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特許7163465重量計、アドバイス情報提供システム、及びボトル
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】重量計、アドバイス情報提供システム、及びボトル
(51)【国際特許分類】
   A45D 44/00 20060101AFI20221024BHJP
【FI】
A45D44/00 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021152814
(22)【出願日】2021-09-21
(62)【分割の表示】P 2018527473の分割
【原出願日】2017-06-20
(65)【公開番号】P2021193611
(43)【公開日】2021-12-23
【審査請求日】2021-10-05
(31)【優先権主張番号】P 2016139581
(32)【優先日】2016-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】森 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 直輝
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-189470(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0023683(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 50/10
A45D 33/00-40/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品を載置して重量を計測する重量計であって、
前記化粧品に設けられたRFIDタグの情報を読み取るRFIDリーダと、
前記化粧品が載置されたことを検出して使用開始を検出する使用開始検出部と、を有する重量計。
【請求項2】
前記重量計は複数の前記化粧品が載置可能であり、前記各化粧品は、複数の重量計測部でそれぞれ計測される請求項1に記載の重量計。
【請求項3】
前記重量計は複数の前記化粧品が載置可能であり、前記各化粧品は、一つの重量計測部で計測される請求項1に記載の重量計。
【請求項4】
化粧品を載置する筐体と、
前記筐体に設けられた、前記化粧品に設けられたRFIDタグの情報を読み取るRFIDリーダと、
前記化粧品の重量を計測する重量計と、
前記RFIDリーダからの前記化粧品の情報に基づく適切な前記化粧品の使用量と、前記重量計からの情報により取得された前記化粧品の使用量とに基づいてアドバイス情報を提供するアドバイス情報提供部と、
を有するアドバイス情報提供システム。
【請求項5】
前記アドバイス情報提供部は、次に使用すべき化粧品をアドバイス情報として提供する請求項4に記載のアドバイス情報提供システム。
【請求項6】
前記化粧品が載置されたことを検出して使用開始を検出する使用開始検出部を有する請求項4又は5に記載のアドバイス情報提供システム。
【請求項7】
化粧品を容れるボトルであって、
前記ボトルに設けられた、重量計と前記重量計からの情報により取得された前記化粧品の使用量に基づいてアドバイス情報を提供するアドバイス情報提供部と、
を有するボトル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重量計、アドバイス情報提供システム、及びボトルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、化粧品メーカは、デパート等の店舗に化粧品カウンタを設け、化粧品カウンタで販売員が顧客の肌状態等を診断しながら、適切な化粧品をすすめるという販売形態を用いている。しかし、化粧品カウンタで販売員が化粧品の使い方等をアドバイスすることはあるが、顧客が実際に化粧品を使用する際に適切に使用できていないという問題もあった。
【0003】
特許文献1には、化粧品を容れた化粧品容器の動き等を検出するセンサと、このセンサで検出した検出信号を発信する発信手段とを含む化粧品容器の使用状況確認システムが記載されている。
【0004】
