(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】半導体記憶装置、メモリシステム及び不良検出方法
(51)【国際特許分類】
G11C 29/30 20060101AFI20221024BHJP
【FI】
G11C29/30
(21)【出願番号】P 2019023220
(22)【出願日】2019-02-13
【審査請求日】2021-09-10
(73)【特許権者】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原口 辰也
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-150797(JP,A)
【文献】特開2014-186761(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0294093(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 29/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1配線及び第2配線と、
前記第1配線及び前記第2配線の間に接続されたメモリトランジスタと、
前記第1配線及び前記メモリトランジスタの間に接続された第1選択トランジスタと、
前記第2配線及び前記メモリトランジスタの間に接続された第2選択トランジスタと、
前記第1選択トランジスタのゲート電極に接続された第3配線と、
前記第2選択トランジスタのゲート電極に接続された第4配線と
、
前記メモリトランジスタのゲート電極に接続された第5配線と
を備え、
前記メモリトランジスタにデータを書き込む書込動作を実行可能に構成され、
前記書込動作において、
前記第5配線にプログラム電圧が供給される電圧印加動作が実行され、
前記電圧印加動作の後の第1のタイミングから第2のタイミングにかけて、前記第3配線に前記第1選択トランジスタがON状態となる第1電圧が供給され、前記第4配線に前記第2選択トランジスタがOFF状態となる第2電圧が供給され、
前記第2のタイミングから第3のタイミングにかけて、前記第3配線に前記第1選択トランジスタがOFF状態となる第3電圧が供給され、
前記第1のタイミングと前記第3のタイミングの間の第4のタイミングにおいて、前記第1配線の電圧及び電流の少なくとも一方が検知され
、
前記第3のタイミングより後に、前記書込動作の状態を示す情報が出力される情報出力動作が実行される
半導体記憶装置。
【請求項2】
第1配線及び第2配線と、
前記第1配線及び前記第2配線の間に接続されたメモリトランジスタと、
前記第1配線及び前記メモリトランジスタの間に接続された第1選択トランジスタと、
前記第2配線及び前記メモリトランジスタの間に接続された第2選択トランジスタと、
前記第1選択トランジスタのゲート電極に接続された第3配線と、
前記第2選択トランジスタのゲート電極に接続された第4配線と
を備え、
前記メモリトランジスタからデータを消去する消去動作を実行可能に構成され、
前記消去動作において、
前記第2配線に消去電圧が供給される電圧印加動作が実行され、
前記電圧印加動作の後の第1のタイミングから第2のタイミングにかけて、前記第3配線に前記第1選択トランジスタがON状態となる第1電圧が供給され、前記第4配線に前記第2選択トランジスタがOFF状態となる第2電圧が供給され、
前記第2のタイミングから第3のタイミングにかけて、前記第3配線に前記第1選択トランジスタがOFF状態となる第3電圧が供給され、
前記第1のタイミングと前記第3のタイミングの間の第4のタイミングにおいて、前記第1配線の電圧及び電流の少なくとも一方が検知され、
前記第3のタイミングより後に、前記消去動作の状態を示す情報が出力される情報出力動作が実行される
半導体記憶装置。
【請求項3】
前記メモリトランジスタのゲート電極に接続された第5配線を備え、
前記第1のタイミングから前記第2のタイミングにかけて、前記第1配線及び前記第5配線に電位差が供給される
請求項1
又は2記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
第1配線及び第2配線と、
前記第1配線及び前記第2配線の間に接続されたメモリトランジスタと、
前記第1配線及び前記メモリトランジスタの間に接続された第1選択トランジスタと、
前記第2配線及び前記メモリトランジスタの間に接続された第2選択トランジスタと、
前記第1選択トランジスタのゲート電極に接続された第3配線と、
前記第2選択トランジスタのゲート電極に接続された第4配線と、
前記メモリトランジスタのゲート電極に接続された第5配線と
を備え、
第1のタイミングから第2のタイミングにかけて、前記第3配線に前記第1選択トランジスタがON状態となる第1電圧が供給され、前記第4配線に前記第2選択トランジスタがOFF状態となる第2電圧が供給され、前記第5配線に前記第1配線の電圧より大きい電圧が供給され、
前記第2のタイミングから第3のタイミングにかけて、前記第3配線に前記第1選択トランジスタがOFF状態となる第3電圧が供給され、
前記第1のタイミングと前記第3のタイミングの間の第4のタイミングにおいて、前記第1配線の電圧及び電流の少なくとも一方が検知される
半導体記憶装置。
【請求項5】
前記第1配線に接続されたゲート電極を備えるセンストランジスタと、
前記センストランジスタに接続されたラッチ回路と、
前記センストランジスタ及び前記ラッチ回路の間に接続されたスイッチトランジスタと、
前記スイッチトランジスタのゲート電極に接続された第6配線と
を備え、
前記第4のタイミングにおいて、前記第6配線に前記スイッチトランジスタがON状態となる第4電圧が供給される
請求項1
~4のいずれか1項記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
請求項
1又は
2記載の半導体記憶装置と、
前記半導体記憶装置に接続された制御装置と
を備え、
前記制御装置は、
前記半導体記憶装置から前記状態を示す情報を受信し、
前記状態を示す情報に基づいて前記半導体記憶装置を制御する
メモリシステム。
【請求項7】
第1配線及び第2配線と、
前記第1配線及び前記第2配線の間に接続されたメモリトランジスタと、
前記第1配線及び前記メモリトランジスタの間に接続された第1選択トランジスタと、
前記第2配線及び前記メモリトランジスタの間に接続された第2選択トランジスタと、
前記第1選択トランジスタのゲート電極に接続された第3配線と、
前記第2選択トランジスタのゲート電極に接続された第4配線と
、
前記メモリトランジスタのゲート電極に接続された第5配線と
を備える半導体記憶装置の不良検出方法であって、
書込動作において、
前記第5配線にプログラム電圧が供給される電圧印加動作を実行し、
前記電圧印加動作の後の第1のタイミングから第2のタイミングにかけて、前記第3配線に前記第1選択トランジスタがON状態となる第1電圧を供給し、前記第4配線に前記第2選択トランジスタがOFF状態となる第2電圧を供給し、
前記第2のタイミングから第3のタイミングにかけて、前記第3配線に前記第1選択トランジスタがOFF状態となる第3電圧を供給し、
前記第1のタイミングと前記第3のタイミングの間の第4のタイミングにおいて、前記第1配線の電圧及び電流の少なくとも一方を検知
し、
前記第3のタイミングより後に、前記書込動作の状態を示す情報を出力する情報出力動作を実行する
半導体記憶装置の不良検出方法。
【請求項8】
第1配線及び第2配線と、
前記第1配線及び前記第2配線の間に接続されたメモリトランジスタと、
