(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】調光可能なパルス駆動されるLEDライトストリングの健全性状態を判断するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H05B 45/50 20220101AFI20221024BHJP
【FI】
H05B45/50
(21)【出願番号】P 2019539792
(86)(22)【出願日】2018-01-23
(86)【国際出願番号】 EP2018051497
(87)【国際公開番号】W WO2018134422
(87)【国際公開日】2018-07-26
【審査請求日】2021-01-20
(32)【優先日】2017-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】スモラ パウル
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-059839(JP,A)
【文献】特開2011-044367(JP,A)
【文献】実開平03-110797(JP,U)
【文献】特開2006-276343(JP,A)
【文献】特開2016-162598(JP,A)
【文献】特開2015-079566(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
45/00-45/58
47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラデバイス、LEDライトストリング及び該LEDライトストリングのパルス電流ドライバを含む回路であって、電源に接続される回路と、
前記回路を通る電流を測定する電流センサと、
前記回路のオン又はオフのパルス電流状態を決定する検出デバイスであって、該検出デバイスは、前記コントローラデバイスから、前記LEDライトストリング
から照射される光の強度に基づいて前記回路を流れていることが期待される期待電流を受け、前記期待電流は、前記オンのパルス電流状態に関連し、該検出デバイスは、前記回路が前記オンのパルス電流状態にある間に前記電流センサから電流測定値を受け、該検出デバイスは、前記回路がオンのパルス電流状態にある場合の前記期待電流と前記電流測定値との比較を判断し、該検出デバイスは、前記比較に基づいて前記回路の健全性
についての出力を生成する、検出デバイスと
を含む、システム。
【請求項2】
前記オン又はオフのパルス電流状態は、前記コントローラデバイスからの制御信号に基づいて決定され、前記制御信号は、前記期待電流が前記回路を流れることを可能にするように前記パルス電流ドライバに指示する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記電流は、電流センサからの測定信号に基づいて決定される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記測定信号は、アナログ電圧及びデジタル読み出しのうちの一方である、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記期待電流は、調整可能電圧回路を使用して調整される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記調整可能電圧回路は、マイクロコントローラのデジタルアナログコンバータ出力を利用する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記期待電流は、
前記強度のために前記LEDライトストリングを流れるのに必要とされる最小電流及びある範囲の電流のうちの一方である、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記
LEDライトストリングは、少なくとも1つの照明コンポーネントを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
コントローラデバイス、LEDライトストリング及び該LEDライトストリングのパルス電流ドライバを含む回路がオン又はオフのパルス電流状態にあるステップと、
前記コントローラデバイスから、前記LEDライトストリング
から照射される光の強度に基づいて前記回路を流れていることが期待される期待電流を受けるステップであって、前記期待電流は、前記オンのパルス電流状態に関連する、ステップと、
前記回路が前記オンのパルス電流状態にある間に前記回路を通る電流を測定するステップと、
前記回路がオンのパルス電流状態にある場合の前記期待電流と前記電流との比較を判断するステップと、
前記比較に基づいて前記回路の健全性
についての出力を生成するステップと
を含む、方法。
【請求項10】
前記オン又はオフのパルス電流状態は、前記コントローラデバイスからの制御信号に基づいて決定され、前記制御信号は、前記期待電流が前記回路を流れることを可能にするように前記パルス電流ドライバに指示する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記電流は、電流センサからの測定信号に基づいて決定される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記測定信号は、アナログ電圧及びデジタル読み出しのうちの一方である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記期待電流は、調整可能電圧回路を使用して調整される、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記調整可能電圧回路は、マイクロコントローラのデジタルアナログコンバータ出力を利用する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記期待電流は、
前記強度のために前記LEDライトストリングを流れるのに必要とされる最小電流及びある範囲の電流のうちの一方である、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
照明構成(lighting arrangement)は、1つ以上のライトストリング(light string)のアレイを含む場合がある。
【背景技術】
【0002】
