(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】外科用器具の状態を表示するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 18/12 20060101AFI20221024BHJP
A61B 17/072 20060101ALI20221024BHJP
【FI】
A61B18/12
A61B17/072
(21)【出願番号】P 2019572418
(86)(22)【出願日】2018-06-12
(86)【国際出願番号】 IB2018054269
(87)【国際公開番号】W WO2019003011
(87)【国際公開日】2019-01-03
【審査請求日】2021-04-02
(32)【優先日】2017-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】メサーリー・ジェフリー・ディー
(72)【発明者】
【氏名】イェイツ・デビッド・シー
(72)【発明者】
【氏名】デビソン・マーク・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ハリス・ジェイソン・エル
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・フレデリック・イー・ザ・フォース
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-189838(JP,A)
【文献】特開2007-203059(JP,A)
【文献】国際公開第2016/144601(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0256184(US,A1)
【文献】特開2007-229448(JP,A)
【文献】特開2001-120566(JP,A)
【文献】特許第3585491(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/12-18/14
A61B 17/068-17/072
A61B 17/28-17/295
A61B 34/30-34/37
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具であって、
RFエネルギーをエンドエフェクタ内に配置されたカートリッジに送達するように構成された回路であって、前記エンドエフェクタは前記カートリッジを受容するように構成されている、回路と、
閉鎖メカニズムが第1の位置と第2の位置との間で移動することにより、前記エンドエフェクタを開位置と閉位置との間で遷移させるように構成されている、閉鎖メカニズムと、
ディスプレイと、
前記ディスプレイに動作可能に連結した制御回路であって、
第1電極と第2電極との間に配置された組織のインピーダンスを測定するように構成されたインピーダンスセンサから信号を受信することと、
前記組織の前記インピーダンスに従って、前記カートリッジを通して
前記組織に送達されたRFエネルギーの量を判定することと、
前記RFエネルギーの量を前記ディスプレイ
上に表示することと、
前記組織の前記インピーダンスが、前記組織の予想されるインピーダンスから逸脱している場合、警告を前記ディスプレイ上に表示することと、
前記閉鎖メカニズムの位置を判定することと、
前記ディスプレイ上に前記閉鎖メカニズムの前記位置を表示することと、
を行うように構成されている、制御回路と、
を備える、外科用器具。
【請求項2】
前記制御回路は、
前記第1電極と
前記第2電極との間に配置された前記組織の
厚さを判定することと、
前記組織の前記厚さを前記ディスプレイ上に表示することと、
前記組織の前記厚さが第1の厚さより大きい又は、第2の厚さより小さい場合、警告を前記ディスプレイ上に表示することと、
を更に行うように構成されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項3】
前記制御回路は、
前記組織の前記予想されるインピーダンスを予想曲線として前記ディスプレイ上に表示することと、
前記組織の前記インピーダンスを経時的に測定曲線として前記ディスプレイ上に表示することと、
を更に行うように構成されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項4】
前記制御回路は、
前記組織の前記インピーダンスの変化と前記RFエネルギーの量に基づいて前記組織の含水量を判定することと、
前記組織の予想される含水量を予想曲線として前記ディスプレイ上に表示することと、
前記組織の前記含水量を経時的に測定曲線として前記ディスプレイ上に表示することと、
前記組織の前記含水量が第1の含水量より小さい場合、警告を前記ディスプレイ上に表示することと、
を更に行うように構成されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項5】
前記制御回路は、
自身が長手方向に移動することによって前記エンドエフェクタを前記開位置から前記閉位置へ遷移させるように構成された前記閉鎖メカニズムの変位部材の
長手方向に沿った位置を検出するように構成された位置センサから信号を受信するように構成されており、前記制御回路は、前記変位部材の前記位置に従って、前記閉鎖メカニズムの前記位置を判定するように構成されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項6】
前記第1の位置と
前記第2の位置との間で前記閉鎖メカニズムを駆動するように構成された閉鎖トリガと、
前記閉鎖トリガの位置を検出するように構成された閉鎖トリガセンサと、
を更に備え、
前記制御回路は、前記閉鎖トリガの前記位置に従って、前記閉鎖メカニズムの前記位置を判定するように構成されている、
請求項1に記載の外科用器具。
【請求項7】
前記制御回路は、前記開位置と前記閉位置との間で前記エンドエフェクタの位置を検出するように構成されたセンサから信号を受信するように構成されており、前記制御回路は、前記エンドエフェクタの前記位置に従って、前記閉鎖メカニズムの前記位置を判定するように構成されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項8】
前記制御回路は、前記エンドエフェクタにより受容される前記カートリッジのカートリッジ種類を検出するように構成されたカートリッジセンサから信号を受信するように構成されており、前記制御回路は、前記カートリッジ種類が、予想されるカートリッジ種類と一致するかどうかを前記ディスプレイ上に表示するように構成されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項9】
エンドエフェクタ内に配置されたカートリッジにRFエネルギーを送達するように構成された回路と、
閉鎖メカニズムが第1の位置と第2の位置との間で移動することにより、前記エンドエフェクタを開位置と閉位置との間で遷移させるように構成されている、閉鎖メカニズムと、
ディスプレイと、
前記ディスプレイに動作可能に連結したプロセッサと、
前記プロセッサと動作可能に連結したメモリであって、前記メモリは、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
第1電極と第2電極との間の組織のインピーダンスを測定するように構成されたインピーダンスセンサから信号を受信することと、
前記組織の前記インピーダンスに従って、前記カートリッジを通して
前記組織に送達され
たRFエネルギーの
量を判定することと、
前記RFエネルギーの
量に基づくデータを
前記ディスプレイ上に表示することと、
前記組織の前記インピーダンスが、前記組織の予想されるインピーダンスから逸脱している場合、警告を前記ディスプレイ上に表示することと、
前記閉鎖メカニズムの
位置を判定することと、
前記閉鎖メカニズムの前記
位置に基づくデータを
前記ディスプレイ上に表示することと、
を行わせるプログラム命令を格納している、メモリと、
を備える、外科用器具。
【請求項10】
前記メモリは、前記プロセッサにより実行されると、前記プロセッサに、
前記第1電極と
前記第2電極との間
に配置された前記組織の
厚さを判定することと、
前記組織の前記厚さを前記ディスプレイ上に表示することと、
前記組織の前記厚さが第1の厚さより大きい又は、第2の厚さより小さい場合、警告を前記ディスプレイ上に表示することと、
を行わせるプログラム命令を
更に格納して
いる、請求項
9に記載の外科用器具。
【請求項11】
前記メモリは、前記プロセッサにより実行されると、前記プロセッサに、
前記組織の前記予想されるインピーダンスを予想曲線として前記ディスプレイ上に表示することと、
前記組織の前記インピーダンスを経時的に測定曲線として前記ディスプレイ上に表示することと、
を行わせるプログラム命令を更に格納している、請求項9に記載の外科用器具。
【請求項12】
前記メモリは、前記プロセッサにより実行されると、前記プロセッサに、
前記組織の前記インピーダンスの変化と前記RFエネルギーの量に基づいて前記組織の含水量を判定することと、
前記組織の予想される含水量を予想曲線として前記ディスプレイ上に表示することと、
前記組織の前記含水量を経時的に測定曲線として前記ディスプレイ上に表示することと、
前記組織の前記含水量が第1の含水量より小さい場合、警告を前記ディスプレイ上に表示することと、
を行わせるプログラム命令を更に格納している、請求項9に記載の外科用器具。
【請求項13】
前記メモリは、前記プロセッサにより実行されると、前記プロセッサに、
自身が長手方向に移動することによって前記エンドエフェクタを前記開位置から前記閉位置へ遷移させるように構成された前記閉鎖メカニズムの変位部材の
長手方向に沿った位置を検出するように構成された位置センサから信号を受信させるプログラム命令を格納しており、前記プロセッサは、前記変位部材の前記位置に従って、前記閉鎖メカニズムの前記
位置を判定するように構成されている、請求項
9に記載の外科用器具。
【請求項14】
前記第1の位置と
前記第2の位置との間で前記閉鎖メカニズムを駆動するように構成された閉鎖トリガと、
前記閉鎖トリガの位置を検出するように構成された閉鎖トリガセンサと、
を更に備え、
前記外科用器具は、前記閉鎖トリガの前記位置に従って、前記閉鎖メカニズムの前記
位置を判定する、
請求項
9に記載の外科用器具。
【請求項15】
前記メモリは、前記プロセッサにより実行されると、前記プロセッサに、前記開位置と前記閉位置との間の前記エンドエフェクタの位置を検出するように構成されたセンサから信号を受信させるプログラム命令を格納しており、前記プロセッサは、前記エンドエフェクタの前記位置に従って、前記閉鎖メカニズムの前記
位置を判定するように構成されている、請求項
9に記載の外科用器具。
【請求項16】
前記メモリは、前記プロセッサにより実行されると、前記プロセッサに、前記エンドエフェクタにより受容される前記カートリッジのカートリッジ種類を検出するように構成されたカートリッジセンサから信号を受信させるプログラム命令を更に格納しており、前記プロセッサは、前記カートリッジ種類が、予想されるカートリッジ種類と一致するかどうかを前記ディスプレイ上に表示するように構成されている、請求項
9に記載の外科用器具。
【請求項17】
外科用器具におけるディスプレイの制御方法であって、前記外科用器具は、RFエネルギーをエンドエフェクタ内に配置されたカートリッジに送達するように構成された回路であって、前記エンドエフェクタは前記カートリッジを受容するように構成されている、回路と、
閉鎖メカニズムが第1の位置と第2の位置との間で移動することにより、前記エンドエフェクタを開位置と閉位置との間で遷移させるように構成されている、閉鎖メカニズムと、ディスプレイと、前記ディスプレイに連結した制御回路と、を備えており、前記方法は、
前記制御回路が、第1電極と第2電極との間の組織のインピーダンスを測定するように構成されたインピーダンスセンサから信号を受信すること、
前記制御回路
が、
前記組織の前記インピーダンスに従って、前記カートリッジを通して
前記組織に印加されるRFエネルギーの量を判定することと、
前記制御回路
が、前記ディスプレイ上に前記RFエネルギーの量を表示することと、
前記制御回路が、前記組織の前記インピーダンスが前記組織の予想されるインピーダンスから逸脱している場合には、警告を前記ディスプレイ上に表示することと、
前記制御回路
が、前記閉鎖メカニズムの位置を判定することと、
前記制御回路
が、前記閉鎖メカニズムの前記位置を前記ディスプレイ上に表示することと、
を含む、方法。
【請求項18】
前記制御回路が、
前記第1電極と
前記第2電極との間
に配置された前記組織の
厚さを測定するように構成されたセンサから信号を受信すること、
前記組織の前記厚さを前記ディスプレイ上に表示すること、
前記組織の前記厚さが、第1の厚さより大きい又は、第2の厚さより小さい場合、警告を前記ディスプレイ上に表示すること、
を更に含
む、請求項
17に記載の方法。
【請求項19】
前記制御回路が、
前記組織の前記予想されるインピーダンスを予想曲線として前記ディスプレイ上に表示することと、
前記組織の前記インピーダンスを経時的に測定曲線として前記ディスプレイ上に表示すること、
を更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記制御回路が、
前記組織の前記インピーダンスの変化と前記RFエネルギーの量に基づいて前記組織の含水量を判定することと、
前記組織の予想される含水量を予想曲線として前記ディスプレイ上に表示することと、
前記組織の前記含水量を経時的に測定曲線として前記ディスプレイ上に表示することと、
前記組織の前記含水量が第1の含水量より小さい場合、警告を前記ディスプレイ上に表示することと、
を更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記制御回路が、自身が長手方向に移動することによって前記エンドエフェクタを前記開位置から前記閉位置へ遷移させるように構成された前記閉鎖メカニズムの変位部材の
長手方向に沿った位置を検出する
ように構成された位置センサから信号を受信すること、
を更に含み、
前記制御回路は、前記変位部材の前記位置に従って、前記閉鎖メカニズムの前記位置を判定する、
請求項
17に記載の方法。
【請求項22】
前記制御回路が、前記第1の位置と
前記第2の位置との間で前記閉鎖メカニズムを駆動するように構成された閉鎖トリガの位置を検出する
ように構成された閉鎖トリガセンサから信号を受信すること、
を更に含み、
前記制御回路は、前記閉鎖トリガの前記位置に従って、前記閉鎖メカニズムの前記位置を判定する、
請求項
17に記載の方法。
【請求項23】
前記制御回路が、前記開位置と前記閉位置との間の前記エンドエフェクタの位置を検出する
ように構成されたセンサから信号を受信すること、
を更に含み、
前記制御回路は、前記エンドエフェクタの前記位置に従って、前記閉鎖メカニズムの前記位置を判定する、
請求項
17に記載の方法。
【請求項24】
前記制御回路が、カートリッジセンサにより、前記エンドエフェクタにより受容される前記カートリッジのカートリッジ種類を検出することと、
前記制御回路
が、前記カートリッジ種類が予想されるカートリッジ種類と一致するかどうかを前記ディスプレイ上に表示することと、
を更に含む、請求項
17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、外科用器具に関し、また様々な状況において、組織を封止及び切断するように設計された、外科用封止及び切断器具並びにそれらのステープルカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
外科用封止及びステープル留め器具において、外科用器具のセンサにより捕捉された様々な情報をオペレータに表示し、予想外の組織条件に出くわした場合、又は器具が適切に機能していない場合に、その器具が適切に機能していること又は修正動作を取ることをオペレータが確認できることが有用であり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一態様では、外科用器具が提供される。外科用器具は、RFエネルギーをエンドエフェクタ内に配置されたカートリッジに送達するように構成された回路であって、エンドエフェクタはカートリッジを受容するように構成されている、回路と、エンドエフェクタを開位置と閉位置との間で遷移させるように構成されている、閉鎖メカニズムと、ディスプレイと、ディスプレイに動作可能に連結した制御回路であって、カートリッジを通して組織に送達されたRFエネルギーの量を判定することと、RFエネルギーの量をディスプレイに表示することと、閉鎖メカニズムの位置を判定することと、ディスプレイ上に閉鎖メカニズムの位置を表示することと、を行うように構成されている、制御回路と、を備える。
【0004】
別の態様では、外科用器具は、エンドエフェクタ内に配置されたカートリッジにRFエネルギーを送達するように構成された回路と、エンドエフェクタを開位置と閉位置との間で遷移させるように構成されている、閉鎖メカニズムと、ディスプレイと、ディスプレイに動作可能に連結したプロセッサと、プロセッサと動作可能に連結したメモリであって、メモリは、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、カートリッジを通して組織に送達されるRFエネルギーのステータスを判定することと、RFエネルギーのステータスを表示することと、閉鎖メカニズムのステータスを判定することと、閉鎖メカニズムのステータスを表示することと、を行わせるプログラム命令を格納している、メモリと、を備える。
【0005】
別の態様では、外科用器具における表示の制御方法が提供される。外科用器具は、RFエネルギーをエンドエフェクタ内に配置されたカートリッジに送達するように構成された回路であって、エンドエフェクタはカートリッジを受容するように構成されている、回路と、エンドエフェクタを開位置と閉位置との間で遷移させるように構成されている、閉鎖メカニズムと、ディスプレイと、ディスプレイに連結した制御回路と、を備える。方法は、制御回路により、カートリッジを通して組織に印加されるRFエネルギーの量を判定することと、制御回路により、ディスプレイ上にRFエネルギーの量を表示することと、制御回路により、閉鎖メカニズムの位置を判定することと、制御回路により、閉鎖メカニズムの位置をディスプレイ上に表示することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本明細書に記載される態様の新規特徴は、添付の「特許請求の範囲」に具体的に記載される。しかしこれらの態様は、構成及び動作の方法のいずれに関しても、以下の説明文を添付の図面と共に参照することによってより深く理解され得る。
【
図1】本開示の一態様に従った、従来の外科用ステープル/締結具カートリッジ及び高周波(RF)カートリッジと共に使用するように構成された交換式外科用道具組立体に連結されたハンドル組立体を含む外科用システムの斜視図である。
【
図2】本開示の一態様に従った、
図1の外科用システムの分解斜視組立図である。
【
図3】本開示の一態様に従った、
図1及び
図2のハンドル組立体及び交換式外科用道具組立体の一部の、別の分解斜視組立図である。
【
図4】本開示の一態様に従った、
図1~
図3の交換式外科用道具組立体の近位部の分解組立図である。
【
図5】本開示の一態様に従った、
図1~
図5の交換式外科用道具組立体の遠位部の、別の分解組立図である。
【
図6】本開示の一態様に従った、中にRFカートリッジを支持し、カートリッジとアンビルとの間に組織がクランプ留めされ、
図1~
図5に示すエンドエフェクタの部分断面図である。
【
図7】本開示の一態様に従った、
図6のアンビルの部分断面図である。
【
図8】本開示の一態様に従った、
図1~
図5の交換式外科用道具組立体の一部の、別の分解組立図である。
【
図9】本開示の一態様に従った、
図1及び
図2の交換式外科用道具組立体及びハンドル組立体の、別の分解組立図である。
【
図10】本開示の一態様に従った、
図1~
図5の交換式外科用道具組立体のRFカートリッジ及び細長通路の斜視図である。
【
図11】本開示の一態様に従った、ナイフ部材を備えた、
図10のRFカートリッジ及び細長通路の一部の部分斜視図である。
【
図12】本開示の一態様に従った、
図10の細長通路内に取り付けられ、フレキシブルシャフト回路構成の一部を示すRFカートリッジの別の斜視図である。
【
図13】本開示の一態様に従った、
図12の線13-13に沿って切り取った、
図12のRFカートリッジ及び細長通路の断面端図である。
【
図14】本開示の一態様に従った、エンドエフェクタが関節運動位置にある、
図1及び5の交換式外科用道具組立体の一部の上部断面図である。
【
図15】本開示の一態様に従った、搭載された回路基板構成及びRF発電機を加えた構成の斜視図である。
【
図16A】本開示の一態様に従った、2つの図面にまたがる、
図1の外科用器具の制御回路のブロック図である。
【
図16B】本開示の一態様に従った、2つの図面にまたがる、
図1の外科用器具の制御回路のブロック図である。
【
図17】本開示の一態様に従った、ハンドル組立体と電源組立体との間のインタフェース、と及びハンドル組立体交換式シャフト組立体との間のインタフェースを示す、
図1の外科用器具の制御回路のブロック図である。
【
図18】本開示の一態様に従った、様々な機能を制御するように構成された外科用器具の概略図である。
【
図19】本開示の一態様に従った、閉鎖トリガが非作動位置にある、トリガ感知組立体を示す、ケースが取り外された外科用器具の側面図である。
【
図20】本開示の一態様に従った、閉鎖トリガが作動位置にある、トリガ感知組立体を示す、ケースが取り外された外科用器具の側面図である。
【
図21】本開示の一態様に従った、組織厚感知組立体を備えるエンドエフェクタの斜視図である。
【
図22】本開示の一態様に従った、組織厚感知組立体のセンサの概略図である。
【
図23】本開示の一態様に従った、位置感知組立体の分解斜視図である。
【
図24】本開示の一態様に従った、回路及び位置感知組立体の位置センサの図である。
【
図25】本開示の一態様に従った、外科用器具の様々なステータスを示すように構成された外科用器具の一例のブロック図である。
【
図26】本開示の一態様に従った、外科用器具のRFエネルギーのステータス情報を示すディスプレイである。
【
図27】本開示の一態様に従った、外科用器具のRFエネルギーのステータス情報を示すディスプレイである。
【
図28】本開示の一態様に従った、外科用器具のRFエネルギーのステータス情報を示すディスプレイである。
