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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】感知システムを有する薬剤送達デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/315 20060101AFI20221024BHJP
   A61M 5/20 20060101ALI20221024BHJP
【FI】
A61M5/315 550P
A61M5/315 550J
A61M5/20
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021055437
(22)【出願日】2021-03-29
(62)【分割の表示】P 2019530068の分割
【原出願日】2017-12-08
(65)【公開番号】P2021102088
(43)【公開日】2021-07-15
【審査請求日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】62/434,684
(32)【優先日】2016-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100187964
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ブーンザー,ジェームス アンガス
(72)【発明者】
【氏名】フォスター,クラーク ベルク
(72)【発明者】
【氏名】リンゲンバーガー,キンベリー アン
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-516709(JP,A)
【文献】特表2015-506771(JP,A)
【文献】特表2005-508205(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/315
A61M 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤送達デバイスであって、
第1の部材と、前記薬剤送達デバイスの動作によって設定される投与量および前記薬剤送達デバイスの動作によって送達される投与量のうちの少なくとも一方に比例して回転軸の周りで前記第1の部材に対して回転可能な第2の部材と、
前記第1の部材に連結されたワイパーアセンブリであって、前記ワイパーアセンブリは、ワイパー本体と、前記ワイパー本体から前記回転軸に沿って長手方向に突出する一対のアームとを備え、前記一対のアームの各アームは、半径方向に突出するワイパーを画定するタブを有する、前記ワイパーアセンブリと、
各々前記第2の部材に連結された、第1の電気的に動作可能な感知帯および第2の電気的に動作可能な感知帯であって、前記感知帯の各々が、前記ワイパーアセンブリに対して外側半径方向に前記回転軸の周りで湾曲的に配置され、前記ワイパーのうちの対応する1つに対して且つ前記ワイパーのうちの対応する1つと接触関係にある状態で半径方向に配設され、前記第1の部材と前記第2の部材との間の相対的な回転中、前記一対のアームの各アームの前記タブは、前記感知帯の各々の円周方向範囲に沿って前記感知帯の各々と摺動接触し、前記感知帯の各々が、前記第1および第2の部材の相対的な回転位置を示す前記感知帯の動作角度長さに沿った、前記ワイパーのうちの前記対応する1つの相対的な角度位置に関連する出力を生成するように動作可能である、前記第1の電気的に動作可能な感知帯および第2の電気的に動作可能な感知帯と、
前記感知帯と電気的に連結されて、前記感知帯の各々によって生成された前記出力に基づいて、前記薬剤送達デバイスの動作によって設定される前記投与量および前記薬剤送達デバイスの動作によって送達される前記投与量のうちの少なくとも一方を決定するコントローラと
を備える前記薬剤送達デバイス。
【請求項2】
前記ワイパーのうちの一方が、前記ワイパーのうちの他方よりも軸方向において遠くに延在する、請求項1に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項3】
前記感知帯が、互いに対して軸方向に配設された個別の帯である、請求項1に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項4】
前記ワイパーアセンブリの前記ワイパー本体が、円筒状であり、前記第1の部材の少なくとも一部分を受容するようにサイズ決めされた貫通孔を画定する、請求項1に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項5】
前記ワイパーアセンブリの前記アームが、前記円筒状ワイパー本体の前記円周方向面の両側に沿って配設されている、請求項4に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項6】
前記アームの前記タブが、互いに軸方向にずらして位置付けられ、かつ前記円筒状ワイパー本体の中央平面の両側に沿って設置されている、請求項5に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項7】
前記ワイパーアセンブリが、前記アームのうちの少なくとも一方を半径方向外向きに付勢するように配設された付勢部材を含む、請求項1に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項8】
前記ワイパーアセンブリが、前記アームの半径方向外側範囲を限定するために前記円筒状ワイパー本体の本体要素と係合可能な限定要素を含む、請求項7に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項9】
前記円筒状ワイパー本体が、前記第1の部材にしっかりと連結するための係止機構を含む、請求項4に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項10】
前記ワイパーアセンブリが、前記円筒状ワイパー本体と前記第1の部材との間にしっかりと連結されたベアリングを含む、請求項4に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項11】
前記第1の部材に連結された線形スリーブと、
前記線形スリーブに連結された線形ワイパーアセンブリであって、半径方向に突出する線形ワイパーを有する前記線形ワイパーアセンブリと、
デバイスハウジング内に配設された電気的に動作可能な感知線形帯であって、前記線形ワイパーに対して且つ前記線形ワイパーと接触関係にある状態で半径方向に配設され、前記線形スリーブと前記デバイスハウジングとの間の相対的な長手方向の変位中、前記感知線形帯が、前記相対的な長手方向位置を示す、前記感知線形帯の動作感知長さに沿った前記線形ワイパーの前記相対的な長手方向位置と関連する出力を生成するように動作可能であり、前記コントローラが、前記感知線形帯に電気的に連結されて、前記感知線形帯によって生成された前記出力に基づいて、前記薬剤送達デバイスの動作によって設定される前記投与量および前記薬剤送達デバイスの動作によって送達される前記投与量のうちの少なくとも一方を決定する、前記電気的に動作可能な感知線形帯と
をさらに備える請求項1に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項12】
前記線形スリーブが、前記第1の部材に対して半径方向外向きに配設され、前記線形スリーブが、長手方向に移動するように構成されている、請求項11に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項13】
U字構成と、湾曲形状に配置された前記感知帯を支持するための半径方向内向きに面する表面とを有するセンサ装着部をさらに備える、請求項1に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項14】
前記第1の部材に連結された線形スリーブと、
前記線形スリーブに連結された線形ワイパーアセンブリと、
前記線形スリーブに沿って配設された感知線形符号化帯と、
前記感知線形符号化帯の半径方向外側でデバイスハウジング内に配設された電気的に動作可能なセンサであって、前記線形スリーブと前記デバイスハウジングとの間の相対的な長手方向の変位中、前記電気的に動作可能なセンサは、前記電気的に動作可能なセンサに対する前記感知線形符号化帯の長手方向位置を示す出力を生成するように動作可能であり、前記コントローラが、前記電気的に動作可能なセンサと電気的に連結されて、前記電気的に動作可能なセンサによって生成された前記出力に基づいて、前記薬剤送達デバイスの動作によって設定される前記投与量および前記薬剤送達デバイスの動作によって送達される前記投与量のうちの少なくとも一方を決定する、前記電気的に動作可能な近接センサと
をさらに備える請求項1に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項15】
移動可能なプランジャと出口との間に薬剤を保持するバレルを有するカートリッジから前記薬剤を送達するための薬剤送達デバイスであって、
主ハウジングと、
前記主ハウジングから延在する前記カートリッジを保持するためのカートリッジハウジングと、
前記移動可能なプランジャに係合するための前方端部を含む駆動部材であって、前記主ハウジング内で軸方向に延在する長さを有する前記駆動部材と、
前記主ハウジング内の前方への前記駆動部材の前記軸方向の前進を制御して、前記出口を通して薬剤を送達するために前記移動可能なプランジャを移動させるための投与量送達機構であって、前記薬剤送達デバイスの動作によって設定される投与量および前記薬剤送達デバイスの動作によって送達される投与量のうちの一方に比例して回転軸の周りで前記主ハウジングに対して回転可能である第1の回転可能な部材を含む前記投与量送達機構と、
前記第1の回転部材および前記主ハウジングの相対的な回転位置を検出し、かつそのような相対的な回転位置に相関する出力を生成するように動作可能な感知システムであって、
前記第1の回転部材に連結された第1のワイパーアセンブリであって、前記第1のワイパーアセンブリは、ワイパー本体と、前記ワイパー本体から前記回転軸に沿って長手方向に突出する一対のアームとを備え、前記一対のアームの各アームは、外側半径方向に突出する接触部分を有する、前記第1のワイパーアセンブリ、および
前記主ハウジングに連結された一対の電気的に動作可能な第1の感知帯であって、前記第1の感知帯は、前記主ハウジングに対する前記第1の回転可能な部材の回転中に、前記第1の感知帯の円周方向範囲に沿って前記第1のワイパーアセンブリと摺動接触するように前記第1のワイパーアセンブリに対して外側半径方向に前記回転軸の周りで湾曲的に配置されている、前記第1の感知帯
を含む前記感知システムと、
前記感知システムと電気的に通信して、前記感知システムの出力に基づいて、前記薬剤送達デバイスの動作によって設定される前記投与量および前記薬剤送達デバイスの動作によって送達される前記投与量のうちの少なくとも一方を決定するコントローラと
を備える前記薬剤送達デバイス。
【請求項16】
前記感知システムが、
前記第1の回転可能な部材の周りに連結された線形スリーブと、
前記線形スリーブに連結された半径方向に突出する線形ワイパーを有する線形ワイパーアセンブリと、
前記主ハウジング内に配設された電気的に動作可能な感知線形帯であって、前記線形ワイパーに対して、かつ前記線形ワイパーと接触関係にある状態で半径方向に配設され、前記線形スリーブと前記主ハウジングとの間の相対的な長手方向の変位中、前記相対的な長手方向位置を示す、前記感知線形帯の動作感知長さに沿った前記線形ワイパーの相対的な線形位置に関連する出力を生成するように動作可能であり、前記コントローラが、前記感知線形帯と電気的に連結されて、前記感知線形帯によって生成された前記出力に基づいて、前記薬剤送達デバイスの操作によって設定される前記投与量および前記薬剤送達デバイスの操作によって送達される前記投与量のうちの少なくとも一方を決定する、前記電気的に動作可能な感知線形帯と
を含む、請求項15に記載の薬剤送達デバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示は、薬剤送達デバイスに関し、特に、薬剤送達デバイス内の感知システムに関する。
【0002】
例えば、ペン型注射器、輸液ポンプ、および注射器を含む様々な薬剤送達デバイスが、薬剤の定期的な投与のために一般的に使用されている。患者の健康状態が危機に瀕しているような時点で、適切な量の薬剤を供給することが重要である。多くの場合、適切な量の薬剤を正確に送達できなければ、患者に深刻な影響が生じる可能性がある。
【0003】
適切な量の薬剤の投与は、薬剤送達デバイスによる実際の投薬が正確であることを必要とする。本明細書で使用される「投薬」という用語は、ある投与量を投与すること、すなわち、投与量を設定すること、および設定投与量を送達することの2つの重要な段階を指す。
【0004】
薬剤送達デバイスは一般に、様々な部材が互いに対して回転または並進する機械的システムを利用する。ほとんどの場合、部材間のこれらの相対的な移動は、デバイスの動作によって設定および/または送達される投与量に比例する。したがって、当該技術分野では、設定および/または送達される投与量を評価するために、薬剤送達デバイスの部材の相対的な移動を正確に測定する信頼性の高いシステムを提供するように努めている。
【0005】
従来技術の感知システムは有用ではあるが、それらの欠点がないわけではない。例えば、いくつかの感知システムは、送達デバイス内で望ましいよりも多くの空間を占め、その結果、よりかさばるかもしくは使用するのが不便な送達デバイス、または1つ以上の特徴を犠牲にして、感知システムのための小型デバイスの室内に余裕を持たせる送達デバイスとなる。いくつかの感知システムは、比較的高価な部品を使用するか、または製造コストもしくは潜在的にシステムの信頼性に悪影響を及ぼすように過度に複雑になり得る。
【0006】
したがって、従来技術のこれらおよび他の欠点のうちの1つ以上を克服することができる、感知システムを有する薬剤送達デバイスを提供することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0007】
薬剤送達デバイスの例を本明細書に提供する。本開示の実施形態によれば、デバイスは、第1の部材と、薬剤送達デバイスの動作によって設定される投与量および薬剤送達デバイスの動作によって送達される投与量のうちの少なくとも一方に比例して回転軸の周りで第1の部材に対して回転可能な第2の部材と、を含む。ワイパーアセンブリが、一対の半径方向に突出するワイパーを有する、第1の部材に連結される。第1の電気的に動作可能な感知帯および第2の電気的に動作可能な感知帯は、各々第2の部材に連結されている。感知帯は、ワイパーに対して、かつワイパーと接触関係にある状態で半径方向に配設されて配置される。第1の部材と第2の部材との間の相対的な回転中、感知帯の各々が、第1および第2の部材の相対的な回転位置を示す感知帯の各々の動作角度長さに沿ったワイパーの相対的な角度位置に関連する出力を生成するように動作可能である。コントローラは、感知帯と電気的に連結されて、感知帯の各々によって生成された出力に基づいて、薬剤送達デバイスの動作によって設定される投与量および薬剤送達デバイスの動作によって送達される投与量のうちの少なくとも一方を決定する。別の実施形態では、デバイスは、追加の回転ワイパーアセンブリと、対応する感知帯と、を含み得る。別の実施形態では、デバイスは、1つ以上の線形ワイパーアセンブリと、対応する線形感知帯と、を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
この開示の上述および他の特徴、およびそれらを達成する手法は、本開示の実施形態の以下の記載を添付の図面と併せて参照することによってより明らかになり、またよりよく理解されるであろう。
【0009】
図1】キャップ付き注射ペンの形態の、かつ針アセンブリの装着前の、例示的な薬剤送達デバイスの斜視図である。
図2】保護キャップ付きの図1の注射ペンの長手方向断面の側面図である。
