(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】データ集約構成を更新し、データ集約を制御するためのコンピュータシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20120101AFI20221024BHJP
【FI】
G06Q50/06
(21)【出願番号】P 2019568669
(86)(22)【出願日】2018-06-13
(86)【国際出願番号】 US2018037234
(87)【国際公開番号】W WO2018231917
(87)【国際公開日】2018-12-20
【審査請求日】2021-01-27
(32)【優先日】2017-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502303739
【氏名又は名称】オラクル・インターナショナル・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル,ブライアン
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0227754(US,A1)
【文献】特開2014-203219(JP,A)
【文献】特開2015-062102(JP,A)
【文献】特表2015-529926(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0083989(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
H02J 3/00- 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータの少なくともプロセッサによって実行されると前記コンピュータに動作を行なわせる命令を備える、プログラムであって、前記動作は、
少なくとも前記プロセッサが、エネルギー供給ネットワークの図形表現でノードの階層を生成して表示することを備え、前記ノードは、エネルギー消費データを格納しており、前記エネルギー消費データの集約がどこで実行されるべきかを識別するために選択可能であり、前記動作はさらに、
少なくとも前記プロセッサが、前記階層における前記ノードについての前記エネルギー消費データの特性を含むデータベースを維持することと、
少なくとも前記プロセッサが、前記階層から識別された複数のノードからのデータに少なくとも基づいて前記エネルギー消費データの集約を定義するための決済点を作成することとを備え、作成された前記決済点は、(i)前記データベースから選択された1つ以上の特性と、(ii)実行されるべき前記集約を定義するアルゴリズムとを含み、前記動作はさらに、
少なくとも前記プロセッサが、前記決済点に含まれる前記特性の各々についての値を受信することと、
少なくとも前記プロセッサが、前記決済点に従って前記エネルギー消費データの前記集約を実行して制御することと、
少なくとも前記プロセッサが、集約された前記エネルギー消費データを含む電子報告を生成することとを備え
、
前記動作は、さらに、
少なくとも前記プロセッサが、以前の使用期間中の前記決済点についての以前の集約結果が、前記エネルギー消費データの前記集約に基づいて、少なくとも定義されたしきい値だけ変化すると予測することと、
予測の結果、前記決済点に関連付けられた前記アルゴリズムの改訂を開始することとを備える、プログラム。
【請求項2】
前記命令は、少なくとも前記プロセッサによって実行されると、前記コンピュータに、前記アルゴリズムの改訂後、前記以前の使用期間中の前記エネルギー消費データを再集約することを行なわせる、請求項
1に記載のプログラム。
【請求項3】
少なくとも前記プロセッサによって実行されると、前記コンピュータに、前記エネルギー消費データの前記集約を複数の異なる時間に繰り返すことを行なわせる命令をさらに備える、請求項1
または2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記命令は、少なくとも前記プロセッサによって実行されると、前記コンピュータに、ドラッグ・アンド・ドロップ入力動作に応答して前記ノードを前記階層内で図形的に移動可能にすることを行なわせる、請求項1~
3のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
少なくとも前記プロセッサによって実行されると、前記コンピュータに、
少なくとも前記プロセッサが、前記エネルギー供給ネットワークの新しい特性を認識することと、
前記新しい特性の認識に応答して、前記新しい特性をその後決済点に含めるために前記新しい特性を含むように前記データベースを更新することとを行なわせる命令をさらに備える、請求項1~
4のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
コンピューティングシステムであって、
コンピュータ読取可能媒体を含む少なくとも1つのメモリに接続された、少なくとも1つのプロセッサと、
前記メモリ上に格納され、命令を含む、階層モジュールとを備え、前記命令は、少なくとも前記プロセッサによって実行されると、プロセッサに、エネルギー供給ネットワークの図形表現でノードの階層を生成して表示することを行なわせ、前記ノードは、エネルギー消費データを格納しており、前記エネルギー消費データの集約がどこで実行されるべきかを識別するために選択可能であり、前記コンピューティングシステムはさらに、
前記メモリ上に格納され、前記階層における前記ノードについての前記エネルギー消費データの特性を含む、データベースと、
前記メモリ上に格納され、命令を含む、決済モジュールとを備え、前記命令は、少なくとも前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、前記階層から識別された複数のノードからのデータに少なくとも基づいて前記エネルギー消費データの集約を定義するための決済点を作成することを行なわせ、作成された前記決済点は、(i)前記データベースから選択された1つ以上の特性と、(ii)実行されるべき前記集約を定義するアルゴリズムとを含み、前記コンピューティングシステムはさらに、
前記決済点に含まれる前記特性の各々についての値を受信する、レシーバと、
前記メモリ上に格納され、命令を含む、アグリゲータモジュールとを備え、前記命令は、少なくとも前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、前記決済点に従って前記エネルギー消費データの集約を実行して制御することを行なわせ、前記コンピューティングシステムはさらに、
前記メモリ上に格納され、命令を含む、報告モジュールを備え、前記命令は、少なくとも前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、集約された前記エネルギー消費データを含む電子報告を生成することを行なわせ
、
前記メモリ上に格納され、命令を含む、ルールエンジンをさらに備え、前記命令は、少なくとも前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
以前の使用期間中の前記決済点についての以前の集約結果が、前記エネルギー消費データの前記集約に基づいて、少なくとも定義されたしきい値だけ変化すると予測することと、
予測の結果、前記決済点に関連付けられた前記アルゴリズムの改訂を開始することとを行なわせる、コンピューティングシステム。
【請求項7】
前記ルールエンジンは、少なくとも前記プロセッサによって実行されると、前記アグリゲータモジュールに、前記アルゴリズムの改訂後、前記以前の使用期間中の前記エネルギー消費データの再集約を開始することを行なわせるように構成された命令を含む、請求項
6に記載のコンピューティングシステム。
【請求項8】
前記階層モジュールは、少なくとも前記プロセッサによって実行されると、コンピュータに、ドラッグ・アンド・ドロップ入力動作に応答して前記ノードを前記階層内で図形的に移動可能にすることを行なわせる命令を含む、請求項
6または7に記載のコンピューティングシステム。
【請求項9】
前記メモリ上に格納され、命令を含む、ルールエンジンをさらに備え、前記命令は、少なくとも前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
少なくとも前記プロセッサが前記エネルギー供給ネットワークの新しい特性を認識することと、
前記新しい特性の認識に応答して、前記新しい特性をその後決済点に含めるために前記新しい特性を含むように前記データベースの更新を開始することとを行なわせる、請求項
6~
8のいずれか1項に記載のコンピューティングシステム。
【請求項10】
コンピュータが実施する方法であって、前記方法は、
エネルギー供給ネットワークの図形表現でノードの階層を生成して表示するステップを備え、ノードの前記階層に含まれるノードは、エネルギー消費データを格納しており、前記エネルギー消費データの集約がどこで実行されるべきかを識別するために選択可能であり、前記方法はさらに、
前記ノードについての前記エネルギー消費データの特性を含むデータベースを維持するステップと、
前記階層から識別された複数のノードからのデータに少なくとも基づいて前記エネルギー消費データの集約を定義するための決済点を作成するステップとを備え、作成された前記決済点は、(i)前記データベースから選択された1つ以上の特性と、(ii)実行されるべき前記集約を定義するアルゴリズムとを含み、前記方法はさらに、
前記決済点に含まれる所望の前記特性の各々についての値を受信するステップと、