【
図29】本開示の一態様に従った、外科用器具のRFエネルギーのステータス情報を示すディスプレイである。
【
図30】本開示の一態様に従った、外科用器具の温度情報を示すディスプレイである。
【
図31】本開示の一態様に従った、外科用器具の組織含水量情報を示すディスプレイである。
【
図32】本開示の一態様に従った、外科用器具の動作進行情報を示すディスプレイである。
【
図33】本開示の一態様に従った、外科用器具の動作進行情報を示すディスプレイである。
【
図34】本開示の一態様に従った、外科用器具の組織及び動作進行情報を示すディスプレイである。
【
図35】本開示の一態様に従った、外科用器具の警告を示すディスプレイである。
【
図36】本開示の一態様に従った、外科用器具の警告を示すディスプレイである。
【
図37】本開示の一態様に従った、外科用器具のステータス、動作進行、及び組織の情報を示すディスプレイである。
【
図38】本開示の一態様に従った、外科用器具のRFカートリッジのステータス情報を示すディスプレイである。
【
図39】本開示の一態様に従った、外科用器具のRFカートリッジのステータス情報を示すディスプレイである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本出願の出願人は、本出願と同時に出願された以下の特許出願を所有しており、これらの各々は、参照によりそれぞれの全体が本明細書に組み込まれる。
【0008】
代理人整理番号END8184USNP/170063、2017年6月28日出願の発明者Jeffrey D.Messerlyらによる、表題「SURGICAL SYSTEM COUPLEABLE WITH STAPLE CARTRIDGE AND RADIO FREQUENCY CARTRIDGE,AND METHOD OF USING SAME」。
【0009】
代理人整理番号END8190USNP/170065、2017年6月28日出願の発明者Jeffrey D.Messerlyらによる、表題「SHAFT MODULE CIRCUITRY ARRANGEMENTS」。
【0010】
代理人整理番号END8189USNP/170066、2017年6月28日出願の発明者Jeffrey D.Messerlyらによる、表題「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING CONTROL CIRCUITS FOR INDEPENDENT ENERGY DELIVERY OVER SEGMENTED SECTIONS」。
【0011】
代理人整理番号END8185USNP/170067、2017年6月28日出願の発明者Jeffrey D.Messerlyらによる、表題「FLEXIBLE CIRCUIT ARRANGEMENT FOR SURGICAL FASTENING INSTRUMENTS」。
【0012】
代理人整理番号END8188USNP/170068、2017年6月28日出願の発明者Jeffrey D.Messerlyらによる、表題「SURGICAL SYSTEM COUPLEABLE WITH STAPLE CARTRIDGE AND RADIO FREQUENCY CARTRIDGE,AND HAVING A PLURALITY OF RADIO-FREQUENCY ENERGY RETURN PATHS」。
【0013】
代理人整理番号END8181USNP/170069、2017年6月28日出願の発明者David C.Yatesらによる、表題「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING CONTROL CIRCUITS FOR AN INDEPENDENT ENERGY DELIVERY OVER SEGMENTED SECTIONS」。
【0014】
代理人整理番号END8187USNP/170070、2017年6月28日出願の発明者Tamara Widenhouseらによる、表題「SURGICAL END EFFECTOR FOR APPLYING ELECTROSURGICAL ENERGY TO DIFFERENT ELECTRODES ON DIFFERENT TIME PERIODS」。
【0015】
代理人整理番号END8182USNP/170071、2017年6月28日出願の発明者Tamara Widenhouseらによる、表題「ELECTROSURGICAL CARTRIDGE FOR USE IN THIN PROFILE SURGICAL CUTTING AND STAPLING INSTRUMENT」。
【0016】
代理人整理番号END8186USNP/170072、2017年6月28日出願の発明者Frederick E.Shelton,IVらによる、表題「SURGICAL END EFFECTOR TO ADJUST JAW COMPRESSION」。
【0017】
代理人整理番号END8224USNP/170073、2017年6月28日出願の発明者Jason L.Harrisらによる、表題「CARTRIDGE ARRANGEMENTS FOR SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENTS WITH LOCKOUT DISABLEMENT FEATURES」。
【0018】
代理人整理番号END8229USNP/170074、2017年6月28日出願の発明者Jeffrey D.Messerlyらによる、表題「SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENTS WITH DUAL POWER SOURCES」。
【0019】
電気外科用装置は、多くの外科手術で使用され得る。電気外科用装置は、組織を治療するために、組織に電気エネルギーを印加することができる。電気外科用装置は、1つ以上の電極を備えるエンドエフェクタを遠位に取り付けた器具を備えていてもよい。エンドエフェクタは、電流が組織に導入されるように、組織に対して配置することができる。電気外科用装置は、単極性動作又は双極性動作のために構成することができる。単極性動作の間、エンドエフェクタ上の活性(又はソース)電極により、電流を組織に導入することができ、リターン電極により戻すことができる。リターン電極は接地パッドであってよく、患者の身体の上で別個に配置されていてよい。双極性動作の間、電流は、それぞれエンドエフェクタの活性電極により組織に導入され、リターン電極により組織から戻され得る。
【0020】
エンドエフェクタは2つ以上のジョー部材を含むことができる。ジョー部材のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの電極を有することができる。少なくとも1つのジョーは、ジョー部材の間隔が、第1の位置の間隔よりも小さくなる位置に組織を受容するために、対向するジョーから隔置された位置から移動可能であり得る。この移動可能なジョーの動きにより、その間に保持された組織が圧縮され得る。組織を通じて流れる電流によって発生する熱が、ジョーの移動によって達成される圧縮と組み合わさって、組織内及び/又は組織間に止血封止を形成してもよく、したがって、例えば、血管を封止するために特に有用となり得る。エンドエフェクタは、切断部材を備えてもよい。切断部材は、組織及び電極に対して移動可能であり、組織を切除することができる。
【0021】
電気外科用装置はまた、ステープリング装置などの組織を一緒にクランプ留めするためのメカニズム、及び/又は組織ナイフなどの組織を切り離すためのメカニズムを含んでもよい。電気外科用装置は、治療を受けている組織に近接してエンドエフェクタを配置するためのシャフトを含んでもよい。シャフトは、直線状であっても曲線状であってもよく、屈曲可能であっても屈曲不能であってもよい。直線状の屈曲可能なシャフトを含む電気外科用装置では、シャフトは、シャフトの制御された屈曲を可能にするための1つ以上の関節接合部を有してもよい。そのような接合部は、直線状の非屈曲式シャフトを有する電気外科用装置を使用して治療されている組織に容易にアクセスできないときに、本電気外科用装置のユーザが、シャフトに対してある角度をなしてエンドエフェクタを組織と接触させて配置することを可能にし得る。
【0022】
電気外科用装置によって印加される電気エネルギーは、ハンドピースと連通している発電機によって、器具へと伝達することができる。電気エネルギーは、高周波(「RF」)エネルギーの形態であってもよい。RFエネルギーは、200キロヘルツ(kHz)~1メガヘルツ(MHz)の周波数範囲であり得る電気エネルギーの一形態である。印加中、電気外科用器具は、組織を通じて低周波数RFエネルギーを伝送することができ、これはイオン撹拌又は摩擦、即ち抵抗加熱を生じさせ、これによって組織の温度を増加させることができる。罹患組織と周囲組織との間にはっきりとした境界が作り出されるため、外科医は、隣接する非標的組織を犠牲にすることなく、高レベルの正確性及び制御で手術することができる。RFエネルギーの低動作温度は、軟組織を除去、収縮、又は成形しながら、同時に血管を封止するために有用である。RFエネルギーは、主にコラーゲンから構成されかつ熱に接触した際に収縮する、結合組織に対して特に良好に作用する。
【0023】
RFエネルギーは、EN 60601-2-2:2009+A11:2011,Definition 201.3.218-HIGH FREQUENCYに記載される周波数範囲であり得る。例えば、モノポーラRF用途における周波数は、典型的には、5MHz未満に制限され得る。しかしながら、バイポーラRF用途において、周波数は、ほぼどのような周波数であってもよい。200kHz超の周波数は、典型的には、低周波数の電流の使用から生じる神経及び筋肉の不必要な刺激を避けるために、モノポーラ用途に使用され得る。神経筋刺激の可能性が許容可能なレベルにまで緩和されたことをリスク分析が示す場合、より低い周波数がバイポーラ用途に使用され得る。高周波数漏洩電流に関連する問題を最小限に抑えるために、5MHz超の周波数は、通常使用されない。しかしながら、より高い周波数は、バイポーラ用途の場合には使用され得る。一般に、10mAが、組織への熱効果の下側閾値であると認識されている。
【0024】
図1及び
図2は、様々な異なる外科的処置を実施するために使用し得る、モータ駆動式外科用システム10を示す。図示した構成において、外科用システム10は、ハンドル組立体500に動作可能に連結された交換式外科用道具組立体1000を備える。別の外科用システムの態様では、交換式外科用道具組立体1000は、ロボット制御又は自動外科用システムの道具駆動組立体と共に効果的に使用され得る。例えば、本明細書で開示する外科用道具組立体1000は、様々なロボットシステム、器具、構成要素及び方法、例えば、限定されないが、参照によって全体内容が本明細書に組み込まれる米国特許第9,072,535号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」に開示されるものと共に使用されてもよい。
【0025】
図示した態様において、ハンドル組立体500は、臨床医により把持及び操作することが可能なピストルグリップ部分504を含むハンドルハウジング502を備えることができる。以下で簡潔に論じるように、ハンドル組立体500は、様々な制御運動を生成して交換式外科用道具組立体1000の対応する部分に適用するように構成された複数の駆動システムを動作可能に支持する。
図2に示すように、ハンドル組立体500は、複数の駆動システムを動作可能に支持するハンドルフレーム506を更に含むことができる。例えば、ハンドルフレーム506は、全般的に510として示される「第1の」、又は閉鎖駆動システムを動作可能に支持することができ、これを用いて、交換式外科用道具組立体1000に開閉運動を適用することができる。少なくとも1つの形態では、閉鎖駆動システム510は、ハンドルフレーム506により枢動可能に支持される閉鎖トリガ512の形態のアクチュエータを含んでもよい。このような構成により、臨床医が閉鎖トリガ512を操作することが可能になり、これにより、臨床医がハンドル組立体500のピストルグリップ部分504を把持する場合に、閉鎖トリガ512は、開始位置又は「非作動」位置から「作動」位置へ、より具体的には完全圧縮位置又は完全作動位置へと、容易に枢動できるようになっている。使用中、閉鎖駆動システム510を作動させるために、臨床医は、閉鎖トリガ512を、ピストルグリップ部分504に向かって押し下げる。参照によって全体内容が本明細書に組み込まれる、米国特許出願第14/226,142号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A SENSOR SYSTEM」(現在は米国特許出願公開第2015/0272575号)に更に詳細に記載されるように、臨床医が閉鎖トリガ512を完全に押し下げ、完全に閉じたストロークを達成するとき、閉鎖駆動システム510は、閉鎖トリガ512を、完全に押し下げられた位置又は完全に作動した位置にロックするように構成されている。臨床医が閉鎖トリガ512をロック解除して非作動位置へと付勢させるように所望する場合、臨床医は、単純に、閉鎖解放ボタン組立体518を活性化させ、これにより、閉鎖トリガを非作動位置まで戻すことが可能である。閉鎖解放ボタン組立体518はまた、閉鎖トリガ512の位置を追跡するために、ハンドル組立体500内のマイクロコントローラと連通する様々なセンサと相互作用するように構成されてもよい。閉鎖解放ボタン組立体518の構成及び動作に関する更なる詳細は、米国特許出願公開第2015/0272575号に見出すことができる。
【0026】
少なくとも1つの形態では、ハンドル組立体500及びハンドルフレーム506は、取り付けられている交換式外科用道具組立体の対応する部分に発射運動を適用するように構成されている、本明細書で発射駆動システム530と呼ばれる別の駆動システムを動作可能に支持していてもよい。米国特許出願公開第2015/0272575号に詳細に記載されるように、発射駆動システム530は、ハンドル組立体500のピストルグリップ部分504内に位置する電動モータ505を使用してもよい。様々な形態では、モータ505は、最大回転数が例えば約25,000RPMのブラシ付きDC駆動モータであってもよい。別の構成において、モータ505はブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又は任意の他の好適な電動モータを含んでよい。モータ505は、電源522によって給電されてもよく、電源522は、一形態では、着脱可能なパワーパックを備えてもよい。パワーパックは、その中にある複数のリチウムイオン(「LI」)電池又は他の好適な電池を支持してもよい。直列に接続された多数の電池を、外科用システム10のための電源522として使用してよい。加えて、電源522は、交換可能及び/又は再充電可能であってもよい。
【0027】
電動モータ505は、長手方向に移動可能な駆動部材540(
図3)を、モータの極性に応じて、遠位方向及び近位方向で軸方向に駆動させるように構成されている。例えば、モータ505がある回転方向に駆動すると、長手方向に移動可能な駆動部材は、遠位方向「DD」に軸方向に駆動することになる。モータ505が、反対の回転方向に駆動すると、長手方向に移動可能な駆動部材540は、近位方向「PD」に軸方向に駆動することになる。ハンドル組立体500は、スイッチ513を含んでもよく、スイッチ513は、電源522によって電動モータ505に適用される極性を逆転させるか、又は別の方法でモータ505を制御するように構成されてもよい。ハンドル組立体500はまた、駆動部材の位置及び/又は駆動部材が移動する方向を検出するように構成されている、1つ又は複数のセンサ(図示せず)を含むことができる。モータ505の作動は、閉鎖トリガ512に隣接しており、ハンドル組立体500上で枢動可能に支持される、発射トリガ(図示せず)により制御可能である。発射トリガは、非作動位置と作動位置との間で枢動されてよい。発射トリガは、バネ若しくはその他の付勢構成により非作動位置へと付勢されてよく、これにより、臨床医が発射トリガを解放する場合に、それがバネ若しくは付勢構成により非作動位置へと枢動する、又は別の方法で戻されてよい。少なくとも1つの形態では、発射トリガは、閉鎖トリガ512の「機外」に配置され得る。米国特許出願公開第2015/0272575号に記載されるように、ハンドル組立体500には、発射トリガの不注意による作動を防ぐために、発射トリガ安全ボタン(図示せず)が設けられていてもよい。閉鎖トリガ512が非作動位置にある場合、安全ボタンはハンドル組立体500の中に入っており、臨床医は、これに容易に触ることができず、発射トリガの作動を防ぐ安全位置と、発射トリガが発射し得る発射位置との間を移動させることはできない。臨床医が閉鎖トリガを押し下げる際に、安全ボタン及び発射トリガが下方に枢動し、次に、臨床医による操作が可能になる。
【0028】
少なくとも1つの形態では、長手方向に移動可能な駆動部材540は、モータと連係する対応する駆動歯車構成(図示せず)との噛み合い係合ために、その上に形成された歯のラック542を有してよい。
図3を参照されたい。これらの特徴に関する更なる詳細は、米国特許出願公開第2015/0272575号に見出すことができる。しかし、少なくとも1つの構成において、長手方向に移動可能な駆動部材は、不注意によるRFエネルギーからその構成を保護するために絶縁されている。少なくとも1つの形態はまた、臨床医が長手方向に移動可能な駆動部材を手動で後退させ、モータ505を使用できないようにすることが可能なように構成された、手動で作動可能な「緊急離脱」組立体を含む。緊急離脱組立体は、解放可能なドア部550の下のハンドル組立体500内に格納されたレバー又は緊急離脱ハンドル組立体を含んでもよい。
図2を参照されたい。レバーは、駆動部材内の歯とラチェット係合するように、手動で枢動するように構成されてもよい。したがって、臨床医は、緊急離脱ハンドル組立体を使用して駆動部材540を手動で後退させ、駆動部材を近位方向「PD」にラチェットさせることができる。その開示全体が本明細書に参照により組み込まれている、米国特許第8,608,045号(表題「POWERED SURGICAL CUTTING AND STAPLING APPARATUS WITH MANUALLY RETRACTABLE FIRING SYSTEM」)は、本明細書にて開示した様々な交換式外科用道具組立体のいずれか1つと共に使用可能でもある、緊急離脱構成、並びに他の構成要素、構成、及びシステムについて開示している。
【0029】
図示した態様において、交換式外科用道具組立体1000は、第1ジョー1600及び第2ジョー1800を備える外科用エンドエフェクタ1500を含む。ある構成において、第1ジョーは、中に従来の(機械式)外科用ステープル/締結具カートリッジ1400(
図4)、又は高周波(RF)カートリッジ1700(
図1及び
図2)を動作可能に支持するように構成された細長通路1602を備える。第2ジョー1800は、細長通路1602に対して枢動可能に支持されるアンビル1810を備える。アンビル1810は、閉鎖駆動システム510を作動させることにより、開位置と閉位置の間を、細長通路1602内で支持された外科用カートリッジに向かうように、及びそこから離れるように、選択的に移動されてもよい。図示した構成において、アンビル1810は、シャフト軸SAを横断する枢動軸を中心に選択的枢動移動のために、細長通路1602の近位端部分に枢動可能に支持される。閉鎖駆動システム510の作動により、関節運動コネクタ1920に取り付けられた、近位閉鎖部材又は近位閉鎖管1910の遠位軸移動がもたらされ得る。
【0030】
図4に戻ると、関節運動コネクタ1920は、エンドエフェクタ閉鎖スリーブ又は遠位閉鎖管セグメント1930に移動可能に連結される関節運動コネクタ1920の遠位端から遠位に突出する上部突出部1922及び下部突出部1924を含む。
図3を参照されたい。遠位閉鎖管セグメント1930は、上部突出部1932、及び上部突出部1932の近位端から近位に突出する下部突出部(図示せず)を含む。上部二重枢動リンク1940は、それぞれ関節運動コネクタ1920及び遠位閉鎖管セグメント1930の上部突出部1922、1932の対応する穴と係合する、近位ピン1941及び遠位ピン1942を含む。同様に、下部二重枢動リンク1944は、それぞれ関節運動コネクタ1920及び遠位閉鎖管セグメント1930の下部突出部1924の対応する穴と係合する、近位ピン1945及び遠位ピン1946を含む。
【0031】
依然として
図4を参照すると、図示した例において、遠位閉鎖管セグメント1930は、アンビル1810の対応する部分と対応し、遠位閉鎖管セグメント1930が開始位置に向かって近位方向PDに後退すると、アンビル1810に開運動を適用する、正ジョー開口部特徴部又はタブ1936、1938を含む。アンビル1810の開閉に関する更なる詳細は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれている、同日に出願された米国特許出願(表題「SURGICAL INSTRUMENT WITH POSITIVE JAW OPENING FEATURES」)(代理人整理番号END8208USNP/170096)に見出すことができる。
【0032】
図5に示すように、少なくとも1つの構成において、交換式外科用道具組立体1000は、上にノズル組立体1240を動作可能に支持する道具シャーシ1210を備える、道具フレーム組立体1200を含む。その全体が参照により本明細書に組み込まれている、同日に出願された米国特許出願(表題「SURGICAL INSTRUMENT WITH AXIALLY MOVABLE CLOSURE MEMBER」)(代理人整理番号END8209USNP/170097)にて更に詳細に論じられるように、道具シャーシ1210及びノズル構成1240は、道具シャーシ1210に対してシャフト軸SAを中心にした外科用エンドエフェクタ1500の回転を容易にする。このような回転移動は、
図1において矢印Rにより示される。
図4及び
図5にもまた示すように、交換式外科用道具組立体1000は、近位閉鎖管1910を動作可能に支持するスパイン組立体1250を含み、外科用エンドエフェクタ1500に連結されている。様々な状況において、組み立てを容易にするために、スパイン組立体1250は、スナップ形成体、接着剤、溶接などにより互いに接続された、上部スパインセグメント1251及び下部スパインセグメント1252から作製可能である。組み立てられた形態において、スパイン組立体1250は、道具シャーシ1210内に回転可能に支持される近位端1253を含む。ある構成では例えば、スパイン組立体1250の近位端1253は、道具シャーシ1210内で支持されるように構成されたスパインベアリング(図示せず)に結合されている。このような構成により、スパイン組立体1250の道具シャーシへの取り付けが容易になり、スパイン組立体1250が道具シャーシ1210に対してシャフト軸SAを中心に選択的に回転可能となる。