各ライトストリングは、発光ダイオード(LED)等の1つ以上のライト(light)を含んでもよい。ライトストリングのアレイは、特定の形状又はデザインが達成され得るように所定の様式で配置されてもよい。斯くして、電流がライトストリングを流される場合、ライトストリングの各ライトは、照射されるように給電される。ライトストリングは調光可能であってもよい。すなわち、照明構成は、ライトストリングが完全に照射される、部分的に照射される、又は照射されないよう給電されるように、ライトストリングに電流が供給される態様を制御するコントローラを利用してもよい。このようにして、ライトストリングのアレイの形状又はデザインは、動きを模したデザインのシーケンスが示される等、動的であってもよい。
【0003】
照明構成は、ライトストリングのうちのいずれかが動作していない、又は望ましくないレベルで動作しているのを自動的に識別するために健全性インジケータ(health indicator)を備えるよう構成されてもよい。当業者には理解されるように、単一のライトストリング内の1つのライトが意図したように動作していない場合でさえ、デザイン全体が所望のように見えない場合がある。ライトストリングが常時照射されている場合、健全性インジケータは、ライトストリングが常時照射されていることに関連するパラメータが監視される簡易判定(simple determination)を利用してもよい。パラメータのうちの1つが期待値を表していない場合、健全性インジケータは、警告を生成してもよい。
【0004】
多くの照明システムは、周期的又は断続的に電力を供給することによって、LEDをオン及びオフにパルス駆動する。フリッカ率が人間のフリッカ融合閾値(flicker fusion threshold)より大きく、LEDが目に対して静止している限り、LEDは、常時点灯されているように見える。パルスのオン/オフ比を変えることは、パルス幅変調として知られている。
【0005】
パルス幅変調(PWM)は、高品質のLED照明のための好ましい調光技術として採用されてきた。PWMは、各LEDに送られる平均電力を制御するために使用される、信号のデューティサイクルを変調するプロセスである。PWMトレインのオンサイクル中、LEDは、相関色温度(CCT)が所定のパラメータ内であるように、推奨順方向電圧/順方向電流動作点で給電される。デューティサイクル(PWMトレインの信号周期に対するパルス幅の比)は、平均電流、したがって、知覚される光度を決定する。例えば、10%のデューティサイクルの間、信号は、各サイクルのごく短時間だけ論理ハイレベル又は「オン」状態にあるが、90%のデューティサイクルの場合、信号の周期のほとんどが、論理ハイレベル又は「オン」状態に費やされる。信号の周波数が十分速い場合、目に見えるフリッカはなく、LEDの明るさは信号のデューティサイクルに比例する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、動的な電流引き込み(dynamic current draw)を有するパルス駆動されるLED(pulsed LED)を使用する調光可能なライトストリングの場合、健全性インジケータは、ライトストリングが常時照射されている場合のような簡易判定動作を利用することができない。既存のシステムにおいて、センシング回路は、設計電流の偽変動(spurious variation)に非常に敏感である。斯くして、健全性インジケータは、フォールスポジティブ(false positive)又はフォールスネガティブ(false negative)等、ライトストリングの健全性(health)について誤った値を出力する場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
例示的な実施形態は、LEDライトストリング及びライトストリングのパルス電流ドライバを含む回路であって、電源に接続されている回路と、回路を通る電流を測定する電流センサと、回路のオン又はオフのパルス電流状態を決定する検出デバイスであって、該検出デバイスは、回路を流れていることが期待される期待電流を決定し、期待電流は、オン又はオフのパルス電流状態に関連し、該検出デバイスは、回路がオン又はオフのパルス電流状態にある間にパルス電流センサから電流測定値を受け、該検出デバイスは、回路がオンのパルス電流状態にある場合の期待電流と前記電流測定値との比較を判断し、該検出デバイスは、前記比較に基づいて回路の健全性状態(health status)を示す出力を生成する、検出デバイスとを含む、システムに関する。
【0008】
本発明は、健全性状態又はバイナリ健全性インジケータの曖昧さを排除し、LEDストリング又はパルス電流ドライバが何らかのタイプの完全又は部分的故障に遭遇し、照明コントローラによって要求される照明レベルをもはや提供していないという正確な判断を提供する。これは、LED駆動回路を流れる電流を直接検出することによるが、ストリング内のLEDが、システムによってオンのパルス電流状態に制御され、測定が行われる時点で電流を導通しているべきであることを保証した後にのみ行われる。
【0009】
例示的な実施形態は、第1の信号及び第2の信号を受けるコンパレータであって、第1の信号は、回路を通る電流測定値を示し、第2の信号は、電流測定が行われる時点で回路を流れていることが期待される電流を示し、該コンパレータは、第1の信号と第2の信号との比較を判断し、該コンパレータは、前記比較に基づいて出力を生成する、コンパレータと、第2の信号を受け、第1の状態にあるラッチであって、該ラッチはさらに、前記出力を受け、該ラッチは、前記出力が第1の信号と第2の信号との不一致(disparity)を示す場合に第1の状態から第2の状態へと変化する、ラッチとを含むデバイスに関する。
【0010】
例示的な実施形態は、LEDライトストリング及びLEDライトストリングのパルス電流ドライバを含む回路の状態を決定するステップと、回路を流れていることが期待される期待電流を決定するステップであって、期待電流は、オン又はオフのパルス電流状態に関連する、ステップと、回路がオン又はオフのパルス電流状態にある間に回路を通る電流を測定するステップと、回路がオンのパルス電流状態にある場の期待電流と前記電流との比較を判断するステップと、前記比較に基づいて回路の健全性状態を示す出力を生成するステップとを含む、方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】例示的な実施形態による
図1のシステムの実装形態を示す。
【
図3】例示的な実施形態によるライトストリングの健全性状態を判断するための方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