前記決済点に従って前記エネルギー消費データの前記集約を実行して制御するステップと、
集約された前記エネルギー消費データを含む電子報告を生成するステップと
、
以前の使用期間中の前記決済点についての以前の集約結果が、前記エネルギー消費データの前記集約に基づいて、少なくとも定義されたしきい値だけ変化すると予測するステップと、
予測の結果、前記決済点に関連付けられた前記アルゴリズムの改訂を開始するステップとを備える、コンピュータが実施する方法。
【請求項11】
前記アルゴリズムの改訂後、前記以前の使用期間中の前記エネルギー消費データを再集約するステップをさらに備える、請求項
10に記載のコンピュータが実施する方法。
【請求項12】
ドラッグ・アンド・ドロップ入力動作に応答して前記ノードを前記階層内で図形的に移動可能にするステップをさらに備える、請求項
10または11に記載のコンピュータが実施する方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
個々のエネルギー市場は、市場参加者が自分の市場義務を満たすために市場に定期的に提出しなければならない情報に関し、市場参加者のための市場特有のルールを定義する。市場特有のルールは、複雑で頻繁に変わる傾向がある。業界市場参加者は、市場参加者によって提供される仕様そのものに従って開発されたカスタムソフトウェアシステムである、いわゆる「特注システム」を使用してきた。しかしながら、特注システムは、個々の市場参加者の市場特有の要件に具体的に対処し、システムが開発された時点で効力がある市場特有のルールを反映する。特注システムがカスタム開発された際にもととなった市場特有のルールおよび/またはネットワーク構成のいかなる変化も、それらの特注システムを陳腐化する。
【0002】
民生(Commercial Off-the-Shelf:COTS)データ管理ソリューションは、効力がある市場特有のルールのために業界市場参加者によって構成可能であり、COTSソリューションがインストールされた時点で確立される。特注システムと同様に、市場特有のルールおよび/またはネットワークの各変化は、インストールされたCOTSソリューションの時間がかかるカスタム更新が実行され得るまで、COTSソリューションを時代遅れにする。そのようなカスタム更新は、COTSソリューションのコードの手動編集を通して実行され、それにより、市場特有のルールの変化および/またはネットワークの変化を反映するための更新を労働集約的にして遅くする。したがって、COTSソリューションは、時代遅れの市場特有のルールおよびネットワーク構成に基づくこの陳腐化の期間中、データを取込み、集約し、処理する際に不正確になりがちである。このため、そのようなCOTSソリューションは、市場特有のルールが頻繁に変わる、エネルギー市場などの市場で使用するのに好適ではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
概要
一実施形態では、非一時的コンピュータ読取可能媒体は、コンピュータシステムの少なくともプロセッサによって実行可能なコンピュータ実行可能命令を格納する。少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、コンピュータ実行可能命令はコンピュータに動作を行なわせ、動作は、少なくともプロセッサが、エネルギー供給ネットワークの図形表現でノードの階層を生成して表示することを含み、ノードは、エネルギー消費データを格納しており、エネルギー消費データの集約がどこで実行されるべきかを識別するために選択可能であり、動作はさらに、少なくともプロセッサが、階層におけるノードについてのエネルギー消費データの特性を含むデータベースを維持することと、少なくともプロセッサが、階層から識別された複数のノードからのデータに少なくとも基づいてエネルギー消費データの集約を定義するための決済点(settlement point)を作成することとを含み、作成された決済点は、(i)データベースから選択された1つ以上の特性と、(ii)実行されるべき集約を定義するアルゴリズムとを含み、動作はさらに、少なくともプロセッサが、決済点に含まれる特性の各々についての値を受信することと、少なくともプロセッサが、決済点に従ってエネルギー消費データの集約を実行して制御することと、少なくともプロセッサが、集約されたエネルギー消費データを含む電子報告を生成することとを含む。
【0004】
別の実施形態によれば、命令の実行はさらに、コンピュータシステムに、少なくともプロセッサが、以前の使用期間中の決済点についての以前の集約結果が、エネルギー消費データの集約に基づいて、少なくとも定義されたしきい値だけ変化すると予測することと、予測の結果、決済点に関連付けられたアルゴリズムの改訂を開始することとを行なわせる。
【0005】
別の実施形態によれば、命令の実行はさらに、コンピュータシステムに、アルゴリズムの改訂後、以前の使用期間中のエネルギー消費データを再集約することを行なわせる。
【0006】
別の実施形態によれば、命令の実行はさらに、コンピュータシステムに、コンピュータネットワークを通して電子報告を複数の異なる宛先へ送信することを行なわせ、異なる宛先は、(i)市場報告端末と、(ii)内部記憶デバイスとを含む。
【0007】
別の実施形態によれば、命令の実行はさらに、コンピュータシステムに、エネルギー消費データの集約を複数の異なる時間に繰り返すことを行なわせる。
【0008】
別の実施形態によれば、命令の実行はさらに、コンピュータシステムに、ドラッグ・アンド・ドロップ入力動作に応答してノードを階層内で図形的に移動可能にすることを行なわせる。
【0009】
別の実施形態によれば、命令の実行はさらに、コンピュータシステムに、少なくともプロセッサが、エネルギー供給ネットワークの新しい特性を認識することと、新しい特性の認識に応答して、新しい特性をその後決済点に含めるために新しい特性を含むようにデータベースを更新することとを行なわせる。
【0010】
別の実施形態によれば、コンピューティングシステムは、非一時的コンピュータ読取可能媒体を含む少なくとも1つのメモリに接続された、少なくとも1つのプロセッサと、メモリ上に格納され、命令を含む、階層モジュールとを含み、命令は、少なくともプロセッサによって実行されると、プロセッサに、エネルギー供給ネットワークの図形表現でノードの階層を生成して表示することを行なわせ、ノードは、エネルギー消費データを格納しており、エネルギー消費データの集約がどこで実行されるべきかを識別するために選択可能であり、コンピューティングシステムはさらに、メモリ上に格納され、階層におけるノードについてのエネルギー消費データの特性を含む、データベースと、メモリ上に格納され、命令を含む、決済モジュールとを含み、命令は、少なくともプロセッサによって実行されると、プロセッサに、階層から識別された複数のノードからのデータに少なくとも基づいてエネルギー消費データの集約を定義するための決済点を作成することを行なわせ、作成された決済点は、(i)データベースから選択された1つ以上の特性と、(ii)実行されるべき集約を定義するアルゴリズムとを含み、コンピューティングシステムはさらに、決済点に含まれる特性の各々についての値を受信する、レシーバと、メモリ上に格納され、命令を含む、アグリゲータモジュールとを含み、命令は、少なくともプロセッサによって実行されると、プロセッサに、決済点に従ってエネルギー消費データの集約を実行して制御することを行なわせ、コンピューティングシステムはさらに、メモリ上に格納され、命令を含む、報告モジュールを含み、命令は、少なくともプロセッサによって実行されると、プロセッサに、集約されたエネルギー消費データを含む電子報告を生成することを行なわせる。
【0011】
別の実施形態によれば、コンピューティングシステムはまた、メモリ上に格納され、命令を含む、ルールエンジンを含み、命令は、少なくともプロセッサによって実行されると、プロセッサに、以前の使用期間中の決済点についての以前の集約結果が、エネルギー消費データの集約に基づいて、少なくとも定義されたしきい値だけ変化すると予測することと、予測の結果、決済点に関連付けられたアルゴリズムの改訂を開始することとを行なわせる。
【0012】
別の実施形態によれば、ルールエンジンは、少なくともプロセッサによって実行されると、アグリゲータモジュールに、アルゴリズムの改訂後、以前の使用期間中のエネルギー消費データの再集約を開始することを行なわせるように構成された命令を含む。
【0013】
別の実施形態によれば、報告モジュールはさらに、少なくともプロセッサによって実行されると、プロセッサに、コンピュータネットワークを通して電子報告を複数の異なる宛先へ送信することを行なわせる命令を含み、異なる宛先は、(i)市場報告端末と、(ii)内部記憶デバイスとを含む。
【0014】
別の実施形態によれば、アグリゲータモジュールはさらに、少なくともプロセッサによって実行されると、プロセッサに、エネルギー消費データの集約を複数の異なる時間に繰り返すことを行なわせる命令を含む。
【0015】
別の実施形態によれば、階層モジュールは、少なくともプロセッサによって実行されると、コンピュータに、ドラッグ・アンド・ドロップ入力動作に応答してノードを階層内で図形的に移動可能にすることを行なわせる命令を含む。
【0016】
別の実施形態によれば、コンピューティングシステムはまた、メモリ上に格納され、命令を含む、ルールエンジンを含み、命令は、少なくともプロセッサによって実行されると、プロセッサに、少なくともプロセッサがエネルギー供給ネットワークの新しい特性を認識することと、新しい特性の認識に応答して、新しい特性をその後決済点に含めるために新しい特性を含むようにデータベースの更新を開始することとを行なわせる。
