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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】景品支持部材
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/00 20060101AFI20221024BHJP
   A63F 9/30 20060101ALI20221024BHJP
【FI】
A63F9/00 508Z
A63F9/30 501D
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018199477
(22)【出願日】2018-10-23
(65)【公開番号】P2020065652
(43)【公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-06-10
(73)【特許権者】
【識別番号】511242904
【氏名又は名称】株式会社マーベラス
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【弁理士】
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】松山 学
(72)【発明者】
【氏名】東條 正悟
【審査官】大隈 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-220259(JP,A)
【文献】特開2018-121968(JP,A)
【文献】特開2009-39303(JP,A)
【文献】特開2009-201952(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00~ 9/20
A63F 9/26~11/00
A47F 5/00~ 8/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を規定する規定部と、景品が設置されるゲーム空間と、前記開口を介して前記ゲーム空間と連通する景品取出空間とを有するゲーム装置に用いられる景品支持部材であって、
一方の側と、他方の側とを有し、前記一方の側で前記規定部に取り付けられる取付部と、
前記取付部の前記他方の側に、前記開口上を延在するとともに、先端が開放されるように設けられ、前記景品を載置するための載置部と、を有し、
前記載置部は、前記景品の重さにより、たわむように構成されていることを特徴とする景品支持部材。
【請求項2】
前記載置部は、可撓部を含むように構成されている請求項1に記載の景品支持部材。
【請求項3】
前記載置部は、前記可撓部と異なる第1の部分を有し、
前記可撓部の厚さは、前記第1の部分の厚さよりも薄い請求項2に記載の景品支持部材。
【請求項4】
前記可撓部は、前記取付部側に設けられる請求項2または3に記載の景品支持部材。
【請求項5】
前記取付部と前記載置部との間に設けられ、前記載置部に向かって外径が漸減する外径漸減部をさらに含み、
前記可撓部は、前記外径漸減部に隣接して設けられている請求項2ないし4のいずれかに記載の景品支持部材。
【請求項6】
前記可撓部は、前記載置部の長手方向に沿って、所定の長さで設けられている請求項2ないし5のいずれかに記載の景品支持部材。
【請求項7】
前記可撓部は、前記第1の部分から前記取付部の前記他方の側に向かって延びるストリップを有し、
前記可撓部は、前記ストリップにより、空隙を形成する請求項3に記載の景品支持部材。
【請求項8】
前記可撓部は、前記ストリップの先端と、前記取付部の前記他方の側との間に形成されたスリットをさらに有する請求項7に記載の景品支持部材。
【請求項9】
前記可撓部は、前記第1の部分から前記取付部の前記他方の側に向かって延びるリブを有し、
前記リブは、前記可撓部と前記ストリップとの間に設けられている請求項7または8に記載の景品支持部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、景品支持部材、特に、景品を獲得するゲーム装置に用いられる景品支持部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、クレーンゲーム装置が知られている。近年、これに代わる画期的なゲーム装置が開発された(例えば特許文献1)。このゲーム装置は、開口と、開口上に設けられた景品支持部とを有している。ゲーム管理者は、この景品支持部上に景品を設置する。そして、プレイヤは、景品支持部を可動させる。これにより、景品は、開口を介して景品取出空間に落下する。
【0003】
このゲーム装置は、開口上で景品を支持するため、景品を安定的に支持できる景品支持部を必要とする。しかしながら、景品が景品支持部に不安定に設置されていれば、景品が景品取出空間に落下しそうな印象をプレイヤに与えることができる。そこで、景品を安定的に支持しつつ、景品が景品取出空間に落下しそうな状態をつくることができる景品支持部が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-017982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、景品を安定的に支持しつつ、景品が景品取出空間に落下しそうな印象をプレイヤに与えることができる景品支持部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、下記(1)~(9)の本発明により達成されることができる。
【0007】
(1)開口を規定する規定部と、景品が設置されるゲーム空間と、前記開口を介して前記ゲーム空間と連通する景品取出空間とを有するゲーム装置に用いられる景品支持部材であって、
一方の側と、他方の側とを有し、前記一方の側で前記規定部に取り付けられる取付部と、
前記取付部の前記他方の側に設けられ、前記景品を載置するための載置部と、を有し、
前記載置部は、前記景品の重さにより、たわむように構成されていることを特徴とする景品支持部材。
【0008】
(2)前記載置部は、可撓部を含むように構成されている上記(1)に記載の景品支持部材。
