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  • 特許-管継手のサイズ調整用アタッチメント 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】管継手のサイズ調整用アタッチメント
(51)【国際特許分類】
   F16L 25/14 20060101AFI20221024BHJP
   F16L 37/23 20060101ALI20221024BHJP
   F16L 37/084 20060101ALN20221024BHJP
【FI】
F16L25/14
F16L37/23
F16L37/084
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020561348
(86)(22)【出願日】2019-12-12
(86)【国際出願番号】 JP2019048626
(87)【国際公開番号】W WO2020129793
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-02-18
(31)【優先権主張番号】P 2018238050
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000227386
【氏名又は名称】日東工器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083895
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100175983
【弁理士】
【氏名又は名称】海老 裕介
(72)【発明者】
【氏名】上村 義斗
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】実開昭50-122915(JP,U)
【文献】国際公開第2011/052069(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 25/14
F16L 37/023
F16L 37/084
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に嵌合されて連結される雄型継手部材と雌型継手部材からなる管継手において、該雄型継手部材と異なるサイズの雄型継手部材を該雌型継手部材に連結するのを可能とする管継手のサイズ調整用アタッチメントであって、
一端に管継手の雌型継手部材に受け入れられるように形状づけられた筒状の雄型部及び他端に該管継手の該雌型継手部材に嵌合される雄型継手部材とは異なるサイズの雄型継手部材を受け入れるように形状づけられた筒状の雌型部を有する筒状本体であって、該筒状本体の半径方向に貫通するように設けられ施錠子を半径方向で変位可能に保持する施錠子用孔を有する筒状本体と、
該筒状本体の外周面上を該筒状本体の長手軸線方向で摺動可能とされたスリーブであって、該施錠子に半径方向外側から係合して該施錠子が、該雌型部内に挿入された該異なるサイズの雄型継手部材に係合し、該異なるサイズの雄型継手部材が該雌型部内から外側に変位するのを阻止する施錠位置と、該施錠位置よりも該一端側に変位されて該施錠子が半径方向外側に変位可能とし、該異なるサイズの雄型継手部材が該雌型部内から外に変位できるようにする解錠位置との間で変位可能とされているスリーブと、
を有し、
該施錠位置にある該スリーブは、該雄型部に連結された該雌型継手部材に係合して該解錠位置に変位するのを阻止されるようにした、管継手のサイズ調整用アタッチメント。
【請求項2】
該筒状本体に取り付けられて該雄型部の半径方向外側位置を同心状に該長手軸線方向に延び当該管継手のサイズ調整用アタッチメントの使用者による把持が可能とされた筒状把持部を有する請求項に記載の管継手のサイズ調整用アタッチメント。
【請求項3】
相互に嵌合されて連結される雄型継手部材と雌型継手部材からなる管継手において、該雄型継手部材と異なるサイズの雄型継手部材を該雌型継手部材に連結するのを可能とする管継手のサイズ調整用アタッチメントであって、