前記第1配線及び前記メモリトランジスタの間に接続された第1選択トランジスタと、
前記第2配線及び前記メモリトランジスタの間に接続された第2選択トランジスタと、
前記第1選択トランジスタのゲート電極に接続された第3配線と、
前記第2選択トランジスタのゲート電極に接続された第4配線と
を備える半導体記憶装置の不良検出方法であって、
消去動作において、
前記第2配線に消去電圧が供給される電圧印加動作を実行し、
前記電圧印加動作の後の第1のタイミングから第2のタイミングにかけて、前記第3配線に前記第1選択トランジスタがON状態となる第1電圧を供給し、前記第4配線に前記第2選択トランジスタがOFF状態となる第2電圧を供給し、
前記第2のタイミングから第3のタイミングにかけて、前記第3配線に前記第1選択トランジスタがOFF状態となる第3電圧を供給し、
前記第1のタイミングと前記第3のタイミングの間の第4のタイミングにおいて、前記第1配線の電圧及び電流の少なくとも一方を検知し、
前記第3のタイミングより後に、前記消去動作の状態を示す情報を出力する情報出力動作を実行する
半導体記憶装置の不良検出方法。
【請求項9】
前記半導体記憶装置は、前記メモリトランジスタのゲート電極に接続された第5配線を備え、
前記第1のタイミングから前記第2のタイミングにかけて、前記第1配線及び前記第5配線に電位差を供給する
請求項7
又は8記載の半導体記憶装置の不良検出方法。
【請求項10】
第1配線及び第2配線と、
前記第1配線及び前記第2配線の間に接続されたメモリトランジスタと、
前記第1配線及び前記メモリトランジスタの間に接続された第1選択トランジスタと、
前記第2配線及び前記メモリトランジスタの間に接続された第2選択トランジスタと、
前記第1選択トランジスタのゲート電極に接続された第3配線と、
前記第2選択トランジスタのゲート電極に接続された第4配線と、
前記メモリトランジスタのゲート電極に接続された第5配線と
を備える半導体記憶装置の不良検出方法であって、
第1のタイミングから第2のタイミングにかけて、前記第3配線に前記第1選択トランジスタがON状態となる第1電圧を供給し、前記第4配線に前記第2選択トランジスタがOFF状態となる第2電圧を供給し、前記第5配線に前記第1配線の電圧より大きい電圧を供給し、
前記第2のタイミングから第3のタイミングにかけて、前記第3配線に前記第1選択トランジスタがOFF状態となる第3電圧を供給し、
前記第1のタイミングと前記第3のタイミングの間の第4のタイミングにおいて、前記第1配線の電圧及び電流の少なくとも一方を検知する
半導体記憶装置の不良検出方法。
【請求項11】
前記半導体記憶装置は、
前記第1選択トランジスタ及び前記第2選択トランジスタの間に接続された複数の前記メモリトランジスタと、
前記複数のメモリトランジスタのゲート電極にそれぞれ接続された複数の第5配線と
を備え、
複数の前記第5配線に第4電圧を供給し、
前記複数の第5配線から一つの前記第5配線を選択する処理と、選択された前記第5配線の電圧を前記第4電圧と異なる第5電圧に切り換える処理と、前記第1配線の電圧及び電流の少なくとも一方を検知する処理と、を繰り返し行い、
検知された前記第1配線の電圧及び電流の少なくとも一方が変化したタイミングに対応する前記第5配線を特定可能な情報を出力する
請求項
10記載の半導体記憶装置の不良検出方法。
【請求項12】
前記半導体記憶装置は、
複数の前記第1配線と、
前記複数の第1配線及び前記第2配線の間にそれぞれ接続された複数の前記メモリトランジスタと、
前記複数の第1配線及び前記複数のメモリトランジスタの間にそれぞれ接続された複数の第1選択トランジスタと、
前記第2配線及び前記複数のメモリトランジスタの間にそれぞれ接続された複数の第2選択トランジスタと
を備え、
前記第3配線は、前記複数の第1選択トランジスタのゲート電極に共通に接続され、
前記第4配線は、前記複数の第2選択トランジスタのゲート電極に共通に接続され、
前記第4のタイミングにおいて、前記複数の第1配線の電圧及び電流の少なくとも一方を検知し、
検知された前記複数の第1配線の電圧及び電流の少なくとも一方に対応する情報を出力する
請求項7
~10のいずれか1項記載の半導体記憶装置の不良検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体記憶装置、メモリシステム及び不良検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
第1配線及び第2配線と、第1配線及び第2配線の間に接続されたメモリトランジスタと、第1配線及びメモリトランジスタの間に接続された第1選択トランジスタと、第2配線及びメモリトランジスタの間に接続された第2選択トランジスタと、第1選択トランジスタのゲート電極に接続された第3配線と、第2選択トランジスタのゲート電極に接続された第4配線と、を備える半導体記憶装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
効率よく不良を検出可能な半導体記憶装置、メモリシステム及び不良検出方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態に係る半導体記憶装置は、第1配線及び第2配線と、第1配線及び第2配線の間に接続されたメモリトランジスタと、第1配線及びメモリトランジスタの間に接続された第1選択トランジスタと、第2配線及びメモリトランジスタの間に接続された第2選択トランジスタと、第1選択トランジスタのゲート電極に接続された第3配線と、第2選択トランジスタのゲート電極に接続された第4配線と、を備える。第1のタイミングから第2のタイミングにかけて、第3配線に第1選択トランジスタがON状態となる第1電圧が供給され、第4配線に第2選択トランジスタがOFF状態となる第2電圧が供給され、第2のタイミングから第3のタイミングにかけて、第3配線に第1選択トランジスタがOFF状態となる第3電圧が供給され、第1のタイミングと第3のタイミングの間の第4のタイミングにおいて、第1配線の電圧及び電流の少なくとも一方が検知される。
【0006】
一の実施形態に係る半導体記憶装置の不良検出方法は、第1配線及び第2配線と、第1配線及び第2配線の間に接続されたメモリトランジスタと、第1配線及びメモリトランジスタの間に接続された第1選択トランジスタと、第2配線及びメモリトランジスタの間に接続された第2選択トランジスタと、第1選択トランジスタのゲート電極に接続された第3配線と、第2選択トランジスタのゲート電極に接続された第4配線と、を備える半導体記憶装置の不良検出方法である。この方法では、第1のタイミングから第2のタイミングにかけて、第3配線に第1選択トランジスタがON状態となる第1電圧を供給し、第4配線に第2選択トランジスタがOFF状態となる第2電圧を供給し、第2のタイミングから第3のタイミングにかけて、第3配線に第1選択トランジスタがOFF状態となる第3電圧を供給し、第1のタイミングと第3のタイミングの間の第4のタイミングにおいて、第1配線の電圧及び電流の少なくとも一方を検知する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】メモリシステム10の構成を示す模式的なブロック図である。
【
図2】メモリダイMDの構成を示す模式的なブロック図である。
【
図3】メモリセルアレイMCAの構成を示す模式的な回路図である。
【
図4】センスアンプSAの構成を示す模式的な回路図である。
【
図5】メモリセルアレイMCAの構成を示す模式的な斜視図である。
【