【0009】
(3)前記載置部は、前記可撓部と異なる第1の部分を有し、
前記可撓部の厚さは、前記第1の部分の厚さよりも薄い上記(2)に記載の景品支持部材。
【0010】
(4)前記可撓部は、前記取付部側に設けられる上記(2)または(3)に記載の景品支持部材。
【0011】
(5)前記取付部と前記載置部との間に設けられ、前記載置部に向かって外径が漸減する外径漸減部をさらに含み、
前記可撓部は、前記外径漸減部に隣接して設けられている上記(2)ないし(4)のいずれかに記載の景品支持部材。
【0012】
(6)前記可撓部は、前記載置部の長手方向に沿って、所定の長さで設けられている上記(2)ないし(5)のいずれかに記載の景品支持部材。
【0013】
(7)前記可撓部は、前記第1の部分から前記取付部の前記他方の側に向かって延びるストリップを有し、
前記可撓部は、前記ストリップにより、空隙を形成する上記(3)に記載の景品支持部材。
【0014】
(8)前記可撓部は、前記ストリップの先端と、前記取付部の前記他方の側との間に形成されたスリットをさらに有する上記(7)に記載の景品支持部材。
【0015】
(9)前記可撓部は、前記第1の部分から前記取付部の前記他方の側に向かって延びるリブを有し、
前記リブは、前記可撓部と前記ストリップとの間に設けられている上記(7)または
8)に記載の景品支持部材。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、景品を安定的に支持しつつ、景品が景品取出空間に落下しそうな印象をプレイヤに与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の景品支持部材を含むゲーム装置を模式的に示す斜視図である。
図2図2は、ゲーム装置の構成を示すブロック図である。
図3図3は、ゲーム装置の連結部を模式的に示す斜視拡大図である。
図4図4は、ゲーム装置の第1の景品支持部を模式的に示す図である。(a)は部分斜視図、(b)および(c)は側面図、(d)は上面図である。
図5図5は、ゲーム装置の景品支持部材の取り付け状態を模式的に示す図である。(a)は全ての景品支持部材が第1の状態であり、(b)は4本の景品支持部材が第1の状態であることを示す。
図6図6は、本発明の第2の景品支持部を模式的に示す図である。(a)および(b)は側面図、(c)は上面図、(d)は斜視図である。
図7図7は、本発明の第3の景品支持部を模式的に示す図である。(a)および(b)は側面図、(c)は上面図、(d)は斜視図である。
図8図8は、本発明の第4の景品支持部を模式的に示す図である。(a)は側面図、(c)は底面図、(c)は斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の景品支持部材の説明に先立って、当該景品支持部材を含むゲーム装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。説明の都合上、図中の上側を「上」、下側を「下」、左側を「左」、右側を「右」、紙面手前側を「前」、紙面奥側を「後」として説明する。
【0019】
1.ゲーム装置
図1は、本発明の景品支持部材を含むゲーム装置を模式的に示す斜視図である。図2は、ゲーム装置の構成を示すブロック図である。図3は、ゲーム装置の連結部を模式的に示す斜視拡大図である。図4は、ゲーム装置の第1の景品支持部を模式的に示す図である。(a)は部分斜視図、(b)および(c)は側面図、(d)は上面図である。図5は、ゲーム装置の景品支持部材の取り付け状態を模式的に示す図である。(a)は全ての景品支持部材が第1の状態であり、(b)は4本の景品支持部材が第1の状態であることを示す。
【0020】
図1に示すように、本発明のゲーム装置1は、ゲーム空間215から開口41を介して景品取出空間223に景品を落下させるゲーム装置である。このようなゲーム装置1は、筺体2と、操作部3と、規定部4と、景品支持部材5と、操作指示部6と、記憶部8と、制御部9と、検知部11とを有する。以下、各部の構成を説明する。
【0021】
<筐体>
筺体2は、箱状に形成され、ゲーム装置1の各部材を設置または収納する機能を有している。筐体2の形状は、特に限定されず、三角柱状、楕円柱状、円柱状などに変更できる。筐体2は、筐体上部21と、筐体下部22とで構成されている。
【0022】
(筐体上部)
筐体上部21は、フレームと、矩形の上面211と、前面212と、後面213と、2枚の台形の側面とで構成された角柱状に形成されている。後述するゲームフィールドを含めて筐体上部21ということもある。ゲーム装置1は、クレーンゲーム装置とは異なり、クレーンアームを備えていない。そのため、図1に示すように、前面212を鉛直軸Zに対して、後面213側に傾斜させることができる。これにより、プレイヤが景品の設置状況を鉛直上方から確認することができるため、どのようにプレイすれば景品を獲得できるか予測しやすくなる。なお、各面は、適宜透明部材で構成されていているので、ゲームフィールドを外から視認することができる。筐体上部21とゲームフィールド(規定部4)によって画成された空間が、景品を獲得するゲーム空間215となっている。
【0023】
(筐体下部)
筐体下部22は、その上面上で筐体上部21と接続されている。筐体下部22は、記憶部8や制御部9を収納することに用いられる。筐体下部22は、景品取出口221と、景品取出板222、景品取出空間223とを有する。
【0024】
景品取出口221は、筐体下部22の前面に設けられている。景品取出口221は、景品取出空間223から景品を取り出す機能を有し、矩形の形状に形成されている。景品取出板222は、景品取出口221を塞ぐように、景品取出口221の上部に設けられている。景品取出板222は、景品取出口221に対応して矩形状に形成されている。景品取出空間223は、筐体下部22内に設けられ、後述する規定部4の開口41を介してゲーム空間215と連通する。景品取出空間223は、筐体下部22の内部の側面、底面、後面、景品取出板222、およびゲームフィールドで構成される空間である。
【0025】
<操作部>