図3】感知システムの一例を有する例示的な薬剤送達デバイスの一部分の部分的分解形態での斜視図である。
図4図3の感知システム用のセンサ装着アセンブリの構成要素の分解斜視図である。
図5】駆動スリーブ、駆動スリーブワイパー、および駆動スリーブベアリングを含む、図3から組み立てられたデバイス部分の部分的斜視図である。
図6】バレル、バレルワイパー、およびバレルベアリングを含む、図3の組み立てられたデバイス部分の部分的斜視図である。
図7】ワイパーとセンサ帯との係合を例示する、組み立てられたときの、図3の感知システムを有する薬剤送達デバイスの一部分の抽象的な長手方向断面図である。
図8】感知された回転部品の回転動作中に、図3の感知システムを有する薬剤送達デバイスのバレルまたは駆動スリーブのいずれかである、感知された回転部品のうちの1つ用のセンサ帯およびワイパーのセットから出力されるコントローラによって受信された電気信号を例示するチャートである。
図9】感知システムを有する図1のデバイスの選択部分の部分的斜視図である。
図10図9の感知システムを有する図1の薬剤送達デバイスの一部分の部分的分解形態での斜視図である。
図11図2の吹き出し部から切り取られた長手方向断面図である。
図12図9の感知システムの回転ワイパーアセンブリの様々な図である。
図13図9の感知システムの回転ワイパーアセンブリの別の例の様々な図である。
図14図9の感知システムを有する薬剤送達デバイスの部分的斜視図であり、その内部を明らかにするためにある領域を取り除いた図である。
図15図9の感知システムの線形ワイパースリーブに連結された線形ワイパーアセンブリの側面図である。
図16図2の吹き出し部の長手方向断面図である。
図17】バレルまたは駆動スリーブのいずれかである、感知された回転部品の回転ワイパーアセンブリ、および図9の感知システムを有する薬剤送達デバイスの感知されたスリーブ部の線形ワイパーアセンブリの一方から出力される、コントローラによって受信された電気信号を例示するチャートである。
図18】薬剤送達デバイス用の感知システムの別の例の構成要素の部分的斜視図である。
図19】位置ゼロ(構成A)および投薬位置(構成B)にある図18の感知システムを有するデバイスの部分的長手方向断面図である。
図20図18の感知システムを有する薬剤送達デバイスの感知されたスリーブの線形ワイパーアセンブリから出力される、コントローラによって受信された電気信号を例示するチャートである。
【0010】
複数の図面全体を通して、対応する参照符号は、対応する部品を示す。図面は、本開示の実施形態を表すものであるが、図面は、必ずしも縮尺通りではなく、本開示をよりよく例示および説明するために、図面の一部において、特定の特徴が誇張または省略されている場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで図1および図2を参照すると、デバイスの動作によって設定される投与量を決定するために使用されるものとしてさらに記載されている感知システムを装備した薬剤送達デバイス100が示されている。そのような量は、薬剤送達デバイスの部材間の投与量設定中に、相対的な回転および/または軸方向の移動の感知に基づいて決定され、感知された移動は、設定される投与量に適用可能であるように相関される。異なる実施形態では、感知システムは、デバイスの動作によって設定される投与量およびデバイスの動作によって送達される投与量のうちの少なくとも一方の量、または代替的に、デバイスの動作によって設定される投与量およびデバイスの動作によって送達される投与量の両方の量を決定するように構成されている。開示される実施形態の利点のうちの1つは、そのデバイスによって設定および/または送達される薬剤の量を正確かつ信頼可能に評価することができる、感知システムを有する薬剤送達デバイスを提供することができることである。開示される実施形態の別の利点は、限られた数の個々の部品を必要とする、感知システムを有する薬剤送達デバイスを提供することができることである。開示される実施形態のさらに別の利点は、小型形態因子を有する、感知システムを有する薬剤投与デバイスを提供することができることである。もう1つの利点は、システムの較正およびハードウェアのリセットが不要になり得ることである。
【0012】
示されているデバイスは、選択的に投与量を設定し、次にその設定される投与量を注射するためにユーザによって手動で取り扱われる、概して100で指定される再使用可能なペン形薬剤注射デバイスである。感知システムは、異なって構築されたペン形状の薬剤注射デバイス、異なって成形された注射デバイス、および輸液デバイスを含む、様々に構成された薬剤送達デバイスに使用するために適合され得るので、デバイス100の記載は単に例示的である。薬剤は、例えばインスリンなど、このような薬剤送達デバイスによって送達され得るタイプのうちのいずれかであり得る。以下にさらに記載される感知システムは、他の異なって構成されたデバイスにおいて使用されてもよいので、デバイス100は例示的であり、限定的ではないことが意図される。デバイス100は、多くの点で、米国特許第7,195,616号に記載されているデバイスと類似しており、この公報は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0013】
本明細書で使用されているように、「連結された」という用語は、第2のアイテムが移動するときに、第1のアイテムが第2のアイテムと同時にまたは比例して移動される任意の手法を包含する。アイテムを一緒に回転させる場合、アイテムは、回転可能に連結される。連結システムは、例えば、スプライン、ギア、もしくは部材間の摩擦係合を通して提供される接続、または部材を間接的に連結させる他の構成要素によって提供される同様の接続を含み得る。適用可能であれば、アイテムは、他のアイテムの上に直接位置付けられるか、その中に受容されるか、それに取り付けられるか、またはそれと一体化されるか、または別様に、直接もしくは関節的に他のアイテムに固定されることによって別のアイテムに連結され得る。
【0014】
「固定された」という用語は、指示された移動が起こり得るかまたは起こり得ないかを示すために使用される。例えば、第1の部材が第2の部材に対して回転することができない場合、第1の部材は、第2の部材「と共に回転可能に固定」されるか、または第2の部材「に対する回転に抗して固定」されている。
【0015】
図1を参照すると、薬剤注射デバイス100は、デバイスの内部構成要素を支持する外側ハウジングを含む。ハウジングは、後方もしくは主ハウジング102と、前方もしくはカートリッジハウジング104と、を有するものとして示されている。主ハウジング102は、デバイスの駆動アセンブリを保持するように構成されており、そのアセンブリは、記載されるように厳密にユーザが動力を与える機械的アセンブリであるが、代替的な実施形態では電動アセンブリであり得る。カートリッジリテーナとしても知られているカートリッジハウジング104は、デバイスの動作によって送達される薬剤で充填されたカートリッジ106を保持するように構成されている。図2を参照すると、カートリッジリテーナ104は、カートリッジリテーナ104の近位端部にあるリング部分116上の内部ねじ山114と噛み合う主ハウジング102の突出したカラー部分112上の外部ねじ山110を介して、主ハウジング102に着脱可能に接続可能または装着可能である。バヨネット嵌合、または追加のラッチ構成要素の使用など、ねじ山110および114以外の好適な着脱可能な接続要素が当技術分野で知られており、当然ながら、用いることができる。
【0016】
カートリッジリテーナ104は、カートリッジ106を取り外し可能に受容するのに適した内部中空部105を含み、これによって、カートリッジがその中に挿入され、次に、使い尽くされて同様の設計の新しいカートリッジと交換されるときにそこから取り外される。カートリッジリテーナ104の開口部118は、カートリッジの内容物の可視性を可能にする。カートリッジリテーナ104の外部に設けられた戻り止め機構120は、図2に示されているように、針アセンブリ125(図1に示される)がカートリッジリテーナ104に取り付けられていないときに、保護キャップ121をカートリッジリテーナ104上に着脱可能に装着することを可能にする。カートリッジリテーナ104は、本明細書では再使用可能な構成要素として記載されているが、カートリッジリテーナ104は、カートリッジ106と一体化することができ、したがってカートリッジ106と共に使い捨て可能であり得る。
【0017】
薬剤カートリッジ106は、摺動可能なプランジャまたはピストン132によって一端部が封止され、クリンプリング136によって保持された隔壁134によって他端部が封止された薬剤で充填された内部リザーバを有するバレル130を含む従来の設計のものである。
【0018】
カートリッジリテーナ104の外部ねじ山遠位端部122に着脱可能に装着可能な針アセンブリ125は、そのように装着されたときに、隔壁134を突き刺す。針がそこを通して延在する突き刺された隔壁は、バレル130のリザーバ内の薬剤の分注中に出口として機能を果たし、薬剤は、デバイス100の動作によって針アセンブリ125を通して送達される。カートリッジ106は、デバイス100の目的に応じて、複数回の薬剤の投与量、またはさらには1回の投与量を保持することができる。
【0019】
薬剤注射デバイス100は、図1~2で、デバイスが任意の投与量の送達のために設定されていない「ゼロ位置」に示されている。このゼロ位置設定は、例えば図1に示される電子線量ディスプレイ140上に見えるように、デバイス上のどこかの数字「0」またはゼロによって示されてもよい。デバイス100は、例えば送達用に30単位などの投与量を設定するように操作された後に配置され、「30」または30という数字は、例えばディスプレイ140などのデバイス上のどこかに見えるであろう。
【0020】
薬剤注入デバイス100は、概して160で指定される駆動部材の前方または遠位への前進を制御する、概して150で指定される手動動力投与量送達機構を含む、多くのそのような再使用可能なデバイスの典型である。駆動部材160は、カートリッジバレル130内を前進して、プランジャ132に直接係合し、かつプランジャ132を前進させる。図2に示されるように、投与量送達機構150は、主ハウジング102内に収容された、概して156で示される機械的駆動アセンブリに駆動スリーブまたはチューブ154を介して接続された、投与量ノブ152を含む。ユーザがノブ152を回して注射用の投与量を設定するときに、投与量ノブ152およびチューブ154は、主ハウジング102から近位に一緒にねじ込まれる。ユーザが、投与量ノブ152の近位端部158に遠位の押し込み力を加えるときに、結果として生じる投与量ノブ152およびチューブ154の軸方向前方に向かう主ハウジング102への単純な並進軸方向運動は、駆動アセンブリ156によって、主ハウジング102からカートリッジバレル130の内部へと前方に向かう駆動部材160のより小さい運動に変換される。
【0021】
一例では、駆動部材160は、カートリッジプランジャ132に直接係合する前方端部163と、前方端部163から主ハウジング102内に軸方向後方に延在するシャフト165と、を含む、2つの部品で形成される。シャフト165はねじ留めされており、かつ駆動アセンブリ156と係合して、主ハウジング102からねじ込まれ、それによって前方に駆動される。シャフト165は、ハウジング隔壁168と螺合するように示されている。ハウジング隔壁168は、主ハウジング102と一体的に示されているが、別の例では、別々に形成されて、それに固定して取り付けられてもよい。前方端部163は、シャフト165がねじ込まれるときに、脚部163が、それらの間の相対的な回転なしにプランジャ132に係合することを可能にする相対的な回転を可能にするように、シャフト165に装着された拡大径の脚部の形態で設けられる。前進中にシャフト165がハウジングからねじ込まれるとき、脚部163およびシャフト165は、駆動部材160の二部品構造であり得る。別の例では、駆動部材の脚部およびシャフトは、ハウジングから前方に押し出されるときに単純に並進するための単一部品駆動部材であり得る。
【0022】
デバイス100は、他の多くの再使用可能な注射デバイスで使用されているような螺旋状にマークされたダイヤルディスプレイではなく、示されるような電子線量ディスプレイ140を使用することができる。ディスプレイ140は、主ハウジング102内に装着された電子コントローラまたは演算アセンブリ170によって回路接続(circuited)され、かつ制御される。コントローラ170は、例えばプロセッサ、電源、メモリなどの従来の構成要素を含むことができる。コントローラ170は、設定投与量の表示を引き起こすことを含む、デバイス100の電子的機構を達成するようにプログラムされている。ディスプレイ140に表示される設定投与量は、投与量送達機構150と、概して402で示される、コントローラ170と電気的に回路接続されている感知システムとの相互作用によって決定される。コントローラは、アクチュエータに対する投与量設定部材の検出された回転に基づいて薬剤送達デバイスによって送達される投与量を検出することを含む、本明細書に記載される動作を実行するように動作可能な制御論理を含む。コントローラは、それぞれのセンサ帯および回転数から、データベース、ルックアップテーブル、またはメモリに格納された他のデータからの正確な位置および/もしくは絶対位置までの電気的特性(電圧もしくは抵抗など)を関連付けることによって決定されるそれぞれの構成要素の回転位置および/もしくは線形位置に基づいて、投与量ダイヤルなどの投与量設定部材の位置を決定することによって投与量設定を決定するように動作可能である。コントローラは、それぞれのセンサ帯および回転数から、データベース、ルックアップテーブル、またはメモリに格納された他のデータからの正確な位置および/もしくは絶対位置までの電気的特性(電圧もしくは抵抗など)を関連付けることによって決定されるそれぞれの構成要素の回転位置および/もしくは線形位置に基づいて、投与量ダイヤルなどの投与量設定部材の位置を決定することによって投与量送達を決定するように動作可能である。コントローラは、検出された投与量をローカルメモリ(例えば、内部フラッシュメモリまたはオンボードEEPROM206)に格納するように動作可能である。コントローラは、さらに、検出された投与量を表す信号を、Bluetooth低エネルギー(BLE)または他の好適な短距離もしくは長距離無線通信プロトコルを介して、ユーザのスマートフォンなどの一対の遠隔電子デバイスに無線送信するように動作可能である。例示的に、BLE制御論理およびMCU200は、同じ回路上で一体化されている。
【0023】
さらに図3~7を参照すると、デバイス100で使用され、かつ使用者によって投与量が設定されるとデバイス100の1つ以上の回転可能な部材(2つの部材が示される)に連結するための感知システム175の別の例において、投与量ノブ152をハウジング102から外にねじ込むことは、そのような設定投与量に比例して相対的に回転可能である。デバイス100の構成、特に駆動アセンブリ156に応じて、感知システム175が連結されているデバイス100の回転可能な部材もまた、投与量ノブ152の押し込み動作によって送達される投与量に比例して各々に対して回転可能であり得、その場合、感知システム175をさらに送達投与量の決定に使用することができる。代替的に、設定される投与量の代わりに送達される投与量が感知される別の実施形態では、感知システム175は、投与量送達中に送達される投与量に比例して相対的に回転可能であるか、投与量設定中に2つの部材が相対的に回転しない、デバイス100の1つ以上の回転可能な部材(2つの部材を示す)に連結されることによって送達される投与量を感知するように位置付けられる。
【0024】