【0033】
図4に示すように、上部スパインセグメント1251は上部ラグ固定特徴部1260で終了し、下部スパインセグメント1252は、下部ラグ固定特徴部1270で終了する。上部ラグ固定特徴部1260は、中に上部固定リンク1264を固定するように支持するように適合された、ラグスロット1262が中に形成される。同様に、下部ラグ固定特徴部1270は、中に下部固定リンク1274を固定するように支持するように適合された、ラグスロット1272が中に形成される。上部固定リンク1264は、シャフト軸SAからずれた枢動ソケット1266を中に含む。枢動ソケット1266は、中に、通路キャップ上に形成された枢動ピン1634、又は細長通路1602の近位端部分1610に取り付けられた通路キャップ又はアンビル保持装置1630を回転可能に受容するように適合されている。下部固定リンク1274は、細長通路1602の近位端部分1610内に形成された枢動穴1611内に受容されるように適合された、下部枢動ピン1276を含む。下部枢動ピン1276及び枢動穴1611は、シャフト軸SAからずれている。下部枢動ピン1276は枢動ソケット1266と垂直に連動し、それを中心として外科用エンドエフェクタ1500がシャフト軸SAに対して関節運動し得る関節運動軸AAを画定する。
図1を参照されたい。関節運動軸AAはシャフト軸SAを横断するものの、少なくとも1つの構成において、関節運動軸AAはシャフト軸SAから水平にずれており、シャフト軸SAと交差しない。
【0034】
図5に戻ると、近位閉鎖管1910の近位端1912は、近位閉鎖管セグメント1910内の環状溝1915に位置するコネクタ1916により、閉鎖シャトル1914に回転可能に連結されている。閉鎖シャトル1914は道具シャーシ1210内で軸移動のために支持され、道具シャーシ1210がハンドルフレーム506に連結されたときに閉鎖駆動システム510に係合するように構成された一対のフック1917を、閉鎖シャトル1914上に有する。道具シャーシ1210は、道具シャーシ1210をハンドルフレーム506に解放可能に掛け留めするための掛留組立体1280を、更に支持する。道具シャーシ1210及び掛留組立体1280に関する更なる詳細は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれている、同日に出願された表題「SURGICAL INSTRUMENT WITH AXIALLY MOVABLE CLOSURE MEMBER」の米国特許出願(代理人整理番号END8209USNP/170097)に見出すことができる。
【0035】
ハンドル組立体500内の発射駆動システム530は、交換式外科用道具組立体1000内で動作可能に支持された発射システム1300に、動作可能に連結されるように構成されている。発射システム1300は、発射駆動システム530により適用される、対応する発射運動に応答して、遠位方向及び近位方向に軸移動されるように構成された、中間発射シャフト部分1310を含むことができる。
図4を参照されたい。
図5に示すように、中間発射シャフト部分1310の近位端1312は、ハンドル組立体500内の発射駆動システム530の長手方向に移動可能な駆動部材540の遠位端の上にある、取り付けクレードル544(
図3)内に封止されるように構成された、近位端1312の上に形成された発射シャフト取り付けラグ1314を有する。このような構成により、発射駆動システム530の作動時に、中間発射シャフト部分1310の軸移動が容易になる。図示した例において、中間発射シャフト部分1310は、遠位切断部分又はナイフバー1320に取り付けられるように構成されている。
図4に示すように、ナイフバー1320は、発射部材又はナイフ部材1330に接続されている。ナイフ部材1330は、その上に組織切断刃1334を動作可能に支持する、ナイフ本体1332を備える。ナイフ本体1332は、アンビル係合タブ又は特徴部1336、及び通路係合特徴部又は足部1338を更に含むことができる。アンビル係合特徴部1336は、ナイフ部材1330がエンドエフェクタ1500を通って遠位に前進したときに、更なる閉鎖運動をアンビル1810に適用するように機能し得る。
【0036】
図示した例において、外科用エンドエフェクタ1500は関節運動システム1360により、関節運動軸AAを中心として選択的に関節運動可能である。一形態において、関節運動システム1360は、関節運動リンク1380に枢動可能に連結された近位関節運動ドライバ1370を含む。
図4に最も具体的に確認できるように、ずれ取り付けラグ1373が、近位関節運動ドライバ1370の遠位端1372に形成される。枢動穴1374がずれ取り付けラグ1373の中に形成され、関節運動リンク1380の近位端1381に形成された近位リンクピン1382を、中に枢動可能に受容するように構成されている。関節運動リンク1380の遠位端1383は、細長通路1602の近位端部分1610に形成された通路ピン1618を、中に枢動可能に受容するように構成された枢動穴1384を含む。したがって、近位関節運動ドライバ1370の軸移動により、関節運動が細長通路1602に適用され、これによって、外科用エンドエフェクタ1500がスパイン組立体1250に対して、関節運動軸AAを中心に関節移動する。様々な状況において、近位関節運動ドライバ1370が近位方向又は遠位方向に移動していないときに、近位関節運動ドライバ1370が、関節運動ロック1390により、所定の位置で維持されてもよい。関節運動ロック1390の例示的な形態に関する更なる詳細は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれている、同日に出願された米国特許出願(表題「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION SYSTEM LOCKABLE TO A FRAME」)(代理人整理番号END8217USNP/170102)に見出すことができる。
【0037】
上記に加えて更に、交換式外科用道具組立体1000は、近位関節運動ドライバ1310を発射システム1300に選択的にかつ解放可能に連結するように構成することができる、シフタ組立体1100を含む。
図5に示すように、例えば、一形態において、シフタ組立体1100は、発射システム1300の中間発射シャフト部分1310の周りに配置された、ロックカラー、又はロックスリーブ1110を含み、ロックスリーブ1110は、ロックスリーブ1110が近位関節運動ドライバ1370を発射部材組立体1300に動作可能に連結させる係合位置と、近位関節運動ドライバ1370が発射部材組立体1300に動作可能に連結されない係合解除位置との間を回転することができる。ロックスリーブ1110が係合位置にあるとき、発射部材組立体1300が遠位に移動することにより、近位関節運動ドライバ1370が遠位に移動することができ、これに対応して、発射部材組立体1300が近位に移動することにより、近位関節運動ドライバ1370が近位に移動することができる。ロックスリーブ1110がその係合解除位置にあるとき、発射部材組立体1300の移動は近位関節運動ドライバ1370に伝達されず、その結果、発射部材組立体1300は近位関節運動ドライバ1370から独立して移動することができる。様々な状況下では、近位関節運動ドライバ1370は、近位関節運動ドライバ1370が発射部材組立体1300によって近位方向又は遠位方向に移動されていないとき、関節運動ロック1390によって所定の位置に保持され得る。
【0038】
図示した構成において、発射部材組立体1300の中間発射シャフト部分1310は、中に駆動ノッチ1316が形成された、2つの対向する平坦な側面を有して形成される。
図5を参照されたい。
図5でもまた確認できるように、ロックスリーブ1110は、中間発射シャフト部分1310を受容するように構成された長手方向アパーチャを含む、円筒形、又は少なくとも実質的に円筒形の本体を備える。ロックスリーブ1110は、ロックスリーブ1110がある位置にあるときに、中間発射シャフト部分1310内の駆動ノッチ1316の対応する部分の中に係合可能に受容され、別の位置にあるときに、駆動ノッチ1316内には受容されない、直径の反対方向に内側に向き合う、ロック突出部を備えることができ、これにより、ロックスリーブ1110と中間発射シャフト1310との間での、相対的な軸運動を可能にする。
図5に更に確認できるように、ロックスリーブ1110は、近位関節運動ドライバ1370の近位端のノッチ1375内に移動可能に受容されるような寸法である、ロック部材1112を更に含む。このような構成により、近位関節運動ドライバ1370内でのノッチ1375との係合のために、適切な位置に残りながら、又は係合しながら、ロックスリーブ1110はわずかに回転して、中間発射シャフト部分1310と係合し、係合解除することができる。例えば、ロックスリーブ1110がその係合位置にある場合、ロック突出部は、中間発射シャフト部分1310の駆動ノッチ1316内に配置され、これにより、遠位押力及び/又は近位引張力が発射部材組立体1300からロックスリーブ1110へと伝達され得る。このような軸方向の押運動、又は引張運動は次に、ロックスリーブ1110から近位関節運動ドライバ1370へと伝達されることにより、外科用エンドエフェクタ1500を関節運動させる。実際には、発射部材組立体1300、ロックスリーブ1110、及び近位関節運動ドライバ1370は、ロックスリーブ1110がその係合(関節運動)位置にあるときに共に移動する。他方で、ロックスリーブ1110がその係合解除位置にあるとき、ロック突出部は中間発射シャフト部分1310の駆動ノッチ1316内には受容されず、結果的に、遠位押力及び/又は近位引張力は、発射部材組立体1300からロックスリーブ1110(そして、近位関節運動ドライバ1370)に伝達され得ない。
【0039】
図示した例において、係合位置と係合解除位置との間での、ロックスリーブ1110の相対移動は、近位閉鎖管1910と連係するシフタ組立体1100により、制御されてもよい。依然として
図5を参照すると、シフタ組立体1100は、ロックスリーブ1110の外側周辺に形成された鍵溝内に摺動可能に受容されるように構成された、シフタキー1120を更に含む。このような構成により、シフタキー1120がロックスリーブ1110に対して軸移動することが可能となる。その開示全体が参照により本明細書に組み込まれている、同日に出願された米国特許出願(表題「SURGICAL INSTRUMENT WITH AXIALLY MOVABLE CLOSURE MEMBER」)(代理人整理番号END8209USNP/170097)に更に詳細に論じられているように、シフタキー1120の一部は、近位閉鎖管部分1910内でカム開口部(図示せず)とカム作用により相互作用するように、構成されている。また、図示した例では、シフタ組立体1100は、近位閉鎖管部分1910の近位端部分に回転可能に受容される、スイッチドラム1130を更に含む。シフタキー1120の一部は、スイッチドラム1130内の軸スロットセグメントを通って延び、スイッチドラム1130内の弓状スロットセグメント内に移動可能に受容される。スイッチドラムねじりバネ1132がスイッチドラム1130に固定され、ノズル組立体1240の一部に係合して、近位閉鎖管部分1910内のカム開口部の端部部分にシフタキー1120の一部が到達するまで、スイッチドラム1130を回転させる役割を果たすねじれ付勢又は回転を適用する。この位置にあるとき、スイッチドラム1130はねじれ付勢をシフタキー1120にもたらすことにより、ロックスリーブ1110を回転させて、中間発射シャフト部分1310との係合位置にする。この位置はまた、近位閉鎖管1910(及び、遠位閉鎖管セグメント1930)の非作動構成に対応している。
【0040】
ある構成では例えば、近位閉鎖管1910が非作動構成にある(アンビル1810が、細長通路1602に固定されたカートリッジから離れて開位置にある)とき、中間発射シャフト部分1310が作動することにより、近位関節運動ドライバ1370が軸移動し、エンドエフェクタ1500の関節運動が容易になる。ユーザが外科用エンドエフェクタ1500を所望の向きに関節運動させると、次いでユーザは、近位閉鎖管部分1910を作動させることができる。近位閉鎖管部分1910を作動させることにより、遠位閉鎖管セグメント1930の遠位移動がもたされ、最終的に閉鎖運動がアンビル1810に適用される。近位閉鎖管部分1910のこの遠位移動により、その中のカム開口部において、シフタキー1120のカム部分とのカム作用による相互作用がもたされることにより、シフタキー1120が作動方向に、ロックスリーブ1110を回転させる。ロックスリーブ1110のこのような回転により、中間発射シャフト部分1310内で、駆動ノッチ1316からロック突出部が係合解除される。このような構成にあるとき、発射駆動システム530が作動して、近位関節運動ドライバ1370を作動させることなく、中間発射シャフト部分1310を作動させることができる。スイッチドラム1130及びロックスリーブ1110の動作、並びに、本明細書で記載される様々な交換式外科用道具組立体と共に用いることができる、代替の関節運動及び発射駆動構成に関する更なる詳細は、これらの開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第13/803,086号(現在は米国特許公開第2014/0263541号)及び米国特許出願第15/019,196号に見出すことができる。
【0041】
図5及び
図15にもまた示すように、交換式外科用道具組立体1000は、ノズル組立体1240を回転させることにより、道具シャーシ1210に対するシャフト軸SAを中心にしたシャフト及びエンドエフェクタ1500の回転移動を容易にしながら、電力を外科用エンドエフェクタ1500に/から伝えし、かつ/又は、外科用エンドエフェクタ1500に/から、信号を通信するように構成可能な、搭載された回路基板1152の背後にある、スリップリング組立体1150を備えることができる。
図15に示すように、少なくとも1つの構成において、搭載された回路基板1152は、例えば、ハンドル組立体500又はロボットシステムコントローラ内で支持されるマイクロプロセッサ560と通信する、ハウジングコネクタ562(
図9)と連係するように構成された、搭載されたコネクタ1154を含む。スリップリング組立体1150は、搭載された回路基板1152と連係する近位コネクタ1153と連係するように構成されている。スリップリング組立体1150及び関連するコネクタに関する更なる詳細は、それらの各全体が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許出願第13/803,086号、現在は米国特許出願公開第2014/0263541号、及び米国特許出願第15/019,196号、並びにその全体が参照として本明細書に組み込まれる、米国特許出願第13/800,067号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」(現在は米国特許出願公開第2014/0263552号)に見出され得る。
【0042】
本明細書で開示した交換式外科用道具組立体1000の例示的なバージョンを、ナイフ部材により組織の切断を容易にし、切断組織を、高周波(RF)エネルギーを用いて封止するように構成された、標準的な(機械式)外科用締結具カートリッジ1400又はカートリッジ1700と共に使用することができる。
図4に再び戻ると、従来の、又は標準的な機械式カートリッジ1400が示されている。このようなカートリッジ構成は既知であり、細長通路1602内で着脱可能に受容され支持されるような寸法、及び形状である、カートリッジ本体1402を備えることができる。例えば、カートリッジ本体1402は、細長通路1602とスナップ係合して、着脱可能に保持されるように構成されてもよい。カートリッジ本体1402は細長スロット1404を含み、このスロットを通して、ナイフ部材1330の軸移動に適応する。カートリッジ本体1402は、中央に配置された細長スロット1404の各側面の列に位置合わせされた複数のステープルドライバ(図示せず)をその内部に動作可能に支持する。ドライバは、カートリッジ本体1402の上部デッキ表面1410を通って開いている、対応するステープル/締結具ポケット1412と関連付けられる。ステープルドライバのそれぞれは、1つ以上の外科用ステープル又は締結具(図示せず)を支持する。スレッド組立体1420がカートリッジ本体1402の近位端内で支持されており、カートリッジ1400が新しいものであり、発射されていないときには、開始位置においてドライバ及び締結具に近位に位置している。スレッド組立体1420は、複数の傾斜した又は楔形のカム1422を含み、各カム1422は、スロット1404の側面上に位置する締結具又はドライバの特定のラインに対応する。スレッド組立体1420は、アンビルとカートリッジデッキ表面1410との間でクランプ留めされた組織を通ってナイフ部材が遠位に駆動されるときに、ナイフ部材1330により接触され駆動されるように構成されている。ドライバがカートリッジデッキ表面1410に向けて上向きに駆動されると、その上で支持されている締結具(単数又は複数)は、ステープルポケット1412から、アンビルとカートリッジとの間でクランプ留めされた組織を通って駆動される。
【0043】
依然として
図4を参照すると、少なくとも1つの形態のアンビル1810は、水平に突出し、細長通路1602の近位端部分1610の直立壁1622に形成された、対応するトラニオンクレードル1614の中に枢動可能に受容される、一対のアンビルトラニオン1822を有するアンビル固定部分1820を含む。アンビルトラニオン1822は、通路キャップ又はアンビル保持装置1630により、対応するトラニオンクレードル1614内で枢動可能に保持される。アンビル固定部分1820は、シャフト軸SAを横断する、固定されたアンビル枢動軸を中心にしたアンビル固定部分1820に対する選択的な枢動移動のために、細長通路1602の上で、移動可能に、又は枢動可能に支持される。
図6及び
図7に示すように、少なくとも1つの形態において、アンビル1810は、例えば導電性金属材料から作製されるアンビル本体部分1812を含み、中にナイフ部材1330を摺動可能に収容するように構成された中央に配置されたアンビルスロット1815の各側面に、中に形成された一連の締結具形成ポケット1814を有するステープル形成下面1813を有する。アンビルスロット1815は、アンビル本体1812を通って長手方向に延びる上部開口部1816へと開口し、発射の間、ナイフ部材1330上にアンビル係合特徴部1336を収容する。従来の機械式外科用ステープル/締結具カートリッジ1400が細長通路1602内に取り付けられると、ステープル/締結具は組織Tを通って駆動され、対応する締結具形成ポケット1814との接触を形成する。アンビル本体1812は上部に開口部を有し、例えば取り付けを容易にすることができる。アンビルキャップ1818を中に挿入し、アンビル本体1812に溶接して開口部を取り囲み、アンビル本体1812の全体の剛性を改善することができる。
図7に示すように、RFカートリッジ1700と共にエンドエフェクタ1500の使用を容易にするために、締結具形成下面1813の組織に面しているセグメント1817は、その上に電気絶縁性材料1819を有してよい。
【0044】
図示した構成において、交換式外科用道具組立体1000は、全般的に1640として示される発射部材ロックアウトシステムと共に構成される。
図8を参照されたい。
図8に示すように、細長通路1602は、突出する2つの直立側壁1622を有する底部表面又は底部1620を含む。中央に配置された長手方向通路スロット1624は底部1620を通して形成され、ナイフ部材1330がスロットを通って軸移動することを容易にする。通路スロット1624は、ナイフ部材1330上に通路係合特徴部又は足部1338を収容する長手方向パッセージ1626へと開口している。パッセージ1626は、通路係合特徴部又は足部1338の対応する部分に係合する役割を果たす、内側に延びる2つの出っ張り部分1628を画定する役割を果たす。発射部材ロックアウトシステム1640は、ナイフ部材1330が開始位置にあるときに、それぞれが、通路係合特徴部又は足部1338の対応する部分を受容するように構成された、通路スロット1624の各側面に位置する近位開口部1642を含む。ナイフロックアウトバネ1650は、細長通路1602の近位端1610で支持され、ナイフ部材1330を下に向かって付勢する役割を果たす。
図8に示すように、ナイフロックアウトバネ1650は、ナイフ本体1332上に、対応する中央通路係合特徴部1337に係合するように構成された、2つの遠位末端バネアーム1652を含む。バネアーム1652は、中央通路係合特徴部1337を下に向かって付勢するように構成されている。したがって、開始(未発射位置)にあるときに、ナイフ部材1330は下向きに付勢され、通路係合特徴部又は足部1338は、細長1602通路の対応する近位開口部1642内に受容される。そのロック位置にあるとき、ナイフ1330を遠位に前進させようとすると、中央通路係合特徴部1137及び/又は足部1338は、細長通路1602上で直立した出っ張り1654と係合し(
図8及び
図11)、ナイフ1330は発射できなくなる。
【0045】
依然として
図8を参照すると、発射部材ロックアウトシステム1640は、発射部材本体1332の遠位端に形成された、又はそこで支持された、ロック解除組立体1660もまた含む。ロック解除組立体1660は、スレッド組立体1420が、未発射の外科用ステープルカートリッジ1400にて開始位置にあるときに、スレッド組立体1420に形成されたロック解除特徴部1426に係合するように構成された、遠位に延びる出っ張り1662を含む。したがって、未発射の外科用ステープルカートリッジ1400が細長通路1602に適切に取り付けられると、ロック解除組立体1660の出っ張り1662が、ナイフ部材1330を上向きに付勢する役割を果たすスレッド組立体1420上でロック解除特徴部1426と接触し、中央通路係合特徴部1137及び/又は足部1338が、通路底部1620内で直立した出っ張り1654を取り除き、ナイフ部材1330の細長通路1602を通っての軸通過を容易にする。部分的に発射されたカートリッジ1400が細長通路に、知らぬ間に取り付けられた場合、スレッド組立体1420は開始位置にはなく、ナイフ部材1330はロック位置にとどまる。