操作部3は、筐体下部22の上面端部に設けられ、円柱状の押ボタンで構成されている。操作部3は、プレイヤからの入力情報を受け付ける機能を有している。ゲーム装置1では、押ボタンへの1回の操作で景品支持部材5が変位する。そのため、操作部3は、一つのみの押ボタン31で構成されている。押ボタン31の数は特に限定されず、2以上であってもよい。また、操作部3は、ゲーム装置1の構成に応じて、操作用スティックやベッティング用表示画面を含んでいてもよい。
【0026】
<規定部>
規定部4は、筐体上部21と筐体下部22との間に設けられ、ゲームフィールドとして機能する。また、規定部4は、景品を落下させる開口41を規定する機能を有する。規定部4は、平板状に形成されている。また、規定部4は、その一部が切り抜かれた開口41と、開口41を構成する内周面に設けられた複数の連結部42とを有する。
【0027】
開口41は、図1に示すように、円形状に形成されている。この開口41は、ゲーム空間215と景品取出空間223とを連通するよう構成され、景品が落下するようになっている。開口41の数は、特に限定されず、2以上の複数であってもよい。また、開口41の形状は、特に限定されず、楕円形状、多角形状、矩形状、または湾曲形状等であってもよい。
【0028】
連結部42は、後述する景品支持部材5を取り付ける機能を有する。図3に示すように、複数の連結部42は、開口41を構成する内周面に沿って連続して設けられている。本実施形態では、連結部42は、16個の連結部42で構成されているが、1つの連結部42で構成されていてもよい。
【0029】
各連結部42は、前記内周面に向かって凹没する凹部421と、当該凹部421に収容される結合部422と、結合部422を係止する係止部423と、結合部422(景品支持部材5)の第1の状態と第2の状態とを切り替えるスイッチ424とを有する。
【0030】
凹部421は、開口41に直面するとともに、景品取出空間223にも直面している。すなわち、凹部421は、図3に示すように、正面視で「П」字状に形成されている。凹部421は、その底面に緩衝材(図示しない)が設けられている。
【0031】
結合部422は、景品支持部材5を嵌合する機能を有する。そのため、結合部422は、景品支持部材5が第1の状態にあるとき、凹部421から突出するように構成され(図3の真中)、景品支持部材5が第2の状態にあるとき、凹部421に収容されるように構成されている(図3の左側)。結合部422は、本体4221と、本体4221の先端面の両端から突出する2つの第1嵌合部4222と、2つの第1嵌合部4222の間に位置する板状の第2嵌合部4223と、を有する。
【0032】
本体4221は、その基端で後述する係止部423に係止される。
【0033】
第1嵌合部4222は、その先端からさらに伸びる突起を有する。この突起は、結合部422と景品支持部材5とが嵌合された時、後述するスリット部511に挿通される。そのため、第1嵌合部4222は、景品支持部材5と分離されることを防止するストッパーとしての機能を有する。これにより、景品支持部材5を確実に結合部422に固定することができる。
【0034】
第2嵌合部4223は、2つの第1嵌合部4222の間で、本体4221の先端面から突出する。第2嵌合部4223は、その下面に3つ(複数)のリブが形成されている。このリブは、第2嵌合部4223の突出方向に沿って形成されている。リブは、結合部422と景品支持部材5とが嵌合された時、後述する窓部512に挿通される。そのため、第2嵌合部4223は、景品支持部材5と分離されることを防止するストッパーとしての機能を有する。これにより、景品支持部材5を確実に結合部422に固定することができる。
【0035】
係止部423は、凹部421の上部に設けられ、結合部422を所定の角度で係止する機能を有する。係止部423は、鉛直軸Z(凹部421の底面)に対して0~90°の範囲で本体4221の基端を係止する。これにより、結合部422の取付角度により、景品支持部材5の景品取出空間223からの高さや、凹部421の底面に対する景品支持部材5の角度を変更することができる。
【0036】
係止部423が結合部422を係止すると、結合部422は、図3に示すように、凹部421から突出するように構成される(第1の状態)。結合部422の係止を解除すると、結合部422は、図3に示すように、凹部421に収容されるように構成される(第2の状態)。すなわち、結合部422は、係止部423を中心軸として、鉛直軸Zに対して90°回転し、凹部421に収容される。これにより、結合部422は、鉛直下方を向くことになる。係止部423の解除は、スイッチ424や制御部9により、手動または自動で行ってもよい。
【0037】
スイッチ424は、連結部42同士の間に設けられている。スイッチ424をONにすることで、結合部422を第1の状態で係止することができる。一方、スイッチ424をOFFにすることで、係止を解除し、結合部422を凹部421に収容することができる。スイッチ424は、手動でオン・オフしてもよく、自動でオン・オフしてもよい。
【0038】
<景品支持部材>
景品支持部材5は、規定部4に設けられ、景品を支持するよう機能する。景品支持部材5の数は特に限定されず、1つでも複数であってもよい。本実施形態では、景品支持部材5の数は、規定部4の連結部42の数に対応して16本となっている。景品支持部材5の形状は、特に限定されず、棒状、長尺状、平板状、プレート状、半円状、円状などいずれの形状であってもよい。景品支持部材5の長さも特に限定されず、同一でも、異なっていてもよい。
【0039】
また、景品支持部材5の外径(幅および/または厚み)は、その基端から先端にかけて漸減していてもよい。これにより、第1の状態において、景品支持部材5同士の間隙が大きくなり、景品が落下するイメージをプレイヤに与えることができる。
【0040】
また、景品支持部材5は、規定部4に対して、レイアウトを変更可能(取り外し可能)に設けられている。これにより、連結部42に対して、景品支持部材5の取付位置を変更することができる。例えば、長さ、外径、形状の異なる景品支持部材5、様々な演出部材(例えば、複数の棘部)を備える景品支持部材5を交換して取り付けることができる。したがって、景品の載置方法の種類や、ゲームの難易度を変更することができる。その結果、ゲーム管理者が、ゲームの構成を自在に設定することができ、プレイヤを継続的に楽しませることができる。