感知システム175は、それが連結されている1つ以上の回転部材(図2に示されるバレル200および駆動スリーブ205などの第1および第2のデバイス部材)の相対的な回転位置を検出するように動作し、かつそのような相対的な回転位置に相関する出力を生成する。図3では、感知システム175は、センサ180(1つ以上の感知帯260を含むように示される)と、1つ以上のワイパー(ワイパー185として示される)と、を含む。ワイパーとセンサとの組み合わせの様々な実施形態を本明細書に記載する。ワイパーとセンサとの組み合わせの数は、デバイスの駆動機構および/または投与量設定および/もしくは投与量送達を決定するのに必要とされる駆動機構からの情報の種類によって変わり得ることが留意される。一例では、投与量設定または投与量送達の一方のみである場合、デバイス100は、ダイバー機構構成要素、すなわち本明細書に開示されるもののうちのいずれかに連結された、単一のワイパー、すなわち本明細書に開示されるワイパーののうちのいずれか1つと、ワイパー位置を感知するために好適に置かれたセンサと、を含み得る。例えば、デバイス100では、センサ180は、ハウジングまたはハウジング構成要素に連結され、ワイパー185は、デバイス使用の選択された時間にハウジング内部で回転する駆動アセンブリ156の一部に連結される。センサ180は、代替的に、1つ以上の中間構成要素を介してハウジングに連結することができ、さらに代替的に、ハウジングに対して回転しないが軸方向に自由に移動するように直接または間接的のいずれかでハウジング102に連結することができる。ワイパー185は、デバイスの使用中にバレルと共に軸方向に移動するように構成されてもよく、センサ180は、ワイパーおよび感知帯が感知のために整列するように、ハウジング102に回転可能に固定して、かつ軸方向に移動可能に装着される構成要素に直接取り付けられてもよい。
【0025】
一例では、感知システム175は、設定投与量に比例して相対的に回転可能であり、注射または送達投与量に比例して相対的に回転可能である、デバイス100の選択部材に連結される。一例では、回転部材は、管状構成を有するシャーシハウジング210内で同軸に位置決め可能である管状バレル200および駆動スリーブ205を含む。シャーシハウジング210は、感知システムの一部分を受容するようにサイズ決めされた側壁開口部215によって駆動スリーブ遠位部分214から軸方向に分離されたバレル近位部分212を含む。シャーシハウジング210は、駆動スリーブ205とねじ留め可能に係合されるチューブ154の上に同軸に位置決めされ、かつ摺動可能に係合されるバレル200を受容するようにサイズ決めされた長手方向の孔216を含む。一例では、バレル200の近位内面は、駆動スリーブ205の外部ねじ山近位部分220と係合可能な内部ねじ山219を有するチューブ154上に嵌合する。駆動スリーブ205の非外部ねじ山遠位部分222は、バレル200の遠位内面に沿って、かつバレル200を越えて遠位に側壁開口部215を通して駆動スリーブ遠位部分210内へと軸方向に延在する。
【0026】
センサ装着アセンブリ225は、側壁開口部215内に、かつシャーシハウジング210のバレル部分212および駆動スリーブ部分214に対して軸方向に隣接して嵌合するようにサイズ決めされる。センサ装着アセンブリ225は、センサ180と、管状構成へと画定された側壁228を含むセンサ装着部226と、を含む。側壁228の一部分は、センサ180を受容するようにサイズ決めされた受容開口部230、ならびに省略された部分にわたって嵌合する蓋を画定するために省略される。バレル200の近位端部を越えて延在する駆動スリーブ205の延長された遠位部分222は、センサ装着部226の内腔232およびセンサを通して嵌合する。センサ装着アセンブリ225は、以下に記載されるように、ワイパーおよび/またはベアリング構成要素を含み得る。
【0027】
バレル200は、チューブ154と共に回転するが、それに対して軸方向に移動可能であるようにキー止めされたスリーブである。駆動スリーブ205は、チューブ154の内部ねじ山219によって係合される外部ねじ山220を含む。駆動スリーブ205の内部軸方向中空部234は、その中にねじ留めシャフト165をねじ留め可能に受容する。駆動スリーブ205とねじ留めシャフト165との間の図示されないキー止めは、シャーシハウジング210内での駆動スリーブ205の回転がシャフト165の対応する回転を引き起こし、それがそのシャフトを軸方向に前進させてデバイス100から薬剤を放出することを意味する。
【0028】
投与量設定中、ノブ152およびチューブ154がデバイスハウジングから近位軸方向に一緒に軸方向にねじ出されるように回されると、バレル200は、回転の長手方向軸235の周りでハウジング内で回転し、駆動スリーブ205は、デバイスハウジング102と駆動スリーブ205との間の図示されないスプライン接続のために回転軸235の周りで回転しない。
【0029】
投与量ノブ152が投与量を送達するために使用者によって押し込まれると、その押し込みは、外部ねじ山222にあるチューブ154によって送達される軸方向力のために、駆動スリーブ205の遷移並進移動を最初に生じさせ、これが、スリーブフランジによってバレルに送達される軸方向力のために、バレル200の遷移並進移動を引き起こす。バレル200にスプラインで固定されたばね付勢型のハウジング係合投与量クリッカー(図示せず)を克服するのに必要なトルクは、ねじ山222で生成されるトルクよりも大きいので、この遷移移動は、チューブ154およびバレル200を回転させない。図示されないクリッカーばねによって提供される抵抗軸方向力に抗して生じるこの並進移動は、デバイスハウジングと駆動スリーブ205との間の図示されないスプライン接続を解放しながら、バレル200のスプライン240を、図示されない相補的なハウジングスプラインと係合させるように軸方向に移動させる。使用者が投与量ノブ152をさらに押し込むと、駆動スリーブ205が回転し、それによってシャフト165が回転軸235の周りで回転し、薬剤が放出されるが、バレル200は、ハウジングとのそのスプライン接続のために回転軸の周りで回転しない。
【0030】
センサ180は、接着剤などで、センサ装着部226の内部円周方向および半径方向内向きに面する表面250に直接取り付けられてもよいし、または代替的にハウジング102もしくはシャーシハウジング210などのハウジング構成要素に沿って取り付けられてもよい。センサ180は、その角度的に延在する動作長さに沿ってそれがワイパー185によって直接接触される場所に基づいて電気出力を生成するように構成されている。センサ180は、回転軸235の周りで湾曲形状にセンサ装着部226内に配置され、センサ180は、ワイパー185の半径方向外向きに配設されている。センサ180は、ハウジングの内周の全360度にわたって延在し、かつ回転軸を完全に囲むように、環状の形状であり得る。
【0031】
センサ180は、残留応力を除去するためにデバイス100内での組み立てを容易にするために湾曲形状に製造された膜電位差計を含み得る。1つの好適な感知帯は、Tekscan Incorporatedから入手可能である。一例では、センサ180は、スペーサ要素を挟む第1および第2の基板またはバッキングストリップならびに第1および第2の電気ストリップを含む。基板およびスペーサは、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの電気的に非伝導の柔軟なプラスチック、またはKaptonなどのポリイミドフィルムから作製され得る。代替的に、スペーサは、スクリーン印刷などの手段によっていずれかの基材上に直接堆積された印刷材料であり得る。スペーサは、ワイパーによって加えられる十分な力がない場合に電気ストリップを離して保つ機能を果たすことができ、ワイパーはまた、基板を一緒に接続するための接着特性を有し得る。基板およびスペーサの外縁部は、センサ180の外部を形成することができ、それらの周辺領域に沿って一緒に封止されると、ストリップを保護的に包み込む。ストリップは、基材および/もしくはスペーサに固定されていてもよく、または別様に、スクリーン印刷など、例えば基材に直接、形成することができる。
【0032】
中立状態にあるときの電気ストリップは、スペーサの介在のために、離間した関係でセンサ180内に保持される。センサ180がデバイス100内でその湾曲構成にあるとき、ストリップは、他のストリップの半径方向内向きに配設され、外部力がないとストリップは半径方向に離間され、その結果、それらの間に電気的接続が生じない。この半径方向に離間した関係では、ストリップは、スペーサ内の中央のスロット形状の開口部を通して互いに直接面している。図示されない誘電体突起を開口部内の電気ストリップのうちの1つ上に設けて、ストリップがワイパーによって誘導された移動がない限り、そのように半径方向に離間されたままであることを確実にすることもできる。そのような突起は、水玉パターンに配置された個別の隆起部、ストリップの幅にわたって軸方向に配向され、かつストリップの長さに沿って互いに離間された平行なリブ、そのストリップの幅にわたってストリップの幅に対してある角度で配向され、かつストリップの長さに沿って互いに離間された平行なリブ、またはストリップの長さにわたって円周方向に配向され、かつストリップの幅に沿って互いに離間された平行なリブなどのストリップの半径方向の離間を維持する任意の好適なパターンで、スクリーンまたはジェット印刷などによって提供され得る。
【0033】
第1の電気ストリップは、第1の角度端部と第2の角度端部との間に延在する、そのストリップ長さに沿って直線的に変化する電気抵抗を有する電気抵抗要素として動作可能である。第1の電気リード線は、第1のストリップの端部に回路接続され、かつそこから延在しており、第2の電気リード線は、第1のストリップの端部に回路接続され、かつそこから延在している。第2のリード線は、第2のリード線に平行なリード端部まで電気ストリップ側近くに配線され、これにより、センサ180とデバイス回路との電気的接続が容易になる。他の電気ストリップは、銀、銅、または金などから作製される、第1の角度端部と第2の角度端部との間に延在する長さを有する、非常に低い電気抵抗を有する導体要素として動作可能である。第2のストリップの第1の電気リード線は、第2のストリップの端部に回路接続され、かつそこから延在している。リード線は、そのような基板の長さに沿って角度方向に延在する基板の延長部に位置付けられるが、代替的な実施形態では、そのようなリード線は、代替的または追加的に、基板から横方向もしくは軸方向に延在するように配線されて、電気的接続を容易にすることができる。
【0034】
第2のストリップは、その長さに沿って十分に可撓性であり、それがワイパー185によって基板を通して作用される点で、半径方向外向きのその撓みが第1の電気ストリップと直接物理的かつ電気的に接触することを可能にする。このワイパーは、第2のストリップをその半径方向外向きに撓ませる圧縮を引き起こし、その結果、第1の電気ストリップと第2の電気ストリップとの間に電気的な接触を生じさせることによってワイパー185をセンサ180に動作可能に係合させるが、ストリップは別様に、半径方向に離間されたままの状態である。ワイパーが接触している間(接触していないときは、センサは値を生み出さない)、第2のストリップの電気リード線と第1のストリップのリード線との間の抵抗は、角度端部と第1および第2のストリップ間の接触点との間の距離と共に直線的に変化する。第2のストリップの電気リード線と第1のストリップの他方の電気リード線との間の抵抗は、第2の角度端部とストリップ間の接触点との間の距離と共に直線的に変化する。第1のストリップの電気リード線間の抵抗は、第2のストリップのリード線と第1のストリップの第1導線との間の電気抵抗と、第2のストリップのリード線と第1のストリップの第2のリード線との間の抵抗との和に等しい。代替的な実施形態では、抵抗要素の第1のストリップが、ワイパー係合による撓みを可能にするために導体要素の第2のストリップと同様の可撓性特性を有することができるという条件で、センサ180は、抵抗要素の第2のストリップを胴体要素の第1のストリップの半径方向内向きにさせるように構成され得る。
【0035】
センサ180の第1および第2のストリップの線形整列は、センサ180の有効動作感知帯260を画定する。感知システム175に充てられたデバイス100内の軸方向空間の使用を最小にするために、感知帯260は、回転軸235の周りに正確に円周方向に巻き付けられる。代替的に、帯260は、帯260が螺旋として配置されるようにその端部を軸方向にずらすことができる。感知帯260は、電気ストリップが存在し、かつワイパー185によって引き起こされる半径方向の撓みによって電気的な接触をもたらすことができる感知帯260のその角度動作長さに沿った任意の点でワイパー185を感知するように動作可能である。感知帯260は、ワイパー185との物理的な接触のために、その角度動作角度に沿ってそれが動作可能に係合される場所と相関する電気的特性を有する。感知が有効である感知帯260の角度動作長さは、帯260を巻き付けるための回転軸235の周りで360度未満である。結果として、動作角度長さは、ハウジングの内周の周りで360度未満、特に360度からスペーサ端部領域339が及ぶ内周の部分を引いた長さで延在する。1つの好適な作動長さは、180~200度の範囲内であり得、他の例では、動作角度長さにおいて185~190度の長さを使用してもよい。図示されるように、センサ180は、軸235に沿って互いに軸方向に離間して配設された複数の感知帯(感知帯260A~D)を含み得る。
【0036】
ワイパー185は、駆動アセンブリ156の一部の外側半径方向表面に、接着剤などで機械的に連結されるか、またはそれと一体的に形成されることによって、直接取り付けられ得る。別の例では、ワイパー185は、駆動アセンブリ156の一部と連結された構成要素であり得る。駆動アセンブリ156は、様々な形態をとることができるが、典型的には、複数の相互作用部分を伴い、ワイパー185は、センサ180への直接接触アクセスを有するように、このアセンブリの回転可能な部分上に位置付けられて示される。
【0037】
感知システムは、図示されるようにバレルの端部に連結するようにサイズ決めされた第1のサブアセンブリを形成するバレルワイパーおよびバレルセンサと、ドライブスリーブの延長部分の周りに嵌合するようにサイズ決めされた第2のサブアセンブリを形成する駆動スリーブワイパーおよび駆動スリープベアリングと、を含み得る。一例では、ワイパー185は、支持体296と、支持体296から回転軸235に沿って長手方向に突出するアーム298と、を含む。例えばアーム298の端部または先端部などのアーム298の一部分は、センサ180の感知帯260と接触し得る。一例では、タブ300をアーム298の自由端部302に連結して、接触先端部を形成し得る。タブ300は、アームおよびタブに対して半径方向外向きに配設された感知帯260と接触するために、アーム298から半径方向外向きに突出し得る。自由端部302に沿って示されるタブ300は、帯の円周方向範囲に沿って感知帯260と摺動係合するための正確な接触点を提供する、丸い頂点または外向きに面する凸面を有し得る。ワイパーアーム298は、軸235と平行に軸方向に延在する長さを有することができ、その長さの周りで、ワイパーが突出する駆動アセンブリ156の一部が回転する。電流がそれを通して配線されないので、ワイパー185は、シリコーンのような熱可塑性エラストマーなどの電気的に非伝導の材料で全体的に形成され得る。本明細書に使用される「ワイパー」という用語は、例えば、アームおよび/もしくはタブ、またはワイパー本体の任意の部分など、ワイパーの任意の部分を指すことがある。この目的のために、支持ワイパー本体296は、第1および第2のワイパーを含むことができ、これは、2つの半径方向に突出した部分(図ではアーム/タブ構成として示される)を指す。
【0038】
ワイパー支持体296は、外側半径方向表面と内側半径方向表面とを含むディスク本体を含み得る。アーム298の連結端部304は、図示されるように、その内側半径方向表面から延在するように本体296に連結され得る。一例では、ワイパーは、ワイパー支持体296と本体の内側半径方向表面から長手方向に延在する一対のアーム298とを含む一体的構成要素として形成される。アーム298は、本体296の両側に配設置され得る。半径方向切り欠き305は、アームの場所に対応する場所でワイパー支持体296に沿って配置され得る。半径方向切り欠き305は、外側半径方向表面から本体296の中間区分へと半径方向に形成することができる。半径方向切り欠き305は、例えば図示されるような正方形切り欠きなどの様々な形状およびサイズを有し得る。いくつかの例では、半径方向延長部307は、切り欠き305の場所に対応する内側半径方向表面に沿って画定され得る。そのような半径方向延長部307は、駆動アセンブリ構成要素と連結するようにサイズ決めおよび成形され得る。代替的に、ワイパー185は、図示されるようにアーム298を有しない一点接触であり得る。ワイパーは、感知帯260内で抵抗ストリップの軸方向に延在するように幅を広げる必要はない。ワイパー185に軸方向長さを設けることは、デバイスの設計内の公差ならびにセンサ180およびハウジング102に対するワイパー185のデバイス内の軸方向運動の両方を説明することができる。