一端に管継手の雌型継手部材に受け入れられるように形状づけられた筒状の雄型部及び他端に該管継手の該雌型継手部材に嵌合される雄型継手部材とは異なるサイズの雄型継手部材を受け入れるように形状づけられた筒状の雌型部を有する筒状本体であって、該筒状本体の半径方向に貫通するように設けられ施錠子を半径方向で変位可能に保持する施錠子用孔を有する筒状本体と、
該筒状本体の外周面上を該筒状本体の長手軸線方向で摺動可能とされたスリーブであって、該施錠子に半径方向外側から係合して該施錠子が、該雌型部内に挿入された該異なるサイズの雄型継手部材に係合し、該異なるサイズの雄型継手部材が該雌型部内から外側に変位するのを阻止する施錠位置と、該施錠位置よりも該一端側に変位されて該施錠子が半径方向外側に変位可能とし、該異なるサイズの雄型継手部材が該雌型部内から外に変位できるようにする解錠位置との間で変位可能とされているスリーブと、
を有し、
該筒状本体に取り付けられて該雄型部の半径方向外側位置を同心状に該長手軸線方向に延び当該管継手のサイズ調整用アタッチメントの使用者による把持が可能とされた筒状把持部を有する、管継手のサイズ調整用アタッチメント。
【請求項4】
該筒状把持部が半径方向で貫通し該長手軸線方向で延びるスリットを有し、
該スリーブが、該スリーブから該スリットの半径方向内側まで延びる係止用部材を有し、
該係止用部材は、該雄型部に連結された該雌型継手部材に係合して該スリーブが該解錠位置に変位するのを阻止するようにした請求項2又は3に記載の管継手のサイズ調整用アタッチメント。
【請求項5】
該筒状本体が、該施錠子用孔よりも該一端側で半径方向に貫通するように設けられスリーブ保持子を半径方向で変位可能に保持するスリーブ保持子用孔を有しており、
該スリーブが該解錠位置にあるときで該異なるサイズの雄型継手部材が該筒状の雌型部内に受け入れられていないときは、該スリーブ保持子が該筒状本体の外側に部分的に突出するようにされて該スリーブが該施錠位置に変位するのを阻止されるようにされている請求項1乃至4の何れか一項に記載の管継手のサイズ調整用アタッチメント。
【請求項6】
該筒状本体内に設けられ該スリーブ保持子に半径方向内側から係合して、該スリーブ保持子を該筒状本体の外側に部分的に突出するようにして該解錠位置にある該スリーブが該施錠位置に変位するのを阻止する変位阻止位置と、該変位阻止位置から該一端方向に押し込まれて該スリーブ保持子が半径方向内側に変位して該スリーブが該施錠位置に変位するのを許容する変位許容位置との間で変位可能とされたスリーブ保持子係合部材を有する請求項5に記載の管継手のサイズ調整用アタッチメント。
【請求項7】
該スリーブ保持子係合部材を該変位許容位置から該変位阻止位置に向けて付勢する第1の付勢部材と、該スリーブを該解錠位置から該施錠位置に向けて付勢する第2の付勢部材とを有するようにする請求項6に記載の管継手のサイズ調整用アタッチメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相互に嵌合されて連結される雄型継手部材と雌型継手部材からなる管継手において、該雄型継手部材と異なるサイズの雄型継手部材を該雌型継手部材に連結するのを可能とする管継手のサイズ調整用アタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばある流体の供給配管システムにおいては、流体供給管の(流体吐出)ノズルを、流体供給を受ける側の流体受け入れ口となるレセプタクルに嵌合連結した状態で流体供給を行うようにした供給配管システムがある。この場合のノズル及びレセプタクルは上述した形式の管継手を構成するが、この場合、相互に嵌合される継手部材としてのノズル及びレセプタクルは、相互嵌合に適したサイズ(径寸法)を有し、流体供給を受ける側のレセプタクルが供給側のノズルのサイズに合わない場合には流体供給ができないようになっている。しかし、流体供給を受ける側が供給側のノズルには適合しない異なるサイズのレセプタクルを備える場合もあり、そのような場合でも流体供給ができるようにする方法としては、正規サイズのノズルを備えた流体供給管の他に上記異なるサイズのレセプタクルに適合するサイズのノズルを備えた流体供給管を用意することが考えられる。しかし、そのような方法では供給配管システムの設備費、維持費が高くなってしまう。
