D.ゴール設定工程]
図3に示した「1.ゴール設定」の工程は、肌状態認識部11及び施策グループ選択部12により実行される。施策グループ選択部12は、
図4のSTEP11でユーザ端末30にユーザUaの現状の肌、体、心の各状態、及びユーザUaが要望する肌状態を把握するための情報入力を促す初期情報要求データを送信する。
【0089】
この初期情報要求データを受信したユーザ端末30では、肌サポートアプリ35aが、
図6のSTEP51で、ユーザUaに対して、現状の肌、体、心の各状態、及びユーザUaが要望する肌状態の入力を促す画面を表示器31に表示する。それに対してユーザ端末30は、ユーザUaが入力した情報を含む初期ユーザ情報データを、肌サポートサーバ10に送信する。これらに加えてまたは変えて、肌サポートアプリ35aは、
図6のSTEP100で、入力情報受付処理を実行する。入力情報受付処理の詳細については後述する。
【0090】
肌状態認識部11は、
図4のSTEP11において、初期ユーザ情報データを受信して、初期ユーザ情報データから認識したユーザUaの肌、心、体の各状態と、ユーザUaが要望する肌状態とに基づいて、肌状態、心状態、又は体状態の目標スコア(ゴール)を設定する。
【0091】
ここで、初期ユーザ情報データには、肌状態、体状態、及び心状態についての主観データ及び客観データが含まれている。詳細な定義は後述するが、主観データはユーザの主観によって判定される項目、客観データは検査結果や画像解析、事実情報に基づいたデータである。肌状態の主観データは、現状の肌状態に対するユーザUaの満足度を、例えば10段階で示したデータである。肌状態の客観データは、ユーザUaの肌画像データである。なお、肌状態の客観データには、初期ユーザ情報データに含まれる肌状態の客観データに加え、角質採取テープ37により採取されたユーザUaの角層細胞の解析データが含まれても良い。角層細胞の解析データは、具体的には例えば保水能力と皮脂適格性に関するデータである。この場合、角層細胞の解析を、例えばユーザ端末30に接続された測定機器45により行うことで、或は、角質採取テープ37の画像データをユーザ端末30から肌サポートサーバ10に送信し、肌サポートサーバ10側で角質採取テープ37の画像を分析して保水能力と皮脂適格性などを測定してもよい。
【0092】
ユーザUaの満足度は肌サポートアプリ35aにおけるアンケート入力によって取得される。また、肌画像データは、ユーザ端末30のカメラ33又は接続端子40に接続された外部カメラによってユーザUaがユーザUaの顔を撮像することによって取得した画像データである。
【0093】
また、肌サポートアプリ35aは、ユーザUaに対して、角質採取テープ37の使用方法を表示器31に表示し、角質採取テープ37の使用と別途の郵送とを促す。肌サポートアプリ35aは、ユーザUaに対して、角質採取テープ37の使用と肌画像の撮像を促し、撮像された画像が肌サポートサーバ10に送信されるようにしてもよい。
【0094】
肌状態認識部11は、
図8に示したように、肌状態の初期値を、主観のスコアをたとえば3、肌画像のスコアを3、保水能力のスコアを2、皮脂適格性のスコアを1に割り当てて、合計した値を肌状態のスコアとする。なお、スコアは正の整数ではなく、小数で表現されていてもよいし、負の数で表されてもよい。
【0095】
角層細胞の状態を解析したスコア(保水能力スコア及び皮脂適格性のスコア、角層バリア、メラニンスコアなど)の認識を第1認識方法と呼ぶ。第1認識方法は、これに代えてまたは加えて、角層水分量計によりユーザの肌の水分量を計測する方法及び皮脂量計によりユーザの肌の皮脂量を計測する方法のうち少なくとも1つを含む。また、第1の認識方法によるユーザの肌の認識を定期的に行うため、肌状態認識部11は、定期的にユーザ端末30に角質採取テープ37等の使用を促すメッセージを送信したりすることにより、ユーザに行動を促す。このときの「定期的」というのは厳密に時間的に等間隔である必要はなく、肌状態に影響が出ない範囲で等間隔であれば良い。例えば、3ヶ月ごとに第1の認識方法を実施する場合において、1月1日に初回を実施した場合、ちょうど3か月後の4月1日のみならず、例えばその1週間前の3月24日前後にユーザ端末30にメッセージを送信してもよいし、例えばその1週間後の4月8日前後にユーザ端末30にメッセージを送信してもよい。また、長期的にサービスを提供するときなどは、例えば細かい改善を調べたい時は1ヶ月ごとに第1の認識方法を設定し、肌状態に対する季節変化の影響を調べるために3か月ごとに第1の認識方法を設定するなど、認識のタイミングは変更可能である。
【0096】
アンケート入力による肌状態の主観データに基づいて主観スコアの認識及びユーザUaの肌画像データに基づく肌画像スコアの認識のそれぞれを第2認識方法と呼ぶ。第2認識方法は、アンケート入力による肌状態の主観データに基づいて主観スコアの認識及びユー
ザUaの肌画像データに基づく肌画像スコアの認識の一方によってユーザUaの肌状態を認識してもよいし、これらと異なる方法を含んでもよい。また、第2認識方法は、第1の認識方法よりも頻繁に行われる。これは角質採取テープ37の使用・郵送が手間的にも煩雑かつ値段的にも高価になってしまうためである。また、角質採取テープ37の使用が頻繁であると、ユーザUaの肌へ悪影響が及ぶおそれもある。
【0097】
例えば3か月間ごとに第1の認識方法が実施され、第2の認識方法は毎日実施にされる。また、第1の認識方法の実施と第2の認識方法の実施のタイミングが重なる時は、できれば同じタイミングで実施されると精度の良いデータが取れるために好ましい。ただし第1の認識方法の実施時に第2の認識方法が実施されなくても本発明の実施は可能であるし、効果も得られる。
【0098】
なお、主観スコアは、主観データに基づいて認識されたスコアであればよい。
【0099】
体状態の主観データと客観データは、
図9に示したように分けられている。詳細な定義は後述するが、肌の主観データおよび客観データと同様に、主観データはユーザUaの主観によって判定される項目、客観データは検査結果や画像解析、事実情報に基づいたデータである。体状態の主観データは、ユーザUaが肌サポートアプリ35aを通じてアンケートを入力することによって取得される。客観データは、ユーザUaがユーザ端末30のカメラ33を用いて撮像されたユーザUaの舌・唇の画像データ、ユーザ端末30の接続端子40に接続された測定機器45により測定されたユーザUaの血圧、不整脈、尿中成分、血中成分等の測定データと、肌サポートアプリ35aにおけるアンケート入力により取得された頭痛又は肩こり等の体調不良の回数、疲労度判定等のデータである。なお、将来の肌ケア以外のサービスへの展開に備えて、種々の病気の発生情報などについても初
期ユーザ情報データに含めてもよい。
【0100】
心状態の主観データと客観データは、
図10に示したように分けられている。、詳細な定義は後述するが、肌の主観データおよび客観データと同様に、主観データはユーザUaの主観によって判定される項目、客観データは検査結果や画像解析、事実情報に基づいたデータである。主観データは、肌サポートアプリ35aにおけるアンケート入力によって取得される。客観データは、肌サポートアプリ35aにおけるアンケート入力(一日の笑った頻度等)と、測定機器による測定(脈拍モニタリングからの心理状態推定等)とにより取得される。なお、将来の肌ケア以外のサービスの展開に備えて、種々の精神疾患の発生情報についても初期ユーザ情報データに含めてもよい。
【0101】
肌状態認識部11は、認識したユーザUaの肌、体、心の状態の主観データ及び客観データを、サポートDB20に記憶する。
【0102】
肌状態認識部11は、このようにして初期ユーザ情報データから認識したユーザUaの肌状態、体状態、及び心状態の主観データと客観データに基づいて、
図8の右側の三角形で示したように、肌状態を1~9、体状態を1~6、心状態を1~6の各スコアで表した3軸の初期値を設定する。なお、肌状態のスコアと同様に、体状態又は心状態の主観データ及び客観データから体状態又は心状態の主観スコア及び客観スコアが算出され、それらに基づいて体状態のスコア及び心状態のスコアとして扱われてもよい。
【0103】
さらに、施策グループ選択部12は、初期ユーザ情報データに含まれる「なりたい肌スコア」「施策のカテゴリ、希望、頻度」「アレルギー情報」及び「現在行っている施策」を取得する。「なりたい肌スコア」「施策のカテゴリ,希望,頻度」「アレルギー情報」及び「現在行っている施策」は、肌サポートアプリ35aにより、ユーザUaが入力したものである。
【0104】
ここで、「なりたい肌スコア」において、「なりたい肌」とは、乾燥感改善、ごわつき改善、敏感肌改善、ニキビ改善、しぼみ感改善、シミ改善、シワ改善、たるみ改善、くすみ改善、くま改善、顔色改善、及びハリ改善の中から選択された肌状態の改善対象である。また、「スコア」とは、各対象の肌状態に対するユーザUaの満足度であって、肌サポートアプリにおいて1~10の10段階でユーザが選択したスコアである。
【0105】
サポートDB20は、各改善対象に関連付けられた肌状態の主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向を記憶している。例えば、
図11Cに示されるように、「乾燥感改善」には、肌状態の主観状態「乾燥感改善」と、肌状態の客観状態の基準「保水能力と皮脂適格性との差を最小化」とが関連付けられている。
【0106】
例えば、「なりたい肌」が「乾燥感改善」であり、現状の肌状態の乾燥感の満足度のスコアが3であるときに、ユーザUaの選択に応じて、「乾燥感改善」と関連付けられたユーザUaの肌状態の主観状態「乾燥感改善」についての満足度5が主観的な目標スコアとして設定される。
【0107】
また、施策グループ選択部12は、「乾燥感改善」に関連付けられた肌状態の客観的な改善対象を設定する。例えば、施策グループ選択部12は、「乾燥感改善」に関連付けられた基準「保水能力と皮脂適格性との差を最小化」に基づいて、ユーザUaの肌状態のうち、保水能力よりも低い皮脂適格性の値2を客観的な目標スコアとして設定する。