例示的な実施形態が、以下の説明及び関連する添付の図面を参照してさらに理解され得る。図面において、同様の要素には同じ参照番号が与えられている。例示的な実施形態は、調光可能なLEDライトストリング(以下、ライトストリング)の健全性状態を判断するためのデバイス、システム及び方法に関する。調光可能なライトストリングは、ライトストリングを監視している監視又は検出デバイスによって感知される電流も動的であり得るように、異なる時間及び/又は異なる強度における照明のために異なる量の電流で動的に給電されてもよい。例示的な実施形態は、ライトストリング又はライトストリングのパルスドライバの完全な又は部分的な故障が識別される正確な判断を提供するメカニズムを提供する。以下でさらに詳細に述べられるように、例示的な実施形態のメカニズムは、ライトストリングが特定の状態(例えば、オン又はオフのパルス電流状態又は照明強度)にあることを保証した後にのみ、ライトストリングを通る電流を検知してもよい。
【0013】
調光可能なライトストリングの健全性状態を判断するにあたり、電流等のファクタを測定するタイミングは、ライトストリング及び/又はライトストリングを制御するドライバが期待される又は所定のレベルで機能しているかどうかを正しく識別するために重要である。例えば、電流が、ライトストリングが減光されている間に測定されるが、健全性状態が判断される基準電流は、ライトストリングがオンのパルス電流状態にある又は完全に照射されていることに基づく場合、斯かるシナリオは、健全性インジケータが、ライトストリングが正常に機能しているにもかかわらず、ライトストリングの健全性が悪いと示すことをもたらし得る。
【0014】
例示的な実施形態は、ライトストリング及び/又はライトストリングのパルスドライバの健全性状態を正確に判断する健全性インジケータを提供する。以下でさらに詳細に述べられるように、健全性状態は、健全性インジケータの出力が良好な健全性(good health)のインディケーション(例えば、YES)又は不良な健全性(poor health)のインディケーション(例えば、NO)のいずれかであるバイナリであってもよい。例示的な実施形態は、ライトストリング及び/又は関連するパルスドライバが、起こり得る任意の数の故障のために設計ルールに従ってもはや機能していないという非常に正確な判断を行うために健全性インジケータのフィルタリングに関連する機能を組み込んでもよい。具体的に、例示的な実施形態は、ライトストリングが、期待強度(expected intensity)におけるアクティブにされた、照明状態にあり、期待電流を導通していることを確実にする。ライトストリングがいずれかの状態にある場合に、電流測定が行われてもよい。電流測定値は、選択された状態(しかしながら、とりわけ、電流が、LEDライトストリング内を、例えば、パルス電流ドライバのオン/オフパルスコントローラのオン状態において流れているべき場合)に対する基準電流値と比較されてもよく、これは、適切な出力を生成するために、例示的な実施形態による健全性インジケータによって使用されてもよい。
【0015】
図1は、例示的な実施形態によるシステム100を示す。システム100は、調光可能なライトを使用して1つ以上のデザインを照らすのに使用される照明構成に関する。斯くして、システム100は、電源105、ライトストリング110、パルス電流ドライバデバイス(pulsed current driver device)115及びコントローラデバイス125を含んでもよい。システム100はまた、照明構成の健全性状態を判断してもよい。斯くして、システム100はまた、電流センサデバイス120及び検出デバイス130を含んでもよい。
【0016】
最初に、
図1のシステム100に示されるコンポーネント間の接続は例示的なものにすぎないことに留意されたい。システム100は、コンポーネント間のさらなる接続を含んでもよく、又はコンポーネント間の異なる接続の組が利用され得るように異なる様式で構成されてもよい。例えば、パルス電流ドライバデバイス115は、電源105とライトストリング110との間に位置付けられてもよい。
【0017】
電源105は、ライトストリング110に電流を供給する任意の電源であってもよい。例えば、ライトストリング110は、電源105のアウトレットに接続するアダプタを含んでもよい。接続されると、電源105は、ライトストリング110に電流を供給してもよい。具体的に、接続が確立されている限り、安定した又は静的なレートの電流が、電源105から供給されてもよい。別の例では、電源105は、電流を供給するバッテリ又は一連のバッテリであってもよい。
【0018】
ライトストリング110は、1つ以上のライト含む任意のストリングであってもよい。ライトストリング110が複数のライトを含む場合、それらライトは、直列に構成されてもよい。斯くして、ライトは、ライトストリング110の第1の端部に供給される電流がライトストリング110内の各ライトに給電するためにストリング全体を流されるように、互いに接続されてもよい。直列のライトの構成は例示的なものにすぎないことに留意されたい。並列に構成される例示的な実施形態が、ライトストリング110のために利用されてもよい。ライトストリング110の1つ以上のライトも、任意のタイプのものであってもよい。例えば、ライトは、フィラメント電球、発光ダイオード(LED)等であってもよい。
【0019】
上記のように、例示的な実施形態は、ライトストリング110が調光可能であるように構成される場合に関してもよい。斯くして、ライトストリング110内の各ライト及び(2つ以上のライトがライトストリング110に含まれる場合)ライト間の接続は、ライトストリング110が電源105に接続されながら、ライトが完全に照射される、部分的に照射される、又は給電されないように構成されてもよい。電源105はライトストリング110に一定のレートの電流を供給するので、システム100は、調光機能を利用するためにライトストリング110に供給される電流量を制御するコンポーネントを利用してもよい。
【0020】
パルス電流ドライバデバイス115は、電源105からライトストリング110を流れる電流を制御するよう構成されてもよい。具体的に、パルス電流ドライバデバイス115は、ライトストリング110に供給されるべき電流量を示す入力を受けてもよい。この入力に基づいて、パルス電流ドライバデバイス115は、示された電流がライトストリング110に提供されるような動作又は設定を利用してもよい。パルス電流ドライバデバイス115は、ライトストリング110に供給されるべき異なる電流を示すさらなる入力を受けるまで、示された電流を供給し続けてもよい。
【0021】