特許文献2には、液体容器と、データベースと、前記データベースにアクセスし、前記液体容器を制御し、液体摂取管理を行うように、無線技術で前記液体容器と前記データベースと通信するネット媒介と、を備えた液体摂取管理システムが記載されている。
【0005】
特許文献3には、センサ機能を有するICタグをテスターカウンタに付けて、顧客がテスターカウンタに触れた回数、選択した化粧品を使用している時間、その日時の情報をパソコンに記録させ、インターネットを通してホストコンピュータに記録し集計する化粧品基礎データ収録システムが記載されている。
【0006】
特許文献4には、管理対象者の健康に関わる食品、医薬品、医薬部外品、又は、化粧品のうちから選ばれる少なくとも一つの管理対象物品について、前記管理対象者による摂取/使用状況を管理するための管理システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2013-153952号公報
【文献】特開2014-203453号公報
【文献】特開2011-227691号公報
【文献】特開2009-129311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1~4に記載の技術でも、ユーザが実際に化粧品を使用する際に適切な使用方法等をアドバイスするということができていない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ユーザが実際に化粧品を使用する際に適切な使用方法等をアドバイスすることができる技術を提供することにある。
【0010】
本発明によれば、所定の重量計により計測される化粧品の重量を取得する重量取得部と、前記化粧品の使用開始を検出する使用開始検出部と、前記使用開始検出部が前記化粧品の使用開始を検出すると、当該化粧品に関連するアドバイス情報を提供するアドバイス情報提供部と、前記重量取得部が取得した前記化粧品の重量を記憶する記憶部と、を含むアドバイス情報提供システムが提供される。
【発明の効果】
【0011】
ユーザが実際に化粧品を使用する際に適切な使用方法等をアドバイスすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態におけるアドバイス情報提供システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図2】ログ記憶部の内部構成の一例を示す図である。
図3】本実施形態におけるアドバイス情報提供システムによる処理の一例を説明するための模式図である。
図4】化粧品情報記憶部の内部構成の一例を示す図である。
図5】使用状況記憶部の内部構成の一例を示す図である。
図6】アドバイス情報記憶部の内部構成の一例を示す図である。
図7】アドバイス情報記憶部の内部構成の他の例を示す図である。
図8】本実施形態におけるアドバイス情報提供システムを含むネットワーク構成の一例を示す図である。
図9】本実施形態におけるアドバイス情報提供システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図10】本実施形態におけるアドバイス情報提供システムによる処理の一例を説明するための模式図である。
図11】本実施形態におけるアドバイス情報提供システムによる処理の一例を示すフローチャートである。
図12A】重量計の構成の他の例を示す図である。
図12B】重量計の構成の他の例を示す図である。
図12C】重量計の構成の他の例を示す図である。
図12D】重量計の構成の他の例を示す図である。
図13】ログ記憶部の内部構成の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0014】
図1は、本実施形態におけるアドバイス情報提供システム100の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0015】
アドバイス情報提供システム100は、重量取得部120と、使用開始検出部122と、使用状況検出部124と、アドバイス情報提供部128と、ユーザ情報取得部130と、ログ記憶部150と、化粧品情報記憶部152と、使用状況記憶部154と、アドバイス情報記憶部156と、ユーザ情報記憶部158とを含む。
【0016】
