(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】自動ドアシステム、情報提供システムおよび情報提供プログラム
(51)【国際特許分類】
E05F 15/73 20150101AFI20221024BHJP
G08B 21/00 20060101ALI20221024BHJP
G08B 25/08 20060101ALI20221024BHJP
【FI】
E05F15/73
G08B21/00 Z
G08B25/08 Z
(21)【出願番号】P 2019065738
(22)【出願日】2019-03-29
【審査請求日】2022-01-14
(73)【特許権者】
【識別番号】501013156
【氏名又は名称】フルテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140796
【氏名又は名称】原口 貴志
(73)【特許権者】
【識別番号】000238197
【氏名又は名称】扶桑電機工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】古野 元昭
(72)【発明者】
【氏名】渡部 浩二
(72)【発明者】
【氏名】今野 譲司
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-285725(JP,A)
【文献】特開2009-150194(JP,A)
【文献】特開2007-145500(JP,A)
【文献】特開2018-180777(JP,A)
【文献】特開2016-051413(JP,A)
【文献】特開2004-132683(JP,A)
【文献】特開2017-061830(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 15/00-15/79
E06B 7/28
B66B 5/00- 5/28
G05B 23/00-23/02
G06Q 10/00-10/10
G06Q 50/00-50/20
G06Q 50/26-99/00
G08B 23/00-31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自身の複数種類の異常状態のそれぞれに対応する発光パターンで発光可能な自動ドアと、
前記異常状態および前記発光パターンの対応関係を示す対応関係情報を管理する対応関係情報管理部と、
前記対応関係情報管理部によって管理されている前記対応関係情報に基づいた特定の情報を提供する情報提供部と
を備え、
前記自動ドアは、特定の領域にアクセスするためのアクセス用情報を含むコードを表示し、
前記情報提供部は、前記アクセス用情報を使用した、前記特定の領域へのアクセスがあった場合に、前記特定の領域経由で前記特定の情報を提供することを特徴とする自動ドアシステム。
【請求項2】
前記アクセス用情報は、前記自動ドアの個体毎に設けられ、
前記自動ドアは、前記自動ドア自身用の前記アクセス用情報を含む前記コードを表示することを特徴とする請求項1に記載の自動ドアシステム。
【請求項3】
前記情報提供部は、前記自動ドアの個体用の前記アクセス用情報を使用した、前記特定の領域へのアクセスがあった場合に、この個体の情報と、前記特定の情報とを前記特定の領域経由で提供することを特徴とする請求項2に記載の自動ドアシステム。
【請求項4】
前記自動ドアシステムは、前記自動ドアの個体用の前記アクセス用情報を使用した、前記特定の領域へのアクセスがあった場合に、この個体の修理の依頼を前記特定の領域経由で受け付ける修理依頼受付部を備えることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の自動ドアシステム。
【請求項5】
前記情報提供部は、前記修理依頼受付部によって修理の依頼が受け付けられた前記自動ドアの情報を、この自動ドアの保守業務を行う自動ドア保守業者に通知することを特徴とする請求項4に記載の自動ドアシステム。
【請求項6】
前記対応関係情報および前記アクセス用情報は、前記自動ドアの駆動装置のメーカー毎に設けられ、
前記自動ドアは、前記自動ドア自身の駆動装置のメーカー用の前記アクセス用情報を含む前記コードを表示し、
前記情報提供部は、前記自動ドアの駆動装置のメーカー用の前記アクセス用情報を使用した、前記特定の領域へのアクセスがあった場合に、前記自動ドアの駆動装置のメーカー用の前記対応関係情報に基づいた前記特定の情報を前記特定の領域経由で提供することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の自動ドアシステム。
【請求項7】
前記アクセス用情報を使用した、前記特定の領域へのアクセスがあった場合に、前記自動ドアによって発光されている前記発光パターンの動画を前記特定の領域経由で受け付ける動画受付部を備え、
前記情報提供部は、前記動画受付部によって受け付けられた前記動画に示される前記発光パターンに前記対応関係情報において対応付けられている前記異常状態を前記特定の情報として前記特定の領域経由で提供することを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載の自動ドアシステム。
【請求項8】
自身が貼り付けられるドアが前記自動ドアのドアであることを示すために前記自動ドアのドアに貼り付けられて前記コードを表示するステッカーと、
通行者に前記自動ドアに対する注意を促すために前記自動ドアに貼り付けられて前記コードを表示するステッカーと、
前記自動ドアの保守業務を行う自動ドア保守業者の電話番号を示すために前記自動ドアに貼り付けられて前記コードを表示するステッカーと
の少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかに記載の自動ドアシステム。
【請求項9】
自身の複数種類の異常状態のそれぞれに対応する発光パターンで発光可能な自動ドアの前記異常状態および前記発光パターンの対応関係を示す対応関係情報を管理する対応関係情報管理部と、
前記対応関係情報管理部によって管理されている前記対応関係情報に基づいた特定の情報を提供する情報提供部と
を備え、
前記情報提供部は、特定の領域にアクセスするためのアクセス用情報を使用した、前記特定の領域へのアクセスがあった場合に、前記特定の領域経由で前記特定の情報を提供することを特徴とする情報提供システム。
【請求項10】
自身の複数種類の異常状態のそれぞれに対応する発光パターンで発光可能な自動ドアの前記異常状態および前記発光パターンの対応関係を示す対応関係情報を管理する対応関係情報管理部と、
前記対応関係情報管理部によって管理されている前記対応関係情報に基づいた特定の情報を提供する情報提供部と
をコンピューターに実現させ、
前記情報提供部は、特定の領域にアクセスするためのアクセス用情報を使用した、前記特定の領域へのアクセスがあった場合に、前記特定の領域経由で前記特定の情報を提供することを特徴とする情報提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動ドアの異常状態を利用者に通知する自動ドアシステム、情報提供システムおよび情報提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発光部から発して受光部で受ける光が遮断されることで人体等の戸挟みを検知する補助センサーの異常を報知する表示装置を備える自動ドアが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の自動ドアにおいては、補助センサーの異常しか報知することができないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、自動ドアの異常状態を利用者に複数種類通知することができるとともに、複数種類の異常状態のうちいずれが自動ドアに発生しているかを利用者に容易に認識させることができる自動ドアシステム、情報提供システムおよび情報提供プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の自動ドアシステムは、自身の複数種類の異常状態のそれぞれに対応する発光パターンで発光可能な自動ドアと、前記異常状態および前記発光パターンの対応関係を示す対応関係情報を管理する対応関係情報管理部と、前記対応関係情報管理部によって管理されている前記対応関係情報に基づいた特定の情報を提供する情報提供部とを備え、前記自動ドアは、特定の領域にアクセスするためのアクセス用情報を含むコードを表示し、前記情報提供部は、前記アクセス用情報を使用した、前記特定の領域へのアクセスがあった場合に、前記特定の領域経由で前記特定の情報を提供することを特徴とする。