【0041】
ここで、景品支持部材5は、種々の形態を有する景品支持部を含む。本発明の景品支持部材5は、例えば、以下の第1~第6の景品支持部5a~fを含む。景品支持部5a~fのそれぞれの数は、特に限定されず、1つでも複数であってもよい。例えば、景品支持部材5は、景品支持部5bのみを含んでいても、景品支持部5aと景品支持部5dとを所定の割合で含んでいてもよい。ここではまず、通常の景品支持部(第1の景品支持部)5aを説明する。
【0042】
(第1の景品支持部)
景品支持部5aは、図4に示すように、取付部51と、外径漸減部52と、載置部53と、を有する。
【0043】
取付部51は、図4(a)の斜視図に示すように、箱状に形成され、連結部42の結合部422に対応する大きさに形成されている。取付部51は、結合部422を包含する(受け取る)ように取り付けられる。このため、取付部51は、図4(b)の側面図に示すように、後述する傾斜面522が上方(後述する一つの平面が下方)を向いた状態(以下、「通常状態」)のまま、結合部422に取り付けられる。また、取付部51は、図4(c)の側面図に示すように、傾斜面522が下方(一つの平面が上方)を向いた状態、すなわち通常状態を反転した状態(以下、「反転状態」)で、結合部422に取り付けられる。
【0044】
取付部51は、図4(a)に示すように、その奥面に、2つのスリット部511と、当該スリット部511の間に設けられた窓部512とを有する。スリット部511は、図3に示す結合部422の第1嵌合部4222の突起を挿通できる大きさに構成されている。このスリット部511に、第1嵌合部4222の突起が挿通されることで、第1嵌合部4222がスリット部511に係止される。
【0045】
窓部512は、結合部422の第2嵌合部4223を挿通できる大きさに構成されている。この窓部512に、第2嵌合部4223が挿通されることで、第2嵌合部4223のリブにより、第2嵌合部4223が窓部512に係止される。これにより、景品支持部5aは連結部42の結合部422に確実に連結される。
【0046】
外径漸減部52は、取付部51と連結されている。外径漸減部52は、図4(b)、(c)の側面図および図4(d)の上面図に示すように、上面(第1の面)521と、上面521から傾斜した傾斜面(第2の面)522と、2つの側面(第3の面)523と、底面(第1の対向面)524とで構成された角柱状に形成されている。外径漸減部52の上面521と、取付部51の上面とは、連続して一つの面を構成するように形成されている。傾斜面522は、上面521から底面524に向かって傾斜している。これにより、外径漸減部52は、徐々に漸減した外径(高さ)を有する。また、図4(d)に示すように、傾斜面522だけでなく、側面523も先端に向けてテーパー付けされている。これにより、外径漸減部52において、景品との接触面積が減少するので、景品の支持が不安定になる。その結果、景品支持部5aが第1の状態から第2の状態へと変位した際、景品が予想外に動く可能性が高まり、プレイヤを楽しませることができる。
【0047】
載置部53は、図4(b)、(c)の側面図および図4(d)の上面図に示すように、外径漸減部52に連結し、外径漸減部52から直線状に延在する。載置部53の上面(載置面)は、外径漸減部52の傾斜面522と連続して形成されている。載置部53は、景品を載置する機能を有する。図4に示すように、載置部53は、長尺の角柱状に形成されているが、棒状、平板状、長尺板状、半円状、円状などの形状であってもよい。載置部53の径は、特に限定されないが、景品を載置できるよう、所定の径を有する。当該径は、載置部53の基端から先端にかけて一定であってもよく、外径漸減部52からテーパー付けられていても良い。載置部53の長さは、特に限定されず、開口41を介して、対向する連結部42に届くような長さであってもよく、開口41の半径に相当するような長さでもよく、外径漸減部52と同程度の長さでも良い。
【0048】
以上のような景品支持部5aは、図4(b)の側面図で示されるように、外径漸減部52の底面524と載置部53の下面(第2の対向面)とが連続して一つの平面を構成している。また、取付部51が箱状に形成されているため、図4(b)の通常状態、図4(c)の反転状態でも連結部42に取り付けることができる。これにより、景品支持部5aを結合部422に取り付けたときに、通常状態では取付部51の下面から載置部53の上面までの高さはh1となり(図4(b))、反転状態では取付部51の下面から載置部53の上面までの高さはh2となる。このように、景品支持部5aの取り付け方によって、取付部51の下面から載置部53の上面までの距離(以下、「景品支持部5aの高さ」ともいう)を変更することができる。その結果、景品支持部5aを結合部422に取り付けたときに、景品支持部5aの載置部53が不規則に整列する。
【0049】
次に、景品支持部材5が規定部4に連結された構成を図5に示す。図5(a)に示すように、景品支持部材5は、取付部51で、規定部4の連結部42に取り付けられている。景品支持部材5は、開口41の中心に向かって、開口41の径方向に沿って延在している。これにより、景品支持部材5は、景品を支持可能な状態(第1の状態)となっている。換言すると、連結部42の結合部422は、凹部421から突出した状態(第1の状態)となっている。
【0050】
また、図5(b)に示すように、結合部422の係止が解除されると、景品支持部材5は、景品取出空間223に向かって、鉛直下方向に沿って延在する。これにより、景品支持部材5は、景品の支持を解除した状態(第2の状態)となっている。換言すると、連結部42の結合部422は、凹部421に収容された状態(第2の状態)となっている。
【0051】
なお、図5(b)に示すように、ゲーム管理者が、4本の景品支持部材5を第1の状態にし、その他の景品支持部材5を予め第2の状態にしてゲームを実行することもできる。これにより、管理者は、ゲームの難易度を調整することができる。このように、景品支持部材5は、そのレイアウトを変更可能に構成されている。
【0052】
<操作指示部>