図1に示したアドバイス情報提供システム100の各構成要素は、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。アドバイス情報提供システム100の各構成要素は、一又は複数の任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされた本図の構成要素を実現するプログラム、そのプログラムを格納するハードディスクなどの記憶ユニット、ネットワーク接続用インタフェースを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0017】
重量取得部120は、重量計102により計測される化粧品の重量を取得する。重量取得部120は、重量計102で計測される重量を、例えば2秒等一定の時間間隔で取得する。重量取得部120は、取得した重量を日時に対応付けてログ記憶部150に記憶する。
【0018】
図2は、ログ記憶部150の内部構成の一例を示す図である。ログ記憶部150は、日時欄、重量欄等を含む。ログ記憶部150には、例えば2秒間隔で、日時と重量とが記憶されている。
【0019】
図1に戻り、使用開始検出部122は、化粧品の使用開始を検出する。本実施形態において、使用開始検出部122は、重量取得部120が取得した化粧品の重量の変化に基づき、当該化粧品の使用開始を検出する。例えば、使用開始検出部122は、重量計102に載置されていた化粧品が重量計102から取り除かれたことに基づき、当該化粧品の使用開始を検出することができる。
【0020】
図3は、この様子を示す図である。図3(a)は、重量計102上に化粧品の一例である化粧水300が載置された状態を示す。重量取得部120は、この時点での化粧水300の重量を取得する。この状態で、ユーザが化粧水300を使用するために化粧水300を持ち上げると(図3(b)、重量取得部120はこの状態で重量計102により計測される重量(実質的にゼロg)も取得する。使用開始検出部122は、重量の変化に基づき、化粧水300の使用開始を検出する。なお、重量計102にはランプ104が設けられており、使用開始検出部122が化粧品の使用開始を検出すると、ランプ104が点灯する構成とすることができる。ユーザは、化粧水300を使用した後に再度化粧水300を重量計102上に戻す手順とすることができる(図3(c))。重量取得部120は、この時点での化粧水300の重量を取得する。これにより、後述するように、ユーザの化粧品の使用量を検出することができる。
【0021】
また他の例として、使用開始検出部122は、重量計102に何も載置されていない状態で、重量計102に化粧品が載置されたことに基づき、当該化粧品の使用開始を検出してもよい。
【0022】
化粧品情報記憶部152は、ユーザが所持する化粧品を識別する情報と、当該化粧品の重量とを対応付けて記憶する。
【0023】
図4は、化粧品情報記憶部152の内部構成の一例を示す図である。化粧品情報記憶部152は、化粧品種類欄、重量欄等を含む。化粧品情報記憶部152には、ユーザが所持する、例えば化粧水、乳液、クリーム等の化粧品それぞれの重量が記憶されている。各化粧品の重量は、例えば当該化粧品の購入時に、ユーザが化粧品に対応付けて登録しておく構成とすることができる。
【0024】
使用開始検出部122は、化粧品情報記憶部152を参照して、重量取得部120が取得した化粧品の重量に基づき、使用開始された化粧品を特定することができる。例えば、図4(a)の状態で、重量取得部120が取得した化粧品の重量が250gの場合、使用開始検出部122は、使用開始された化粧品が化粧水であると特定することができる。
【0025】
図1に戻り、使用状況検出部124は、化粧品の使用開始日時、使用量等の使用状況を検出し、使用状況記憶部154に記憶する。図5は、使用状況記憶部154の内部構成の一例を示す図である。使用状況記憶部154は、化粧品種類欄、開始日時欄、使用量欄等を含む。使用状況記憶部154には、例えば化粧水、乳液、クリーム等の化粧品それぞれについて、使用開始日時、使用量等が記憶されている。
【0026】
また、使用状況検出部124は、化粧品の使用量に基づき、化粧品情報記憶部152を更新することができる。図4(b)は、各化粧品が使用されて化粧品情報記憶部152が更新された状態を示す。ここでは、例えば化粧水の重量は図4(a)の250gから247gとなっている。
【0027】
