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特許7163391端末、無線通信方法、基地局及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】端末、無線通信方法、基地局及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/28 20090101AFI20221024BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20221024BHJP
   H04B 7/06 20060101ALI20221024BHJP
   H04B 7/08 20060101ALI20221024BHJP
【FI】
H04W16/28
H04W72/04 136
H04B7/06 960
H04B7/08 810
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020534033
(86)(22)【出願日】2018-08-03
(86)【国際出願番号】 JP2018029316
(87)【国際公開番号】W WO2020026455
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2021-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100158528
【弁理士】
【氏名又は名称】守屋 芳隆
(72)【発明者】
【氏名】松村 祐輝
(72)【発明者】
【氏名】永田 聡
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジン
(72)【発明者】
【氏名】コウ ギョウリン
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】Ericsson,Feature lead summary 3 for beam measurement and reporting[online],3GPP TSG RAN WG1 #93 R1-1807782,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_93/Docs/R1-1807782.zip>,2018年05月29日
【文献】Ericsson,Remaining issues on beam measurement and reporting[online],3GPP TSG RAN WG1 #93 R1-1806217,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_93/Docs/R1-1806217.zip>,2018年05月12日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
H04B7/06
H04B7/08
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
RRC(Radio Resource Control)再構成においてランダムアクセス手順が開始される場合、特定のCORESET以外のCORESETに対するTCI(transmission configuration indicator)状態が設定された後であって、当該CORESETに対する当該TCI状態のMAC CE(Medium Access Control Control Element)アクティベーションを受信していない場合に、前記ランダムアクセス手順において識別された同期信号ブロックまたはチャネル状態情報参照信号と、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)に関連するDMRSアンテナポートが疑似コロケーションであると想定する制御部と、
前記PDCCHを受信する受信部と、を有することを特徴とする端末。
【請求項2】
前記制御部は、前記RRC再構成においてランダムアクセス手順が開始されない場合、前記RRC再構成で通知された制御要素内の所定のビームと、前記PDCCHに関連するDMRSアンテナポートが疑似コロケーションであると想定することを特徴とする請求項1に記載の端末。
【請求項3】
前記所定のビームは、前記制御要素内の最小IDによって提供されることを特徴とする請求項に記載の端末。
【請求項4】
RRC(Radio Resource Control)再構成においてランダムアクセス手順が開始される場合、特定のCORESET以外のCORESETに対するTCI(transmission configuration indicator)状態が設定された後であって、当該CORESETに対する当該TCI状態のMAC CE(Medium Access Control Control Element)アクティベーションを受信していない場合に、前記ランダムアクセス手順において識別された同期信号ブロックまたはチャネル状態情報参照信号と、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)に関連するDMRSアンテナポートが疑似コロケーションであると想定するステップと、
前記PDCCHを受信するステップと、を有することを特徴とする端末の無線通信方法。
【請求項5】
RRC(Radio Resource Control)再構成手順を開始する制御部と、
前記RRC再構成においてランダムアクセス手順が開始される場合、特定のCORESET以外のCORESETに対するTCI(transmission configuration indicator)状態が設定された後であって、当該CORESETに対する当該TCI状態のMAC CE(Medium Access Control Control Element)アクティベーションを受信していない場合に、前記ランダムアクセス手順において識別された同期信号ブロックまたはチャネル状態情報参照信号と、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)に関連するDMRSアンテナポートが疑似コロケーションであると想定する端末に、前記PDCCH(Physical Downlink Control Channel)を送信する送信部と、を有することを特徴とする基地局。
【請求項6】
基地局と端末とを有するシステムであって、
前記基地局は、
RRC(Radio Resource Control)再構成手順を開始する制御部を有し、
前記端末は、
前記RRC再構成においてランダムアクセス手順が開始される場合、特定のCORESET以外のCORESETに対するTCI(transmission configuration indicator)状態が設定された後であって、当該CORESETに対する当該TCI状態のMAC CE(Medium Access Control Control Element)アクティベーションを受信していない場合に、前記ランダムアクセス手順において識別された同期信号ブロックまたはチャネル状態情報参照信号と、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)に関連するDMRSアンテナポートが疑似コロケーションであると想定する制御部と、
前記PDCCHを受信する受信部と、
を有することを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、次世代移動通信システムにおけるユーザ端末および無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
既存のLTEシステム(たとえば、Rel.13)では、たとえば、ハンドオーバの実行に際し、RRC(Radio Resource Control)接続を変更するために、RRC接続再構成(RRC connection reconfiguration)の手順を行う。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】3GPP TS 36.331 V13.8.1 “Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Radio Resource Control (RRC); Protocol specification (Release 13)”、2018年1月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
将来の無線通信システム(たとえば、Rel.15)では、ビームフォーミングを利用して通信を行うことが検討されている。ビームフォーミングを利用した通信品質を向上するために、複数の信号間の疑似コロケーション(Quasi-Co-Location(QCL))の関係を考慮して信号の送信および受信の少なくとも一方を制御することが検討されている。
【0005】
将来の無線通信システムでは、ユーザ端末が、制御リソースセット(Control Resource Set(CORESET))のQCLに関する情報を示す(または、含む)送信設定指標(Transmission Configuration Indicator(TCI))の状態(TCI状態)に基づいて、当該CORESETの所定のリソース単位にマッピングされる下り制御チャネル(たとえば、Physical Downlink Control Channel(PDCCH))の受信を制御することが検討されている。
【0006】
将来の無線通信システムでは、当該CORESETに適用されるTCI状態を、MAC制御要素(Medium Access Control Control Element(MAC CE))を使用して指定することも検討されている。
【0007】
しかしながら、将来の無線システムにおいて、RRC再構成する場合、RRC再構成手順後からMAC CEアクティベーションまでの間に、ユーザ端末が想定する基地局ビーム(TCI状態)について、明らかになっていない。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、将来の無線通信システムにおいて、RRC再構成手順後からMAC CEアクティベーションまでの間に、適切な基地局ビーム(TCI状態)を想定できるユーザ端末および無線通信方法を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の端末の一態様は、RRC(Radio Resource Control)再構成においてランダムアクセス手順が開始される場合、特定のCORESET以外のCORESETに対するTCI(transmission configuration indicator)状態が設定された後であって、当該CORESETに対する当該TCI状態のMAC CE(Medium Access Control Control Element)アクティベーションを受信していない場合に、前記ランダムアクセス手順において識別された同期信号ブロックまたはチャネル状態情報参照信号と、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)に関連するDMRSアンテナポートが疑似コロケーションであると想定する制御部と、前記PDCCHを受信する受信部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、将来の無線通信システムにおいて、RRC再構成手順後からMAC CEアクティベーションまでの間に、適切な基地局ビーム(TCI状態)を想定できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】将来の無線通信システムにおけるPDCCH用ビーム管理の一例を示す図である。
図2】1以上のTCI状態がRRCによって再構成される場合の一例を示す図である。
図3】1以上のTCI状態がRRCによって再構成される場合の一例を示す図である。
図4】第1の態様に係る、PDCCH用ビーム管理の一例を示す図である。
図5】第1の態様に係る、PDCCH用ビーム管理の一例を示す図である。
図6】本実施の形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。
図7】本実施の形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。
図8】無線基地局のベースバンド信号処理部の機能構成の一例を示す図である。
図9】本実施の形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。
図10】ユーザ端末のベースバンド信号処理部の機能構成の一例を示す図である。
図11】本発明の一実施形態に係る無線基地局およびユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(QCLおよびTCI)
