(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】固定系における直線運動を、回転軸線周りを回転する系における枢動軸線周りの枢動運動に変換する変換装置
(51)【国際特許分類】
F16H 25/18 20060101AFI20221024BHJP
F16H 37/12 20060101ALI20221024BHJP
B01F 29/83 20220101ALI20221024BHJP
B01F 35/75 20220101ALI20221024BHJP
【FI】
F16H25/18 Z
F16H37/12 Z
B01F29/83
B01F35/75
(21)【出願番号】P 2020549591
(86)(22)【出願日】2019-03-08
(86)【国際出願番号】 EP2019055843
(87)【国際公開番号】W WO2019175049
(87)【国際公開日】2019-09-19
【審査請求日】2021-11-05
(31)【優先権主張番号】102018106188.9
(32)【優先日】2018-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】519321948
【氏名又は名称】マシーネンファブリック グスタフ アイリヒ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ジーモン ブラウ
(72)【発明者】
【氏名】クレーメンス シュミット
【審査官】増岡 亘
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-539052(JP,A)
【文献】特開2000-213926(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0060597(US,A1)
【文献】国際公開第2012/076705(WO,A2)
【文献】実開昭51-52177(JP,U)
【文献】実開昭52-16489(JP,U)
【文献】特開2005-296805(JP,A)
【文献】実公昭31-10688(JP,Y1)
【文献】特開昭61-283330(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第19546848(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 25/18
F16H 37/12
B01F 29/83
B01F 35/75
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定系における直線運動を、回転軸線周りを回転する系における枢動軸線周りの枢動運動に変換するための変換装置であって、
前記枢動軸線と前記回転軸線は同一ではなく、かつ互いに平行に延びていなく、前記枢動軸線と前記回転軸線とは互いに垂直に延びていることが好ましく、リフト装置によって前記固定系に対する並進移動を伴って移動することができるリフト要素と、直線運動を枢動運動に変換するための装置と、を備え、
前記リフト要素は第1のリフト要素部と第2のリフト要素部とを有し、2つのリフト要素部は、前記第1のリフト要素部が回転軸受の軸線周りを前記第2のリフト要素部に対して回転することができるように、回転軸受を介して互いに連結され、
前記リフト要素の2つの要素部は、前記リフト装置の前記並進移動の方向にポジティブロックの係止関係で互いに連結されて、
前記第1のリフト要素部は前記リフト装置に連結され、前記第2のリフト要素部は、直線運動を回転運動に変換する変換装置に連結され、
前記直線運動を回転運動に変換する変換装置は、前記第2のリフト要素部の直線運動が前記枢動軸線周りの回転運動に変換されるように、前記枢動軸線上に配置されたシャフトに連結され
、
直線運動を回転運動に変換する前記変換装置が、前記第2のリフト要素部に連結されたカムプレートと、該カムプレートに接触し、前記シャフトに連結されたレバーと、を有する、変換装置。
【請求項2】
前記リフト装置は、前記固定系を前記第1のリフト要素部に連結し、前記第1のリフト要素部を前記固定系に対して直線的に移動させることができる少なくとも1つ、好ましくは少なくとも4つのリフトピストンを有することを特徴とする請求項1に記載の変換装置。
【請求項3】