【0003】
別の方法としては、上記リセプタクルの異なるサイズに合わせるためのサイズ調整用アッタチメント(アダプター)を用いる方法がある。例えば、特許文献1はそのようなアタッチメントを開示している。しかし、このアタッチメントはそれを構成するためのエレメントを、供給側ノズルに組み付けしてねじ式に固定するものであり、取付け取外しを迅速に行うことはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開平6-14673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上に述べた点を考慮し、異なるサイズのレセプタクルなどの管継手部材をノズルなどの他方の管継手部材に連結する場合に迅速にできるようにするための管継手のサイズ調整用アタッチメントを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明では
相互に嵌合されて連結される雄型継手部材と雌型継手部材からなる管継手において、該雄型継手部材と異なるサイズの雄型継手部材を該雌型継手部材に連結するのを可能とする管継手のサイズ調整用アタッチメントであって、
一端に管継手の雌型継手部材に受け入れられるように形状づけられた筒状の雄型部及び他端に該管継手の該雌型継手部材に嵌合される雄型継手部材とは異なるサイズの雄型継手部材を受け入れるように形状づけられた筒状の雌型部を有する筒状本体であって、該筒状本体の半径方向に貫通するように設けられ施錠子を半径方向で変位可能に保持する施錠子用孔を有する筒状本体と、
該筒状本体の外周面上を該筒状本体の長手軸線方向で摺動可能とされたスリーブであって、該施錠子に半径方向外側から係合して該施錠子が、該雌型部内に挿入された該異なるサイズの雄型継手部材に係合し、該異なるサイズの雄型継手部材が該雌型部内から外側に変位するのを阻止する施錠位置と、該施錠位置よりも該一端側に変位されて該施錠子が半径方向外側に変位可能とし、該異なるサイズの雄型継手部材が該雌型部内から外に変位できるようにする解錠位置との間で変位可能とされているスリーブと、
を有する管継手のサイズ調整用アタッチメントを提供する。
【0007】
このサイズ調整用アタッチメントにおいては、該施錠位置にある該スリーブは、該雄型部に連結された該雌型継手部材に係合して該解錠位置に変位するのを阻止されるようにすることができる。該雌型継手部材を該雌型部から外さない状態においては、該雌型部に嵌合されている該異なるサイズの雄型継手部材が外れないようにするものである。
【0008】
またこのサイズ調整用アタッチメンにおいては、該筒状本体に取り付けられて該筒状の雄型部の半径方向外側位置を同状に該長手軸線方向に延び当該管継手のサイズ調整用アタッチメントの使用者による把持が可能とされた筒状把持部を有するようにすることができる。該スリーブを操作するのに該筒状把持部をもって行えるようにしてスリーブ操作をしやすくするものである。
【0009】
この場合、該筒状把持部が半径方向で貫通し該長手軸線方向で延びるスリットを有し、該スリーブが、該スリーブから該スリットの半径方向内側まで延びる係止用部材を有し、該係止用部材は、該雌型部に連結された該型継手部材に係合して該スリーブが該解錠位置に変位するのを阻止するようにすることができる。
【0010】
以上に述べたサイズ調整用アタッチメントにおいては、該筒状本体が、該施錠子用孔よりも該筒状本体の該一端側で半径方向に貫通するように設けられスリーブ保持子を半径方向で変位可能に保持するスリーブ保持子用孔を有するようにし、該スリーブが該解錠位置にあるときで該異なるサイズの雄型継手部材が該筒状の雌型部内に嵌合されていないときは、該スリーブ保持子が該筒状本体の外側に部分的に突出するようにされた該スリーブ保持子によって該スリーブが該施錠位置に変位するのを阻止されるようにすることができる。
【0011】
具体的には、該筒状本体内に設けられ該スリーブ保持子に半径方向内側から係合して、該スリーブ保持子を該筒状本体の外側に部分的に突出するようにして該解錠位置にある該スリーブが該施錠位置に変位するのを阻止する変位阻止位置と、該変位阻止位置から該一端方向に押し込まれて該スリーブ保持子が半径方向内側に変位して該スリーブが該施錠位置に変位するのを許容する変位許容位置との間で変位可能とされたスリーブ保持子係合部材を有するようにすることができる。