【0039】
アーム(複数可)298および/もしくはタブ300の半径方向の広がりは、センサ180と駆動アセンブリ156との間のハウジング内部内の環状空間もしくは間隙に及ぶようにサイズ決めおよび成形されている。ワイパー185のタブ300は、少なくとも最小の適用力を提供し、それによって以下にさらに記載されるように感知帯260と動作可能に係合するのに十分に半径方向外向きに突出する。そのような力は、焼き戻しのような材料の選択および処理、ならびにワイパーおよびワイパーアームおよび/またはタブの幾何学的形状ならびにその中のその残留圧縮によって製造業者によって制御され得る。駆動アセンブリ156の全ての動作角度位置でのセンサ180、およびそれによってハウジング102に対するワイパー185との適切な係合をよりよく確実にするために、ワイパー185は、駆動アセンブリ156から半径方向外向きに付勢され得る。このような付勢力は、ワイパー185、アーム、および/またはタブを、熱可塑性エラストマーまたはブチルゴムなどの耐久性があるが弾性のある材料から好適な硬度計で形成することから生じる材料の弾力性によって提供され得る。付勢力は、さらにまたは代替的に、アームおよび/もしくはタブの形状(板ばね構成など)またはワイパー185と駆動アセンブリ156との間で半径方向に作用する追加のばね要素によって提供され得る。さらにまた、感知帯の外側半径方向周辺とハウジングの半径方向内面との間に半径方向に作用するようにばね要素を置くことなどによって、感知帯260の半径方向内向きへの付勢を代替的または追加的に行うことができる。
【0040】
ワイパー185およびセンサ180は、相対的な回転位置を感知するように能動的であるときに半径方向に整列している。例えば、駆動アセンブリ156が、感知システム175が使用されない1つの状態から感知システム175が使用される第2の状態へと軸方向に移動する、デバイスの実施形態では、ワイパー185およびセンサ180は、使用されていないときに軸方向に離間され得る。
【0041】
ワイパー185は、サブアセンブリを形成するためのベアリング310を含み得る。ベアリング310は、回転キーと軸方向クリップとの組み合わせまたは他の好適なシステムなどを用いて、回転可能および軸方向の両方で、対応する駆動アセンブリ構成要素にしっかりと接続するように構成されている。ベアリング310は、対応する駆動アセンブリ構成要素を受容するための軸方向の孔を有する環状形状の本体を含む。図6を参照すると、ベアリング310は、しっかりと取り付けられるように、バレル200の遠位端部200Aから延在する、軸方向に延在する半径方向タブ315を受容するようにサイズ決めおよび成形されたベアリング310の内側半径方向表面313に沿って形成された軸方向切り欠き312を含む。ワイパー185は、回転キー機構の組み合せによって、かつ/または接着剤結合によって軸方向にベアリング310にしっかりと連結されている。一例では、ベアリング310は、ワイパーをベアリングに回転可能に係止し、かつしっかりと固定するために、ベアリングの外側半径方向表面に沿って形成された平坦な切り欠き表面316を含み得る。ワイパーアーム298は、アームが平坦な表面316に沿って配設されるように、ベアリングの近位端部を越えて軸方向に突出するように構成されている。図3に示されるもの以外の他のワイパー形状を使用して、センサ180を作動させることができる。そのような追加のワイパー形状は、丸い突起、またはセンサ180との転がり接触をもたらすジャーナルディスクもしくは円筒を含む。
【0042】
一例では、ワイパー185およびベアリング310は、図6に示されるように、バレルワイパーおよびバレルワイパーベアリングサブアセンブリを画定するようにバレル200と関連付けられる。バレルワイパーベアリング310は、回転キーと軸方向クリップとの組み合わせ、または他の好適なシステムなどを用いて、バレル200に回転可能および軸方向の両方でしっかりと接続されている。2つのアーム298および/またはタブ300を含むバレルワイパー185が示されており、したがってセットの1つの感知帯260A用の単一の構成要素の1つのワイパー要素298、およびバレル200の回転位置を感知するセットの第2の感知帯260B用の別の個別のワイパー298として機能する。一対のアーム298は、実質的に180度(すなわち、180度±10度の範囲内)などで、ワイパーの両側に配設され得る。一例では、バレルワイパー本体296は、180°対向した2つの板ばね延長アームを有するディスク形状の本体を有し、センサ接触タブ300は、半径方向外向きに方向付けされている。第1のアーム298の第1のタブ300は、一対のアームの第2のアーム298の第2のタブ300から軸方向にずれていてもよい。一例では、アーム298の各々が、長手方向に異なる長さまで延在することができる。一例では、アーム298は、タブ300が(図7に示されるように)軸方向にずらすように異なる長さまで軸方向に延在し、そのため、各タブは、感知帯セット260A、260Bの単一の感知帯と別々に対応する。バレルワイパータブ300は、対応する感知帯に半径方向外向きに力を加え、それによって、感知帯260A、260Bをその長さに沿った距離で、バレル200の角度回転位置と相関する距離で作動させる。
【0043】
第2のワイパー要素を有するデバイスの場合、第2のワイパー320を含めることができる。第2のワイパー320は、駆動アセンブリ156の一部の外側半径方向表面に、接着剤などを用いて、機械的に連結されることによって、またはそれと一体的に形成されることによって、直接取り付けられてもよい。別の例では、ワイパー320は、駆動アセンブリ156の一部と連結された構成要素であり得る。駆動アセンブリ156は、様々な形態をとることができるが、典型的には、複数の相互作用部分を伴い、ワイパー320は、センサ180への直接接触アクセスを有するように、このアセンブリの回転可能な部分に配設されて示される。第2のワイパー320は、アーム322およびタブ300などのワイパー185の機構を含み得、ワイパー185についての機構の記載は、第2のワイパー320にも採用される。しかしながら、第2のワイパー320のアーム(複数可)322は、近位方向に延在しており、ワイパー185のアーム298は、互いに反対方向を向くように、反対方向に遠位方向に延在することが留意される。各ワイパーのアーム298、322は、デバイスの同じ軸方向円周方向領域に沿って示されているが、アームは、互いに円周方向にずれていてもよい。また、タブ300、324が軸方向にずれているとき、長い方のアームが円周方向にずれている、すなわち、長い方のアーム322が図示されるように頂部にあり、長い方のアーム298が図示されるように底部にあることが留意される。
【0044】
第2のワイパー320は、サブアセンブリを形成するための第2のベアリング326を含み得る。一例では、図5に示されるように、ワイパー320およびベアリング326を駆動スリーブ205と関連付けて、駆動スリーブワイパーおよび駆動スリーブワイパーベアリングサブアセンブリを画定する。ベアリング326は、回転キーと軸方向クリップとの組み合わせまたは他の好適なシステムなどを用いて、回転可能および軸方向の両方で、対応する駆動アセンブリ構成要素にしっかりと接続するように構成されている。ベアリング326は、対応する駆動アセンブリ構成要素を受容するための軸方向の孔を有する環状形状の本体を含む。図5を参照すると、ベアリング326は、しっかりと取り付けるために駆動スリーブ205の外側表面に沿って延在する半径方向キー332を受容するようにサイズ決めおよび成形された、ベアリング326の内側半径方向表面330に沿って形成された軸方向切り欠き(図示せず)を含み得る。代替的に、またはそれに加えて、ベアリング326は、ベアリングの近位端部326Aから延在して、駆動スリーブ205の外側表面から延在する半径方向突起336と協働的に係合する可撓性フィンガーラッチ334を含み得る。フィンガーラッチ334は、ワイパー/ベアリングと駆動スリーブとの間の相対的な回転および軸方向の移動を阻止するように動作可能である。ワイパー320は、回転キー機構の組み合わせによって、かつ/または接着剤結合によって軸方向にベアリング326にしっかりと連結される。一例では、ベアリング326は、ワイパーをベアリングに回転可能に係止し、かつしっかりと固定するためにベアリング326の外側半径方向表面に沿って形成された平坦な切り欠き表面335を含む。ワイパーアーム322は、アームが平坦な表面335に沿って配設されるように、ベアリング326の遠位端部を越えて軸方向に突出するように構成されている。
【0045】
図7は、例示的な実施形態に従って一緒に組み立てられた、第1および第2のワイパー185、320、第1および第2のワイパーベアリング310、326、ならびにセンサ180の断面図を例示的に図示する。第1のワイパー185は、2つの接触タブ300を有し、したがって、そのセットの1つの感知帯260A用の第1のタブ300と、別の感知帯260B用の第2のタブ300と、を有する単一のワイパー要素として機能する。第2のワイパー320は、2つの半径方向外向きの接触先端部324を有し、したがって、そのセットの1つの感知帯260C用の第1の先端部324と、別の感知帯260D用の第2の先端部324と、を有する単一のワイパー要素として機能する。180°ずらされた先端部は、デバイス内で軸方向にずらされているので、各先端部は、感知帯セットの単一の感知帯に対応する。ワイパー先端部は、対応する感知帯に半径方向外向きに力を加え、それによって駆動スリーブの角度位置と相関するその長さに沿った距離で感知帯を作動させる。例示的な実施形態では、所与のワイパー感知帯の組み合わせまたはセットに対して、ワイパーと感知帯との間の相互作用が180°をわずかに超えて起こり(帯またはセンサアークが180°を超え、ワイパーばね予荷重が湾曲区分を越えて小さい部分に対する接触を維持することのために)、したがって、両方のワイパーが接触しているハンドオーバー期間があり、したがって信号は「常にオン」である。セットの各感知帯は、コントローラへの独立した出力を生み出し、したがって、コントローラソフトウェアがハンドオーバー期間を取り扱うのに十分なデータがある。図8は、ワイパーセットの上方角度位置(例えば、軸方向にずれたタブ324)および感知帯の対応するセット(260C「センサトラックA」、260D「センサトラックB」)の予想される出力信号を例示する。図8は、例示のためにオーバーラップまたはハンドオーバー期間(OLとラベル付けされる)を誇張しており、かつ通常のハンドオーバー位置の一方の側で45度である(典型的には、180度離間している)90度のオーバーラップであるものとして示されている。信号は、デバイス動作中のハウジングに対する、バレルまたは駆動スリーブなどの感知された要素の810度の回転について示されている。一例では、対応する一対の感知帯と接触する一対の半径方向に突出するワイパーを有するワイパーアセンブリは、対応する感知帯と接触するワイパーのうちの少なくとも1つを有することによって、オーバーラップまたはハンドオーバー期間に対応するための関連デバイス構成要素の完全な回転(360度)の検出を可能にする。
【0046】
一例では、第1および第2のベアリング310、326は、センサ装着部226上の対応する円筒状ベアリング面と噛み合う外側円筒状ベアリング面を含む。センサ装着部226は、対応するベアリング構成要素を介して駆動スリーブ205およびバレル200によって支持されてもよい。これにより、センサ装着部とセンサに対する順次のワイパーの真の走行を促進する。第1のワイパー185および第2のワイパー320は、センサ装着部226に抗するスラストベアリングとして作用する、ディスクワイパー本体によって形成された外側フランジを組み込んでもよい。この目的のために、センサ装着部226は、2つのワイパー185、320の間に「閉じ込められ」、すなわち軸方向に拘束され、それにより、センサ装着部226は、ダイヤル投与量設定と注射薬剤送達モードとの間のデバイス遷移においてシャーシハウジング210またはハウジング内で一緒に軸方向に移動するときに駆動スリーブ205およびバレル200の軸方向運動を追跡する。センサ装着部226が駆動スリーブ205およびバレル200と共に軸方向にそのように移動すると、センサ180上のセンサ180の感知帯260A~Dは、駆動スリーブ205およびバレル200と共に軸方向に移動するように拘束されて、それらのそれぞれの感知帯とのワイパーの整列を維持する。コントローラ170(図2)は、感知帯260A~Dからそれぞれ、第1、第2、第3、および第4の電気信号出力を受信するように構成されている。デバイスコントローラは、感知帯の角度長さに沿って第1および第2のワイパーのワイパー要素が動作可能に接触する場所を決定することができ、センサ装着部に対するバレル200および/または駆動スリーブ205の位置を感知することを可能にして、デバイスに対する投与量セットまたは投与量送達をコントローラによって識別することを可能にする。
【0047】
デバイスコントローラ170は、それぞれの感知帯260A~Dから受信された対応する電気信号からバレルおよび/または駆動スリーブの回転位置を認識する。バレルおよび/または駆動スリーブの回転の大部分の間、デバイスコントローラへの電気信号の大きさが、ワイパーの先端部がセンサ180の感知帯に係合する場所を反映する。例えば、ワイパーのワイパーアーム298のタブ300の一方がセンサ180の回転間隙(図4に示される)に入ると、感知帯、例えば帯260Aから外れ、他方のワイパーアーム298の他方のタブ300が、同時に他方の感知帯260Bと係合する。この変化された信号値、ならびにワイパーが感知帯260Bの角度的な長さに沿って移動するにつれてさらに変化するときのその信号の値は、ワイパーが感知帯260Bから移動する間にワイパーが再び感知帯260Aと係合するまで、コントローラ170がバレルおよび/または駆動スリーブ回転位置を認識することを可能にする。そのような設計では、関連する被感知部材の全ての可能な回転位置または角度位置について、少なくとも1つのワイパーのワイパーアームが感知帯と常に接触していると同時に、ワイパーが係合する被感知部材の特定の回転位置もあるであろう。このような特定の回転位置では、センサの電気的な構成に応じて、感知帯260A~Dのうちの1つがデバイスコントローラに送信する信号が、別様にそれらのそれぞれの経路と接触するワイパーによって送信される信号の平均である感知帯によって生成される出力信号など、コントローラに不確実性をもたらす可能性がある。この不確実性は、コントローラが既知の基準位置を解決することを可能にするために感知帯からの連続的な特性信号をコントローラに提供するために十分に大きい角度距離にわたるワイパーの能動回転を伴う初期化動作によってデバイスにおいて解決され得る。
【0048】
コントローラ170は、センサ180の感知帯260A~Dと電気的に回路接続されたマイクロプロセッサを含む。感知帯(複数可)からの電気信号出力は、マイクロプロセッサに到達し、かつ特にマイクロプロセッサが投与量設定中の主ハウジング102に対する駆動アセンブリ156の相対的な移動を決定することに基づいて、デバイス100の動作によって設定される投与量を識別するためにマイクロプロセッサによって処理される。1.8ボルト電源などの電源は、コントローラ170に電力を供給するためにデバイス100内に収容されている。入力リード線は、マイクロプロセッサと感知帯(複数可)との間に接続され、かつ抵抗要素ならびに/またはフィルタおよび増幅器などの信号プロセッサ要素を含むことができる。出力リード線は、マイクロプロセッサとインジケータおよび/または表示システムとの間に接続されてもよい。マイクロプロセッサによって受信された電圧信号がワイパーの抵抗要素の角度長さに沿って感知帯260A~Dの導体要素の撓みによって抵抗要素を接触させた場所に依存しているために、コントローラ170は、感知システム175によって感知された部材、すなわち駆動アセンブリ156およびハウジング102の相対位置を決定することができる。回路は、経時的に、または環境条件に起因して生じ得るセンサ180の感知帯の出力の任意の変動を補償するために使用され得るマイクロプロセッサへの異なる入力リード線に供給される差動電圧信号をもたらす。