【0108】
心状態、体状態についても同様に目標スコアが定められうる。
【0109】
また、「施策のカテゴリ、希望、頻度」において、カテゴリとしては「食生活、自宅での行動、運動、化粧品の使い方、飲食、肌ケア、行動」等、希望としては「難易度、金額制約、時間制約、やりたくない施策、肌ケアを行うシーン、施策のカテゴリに関する嗜好」等、頻度としては「1日当たりのアドバイスを受ける回数」等が選択される。
【0110】
「アレルギー情報」は、ユーザUaがアレルギー疾患の場合のアレルギー物質に関する情報が含まれる。
【0111】
「現在行っている施策」は、ユーザUaがすでに行っている施策であり、「湯船につかる」等の内容及び頻度又は程度などにより表される。
【0112】
また、初期ユーザ情報データには、ユーザUaの性別、年齢、住んでいる地域、職業、性格等のユーザの属性を示す情報が含まれている。
【0113】
[E.スケジュール決定工程]
図3に示した「2.スケジュール決定」の工程は、施策グループ選択部12、施策情報送信部13により実行される。
【0114】
施策グループ選択部12は、
図4のSTEP12で、ゴール(主観的な目標スコア及び客観的な目標スコア)を達成するための施策グループを選択する。この選択は、上述した各改善対象に関連付けられた、肌状態の主観状態の改善傾向と肌状態の客観状態の改善傾向と適した周辺環境とを考慮して行われる。施策グループ選択部12は、あらかじめ登録された地域またはGPSセンサ等によって検出された位置情報と、端末の時計機能から取得した日時とに基づいて、スケジュール期間におけるユーザUaの周辺環境の温度、湿度等を予測する。
【0115】
例えば、施策グループ選択部12は、カテゴリの希望が「自宅での行動、食生活、運動」であり、梅雨の時期のように湿度が平均50%と予測される季節であり、主観的な目標スコアが「乾燥感」の満足度5以上、客観的な目標スコアが皮脂適格性2以上である場合、主観状態の改善傾向が「乾燥感改善」を含み、客観状態の改善傾向が「皮脂適格性向上」を含み、カテゴリに「自宅での行動、食生活、運動」のいずれかであり、適した周辺環境が湿度50%と矛盾しない施策を選択する。
【0116】
ここで、主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向は、予め担当者T等の専門家によって定められたものであってもよいし、サポートDB20に記憶された他のユーザUb、Ucが実施した施策と他のユーザUb、Ucの肌状態の時系列的変化に基づいて推定される主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向であってもよいし、実施した施策とユーザUaの肌状態の時系列的変化がサポートDB20に保存されている場合には、当該情報に基づいて推定される主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向であってもよい。
【0117】
例えば、サポートDB20には、他のユーザUb、Ucのそれぞれが実施した施策と、その施策を実施した前後の他のユーザUb、Ucそれぞれごとの肌状態の主観データの時系列的変化及び他のユーザUb、Ucそれぞれごとの肌状態の客観データの時系列的変化の一方又は両方とが記憶される。
【0118】
また、例えば、サポートDB20には、他のユーザUb、Ucのそれぞれが実施した施策「湯船につかる」と、その施策を実施した前後における、他のユーザUb、Ucそれぞれの肌状態の主観状態の時系列的変化としての「乾燥感についての満足度」が記憶されているとする。
【0119】
このとき、施策グループ選択部12は、各他のユーザUb、Ucごとに、施策「湯船につかる」について、例えば、湯船につかる前日と、湯船につかった日の肌状態の主観データ(乾燥感についての満足度)の変化量を算出する。そして、施策グループ選択部12は、各他のユーザUb、Ucごとの乾燥感についての満足度の変化量の平均値をとる。施策グループ選択部12は、例えば、「乾燥感についての満足度」の変化量の平均値が所定値以上である場合に、施策「湯船につかる」の主観状態の改善傾向を「乾燥感改善」と認識する。客観状態の改善傾向についても、主観状態の改善傾向と同様に認識できる。
【0120】
施策グループ選択部12は、ユーザUaの年齢及び肌状態に基づいて、同年代、同様の肌状態等、処理対象とする他のユーザUb、Ucの範囲を絞ってもよい。
【0121】
また、施策グループ選択部12は、サポートDBに実施した施策とユーザUaの肌状態の時系列的変化が保存されている場合には、上記と同様にして算出した当該情報に基づいて推定される主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向を認識してもよい。
【0122】
施策グループ選択部12は、ユーザUaの第1回目のスケジュール決定工程においては、他のユーザUb、Ucの肌状態の主観データ、客観データから上記主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向を認識し、ユーザUaの第2回目のスケジュール決定工程においてはユーザUaの肌状態の主観データ、客観データから主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向を認識してもよい。
【0123】
施策グループ選択部12は、肌状態のみならず、心状態、体状態についても同様に主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向を認識し、当該心状態、体状態の主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向を加味して施策を選択してもよい。
【0124】
施策グループ選択部12は、「現在行っている施策」と同内容及び同頻度または同程度
の施策を施策グループから除外してもよい。ユーザが既に行っている施策は、提案するまでもないと考えられるからである。
【0125】
図11Aの例では、施策グループ選択部12は、「湯船につかる」「ビタミンC摂取」「野菜摂取」「1万歩以上歩く」を含むように複数の施策の組合せである施策グループを選択する。
【0126】
施策情報送信部13は、施策グループの中から、ユーザUaの「施策のカテゴリ、希望、頻度」に応じて施策の優先度を評価し、当該優先度に従って初期の施策を決定する。
図12には、初期の施策として「湯船につかる」「野菜摂取」「1万歩以上歩く」が選択されたスケジュールの例を示している。施策情報送信部13は、このようにして決定したスケジュールの内容を示すスケジュールデータをユーザ端末30に送信する。
【0127】
施策情報送信部13は、併せて、ユーザUaの指定を基に、一定期間の各工程の実施の計画を作成する。
図11Bには、START時にゴール設定とスケジュール決定を行い、毎日モニタリングをし、1週間ごとにスケジュール修正を行い、1か月後に進捗グラフを作成し、F3か月目にゴール判定と新たなゴール設定を行うという一連のイベントの計画が示されている。施策情報送信部13は、ユーザUaの指定に加えてまたは代えて、あらかじめ定められた、一定期間の各工程の実施の計画を用いてもよい。
【0128】
ユーザ端末30において、
図6のSTEP52で、肌サポートサーバ10からスケジュールデータを受信すると、肌サポートアプリ35aは、
図12に示したようなスケジュールの実行表及び
図11Bに示したような作業内容の計画を表示可能にして、ユーザUaによる各施策の実施を促す。
図12のスケジュールの実行表においては、各施策(「湯船につかる」、「野菜摂取」、「1万歩以上歩く」)の内容が表示される。
【0129】
また、ユーザ端末30において、肌サポートサーバ10から
図4のSTEP200の施策認識処理で認識された施策を示す情報を受信すると、肌サポートアプリ35aは、
図6のSTEP110において、施策出力処理を実行する。施策出力処理の詳細については後述する。
【0130】
[F.モニタリング工程]
図3に示した「3.モニタリング」の工程は、ユーザUaが肌サポートアプリ35a上で設定した期間ごとに(
図11Bでは毎日)、肌状態認識部11、施策情報送信部13、スコア情報認識部21及び関係認識部22により実行される。肌サポートアプリ35aの利用を開始したユーザUaは、ユーザ端末30により、日々の肌、体、心の各状態と、スケジュールにより指示された施策の実施状況と、スケジュールにより指示された施策以外のユーザUaの自主的な行動(施策外行動)の実施状況とを入力する。施策の実施状況には、「湯船につかる」、「野菜摂取」、「1万歩以上歩く」をそれぞれ実施したかどうかを示す情報のほか、「30分」および「湯船につかる」、「300g」および「野菜を摂取」、「1万5千歩」および「歩く」など、時間、量などで表される施策の実行の度合いが含まれる。
【0131】
肌サポートアプリ35aは、
図6のSTEP53で、ユーザUaにより肌、体、心の状態が入力されると
図6のSTEP100及びSTEP60に処理を進める。
図6のSTEP100の処理の詳細は後述する。肌サポートアプリ35aは、
図6のSTEP60において、上述した初期ユーザ情報データと同様に、ユーザUaの肌、体、心の状態についての主観データと客観データを含む現状ユーザ情報データを肌サポートサーバ10に送信してSTEP54に処理を進める。なお、肌サポートアプリ35aは、
図6のSTEP53で、ユーザUaにより肌、体、心の状態が入力されない場合、そのままSTEP54に処理を進める。ここで送信されるデータには、角質採取テープ37によって採取された角層細胞に関するデータは含まれない。
【0132】
また、肌サポートアプリ35aは、
図6のSTEP54で、ユーザUaによりスケジュールの実行状況(各施策の実行状況)が入力されたときにSTEP61に処理を進め、スケジュールの実行状況を示す実行状況データを肌サポートサーバ10に送信して
図7のSTEP55に処理を進める。なお、肌サポートアプリ35aは、