【0046】
ここから、ハンドル組立体500への交換式外科用道具組立体1000の取り付けについて、
図3及び
図9を参照して記載する。連結プロセスを開始するために、臨床医は、道具シャーシ1210上に形成された先細取り付け部分1212がハンドルフレーム506のダブテールスロット507と整列するように、交換式外科用道具組立体1000の道具シャーシ1210をハンドルフレーム506の遠位端の上方に、又はそれに隣接して配置してもよい。臨床医は、次いで、先細取り付け部分1212を、ハンドルフレーム506の遠位端の対応するダブテール受容スロット507と「動作可能に係合」した状態で着座させるように、外科用道具組立体1000をシャフト軸SAに垂直な取り付け軸IAに沿って移動させてもよい。そうすることで、中間発射シャフト部分1310上の発射シャフト取り付けラグ1314もまた、ハンドル組立体500内の長手方向に移動可能な駆動部材540のクレードル544内に着座され、閉鎖リンク514上にあるピン516の部分が、閉鎖シャトル1914の対応するフック1917内に着座される。本明細書で使用するとき、2つの構成要素の文脈における「動作可能な係合」という用語は、それら2つの構成要素が互いに十分に係合され、それにより、作動運動をそれらに適用すると、構成要素が意図される行為、機能、及び/又は手順を実施し得ることを意味する。本プロセス中にはまた、外科用道具組立体1000の、搭載されたコネクタ1154が、例えばハンドル組立体500又はロボットシステムコントローラ内で支持されたマイクロプロセッサ560と通信するハウジングコネクタ562に連結される。
【0047】
通常の外科的処置の間、臨床医は、標的組織にアクセスするため、患者のトロカール又は他の開口部を通して、外科用エンドエフェクタ1500を手術部位へと導入することができる。そうするとき、臨床医は、典型的には、シャフト軸SAに沿って外科用エンドエフェクタ1500を軸方向に整列させる(非関節運動状態)。外科用エンドエフェクタ1500がトロカールポートを通過すると、例えば、臨床医には、エンドエフェクタ1500を関節運動させて、標的組織に隣接させて有利に配置することが必要とされ得る。これは、アンビル1810が標的組織の上で閉じる前であるため、閉鎖駆動システム510は非作動のままである。この位置にあるとき、発射駆動システム530が作動することにより、関節運動が近位関節運動ドライバ1370に適用される。エンドエフェクタ1500が所望の関節運動位置に達すると、発射駆動システム530は非活性化され、関節運動ロック1390が外科用エンドエフェクタ1500を関節運動位置で保持することができる。次に臨床医は、閉鎖駆動システム510を作動させて、アンビル1810を標的組織の上で閉じることができる。閉鎖駆動システム510をこのように作動させることによってまた、シフタ組立体1100が中間発射シャフト部分1310から近位関節運動ドライバ1370を分離することができる。したがって、標的組織が外科用エンドエフェクタ1500で捕捉されると、臨床医は再び、発射駆動システム530を作動させて、発射部材1330を外科用ステープル/締結具カートリッジ1400、又はRFカートリッジ1700を通して軸方向に前進させ、クランプ留めした組織を切断し、ステープル/締結具を切断した組織Tに発射する。他の閉鎖及び発射装置構成、作動装置構成(共に手持ち型、手動、及び自動又はロボット式)もまた使用して、本開示の範囲を逸脱することなく、外科用道具組立体1000の閉鎖システム構成要素、関節運動システム構成要素、及び/又は発射システム構成要素の軸移動を制御することができる。
【0048】
上で示したとおり、外科用道具組立体1000は、従来の機械式外科用ステープル/締結具カートリッジ1400及びRFカートリッジ1700と共に使用するように構成されている。少なくとも1つの形態において、RFカートリッジ1700は、凝固用電流を電流経路内の組織に送達しながら、ナイフ部材1330を用いて、アンビル1810とRFカートリッジ1700との間でクランプ留めされた組織の機械的切断を容易にすることができる。組織を機械的に切断し、電流を用いて凝固させる代替的な構成はまた、例えば、米国特許第5,403,312号;同第7,780,663号、及び米国特許出願第15/142,609号(表題「ELECTROSURGICAL INSTRUMENT WITH ELECTRICALLY CONDUCTIVE GAP SETTING AND TISSUE ENGAGING MEMBERS」)(上記それぞれの参照文献である開示全体は、本明細書に参照により組み込まれている)に開示されている。このような器具により、例えば、止血が改善され、外科的複雑性の減少並びに手術室にいる時間の減少がもたらされ得る。
【0049】
図10~
図12に示すように、少なくとも1つの構成において、RF外科用カートリッジ1700は、細長通路1602内で着脱可能に受容され支持されるような寸法、及び形状である、カートリッジ本体1710を含む。例えば、カートリッジ本体1710は、細長通路1602とスナップ係合して、着脱可能に保持されるように構成されてもよい。様々な構成において、カートリッジ本体1710はポリマー材料、例えば、液晶ポリマー(LCP)VECTRA(商標)などのエンジニアリング熱可塑性樹脂から作製可能であり、細長通路1602は金属から作製可能である。少なくとも一態様において、カートリッジ本体1710は、カートリッジ本体を通って長手方向に延び、ナイフ1330の長手方向移動を収容する、中央に配置された細長スロット1712を含む。
図10及び
図11に示すように、一対のロックアウト係合尾部1714は、カートリッジ本体1710から近位に延びる。各ロックアウト係合尾部1714は、通路底部1620の対応する近位開口部部分1642内に受容される寸法である、下側に形成されるロックアウトパッド1716を有する。したがって、カートリッジ1700が細長通路1602に適切に取り付けられると、ロックアウト係合尾部1714は開口部1642及び出っ張り1654を覆い、ナイフ1330を、発射の準備ができたロック解除位置で保持する。
【0050】
ここで、
図10~
図13に戻ると、図示した例において、カートリッジ本体1710は、中央に配置された隆起電極パッド1720を有して形成されている。最も具体的には
図6に確認できるように、細長スロット1712は、電極パッド1720の中心を通って延び、パッド1720を、左パッドセグメント1720Lと右パッドセグメント1720Rとに分割する役割を果たす。右側フレキシブル回路組立体1730Rは右パッドセグメント1720Rに取り付けられ、左側フレキシブル回路組立体1730Lは左パッドセグメント1720Lに取り付けられている。少なくとも1つの構成では、例えば、右側フレキシブル回路1730Rは、例えば、右側パッド1720Rに取り付けられた右側絶縁体シース/部材1734Rに支持された、取り付けられた、又は埋め込まれた、RF用の、幅広い導電体/導電体、及び、従来のステープル留め用の薄い導電体を含むことができる、複数の導電体1732Rを備える。更に、右側フレキシブル回路組立体1730Rは、「フェーズ1」、即ち近位右側電極1736R、及び「フェーズ2」、即ち遠位右側電極1738Rを含む。同様に、左側フレキシブル回路組立体1730Lは、例えば、左側パッド1720Lに取り付けられた左側絶縁体シース/部材1734Lに支持された、取り付けられた、又は埋め込まれた、RF用の、幅広い導電体/導電体、及び、従来のステープル留め用の薄い導電体を含むことができる、複数の導電体1732Lを備える。更に、左側フレキシブル回路組立体1730Lは、「フェーズ1」、即ち近位左側電極1736L、及び「フェーズ2」、即ち遠位左側電極1738Lを含む。左側導電体1732L及び右側導電体1732Rは、カートリッジ本体1710の遠位端部分に固定された遠位マイクロチップ1740に取り付けられている。ある構成では例えば、右側フレキシブル回路1730R及び左側フレキシブル回路1730Lはそれぞれ、約0.025インチの全体幅「CW」を有することができ、電極1736R、1736L、1738R、1738Rのそれぞれは、例えば約0.010インチの幅「EW」を有する。
図13を参照されたい。しかし、他の幅/寸法が想到され、代替の態様において用いられてよい。
【0051】
少なくとも1つの構成では、RFエネルギーは、従来のRF発電機400により、供給リード402を通って外科用道具組立体1000に供給される。少なくとも1つの構成では、供給リード402は、搭載された回路基板1152上のセグメント化RF回路1160に取り付けられた、対応する雌型コネクタ410にプラグ接続されるように構成された、雄型プラグ組立体406を含む。
図15を参照されたい。このような構成により、発電機400から供給リード402を巻回することなく、ノズル組立体1240を回転させることによって、道具シャーシ1210に対するシャフト軸SAを中心にしたシャフト及びエンドエフェクタ1500の回転移動が容易になる。搭載されたオン/オフ電源スイッチ420が、RF発電機のオンとオフとを切り替えるために、掛留組立体1280及び道具シャーシ1210上に支持されている。道具組立体1000がハンドル組立体500又はロボットシステムに動作可能に連結されているとき、搭載されたセグメント化RF回路1160は、コネクタ1154及び562を介してマイクロプロセッサ560と通信する。
図1に示すように、ハンドル組立体500は、封止、ステープル留め、ナイフ位置、カートリッジのステータス、組織、温度の進行に関する情報を確認するために表示スクリーン430もまた含むことができる。
図15でもまた確認できるように、スリップリング組立体1150は、フレキシブルシャフト回路ストリップを含む遠位コネクタ1162、又は、RF用に使用する、関係する活動及びより幅広い導電体1168をステープル留めするための、狭い複数の導電体1166を含み得る組立体1164と連係する。
図14及び
図15に示すように、フレキシブルシャフト回路ストリップ1164は、ナイフバー1320を形成する積層板又は積層されたバー1322の間で、中心で支持される。このような構成により、エンドエフェクタ1500の関節運動の間に十分な硬さを残したまま、ナイフバー1320とフレキシブルシャフト回路ストリップ1164とを十分に撓曲させることが容易となり、ナイフ部材1330がクランプ留めされた組織を通して遠位に前進することが可能となる。
【0052】
図10に再び戻ると、少なくとも1つの図示した構成において、細長通路1602は、細長通路1602の近位端1610から、細長通路底部1620の遠位位置1623に延びるくぼみ1621内で支持された、通路回路1670を含む。通路回路1670は、電気接触のために、フレキシブルシャフト回路ストリップ1164の遠位接触部分1169と接触する近位接触部分1672を含む。通路回路1670の遠位端1674は、通路壁1622の1つに形成された、対応する壁のくぼみ1625内に受容され、折りたたまれ、通路壁1622の上部縁1627に取り付けられる。一連の、対応する露出した接触部1676は、
図10に示すように、通路回路1670の遠位端1674内に備えられる。
図10でもまた確認できるように、フレキシブルカートリッジ回路1750の端部1752は遠位マイクロチップ1740に取り付けられ、カートリッジ本体1710の遠位端部分に固定される。別の端部1754はカートリッジデッキ表面1711の縁を覆って折りたたまれ、通路回路1670の露出した接触部1676と電気接触するように構成された、露出した接触部1756を含む。したがって、RFカートリッジ1700が細長通路1602に取り付けられると、電極と遠位マイクロチップ1740が給電され、フレキシブルカートリッジ回路1750とフレキシブル通路回路1670とフレキシブルシャフト回路1164とスリップリング組立体1150との接触部を介して、搭載された回路基板1152と通信する。
【0053】
図16A~
図16Bは、本開示の一態様に従った、2つの図面にまたがる、
図1の外科用器具10の制御回路700のブロック図である。主に
図16A~
図16Bを参照すると、ハンドル組立体702は、モータドライバ715により制御可能であり、外科用器具10の発射システムにより用いられることが可能な、モータ714を備えることができる。様々な形態において、モータ714は、約25,000RPMの最大回転速度を有する、ブラシ付きDC駆動モータであってよい。別の構成において、モータ714はブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又は任意の他の好適な電動モータを含んでよい。モータドライバ715は、例えば、電界効果トランジスタ(FET)719を含むHブリッジドライバを備えてもよい。モータ714は、制御電力を外科用器具10に供給するためにハンドル組立体500に解放可能に固定された電源組立体706により給電されてもよい。電源組立体706は、外科用器具10に給電するための電源として使用され得る、直列に接続された複数の電池を備えてもよい。特定の状況下では、電源組立体706の電池セルは、交換可能及び/又は再充電可能であってよい。少なくとも1つの例では、電池セルは、電源組立体706に別個に連結可能であり得るリチウムイオン電池であってよい。
【0054】
シャフト組立体704は、シャフト組立体704と電源組立体706がハンドル組立体702に連結されている間に、インタフェースを介して安全コントローラ及び電力管理コントローラ716と通信可能である、シャフト組立体コントローラ722を含むことができる。例えば、インタフェースは、シャフト組立体704及び電源組立体706がハンドル組立体702に連結されている間にシャフト組立体コントローラ722と電力管理コントローラ716との間の電気通信を可能にするために、対応するシャフト組立体電気コネクタとの連結係合のために1つ以上の電気コネクタを含み得る第1のインタフェース部分725、及び、対応する電源組立体電気コネクタとの連結係合のために1つ以上の電気コネクタを含み得る第2のインタフェース部分727を備え得る。インタフェースを介して1つ以上の通信信号を送信して、取り付けられて交換式シャフト組立体704の1つ以上の電力要件を電力管理コントローラ716に送信することができる。それに応じて、電力管理コントローラは、取り付けられたシャフト組立体704の電力要件に従って、以下に更に詳細に記載されているように、電源組立体706の電池の電力出力を変調し得る。コネクタは、ハンドル組立体702の、シャフト組立体704及び/又は電源組立体706への機械的連結係合の後に活性化して、シャフト組立体コントローラ722と電力管理コントローラ716との電気的通信を可能にすることができるスイッチを備えることができる。
【0055】
インタフェースは、例えば、ハンドル組立体702に収められたメインコントローラ717を通して、通信信号の経路指定を行うことにより、電力管理コントローラ716とシャフト組立体コントローラ722との1つ以上のこのような通信信号の伝達を容易にすることができる。他の状況下では、シャフト組立体704及び電源組立体706がハンドル組立体702に連結されている間、インタフェースは、ハンドル組立体702を介した電力管理コントローラ716とシャフト組立体コントローラ722との間の直接線の通信を容易にし得る。
【0056】
メインコントローラ717は、Texas Instrumentsの商標名ARM Cortexとして知られるものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってよい。一態様では、メインコントローラ717は、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み出し専用メモリ(ROM)、2KBの電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、1つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュール、1つ以上の直交エンコーダ入力(QEI)アナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ以上の12ビットアナログ-デジタル変換器(ADC)を含む、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。
【0057】
安全コントローラは、やはりTexas Instrumentsの商標名Hercules ARM Cortex R4として知られている、TMS570及びRM4xなど、2つのコントローラベースファミリを備える安全コントローラプラットフォームであってよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性、及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、中でも特に、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
【0058】
電源組立体706は、電力管理回路を含んでよく、電力管理回路は、電力管理コントローラ716、電力変調器738、及び電流感知回路736を含み得る。シャフト組立体704及び電源組立体706がハンドル組立体702に連結されている間に、電力管理回路は、シャフト組立体704の電力要件に基づいて電池の電力出力を変調するように構成され得る。電力管理コントローラ716は、電源組立体706の電力出力の電力変調器738を制御するようにプログラムされ得、電流感知回路736は、電源組立体706の電力出力を監視して、電池の電力出力に関するフィードバックを電力管理コントローラ716に提供するように用いられ得るため、電力管理コントローラ716は、電源組立体706の電力出力を調節して、所望の出力を維持することができる。電力管理コントローラ716及び/又はシャフト組立体コントローラ722はそれぞれ、多数のソフトウェアモジュールを記憶可能な1つ以上のプロセッサ、及び/又はメモリユニットを備えることができる。
【0059】
外科用器具10(
図1~
図5)は、感覚フィードバックをユーザに提供するための装置を含み得る、出力装置742を備えることができる。このような装置は、例えば、視覚的フィードバック装置(例えば、LCD表示スクリーン、LEDインジケータ)、可聴フィードバック装置(例えば、スピーカー、ブザー)又は触覚フィードバック装置(例えば、触覚作動装置)を含んでもよい。このような装置は、例えば、視覚的フィードバック装置(例えば、LCDディスプレイスクリーン、LEDインジケータ)、可聴フィードバック装置(例えば、スピーカー、ブザー)又は触覚フィードバック装置(例えば、触覚作動装置)を含んでもよい。特定の状況下では、出力装置742は、ハンドル組立体702に含まれ得るディスプレイ743を備えてよい。シャフト組立体コントローラ722及び/又は電力管理コントローラ716は、出力装置742を介して外科用器具10のユーザにフィードバックを提供し得る。インタフェースは、シャフト組立体コントローラ722及び/又は電力管理コントローラ716を出力装置742に接続するように構成することができる。出力装置742は代わりに、電源組立体706と一体化することができる。このような状況下では、シャフト組立体704がハンドル組立体702に連結されている一方で、出力装置742とシャフト組立体コントローラ722との間の通信はインタフェースを介して成し遂げられ得る。
【0060】
制御回路700は、電動外科用器具10の動作を制御するように構成された回路セグメントを備える。安全コントローラセグメント(セグメント1)は、安全コントローラ、及びメインコントローラ717セグメント(セグメント2)を備える。安全コントローラ及び/又はメインコントローラ717は、加速度セグメント、ディスプレイセグメント、シャフトセグメント、エンコーダセグメント、モータセグメント、及び電力セグメントなどの1つ以上の追加の回路セグメントと相互作用するように構成されている。回路セグメントのそれぞれは、安全コントローラ及び/又はメインコントローラ717に連結されてよい。メインコントローラ717もまた、フラッシュメモリに連結される。メインコントローラ717は、シリアル通信インタフェースもまた備える。メインコントローラ717は、例えば、1つ以上の回路セグメント、電池、及び/又は複数のスイッチに連結された、複数の入力を備える。セグメント化回路は、例えば、電動外科用器具10内のプリント回路基板組立体(PCBA)など、任意の好適な回路によって実装されてもよい。プロセッサという用語は、本明細書で使用するとき、任意のマイクロプロセッサ、プロセッサ、1つ若しくは複数のコントローラ、又は、コンピュータの中央処理装置(CPU)の機能を1つの集積回路又は最大で数個の集積回路上に組み込んだ、他の基本コンピューティングデバイスを含むと理解されるべきである。メインコントローラ717は、デジタルデータを入力として受理し、メモリに記憶された命令に従ってそのデータを処理し、結果を出力として提供する、多目的のプログラム可能装置である。これは、内部メモリを有するので、逐次的デジタル論理の一例である。制御回路700は、本明細書で記載される1つ以上のプロセスを実装するように構成されてもよい。
【0061】
加速度セグメント(セグメント3)は加速度計を備える。加速度計は、電動外科用器具10の移動又は加速度を検出するように構成されている。加速度計からの入力は、スリープモードとの間での遷移、電動外科用器具の配向の識別、及び/又は外科用器具が落下したときの識別に使用されてもよい。いくつかの例では、加速度セグメントは安全コントローラ及び/又はメインコントローラ717に連結される。
【0062】
ディスプレイセグメント(セグメント4)は、メインコントローラ717に連結されたディスプレイコネクタを備える。表示コネクタは、メインコントローラ717を、ディスプレイの1つ以上の集積回路ドライバを通して、ディスプレイに連結している。ディスプレイの集積回路ドライバは、ディスプレイと一体化されてよく、かつ/又はディスプレイとは別個に配置されてよい。ディスプレイは、例えば、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、及び/又は任意の他の好適なディスプレイなど、任意の好適なディスプレイを含んでもよい。いくつかの例では、ディスプレイセグメントは安全コントローラに連結される。
【0063】
シャフトセグメント(セグメント5)は、外科用器具10(
図1~