図1に戻り、アドバイス情報提供部128は、使用開始検出部122が所定の化粧品の使用開始を検出すると、当該化粧品に関連するアドバイス情報を提供する。アドバイス情報記憶部156は、化粧品毎又は化粧品の種類毎に、当該化粧品に関連するアドバイス情報を記憶する。ここで、化粧品に関連するアドバイス情報とは、当該化粧品の推奨使用量、推奨使用時間、使用方法等、その化粧品自体に関するアドバイス情報の他、当該化粧品とともに使用することが好ましいマスクや他の化粧品についてのアドバイス情報も含む。
【0028】
図6は、アドバイス情報記憶部156の内部構成の一例を示す図である。アドバイス情報記憶部156は、化粧品種類欄、推奨使用量欄等を含む。アドバイス情報記憶部156には、例えば化粧水、乳液、クリーム等の化粧品それぞれについて、推奨使用量等が記憶されている。ここでは一例として推奨使用量等が記憶された構成を示すが、アドバイス情報記憶部156には、例えば「化粧水をコットンに含ませて、顔生体に広げて下さい」等の使用方法や、次に使用すべき化粧品等を記憶しておくこともできる。また、アドバイス情報記憶部156には、各化粧品の推奨使用時間を記憶しておくこともできる。また、アドバイス情報記憶部156には、使用時間に関し「5分間かけてゆっくりマッサージして下さい」等のアドバイス情報を記憶しておくこともできる。
【0029】
図1に戻り、本実施形態において、アドバイス情報提供部128は、重量取得部120が取得した化粧品の重量の変化に基づき、アドバイス情報を提供することができる。以下にこの手順の一例を示す。
【0030】
使用状況検出部124は、使用開始検出部122が化粧品の使用開始を検出した後、重量計102により計測される重量をモニタリングし、当該重量に基づき化粧品の使用量を検出する。アドバイス情報提供部128は、使用状況検出部124が化粧品の使用量を検出した際に、アドバイス情報記憶部156に記憶された当該化粧品の推奨使用量に基づき、使用状況検出部124が検出した化粧品の使用量が、推奨使用量以上か否かを判断する。アドバイス情報提供部128は、例えば化粧品の使用量が、推奨使用量に満たない場合に、化粧品のさらなる使用を促すアドバイス情報を提供する。
【0031】
また、本実施形態において、アドバイス情報提供部128は、化粧品の使用時間に基づき、アドバイス情報を提供することができる。以下にこの手順の一例を示す。
【0032】
使用状況検出部124は、例えば、使用開始検出部122が化粧品の使用開始を検出した後、当該化粧品の使用時間も検出することができる。使用状況検出部124は、例えば使用開始検出部122が化粧品の使用開始を検出した日時を使用開始日時として検出することができる。また、使用状況検出部124は、例えば重量計102に次の化粧品が載置される等して、重量取得部120が次の化粧品の重量を取得した日時を使用終了日時として検出することができる。この場合、使用状況検出部124は、使用開始日時から使用終了日時までの時間を使用時間として検出することができる。ただし、どのタイミングを使用開始日時や使用終了日時として検出するかは、適宜設定することができる。
【0033】
なお、上述したように、アドバイス情報記憶部156には各化粧品の推奨使用時間を記憶しておくことができる。アドバイス情報提供部128は、使用状況検出部124が化粧品の使用時間を検出した際に、アドバイス情報記憶部156に記憶された当該化粧品の推奨使用時間に基づき、使用状況検出部124が検出した化粧品の使用時間が、推奨使用時間以上か否かを判断する。アドバイス情報提供部128は、化粧品の使用時間が、推奨使用時間に満たない場合に、化粧品のさらなる使用を促すアドバイス情報を提供する。
【0034】
また、アドバイス情報提供部128は、現在の時刻(朝か夜か等)に基づき、アドバイス情報を提供することもできる。
【0035】
ユーザ情報取得部130は、使用開始検出部122が化粧品の使用開始を検出するまでの所定期間において化粧品のユーザが存在した環境の環境情報、所定期間において当該ユーザが行った行動に関する行動情報、又は所定期間における当該ユーザの生体情報等を取得する。また、ユーザ情報取得部130は、現在の環境情報や生体情報を取得することもできる。
【0036】
アドバイス情報提供部128は、使用開始検出部122が化粧品の使用開始を検出するまでの所定期間において化粧品のユーザが存在した環境の環境情報や現在の環境情報、所定期間において当該ユーザが行った行動に関する行動情報、又は所定期間における当該ユーザの生体情報や現在の生体情報等に基づき、アドバイス情報を提供することができる。