将来の無線通信システム(たとえば、Rel.15)では、ユーザ端末は、下り制御チャネル(Physical Downlink Control Channel(PDCCH))、下り共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel(PDSCH))、上り制御チャネル(Physical Uplink Control Channel(PUCCH))などのチャネルの疑似コロケーション(Quasi-Co-Location(QCL))に関する情報に基づいて、デマッピング、復調、複合、受信ビーム形成などの当該チャネルの受信処理、および、マッピング、変調、符号化、プリコーディング、送信ビーム形成などの当該チャネルの送信処理を制御することが検討されている。
【0013】
ここで、QCLは、チャネルの統計的性質を示す指標である。たとえば、ある信号またはチャネルと、他の信号またはチャネルとがQCLの関係である場合、これらの異なる複数の信号またはチャネル間において、ドップラーシフト、ドップラースプレッド、平均遅延、遅延スプレッド、または、空間パラメータ(たとえば、空間受信パラメータ)の少なくとも1つが同一であると仮定(想定、assume)できることを意味してもよい。
【0014】
空間受信パラメータは、ユーザ端末の受信ビーム、たとえば、受信アナログビームに対応してもよく、空間的QCLに基づいてビームが特定されてもよい。本開示におけるQCLまたはQCLの少なくとも1つの要素は、sQCL(spatial QCL)で読み替えられてもよい。
【0015】
QCLは、複数のQCLタイプが規定されてもよい。たとえば、同一であると仮定できるパラメータまたはパラメータセットが異なる4つのQCLタイプ(QCLタイプAからD)が設けられてもよい。
【0016】
QCLタイプAは、ドップラーシフト、ドップラースプレッド、平均遅延および遅延スプレッドが同一であると仮定できるQCLである。
【0017】
QCLタイプBは、ドップラーシフトおよびドップラースプレッドが同一であると仮定できるQCLである。
【0018】
QCLタイプCは、平均遅延およびドップラーシフトが同一であると仮定できるQCLである。
【0019】
QCLタイプDは、空間受信パラメータが同一であると仮定できるQCLである。
【0020】
将来の無線通信システムでは、送信設定指標(Transmission Configuration Indicator(TCI))の状態(TCI状態)に基づいて、チャネルの送受信処理を制御することが検討されている。
【0021】
TCI状態は、QCL情報を示していてもよい。または、TCI状態は、QCL情報を含んでいてもよい。TCI状態およびQCL情報の少なくとも一方は、たとえば、対象となるチャネルまたは当該チャネル用の参照信号と、別の信号(たとえば、別の下り参照信号)とのQCLに関する情報であってもよい。当該QCLに関する情報は、たとえば、QCLとなる下り参照信号に関する情報、および、上述のQCLタイプを示す情報の少なくとも一方を含んでいてもよい。
【0022】
下り参照信号(Downlink Reference Signal(DL-RS))に関する情報、すなわち、DL-RS関連情報は、QCLとなるDL-RSを示す情報、および、当該DL-RSのリソースを示す情報の少なくとも一方を含んでいてもよい。たとえば、ユーザ端末に複数の参照信号セットが設定される場合、DL-RS関連情報は、当該参照信号セットに含まれる参照信号のうち、チャネルまたは当該チャネル用のポートとQCLとなる下り参照信号、および、当該下り参照信号用のリソースの少なくとも一方を示していてもよい。
【0023】
チャネル用の参照信号および下り参照信号(DL-RS)の少なくとも一方は、同期信号(Synchronization Signal(SS))、ブロードキャストチャネル(Physical Broadcast Channel(PBCH))、同期信号ブロック(Synchronization Signal Block(SSB))、モビリティ参照信号(Mobility Reference Signal(MRS))、チャネル状態情報参照信号(Channel State Information Reference Signal(CSI-RS))、復調用参照信号(Demodulation Reference Signal(DMRS))、または、ビーム固有の信号の少なくとも1つ、もしくは、これらを拡張または変更して構成される信号(たとえば、密度および周期の少なくとも一方を変更して構成される信号)であってもよい。
【0024】
同期信号は、たとえば、プライマリ同期信号(Primary Synchronization Signal(PSS))およびセカンダリ同期信号(Secondary Synchronization Signal(SSS))の少なくとも一方であってもよい。同期信号ブロック(SSB)は、同期信号およびブロードキャストチャネルを含む信号ブロックであってもよい。当該信号ブロックは、SS/PBCHブロックと呼ばれてもよい。
【0025】
PDCCHまたはPDCCHに関連するDMRSアンテナポート、および、所定の下り参照信号(DL-RS)のQCLに関する情報は、PDCCH用TCI状態と呼ばれてもよい。
【0026】
ユーザ端末は、UE固有のPDCCH(CORESET)のためのTCI状態を、RRCシグナリングおよびMAC制御要素(Medium Access Control Control Element、MAC CE)に基づいて判断してもよい。
【0027】
制御リソースセット(Control Resource Set(CORESET))は、制御チャネル、たとえば、PDCCHの割当候補領域である。CORESETは、所定の周波数領域リソースおよび時間領域リソースを含んで構成されてもよい。
【0028】
ユーザ端末は、CORESETの設定情報を、基地局から受信してもよい。ユーザ端末は、自端末に設定されたCORESETをモニタすれば、物理レイヤ制御信号を検出できる。
【0029】
たとえば、ユーザ端末に対して、CORESETごとに、1つまたは複数(K個)のTCI状態が上位レイヤシグナリングによって設定されてもよい。ユーザ端末は、各CORESETについて、それぞれ1つまたは複数のTCI状態を、MAC CEを使用してアクティベートしてもよい。当該MAC CEは、UE固有PDCCH用TCI状態指示MAC CE(TCI state indication for UE-specific PDCCH MAC CE)と呼ばれてもよい。ユーザ端末は、CORESETのモニタを、当該CORESETに対応するアクティブなTCI状態に基づいて実施してもよい。
【0030】
TCI状態は、ビームに対応してもよい。たとえば、ユーザ端末は、異なるTCI状態のPDCCHは、異なるビームを使用して送信されると想定してもよい。
【0031】
PDSCHまたはPDSCHに関連するDMRSアンテナポート、および、所定の下り参照信号(DL-RS)のQCLに関する情報は、PDSCH用TCI状態と呼ばれてもよい。
【0032】
ユーザ端末は、PDSCH用のM個(M≧1)のTCI状態、すなわち、M個のPDSCH用のQCL情報を上位レイヤシグナリングによって通知または設定されてもよい。ユーザ端末に設定されるTCI状態の数Mは、ユーザ端末の能力(UE capability)およびQCLタイプの少なくとも一方によって制限されてもよい。
【0033】
PDSCHのスケジュールに使用される下りリンク制御情報(Downlink Control Information(DCI))は、TCI状態、すなわち、PDSCH用のQCL情報を示す所定のフィールドを含んでいてもよい。当該フィールドは、TCI用フィールド、TCIフィールド、または、TCI状態フィールドと呼ばれてもよい。当該DCIは、1つのセルのPDSCHのスケジュールに使用されてもよく、たとえば、DL DCI、DLアサインメント、DCIフォーマット1_0またはDCIフォーマット1_1と呼ばれてもよい。
【0034】
DCIがxビット(たとえば、x=3)のTCIフィールドを含む場合、基地局は、最大2(たとえば、x=3のとき2=8)種類のTCI状態を、上位レイヤシグナリングを使用して、ユーザ端末にあらかじめ設定してもよい。DCI内のTCIフィールドの値(TCIフィールド値)は、上位レイヤシグナリングによりあらかじめ設定されたTCI状態の1つを示してもよい。
【0035】
ユーザ端末に8種類を超えるTCI状態が設定される場合、MAC CEを使用して、8種類以下のTCI状態がアクティベートまたは指定されてもよい。当該MAC CEは、UE固有PDSCH用TCI状態アクティベーション/ディアクティベーションMAC CE(TCI states activation/deactivation for UE-specific PDSCH MAC CE)と呼ばれてもよい。DCI内のTCIフィールド値は、MAC CEによってアクティベートされたTCI状態の1つを示してもよい。
【0036】
ユーザ端末は、DCI内のTCIフィールド値が示すTCI状態に基づいて、PDSCHまたはPDSCHのDMRSポートのQCLを決定してもよい。たとえば、ユーザ端末は、サービングセルのPDSCHのDMRSポートまたはDMRSポートグループが、DCIで通知されたTCI状態に対応する下り参照信号(DL-RS)とQCLであると想定して、たとえば、復号、復調などのPDSCHの受信処理を制御してもよい。
【0037】
(ビーム管理)
将来の無線通信システム(たとえば、Rel.15)において、ビーム管理(beam management)方法が検討されてきた。当該ビーム管理において、ユーザ端末が報告したL1-RSRP(Layer 1 Reference Signal Received Power)に基づいて、ビーム選択を行うことが検討されている。ある信号またはチャネルのビーム変更する(切り替える)ことは、当該信号またはチャネルのTCI状態(QCL)を変更することに相当する。
【0038】
ビーム選択によって選択されるビームは、送信ビーム(Txビーム)であってもよいし、受信ビーム(Rxビーム)であってもよい。ビーム選択によって選択されるビームは、ユーザ端末のビームであってもよいし、基地局のビームであってもよい。
【0039】
ユーザ端末は、L1-RSRPを、チャネル状態情報(CSI)に含めて上り制御チャネル(PUCCH)または上り共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel(PUSCH))を使用して報告してもよい。
【0040】
チャネル状態情報(CSI)は、チャネル品質識別子(Channel Quality Indicator(CQI))、プリコーディング行列識別子(Precoding Matrix Indicator(PMI))、CSI-RSリソース識別子(CSI-RS Resource Indicator(CRI))、SS/PBCHブロックリソース識別子(SS/PBCH Block Indicator(SSBRI))、レイヤ識別子(Layer Indicator(LI))、ランク識別子(Rank Indicator(RI))またはL1-RSRPの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0041】
ビーム管理のために報告される測定結果、たとえば、CSIは、ビーム測定(beam measurement)、ビーム測定結果、または、ビーム測定レポートと呼ばれてもよい。
【0042】
ユーザ端末は、CSI測定用のリソースを使用してチャネル状態を測定し、L1-RSRPを導出してもよい。CSI測定用のリソースは、たとえば、SS/PBCHブロックのリソース、CSI-RSのリソース、または、その他の参照信号リソースの少なくとも1つであってもよい。CSI測定報告の設定情報は、上位レイヤシグナリングを用いてユーザ端末に設定されてもよい。
【0043】
当該CSI測定報告の設定情報(CSI-MeasConfigまたはCSI-ResourceConfig)は、CSI測定のための1つ以上のノンゼロパワー(Non Zero Power(NZP))CSI-RSリソースセット(NZP-CSI-RS-ResourceSet)、1つ以上のゼロパワー(ZP)CSI-RSリソースセット(ZP-CSI-RS-ResourceSet)(または、CSI-IM(Interference Management)リソースセット(CSI-IM-ResourceSet))および1つ以上のSS/PBCHブロックリソースセット(CSI-SSB-ResourceSet)などの情報を含んでいてもよい。
【0044】
各リソースセットの情報は、当該リソースセット内のリソースにおける繰り返し(repetition)に関する情報を含んでいてもよい。当該繰り返しに関する情報は、たとえば、「オン」または「オフ」を示していてもよい。「オン」は、有効(enabledまたはvalid)と表されていてもよい。「オフ」は、無効(disabledまたはinvalid)と表されていてもよい。