操作指示部6は、プレイヤにどの景品支持部材5を動作させるかを指示する機能を有する。操作指示部6は、開口41に対応して規定部4上に設けられている。すなわち、操作指示部6は、景品支持部材5や開口41を囲むように開口41の周方向に沿って設けられている。本実施形態では、操作指示部6は、景品支持部材5と同心状(円環状)に設けられている。
【0053】
操作指示部6は、図1に示すように、複数のブロック体61で構成されている。なお、ブロック体61の数は特に限定されず、1個であっても、2個以上の複数であってもよい。本実施形態では、ブロック体61の数は32個である。
【0054】
複数のブロック体61は、景品支持部材5と隣接して景品支持部材5と対応するように設けられた16個の対応ブロック体61aと、対応ブロック体61a同士の間に設けられ、景品支持部材5に対応しないように設けられた16個の非対応ブロック体61bとで構成されている。すなわち、対応ブロック体61aと、非対応ブロック体61bとが、交互に設けられている。
【0055】
各ブロック体61は、ほぼ直方体状をなしており、その内部に表示装置611が設けられている。表示装置611としては、例えば、LEDや液晶モニタなどが挙げられる。
【0056】
図5では、1つのブロック体61について、8個(複数)のLEDが示されている。なお、図5では、その他のブロック体61の表示装置611を省略している。表示装置611の点灯および点滅は、後述する制御部9により制御される。
【0057】
本実施形態では、対応ブロック体61aと景品支持部材5とが、1対1で対応して設けられているが、これに限定されない。例えば、連続して設けられた複数(例えば2~8本)の景品支持部材5に対応するように、1つの対応ブロック体61aが設けられていてもよい。
【0058】
<検知部>
検知部11は、ゲーム装置1の各部材の動作を検知する機能を有する。検知部11は、部材の動作を検知できれば、設置場所は限定されない。また、検知部11は、特に限定されないが、カメラ、加速度センサー、重量センサー、感圧センサー、赤外線センサー、光電センサー等の各種センサーで構成される。
【0059】
本実施形態のゲーム装置1は、第1の検知部と、第2の検知部とを有する。第1の検知部は、連結部42の結合部422(景品支持部材5)が第2の状態にあることを検知する。そのため、第1の検知部は、連結部42付近で、図示しない連結部駆動機構に設けられている。これにより、後述する動作制御部93が適切に動作することができる。
【0060】
第2の検知部は、景品が景品取出空間223に存在するか否を検知する。第2の検知部は、景品取出空間223を構成する両側面に設けられている。第2の検知部は、例えば、発光部と受光部とを含む光電センサーで構成されている。
【0061】
図2に戻って、ゲーム装置1の内部構成を説明する。
【0062】
<記憶部>
記憶部8は、CPUが実行するゲームプログラムや、音情報等を保存するROMと、CPUが実行する演算結果を一時的に記憶するRAMとを備えている。具体的に、記憶部8は、ブロック体61の表示装置611の点滅速度や、順次点滅する方向(点滅方向)、対応ブロック体61aの点滅モード等の点滅パターンを記憶する。また、記憶部8は、複数の景品支持部5と複数のブロック体61とを対応させた対応表を記憶する。
【0063】
また、記憶部8は、図5(b)に示すように、ゲームに使用される景品支持部材5の番号および対応ブロック体61aの番号、第1の状態にある景品支持部材5の番号および対応ブロック体61aの番号、第2の状態にある景品支持部材5の番号および対応ブロック体61aの番号などを記憶する。
【0064】
<制御部>
制御部9は、ゲームプログラムを実行するCPUを含み、ゲーム装置1全体を制御する。制御部9は、情報取得部91と、情報処理部92と、動作制御部93とを有する。以下、制御部9の各部の構成を説明する。
【0065】
(情報取得部)
情報取得部91は、各種情報を取得する機能を有している。具体的に、情報取得部91は、操作部3からの入力情報、各景品支持部材5の状態(第1の状態や第2の状態)の情報、操作部3への入力時に点灯していた表示装置611(プレイヤにより選択されたブロック体61)を特定する情報、検知部11が検知した情報、入力部からの入力情報などを取得する。取得された情報は、情報処理部92に提供される。
【0066】
(情報処理部)
情報処理部92は、ゲーム全体を処理する機能を有する。特に、情報処理部92は、情報取得部91が取得した情報を処理して動作制御部93に指示する機能を有している。具体的に、情報処理部92は、操作部3への入力により点灯したブロック体61の情報と、記憶部8が記憶している対応表とに基づいて、対応する景品支持部材5の有無を特定する。また、対応する景品支持部材5が有る場合には、情報処理部92は、その番号を特定し、特定された景品支持部材5の動作を、動作制御部93に指示する。
【0067】
(動作制御部)
動作制御部93は、景品支持部材5および操作指示部6の動作を制御する機能を有している。動作制御部93は、各ブロック体61に内蔵された表示装置611が順次点滅するように、対応表に基づいてその点灯および点滅を制御する。さらに、動作制御部93は、点滅方向を時計回りや反時計回りに制御することや、点滅速度を自在に制御することもできる。これにより、例えば、点滅速度を遅くしてゲームの難易度を低くすることができ、点滅速度を速くしてゲームの難易度を高くすることができる。また、その点滅方向や点滅速度をランダムに変更すれば、ゲームの難易度をより高くすることもできる。
【0068】
ブロック体61の表示装置611は、所定のプログラムに従ってまたはランダムに点滅するように制御される。例えば、表示装置611は、時計回りまたは反時計回りに順次点滅するように制御される。これにより、ブロック体61の表示装置611は、所定の方向に順次点滅していき、プレイヤは、変位させたい景品支持部材5に対応するブロック体61の表示装置611が点灯する瞬間を狙って押ボタン31を押圧する。押圧した時に点灯していた表示装置611のみを点灯させることで、表示装置611のブロック体61に対応する景品支持部材5の有無がプレイヤに示される。
【0069】