図6のSTEP54で、ユーザUaによりスケジュールの実行状況(各施策の実行状況)が入力されない時は、そのままSTEP55に処理を進める。
【0133】
さらに、肌サポートアプリ35aは、
図7のSTEP55で、ユーザUaにより施策外行動の実施状況が入力されたときにSTEP62に処理を進め、実施された施策外行動の内容を示す施策外行動実施データを肌サポートサーバ10に送信してSTEP56に処理を進める。なお、肌サポートアプリ35aは、
図7のSTEP55で、ユーザUaにより施策外行動の実施状況が入力されないときには、そのままSTEP56に処理を進める。
【0134】
肌状態認識部11は、STEP13でユーザ端末30から現状ユーザ情報データを受信したときに
図4のSTEP200及びSTEP20に処理を進める。
図4のSTEP200の処理の詳細は後述する。肌状態認識部11は、現状ユーザ情報データをサポートDB20に蓄積してSTEP14に処理を進める。なお、肌状態認識部11は、STEP13でユーザ端末30から現状ユーザ情報データを受信しないときは、STEP14にそのまま処理を進める。
【0135】
また、施策情報送信部13は、STEP14でユーザ端末30から実行状況データを受信したときに
図4のSTEP300及びSTEP21に処理を進める。
図4のSTEP300の処理の詳細は後述する。施策情報送信部13は、実行状況データをサポートDB20に蓄積してSTEP15に処理を進める。一方で、STEP14でユーザ端末30から実行状況データを受信していないと判定された場合は、そのままSTEP15に処理を進める。
【0136】
さらに、施策情報送信部13は、STEP15でユーザ端末30から施策外行動実施データを受信したときに
図4のSTEP300及びSTEP22に処理を進める。
図4のSTEP300の処理の詳細は後述する。施策情報送信部13は、施策外行動実施データをサポートDB20に蓄積して
図5のSTEP16に処理を進める。一方で、施策情報送信部13は、STEP15でユーザ端末30から施策外行動実施データを受信しない時は、そのまま
図5のSTEP16に処理を進める。
【0137】
図5に移って、STEP16で、施策情報送信部13は、サポートDB20に蓄積されたユーザUaの初期ユーザ情報データ、現状ユーザ情報データ、実行状況データ、及び施策外行動実施データ等に基づいて、スケジュールの進捗状況を示す進捗表データを作成し、この進捗表データをユーザ端末30に送信する。
【0138】
ここで、スケジュールの進捗表は、例えば
図12に示したように、上から順に、肌状態(ここでは乾燥肌)のスコア、体状態のスコア、心状態のスコア、施策(湯船につかる、野菜摂取、1万歩以上歩く)の実施状況、暮らし情報(野菜摂取量、水分摂取量)、及び暮らし特殊事例が、1日単位で表示する構成となっている。
【0139】
また、スケジュール進捗表には、施策の実行度合い(「30分」湯船につかる、「300g」野菜摂取、「1万5千歩」歩く)が含まれている。
【0140】
ユーザ端末30において、肌サポートアプリ35aは、
図7のSTEP56で、肌サポートサーバ10から送信された進捗表データを受信したときにSTEP63に処理を進め、進捗表データをメモリ36に保持する。肌サポートアプリ35aは、メモリ36に格納された進捗表データを用いて、
図12に示した進捗表をユーザ端末30の表示器31に表示する。
【0141】
また、肌サポートアプリ35aは、進捗表データの他に、通信を介して認識した、肌サポートサーバ10のサポートDB20に蓄積されたユーザUaの初期ユーザ情報データ、現状ユーザ情報データ、実行状況データ、施策外行動実施データ等を用いて、ユーザUaの肌、体、心の各状態の推移や変化を示す情報を、ユーザ端末30の表示器31に表示する。
【0142】
例えば、肌サポートアプリ35aは、
図13に示したように、スケジュールによる施策以外のユーザUaの行動(洗顔法の変更、マッサージを受けた等)、及びユーザの体調(生理、睡眠不足等)と、ユーザUaの肌状態の変化の関係を日単位の時系列グラフで、表示器31に表示する。
【0143】
また、肌サポートアプリ35aは、
図14に示したように、一カ月単位で、ユーザUaの角質状態を含む肌状態、心理状態、肌ケアの満足度、及び化粧品の使い方の評価値の変化を対比したレーダーチャートを表示器31に表示する。
【0144】
ユーザUaは、肌サポートアプリ35aによるこれらの表示を視認して、自身の肌、体、心の各状態の変化を確認することにより、肌の改善度と共に、体と心の状態の変化も把握することができるため、肌、体、及び心の状態をバランス良く改善しながら、目標とする肌状態のゴールへの到達することができる。
【0145】
[G.スケジュール修正]
図3に示した「4.スケジュール修正」の工程は、ユーザUaが肌サポートアプリ35a上で設定した期間ごとに(
図11Bでは1週間ごとに)、施策情報送信部13により実行される。
図5のSTEP17~STEP20、及びSTEP30~STEP33が、施策情報送信部13による処理である。
【0146】
施策情報送信部13は、STEP17で、サポートDB20に蓄積されたユーザUaの初期ユーザ情報データ、現状ユーザ情報データ、及び実行状況データ等に基づいて、ユーザUa肌状態の目標達成度、スケジュールに組み込まれた各施策の実行度、及び各施策の効果を評価する。各施策の効果とは、各施策の実行の前後におけるユーザUaのゴールに関連した、肌状態、体状態又は心状態のうち少なくとも1つの状態(指定状態)のスコアの変化により求められる。例えば、ある施策を実行したときに、指定状態のスコアが2から3に上昇した場合には、効果+1として求められうる。
【0147】
施策情報送信部13は、
図15Aに示した施策の評価基準を用いて、肌状態と体又は心の状態との相関関係を抽出し、この相関関係に基づいて、スケジュールに組み込まれた各施策の継続、施策グループからの除外、施策の中止、別の施策への変更を判断する。
【0148】
図15Aの評価基準では、判定項目として、実施の有無、肌への影響、体への影響、心への影響という四項目が使用され、実施率が所定実施率を超え、肌に良い影響があり、且つ、体と心に悪い影響がない施策については、A評価となって継続と判断される。なお、
図15Aでは、実施率が所定の実施率を超えた施策を「実施」として表記し、実施率が所定の実施率以下であった施策を「不実施」として表記している。
図12及び
図15Bでも同様である。
【0149】
施策の影響のタイミングと影響が継続する期間が施策ごとに定められている場合、施策情報送信部13は、施策の影響のタイミングと施策の影響が継続する期間に基づいて、各施策の影響を判定してもよい。
【0150】
例えば、「湯船につかる」という施策の肌への影響、体への影響、心への影響は、翌日に影響が出、1日だけ継続すると定められていた場合、施策情報送信部13は、例えば12月15日の「湯船につかる」という施策の影響は、12月16日の各状態に反映されていると判断する。
【0151】
また、「野菜摂取」という施策の肌への影響、体への影響、心への影響は、1週間後に影響が出、3日だけ継続すると定められていた場合、施策情報送信部13は、例えば12月15日の「野菜摂取」という施策の影響は、12月22日~12月24日の各状態に反映されていると判断する。
【0152】
それに対して、実施され、肌に良い影響があるが、体と心のいずれかに悪い影響がある施策については、B評価となって中止或は別施策への変更と判断される。また、実施率が所定の実施率以下となった施策はユーザUaにとって負荷が大きかったと考えられるため、C評価となって中止或は別施策(例えば、ユーザUaの負荷が軽減する施策又は別の施策)への変更と判断される。
【0153】
施策情報送信部13は、各施策を1日だけ実施することで肌、体、心への良いまたは悪い影響があるかの評価を行っても良いし、数日や数週間などの一定期間において各施策を実施することで、肌、体、心への良いまたは悪い影響があるかの評価を行ってもよい。一定期間で評価を行う場合、施策情報送信部13は、例えば、一定割合でいずれかの状態に悪影響が出た場合にB評価とし、実施割合が一定以下である場合にC評価とし、それ以外の場合A評価としてもよい。これに代えて、施策情報送信部13は、例えば、一定期間におけるいずれかの状態の満足度の平均値が所定以下となった場合にB評価としてもよい。また、1日におけるいずれかの状態の満足度が所定以下となり、かつ、一定期間におけるいずれかの状態の満足度の平均値が所定以下となった場合にC評価とし、1日の評価におけるいずれかの状態の満足度が所定以下となり、または、一定期間におけるいずれかの状態の満足度の平均値が所定以下となった場合にB評価とし、1日におけるいずれかの状態の満足度が所定値を超え、かつ、一定期間におけるいずれかの状態の満足度の平均値が所定値を超えた場合にA評価とするなど、1日の評価と一定期間の評価とを組み合わせて用いてもよい。
【0154】
また、施策情報送信部13は、
図8に示した肌状態のスコアの向上度が所定の向上度以下である場合に、当該肌状態のスコアの向上度が所定の向上度以下である施策を施策グループから除外してもよい。施策情報送信部13は、体状態又は心状態のスコアの向上度が所定の向上度以下である場合に、体状態又は心状態のスコアの向上度が所定の向上度以下である施策を施策グループから除外してもよい。
【0155】
図15Bは、
図15Aに示した評価基準を、本実施形態における施策(湯船につかる、野菜摂取、1万歩以上歩く)に適用した例を示している。
図15Bにより、施策情報送信部13は、「湯船につかる」についてはA評価として、次のスケジュールでの継続を決定し、「野菜摂取」についてはB評価として、施策グループからの除外、次のスケジュールでの中止或は他の施策への変更を決定し、「1万歩以上歩く」についてはC評価として、施策グループからの除外、次のスケジュールでの中止或は他の施策への変更を決定している。
【0156】
