(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】出力装置、出力方法および出力プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/30 20120101AFI20221024BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20221024BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20221024BHJP
G08B 31/00 20060101ALI20221024BHJP
【FI】
G06Q50/30
G08G1/00 D
G08B25/04 G
G08B31/00 A
(21)【出願番号】P 2019182461
(22)【出願日】2019-10-02
【審査請求日】2021-06-18
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坪内 孝太
(72)【発明者】
【氏名】寺岡 照彦
(72)【発明者】
【氏名】丸山 三喜也
(72)【発明者】
【氏名】山本 拓巳
【審査官】原 忠
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-144421(JP,A)
【文献】特開2018-160285(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G08G 1/00
G08B 25/04
G08B 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の形式の移動体サービスにおいて、利用者による所定の移動体の利用を検知した場合は、当該利用者による移動体の利用履歴が有する利用態様と、該検知された当該所定の移動体の利用態様とに基づいて、
当該利用者の識別情報と紐付けられる所定の学習モデルであって、当該利用者による移動体の利用履歴が有する特徴を学習した学習モデルを用いて、前記所定の移動体の利用が前記利用者によるものか否かを判定する判定部と、
前記所定の移動体の利用が前記利用者によるものではないと判定された場合は、前記所定の移動体に対して前記利用者の確認を要請する通知を出力する出力部と
を有することを特徴とする出力装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記利用者が過去に移動体を利用した際の利用態様の特徴と、前記利用者による所定の移動体の利用における利用態様の特徴とが類似しない場合は、前記所定の移動体の利用が前記利用者によるものではないと判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の出力装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記利用者が過去に移動体を利用した際の乗車位置と、前記利用者による所定の移動体の利用における乗車位置とが類似しない場合は、前記所定の移動体の利用が前記利用者によるものではないと判定する
ことを特徴とする請求項2に記載の出力装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記利用者が過去に移動体を利用した際の降車位置と、前記利用者による所定の移動体の利用における降車位置とが類似しない場合は、前記所定の移動体の利用が前記利用者によるものではないと判定する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の出力装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記利用者が過去に利用した移動体が移動する経路と、前記所定の移動体が移動する経路とが類似しない場合は、前記所定の移動体の利用が前記利用者によるものではないと判定する
ことを特徴とする請求項2~4のうちいずれか1つに記載の出力装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記利用者が過去に利用した移動体の種別と、前記所定の移動体の種別とが類似しない場合は、前記所定の移動体の利用が前記利用者によるものではないと判定する
ことを特徴とする請求項2~5のうちいずれか1つに記載の出力装置。
【請求項7】
前記判定部は、前記利用者が過去に移動体を利用した際の時間帯と、前記利用者が前記所定の移動体を利用する際の時間帯とが類似しない場合は、前記所定の移動体の利用が前記利用者によるものではないと判定する
ことを特徴とする請求項2~6のうちいずれか1つに記載の出力装置。
【請求項8】
前記判定部は、前記利用者が過去に移動体を利用した際の利用態様の特徴と、前記利用者による所定の移動体の利用における利用態様の特徴との非類似性を示すスコアを算出し、算出したスコアが所定の閾値を超える場合は、前記所定の移動体の利用が前記利用者によるものではないと判定する
ことを特徴とする請求項2~7のうちいずれか1つに記載の出力装置。
【請求項9】
前記判定部は、前記利用者が過去に移動体を利用した際の利用態様を入力した際に、当該移動体の前記利用者によるものである旨を示す情報を出力するように学習が行われたモデルを用いて、前記利用者による所定の移動体の利用態様から、前記所定の移動体の利用が前記利用者によるものか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1~8のうちいずれか1つに記載の出力装置。
【請求項10】