【0007】
この構成により、本発明の自動ドアシステムは、自身の複数種類の異常状態のそれぞれに対応する発光パターンで自動ドアが発光可能であり、特定の領域にアクセスするためのアクセス用情報を含むコードを自動ドアが表示し、自動ドアの異常状態および発光パターンの対応関係を示す対応関係情報に基づいた特定の情報を特定の領域経由で提供するので、自動ドアの異常状態を利用者に複数種類通知することができるとともに、複数種類の異常状態のうちいずれが自動ドアに発生しているかを利用者に容易に認識させることができる。
【0008】
本発明の自動ドアシステムにおいて、前記アクセス用情報は、前記自動ドアの個体毎に設けられ、前記自動ドアは、前記自動ドア自身用の前記アクセス用情報を含む前記コードを表示しても良い。
【0009】
この構成により、本発明の自動ドアシステムは、自動ドアの個体に適した対応関係情報に基づいた特定の情報を、この個体用の領域経由で提供するので、対応関係情報に基づいた特定の情報を使用して自動ドアの異常状態を確認する利用者の利便性を向上することができる。
【0010】
本発明の自動ドアシステムにおいて、前記情報提供部は、前記自動ドアの個体用の前記アクセス用情報を使用した、前記特定の領域へのアクセスがあった場合に、この個体の情報と、前記特定の情報とを前記特定の領域経由で提供しても良い。
【0011】
この構成により、本発明の自動ドアシステムは、自動ドアの個体に適した対応関係情報に基づいた特定の情報だけでなく、この個体の情報も、この個体用の領域経由で提供するので、対応関係情報に基づいた特定の情報を使用して自動ドアの異常状態を確認する利用者の利便性を向上することができる。
【0012】
本発明の自動ドアシステムにおいて、前記自動ドアシステムは、前記自動ドアの個体用の前記アクセス用情報を使用した、前記特定の領域へのアクセスがあった場合に、この個体の修理の依頼を前記特定の領域経由で受け付ける修理依頼受付部を備えても良い。
【0013】
この構成により、本発明の自動ドアシステムは、自動ドアの個体の修理の依頼を、この個体用の領域経由で受け付けるので、利用者が自動ドアの修理を依頼する場合に、修理の依頼の対象の自動ドアを利用者が指定する作業の負担を軽減することができる。
【0014】
本発明の自動ドアシステムにおいて、前記情報提供部は、前記修理依頼受付部によって修理の依頼が受け付けられた前記自動ドアの情報を、この自動ドアの保守業務を行う自動ドア保守業者に通知しても良い。
【0015】
この構成により、本発明の自動ドアシステムは、修理の依頼を受け付けた自動ドアの情報を、この自動ドアの保守業務を行う自動ドア保守業者に通知するので、自動ドア保守業者の利便性を向上することができる。
【0016】
本発明の自動ドアシステムにおいて、前記対応関係情報および前記アクセス用情報は、前記自動ドアの駆動装置のメーカー毎に設けられ、前記自動ドアは、前記自動ドア自身の駆動装置のメーカー用の前記アクセス用情報を含む前記コードを表示し、前記情報提供部は、前記自動ドアの駆動装置のメーカー用の前記アクセス用情報を使用した、前記特定の領域へのアクセスがあった場合に、前記自動ドアの駆動装置のメーカー用の前記対応関係情報に基づいた前記特定の情報を前記特定の領域経由で提供しても良い。
【0017】
この構成により、本発明の自動ドアシステムは、自動ドアの駆動装置のメーカーに適した特定の情報を特定の領域経由で提供するので、対応関係情報に基づいた特定の情報を使用して自動ドアの異常状態を確認する利用者の利便性を向上することができる。
【0018】
本発明の自動ドアシステムは、前記アクセス用情報を使用した、前記特定の領域へのアクセスがあった場合に、前記自動ドアによって発光されている前記発光パターンの動画を前記特定の領域経由で受け付ける動画受付部を備え、前記情報提供部は、前記動画受付部によって受け付けられた前記動画に示される前記発光パターンに前記対応関係情報において対応付けられている前記異常状態を前記特定の情報として前記特定の領域経由で提供しても良い。
【0019】
この構成により、本発明の自動ドアシステムは、自動ドアによって発光されている発光パターンの動画を特定の領域経由で受け付けることによって、自動ドアによって発光されている発光パターンに対応する異常状態を特定の領域経由で提供するので、自動ドアに発生している異常状態を利用者に容易に認識させることができる。
【0020】
本発明の自動ドアシステムは、自身が貼り付けられるドアが前記自動ドアのドアであることを示すために前記自動ドアのドアに貼り付けられて前記コードを表示するステッカーと、通行者に前記自動ドアに対する注意を促すために前記自動ドアに貼り付けられて前記コードを表示するステッカーと、前記自動ドアの保守業務を行う自動ドア保守業者の電話番号を示すために前記自動ドアに貼り付けられて前記コードを表示するステッカーとの少なくとも1つを備えても良い。
【0021】
この構成により、本発明の自動ドアシステムは、コードを表示する機能以外の機能を有するステッカーにコードを表示させるので、コードを表示するために部品点数が増加することを抑えることができる。
【0022】
本発明の情報提供システムは、自身の複数種類の異常状態のそれぞれに対応する発光パターンで発光可能な自動ドアの前記異常状態および前記発光パターンの対応関係を示す対応関係情報を管理する対応関係情報管理部と、前記対応関係情報管理部によって管理されている前記対応関係情報に基づいた特定の情報を提供する情報提供部とを備え、前記情報提供部は、特定の領域にアクセスするためのアクセス用情報を使用した、前記特定の領域へのアクセスがあった場合に、前記特定の領域経由で前記特定の情報を提供することを特徴とする。
【0023】
この構成により、本発明の情報提供システムは、自身の複数種類の異常状態のそれぞれに対応する発光パターンで発光可能な自動ドアの異常状態および発光パターンの対応関係を示す対応関係情報に基づいた特定の情報を特定の領域経由で提供するので、自動ドアの異常状態を利用者に複数種類通知することができるとともに、複数種類の異常状態のうちいずれが自動ドアに発生しているかを利用者に容易に認識させることができる。
【0024】
本発明の情報提供プログラムは、自身の複数種類の異常状態のそれぞれに対応する発光パターンで発光可能な自動ドアの前記異常状態および前記発光パターンの対応関係を示す対応関係情報を管理する対応関係情報管理部と、前記対応関係情報管理部によって管理されている前記対応関係情報に基づいた特定の情報を提供する情報提供部とをコンピューターに実現させ、前記情報提供部は、特定の領域にアクセスするためのアクセス用情報を使用した、前記特定の領域へのアクセスがあった場合に、前記特定の領域経由で前記特定の情報を提供することを特徴とする。
【0025】
この構成により、本発明の情報提供プログラムを実行するコンピューターは、自身の複数種類の異常状態のそれぞれに対応する発光パターンで発光可能な自動ドアの異常状態および発光パターンの対応関係を示す対応関係情報に基づいた特定の情報を特定の領域経由で提供するので、自動ドアの異常状態を利用者に複数種類通知することができるとともに、複数種類の異常状態のうちいずれが自動ドアに発生しているかを利用者に容易に認識させることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の自動ドアシステム、情報提供システムおよび情報提供プログラムは、自動ドアの異常状態を利用者に複数種類通知することができるとともに、複数種類の異常状態のうちいずれが自動ドアに発生しているかを利用者に容易に認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る自動ドアの正面図である。