【0037】
所定期間は、例えば現在が夜の場合、前回(朝)の使用後から現在までであったり、現在が朝なら前日の朝の使用後から現在までであったり、現在までの1月間、現在までの1週間等、種々の設定とすることができる。
【0038】
環境情報は、例えば、UV量、湿度、温度、天気、季節、空気中の水蒸気量、PM2.5の量、花粉量等とすることができる。例えば、アドバイス情報提供部128は、UV量が多い場合や湿度が低い場合等に、化粧品の多めの使用を促したり、現在の化粧品の使用の後に、特別な別の化粧品の使用を促す等のアドバイス情報を提供することができる。
【0039】
行動情報は、例えば、睡眠時間、運動時間、食事時間や食事の内容、美容行為等とすることができる。例えば、アドバイス情報提供部128は、睡眠時間が短い場合等に、化粧品の多めの使用を促したり、現在の化粧品の使用の後に、特別な別の化粧品の使用を促す等のアドバイス情報を提供することができる。
【0040】
生体情報は、例えば、肌状態(水分量等)、生理周期、血流、体温、血圧、疲労、ストレス等とすることができる。例えば、アドバイス情報提供部128は、水分量が少ない場合等に、化粧品の多めの使用を促したり、現在の化粧品の使用の後に、特別な別の化粧品の使用を促す等のアドバイス情報を提供することができる。
【0041】
なお、上記環境情報、行動情報又は生体情報等のユーザ情報は、例えば後述するユーザ情報収集デバイスにより取得することができる。また、ユーザ情報は、例えばユーザに入力させる構成とすることもできる。例えば食事時間や食事の内容については、ユーザに手入力させたり、食事の写真や食品の購入履歴や外食時の会計に基づき判断する等とすることができる。
【0042】
図7は、アドバイス情報記憶部156の内部構成の他の例を示す図である。アドバイス情報記憶部156は、図6を参照して説明した例と同様、化粧品種類欄、推奨使用量欄等を含む。また、アドバイス情報記憶部156には、例えば化粧水、乳液、クリーム等の化粧品それぞれについて、標準時とUV量が多いとき(UV量多)それぞれの推奨使用量等が記憶されている。ここで、例えば化粧水について、UV量多の推奨使用量u4は、標準時の推奨使用量u1より多い構成とすることができる。
【0043】
アドバイス情報提供部128は、ユーザ情報取得部130が取得した環境情報であるUV量に基づき、UV量が標準か多いかに応じて、対応する推奨使用量等を用いてユーザの化粧品の使用量が適切か否か等を判断することができる。また、この場合も、アドバイス情報記憶部156には、各化粧品の推奨使用時間を記憶しておくこともできる。
【0044】
図8は、本実施形態におけるアドバイス情報提供システム100を含むネットワーク構成の一例を示す図である。
【0045】
アドバイス情報提供システム100は、ネットワーク250を介してサーバ装置210と接続される。また、アドバイス情報提供システム100は、ユーザ情報収集デバイス220と直接又はネットワーク250を介して接続される。ネットワーク250は、インターネットやLAN等の通信ネットワークである。
【0046】
ユーザ情報収集デバイス220は、ユーザが身につけたり持ち歩いたりする環境センサ、活動量計等の端末とすることができる。例えば環境情報を収集する場合、ユーザ情報収集デバイス220は、UV量測定器等の環境センサとすることができる。また、例えば行動情報を収集する場合、ユーザ情報収集デバイス220は、睡眠時間や運動量を測定する活動量計とすることができる。
【0047】
ユーザ情報収集デバイス220は、収集したユーザ情報を一定の時間間隔でサーバ装置210等のデータベースや、ユーザのスマートフォン等の携帯端末に送信することができる。サーバ装置210へのユーザ情報の送信は、ユーザ情報収集デバイス220から直接行ってもよく、ユーザのスマートフォン等の携帯端末を介して行ってもよい。また、ユーザ情報をサーバ装置210に送信する場合、サーバ装置210は、ユーザ情報をユーザに対応付けて記憶しておく。
【0048】
他の例として、ユーザ情報収集デバイス220は、メモリを有し、得られたユーザ情報を一定の時間間隔で自端末のメモリ内に記憶しておくこともできる。
【0049】
図1に戻り、アドバイス情報提供システム100のユーザ情報取得部130は、サーバ装置210、ユーザのスマートフォン等の携帯端末、ユーザ情報収集デバイス220等に記憶されたユーザ情報を取得することができる。ユーザ情報取得部130は、このようにして取得したユーザ情報をユーザ情報記憶部158に記憶する。