【0045】
繰り返し「オン」を設定されたリソースセットについて、ユーザ端末は、当該リソースセット内のリソースが同じ下りリンク空間ドメイン送信フィルタ(same downlink spatial domain transmission filter)を使用して送信されたと想定してもよい。この場合、ユーザ端末は、当該リソースセット内のリソースが同じビームを使用して(たとえば、同じ基地局から同じビームを使用して)送信されたと想定してもよい。
【0046】
繰り返し「オフ」を設定されたリソースセットについて、ユーザ端末は、当該リソースセット内のリソースが同じ下りリンク空間ドメイン送信フィルタを使用して送信されたと想定してはならない、または、想定しなくてもよい、と制御してもよい。この場合、ユーザ端末は、当該リソースセット内のリソースが同じビームを使用して送信されない、すなわち、異なるビームを使用して送信されたと想定してもよい。すなわち、繰り返し「オフ」を設定されたリソースセットについて、ユーザ端末は、基地局がビームスイーピングを行っていると想定してもよい。
【0047】
図1は、将来の無線通信システム(たとえば、Rel.15)におけるPDCCH用ビーム管理の一例を示す図である。ネットワーク(たとえば、基地局)は、あるユーザ端末のPDCCH用TCI状態を切り替えることを決定する(ステップS101)。
【0048】
基地局は、当該ユーザ端末に対して、切り替え前の古いTCI状態に従うPDCCHを使用して、PDSCHのスケジュールのためのDCIを送信する(ステップS102)。
【0049】
基地局は、当該PDSCHに、UE固有PDCCH用TCI状態指示MAC CEを含めて送信する(ステップS103)。
【0050】
ユーザ端末は、上記DCIを検出すると、上記PDSCHを復号し、上記MAC CEを取得する。ユーザ端末は、上記MAC CEを受信すると、当該MAC CEを提供したPDSCHのための再送制御情報(Hybrid Automatic Repeat Request Acknowledgement(HARQ-ACK))を、たとえば、PUCCHを使用して上りリンク制御情報(Uplink Control Information(UCI))に含んで送信する(ステップS104)。
【0051】
ユーザ端末は、当該HARQ-ACKを送信するスロットから3[ms]後に、上記MAC CEに基づくTCI状態のアクティベーションコマンドを適用する(ステップS105)。
【0052】
基地局は、切り替え後の新しいTCI状態に従うPDCCHを送信する(ステップS106)。ユーザ端末は、当該PDCCHを受信して、復号する。
【0053】
このように、将来の無線通信システム(たとえば、Rel.15)におけるビーム管理において、PDCCHまたはPDSCHで1以上のTCI状態が設定される場合、当該TCI状態はMAC CEにより選択される。
【0054】
ビームを切り替えるためにRRC再構成(RRC reconfiguration)する場合、RRC再構成手順後からMAC CEアクティベーションまでの間にユーザ端末が想定する基地局ビーム(TCI状態)について、明らかになっていない。
【0055】
そこで、本発明者らは、ビームを切り替えるためにRRC再構成する場合の、RRC再構成手順後からMAC CEアクティベーションまでの間にユーザ端末が想定する基地局ビーム(TCI状態)について、具体的に検討した。
【0056】
以下、本実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0057】
(第1の態様)
第1の態様では、RRC再構成後からMAC CEアクティベーションまでの間の、PDCCHに対するデフォルトのQCLについて検討する。
【0058】
たとえば、RRC制御要素「TCI-StatesPDCCH」によりCORESETに対するTCI状態が設定された後であって、当該CORESETに対するTCI状態のMAC CEアクティベーション前におけるデフォルトのQCL仮定は、ユーザ端末の実装次第であると想定してもよい。
【0059】
しかし、ユーザ端末の実装に委ねることは、基地局とユーザ端末との間の不整合を引き起こす可能性があり、好ましくない。
【0060】
あるいは、RRC制御要素「TCI-StatesPDCCH」により、CORESET#0またはCORESET BFR(Beam Failure Recovery)ではない少なくとも1つのCORESETに対するTCI状態が設定された後であって、当該CORESETに対するTCI状態のMAC CEアクティベーション前に、ユーザ端末は以下の(1)から(3)に示すように仮定すると想定してもよい。
【0061】
(1)関連する(後続の)ランダムアクセス手順が存在するRRC再構成の場合、ユーザ端末は、ランダムアクセス手順の間に識別された同期信号ブロック(SSB)またはCSI-RSにより、PDCCHがQCLであると仮定してもよい。
【0062】
(2)関連するランダムアクセス手順が存在しないRRC再構成の場合、ユーザ端末は、CORESET内のPDCCHに対するTCI状態を示す最新のMAC CEに従うと仮定してもよい。
【0063】
(3)関連するランダムアクセス手順が存在せず、前のMAC CEがTCI状態を示さない場合、ユーザ端末は、そのCORESET上でPDCCHを受信することを期待されていないと仮定してもよい。
【0064】
図2は、上記説明における、1以上のTCI状態がRRCによって再構成される場合の一例を示す図である。ネットワーク(たとえば、基地局)は、あるユーザ端末のPDCCH用TCI状態を切り替えることを決定する(ステップS201)。
【0065】
基地局は、ビームを切り替えるためにRRC再構成手順を開始し、ユーザ端末に対してRRC制御要素「TCI-StatesPDCCH」を含むRRC再構成メッセージ(RRCReconfiguration)を送信する(ステップS202)。
【0066】
ユーザ端末が、基地局に対して完了メッセージ(RRCReconfigurationComplete)を送信することにより、RRC再構成手順が完了する(ステップS203)。
【0067】
基地局は、ユーザ端末に対して、切り替え前の古いTCI状態(図2において、TCI状態#2)に従うPDCCHを使用して、PDSCHのスケジュールのためのDCIを送信する(ステップS204)。
【0068】
基地局は、当該PDSCHに、UE固有PDCCH用TCI状態指示MAC CEを含めて送信する(ステップS205)。
【0069】
ユーザ端末は、上記DCIを検出すると、上記PDSCHを復号し、上記MAC CEを取得する。ユーザ端末は、上記MAC CEを受信すると、当該MAC CEを提供したPDSCHのためのHARQ-ACKを、たとえば、PUCCHを使用してUCIに含んで送信する(ステップS206)。
【0070】
ユーザ端末は、当該HARQ-ACKを送信するスロットから3[ms]後に、上記MAC CEに基づくTCI状態のアクティベーションコマンドを適用する(ステップS207)。
【0071】
基地局は、切り替え後の新しいTCI状態(図2において、TCI状態#3)に従うPDCCHを送信する(ステップS208)。ユーザ端末は、当該PDCCHを受信して、復号する。
【0072】
図2に示す例によれば、ビームを切り替えるためにRRC再構成することを決定したとき(ステップS201)から、MAC CEアクティベーションが適用される(ステップS208)までの間、ネットワークは、古いTCI状態を保持し続ける必要がある。
【0073】
図2に示す例によれば、ビームを切り替えるためにRRC再構成する際に、RRC再構成完了後に再度、古いTCI状態のビームでMAC CEを送信する必要がある。
【0074】
あるいは、RRC制御要素「TCI-StatesPDCCH」によりCORESETに対するTCI状態が設定された後であって、当該CORESETに対するTCI状態のMAC CEアクティベーション前におけるデフォルトのTCI状態は、CORESETに対するRRC制御要素「TCI-StatesPDCCH」の最小エントリ、最小ID、所定番目のエントリ、または、所定番目のIDによって提供されると想定してもよい。
【0075】
図3は、上記説明における、1以上のTCI状態がRRCによって再構成される場合の一例を示す図である。ネットワーク(たとえば、基地局)は、あるユーザ端末のPDCCH用TCI状態を切り替えることを決定する(ステップS301)。
【0076】
基地局は、ビームを切り替えるためにRRC再構成手順を開始し、ユーザ端末に対してRRC制御要素「TCI-StatesPDCCH」を含むRRC再構成メッセージ(RRCReconfiguration)を送信する(ステップS302)。
【0077】
ユーザ端末が、基地局に対して完了メッセージ(RRCReconfigurationComplete)を送信することにより、RRC再構成手順が完了する(ステップS303)。
【0078】
基地局は、ユーザ端末に対して、切り替え後の新しいTCI状態に従うPDCCHを送信する(ステップS304)。基地局は、RRC制御要素「TCI-StatesPDCCH」に含まれる、所定のビーム(図3において、最小エントリであるTCI状態#3)を想定する。
【0079】
図3に示す例によれば、図2に示した場合と比較して、ネットワークが古いTCI状態を保持し続ける期間を短くできる。これは、ネットワークにとって有益である。
【0080】
これらを踏まえて、第1の態様に係るユーザ端末は、RRC再構成後からMAC CEアクティベーションまでの間の、PDCCHに対する基地局ビーム(TCI状態)について、図4および図5に示すように想定してもよい。
【0081】
図4および図5は、第1の態様に係る、PDCCH用ビーム管理の一例を示す図である。
【0082】
図4に示すように、関連する(後続の)ランダムアクセス手順が存在するRRC再構成の場合、ユーザ端末は、ランダムアクセス手順の間に識別された同期信号ブロック(SSB)またはCSI-RSと、PDCCHがQCLであると仮定してもよい。
【0083】
図5に示すように、関連するランダムアクセス手順が存在しないRRC再構成の場合、ユーザ端末は、PDCCHが、当該CORESETに対するRRC制御要素「TCI-StatesPDCCH」内の所定のビームと、QCLであると仮定してもよい。たとえば、ユーザ端末は、PDSCHが、当該CORESETに対するRRC制御要素「TCI-StatesPDCCH」の最小IDによって提供されるTCI状態を有するQCLであると仮定してもよい。
【0084】
図4に示す例では、ネットワーク(たとえば、基地局)は、あるユーザ端末のPDCCH用TCI状態を切り替えることを決定する(ステップS401)。
【0085】
基地局は、ビームを切り替えるために、ハンドオーバなどRACHを伴うRRC再構成手順を開始し、ユーザ端末に対してRRC制御要素「TCI-StatesPDCCH」を含むRRC再構成メッセージ(RRCReconfiguration)を送信する(ステップS402)。
【0086】
ユーザ端末が、基地局に対して完了メッセージ(RRCReconfigurationComplete)を送信することにより、RRC再構成手順が完了する(ステップS403)。
【0087】
基地局は、ユーザ端末に対して、切り替え後の新しいTCI状態に従うPDCCHを送信する(ステップS404)。基地局は、RACHのビームとQCLを想定してPDCCHを送信する。
【0088】
図5に示す例では、ネットワーク(たとえば、基地局)は、あるユーザ端末のPDCCH用TCI状態を切り替えることを決定する(ステップS501)。
【0089】
基地局は、ビームを切り替えるためにRACHを伴わないRRC再構成手順を開始し、ユーザ端末に対してRRC制御要素「TCI-StatesPDCCH」を含むRRC再構成メッセージ(RRCReconfiguration)を送信する(ステップS502)。
【0090】
ユーザ端末が、基地局に対して完了メッセージ(RRCReconfigurationComplete)を送信することにより、RRC再構成手順が完了する(ステップS503)。
【0091】
基地局は、ユーザ端末に対して、切り替え後の新しいTCI状態に従うPDCCHを送信する(ステップS504)。基地局は、RRC制御要素「TCI-StatesPDCCH」に含まれる、所定のビーム(図5において、最小IDであるTCI状態#0)を想定する。
【0092】
図4および図5に示す例によれば、ビームを切り替えるためにRRC再構成する際に、RRC再構成完了後に再度、古いTCI状態のビームでMAC CEを送信する必要がなく、ビームを高速かつ適切に切り替えることが可能となる。
【0093】