【
図2】無目のカバーが開かれた状態での
図1に示す自動ドアの正面図である。
【
図4】電源スイッチの近傍の部分を下側から観察した場合の
図1に示す自動ドアの斜視図である。
【
図6】
図1に示す自動ドアの故障に関係する状態と、自動ドアの動作の状態と、発光装置による発光パターンとの関係を示す図である。
【
図7】モーターによって開かれる場合の
図1に示すドアの移動速度の一例を示す図である。
【
図8】
図5に示す発光装置による発光の点滅のタイミングによって実現する発光パターンを示す図である。
【
図9】発光装置による発光を実行する場合の
図1に示す自動ドアの動作のフローチャートである。
【
図10】
図1に示す自動ドアを備える自動ドアシステムのブロック図である。
【
図11】(a)
図1に示すステッカーのうち、1つのステッカーの正面図である。 (b)
図1に示すステッカーのうち、
図11(a)に示すステッカー以外の1つのステッカーの正面図である。 (c)
図1に示すステッカーのうち、
図11(a)および
図11(b)に示すステッカー以外の1つのステッカーの正面図である。
【
図12】(a)
図1に示す自動ドアに貼り付けられるステッカーの正面図である。 (b)
図1に示す自動ドアに貼り付けられるステッカーであって、
図12(a)に示すステッカーとは異なるステッカーの正面図である。
【
図14】1台のコンピューターによって構成される場合の、
図10に示す情報提供システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0029】
まず、本実施の形態に係る自動ドアの構成について説明する。
【0030】
図1は、本実施の形態に係る自動ドア10の正面図である。
図2は、無目14のカバー14aが開かれた状態での自動ドア10の正面図である。
図3は、自動ドア10の側面図である。
図4は、電源スイッチ30の近傍の部分を下側から観察した場合の自動ドア10の斜視図である。
図5は、自動ドア10のブロック図である。
【0031】
図1~
図5に示すように、自動ドア10は、引き戸である左右1枚ずつのドア11と、開閉しない固定された建具である左右1枚ずつのフィックス12と、ドア11の下部に取り付けられた振れ止め11aが案内されるガイドレール13と、ドア11およびフィックス12の上部に設けられた無目14と、無目14に取り付けられていてドア11の一面側で近傍の通行者などの物体を検知するための起動センサー15と、無目14に取り付けられていてドア11の他面側で近傍の通行者などの物体を検知するための起動センサー16と、フィックス12に取り付けられていてドア11の開口を通過する通行者などの物体を検知するための補助光電センサー17と、無目14内に設けられた駆動装置20とを備えている。
【0032】
無目14は、開閉可能なカバー14aを備えている。カバー14aが開かれた状態になると、
図2に示すように駆動装置20が現れる。
【0033】
駆動装置20は、ハンガーレール21と、ハンガーレール21上を走行する戸車22aを備えていて2つで1枚のドア11を吊り下げる4つのドアハンガー22と、2つのドア11のそれぞれの1つのドアハンガー22が取り付けられたタイミングベルト23と、タイミングベルト23がかけられた駆動プーリー24および従動プーリー25と、ドアハンガー22が接触することによってドア11の開方向への移動を制限するドアストッパー26と、駆動プーリー24を駆動するモーター27と、ドア11を施錠および解錠する電気錠28と、自動ドア10を制御するコントローラー29と、駆動装置20の外部から駆動装置20への電力の供給状態を切り替えるための電源スイッチ30と、種々の操作が入力される例えばボタンなどの入力デバイスである操作部31と、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部32とを備えている。
【0034】
駆動装置20は、様々なメーカーのものが採用されることが可能である。
【0035】
コントローラー29は、コンピューターである。コントローラー29は、例えば、CPU(Central Processing Unit)29aと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROM(Read Only Memory)29bと、各種のデータを記憶する不揮発性の記憶デバイスとしてのEEROM(Electrically Erasable Read Only Memory)29cと、CPU29aの作業領域として用いられる揮発性の記憶デバイスとしてのRAM(Random Access Memory)29dとを備えている。コントローラー29は、モーター27の電流値を検出することが可能である。
【0036】
コントローラー29と、起動センサー15、起動センサー16および補助光電センサー17との間の通信は、例えばCAN(Controller Area Network)通信などの特定の通信で実現される。
【0037】
電源スイッチ30は、操作される部分(以下「被操作部」という。)30aの内部に例えばLED(Light Emitting Diode)などの発光デバイスを備えており、発光デバイスによる発光によって被操作部30a全体を発光させることが可能である。すなわち、電源スイッチ30は、発光箇所である被操作部30aと、発光デバイスとを備える発光装置30bを備えている。ここで、無目14は、被操作部30aに対して自動ドア10の正面側を覆っており、発光装置30bによって発せられる光を遮る遮光部としても機能する。すなわち、被操作部30aは、自動ドア10の正面から視認され難いが、
図4に示すように、自動ドア10の下側から視認されることは可能な位置に配置されている。発光装置30bは、駆動装置20の外部から駆動装置20に電力を供給する状態に電源スイッチ30の状態がなっている場合に、自動ドア10が後述の「正常状態」であるとき、点灯し、駆動装置20の外部から駆動装置20への電力の供給を遮断する状態に電源スイッチ30の状態がなっている場合に、消灯する。
【0038】
コントローラー29は、自動ドア10の故障に関係する複数種類の状態のそれぞれに対応する発光パターンで発光装置30bに発光させる発光制御部を構成している。コントローラー29のEEROM29cは、自動ドア10の故障に関係する状態と、発光装置30bによる発光パターンとの対応関係を示す対応関係情報29eを記憶している。また、EEROM29cは、自動ドア10の故障に関係する状態としての後述の「故障発生可能性高状態」に対応する発光パターンでの発光装置30bによる発光の解除の要否の設定を示す解除要否情報29fと、「故障発生可能性高状態」に対応する発光パターンでの発光装置30bによる発光の解除までの時間(以下「解除時間」という。)の設定を示す解除時間情報29gとを記憶している。コントローラー29は、操作部31または通信部32を介した指示に応じて、対応関係情報29e、解除要否情報29fおよび解除時間情報29gの少なくとも1つが更新されることが可能である。
【0039】
次に、自動ドア10の故障に関係する状態について
図6を使用して説明する。
【0040】
図6は、自動ドア10の故障に関係する状態と、自動ドア10の動作の状態と、発光装置30bによる発光パターンとの関係を示す図である。
【0041】
自動ドア10の故障に関係する状態としては、「正常状態」と、「異常状態」とが存在する。そして、「異常状態」としては、例えば、自動ドア10の故障が発生する可能性が高い状態を示す「故障発生可能性高状態」と、自動ドア10が故障している状態を示す「故障状態」とが存在する。
【0042】
「故障発生可能性高状態」としては、例えば、自動ドア10の開閉回数が特定の開閉回数になったことを示す「特定開閉回数状態」と、自動ドア10のドア11の開放時間が正常時に対して特定の時間以上変化したことを示す「開放時間変化状態」と、コントローラー29にCAN通信で接続されている起動センサー15、起動センサー16および補助光電センサー17のいずれかから警告を受けたことを示す「CANセンサー警告状態」と、連続する3回の開きの動作においてコントローラー29が過負荷を毎回検出したことを示す「開過負荷状態」と、連続する3回の閉じの動作においてコントローラー29が過負荷を毎回検出したことを示す「閉過負荷状態」とが存在する。