図7】第1実施形態に係る不良検出方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図8】第2実施形態に係る不良検出方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図9】第3実施形態に係る不良検出方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図10】第4実施形態に係る不良検出方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図11】第5実施形態に係る不良検出方法について説明するための模式的なフローチャートである。
【
図12】同方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図13】同方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図14】第6実施形態に係る不良検出方法について説明するための模式的なフローチャートである。
【
図15】同方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図16】同方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図17】メモリシステム10の構成を示す模式的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、実施形態に係る半導体記憶装置を、図面を参照して詳細に説明する。尚、以下の実施形態はあくまでも一例であり、本発明を限定する意図で示されるものではない。
【0009】
また、本明細書において「半導体記憶装置」と言った場合には、メモリダイを意味する事もあるし、メモリチップ、メモリカード、SSD等の、コントロールダイを含むメモリシステムを意味する事もある。更に、スマートホン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の、ホストコンピュータを含む構成を意味する事もある。
【0010】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成に「電気的に接続されている」と言った場合、第1の構成は第2の構成に直接接続されていても良いし、第1の構成が第2の構成に配線、半導体部材又はトランジスタ等を介して接続されていても良い。例えば、3つのトランジスタを直列に接続した場合には、2つ目のトランジスタがOFF状態であったとしても、1つ目のトランジスタは3つ目のトランジスタに「電気的に接続」されている。
【0011】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成及び第3の構成の「間に接続されている」と言った場合、第1の構成、第2の構成及び第3の構成が直列に接続され、且つ、第1の構成が第2の構成及び第3の構成の電流経路に設けられていることを意味する場合がある。
【0012】
また、本明細書において、回路等が2つの配線等を「導通させる」と言った場合には、例えば、この回路等がトランジスタ等を含んでおり、このトランジスタ等が2つの配線の間の電流経路に設けられており、このトランジスタ等がON状態となることを意味する事がある。
【0013】
[第1実施形態]
[半導体記憶装置]
図1は、第1実施形態に係るメモリシステム10の構成を示す模式的なブロック図である。
【0014】
メモリシステム10は、ホストコンピュータ20から送信された信号に応じて、ユーザデータの読み出し、書き込み、消去等を行う。メモリシステム10は、例えば、メモリチップ、メモリカード、SSD又はその他のユーザデータを記憶可能なシステムである。メモリシステム10は、ユーザデータを記憶する複数のメモリダイMDと、これら複数のメモリダイMD及びホストコンピュータ20に接続されるコントロールダイCDと、を備える。コントロールダイCDは、例えば、プロセッサ、RAM、ROM、ECC回路等を備え、論理アドレスと物理アドレスの変換、ビット誤り検出/訂正、ウェアレベリング等の処理を行う。
【0015】
図2は、第1実施形態に係るメモリダイMDの構成を示す模式的なブロック図である。
図3及び
図4は、メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な回路図である。
【0016】
図2に示す通り、メモリダイMDは、データを記憶するメモリセルアレイMCAと、メモリセルアレイMCAに接続された周辺回路PCと、を備える。
【0017】
[メモリセルアレイMCA]
メモリセルアレイMCAは、複数のメモリブロックMBを備える。メモリブロックMBは、ユーザデータ等を記録する。また、メモリセルアレイMCAの一部は、ROM領域として利用される。ROM領域は、メモリダイMDの制御に用いられる電圧値等のパラメータ、不良ブロックのブロックアドレス、及び、その他のメモリダイMDの制御に用いられるデータを記録する。
【0018】
メモリブロックMBは、
図3に示す様に、それぞれ、複数のサブブロックSBを備える。これら複数のサブブロックSBは、それぞれ、複数のメモリストリングMSを備える。これら複数のメモリストリングMSの一端は、それぞれ、ビット線BLを介して周辺回路PCに接続される。また、これら複数のメモリストリングMSの他端は、それぞれ、共通のソース線SLを介して周辺回路PCに接続される。
【0019】
メモリストリングMSは、ビット線BL及びソース線SLの間に直列に接続されたドレイン選択トランジスタSTD、複数のメモリセルMC、及び、ソース選択トランジスタSTSを備える。以下、ドレイン選択トランジスタSTD、及び、ソース選択トランジスタSTSを、単に選択トランジスタ(STD、STS)と呼ぶ事がある。
【0020】
本実施形態に係るメモリセルMCは、チャネル領域として機能する半導体層、電荷蓄積膜を含むゲート絶縁膜、及び、ゲート電極を備える電界効果型のトランジスタ(メモリトランジスタ)である。メモリセルMCのしきい値電圧は、電荷蓄積膜中の電荷量に応じて変化する。メモリセルMCは、1ビット又は複数ビットのデータを記憶する。尚、1のメモリストリングMSに対応する複数のメモリセルMCのゲート電極には、それぞれ、ワード線WLが接続される。これらワード線WLは、それぞれ、1のメモリブロックMB中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。以下、1のサブブロックSB内に含まれ1のワード線WLに共通に接続された複数のメモリセルMCを、「ページP」と呼ぶ。
【0021】
選択トランジスタ(STD、STS)は、チャネル領域として機能する半導体層、ゲート絶縁膜及びゲート電極を備える電界効果型のトランジスタである。選択トランジスタ(STD、STS)のゲート電極には、それぞれ、選択ゲート線(SGD、SGS)が接続される。ドレイン選択線SGDは、サブブロックSBに対応して設けられ、1のサブブロックSB中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。ソース選択線SGSは、1のメモリブロックMB中の複数のメモリストリングMSに共通に接続される。
【0022】
[周辺回路PC]
周辺回路PCは、
図2に示す通り、ロウデコーダRDと、センスアンプモジュールSAMと、電圧生成回路VGと、シーケンサSQCと、を備える。また、周辺回路PCは、アドレスレジスタADRと、コマンドレジスタCMRと、ステータスレジスタSTRと、を備える。また、周辺回路PCは、入出力制御回路I/Oと、論理回路CTRと、を備える。
【0023】