【0012】
この場合、該スリーブ保持子係合部材を該変位許容位置から該変位阻止位置に向けて付勢する第1の付勢部材と、該スリーブを該解錠位置から該施錠位置に向けて付勢する第2の付勢部材とを有するようにすることができる。このようにすることにより、異なるサイズの雄型継手部材が該雌型部内に挿入嵌合されたときに、該スリーブ保持係合部材が該変位阻止位置から該辺許容位置に変位されて、該スリーブが第2の付勢部材によって該解錠位置から該施錠位置に自動的に変位されるようにすることができる。
【0013】
以下、本発明に係る管継手のサイズ調整用アタッチメントの実施形態を添付図面に基づき説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は本発明に係るサイズ調整用アタッチメント、該サイズ調整用アタッチメントを使用する管継手の雌型継手部材及び該サイズ調整用アタッチメントを用いて該雌型継手部材に連結される該管継手の雄型継手部材とは異なるサイズの雄型継手部材を、それらが連結される前の位置関係で示した図であり、該サイズ調整用アタッチメント、該雌型継手部材及び該異なるサイズの雄型継手部材が縦断面図で示されている。
図2図2は該異なるサイズの雄型継手部材を該雌型継手部材に連結する場合に最初に行われるステップとして該サイズ調整用アタッチメントを該異なるサイズの雄型継手部材に嵌合連結した状態を示す縦断面図である。
図3図3図2の状態とした該異なるサイズの雄型継手部材を該雌型継手部材に連結した状態を示す縦断面図であり、該管継手の管路内にまだ流体が流されておらず流体圧がかけられていない状態を示す。
図4図4図3と同様の縦断面図であるが、該管路内に流体が流されて流体圧がかけられている状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1では、(図示しない)流体受け入れ側の所定のサイズのレセプタクル(雄型継手部材)を受け入れて連結される流体供給源側のノズル(雌型継手部材:図においてはその先端のみを示す)10に対し、該所定のサイズとは異なるサイズのレセプタクル(雄型継手部材:図においてはその先端のみを示す)12を連結するためのサイズ調整用アタッチメント14が示されている。
【0016】
ノズル10は、流体通路20を有するノズル本体22と、バルブ24と、ノズル本体22に固定され該バルブ24を該流体通路20の長手軸線方向で変位可能に支持する筒状のバルブ支持部材26と、コレットチャック部材28と、該バルブ支持部材26の外周面に固定されて前方(図面の右方)に延び該コレットチャック部材28を図1に示す受入位置と図3及び図4に示す締付位置との間で変位可能に支持する筒状のチャック支持部材30と、該コレットチャック部材28が受入位置になるのを許容するチャック解放位置と、該コレットチャック部材28を締付位置に抑え込むチャック抑込位置との間を該流体通路20の長手軸線方向で変位可能なチャック抑えスリーブ32と、該ノズル本体22に設けられた該流体通路20から半径方向に延びる貫通孔33内に変位可能に取り付けられ、該流体通路20内の流体圧が増大すると半径方向外側に動いてチャック抑えスリーブ32と係合して該チャック抑込位置に施錠する該スリーブ施錠位置(図4)となるスリーブ施錠部材34と、該バルブ24に固定されて該コレットチャック部材28に半径方向内側から係合してコレットチャック部材28を受入位置(図1)とする前進位置と、該バルブ24とともに後方(図面の左方)に変位されて該コレットチャック部材28が締付位置となるのを許容する後退位置との間で変位可能なチャック操作部材36とを有している。
【0017】
ノズル10内に、上述の図示しない所定のサイズのレセプタクル、又は該サイズ調整用アタッチメント14の後述する雄型部40が挿入されると、該バルブ24及び該チャック操作部材36が図1の位置から後方へ押し込まれ、該コレットチャック部材28が締付位置となって挿入されたレセプタクル又は該雄型部40と係合すると共に、当該バルブ24の半径方向通路24aが開放されて該バルブ24の軸線方向通路24bを通して流体が流れるようにされ、当該ノズル10の流体通路20が開放されるようになっている(図3図4)。