前記第1及び/又は第2のリフト要素部が環状構成であることを特徴とする請求項1又は2に記載の変換装置。
【請求項4】
直線運動を回転運動に変換するための更なる装置が設けられ、該装置は、前記第2のリフト要素部と、前記枢動軸線上に配置された第2シャフトと、に連結されていることを特徴とする請求項1~
3の何れか一項に記載の変換装置。
【請求項5】
直線運動を回転運動に変換する2つの装置は、前記枢動軸線上に配置された2つのシャフトが互いに反対方向に移動するような構成であることを特徴とする請求項
4に記載の変換装置。
【請求項6】
混合材料を受け入れるための容器であって、該容器は、容器軸の周りを回転可能であり、その底部に開口部が配置された容器と、前記開口部を閉鎖するための閉鎖カバーと、容器を回転可能であるようにするミキサーベースと、備えた混合装置において、
請求項1~
5の何れか一項に記載の変換装置を備え、前記ミキサーベースは前記固定系の一部であり、前記容器は前記回転系の一部であり、前記閉鎖カバーは、前記開口部を開閉するための枢動軸線周りを回転可能である、ことを特徴とする混合装置。
【請求項7】
前記閉鎖カバーは2つの閉鎖カバー部を備え、該2つの閉鎖カバー部は、該2つの閉鎖カバー部が接触して前記閉鎖カバーを形成する閉鎖位置と、前記2つの閉鎖カバー部が互いに離間して配置される開放位置との間で、枢動軸線周りを互いに枢動可能であり、
前記2つの閉鎖カバー部の間に前記混合材料を除去する開口部が、前記閉鎖位置と前記開放位置との間を前記2つの閉鎖カバー部が往復運動するように形成され、
前記2つの閉鎖カバー部は同一の枢動軸線周りを枢動可能であり、
直線運動を回転運動に変換するための更なる装置が設けられ、該装置は、前記第2のリフト要素部と、前記枢動軸線上に配置された第2シャフトと、に連結され、
直線運動を回転運動に変換する2つの装置は、前記枢動軸線上に配置された2つのシャフトが互いに反対方向に移動するような構成であり、
一方の閉鎖カバー部は、直線運動を回転運動に変換するための変換装置に連結され、他方の閉鎖カバー部は、直線運動を回転運動に変換するための更なる装置に連結されていることを特徴とする請求項
6に記載の混合装置。
【請求項8】
前記開口部と閉鎖要素とは、前記開口部内に前記閉鎖要素が配置されたときに互いに接触する互いに対応するエッジ面を有し、前記閉鎖要素の前記エッジ面は、それらが概念球上に存在し、前記概念球の中心点が前記枢軸軸線上に存在するように、湾曲した構成であることが好ましい、請求項
6又は
7に記載の混合装置。
【請求項9】
閉鎖要素が前記開口部内に位置するときに平坦な底面が与えられるように、前記閉鎖要素が前記底部と同一面で終端することを特徴とする請求項
6~
8の何れか一項に記載の混合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定系における直線運動を、回転軸線周りを回転する系における枢動軸線周りの枢動運動に変換する変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一緒に回転する要素が枢動軸線周りを枢動し、枢動軸線が、回転軸線の延長ではなく、またそれと平行ではない回転系には多数の用途がある。枢動運動を生成するためには適切な駆動装置が必要である。その場合、駆動装置は、それと共に回転するように回転系内に設けることができる。しかしながら、駆動装置には動力が供給されなければならず、さらに、回転系内の配置によって適切なスペースが必要となる。特に、駆動装置が高い質量の場合、又は回転系が高い回転速度で回転軸線を中心に回転する場合には、駆動装置の重量を補償するために、ある状況下でバランス要素が必要となる。
【0003】
一例の適用として、混合プロセス中に回転し、混合材料が収容される混合容器を有する混合装置がある。このような混合装置は、しばしば偏心して配置された混合器具を有し、それ自体が動作中に再び回転することができる。混合操作が行われた後、混合器を空にするために、混合容器の下面に閉鎖カバーが配置される。このような混合装置は、例えば、特許文献1から知られている。
【0004】