第1の態様によれば、ビームを切り替えるためにRRC再構成する場合の、RRC再構成手順後からMAC CEアクティベーションまでの間に、ユーザ端末が想定するPDCCHに対する基地局ビーム(TCI状態)について、明らかになった。
【0094】
(第2の態様)
第2の態様では、RRC再構成後からMAC CEアクティベーションまでの間の、PUCCHに対するデフォルトのQCLについて検討する。
【0095】
PUCCHに関して、空間関係(spatial relation)が、TCI状態に相当するとしてもよい。将来の無線通信システム(たとえば、Rel.15)では、RRCのPUCCH設定情報(PUCCH-Config情報要素)に、所定の参照信号とPUCCHとの間の空間関連情報を含めることができる。当該所定の参照信号は、同期信号ブロック(SSB)、CSI-RSおよびサウンディング参照信号(Sounding Reference Signal(SRS))の少なくとも1つである。
【0096】
ユーザ端末は、同期信号ブロック(SSB)またはCSI-RS、および、PUCCHに関する空間関係情報を設定される場合には、当該同期信号ブロック(SSB)またはCSI-RSの受信のための空間ドメインフィルタと同じ空間ドメインフィルタを使用してPUCCHを送信してもよい。この場合、ユーザ端末は、同期信号ブロック(SSB)またはCSI-RSのUE受信ビームと、PUCCHのUE送信ビームとが同じであると想定してもよい。
【0097】
たとえば、RRC制御要素「PUCCH-SpatialRelationInfo」によるRRC再構成、もしくは、ビーム障害回復、無線リンク障害(Radio Link Failure(RLF))またはハンドオーバの後であって、「PUCCH-SpatialRelationInfo」内の空間関係の1つのMAC CEアクティベーション前に、ユーザ端末はPUCCH送信のためのデフォルトの空間関係について、以下のように仮定すると想定してもよい。
【0098】
ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel(PRACH))の送信を伴う場合、ユーザ端末は、PRACHまたはメッセージ3送信のための空間関係に従うと仮定してもよい。
【0099】
PRACH送信を伴わない場合、ユーザ端末は、PUCCHリソースの空間関係を示す最新のMAC CEに従うと仮定してもよい。
【0100】
あるいは、RRC再構成とその後のMAC CEアクティベーションとの間のPUCCHリソースのデフォルトの空間関係は、RRC制御要素「PUCCH-SpatialRelationInfo」の最小エントリ、最小インデックス、所定番目のエントリ、または、所定番目のインデックスによって提供されると想定してもよい。
【0101】
これらを踏まえて、第2の態様に係るユーザ端末は、RRC再構成後からMAC CEアクティベーションまでの間の、PUCCHに対するデフォルトの空間関係について、以下のように仮定すると想定してもよい。
【0102】
(オプション1)
オプション1において、ユーザ端末は、PUCCHのビームに関して、PDCCHと同様に想定してもよい。
【0103】
関連する(後続の)ランダムアクセス手順が存在するRRC再構成の場合、ユーザ端末は、ランダムアクセス手順の間に識別された同期信号ブロック(SSB)またはCSI-RSにより、PUCCHがQCLであると仮定してもよい。
【0104】
関連するランダムアクセス手順が存在しないRRC再構成の場合、ユーザ端末は、RRC制御要素「PUCCH-SpatialRelationInfoId」内の最小インデックスによって提供されるQCLであると仮定してもよい。
【0105】
(オプション2)
オプション2において、ユーザ端末は、PUCCHのビームに関して、RRC構成前のメカニズムを再利用してもよい。
【0106】
関連する(後続の)ランダムアクセス手順が存在するRRC再構成の場合、ユーザ端末は、RRC構成前のビーム決定メカニズムを再利用すると仮定してもよい。
【0107】
関連するランダムアクセス手順が存在しないRRC再構成の場合、ユーザ端末は、RRC制御要素「PUCCH-SpatialRelationInfoId」内の最小インデックスによって提供されるQCLであると仮定してもよい。
【0108】
PUCCH送信のための空間設定は、ユーザ端末がRRC制御要素(上位レイヤパラメータ)「PUCCH-SpatialRelationInfoId」のための単一の値で構成されている場合、RRC制御要素(上位レイヤパラメータ)「PUCCH-SpatialRelationInfo」によって提供される。それ以外の場合、空間設定は、RRC制御要素(上位レイヤパラメータ)「PUCCH-SpatialRelationInfoId」によって提供される複数の値のセットから、RRC制御要素(上位レイヤパラメータ)「PUCCH-SpatialRelationInfo」によって提供される。
【0109】
第2の態様によれば、ビームを切り替えるためにRRC再構成する場合の、RRC再構成手順後からMAC CEアクティベーションまでの間に、ユーザ端末が想定するPUCCHに対する基地局ビーム(空間関係)について、明らかになった。
【0110】
(無線通信システム)
以下、本実施の形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、上記実施の形態に係る無線通信方法が適用される。
【0111】
図6は、本実施の形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。無線通信システム1では、LTEシステムのシステム帯域幅(たとえば、20MHz)を1単位とする複数の基本周波数ブロック(コンポーネントキャリア)を一体としたキャリアアグリゲーション(CA)またはデュアルコネクティビティ(DC)を適用することができる。無線通信システム1は、SUPER 3G、LTE-A(LTE-Advanced)、IMT-Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、NR(New Radio)などと呼ばれてもよい。
【0112】
無線通信システム1は、マクロセルC1を形成する基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する基地局12aから12cと、を備えている。マクロセルC1および各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。セル間で異なるニューメロロジーが適用される構成としてもよい。ニューメロロジーとは、あるRATにおける信号のデザインや、RATのデザインを特徴付ける通信パラメータのセットのことをいう。
【0113】
ユーザ端末20は、基地局11および基地局12の双方に接続することができる。ユーザ端末20は、異なる周波数を用いるマクロセルC1とスモールセルC2を、キャリアアグリゲーション(CA)またはデュアルコネクティビティ(DC)により同時に使用することが想定される。ユーザ端末20は、複数のセル(CC)(たとえば、2個以上のCC)を用いてキャリアアグリゲーション(CA)またはデュアルコネクティビティ(DC)を適用することができる。ユーザ端末は、複数のセルとしてライセンスドバンドCCとアンライセンスドバンドCCを利用することができる。複数のセルのいずれかに短縮TTIを適用するTDDキャリアが含まれる構成とすることができる。
【0114】
ユーザ端末20と基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(たとえば、2GHz)で帯域幅が狭いキャリア(既存キャリア、Legacy carrierなどと呼ばれる)を用いて通信を行うことができる。ユーザ端末20と基地局12との間は、相対的に高い周波数帯域(たとえば、3.5GHz、5GHz、30から70GHzなど)で帯域幅が広いキャリアが用いられてもよいし、基地局11との間と同じキャリアが用いられてもよい。各基地局が利用する周波数帯域の構成はこれに限られない。
【0115】
基地局11と基地局12との間(または、2つの基地局12の間)は、有線接続(たとえば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェースなど)または無線接続する構成とすることができる。
【0116】
基地局11および各基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。上位局装置30には、たとえば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されるものではない。各基地局12は、基地局11を介して上位局装置30に接続されてもよい。
【0117】
基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する基地局であり、マクロ基地局、集約ノード、eNB(eNodeB)、送受信ポイント、などと呼ばれてもよい。基地局12は、局所的なカバレッジを有する基地局であり、スモール基地局、マイクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、HeNB(Home eNodeB)、RRH(Remote Radio Head)、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。以下、基地局11および12を区別しない場合は、基地局10と総称する。
【0118】
各ユーザ端末20は、LTE、LTE-A等の各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末だけでなく固定通信端末を含んでもよい。
【0119】
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンク(DL)にOFDMA(直交周波数分割多元接続)が適用でき、上りリンク(UL)にSC-FDMA(シングルキャリア-周波数分割多元接続)が適用できる。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC-FDMAは、システム帯域幅を端末ごとに1つまたは連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。上りおよび下りの無線アクセス方式は、これらの組み合わせに限られず、ULでOFDMAが用いられてもよい。
【0120】
無線通信システム1では、DLチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下りデータチャネル(Physical Downlink Shared Channel(PDSCH)、下り共有チャネル等ともいう)、ブロードキャストチャネル(Physical Broadcast Channel(PBCH))、L1/L2制御チャネルなどが用いられる。PDSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報、SIB(System Information Block)などが伝送される。PBCHにより、MIB(Master Information Block)が伝送される。
【0121】
L1/L2制御チャネルは、下り制御チャネル(Physical Downlink Control Channel(PDCCH)、Enhanced Physical Downlink Control Channel(EPDCCH))、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)などを含む。PDCCHにより、PDSCHおよびPUSCHのスケジューリング情報を含む下り制御情報(Downlink Control Information(DCI))などが伝送される。PCFICHにより、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICHにより、PUSCHに対するHARQの送達確認情報(ACK/NACK)が伝送される。EPDCCHは、PDSCH(下り共有データチャネル)と周波数分割多重され、PDCCHと同様にDCI等の伝送に用いられる。
【0122】
無線通信システム1では、ULチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される上りデータチャネル(Physical Uplink Shared Channel(PUSCH)、上り共有チャネル等ともいう)、上り制御チャネル(Physical Uplink Control Channel(PUCCH))、ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel(PRACH))などが用いられる。PUSCHにより、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報が伝送される。送達確認情報(ACK/NACK)や無線品質情報(CQI)などの少なくとも1つを含む上り制御情報(Uplink Control Information(UCI))は、PUSCHまたはPUCCHにより、伝送される。PRACHにより、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブルが伝送される。