コントローラデバイス125は、ライトストリング110がいつ給電されるべきかを決定する、及びライトストリング110が照射されるべき強度を決定するよう構成されてもよい。したがって、コントローラデバイス125は、所望の強度を達成するためにライトストリング110に供給されるべき電流量を制御するためにパルス電流ドライバデバイス115に入力信号を供給するコンポーネントであってもよい。コントローラデバイス125は、ライトストリング110の強度がどのように制御されるべきかのスケジュールで予めプログラムされてもよい。例えば、スケジュールは、ライトストリング110が第1の期間に第1の強度で照射される(例えば、完全に照射される)べきであり、その後、第2の期間に第2の強度で照射される(例えば、50%で照射される)べきであり、第3の期間に給電されるべきではないことを示してもよく、これを繰り返してもよい。このスケジュールは例示的なものにすぎず、コントローラデバイス125は任意のスケジュールを含むか又は受けてもよいことに留意されたい。斯くして、コントローラデバイス125はまた、所望のスケジュールのユーザ入力を受けるよう構成されてもよい。
【0022】
電流センサデバイス120は、ライトストリング110を通って流れる及び/又はパルス電流ドライバデバイス115によって出力される及び/又は電源105によって生成される電流を測定するよう構成されてもよい。この説明の残りの部分を通して、電流センサデバイス120は、ライトストリング110の電流を測定するものとして述べられるが、この測定は、上述の測定のうちの任意のものを包含してもよいことを理解されたい。具体的に、電流センサデバイス120は、ライトストリング110を流れる電流(例えば、交流又は直流)を検出するコンポーネントであってもよい。当業者であれば、インライン型電流センサ、誘導型電流センサ等、任意のタイプの電流センサが使用されてもよいことが理解されよう。電流測定は、ライトストリング110自体又はライトストリング110の個別のライトに関するものであってもよい。電流センサデバイス120は、測定された電流に対応する信号を出力してもよい。信号は、アナログ電圧、デジタル読み出し(digital readout)等であってもよい。電流センサデバイス120はまた、コントローラデバイス125のためのフィードバックを生成するよう構成されてもよい。具体的に、特定の時点における電流測定値が、コントローラデバイス125に転送されてもよい。
【0023】
検出デバイス130は、電流センサデバイス120及びコントローラデバイス125から受ける入力に基づいてライトストリング110の健全性状態を判断するよう構成されてもよい。具体的に、検出デバイス130は、電流センサデバイス120からの電流測定値と、コントローラデバイス125からのライトストリング110の期待強度(expected intensity)とを受けてもよい。コントローラデバイス125から受けるライトストリング110の期待強度は、強度に対応する任意のフォーマットであってもよいことに留意されたい。一例では、フォーマットは、コントローラデバイス125から検出デバイス130に転送される強度に関連する期待電流(expected current)であってもよい。別の例では、コントローラデバイス125は、デジタルアナログ(D/A)出力を介して、所望の強度に対応するアナログ電圧を出力してもよい。さらなる例では、コントローラデバイス125は、所望の強度(例えば、0、1、2、3、4等)に関連する数等のデジタル出力を出力してもよく、検出デバイス130は、当該数を電流値へ対応付ける表を有してもよい。これらの入力に基づいて、検出デバイス130は、とりわけ(電流センサデバイス120からの信号に基づく)電流測定値と、(コントローラデバイス125からの信号に基づく)期待電流との間に存在する可能性がある不一致(disparity)から、ライトストリング110の健全性状態を判断してもよい。
【0024】
図2は、例示的な実施形態による
図1のシステム100の実装形態200を示す。実装形態200は、システム100が回路コンポーネントを備える例示的な実施形態に関する。例えば、パルス電流ドライバデバイス115、電流センサデバイス120、コントローラデバイス125及び検出デバイス130が各々回路コンポーネントであってもよい。したがって、
図2の実装形態200は、回路図の概略を表してもよい。実装形態200は、ライトストリング110の強度の選択された期待状態(expected state)、及び実際の電流測定値と比較される関連期待電流を利用して、ライトストリング110及びパルス電流ドライバデバイス115の健全性状態を判断してもよい。
【0025】
実装形態200は、交換されるべき信号のためにコンポーネントが互いに相互接続される任意の回路実装形態であってもよい。これらのコンポーネントは、1つ以上の集積回路上、1つ以上のプリント回路基板上に含まれてもよく、又は必要に応じて個別に実装されてもよい。この例示的な実装形態200では、コントローラデバイス125は、信号を生成して、スケジュールに基づいて(出力235として)パルス電流ドライバデバイス115に、フィルタ205に、及び閾値信号220として送信するよう構成されてもよい。コントローラデバイス125によって出力されるこの信号は、所望のライトストリング110の強度に関連する電流及び/又は強度を使用する継続時間を示してもよい。電流センサデバイス120は、ライトストリング110内の電流を測定する、及び電流測定信号(例えば、アナログ電流値)を生成するよう構成されてもよい。検出デバイス130は、健全性状態をバイナリ出力として判断し、バイナリ出力に対応する信号を生成するためのコンパレータ225を含むように構成されてもよい。バイナリ出力は、出力信号を解釈し、対応する表示を生成するさらなる電子デバイス等のさらなるコンポーネントによって受けられてもよい。斯くして、
図2において、検出デバイス130は、コンパレータ225及びラッチ210を含むものとして示されている。しかしながら、検出デバイス130は、
図2に示されていない追加のコンポーネントを含んでもよく、
図2に示されているコンポーネント(例えば、フィルタ205)さえ含んでもよい。さらに、ラッチ210は、検出デバイス130の一部ではない別個のコンポーネントと見なされてもよい。
【0026】