施策情報送信部13は、複数の施策が行われた影響については、それらの施策の組合せごとに判断する。例えば、施策情報送信部13は、「湯船につかる」「野菜摂取」の組合せが、B評価又はC評価であった場合、「湯船につかる」若しくは「野菜摂取」の単独の施策のみとするか、又はこれらのいずれかの施策と別な施策との組み合わせとするように変更してもよい。
【0157】
施策情報送信部13はこのような評価処理を行って、スケジュール修正(主として施策グループの他の施策への変更による修正)の要否を判断し、スケジュール修正が必要と判断したときには、STEP30に処理を進めてスケジュールを修正する。
【0158】
そして、修正したスケジュールのデータであるスケジュール修正データをユーザ端末30送信して、STEP19に処理を進める。一方、スケジュールの修正が不要であると判断したときには、施策情報送信部13は、
図5のSTEP18から
図5のSTEP19に処理を進め、この場合、スケジュールは修正されない。
【0159】
次に、施策情報送信部13は、STEP19で、初期ユーザ情報データ、現状ユーザ情報データ、及び施策外行動実施データ等に基づいて、ユーザUaが行った各施策外行動(スケジュールに組み込まれている施策以外に、ユーザが行った行動)を評価する。
【0160】
施策情報送信部13は、
図16Aに示した施策外行動の評価基準を用いて、施策外行動の推奨の有無又は禁止の提案を判断する。
図16Aの評価基準では、判定項目として、肌、体、心の各状態への影響が使用される。
【0161】
そして、「肌、体、心のいずれかに良い影響があり、且ついずれについても悪い影響が無い」場合は、D評価となって実施が推奨される。それに対して、「肌、体、心のいずれかに悪い影響がある」場合は、E評価となって禁止が提案される。また、「肌、体、心のいずれにも影響が無い」場合には、F評価となって実施が推奨されない。
【0162】
図16Bは、
図16Aに示した評価基準を、本実施形態における施策外行動(マッサージを受けた、チョコレートを大量に摂取した)に適用した例を示している。
図16Bにより、施策情報送信部13は、「マッサージを受ける」についてはD評価として、次のスケジュールでの実施の推奨を決定している。また、「チョコレートの大量摂取」についてはE評価として、次のスケジュールでの止めるための施策(例えば、和菓子を摂取する代替案)の提案を決定している。
【0163】
施策情報送信部13は、スケジュールに組み込まれた施策の中止或は変更、又は施策外行動について、実施の推奨或は禁止の提案を決定したときには、STEP20からSTEP31に処理を進める。そして、推奨を決定したときはSTEP31からSTEP33に処理を進め、施策外行動の実施を推奨する施策外行動推奨データをユーザ端末30に送信して、
図4のSTEP13に処理を進める。
【0164】
一方、施策情報送信部13は、禁止の提案を決定したときには、STEP31からSTEP32に処理を進め、施策外行動の禁止を提案する施策外行動禁止データをユーザ端末30に送信して、
図4のSTEP13に処理を進める。
【0165】
また、施策情報送信部13は、推奨又は禁止を提案する施策外行動がない場合には、STEP20から
図4のSTEP13に処理を進める。なお、禁止を提案する施策外行動に代替行動がある場合には、禁止の提案に代えて代替行動への変更を提案する施策外行動禁止データをユーザ端末30に送信するようにしてもよい。
【0166】
ユーザ端末30において、肌サポートアプリ35aは、
図7のSTEP57で、肌サポートサーバ10からスケジュール修正データを受信すると、STEP65に処理を進め、スケジュール修正データに基づいてスケジュールを修正する。そして、肌サポートアプリ35aは、メモリ36に保持されたスケジュールデータを更新して、処理をSTEP58に進める。
【0167】
また、肌サポートアプリ35aは、
図7のSTEP58で、肌サポートサーバ10から施策外行動推奨データ又は施策外行動禁止データを受信すると、STEP66に処理を進め、受信したデータに応じて、施策外行動を推奨又は禁止の提案を報知する画面をユーザ端末30の表示器31に表示する。なお、この報知は、例えば
図12に示した進捗表に報知メッセージを表示して行ってもよい。また、推奨する施策外行動を、新たな施策としてスケジュールを修正してもよい。
【0168】
また、関係認識部22、現状ユーザ情報認識部23、第1要素認識部24、第2要素抽出部25、予測部26、目標認識部27及び行動認識部28は、
図5のSTEP400において、施策認識処理を実行して、スケジュールを修正してもよい。施策認識処理の詳細は後述する。
【0169】
また、肌サポートアプリ35aは、肌サポートサーバ10から施策認識処理で認識された施策を示す情報を受信すると、
図7のSTEP110に示す施策出力処理を実行する。施策出力処理の詳細は後述する。
【0170】
[H.ゴール判定工程]
図3に示した「5.ゴール判定」の工程は、ユーザUaが肌サポートアプリ35a上で設定した期間ごとに(
図11BにおいてはSTARTから3か月後)、肌状態認識部11、施策グループ選択部12及び施策情報送信部13により実行される。
【0171】
肌サポートアプリ35aは、角質採取テープ37の使用と、角質採取テープ37の郵送を促すメッセージをユーザ端末30の表示器31に表示する。
【0172】
肌状態認識部11は、郵送された角質採取テープ37から得られた情報に基づいて、肌状態の客観値(保水能力、皮脂適格性など)を認識する。客観値は、水分量が0-100μS等、肌の物理状態を示す値そのままであってもよいし、それぞれの物理状態を大小に応じて1~10のいずれかに割り当てるなどして正規化した値であってもよい。
【0173】
また、肌サポートアプリ35aは、アンケートの回答、肌等の撮像の使用を促すメッセージをユーザ端末30の表示器31に表示し、得られた情報を送信する。
【0174】
肌状態認識部11は、肌サポートアプリ35aから得られた情報に基づいて、肌の乾燥感の主観値(主観スコア)と、肌状態の客観値(肌の画像スコア)を認識する。
【0175】
施策グループ選択部12及び施策情報送信部13は、肌の乾燥感の主観値と、肌状態の客観値とに基づいて、肌状態のサポート開始時と3カ月後における評価値を比較して、ゴール達成度を判定する。
【0176】
図17の例では、乾燥感の主観値のスコアが3カ月で3から5に増加しているので達成(○)と判定し、客観値についても、肌の画像スコアが3カ月で3から4に増大し、保水能力が2に維持され、皮脂適格性が1から2に増大しているので達成(○)と判定されている。そして、主観値と客観値が共にゴールを達成しているので、トータルとしてもゴールを達成したと判定している。
【0177】
肌状態認識部11及び施策グループ選択部12は、ゴールを達成した場合には新たなゴールを設定するため、
図3に示した「1.ゴール設定」の工程を再度実行する。肌状態認識部11及び施策グループ選択部12は、ゴール未達の場合は、「2.スケジュール決定」工程を実施してもよいし、ユーザの希望または進捗に応じて「1.ゴール設定」の工程を再度実行してもよい。
【0178】
[I.2次データ生成]
図3に示した「6.2次データ生成」の工程は、2次データ生成部19により実行される。2次データ生成部19は、複数のユーザUから送信される初期ユーザ情報データ、角層細胞解析データ、現状ユーザ情報データ、実行状況データ、施策外行動実施データ等の各種データ(以下、ユーザ個別データという)を、ユーザごとにサポートDB20に順次蓄積する。
【0179】
そして、2次データ生成部19は、サポートDB20に蓄積されたユーザ個別データを分析して、例えば
図18に示したように、各ユーザの特性(性別、年齢、居住地、嗜好、ライフスタイル等)、サポートの改善対象(乾燥感、ごわつき、敏感、ニキビ、しぼみ感等)、スケジュールにより提案された施策(湯船につかる、野菜摂取、1万歩以上歩く等)、及び施策の実施による肌、体、心の各状態の変化等を関連付けた2次データを生成する。
【0180】
また、2次データ生成部19は、施策外行動についても
図18と同様に、各ユーザの特性と施策外行動の実施による肌、体、心の各状態の影響とを関連付けた2次データを生成する。
【0181】
このようにして生成された2次データは、同様の特性を有するユーザについて、体及び心に良い影響を与えつつ肌状態の改善を図るために有効な施策を選択する際に、有効に活用することができる。例えば、上述した
図3の「2.スケジュール決定」の工程において、施策グループ選択部12は、2次データを参照して、ユーザUaの特性に適合した施策を選択することができる。
【0182】
また、上述した
図3の「4.スケジュール修正」の工程において、施策情報送信部13は、ユーザUaの肌、体、心の各状態の推移に応じてスケジュールを変更する際に、2次データを参照して、より有効な施策或は施策外行動を組み込んだスケジュールに変更することができる。
【0183】
さらに、2次データは、肌状態のサポートを行う上で有効に利用できると共に、ある特性を有するユーザ(例えば、東京に住む30代のアウトドア志向の女性等)をターゲットとしたマーケティング等の目的にも利用することができる。そのため、2次データを
図1に示した他のシステム60等に提供してもよい。
【0184】
[J.入力受付処理]
次に、
図19Aを参照して、
図6のSTEP100の入力受付処理の詳細を説明する。
【0185】
図19AのSTEP102において、肌サポートアプリ35aは、
図20に示される情報入力画面P1を表示器31に表示する。
【0186】
情報入力画面P1には、肌ケアに関する入力表示P11と、体状態に関する入力表示P12と、気分及び行動に関する入力表示P13と、疾患の状態P14と、決定ボタンP15とを含む。
【0187】
肌ケアに関する入力表示P11には、例えば、ニキビ入力フォームP111及び肌ケア時の乳液の状態に関する入力フォームP112のように、肌に関する各要素に関する入力フォームがネストされている。
【0188】