ロウデコーダRDは、例えば、デコード回路及びスイッチ回路を備える。デコード回路は、アドレスレジスタADRに保持されたロウアドレスRAをデコードする。スイッチ回路は、デコード回路の出力信号に応じて、ロウアドレスRAに対応するワード線WL及び選択ゲート線(SGD、SGS)を、対応する電圧供給線と導通させる。
【0024】
センスアンプモジュールSAMは、複数のビット線BLに対応する複数のセンスアンプユニットSAUを備える。センスアンプユニットSAUは、
図4に示す通り、ビット線BLに接続されたセンスアンプSAと、データラッチSDLと、複数のデータラッチDLと、図示しない論理回路と、これらの構成に接続された配線LBUSと、を備える。
【0025】
センスアンプSAは、
図4に示す通り、ビット線BLに流れる電流等に応じて配線LBUSの電荷を放電するセンストランジスタ31を備える。センストランジスタ31のソース電極は、ノードN0に接続される。ドレイン電極は、スイッチトランジスタ32を介して配線LBUSに接続される。ゲート電極は、センスノードSEN、放電トランジスタ33、ノードCOM及びクランプトランジスタ34を介してビット線BLに接続される。センスノードSENは充電トランジスタ35及び充電トランジスタ36を介してノードN1に接続され、キャパシタ37を介して内部制御信号CLKに接続される。ノードCOMは、充電トランジスタ38及び充電トランジスタ36を介してノードN1に接続され、放電トランジスタ39を介してノードN2に接続される。
【0026】
センストランジスタ31、スイッチトランジスタ32、放電トランジスタ33、クランプトランジスタ34、充電トランジスタ35、充電トランジスタ38及び放電トランジスタ39は、例えば、NMOSトランジスタである。充電トランジスタ36は、例えば、PMOSトランジスタである。
【0027】
データラッチSDLは、ノードLAT及びINVと、これらノードLAT及びINVに並列に接続されたインバータ41及び42と、ノードLAT及び配線LBUSに接続されたスイッチトランジスタ43と、ノードINV及び配線LBUSに接続されたスイッチトランジスタ44と、を備える。スイッチトランジスタ43及び44は、例えば、NMOSトランジスタである。
【0028】
また、センスアンプモジュールSAMは、図示しないデコード回路及びスイッチ回路を備える。デコード回路は、アドレスレジスタADR(
図2)に保持されたカラムアドレスCAをデコードする。スイッチ回路は、デコード回路の出力信号に応じて、カラムアドレスCAに対応するデータラッチXDLをバスDBと導通させる。
【0029】
電圧生成回路VG(
図2)は、例えば、電源端子及び接地端子に接続されたチャージポンプ回路等の昇圧回路、降圧回路、及び、図示しない複数の電圧供給線を備える。電圧生成回路VGは、シーケンサSQCからの内部制御信号に従い、メモリセルアレイMCAに対する読出動作、書込動作及び消去動作に際してビット線BL、ソース線SL、ワード線WL及び選択ゲート線(SGD、SGS)に印加される複数通りの動作電圧を生成し、複数の電圧供給線から同時に出力する。
【0030】
シーケンサSQCは、コマンドレジスタCMRに保持されたコマンドデータCMDを順次デコードし、ロウデコーダRD、センスアンプモジュールSAM、及び、電圧生成回路VGに内部制御信号を出力する。また、シーケンサSQCは、適宜自身の状態を示すステータスデータをステータスレジスタSTRに出力する。例えば、書込動作又は消去動作の実行に際して、書込動作又は消去動作が正常に終了したか否かを示す情報をステータスデータとして出力する。
【0031】
入出力制御回路I/Oは、データ入出力端子I/O0~I/O7と、これらデータ入出力端子I/O0~I/O7に接続されたシフトレジスタと、このシフトレジスタに接続されたFIFOバッファと、を備える。入出力制御回路I/Oは、論理回路CTRからの内部制御信号に応じて、データ入出力端子I/O0~I/O7から入力されたデータを、センスアンプモジュールSAM内のデータラッチXDL、アドレスレジスタADR又はコマンドレジスタCMRに出力する。また、データラッチXDL又はステータスレジスタSTRから入力されたデータを、データ入出力端子I/O0~I/O7に出力する。
【0032】
論理回路CTRは、外部制御端子/CEn,CLE,ALE,/WE,/REを介してコントロールダイCDから外部制御信号を受信し、これに応じて入出力制御回路I/Oに内部制御信号を出力する。
【0033】
次に、
図5を参照して、本実施形態に係るメモリセルアレイMCAの構成について簡単に説明する。尚、説明の都合上、
図5では一部の構成を省略する。
【0034】
図5に示す通り、本実施形態に係る半導体記憶装置は、基板Sと、Z方向に並ぶ複数の導電層110と、Z方向に延伸して複数の導電層110と対向する複数の半導体層120と、導電層110及び半導体層120の間に設けられたゲート絶縁膜130と、半導体層120の上端部に接続された複数の導電層140と、基板Sの上面に接続された導電層150と、を備える。
【0035】
基板Sは、例えば、単結晶シリコン(Si)等からなる半導体基板である。基板Sは、例えば、半導体基板の表面にリン(P)等のN型の不純物層を有し、更にこのN型の不純物層中にホウ素(B)等のP型の不純物層を有する2重ウェル構造を備える。
【0036】
導電層110は、例えば、窒化チタン(TiN)及びタングステン(W)の積層膜等を含む。導電層110は、例えば、ワード線WL(
図3)及びこのワード線WLに接続された複数のメモリセルMCのゲート電極、又は、ドレイン選択線SGD(
図3)及びこのドレイン選択線SGDに接続された複数のドレイン選択トランジスタSTD(
図3)のゲート電極として機能する。導電層110のX方向の端部は、Z方向に延伸するコンタクト111を介して周辺回路PC(
図1)に接続される。
【0037】
導電層110と基板Sとの間には、導電層112が設けられる。導電層112は、例えば、窒化チタン(TiN)及びタングステン(W)の積層膜等を含む。導電層112は、ソース選択線SGS(
図1)及びこのソース選択線SGSに接続された複数のソース選択トランジスタSTS(
図1)のゲート電極として機能する。
【0038】
Z方向に隣り合う複数の導電層110の間、導電層110と導電層112との間、及び、導電層112と基板Sとの間には、酸化シリコン(SiO2)等の絶縁層101が設けられる。導電層110、導電層112及び絶縁層101は、所定のパターンで形成された複数の貫通孔を有し、この貫通孔の内周面は半導体層120の外周面に対向する。
【0039】
半導体層120は、1つのメモリストリングMS(
図3)に含まれる複数のメモリセルMC及びドレイン選択トランジスタSTDのチャネル領域として機能する。半導体層120は、Z方向に延伸する略円筒状の形状を有する。半導体層120は、例えば、ノンドープの多結晶シリコン(Si)等の半導体層である。また、半導体層120の中心部分には酸化シリコン(SiO
2)等の絶縁層121が埋め込まれている。また、半導体層120の上端部は、半導体層122及び導電層141を介して導電層140に接続される。半導体層122は、例えば、例えば、リン(P)等のn型の不純物が注入された導電性の半導体膜である。また、半導体層120の下端部は、半導体層123に接続される。
【0040】
半導体層123は、ソース選択トランジスタSTSのチャネル領域として機能する。半導体層123は、例えば、ノンドープの単結晶シリコン(Si)等の半導体層である。半導体層123の外周面及び導電層112に設けられた貫通孔の内周面の間には、ゲート絶縁膜124が設けられている。
【0041】