前記判定部は、サブスクリプション形式で料金が発生する移動体について、前記所定の移動体の利用が前記利用者によるものか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1~9のうちいずれか1つに記載の出力装置。
【請求項11】
出力装置が実行する出力方法であって、
所定の形式の移動体サービスにおいて、利用者による所定の移動体の利用を検知した場合は、当該利用者による移動体の利用履歴が有する利用態様と、該検知された当該所定の移動体の利用態様とに基づいて、
当該利用者の識別情報と紐付けられる所定の学習モデルであって、当該利用者による移動体の利用履歴が有する特徴を学習した学習モデルを用いて、前記所定の移動体の利用が前記利用者によるものか否かを判定する判定工程と、
前記所定の移動体の利用が前記利用者によるものではないと判定された場合は、前記所定の移動体に対して前記利用者の確認を要請する通知を出力する出力工程と
を含むことを特徴とする出力方法。
【請求項12】
所定の形式の移動体サービスにおいて、利用者による所定の移動体の利用を検知した場合は、当該利用者による移動体の利用履歴が有する利用態様と、該検知された当該所定の移動体の利用態様とに基づいて、
当該利用者の識別情報と紐付けられる所定の学習モデルであって、当該利用者による移動体の利用履歴が有する特徴を学習した学習モデルを用いて、前記所定の移動体の利用が前記利用者によるものか否かを判定する判定手順と、
前記所定の移動体の利用が前記利用者によるものではないと判定された場合は、前記所定の移動体に対して前記利用者の確認を要請する通知を出力する出力手順と
をコンピュータに実行させるための出力プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、出力装置、出力方法および出力プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、バスやタクシー等の移動体を用いて、利用者の移動を実現するMaaS(Mobility as a service)の技術が議論されている。このような移動体を用いた利用者の移動を効率化するため、例えば、移動体に設置された車載センサ情報に基づいて、乗客が存在する可能性が高い領域を推定する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した技術では、利用者の適切な利用を図ることができない恐れがある。
【0005】
例えば、MaaSの技術を利用することで、バスやタクシーといった各種の車両や地下鉄等の各種列車、自転車等の各種移動体による移動サービスを利用者に提供し、利用者から月単位や年単位の料金を徴収するサブスクリプション形式のサービスが提供されうる。しかしながら、上述した技術では、移動体を利用するためのパスの不正利用を防ぐことができない。また、移動体を利用する度に利用者の詳細な認証を行うのは、手間がかかる。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者の適切な利用を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る出力装置は、利用者による所定の移動体の利用を検知した場合は、当該利用者による移動体の利用履歴が有する傾向に基づいて、当該所定の移動体の利用が前記利用者によるものか否かを判定する判定部と、前記所定の移動体の利用が前記利用者によるものではないと判定された場合は、前記利用者の確認を要請する通知を出力する出力部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、利用者の適切な利用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る出力処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報提供システムの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る利用履歴記憶部の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、情報提供装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る出力装置、出力方法および出力プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ説明する。なお、この実施形態により本願にかかる出力装置、出力方法および出力プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
[出力処理の概要]
まず、
図1を用いて、実施形態に係る出力処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る出力処理の一例を示す図である。
【0012】
例えば、以下で説明する情報提供装置10は、移動体M1を利用する利用者に対して、サブスクリプション形式のサービスが提供される場合に、当該利用者による移動体M1の利用履歴が有する傾向に基づいて、移動体M1の利用が当該利用者によるものか否かを判定する。そして、情報提供装置10は、サービスが提供されない利用者と判定された場合には、移動体M1に対して利用者の確認を要請する通知を出力する。ここでいうサブスクリプション形式とは、利用者が各種移動体M1による移動サービスの提供を受けるために月単位や年単位の料金を支払う形式のことをいう。サブスクリプション形式の登録をした利用者は、例えば利用者のIDが保持されたパスを用いて、サービスの提供が受けられる移動体を利用することができる。
【0013】