【0043】
駆動装置20は、通常、未使用状態から略一定の開閉回数で故障が発生する。したがって、自動ドア10の開閉回数が特定の開閉回数になった場合、近い将来、自動ドア10の故障が発生する可能性が高い。「特定開閉回数状態」は、そのような故障が発生する可能性が高い状態である。
【0044】
自動ドア10のドア11の開放時間が正常時に対して特定の時間以上変化しているということは、自動ドア10の故障には至っていないが何らかの異常が自動ドア10に発生しているということである。したがって、自動ドア10のドア11の開放時間が正常時に対して特定の時間以上変化した場合、近い将来、自動ドア10の故障が発生する可能性が高い。「開放時間変化状態」は、そのような故障が発生する可能性が高い状態である。
【0045】
起動センサー15、起動センサー16および補助光電センサー17のいずれかから警告を受けた場合、近い将来、起動センサー15、起動センサー16および補助光電センサー17のいずれかから異常が通知される可能性が高い。すなわち、起動センサー15、起動センサー16および補助光電センサー17のいずれかから警告を受けた場合、近い将来、起動センサー15、起動センサー16および補助光電センサー17のいずれかから異常が通知されることによる自動ドア10の故障が発生する可能性が高い。「CANセンサー警告状態」は、そのような故障が発生する可能性が高い状態である。
【0046】
自動ドア10の開きの動作において過負荷が発生するということは、自動ドア10の開きの動作におけるドア11の移動に対して異常な抵抗が存在するということである。したがって、連続する3回の開きの動作においてコントローラー29が過負荷を毎回検出した場合、近い将来、自動ドア10の故障が発生する可能性が高い。「開過負荷状態」は、そのような故障が発生する可能性が高い状態である。
【0047】
同様に、連続する3回の閉じの動作においてコントローラー29が過負荷を毎回検出した場合、近い将来、自動ドア10の故障が発生する可能性が高い。「閉過負荷状態」は、そのような故障が発生する可能性が高い状態である。
【0048】
「故障状態」としては、例えば、ノイズの発生などのコントローラー29の処理の異常が発生している状態を示す「マイコン暴走状態」と、コントローラー29の外部の例えば12Vの電源であってコントローラー29から起動センサー15、起動センサー16、補助光電センサー17および発光装置30bに供給される外部電源が遮断されている状態を示す「外部電源遮断状態」と、コントローラー29にCAN通信で接続されている起動センサー15、起動センサー16および補助光電センサー17のいずれかからセンサー自身の異常が通知された状態を示す「CANセンサーエラー状態」と、EEROM29cが異常である状態を示す「EEROM異常状態」と、SUMチェックによって検出されるCPU29aの物理的な異常が発生している状態を示す「CPUエラー状態」と、モーター27の異常が発生している状態を示す「モーターエラー状態」と、電気錠28の解錠の異常が発生している状態を示す「電気錠解錠エラー状態」と、コントローラー29がモーター27の過電流を検出した状態を示す「過電流検出状態」と、コントローラー29の内部の例えば15Vの電源であってモーター27を駆動させるための内部電源が遮断されている状態を示す「内部電源遮断状態」と、自動ドア10のドア11のストロークが異常である状態を示す「ストローク異常状態」とが存在する。
【0049】
ここで、「過電流検出状態」に関する、モーター27の過電流について説明する。
【0050】
図7は、モーター27によって開かれる場合のドア11の移動速度の一例を示す図である。
【0051】
図7に示すように、コントローラー29は、閉まっているドア11をモーター27によって開く場合、時間ゼロから時間t1までの間でモーター27によってドア11の移動速度を速度ゼロから速度v1まで加速し、時間t1から時間t2までの間でモーター27によってドア11の移動速度を速度v1で維持し、時間t2から時間t3までの間でモーター27によってドア11の移動速度を速度v1から速度v2まで減速し、時間t3から時間t4までの間でモーター27によってドア11の移動速度を速度v2で維持し、時間t4から時間t5までの間でモーター27によってドア11の移動速度を速度v2から速度ゼロまで減速する。
【0052】
コントローラー29は、自動ドア10の1回の開きの動作全体におけるモーター27の電流値の平均値として、時間ゼロから時間t5までの間のモーター27の電流値の平均値を算出し、この平均値が正常時の平均値に対して特定の値より大きいときに、モーター27の過電流として検出する。
【0053】
以上においては、コントローラー29は、時間ゼロから時間t5までの間のモーター27の電流値の平均値に基づいてモーター27の過電流を検出する。しかしながら、コントローラー29は、時間ゼロから時間t5までの間のモーター27の電流値の平均値以外の値に基づいてモーター27の過電流を検出しても良い。例えば、コントローラー29は、自動ドア10の1回の開きの動作におけるモーター27の電流値のピーク値として、時間ゼロから時間t1までの間に発生するピーク値を取得し、このピーク値が正常時のピーク値に対して特定の値より大きいときに、モーター27の過電流として検出しても良い。
【0054】
次に、自動ドア10の故障に関係する状態と、自動ドア10の動作の状態との関係について
図6を使用して説明する。
【0055】
コントローラー29は、自動ドア10の故障に関係する状態が「正常状態」であると判断した場合、自動ドア10に通常動作を実行させる。
【0056】
コントローラー29は、自動ドア10の故障に関係する状態が「故障発生可能性状態」であると判断した場合にも、自動ドア10に通常動作を実行させる。
【0057】
コントローラー29は、「マイコン暴走状態」が発生した場合、コントローラー29自身をリセットする。コントローラー29は、コントローラー29自身をリセットした場合、リセット後の初期動作が終了するまで、自動ドア10に通常動作を実行させることができない。すなわち、自動ドア10は、「マイコン暴走状態」が発生している場合、停止している。
【0058】
コントローラー29は、「外部電源遮断状態」、「CANセンサーエラー状態」、「EEROM異常状態」、「CPUエラー状態」、「モーターエラー状態」、「電気錠解錠エラー状態」、「過電流検出状態」、「内部電源遮断状態」または「ストローク異常状態」が発生していると判断した場合、自動ドア10を停止させる。
【0059】
次に、自動ドア10の故障に関係する状態と、発光装置30bによる発光パターンとの関係について
図6および
図8を使用して説明する。
【0060】
図8は、発光装置30bによる発光の点滅のタイミングによって実現する発光パターンを示す図である。
【0061】
コントローラー29は、「正常状態」であると判断した場合、発光装置30bを点灯させる。
【0062】
コントローラー29は、「特定開閉回数状態」が発生していると判断した場合、それぞれ継続時間が1秒間である2回の点灯を、継続時間が0.3秒間である消灯を間に入れて実行した後、3秒間消灯するという点滅(以下「長点灯時間2回点滅」という。)を発光装置30bによって繰り返す。
【0063】
コントローラー29は、「開放時間変化状態」が発生していると判断した場合、それぞれ継続時間が1秒間である3回の点灯を、それぞれの間に、継続時間が0.3秒間である消灯を入れて実行した後、3秒間消灯するという点滅(以下「長点灯時間3回点滅」という。)を発光装置30bによって繰り返す。
【0064】
コントローラー29は、「CANセンサー警告状態」が発生していると判断した場合、それぞれ継続時間が1秒間である4回の点灯を、それぞれの間に、継続時間が0.3秒間である消灯を入れて実行した後、3秒間消灯するという点滅(以下「長点灯時間4回点滅」という。)を発光装置30bによって繰り返す。