ゲート絶縁膜130は、半導体層120の外周面を覆う略円筒状の形状を有する。ゲート絶縁膜130は、例えば
図6に示す様に、半導体層120側から導電層110側にかけて設けられたトンネル絶縁膜131、電荷蓄積膜132、及び、ブロック絶縁膜133を備える。トンネル絶縁膜131は、例えば、酸化シリコン(SiO
2)等の絶縁膜である。電荷蓄積膜132は、例えば、例えば窒化シリコン(SiN)等の絶縁膜である。ブロック絶縁膜133は、例えば、酸化シリコン(SiO
2)等の絶縁膜であっても良いし、絶縁性の積層膜であっても良い。
【0042】
導電層140は、
図5に示す通り、Y方向に延伸し、X方向に並んでいる。導電層140は、例えば、窒化チタン(TiN)及び銅(Cu)の積層膜等を含む。導電層140は、ビット線BLとして機能する。
【0043】
導電層150は、Z方向及びX方向に延伸し、下端部において基板Sに接続される。導電層150は、例えば、窒化チタン(TiN)及びタングステン(W)の積層膜等を含む。導電層150は、ソースコンタクトLIとして機能する。導電層150のY方向の側面には、絶縁層151が設けられている。
【0044】
[不良検出方法]
以上において説明した半導体記憶装置においては、導電層110及び半導体層120(
図5、
図6)のショートが発生してしまい、誤動作の一因となってしまう場合がある。
【0045】
例えば、メモリセルMCに書込動作を行う場合、電圧生成回路VG(
図2)で発生させた書込電圧を選択ワード線WLに供給する。しかしながら、選択ワード線WLとして機能する導電層110と半導体層120とがショートしていた場合、導電層110から半導体層120を介して導電層140に電流が流れてしまい、導電層110の電圧が意図した電圧より小さくなってしまう。この様な状態で書込動作を行った場合、選択ワード線WLに接続された複数のメモリセルMCにおいて書き込みの不良が発生する場合がある。また、これらのメモリセルMCに読出動作を行った場合に、読み出しの不良が発生する場合がある。
【0046】
そこで、本実施形態においては、メモリダイMDの製造に際して、テストの段階でこの様な不良を検出する。以下、本実施形態に係る不良検出方法を例示する。
【0047】
図7は、本実施形態に係る不良検出方法について説明するための模式的な断面図である。尚、説明の都合上、
図7では一部の構成を省略する。
【0048】
図7には、ワード線WLとして、ワード線WL0~WL24を例示している。また、ビット線BLとして、ビット線BL1~BL6を例示している。
【0049】
本実施形態に係る不良検出方法においては、例えば、ビット線BL1~BL6に0Vを供給し、ドレイン選択線SGDに電圧VONを供給し、ソース選択線SGSに電圧VOFFを供給する。電圧VONは、ドレイン選択トランジスタSTDのチャネル領域に電子のチャネルが形成される程度の大きさを有する。電圧VOFFは、ソース選択トランジスタSTSのチャネル領域にチャネルが形成されない程度の大きさを有する。
【0050】
また、同方法においては、ワード線WL0~WL24に電圧VCGを供給する。電圧VCGは、ビット線BL1~BL6に供給される電圧よりも大きい。また、電圧VCGは、メモリセルMCがON状態となる程度の大きさを有する。
【0051】
ここで、メモリブロックMBにおいてワード線WL及び半導体層120のショートが発生していた場合、ワード線WLから半導体層120を介してビット線BLに電流が流れ、ビット線BLの電圧が増大する。図示の例では、ワード線WL22及びビット線BL2に対応する半導体層120のショートが発生している。これにより、ビット線BL2の電圧が増大する。
【0052】
次に、ビット線BL1~BL6の電圧を検知する。電圧の検知には、例えば、センスアンプSA(
図4)を用いる。例えば、配線LBUSを充電し、ノードSTLを“H”状態として、データラッチSDLに“H”を保持させる。また、ノードBLC,XXLを“H”状態とし、ノードHLL,BLXを“L”状態として、センストランジスタ31のゲート電極とビット線BLとを導通させる。また、ノード“STB”を“H”状態として配線LBUSの電荷を放出又は維持し、ノードSTLを“H”状態とすることにより、ビット線BLの電圧が検知される。
図7の例では、ビット線BL2に対応するデータラッチSDLに“L”がラッチされ、その他のビット線BLに対応するデータラッチSDLに“H”がラッチされる。
【0053】
次に、例えば、センスアンプSAによる検知の結果を出力する。この検知の結果は、例えば、ステータスデータ等として出力しても良いし、データラッチSDLにラッチされたデータを直接出力しても良い。ステータスデータとして出力する場合には、例えば、データラッチSDLにラッチされたデータに、一つでも“L”が含まれている場合にステータスデータをフェイルとし、含まれていない場合にステータスデータをパスとしても良い。
【0054】
尚、不良が検出された場合には、不良が検出されたメモリブロックMBのブロックアドレスをメモリセルアレイMCAのROM領域(
図2)に記録しても良い。また、メモリシステム10(
図1)の使用に際しては、コントロールダイCDによって不良ブロックのブロックアドレスを検出し、物理アドレスを割り当てない様にしても良い。
【0055】
また、電圧を検知するタイミングにおいて、ビット線BL1~BL6は、半導体層120と接続されていても良いし、接続されていなくても良い。例えば、ドレイン選択線SGDへの電圧VONの供給、ソース選択線SGSへの電圧VOFFの供給、及び、ワード線WL0~ワード線WL24への電圧VCGの供給が開始されるタイミングを、第1のタイミングとする。また、この様な電圧の供給が終了するタイミングを第2のタイミングとする。また、第2のタイミングから第3のタイミングにかけて、ドレイン選択線SGDには、ドレイン選択トランジスタSTDがOFF状態となるような電圧VOFFが印加されるものとする。この場合、電圧を検知するタイミングは、第1のタイミングから第3のタイミングの間のどのタイミングで行っても良い。
【0056】
[効果]
本実施形態に係る不良検出方法によれば、センスアンプSAを利用して、上述した不良の検出を効率よく行うことが可能である。また、データラッチSDLにラッチされたデータを出力する場合、不良が生じた箇所を容易に特定可能である。
【0057】
[第2実施形態]
次に、
図8を参照して、第2実施形態に係る不良検出方法について説明する。尚、以下の説明において、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、同様の部分については説明を省略する。
【0058】
図8は、本実施形態に係る不良検出方法について説明するための模式的な断面図である。尚、説明の都合上、
図8では一部の構成を省略する。
【0059】
本実施形態に係る不良検出方法においては、第1実施形態と同様に、ビット線BL1~BL6に0Vを供給し、ドレイン選択線SGDに電圧VONを供給し、ソース選択線SGSに電圧VOFFを供給する。
【0060】
また、同方法においては、ワード線WL0~WL24から一つのワード線WLを順次選択し、選択したワード線WLに0Vを供給し、それ以外のワード線WLに電圧VCGを供給し、ビット線BL1~BL6の電圧を検知して、その結果を出力する。
【0061】
例えば、ワード線WL0を選択してワード線WL0に0Vを供給し、それ以外のワード線WL1~WL24に電圧VCGを供給する。例えば、アドレスレジスタADR(