移動体M1は、バスやタクシーといった各種の車両、地下鉄等の各種列車、自転車等の二輪車を含む。移動体M1には、利用者のパスに含まれるIDを読み取ることが可能な近距離無線通信機器や、情報提供装置10と通信することが可能な遠距離無線通信機器が含まれる。近距離無線通信機器とは、NFCやBluetooth(登録商標)等の近距離の無線通信技術が搭載された機器のことをいう。遠距離無線通信機器とは、例えば、NIC(Network Interface Card)のことをいう。
【0014】
ここで、出力処理の一例について、具体的に説明する。情報提供装置10は、サービスの提供を受けることができる利用者ごとに、移動体の利用履歴が有する特徴を学習モデルに学習させる(S1)。ここでは、サービスの提供を受けることができる利用者は、GUとRUであるとする。例えば、情報提供装置10は、移動体M1から取得されるGUの情報を、GUの利用履歴に保存する。そして、情報提供装置10は、GUの利用履歴を入力として、GUによる利用を示す情報を出力とした学習モデルを生成する。利用履歴は、一例として、利用者が利用した移動体の種別、経路、乗車位置、降車位置、利用時間帯、天気等を含む。同様に、情報提供装置10は、RUの移動履歴を入力として、RUによる利用を示す情報を出力とした学習モデルを生成する。
【0015】
このような状況の下、利用者GUは、GUを識別するID1(ID:Identifier)が保持されたパスを持って、サービスの対象となる移動体M1に乗車したとする(S2)。
【0016】
一方で、利用者RUは、RUを識別するID2が保持されたパスを不正に利用者BUに貸し出す(S3)。そして、利用者BUは、ID2が保持されたパスを持って、サービスの対象となる移動体M1に乗車したとする(S4)。
【0017】
すると、移動体M1は、乗車した利用者のIDを情報提供装置10に通知する(S5)。例えば、移動体M1は、利用者GUのID1を近距離無線通信機器によって取得し、取得したID1を、遠距離無線通信機器を用いて情報提供装置10に通知する。移動体M1は、利用者BUのID2を近距離無線通信機器によって取得し、取得したID2を、遠距離通信機器を用いて情報提供装置10に通知する。
【0018】
利用者のIDを受け付けた情報提供装置10は、各利用者と紐付けられる学習モデルに、利用者が乗車した移動体M1による移動の移動態様の特徴を入力し、本人による移動であるか否かを判定する(S6)。すなわち、情報提供装置10は、利用者が過去に移動体を利用した際の利用態様の特徴と、入力した利用態様の特徴とが類似するか否かを判定し、類似しない場合は、移動体M1の利用が利用者によるものではないと判定する。
【0019】
一例として、情報提供装置10は、利用者のIDと紐付けられる学習モデルに、乗車した利用者の移動体M1の種別を利用態様の特徴として入力し、IDに対応する利用者本人による移動であるか否かを判定する。
【0020】
別の例として、情報提供装置10は、利用者のIDと紐付けられる学習モデルに、乗車した利用者の移動体M1による移動の乗車位置の特徴を利用態様の特徴として入力し、IDに対応する利用者本人による移動であるか否かを判定する。
【0021】
別の例として、情報提供装置10は、利用者のIDと紐付けられる学習モデルに、乗車した利用者の移動体M1による移動の降車位置の特徴を利用態様の特徴として入力し、IDに対応する利用者本人による移動であるか否かを判定する。
【0022】
別の例として、情報提供装置10は、利用者のIDと紐付けられる学習モデルに、乗車した利用者の移動体M1による移動の経路を利用態様の特徴として入力し、IDに対応する利用者本人による移動であるか否かを判定する。
【0023】
別の例として、情報提供装置10は、利用者のIDと紐付けられる学習モデルに、乗車した利用者の移動体M1を利用する際の時間帯を利用態様の特徴として入力し、IDに対応する利用者本人による移動であるか否かを判定する。
【0024】
なお、学習モデルに入力する移動態様の特徴は、移動体の種別、乗車位置、降車位置、移動の経路、時間帯等単一の項目であってもよいし、複数の項目を組み合わせた項目群であってもよい。
【0025】
そして、情報提供装置10は、本人による移動でないと判定した場合には、本人による移動でないと判定されたIDを持つ利用者に、確認を行うように移動体M1に通知する(S7)。ここでは、ID2について、情報提供装置10は、ID2に対応する利用者がRUであるので、RUと紐付けられる学習モデルに、乗車した移動体M1による移動の移動態様の特徴を入力したが、本人(RU)による移動でないと判定する。すなわち、情報提供装置10は、利用者RUが過去に移動体を利用した際の利用態様の特徴と、入力した、利用者BUによる移動体M1の利用における利用態様の特徴とが類似しないので、移動体M1の利用が利用者RUによるものではないと判定する。そして、情報提供装置10は、ID2を持つ利用者BUに、確認を行うように移動体M1に通知する。
【0026】
この後、移動体M1は、ID2を持つ利用者BUに確認を行う旨の通知を、例えば、モニターに表示する。かかる通知がモニターに表示された場合には、移動体M1は、利用者BUの確認を行う。利用者の確認は、人による口頭での認証、手のひら認証、顔認証、虹彩認証、人による口頭での認証等のいかなる認証を用いても構わない。
【0027】
つまり、情報提供装置10は、サブスクリプション形式のサービスが提供される場合に、提供される利用者の過去の乗車パターンを学習しておき、乗車パターンと類似しない乗車パターンを検出した場合、アラートを出力する。そして、情報提供装置10は、正当な利用者であるかを移動体M1に確認させる。これにより、情報提供装置10は、移動体M1を利用するためのパスの不正利用を防ぐことができる。また、情報提供装置10は、移動体M1を利用する度に利用者の詳細な認証をしないので、認証の手間を省くことができる。すなわち、情報提供装置10は、利用者の適切な利用を図ることができる。