【0065】
コントローラー29は、「開過負荷状態」が発生していると判断した場合、それぞれ継続時間が1秒間である5回の点灯を、それぞれの間に、継続時間が0.3秒間である消灯を入れて実行した後、3秒間消灯するという点滅(以下「長点灯時間5回点滅」という。)を発光装置30bによって繰り返す。
【0066】
コントローラー29は、「閉過負荷状態」が発生していると判断した場合、長点灯時間5回点滅を発光装置30bによって繰り返す。
【0067】
コントローラー29は、「マイコン暴走状態」の発生によるリセット後の初期動作中に発光装置30bを消灯させて、初期動作の終了後に発光装置30bを点灯させる。なお、コントローラー29は、「マイコン暴走状態」の発生によるリセット後の初期動作以外の初期動作中には発光装置30bを点灯させる。
【0068】
「外部電源遮断状態」が発生している場合、発光装置30bにも電力が供給されないので、発光装置30bは、消灯する。コントローラー29は、「外部電源遮断状態」が発生した後、外部電源が復帰すると、継続時間が0.1秒間である1回の点灯を実行した後、0.1秒間消灯するという点滅(以下「超短点灯時間点滅」という。)を発光装置30bによって特定の時間繰り返す。
【0069】
コントローラー29は、「CANセンサーエラー状態」が発生していると判断した場合、継続時間が0.25秒間である1回の点灯を実行した後、0.25秒間消灯するという点滅(以下「短点灯時間点滅」という。)を発光装置30bによって繰り返す。なお、起動センサー15、起動センサー16および補助光電センサー17は、センサー自身に異常が発生している場合、自身に備わっている図示していない発光部によっても特定の発光パターンによって点滅する。
【0070】
コントローラー29は、「EEROM異常状態」が発生していると判断した場合、それぞれ継続時間が0.3秒間である2回の点灯を、継続時間が0.3秒間である消灯を間に入れて実行した後、3秒間消灯するという点滅(以下「短点灯時間2回点滅」という。)を発光装置30bによって繰り返す。
【0071】
コントローラー29は、「CPUエラー状態」が発生していると判断した場合、短点灯時間2回点滅を発光装置30bによって繰り返す。
【0072】
コントローラー29は、「モーターエラー状態」が発生していると判断した場合、それぞれ継続時間が0.3秒間である3回の点灯を、それぞれの間に、継続時間が0.3秒間である消灯を入れて実行した後、3秒間消灯するという点滅(以下「短点灯時間3回点滅」という。)を発光装置30bによって繰り返す。
【0073】
コントローラー29は、「電気錠解錠エラー状態」が発生していると判断した場合、それぞれ継続時間が0.3秒間である4回の点灯を、それぞれの間に、継続時間が0.3秒間である消灯を入れて実行した後、3秒間消灯するという点滅(以下「短点灯時間4回点滅」という。)を発光装置30bによって繰り返す。
【0074】
コントローラー29は、「過電流検出状態」が発生していると判断した場合、それぞれ継続時間が0.3秒間である5回の点灯を、それぞれの間に、継続時間が0.3秒間である消灯を入れて実行した後、3秒間消灯するという点滅(以下「短点灯時間5回点滅」という。)を発光装置30bによって繰り返す。
【0075】
コントローラー29は、「内部電源遮断状態」が発生していると判断した場合、それぞれ継続時間が0.3秒間である6回の点灯を、それぞれの間に、継続時間が0.3秒間である消灯を入れて実行した後、3秒間消灯するという点滅(以下「短点灯時間6回点滅」という。)を発光装置30bによって繰り返す。
【0076】
コントローラー29は、自動ドア10の1回の開きの動作におけるモーター27の回転の回数が正常時に対して特定の回数以上増えた場合に、「ストローク異常状態」が発生したと判断する。コントローラー29は、「ストローク異常状態」が発生していると判断した場合、それぞれ継続時間が0.3秒間である7回の点灯を、それぞれの間に、継続時間が0.3秒間である消灯を入れて実行した後、3秒間消灯するという点滅(以下「短点灯時間7回点滅」という。)を発光装置30bによって繰り返す。
【0077】
次に、発光装置30bによる発光を実行する場合の自動ドア10の動作について説明する。
【0078】
図9は、発光装置30bによる発光を実行する場合の自動ドア10の動作のフローチャートである。
【0079】
図9に示すように、コントローラー29は、自動ドア10の故障に関係する状態に関して現在の状態を判定する(S61)。
【0080】
次いで、コントローラー29は、S61において判定した状態に対応関係情報29eにおいて対応付けられている発光パターンを特定する(S62)。
【0081】
次いで、コントローラー29は、S62において特定した発光パターンで発光装置30bによる発光を開始する(S63)。
【0082】
次いで、コントローラー29は、S62において特定した発光パターンが「故障発生可能性高状態」に対応関係情報29eにおいて対応付けられている発光パターンであるか否かを判断する(S64)。
【0083】
コントローラー29は、「故障発生可能性高状態」に対応付けられている発光パターンであるとS64において判断すると、「故障発生可能性高状態」に対応する発光パターンでの発光装置30bによる発光の解除が必要であることが解除要否情報29fに設定されているか否かを判断する(S65)。
【0084】
コントローラー29は、「故障発生可能性高状態」に対応する発光パターンでの発光装置30bによる発光の解除が必要であることが設定されているとS65において判断すると、時間の計測を開始する(S66)。
【0085】
コントローラー29は、「故障発生可能性高状態」に対応付けられている発光パターンではないとS64において判断するか、「故障発生可能性高状態」に対応する発光パターンでの発光装置30bによる発光の解除が必要であることが設定されていないとS65において判断するか、S66の処理が終了すると、時間を計測中であるか否かを判断する(S67)。
【0086】
コントローラー29は、時間を計測中であるとS67において判断すると、計測中の時間が解除時間情報29gに設定されている解除時間に達したか否かを判断する(S68)。
【0087】
コントローラー29は、解除時間に達したとS68において判断すると、時間の計測を終了する(S69)。
【0088】
次いで、コントローラー29は、「正常状態」に対応関係情報29eにおいて対応付けられている発光パターンで発光装置30bによる発光を開始する(S70)。
【0089】
コントローラー29は、時間を計測中ではないとS67において判断するか、解除時間に達していないとS68において判断するか、S70の処理が終了すると、自動ドア10の故障に関係する状態に関して現在の状態を判定する(S71)。
【0090】
次いで、コントローラー29は、自動ドア10の故障に関係する状態が変化したか否かをS71における判定結果に基づいて判断する(S72)。
【0091】
コントローラー29は、自動ドア10の故障に関係する状態が変化していないとS72において判断すると、S67の処理を実行する。
【0092】
コントローラー29は、自動ドア10の故障に関係する状態が変化したとS72において判断すると、時間を計測中であるか否かを判断する(S73)。
【0093】
コントローラー29は、時間を計測中であるとS73において判断すると、時間の計測を終了する(S74)。
【0094】
コントローラー29は、時間を計測中ではないとS73において判断するか、S74の処理が終了すると、S71において判定した状態に対応関係情報29eにおいて対応付けられている発光パターンを特定する(S62)。
【0095】
以上のようにして、コントローラー29は、自動ドア10の故障に関係する状態に関する現在の状態に対して、