その中に示される構造では、閉鎖カバーは、装着ヨークと装着ジャーナルとによってキャリアアームに連結され、したがって装着ジャーナルの傾斜軸を中心として枢動することができる。このような混合装置において、閉鎖カバーは、混合材料が移動する平坦な底面が形成されるように、容器の底部と同一面でしばしば終了する。これにより、混合器具では到達しない閉鎖カバーの上にデッドスペースがないため、すべての混合材料の効率的な徹底的な混合が保証される。
【0005】
閉鎖カバーが容器底部と一直線になるようにするための要件は、閉鎖カバーの設計構成およびガイダンスに関して困難を引き起こす。
【0006】
基本的に、閉鎖カバーは、まず、開口部を開くために、直線的に下方に動かさなければならない。しかし、開口部が容器の底部に配置されることによって、混合材料は、閉鎖カバーの全ての縁部表面の上を流れ、場合によっては閉鎖カバーの駆動部を汚染することさえあるという結果を有する。しかしながら、閉鎖カバーの実質的に円筒状又は切頭円錐状の接触面及び開口部によって、開口部の外への閉鎖カバーの排他的に横方向の枢動移動は不可能である。
【0007】
そのため、特許文献1に開示されている閉鎖カバーの駆動は、枢動シャフトの周りおよび装着ジャーナルの周りの両方で枢動運動を可能にする。示された実施形態では、キャリアアームは、閉鎖カバーが開口部に嵌め込まれた状態で容器と一緒に回転する間、固定系内に位置決めされる。したがって、閉鎖カバーは、キャリアアーム上に回転可能に取り付けられる。
【0008】
原理的には、閉鎖カバーが、その開放または閉鎖のために枢動軸線周りでのみ枢動されなければならない場合には有利でる。それにもかかわらず、それが容器の底部で面一に終了するようにするためには、閉鎖要素のエッジ表面は、開口部を開閉するために、閉鎖要素を概念的な球面上にあるように湾曲した構成でなければならず、その結果、閉鎖要素は、概念的な球面の中心点を通って延びるその枢動軸線の周りを枢動され得る。
【0009】
しかし、その場合、閉鎖カバーがキャリアアームに対して回転するように設計することはできない。代わりに、駆動装置は、上述の欠点を伴って、ロータリ・システムに移動しなければならない。従って、これまで、閉鎖カバーは記載された形態では実施されていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明の目的は、固定系における直線運動を、回転軸線周りで回転する系における枢動軸線を中心とした枢動運動に変換するための変換装置を提供することである。また、本発明の目的は、記載された種類の混合装置を提供することであり、閉鎖カバーを枢動軸線周りで枢動させることができ、この場合、駆動装置は固定系内に配置される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、その目的は記載された変換装置によって達成することができ、変換装置は、リフト装置によって固定系に対する並進移動を伴って移動することができるリフト要素と、直線運動を枢動運動に変換する装置とを有する。その場合、前記リフト要素は、第1のリフト要素部と第2のリフト要素部とを有し、2つのリフト要素部は、前記第1のリフト要素部が、前記第2のリフト要素部に対して回転軸受の軸線回りで回転可能なように回転軸受を介して互いに連結され、リフト要素の2つのリフト要素部は、リフト装置の並進運動の方向にポジティブロックの係止関係で互いに連結され、第1のリフト要素部はリフト装置に連結され、その一方で、第2のリフト要素部は直線運動を枢動運動に変換する装置に連結され、その結果、直線運動を枢動運動に変換する装置は、第2のリフト要素部の直線運動が枢動軸線回りのシャフトの枢動運動に変換されるように、枢動軸線上に位置するシャフトに連結される。
【0013】
従って、リフト装置及びリフト要素は固定系内に配置される。リフト装置によって、リフト素要素は、2つの位置、即ち、下位置と上位置の間で直線的に往復移動することができる。「下」と「上」の用語はここでランダムに選択される。原理的には、垂直方向である代わりに、リフト装置の移動は、水平方向または他の任意の所望の方向にも行われ得る。
【0014】
好ましい実施形態では、リフト装置の移動は、回転系の回転軸線に平行である。
リフト装置は、固定系の駆動装置で、2つの位置の間でリフト要素のみを往復動作させることができる。リフト要素自体は、第1のリフト要素部及び第2のリフト要素部の2つの部分を備える。第1のリフト要素部は、リフト装置に非回転自在に連結されている。第2のリフト要素部は、回転軸受によって第1のリフト要素部に連結されており、第2のリフト要素部は、回転軸受の軸を中心として第1のリフト要素部に対して回転することができる。好ましい実施形態では、回転軸受の軸線は、回転系の回転軸線上に存在する。