【0049】
感知帯260A~Dの動作角度長が360度未満であると、ハウジングの内周の周りに感知間隙が生じる。この実施形態では、ワイパーが感知間隙よりも大きい角度長さを有していない限り、ワイパーの円周方向走行中に、ワイパー185の存在を感知システム175によって実際に感知することができない時間がある。コントローラ170は、ワイパー係合を出力しない感知システム175が感知間隙と整列されているワイパー185、322に対応することを理解するようにプログラムすることができる。そのようなプログラミングが望ましくない場合、または感知間隙が特定の用途に必要な角度分解能よりも大きい場合、代替的な感知システムを用いることができる。
【0050】
図示されていないさらに別の代替的な実施形態では、2つ、またはそれ以上の感知帯の感知円周方向間隙を軸方向に整列させることができる。しかしながら、ワイパー要素は、駆動アセンブリ156の異なる軸方向セグメント上に部分を有し、そのワイパー部分は、駆動アセンブリ156の周りに適切に角度的に離間されており、そのため、複数の感知帯の検出間隙と同時に係合することはない。
【0051】
他の送達デバイスは、その全体の内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,291,132号に開示されている、Eli Lilly and Company製のHumalog(登録商標)KwikPen(登録商標)と同等であり得る。投与量送達検出モジュールのさらなる詳細は、2016年7月15日に出願された、DOSE DETECTION MODULE FOR A MEDICATION DELIVERY DEVICEと題される、米国仮特許出願第62/362,808号、現在は、2017年7月7日に出願された、国際特許出願第PCT/US17/41081号から理解され、これら両方の全体の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。送達デバイスの別の例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「Automatic Injection Device With Delay Mechanism Including Dual Functioning Biasing Member」と題される、米国特許第8,734,394号に見出すことができる自動注射器デバイスであり、本明細書に記載される1つ以上の様々なセンサシステムでデバイスを修正して、薬剤投与デバイス内の相対的な回転および/または線形変位の感知に基づいて薬剤投与デバイスから設定および送達される薬剤投与量を決定する。
【0052】
図示される一例では、デバイスは、一対のワイパー185、320を有する一対または一セットの感知帯260A~Dを含み得る。デバイスの感知システム175は、膜電位差計の形態の感知帯260A~Dの対またはセットを使用するセンサ180を含み、これらの感知帯は、デバイス内にも示されるワイパー対と相互作用する。各ワイパー185、320は、その使用中に感知帯260A~Dのうちの1つのみと接触し得る。これらの電位差計は、他の実施形態に関して上記に記載されるように基本的な構成および挙動を有し得る。(感知帯は、機械的ワイパーによって活性化され、ワイパーが接触する帯に沿った距離に比例した電圧を生み出す、抵抗インクで印刷された別々の層を含み得る。)
【0053】
感知帯260A~Dの湾曲部分は、図示されるように180°など、少なくとも180°を覆う。センサのU字形状配置の基部を形成する湾曲部分は、直線構成で延在するか、またはU字形状の脚部を形成するフランジとして延在する、端部を有する。
【0054】
一例では、センサ180は、2つの要素の回転位置を感知するために、2対の帯として機能する4つの平行な感知帯260A~Dまたはトラックを組み込んでいる。各対の帯は、回転可能に感知される構成要素、すなわち、バレル200または駆動スリーブ205に対応している。各感知帯260は、湾曲部分の全角長さにわたって延在しており、かつ湾曲部分の半径方向内側の図において見ることができる。感知帯260A~Dはまた、フランジに沿って上向きに連続し、これは、ワイパー185、310による係合のための遷移領域として機能し得、かつ有効帯長さを増加させる。所与の対の帯(帯対260A~Bまたは帯対260C~D)内の帯は、合計が360度に及ぶ長さ+通常、ハンドオーバーまたは安全余裕度を有する。動作角度長さが185度~190度の各帯を有する帯対を使用することができ、その対の各帯は、回転部材もしくは回転可能に感知された構成要素の異なる軸方向セグメントの同じ、もしくは非角度的に互い違いの円周方向部分の周りの同じ角度距離に及ぶ。対の他方の帯の有効長さが十分に長い場合、帯は、180度延在する必要はない。同じ長さの帯は、設計の望ましい対称性を達成する。180度の湾曲センサ部分では、遷移領域の各々が、湾曲センサ部分の各端部で最大さらに20度のワイパー回転まで(または最大200度まで)、感知帯のワイパー係合を有効に可能にするように延在し得る。
【0055】
一例では、センサ180は、センサ電気入力(2×電圧供給)および出力(4×信号)のための電気的終端点を提供する2つの連続部、すなわち尾部を組み込んでいる。尾部は、センサアセンブリの別々の層上にあり、かつそこから延在しており、層間を架橋する必要性を回避する。終端は、コントローラのプリント回路基板(PCB)上のパッドと対応するように設計され、かつACF(異方性導電フィルム)または他の非はんだ付け手段を使用して電気的に接続されるパッドであり得る。はんだ付けは、概して、プラスチック基板の存在のために望ましくない。代替的に、終端は、可撓性PCBと共に従来から使用されている標準的なZIF(ゼロフォース)タイプのコネクタへの挿入用に設計されたパッドであってもよい。
【0056】
一例では、デバイスのセンサ装着部230は、単一の剛性U字形状センサ装着構成要素、すなわち「U字装着部」を含む。U字装着構成を有するセンサ装着部230は、センサをその形状で支持する。U字構成センサ装着部230は、センサを組み立て中に相対的に位置付けるためにセンサ180上の設置機構に対応する機械的設置機構を組み込んでいる。センサは、接着剤によってU字構成センサ装着部にさらに固定することができる。センサ装着部230は、シャーシハウジング210またはデバイスハウジングに対してセンサ装着部を回転方向に拘束するために使用される長手方向キーを組み込んでもよい。キーとは別に、センサ装着部230は、常にシャーシハウジング210と隙間を置いている。センサ装着部230は、シャーシハウジング230に対してデバイス内で軸方向に移動可能である。
【0057】
ここで図9~13を参照すると、概して402で指定され、かつ図2のデバイス100内に実装されて示される、感知システムを有する薬剤送達デバイス100の関連部分が示されている。デバイスの感知システム402は、デバイスの動作によって設定される投与量および/またはデバイスの動作によって送達される投与量を決定するように構成されている。
【0058】
図9は、感知システム175の機構のうちの1つ以上を組み込んだ、デバイスのための感知システム402のさらに別の例を(明確にするために一部分が省略されている)例示する。図10は、バレル200、その回転を機械的駆動列を介して薬剤を放出するために使用されるねじ山シャフト165(図11)に送達する駆動スリーブ205、およびシャーシハウジング210を含むデバイス100を図示する。ダイヤルスリーブまたはチューブ154、線形ワイパースリーブ425(線形ワイパーアセンブリ444が設けられている場合)、および投与量ノブ152も示されている。感知システム402は、バレル200と駆動スリーブ205とを組み合わせて示されている。
【0059】
感知システム402は、例えば、第1の回転ワイパーアセンブリ440(バレル200にしっかりと連結されて示される)および第2の回転ワイパーアセンブリ442(駆動スリーブ205にしっかりと連結されて示される)などの1つ以上の回転ワイパーアセンブリを含む。感知システム402は、軸方向にのみ移動する(小さい公差、例えば、1度未満内の回転を可能にする)ように構成された、(図2にも示されている)線形ワイパースリーブ425に連結された線形ワイパーアセンブリ444をさらに含み得る。線形ワイパースリーブ425は、ダイヤルチューブ154の軸方向の移動を追跡するように構成されている。線形ワイパースリーブ425は、図16に示されるスラストベアリングインターフェース445を介してダイヤルチューブ154と連結されてもよい。ダイヤルチューブ154は、投与量設定中の投与量ノブ430の回転中に回転するように構成され、かつ投与量送達中の投与量ノブ430の線形作動中に軸方向に遠位並進するように構成されている。投与量設定中、投与量ノブ430がデバイス100の一般的な端部から軸方向にさらに遠くに延在するにつれて、線形ワイパースリーブ425は、投与量ノブ430と共に近位に並進する。投与量送達中に投与量ノブ430が一般的なデバイスハウジング内に押し込まれるにつれて、線形ワイパースリーブ425は、投与量ノブ430と共に遠位に並進する。受容開口部230は、センサ180を受容するようにサイズ決めされており、かつ開口部230にわたって嵌合し、かつ側壁に取り付けられる装着蓋441によって包囲されている。駆動スリーブ205の延長された遠位222部分およびバレル200の遠位端部は、センサ装着部226の内腔232およびセンサ180の少なくとも一部分内に長手方向に嵌合する。センサ装着アセンブリ225は、それぞれの駆動スリーブおよびバレルに連結された、第1および第2の回転ワイパーアセンブリ440、442を収容するようにサイズ決めされている。
【0060】
図12A~12Eでは、第1の回転ワイパーアセンブリ440は、ワイパーアーム454の端部にタブ452を有するワイパー本体450と共に示されている。ワイパー本体450は、ワイパー本体450の両側に沿って配設された一対のワイパーアーム454および一対のタブ452を含んで示されている。一例では、タブ452は、軸に直交する中央平面CPの両側に沿って設置されている。タブ452は、アームから半径方向に延在する、例えば、円錐構成などの突出体である。ワイパー本体450は、遠位端部と近位端部(450A、450B)との間の軸の周りに配設され、駆動スリーブを延在させることができるようにサイズ決めされた貫通孔を画定する、円筒体を含み得る。ワイパーアーム454は、半弓形構成を有してもよい。一例では、各ワイパーアーム454の各々が、タブ端部とは反対側に、ワイパー本体450の円周方向面に連結され、かつ対応する間隙455によってワイパー本体の外部円周方向面に沿って離間した基部を含む。いくつかの例では、ワイパーアーム454は、ワイパー本体450と一体的に形成されている。ワイパーアーム454は、それ自体でばね付勢されてもよい。図示される例では、アセンブリ440は、ワイパーアーム454およびタブ452を半径方向外向きに付勢するように構成された付勢要素456を含む。一例における付勢要素456は、板ばね構成を含む。別の例では、付勢要素456は、基部と基部の両側から延出する脚部とを有するU字形状を有するように示される。脚部は、基部の各側に一対の脚部458を画定するための割れ目を有し得る。脚部458の脚端部460は、ワイパーアーム454の内側とワイパー本体450の外面との間に配設され、ワイパーアーム454を半径方向外向きに押すことができる。脚端部460は、内向きに湾曲していてもよい。
【0061】
ワイパー本体450は、U字形状構成を有する付勢要素456を受容するようにサイズ決めおよび成形されたテーパ状端部462を含み得る。付勢要素456は、留め具などの取り付け要素463によってテーパ状端部462に取り付けることができる。ワイパー本体450は、ワイパーアーム454の各々に対して物理的な限定要素を含み得る。例えば、ワイパーアーム454は、アーム454の端部から延在する、例えば、フック構成を有する限定要素464を含み得る。限定要素464は、分割脚部458の間でワイパー本体から延在する本体限定要素465と係合して、感知要素を保護するためにワイパーアームが外向きに移動することができる半径方向距離または半径方向外側範囲を限定するように構成されている。ワイパー本体450の近位端部450Bは、バレル200と係合するための係止機構を含み得る。例えば、ワイパー本体450は、バレルから延在するキーまたはタブ構造(図10に315として示される)を受容するための1つ以上の軸方向チャネル467を含み得る。バレルは、接着剤、留め具、または結合などの他の機構によって第1の回転ワイパーアセンブリのワイパー本体と連結され得る。バレル200の遠位端部200Aは、ワイパー本体450によって画定された貫通孔内への挿入のための低減された首部分を形成するキー構造315を含むことができ、キー構造315は、最終的に、軸方向チャネル467内に配設されている。
【0062】
図13A~Dでば、第2の回転ワイパーアセンブリ442は、ワイパーアーム484の端部にタブ482を有するワイパー本体480を有して示されている。タブは、ワイパーアーム454、484の各々の任意の部分に沿って配設され得る。ワイパー本体480は、ワイパー本体450の両側に沿って配設された一対のワイパーアーム484および一対のタブ482を含んで示されている。一例では、タブ482は、軸に直交する中央平面CPの両側に沿って設置されている。タブ482は、アームから半径方向に延在する、例えば、円錐構成などの突出体である。ワイパー本体480は、遠位端部と近位端部(480A、480B)との間の軸の周りに配設され、駆動スリーブを延在させることができるようにサイズ決めされた貫通孔を画定する、円筒体を含み得る。ワイパーアーム484は、半弓形構成を有してもよい。一例では、ワイパーアーム484は、タブ端部と反対側で、ワイパー本体480に連結され、かつ対応する間隙485によってワイパー本体の外面に沿って離間された基部を有する。いくつかの例では、ワイパーアーム484は、ワイパー本体480と一体的に形成されている。ワイパーアーム484は、それ自体でばね付勢されてもよい。図示される例では、アセンブリ442は、ワイパーアーム484およびタブ482を半径方向外向きに付勢するように構成された付勢要素486を含む。一例における付勢要素486は、板ばね構成を含む。別の例では、付勢要素486は、基部と基部の両側から延出する脚部とを有するU字形状を有するように示される。脚部は、基部の両側に一対の脚部488を画定するための割れ目を有し得る。脚部488の脚端部490は、ワイパーアーム484の内側とワイパー本体480の外面との間に配設され、ワイパーアーム484を半径方向外向きに押すことができる。脚端部490は、内向きに湾曲していてもよい。
【0063】
ワイパー本体480は、U字形状構成を有する付勢要素486を受容するようにサイズ決めおよび成形されたテーパ状端部492を含み得る。付勢要素486は、留め具などの取り付け要素493によってテーパ状端部492に取り付けることができる。ワイパー本体480は、各ワイパーアーム484の各々用の物理的な限定要素を含み得る。例えば、ワイパーアーム484は、例えばアーム484の端部から延在するフック構成を有する、限定要素494を含み得る。限定要素494は、ワイパー本体から分割脚部488の間に延在する本体限定要素495と係合して、感知要素を保護するためにワイパーアームが外向きに移動することができる半径方向距離を限定するように構成されている。貫通孔を画定するワイパー本体480の内側半径方向表面497は、駆動スリーブ205と係合するための係止機構を含み得る。例えば、ワイパー本体480は、駆動スリーブ205内に延在するスロット付き構造499を受容するための1つ以上の軸方向リッジ498を含み得る。駆動スリーブは、接着剤、留め具、または結合などの他の機構によって第2の回転ワイパーアセンブリ442のワイパー本体と連結され得る。一例では、第1の回転ワイパーアセンブリ440の構成は、異なる係止機構など、第2の第1の回転ワイパーアセンブリ442の構成を有することができ、その逆もまた同様である。駆動スリーブ205の遠位端部412Aは、ワイパー本体480によって画定された貫通孔内に挿入するためのスロット付き領域499を含むことができ、ここでリッジ498は、スロット付き領域499内に最終的に配設されている。