【0123】
<基地局>
図7は、本実施の形態に係る基地局の全体構成の一例を示す図である。基地局10は、複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106と、を備えている。送受信アンテナ101、アンプ部102、送受信部103は、それぞれ1つ以上を含むように構成されればよい。基地局10は、下りデータの送信装置であり、上りデータの受信装置であってもよい。
【0124】
基地局10からユーザ端末20に送信される下りデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
【0125】
ベースバンド信号処理部104では、下りデータに関して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御(たとえば、HARQの送信処理)、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform(IFFT))処理、プリコーディング処理などの送信処理が行われて送受信部103に転送される。下り制御信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換などの送信処理が行われて、送受信部103に転送される。
【0126】
送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナごとにプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部103で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部102により増幅され、送受信アンテナ101から送信される。送受信部103は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路または送受信装置から構成することができる。送受信部103は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部および受信部から構成されてもよい。
【0127】
上り信号については、送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がアンプ部102で増幅される。送受信部103は、アンプ部102で増幅された上り信号を受信する。送受信部103は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部104に出力する。
【0128】
ベースバンド信号処理部104では、入力された上り信号に含まれるユーザデータに対して、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform(FFT))処理、逆離散フーリエ変換(Inverse Discrete Fourier Transform(IDFT))処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤおよびPDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの設定や解放などの呼処理、基地局10の状態管理、および、無線リソースの管理を行う。
【0129】
伝送路インターフェース106は、所定のインターフェースを介して、上位局装置30と信号を送受信する。伝送路インターフェース106は、基地局間インターフェース(たとえば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェース)を介して他の基地局10と信号を送受信(バックホールシグナリング)してもよい。
【0130】
送受信部103は、アナログビームフォーミングを実施するアナログビームフォーミング部をさらに有してもよい。アナログビームフォーミング部は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるアナログビームフォーミング回路(たとえば、位相シフタ、位相シフト回路)またはアナログビームフォーミング装置(たとえば、位相シフト器)から構成することができる。送受信アンテナ101は、たとえばアレーアンテナにより構成することができる。送受信部103は、シングルBF、マルチBFを適用できるように構成されている。
【0131】
送受信部103は、送信ビームを用いて信号を送信してもよいし、受信ビームを用いて信号を受信してもよい。送受信部103は、制御部301によって決定された所定のビームを用いて信号を送信および受信してもよい。
【0132】
送受信部103は、下り信号(たとえば、下り制御信号(下り制御チャネル)、下りデータ信号(下りデータチャネル、下り共有チャネル)、下り参照信号(DM-RS、CSI-RS等)、ディスカバリ信号、同期信号、ブロードキャスト信号など)を送信する。送受信部103は、上り信号(たとえば、上り制御信号(上り制御チャネル)、上りデータ信号(上りデータチャネル、上り共有チャネル)、上り参照信号など)を受信する。
【0133】
送受信部103は、ユーザ端末20に対して、UE固有PDCCH用TCI状態指示MAC CEを含むPDSCHを送信してもよい。送受信部103は、当該PDSCHを受信したユーザ端末20が送信する、HARQ-ACKを受信してもよい。
【0134】
本発明の送信部および受信部は、送受信部103と伝送路インターフェース106の両方、またはいずれか一方により構成される。
【0135】
図8は、本実施の形態に係る基地局の機能構成の一例を示す図である。この図では、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。ベースバンド信号処理部104は、制御部301と、送信信号生成部302と、マッピング部303と、受信信号処理部304と、測定部305と、を少なくとも備えている。
【0136】
制御部301は、基地局10全体の制御を実施する。制御部301は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路または制御装置から構成することができる。
【0137】
制御部301は、たとえば、送信信号生成部302による信号の生成や、マッピング部303による信号の割り当てを制御する。制御部301は、受信信号処理部304による信号の受信処理や、測定部305による信号の測定を制御する。
【0138】
制御部301は、下り信号および上り信号のスケジューリング(たとえば、リソース割り当て)を制御する。具体的には、制御部301は、下りデータチャネルのスケジューリング情報を含むDCI(DLアサインメント、DLグラント)、上りデータチャネルのスケジューリング情報を含むDCI(ULグラント)を生成および送信するように、送信信号生成部302、マッピング部303および送受信部103を制御する。
【0139】
制御部301は、あるユーザ端末20のPDCCH用TCI状態を切り替えることを決定してもよい。制御部301は、ビームを切り替えるためにRRC再構成手順を開始してもよい。当該RRC再構成手順が完了すると、制御部301は、ユーザ端末20に対して、切り替え後の新しいTCI状態に従うPDCCHを送信するよう制御してもよい。
【0140】
送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、下り信号(下り制御チャネル、下りデータチャネル、DM-RS等の下り参照信号など)を生成して、マッピング部303に出力する。送信信号生成部302は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路または信号生成装置から構成することができる。
【0141】
マッピング部303は、制御部301からの指示に基づいて、送信信号生成部302で生成された下り信号を、所定の無線リソースにマッピングして、送受信部103に出力する。マッピング部303は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路またはマッピング装置から構成することができる。
【0142】
受信信号処理部304は、送受信部103から入力された受信信号に対して、受信処理(たとえば、デマッピング、復調、復号など)を行う。たとえば、受信信号は、ユーザ端末20から送信される上り信号(上り制御チャネル、上りデータチャネル、上り参照信号など)である。受信信号処理部304は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路または信号処理装置から構成することができる。
【0143】
受信信号処理部304は、受信処理により復号された情報を制御部301に出力する。たとえば、受信処理部304は、プリアンブル、制御情報、ULデータの少なくとも1つを制御部301に出力する。また、受信信号処理部304は、受信信号および受信処理後の信号を、測定部305に出力する。
【0144】
測定部305は、受信した信号に関する測定を実施する。測定部305は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路または測定装置から構成することができる。
【0145】
測定部305は、たとえば、受信した信号の受信電力(たとえば、Reference Signal Received Power(RSRP))、受信品質(たとえば、Reference Signal Received Quality(RSRQ))やチャネル状態等について測定してもよい。測定結果は、制御部301に出力されてもよい。
【0146】
<ユーザ端末>
図9は、本実施の形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205と、を備えている。送受信アンテナ201、アンプ部202、送受信部203は、それぞれ1つ以上を含むように構成されればよい。ユーザ端末20は、下りデータの受信装置であり、上りデータの送信装置であってもよい。
【0147】
送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号は、アンプ部202で増幅される。送受信部203は、アンプ部202で増幅された下り信号を受信する。送受信部203は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部204に出力する。送受信部203は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路または送受信装置から構成することができる。送受信部203は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部および受信部から構成されてもよい。
【0148】
ベースバンド信号処理部204は、入力されたベースバンド信号に対して、FFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などを行う。下りデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。下りデータのうち、システム情報や上位レイヤ制御情報もアプリケーション部205に転送される。
【0149】
上りリンクのユーザデータは、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御の送信処理(たとえば、HARQの送信処理)や、チャネル符号化、プリコーディング、離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform(DFT))処理、IFFT処理などが行われて送受信部203に転送される。送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部203で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部202により増幅され、送受信アンテナ201から送信される。
【0150】
送受信部203は、アナログビームフォーミングを実施するアナログビームフォーミング部をさらに有してもよい。アナログビームフォーミング部は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるアナログビームフォーミング回路(たとえば、位相シフタ、位相シフト回路)またはアナログビームフォーミング装置(たとえば、位相シフト器)から構成することができる。送受信アンテナ201は、たとえばアレーアンテナにより構成することができる。送受信部203は、シングルBF、マルチBFを適用できるように構成されている。