図5)に連結された、交換式シャフト組立体500用の制御、並びに/又は、交換式シャフト組立体500に連結されたエンドエフェクタ1500用の1つ以上の制御を備える。シャフトセグメントは、メインコントローラ717をシャフトPCBAに連結するように構成された、シャフトコネクタを備える。シャフトPCBAは、強誘電性ランダムアクセスメモリ(FRAM)、関節運動スイッチ、シャフト解放ホール効果スイッチ、及びシャフトPCBA EEPROMを有する低電力マイクロコントローラを備える。シャフトPCBA EEPROMは、交換式シャフト組立体500及び/又はシャフトPCBAに固有の、1つ以上のパラメータ、ルーチン、及び/又はプログラムを含む。シャフトPCBAは交換式シャフト組立体500に連結されてもよく、かつ/又は、外科用器具10と一体であってもよい。いくつかの例では、シャフトセグメントは、第2のシャフトEEPROMを備える。第2のシャフトEEPROMは、電動外科用器具10と連係され得る1つ以上のシャフト組立体500及び/又はエンドエフェクタ1500に対応する複数のアルゴリズム、ルーチン、パラメータ、及び/又は他のデータを含む。
【0064】
位置エンコーダセグメント(セグメント6)は、1つ以上の磁気式角度回転位置エンコーダを備える。1つ以上の磁気式角度回転位置エンコーダは、外科用器具10(
図1~
図5)のモータ714、交換式シャフト組立体500、並びに/又はエンドエフェクタ1500の回転位置を識別するように構成されている。いくつかの例では、磁気式角度回転位置エンコーダは、安全コントローラ及び/又はメインコントローラ717に連結されてよい。
【0065】
モータ回路セグメント(セグメント7)は、電動外科用器具10(
図1~
図5)の移動を制御するように構成された、モータ714を備える。モータ714は、1つ以上のHブリッジ電界効果トランジスタ(FET)、及びモータコントローラを備える、Hブリッジドライバによりメインマイクロコントローラプロセッサ717に連結される。Hブリッジドライバはまた、安全コントローラにも連結される。モータ電流センサは、モータの電引き込み電流を測定するため、モータと直列に連結している。モータ電流センサは、メインコントローラ717及び/又は安全コントローラと信号通信している。いくつかの例では、モータ714は、モータ電磁干渉(EMI)フィルタに連結されている。
【0066】
モータコントローラは、第1のモータフラグ及び第2のモータフラグを制御して、モータ714のステータス及び位置をメインコントローラ717に示す。メインコントローラ717は、パルス幅変調(PWM)高信号、PWM低信号、方向信号、同期信号及びモータリセット信号をモータコントローラに、バッファを介して供給する。電力セグメントは、セグメント電圧を回路セグメントのそれぞれに提供するように構成される。
【0067】
電力セグメント(セグメント8)は、安全コントローラ、メインコントローラ717、及び追加の回路セグメントに連結された電池を備える。電池は、電池コネクタ及び電流センサによってセグメント化回路に連結されている。電流センサは、セグメント化回路の合計引き込み電流を測定するように構成されている。いくつかの例では、1つ以上の電圧変換器が、所定の電圧値を1つ以上の回路セグメントに提供するように構成されている。例えば、いくつかの例では、セグメント化回路は、3.3V電圧変換器及び/又は5V電圧変換器を備えてもよい。ブースト変換器は、例えば13V以下など、既定量以下のブースト電圧を提供するように構成されている。ブースト変換器は、電力集約的な動作の間、追加の電圧及び/又は電流を提供し、電圧低下又は低電力状態を防止するように構成されている。
【0068】
複数のスイッチは、安全コントローラ及び/又はメインコントローラ717に連結されている。スイッチは、セグメント化回路の、外科用器具10(
図1~
図5)の動作を制御し、かつ/又は外科用器具10のステータスを示すように構成されてよい。緊急離脱ドアスイッチ、及び緊急離脱用のホール効果スイッチは、緊急離脱ドアのステータスを示すように構成される。例えば、左側関節運動左スイッチ、左側関節運動右スイッチ、左側関節運動中央スイッチ、右側関節運動左スイッチ、右側関節運動右スイッチ、及び右側関節運動中央スイッチなど、複数の関節運動スイッチは、交換式シャフト組立体500(
図1及び
図3)並びに/又はエンドエフェクタ300(
図1及び
図4)の関節運動を制御するように構成されている。左側反転スイッチ及び右側反転スイッチは、メインコントローラ717に連結される。左側関節運動左スイッチ、左側関節運動右スイッチ、左側関節運動中央スイッチ、及び左側反転スイッチを備える左側スイッチは、左側可撓コネクタによってメインコントローラ717に連結されている。右側関節運動左スイッチ、右側関節運動右スイッチ、右側関節運動中央スイッチ、及び右側反転スイッチを備える右側スイッチは、右側可撓コネクタによってメインコントローラ717に連結されている。発射スイッチ、クランプ解放スイッチ、及びシャフト係合スイッチは、メインコントローラ717に連結されている。
【0069】
任意の好適な機械的スイッチ、電気機械的スイッチ、又は固体スイッチを用いて、任意の組み合わせで、複数のスイッチを実装してよい。例えば、スイッチは、外科用器具10(
図1~
図5)、又は対象体の存在と関連した構成要素の運動により操作される、制限スイッチであってよい。このようなスイッチを用いて、外科用器具10と関連した様々な機能を制御することができる。制限スイッチは、一組の接触部と機械的に繋がったアクチュエータからなる、電気機械装置である。対象体がアクチュエータと接触すると、装置はその接触部を操作して、電気的接続を作成する、又は破壊する。その丈夫さ、取り付けの容易さ、及び動作の信頼性により、制限スイッチは様々な用途及び環境で用いられる。制限スイッチは、対象体の有無、通過、配置、及び移動の終了を判定することができる。他の実装形態において、スイッチは、とりわけホール効果装置、磁気抵抗性(MR)装置、巨大磁気抵抗性(GMR)装置、磁力計などの、磁場の影響下にて動作する、固体スイッチであってもよい。他の実装形態では、スイッチは、とりわけ光センサ、赤外線センサ、紫外線センサなどの光の影響下で動作する固体スイッチであってもよい。更に、スイッチは、例えばトランジスタ(例えば、FET、接合FET、金属酸化物半導体FET(MOSFET)、バイポーラなど)などの固体装置であってもよい。他のスイッチとしてはとりわけ、導電体非含有スイッチ、超音波スイッチ、加速度計、慣性センサを挙げることができる。
【0070】
図17は、本開示の一態様に従った、ハンドル組立体702と電源組立体706との間のインタフェース、及びハンドル組立体702と交換式シャフト組立体704との間のインタフェースを示す、
図1の外科用器具の制御回路700の別のブロック図である。ハンドル組立体702は、メインコントローラ717、シャフト組立体コネクタ726、及び電源組立体コネクタ730を備えることができる。電源組立体706は、電源組立体コネクタ732、電力管理コントローラ716を備え得る電力管理回路734、電力変調器738、及び電流感知回路736を含むことができる。シャフト組立体コネクタ730、732はインタフェース727を形成する。交換式シャフト組立体704及び電源組立体706がハンドル組立体702に連結されている間、電力管理回路734は、交換式シャフト組立体704の電力要件に基づいて電池707の電力出力を変調するように構成され得る。例えば、電力管理コントローラ716は、電源組立体706の電力出力の電力変調器738を制御するようにプログラムされ得、電流感知回路736は、電池707の電力出力に関するフィードバックを電力管理コントローラ716に提供するため、電源組立体706の電力出力を監視するように用いられ得、そのため、電力管理コントローラ716は、電源組立体706の電力出力を調節して、所望の出力を維持することができる。シャフト組立体704は、不揮発性メモリ721及びシャフト組立体コネクタ728に連結され、シャフト組立体704をハンドル組立体702に電気的に連結する、シャフトプロセッサ719を備える。シャフト組立体コネクタ726、728は、インタフェース725を形成する。メインコントローラ717、シャフトプロセッサ719、及び/又は電力管理コントローラ716は、本明細書で記載されるプロセスの1つ以上を実装するように構成することができる。
【0071】
外科用器具10(
図1~
図5)は、感覚フィードバックをユーザに送る出力装置742を備えることができる。このような装置は、視覚的フィードバック装置(例えば、LCD表示画面、LEDインジケータ)、可聴フィードバック装置(例えば、スピーカー、ブザー)又は触覚フィードバック装置(例えば、触覚作動装置)を含んでよい。特定の状況下では、出力装置742は、ハンドル組立体702に含まれ得るディスプレイ743を備えてよい。シャフト組立体コントローラ722及び/又は電力管理コントローラ716は、出力装置742を介して外科用器具10のユーザにフィードバックを提供し得る。インタフェース727は、シャフト組立体コントローラ722及び/又は電力管理コントローラ716を出力装置742に接続するように構成され得る。出力装置742は電源組立体706と一体化されてもよい。交換式シャフト組立体704がハンドル組立体702に連結されている間に、出力装置742とシャフト組立体コントローラ722との通信が、インタフェース725を介して成し遂げられ得る。外科用器具10(
図1~
図5)の動作を制御するための制御回路700(
図16A~
図16B、及び
図6)を記載したが、本開示はここから、外科用器具10(
図1~
図5)及び制御回路700の様々な構成に転じる。
【0072】
図18は、本開示の一態様に従った、様々な機能を制御するように構成された外科用器具600の概略図である。一態様では、外科用器具600は、Iビーム614などの変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされる。外科用器具600は、アンビル616と、Iビーム614と、RFカートリッジ609(破線で示す)と交換することができる着脱可能なステープルカートリッジ618と、を備え得るエンドエフェクタ602を備える。エンドエフェクタ602、アンビル616、Iビーム614、ステープルカートリッジ618、及びRFカートリッジ609は、例えば
図1~
図15に関して本明細書に記載されているとおりに構成されてもよい。開示を簡潔かつ明確にするために、本開示のいくつかの態様は、
図18を参照して説明され得る。制御回路610、センサ638、位置センサ634、エンドエフェクタ602、Iビーム614、ステープルカートリッジ618、RFカートリッジ609、アンビル616などの、
図18に概略的に示す構成要素は、本開示の
図1~
図17と関連して記載されていることが理解されよう。
【0073】
したがって、
図18に概略的に表される構成要素は、
図1~
図17と関連して記載される、物理的かつ機能的に等価な構成要素により、速やかに置換可能である。例えば、一態様において、制御回路610は、
図16~
図17と関連して図示及び記載される制御回路700として実装されてもよい。一態様では、センサ638はとりわけ、制限スイッチ、電気機械装置、固体スイッチ、ホール効果装置、磁気抵抗(MR)装置、巨大磁気抵抗(GMR)装置、磁力計として実装されてもよい。他の実装形態では、センサ638は、とりわけ光センサ、赤外線センサ、紫外線センサなどの、光の影響下で動作する固体スイッチであってもよい。更に、スイッチは、例えばトランジスタ(例えば、FET、接合FET、金属酸化物半導体FET(MOSFET)、バイポーラなど)などの固体装置であってもよい。他の実装形態では、センサ638は、とりわけ、導電体非含有スイッチ、超音波スイッチ、加速度計、慣性センサを含んでもよい。一態様では、位置センサ634は、Austria Microsystems,AGから入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装される磁気回転絶対位置決めシステムを備える絶対位置決めシステムとして実装されてもよい。位置センサ634は、制御回路700と連係して絶対位置決めシステムを提供することができる。位置は、磁石の上に位置し、桁毎計算法(digit-by-digit method)、及びヴォルダーのアルゴリズム(Volder's algorithm)としても知られている、CORDICプロセッサ(座標回転デジタルコンピュータ用)に連結された、複数のホール効果素子を含んでよく、加法、減法、ビットシフト、及びテーブル参照演算のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を計算するための簡潔かつ効果的なアルゴリズムを実装するために提供される。一態様では、エンドエフェクタ602は、
図1、
図2、及び
図4と関連して図示及び記載される外科用エンドエフェクタ1500として実装されてもよい。一態様では、Iビーム614は、上に組織切断刃1334を動作可能に支持するナイフ本体1332を備えるナイフ部材1330として実装されてもよく、
図2~
図4、
図8、
図11、及び
図14と関連して図示及び記載される、アンビル係合タブ又は特徴部1336及び通路係合特徴部又は足部1338を更に含んでよい。一態様では、ステープルカートリッジ618は、
図4と関連して図示及び記載される、標準的な(機械式)外科用締結具カートリッジ1400として実装されてもよい。一態様では、RFカートリッジ609は、
図1、
図2、
図6、及び
図10~
図13と関連して図示及び記載される、高周波(RF)カートリッジ1700として実装されてもよい。一態様では、アンビル616は、
図1、
図2、
図4、及び
図6と関連して図示及び記載されるアンビル1810として実装されてもよい。これら、及び他のセンサ構成は、その全体が本明細書に参照により組み込まれる、同一出願の米国特許出願第15/628,175号(表題「TECHNIQUES FOR ADAPTIVE CONTROL OF MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」)に記載されている。
【0074】
Iビーム614などの直線変位部材の位置、移動、変位、及び/又は並進は、絶対位置決めシステム、センサ構成、及び位置センサ634として表される位置センサにより、測定可能である。Iビーム614が長手方向に移動可能な駆動部材540に連結されているため、Iビーム614の位置は、位置センサ634を使用する長手方向に移動可能な駆動部材540の位置を判定することによって測定することができる。したがって、以下の説明では、Iビーム614の位置、変位、及び/又は並進は、本明細書に記載される位置センサ634によって達成され得る。
図16A及び
図16Bに記載する制御回路700などの制御回路610は、本明細書に記載したIビーム614などの変位部材の並進を制御するようにプログラムすることができる。いくつかの例では、制御回路610は、1つ以上のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又は1つ若しくは複数のプロセッサに、記載される方法で変位部材、例えばIビーム614を制御させる命令を実行するための他の好適なプロセッサを備えてもよい。一態様では、タイマー/計数回路631は、経過時間又はデジタルカウントなどの出力信号を制御回路610に提供して、位置センサ634によって測定されたIビーム614の位置をタイマー/計数回路631の出力と相関させ、その結果、制御回路610は、開始位置に対する特定の時間(t)におけるIビーム614の位置を判定することができる。タイマー/計数回路631は、経過時間を測定するか、外部イベントを計数するか、又は外部イベントの時間を測定するように構成されてよい。
【0075】
制御回路610は、モータ設定値信号622を生成してもよい。モータ設定値信号622は、モータコントローラ608に提供されてもよい。モータコントローラ608は、本明細書で説明するように、モータ604にモータ駆動信号624を提供してモータ604を駆動するように構成された1つ以上の回路を備えてもよい。いくつかの例では、モータ604は、
図1に示すモータ505などのブラシ付きDC電動モータであってもよい。例えば、モータ604の速度は、モータ駆動信号624に比例してもよい。いくつかの例では、モータ604はブラシレス直流(DC)電動モータであってもよく、モータ駆動信号624は、モータ604の1つ以上の固定子巻線に提供されるパルス幅変調(PWM)信号を含んでもよい。また、いくつかの例では、モータコントローラ608は省略されてもよく、制御回路610がモータ駆動信号624を直接生成してもよい。
【0076】
モータ604は、エネルギー源612から電力を受容することができる。エネルギー源612は、電池、超コンデンサ、又は任意の他の好適なエネルギー源612であってもよく、あるいはそれを含んでもよい。モータ604は、伝達装置606を介してIビーム614に機械的に連結され得る。伝達装置606は、モータ604をIビーム614に連結するための1つ以上の歯車又は他の連結構成要素を含んでもよい。位置センサ634は、Iビーム614の位置を感知し得る。位置センサ634は、Iビーム614の位置を示す位置データを生成することができる任意の種類のセンサであってもよく、又はそれを含んでもよい。いくつかの例では、位置センサ634は、Iビーム614が遠位及び近位に並進すると一連のパルスを制御回路610に提供するように構成されたエンコーダを含んでもよい。制御回路610は、パルスを追跡してIビーム614の位置を判定してもよい。例えば近接センサを含む他の好適な位置センサが使用されてもよい。他の種類の位置センサは、Iビーム614の運動を示す他の信号を提供することができる。また、一部の例では、位置センサ634は省略されてもよい。モータ604がステップモータである場合、制御回路610は、モータ604が実行するように指示されたステップの数及び方向を合計することによって、Iビーム614の位置を追跡することができる。位置センサ634は、エンドエフェクタ602内、又は器具の任意の他の部分に位置してもよい。
【0077】
制御回路610は、1つ以上のセンサ638と通信してもよい。センサ638は、エンドエフェクタ602上に配置され、外科用器具600と共に動作して、間隙距離対時間、組織圧縮対時間、及びアンビル歪み対時間などの様々な導出パラメータを測定するように適合されてもよい。センサ638は、磁気センサ、磁界センサ、歪みゲージ、圧力センサ、力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光学センサ、及び/又はエンドエフェクタ602の1つ以上のパラメータを測定するための任意の他の好適なセンサを備えてもよい。センサ638は、1つ以上のセンサを含んでもよい。
【0078】
1つ以上のセンサ638は、クランプ留め状態の間のアンビル616における歪みの大きさを測定するように構成された、微小歪みゲージなどの歪みゲージを備えてもよい。歪みゲージは、歪みの大きさに伴って振幅が変動する電気信号を提供する。センサ638は、アンビル616とステープルカートリッジ618との間で圧縮された組織の存在によって生成された圧力を検出するように構成された圧力センサを備えてもよい。センサ638は、アンビル616とステープルカートリッジ618との間に位置する組織部分のインピーダンスを検出するように構成されてもよく、このインピーダンスは、それらの間に位置する組織の厚さ及び/又は充満度を示す。
【0079】
センサ638は、閉鎖駆動システムによりにより、アンビル616上に及ぼされる力を測定するように構成されてよい。例えば、1つ以上のセンサ638は、閉鎖管1910(
図1~
図4)とアンビル616との相互作用点に位置し、閉鎖管1910によりアンビル616に適用される閉鎖力を検出することができる。アンビル616に対して及ぼされる力は、アンビル616とステープルカートリッジ618との間で捕捉された組織切片が受容する組織圧縮を表すものであり得る。1つ以上のセンサ638を、閉鎖駆動システムに沿って様々な相互作用点に配置して、閉鎖駆動システムによりアンビル616に適用される閉鎖力を検出することができる。1つ以上のセンサ638は、
図16A~
図16Bに記載されているプロセッサにより、クランプ動作中にリアルタイムでサンプリングされてもよい。制御回路610は、リアルタイムのサンプル測定値を受信して、分析時間ベースの情報を提供し、アンビル616に印加される閉鎖力をリアルタイムで評価する。
【0080】
モータ604によって引き込まれる電流を測定するために、電流センサ636を用いることができる。Iビーム614を前進させるのに必要な力は、モータ604によって引き込まれる電流に相当する。力はデジタル信号に変換されて、制御回路610に提供される。
【0081】
RFエネルギー源400はエンドエフェクタ602に連結され、RFカートリッジ609が、ステープルカートリッジ618の代わりにエンドエフェクタ602にロードされるときに、RFカートリッジ609に適用される。制御回路610は、RFエネルギーのRFカートリッジ609への送達を制御する。
【0082】
様々な態様において、外科用器具は、外科用器具の動作と関連した、様々な異なるパラメータを測定するように構成された、1つ以上のセンサを備えることができる。このようなパラメータとしては、外科用器具により適用されたRFエネルギーのステータス、外科用器具により封止されている組織の温度、組織の含水量、外科用器具の動作ステータス、及び、クランプ留めされた組織の厚さを挙げることができる。外科用器具は、これらの様々なパラメータを監視し、パラメータと関連する情報を、器具、例えばディスプレイ430(
図1)によりオペレータに提示するように構成されてもよい。様々な態様において、ディスプレイ430は、監視したパラメータを、図形表示によりオペレータに提示することができる。
【0083】
いくつかの態様では、外科用器具は、閉鎖トリガの位置、即ち、閉鎖トリガが作動しているかどうかを検出するように構成されたセンサ又はセンサ組立体を含むことができる。このような一態様を、
図19~
図20に示す。これらは、本開示の1つ以上の態様に従ったケースが取り外された外科用器具2000の側面図であり、閉鎖トリガ2002は、交替に作動位置又は非作動位置にある。上でより詳細に説明したとおり、閉鎖トリガ2002の非作動位置は、組織がジョー1600と1800との間に配置することができるエンドエフェクタ1500(
図1)の開位置又は非クランプ留め位置と関連しており、閉鎖トリガ2002の作動位置は、組織がジョー1600と1800との間にクランプ留めすることができる、エンドエフェクタ1500の閉位置又はクランプ留めされた位置と関連している。閉鎖トリガ2002は、アーム2004を備えることができ、アーム2004は、閉鎖トリガ2002の作動時にアーム2004が回転するように機械的連結により直接接続しているか、又は間接的に接続している。一態様では、トリガ感知組立体2005は、アーム2004の遠位端に配置された、永久磁石などの磁気素子2006、及び、磁気素子2006の移動を検出するように構成されたセンサ2008を備える。センサ2008は例えば、ホール効果センサであって、磁気素子2006の移動により引き起こされる、ホール効果センサを取り巻く磁場の変化を検出するように構成された、ホール効果センサを備えることができる。センサ2008は既知の方法で、磁気素子2006の移動、及び閉鎖トリガ2002の位置に対応する磁気素子2006の移動を検出できるため、トリガ感知組立体2005は、閉鎖トリガ2002が作動位置にあるのか、非作動位置にあるのか、又はこれらの間の別の位置にあるのかを検出することができる。