体状態に関する入力表示P12には、例えば、便秘入力フォームP121、体調入力フォームP122、舌の色入力フォームP123、舌の斑点入力フォームP124、舌のひび割れ入力フォームP125、舌の苔入力フォームP126のように、体に関する各要素に関する入力フォームがネストされている。ここで、「体状態」との用語を、肌以外の身体の状態を意味し、疾患なども含むが、心の状態のように、精神的な状態は含まない用語として用いる。
【0189】
気分・行動に関する入力表示P13には、今日の気分入力フォームP131、気持ちの疲労感入力フォームP132、気持ちよく接することができたかについての入力フォームP133、及び今日の自分についての入力フォームP134等の、心又は行動に関する各要素に関する入力フォームがネストされている。
【0190】
疾患の状態に関する入力表示P14には、今日の状態入力フォームP141、血液値入力フォームP142等の疾患に関する各要素に関する入力フォームがネストされている。
【0191】
各入力フォームは、5個等の数値の入力を受け付ける入力フォームであってもよいし、スライドバーにより数値の指定可能な入力フォームであってもよいし、各状態を示す文言をプルダウンメニュー等により選択可能な選択ボックスであってもよいし、ユーザUaが任意にテキストを入力可能なテキストボックスであってもよいし、その他の入力フォームであってもよい。
【0192】
図19AのSTEP104において、肌サポートアプリ35aは、タッチパネル32を介してユーザUaの操作を検知すると、入力された情報を認識する。
【0193】
図19AのSTEP106において、肌サポートアプリ35aは、不図示の時計機能を参照して、入力日時を認識する。これに加えてまたは変えて、肌サポートアプリ35aは、タッチパネル32を介してユーザにより指定された日時を認識してもよい。
【0194】
タッチパネル32を介して決定ボタンP15の押圧操作を検知すると、
図19AのSTEP108において、肌サポートアプリ35aは、入力された情報と入力日時とを肌サポートサーバ10に送信する。
【0195】
[K.入力受付処理]
次に、
図19Bを参照して、
図4のSTEP200で実行されるスコア記憶処理を説明する。
【0196】
図19BのSTEP202において、スコア情報認識部21は、指定の基準に従って、ユーザ端末30から受信した情報に含まれる各要素の状態をスコア化する。例えば、スコア情報認識部21は、不図示のテーブル又は関数を用いることにより、
図21に示されるように、受信したニキビ「5個」などの情報をニキビのスコア50のようにスコア化する。スコア情報認識部21は、各要素の状態が数値で表されているときには、その数値をそのままスコアとして認識してもよいし、所定の式による演算等を行ってスコア化してもよい。また、スコア情報認識部21は、例えば、機械学習により生成されたフィルタを用いて、ユーザにより自由に入力されたテキスト情報をスコア化してもよい。スコア情報認識部21は、ユーザにより自由に入力されたテキスト情報について、予め定められた単語の数を数えることにより、スコア化をしてもよい。スコア情報認識部21は、複数の入力情報から1つのスコアを認識してもよいし、1の入力情報から複数のスコアを認識してもよい。
【0197】
図19BのSTEP204において、スコア情報認識部21は、各スコアと入力の日付とを現状ユーザ情報データの一部としてサポートDB20に記憶する。スコア情報認識部21は、入力の日付について、ユーザ端末30から受信した情報を用いることに代えてまたは加えて、肌サポートサーバ10の時計機能等を参照することにより、STEP204実行時点の日付を認識してもよい。
【0198】
[L.相関行動情報記憶処理]
次に、
図19Cを参照して、
図4のSTEP300で実行される相関行動情報記憶処理を説明する。
【0199】
図19CのSTEP302において、スコア情報認識部21は、受信した情報に示されるユーザUaの行動をスコア化する。受信した情報とは、例えば、
図5のSTEP14で受信された施策実施データであってもよいし、
図5のSTEP15で受信された施策外行動実施データであってもよいし、任意のタイミングで
図20の情報入力画面P1又はこれに類似する画面に入力された情報であってもよいし、ユーザ端末30のユーザUaが使用するウェアラブルデバイスから任意のタイミングで受信した情報であってもよいし、ユーザUaが使用するSNS(Social Networking System)等の外部のサーバから受信した情報であってもよい。
【0200】
図19CのSTEP304において、スコア情報認識部21は、ユーザUaの行動のスコアと日付とをサポートDB20に記憶する。日付については、STEP204と同様である。
【0201】
図19CのSTEP306において、関係認識部22は、各期間におけるユーザUaの肌、心又は体の要素のスコアを分析し、当該スコアが所定の条件を満たす期間を抽出する。例えば、関係認識部22は、ユーザUaの肌、心又は体の要素のスコアが所定の第1範囲に含まれる期間を抽出する。また、関係認識部22は、ユーザUaの肌、心又は体の要素のスコアの微分値または変化量を認識する。また、関係認識部22は、ユーザUaの肌、心又は体の要素のスコアの微分値または変化量が所定の第2範囲に含まれる期間を抽出する。
【0202】
より具体的には、関係認識部22は、例えば、
図22に示されるように、サポートDB20に記憶された
図21の右側のテーブルなどを参照することにより、ユーザの乾燥感スコアC(t)(tは日付を示す変数)が、所定の閾値C1以上となる期間t
i1~t
i2、t
j1~t
j2を認識する。
【0203】
そして、
図19CのSTEP308において、関係認識部22は、サポートDB20に記憶された
図21の右側のテーブルなどを参照することにより、肌、心又は体の要素のスコアが所定の条件を満たす期間より所定の第1期間前の行動のスコアを認識する。
【0204】
例えば、関係認識部22は、例えば、
図22に示されるように、
図19CのSTEP306において認識された期間t
i1~t
i2、t
j1~t
j2より、所定の第1期間Δt1前の期間ti1-Δt1~t
i3-Δt1、t
j1-Δt1~t
i3-Δt1の行動のスコアD(t)を認識する。ここで、第1期間Δt1は、例えば、1日、3日、1週間、1か月のように、予め一律に定められた期間であってもよいし、例えば、乾燥感に対応する期間のように、肌、心又は体の各要素ごとに定められた期間であってもよいし、乾燥感および野菜摂取に対応する期間のように、肌、心又は体の各要素及び行動の要素ごとに定められた期間であってもよい。また、第1期間Δt1は、予め開発者等により定められた期間であってもよいし、ユーザUaの過去のデータから定められた期間であってもよい。
【0205】
また、STEP306で認識される期間の長さとSTEP308で認識される期間の長さとは同一である必要はなく、STEP306で認識される期間の方が長くてもよいし、STEP308で認識される期間の方が長くてもよい。また、STEP306で認識される期間の長さに適当な係数をかけることにより、STEP308で認識される期間の長さが算出されてもよい。
【0206】
図19CのSTEP310において、関係認識部22は、肌、心又は体の要素のスコアが所定の条件を満たす期間における肌、心又は体の要素のスコアC(t)と、当該期間より所定の第1期間前における行動のスコアD(t)との相関係数r(C,D)を認識する。
【0207】
例えば、関係認識部22は、下記式1を用いて肌、心又は体の要素のスコアが所定の条件を満たす期間における肌、心又は体の要素のスコアC(t)と、当該期間より所定の第1期間前における行動のスコアD(t)との相関係数r(C,D)を求める。
【0208】
【0209】
ここで、SCDは、肌、心又は体の要素のスコアが所定の条件を満たす期間における肌、心又は体の要素のスコアC(t)と、当該期間より所定の第1期間前における行動のスコアD(t)との共分散である。
【0210】
Scは肌、心又は体の要素のスコアが所定の条件を満たす期間を含む、当該期間及び第1期間よりも長期間である考慮対象期間における肌、心又は体の要素のスコアC(t)の標準偏差である。
【0211】
SDは肌、第1期間を含む、考慮対象期間における行動の要素のスコアD(t)の標準偏差である。
【0212】
第1期間は、例えば、1週間であり、考慮対象期間は、例えば、3か月である。
【0213】
共分散S
CDと標準偏差S
C、S
Dとの関係は、
図23に示されている。
【0214】
所定の条件を満たす期間における肌、心又は体の要素のスコアC(t)の個数と、当該期間より所定の第1期間前における行動のスコアD(t)の個数とが異なる場合、関係認識部22は、例えば、次のように調整して共分散を算出してもよい。
【0215】
(1)少ない個数のスコアに基づいて補完スコアを作成する。
【0216】
例えば、所定の条件を満たす期間における肌、心又は体の要素のスコアがC(ti1)、C(ti2)の2つであり、当該期間より所定の第1期間前における行動のスコアがD(ti1-Δt1)、D(ti2-Δt1)、D(ti3-Δt1)の3つである場合、関係認識部22は、C(ti1)又はC(t2)を1つ増やしたり、C(ti1)とC(ti2)との平均(C(ti1)+C(ti2))/2をC(t1)とC(t2)との間に追加したりすることによって、共分散に用いる所定の条件を満たす期間における肌、心又は体の要素のスコアの個数と、当該期間より所定の第1期間前における行動のスコアの個数とを同一にする。
【0217】
(2)多い個数のスコアの一部を無視する。
【0218】
例えば、所定の条件を満たす期間における肌、心又は体の要素のスコアがC(ti1)、C(ti2)の2つであり、当該期間より所定の第1期間前における行動のスコアがD(ti1-Δt1)、D(ti2-Δt1)、D(ti3-Δt1)の3つである場合、関係認識部22は、D(ti1-Δt1)、D(ti2-Δt1)、D(ti3-Δt1)のいずれかを無視することによって、共分散に用いる所定の条件を満たす期間における肌、心又は体の要素のスコアの個数と、当該期間より所定の第1期間前における行動のスコアの個数とを同一にする。
【0219】