【0151】
送受信部203は、送信ビームを用いて信号を送信してもよいし、受信ビームを用いて信号を受信してもよい。送受信部203は、制御部401によって決定された所定のビームを用いて信号を送信および受信してもよい。
【0152】
送受信部203は、下り信号(たとえば、下り制御信号(下り制御チャネル)、下りデータ信号(下りデータチャネル、下り共有チャネル)、下り参照信号(DM-RS、CSI-RS等)、ディスカバリ信号、同期信号、報知信号など)を受信する。送受信部203は、上り信号(たとえば、上り制御信号(上り制御チャネル)、上りデータ信号(上りデータチャネル、上り共有チャネル)、上り参照信号など)を送信する。
【0153】
送受信部203は、RRC再構成メッセージを受信し、RRC再構成完了メッセージを送信してもよい。送受信部203は、当該RRC再構成完了メッセージ送信後に、PDCCHを受信してもよい。
【0154】
図10は、本実施の形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。この図では、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204は、制御部401と、送信信号生成部402と、マッピング部403と、受信信号処理部404と、測定部405と、を少なくとも備えている。
【0155】
制御部401は、ユーザ端末20全体の制御を実施する。制御部401は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路または制御装置から構成することができる。
【0156】
制御部401は、たとえば、送信信号生成部402による信号の生成や、マッピング部403による信号の割り当てを制御する。制御部401は、受信信号処理部404による信号の受信処理や、測定部405による信号の測定を制御する。
【0157】
制御部401は、RRC再構成がランダムアクセス手順を伴う場合、当該ランダムアクセス手順において識別された同期信号ブロックまたはチャネル状態情報参照信号と、PDCCHがQCLであると想定してもよい。制御部401は、RRC再構成がランダムアクセス手順を伴わない場合、当該RRC再構成で通知された制御要素内の所定のビームと、PDCCHがQCLであると想定してもよい。制御部401は、当該所定のビームが、RRC制御要素「TCI-StatesPDCCH」の最小IDによって提供されるTCI状態を有すると想定してもよい。
【0158】
制御部401は、RRC再構成がランダムアクセス手順を伴う場合、当該ランダムアクセス手順において識別された同期信号ブロックまたはチャネル状態情報参照信号と、PUCCHがQCLであると想定してもよい。制御部401は、RRC再構成がランダムアクセス手順を伴う場合、当該RRC再構成前のビーム決定メカニズムを再利用してPUCCHを送信するビームを決定してもよい。
【0159】
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、上り信号(上り制御チャネル、上りデータチャネル、上り参照信号など)を生成して、マッピング部403に出力する。送信信号生成部402は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路または信号生成装置から構成することができる。
【0160】
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて上りデータチャネルを生成する。たとえば、送信信号生成部402は、基地局10から通知される下り制御チャネルにULグラントが含まれている場合に、制御部401から上りデータチャネルの生成を指示される。
【0161】
マッピング部403は、制御部401からの指示に基づいて、送信信号生成部402で生成された上り信号を無線リソースにマッピングして、送受信部203へ出力する。マッピング部403は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路またはマッピング装置から構成することができる。
【0162】
受信信号処理部404は、送受信部203から入力された受信信号に対して、受信処理(たとえば、デマッピング、復調、復号など)を行う。たとえば、受信信号は、基地局10から送信される下り信号(下り制御チャネル、下りデータチャネル、下り参照信号など)である。受信信号処理部404は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路または信号処理装置から構成することができる。受信信号処理部404は、本発明に係る受信部を構成することができる。
【0163】
受信信号処理部404は、制御部401の指示に基づいて、下りデータチャネルの送信および受信をスケジューリングする下り制御チャネルをブラインド復号し、当該DCIに基づいて下りデータチャネルの受信処理を行う。受信信号処理部404は、DM-RSまたはCRSに基づいてチャネル利得を推定し、推定されたチャネル利得に基づいて、下りデータチャネルを復調する。
【0164】
受信信号処理部404は、受信処理により復号された情報を制御部401に出力する。受信信号処理部404は、たとえば、報知情報、システム情報、RRCシグナリング、DCIなどを、制御部401に出力する。受信信号処理部404は、データの復号結果を制御部401に出力してもよい。受信信号処理部404は、受信信号や、受信処理後の信号を、測定部405に出力する。
【0165】
測定部405は、受信した信号に関する測定を実施する。測定部405は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路または測定装置から構成することができる。
【0166】
測定部405は、たとえば、受信した信号の受信電力(たとえば、RSRP)、DL受信品質(たとえば、RSRQ)やチャネル状態などについて測定してもよい。測定結果は、制御部401に出力されてもよい。
【0167】
(ハードウェア構成)
上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェアおよびソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的または論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的または論理的に分離した2つ以上の装置を直接的または間接的に(たとえば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置または上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0168】
ここで、機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、みなし、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)、送信機(transmitter)などと呼称されてもよい。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0169】
たとえば、本開示の一実施形態における基地局、ユーザ端末などは、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図11は、一実施形態に係る基地局およびユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の基地局10およびユーザ端末20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0170】
以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。基地局10およびユーザ端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つまたは複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0171】
たとえば、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。処理は、1のプロセッサによって実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、またはその他の手法を用いて、2以上のプロセッサによって実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。
【0172】
基地局10およびユーザ端末20における各機能は、たとえば、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004を介する通信を制御したり、メモリ1002およびストレージ1003におけるデータの読み出しおよび書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0173】
プロセッサ1001は、たとえば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(Central Processing Unit(CPU))によって構成されてもよい。たとえば、上述のベースバンド信号処理部104(204)、呼処理部105などは、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0174】
プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003および通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。たとえば、ユーザ端末20の制御部401は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
【0175】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、たとえば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、RAM(Random Access Memory)、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0176】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、たとえば、フレキシブルディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク(たとえば、コンパクトディスク(Compact Disc ROM(CD-ROM)など)、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、リムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(たとえば、カード、スティック、キードライブ)、磁気ストライプ、データベース、サーバ、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
【0177】
通信装置1004は、有線ネットワークおよび無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、たとえばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、たとえば周波数分割複信(Frequency Division Duplex(FDD))および時分割複信(Time Division Duplex(TDD))の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。たとえば、上述の送受信アンテナ101(201)、アンプ部102(202)、送受信部103(203)、伝送路インターフェース106などは、通信装置1004によって実現されてもよい。送受信部103は、送信部103aと受信部103bとで、物理的にまたは論理的に分離された実装がなされてもよい。
【0178】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(たとえば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(たとえば、ディスプレイ、スピーカー、Light Emitting Diode(LED)ランプなど)である。入力装置1005および出力装置1006は、一体となった構成(たとえば、タッチパネル)であってもよい。
【0179】
プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0180】