【0084】
別の態様において、トリガ感知組立体2005は、閉鎖駆動システム510(
図1)が閉鎖トリガ2002を、完全な押下位置又は完全な作動位置にロックするときに始動される、センサ又はスイッチを備える。このような態様において、スイッチは、ロックが係合されており、故に閉鎖トリガ2002が完全に押下されていることを示す信号を生成することができる。
【0085】
その全体が参照により組み込まれている米国特許出願公開第2014/0296874号(表題「ROBOTICALLY-CONTROLLED END EFFECTOR」)に記載されている別の態様では、トリガ感知組立体2005は、閉鎖トリガ2002と、それを中心として閉鎖トリガ2002が枢動する枢動ピン2003との間に配置される、力センサを備える。本態様において、閉鎖トリガ2002をピストルグリップ部分2001に向けて引っ張ることで、閉鎖トリガ512が枢動ピン2003に対して力を加える。力センサは、この力を検出し、それに応答して信号を生成するように構成される。
【0086】
トリガ感知組立体2005は、トリガ感知組立体2005により生成された任意の信号がコントローラ2102に中継されるように、有線接続又は無線接続を介してコントローラ2102(
図25)と信号通信していることができる。トリガ感知組立体2005は、最小の遅延時間で、感知したパラメータ(単数又は複数)をサンプリングする、又は、感知したパラメータ(単数又は複数)を示すフィードバック信号を送信することにより、器具の動作全体を通して、閉鎖トリガ2002の位置を連続して監視するように構成することができる。様々な態様において、トリガ感知組立体2005は、閉鎖トリガ2002に対して加えられる力の程度、及び/又は、閉鎖トリガ2002の特定の位置に対応する信号を生成するように構成されたアナログセンサを備えることができる。このような態様において、アナログ-デジタル変換器を、トリガ感知組立体2005とコントローラ2102との間に配置してもよい。様々な他の態様において、トリガ感知組立体2005は、閉鎖トリガ2002が作動しているか、又は非作動であるかのみを示す信号を生成するように構成されたデジタルセンサを備えることができる。
【0087】
いくつかの態様では、外科用器具は、エンドエフェクタによりクランプ留めされた組織の厚さを検出するように構成された、センサ又はセンサ組立体を備えることができる。このような一態様を、
図21~
図22に示す。これらは、本開示の1つ以上の態様に従った、組織厚感知組立体2022を備えるエンドエフェクタ2020の斜視図であり、組織厚感知組立体2022のセンサ2024の概略図である。組織厚感知組立体2022は、第1ジョー2034又はRFカートリッジ2042に配置されたセンサ2024、及び、エンドエフェクタ2020の第2ジョー2036に配置された、永久磁石などの磁気素子2032を備えることができる。一態様では、センサ2024は、第1ジョー2034の遠位端2038に、又はそれに隣接して配置され、これにより、センサ2024は、RFカートリッジの電極に対して遠位に配置され、磁気素子2032はこれに対応して、第2ジョー2036の遠位端2040に、又はそれに隣接して配置される。センサ2024は、磁気素子2006の移動を検出するように構成された、磁場感知素子2026、例えば、磁気素子2032の移動により引き起こされる、ホール効果センサを取り巻く磁場の変化を検出するように構成された、ホール効果センサを備えることができる。オペレータがエンドエフェクタ2020を閉じるとき、磁気素子2032は下向きに回転して、磁場感知素子2026に近づく。これにより、1つ又は複数のジョーが回転して閉じた(又は、クランプ留めされた位置になった)とき、磁場感知素子2026により検出される磁場が変化する。磁場感知素子2026により感知される、磁気素子2032から磁場の強度は、第1ジョー2034と第2ジョー2036との間の距離を示し、転じて、これらの間でクランプ留めされた組織の厚さを示す。例えば、第1ジョー2034と第2ジョー2036との間の距離が大きくなること、したがって磁場感知素子2026により検出される磁場が弱くなることは、第1ジョー2034と第2ジョー2036との間に、厚い組織が存在することを示し得る。逆に、第1ジョー2034と第2ジョー2036との間の距離が短くなること、したがって、磁場感知素子2026により検出される磁場が強くなることは、第1ジョー2034と第2ジョー2036との間に、薄い組織が存在することを示し得る。磁場感知素子2026は、感知した磁場の相対強度又は絶対強度に対応する信号を検出して生成するように構成されることができ、これにより、磁場感知素子2026の解像度に従って、クランプ留めされた組織の相対厚さ又は絶対厚さを、外科用器具が検出できるようになる。
【0088】
別の態様において、組織厚感知組立体2022は、第1ジョー2034と第2ジョー2036との間の枢動点に配置された変位センサを備えることができる。本態様において、変位センサは、ジョー2034及び2036の互いの相対的な位置を検出するように構成され、転じて、エンドエフェクタ2020がクランプ留めされた位置にあるときに把持された組織の厚さを示す。例えば、アンビル1810が、細長通路(
図4)に配置された対応する開口部内に受容された枢動ピンを備える、米国特許出願公開第2014/0296874号に記載されている一態様において、組織厚感知組立体2022は、細長通路1602の開口部に隣接して、又はこの中に配置されたセンサを備えることができる。本態様において、アンビル1810が閉じると、枢動ピンが開口部を通過してスライドし、センサと接触して、アンビル1810が閉じたことを示す信号をセンサに生成させる。
【0089】
別の態様において、組織厚感知組立体2022は、リードスイッチセンサ、変位センサ、光学センサ、磁力誘導性センサ、力センサ、圧力センサ、ピエゾ抵抗効果フィルムセンサ、超音波センサ、渦電流センサ、加速度計、パルス酸素測定センサ、温度センサ、組織経路の電気特性(例えば静電容量若しくは抵抗)を検出するように構成されたセンサ、又はこれらの任意の組み合わせを更に備えることができる。このような一態様において、組織厚感知組立体2022は、第1ジョー2034に配置された第1の電気センサ、及び第2ジョー2036に配置された、対応する第2の電気センサを備えることができ、第1センサは、エンドエフェクタ2020により捕捉された組織を通して、第2センサにより検出された電流を伝達するように構成されている。検出した電流を組織厚感知組立体2022により利用して、組織抵抗は組織の厚さ(及び、その他の各種因子の中でも、組織の種類)の関数であるので、クランプ留めされた組織の厚さを判定することができる。
【0090】
組織厚感知組立体2022は、組織厚感知組立体2022により生成された任意の信号がコントローラ2102に中継されるように、有線接続又は無線接続を介してコントローラ2102と信号連通通信することができる。例えば、組織厚感知組立体2022は、有線接続又は無線接続を介して、磁場感知素子2026により生成された信号を受信機に送信するように構成された、送信機2028を備えることができ、転じてコントローラ2102と通信可能に連結される。組織厚感知組立体2022は、最小の遅延時間で、感知したパラメータ(単数又は複数)をサンプリングする、又は、感知したパラメータ(単数又は複数)を示すフィードバック信号を送信することにより、器具の動作全体を通して、クランプ留めされた組織の厚さを連続して監視するように構成されてもよい。様々な態様において、組織厚感知組立体2022は、クランプ留めされた組織の相対厚さ若しくは絶対厚さ、及び/又は、第1ジョー2034若しくは第2ジョー2036のいずれかの特定の位置に対応する信号を生成するように構成されたアナログセンサを備えることができる。このような態様において、アナログ-デジタル変換器、組織厚感知組立体2022とコントローラ2102との間に配置してもよい。様々な他の態様において、組織厚感知組立体2022は、ジョー2034、2036が開いているか、又は閉じているかのみを示す信号を生成するように構成されたデジタルセンサを備えることができる。
【0091】
いくつかの態様では、組織厚感知組立体2022は、磁場感知素子2026に動作可能に接続された電源2030を更に備えることができる。電源2030は、外科用器具と関連した任意の他の電源とは別個のものであってもよい。あるいは、組織厚感知組立体2022は、外科用器具と関連した1つ以上の電源と相互接続されてもよい。
【0092】
いくつかの態様では、外科用器具は、長手方向に移動可能な駆動部材540(
図3)、ナイフバー1320(
図4)、ナイフ部材1330(
図4)、切断刃1334(
図4)、及び/又は、発射駆動システム530の他の構成要素(
図3)の位置を検出するように構成されたセンサ又はセンサ組立体を含むことができる。様々な態様において、位置感知組立体2050は、発射駆動システム530と係合した歯車構成2054の回転を追跡するように構成されたセンサを利用して、発射駆動システム530の構成要素の直線変位を追跡するように構成されてもよい。例えば、
図23は、長手方向に移動可能な駆動部材540の直線位置を検出し追跡するように構成された位置感知組立体2050の分解斜視図である。
図23に示す態様において、外科用器具は、電動モータ505(
図1)により、駆動軸2056によって動作可能に駆動される駆動歯車2058を備える。駆動歯車2058は、長手方向に移動可能な駆動部材540の駆動歯(
図3)のラック542に噛み合い係合することによって、モータ505に、長手方向に移動可能な駆動部材540の直線変位を駆動させることが可能となる。第1方向に駆動歯車2058が回転することにより、長手方向に移動可能な駆動部材540が遠位方向に前進させられ、第2方向に駆動歯車2058が回転することにより、長手方向に移動可能な駆動部材540が近位方向Pに後退させられる。様々な態様において、位置感知組立体2050の歯車構成2054は、
図23に示すように、長手方向に移動可能な駆動部材540と係合した駆動歯車2058に、又はそれに隣接して配置されてもよい。別の態様において、位置感知組立体2050の歯車構成2054は、発射駆動システム530の駆動歯車2058の下流に配置されてもよく、かつ/又は、発射駆動システム530の他の構成要素と係合されてもよい。
【0093】
図示した態様において、位置感知組立体2050の歯車構成2054は、駆動歯車2058の回転に従って、シャフト2056中心に回転する第1歯車2052を備える。したがって、シャフト2056を中心にした第1歯車2052の回転は、駆動歯車2058により駆動される長手方向に移動可能な駆動部材540の長手方向並進に対応する。位置感知組立体2050は、第1歯車2052の回転に対応して回転する磁石2064を更に備える。一態様において、磁石2064は第1歯車2052に配置される。本態様において、第1歯車2052、したがって磁石2064の一回転は、駆動歯車2058の一回転に対応する。別の態様において、歯車構成2054は、駆動歯車2058と磁石2064との回転数の代替的な比を提供する、歯車減速機組立体としての役割を果たすように構成されている。
図23に示すこのような一態様において、歯車構成2054は第2歯車2060を備え、これは第1歯車2052と噛み合い係合されている。本態様において、磁石2064は第2歯車2060に配置されている。第1歯車2052と第2歯車2060との歯車比の接続は、磁石2064の一回転が、長手方向に移動可能な駆動部材540の設定された直線変位に対応するように構成されてもよい。例えば、第1歯車2052と第2歯車2060との歯車比の接続は、磁石2064の一回転が、長手方向に移動可能な駆動部材540の完全ストロークに対応することができるように構成されてもよい。したがって、遠位方向又は近位方向のいずれかへの、長手方向に移動可能な駆動部材540の1回の完全ストロークは、第2歯車2060の一回転に対応する。磁石2064は第2歯車260に連結されているため、磁石2064は、長手方向に移動可能な駆動部材540の各完全ストロークで、1回の完全回転を行う。
【0094】
位置感知組立体2050は、回路2072に動作可能に連結した位置センサ2070を更に備える。位置センサ2070は、ホール効果素子などの1つ以上の磁気感知素子を備え、磁石2064に近接して配置されている。磁石2064が回転すると、位置センサ2070の磁気感知素子は、一回転での磁石2064の絶対角度位置を判定する。磁石2064の一回転が長手方向に移動可能な駆動部材540の1回の完全ストロークに対応する外科用器具の態様において、磁石2064の特定の角度位置はそれ故、長手方向に移動可能な駆動部材540の特定の直線位置に対応する。一態様では、位置感知組立体2050は、位置センサ2070により検出される磁石2064の正確な角度位置に従った長手方向に移動可能な駆動部材540の位置に対応する固有の位置信号を提供するように構成される。
【0095】
位置センサ2070は、任意の数の磁気感知素子、例えば、合計の磁場、又は磁場のベクトル成分を測定するかどうかに従って分類された磁気センサを備えることができる。一連のn個のスイッチ(nは、1より大きい整数である)を単独で、又は歯車の減速と組み合わせて用い、磁石2064の1回を超える回転に対する固有の位置信号を提供することができる。スイッチのステータスを、論理を適用するコントローラ2080にフィードバックして、長手方向に移動可能な駆動部材540の直線変位に対応する、固有の位置信号を判定することができる。
【0096】
一態様では、位置センサ2070は、下で回転している磁石2064と正確に整列している位置センサ270を含むように構成されたアパーチャ2068を画定する位置センサホルダ2066により支持される。磁石2064は、歯車構成2054及び回路2072を支持する構造素子2062、例えばブラケットに連結することができる。
【0097】
図24は、本開示の1つ以上の態様に従った、位置感知組立体2050の回路2072及び位置センサ2070の図である。位置センサ2070は、Austria Microsystems,AGから入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装されてもよい。位置センサ2070はコントローラ2080(例えばマイクロコントローラ)と連係され、長手方向に移動可能な駆動部材540及び/又は発射駆動システム530の他の構成要素の絶対位置を検出することが可能なシステムを提供する。一態様では、位置センサ2070は低電圧・低電力構成要素であり、磁石2064の上に位置する位置センサ2070の領域2076内に、4個のホール効果素子2078A、2078B、2078C及び2078Dを含む。高解像度ADC2082及びスマート電力管理コントローラ2084もまた、チップ上に設けられている。加算、減算、ビットシフト、及びテーブル参照演算のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を計算する簡潔かつ効率的なアルゴリズムを実装するために、桁毎法及びヴォルダーのアルゴリズムとしても知られる、CORDIC(座標回転デジタルコンピュータ)プロセッサ2086が設けられる。角度位置、アラームビット、及び磁場情報は、SPIインタフェース2088などの標準的なシリアル通信インタフェースを介してコントローラ2080に伝送される。位置センサ2070は、12ビット又は14ビットの解像度を提供する。位置センサ2070は、小型のQFN16ピン4x4x0.85mmパッケージで提供されるAS5055チップであってもよい。AS5055位置センサ2070において、ホール効果素子2078A、2078B、2078C、2078Dは、磁石264の一回転での角度から、磁石2064の絶対位置を示す電圧信号を生成可能である。この角度値は固有の位置信号であり、CORDICプロセッサ286によって算出され、搭載されたAS5055位置センサ2070にオンボードでレジスタ又はメモリ内に格納される。一回転にわたる磁石2064の位置を示す角度値は、様々な技術で、例えば電源投入時に、又はコントローラ2080によって要求されたときに、コントローラ2080に与えられる。
【0098】
位置センサ2070は
図24で、4個のホール効果素子を含むものとして示されているが、外科用器具の他の態様では、位置センサ2070に含まれるホール効果素子の個数は変動することができる。一般的に、より多くのホール効果素子によって、位置センサ2070が長手方向に移動可能な駆動部材540のより微細な移動を検出できるようになるため、ホール効果素子の個数は、位置センサ2070に所望される解像度の程度に対応する。様々な態様において、複数のホール効果素子の距離は均一であることができる、即ち、ホール効果素子は均一に配置されてもよいため、各ホール効果素子は、長手方向に移動可能な駆動部材540の設定された変位距離に対応する。位置感知組立体2050、回路2072、及び位置センサ2070の更なる態様は、その全体が参照により組み込まれている米国特許出願第15/130,590号(表題「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」)に記載されている。
【0099】
別の態様において、ナイフバー1320、ナイフ部材1330、切断刃1334、及び/又は発射駆動システム530の他の構成要素は代替的に、位置感知組立体2050の歯車構成2054と噛み合い係合する駆動歯のラックを含むように構成することができる。外科用器具のこのような態様において、位置感知組立体2050は、長手方向に移動可能な駆動部材540の変位を駆動する駆動歯車2058、及び/又はシャフト2056に接続されているのではなく、発射駆動システム530の特定の要素の直線変位を追跡するように構成される。したがって、長手方向に移動可能な駆動部材540の変位が追跡される態様に関して論じられる原理は、ナイフバー1320、ナイフ部材1330、切断刃1334、及び/又は発射駆動システム530の他の構成要素の直線変位を検出するように構成された位置感知組立体2050の態様にも等しく適用可能であることを理解されたい。
【0100】
別の態様において、位置感知組立体2050は、発射駆動システム530の直線変位を追跡するように構成された接触式又は非接触式直線変位センサを備える。直線変位センサは、線形可変差動変圧器(linear variable differential transformers、LVDT)、差動可変磁気抵抗型変換器(differential variable reluctance transducers、DVRT)、スライドポテンショメータ、移動可能な磁石及び一連の直線上に配置されたホール効果センサを備える磁気感知システム、固定された磁石及び一連の移動可能な直線上に配置されたホール効果センサを備える磁気感知システム、移動可能な光源及び一連の直線上に配置された光ダイオード若しくは光検出器を備える光学検出システム、固定された光源及び一連の移動可能な直線上に配置された光ダイオード若しくは光検出器を備える光学検出システム、又はこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0101】
図25は、本開示の1つ以上の態様に従った、外科用器具2100の様々なステータスを表示するようにプログラムされた外科用器具2100の一例のブロック図である。外科用器具2100は、ディスプレイ2108に動作可能に接続されたコントローラ2102と、外科用器具2100の外側ケースに配置され得る1つ以上のセンサ2104、2106と備える。コントローラ2102は、コントローラ2102が信号通信している1つ以上のセンサ2104、2106から受信した信号などの様々な入力に従って外科用器具2100の動作を制御する論理を体現する、又は実行する。様々な態様において、コントローラ2102は、プロセッサにより実行されたときに、コントローラ2102及び/又は外科用器具2100に、プログラム命令により決定されたプロセスを実行させるプログラム命令を格納するメモリ2110に動作可能に接続されたCPUなどのプロセッサを備える。別の態様において、コントローラ2102は、デジタル信号入力又はアナログ信号入力に従ってプロセスを実行するように構成された制御回路を備える。制御回路は、ASIC、FPGA、又は、論理を実行するように製造可能若しくはプログラム可能な任意の他の回路を備えることができる。
【0102】
コントローラ2102は、様々なセンサから受信される入力に従って、ディスプレイ2108に外科用器具2100の使用に関連する様々なステータスを表示するように構成される。このようなあるセンサは、上述のとおり、位置感知組立体2050(
図23)を含むことができる位置センサ2104を含む。コントローラ2102が入力を受信する他のセンサ2106は、上述のとおり、トリガ感知組立体2005(
図19~
図20)、及び組織厚感知組立体2022(
図21~
図22)を含むことができる。
【0103】
外科用器具2100は、モータ2116、例えば、ラックピニオン構成などの、組の駆動歯、又は駆動歯のラックと噛み合い係合して固定された歯車組立体2122と動作可能に連係する回転式シャフト224を、変位部材2118で駆動させる電動モータを更に含む。位置感知組立体2050において、変位部材2118は、例えば、発射駆動システム530の長手方向に移動可能な駆動部材540を含むことができる。センサ素子又は磁石2120は、磁石2120の一回転が、変位部材2118のいくつかの長手方向の直線並進に対応するように、歯車組立体2122に動作可能に連結されてもよい。次いで、位置センサ2104は、磁石2120の角度位置を検出するように構成された複数の磁気感知素子を更に含むことができ、これは変位部材2118に直線位置に対応し、故に位置センサ2104が、変位部材2118の絶対位置又は相対位置を検出することを可能にする。位置センサ2104は更に、変位部材2118の位置を示すフィードバック信号をコントローラ2102に中継するように構成されてもよい。ドライバ2114はモータ2116に動作可能に接続されており、モータ2116の駆動速度、モータ2116の引き込み電流、モータ2116の設定電圧、又は、様々な他のモータ2116の特性を設定する駆動信号をモータ2116に提供するように構成される。電源2112は、ドライバ2114、モータ2116、コントローラ2102、ディスプレイ2108、センサ2104、2106、又は外科用器具2100の他の構成要素のいずれか又は全てに電力を供給する。