【0050】
なお、後述するように、アドバイス情報提供システム100がユーザのスマートフォン等の携帯端末により構成される場合、ユーザ情報取得部130は、ユーザ情報収集デバイス220から一定の時間間隔でユーザ情報を取得し、ユーザ情報記憶部158に記憶しておくこともできる。
【0051】
図9は、本実施形態におけるアドバイス情報提供システム100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0052】
アドバイス情報提供システム100は、入力部21と、出力部22と、メモリ部25と、各種制御を行うCPU(Central Processing Unit)26と、ネットワーク接続部27とを有する。
【0053】
アドバイス情報提供システム100は、例えば図3に示したように、重量計102を含む筐体内にコンピュータが組み込まれた構成の端末(以下、「重量計端末」という。)とすることができる。また、アドバイス情報提供システム100は、ユーザのスマートフォン等の携帯端末やタブレット端末等の端末とすることもできる。さらに、アドバイス情報提供システム100は、重量計端末と、スマートフォンやタブレット端末等の端末との組み合わせにより構成することもできる。
【0054】
入力部21は、例えばユーザ等が操作するボタン、キーボード等とすることができる。また、入力部21は、例えば音声等により入力が可能なマイク等の音声入力デバイスであってもよい。出力部22は、ランプ、スピーカ、ディスプレイ等とすることができる。図3に示したランプ104は出力部22の一例である。
【0055】
メモリ部25は、実行プログラム等を格納する。なお、メモリ部25は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等である。
【0056】
CPU26は、OS(Operating System)等の制御プログラム、及びメモリ部25に格納されている実行プログラムに基づいて、各種演算や各ハードウェア構成部とのデータの入出力等、コンピュータ全体の処理を制御して、本実施形態のアドバイス情報提供処理を実現する。
【0057】
ネットワーク接続部27は、ネットワーク250等と接続することにより、例えばサーバ装置210等他の装置との間でデータのやり取りを行う。
【0058】
なお、アドバイス情報提供システム100が、スマートフォンやタブレット端末等の端末の場合、入力部21と出力部22とは、例えばタッチパネルのように入出力一体型の構成であってもよい。この場合、アドバイス情報提供システム100は、電源システム、メインシステム、記憶部、外部ポート、高周波回路、アンテナ、オーディオ回路、スピーカ、マイク、近接センサ、I/Oサブシステム、タッチ反応型ディスプレイシステム及び光学センサ等及び入力部を含む。メインシステムは、プロセッサ、メモリコントローラ及び周辺インタフェースを含む。I/Oサブシステムは、ディスプレイコントローラ、光学センサコントローラ及び入力コントローラを含むことができる。
【0059】
また、アドバイス情報提供システム100の機能の一部はサーバ装置210に設けられていてもよい。図1を参照して説明した構成のうち、例えば化粧品情報記憶部152、使用状況記憶部154、アドバイス情報記憶部156、ユーザ情報記憶部158等の各種記憶部はサーバ装置210に設けられた構成とすることができる。
【0060】
サーバ装置210は、一般的なコンピュータが有するCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)、I/F(Interface)、キーボード、マウス、モニタ、CD/DVD(Compact Disk/Digital Versatile Disk)ドライブ等のI/O(Input/Output Device)、HDD(Hard Disk Drive)、NIC(Network Interface Card)等がバスで接続されたハードウェア構成を有することができる。
【0061】
図10は、本実施形態におけるアドバイス情報提供システム100による処理を説明するための模式図である。
【0062】