【0015】
先に説明した構造の結果は、第2のリフト要素部は、第1のリフト要素部に対して回転軸線の周りで回転することができ、同時に、リフト装置は、第1のリフト要素部を回転軸線の方向に往復運動させることができることである。
【0016】
次に、第2のリフト要素部は直線運動を回転運動に変換するための装置に連結される。第2のリフト要素部も、第1のリフト要素部へポジティブロック連結により、第1のリフト要素部と共に回転軸線の方向に往復運動することにより、第2のリフト要素部は、第2のリフト要素部の直線運動を伴う。直線運動を枢動運動に変換するための装置は、第2のリフト要素部に連結されており、従って、回転系にある。枢動軸線上に位置し、直線運動を枢動運動に変換するための装置に連結されているシャフトは、リフト装置が直線運動を行うとき、枢動軸線周りで常に枢動される。
【0017】
好ましい実施形態は、リフト装置は、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも4つのリフトピストンを有し、前記固定系を前記第1のリフト要素部に連結し、第1のリフト要素部を前記固定系に対して直線的に移動させることができる。
【0018】
さらなる好ましい実施形態では、第1及び/又は第2のリフト要素部は環状構成である。例えば、第2のリフト要素部は、混合容器の円筒状の排出通路を含み、回転軸線周りで回転をすることができる。
【0019】
更に好ましい実施形態において、直線運動を枢動運動に変換するための装置は、第2のリフト要素部に連結されたカムプレートと、カムプレートに接触し、枢動軸線上に配置されたシャフトに連結されたレバーと、を有する。
【0020】
この実施形態は、例えばギア-ラックの組合せのような枢動運動に並進運動を変換する他の装置が考えられる場合であっても、特に実用可能であることが分かっている。
【0021】
更なる好ましい実施形態では、直線運動を枢動運動に変換するための更なる装置が提供され、この装置は、第2のリフト要素部に連結され、枢動軸線上に配置された第2シャフトに連結される。そのようにして、枢動軸線上に位置決めされたシャフトは、例えば、枢動軸線が配置された開口領域をクリアに保つために、2つの部分構造とすることができる。
【0022】
混合装置について、本明細書に記載されている目的は、混合材料を受け入れる容器を有する混合装置が提供されることにより達成され、混合装置は、容器軸周りを回転可能であり、その底部には開口部が配置されている。混合装置は、開口部を閉鎖するための閉鎖カバーと、ミキサーベースを有し、容器はミキサーベースに対して回転可能である。本発明によれば、先に説明したように、ミキサーベースが固定系の一部であり、容器が回転系の一部であり、閉鎖カバーが開口部を開閉するための枢動軸線周りで回転することができる変換装置が使用されている。
【0023】
混合装置の特に好ましい実施形態では、直線運動を回転運動に変換するための2つの装置を有し、これらの装置は両方とも第2のリフト要素部に連結されており、両者はそれぞれピボット枢動軸上に配置されたシャフトに連結されている。このようにして、カバー部は2つの閉鎖カバー部を備えることも可能であり、2つの閉鎖カバー部は、2つの閉鎖カバー部が互いに接触する閉鎖位置と、2つの閉鎖カバー部が互いに離間する開放位置との間で、互いの枢動軸線周りを往復枢動可能であり、閉鎖位置と開放位置との間を往復運動させるために、容器から混合材料を除去するための開口部が、2つの閉鎖カバー部の間に形成されるように、2つの閉鎖カバー部は互いから間隔を開けている。その場合、両方の閉鎖カバー部は、同じ枢動軸線周りで枢動可能であり、一方の閉鎖カバー部は、直線運動を回転運動に変換するための装置に連結され、他方の閉鎖カバー部は、直線運動を回転運動に変換するための更なる装置に連結される。
【0024】
好都合には、混合装置は、容器の内部に配置された回転可能な混合ツールを有する。前記閉鎖要素は、前記開口部が閉鎖されたときに前記容器の内部に配置される内面と、前記開口部が閉鎖されたときに前記容器の外部に配置される外面と、前記開口部が閉鎖されたときに前記開口部のエッジ面の反対に配置されるエッジ面と、を有することができる。