【0018】
該レセプタクル12は、該ノズル10との結合に適合するサイズとは異なるより大きなサイズのものとなっており、サイズ調整用アタッチメント14は、この異なるサイズのレセプタクル12を該ノズル10に連結できるようにするものである。すなわち、該サイズ調整用アタッチメント14は一端(図における左端)に該ノズル10に受け入れられるように形状づけられた筒状の雄型部40及び他端(図における右端)に上記異なるサイズのレセプタクル12を受け入れるように形状づけられた筒状の雌型部42を有する筒状本体44であって、該筒状本体44の半径方向に貫通するように設けられ施錠子46を半径方向で変位可能に保持する施錠子用孔48を有する筒状本体44と、該筒状本体44の外周面上を該筒状本体44の長手軸線方向で摺動可能とされたスリーブ50であって、該施錠子46に半径方向外側から係合して該施錠子46が、該雌型部42内に挿入された該異なるサイズのレセプタクル12に係合し、該レセプタクル12が該雌型部42内から外側に変位するのを阻止する施錠位置(図2図4)と、該施錠位置よりも該一端側(図における左端側)に変位されて該施錠子46が半径方向外側に変位可能とし、該レセプタクル12が該雌型部42内から外に変位できるようにする解錠位置(図1)との間で変位可能とされているスリーブ50とを有する。図において、40aは締付位置とされた該コレットチャック部材28を受け入れる係止凹部、12aは施錠位置となった該スリーブ50によって半径方向内側に押し付けられた該施錠子46を受け入れる係止凹部を示す。
【0019】
サイズ調整用アタッチメント14は更に、該筒状本体44に取り付けられて該雄型部40の半径方向外側位置を同心状に長手軸線方向に延び当該サイズ調整用アタッチメント14の使用者によって把持可能とされた筒状把持部52を有している。該筒状把持部52は該筒状把持部52に半径方向で貫通するように設けられ長手軸線方向で延びるスリット53を有し、該スリーブ50には半径方向内側に延びて該スリット53を挿通し略雄型部40の外表面に至る細長い係止用部材56が設けられており、係止用部材56はスリーブ50が施錠位置と解錠位置との間で変位するときに該スリット53に沿って変位するようになっている。図示の例では、該スリーブ50が図2図4に示す施錠位置にあるときに、該ノズル10の方向に面する筒状本体44の半径方向面44bに当接するようにされている。
【0020】
該筒状本体44には更に、該施錠子用孔48よりも該筒状本体44の上記一端側(図における左端側)で半径方向に貫通するように設けられスリーブ保持子54を半径方向で変位可能に保持するスリーブ保持子用孔57を有している。該スリーブ50が該解錠位置にあるときで該レセプタクル12を該雌型部42内に受け入れていないときは(図1)、該スリーブ保持子54が該筒状本体44の外側に部分的に突出するようにされて該スリーブ50の内周面に設けられた係止凹部50aに係合し該スリーブ50が該施錠位置(図2図4)に変位するのを阻止するようにされている。図示の例では、該筒状本体44内にスリーブ保持子係合部材58が設けられており、該スリーブ保持子54に半径方向内側から係合して該スリーブ保持子54を該筒状本体44の外側に部分的に突出するようにして該解錠位置にある該スリーブ50が該施錠位置に変位するのを阻止する変位阻止位置と、該変位阻止位置から(図で見て左側に)押し込まれて該スリーブ保持子54が半径方向内側に変位して該スリーブ50が該施錠位置(図2図4)に変位するのを許容する変位許容位置との間で変位可能とされている。該スリーブ保持子係合部材58は該筒状本体44に設けられている軸線方向流体通路44aと連通している軸線方向流体通路58aを有している。
【0021】
図示の例では、該サイズ調整用アタッチメント14には、該スリーブ50を図1に示す解錠位置から図2図4に示す施錠位置に向けて付勢する付勢部材(コイルバネ)60、及びスリーブ保持子係合部材58を図1に示す変位阻止位置から図2図4に示す変位許容位置に向けて付勢する付勢部材(コイルバネ)62が設けられており、また、該ノズル10には、該チャック抑えスリーブ32を図1に示すチャック解放位置から図3図4に示すチャック抑込位置に付勢する付勢部材(コイルバネ)64及び該チャック操作部材36を図3図4に示す後退位置から図1に示す前進位置に向けて付勢する付勢部材(コイルバネ)66が設けられている。