図10(a)~図10(c)は、図3(a)~図3(c)の処理に対応する。図10(c)において、ユーザが化粧水300を使用して重量計102上に戻すと、使用状況検出部124は、図10(a)の状態で計測された重量と、図10(c)の状態で計測された重量とに基づき、化粧水300の使用量を検出する。アドバイス情報提供部128は、アドバイス情報記憶部156(例えば図6)を参照して、化粧水300の推奨使用量u1に基づき、使用量が推奨使用量u1以上であれば「使用量は適切です・・・」等のアドバイス情報400を提供する。この時、アドバイス情報提供部128は、例えば「次は乳液を使用して下さい。」等、次に使用すべき化粧品をアドバイス情報として提供してもよい。
【0063】
一方、アドバイス情報提供部128は、使用量が推奨使用量u1未満であれば、「もう少し化粧水をたくさん使用して下さい。」等のアドバイス情報400を提供する。
【0064】
なお、本実施形態において、ユーザは、使用しようとする化粧品を一旦重量計102上に載置してから使用する手順とすることができる。ユーザが化粧水300を使用し終わり、次に乳液302を使用しようとする場合は、一旦化粧水300を重量計102から取り除き(図10(d))、乳液302を重量計102上に載置する(図10(e))。
【0065】
この状態で、ユーザが乳液302を使用するために乳液302を持ち上げると(図10(f))、使用開始検出部122は、重量の変化に基づき、乳液302の使用開始を検出する。この時も、使用開始検出部122が化粧品の使用開始を検出すると、ランプ104が点灯する構成とすることができる。
【0066】
次いで、ユーザが乳液302を使用して重量計102上に戻す(図10(g))。使用状況検出部124は、図10(e)の状態で計測された重量と、図10(g)の状態で計測された重量とに基づき、乳液302の使用量を検出する。アドバイス情報提供部128は、アドバイス情報記憶部156(例えば図6)を参照して、乳液302の推奨使用量u2と使用量とに基づき、アドバイス情報を提供する。
【0067】
図11は、本実施形態におけるアドバイス情報提供システムによる処理の一例を示すフローチャートである。
【0068】
重量取得部120が取得した重量の変化に基づき所定の化粧品の使用開始を検出すると(ステップS100のYES)、使用開始検出部122は、当該化粧品の重量をログ記憶部150に記録する(ステップS102)。ユーザ情報取得部130は、ユーザ情報を取得する(ステップS104)。アドバイス情報提供部128は、推奨使用量を取得する(ステップS106)。このとき、アドバイス情報提供部128は、ユーザ情報取得部130が取得したユーザ情報に基づき、例えばUV量が標準か多いか等に応じて、推奨使用量を取得することができる。使用状況検出部124は、重量取得部120が取得した重量の変化に基づき、化粧品の使用量を検出する(ステップS108)。
【0069】
アドバイス情報提供部128は、ステップS106で取得した推奨使用量と、ステップS108で検出された使用量とに基づき、使用量が推奨使用量以上か否かを判断する(ステップS110)。使用量が推奨使用量以上の場合(ステップS110のYES)、アドバイス情報記憶部156は、次に使うべき化粧品があるか否かを判断し(ステップS114)、次の化粧品がある場合(ステップS114のYES)、次の化粧品についてのアドバイス情報を提供する(ステップS116)。この後、ステップS100に戻り、次の化粧品について同様の処理を行う。なお、次の化粧品の処理では、ステップS104のユーザ情報の取得は省略することができる。
【0070】
一方、ステップS110において、使用量が推奨使用量未満の場合(ステップS110のNO)、アドバイス情報記憶部156は、現在の化粧品の追加使用を促すアドバイス情報を提供する(ステップS112)。この後、ステップS108に進み、同様の処理を繰り返す。
【0071】
一方、ステップS114において、次の化粧品がない場合(ステップS114のNO)、処理を終了する。
【0072】
以上のように、本実施形態におけるアドバイス情報提供システム100によれば、重量計102により計測される化粧品の重量を取得する構成となっている。そのため、例えば化粧品の重量の変化に基づき、化粧品の使用開始を検出して、ユーザが化粧品を使用する際に当該化粧品に関連するアドバイス情報を提供することができる。また、例えば化粧品の重量の変化に基づき、ユーザが化粧品を使用する際に当該化粧品の適切な使用量等をアドバイスすることができる。
【0073】