図2に示されるように、電流測定値215は、ライトストリング110によって引き出されている電流の測定値である、電流センサデバイス120から受ける第1の信号である。上述のように、電流測定値215は、電圧としてコンパレータ225に入力されてもよい。閾値信号220は、回路の期待状態に対する期待電流であるコントローラデバイス125から受ける第2の信号であってもよい。例示目的のために、閾値信号220は、期待電流、斯くして所定の値に対応する。上述のように、閾値信号220は、閾値信号220が調整可能であり、電圧として出力されることを可能にする、コントローラデバイス125又は他のマイクロコントローラのデジタル/アナログ(D/A)コンバータ出力等の調整可能電圧回路によって制御されてもよい。その後、コンパレータ225は、電流測定値215及び閾値信号220に対応する電圧信号を比較してもよい。
【0027】
コンパレータ225は、電流センサデバイス120から電流測定値215を連続的に受けてもよい。しかしながら、ライトストリング110を通る電流を連続的に監視することは必要条件ではないことに留意されたい。コントローラデバイス125は、ライトストリング110を通る電流を制御する信号をパルス電流ドライバデバイス115に送信してもよい。コントローラデバイス125からの信号はまた、残りの動作が正しい時間に実行されることを確実にするために遅延を提供するためのフィルタ205(例えば、ローパスフィルタ)に通されてもよい。具体的に、フィルタ205は、電流測定値215が閾値信号220に対応する場合(例えば、電流がパルス電流ドライバデバイス115を介して流れているはずである場合)にのみコンパレータ225からの出力がサンプリングされることを確実にするためにコントローラデバイス125とラッチ210との間の制御信号の経路上に配置されてもよい。
【0028】
コンパレータ225からの出力は、フィルタ205を通る制御信号が有効である場合にのみ、ラッチ210に供給されてもよい。例えば、フィルタ205を通る制御信号から導出されるクロック信号が利用されてもよい。上述のように、コンパレータ225は、電流測定値215を閾値信号220に対して比較してもよい。一例では、閾値信号220は、電流測定値215によって満たされてもよい、ある範囲を備えてもよい。別の例では、閾値信号220は、所望の強度のためにライトストリング110を流れるのに必要とされる最小電流であってもよい。斯くして、ラッチ210によって受けられる信号から、ライトストリング110を通って流れる電流についての電流測定値215が閾値信号220よりも小さい(又は所望の範囲外である)場合、ラッチ210の出力230は、完全又は部分的な故障が発生していて、ライトストリング110を通る電流が閾値信号220によって示されるような所望の電流に対応しないことを示すために状態を変えてもよい。しかしながら、電流測定値215が閾値を上回るか、又は閾値信号220の範囲内にある場合、ラッチ210の出力230は、ライトストリング110が許容可能なパラメータ内で動作していることを示すために維持されてもよい。
【0029】
ラッチ210からの出力230は、バイナリ出力であってもよい。具体的に、ラッチ210への信号がラッチ210の状態の変化を引き起こさない場合、出力230は、第1の値であってもよい。第1の値は、良好な健全性インジケータ(例えば、「0」又は「YES」)を示してもよい。したがって、さらなる電子コンポーネントが第1の値を受ける場合、ライトストリング110及びパルス電流ドライバデバイス115が適切に動作していることを示すためにグラフィック表現が生成されてもよい。しかしながら、ラッチ210への信号がラッチ210の状態の変化を引き起こす場合、出力230は、第2の値であってもよい。第2の値は、不良の健全性インジケータ(例えば、「1」)を示してもよい。したがって、さらなる電子コンポーネントが第2の値を受ける場合、ライトストリング110及びパルス電流ドライバデバイス115が適切に動作していないことを示すためにグラフィック表現又は警告が生成されてもよい。実際、複数のライトストリングが存在する場合、さらなる電子コンポーネントは、複数の実装形態200からの出力230を受けてもよい。さらなる電子コンポーネントは、各ライトストリングについてのアイデンティティを決定し、各々の健全性状態について報告してもよい。
【0030】
実装形態200の信号及び出力のより詳細な説明では、システム100は、電流センサデバイス120からの第1の信号及びコントローラデバイス125からの第2の信号を利用してもよい。上記のように、第1の信号は、ライトストリング110を流れる電流の電流測定値である、電流センサデバイス120からのものであってもよい。第2の信号は、所望の強度を達成するためにライトストリング110を流れる電流量を制御するためのパルス電流ドライバデバイス115の設定のインディケーションである、コントローラデバイス125からのものであってもよい。それぞれの信号を生成するにあたり、システム100の構成は、電流センサデバイス120及びコントローラデバイス125からの信号が、必要なコンポーネントに転送されることを可能にしてもよい。具体的に、第1の信号は、電流測定値215としてコンパレータ225に渡されてもよい。 第2の信号は、閾値信号220としてフィルタ205及びコンパレータ225に渡されてもよい。
【0031】
電流センサデバイス120は、電源105、ライトストリング110及びパルス電流ドライバデバイス115を含む回路に接続されてもよい。斯くして、回路への接続は、上述のように、電流センサデバイス120が回路の電流測定値を取れるように、電流センサデバイス120への入力経路を提供してもよい。電流センサデバイス120が測定値を取る頻度は、電流センサデバイス120の構成に基づいて変わってもよい。電流センサデバイス120は、回路の電流測定値を連続的に取ってもよい。斯くして、第1の例では、電流センサデバイス120は、電流測定値215を示す第1の信号を連続的に生成してもよい。第2の例では、電流センサデバイス120は、電流の変化が検出されるたびに電流測定値215を示す第1の信号を生成してもよい。第3の例では、電流センサデバイス120は、所定の時間間隔(例えば、一定時間間隔、動的時間間隔、周期的時間間隔等)で第1の信号を生成してもよい。
【0032】
ライトストリング110全体を流れる全体的な電流値を測定するためにライトストリング110の端部において単一の電流センサデバイス120を使用することは、単なる例示であることに留意されたい。例示の目的のために、電流センサデバイス120は、この様式で述べられる。しかしながら、例示的な実施形態は、複数の電流センサデバイス120又は様々な別々の場所(例えば、パルス電流ドライバデバイス115の出力、電源105の出力等)に配置される1つ以上の電流センサデバイス120が使用されるように修正されてもよい。
【0033】