図6に示す発光パターンでの発光装置30bによる発光を実現する。例えば、自動ドア10の故障に関係する状態が「故障発生可能性高状態」におけるいずれかの状態、または、「故障状態」におけるいずれかの状態であった場合に、電源スイッチ30の状態が、駆動装置20の外部から駆動装置20に電力を供給する状態から、駆動装置20の外部から駆動装置20への電力の供給を遮断する状態に切り替えられた後、電源スイッチ30の状態が、駆動装置20の外部から駆動装置20への電力の供給を遮断する状態から、駆動装置20の外部から駆動装置20に電力を供給する状態に切り替えられたとき、自動ドア10の故障に関係する状態が「故障発生可能性高状態」におけるいずれかの状態、または、「故障状態」におけるいずれかの状態のままであれば、コントローラー29は、自動ドア10の故障に関係する状態に関して、「故障発生可能性高状態」における各種の状態と、「故障状態」における各種の状態とのうち、自動ドア10の現在の状態を判定し(S61)、S61において判定した状態に対応関係情報29eにおいて対応付けられている発光パターンを特定して(S62)、S62において特定した発光パターンで発光装置30bによる発光を開始する(S63)。
【0096】
自動ドア10の保有者や、自動ドア保守業者のサービスパーソンは、発光装置30bによる発光パターンを確認することによって、自動ドア10の異常状態を認識することができる。特に、自動ドア10の保有者や、自動ドア保守業者のサービスパーソンは、「特定開閉回数状態」を認識することによって、自動ドア10の予防保全を実現することができる。また、自動ドア10の保有者や、自動ドア10の保守業務を行う自動ドア保守業者のサービスパーソンは、「開放時間変化状態」、「CANセンサー警告状態」、「開過負荷状態」または「閉過負荷状態」を認識することによって、自動ドア10の予知保全を実現することができる。
【0097】
次に、自動ドア10を備える自動ドアシステム100の構成について説明する。
【0098】
図10は、自動ドア10を備える自動ドアシステム100のブロック図である。
【0099】
図10に示すように、自動ドアシステム100は、自動ドア10を備えている。自動ドアシステム100は、自動ドア10以外にも、自動ドア10と同様の構成の自動ドアを少なくとも1つ備えることが可能である。
【0100】
自動ドアシステム100は、利用者によって携帯される例えばスマートフォンなどの電子機器110を備えている。自動ドアシステム100は、電子機器110以外にも、電子機器110と同様の構成の電子機器を少なくとも1つ備えることが可能である。
【0101】
自動ドアシステム100は、利用者に情報を提供する情報提供システム120を備えている。情報提供システム120は、1台のコンピューターによって構成されても良いし、複数台のコンピューターによって構成されても良い。
【0102】
図1に示すように、自動ドア10は、ドア11にステッカー41~43が貼り付けられている。
【0103】
図11(a)は、ステッカー41の正面図である。
図11(b)は、ステッカー42の正面図である。
図11(c)は、ステッカー43の正面図である。
【0104】
図11(a)に示すステッカー41、および、
図11(b)に示すステッカー42は、ドア11が自動ドア10のドアであることを示すためにドア11に貼り付けられるものであり、特定のウェブサイトにアクセスするためのアクセス用情報であるURL(Uniform Resource Locator)を含む情報を示す例えばQRコード(登録商標)などのコード40が表示されている。
図11(c)に示すステッカー43は、通行者に自動ドア10に対する注意を促すために自動ドア10に貼り付けられるものであり、コード40が表示されている。
【0105】
図12(a)は、自動ドア10に貼り付けられるステッカー44の正面図である。
図12(b)は、自動ドア10に貼り付けられるステッカー45の正面図である。
【0106】
自動ドア10は、
図12(a)に示すステッカー44や、
図12(b)に示すステッカー45が任意の場所に貼り付けられても良い。ステッカー44は、自動ドア10の保守業務を行う自動ドア保守業者の電話番号を示すために自動ドア10に貼り付けられるものであり、コード40が表示されている。自動ドア10の保有者は、自動ドア10に不具合が生じた場合などに、ステッカー44に示されている電話番号に電話することによって、自動ドア保守業者に自動ドア10の修理を依頼することができる。ステッカー45は、コード40を表示するために自動ドア10に貼り付けられるものである。
【0107】
【0108】
図13に示すように、電子機器110は、種々の操作が入力される例えばボタンなどの操作デバイスである操作部111と、種々の情報を表示する例えばLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部112と、撮像デバイスであるカメラ113と、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部114と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記憶デバイスである記憶部115と、電子機器110全体を制御する制御部116とを備えている。
【0109】
制御部116は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、制御部116のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAMとを備えている。制御部116のCPUは、記憶部115または制御部116のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0110】
図14は、1台のコンピューターによって構成される場合の情報提供システム120のブロック図である。
【0111】
図14に示すように、情報提供システム120は、種々の操作が入力される例えばボタンなどの操作デバイスである操作部121と、種々の情報を表示する例えばLCDなどの表示デバイスである表示部122と、LAN、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部123と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDDなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部124と、情報提供システム120全体を制御する制御部125とを備えている。
【0112】
記憶部124は、利用者に情報を提供するための情報提供プログラム124aを記憶している。情報提供プログラム124aは、例えば、情報提供システム120の製造段階で情報提供システム120にインストールされていても良いし、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリーなどの外部の記憶媒体から情報提供システム120に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上から情報提供システム120に追加でインストールされても良い。
【0113】
記憶部124は、自動ドアの異常状態および発光パターンの対応関係を示す対応関係情報124bを管理しており、本発明の対応関係情報管理部を構成している。記憶部124は、自動ドアの異常状態および発光パターンの対応関係を示す対応関係情報を、対応関係情報124b以外にも管理している。記憶部124は、自動ドアの駆動装置のメーカー毎に対応関係情報を管理している。
【0114】
記憶部124は、自動ドアの異常状態を利用者に提供するための領域であるウェブサイト124cを管理している。記憶部124は、自動ドアの異常状態を利用者に提供するための領域であるウェブサイトをウェブサイト124c以外にも管理している。記憶部124は、自動ドアの個体毎にウェブサイトを管理している。したがって、ウェブサイトのURLは、自動ドアの個体毎に設けられている。そして、自動ドアは、自動ドア自身用のURLを含むコードを表示するステッカーが貼り付けられている。
【0115】
記憶部124は、取付年月日、取付場所、修理の履歴、メーカー、機種、開閉方式、注意事項、取扱説明書など、自動ドアの種々の情報を自動ドアの個体毎に示す自動ドア情報データベース124dを管理している。
【0116】