【0017】
別の実施形態によれば、コンピュータにより実現される方法は、エネルギー供給ネットワークの図形表現でノードの階層を生成して表示するステップを備え、ノードの階層に含まれるノードは、エネルギー消費データを格納しており、エネルギー消費データの集約がどこで実行されるべきかを識別するために選択可能であり、方法はさらに、ノードについてのエネルギー消費データの特性を含むデータベースを維持するステップと、階層から識別された複数のノードからのデータに少なくとも基づいてエネルギー消費データの集約を定義するための決済点を作成するステップとを備え、作成された決済点は、(i)データベースから選択された1つ以上の特性と、(ii)実行されるべき集約を定義するアルゴリズムとを含み、方法はさらに、決済点に含まれる所望の特性の各々についての値を受信するステップと、決済点に従ってエネルギー消費データの集約を実行して制御するステップと、集約されたエネルギー消費データを含む電子報告を生成するステップとを備える。
【0018】
別の実施形態によれば、方法はさらに、以前の使用期間中の決済点についての以前の集約結果が、エネルギー消費データの集約に基づいて、少なくとも定義されたしきい値だけ変化すると予測するステップと、予測の結果、決済点に関連付けられたアルゴリズムの改訂を開始するステップとを含む。
【0019】
別の実施形態によれば、方法はさらに、アルゴリズムの改訂後、以前の使用期間中のエネルギー消費データを再集約するステップを含む。
【0020】
別の実施形態によれば、方法はさらに、コンピュータネットワークを通して電子報告を複数の異なる宛先へ送信するステップを含み、異なる宛先は、(i)市場報告端末と、(ii)内部記憶デバイスとを含む。
【0021】
別の実施形態によれば、方法はさらに、エネルギー消費データの集約を複数の異なる時間に繰り返すステップを含む。
【0022】
別の実施形態によれば、方法はさらに、ドラッグ・アンド・ドロップ入力動作に応答してノードを階層内で図形的に移動可能にするステップを含む。
【0023】
図面の簡単な説明
明細書において援用され、その一部を構成する添付図面は、この開示のさまざまなシステム、方法、および他の実施形態を例示する。図面における図示された要素境界(たとえば、ボックス、ボックスのグループ、または他の形状)は境界の一実施形態を表わすということが理解されるであろう。いくつかの実施形態では、1つの要素が複数の要素として実現されてもよく、または、複数の要素が1つの要素として実現されてもよい。いくつかの実施形態では、別の要素の内部構成要素として示された要素が外部構成要素として実現されてもよく、逆もまた同様である。さらに、要素は縮尺通りに図示されていない場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】集約階層においてノードによって表わされるエネルギー分布ネットワークの一実施形態を概略的に示す図である。
【
図2A】集約階層に配置されたノード間の関係を示す図である。
【
図2B】エネルギー消費データを集約するための集約階層の例示的一例を示す図である。
【
図2C】実行されるべきエネルギー消費データ集約を定義する決済点にリンクされたリーフノードを含む、
図2Bにおける集約階層の実施形態を示す図である。
【
図3】複数のノードのための決済点を作成するためのエネルギー消費特性および集約アルゴリズムを選択するためのグラフィカルユーザインターフェイスの一実施形態を示す図である。
【
図4】測定単位ごとに値を得るために別個の測定成分が提供される、複数の測定成分と通信する決済点の一実施形態を示す図である。
【
図5】エネルギー消費データを集約するためのプロセスの一実施形態を示すフロー図である。
【
図6】エネルギー消費データの集約を制御するように構成され得るコンピュータを図形表示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
詳細な説明
データセットに対してデータ集約を実行するように構成され、データ集約は、入力選択を用いてデータ集約のパラメータを変更することによって動的に修正可能である、コンピュータ化されたシステムおよび方法が、ここに説明される。一実施形態では、システムは、決済タイプ、集約階層、および決済特性を利用して、市場決済のための動的データ集約を可能にするように構成される。システム内でモデル化された消費データは、消費データ、測定コンポーネント、決済/サービス点、もしくは、任意の他の物理的または商業的配送点に適用される、予め定義された、ならびに/もしくはユーザによって定義されたデータ特性またはタグを介して、ユーザによって定義された集約階層および決済タイプにおいて定義された市場または顧客特有の集約ルールに従って動的に集約される。
【0026】
個々のエネルギー市場は、市場参加者が市場義務を満たすために市場に定期的に提出しなければならない情報に関し、市場参加者のための市場特有のルールを定義する。市場特有のルールは、複雑で頻繁に変わる傾向がある。さらに、市場によって定義されたデータ処理要件に(同一ではないにせよ)非常に類似しているデータ集約要件が、ユーティリティ特有の(内部)データ処理のために存在する。双方の場合、このソリューションは、基礎的データ(および物理的/商業的データモデル化エンティティ)に、予め定義された情報(一般的情報)とユーザによって定義された情報(具体的情報)とをタグ付けする方法を提供する。本ソリューションはまた、ユーザが一般的構成インターフェイスを使用して複数の「集約階層」を構成することを可能にし、集約階層は、基礎的データを適切に集約するために実行されるデータ集約および処理ルールを含む。集約階層において定義されるようなデータ集約および処理ルールがどのエンティティに適用されるべきかを定義する「決済タイプ」も、集約処理を実行すべきスケジュールと、データ集約および処理出力に適用されるべきあらゆる全体的処理ルールとともに、一般的構成インターフェイスを使用して構成され得る。一般的構成インターフェイスは、集約階層を構成するためのインターフェイスオブジェクトが個々の市場参加者に具体的に適合されていないという意味で、「一般的である」と考えられる。
【0027】
上述の事項を推進するために、例示的な実施形態は、エネルギー供給ネットワークの図形表現でノードの階層を生成して表示する。ノードは、図形表現内で互いに対してドラッグ・アンド・ドロップされて集約階層の迅速なカスタム化を可能にし、エネルギー消費データの集約に影響を与えるエネルギー供給ネットワークの変化、規制変化、市場変化、または任意の他の変化を反映して、市場義務、内部要求、またはそれらの組合せを満たすことができる。ノードの図形配置の結果、確立された集約階層の構造は、正規化形式で表わされる。階層の正規化形式は、標準化された命名法または用語法を使用して、集約階層における各ノードの位置を一意的に識別して定義する。
【0028】
以下に説明されるように、集約階層における1つ以上のノードでエネルギー消費データに対して実行されるべきデータ集約は、1つ以上の異なる決済点を作成して定義することによって動的に変更され得る。決済点は、決済点が複数の選択されたノードにリンクされ、選択されたノードについて実行されるべき集約を定義する、集約階層のために作成され得る。決済点はこのため、集約階層における2つ以上のノードでエネルギー消費データを集約するために利用され得る集約構築ブロックとして確立され得る。一実施形態では、そのような決済点は、ドラッグ・アンド・ドロップ、または、1つ以上のノードの選択などの別の図形入力プロトコルを通して、集約階層内のノードに図形的に位置付けられ、または図形的にリンクされて、集約されるべきエネルギー消費データが格納された、またはエネルギー消費データの集約が実行されるべき集約階層内でノードを定義することができる。一実施形態では、集約階層のための決済点の定義/構成は、正規化形式で表わされ得る。集約階層、エネルギー供給ネットワーク、規制ルール、市場ルール、内部データ需要、もしくは、本システムまたは方法の他の局面に変化が生じると、集約階層における各ノードおよび決済点の正規化表現は、本システムによってリアルタイムに更新され得る。そのような更新をリアルタイムに実行することは、エネルギー消費データの集約が最新のままであることを可能にし、それにより、集約階層の陳腐化に起因する誤った集約の可能性を制限する。どの選択されたデータがどのように集約されるかを改訂するように決済点の定義を修正することは、変化を実現するためにカスタムソフトウェアコードを再プログラムする必要性を減らし、またはなくす。
【0029】
図1を参照して、エネルギー供給ネットワーク内のエネルギー消費データを集約するためのシステム100の例示的な一実施形態が示される。本システム100は、電気エネルギーの消費データを集約するために詳細に説明されるであろう。しかし、本システム100は、天然ガスまたは水などの任意のユーティリティ、もしくは、課金が消費に基づく任意の他の消耗品についての消費データを集約するのに適しているということが理解されるべきである。
【0030】
例示されるように、システム100は階層モジュール105を含み、それは、一実施形態が