第1の信号が生成されると、電流センサデバイス120は、システム100の構成に基づいて第1の信号を送信してもよい。図示のように、電流センサデバイス120はまた、コントローラデバイス125及び検出デバイス130(例えば、コンパレータ225)の両方に接続されている。斯くして、コントローラデバイス125及び検出デバイス130への接続は、第1の信号がこれらのコンポーネントの両方に送信されるように電流センサデバイス120のための出力経路を提供してもよい。構成的には、実装形態200に基づいて、第1の信号は、コンパレータ225に渡されてもよく、必ずしもコントローラデバイス125に渡されなくてもよい。
【0034】
上述したように、コントローラデバイス125は、例えば、スケジュールを利用して、ライトストリング110がいつ給電されるべきかを決定する及びライトストリング110が照射されるべき強度を決定するよう構成されてもよい。斯くして、パルス電流ドライバデバイス115への接続は、回路を流れているべきである電流又は強度を示す第2の信号のための第1の出力経路を提供してもよい。電流センサデバイス120と実質的に同様の様式で、コントローラデバイス125は、様々な異なる時点で第2の信号を生成してもよい。最初に、コントローラデバイス125は、ライトストリング110の強度を決定するためにスケジュールを連続的に監視してもよい。斯くして、第1の例では、コントローラデバイス125は、ライトストリング110に使用されるべき強度を示す第2の信号を連続的に生成してもよい。第2の例では、コントローラデバイス125は、強度に対する変更がスケジュールに示されるたびに使用されるべき強度を示す第2の信号を生成してもよい。具体的に、スケジュールは、時間期間及び各期間期間のそれぞれの強度を定義してもよい。時間の経過を追跡することによって、コントローラデバイス125は、ライトストリング110のためのスケジュール内のポイントを決定し、対応する強度を識別してもよい。強度に対する変更が直前の強度設定から生じるべきである場合に、コントローラデバイス125は、第2の信号を生成してもよい。第3の例では、コントローラデバイス125は、強度の変化が起こるべき時点に加えて又は該時点を含む所定の時間間隔で(例えば、一定時間間隔、動的時間間隔、周期的時間間隔等)で第2の信号を生成してもよい。
【0035】
第2の信号が生成されると、コントローラデバイス125は、システム100の構成に基づいて第2の信号を送信してもよい。既に上述したように、コントローラデバイス125は、パルス電流ドライバデバイス115に接続されている。斯くして、第2の信号は、パルス電流ドライバデバイス115がライトストリング110のための電流を設定し得るように、パルス電流ドライバデバイス115に送信されてもよい。コントローラデバイス125は、検出デバイス130にも接続されている。斯くして、第2の信号はまた、検出デバイス130(例えば、コンパレータ225及びフィルタ205)に供給されてもよい。
【0036】
上述のように、電流センサデバイス120とコントローラデバイス125との間の接続は、コントローラデバイス125によって受けられるべき第1の信号のための入力経路を提供してもよい。第1の信号は、フィードバック信号であってもよい。具体的に、コントローラデバイス125は、電流測定値を受けて、回路を流れている電流を決定してもよい。第1の信号の情報を使用して、コントローラデバイス125は、より高い又はより低い電流を有する照明の強度の変化が(例えば、スケジュールに基づいて)使用されるべきである場合に、第2の信号が生成され送信されるべきであるかどうかを決定してもよい。
【0037】
上述のように、検出デバイス130は、コントローラデバイス125からの閾値信号220の入力からのライトストリング110の期待状態を利用してもよい。具体的に、ライトストリング110の期待状態は、ライトストリング110によって使用されるべき所望の強度、又はライトストリング110に流されることが意図された電流に関連してもよい。ライトストリング110は調光可能であり、任意の数の強度を利用し得るので、第2の信号は、ライトストリング110に流されるべきであることが意図された電流を決定するために受けられてもよい。このようにして、期待状態は、ライトストリング110の健全性状態を判断するための第1の考慮事項(consideration)として使用されてもよい。検出デバイスはまた、ライトストリング110の健全性状態を判断してもよい。第1の考慮事項のために閾値信号220として期待状態を受けることによって、ライトストリング110を流れるべきである期待電流が決定されてもよい。具体的に、コンパレータ225は、2つの入力(電流測定値215及び閾値信号220)が(ラッチ310に渡される)1つの出力を生成するために不一致を判断するよう比較される、比較演算を実行してもよい。
【0038】
第1の例示的な実施形態によれば、実装形態200は、コンパレータ225に対する入力として任意の閾値信号220を利用してもよい。例えば、コントローラデバイス125からの閾値信号220は、ライトストリング110を流れているべきである電流に対応してもよい。斯くして、任意の期待状態及び任意の意図された強度(又は電流)が、コンパレータ225によって使用されてもよい。実装形態200は、比較機能の目的のためにコンパレータ225が電流測定値215及び閾値信号220の入力を受けるための適切なタイミングメカニズムを提供するので、コンパレータ325は、電流315を対応する正しい閾値320とのみ比較することを確実にされてもよい。
【0039】
第2の例示的な実施形態によれば、実装形態200は、特定の期待状態のみを利用してもよい。ライトストリング110が調光可能であり、様々な強度設定を利用している場合、実装形態200は、ライトストリング110が完全に照明されている最も高い電流又は最大強度を有する期待状態のみを利用してもよい。したがって、実装形態200は、コントローラデバイス125からの第2の信号に基づく期待状態が選択された期待状態であるかどうかを判断してもよい。このようにして、単一の期待電流が、コンパレータ225によって使用されてもよい。最も高い電流に関連付けられる選択された期待状態は単なる例示であることに留意されたい。すなわち、コンパレータ225は、より低い電流又は強度を有する異なる選択された期待状態を利用してもよい。しかしながら、最も高い電流に関連付けられる選択された期待状態は、正しいこと、又はフォールスポジティブを生成する可能性を最小限にすることの最も高い可能性を有する健全性状態の判断を提供するであろう。
【0040】