制御部125は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、制御部125のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAMとを備えている。制御部125のCPUは、記憶部124または制御部125のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0117】
制御部125は、情報提供プログラム124aを実行することによって、記憶部124によって管理されている対応関係情報に基づいた特定の情報を提供する情報提供部125aと、自動ドアによって発光されている発光パターンの動画をウェブサイト経由で受け付ける動画受付部125bと、自動ドアの修理の依頼をウェブサイト経由で受け付ける修理依頼受付部125cとを実現する。
【0118】
次に、自動ドアシステム100の動作について説明する。
【0119】
電子機器110の制御部116は、自動ドア10に貼り付けられているステッカー41~45のいずれかに表示されているコード40を、電子機器110のカメラ113で撮影することが操作部111を介して指示されると、コード40を撮影する。
【0120】
そして、制御部116は、撮影したコード40に示されているURLに対応するウェブサイトへのアクセスが操作部111を介して指示されると、コード40に示されているURLに対応するウェブサイトにアクセスする。このウェブサイトは、情報提供システム120によって提供されている。
【0121】
情報提供システム120の情報提供部125aは、URLを使用したウェブサイトへのアクセスがあった場合に、このウェブサイトに関連付けられた自動ドアの駆動装置のメーカー用の対応関係情報に基づいた特定の情報として、対応関係情報そのものを、このウェブサイト経由で提供する。例えば、自動ドア10用のウェブサイトでは、発光装置30bによる発光パターンと、自動ドア10の異常状態との対応関係を示す対応関係情報に基づいた特定の情報として、対応関係情報そのものが、発光パターンの絵、静止画、動画などの情報を用いて表示されることが可能である。したがって、利用者は、ウェブサイトに表示された対応関係情報と、発光装置30bによる実際の発光パターンとに基づいて、発光装置30bによる発光によって示される、自動ドア10の異常状態を特定することができる。
【0122】
情報提供システム120の動画受付部125bは、URLを使用した、自動ドアの個体用のウェブサイトへのアクセスがあった場合に、この個体によって発光されている発光パターンの動画を、このウェブサイト経由で受け付けることが可能である。例えば、自動ドア10用のウェブサイトでは、電子機器110のカメラ113などのカメラによって撮影された、発光装置30bによる発光パターンの動画が受け付けられることが可能である。情報提供部125aは、動画受付部125bによってウェブサイト経由で受け付けられた動画に示される発光パターンに、このウェブサイトに関連付けられた自動ドアの駆動装置のメーカー用の対応関係情報において対応付けられている異常状態を、対応関係情報に基づいた特定の情報として、このウェブサイト経由で提供する。したがって、利用者は、ウェブサイト経由で提供された、自動ドア10の異常状態を認識することができる。
【0123】
自動ドアの個体用のウェブサイトでは、この個体の取付年月日、取付場所、修理の履歴、メーカー、機種、開閉方式、注意事項、取扱説明書など、この個体に関する種々の情報を提供しても良い。これによって、自動ドアシステム100は、自動ドアの個体に関する種々の情報を、この個体の保有者や自動ドア保守業者のサービスパーソンが調べることを容易化することができる。
【0124】
自動ドアの個体用のウェブサイトでは、この個体の発光装置による発光によって示される、この個体の異常状態の原因や解決方法を、Q&A方式や、AIによるチャット(チャットボット)などで提供しても良い。これによって、自動ドアシステム100は、自動ドアの個体の保有者が、この個体の異常状態の少なくとも一部に対して、自動ドア保守業者のサービスパーソンに解決を依頼せずに、自ら対処することができるようになる可能性がある。
【0125】
情報提供システム120の修理依頼受付部125cは、URLを使用した、自動ドアの個体用のウェブサイトへのアクセスがあった場合に、この個体の修理の依頼を、このウェブサイト経由で受け付けることが可能である。例えば、自動ドア10用のウェブサイトでは、自動ドア10の修理の依頼が受け付けられることが可能である。情報提供部125aは、修理依頼受付部125cによって自動ドアの修理の依頼が受け付けられた場合に、この自動ドアの取付年月日、取付場所、修理の履歴、メーカー、機種、開閉方式など、この自動ドアに関する種々の情報を、この自動ドアの保守業務を行う自動ドア保守業者の担当者に通知することができる。
【0126】
なお、自動ドア保守業者の担当者は、自動ドアの修理の依頼がウェブサイト経由で受け付けられた後、この修理の依頼に対する電話による修理の依頼を受け付けることによって、正式に修理の依頼を受け付けても良い。この場合、自動ドア保守業者の担当者は、事前に通知された、修理の依頼の対象の自動ドアに関する種々の情報を参照しながら、電話による修理の依頼に対応することができるので、修理の依頼に対して適切な対応を実行することができる。
【0127】
以上に説明したように、自動ドアシステム100は、自身の複数種類の異常状態のそれぞれに対応する発光パターンで自動ドア10が発光可能であり(S61~S72)、ウェブサイトにアクセスするためのURLを含むコード40を自動ドア10が表示し、自動ドア10の異常状態および発光パターンの対応関係を示す対応関係情報に基づいた特定の情報をウェブサイト経由で提供するので、自動ドア10の異常状態を利用者に複数種類通知することができるとともに、複数種類の異常状態のうちいずれが自動ドア10に発生しているかを利用者に容易に認識させることができる。例えば、利用者は、自動ドア10によって発光されている発光パターンから、複数種類の異常状態のうちいずれが自動ドア10に発生しているかを認識するために、印刷物である、自動ドア10のマニュアルを確認するが必要ない。
【0128】
自動ドアシステム100は、自動ドアによって発光されている発光パターンの動画をウェブサイト経由で受け付けることによって、自動ドアによって発光されている発光パターンに対応する異常状態をウェブサイト経由で提供するので、自動ドアに発生している異常状態を利用者に容易に認識させることができる。
【0129】
自動ドアシステム100は、自動ドアの個体に適した対応関係情報に基づいた特定の情報を、この個体用のウェブサイト経由で提供するので、対応関係情報に基づいた特定の情報を使用して自動ドアの異常状態を確認する利用者の利便性を向上することができる。
【0130】
自動ドアの異常状態の種類は、自動ドアの駆動装置のメーカーによって異なる可能性がある。また、発光装置による発光パターンの種類は、自動ドアの駆動装置のメーカーによって異なる可能性がある。また、自動ドアの異常状態と、発光装置による発光パターンとの関係は、自動ドアの駆動装置のメーカーによって異なる可能性がある。しかしながら、自動ドアシステム100は、自動ドアの個体に適した対応関係情報、すなわち、自動ドアの個体の駆動装置のメーカーに適した対応関係情報に基づいた特定の情報を、この個体用のウェブサイト経由で提供するので、例えば、自動ドアの保有者や自動ドア保守業者のサービスパーソンがウェブサイト上で自動ドアの駆動装置のメーカーを選択しなくても良く、対応関係情報に基づいた特定の情報を使用して自動ドアの異常状態を確認する利用者の利便性を向上することができる。
【0131】
自動ドアシステム100は、自動ドアの個体に適した対応関係情報に基づいた特定の情報だけでなく、この個体の取付年月日、取付場所、修理の履歴、メーカー、機種、開閉方式、注意事項、取扱説明書などの情報も、この個体用のウェブサイト経由で提供するので、対応関係情報に基づいた特定の情報を使用して自動ドアの異常状態を確認する利用者の利便性を向上することができる。
【0132】