なお、関係認識部22は、各スコアの時系列における順序を保ちながら、共分散を算出する。
【0220】
図19CのSTEP312において、関係認識部22は、相関係数が所定の第3範囲(例えば、0.5以上または-0.5未満の範囲)の肌、心又は体に関する要素と行動とこれらの相関係数とをサポートDB20に記憶する。
【0221】
例えば、関係認識部22は、
図24Aに示されるように、肌、心又は体に関する各要素「ニキビ」「乾燥感」「頭痛」と、各行動「野菜を食べる」「水を飲む」「お酒を飲む」と、これらの相関係数「-0.8」「-0.6」「0.8」とを関連付けてサポートDB20に記憶する。
【0222】
[M.施策認識処理]
次に、
図25を参照して、
図5のSTEP400で実行される施策認識処理を説明する。
【0223】
図25のSTEP402において、関係認識部22は、各期間における肌の各要素のスコアを分析し当該スコアが所定の条件を満たす期間を抽出する。関係認識部22は、例えば、
図26に示されるように、ニキビのスコアE(t)がE1以上となる期間tk1~t
k3、t
l1~t
l3を抽出する。
図25のSTEP402の処理は、
図19のSTEP306の処理と同様であるので、説明を省略する。
【0224】
以下、処理対象の要素を第1要素として説明する。第1要素は、何らかの基準により選択された要素であってもよいし、ユーザUa等により指定された要素であってもよい。また、肌の各要素をそれぞれ第1要素として
図25のSTEP404以下の処理が行われてもよい。
【0225】
図25のSTEP404において、関係認識部22は、第1要素のスコアが所定の条件を充足する期間より、所定の期間後の体の各要素のスコアを認識する。
【0226】
例えば、関係認識部22は、
図26に示されるように、上記期間tk1~t
k3、t
l1~t
l3の所定の期間Δt2後の期間t
k1+Δt2~t
k2+Δt2、t
l1+Δt2~t
l2+Δt2を抽出し、
図21の右に示されるテーブル等を参照することにより、当該期間における体の要素「頭痛」のスコアF(t
k1+Δt2)、F(t
k2+Δt2)、F(t
l1+Δt2)、F(t
l2+Δt2)を認識する。
図25のSTEP404
の処理の詳細は、
図19CのSTEP308と同様であるので説明を省略する。
【0227】
図25のSTEP406において、関係認識部22は、肌の要素と体の要素との相関係数を認識する。
図25のSTE406の処理は、
図19CのSTEP310と同様の処理である。関係認識部22は、
図24Bに示されるように、肌の要素と体の要素とこれらの相関係数とを関連付けてサポートDB20に記憶する。
【0228】
図25のSTEP410において、現状ユーザ情報認識部23はサポートDB20に記憶された最新の現状ユーザ情報データを認識する。
【0229】
図25のSTEP410において、第1要素認識部24は最新の現状ユーザ情報データに基づいて、最新のユーザUaの肌の第1要素のスコアを認識する。
【0230】
図25のSTEP412において、第2要素抽出部25は、サポートDB20を参照して、第1要素との相関係数が所定の4範囲(例えば0.7以上、または-0.7未満)に含まれる体の第2要素を抽出する。例えば、第2要素抽出部25は、
図24Bに示されるテーブルから、第1要素「ニキビ」との相関係数が所定の4範囲(例えば0.7以上、または-0.7未満)に含まれる体の第2要素「頭痛」を抽出する。
【0231】
図25のSTEP414において、予測部26は、過去のデータ及び相関係数に基づいて、第2要素の将来のスコアを予測する。例えば、予測部26は、相関係数が正の第1所定値(例えば0.7)以上であれば、現在のスコアから過去のデータにおける増分の平均値だけ増加するとして第2要素の将来のスコアを予測する。例えば、予測部26は、相関係数が負の所定値(例えば-0.7)以下であれば、現在のスコアから過去のデータにおける減分の平均値だけ減少するとして第2要素の将来のスコアを予測する。
【0232】
図25のSTEP416において、目標認識部27は、ユーザUaの体の第2要素についての目標スコアを認識する。この目標スコアは、例えば
図4のSTEP11で設定され、サポートDB20に記憶された目標スコアでもよい。
【0233】
図25のSTEP418において、行動認識部28は、第2要素の将来のスコアが所定の第5範囲に含まれているか否かを判定する。
【0234】
例えば、第5範囲は、第2要素の将来のスコアが、第2要素の現在のスコアよりも第2要素の目標スコアからかい離するという範囲であってもよい。例えば、目標スコアが100であり、現在のスコアが50であれば、第5範囲は50未満の範囲である。また、第5範囲は、頭痛等の疾患の症状が現れるというあらかじめ定められた範囲であってもよい。第5範囲は、ユーザUa等により指定された範囲であってもよい。
【0235】
これに加えて又は代えて、行動認識部28は、第2要素の将来のスコアが目標スコアかつ所定の値(例えば第2要素の現在のスコア)より小さいか否かを判定してもよい。これに加えて又は代えて、行動認識部28は、第2要素の将来のスコアが現在の第2要素のスコアより目標スコアから遠のくかどうかを判定してもよい。
【0236】
当該判定結果が肯定的である場合(
図25のSTEP418でYES)、
図25のSTEP420において、行動認識部28は、第2要素のスコアが所定の第5範囲を回避する施策を認識する。行動認識部28は、第2要素と対応策とを予め記憶したテーブルなどを参照することにより、第2要素の将来のスコアが所定の第5範囲から範囲外となる施策を認識してもよい。また、行動認識部28は、
図24Aに示される第1要素又は第2要素と行動の相関係数に基づいて、第1要素のスコアが第4範囲から外れるような行動又は第2要素のスコアが第5範囲から外れるような行動を、第2要素の将来のスコアが所定の第5範囲から範囲外となる施策として認識してもよい。
【0237】
当該判定結果が否定的である場合(
図25のSTEP418でNO)、
図25のSTEP420において、行動認識部28は、現在の行動を維持することを施策として認識する。
【0238】
図25のSTEP422において、行動認識部28は、認識した施策と、第1要素の現在のスコアに応じた状態、第2要素の将来のスコアに応じた状態を含む情報をユーザ端末30に送信する。
【0239】
[N.施策認識処理]
次に、
図19Dを参照して、
図7のSTEP110で実行される施策出力処理を説明する。
【0240】
図19DのSTEP112において、肌サポートアプリ35aは、受信した情報に基づいて、施策推奨画面P2を作成する。
【0241】
図19DのSTEP112において、肌サポートアプリ35aは、施策推奨画面P2を表示器31に出力する。
【0242】
施策推奨画面P2は、
図27に示されるように、予測情報の表示P21と、施策情報の表示P22とが含まれている。
【0243】
予測情報の表示P21は第1要素(
図27では「ニキビ」)の現在のスコアに応じた状態(
図27では「多くなっている」)と、第2要素(
図27では「頭痛」)の将来のスコアに応じた状態(
図27では「悪化する」)とを含む情報の表示である。
【0244】
施策情報の表示P22は、
図25のSTEP418又はSTEP420で認識された施策を示す情報の表示である。
【0245】
(本実施形態の作用効果)
本実施形態の情報出力システムによれば、スコア情報認識部21により、ユーザの固有のユーザ情報に基づいて、
図21の右側に示されるように、ユーザの複数の要素のスコアの時系列遷移を示す情報が認識される(
図19BのSTEP202~STEP204)。
【0246】
そして、関係認識部22により、前記情報に基づいて、一の要素のスコアの時系列遷移と他の要素のスコアの時系列遷移を所定の期間にずらした時系列遷移との相関が認識される(
図25のSTEP402~STEP404)。
【0247】
一の要素のスコアの時系列遷移と他の要素のスコアの時系列遷移を所定の期間ずらした時系列遷移との間に相関があれば、換言すれば、一方の要素の変化が、変化のあった時点よりも後の他方の要素の変化と相関がある場合、当該一方の要素の変化が当該他方の要素の変化の原因となっている可能性がある。すなわち、一の要素は、他の要素と何らかの因果関係を有している可能性がある。
【0248】
そして、肌サポートアプリ35aにより、前記相関に基づいて、要素の一又は複数の組を示す予測情報の表示P21が表示器31に出力される(
図19DのSTEP114)。
【0249】
これにより、因果関係が存在する可能性のある要素の組をユーザUaに認識させることができる。
【0250】
また、上記相関は、ユーザUaの固有の複数の要素のそれぞれのスコアの時系列遷移から求められた相関である。したがって、このような相関は、先行の研究等がなくとも認識されうる。
【0251】
したがって、仮に、ある2つの要素が今まで注目されていなかったとしても、当該構成の情報出力システムによれば、これらの要素間の関連性をユーザUaに認識させることができる。
【0252】
また、当該構成の情報出力システムによれば、第1要素認識部24により、現状ユーザ情報に示されるユーザの第1要素が認識される(
図25のSTEP410)。
【0253】
そして、第2要素抽出部25により、互いに相関を有する要素を示す情報に基づいて、前記第1要素と相関のある前記ユーザの第2要素が抽出される(
図25のSTEP412)。
【0254】
そして、予測部26により、互いに相関を有する要素を示す情報及び現状ユーザ情報に示される第1要素のスコアに基づいて、ユーザの第2要素の将来のスコアが予測される(
図25のSTEP414)。
【0255】
そして、肌サポートアプリ35aにより、ユーザの第2要素の将来のスコアに応じた予測情報の表示P21が表示器31に出力される(
図19DのSTEP114)。
【0256】
これにより、ユーザUaの情報に基づいて認識された相関とユーザUaの現状を示す現状ユーザ情報とに基づいて、ユーザUaにユーザUaの現状から予測されるユーザUaの将来の状態を認識させることができるので、ユーザUaにより有用な情報が与えられる。