【0025】
好ましい実施態様において、前記閉鎖要素、前記開口部、前記枢動軸線は、前記枢動軸線から最も離れて配置された点が、前記枢動移動における前記閉鎖要素の内面またはエッジ面上の円を記述するような構成および配置であり、前記閉鎖要素は、前記円内に配置され、前記開口部のエッジ面は、前記円の外側に配置される。
【0026】
その手段によって、閉鎖要素は、開口部を閉じるために枢動軸を中心に回転されなければならない。開口部は、この開口部のエッジ表面が枢動中に閉鎖要素と衝突することができないような構成および配置である。
【0027】
原則的には、開口部内の閉鎖素子の閉鎖位置においてさえも、閉鎖要素のエッジ表面と開口部のエッジ表面との間にギャップを残すことができる。しかしながら、ギャップ幅は、混合材料が閉鎖要素の閉鎖位置で混合容器から流出するのを防止するために、処理される混合材料の最小粒度未満であるべきである。
【0028】
好ましい実施形態は、開口部と閉鎖要素とが、閉鎖要素が開口部内に配置されたときに互いに接触する互いに対応するエッジ部表面を有することを提供する。
【0029】
その手段は、閉鎖カバーの閉鎖位置において開口部と閉鎖要素との間に隙間が残らないことを保証する。
【0030】
さらなる好ましい実施形態は、閉鎖要素のエッジ表面が、概念球上に存在し、概念球の中心点が枢動軸上に存在するように、湾曲した構成であることを提供する。
【0031】
特に好ましくは、閉鎖要素は、閉鎖要素が開口部内に配置されたときに平坦な底面が与えられるように底部と同一平面上で終わる。
【0032】
エッジ表面のこのような構成は、球形セグメント弁部材の構造に類似している。球形セグメント弁部材は、薬液投薬ラインおよび供給ライン内の遮断部材として用いられる。しかしながら、球状セグメント弁部材の場合には、可動弁部材は、球状セグメント形状であること、すなわち、対応する弁座に接触する接触面は、曲線形状であるだけでなく、弁部材全体は、球状キャップの形状であることに留意されたい。このようなバルブ部材は、閉鎖カバーとして見るべきではないという事実とは別に、キャップ形状によって容器底部に扁平状配置を許容するものではない。
【0033】
本発明による構成は、閉鎖カバーが、開口部を閉じたり開いたりするために、枢動軸を中心として容易に枢動され得るという利点を有する。
【0034】
本発明のさらなる利点、特徴および可能な使用は、好ましい実施形態の以下の説明および関連する図から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】
図1は、本発明による閉鎖カバーおよび閉鎖カバーを操作するための装置を備えた混合装置を切断した横断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、本発明による装置を備えた混合装置を切断した断面を示す。円筒状の混合容器1は、この混合容器内に偏心して配置されると共に、中央のミキサーシャフト3に張り出して支持される混合器具2と、上方から垂直に張り出して取り付けられた壁/底部スクレーパ(図示せず)と、を有する。容器底部の表面に対して小さな間隔を開けて作動する底部ブレード4が、混合器具2の最下面に垂直下方に突出して固定されている。
【0037】
開口部5は混合容器1の中央にある。この開口部は、閉鎖カバー6の形態の閉鎖要素で閉鎖することができる。混合容器底部7を見ることができる。
【0038】
容器底部7は、回転軸線8周りで混合容器と一緒に回転する。閉塞カバー6は、この開閉カバー6を開閉する枢動軸線9の周りを枢動する。これが可能となるように、開口部および閉鎖カバーは、好ましくは、開口部を開閉するために、閉鎖要素部分を、概念球の中心点が存在する枢動軸線周りで枢動できるように、概念球上に存在するように湾曲した互いに対応するエッジ面を有する。
【0039】
一般に、混合材料は混合容器底部7の上方に配置された混合容器内に配置され、閉鎖カバー6が開放されると、開口部5を通って混合材料排出部10内に落下する。混合材料排出部10は容器底部に連結されており、容器と共に同じ回転をするようになっている。混合材料排出部10に配置されているのは、固定系に連結された裾部11である。混合材料排出部10および裾部11は、回転軸受16を介して互いに対して回転可能である。
【0040】