動作制御部93は、情報処理部92が対応表から特定した番号の景品支持部材5を第1の状態から第2の状態へ変位するよう制御する。すなわち、景品支持部材5が取り付けられている連結部42の結合部422を第1の状態から第2の状態へ変位するように制御する。このような変位は、結合部422(景品支持部材5)ごとになされてもよく、複数の景品支持部材5で同時になされてもよい。これにより、景品支持部材5を1つずつまたは複数同時変更することができるので、ゲームの難易度を変更することができる。
【0070】
さて、上述したように、景品支持部材5は、第1の景品支持部5aに加え、以下に示す第2~4の景品支持部5b~dを含んでいる。この第2~4の景品支持部5b~dは、景品の重さにより、たわむように構成されている。すなわち、第2~4の景品支持部5b~dは、可撓部または弾性部を含む。以下、これらの景品支持部5b~dを詳細に説明するが、前述した景品支持部5aとの相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
【0071】
(第2の景品支持部)
図6は、本発明の第2の景品支持部を模式的に示す図である。(a)および(b)は側面図、(c)は上面図、(d)は斜視図である。景品支持部5bは、図6に示すように、取付部51と、外径漸減部52と、載置部53と、を有する。
【0072】
取付部51の構成は、第1の景品支持部5aの取付部51の構成と同様である。
外径漸減部52は、上面521がない点以外は、第1の景品支持部5aの外径漸減部52と同様である。そのため、傾斜面522は、取付部51の上面から外径漸減部52の底面524に向かって傾斜している。
【0073】
載置部53は、可撓部532を有する以外は、第1の景品支持部5aの載置部53と同様である。具体的に、図6に示すように、景品支持部5bの載置部53は、厚肉部(第1の部分)531と、可撓部(第2の部分)532とを有する。厚肉部531は、第1の景品支持部5aの載置部53と同様である。
【0074】
可撓部532は、載置部53を撓ませる(しならせる)弾性機能を有する。この可撓部532は、景品の重さによりたわむ限り、どのような材料で構成されていてもよい。そのような材料は、特に限定されないが、例えば、ゴムやバネなどの弾性材料(弾性体)、樹脂材料、金属材料、木材、紙などを含む。本実施形態では、可撓部532は、樹脂材料で形成されることが好ましい。この場合、可撓部532に可撓性を持たせるために、可撓部532は、その厚さ(第2の厚さ)が厚肉部531の厚さ(第1の厚さ)よりも薄くなるように構成されている。この状態で、景品を載置部53に載置したとき、景品の自重により可撓部532がたわむ。
【0075】
すなわち、載置部53の先端は、開口41の水平面よりも下方に向く。これにより、載置された景品が載置部53上で傾く。したがって、プレイヤは、景品が景品取出空間223にすぐにでも落下しそうな印象を受ける。特に、可撓部532が外径漸減部52と隣接しているため、載置部53の基端から載置部53全体がたわむ。これにより、載置部53が前記水平面よりも全体的に下方にたわみ、載置された景品の安定性が崩れる。その結果、景品支持部5bが第1の状態にあったとしても、景品は、自重によって、景品取出空間223に落下することがある。
【0076】
可撓部532の厚さ(径)は、可撓部532の構成材料によって異なる。可撓部532が樹脂材料で構成されている場合、可撓部の厚さは、例えば、厚肉部531の厚さの10~90%であることが好ましく、10~70%であることがより好ましく、15~50%であることが最も好ましい。このような範囲の厚さにより、可撓部532が確実にたわむことができる。
【0077】
可撓部532は、載置部53のどこに設けられてもよい。本実施形態では、可撓部532は、外径漸減部52と隣接して、外径漸減部52の底面524から突出するように設けられている。そのため、外径漸減部52の傾斜面522と可撓部532の上面との間、および、厚肉部531の上面と可撓部532の上面との間に段差が形成される。
【0078】
載置部53の長手方向における可撓部532の長さは、可撓部532がたわむ限り、特に限定されず、所定の長さに設定されている。可撓部532の長さは、例えば、載置部53全体の20~90%であるであることが好ましく、25~70%であることがより好ましく、30~50%であることが最も好ましい。このような範囲の長さにより、載置部53の広範囲にわたって可撓部532が形成されるため、載置部53全体が確実にたわむことができる。
【0079】
なお、載置部53は、複数の可撓部532を有していてもよい。この場合、載置部53は、側面視で凸凹状に形成されことがある。そのため、例えば、小型の景品を凹状の可撓部532に設置した場合、凸状の厚肉部531に景品が引っかかり、景品が予想外の動きをする可能性がある。これにより、景品をより獲得できるイメージをプレイヤに与えることができる。
【0080】
以上のように、景品支持部5bの載置部53は、可撓部532の存在により、景品の重さでたわむ。そのため、例えば、3本の景品支持部5bで景品を支持していた場合、1本の景品支持部5bが第1状態から第2状態に変化すると、他の2本の景品支持部5bにかかる荷重が大きくなる。そうすると、2本の景品支持部5bの載置部53は、大きくたわむ。そのため、2本の景品支持部5が第1の状態であるにもかかわらず、景品が景品取出空間223に落下することがある。これは、重い景品を使用する程顕著である。このように、本発明の景品支持部材5を用いると、景品が予想外の動きをすることがあり、プレイヤに景品を獲得できる印象を与えることができる。
【0081】
(第3の景品支持部)
次に、第3の景品支持部5cを詳細に説明する。図7は、本発明の第3の景品支持部を模式的に示す図である。(a)および(b)は側面図、(c)は上面図、(d)は斜視図である。景品支持部5cは、図7に示すように、取付部51と、外径漸減部52と、載置部53と、を有する。
【0082】
取付部51および外径漸減部52の構成は、景品支持部5bの取付部51および外径漸減部52の構成と同様である。
【0083】