【0028】
[システムの構成]
次に、
図2を用いて、実施形態に係る情報提供装置10が含まれる情報提供システム1の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る情報提供システムの構成例を示す図である。
図2に例示するように、実施形態に係る情報提供システム1には、情報提供装置10と、端末装置100とを含む。情報提供装置10と、端末装置100は、ネットワークNを介して有線または無線により通信可能に接続される。なお、
図2に示す情報提供システム1には、1台の端末装置100が含まれているが、複数台の端末装置100が含まれていてもよい。
【0029】
端末装置100は、情報提供装置10や近距離無線通信機器(図示せず)と情報を送受信したり、情報を表示したりする。端末装置100は、利用者の乗車位置や降車位置を特定するために、GPS(Global Positioning System)機能等の位置を特定する機能を有する。端末装置100は、移動体に配置される車載端末であり、例えば、タブレット型端末や、ノート型PCや、デスクトップPCであるが、専用の端末装置等であってもよい。
【0030】
例えば、端末装置100は、利用者が移動体を利用した際に、近距離無線通信機器によって読み込まれた利用者のIDおよび端末装置100によって得られた利用者の利用態様を、遠距離無線通信機器を介して情報提供装置10に送信する。近距離無線通信機器とは、前述したように、NFCやBluetooth等の近距離の無線通信技術が搭載された機器のことをいう。遠距離無線通信機器とは、例えば、NICのことをいう。
【0031】
一例として、端末装置100は、利用者が移動体を利用した際に、利用者が所持しているパスから近距離無線通信機器によって読み込まれた利用者のIDを取得する。加えて、端末装置100は、利用者が移動体を利用した際の、日時、移動体の種別、乗車位置、降車位置等の利用者の利用態様を取得する。移動体の種別として、予め端末装置100の記憶部に記憶された情報が取得されればよい。乗車位置として、利用者が移動体に乗車した際に例えばGPSによって取得される位置情報や当該位置情報から得られる駅名や場所等の地点情報が取得されればよい。降車位置として、利用者が移動体から降車する際に例えばGPSによって取得される位置情報や当該位置情報から得られる駅名や場所等の地点情報が取得されればよい。そして、端末装置100は、利用者のIDおよび利用態様を、情報提供装置10に送信する。
【0032】
なお、降車位置を取得するタイミングは、例えば移動体の扉に配置される近距離無線通信機器を利用してもよい。すなわち、利用者が移動体を降車する際に、移動体の扉に付けられた近距離無線通信機器が利用者のIDを読み取り、端末装置100が、読み取られた利用者のIDを取得し、取得した際の位置情報や地点情報を降車位置としてもよい。
【0033】
また、端末装置100は、情報提供装置10から、利用者の確認を要請する通知を受信して、モニターに表示する。
【0034】
ここで、パスとは、利用者がサブスクリプション形式のサービスの提供を受けるために必要な媒体である。パスには、サービスを受けることができる利用者のIDが保持されている。また、パスは、例えば、Suica(登録商標)等のICカードやスマートフォンを含む携帯電話機等で実現できる。
【0035】
情報提供装置10は、通信部20と、制御部40と、記憶部30とを有する。
【0036】
通信部20は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、端末装置100等との間で情報の送受信を行う。通信部20は、例えばNIC等によって実現される。
【0037】
記憶部30は、各種情報を記憶する。記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図2に示すように、記憶部30は、利用者の利用態様の利用履歴として、利用履歴記憶部31を有する。
【0038】
利用履歴記憶部31は、利用者ごとに、移動体の利用履歴を記憶する。ここで、利用履歴記憶部31の一例を、
図3を参照して説明する。
図3は、実施形態に係る利用履歴記憶部の一例を示す図である。
図3に示すように、利用履歴記憶部31は、「利用者ID」、「利用者情報」、「利用履歴」、「判定モデル」等の項目を対応付けて記憶する。
【0039】
「利用者ID」は、利用者を識別する識別情報である。利用者IDは、説明で用いるID1、ID2等のIDと同義である。
【0040】
「利用者情報」は、利用者IDが示す利用者の情報である。「利用者情報」は、例えば、氏名、住所、生年月日が含まれる。なお、「利用者情報」は、社会人である場合には勤務先等が含まれていてもよい。また、「利用者情報」は、未成年者である場合には保護者への連絡先等が含まれてもよい。
【0041】
「利用履歴」は、利用者IDが示す利用者が移動体を利用した際の履歴に関する情報である。「利用履歴」には、例えば、「日時」、「移動体情報」、「乗車位置」、「降車位置」等の小項目が含まれる。「日時」は、利用者IDが示す利用者が移動体を利用した日時を示す。「日時」は、利用時間帯であってもよい。「移動体情報」は、利用者IDが示す利用者が利用した移動体の種別を示す。移動体の種別には、例えば、バスやタクシーといった各種の車両、地下鉄等の各種列車、自転車等の二輪車が含まれる。「乗車位置」は、利用者IDが示す利用者が移動体に乗車した際の位置を示す。乗車位置は、例えば、乗車した経度および緯度であってもよいし、乗車した位置から推定される駅名や場所であってもよい。また、乗車位置は、例えば、移動体が列車である場合には、何両目であるとか、何両目の何扉であるとかの情報であってもよい。「降車位置」は、利用者IDが示す利用者が移動体から降車した際の位置を示す。降車位置は、例えば、降車した経度および緯度であってもよいし、降車した位置から推定される駅名や場所であってもよい。また、降車位置は、例えば、移動体が列車である場合には、何両目であるとか、何両目の何扉であるとかの情報であってもよい。なお、「利用履歴」の小項目は、「経路」や「天気」が含まれてもよいし、それ以外の小項目が含まれてもよい。「経路」は、乗車位置から降車位置までの辿った道筋がわかる情報であればよい。「天気」は、利用者が移動体を利用した天気に関する情報であればよい。