図6に示されるコンピューティングデバイス600などのコンピュータの一部として実現され得る。他の実施形態によれば、階層モジュール105、またはここに説明されるシステム100の他の局面は、実行可能なアプリケーションまたは分散アプリケーションの集合を含むコンピューティング/データ処理システムとして実現され得る。アプリケーションおよびコンピューティングシステムは、クラウドベースのネットワーキングシステム、ソフトウェア・アズ・ア・サービス(software-as-a-service:SaaS)アーキテクチャ、または他のタイプのネットワーク化コンピューティングソリューションを用いて動作するように構成されてもよく、もしくは、当該システム等として実現されてもよい。たとえば、システム100は、ここに開示された機能を少なくとも提供し、コンピュータネットワークを通して(サーバとして機能する)コンピューティングシステム100と通信するコンピューティングデバイス/端末を介して多くのユーザによってアクセスされる、集中型サーバ側アプリケーションとして実現され得る。
【0031】
採用される特定の構成に関係なく、階層モジュール105は、エネルギー供給ネットワークの図形表現でノードの集約階層200(たとえば
図2A)を生成して(ディスプレイスクリーン275上に)表示するように構成される。階層モジュール105は、ユーザによって入力された操作コマンドの受信に応答して、集約階層200におけるノードを、集約階層200内で選択可能および互いに対して移動可能であるようにする。たとえば、ユーザがノードを他のノードに対して選択された位置へドラッグ・アンド・ドロップすることによってノードを選択して動かすことに応答して、ノードは集約階層200内で挿入され、削除され、動かされ得る。
【0032】
一般的な集約階層200において作成されたノードの例示的な配置が、
図2Aに示される。一実施形態では、階層200は、ユーザーインターフェイスを介してノードを階層200における位置へドラッグ・アンド・ドロップすることによって作成され配置される。ノードは、たとえばツリー1などの少なくとも1つのツリーを形成するように、集約階層200に配置される。別の実施形態によれば、集約階層200はオプションで、ツリー1およびツリー2などの複数のツリーを含み得る。このため、ツリー1およびツリー2の双方が
図2Aの集約階層200に含まれているが、例示的な本実施形態では、集約階層200は、ツリー1のみ、ツリー2のみ、または、ツリー1およびツリー2の双方を含んでいてもよい。さらに他の実施形態は、3つ以上のツリーを含み得る。しかしながら、さまざまなノードの配置およびノード間の関係の説明を簡単にするために、
図2Aの集約階層200は、ツリー1およびツリー2を含むとして説明されるであろう。
【0033】
集約階層200に含まれるノードは、エネルギー供給ネットワーク、エネルギーが供給される地理的地域、エネルギーの供給源となる地理的地域、料金クラス、エネルギー顧客のクラス、または任意の他の選択された分類に含まれる構造的コンポーネントを表わし得る。各ツリーは、そのツリーにおけるノードの最上位分類を表わすルートノードを含む。たとえば、ツリー1では、ルート1がルートノードである。中間1および中間Nは、中間1および中間Nをルート1に接続する図形リンク205によって示されるように、ルート1に直接依存する中間ノード(たとえば子ノード)である。中間Nの「N」という文字は、任意の数の中間ノードが存在し得ることを示すために使用される。中間ノードである中間1および中間Nは、ルート1の構成要素の最上位クラスのサブクラスを表わす。
【0034】
また、ツリーにおいてルートノードに直接的または間接的に依存する中間ノードの複数の層が存在する場合がある。たとえば、複数の中間ノード(図示せず)が、
図2Aの中間1に依存するようにドラッグ・アンド・ドロップされ得る。そのようなノードは、中間1によって表わされる構成要素のサブクラスを表わし得る。
【0035】
ツリー1はまた、1つ以上のリーフノードであるリーフ1、リーフ2、リーフ3、…、リーフNを含み、ここでも、「N」という文字は、任意の数のリーフノードが存在し得ることを示すために使用される。リーフノードは、それらのそれぞれのルートノードに依存する枝に沿って最もかけ離れた、ツリーのノードである。リーフノードは中間ノードに依存し、当該リーフノードが依存する中間ノードの構成要素のサブクラスを表わし得る。
図2Aのツリー1を一例として使用すると、リーフ1およびリーフ2は、図形リンク210によって示されるように、中間ノードである中間1に依存するように配置される。図形リンク210はオプションで、中間1とリーフ1との間、および中間1とリーフ2との間に引かれて、表示される集約階層200に現われてもよい。集約階層に図形リンク210を含めることは、リーフノードであるリーフ1およびリーフ2と中間ノードである中間1との間の関係の明確な表示を提供する。
【0036】
集約階層200のツリー1では、少なくとも1つの中間ノードが、ルートノードであるルート1とリーフノードであるリーフ1、リーフ2、リーフ3、…、リーフNとの間に配置される。しかしながら、別の実施形態によれば、ツリーにおいてそれらのそれぞれのルートノードから最もかけ離れたリーフノードは、ルートノードに直接依存し得る。一例として、
図2Aの集約階層200のツリー2は、ルートノードであるルート2と、2つのリーフノードであるリーフ4およびリーフMを含む。リーフMは、オプションで複数である任意の数のリーフノードが、ルートノードであるルート2に直接依存し得ることを示す一般的表現である。この例によれば、リーフノードであるリーフ4およびリーフMは、ルート2の最上位構成要素のサブクラスを表わす。このため、ルートノードであるルート1およびルート2は、それらのそれぞれのツリーにおける構成要素の最上位分類である。リーフノードであるリーフ1、リーフ2、リーフ3、…、リーフNと、リーフノードであるリーフ4およびリーフMとは、それらのそれぞれのツリーにおいてルートノードから最もかけ離れた構成要素のサブクラスである。中間ノードである中間1は、集約階層200内で、ルートノードであるルート1とリーフノードであるリーフ1およびリーフ2との間に配置される。中間ノードである中間Nは、集約階層200内で、ルートノードであるルート1とリーフノードであるリーフ3およびリーフNとの間に配置される。
【0037】
集約階層200は、ドラッグ・アンド・ドロップ動作を介してツリー状に配置されたルートノードと中間ノードとリーフノードとの間の一般的な関係を示すために、
図2Aを参照して上述されている。エネルギー供給ネットワークについてのエネルギー消費データを集約するためのノードを含む特定の集約階層215の例示的一例が、
図2Bに示される。図示されるように、「工業用」という中間ノードが、MISOルートノードに依存するようにドラッグ・アンド・ドロップされる。MISOルートノードは、内陸部独立電力管理機構(Midcontinent Independent System Operator:MISO)などのエネルギー供給業者によって供給される市場を表わす。MISOルートノードと「工業用」という中間ノードとの間の関係は、工業用顧客クラスが、MISOルートノードによって表わされる顧客のサブクラスであることを示す。同様に、「商業用」という中間ノードが、MISOルートノードの下にドラッグ・アンド・ドロップされる。MISOルートノードと「商業用」という中間ノードとの間の関係は、商業用顧客クラスが、MISOルートノードによって表わされる顧客のサブクラスであることを示す。オプションのコネクタ220および225が、ノードの依存を明確にするために集約階層215に現われてもよい。
【0038】
図2Bのリーフノードl1およびl2を含む複数のリーフノードが、「工業用」という中間ノードに依存する。リーフノードl1は、電気エネルギーについての工業用料金クラスl1に該当する、「工業用」という中間ノードの構成要素のサブクラスを表わす。リーフノードl2は、電気エネルギーについての料金クラスl2に該当する、「工業用」という中間ノードの構成要素のサブクラスを表わす。新しい工業用料金クラスが作成されると、新しい工業用料金クラスリーフノードが、「工業用」という中間ノードに依存するように集約階層215にドラッグ・アンド・ドロップされ得る。同様に、リーフノードl1およびl2のうちの1つによって表わされる既存の料金クラスがなくなる場合、対応するリーフノードが集約階層215からドラッグオフされ、または他の態様で削除され得る。「工業用」という中間ノードからのリーフノードl1およびl2の依存をそれぞれ明示的に識別するために、図形リンク230および235がオプションで集約階層215に挿入され得る。
【0039】
図2BのリーフノードCS、CM、およびCLを含む複数のリーフノードが、「商業用」という中間ノードに依存する。リーフノードCS、CM、およびCLは、電気エネルギーについての商業用料金クラスCS、CM、およびCLにそれぞれ該当する、「商業用」という中間ノードの構成要素のサブクラスを表わす。新しい商業用料金クラスが作成されると、新しい商業用料金クラスリーフノードが、「商業用」という中間ノードに依存するように集約階層215にドラッグ・アンド・ドロップされ得る。同様に、リーフノードCS、CM、およびCLのうちの1つによって表わされる既存の料金クラスがなくなる場合、対応するリーフノードが集約階層215からドラッグオフされ、または他の態様で削除され得る。「商業用」という中間ノードからのリーフノードCS、CM、およびCLの依存をそれぞれ明示的に識別するために、図形リンク240、245、250がオプションで集約階層215に挿入され得る。MISOルートノードと、「工業用」および「商業用」という中間ノードと、リーフノードl1、l2、l3、CS、CMおよびCLとは集団で、
図2Bの例示的な集約階層215のツリー1を構成する。
【0040】