閾値信号220はバッファを用いて設定されてもよく、又はコンパレータ225は期待電流と電流測定値との間の比較機能のためにバッファを利用してもよいことに留意されたい。例えば、期待電流は、単一の値として計算されてもよいが、ある範囲として利用されてもよい。ライトストリング110及びパルス電流ドライバデバイス115が実世界の用途で利用される場合、最適ではない条件を作り出す外部要因がある場合がある。したがって、実装形態200は、そのような条件を組み込み、期待電流を所定の範囲(例えば、期待電流から+/-のある設定量の電流)に拡張してもよい。斯くして、実装形態200が、電流測定値が期待電流に関連付けられる範囲内にあると判断する場合に、実装形態200は、ライトストリング110及びパルス電流ドライバデバイス115が良好な健全性状態を有すると判断してもよい。しかしながら、実装形態200が、電流測定値が期待電流に関連付けられる範囲外にあると判断する場合、実装形態200は、ライトストリング110及びパルス電流ドライバ115の少なくとも一方が不良の健全性状態を有すると判断してもよい。
【0041】
上記のように、期待状態は、特には最大電流/強度が使用される、選択された期待状態であってもよい。実装形態200がその機能を実行する方法に鑑みて、最大電流に関連付けられる選択された期待状態は、実際のところ、ライトストリング110及びパルス電流ドライバデバイス115の健全性状態を適切に判断する最も高い可能性を提供するであろう。具体的に、ライトストリング110及び/又はパルス電流ドライバデバイス115は、回路を潜在的に流れ得る電流量が最大電流のあるパーセンテージにすぎない(例えば、50%)ように、準最適に動作しているかもしれない。実装形態200が、期待電流が最大電流の50%以下である場合の期待状態を使用する場合又は比較機能が実行されることになっている場合、実装形態200は、ライトストリング110及びパルス電流ドライバデバイス115が良好な健全性状態であると判断するかもしれない。すなわち、フォールスポジティブの結果が判定されるかもしれない。選択された期待状態又は比較が、状態が最大電流に関連付けられる選択された期待状態である場合にのみ実行されることになっている場合、フォールスポジティブの結果を生成する可能性は、最小化又は実質的に排除される。しかしながら、最大電流の使用は単に例示的なものであることに再び留意されたい。具体的に、実装形態200が、比較機能がコンパレータ225の入力のペアに対して実行されることを確実にするためにタイミングメカニズムを利用する場合、対応する入力電流315を有する任意の閾値信号220が、コンパレータ225によって使用されてもよい。
【0042】
上述の実装形態200は、システム100が一組の回路コンポーネントであることに関連する。しかしながら、システム100はまた、他の様々な方法で実装されてもよい。例えば、システム100は、とりわけ、決定された健全性状態が、ライトストリング110及び電流センサデバイス120間の誤動作をさらに識別するため、ライトストリング110内のライトを識別するため、又は適切に動作していないライトストリング110のセクションを識別するために使用されてもよい場合、より複雑なコンポーネントを含んでもよい。システム100の別の例示的な実施形態では、検出デバイス130は、システム100の他のコンポーネントが接続される計算コンポーネントであってもよい。例えば、検出デバイス130は、電流センサデバイス120及びコントローラデバイス125に接続される電子デバイスであってもよい。検出デバイス130は、ライトストリング110が適切に動作しているか、又はライトストリング110を照射する経路に沿った少なくとも1つのコンポーネントが適切に動作していないかを示す出力を生成してもよい。斯かる実施形態では、検出デバイス130は、プロセッサ、メモリ構成、トランシーバ及び他のコンポーネントを含んでもよい。
【0043】
比較機能を実行するにあたり、プロセッサは、ライトストリング110の期待状態を決定する設定アプリケーションを利用するよう構成されてもよい。プロセッサはまた、ライトストリング110の健全性状態を判断する比較アプリケーションを利用してもよい。したがって、設定アプリケーション及び比較アプリケーションの機能は、実装形態200について上述した機能に対応してもよい。しかしながら、検出デバイス130はより複雑な動作を利用してもよいので、この例示的な実施形態は、エンハンスドフィーチャを組み込んでもよい。例えば、2つ以上の電流センサデバイス120がライトストリング110と共に利用される場合、任意の比較からの出力が、コンポーネントの健全性状態を識別するために使用されてもよい。特定の例では、ライトストリング110の中間点に第1の電流センサデバイス120があり、ライトストリング110の端部に第2の電流センサ120がある場合、第1の電流センサデバイス120で測定される電流からの比較は、ライトストリング110の前半についての健全性状態を示してもよく、第2の電流センサデバイス120で測定される電流からの比較は、ライトストリング110の後半についての健全性状態を示してもよい。検出デバイス130は、比較に使用される電流が正しい閾値に対応することを確実にするために複雑なタイミングメカニズムを利用してもよい。検出デバイス130はまた、スケジュールを追跡すること、及び回路コンポーネントを介しては不可能であり得る他の動作を組み合わせることによって、任意の閾値を正確に利用してもよい。
【0044】
プロセッサによって実行されるアプリケーション(例えばプログラム)として述べられる設定アプリケーション及び比較アプリケーションは例示的なものにすぎないことに留意されたい。アプリケーションに関連する機能は、1つ以上の多機能プログラムのコンポーネント、検出デバイスの別個の組み込まれたコンポーネントとして表されてもよく、又は検出デバイスに結合されるモジュールコンポーネント、例えば、ファームウェア付き又はなしの集積回路であってもよい。
【0045】
図3は、例示的な実施形態によるライトストリング110の健全性状態を判断するための方法300を示す。具体的に、方法300は、ライトストリング110の状態が先ず決定されて、その後ライトストリング110の健全性状態を判断するのに使用される適切な時点において対応する電流測定値を利用する例示的な実施形態のメカニズムに関する。方法300は、システム100のコンポーネントが回路ユニットである実装形態200の観点から述べられる。方法300はまた、
図1のシステム100に関して述べられる。
【0046】