【0042】
「判定モデル」は、利用者IDと紐付けられる学習モデルを示す情報である。「判定モデル」は、移動体を利用した利用者の利用が正当な利用者によるものかを判定する学習モデルを示す。「判定モデル」は、後述する学習部41によって生成される。
【0043】
図2に戻って、制御部40は、例えば、コントローラ(controller)であり、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報提供装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部40は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0044】
制御部40は、学習部41、取得部42、判定部43および出力部44を有する。
【0045】
学習部41は、利用者が過去に移動体を利用した際の利用態様を入力した際に、当該移動体の利用者によるものである旨を示す情報を出力するように学習する。すなわち、学習部41は、移動体を利用した利用者の利用態様の特徴を学習する。なお、ここでいう利用者は、サブスクリプション形式のサービスの提供を受けるためにサービスを提供する提供側と契約した者のことをいう。例えば、学習部41は、利用履歴記憶部31を用いて、利用者IDごとに、以下の処理を行う。学習部41は、利用者IDに対応付けられた複数の利用履歴を読み込む。学習部41は、読み込んだ複数の利用履歴を入力として、利用を示す情報を出力とした学習モデルを生成する。言い換えれば、学習部41は、読み込んだ複数の利用履歴を入力として、利用履歴の利用者本人による利用であることを示す情報を出力とした学習モデルを生成する。なお、学習部41は、利用履歴がある程度蓄積されたタイミングで、学習モデルを生成すればよいし、予め定められたタイミングで生成してもよい。
【0046】
なお、上述した学習モデルは、任意の種別の学習モデルが採用可能である。例えば、情報提供装置10は、SVM(Support Vector Machine)やDNN(Deep Neural Network)を学習モデルとして採用してもよい。ここで、DNNは、CNN(Convolutional Neural Network)やRNN(Recurrent Neural Network)であってもよい。また、RNNは、LSTM(Long short-term memory)等であってもよい。すなわち、学習モデルは、任意の形式の学習モデルが採用可能である。また、学習モデルは、例えば、CNNとRNNとを組み合わせた学習モデル等、複数の学習モデルを組み合わせることで実現される学習モデルであってもよい。
【0047】
取得部42は、利用者の利用時に、利用者の利用態様を取得する。例えば、取得部42は、端末装置100から利用者の利用者IDおよび利用態様を取得する。また、取得部42は、取得した利用態様が後述する判定部43によって利用者本人による利用であると判定された場合には、取得した利用態様を利用者IDに対応付けて利用履歴記憶部31に登録する。
【0048】
判定部43は、利用者による所定の移動体の利用を検知した場合は、利用者による移動体の利用履歴が有する傾向に基づいて、当該所定の移動体の利用が当該利用者によるものか否かを判定する。例えば、判定部43は、取得部42によって利用者の利用者IDおよび利用者の利用態様が取得された場合には、利用者IDに対応する学習モデルを用いて、取得した利用者の利用態様から、当該利用者の移動体の利用が利用者IDに対応する利用者によるものか否かを判定する。すなわち、判定部43は、利用者IDに対応する学習モデルに、取得した利用者の利用態様を入力し、利用者IDに対応する利用者本人による移動であるか否かを判定する。
【0049】
一例として、判定部43は、利用者IDに対応する学習モデルを用いて、利用者IDに対応する過去の利用態様の特徴(利用履歴)と、取得した利用者の利用態様の特徴とが類似するか否かを判定してもよい。
【0050】
別の例として、判定部43は、利用者IDに対応する学習モデルを用いて、利用者が過去に移動体を利用した際の乗車位置と、取得した利用者の利用態様における乗車位置とが類似するか否かを判定してもよい。
【0051】
別の例として、判定部43は、利用者IDに対応する学習モデルを用いて、利用者が過去に移動体を利用した際の降車位置と、取得した利用者の利用態様における降車位置とが類似するか否かを判定してもよい。
【0052】
別の例として、判定部43は、利用者IDに対応する学習モデルを用いて、利用者が過去に移動体を利用した際の当該移動体の種別と、取得した利用者の利用態様における移動体の種別とが類似するか否かを判定してもよい。
【0053】
別の例として、判定部43は、利用者IDに対応する学習モデルを用いて、利用者が過去に移動体を利用した際の経路と、取得した利用者の利用態様における経路とが類似するか否かを判定してもよい。
【0054】
別の例として、判定部43は、利用者IDに対応する学習モデルを用いて、利用者が過去に移動体を利用した際の時間帯と、取得した利用者の利用態様における時間帯とが類似するか否かを判定してもよい。