図2)等に図中のワード線WL0に対応するアドレスデータを保持させ、このアドレスデータをロウデコーダRD中のデコード回路によってデコードして、スイッチ回路に入力する。スイッチ回路は、デコード回路の出力信号に応じて選択ワード線WL0を第1の電圧供給線と導通させ、非選択ワード線WLを第2の電圧供給線と導通させる。また、電圧生成回路VGによって第1の電圧供給線に0Vを供給し、第2の電圧供給線に電圧VCGを供給する。
【0062】
次に、ビット線BL1~BL6の電圧を検知して、その結果を出力する。この場合、ビット線BL2に対応するデータラッチSDLに“L”がラッチされ、その他のビット線BLに対応するデータラッチSDLに“H”がラッチされる。
【0063】
次に、ワード線WL1を選択してワード線WL1に0Vを供給し、それ以外のワード線WL0,WL2~WL24に電圧VCGを供給し、ビット線BL1~BL6の電圧を検知して、その結果を出力する。この場合も同様に、ビット線BL2に対応するデータラッチSDLに“L”がラッチされ、その他のビット線BLに対応するデータラッチSDLに“H”がラッチされる。ワード線WL2~WL21についても同様の処理を行う。
【0064】
次に、ワード線WL22を選択してワード線WL22に0Vを供給し、それ以外のワード線WL0~WL21,WL23,WL24に電圧VCGを供給し、ビット線BL1~BL6の電圧を検知して、その結果を出力する。この場合、ビット線BL2から半導体層120を介してワード線WL22に電流が流れ、ビット線BL2の電圧が0V程度まで低下する。従って、この状態でビット線BL1~BL6の電圧を検知すると、全てのビット線BL1~BL6に対応するデータラッチSDLに“H”がラッチされる。
【0065】
ワード線WL23,WL24については、同様の処理を行っても良いし、省略しても良い。
【0066】
次に、データラッチSDLのデータが“L”から“H”に変化したタイミングにおいて選択されていたワード線WL22を、不良個所に対応するワード線WL22として特定する。また、ワード線WL0等が選択されていたタイミングにおいて“L”に対応するビット線BL2を不良個所に対応するビット線BLとして特定する。
【0067】
本実施形態に係る不良検出方法によれば、センスアンプSAを利用して、上述した不良の検出を効率よく行うことが可能である。また、第1実施形態と比較して、不良が生じた箇所を更に容易に特定可能である。
【0068】
[第3実施形態]
次に、
図9を参照して、第3実施形態に係る不良検出方法について説明する。尚、以下の説明において、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、同様の部分については説明を省略する。
【0069】
図9は、本実施形態に係る不良検出方法について説明するための模式的な断面図である。尚、説明の都合上、
図9では一部の構成を省略する。
【0070】
本実施形態に係る不良検出方法においては、第1実施形態と同様に、ドレイン選択線SGDに電圧VONを供給し、ソース選択線SGSに電圧VOFFを供給する。
【0071】
また、同方法においては、ビット線BL1~BL6を所定の電圧値まで充電し、ワード線WL0~WL24に0Vを供給する。
【0072】
ここで、メモリブロックMBにおいてワード線WL及び半導体層120のショートが発生していた場合、ビット線BLから半導体層120を介してワード線WLに電流が流れ、ビット線BLの電圧が減少する。図示の例では、ワード線WL22及びビット線BL2に対応する半導体層120のショートが発生している。これにより、ビット線BL2の電圧が減少する。
【0073】
次に、ビット線BL1~BL6の電圧を検知する。この場合、ビット線BL2に対応するデータラッチSDLに“H”がラッチされ、その他のビット線BLに対応するデータラッチSDLに“L”がラッチされる。
【0074】
尚、本実施形態に係る不良検出方法においては、ワード線WL0~WL24に0Vを供給する。従って、メモリブロックMB中の全てのメモリセルMCのしきい値電圧が、負の電圧であることが望ましい。従って、本実施形態に係る不良検出方法の実行に際しては、予め、メモリブロックMBに対して、消去動作を実行しても良い。
【0075】
[第4実施形態]
次に、
図10を参照して、第4実施形態に係る不良検出方法について説明する。尚、以下の説明において、第3実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、同様の部分については説明を省略する。
【0076】
図10は、本実施形態に係る不良検出方法について説明するための模式的な断面図である。尚、説明の都合上、
図10では一部の構成を省略する。
【0077】
本実施形態に係る不良検出方法においては、第3実施形態と同様に、ビット線BL1~BL6を所定の電圧値まで充電し、ドレイン選択線SGDに電圧VONを供給し、ソース選択線SGSに電圧VOFFを供給する。
【0078】
また、同方法においては、ワード線WL0~WL24から一つのワード線WLを順次選択し、選択したワード線WLに0Vを供給し、それ以外のワード線WLに電圧VCGを供給し、ビット線BL1~BL6の電圧を検知して、その結果を出力する。
【0079】
例えば、ワード線WL0を選択してワード線WL0に0Vを供給し、それ以外のワード線WL1~WL24に電圧VCGを供給し、ビット線BL1~BL6の電圧を検知して、その結果を出力する。この場合、全てのビット線BL1~BL6に対応するデータラッチSDLに“H”がラッチされる。ワード線WL1~WL21についても同様の処理を行う。
【0080】
次に、ワード線WL22を選択してワード線WL22に0Vを供給し、それ以外のワード線WL0~WL21,WL23,WL24に電圧VCGを供給し、ビット線BL1~BL6の電圧を検知して、その結果を出力する。この場合、ビット線BL2から半導体層120を介してワード線WL22に電流が流れ、ビット線BL2の電圧が0V程度まで低下する。従って、この状態でビット線BL1~BL6の電圧を検知すると、ビット線BL2に対応するデータラッチSDLに“L”がラッチされ、その他のビット線BLに対応するデータラッチSDLに“H”がラッチされる。
【0081】
ワード線WL23,WL24については、同様の処理を行っても良いし、省略しても良い。
【0082】
次に、データラッチSDLのデータが“H”から“L”に変化したタイミングにおいて選択されていたワード線WL22を不良個所に対応するワード線WL22として特定する。また、このタイミングにおいて“L”に対応するビット線BL2を不良個所に対応するビット線BLとして特定する。
【0083】
本実施形態に係る不良検出方法によれば、センスアンプSAを利用して、上述した不良の検出を効率よく行うことが可能である。また、第3実施形態と比較して、不良が生じた箇所を更に容易に特定可能である。
【0084】
[第5実施形態]
次に、
図11~
図13を参照して、第5実施形態に係る不良検出方法について説明する。尚、以下の説明において、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、同様の部分については説明を省略する。
【0085】
第1実施形態~第4実施形態では、メモリダイMD(
図1)の製造に際して、テストの段階で不良を検出する方法について例示した。しかしながら、この様な不良検出方法は、メモリシステム10の完成後に実行することも可能である。
【0086】
本実施形態に係る半導体記憶装置は、書込動作の実行に際して、第1実施形態に係る不良検出方法を実行する。これにより、メモリシステム10の完成後に発生した不良を検出可能である。
【0087】
図11は、本実施形態に係る半導体記憶装置の書込動作について説明するためのフローチャートである。