また、本実施形態におけるアドバイス情報提供システム100によれば、重量計102により計測される化粧品の重量を日時に対応付けて記憶しておくことができる。これにより、化粧品を購入した顧客であるユーザが化粧品を使用する日時、頻度、使用量等を適切に把握することができる。例えば各アドバイス情報提供システム100で取得された各ユーザの化粧品の使用日時、頻度、使用量等をユーザに対応付けてサーバ装置210に集約することにより、各顧客の化粧品の使用日時、頻度、使用量等を把握できるとともに、多数の顧客の化粧品の使用日時、頻度、使用量等を分析する等も行うことができる。
【0074】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0075】
例えば、他の例として、重量計102は、各化粧品毎に複数準備されており、各化粧品がそれぞれ重量計102上に載置された状態で保管される構成としてもよい。つまり、化粧水300等の化粧品を重量計102上に載置された状態で保管しておくこともできる。
【0076】
図12A図12Dは、重量計102の構成の他の例を示す図である。図12A及び図12Bに示す構成では、重量計102は、複数の独立した重量計測部102aを含む。このような構成において、各重量計測部102aに各化粧品を載置するようにして、各化粧品の使用開始を検出するようにしてもよい。
【0077】
また、図12C及び図12Dに示すように、重量計102は、一つの重量計測部102aのみを含むが、複数の化粧品が載置可能なサイズに構成することもできる。このような構成においても、図4を参照して説明したように、化粧品情報記憶部152に各化粧品の重量を記憶する構成としておくことにより、どの化粧品が重量計102に載置されたかや重量計102から取り除かれたか等を把握することができる。
【0078】
また、どの化粧品が重量計102に載置されたかや重量計102から取り除かれたか等は、重量計102側にRFIDリーダ機能を設けておき、各化粧品ボトルにRFIDタグを設けておくことにより、識別する構成とすることもできる。
【0079】
なお、重量計102を各化粧品毎に複数準備する場合や、図12A及び図12Bに示すように、重量計102が複数の重量計測部102aを含む場合、ログ記憶部150は、図13に示すように、重量計ID欄も含み、各重量計IDに対応付けて重量を記憶する構成とすることができる。
【0080】
さらに、図示していないが、各化粧品の化粧品ボトルに重量計が設けられる構成とすることもできる。また、この場合、アドバイス情報提供システム100の機能の一部又は全部が化粧品ボトルに設けられる構成とすることもできる。この場合、アドバイス情報提供システム100はログ記憶部150等に前回使用終了時の重量、又は一定時間間隔で更新される化粧品容器の重量を記憶している。使用開始検出部122は、化粧品ボトルが傾く等重量が変化すると、使用開始と判断することができる。
【0081】
また、以上の実施形態においては、使用開始検出部122が化粧品の重量の変化に基づき化粧品の使用開始を検出する構成を説明した。しかし、他の例として、重量計102にスイッチを設け、使用開始検出部122は、当該スイッチが入れられることにより使用開始を検出する構成とすることもできる。また、化粧品の使用開始は、例えば化粧品ボトルに加速度センサや近接センサを設け、加速度センサで動きを捉えたり、近接センサで人が近づいたことを捉えることにより検出する構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0083】
21 入力部
22 出力部
25 メモリ部
27 ネットワーク接続部
100 アドバイス情報提供システム
102 重量計
120 重量取得部
122 使用開始検出部
124 使用状況検出部
128 アドバイス情報提供部
130 ユーザ情報取得部
150 ログ記憶部
152 化粧品情報記憶部
154 使用状況記憶部
156 アドバイス情報記憶部
158 ユーザ情報記憶部
210 サーバ装置
220 ユーザ情報収集デバイス
250 ネットワーク
300 化粧水
302 乳液
400 アドバイス情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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図12A
図12B
図12C
図12D
図13