【0104】
いくつかの態様では、外科用器具2100は、閉鎖メカニズムの進行又は前進を検出するように構成された感知組立体を備えることができる。様々な態様において、閉鎖メカニズム感知組立体は、上述したトリガ感知組立体2005を備えることができる。閉鎖トリガ512を利用して閉鎖駆動システム510を作動させ、閉鎖シャトル1914(
図5)を前進させると、閉鎖トリガ512の作動又は位置を、閉鎖メカニズムの進行又は前進の代わりとして検出することができる。
【0105】
別の態様において、閉鎖メカニズム感知組立体は、発射駆動システム530に関して上述し、かつ
図23~
図24に示した位置感知組立体2050に類似していることがある。外科用器具2100の閉鎖メカニズム感知組立体は、位置センサ2104を備えることができ、これは、位置感知組立体2050に関して記載した位置センサに加えて、又はこの代わりに、設けられることができる。これらの態様において、変位部材2118は、閉鎖メカニズムの1つ以上の構成要素、例えば閉鎖シャトル1914、近位閉鎖管1910及び/又は遠位閉鎖管1930を含むことができ、磁石2120を上に支持している対応する歯車組立体2122と噛み合い係合した駆動歯のラックを備えることができる。閉鎖メカニズムの変位部材2118が遠位又は近位に前進すると、磁石2120は第1方向又は第2方向に回転させられる。位置センサ2104は、磁石2120に近接して配置された複数の磁気感知素子、例えばホール効果素子を更に含む。磁石2120が回転すると、位置センサ2104の磁気感知素子は、一回転での磁石2120の絶対角度位置を判定する。磁石2120の角度位置は、歯車組立体2122が係合している閉鎖メカニズムの変位部材2118の位置に対応するため、閉鎖管感知組立体は、閉鎖メカニズムの構成要素の絶対位置を検出することができる。閉鎖メカニズム感知組立体のこれらの態様に関する更なる詳細は、位置感知組立体2050に関して上述したとおりである。
【0106】
ナイフバー1320が発射駆動システム530により並進されるとき、及び/又は、エンドエフェクタ1500が閉鎖メカニズムにより閉じられるときの速度を、位置センサ2104を利用する様々な態様において判定して、タイマー又はタイミング回路と組み合わせて、変位部材2118の位置を追跡することができる。変位部材2118が並進されているとき、位置センサ2104は、タイマーにより提供される一連の個々の時間間隔にて、又はタイムスタンプt1、t2、...tnで変位部材2118の位置d1、d2、...dnを判定することができる。タイマーは、連続稼働タイマー、即ち時計、又は、発射若しくは閉鎖メカニズムのいずれかの活性化の際に開始されるタイマーを含むことができる。一態様では、位置センサ2104により行われたそれぞれの個別の位置測定に関して、コントローラ2102はタイマーを評価して、位置測定の受信時間に従ってタイムスタンプを検索する。次に、コントローラ2102は、時間と共に変位位置が変化することに従って、設定した期間にわたり、変位部材2118の速度を計算することができる。変位部材2118の速度は、既知の方法で、ナイフバー1320が変位する速度、又はエンドエフェクタ1500が閉じられる速度のいずれかに対応するため、コントローラ2102は、外科用器具2100の発射又は閉鎖速度を判定することができる。
【0107】
他のセンサ2106は更に、カートリッジセンサを含むことができる。一態様では、カートリッジセンサは、RFカートリッジ1700の、対応する露出した接触部1756と電気接触するように配置された露出した接触部1676を介して、RFカートリッジ1700の存在及び/又はステータスを検出するように構成することができる通路回路1670(
図10)を含む。別の態様において、カートリッジセンサは、回路が開いているときに論理0を、回路が閉じているときに論理1を出力する電気接触を含む細長通路1602と共に配置された、即ち、RFカートリッジ1700が細長通路1602内に正しく配置されたセンサ、例えば、米国特許出願公開第2014/0296874号に開示されている、カートリッジ提示センサ、及び/又は、カートリッジ状態センサを含む。
【0108】
他のセンサ2106は更に、RFエネルギーにより封止されている組織の温度を検出するように構成された温度センサを含むことができる。一態様では、温度センサは、その全体が参照により組み込まれている米国特許第8,888,776号(表題「ELECTROSURGICAL INSTRUMENT EMPLOYING AN ELECTRODE」)に記載されている、開示された温度感知回路を含む。本態様において、温度感知回路は、温度感知回路により感知される温度の関数である電圧電位を印加するように構成されてもよい。温度感知回路は、例えば、第1の温度を検出したときにゲート端子に第1の電圧電位を、第2の温度を検出したときに第2の電圧電位を、そして、第3の温度を検出したときに第3の電圧電位を印加するように構成されてもよい。様々な態様において、温度感知回路は、電極の温度が高くなると、ゲート端子に印加される電圧電位を低下させることができる。例えば、温度感知回路は、第1の温度が温度感知回路により検出されたときに、ゲート端子に第1の電圧電位を、加えて、温度感知回路が、第1の温度よりも高い第2の温度を検出したときに、第1の電圧電位よりも低い第2の電圧電位を印加するように構成されてもよい。これに対応して、温度感知回路は、電極の温度が低下すると、ゲート端子に印加される電圧電位を増加させることができる。温度感知回路により生成される電圧電位の変化は例えば、回路により受信され、又は感知され、その後コントローラ2102に送達される、温度を示すフィードバック信号を生成するために、回路により検出されてもよい。温度感知回路は、第1ジョー1600(
図3)、第2ジョー1800(
図3)、及び/又はカートリッジ1700(
図2)を有して含まれることができる。カートリッジ1700が温度感知回路を含む態様において、温度感知回路により生成されるフィードバック信号は、対応する露出した接触部1676、1756の電気的接続により、通路回路1670に送信されてもよい。次に通路回路1670は、フィードバック信号をコントローラ2102に送信することができる。
【0109】
他のセンサ2106は更に、外科用器具2100のクランプ留め動作、封止動作、ステープル留め動作、及び/又は切断動作を受けている組織の、1つ以上の特性を測定するように構成された、組織センサを含むことができる。一態様では、他のセンサ2106は、RFエネルギーが印加されるとクランプ留めされた組織のインピーダンスを測定するように構成された組織インピーダンスセンサを備える。組織インピーダンスセンサは例えば、その全体が参照により組み込まれている米国特許第5,817,093号(表題「IMPEDANCE FEEDBACK MONITOR WITH QUERY ELECTRODE FOR ELECTROSURGICAL INSTRUMENT」)に記載されているような、電極、並びに、電極間の電流、及び/又は、電極間の組織のインピーダンスを測定するように構成されたインピーダンス監視回路を備える。組織インピーダンスセンサの電極は、治療用RFエネルギーを送達するための同一電極1736R、1736L、1738R、1738R、又は異なる電極であってもよい。組織インピーダンスセンサ電極が治療用電極と異なる態様において、組織インピーダンスセンサ電極を通って送達されるRFエネルギーの周波数は、治療用電極を通して送達されるエネルギーの周波数とは異なり、電気干渉を低下させることができる。組織インピーダンスセンサ電極は、少なくとも2つの電気的に反対の電極であって、エンドエフェクタ1500によりクランプ留めされた組織に接触するように、エンドエフェクタ1500上に配置された電極を備える。組織インピーダンスセンサ電極は、係合した組織の一部の間で、エンドエフェクタ1500の同一面、又は反対面のいずれかに位置することができる。組織インピーダンスセンサ電極に、例えばRF発電機400(
図1)により供給される電圧が既知であり、電極間の電流がインピーダンス監視回路により検出可能であるため、組織のインピーダンスを計算することができる。一態様では、インピーダンス監視回路は、クランプ留めされた組織そのもののインピーダンスを計算した後、インピーダンスを表すフィードバック信号をコントローラ2102に送信することが可能である。別の態様において、インピーダンス監視回路は、電極間で検出された電流を表すフィードバック信号をコントローラ2102に伝達することができ、次いで、組織のインピーダンスを計算する。
【0110】
全体的に、本明細書で開示した様々なセンサ、又はセンサ組立体を、外科用器具2100により利用して、閉鎖トリガ512の位置、閉鎖駆動システム510及び/又は閉鎖メカニズムの構成要素の前進、クランプ留めされた組織の厚さ、ナイフバー1320及び/又は発射駆動システム530の他の構成要素の位置、RFカートリッジ1700の存在、RFカートリッジ1700のステータス、エンドエフェクタ1500の閉鎖速度、並びに、外科用器具2100の他の様々な動作ステータスを監視することができる。これらの状態、パラメータ、位置、又は、外科用器具2100の動作と関連するその他の情報は、様々な感知組立体から送信されるフィードバック信号を通して、コントローラ2102により追跡することができる。コントローラ2102は次に、ディスプレイ2108に、外科用器具2100の動作と関連した、監視された変数の1つ以上を、外科用器具2100のオペレータにより確認するための図形フォーマットで表示させることができる。
【0111】
図26~
図39は、本開示の1つ以上の態様に従った、様々なステータス、パラメータ、又は、外科用器具の動作と関連した他の情報を示すディスプレイである。
図26~
図29に示す様々な態様において、外科用器具のディスプレイ2200は、エンドエフェクタ1500(
図1)により係合された組織に供給されているRFエネルギーのステータスを図形により表すように構成することができる。供給されるRFエネルギーのステータスは、グラフ2202、数値2204、ダイアル2206、又は棒グラフ2208の形式で表すことができる。組織に送達されるRFエネルギーは、例えば、上述したように、組織インピーダンスセンサにより測定される組織インピーダンス2210に対応する。更に、係合した組織の性質が、エンドエフェクタ1500のジョーからの機械的な力の印加、及びRFエネルギーの印加により変化するために、組織インピーダンス2210は、時間2212の関数として変化する。係合した組織の性質の、このような一変化は、組織から水が出てくることである。係合した組織の性質の、別のこのような変化は、RFエネルギーが印加されると、組織繊維の導電性が変化することである。したがって、いくつかの態様において、ディスプレイ2200は、例えば、グラフ2202における曲線2216、又は、棒グラフ2208の個々の時間間隔での組織インピーダンス2210の測定を示す一連の棒2224として、時間2212と共に、組織インピーダンス2210の変化を示すように構成されてもよい。ディスプレイ2200は更に、実行されるアルゴリズムに従って、コントローラ2102により計算される時間2212に対するインピーダンス2210の予想曲線2217を示すように構成することができる。別の態様において、ディスプレイ2200は、数字2218として組織インピーダンス2210を表すことができる。数字2218は、測定したインピーダンスの絶対値を、例えばオーム(Ω)単位で表すことができる。あるいは、数字2218は、最大インピーダンス値と最小インピーダンス値との間で、測定したインピーダンスの相対値、又は比率を表すことができる。更に、数字2218がディスプレイ2200に示されるサイズは、値の相対的なサイズに対応することができる。ディスプレイ2200のダイアル2206フォーマットは同様に、最大インピーダンス2222及び最小インピーダンス2220に対して、測定した組織インピーダンスを描写することができる。
【0112】
ディスプレイ2200は、外科用器具2100の動作に従って、1つ以上のアラート2214又はステータス2226を示すようにもまた構成することができる。アラート2214は、組織インピーダンスが最大組織インピーダンスを超過しているという警告、電極がエネルギーを失ったという警告、コントローラ2102により計算されたとき又はメモリ2110に格納されたときに、測定した組織インピーダンスが予想される組織インピーダンスから偏位しているという警告、及び、RFエネルギーの適用時間が最大時間又は予想時間を超過しているという警告を含むことができる。ステータス2226は、外科用器具2100を用いるプロセスの現在の又は後続の段階又はステップを含むことができる。
【0113】
組織に適用されているRFエネルギーを表示することに加えて、ディスプレイ2200は、コントローラ2102と通信した感知組立体により判定される様々な他のパラメータ、ステータス、又は他の情報を示すようにも構成することができる。一態様では、ディスプレイ2200は、RFエネルギーが印加されている組織の温度ステータス2228を示すように構成することができる。温度は例えば、上述した温度感知回路により判定することができる。様々な態様において、温度ステータス2228は、測定した温度の絶対値、又は、最低温度と最大温度との間での測定した温度の相対値として表すことができる。一態様では、温度ステータス2228は、時間2238の関数としての、絶対温度又は相対温度2236の曲線2239として表すことができる。ディスプレイ2200は更に、実行されるアルゴリズムに従って、コントローラ2102により計算される、時間2238に対する温度2236の予想曲線2240を示すように構成することができる。
【0114】
別の態様では、ディスプレイ2200は組織の含水量ステータス2230を示すように構成することができる。組織の含水量は例えば、クランプ留めの間における組織のインピーダンスの変化と、外科用器具2100により実行されるRF封止動作との関数として判定することができる。時間と共に特定の組織の種類の機械的特性が変化することは実験により既知であり、組織の機械的特性の変化によりもたらされる組織インピーダンスの変化も同様に、実験により既知であることから、コントローラ2102は、時間にわたって組織インピーダンスで測定される変化から、これらの影響を分離し、組織含水量の変化を計算し、次いで、ディスプレイ2200に、計算した含水量ステータス2230を示すようにすることができる。他の組織、又は外科用器具のパラメータに関して上述したように、ディスプレイ2200は組織含水量ステータス2230を、グラフ、数、ダイアル、又は任意の他のこのようなグラフ表示の形式で表すことができる。一態様において、ディスプレイ2200は、曲線2246として、時間2244にわたる組織含水量2242の変化を表すことができる。ディスプレイ2200は更に、実行されるアルゴリズムに従って、コントローラ2102により計算される、時間2244にわたる含水量2242の予想曲線2248を示すように構成することができる。
【0115】
別の態様において、ディスプレイ2200は、外科用器具2100の動作に従って、封止完了ステータス2232又は完了ステータス2234を示すように構成することができる。封止完了ステータス2232は例えば、
図26~
図29に示すRFエネルギーのステータスに対応することができ、予想値に対して、現在測定されているRFエネルギーの送達を表す。例えば
図32において、封止完了ステータス2232は、時間2252にわたる組織インピーダンス2250の予想曲線2256と比較しての、時間2252に対する組織インピーダンス2250の測定曲線2254として図形により表される。測定曲線2254と予想曲線2256との比は、予想される進行に対するRFエネルギーの適用の相対的進行を図形により表し、これは実験により判定し、コントローラ2102により評価されることが可能なメモリ2110に記憶することができる。一態様では、完了ステータス2234は、代替の図形フォーマットで、封止完了ステータスを表すことができる。別の態様において、完了ステータス2234は、外科用器具2100により実行又は完了されるステップの数の割合、又は、任意の個々のステップ、例えば、閉鎖メカニズムの前進、若しくは、ナイフバー1320の発射ステップにおける、長手方向への変位全体に対する、ナイフバー1320(
図4)の現在の長手方向への変位の完了割合を表すことができる。現在の進行は、外科用器具2100の様々な感知組立体と組み合わされたコントローラ2102により追跡することができる。完了ステータス2234は、最低割合2260~最大割合2262の割合2258を示すダイアルのるフォーマットで表示することができる。
【0116】
図34~
図37に示す様々な態様において、ディスプレイ2200は、エンドエフェクタ1500により係合された組織の厚さ、ナイフバー1320などの変位部材の前進、並びに、組織厚及び/又は変位部材と関連した様々なステータスを表示するように構成することができる。エンドエフェクタ1500により係合された組織の厚さは例えば、上述したように、コントローラ2102と通信した組織厚感知組立体2022により検出することができる。様々な態様において、コントローラ2102はディスプレイ2200に、組織厚感知組立体2202により生成したフィードバック信号に従って、組織厚を、とりわけ、「薄い」から「厚い」の範囲の一連の個々のゾーン2264などの様々な異なる図形フォーマットで、絶対値又は相対値のいずれかとして、グラフ2266して、又はダイアル2268として表示させることができる。
【0117】
ディスプレイ2200は更に、特定の動作を行うには組織が薄すぎる、又は厚すぎるという図形による警告をユーザに提供するアラートを備えることができる。例えば、アラートは、オペレータに、外科用器具2100が現在、所望ではない状態で動作している、又は今後所望ではない状態で動作することを示すためにディスプレイ2200上に重なっている、
図35に示す「X」などのアイコン2274を備えることができる。別の態様において、アイコン2274は、組織厚を示す様々な図形フォーマット2264、2266及び2268に重なっていても、いなくてもよい。異なるデザインのアイコン、色の変化、又は文字による警告を含む様々な別の図形による警告を利用することができる。別の例として、アラートは、組織厚、変位部材の速度、又は、様々な感知組立体により測定若しくは計算された他のパラメータの曲線2276が、予想曲線2278から偏位しているという図形描写を含むことができる。このような態様において、様々な他の更なるアラートは、文字アラート、アイコン、色の変化などの、表されたアラートに付随することができる。
【0118】
一態様では、ディスプレイ2200は更に、ナイフバー1320の位置を示すように構成することができる。ナイフバー1320の位置は例えば、上述したように、コントローラ2102と通信した位置感知組立体2050により検出可能である。様々な態様において、コントローラ2102はディスプレイ2200に、位置感知組立体2050により生成されたフィードバック信号に従って、例えば、ナイフバー1320の最大位置2272に対する直線測定位置2270として、ナイフバー1320の変位を示すことができる。最大位置2272は、特定の外科手術に所望される最大切開長さ、又は、ナイフバー1320が並進可能な絶対最大長さを含むことができる。
【0119】
別の態様において、ディスプレイ2200は更に、閉鎖メカニズムの前進又はステータスを示すように構成することができる。閉鎖メカニズムの前進は例えば、上述したコントローラ2102と通信する閉鎖トリガ感知組立体2005、又は、
図25に関して上述した閉鎖メカニズムの変位部材2118の位置を検出するように構成された位置感知組立体2050により検出することができる。様々な態様において、コントローラ2102はディスプレイ2200に、トリガ感知組立体2005又は位置感知組立体2050により生成したフィードバック信号に従って、例えば、閉鎖シャトル1914の最大位置に対する閉鎖シャトル1914の検出位置として、閉鎖メカニズムの前進を示すことができる。
【0120】
いくつかの態様では、コントローラ2102は、特定のイベント又はステータスが生じるときに、様々なアイコンをディスプレイ2200に存在させるように構成することができる。例えば、第1のアイコン2280は、RFエネルギーが組織に現在印加されている、又は正常に印加されたことを示すことができる。第2のアイコン2282は、ナイフバー1320が現在発射されている、又は正常に発射されたことを示すことができる。第3のアイコン2284は、器具の動作中のある時点で、エラーが発生したことを示すことができる。第4のアイコン2286は、器具の動作ステップの全てが正常に完了したことを示すことができる。第5のアイコン2288は、ナイフバー1320などの器具の特定の構成要素にエラーが発生したことを示すことができる。ディスプレイ2200は更に、あるステップ若しくはプロセスが完了したこと、又は、エラーなどのあるイベントが生じたことを示す、任意の他の種類のアイコンを表示するように構成することができる。様々なアイコンは、ステータスがアクティブであるとき、又はイベントが生じたときに照明する、目に見えるようになる、又は色を変化させるように構成することができる。
【0121】
いくつかの態様では、ディスプレイ2200は、正しい種類のカートリッジがエンドエフェクタ1500にロードされた、即ち、細長通路1602(
図10)内に挿入されたのか、又は間違った種類のカートリッジがロードされたのかを示すように構成することができる。通路回路1670は、センサにより、又は、通路回路1670とカートリッジとの電気的通信によって、エンドエフェクタ1500により受容されるカートリッジの種類を読み取る、又は検出するように構成することができる。一態様では、カートリッジは、カートリッジがエンドエフェクタ1500の細長通路1602内に挿入されるときに、通路回路1670に送信されるカートリッジ種類を示す識別子又は値を格納するメモリを備える。コントローラ2102と通信可能に連結された通路回路1670は次に、カートリッジ種類の識別子又は値をコントローラ2102に送信するように構成される。次に、コントローラ2102により実行される論理は、カートリッジ種類を、予想されるカートリッジ種類と比較することができる。カートリッジ種類と予想されるカートリッジ種類が一致しない場合、コントローラ2102はディスプレイ2200に第1のアイコン2290を表示させることができる。カートリッジ種類と予想されるカートリッジ種類が一致する場合、コントローラ2102はディスプレイ2200に第2のアイコン2292を表示させることができる。