【0064】
図11に戻ると、第1および第2の回転ワイパーアセンブリ440、442は、センサ180のセンサ装着部226内で互いに軸方向に配設されて示されている。第1および第2の回転ワイパーアセンブリ440、442は、それらのそれぞれのタブ452、482がセンサ180の対応する感知帯260A~Dと整列されるようにセンサ180に対して配設されている。デバイスコントローラ170は、上記に記載されるように、それぞれの感知帯260A~Dから受信された対応する対応する電気信号からバレルおよび/または駆動スリーブの回転位置を認識する。バレルおよび/もしくは駆動スリーブの回転の大部分の間、デバイスコントローラへの電気信号の大きさは、ワイパーアセンブリ440、442のタブ452および/もしくは482がセンサ180の対応する感知帯260A~Dと係合する場所を反映する。例えば、ワイパーアセンブリ440のワイパーアーム454のタブ452の一方がセンサ180の回転間隙に入り、感知帯260Aから外れると、他方のワイパーアーム454の他方のタブ452が、同時に他方の感知帯260Bと係合する。この変更された信号値、ならびにワイパーが感知帯260Bの角度長さに沿って移動するにつれてさらに変化するときのその信号の値は、他方のワイパータブが感知帯260Bから離れるように移動する間にワイパータブが再び感知帯260Aに係合するまで、コントローラ170がバレル回転位置を認識することを可能にする。ワイパーアセンブリ442および感知帯260Cおよび260Dについても同様のことが言えるので、コントローラ170が駆動スリーブの回転位置を認識することができる。そのような設計では、関連する被感知部材の全ての可能な回転位置または角度位置について、少なくとも1つのワイパーのワイパーアームが感知帯と常に接触していると同時に、ワイパーが係合する被感知部材の特定の回転位置もあるであろう。
【0065】
図14図16は、線形ワイパーアセンブリ444および線形ワイパースリーブ425のさらなる態様をより詳細に図示する。以前に記載されるように、線形ワイパースリーブ425は、ダイヤルスリーブ412の軸方向の移動を追跡するように構成されている。線形ワイパースリーブ425は、遠位端部425Aと近位端部425Bとの間に管状構成で延在する。スリーブ425の側壁500は、軸235の周りに貫通孔を画定し、これは、少なくとも部分的にダイヤルチューブ154にわたって、線形ワイパースリーブ425とダイヤルチューブ154との間に配設されたバレル200の少なくとも近位部分と共に嵌合するようにサイズ決めおよび成形されている。一例では、線形ワイパースリーブ425は、側壁500の内面505から延在する内側半径方向フランジ502を含む。内側半径方向フランジ502は、スリーブ425の近位端部425Bから長手方向に離間される。内側半径方向フランジ502の遠位面は、ダイヤルチューブ154の外面504から延在する外側半径方向フランジ503の近位面と係合可能であり、スラストベアリングインターフェース445を画定する。スリーブ425の外面504は、軸方向の並進を可能にし、かつ回転を阻止する、デバイスハウジングまたはシャーシハウジング210と係合するための摺動機構を含み得る。一例では、スリーブ425の外面504は、シャーシハウジング210の内面に沿って形成された、軸方向スライドリッジを受容するようにサイズ決めおよび成形されたスライドチャネル(図示せず)内に嵌合する1つ以上の軸方向スライドリッジ506(4つは互いに等しい距離で円周方向に離間して示される)を含む。別の例では、スリーブ425は、スライドチャネルを含み得、シャーシハウジング210は、スライドリッジを含み得る。線形ワイパースリーブ425の近位端部425Bは、投与量ノブ430の内部がその上に嵌合することができるようにサイズ決めおよび成形されている。線形ワイパースリーブ425は、フランジ付きインターフェース445の結果として投与量ノブ430および投与量チューブ154と共に回転することなく、かつ投与量ノブ430が回転するにつれて摺動機構により回転することなく近位に並進し、投与量ノブを螺旋状に回すにつれて、投与量設定中に近位に移動する。線形ワイパースリーブ425は、線形ワイパースリーブ425の近位端部との投与量ノブの直接係合の結果として、投与量ノブ430が回転されるとき摺動機構により回転することなく、投与量ノブ430が投与量送達中に遠位方向に一般的なデバイスハウジング内に押し込まれるにつれて、投与量ノブ430および投与量チューブ154と共に遠位に並進する。
【0066】
線形ワイパーアセンブリ444は、装着部分510と、軸方向に延在したアーム部分512と、を含み、各々が別々に形成され、かつ互いに連結されるか、またはユニット構造として一体的に形成される、ステンレス鋼などの弾性材料であり得る。線形ワイパーアセンブリ444はまた、アーム部分512の係合部分が摺動可能に接触するのを避けて、線形感知要素520を含む。装着部分510は、線形ワイパースリーブ425としっかりと連結するように構成されている。一例では、連結は、機械的留め具であってもよく、または代替的に、例えば、接着剤、留め具、もしくは結合などの他の連結機構によるものであってもよい。線形ワイパースリーブ425の外面は、装着部分を受容するようにサイズ決めおよび成形された凹状領域を含み得る。一例では、アーム部分512は、装着部分510よりもさらに半径方向外向きに配設されている。アーム部分512のいかなる部分も、線形感知要素520と接触してもよい。一例では、アーム部分512の端部515は、組み立てられたときに線形感知要素520の能動感知領域518と摺動可能に接触する係合部分としての接触タブ516を含み得る。他の例では、係合部分は、アーム部分512の先端部または波状部分であり得る。アーム部分512は、半径方向外向きに付勢されてもよい。一例では、アーム部分は、線形感知要素520を作動させるために残留接触力を生成するための板ばね構成を含む。したがって、動作中、線形ワイパーを線形ワイパースリーブに厳格に装着すると、線形ワイパーの係合部分は、軸方向の点の軌跡を描いてダイヤルスリーブ425の軸方向位置を追跡する。
【0067】
線形感知要素520は、シャーシハウジング210またはデバイスのハウジングにしっかりと固定される。一例では、シャーシハウジング210は、シャーシハウジング210の近位領域から延在する隆起壁によって形成された、装着フランジなどの装着機構522を含む。線形感知要素520は、能動感知領域518を支持する感知支持部材524と、能動感知領域518と電気的に連結された感知回路部分526と、を含む。感知回路部分526は、電圧入力および出力リード線と、接地リード線と、を含み、そのようなリード線は、コントローラのプロセッサと電気的に通信している。感知回路部分526は、感知ユニット402上で、かつこれを越えて、能動感知領域518から近位に延在するように配置される。能動感知領域518は、アーム512の係合部分と係合するように半径方向内向きに面している。線形感知要素520のアーム512の係合部分が、能動感知領域518の有効長さに沿った様々な位置に沿って線形感知要素520の能動感知領域518と接触すると、それによって線形ワイパースリーブ425の軸方向位置を通信し、したがって、それらの長手方向の移動のためにダイヤルチューブ154を一緒に通信する。ダイヤルチューブ154の感知された軸方向位置は、中断を感知することなく、連続的なエンコーダとして、有効直線長さ、例えば30mmにわたるダイヤルチューブ154の絶対位置に相関し得る。一例では、線形感知要素520は、可変抵抗デバイスまたは線形膜電位差計である。線形感知要素520の一例は、Tekscan、Inc.によって提供されるFlexipot(商標)ストリップ位置センサである。抵抗値は、投与量設定および投与量送達の両方についてダイヤルチューブ154の軸方向位置に比例して変化する。
【0068】
感知システム402は、回転ワイパーアセンブリ440、442(またはワイパー185、320)および線形感知要素520を組み合わせおよび/または同期させることができる。図17は、コントローラ170への独立した出力を生み出すセットの各感知帯に対するシミュレートされたデュアルワイパー出力を例示しており、したがって、ダイヤルチューブ位置を計算し、かつダイヤルチューブ位置を投与量設定および/または投与量送達量と関連付けるためにコントローラソフトウェアがハンドオーバー期間を取り扱うのに十分なデータがある。図17は、ワイパーセット(例えば、バレルワイパーアセンブリ440のタブ452)および対応する感知帯のセット(260A-「ワイパー1;260B「ワイパー2」)の程度における角度回転位置について(ダイヤルスリーブワイパーアセンブリ442および感知帯260C、260Dについても同じ)、かつ線形センサについてのミリメートル単位の線形変位について(線形感知要素の能動感知領域518-「線形電位差計」)、予想されるボルトでの出力信号を例示する。図17は、例示の目的で、重複またはハンドオーバー期間を誇張している。ワイパーアセンブリによって提供される2つの信号を組み合わせて、比較的細かい分解能で単一の回転(360度)範囲にわたって連続的な回転位置信号を提供することができる。線形感知要素520は、ダイヤルスリーブと駆動スリーブとの間の螺旋状のねじ山インターフェースの既知のピッチに基づいて、複数の回転(現在2.5回転)の範囲にわたるダイヤルスリーブ回転位置の粗い指示として解釈され得るダイヤルスリーブ軸方向位置を示す、出力信号をコントローラに通信する。例えば、約2ボルトでの線形電位差計出力信号は、1回転(または360度)回転する構成要素デバイスと相関し、かつ約4ボルトでは2回転(または720度)と相関する、などである。構成要素デバイスの回転位置と線形位置に基づく回転の決定との組み合わせを使用して、投与量設定および/または投与量送達を決定することができる。この多回転の粗い位置情報は、駆動スリーブに対するダイヤルスリーブの現在の全回転数の表示としてさらに関連付けることができる。コントローラは、このデータを細かい単一回転の回転位置信号を用いて処理して、回転センサ(複数可)の高分解能および線形センサの複数回転範囲を利用する出力信号を生成することができる。
【0069】
例えば、投与量設定出力を計算するために、以下がコントローラ170で処理され得る。感知帯260A、260Bは、バレルワイパーの第1のタブおよび第2のタブに基づいて、アナログまたはデジタルの第1の信号をコントローラに通信する。第1の信号は、較正限界内にあるかどうか、およびどの信号が能動感知帯であるかを決定するために合理化される(アナログ・デジタル変換器および/または信号処理)。コントローラは、第1の信号から投与量値を決定して、バレルのクリック数を決定する。投与量設定中、バレルは回転し、投与量設定中、駆動スリーブは回転しない。感知帯260C、260Dは、駆動スリーブのワイパーの第1のタブおよび第2のタブに基づいて、アナログまたはデジタルの第2の信号をコントローラに通信する。第2の信号は、較正限界内にあるかどうか、およびどの信号が能動感知帯であるかを決定するために合理化される(アナログ・デジタル変換器および/または信号処理)。コントローラは、第2の信号から投与量値を決定して、駆動スリーブのクリック数を決定する。投与量設定中、バレルは回転せず、投与量設定中、駆動スリーブは回転する。線形感知帯は、ダイヤルスリーブタブに基づいて、アナログまたはデジタルの第3の信号をコントローラに通信する。コントローラは、第3の信号からダイヤル位置近似値までの値を決定する。ダイヤルスリーブは、投与量設定および投与量送達中に軸方向に移動する。コントローラは、線形センサ推定からの誤差の範囲内になるまで、第1および第2の信号からの全回転値の合計から差動投与量値への出力表示信号を決定する。そのような出力表示信号は、投与量設定および/または送達の量をユーザに示すためにディスプレイ140に通信され得る。コントローラはまた、無線送信して、出力表示信号を携帯電話またはサーバなどの遠隔デバイスにオフボード通信することができる。
【0070】
本明細書に記載される感知システムのいずれも、デバイスの単一回転デバイス部材および/またはデバイスの投薬アセンブリもしくはそれが連結され、かつそのような相対的な回転位置に相関する出力を生成する他の回転デバイス構成要素(例えば、ダイヤルチューブ、駆動スリーブ、バレル、駆動ねじ、ダイヤルノブ、キャリッジなど)の相対的な回転位置を検出するように動作し得る。この目的のために、本明細書に記載されるデバイスのいずれも、本明細書に記載されるワイパーアセンブリ(ワイパー185およびベアリング310を有するサブアセンブリ、ワイパー320およびベアリング326を有するサブアセンブリ、第1の回転ワイパーアセンブリ440、または第2の回転ワイパーアセンブリ442など)のうちのいずれか1つの単一の回転ワイパーアセンブリを含み得る。そのような構成では、センサ装着部およびセンサは、ワイパーアセンブリのそれぞれのタブと接触するために、4つではなく一対の感知帯を含むように修正される。本明細書に記載される感知システムのうちのいずれも、デバイスの2回超の回転デバイス部材および/またはデバイスの投薬アセンブリもしくはそれが連結され、かつそのような相対的な回転位置に相関する出力を生成する他の回転デバイス構成要素(例えば、ダイヤルチューブ、駆動スリーブ、バレル、バレル、駆動ねじ、ダイヤルノブ、キャリッジなど)の相対的な回転位置を検出するように動作し得る。この目的のために、本明細書に記載されるデバイスのうちのいずれも、本明細書に記載されるワイパーアセンブリ(ワイパー185およびベアリング310を有するサブアセンブリ、ワイパー320およびベアリング326を有するサブアセンブリ、第1の回転ワイパーアセンブリ440、または第2の回転ワイパーアセンブリ442など)のうちのいずれか1つの回転ワイパーアセンブリのそれぞれの数を含み得る。そのような構成では、センサ装着部およびセンサは、対応する数の感知帯を含むように修正される。デバイスおよび感知システムは、本明細書に記載される回転ワイパーアセンブリ(ワイパー185およびベアリング310を有するサブアセンブリ、ワイパー320およびベアリング326を有するサブアセンブリ、第1の回転ワイパーアセンブリ440、または第2の回転ワイパーアセンブリ442など)の任意の組み合わせを含むようにさらに修正され得る。例えば、第1の回転ワイパーアセンブリ440は、別の例示的な感知システムの少なくとも一部を形成するように、ワイパー320およびベアリング326を有するサブアセンブリと組み合わせることができる。
【0071】
図18~19は、ここで、概して600と呼ばれる(明確にするために一部分が省略されている)、図1~2のデバイスに含まれ得る一対の線形感知要素を有する感知システム602の別の例を示す。デバイス100と同様に、デバイス600は、デバイスの動作によって設定される投与量およびデバイスの動作によって送達される投与量の両方を決定するように構成されている。デバイス600は、薬剤の投薬および薬剤の送達のための上記に記載されるデバイス100と同じ構成要素のうちのいくつかを含む。感知システム602は、軸方向にのみ移動するように構成された(例えば、1度未満の小さな許容誤差内での回転を可能にする)線形ワイパースリーブ612に連結された第1の線形アセンブリ610を含む。線形ワイパースリーブ612は、ダイヤルスリーブ(図示せず)の軸方向の移動を追跡するように構成されている。一例では、第1の線形アセンブリ610は、装着部分(図示せず)および位置感知のために線形センサ要素620の能動領域618と摺動可能に係合する軸方向に延在したアーム部分616を含む、線形ワイパーアセンブリ444と同じ構成を含む。線形センサ要素620は、コントローラ170に通信される第1の出力信号を生成するように動作可能であり、コントローラは、第1の出力信号に基づいて位置値を決定するように動作可能である。線形ワイパースリーブ612は、線形ワイパースリーブ425と同じ構成を有し得る。別の例では、線形ワイパースリーブ612は、その近位端部612Bに近接した縮小された首領域622と、近位端部612Bに沿った半径方向フランジ624と、を含み得る。フランジ624は、ダイヤルスリーブと係合し、シャーシハウジング内で回転可能に固定され、かつ長手方向に移動可能なままである、線形ワイパースリーブ612に対するダイヤルスリーブの回転を許容する。スリーブ425と同様に、スリーブ612の外面625は、軸方向の並進を可能にし、かつ回転を阻止する、デバイスハウジングまたはシャーシハウジングと係合するための摺動機構(図示せず)を含み得る。線形ワイパースリーブ612は、ダイヤルチューブ154、バレル200、および駆動スリーブ205にわたって嵌合する。