【0088】
ステップS101では、ループ回数nを1に設定する。ループ回数nは、レジスタ等に記録される。
【0089】
ステップS102では、プログラム動作を行う。
【0090】
プログラム動作においては、例えば
図12に示す様に、しきい値電圧の調整を行うメモリセルMCに接続されたビット線BLと、しきい値電圧の調整を行わないメモリセルMCに接続されたビット線BLと、に異なる電圧を供給する。例えば、前者に対応するデータラッチSDL(
図4)のノードLATを“H”状態とし、後者に対応するデータラッチSDLのノードLATを“L”状態とする。また、ノードBLX,BLC,HLLを“H”状態とし、ノードXXLを“L”状態とする。前者に対応するビット線BLには、例えば、ノードN2を介して接地電圧を供給する。後者に対応するビット線BLには、例えば、ノードN1を介して所定のビット線電圧を供給する。
【0091】
また、メモリセルMCをビット線BLと導通させる。例えば、ドレイン選択線SGDに電圧VONを供給する。また、選択ワード線WL3にプログラム電圧VPGMを供給し、非選択ワード線WLに書込パス電圧VPASSを供給する。プログラム電圧VPGMは、例えば、メモリセルMCの電荷蓄積膜132に電子がトンネルする程度の大きさを有する。書込パス電圧VPASSは、例えば、メモリセルMCに記録されたデータに拘わらず、メモリセルMCがON状態となる程度の大きさを有する。プログラム電圧VPGMは、書込パス電圧VPASSよりも大きい。
【0092】
また、ソース選択線SGSに電圧VOFFを供給する。
【0093】
ステップS103(
図11)では、プログラムベリファイ動作を行う。
【0094】
プログラムベリファイ動作においては、例えば
図13に示す様に、しきい値電圧の調整を行うメモリセルMCに接続されたビット線BLと、しきい値電圧の調整を行わないメモリセルMCに接続されたビット線BLと、に異なる電圧を供給する。例えば、前者に対応するデータラッチSDL(
図4)のノードLATを“L”状態とし、後者に対応するデータラッチSDLのノードLATを“H”状態とする。また、ノードBLX,BLC,HLLを“H”状態とし、ノードXXLを“L”状態とする。前者に対応するビット線BLには、例えば、ノードN1を介して所定のビット線電圧を供給する。後者に対応するビット線BLには、例えば、ノードN0を介して接地電圧を供給する。
【0095】
また、ソース線SLに0Vを供給する。
【0096】
また、メモリセルMCをビット線BL及びソース線SLと導通させる。例えば、ドレイン選択線SGDに電圧VONを供給する。また、非選択ワード線WLに読出パス電圧VREADを供給する。読出パス電圧VREADは、例えば、メモリセルMCに記録されたデータに拘わらず、メモリセルMCがON状態となる程度の大きさを有する。読出パス電圧VREADは、書込パス電圧VPASS(
図12)より小さくても良い。
【0097】
また、選択ワード線WLにメモリセルMCにベリファイ電圧VVFYを供給する。ベリファイ電圧VVFYは、例えば、メモリセルMCに記録されたデータに応じてメモリセルMCがON状態又はOFF状態となる程度の大きさを有する。ベリファイ電圧VVFYは、読出パス電圧VREADよりも小さい。
【0098】
また、ビット線BL1~BL6の電圧又は電流を検知する。例えば、ノードHLLを“L”状態に切り換え、ノード“XXL”を“H”状態に切り換えて、センストランジスタ31のゲート電極とビット線BLとを導通させる。また、ノード“STB”を“H”状態として配線LBUSの電荷を放出又は維持し、ノードSTLを“H”状態とすることにより、ビット線BLの電圧が検知される。
【0099】
ステップS104(
図11)では、ベリファイ動作の結果を判定する。例えば、データラッチSDLに保持されたデータに“L”が含まれている場合等にはベリファイNGと判定し、ステップS105に進む。一方、データラッチSDLに保持されたデータが全て“H”である場合等にはベリファイOKと判定し、ステップS107に進む。
【0100】
ステップS105では、ループ回数nが所定の回数Nに達したか否かを判定する。達していなかった場合にはステップS106に進む。達していた場合にはステップS110に進む。
【0101】
ステップS106では、ループ回数nに1を加算して、ステップS102に進む。
【0102】
ステップS107では、不良検出動作を実行する。不良検出動作は、例えば、第1実施形態に係る不良検出方法と同様に実行される。この際、ワード線WLに印加する電圧VCG(
図7)は、例えば、読出パス電圧VREAD(
図13)以上書込パス電圧VPASS(
図12)以下の大きさとしても良い。
【0103】
ステップS108では、ステップS107の不良検出動作において不良が検出されたか否かを判定する。検出されていなかった場合にはステップS109に進む。検出されていた場合にはステップS110に進む。
【0104】
ステップS109では、ステータスレジスタSTR(
図2)のステータスデータをパスとし、コントロールダイCD(
図1)に出力し、書込動作を終了する。
【0105】
ステップS110では、ステータスレジスタSTR(
図2)のステータスデータをフェイルとし、コントロールダイCD(
図1)に出力し、書込動作を終了する。
【0106】
[第6実施形態]
次に、
図14~
図16を参照して、第6実施形態に係る不良検出方法について説明する。尚、以下の説明において、第1実施形態~第5実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、同様の部分については説明を省略する。
【0107】
本実施形態に係る半導体記憶装置は、消去動作の実行に際して、第3実施形態に係る不良検出方法を実行する。これにより、メモリシステム10の完成後に発生した不良を検出可能である。
【0108】
図14は、本実施形態に係る半導体記憶装置の消去動作について説明するためのフローチャートである。
【0109】
本実施形態に係る半導体記憶装置の消去動作は、第5実施形態に係る書込動作(
図11)と共通するステップを含む。ただし、本実施形態においては、プログラム動作(S102)のかわりに消去電圧印加動作(S202)を実行する。また、プログラムベリファイ動作(S103)のかわりに消去ベリファイ動作(S203)を実行する。また、ステップS104の動作のかわりにステップS204の動作を実行する。また、ステップS107の動作のかわりにステップS207の動作を実行する。
【0110】
ステップS202の消去電圧印加動作においては、例えば
図15に示す様に、ソース線SLに電圧VERAを供給する。電圧VERAは、例えば、メモリセルMCの電荷蓄積膜132に正孔がトンネルし、又は、メモリセルMCの電荷蓄積膜132から電子が引き抜かれる程度の大きさを有する。電圧VERAは、書込パス電圧VPASS(
図12)よりも大きい。
【0111】
また、メモリセルMCをソース線SLと導通させる。例えば、ソース選択線SGSに電圧VON´を供給する。また、ワード線WL0~WL24に0Vを供給する。電圧VON´は、ソース選択トランジスタSTSのチャネル領域に正孔のチャネルが形成される程度の大きさを有する。
【0112】
また、ドレイン選択線SGDに電圧VOFF´を供給する。電圧VOFF´は、ドレイン選択トランジスタSTDのチャネル領域にチャネルが形成されない程度の大きさを有する。
【0113】
ステップS203の消去ベリファイ動作においては、例えば
図16に示す様に、全てのビット線BL0~BL6に所定のビット線電圧を供給する。また、ソース線SL及びワード線WL0~WL24に0Vを供給する。また、ドレイン選択線SGD及びソース選択線SGSに電圧VONを供給する。また、ビット線BL1~BL6の電圧又は電流を検知する。