自動ドアシステム100は、自動ドアの個体の修理の依頼を、この個体用のウェブサイト経由で受け付けるので、利用者が自動ドアの修理を依頼する場合に、修理の依頼の対象の自動ドアを利用者が指定する作業の負担を軽減することができる。
【0133】
自動ドアシステム100は、修理の依頼を受け付けた自動ドアの取付年月日、取付場所、修理の履歴、メーカー、機種、開閉方式、注意事項、取扱説明書などの情報を、この自動ドアの保守業務を行う自動ドア保守業者に通知するので、自動ドア保守業者の利便性を向上することができる。
【0134】
自動ドアシステム100は、本実施の形態において、対応関係情報に基づいた特定の情報を、自動ドアの個体用のウェブサイト経由で提供する。しかしながら、自動ドアシステム100は、対応関係情報に基づいた特定の情報を、自動ドアの個体用のウェブサイト以外のウェブサイト経由で提供しても良い。例えば、自動ドアシステム100は、対応関係情報に基づいた特定の情報を、自動ドアの駆動装置のメーカー用のウェブサイト経由で提供しても良いし、全ての自動ドアに共通のウェブサイト経由で提供しても良い。
【0135】
自動ドアシステム100は、対応関係情報に基づいた特定の情報を、自動ドアの駆動装置のメーカー用のウェブサイト経由で提供する場合、URLは、自動ドアの駆動装置のメーカー毎に設けられる必要がある。また、自動ドアは、自動ドア自身の駆動装置のメーカー用のURLを含むコードを表示する必要がある。そして、情報提供部125aは、自動ドアの駆動装置のメーカー用のURLを使用した、ウェブサイトへのアクセスがあった場合に、自動ドアの駆動装置のメーカー用の対応関係情報に基づいた特定の情報を、このウェブサイト経由で提供することができる。したがって、自動ドアシステム100は、自動ドアの駆動装置のメーカーに適した特定の情報をウェブサイト経由で提供するので、例えば、自動ドアの保有者や自動ドア保守業者のサービスパーソンがウェブサイト上で自動ドアの駆動装置のメーカーを選択しなくても良く、対応関係情報に基づいた特定の情報を使用して自動ドアの異常状態を確認する利用者の利便性を向上することができる。
【0136】
自動ドアシステム100は、コード40を表示する機能以外の機能を有するステッカー41~44にコード40を表示させる場合、コード40を表示するために部品点数が増加することを抑えることができる。
【0137】
なお、自動ドア10は、ステッカー41~45以外のステッカーによってコード40を表示しても良いし、ステッカー以外の方法によってコード40を表示しても良い。
【0138】
自動ドアシステム100は、発光装置による発光によって示される、自動ドアの異常状態を利用者に通知するための専用のアプリケーションプログラムが電子機器にインストールされることによって、情報提供システム120の機能の少なくとも一部を電子機器に持たせることができる。したがって、自動ドアシステム100は、例えば、自動ドアが地下に存在する場合など、電子機器が情報提供システム120との間で適切に通信することができない場合であっても、自動ドアの異常状態と、発光装置による発光パターンとの関係を自動ドア10の保有者や自動ドア保守業者のサービスパーソンに適切に認識させることができる。
【0139】
「特定開閉回数状態」は、自動ドア10の使用回数が特定の値になった場合に判定される状態である。「故障発生可能性高状態」としては、「特定開閉回数状態」以外にも、自動ドア10の使用回数が特定の値になった場合に判定される状態が存在しても良い。自動ドア10は、自動ドア10の使用回数が特定の値になった場合に判定される状態を故障発生可能性高状態として発光装置30bによる発光によって通知する場合には、自動ドア10の予防保全を支援することができる。
【0140】
「故障発生可能性高状態」としては、自動ドア10の使用時間が特定の値になった場合に判定される状態が存在しても良い。自動ドア10は、自動ドア10の使用時間が特定の値になった場合に判定される状態を故障発生可能性高状態として発光装置30bによる発光によって通知する場合には、自動ドア10の予防保全を支援することができる。
【0141】
「開放時間変化状態」、「開過負荷状態」および「閉過負荷状態」は、自動ドア10から検出された値の正常時からの変化に基づいて判定される状態である。「故障発生可能性高状態」としては、「開放時間変化状態」、「開過負荷状態」および「閉過負荷状態」以外にも、自動ドア10から検出された値の正常時からの変化に基づいて判定される状態が存在しても良い。自動ドア10は、自動ドア10から検出された値の正常時からの変化に基づいて判定される状態を故障発生可能性高状態として発光装置30bによる発光によって通知する場合には、自動ドア10の予知保全を支援することができる。
【0142】
自動ドア10は、本実施の形態において「EEROM異常状態」と、「CPUエラー状態」とで発光装置30bによる発光パターンが同一であるが、異ならせても良い。同様に、自動ドア10は、本実施の形態において「開過負荷状態」と、「閉過負荷状態」とで発光装置30bによる発光パターンが同一であるが、異ならせても良い。
【0143】
自動ドア10は、「故障発生可能性高状態」に関して、本実施の形態において例示した状態以外の状態を発光装置30bによる発光によって示しても良い。同様に、自動ドア10は、「故障状態」に関して、本実施の形態において例示した状態以外の状態を発光装置30bによる発光によって示しても良い。
【0144】
自動ドア10は、本実施の形態において例示した点滅のタイミング以外の点滅のタイミングによって、複数の発光パターンを実現しても良い。
【0145】
自動ドア10は、本実施の形態において解除時間が可変であるが、解除時間が固定でも良い。また、自動ドア10は、「故障発生可能性高状態」に対応する発光パターンでの発光装置30bによる発光の解除の要否を本実施の形態において設定可能であるが、「故障発生可能性高状態」に対応する発光パターンでの発光装置30bによる発光が解除時間で必ず解除される構成でも良いし、「故障発生可能性高状態」に対応する発光パターンでの発光装置30bによる発光の解除が不可能な構成でも良い。
【0146】
自動ドア10は、本実施の形態において例示した発光パターン以外の発光パターンによって、自動ドア10の異常状態を示しても良い。例えば、自動ドア10は、発光装置30bによる発光の点滅のタイミングに代えて、または、発光装置30bによる発光の点滅のタイミングに加えて、発光装置30bによる発光の色によって複数の発光パターンを実現しても良い。
【0147】
自動ドア10は、自動ドア10の異常状態を示す発光装置を、電源スイッチ30以外の場所に備えても良い。例えば、自動ドア10は、自動ドア10の異常状態を示す発光装置を起動センサー15および起動センサー16の少なくとも一方に備えても良いし、自動ドア10の異常状態を示す発光装置を、自動ドア10の異常状態を示す専用の装置として例えば方立などの任意の場所備えても良い。
【0148】
自動ドア10は、本実施の形態において「故障発生可能性高状態」および「故障状態」の両方を発光装置30bによる発光によって通知するが、「故障発生可能性高状態」および「故障状態」のうち一方のみを発光装置30bによる発光によって通知する構成でも良い。
【0149】
自動ドア10が備えるセンサーとしては、本実施の形態において、起動センサー15、起動センサー16および補助光電センサー17が例示されている。しかしながら、自動ドア10は、起動センサー15、起動センサー16および補助光電センサー17以外のセンサーを備えても良い。例えば、自動ドア10は、ドア11が開く場合のドア11の進行方向に存在する物体を検知するための戸袋センサーを備えても良い。なお、本実施の形態における種々の処理においては、起動センサー15、起動センサー16および補助光電センサー17以外のセンサーについても、起動センサー15、起動センサー16および補助光電センサー17と同様に扱われる。
【符号の説明】
【0150】
10 自動ドア
11 ドア
20 駆動装置
40 コード
41~45 ステッカー
100 自動ドアシステム
124 記憶部(対応関係情報管理部)
124a 情報提供プログラム
124b 対応関係情報
124c ウェブサイト(領域)
125a 情報提供部
125b 動画受付部
125c 修理依頼受付部