【0072】
感知システム602は、第2の線形アセンブリ630を含む。第2の線形アセンブリ630は、スリーブ612の外面625に沿って長手方向に配設された能動感知領域634を有する線形感知要素632を含む。能動感知領域634は、例えば、誘導性センサ用の強磁性もしくは導電性のストリップもしくはエンボス、または光センサ用の印刷もしくは別様に形成されたリッジもしくは戻り止めなどの符号化パターンを含む。符号化マーキングは、例えば1.2mmなどの反復的な固定距離だけ互いに長手方向に離間され得る。第2の線形アセンブリ630は、デバイスハウジングまたはシャーシハウジングに沿って配設されたセンサ要素638を含む。センサ要素638は、スリーブに固定された線形感知要素の相対的な移動中に符号化パターンを読み取り、かつ投与量ノブの相対位置を示すために第2の出力信号を生成するように動作可能である。生成された信号は、アナログでもデジタルでもよく、第2の信号に基づいて位置値を決定するように動作可能であるコントローラに通信されてもよい。
【0073】
図19は、ダイヤルノブ152がそのゼロ位置にあるデバイスの上半分の構成Aと、ダイヤルノブ/ダイヤルチューブが完全に延長された近位位置にあるデバイスの下半分の構成Bと、を同じ図に例示する。構成Aでは、第1の線形アセンブリ610およびそのワイパーアーム/タブだけが、シャーシハウジング640の壁に沿ってしっかりと配設置および固定されるセンサ要素620と係合する。構成Bでは、第2の線形アセンブリ630のみが示されており、センサ要素638は、シャーシハウジング640の側壁によって画定された凹部642内に埋め込まれている。センサ要素638は、感知能力に影響を与えるであろうデブリまたは任意の他の干渉原因物質からセンサ638を保護するために、凹部642上に保護フィルムを含むことができる。この例では、センサ要素638は、ハウジング645の近位端部645Aに配設されている。センサ要素638の位置付けにより、デバイスと関連するクリック機構646およびスプラインは、バレルの遠位端部付近に再位置付けされて示されている。
【0074】
センサ要素638は、誘導性センサまたは光センサまたは他の好適なセンサであり得る。センサ要素638の例は、参照番号450LのPOSICセンサ(www.posic.ch)である。好適な光センサの例は、光インパルスを電気インパルスに変換するように動作可能な光源、レンズ、および光センサである。さらに、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,043,644号は、インダクタンス感知構成のさらなる詳細を提供している。
【0075】
両方の線形アセンブリ610、630を有する感知システム602の一例は、抵抗性連続線形エンコーダと精密デジタルエンコーダとの組み合わせであり、投与量設定および投与量送達中に、デバイスにダイヤルスリーブの絶対位置および正確な位置の両方(例えば、60単位の薬剤に対して300mmの走行)を追跡する能力を提供することができる。図20は、コントローラ170に対して独立した出力を生み出し、コントローラソフトウェアがダイヤルチューブ位置を計算し、かつダイヤルチューブ位置を投与量設定および/または投与量送達量に関連付けるための各線形感知アセンブリを例示する。図20は、第1の線形アセンブリ610について予想される出力信号700を例示する。予想される出力信号は、±2%FS(約±0.6mmに等しい)の連続位置信号(100~1000オーム)であり得る。また、第2の線形アセンブリ630について予想される出力信号710も例示する。予想される出力信号は、約1.2mm/1024=0.00117mmの増分での増分位置信号(デジタル的に0~1024)であり得る。ワイパーアセンブリによって提供される2つの信号を組み合わせて、比較的細かい分解能で単一の回転(360度)範囲にわたって連続的な回転位置信号を提供することができる。
【0076】
本明細書に記載の任意の感知システムは、駆動デバイスの1つより多い長手方向並進デバイス部材および/またはデバイスもしくは他のデバイス構成要素(例えば、線形スリーブ、ダイヤルチューブ、駆動スリーブ、バレル、駆動ねじ、ダイヤルノブ、キャリッジ)が連結され、そのような相対的な線形位置に相関する出力を生成する。この目的のために、本明細書に記載の任意のデバイスは、本明細書に記載の任意の線形ワイパーアセンブリ(線形ワイパーアセンブリ444または630など)の単一の線形ワイパーアセンブリを単独で(すなわち、回転ワイパーアセンブリなしで)含み得る。別の例では、デバイスは、デバイスまたは他のデバイス構成要素の駆動デバイスおよび/または投与アセンブリの相対的な回転位置および/または線形位置を検出するために、回転および/または直線ワイパーアセンブリのいずれか1つまたは組み合わせを含み得る。
【0077】
別の例では、移動可能なプランジャと出口との間に薬剤を保持するバレルを有するカートリッジから薬剤を送達するための薬剤送達デバイスが提供され、この薬剤送達デバイスは、主ハウジングと、主ハウジングから延在するカートリッジを保持するためのカートリッジハウジングと、移動可能なプランジャと係合するための前方遠位端部を含む駆動部材と、を含む。駆動部材は、主ハウジング内で軸方向遠位方向に延在する長さを有する。デバイスは、移動可能なプランジャを移動させて出口を通して薬剤を送達するために、主ハウジング内で遠位方向での駆動部材の前向きの前進を制御するように動作可能な投与量送達機構を含む。投与量送達機構は、薬剤送達デバイスの動作によって設定される投与量および薬剤投与デバイスの動作によって送達される投与量のうちの一方に比例して主ハウジングに対して回転可能である第1の部材を含む。第1の部材は、軸方向に延在する回転軸の周りで主ハウジングに対して相対的に回転可能である。デバイスは、第1の部材と主ハウジングとの相対的な回転位置を検出し、かつそのような相対的な回転位置に相関する出力を生成するように動作可能な感知システムを含む。感知システムは、第1の部材に回転可能に連結され、かつ半径方向に突出する第1のワイパーと、第1の部材に回転可能に連結され、かつ半径方向に突出する第2のワイパーと、を含む。感知システムは、第1の感知帯と、第2の感知帯と、を含む。第1の感知帯は、主ハウジングに回転可能に連結されており、かつ電力源と回路接続されている。第1の感知帯は、第1の動作角度長さを有する回転軸の周りで湾曲形状に配置されている。第1の部材が主ハウジングに対して回転するときに第1のワイパーと物理的に接触するように、第1の感知帯は、第1のワイパーの半径方向内向きまたは外向きに配設されている。第1の感知帯は、第1のワイパーとの物理的な接触のために第1の感知帯が半径方向に動作可能に係合される第1の動作角度長さに沿って電気的に接触する、第1の電気ストリップおよび/または第2の電気ストリップを含む。第1の電気ストリップおよび/または第2の電気ストリップは、第1のワイパーとの物理的な接触のために第1の感知帯が半径方向に動作可能に係合されない第1の動作角度長さに沿って半径方向に離間されており、かつ電気的に接触しておらず、第1の感知帯は、第1のワイパーとの物理的な接触のために、第1の動作角度長さに沿って第1の感知帯が半径方向に動作可能に係合される場所と相関する電気的特性を有する。第2の感知帯は、主ハウジングに回転可能に連結されており、かつ電源と回路接続されている。第2の感知帯は、第2の動作角度長を有する回転軸の周りで湾曲形状に配置されている。第2の感知帯は、第1の部材が主ハウジングに対して回転するときに第2のワイパーと物理的に接触するように、第2のワイパーの内向きまたは外向きに半径方向に配置されている。第2の感知帯は、第2のワイパーとの物理的な接触のために第2の感知帯が半径方向に動作可能に係合される第2の動作角度長さに沿って電気的に接触する、第3の電気ストリップおよび/または第4の電気ストリップを含む。第3の電気ストリップおよび/または第4の電気ストリップは、第2のワイパーとの物理的な接触のために第2の感知帯が半径方向に動作可能に係合されない第2の動作角度長さに沿って半径方向に離間されており、かつ電気的に接触していない。第2の感知帯は、第2のワイパーとの物理的な接触のために、第2の動作角度長さに沿って第2の感知帯が半径方向に動作可能に係合される場所と相関する電気的特性を有する。第1のワイパー、第2のワイパー、第1の感知帯、および第2の感知帯は、主ハウジングに対する第1の部材の少なくとも1つの回転位置に対して、第1のワイパーが第1の感知帯と動作可能に係合すると同時に、第2のワイパーが第2の感知帯と動作可能に係合しないようにサイズ決めおよび位置付けられ、かつ少なくとも1つの回転位置とは異なる主ハウジングに対する第1の部材の少なくとも別の回転位置に対して、第2のワイパーが第2の感知帯と動作可能に係合すると同時に、第1のワイパーが第1の感知帯と動作可能に係合しないようにサイズ決めおよび位置付けられる。このデバイスは、第1の感知帯からの1つの出力および第2の感知帯の別の出力を別々に受容して、感知システムの第1および第2の感知帯の両方からの出力に基づいて、薬剤送達デバイスの動作によって設定される投与量および薬剤送達デバイスの動作によって送達される投与量のうちの少なくとも1つを示す主ハウジングに対する第1の部材の回転を識別するために感知システムと電気的に回路接続されたコントローラを含む。第1の感知帯は、第1のワイパーの半径方向外向きに配設置されてもよく、第2の感知帯は、第2のワイパーの半径方向外向きに配設されてもよい。第1および第2の感知帯は、回転可能に固定され、かつ主ハウジングに対して軸方向に移動可能である基部構成要素上に配設されてもよい。第1および第2の動作角度長さの各々が、第1の部材の円周の周りに部分的にのみ延在し得る。第1の動作角長さおよび第2の動作角長さの各々が、第1の部材の円周の周りに220度未満で延在し得る。第1の動作角長さおよび第2の動作角長さの各々が、第1の部材の円周の周りに少なくとも180度で延在し得る。第1の動作角度長さおよび第2の動作角度長さは、同じ角度距離に及んでもよく、かつ第1の部材の異なる軸方向セグメントの同じ円周方向部分の周りに位置付けされてもよい。第1のワイパーおよび第2のワイパーは、回転軸の周りで角度的に離間され得る。第1のワイパーおよび第2のワイパーは、回転軸の周りに180度で角度的に離間され得る。第1のワイパーおよび第2のワイパーは、第1の部材に固定的に連結されて、それと共に軸方向に移動し得る。第1の部材は、薬剤送達デバイスの動作中に主ハウジング内で軸方向に移動可能であり得、基部構成要素、それによって第1の感知帯および第2の感知帯は、第1の部材と共に軸方向に移動するように拘束されて、第1の感知帯との第1のワイパーの整列および第2の感知帯との第2のワイパーとの整列を維持する。
【0078】
本発明の実施形態は、図面および前述の記載において詳細に例示および記載されているが、これらは例示的なものであり、本質的に限定するものではないと考えられるべきである。例えば、デバイス感知モジュールは、投与量設定中に相対的な回転を経験する好適な部分を有するデバイス部分と共に機能するように適合されている場合、投与量設定量を検出することができる。したがって、この出願は、その一般原則を使用して、本発明のあらゆる変形、使用、または適合を包含することが意図されている。さらに、この出願は、この本開示が関係する当該技術分野における既知のまたは慣習的な実施内にある、本開示からのそのような逸脱を包含することが意図されている。本明細書に含まれる特許請求の範囲によって定義される本発明の精神の範囲内にある全ての変更、等価、および修正は、保護されることが望まれる。
【0079】
以下の態様を含むがこれらに限定されない様々な態様が、この開示に記載されている。
【0080】
1.薬剤送達デバイスであって、第1の部材と、薬剤送達デバイスの動作によって設定される投与量および薬剤送達デバイスの動作によって送達される投与量のうちの少なくとも一方に比例して回転軸の周りで第1の部材に対して回転可能な第2の部材と、第1の部材に連結されたワイパーアセンブリであって、一対の半径方向に突出するワイパーを有する、ワイパーアセンブリと、各々第2の部材に連結された、第1の電気的に動作可能な感知帯および第2の電気的に動作可能な感知帯であって、感知帯の各々が、湾曲形状に配置され、それぞれワイパーに対して、かつワイパーと接触関係にある状態で半径方向に配設され、第1の部材と第2の部材との間の相対的な回転中、感知帯の各々が、第1および第2の部材の相対的な回転位置を示す感知帯の各々の動作角度長さに沿った、ワイパーの相対的な角度位置に関連する出力を生成するように動作可能である、第1の電気的に動作可能な感知帯および第2の電気的に動作可能な感知帯と、感知帯と電気的に連結されて、感知帯の各々によって生成された出力に基づいて、薬剤送達デバイスの動作によって設定される投与量および薬剤送達デバイスの動作によって送達される投与量のうちの少なくとも一方を決定するコントローラと、を備える、薬剤送達デバイス。
【0081】
2.ワイパーのうちの一方が、ワイパーのうちの他方よりも軸方向に遠くに延在する、態様1に記載の薬剤送達デバイス。
【0082】
3.感知帯が、互いに対して軸方向に配設された個別の帯である、態様1~2に記載の薬剤送達デバイス。
【0083】
4.ワイパーアセンブリが、第1の部材の少なくとも一部分を受容するようにサイズ決めされた貫通孔を画定する円筒状ワイパー本体を含む、態様1~3のいずれか1つに記載の薬剤送達デバイス。
【0084】
5.ワイパーアセンブリが、円筒状ワイパー本体の円周方向面に連結された付勢可能なアームを含み、アームのうちの1つが、ワイパーのうちの一方を画定するためのタブを含み、アームのうちの別のアームが、ワイパーのうちの別のワイパーを画定するためのタブを含む、態様4に記載の薬剤送達デバイス。
【0085】
6.ワイパーのアームが、円筒状ワイパー本体の円周方向面の両側に沿って配設されている、態様5に記載の薬剤送達デバイス。
【0086】
7.ワイパーのタブが、互いに軸方向にずらして位置付けられ、かつ円筒状ワイパー本体の中央平面の両側に沿って設置されている、態様6に記載の薬剤送達デバイス。
【0087】
8.ワイパーアセンブリが、アームのうちの少なくとも1つを半径方向外向きに付勢するように配設された付勢部材を含む、態様4~7のいずれか1つに記載の薬剤送達デバイス。
【0088】
9.ワイパーアセンブリが、アームの半径方向外側範囲を限定するために円筒状ワイパー本体の本体要素と係合可能な限定要素を含む、態様4~8のいずれか1つに記載の薬剤送達デバイス。
【0089】
10.円筒状ワイパー本体が、第1の部材にしっかりと連結するための係止機構を含む、態様1~9のいずれか1つに記載の薬剤送達デバイス。
【0090】
11.アームが、円筒状ワイパー本体から長手方向に突出している、態様5に記載の薬剤送達デバイス。
【0091】
12.ワイパーアセンブリが、円筒状ワイパー本体と第1の部材との間にしっかりと連結されたベアリングを含む、態様11に記載の薬剤送達デバイス。
【0092】