【0114】
ステップS204(
図14)では、ベリファイ動作の結果を判定する。例えば、データラッチSDLに保持されたデータに“H”が含まれている場合等にはベリファイNGと判定し、ステップS105に進む。一方、データラッチSDLに保持されたデータが全て“L”である場合等にはベリファイOKと判定し、ステップS207に進む。
【0115】
ステップS207では、不良検出動作を実行する。不良検出動作は、例えば、第3実施形態に係る不良検出方法と同様に実行される。
【0116】
[第7実施形態]
第1実施形態~第6実施形態においては、いくつかの不良検出方法を例示した。ここで、不良が検出された場合には、コントロールダイCD(制御装置)によって不良ブロックの管理等を行うことが可能である。以下においては、この様な管理方法について例示する。
【0117】
図17に示す通り、本実施形態に係るコントロールダイCDは、プロセッサ、RAM、ROM等により、論物変換テーブル201、FAT(File Allocation Table)202及び不良ブロック保持部203等を実現する。また、本実施形態に係るコントロールダイCDは、ECC回路204を備える。
【0118】
論物変換テーブル201は、ホストコンピュータ20から受信した論理アドレスと、メモリセルアレイMCAの各ページPに割り当てられた物理アドレスと、を対応付けて保持する。
【0119】
FAT202は、各ページPの状態を示すFAT情報を保持する。この様なFAT情報としては、例えば、「有効」、「無効」、「消去済」を示す情報がある。例えば、「有効」であるページPは、ホストコンピュータ20からの命令に応じて読出される有効なデータを記憶している。また、「無効」であるページPは、ホストコンピュータ20からの命令に応じて読出されない無効なデータを記憶している。また、「消去済」であるページPには、消去動作が実行されてからデータが記憶されていない。
【0120】
不良ブロック保持部203は、メモリブロックMB0~MBjに対応する物理アドレスと、メモリブロックMB0~MBjが不良ブロックであるか否かを示す情報と、を対応付けて保持する。
【0121】
ECC回路204は、メモリダイMDから読み出されたデータの誤りを検出し、可能な場合にはデータの訂正を行う。
【0122】
[動作]
次に、上述の様なメモリダイMD及びコントロールダイCDを備える半導体記憶装置の動作について説明する。
【0123】
[初期動作]
コントロールダイCDは、例えば、初期動作として各メモリダイMDのメモリセルアレイMCAのROM領域(
図2)に記録されたデータを参照して、不良ブロックの物理アドレス等を取得する。次に、不良ブロック保持部203を参照して、取得した物理アドレスに対応するメモリブロックMBが不良ブロックである旨の情報を記録する。
【0124】
[読出シーケンス]
コントロールダイCDは、例えば、ホストコンピュータ20からの読出命令に応じて、読出シーケンスを実行する。例えば、まず、論物変換テーブル201を参照してホストコンピュータ20から受信した論理アドレスに対応する物理アドレスを取得する。次に、メモリダイMDに、取得した物理アドレス及び読出命令を送信して、読出動作を実行する。次に、メモリダイMDからデータを受信し、ECC回路204に送信して誤りの検出及びデータの訂正を行い、ホストコンピュータ20に送信する。
【0125】
[書込シーケンス]
コントロールダイCDは、例えば、ホストコンピュータ20からの書込命令に応じて、書込シーケンスを実行する。例えば、まず、受信した論理アドレスに対して物理アドレスを割り当てる割当処理を実行し、物理アドレスを取得する。次に、メモリダイMDに、取得した物理アドレス、書込命令、及び、ホストコンピュータ20から受信したデータを送信し、例えば
図11~
図13を参照して説明した様に、書込動作を実行する。
【0126】
割当処理においては、例えば、まず、論物変換テーブル201を参照し、受信した論理アドレスが保持されているか否かを判定する。保持されていた場合には、この論理アドレス及びこれに対応する物理アドレスを論物変換テーブル201から消去する。また、FAT202を参照して、消去した物理アドレスに対応するFAT情報を「無効」にする。次に、FAT202から「消去済」であるページPの物理アドレスを取得する。次に、不良ブロック保持部203を参照して、取得した物理アドレスに対応するメモリブロックMBが不良ブロックに対応するブロックか否かを判定する。不良ブロックでなかった場合には、取得した物理アドレス及び受信した論理アドレスを論物変換テーブル201に書き込む。不良ブロックだった場合には、再度FAT202を参照して物理アドレスを取得する。
【0127】
コントロールダイCDは、次に、メモリダイMDからステータスデータを受信し、ステータスデータがフェイルであるかパスであるかを判定する。ステータスデータがフェイルであるには、不良ブロック保持部203を参照して、メモリダイMDに送信した物理アドレスに対応するメモリブロックMBが不良ブロックである旨の情報を記録する。
【0128】
[消去シーケンス]
コントロールダイCDは、例えば、メモリブロックMBの数が一定数以下になってしまった場合や、ホストコンピュータ20から消去命令を受信した場合等に、消去シーケンスを実行する。例えば、まず、FAT202を参照し、全てのページPの状態が「無効」であるメモリブロックMBiを検出して、このメモリブロックMBiに対応する物理アドレスを取得する。次に、メモリダイMDに、取得した物理アドレス及び消去命令を送信し、例えば
図14~
図16を参照して説明した様に、消去動作を実行する。
【0129】
コントロールダイCDは、次に、メモリダイMDからステータスデータを受信し、ステータスデータがフェイルであるかパスであるかを判定する。ステータスデータがフェイルである場合には、不良ブロック保持部203を参照して、メモリダイMDに送信した物理アドレスに対応するメモリブロックMBが不良ブロックである旨の情報を記録する。
【0130】
尚、以上の例においては、不良個所が特定された場合に、この不良個所をブロック単位で不良ブロックとして管理する例について説明した。しかしながら、不良個所が特定された場合には、例えば、この不良個所をビット線BL単位で管理しても良いし、ページP単位で管理しても良い。
【0131】
不良個所をビット線BL単位で管理する場合、メモリダイMDは、センスアンプSAによる電流又は電圧の検知の結果を、コントロールダイCDに直接出力しても良い。また、コントロールダイCDは、例えば、不良個所に対応するビットと、ECC処理等のための冗長ビット等と、を入れ替えても良い。
【0132】
不良個所をページP単位で管理する場合、メモリダイMDは、例えば、書込動作のステップS107の不良検出動作(
図11)を、第2実施形態に係る不良検出方法と同様に実行しても良い。また、例えば、消去動作のステップS207の不良検出動作(
図14)を、第4実施形態に係る不良検出方法と同様に実行しても良い。また、メモリダイMDは、不良が検出されたタイミングにおいて選択されていたワード線WLに対応するアドレス情報を、コントロールダイCDに出力しても良い。
【0133】
[その他]
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0134】
BL…ビット線、SL…ソース線、MC…メモリセル、STD…ドレイン選択トランジスタ、STS…ソース選択トランジスタ、WL…ワード線、SGD…ドレイン選択線、SGS…ソース選択線。