【0055】
なお、判定部43は、利用者IDに対応する学習モデルを用いて、取得した利用者の利用態様から、当該利用者の移動体の利用が利用者IDに対応する利用者によるものか否かを判定すると説明した。しかしながら、判定部43は、学習モデルに代えて利用履歴記憶部31を用いて、利用者IDに対応する過去の利用態様の特徴(利用履歴)と、取得した利用者の利用態様の特徴とが類似するか否かで、当該利用者の移動体の利用が利用者IDに対応する利用者によるものか否かを判定してもよい。例えば、判定部43は、類似の比較対象となる特徴同士の近さを定量化し、定量化した値を比較する手法に基づいて、取得した利用者の利用態様の特徴とが類似するか否かを判定してもよい。
【0056】
出力部44は、所定の移動体の利用が利用者によるものではないと判定された場合は、利用者の確認を要請する通知を出力する。例えば、出力部44は、判定部43によって利用者による移動体の利用が利用者IDに対応する利用者によるものではないと判定された場合には、アラートを送信元の端末装置100に出力する。アラートは、確認する旨の文字列であってもよいし、警告マークであってもよいし、警告音であってもよい。これにより、出力部44は、移動体を利用するためのパスの不正利用を防ぐことが可能となる。
【0057】
[処理手順]
次に
図4を用いて、実施形態に係る情報提供装置10による処理の手順について説明する。
図4は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。
【0058】
情報提供装置10は、移動体の端末装置100から利用者IDを受け付けたか否かを判定する(ステップS101)。利用者IDを受け付けていないと判定した場合には(ステップS101;No)、情報提供装置10は、利用者IDを受け付けるまで、判定処理を繰り返す。
【0059】
一方、利用者IDを受け付けたと判定した場合には(ステップS101;Yes)、情報提供装置10は、以下の処理を行う。すなわち、情報提供装置10は、利用者IDと紐付けられる利用履歴が示す移動態様(利用態様)の特徴と、利用者IDとともに受け付けた新たな移動体の利用態様とが類似するかに基づいて、本人の利用であるかを判定する(ステップS102)。例えば、情報提供装置10は、利用者IDに対応する移動体の利用履歴(利用態様)を入力として、移動体の利用者によるものである旨を示す情報を出力するように学習された学習モデルを用いて、利用者による移動体の利用態様の特徴から、当該移動体の利用が利用者IDに対応する利用者によるものか否かを判定する。
【0060】
情報提供装置10は、利用者IDに対応する利用者を示す本人の利用であると判定した場合には(ステップS103;Yes)、処理を終了する。
【0061】
一方、情報提供装置10は、利用者IDに対応する利用者を示す本人の利用でないと判定した場合には(ステップS103;No)、移動体の端末装置100に、本人以外の利用であることを通知する(ステップS104)。すなわち、情報提供装置10は、受け付けた移動態様の特徴と、利用者IDに対応する利用者の移動態様の特徴とが類似していない場合には、移動体の端末装置100にアラートを出力して、正当な利用者によるものかを確認させる。そして、情報提供装置10は、処理を終了する。
【0062】
〔変形例〕
上述した情報提供装置10は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、実施形態の変形例について説明する。
【0063】
〔変形例1〕
上記実施形態では、情報提供装置10が、利用者に対応する学習モデルを用いて、利用者が過去に移動体を利用した際の利用態様の特徴と、利用者による所定の移動体の利用における利用態様の特徴とが類似するか否かを判定する例を説明した。かかる例では、情報提供装置10は、類似しない場合は、所定の移動体の利用が利用者によるものではないと判定し、利用者の確認を要請する通知を端末装置100に出力する。
【0064】
ここで、情報提供装置10は、利用者が過去に移動体を利用した際の利用態様の特徴と、利用者による所定の移動体の利用における利用態様の特徴との非類似性を示すスコアを算出して、算出したスコアが所定の閾値を超えるか否かを判定するようにしてもよい。かかる変形例では、情報提供装置10は、算出したスコアが所定の閾値を超える場合は、所定の移動体の利用が利用者によるものではないと判定し、利用者の確認を要請する通知を端末装置100に出力する。
【0065】
例えば、情報提供装置10は、比較対象となる特徴同士についてDTW(Dynamic Time Warping)スコア(DTW距離)を、非類似性を示すスコアとして算出し、算出したスコアが所定の閾値を超えるか否かを判定してもよい。そして、情報提供装置10は、算出したスコアが所定の閾値を超える場合は、所定の移動体の利用が利用者によるものではないと判定し、利用者の確認を要請する通知を端末装置100に出力すればよい。
【0066】
〔変形例2〕
上記実施形態では、情報提供装置10は、利用者の利用者IDおよび利用者の利用態様が取得された場合には、利用者IDに対応する学習モデルを用いて、取得した利用者の利用態様から、当該利用者の移動体の利用が利用者IDに対応する利用者によるものか否かを判定する。そして、情報提供装置10は、移動体の利用が利用者IDに対応する利用者によるものでない、すなわち、サービスが提供されない利用者と判定された場合には、移動体に対して利用者の確認を要請する通知を端末装置100に出力する。
【0067】