集約階層215におけるツリー1のMISOルートノードは、エネルギー供給業者MISOを表わすとして記載され、顧客クラスおよび料金クラスによって細分される。集約階層215のツリー2は、エネルギー供給ネットワークのハードウェアコンポーネントを表わす。変電所Aというルートノードは、エネルギー供給ネットワーク内の特定の変電所を表わす。中間ノードである給電線1および給電線2は、変電所Aというルートノードによって表わされる変電所から配電変圧器へ電力を導く異なる電圧電線を表わす。配電変圧器は、電力分配システムにおいて最終電圧変換を提供し、電圧電線によって導かれた電圧を、顧客によって使用されるレベルまで降圧する。給電線1という中間ノードによって表わされる電圧電線によって電気エネルギーが供給される配電変圧器は、リーフノードT1およびT2によって表わされる。給電線2という中間ノードによって表わされる電圧電線によって電気エネルギーが供給される配電変圧器は、リーフノードT3、T4、およびT5によって表わされる。
【0041】
図2Bの集約階層215に含まれる第3のツリーであるツリー3は、高い需要を補償するために補助エネルギーが導入され得るエネルギー供給ネットワークの出口点を表わすGXP1ルートノードを含む。GXP1ルートノードの構成要素は、グリッド出口点を介して補助電気エネルギーを受ける顧客、グリッド出口点によってサービスされる地理的地域、グリッド出口点を介して電力を供給するために利用されるハードウェアコンポーネント、または、グリッド出口点に関する任意の他のデータ点を含み得る。ツリー1およびツリー2とは異なり、ツリー3には中間ノードがない。代わりに、BPWESTリーフノードおよびBPNORTHリーフノードが、GXP1ルートノードに直接依存するように配置される。BPWESTリーフノードおよびBPNORTHリーフノードは、ツリー3においてGXP1ルートノードから最もかけ離れたノードであるため、中間ノードではなく、リーフノードである。BPWESTリーフノードは、電気エネルギーの供給と過剰需要とを均衡させるように補助電気エネルギーを西部地域へ供給する均衡点を表わす。同様に、BPNORTHリーフノードは、電気エネルギーの供給と過剰需要とを均衡させるように補助電気エネルギーを北部地域へ供給する均衡点を表わす。
【0042】
特定数のノードを各々含む特定数のツリーが集約階層215において示されるが、
図2Bの集約階層215の実施形態は単なる一例として使用される。本開示は、図面に示される集約階層215におけるツリーまたはノードの数および配置そのものに限定されない。集約階層215は、少なくとも複数のリーフノード、およびオプションで複数の中間ノードを各々含む、1つまたは複数のツリーを含み得る。以下のシステムおよびプロセスのさまざまな実施形態の説明は、集約階層215を参照して与えられるであろう。
【0043】
図1を再度参照して、システム100は決済モジュール110を含み、それも、
図6のコンピューティングデバイス600などのコンピュータの一部として実現され得る。決済モジュール110は、異なる決済点(
図2C:たとえばSP1、SP2、SP3…SPN)を作成するように構成される。各決済点は、選択された1組のノードに基づいて集約階層215内のエネルギー消費データから集約されるべきデータの異なるグループ、および/または異なるタイプの集約を定義する。各決済点は、データベース115から選択された1つ以上のエネルギー消費特性120と、選択された1組のノードに対応するエネルギー消費データが当該決済点によってどのように集約されるべきかを定義する集約アルゴリズム125とを含む。集約アルゴリズム125は、データベース115から選択された定義されたアルゴリズム、ユーザによって特定されたアルゴリズム、または、データベース115から選択され、ユーザによって編集された、定義されたアルゴリズムであり得る。
【0044】
データベース115は、コンピューティングデバイス600に設けられたコンピュータ読取可能媒体によってローカルに格納され得る。または、データベースは、コンピューティングデバイス600からリモートに格納され、LANまたはWANを通してアクセスされ得る。エネルギー消費特性120は、決済点によって定義され識別されるように集約されるべきエネルギー消費データのタイプである。
図1に示す例示的な実施形態については、エネルギー消費特性の例は、キロワット、キロワット時、キロワット時スカラ、1つ以上の料金クラスによって消費された電力、および電力消費時間を含むものの、それらに限定されない。しかしながら、電気エネルギーの消費に関連するあらゆるタイプのデータが、データベース115によって格納されたエネルギー消費特性120のリストに含まれ得る。
【0045】
各決済点は、データベース115に格納された利用可能な集約演算の中からユーザによって選択され得るアルゴリズム125に従ってデータを集約するために、独立して作成され得る。アルゴリズム125は、選択されたエネルギー消費特性120の各々についての測定値が決済点でどのように集約されるべきかを定義する。
図1に示す例示的一例については、および一実施形態では、利用可能なアルゴリズム125は、選択されたエネルギー消費特性120についての測定値の合計を求める合計アルゴリズム、選択されたエネルギー消費特性120についての測定値の平均を求める平均アルゴリズム、選択されたエネルギー消費特性120についての測定値の最大値を求める「最大」アルゴリズム、選択されたエネルギー消費特性120についての測定値の最小値を求める「最小」アルゴリズム、および、任意の他の選択された数学演算、論理演算、または他の演算を含んでいてもよい。このため、エネルギー消費特性120は、集約されるべきデータのタイプを定義し、集約アルゴリズム125は、エネルギー消費特性120の値がどのように集約されるべきかを定義する。
【0046】
決済モジュール110は、実行されるべき集約のパラメータを定義し、集約の一部である、集約階層215からの、ユーザによって選択された1つ以上のリーフノードを識別するデータオブジェクトとして、決済点を作成する。たとえば、コンピューティングデバイス600に設けられた、コンピュータマウス、タッチスクリーンディスプレイなどの入力周辺装置の操作に応答して、集約階層215における複数のリーフノードの手動選択が受信され得る。決済点についての選択されたリーフノードを受信すると、
図3に示されるような決済グラフィカルユーザインターフェイス300(graphical user interface:GUI300)が表示され得る。
【0047】
図3を参照して、GUI300は、作成中の決済点についての1つ以上のエネルギー消費特性120と集約アルゴリズム125のうちの1つ以上とを選択できるメニューなどの対話型選択オプションを含む。
図3に示す例示的な実施形態については、GUI300は、利用可能なエネルギー消費特性120のドロップダウンメニュー305を含み、選択された特性の値が、作成中の決済点に従って集約される。GUI300はまた、作成中の決済点に従って選択されたエネルギー消費特性120の値を集約するための利用可能な集約アルゴリズム125のドロップダウンメニュー310も含む。
【0048】
複数のエネルギー消費特性120の選択を容易にするために、追加ボタン315が、選択されたエネルギー消費特性120と選択された集約アルゴリズム125とを決済点にリンクするために選択可能である。追加ボタン315の各選択は、選択された集約アルゴリズム125に従って集約されるように、選択されたエネルギー消費特性120を決済点に追加する。追加ボタン315の選択はまた、決済点のデータオブジェクトに追加された選択を消去してもよく、決済点への異なるエネルギー消費特性120および関連付けられた集約アルゴリズム125の選択を可能にする。選択されたエネルギー消費特性120および関連付けられたアルゴリズム125がすべて、いったんリンクされると、作成ボタン320の選択は、決済モジュール110に決済点のデータオブジェクトを作成させる。
【0049】
作成された各決済点は、決済モジュール110によってコンピュータ読取可能メモリに格納させられる。定義されたパラメータを有する決済点SP1の一例が、
図4に示される。決済点SP1は、決済点SP1について選択されたリーフノードの経路(パス)において識別された各ノードの記録を含む。
図4の決済点SP1の実施形態については、リーフノード「l1」、「T1」、およびBPWESTと、それらのそれぞれのルートノードとが、記録に含まれる。また、「工業用」という中間ノードに対応する工業用顧客クラス、および、給電線1という中間ノードに対応する電圧電線も、記録に記載される。このため、決済点SP1は、決済点SP1に従って集約を実行するために、
図2Cの破線によって表わされる図形リンク255、260、265によって示されるように、集約階層215における各ツリー(ツリー1、ツリー2、ツリー3)のルートノードに依存するリーフノードを含む。
【0050】
選択されたリーフノード215の経路に含まれる各ノードの経路を正規化形式で記載することは、決済モジュール110が、それらの経路へのあらゆる変化を反映するように、作成された決済点を更新することを可能にする。たとえば、
図2Cの集約階層215においてリーフノードT1が給電線2という中間ノードに依存するように動かされた場合、決済点SP1は、当該決済点SP1の経路を変電所A-給電線1-T1から変電所A-給電線2-T1へ変更するように、システム100によって、オプションでリアルタイムに更新される。その結果、決済点SP1は、集約階層215への変更にもかかわらず、最新のままである。
【0051】