13.第1の部材に連結された線形スリーブと、線形スリーブに連結された線形ワイパーアセンブリであって、半径方向に突出する線形ワイパーを有する、線形ワイパーアセンブリと、デバイスハウジング内に配設された電気的に動作可能な感知線形帯であって、感知線形帯が、線形ワイパーに対して、かつ線形ワイパーと接触関係にある状態で半径方向に配設され、線形スリーブとデバイスハウジングとの間の相対的な長手方向の変位中、感知線形帯が、感知線形帯の相対的な長手方向位置を示す、動作角度長さに沿った線形ワイパーの相対的な長手方向位置と関連する出力を生成するように動作可能であり、コントローラが、感知線形帯に電気的に連結されて、感知線形帯によって生成された出力に基づいて、薬剤送達デバイスの動作によって設定される投与量および薬剤送達デバイスの動作によって送達される投与量のうちの少なくとも一方を決定する、電気的に動作可能な感知線形帯と、をさらに備える、態様1~12のいずれかに記載の薬剤送達デバイス。
【0093】
14.線形スリーブが、第1の部材に対して半径方向外向きに配設され、線形スリーブが、長手方向に移動するように構成されている、態様13に記載の薬剤送達デバイス。
【0094】
15.U字構成と、湾曲形状に配置された感知帯を支持するための半径方向内向きに面する表面と、を有する、センサ装着部をさらに備える、態様1~14のいずれか1つに記載の薬剤送達デバイス。
【0095】
16.第1の部材に連結された線形スリーブと、線形スリーブに連結された線形ワイパーアセンブリと、線形スリーブに沿って配設された感知線形符号化帯と、感知線形符号化帯の半径方向外側でデバイスハウジング内に配設された電気的に動作可能な近接センサであって、線形スリーブとデバイスハウジングとの間の相対的な長手方向の変位中、近接センサが、線形スリーブの相対的な長手方向位置を示す、相対的な長手方向位置に関連する出力を生成するように動作可能であり、コントローラが、近接センサと電気的に連結されて、感知線形帯によって生成された出力に基づいて、薬剤送達デバイスの動作によって設定される投与量および薬剤送達デバイスの動作によって送達される投与量のうちの少なくとも一方を決定する、電気的に動作可能な近接センサと、をさらに備える、態様1~15のいずれか1つに記載の薬剤送達デバイス。
【0096】
17.薬剤送達デバイスであって、第1の部材、および薬剤供給デバイスの動作によって設定される投与量に比例して回転軸の周りで第1の部材に対して回転可能な第2の部材、ならびに薬剤送達デバイスの動作によって送達される投与量に比例して回転軸の周りで第2の部材に対して回転可能な第3の部材を含む、デバイスハウジングと、第1の部材に連結された第1の回転ワイパー構成要素であって、半径方向に突出する一対の第1のワイパーを含む、第1の回転ワイパー構成要素と、第3の部材に連結された第2の回転ワイパー構成要素であって、半径方向に突出する一対の第2のワイパーを含む、第2の回転ワイパー構成要素と、第2の部材に連結された一対の電気的に動作可能な第1の感知帯および第2の部材に連結された一対の電気的に動作可能な第2の感知帯であって、一対の第1および第2の感知帯の各々が、湾曲形状に配置され、かつ対応する第1および第2のワイパーと接触関係で互いに対して軸方向に配設され、第1および第2の部材間の相対的な回転ならびに第3および第2の部材間の相対的な回転中、一対の第1および第2の感知帯が、第1および第2の部材ならびに第3および第2の部材の相対的な回転位置を示すそれぞれの第1および第2の感知帯の動作角度長さに沿った対応する第1および第2の回転ワイパーの相対的な角度位置と関連する出力を生成するように動作可能である、第2の部材に連結された一対の電気的に動作可能な第1の感知帯および第2の部材に連結された一対の電気的に動作可能な第2の感知帯と、一対の第1および第2の感知帯に電気的に連結されて、第1および第2の感知帯によって生成された出力に基づいて、薬剤送達デバイスの動作によって設定される投与量および薬剤送達デバイスの動作によって送達される投与量を決定するコントローラと、を備える、薬剤送達デバイス。
【0097】
18.第1および第2の回転ワイパー構成要素の各々が、第1の部材および第3の部材の少なくとも一部分をそれぞれ受容するようにサイズ決めされた貫通孔を画定する円筒状ワイパー本体を含む、態様17に記載の薬剤送達デバイス。
【0098】
19.第1のワイパーの各々が、第1の回転ワイパー構成要素の円筒状ワイパー本体の円周方向面に連結された軸方向に延在したアームを含み、第2のワイパーの各々が、第2の回転ワイパー構成要素の円筒状ワイパー本体の円周方向面に連結された軸方向に延在したアームを含む、態様18に記載の薬剤送達デバイス。
【0099】
20.第2の部材を画定するセンサ装着アセンブリをさらに備え、第1および第3の部材が管状構成を含み、第3の部材が、第1の部材を通して配設され、かつ第1の部材の遠位端部を越えて遠位に延在され、第1の回転ワイパーが、第1の部材の遠位端部に連結され、かつ第3の部材上に嵌合するようにサイズ決めされ、第2の回転ワイパーが、第3の部材に沿って、かつその上に連結され、センサ装着アセンブリが、互いに軸方向に隣接する第1および第2の回転ワイパーと、一対の第1および第2の感知帯とを収容するようにサイズ決めおよび成形されている、態様17~19のいずれか1つに記載の薬剤送達デバイス。
【0100】
21.第1の部材に連結された線形スリーブと、線形スリーブに連結された線形ワイパーアセンブリであって、半径方向に突出する線形ワイパーを有する、線形ワイパーアセンブリと、デバイスハウジング内に配設された電気的に動作可能な感知線形帯であって、線形ワイパーに対して、かつ線形ワイパーと接触関係にある状態で半径方向に配設され、線形スリーブとデバイスハウジングとの間の相対的な長手方向の変位中、感知線形帯が、感知線形帯の相対的な長手方向位置を示す、動作角度長さに沿った線形ワイパーの相対的な線形位置と関連する出力を生成するように動作可能であり、コントローラが、感知線形帯と電気的に連結されて、感知線形帯によって生成された出力に基づいて、薬剤送達デバイスの動作によって設定される投与量および薬剤送達デバイスの動作によって送達される投与量のうちの少なくとも一方を決定する、電気的に動作可能な感知線形帯と、をさらに備える、態様17~20のいずれか1つに記載の薬剤送達デバイス。
【0101】
22.互いに動作可能に連結された投与量ノブおよび投与量チューブをさらに備え、線形スリーブが、第1の部材および投与量チューブに対して半径方向外向きに配設され、線形スリーブが、投与量設定中の投与量ノブおよび投与量チューブの回転中に、近位方向に長手方向に移動するように構成され、線形スリーブが、投与量送達中の投与量ノブおよび投与量チューブの遠位並進中に、遠位方向に長手方向に移動するように構成されている、態様17~21のいずれか1つに記載の薬剤送達デバイス。
【0102】
23.移動可能なプランジャと出口との間に薬剤を保持するバレルを有するカートリッジから薬剤を送達するための薬剤送達デバイスであって、主ハウジングと、主ハウジングから延在する前記カートリッジを保持するためのカートリッジハウジングと、移動可能なプランジャに係合するための前方端部を含む駆動部材であって、主ハウジング内で軸方向に延在する長さを有する、駆動部材と、前記主ハウジング内の前方への前記駆動部材の軸方向の前進を制御して、前記出口を通して薬剤を送達するために前記移動可能なプランジャを移動させるための投与量送達機構であって、薬剤送達デバイスの動作によって設定される投与量および薬剤送達デバイスの動作によって送達される投与量のうちの一方に比例して回転軸の周りで主ハウジングに対して回転可能である第1の回転可能な部材を含む、投与量送達機構と、第1の回転部材および主ハウジングの相対的な回転位置を検出し、かつそのような相対的な回転位置に相関する出力を生成するように動作可能な感知システムであって、第1の回転部材に連結された第1のワイパーアセンブリであって、外側半径方向に突出する一対の接触部分を有する、第1のワイパーアセンブリ、主ハウジングに対して第1の回転可能な部材の回転中にそれと物理的に接触するように第1のワイパーアセンブリに対して外側半径方向に回転軸の周りで湾曲的に配置された、主ハウジングに連結された一対の電気的に動作可能な第1の感知帯、を含む、感知システムと、感知システムと電気的に通信して、感知システムの出力に基づいて、薬剤送達デバイスの動作によって設定される投与量および薬剤送達デバイスの動作によって送達される投与量のうちの少なくとも一方を決定する、コントローラと、を備える、感知システムと、を備える、薬剤送達デバイス。
【0103】
24.第1の回転可能な部材が、設定された投与量に比例して回転軸の周りの主ハウジングに対して回転可能であり、投与量送達機構が、送達される投与量に比例して回転軸の周りの主ハウジングに対して回転可能な第2の回転可能な部材をさらに含み、感知システムが、第2の回転部材に連結された第2のワイパーアセンブリをさらに備え、第2のワイパーアセンブリが、外側半径方向に突出する一対の接触部分と、主ハウジングに対する第2の回転可能な部材の回転中に物理的に接触するように第2のワイパーアセンブリに対して外側半径方向に回転軸の周りで湾曲的に配置された、主ハウジングに連結された一対の電気的に動作可能な第2の感知帯と、を含み、コントローラが、感知システムの出力に基づいて、薬剤送達デバイスの動作によって設定される投与量および薬剤送達デバイスの操作によって送達される投与量を決定するように構成されている、態様23に記載の薬剤送達デバイス。
【0104】
25.感知システムが、第1の回転可能な部材の周りに連結された線形スリーブと、線形スリーブに連結された半径方向に突出する線形ワイパーを有する線形ワイパーアセンブリと、主ハウジング内に配設された電気的に動作可能な感知線形帯であって、線形ワイパーに対して、かつ線形ワイパーと接触関係にある状態で半径方向に配設され、線形スリーブと主ハウジングとの間の相対的な長手方向の変位中、感知線形帯の相対的な長手方向位置を示す、動作角度長さに沿った線形ワイパーの相対的な線形位置に関連する出力を生成するように動作可能であり、コントローラが、感知線形帯と電気的に連結されて、感知線形帯によって生成された出力に基づいて、薬剤送達デバイスの操作によって設計される投与量および薬剤送達デバイスの操作によって送達される投与量のうちの少なくとも一方を決定する、電気的に動作可能な感知線形帯と、を含む、態様23~24のいずれか1つに記載の薬剤送達デバイス。
【0105】
26.移動可能なプランジャと出口との間に薬剤を保持するバレルを有するカートリッジから薬剤を送達するための薬剤送達デバイスであって、主ハウジングと、主ハウジングから延在するカートリッジを保持するためのカートリッジハウジングと、移動可能なプランジャに係合するための遠位端部を含む駆動部材であって、主ハウジング内で軸方向に延在する長さを有する、駆動部材と、移動可能なプランジャを移動させて出口を通して薬剤を送達するために主ハウジング内への駆動部材の遠位軸方向の前進を制御するように動作可能な投与量送達機構であって、投与量送達機構が、薬剤送達デバイスの動作によって設定される投与量および薬剤送達デバイスの動作によって送達される投与量のうちの一方に比例して主ハウジングに対して回転可能である第1の部材を含み、第1の部材が、軸方向に延在する回転軸の周りで主ハウジングに対して相対的に回転可能である、投与量送達機構と、第1の部材および主ハウジングの相対的な回転位置を検出し、かつそのような相対的な回転位置と相関する出力を生成するように動作可能である感知システムであって、感知システムが、第1の部材に回転可能に連結され、かつ半径方向に突出する第1のワイパーと、第1の部材に回転可能に連結され、かつ半径方向に突出する第2のワイパーと、主ハウジングに回転可能に連結され、かつ電力源と回路接続された第1の感知帯であって、第1の感知帯が、回転軸の周りに配置され、かつ第1の動作角度長さを有し、第1の感知帯が、第1の部材が主ハウジングに対して回転するときに第1のワイパーと物理的に接触するように第1のワイパーの半径方向外向きに配設され、第1の感知帯が、第1の感知帯が第1のワイパーとの物理的な接触のために半径方向に動作可能に係合される、第1の動作角度長さに沿って電気的に接触しており、かつ第1の感知帯が第1のワイパーとの物理的な接触の欠如のために半径方向に動作可能に係合されない第1の動作角度長さに沿って電気的に接触しておらず、第1の感知帯が、第1の動作角度長さに沿って第1の感知帯が第1のワイパーとの物理的な接触のために半径方向に動作可能に係合される場所と相関する電気的特性を有する、第1の感知帯と、主ハウジングに回転可能に連結され、かつ電力源と回路接続された第2の感知帯であって、第2の感知帯が、回転軸の周りに配置され、かつ第2の動作角度長さを有し、第2の感知帯が、第1の部材が主ハウジングに対して回転するときに第2のワイパーと物理的に接触するように第2のワイパーの半径方向外向きに配設され、第2の感知帯が、第2の感知帯が第2のワイパーとの物理的な接触のために半径方向に動作可能に係合される第2の動作角度長さに沿って電気的に接触しており、かつ第2の感知帯が第2のワイパーとの物理的な接触の欠如のために半径方向に動作可能に係合されない第2の動作角度長さに沿って電気的に接触しておらず、第2の感知帯が、第2の動作角度長さに沿って第2の感知帯が第2のワイパーとの物理的な接触のために半径方向に動作可能に係合される場所と相関する電気的な特徴を有する、第2の感知帯と、を備え、第1のワイパー、第2のワイパー、第1の感知帯、および第2の感知帯が、主ハウジングに対する第1の部材の少なくとも1つの回転位置について、第1のワイパーが第1の感知帯に動作可能に係合すると同時に、第2のワイパーが第2の感知帯に動作可能に係合せず、かつ少なくとも1つの回転位置とは異なる主ハウジングに対する第1の部材の少なくとも別の回転位置について、第2のワイパーが第2の感知帯に動作可能に係合すると同時に、第2のワイパーが第1の感知帯に動作可能に係合しないようにサイズ決めおよび位置付けられる、感知システムと、第1の感知帯からの1つの出力および第2の感知帯からの別の出力を別々に受信して、感知システムの第1および第2の感知帯の両方からの出力に基づいて、薬剤送達デバイスの動作によって設定される投与量および薬剤送達デバイスの動作によって送達される投与量のうちの少なくとも一方を示す主ハウジングに対する第1の部材の回転を識別するために感知システムと電気的に回路接続された、コントローラと、を備える、薬剤送達デバイス。
【0106】
27.第1および第2の感知帯が、主ハウジングに対して回転可能に固定され、かつ軸方向に移動可能であるセンサ装着構成要素上に配設されている、態様26に記載の薬剤送達デバイス。
【0107】
28.第1および第2の動作角度長さの各々が、第1の部材の円周の周りに部分的にのみ延在する、態様26~27のいずれか1つに記載の薬剤送達デバイス。
【0108】
29.第1の動作角度長さおよび第2の動作角度長さの各々が、第1の部材の円周の周りに220度未満で延在する、態様26~28のいずれか1つに記載の薬剤送達デバイス。
【0109】
30.第1の動作角度長さおよび第2の動作角度長さの各々が、第1の部材の円周の周りに少なくとも180度で延在する、態様26~28のいずれか1つに記載の薬剤送達デバイス。
【0110】
31.第1の動作角度長さおよび第2の動作角度長さが、同じ角度距離に及び、かつ互いに軸方向に隣接して位置付けられる、態様26~30のいずれかに記載の薬剤送達デバイス。
【0111】
32.第1のワイパーおよび第2のワイパーが、回転軸の周りで角度的に離間されている、態様26~31のいずれか1つに記載の薬剤送達デバイス。
【0112】
33.第1のワイパーおよび第2のワイパーが、回転軸の周りに180度で角度的に離間されている、態様26~32のいずれか1つに記載の薬剤送達デバイス。
【0113】
34.第1のワイパーおよび第2のワイパーが、第1の部材に固定的に連結されて、それと共に軸方向に移動し、第1の部材が、薬剤送達デバイスの動作中に主ハウジング内で軸方向に移動可能であり、第1の感知帯および第2の感知帯を有する前記センサ装着構成要素が、第1の部材と共に軸方向に移動するように拘束されて、第1の感知帯との第1のワイパーの整列および第2の感知帯との第2のワイパーの整列を維持する、態様1~33のいずれか1つに記載の薬剤送達デバイス。
【0114】
35.センサ装着構成要素が、第1および第2の感知帯を湾曲形状に支持するための半径方向内向きに面する表面を含む、U字型構成を備える、態様26~34のいずれか1つに記載の薬剤送達デバイス。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20