ここで、情報提供装置10は、利用者の確認を要請する通知に対して、利用者によるものである、すなわち、サービスが提供される利用者本人であるとの応答を受けた場合には、いつもと異なる利用態様であると判断し、利用者情報に含まれる所定のエリアに何らかの通知をしてもよい。一例として、いつもと異なる利用態様が「経路」である場合には、情報提供装置10は、「(利用者である)xxxさんは転職されたのではないですか?」と利用者情報に含まれる勤務先に通知してもよい。別の例として、いつもと異なる利用態様が「経路」であり、利用者が未成年である場合には、情報提供装置10は、「(利用者である)xxxさんはいつもと異なる経路でバスを利用しています。」と利用者情報に含まれる保護者に通知してもよい。また、利用者が普段行動するエリアの位置情報と時刻情報とを関連して取得しておくことで、当該エリアにおける利用者の普段生活する生活エリアが異なる場合や普段行動する曜日や時刻における生活パターンが異なる場合に通知してもよい。一例として、利用者の行動する位置情報や時刻情報が普段行動する場合と異なる場合に、利用者が旅行していると判断してもよい、あるいは出張していると判断してもよい。
【0068】
なお、変形例2では、情報提供装置10は、移動体の利用が利用者IDに対応する利用者によるものでないと判定した場合には、一旦、移動体に対して利用者の確認を促すと説明した。しかしながら、情報提供装置10は、これに限定されず、移動体の利用が利用者IDに対応する利用者によるものでありそうと判定した場合には、いつもと異なる利用態様であると判断し、直接、利用者情報に含まれる所定のエリアに何らかの通知をしてもよい。
【0069】
〔ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る情報提供装置10や端末装置100は、例えば
図5に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報提供装置10を例に挙げて説明する。
図5は、情報提供装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM(Read Only Memory)1300、HDD(Hard Disk Drive)1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0070】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を記憶する。
【0071】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(
図2に示したネットワークNに対応)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網500を介して他の機器へ送信する。
【0072】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0073】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に記憶されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0074】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報提供装置10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部40の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部30内のデータが記憶される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信網500を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0075】
〔その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0076】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、
図2に示した判定部43と出力部44とは統合されてもよい。また、例えば、記憶部30に記憶される情報は、ネットワークNを介して、外部に備えられた記憶装置に記憶されてもよい。
【0077】
また、例えば、上記実施形態では、情報提供装置10が、利用者の利用態様を学習する学習処理と、学習モデルを用いて判定する判定処理とを行う例を示した。しかし、上述した情報提供装置10は、学習処理を行う学習装置と、判定処理を行う判定装置とに分離されてもよい。この場合、学習装置は、学習部41を少なくとも有する。判定装置は、取得部42と判定部43と出力部44とを少なくとも有する。また、実施形態に係る情報提供装置10による処理は、学習装置と、判定装置といった各装置を含む情報提供システム1によって実現される。
【0078】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0079】
〔効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報提供装置10は、判定部43と、出力部44とを有する。判定部43は、利用者による所定の移動体の利用を検知した場合は、当該利用者による移動体の利用履歴が有する傾向に基づいて、当該所定の移動体の利用が利用者によるものか否かを判定する。出力部44は、所定の移動体の利用が利用者によるものではないと判定された場合は、利用者の確認を要請する通知を出力する。
【0080】
このように、実施形態に係る情報提供装置10は、利用者による移動体の利用履歴が有する傾向を用いて所定の移動体の利用が利用者によるものでないと判定された場合に、利用者の確認を要請する通知を出力する。これにより、情報提供装置10は、移動体を利用するために用いられる例えばパスの不正利用を防ぐことができる。また、情報提供装置10は、移動体を利用する度に利用者の詳細な認証をしないので、認証の手間を省くことができる。すなわち、情報提供装置10は、利用者の適切な利用を図ることができる。