載置部53は、可撓部532の構成が異なる以外は、景品支持部5bと同様である。具体的に、図7に示すように、景品支持部5cの載置部53の可撓部532は、リブ5321を有さない領域(以下、「第1の領域」という)5322と、リブ5321を有する領域(以下、「第2の領域」という)5323とを有する。リブ5321は、可撓部532を補強する機能を有する。リブ5321は、可撓部532上に設けられている。リブ5321は、景品支持部5cの中心軸に沿って、可撓部532の基端から外径漸減部52に向けて直線状に延びている。これにより、可撓部532の先端側を補強することができる。
【0084】
リブ5321の長さは、特に限定されないが、可撓部532の長さの20~70%の長さであることが好ましく、30~60%の長さであることが好ましい。このような長さであることにより、可撓部532を適度に補強するとともに、可撓部532の可撓性を調整することができる。
【0085】
リブ5321の上面は、図7(a)、(b)の側面図に示すように、厚肉部531の上面と連続して形成され、一体的平面を形成している。そのため、リブ5321の高さと、可撓部532の厚さとの合計は、厚肉部531の厚さと同じになっている。すなわち、第2の領域5323において、可撓部532の厚さは、厚肉部531の厚さと一致する(図7(a))。一方、図7(c)に示すように、第2の領域5323において、リブ5321の幅は、厚肉部531の幅よりも小さい。
【0086】
したがって、景品を載置部53に載置したとき、可撓部532は、第1の領域5322において大きくたわむともに、第2の領域5323おいても僅かにたわむ。その結果、載置部53全体は、開口の水平面よりも下方にしなり、載置された景品が傾く。したがって、景品が景品取出空間223に落下しそうな印象をプレイヤに与えることができる。特に、可撓部532がリブ5321を有しているため、第2の領域5323において、景品とリブ5321との接触面積が小さくなる。これにより、景品のバランスが崩れ易くなり、景品が景品取出空間223に落下し易くなる。
【0087】
なお、可撓部532の第2の領域5323は、載置部53の先端に設けられても、外径漸減部52に隣接して設けられていてもよい。また、リブ5321は、可撓部532上に間欠的に設けられていてもよい。この場合、載置部53に載置される景品のバランスをとることが困難になる。その結果、景品が景品取出空間223に落下し易くなる。
【0088】
また、リブ5321の存在により、景品支持部5bと比較して、厚肉部531の大きさは小さくなり、可撓部532の大きさは大きくなっている。そのため、景品支持部5cの載置部53は、景品支持部5bの載置部53よりも、たわみ易くなっている。その一方で、リブ5321の補強機能により、可撓部532が極端にたわむことを防止している。
【0089】
(第4の景品支持部)
次に、第4の景品支持部5dを詳細に説明する。図8は、本発明の景品支持部材を模式的に示す図である。(a)は側面図、(c)は底面図、(c)は斜視図である。景品支持部5dは、図8に示すように、取付部51と、外径漸減部52と、載置部53と、を有する。
【0090】
取付部51および外径漸減部52の構成は、景品支持部5b、5cの取付部51および外径漸減部52の構成と同様である。
【0091】
載置部53は、可撓部532の構成が異なる以外は、景品支持部5cと同様である。具体的に、景品支持部5dの載置部53の可撓部532は、外径漸減部52の傾斜面522から突出して設けられている。そのため、外径漸減部52の底面524と可撓部532の下面との間、および、厚肉部531の下面と可撓部532の下面との間に段差が形成される。
【0092】
また、可撓部532は、図8に示すように、リブ5321と、ストリップ533と、スリット534と、空隙54と、補強部55とを有する。リブ5321は、景品支持部5cのリブ5321と比較して、高さが低いこと以外は、景品支持部5cのリブ5321と同様である。
【0093】
ストリップ533は、可撓部532を補強する機能を有する。ストリップ533は、厚肉部531の基端から長手方向に沿って、外径漸減部52付近まで延びている。すなわち、ストリップ533は、厚肉部531の下面と連続面を形成し、載置部53の上面と対応した面を構成する。これにより、景品を確実に載置することができる。ストリップ533は、可撓部532とほぼ対応したサイズに形成されているが、スリット534分、可撓部532よりも小さく形成されている。
【0094】
スリット534は、外径漸減部52とストリップ533との間に、載置部53の幅方向に沿って設けられている。スリット534は、空隙54を載置部53の厚さ方向に開放する。そのため、スリット534と空隙54とは、図8(a)の側面図で「L」字状の空間を形成している。載置部53の長手方向におけるスリット534の間隔は、所定のサイズに設定されている。このようなスリット534により、通常状態で景品支持部5dを取り付けたとき、ストリップ533の先端が外径漸減部52に当接する。これにより、可撓部532はこれ以上たわまない。すなわち、可撓部532は、スリット534の間隔分以上たわまない。
【0095】
なお、スリット534は、ストリップ533と厚肉部531との間に設けられていてもよい。この場合、ストリップ533は、外径漸減部52の底面524から長手方向に沿って、厚肉部531付近まで延びている。また、リブ5321を前記幅方向に沿って設けてもよい。これにより、ストリップ533の剛性が高くなるので、ストリップ533のたわみを抑制することができる。
【0096】
空隙54は、可撓部532の第1の領域5322と、ストリップ533との間に形成される。空隙54は、載置部53の幅方向に沿って形成されているとともに、可撓部532の基端からリブ5321まで延びている。なお、空隙54の長さとリブ5321の長さとで、可撓部532の長さを構成する。
【0097】
補強部55は、可撓部532の強度を補強する機能を有する。補強部55は、外径漸減部52と可撓部532との接続部で、空隙54内に形成されている。この構成により、通常状態の景品支持部5dが景品の重さによりたわんだとき、可撓部532と外径漸減部52との接続を強固にすることができる。
【0098】