基地局10およびユーザ端末20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor(DSP))、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアを用いて各機能ブロックの一部または全てが実現されてもよい。たとえば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0181】
(変形例)
本開示において説明した用語および本開示の理解に必要な用語については、同一のまたは類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。たとえば、チャネルおよびシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。信号はメッセージであってもよい。参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)、パイロット信号などと呼ばれてもよい。コンポーネントキャリア(Component Carrier(CC))は、セル、周波数キャリア、キャリア周波数などと呼ばれてもよい。
【0182】
無線フレームは、時間領域において1つまたは複数の期間(フレーム)によって構成されてもよい。無線フレームを構成する当該1つまたは複数の各期間(フレーム)は、サブフレームと呼ばれてもよい。さらに、サブフレームは、時間領域において1つまたは複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジー(numerology)に依存しない固定の時間長(たとえば、1ms)であってもよい。
【0183】
ここで、ニューメロロジーとは、ある信号またはチャネルの送信および受信の少なくとも一方に適用される通信パラメータであってもよい。たとえば、サブキャリア間隔(Subcarrier Spacing(SCS))、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、送信時間間隔(Transmission Time Interval(TTI))、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、送受信機が周波数領域において行う特定のフィルタリング処理、送受信機が時間領域において行う特定のウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。
【0184】
スロットは、時間領域において1つまたは複数のシンボル、たとえば、Orthogonal Frequency Division Multiplexing(OFDM)シンボル、Single Carrier Frequency Division Multiple Access(SC-FDMA)シンボルなどによって構成されてもよい。スロットは、ニューメロロジーに基づく時間単位であってもよい。
【0185】
スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つまたは複数のシンボルによって構成されてもよい。ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。ミニスロットは、スロットよりも少ない数のシンボルによって構成されてもよい。ミニスロットより大きい時間単位で送信されるPDSCH(またはPUSCH)は、PDSCH(PUSCH)マッピングタイプAと呼ばれてもよい。ミニスロットを用いて送信されるPDSCH(またはPUSCH)は、PDSCH(PUSCH)マッピングタイプBと呼ばれてもよい。
【0186】
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロットおよびシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロットおよびシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。
【0187】
たとえば、1サブフレームは送信時間間隔(Transmission Time Interval(TTI))と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロットまたは1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレームおよびTTIの少なくとも一方は、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(たとえば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
【0188】
ここで、TTIは、たとえば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。たとえば、LTEシステムでは、基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。TTIの定義はこれに限られない。
【0189】
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、コードワードなどの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、コードワードなどがマッピングされる時間区間(たとえば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
【0190】
1スロットまたは1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロットまたは1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
【0191】
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、ロングサブフレーム、スロットなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partialまたはfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、サブスロット、スロットなどと呼ばれてもよい。
【0192】
ロングTTI(たとえば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(たとえば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
【0193】
リソースブロック(Resource Block(RB))は、時間領域および周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つまたは複数個の連続した副搬送波(サブキャリア(subcarrier))を含んでもよい。
【0194】
リソースブロック(RB)は、時間領域において、1つまたは複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレームまたは1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームは、それぞれ1つまたは複数のリソースブロックによって構成されてもよい。
【0195】
1つまたは複数のリソースブロック(RB)は、物理リソースブロック(Physical RB(PRB))、サブキャリアグループ(Sub-Carrier Group(SCG))、リソースエレメントグループ(Resource Element Group(REG))、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
【0196】
リソースブロックは、1つまたは複数のリソースエレメント(Resource Element(RE))によって構成されてもよい。たとえば、1REは、1サブキャリアおよび1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
【0197】
上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロットおよびシンボルなどの構造は例示に過ぎない。たとえば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームまたは無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロットまたはミニスロットに含まれるシンボルおよびリソースブロック(RB)の数、リソースブロック(RB)に含まれるサブキャリアの数、ならびにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(Cyclic Prefix(CP))長などの構成は、さまざまに変更することができる。
【0198】
本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。たとえば、無線リソースは、所定のインデックスによって指示されてもよい。
【0199】
本開示においてパラメータなどに使用する名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式などは、本開示において明示的に開示したものと異なってもよい。様々なチャネル、たとえば、Physical Uplink Control Channel(PUCCH)、Physical Downlink Control Channel(PDCCH)などおよび情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネルおよび情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0200】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。たとえば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界もしくは磁性粒子、光場もしくは光子、またはこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0201】
情報、信号などは、上位レイヤから下位レイヤおよび下位レイヤから上位レイヤの少なくとも一方へ出力され得る。情報、信号などは、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0202】
入出力された情報、信号などは、特定の場所(たとえば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報、信号などは、上書き、更新または追記をされ得る。出力された情報、信号などは、削除されてもよい。入力された情報、信号などは、他の装置へ送信されてもよい。
【0203】
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。たとえば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(たとえば、下り制御情報(Downlink Control Information(DCI))、上り制御情報(Uplink Control Information(UCI)))、上位レイヤシグナリング(たとえば、Radio Resource Control(RRC)シグナリング、ブロードキャスト情報(マスタ情報ブロック(Master Information Block(MIB))、システム情報ブロック(System Information Block(SIB))など)、MAC(Medium Access Control)シグナリング)、その他の信号またはこれらの組み合わせによって実施されてもよい。
【0204】
物理レイヤシグナリングは、L1/L2(Layer 1/Layer 2)制御情報(L1/L2制御信号)、L1制御情報(L1制御信号)などと呼ばれてもよい。RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、たとえば、RRC接続セットアップ(RRCConnectionSetup)メッセージ、RRC接続再構成(RRCConnectionReconfiguration)メッセージなどであってもよい。MACシグナリングは、たとえば、MAC制御要素(MAC Control Element(MAC CE))を用いて通知されてもよい。
【0205】
所定の情報の通知(たとえば、「Xであること」の通知)は、明示的な通知に限られず、暗示的に(たとえば、当該所定の情報の通知を行わないことによってまたは別の情報の通知によって)行われてもよい。