【0257】
また、当該構成の情報出力システムによれば、ユーザUaが関心を持ちやすい肌及び体に関する要素間の因果関係を、ユーザUaに知らしめることができる。
【0258】
また、当該構成の情報出力システムによれば、ユーザUaが直接コントロールできるユーザUaの行動と、ユーザUaが関心を持ちやすい肌、体及び心のうち一に関する要素との関連をユーザに知らしめることができる。この結果、ユーザUaに、ユーザUaが関心を持ちやすい肌、体及び心のうち一に関する要素の状態を間接的にコントロールするヒントを与えることができる。
【0259】
また、当該構成の情報出力システムによれば、現状ユーザ情報認識部23により、ユーザUaの最新の情報である現状ユーザ情報データが認識される(
図25のSTEP408)。
【0260】
そして、第1要素認識部24により、現状ユーザ情報データに示されるユーザUaの肌、体及び心のうちの少なくとも一に関連する要素である第1要素が認識される(
図25のSTEP410)。
【0261】
そして、第2要素抽出部25により、互いに相関を有する要素を示す情報に基づいて、第1要素と相関を有し、かつ、ユーザUaの肌、体及び心のうちの少なくとも一に関連する要素である第2要素が抽出される(
図25のSTEP412)。
【0262】
予測部26により、前記相関係数及び現状ユーザ情報データに示される第1要素のスコアに基づいて、ユーザの第2要素の将来のスコアが予測される(
図25のSTEP414)。
【0263】
行動認識部により、前記ユーザの第2要素の将来のスコアが所定範囲に含まれる場合に(
図25のSTEP418でYES)、前記第2要素の将来のスコアを前記所定範囲の範囲外にする行動が認識される(
図25のSTEP420)。
【0264】
出力制御部により、前記行動の実施を推奨する情報が前記出力部に出力される(
図19DのSETP114)。
【0265】
これにより、相関係数に基づいて、第2要素の将来のスコアが所定範囲に含まれると予測された場合、前記第2要素の将来のスコアを前記所定範囲の範囲外にする行動の実施または回避を推奨する情報が出力部に出力される。これにより、ユーザUaの第2要素の将来のスコアを所定範囲に維持させ又は所定範囲から逸脱させる観点から有効な行動を、ユーザUaに提供することができる。
【0266】
また、当該構成の情報出力システムによれば、行動認識部28により、ユーザUaの第2要素の将来のスコアが所定範囲に含まれる場合、相関行動情報(
図24A)に基づいて、第1要素または前記第2要素と相関を有し、かつ、第2要素の将来のスコアを前記所定範囲の範囲外にする行動が認識される(
図5/STEP420)。
【0267】
ここで、相関行動情報は、各要素と相関を有する行動及び各要素と行動との相関係数を示す。
【0268】
これにより、第1要素又は第2要素と因果関係が存在する可能性のある行動をユーザUaに認識させることができる。
【0269】
また、仮に、第1要素又は第2要素と当該行動との関係が今まで注目されていなかったとしても、当該構成の情報出力システムによれば、第1要素又は第2要素と因果関係を有している可能性があり、かつ、前記第2要素の将来のスコアを前記所定範囲の範囲外にする当該行動をユーザUaに認識させることができる。
【0270】
当該構成の情報出力システムによれば、第2要素の将来のスコアが目標スコアからかい離する範囲(第5範囲)に含まれると予測された場合に(
図25/STEP418でYES)、すなわち、第2要素の将来のスコアが目標スコアから遠ざかると予測された場合に、行動認識部28により、第2要素の将来のスコアを当該所定範囲外とするような行動が認識される(
図25/STEP420)。
【0271】
そして、肌サポートアプリ35aにより、当該行動の実施を推奨する情報が表示器31に出力される。
【0272】
これにより、第2要素の将来のスコアが目標からかい離するおそれがある場合にユーザUaにその状態を回避するための行動の実施を推薦することができる。
【0273】
(変形態様)
上記情報出力システムにより、サポートDB20により、複数のユーザUa、Ub、Ucの情報に基づいて、当該複数のユーザUa、Ub、Ucのそれぞれの年齢、性別、住所等の属性ごとに、各要素間の相関が認識されてもよい。
【0274】
この場合、肌サポートアプリ35aにより、対象の属性に対し、対象の属性に対応する
相関に基づいて、対象の属性に対応し、かつ、互いに相関を有する各要素を示す情報が表示器31に出力されてもよい。
【0275】
このように構成すれば、サービスの提供開始段階など、一のユーザUaの情報が十分には収集されていない段階でも、当該ユーザUaと同一の属性の他のユーザUb、Ucの情報が収集されていれば、複数の情報に基づいて属性ごとに要素間の相関が認識されるので、対象の属性(ユーザUaの属性)に対応し、かつ、互いに相関を有する各要素について、ユーザUaに知らしめることができる。
【0276】
また、上記実施形態において、肌サポートアプリ35aが、スコア情報認識部21、関係認識部22、現状ユーザ情報認識部23、第1要素認識部24、第2要素抽出部25、予測部26、目標認識部27及び行動認識部28の一部または全部として機能してもよい。この場合、肌サポートアプリ35aは、予めまたは処理の実行時に肌サポートサーバ10と通信して処理に必要なデータをダウンロードしてもよいし、検索等の適当な機能を肌サポートサーバ10に実行させ、その結果を受信してもよい。
【0277】
上記実施形態では、第2要素の将来のスコアが所定の範囲内である場合に(
図25/STEP418・・YES)、行動認識部28は、第2要素の将来のスコアが所定の範囲の範囲外となるような施策が認識した(
図25/STEP420)。これは、所定の範囲がユーザUaにとって好ましくない場合を想定している。
【0278】
これに代えて、第2要素の将来のスコアが好ましい範囲、例えばユーザUaの目標スコアに近づくまたは目標スコアを達成するような場合には、行動認識部28は、第2要素の将来のスコアが所定の範囲の範囲外となるような行動を認識してもよい。肌サポートアプリ35aは、「このままでいけば第2要素の目標スコアが達成できそうです。この目標スコアの達成を阻害するような○○のような行動は避けましょう」などの当該行動の回避を推奨する情報を表示器31に表示してもよい。
【0279】
関係認識部22は、一の要素のスコアが所定の第1閾値を超えたまたは下回った期間の所定期間前後の他の要素のスコアが所定の第2閾値を超えたまたは下回る割合または他の要素のスコアが変曲点を含む割合を算出することにより、相関係数を算出してもよい。
【0280】
関係認識部22は、一の要素のスコアの変曲点を迎えた時点の所定期間前後の他の要素のスコアが所定の第2閾値を超えたまたは下回る割合または他の要素のスコアが変曲点を含む割合を算出することにより、相関係数を算出してもよい。
【0281】
上記実施形態では、各要素のスコアで相関を認識したが、これに代えてまたは加えて、各スコアを特定の状態が発生したか否かの2値として各要素間の相関を認識してもよい。
【0282】
なお、上記実施形態では、スコア情報認識部21は、
図19Aの入力受付処理で入力された情報に基づいて第1要素及び第2要素等のスコアを認識したが、これに限られない。
【0283】
スコア情報認識部21は、例えば、ユーザ端末30から受信した現状ユーザ情報データに含まれる情報に基づいて、指定の基準に従って、ユーザUaの肌の状態、体の状態、心の状態、ユーザUaの行動のそれぞれに関連する各要素をスコア化してもよい。
【0284】
例えば、スコア情報認識部21は、ユーザ端末30から受信したデータ等に基づいて、ユーザUaの角層水分量、皮脂量、水分蒸散量、粘弾性、角層状態、電導度、電気信号、脈波、汗、血流、爪の色、写真データ、体のにおい、体の色、主観、舌状態、生活習慣及び手相のスコアを算出してもよい。
【0285】
例えば、スコア情報認識部21は、毎日、ユーザUaの肌に接着したウェアラブルデバイスから受信したデータ(皮膚電位、汗、心拍数、血流状態)及びユーザ端末30から受信したユーザUaの主観に基づいて、ユーザUaの肌の状態、体の状態、心の状態、ユーザUaの行動のそれぞれに関連する各要素をスコア化し、さらに加えて、スコア情報認識部21は、定期的にユーザUaから郵送される角質採取テープの解析結果に基づいて、ユーザUaの肌の状態に関連する各要素をスコア化してもよい。
【0286】
例えば、スコア情報認識部21は、毎日、ユーザ端末30から受信したユーザUaの肌を撮影した画像データ及びユーザ端末30から受信したユーザUaの主観に基づいて、ユーザUaの肌の状態に関連する各要素をスコア化し、さらに加えて、スコア情報認識部21は、定期的にユーザUaから郵送される角質採取テープの解析結果に基づいて、ユーザUaの肌の状態に関連する各要素をスコア化してもよい。
【0287】
例えば、スコア情報認識部21は、毎日、ユーザUaの肌に接着したウェアラブルデバイスから受信したデータ(皮膚電位、汗、心拍数、血流状態)及びユーザ端末30から受信したユーザUaの主観に基づいて、ユーザUaの肌の状態、体の状態、心の状態、ユーザUaの行動のそれぞれに関連する各要素をスコア化し、さらに加えて、スコア情報認識部21は、定期的にユーザ端末30から受信したユーザUaの肌を撮影した画像データに基づいて、ユーザUaの肌の状態に関連する各要素をスコア化してもよい。
【0288】
また、例えば、スコア情報認識部21は、毎日、ユーザ端末30から受信したユーザUaの主観に基づいて、ユーザUaの肌の状態、体の状態、心の状態、ユーザUaの行動のそれぞれに関連する各要素をスコア化し、さらに加えて、スコア情報認識部21は、定期的にユーザUaから郵送される角質採取テープの解析結果に基づいて、ユーザUaの肌の状態に関連する各要素をスコア化してもよい。
【0289】
例えば、スコア情報認識部21は、毎日、または一定間隔ごとに、ユーザUaの肌に接着したウェアラブルデバイスから受信したデータ(皮膚電位、汗、心拍数、血流状態)及びユーザ端末30から受信したユーザUaの主観のみに基づいて、ユーザUaの肌の状態、体の状態、心の状態、ユーザUaの行動のそれぞれに関連する各要素をスコア化してもよい。