【0022】
該サイズ調整用アタッチメント14を用いて該異なるサイズのレセプタクル12を該ノズル10に連結する場合には、当該サイズ調整用アタッチメント14の使用者が先ず該筒状把持部52を把持して該筒状本体44の該雌型部42を該レセプタクル12に嵌合する(図2)。これにより、該スリーブ保持子係合部材58が図2図4に示す変位許容位置に押し込まれ該スリーブ50が図2図4に示す施錠位置となり、該レセプタクル12と該サイズ調整用アタッチメント14との連結がなされる(図2)。次に該サイズ調整用アタッチメント14の該雄型部40を該ノズル10に嵌合する。これにより、該ノズル10の該バルブ24は後退位置に押し込まれ、該チャック操作部材36が図3図4に示す後退位置となり、該チャック抑えスリーブ32が図3図4に示すチャック抑込位置となり、該コレットチャック部材28が締付位置となり該サイズ調整用アタッチメント14と該ノズル10とが連結される。この状態において、図示しない流体供給源側のバルブを開放すると、流体が該ノズル10、該サイズ調整用アタッチメント14を介して該レセプタクル12側に流れる。これにより該スリーブ施錠部材34は流体圧により図4に示すスリーブ施錠位置とされ、該チャック抑えスリーブ32と係合して該チャック抑えスリーブ32が図で見て左方に動きチャック解放位置となるのを阻止する(図4)。また、この状態においては、該チャック支持部材30の先端部(図で見て右端部)30aが該サイズ調整用アタッチメント14の該スリーブ50から延びる係止用部材56に係合しており、流体供給源側からの流体が流されている状態においては、該チャック抑えスリーブ32が図4に示すチャック抑込位置に保持され、従って、該スリーブ50が図1に示す解錠位置に変位するのが阻止される。
【0023】
連結されている該ノズル10から該レセプタクル12を外す場合には、先ず、流体供給源側の図示しないバルブを閉じて流体の供給を停止する。これにより該スリーブ施錠部材34は半径方向内側に変位可能となるので該チャック抑えスリーブ32を図4のチャック抑込位置から図1に示すチャック解放位置に動かして該ノズル10を該サイズ調整用アタッチメント14から外す。次に該サイズ調整用アタッチメント14の該スリーブ50を図1に示す解錠位置とし、該サイズ調整用アタッチメント14を該レセプタクル12から外す。
【0024】
本発明に係る管継手のサイズ調整用アタッチメント14の一実施形態は以上の通りであるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、スリーブ保持子54はサイズ調整用アタッチメント14をレセプタクル12に嵌合することにともないスリーブ50が自動的に施錠位置となり施錠子46を施錠位置としてサイズ調整用アタッチメント14をレセプタクル12に自動的に連結するためのものであるが、スリーブ50の操作は手動で行うことも可能であり、従って、スリーブ保持子54は必須のものではない。また筒状把持部52はサイズ調整用アタッチメント14の操作を容易にするためのものであり、これも必須のものではない。本発明は請求項1に規定の内容を基本的構成とするものであり種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0025】
ノズル(雌型継手部材)10
異なるサイズのレセプタクル (雄型継手部材)12
サイズ調整用アタッチメント14
流体通路20
ノズル本体22
バルブ24
半径方向通路24a
軸線方向通路24b
バルブ支持部材26
コレットチャック部材28
チャック支持部材30
チャック抑えスリーブ32
スリーブ施錠部材34
チャック操作部材36
雄型部40
雌型部42
筒状本体44
軸線方向流体通路44a
半径方向面44b
施錠子46
施錠子用孔48
スリーブ50
係止凹部50a
筒状把持部52
スリット53
スリーブ保持子54
係止用部材56
スリーブ保持子用孔57
スリーブ保持子係合部材58
軸線方向流体通路58a
付勢部材(コイルバネ)60、62,64、66
図1
図2
図3
図4