以上のように、景品支持部5dの載置部53は、可撓部532の存在により、反転状態において、景品の重さでたわむ。これにより、景品支持部5b、cと同様の効果を得ることができる。一方、景品支持部5dの載置部53は、可撓部532の存在により、通常状態において、景品の重さでたわみ始める。この時、スリット534の存在で、ストリップ533は、外径漸減部52に当接する。その結果、可撓部532のたわみが制限される。これにより、景品支持部5aと同様の効果を得ることができる。このように、景品支持部5dは、たわむ載置部53およびたわまない載置部53の両方の機能を提供することができる。
【0099】
景品支持部材5は、上述したような第1~第4の景品支持部5a~5dの他、次のような第5、第6の景品支持部5e、5fも含むことができる。
【0100】
(第5の景品支持部)
景品支持部5eは、第4の景品支持部5dの可撓部532と、リブ5321と、空隙54とがゴムなどの弾性材料で形成されている。この弾性材料により、可撓部532はたわむことができる。なお、スリット534の位置は、限定されず、ストリップ533を分離するように、ストリップ533の中央に設けられていてもよい。
【0101】
(第6の景品支持部)
また、景品支持部5fは、第4の景品支持部5dの可撓部532と、リブ5321とがコイルやバネなどの弾性体で形成されている。この弾性体により、可撓部532はたわむことができる。なお、スリット534の位置は、限定されず、ストリップ533を分離するように、ストリップ533の中央に設けられていてもよい。
【0102】
その他、景品支持部材5は、載置部53全体が弾性材料(弾性機能が大きい)で形成された景品支持部、載置部53が弾性材料で形成された領域と、弾性材料と異なる材料で形成された領域とを含む景品支持部などを含んでいてもよい。このように、載置部53がたわむ限り、可撓部532の構成や位置は、限定されない。
【0103】
以上のような景品支持部5a~5fは、組み合わせて用いられてもよい。このようにすることにより、景品の重さ、景品の設置状態、景品支持部材5の種類によって、景品が予想外の動きをする。これにより、ゲームの趣向性を高めることができる。
【0104】
2.景品支持部材の動作説明
次に、景品支持部材5を連結部42に取り付け、景品を載置部53に載置した場合において、景品支持部材5がどのように動作するか説明する。
【0105】
(第1の景品支持部)
景品支持部5aは、上述したように、可撓部532を有さない。そのため、通常状態および反転状態のいずれの状態の景品支持部5aでも、動作に差異はない。
【0106】
(第2、3の景品支持部)
景品支持部5b、5cは、上述したように、可撓部532を有する。そのため、通常状態の景品支持部5bの場合(図6(a))、景品の重さで可撓部532が鉛直下方にたわむ。また、通常状態の景品支持部5cの場合(図7(a))、景品の重さで第1の領域5322の可撓部532が鉛直下方にたわむ。それと同時に、第2の領域5323の可撓部532も僅かに鉛直下方にたわむ。
【0107】
一方、反転状態の景品支持部5bの場合(図6(b))、景品の重さで可撓部532が鉛直下方にたわむ。また、反転状態の景品支持部5cの場合(図7(b)、景品の重さで第1の領域5322の可撓部532が鉛直下方にたわむ。それと同時に、第2の領域5323の可撓部532も鉛直下方に僅かにたわむ。
【0108】
(第4の景品支持部)
景品支持部5dは、上述したように、可撓部532と、ストリップ533と、スリット534とを有する。そのため、通常状態の景品支持部5dの場合(図8(a))、景品の重さで可撓部532がたわみ始める。これに追従して、ストリップ533もたわみ始める。ストリップ533がスリット534の間隔分たわむと、ストリップ533は、外径漸減部52に当接する。これにより、ストリップ533のたわみが外径漸減部52で制限される。その後、ストリップ533のたわみは停止する。
【0109】
一方、反転状態の景品支持部5dの場合、景品の重さで可撓部532が鉛直下方にたわみ始める。これに追従して、ストリップ533もたわみ始める。この時、スリット534の存在により、ストリップ533の先端は上方に持ち上がり、可撓部532は鉛直上方にたわむ。このように、景品支持部5dは、通常状態でストリップ533のたわみを停止させることができる。したがって、1つの景品支持部5dを通常状態と反転状態で取り付けることにより、載置部53がたわむ効果および載置部53がたわまない効果の2つの効果を実現できる。その結果、景品を多様な方法で景品支持部5dに設置することができる。なお、第5、第6の景品支持部5e、5fも第4の景品支持部5fと同様に動作する。
【0110】
以上のように、景品支持部材5は、種々の形態の景品支持部5a~5dを含むため、ゲーム管理者に景品支持部材5の選択のバリエーションを提供することができる。
【0111】
以上、本発明の景品支持部材を、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の手段または構成物が付加されていてもよい。また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0112】
1…ゲーム装置 2…筺体 21…筐体上部 211…上面 212…前面 213…後面 215…ゲーム空間 22…筐体下部 221…景品取出口 222…景品取出板 223…景品取出空間 3…操作部 4…規定部 41…開口 42…連結部 421…凹部 422…結合部 4221…本体 4222…第1嵌合部 4223…第2嵌合部 423…係止部 424…スイッチ 5…景品支持部(景品支持部材) 51…取付部 511…スリット部 512…窓部 52…外径漸減部 521…上面 522…傾斜面 523…側面 524…底面 53…載置部 531…厚肉部 532…可撓部 5321…リブ 5322…第1の領域 5323…第2の領域 533…ストリップ 534…スリット 54…空隙 55…補強部 6…操作指示部 61…ブロック体 61a…対応ブロック体 61b…非対応ブロック体 611…表示装置 8…記憶部 9…制御部 91…情報取得部 92…情報処理部 93…動作制御部 11…検知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8