【0290】
また、例えば、スコア情報認識部21は、毎日、または一定間隔ごとに、ユーザ端末30から受信したユーザUaの主観のみに基づいて、ユーザUaの肌の状態、体の状態、心の状態、ユーザUaの行動のそれぞれに関連する各要素をスコア化してもよい。
【0291】
また、例えば、スコア情報認識部21は、毎日又は定期的にユーザ端末30から受信したユーザUaの肌を撮影した画像データのみに基づいて、ユーザUaの肌の状態に関連する各要素をスコア化してもよい。
【0292】
スコア情報認識部21は、毎日、又は、定期的にユーザUaに装着した匂いセンサーにより検出されたユーザUaの体の匂いに基づいて、ユーザUaの体の状態に関連する各要素をスコア化してもよい。
【0293】
予測部26は、過去のある期間(例えば1週間)におけるユーザUaの行動等の一の要素に基づいて、不図示の対応表を参照する等により、現時点から所定期間後(例えば3日後)の他の要素のスコア又はその変化量を予測してもよい。
【0294】
また、予測部26は、ユーザUaの一の要素の有無又は度合いの周期性を認識し、当該周期性に基づいて現時点から所定期間後の他の要素のスコア又はその変化量を予測してもよい。
例えば、予測部26は、ユーザUaの一の要素の有無又は度合いの時系列データを離散フーリエ変換により周波数成分に分解し、各周波数におけるピークが閾値を超える割合を求めることにより、ユーザUaの一の要素の有無又は度合いの周期性を認識する。そして、予測部26は、一の要素の周期が継続すると仮定して、所定期間における一の要素の回数又は度合いの累計値を推定する。そして、予測部26は、現時点から所定期間における一の要素の回数又は度合いの累計値と不図示の対応表等を用いて、現時点から所定期間後の他の要素のスコア又はその変化量を予測してもよい。
【0295】
予測部26は、ユーザUaのデータのみならず、他のユーザUb、Ucに示される過去の一の要素に対する他の要素のスコア又はその変化量も勘案して、現時点から所定期間後のユーザUaの一の要素のスコア又はその変化量を予測してもよい。
【0296】
例えば、予測部26は、ユーザUaと同様の体質、属性及び目標のうち少なくとも1つが共通しているユーザを抽出し、これらのユーザの過去の行動のそれぞれに対する処理時点から所定期間後のこれらのユーザの一の要素のスコアの変化量を認識する。予測部26は、これらのユーザの過去の一の要素のスコアに対する現時点から所定期間後の他の要素のスコアの変化量と、ユーザUaの一の要素のスコアから、現時点から所定期間後のユーザUaの他の要素のスコア又はその変化量を予測してもよい。
【0297】
予測部26は、例えば、対応表を参照することにより、ユーザの一の要素に基づいて、ユーザの顔又は体の各部位ごとに、ユーザの他の要素の予測をしてもよい。
【0298】
出力制御部は、現時点から所定期間後のユーザUaの他の要素のスコアを示す画像として、例えば、ユーザUaの顔写真若しくは体の写真を修正した画像、ユーザUaを模したアバター画像、アニメキャラクタの画像又は丸等の図形を表示器31に出力してもよい。
【0299】
この場合、例えば、出力制御部は、タッチパネル32等の入力部に対する操作に応じて、表示した画像を変化させてもよい。
【0300】
例えば、出力制御部は、入力部に対する第1操作(例えば、横方向へのスライド操作)に応じて、予測の基準となる時点を切り替え、切替後の時点におけるユーザUaの各要素の予測を示す画像を表示器31に出力してもよい。例えば、出力制御部は、入力部に対する第1操作に応じて、現時点から1日後、2日後、3日後、・・・におけるユーザの各要素のスコアの予測を示す画像を表示器31に出力してもよい。ユーザの各要素の予測を示す画像は、現時点から所定期間後のユーザUaの一の要素のスコア(例えば肌状態)の予測を示す画像であってもよい。現時点から所定期間後のユーザUaの一の要素のスコア(例えば肌状態)の予測を示す画像は、例えば、3日後のユーザUaの顔又は体の各部位における肌の状態を文言又は色で示した画像、ユーザUaの顔の各部位における肌の角層の状態を示す画像であってもよい。
【0301】
また、例えば、出力制御部は、入力部に対する第2操作(例えば、縦方向へのスライド操作)に応じて、ユーザUaの一の要素とは異なる他の要素のスコア(例えば、体状態)の予測を示す画像を表示してもよい。
【0302】
現状ユーザ情報認識部23は、体重計、血圧計、心拍数計などの生体情報収集装置からユーザUaの体質を示すデータを収集してもよい。
【0303】
また、現状ユーザ情報認識部23は、歩数計、睡眠の深さセンサ、目覚めの時刻センサなどの生活情報収集装置等からユーザUaの行動を示すデータを収集してもよい。
【0304】
生体情報収集装置及び生活情報収集装置は、例えば、スマートフォンのようにユーザUaにより携帯される装置であってもよいし、スマートウォッチのようにユーザUaに装着される装置であってもよい。これらの装置から、インターネットなどのネットワークを介して肌サポートサーバ10にユーザUaの識別情報とともに各データが送信されてもよいし、これらの装置からUSB接続などでユーザUaのユーザ端末30aにデータが送信され、ユーザ端末30aでユーザUaの識別情報ともに各データが肌サポートサーバ10に送信されてもよい。ユーザ端末30aに測定用のアプリケーションがインストールがされることでこれらのデータが収集されてもよい。
【0305】
また、本発明者らの検討によれば、肌の細胞の撮像画像である肌細胞画像データ、肌の撮像画像である肌画像データ及び舌の撮像画像である舌画像データから、ユーザの行動、体状態、心状態、ユーザの性別及び年齢等の属性、ユーザの体質、及びユーザのライフスタイル(飲酒などの習慣的な行動)の少なくとも1つに関する項目の値を高精度に推定できることが分かった。
【0306】
これを利用して、現状ユーザ情報認識部23は、ユーザUaの肌細胞画像データ、肌細胞データ及び舌画像データのうち少なくとも1つを認識し、スコア情報認識部21は、入力フォームに入力された各情報に加えてまたは代えて、ユーザUaの肌細胞画像データ、肌細胞データ及び舌画像データのうち少なくとも1つに基づいて、ユーザUaの行動、属性、体質、体状態、心状態及びライフスタイル等の要素のスコアを認識してもよい。
【0307】
より具体的には、スコア情報認識部21は、あらかじめ収集された複数の人の肌細胞画像データ、肌細胞データ及び舌画像データのうち少なくとも1つと、複数の人それぞれの行動、体状態、心状態、属性、体質及びライフスタイル等の特性とを教師データとして、機械学習により、線形推測式又は畳込みニューラルネットワークなどのモデルを構築する。ここで、肌細胞画像データは、例えば、角質採取テープによって採取された細胞を拡大して撮像した画像データであってもよいし、角質染色液又はメラニン染色液などの薬剤による処理後の細胞を撮像した画像データであってもよい。
【0308】
例えば、肌サポートサーバ10に設けられた撮像部が肌細胞を撮像してもよいし、スマートフォン等のカメラが撮像した肌細胞の画像データを肌サポートサーバ10がスマートフォン等から受信してもよい。
【0309】
また、肌画像データは、スマートフォンなどで人の顔又は腕の肌を撮像した画像であってもよい。例えば、肌サポートサーバ10に設けられた撮像部が肌を撮像してもよいし、スマートフォン等のカメラが撮像した肌の画像データを肌サポートサーバ10がスマートフォン等から受信してもよい。
【0310】
また、舌画像データは、スマートフォンなどで人の舌を撮像した画像であってもよい。
例えば、肌サポートサーバ10に設けられた撮像部が舌を撮像してもよいし、スマートフォン等のカメラが撮像した舌の画像データを肌サポートサーバ10がスマートフォン等から受信してもよい。
【0311】
複数の人それぞれの行動、属性、体質、体状態、心状態及びライフスタイル等の特性は、例えば、当該複数の人からのヒアリングされたものであってもよい。体重計、血圧計、心拍数計などの生体情報収集装置から複数の人それぞれの体質を示すデータが収集されてもよい。歩数計、睡眠の深さセンサ、目覚めの時刻センサなどの生活情報収集装置等から複数の人それぞれのライフスタイルを示すデータが収集されてもよい。
【0312】
また、現状ユーザ情報認識部23は、ユーザUaの角質採取テープ37aで採取された細胞の撮像画像である肌細胞画像データ、ユーザUaの肌の撮像画像である肌画像データ及びユーザUaの舌の撮像画像である舌画像データを認識する。
【0313】
現状ユーザ情報認識部23は、肌サポートサーバ10に設けられた撮像部が撮像した、ユーザUaの角質採取テープ37aで採取されたユーザUaの肌細胞の画像データを取得してもよい。
これに加えてまたは代えて、現状ユーザ情報認識部23は、ユーザ端末30aのカメラ33aが撮像した、ユーザUaの角質採取テープ37aで採取されたユーザUaの肌細胞の画像データをユーザ端末30aから受信してもよい。
【0314】
また、現状ユーザ情報認識部23は、肌サポートサーバ10に設けられた撮像部が撮像したユーザUaの肌の画像データを取得してもよい。これに代えてまたは加えて、現状ユーザ情報認識部23は、ユーザ端末30aのカメラ33aが撮像した肌の画像データをユーザ端末30aから受信してもよい。
【符号の説明】
【0315】
1…通信ネットワーク、10…肌サポートサーバ、11‥肌状態認識部、12…施策グループ選択部、13…施策情報送信部、19…2次データ生成部、20…サポートDB(データベース)、21‥スコア情報認識部、22‥関係認識部、23‥現状ユーザ情報認識部、24‥第1要素認識部、25‥第2要素抽出部、26‥予測部、27‥目標認識部、28‥行動認識部、30(30a,30b,30c)…ユーザ端末(スマートフォン)、31…表示器(出力部)、32…タッチパネル(入力部)、33…カメラ、34…マイク、35…CPU、35a…肌サポートアプリ(ユーザ情報認識部、出力制御部)、36…メモリ、40…接続端子、45…測定機器。