集約階層215におけるノードの経路または依存の変更に加えて、たとえば新しい料金クラスまたは顧客クラスなどの新しいエネルギー消費特性120の追加といった他の変更が生じるかもしれない。これらの変更は、新しい料金クラスまたは顧客クラスを有する新しいノードが集約階層215にドラッグ・アンド・ドロップされることから生じるかもしれない。階層モジュール105はオプションで、集約階層215へのそのような変更を検出し、新しい料金クラス、顧客クラス、または他のエネルギー消費特性120を含むようにデータベース115を更新するように構成され得る。データベース115がいったん更新されると、新しいエネルギー消費特性120が決済点に含まれるようにするために、当該新しいエネルギー消費特性120はドロップダウンメニュー305(
図3)からのその後の選択のために利用可能である。データベース115を更新することはまた、データベース115のコンテンツを最新に保つことをサポートする。
【0052】
図4に示すように、決済点SP1は、オプションでハブ430、マルチプレクサ、または他のゲートウェイデバイスを通して、1つ以上の測定コンポーネント410、415、420、425にリンクされる。一実施形態によれば、測定コンポーネント410、415、420、425は、それぞれの決済点について選択されたエネルギー消費特性120の値を感知し、または他の態様で測定するセンサを含む。たとえば、測定コンポーネント420は、電流を測定するためにエネルギー供給ネットワークに含まれるハードウェアに設けられる電流センサを含み得る。測定された電流は、センサの位置でのキロワット単位の消費電力を求めるために利用され得る。他の実施形態によれば、測定コンポーネント410、415は、たとえば、キロワット時単位の消費電力、または電気エネルギーが消費される時間を求めるために使用され得るタイマーおよび電流センサを含んでいてもよい。別の測定コンポーネント425は、温度を感知するための温度センサを含み得る。測定コンポーネントに設けられた感知技術の前述の例は網羅的ではなく、決済点について選択されたエネルギー消費特性120の値を記録し、感知し、または他の態様で取得し、または格納し得るあらゆるデバイスである。これらの値は、リーフノードl1、T1、およびBPWESTに対応するエネルギー消費データに対して実行される集約中に使用されるために、
図4に示すような決済点SP1に記録され、または決済点SP1に他の態様でリンク(組付け)される。
【0053】
別の実施形態によれば、各測定コンポーネント410、415、420、425はオプションで、エネルギー消費特性120の測定値を格納する1つ以上の非一時的コンピュータ読取可能記憶デバイスを含み得る。測定コンポーネント410、415、420、425のうちの2つ以上が各々別個の記憶デバイスを含んでいてもよく、または、同じ記憶デバイスの別個のセクタを占めていてもよい。たとえば、記憶デバイスは、
図6を参照して説明されるようにコンピュータ615に動作可能に接続されたディスク655の一部として実現され得る。別の実施形態によれば、記憶デバイスは、ネットワークアクセス可能な記憶位置であり得る。測定コンポーネント410、415、420、425の1つ以上の記憶デバイスはこのため、そこから測定値が得られ得る、または、そこから測定値が集約のための入力値として機能するように送信され得る、システム100内の位置である。各測定コンポーネント410、415、420、425の記憶デバイスによって格納された値は、たとえば、上述のエネルギー供給ネットワークのセンサのうちの1つ以上によって測定され、出力され得る。
【0054】
システムはまた、
図1において概して155で表わされる測定システムによって得られるような、決済点に含まれる選択されたエネルギー消費特性120の各々についての値を受信するレシーバ130(
図1)を含む。測定システム155は、エネルギー供給ネットワークに含まれ、上述された、複数の測定コンポーネント410、415、420、425(
図4)を含む。各測定コンポーネント410、415、420、425はオプションで、エネルギー消費特性120のうちの特定の1つの特性の値の測定および/または格納に専念し得る。レシーバ130は、ネットワーク通信ハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェアを含んでいてもよく、
図6のコンピューティングデバイス600の一部として実現されてもよい。レシーバ130は、LAN、WAN、またはそれらの組合せを通して、エネルギー消費特性120の測定値を伝送する通信を受信するように構成され得る。
【0055】
オプションで
図6のコンピューティングデバイス600の一部として実現され得るアグリゲータモジュール135(
図1)は、決済点に従ってエネルギー消費データの集約を制御する。集約は、集約階層215内のそれぞれのリーフノードにリンクされた決済点に従って、決済点において定義されるように、アグリゲータモジュール135によって実行される。上述のように、各決済点の集約値は、それぞれの決済点のエネルギー消費特性120の測定値とともに集約アルゴリズム125を使用して求められる。
【0056】
一例として、決済点SP2(
図2C)は、特定の使用期間の間、変圧器T1によって供給された、料金クラスl2の工業用顧客による(キロワット時(kWh)単位の)総消費電力と、
図2Cに細かい破線で示されるリンク270によって示されるような、均衡点BPWESTによって供給された補助電力についての課金とを求めるように構成されてもよい。この決済点SP2は、少なくともエネルギー消費特性kWhと「合計」集約アルゴリズムとによって定義される。この決済点SP2に基づいて、決済点SP2にリンクされた各リーフノードのkWhが、そのそれぞれの測定コンポーネントによって測定され、測定値はレシーバ130によって受信され、アグリゲータモジュール135へ伝送される。アグリゲータモジュール135は、決済点SP2によって特定された合計演算を、決済点SP2によって特定されたリーフノード215の測定されたkWhに適用して、集約値を求める。
【0057】
集約値は報告モジュール140へ送信され、それはオプションで、
図6のコンピューティングデバイス600の一部として実現され得る。報告モジュール140は、市場報告義務、またはエネルギー供給業者によって課される内部データ処理要件に準拠して、集約値を含むデータ構造を生成する。別の実施形態によれば、報告モジュール140は集約値を、2つの別個のデータ構造として準備する。一方は、市場報告義務に準拠するデータ構造であり、他方は、エネルギー供給業者によって課される内部データ処理要件に準拠するデータ構造である。報告モジュール140は、LANまたはWANを通して、1つ以上のデータ構造を少なくとも1つの宛先端末145へ送信する。宛先端末は、ユーティリティ産業規制機関に代わって維持されるサーバ、もしくは、電気エネルギーを供給する電気ユーティリティによって、または電気ユーティリティに代わって維持される内部のネットワークアクセス可能な記憶デバイスであってもよい。
【0058】
システム100はオプションで、以前に求められた集約値への過度の変更を予測するルールエンジン150(
図1)も含み得る。ルールエンジン150の予測は、以前の集約値が求められた後に測定されたエネルギー消費特性120の測定値を使用してアグリゲータモジュール135によって求められた最新の集約値に基づき得る。市場報告義務は、集約階層215の変更または更新、市場特有のルールまたは報告義務の変更、エネルギー消費特性120の測定値の変更、またはエネルギー消費データの集約に影響を及ぼす他の要因の結果、集約結果が複数回求められることを要求し得る。以前に求められた集約値のわずかな変化が、以前に求められた集約値のその後の更新および最終調整プロセス中に勘案されてもよい。最終調整プロセスの目標は、使用期間中に供給または消費された実際のエネルギーについて、各エネルギー市場参加者が適切に補償されたこと、および他の参加者を適切に補償したことを確実にすることである。しかしながら、高額の調整支払いを必要とする大きい変動は、影響を受けた市場参加者に財政的苦難を強いるおそれがある。市場状況、測定値、または他の要因のあらゆる変更または更新に基づく過度の変更(たとえば±10%)を体験するであろう不正確な初期集約は、回避されるべきである。
【0059】
ルールエンジン150は、決済点に基づく以前の集約結果が最新の測定値に基づく過度の変更を体験するかどうかを予測するために使用され得る1つ以上の予測アルゴリズムを格納してもよい。集約は、コンピュータ-プロセッサ集約的演算であり、時間がかかるものであるため、以前の集約結果を再集約することは、最新の集約演算を妨げるであろう。そのような対立を回避するために、ルールエンジン150の予測アルゴリズムは、決済点の各々に従った完全集約に関与する計算およびデータセットと比較して、単純化された計算をオプションで小さいデータセットに対して利用する。その結果、以前の集約全体を繰り返すことなく、過度の変更が予測され得る。ルールエンジン150が、以前の集約結果の予想される変更が過度ではない(たとえば10%未満である)と予測する場合、以前の集約結果は変更されず、以前の集約結果の不必要な繰り返される集約が回避される。
【0060】
しかしながら、以前の使用期間中の所与の決済点についての以前の集約結果が、その使用期間中の最新のエネルギー消費データに基づいて、少なくとも定義されたしきい値だけ(たとえば、±10%以上)変化すると予想される場合、ルールエンジン150は、元の集約のために使用された決済点の改訂を開始する。たとえば、ルールエンジン150は、以前の集約結果への予測される変更をアドミニストレータに警告する通知が送信されるようにすることができる。そのような実施形態によれば、決済点の改訂を開始することは、問題となる決済点の改訂が適切であることをアドミニストレータに警告することを伴う。ルールエンジン150はまた、以前の集約結果の変更に主に関与すると判断された決済点を識別することができる。
【0061】