【0206】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真(true)または偽(false)で表される真偽値(boolean)によって行われてもよいし、数値の比較(たとえば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0207】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0208】
ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。たとえば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(Digital Subscriber Line(DSL))など)および無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術および無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0209】
本開示において使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用され得る。
【0210】
本開示において、「プリコーディング」、「プリコーダ」、「ウェイト(プリコーディングウェイト)」、「擬似コロケーション(Quasi-Co-Location(QCL))」、「TCI状態(Transmission Configuration Indication state)」、「空間関係(spatial relation)」、「空間ドメインフィルタ(spatial domain filter)」、「送信電力」、「位相回転」、「アンテナポート」、「アンテナポートグル-プ」、「レイヤ」、「レイヤ数」、「ランク」、「ビーム」、「ビーム幅」、「ビーム角度」、「アンテナ」、「アンテナ素子」、「パネル」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0211】
本開示においては、「基地局(Base Station(BS))」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)」、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」、「帯域幅部分(Bandwidth Part(BWP))」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0212】
基地局は、1つまたは複数(たとえば、3つ)のセル(セクタとも呼ばれる)を収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(たとえば、屋内用の小型基地局(Remote Radio Head(RRH)))によって通信サービスを提供することもできる。「セル」または「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局および基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部または全体を指す。
【0213】
本開示においては、「移動局(Mobile Station(MS))」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(User Equipment(UE))」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0214】
移動局は、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアントまたはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0215】
基地局および移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。基地局および移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(たとえば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(たとえば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型または無人型)であってもよい。基地局および移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。たとえば、基地局および移動局の少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
【0216】
本開示における基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。たとえば、基地局およびユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間の通信(たとえば、D2D(Device-to-Device)、V2X(Vehicle-to-Everything)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の基地局10が有する機能をユーザ端末20が有する構成としてもよい。「上り」、「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(たとえば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。たとえば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
【0217】
同様に、本開示におけるユーザ端末は、基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末20が有する機能を基地局10が有する構成としてもよい。
【0218】
本開示において、基地局によって行われるとした動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つまたは複数のネットワークノード(network nodes)を含むネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、基地局以外の1つ以上のネットワークノード(たとえば、MME(Mobility Management Entity)、S-GW(Serving-Gateway)などが考えられるが、これらに限られない)またはこれらの組み合わせによって行われ得ることは明らかである。
【0219】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。たとえば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0220】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、LTE-B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、New-RAT(Radio Access Technology)、NR(New Radio)、NX(New radio access)、FX(Future generation radio access)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切な無線通信方法を利用するシステム、これらに基づいて拡張された次世代システムなどに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(たとえば、LTEまたはLTE-Aと、5Gとの組み合わせなど)適用されてもよい。
【0221】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0222】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1および第2の要素の参照は、2つの要素のみが採用され得ることまたは何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0223】
本開示において使用する「判断(決定)(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。たとえば、「判断(決定)」は、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(たとえば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
【0224】
「判断(決定)」は、受信(receiving)(たとえば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(たとえば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(たとえば、メモリ中のデータにアクセスすること)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
【0225】
「判断(決定)」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。つまり、「判断(決定)」は、何らかの動作を「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
【0226】
「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「仮定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0227】
本開示に記載の「最大送信電力」は送信電力の最大値を意味してもよいし、公称最大送信電力(the nominal UE maximum transmit power)を意味してもよいし、定格最大送信電力(the rated UE maximum transmit power)を意味してもよい。
【0228】
本開示において使用する「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、またはこれらのあらゆる変形は、2またはそれ以上の要素間の直接的または間接的なあらゆる接続または結合を意味し、互いに「接続」または「結合」された2つの要素間に1またはそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合または接続は、物理的であっても、論理的であっても、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。たとえば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。
【0229】
本開示において、2つの要素が接続される場合、1つ以上の電線、ケーブル、プリント電気接続などを用いて、ならびにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域、光(可視および不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」または「結合」されると考えることができる。
【0230】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も同様に解釈されてもよい。
【0231】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」およびこれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0232】
本開示において、たとえば、英語でのa, anおよびtheのように、翻訳によって冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0233】
以上、本開示に係る発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示に係る発明が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示に係る発明は、請求の範囲の記載に基づいて定まる発明の趣旨および範囲を逸脱することなく修正および変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に係る発明に対して何ら制限的な意味をもたらさない。
図1
図2
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