リフト装置12、13もまた、固定系、すなわち、例えば、対応する混合装置が配置されたミキサーベースに連結されて配置される。図示の例では、2つのリフトストロークピストン13がピストンハウジング12内の対応するチャンバ内に配置されている。それ自体公知の方法では、リフトピストン13によって形成される流体チャンバには、例えば
図2および
図3に示されるその2つの極端な位置の間でハウジング12内でリフトピストン13を往復運動させるために、ピストンハウジング12内で圧力流体を作用させることができる。
【0041】
リフトピストン13は、第1のリフト要素部14に連結されている。リフト装置12、13が作動すると、リフト要素部14は、リフトピストン13とともに上方および下方に移動することができる。リフト要素部は、第1リフ要素部14及び第2のリフト要素部15を含む。2つのリフト要素部14、15は、回転軸受16を介して互いに対して回転可能である。第1のリフト要素部14がリフトピストン13に固定されるので、すなわち固定系に配置され、混合容器と一緒に回転しない。第2のリフト要素部15は、混合材料排出部10に連結され、混合容器の駆動時に混合材料排出部10及び混合容器と共に回転する。第1のリフト要素部と第2のリフト要素部とが、リフト装置12,13の直線運動の方向にポジティブロックの係止関係で互いに連結されるように配置されており、これは、第1のリフト要素部14が
図2に示す下方位置から
図3に示す上方位置に移動すると、第2のリフト要素部15も持ち上がることを意味する。
【0042】
特に
図2及び
図3から分かるように、カムプレート17が第2のリフト要素部15に連結されている。レバー18は、カムプレートを走行し、混合容器または混合材料排出部10に連結される。ここで、リフト装置が作動してリフト要素部を低い
図2の位置から高い
図3位置に移動させると、レバー18はカムプレート17に沿って走行し、枢動軸線9を中心として時計回りに枢動する。枢動軸線9上の枢動シャフト19が閉鎖カバー6に連結されるため、閉鎖カバー6も枢動軸線9を中心に枢動する。
【0043】
図4は、多部品閉鎖カバーにおける
図1~
図3の閉鎖領域の断面図を示す。この場合、第2のリフト要素部15は、直線運動を枢動運動に変換するための2つの器具17′、17″、18′、18″を有し、これらは共に第2のリフト要素部15に連結されている。カム板17′、17″は対向関係に配置された第2のリフト要素部15に連結されている。カムプレート17’、17”は、好ましくは、閉鎖カバー部6’、6”(図示せず)の互に反対の動きに対して一致するものであり、すなわち、それらは鏡像対称の構成ではない。適切なレバー18’、18”は、カムプレート内をそれぞれ走行し、両レバーは、枢動軸線上に配置された枢動シャフト19’、19”にそれぞれ連結され、レバーは枢動シャフトにそれぞれ関連付けられた閉鎖カバー部6’、6”にそれぞれ連結されている。閉鎖カバーは2つの閉鎖カバー部6’、6”を備え、2つの閉鎖カバー部6’、6”は閉鎖位置と枢動軸線周りの開位置との間で往復移動するように、枢動軸線の周りの閉鎖位置と開位置との間で互いに対して往復移動する。この構成では、両方の閉鎖カバー部は、同じ枢動軸線9の周りで枢動可能であり、一方の閉鎖カバー6部’は、直線運動を枢動運動に変換するための装置17’、18’、19’に連結され、他方の閉鎖カバー6部”は、直線運動を枢動運動に変換するためのさらなる装置17”、18”、19”に連結され、同一のカムプレート17’および17”を使用する場合、一方の枢動シャフト19’は時計回り方向に旋回し、他方、同じ枢動軸線9上に配置された第2の枢動シャフト19”は、反時計回り方向に移動する。
【0044】
記載された変換装置のおかげで、並進移動によって固定系から回転系内で枢動運動を生じさせることが簡単な方法で可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 混合容器
2 混合器具
3 ミキサーシャフト
4 底部ブレード
5 開口部
6 閉鎖カバー
6’,6” 閉鎖カバー部
7 混合容器底部
8 回転軸線
9 枢動軸線
10 混合材料排出部
11 裾部
12 ピストンハウジング
13 リフト装置
14 第1のリフト要素部
15 第2のリフト要素部
16 回転軸受
17 カムプレート
18 レバー
19,19’,19” 枢動シャフト