【0081】
また、実施形態に係る情報提供装置10の判定部43は、利用者が過去に移動体を利用した際の利用態様の特徴と、利用者による所定の移動体の利用における利用態様の特徴とが類似しない場合は、所定の移動体の利用が利用者によるものではないと判定する。
【0082】
このように、情報提供装置10は、利用者判定に利用態様の履歴の特徴を用いることで、利用態様のパターンに類似していない利用が利用者によるものではないと判定できる。この結果、情報提供装置10は、利用者の適切な利用を図ることができる。
【0083】
また、実施形態に係る情報提供装置10の判定部43は、利用者が過去に移動体を利用した際の乗車位置と、利用者による所定の移動体の利用における乗車位置とが類似しない場合は、所定の移動体の利用が利用者によるものではないと判定する。
【0084】
このように、情報提供装置10は、利用者判定に乗車位置の特徴を用いることで、利用態様としての乗車位置のパターンに類似していない利用が利用者によるものではないと判定できる。この結果、情報提供装置10は、利用者の適切な利用を図ることができる。
【0085】
また、実施形態に係る情報提供装置10の判定部43は、利用者が過去に移動体を利用した際の降車位置と、利用者による所定の移動体の利用における降車位置とが類似しない場合は、所定の移動体の利用が利用者によるものではないと判定する。
【0086】
このように、情報提供装置10は、利用者判定に降車位置の特徴を用いることで、利用態様としての降車位置のパターンに類似していない利用が利用者によるものではないと判定できる。この結果、情報提供装置10は、利用者の適切な利用を図ることができる。
【0087】
また、実施形態に係る情報提供装置10の判定部43は、利用者が過去に利用した移動体の移動する経路と、所定の移動体が移動する経路とが類似しない場合は、所定の移動体の利用が利用者によるものではないと判定する。
【0088】
このように、情報提供装置10は、利用者判定に移動体が移動する経路の特徴を用いることで、移動態様としての経路のパターンに類似していない利用が利用者によるものではないと判定できる。この結果、情報提供装置10は、利用者の適切な利用を図ることができる。
【0089】
また、実施形態に係る情報提供装置10の判定部43は、利用者が過去に利用した移動体の種別と、所定の移動体の種別とが類似しない場合は、所定の移動体の利用が利用者によるものではないと判定する。
【0090】
このように、情報提供装置10は、利用者判定に移動体の種別を用いることで、移動体の種別が通常と違う利用が利用者によるものではないと判定できる。この結果、情報提供装置10は、利用者の適切な利用を図ることができる。
【0091】
また、実施形態に係る情報提供装置10の判定部43は、利用者が過去に移動体を利用した際の時間帯と、利用者が所定の移動体を利用する際の時間帯とが類似しない場合は、所定の移動体の利用が利用者によるものではないと判定する。
【0092】
このように、情報提供装置10は、利用者判定に移動体を利用する際の時間帯を用いることで、移動態様としての時間帯のパターンに類似していない利用が利用者によるものではないと判定できる。この結果、情報提供装置10は、利用者の適切な利用を図ることができる。
【0093】
また、実施形態に係る情報提供装置10の判定部43は、利用者が過去に移動体を利用した際の利用態様の特徴と、利用者による所定の移動体の利用における利用態様の特徴との非類似性を示すスコアを算出し、算出したスコアが所定の閾値を超える場合は、所定の移動体の利用が利用者によるものではないと判定する。
【0094】
このように、情報提供装置10は、利用者判定に、利用態様の履歴の特徴と、利用者による所定の移動体の利用における利用態様の特徴との非類似性を示すスコアを用いる。これにより、情報提供装置10は、非類似性を示すスコアが閾値より大きい利用が利用者によるものではないと判定できる。この結果、情報提供装置10は、利用者の適切な利用を図ることができる。
【0095】
また、実施形態に係る情報提供装置10の判定部43は、利用者が過去に移動体を利用した際の利用態様を入力した際に、当該移動体の前記利用者によるものである旨を示す情報を出力するように学習が行われたモデルを用いて、利用者による所定の移動体の利用態様から、所定の移動体の利用が利用者によるものか否かを判定する。
【0096】
このように、情報提供装置10は、利用者判定に学習モデルを用いることで、所定の移動体の利用が利用者によるものではないと予測できる。この結果、情報提供装置10は、利用者の適切な利用を図ることができる。
【0097】
また、実施形態に係る情報提供装置10の判定部43は、サブスクリプション形式で料金が発生する移動体について、所定の移動体の利用が利用者によるものか否かを判定する。
【0098】
これにより、情報提供装置10は、サブスクリプションに登録していない利用者の不正な利用を抑制することができる。
【0099】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0100】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」等に読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0101】
1 情報提供システム
10 情報提供装置
20 通信部
30 記憶部
31 利用履歴記憶部
40 制御部
41 学習部
42 取得部
43 判定部
44 出力部
100 端末装置