他の実施形態によれば、ルールエンジン150は、予測の結果、決済点に関連付けられた集約アルゴリズム125の値、数学演算子、または他のコンポーネントを調節することができる。たとえば、ルールエンジン150は、集約アルゴリズム125の変更を絞り込むために反復プロセスを利用することができる。変更がルールエンジン150によってどのように実現されるかに関係なく、決済点の更新されたアルゴリズムが、過度の変更を体験すると予想される集約結果を生成した以前の集約を再実行するために使用され得る。
【0062】
エネルギー消費データを集約するプロセスが、
図5のフロー図を参照して理解され得る。ステップ500で、階層モジュール105は、エネルギー供給ネットワークの図形表現を作成して生成する。ユーザからの、ノードの配置を示すドラッグ・アンド・ドロップ入力の受信に応答して、ノードが集約階層200に配置される。ステップ505で、階層モジュール105は、ノードによって新しいエネルギー消費特性(たとえば、データベース115にまだ含まれていない特性)が集約階層200に導入されたかどうかを判断する。導入された場合、ステップ510で、データベース115は、データベース115に追加された結果、決済点の生成中に選択可能にされる新しいエネルギー消費特性を含むように更新される。
【0063】
ステップ505で、新しい特性が導入されなかったと階層モジュール105によって判断された場合、ステップ515で、ユーザ選択が決済モジュール110によって受信される。ユーザ選択は、データベース115から選択された1つ以上のエネルギー消費特性120と、データベース115から選択された集約アルゴリズムと、作成中の決済点に従って集約が実行されるべき複数のリーフノードとを含む。ステップ520で、選択されたエネルギー消費特性120とアルゴリズム125とリーフノードとを含む決済点が、決済モジュール110によって作成される。
【0064】
ステップ525で、決済点にリンクされた複数のリーフノードの各々で集められた、決済点の選択された各エネルギー消費特性120の値が、レシーバ130によって受信される。ステップ530で、アグリゲータモジュール135が、ユーザによって選択されたアルゴリズムに従って受信値を処理して集約値を求めるように、集約を制御する。ステップ535で、最新の市場特有のルール、市場報告義務、集約階層200、受信値、または、以前の集約後に利用可能になった任意の他の情報に基づいて、以前に生成された集約値が過度の変更を体験すると予想されるかどうかを判断するために、予測アルゴリズムを使用して、集約値がルールエンジン150によって評価される。予想される場合、ステップ540で、エネルギー消費特性、集約アルゴリズム、または決済点の他の局面の更新が開始され、その後、ステップ545で、集約されたエネルギー消費データを含む電子報告が生成され、適切な宛先へ送信される。予想されない場合、電子報告を生成して送信する前に、更新はステップ540で開始されない。
【0065】
上記のプロセスはオプションで、同じ使用期間の間、その使用期間についての課金の最終決済が生じる前に、複数回(たとえば3回以上、または4回以上)繰り返されてもよい。
【0066】
図6は、ここに説明される例示的なシステムならびに方法、および/または同等物のうちの1つ以上を用いて構成および/またはプログラムされるコンピューティングデバイス600の一例を示す。コンピューティングデバイス600の例示的一例は、バス625によって動作可能に接続されたプロセッサ620、メモリ635、およびレシーバ130として構成されたI/Oポート645を含むコンピュータ615であってもよい。一実施形態では、コンピュータ615は、
図1~5に関して説明されたシステム100および/または方法を容易にするように構成された、階層モジュール105、決済モジュール110、アグリゲータモジュール135、報告モジュール140、またはルールエンジン150のロジックを含んでいてもよい。異なる実施形態では、階層モジュール105、決済モジュール110、アグリゲータモジュール135、報告モジュール140、またはルールエンジン150のロジックは、ハードウェア、命令が格納された非一時的コンピュータ読取可能媒体605、ファームウェア、および/またはそれらの組合せで実現されてもよい。階層モジュール105、決済モジュール110、アグリゲータモジュール135、報告モジュール140、またはルールエンジン150のロジックはバス625に取付けられたハードウェアコンポーネントとして示されているが、他の実施形態では、これらのモジュールのうちの1つ以上のロジックはプロセッサ620において実現され、メモリ635に格納され、またはディスク655に格納され得るということが理解されるべきである。
【0067】
一実施形態では、階層モジュール105、決済モジュール110、アグリゲータモジュール135、報告モジュール140、またはルールエンジン150、またはコンピュータ615のロジックは、上述のアクションを行なうための手段(たとえば、構造:ハードウェア、非一時的コンピュータ読取可能媒体、ファームウェア)である。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス600は、クラウドコンピューティングシステムで動作するサーバ、ソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)アーキテクチャで構成されたサーバ、スマートフォン、ラップトップ、タブレットコンピューティングデバイスなどであってもよい。
【0068】
これらの手段は、たとえば、割当てのためのルールベースのソース順序付けを実現するようにプログラムされた特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit:ASIC)として実現されてもよい。これらの手段はまた、メモリ635に一時的に格納され、その後プロセッサ620によって実行されるデータ610としてコンピュータ615に提示される、格納されたコンピュータ実行可能命令として実現されてもよい。
【0069】
階層モジュール105、決済モジュール110、アグリゲータモジュール135、報告モジュール140、またはルールエンジン150のロジックはまた、割当てのためのルールベースのソース順序付けを行なうための手段(たとえば、ハードウェア、実行可能命令を格納する非一時的コンピュータ読取可能媒体605、ファームウェア)を提供してもよい。
【0070】
コンピュータ615の例示的な構成を概して説明すると、プロセッサ620は、デュアルマイクロプロセッサおよび他のマルチプロセッサアーキテクチャを含む多種多様のプロセッサであってもよい。メモリ635は、揮発性メモリおよび/または不揮発性メモリを含んでいてもよい。不揮発性メモリは、たとえば、読出専用メモリ(read-only memory:ROM)、プログラマブル読出専用メモリ(programmable read-only memory:PROM)などを含んでいてもよい。揮発性メモリは、たとえば、ランダムアクセスメモリ(random access memory:RAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(static random access memory:SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(dynamic random access memory:DRAM)などを含んでいてもよい。
【0071】
ディスク655は、たとえば、I/Oインターフェイス640(たとえばカード、デバイス)およびI/Oポート645を介してコンピュータ615に動作可能に接続されてもよい。ディスク655は、たとえば、磁気ディスクドライブ、ソリッドステートディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、テープドライブ、ジップドライブ、フラッシュメモリカード、メモリースティックなどであってもよい。さらに、ディスク655は、CD-ROMドライブ、CD-Rドライブ、CD-RWドライブ、DVD ROMなどであってもよい。メモリ635は、たとえば、非一時的コンピュータ読取可能媒体605内などのプロセス、および/またはデータ610を格納することができる。ディスク655および/またはメモリ635は、コンピュータ615のリソースを制御して割当てるオペレーティングシステムを格納することができる。
【0072】
コンピュータ615は、I/Oインターフェイス640およびI/Oポート645を介して入力/出力(I/O)デバイスと対話してもよい。I/Oデバイスは、たとえば、キーボード、マイクロフォン、ポインティングおよび選択デバイス、カメラ、ビデオカード、ディスプレイ、ディスク655、ネットワークデバイス650などであってもよい。I/Oポート645は、たとえば、シリアルポート、パラレルポート、およびUSBポートを含んでいてもよい。I/Oコントローラ630は、I/Oインターフェイス640をバス625に接続してもよい。
【0073】
コンピュータ615はネットワーク環境で動作可能であり、このため、I/Oインターフェイス640および/またはI/Oポート645を介してネットワークデバイス650に接続されてもよい。ネットワークデバイス650を通して、コンピュータ615はネットワークと対話してもよい。ネットワークを通して、コンピュータ615は、リモートコンピュータに論理的に接続されてもよい(たとえば、コンピュータ615は、クライアントが接続され得る分散コンピューティング環境内に存在していてもよい)。コンピュータ615が対話し得るネットワークは、ローカルエリアネットワーク(local area network:LAN)、広域エリアネットワーク(wide area network:WAN)、および他のネットワークを含むものの、それらに限定されない。