図38~
図39に示す態様において、第1のアイコン2290は、RFカートリッジが予想されるときに挿入されるステープルカートリッジに対応し、第2のアイコン2292は、RFカートリッジが予想されるときに挿入されるRFカートリッジに対応する。
【0122】
図26~
図39に示すディスプレイ2200の様々な態様は、オペレータに表示されるスクリーン、又はオペレータに表示されるスクリーンの一部を個別に表示したものとして表すことができる。様々な態様において、オペレータは、ユーザ入力により様々なスクリーンを切り替えることができる、又は、コントローラ2102は外科用器具2100の動作に従って、ディスプレイ2200を自動的に調節することができる。様々な態様において、ディスプレイ2200は、例えば容量性タッチスクリーンを介して操作可能なグラフィカルユーザインタフェースを含むことができる。
【0123】
本明細書に記載したディスプレイ2200は、様々な感知組立体により捕捉された情報を図形により表示するために、外科用器具に配置された、又は外科用器具と接続した、1つ以上のスクリーンを含むことができる。一態様では、ディスプレイ2200は、
図1に示すように、外科用器具の外側ケースに配置された単一のスクリーンを備える。複数のスクリーンを利用する態様において、スクリーンは互いに隣接して、又は互いに離れて配置されてもよい。ディスプレイ2200は外科用器具に直接配置されることができ、外科用器具に接続されるときにはディスプレイ2200がコントローラと信号通信するように、外科用器具に着脱可能に接続することができ、又は別の方法で外科用器具と関連することができる。
【0124】
本明細書で記載される様々な感知組立体により、外科用器具の様々なステータスを監視する機能又はプロセスは、本明細書で記載される処理回路、例えば、
図5及び
図15に関連して記載される搭載された回路基板1152、
図10に関連して記載される通路回路1670、
図10~
図13に関連して記載されるフレキシブル回路組立体1730L及び1730R、
図24に関連して記載されるコントローラ2080、並びに、
図25に関連して記載されるコントローラ2102のいずれかにより、個別に、又は組み合わせにより実行されてもよい。
【0125】
外科用器具の態様は、本明細書で開示した具体的な詳細を伴わずに実施することができる。いくつかの態様は、詳細ではなくブロック図として示されている。本開示の一部は、コンピュータメモリに格納されたデータ上で動作する命令として、表されてもよい。一般に、広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は集合的に実装することができる、本明細書で説明する様々な態様を、様々な種類の「電気回路」から構成されるものと見なすことができる。結果として、「電気回路構成」は、少なくとも1つの個々の電気回路を有する電気回路構成、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路構成、少なくとも1つの特定用途向け集積回路を有する電気回路構成、コンピュータプログラムで構成された汎用コンピューティングデバイス(例えば、本明細書で説明したプロセス及び/若しくはデバイスを少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムで構成された汎用コンピュータ又はマイクロプロセッサ)を形成する電気回路構成、メモリデバイスを形成する(例えば、ランダムアクセスメモリの形態)電気回路構成、及び/又は、通信デバイス(例えばモデム、通信スイッチ、若しくは光学電気機器)を形成する電気回路構成を含むが、これらに限定されない。これらの態様はアナログ形態若しくはデジタル形態、又はこれらの組み合わせで実装することができる。
【0126】
前述の説明は、1つ以上の機能及び/又は動作を含み得る、ブロック図、フローチャート、及び/又は実施例の使用による、装置及び/又はプロセスの態様を説明している。このようなブロック図、フローチャート、又は実施例における各機能及び/又は動作は、広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又は実質上これらの任意の組み合わせにより、個別に、かつ/又は集合的に実装することができる。一態様では、本明細書で記載される主題のいくつかの部分は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、回路、レジスタ並びに/又はソフトウェア構成要素(例えばプログラム、サブルーチン、論理並びに/若しくはハードウェア及びソフトウェア構成要素の組み合わせ)、論理ゲート、又は他の一体化フォーマットにより実装されてもよい。その全部か一部かを問わず、本明細書で開示される形態のいくつかの態様は、1台以上のコンピュータ上で稼働する1つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1台以上のコンピュータシステム上で稼働する1つ以上のプログラムとして)、1つ以上のプロセッサ上で稼働する1つ以上のプログラムとして(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ上で稼働する1つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、あるいは、それらの実質的に任意の組み合わせとして、集積回路において等価に実装することができ、また、回路を設計すること、並びに/又はソフトウェア及び/若しくはファームウェアのコードを記述することは、本開示を鑑みれば当業者の技能の範囲内に含まれることが、当業者には理解されよう。
【0127】
開示される主題のメカニズムは、多様な形式でプログラム製品として配布されることが可能であり、本明細書に記載される主題の例示的な態様は、配布を実際に行うために使用される特定の種類の信号搬送媒体に関係なく用いられる。信号搬送媒体の例としては以下:記録可能型の媒体、フロッピーディスク、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、コンピュータメモリなど、並びに伝送型の媒体、例えば、デジタル及び/又はアナログ通信媒体(例えば、光ファイバケーブル、導波管、導電体通信リンク、導電体非含有通信リンク(例えば、送信機、受信機、送信ロジック、受信ロジックなど)など)が挙げられる。
【0128】
これらの態様の前述の説明は、記載及び説明を目的として提示されている。包括的であることも、開示された厳密な形態に限定することも意図されていない。上記の教示を鑑みて、修正又は変形が可能である。これら態様は、原理及び実際の応用について例示し、それによって、態様を修正例と共に、想到される特定の用途に適するものとして当業者が利用できるようにするために、選択され記載されるものである。本明細書と共に提示される特許請求の範囲が全体的な範囲を定義することが意図される。
【実施例】
【0129】
本明細書で記載される主題の様々な態様を、以下の実施例において説明する:
実施例1.外科用器具であって、RFエネルギーをエンドエフェクタ内に配置されたカートリッジに送達するように構成された回路であって、エンドエフェクタはカートリッジを受容するように構成されている、回路と、エンドエフェクタを開位置と閉位置との間で遷移させるように構成されている、閉鎖メカニズムと、ディスプレイと、ディスプレイに動作可能に連結した制御回路であって、カートリッジを通して組織に送達されたRFエネルギーの量を判定することと、RFエネルギーの量をディスプレイに表示することと、閉鎖メカニズムの位置を判定することと、ディスプレイ上に閉鎖メカニズムの位置を表示することと、を行うように構成されている、制御回路と、を備える、外科用器具。
【0130】
実施例2.制御回路は、第1電極と第2電極との間に配置された組織のインピーダンスを測定するように構成されたインピーダンスセンサから信号を受信するように構成されており、制御回路は、組織のインピーダンスに従って、組織に送達されたRFエネルギーの量を判定するように構成されている、実施例1に記載の外科用器具。
【0131】
実施例3.制御回路は、閉鎖メカニズムの変位部材の位置を検出するように構成された位置センサから信号を受信するように構成されており、制御回路は、変位部材の位置に従って、閉鎖メカニズムの位置を判定するように構成されている、実施例1~実施例2の1つ以上に記載の外科用器具。
【0132】
実施例4.第1の位置と第2の位置との間で閉鎖メカニズムを駆動するように構成された閉鎖トリガと、閉鎖トリガの位置を検出するように構成された閉鎖トリガセンサと、を更に備え、制御回路は、閉鎖トリガの位置に従って、閉鎖メカニズムの位置を判定するように構成されている、実施例1~実施例3の1つ以上に記載の外科用器具。
【0133】
実施例5.制御回路は、開位置と閉位置との間でエンドエフェクタの位置を検出するように構成されたセンサから信号を受信するように構成されており、制御回路は、エンドエフェクタの位置に従って、閉鎖メカニズムの位置を判定するように構成されている、実施例1~実施例4の1つ以上に記載の外科用器具。
【0134】
実施例6.制御回路は、エンドエフェクタにより受容されるカートリッジのカートリッジ種類を検出するように構成されたカートリッジセンサから信号を受信するように構成されており、制御回路は、カートリッジ種類が、予想されるカートリッジ種類と一致するかどうかをディスプレイ上に表示するように構成されている、実施例1~実施例5の1つ以上に記載の外科用器具。
【0135】
実施例7.エンドエフェクタ内に配置されたカートリッジにRFエネルギーを送達するように構成された回路と、エンドエフェクタを開位置と閉位置との間で遷移させるように構成されている、閉鎖メカニズムと、ディスプレイと、ディスプレイに動作可能に連結したプロセッサと、プロセッサと動作可能に連結したメモリであって、メモリは、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、カートリッジを通して組織に送達されるRFエネルギーのステータスを判定することと、RFエネルギーのステータスを表示することと、閉鎖メカニズムのステータスを判定することと、閉鎖メカニズムのステータスを表示することと、を行わせるプログラム命令を格納している、メモリと、を備える、外科用器具。
【0136】
実施例8.メモリは、プロセッサにより実行されると、プロセッサに、第1電極と第2電極との間の組織のインピーダンスを測定するように構成されたインピーダンスセンサから信号を受信させるプログラム命令を格納しており、プロセッサは、組織のインピーダンスに従って、組織に印加されたRFエネルギーのステータスを判定するように構成されている、実施例7に記載の外科用器具。
【0137】
実施例9.メモリは、プロセッサにより実行されると、プロセッサに、閉鎖メカニズムの変位部材の位置を検出するように構成された位置センサから信号を受信させるプログラム命令を格納しており、プロセッサは、変位部材の位置に従って、閉鎖メカニズムのステータスを判定するように構成されている、実施例7に記載の外科用器具。
【0138】
実施例10.第1の位置と第2の位置との間で閉鎖メカニズムを駆動するように構成された閉鎖トリガと、閉鎖トリガの位置を検出するように構成された閉鎖トリガセンサと、を更に備え、外科用器具は、閉鎖トリガの位置に従って、閉鎖メカニズムのステータスを判定する、実施例7~実施例9の1つ以上に記載の外科用器具。
【0139】
実施例11.メモリは、プロセッサにより実行されると、プロセッサに、開位置と閉位置との間のエンドエフェクタの位置を検出するように構成されたセンサから信号を受信させるプログラム命令を格納しており、プロセッサは、エンドエフェクタの位置に従って、閉鎖メカニズムのステータスを判定するように構成されている、実施例7~実施例10の1つ以上に記載の外科用器具。
【0140】
実施例12.メモリは、プロセッサにより実行されると、プロセッサに、エンドエフェクタにより受容されるカートリッジのカートリッジ種類を検出するように構成されたカートリッジセンサから信号を受信させるプログラム命令を更に格納しており、プロセッサは、カートリッジ種類が、予想されるカートリッジ種類と一致するかどうかをディスプレイ上に表示するように構成されている、実施例7~実施例11の1つ以上に記載の外科用器具。
【0141】
実施例13.外科用器具におけるディスプレイの制御方法であって、外科用器具は、RFエネルギーをエンドエフェクタ内に配置されたカートリッジに送達するように構成された回路であって、エンドエフェクタはカートリッジを受容するように構成されている、回路と、エンドエフェクタを開位置と閉位置との間で遷移させるように構成されている、閉鎖メカニズムと、ディスプレイと、ディスプレイに連結した制御回路と、を備えており、方法は、制御回路により、カートリッジを通して組織に印加されるRFエネルギーの量を判定することと、制御回路により、ディスプレイ上にRFエネルギーの量を表示することと、制御回路により、閉鎖メカニズムの位置を判定することと、制御回路により、閉鎖メカニズムの位置をディスプレイ上に表示することと、を含む、方法。
【0142】
実施例14.インピーダンスセンサにより、第1電極と第2電極との間の組織のインピーダンスを測定すること、を更に含み、制御回路は、組織のインピーダンスに従って、組織に印加されるRFエネルギーの量を判定する、実施例13に記載の方法。
【0143】
実施例15.位置センサにより、閉鎖メカニズムの変位部材の位置を検出すること、を更に含み、制御回路は、変位部材の位置に従って、閉鎖メカニズムの位置を判定する、実施例13~実施例14の1つ以上に記載の方法。
【0144】
実施例16.閉鎖トリガセンサにより、第1の位置と第2の位置との間で閉鎖メカニズムを駆動するように構成された閉鎖トリガの位置を検出すること、を更に含み、制御回路は、閉鎖トリガの位置に従って、閉鎖メカニズムの位置を判定する、実施例13~実施例15の1つ以上に記載の方法。
【0145】
実施例17.センサにより、開位置と閉位置との間のエンドエフェクタの位置を検出すること、を更に含み、制御回路は、エンドエフェクタの位置に従って、閉鎖メカニズムの位置を判定する、実施例13~実施例16の1つ以上に記載の方法。
【0146】
実施例18.カートリッジセンサにより、エンドエフェクタにより受容されるカートリッジのカートリッジ種類を検出することと、制御回路により、カートリッジ種類が予想されるカートリッジ種類と一致するかどうかをディスプレイ上に表示することと、を更に含む、実施例13~実施例17の1つ以上に記載の方法。
【0147】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具であって、
RFエネルギーをエンドエフェクタ内に配置されたカートリッジに送達するように構成された回路であって、前記エンドエフェクタは前記カートリッジを受容するように構成されている、回路と、
前記エンドエフェクタを開位置と閉位置との間で遷移させるように構成されている、閉鎖メカニズムと、
ディスプレイと、
前記ディスプレイに動作可能に連結した制御回路であって、
前記カートリッジを通して組織に送達されたRFエネルギーの量を判定することと、
前記RFエネルギーの量を前記ディスプレイに表示することと、
前記閉鎖メカニズムの位置を判定することと、
前記ディスプレイ上に前記閉鎖メカニズムの前記位置を表示することと、
を行うように構成されている、制御回路と、
を備える、外科用器具。
(2) 前記制御回路は、第1電極と第2電極との間に配置された前記組織のインピーダンスを測定するように構成されたインピーダンスセンサから信号を受信するように構成されており、前記制御回路は、前記組織の前記インピーダンスに従って、前記組織に送達された前記RFエネルギーの量を判定するように構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(3) 前記制御回路は、前記閉鎖メカニズムの変位部材の位置を検出するように構成された位置センサから信号を受信するように構成されており、前記制御回路は、前記変位部材の前記位置に従って、前記閉鎖メカニズムの前記位置を判定するように構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(4) 第1の位置と第2の位置との間で前記閉鎖メカニズムを駆動するように構成された閉鎖トリガと、
前記閉鎖トリガの位置を検出するように構成された閉鎖トリガセンサと、
を更に備え、
前記制御回路は、前記閉鎖トリガの前記位置に従って、前記閉鎖メカニズムの前記位置を判定するように構成されている、
実施態様1に記載の外科用器具。
(5) 前記制御回路は、前記開位置と前記閉位置との間で前記エンドエフェクタの位置を検出するように構成されたセンサから信号を受信するように構成されており、前記制御回路は、前記エンドエフェクタの前記位置に従って、前記閉鎖メカニズムの前記位置を判定するように構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
【0148】
(6) 前記制御回路は、前記エンドエフェクタにより受容される前記カートリッジのカートリッジ種類を検出するように構成されたカートリッジセンサから信号を受信するように構成されており、前記制御回路は、前記カートリッジ種類が、予想されるカートリッジ種類と一致するかどうかを前記ディスプレイ上に表示するように構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(7) エンドエフェクタ内に配置されたカートリッジにRFエネルギーを送達するように構成された回路と、
前記エンドエフェクタを開位置と閉位置との間で遷移させるように構成されている、閉鎖メカニズムと、
ディスプレイと、
前記ディスプレイに動作可能に連結したプロセッサと、
前記プロセッサと動作可能に連結したメモリであって、前記メモリは、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
前記カートリッジを通して組織に送達されるRFエネルギーのステータスを判定することと、
前記RFエネルギーの前記ステータスを表示することと、
前記閉鎖メカニズムのステータスを判定することと、
前記閉鎖メカニズムの前記ステータスを表示することと、
を行わせるプログラム命令を格納している、メモリと、
を備える、外科用器具。
(8) 前記メモリは、前記プロセッサにより実行されると、前記プロセッサに、第1電極と第2電極との間の前記組織のインピーダンスを測定するように構成されたインピーダンスセンサから信号を受信させるプログラム命令を格納しており、前記プロセッサは、前記組織の前記インピーダンスに従って、前記組織に印加された前記RFエネルギーの前記ステータスを判定するように構成されている、実施態様7に記載の外科用器具。
(9) 前記メモリは、前記プロセッサにより実行されると、前記プロセッサに、前記閉鎖メカニズムの変位部材の位置を検出するように構成された位置センサから信号を受信させるプログラム命令を格納しており、前記プロセッサは、前記変位部材の前記位置に従って、前記閉鎖メカニズムの前記ステータスを判定するように構成されている、実施態様7に記載の外科用器具。
(10) 第1の位置と第2の位置との間で前記閉鎖メカニズムを駆動するように構成された閉鎖トリガと、
前記閉鎖トリガの位置を検出するように構成された閉鎖トリガセンサと、
を更に備え、
前記外科用器具は、前記閉鎖トリガの前記位置に従って、前記閉鎖メカニズムの前記ステータスを判定する、
実施態様7に記載の外科用器具。
【0149】
(11) 前記メモリは、前記プロセッサにより実行されると、前記プロセッサに、前記開位置と前記閉位置との間の前記エンドエフェクタの位置を検出するように構成されたセンサから信号を受信させるプログラム命令を格納しており、前記プロセッサは、前記エンドエフェクタの前記位置に従って、前記閉鎖メカニズムの前記ステータスを判定するように構成されている、実施態様7に記載の外科用器具。
(12) 前記メモリは、前記プロセッサにより実行されると、前記プロセッサに、前記エンドエフェクタにより受容される前記カートリッジのカートリッジ種類を検出するように構成されたカートリッジセンサから信号を受信させるプログラム命令を更に格納しており、前記プロセッサは、前記カートリッジ種類が、予想されるカートリッジ種類と一致するかどうかを前記ディスプレイ上に表示するように構成されている、実施態様7に記載の外科用器具。
(13) 外科用器具におけるディスプレイの制御方法であって、前記外科用器具は、RFエネルギーをエンドエフェクタ内に配置されたカートリッジに送達するように構成された回路であって、前記エンドエフェクタは前記カートリッジを受容するように構成されている、回路と、前記エンドエフェクタを開位置と閉位置との間で遷移させるように構成されている、閉鎖メカニズムと、ディスプレイと、前記ディスプレイに連結した制御回路と、を備えており、前記方法は、
前記制御回路により、前記カートリッジを通して組織に印加されるRFエネルギーの量を判定することと、
前記制御回路により、前記ディスプレイ上に前記RFエネルギーの量を表示することと、
前記制御回路により、前記閉鎖メカニズムの位置を判定することと、
前記制御回路により、前記閉鎖メカニズムの前記位置を前記ディスプレイ上に表示することと、
を含む、方法。
(14) インピーダンスセンサにより、第1電極と第2電極との間の前記組織のインピーダンスを測定すること、
を更に含み、
前記制御回路は、前記組織の前記インピーダンスに従って、前記組織に印加される前記RFエネルギーの量を判定する、
実施態様13に記載の方法。
(15) 位置センサにより、前記閉鎖メカニズムの変位部材の位置を検出すること、
を更に含み、
前記制御回路は、前記変位部材の前記位置に従って、前記閉鎖メカニズムの前記位置を判定する、
実施態様13に記載の方法。
【0150】
(16) 閉鎖トリガセンサにより、第1の位置と第2の位置との間で前記閉鎖メカニズムを駆動するように構成された閉鎖トリガの位置を検出すること、
を更に含み、
前記制御回路は、前記閉鎖トリガの前記位置に従って、前記閉鎖メカニズムの前記位置を判定する、
実施態様13に記載の方法。
(17) センサにより、前記開位置と前記閉位置との間の前記エンドエフェクタの位置を検出すること、
を更に含み、
前記制御回路は、前記エンドエフェクタの前記位置に従って、前記閉鎖メカニズムの前記位置を判定する、
実施態様13に記載の方法。
(18) カートリッジセンサにより、前記エンドエフェクタにより受容される前記カートリッジのカートリッジ種類を検出することと、
前記制御回路により、前記カートリッジ種類が予想されるカートリッジ種類と一致するかどうかを前記ディスプレイ上に表示することと、
を更に含む、実施態様13に記載の方法。