ステップ305において、コントローラデバイス125は、ライトストリング110の状態を決定する。具体的に、コントローラデバイス125は、ライトストリング110が照射されるスケジュールに基づいてライトストリング110の状態を決定してもよい。斯くして、ライトストリング110の状態は、コントローラデバイス125からの指示に基づいて決定されてもよい。具体的に、第2の信号は、照明されるべきライトストリング110のある強度を達成するために、パルス電流ドライバデバイス115に、第2の信号に対応する電流がライトストリング110を流れることを可能にするように指示するので、上記の指示は、ライトストリング110を流れていることが期待される最小電流値又は電流値のある範囲であってもよい閾値測定値220に対応してもよい。コントローラデバイス125は、パルス電流ドライバデバイス115に、ライトストリング110を様々な異なる強度で照射するように指示してもよい。例えば、ライトストリング110は、給電されなくてもよく(例えば、電流がライトストリング110を流れない)、完全に照射されてもよく(例えば、最大電流がライトストリング110を流れる)、又は部分的に照射されてもよい(例えば、最大電流の非ゼロ部分(non-zero portion)がライトストリング110を流れる)。したがって、ライトストリングの状態は、ライトストリング110を流れていることが期待される状態又は電流に対応してもよい。すなわち、状態は、コンパレータ325への入力である閾値220に対応してもよい。
【0047】
ステップ310において、コンパレータ225は、電流測定値を受けてもよい。具体的に、電流センサデバイス120からの第1の信号が、受けられてもよい。ある実施形態では、(例えば、クロック信号が有効である)選択された期待状態が決定されるまで、電流測定値215は継続的に監視されてもよい。選択された期待状態が決定される場合、この決定がなされる場合に対応する電流測定値215が使用されてもよい。
【0048】
ステップ315において、コンパレータ225は、電流測定値215を閾値測定値220と比較する。上述のように、閾値測定値220は、ライトストリング110が選択された期待状態にあると期待される場合を示す最小電流又はある電流範囲であってもよい。電流測定値215が受けられるタイミングは、ライトストリング110が選択された期待状態にあると期待されるタイミングに対応するので、比較機能は、正確に実行されてもよい。
【0049】
ステップ320において、コンパレータ225は、電流測定値215と閾値測定値220との間に不一致があるかどうかを判定する。上述のように、閾値測定値220は、特異値でなくてもよく、最小値又はある範囲として1つ以上の値を包含してもよい。斯くして、検出デバイス130は、電流測定値215が閾値測定値220に関連付けられた許容値外である場合、不一致が存在する場合であると決定してもよい。
【0050】
不一致がない場合、実装形態200は、方法300を、良好な健全性インジケータが生成されるステップ325に継続してもよい。具体的に、出力230は、ライトストリング110及びパルス電流ドライバデバイス115を含む回路が期待通りに動作しているか否かが決定される、バイナリ健全性インジケータであってもよい。ある実施形態では、実装形態200は、同じ出力230を使用することによって良好な健全性インジケータを示すために既存の状態のままであるラッチ210を利用してもよい。しかしながら、不一致がある場合、実装形態200は、方法300を、不良の健全性インジケータが生成されるステップ330に継続してもよい。ある実施形態では、ラッチ210は、出力230を更新することによって不良の健全性インジケータを示すために状態を変更してもよい。
【0051】
上述の方法300は、任意の閾値320が正しいタイミングの電流測定値315と比較するために利用されることに関する。しかしながら、方法300が選択された閾値320(例えば、最大電流/強度)のみを使用するものであった場合には、方法300は、さらなるステップを含んでもよい。例えば、ステップ305の後、方法300は、ライトストリング110が選択された期待状態にあるかどうかを判断してもよい。上述のように、実装形態200は、選択された期待状態を利用してもよい。例えば、選択された期待状態は、パルス電流ドライバデバイス115がコントローラデバイス125からの第2の信号によって最大電流又は最大強度でライトストリング110を照射するように指示される場合であってもよい。選択された期待状態は、それと関連する期待電流を有してもよい。ライトストリング110の状態が選択された期待状態に対応しない場合、実装200は、ライトストリング110の状態を監視し続けてもよい。しかしながら、ライトストリング110の状態が選択された期待状態に対応する場合、実装形態200は、検出デバイス130の比較機能が実行され得るように方法300を継続してもよい。例えば、(フィルタ205によってフィルタリングされた後の)コントローラデバイス125からの第2の信号は、状態が選択された期待状態である場合にのみ有効であるクロック信号であってもよい。
【0052】
例示的な実施形態は、ライトストリング及びパルス電流ドライバデバイスを含む回路についての健全性インジケータを生成するデバイス、システム及び方法を提供する。健全性インジケータは、回路が期待通りに動作しているかどうか、又は回路内の少なくとも1つのコンポーネントが部分的又は完全に故障しているかどうかを示すバイナリ健全性インジケータであってもよい。健全性インジケータは、回路の期待状態を決定し、期待状態に対する期待電流を識別し、回路を通る電流を測定し、電流測定値を期待電流と比較することによって生成されてもよい。電流測定値が正しい時点で取られるタイミングを確実にすることによって、比較における不一致は、回路の部分的な又は全体的な故障を示してもよい。
【0053】
当業者は、上述の例示的な実施形態が任意の適切なソフトウェア若しくはハードウェア構成、又はそれらの組み合わせで実施され得ることを理解するだろう。さらなる例では、上述の方法の例示的な実施形態は、プロセッサ又はマイクロプロセッサ上で実行され得るコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコードの行を含むコンピュータプログラムとして具現化され得る。記憶媒体は、例えば、任意の記憶動作を使用する上記のオペレーティングシステムとの使用に互換性のある又はフォーマットされたローカル又はリモートのデータリポジトリであってもよい。
【0054】
本開示の精神又は範囲から逸脱することなく、本開示に様々な修正を加えることができることは当業者には明らかであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内にある限り、本開示の修正形態及び変形形態を網羅することを意図している。