【0074】
別の実施形態では、上述の方法および/またはそれらの同等物は、コンピュータ実行可能命令を用いて実現されてもよい。このため、一実施形態では、マシンによって実行されると当該マシン(および/または関連付けられたコンポーネント)に方法を実行させるアルゴリズム/実行可能アプリケーションのコンピュータ実行可能命令が格納された、非一時的コンピュータ読取可能/記憶媒体が構成される。例示的なマシンは、プロセッサ、コンピュータ、クラウドコンピューティングシステムで動作するサーバ、ソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)アーキテクチャで構成されたサーバ、スマートフォンなどを含むものの、それらに限定されない。一実施形態では、コンピューティングデバイスは、開示された方法のうちのいずれかを行なうように構成された1つ以上の実行可能アルゴリズムを用いて実現される。
【0075】
1つ以上の実施形態では、開示された方法またはそれらの同等物は、方法を行なうように構成されたコンピュータハードウェアか、または、非一時的コンピュータ読取可能媒体に格納されたモジュールで具体化されたコンピュータ命令のいずれかによって行なわれ、命令は、コンピューティングデバイスの少なくともプロセッサによって実行されると方法を行なうように構成された実行可能アルゴリズムとして構成される。
【0076】
説明を簡潔にするために、図面の図示された方法論はアルゴリズムの一連のブロックとして示され説明されているが、これらの方法論はブロックの順序によって限定されないということが理解されるべきである。ブロックの一部は、示され説明されたものとは異なる順序で、および/または、他のブロックと同時に生じ得る。また、例示的な方法論を実現するために、図示されたブロックがすべて使用されなくてもよい。ブロックは組合されてもよく、または、複数のアクション/コンポーネントに分離されてもよい。さらに、追加のおよび/または代替的な方法論が、ブロックに図示されていない追加のアクションを採用してもよい。
【0077】
下記は、ここに採用された、選択された用語の定義を含む。これらの定義は、用語の範囲に該当し、実現化のために使用され得る、構成要素のさまざまな例および/または形態を含む。これらの例は限定的であるよう意図されてはいない。用語の単数形および複数形は双方とも、これらの定義の範囲内にあってもよい。
【0078】
「一実施形態」、「実施形態」、「一例」、「例」などへの言及は、そのように記載された実施形態または例が特定の機能、構造、特徴、特性、要素、または制限を含み得るものの、すべての実施形態または例が必ずしもその特定の機能、構造、特徴、特性、要素、または制限を含むとは限らないということを示す。さらに、「一実施形態では」という句を繰り返し使用することは、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らないものの、同じ実施形態を指す場合もある。
【0079】
ここに使用される「データ構造」または「データオブジェクト」とは、メモリ、記憶デバイス、または他のコンピュータ化システムに格納された、コンピューティングシステムにおけるデータの編成である。データ構造は、たとえば、データフィールド、データファイル、データアレイ、データレコード、データベース、データテーブル、グラフ、ツリー、リンクリストなどのうちのいずれか1つであってもよい。データ構造は、他の多くのデータ構造から形成され、それらを含んでいてもよい(たとえば、データベースは多くのデータレコードを含む)。他の実施形態によれば、データ構造の他の例も同様に可能である。
【0080】
ここに使用される「コンピュータ読取可能媒体」または「コンピュータ記憶媒体」とは、実行されると開示された機能のうちの1つ以上を行なうように構成された命令および/またはデータを格納する非一時的媒体を指す。いくつかの実施形態では、データは命令として機能してもよい。コンピュータ読取可能媒体は、不揮発性媒体および揮発性媒体を含むもののそれらに限定されない形態を取ってもよい。不揮発性媒体は、たとえば、光学ディスク、磁気ディスクなどを含んでいてもよい。揮発性媒体は、たとえば、半導体メモリ、ダイナミックメモリなどを含んでいてもよい。コンピュータ読取可能媒体の一般的な形態は、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他の磁気媒体、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス、コンパクトディスク(compact disk:CD)、他の光学媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出専用メモリ(ROM)、メモリチップまたはカード、メモリスティック、ソリッドステート記憶デバイス(solid state storage device:SSD)、フラッシュドライブ、および、コンピュータ、プロセッサまたは他の電子デバイスがともに機能できる他の媒体を含み得るものの、それらに限定されない。各タイプの媒体は、一実施形態における実現化のために選択された場合、開示および/または請求された機能のうちの1つ以上を行なうように構成されたアルゴリズムの格納された命令を含んでいてもよい。
【0081】
ここに使用される「ロジック」とは、ここに開示されるような機能またはアクションのうちのいずれかを行なうために、ならびに/もしくは、別のロジック、方法および/またはシステムからの機能またはアクションがここに開示されるように行なわれるようにするために、コンピュータまたは電気ハードウェア、実行可能アプリケーションまたはプログラムモジュールの命令が格納された非一時的媒体、および/またはそれらの組合せを用いて実現されるコンポーネントを表わす。同等のロジックは、ファームウェア、アルゴリズムでプログラムされたマイクロプロセッサ、個別ロジック(たとえばASIC)、少なくとも1つの回路、アナログ回路、デジタル回路、プログラムドロジックデバイス、アルゴリズムの命令を含むメモリデバイスなどを含んでいてもよく、それらのいずれも、開示された機能のうちの1つ以上を行なうように構成されてもよい。一実施形態では、ロジックは、開示された機能のうちの1つ以上を行なうように構成された1つ以上のゲート、ゲートの組合せ、または他の回路部品を含んでいてもよい。複数のロジックが説明される場合、それら複数のロジックを1つのロジックに組込むことが可能であってもよい。同様に、単一のロジックが説明される場合、その単一のロジックを複数のロジック間で分散させることが可能であってもよい。一実施形態では、これらのロジックのうちの1つ以上は、開示および/または請求された機能を行なうことに関連付けられた対応する構造である。どのタイプのロジックを実現するかについての選択は、システム条件または仕様に基づいていてもよい。たとえば、より早い速度が考慮事項である場合、ハードウェアが、機能を実現するために選択されるであろう。より低いコストが考慮事項である場合、格納された命令/実行可能アプリケーションが、機能を実現するために選択されるであろう。
【0082】
「動作可能な接続」、または、エンティティが「動作可能に接続される」接続とは、信号、物理的通信、および/または論理的通信が送信および/または受信され得るものである。動作可能な接続は、物理的インターフェイス、電気的インターフェイス、および/またはデータインターフェイスを含んでいてもよい。動作可能な接続は、動作可能な制御を可能にするのに十分なインターフェイスおよび/または接続の異なる組合せを含んでいてもよい。たとえば、2つのエンティティが、互いに信号を通信するために、直接、または1つ以上の中間エンティティ(たとえば、プロセッサ、オペレーティングシステム、ロジック、非一時的コンピュータ読取可能媒体)を通して、動作可能に接続され得る。動作可能な接続を作り出すために、論理的および/または物理的通信チャネルが使用可能である。
【0083】
ここに使用される「ユーザ」とは、ユーティリティからのエネルギーを消費する1人以上の人間、そのような人間によって、またはそのような人間に代わって動作されるコンピュータまたは他のデバイス、もしくはそれらの組合せを含むものの、それらに限定されない。
【0084】
開示された実施形態をかなり詳細に例示し説明してきたが、添付された請求の範囲をそのような詳細に制限すること、または何らかのやり方で限定することは、意図されていない。主題のさまざまな局面を説明するために構成要素または方法論の考えられるすべての組合せを説明することは、もちろん不可能である。したがって、この開示は、示され説明された特定の詳細または例示的な例に限定されない。このため、この開示は、添付された請求の範囲に該当する変更、修正、および変形を包含するよう意図されている。
【0085】
詳細な説明または請求項で「含む」または「含んでいる」という用語が使用される限りにおいて、それは、「備える」という用語が請求項で移行句として使用される際に解釈される場合と同様の態様で、包括的であるよう意図されている。
【0086】
詳細な説明または請求項で「または」という用語(たとえば、AまたはB)が使用される限りにおいて、それは、「AまたはBまたはそれら双方」を意味するよう意図されている。出願人が「AまたはBのみであって、それら双方ではない」ことを示すよう意図している場合、「AまたはBのみであって、それら双方ではない」という句が使用されるであろう。このため、ここでの「または」という用語の使用は、排他的使用ではなく、包括的使用である。