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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】ウニ様加工食品
(51)【国際特許分類】
   A23L 17/00 20160101AFI20221024BHJP
【FI】
A23L17/00 H
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021169356
(22)【出願日】2021-10-15
【審査請求日】2022-04-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】593020108
【氏名又は名称】エースコック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100183461
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 芳隆
(74)【代理人】
【識別番号】100121005
【弁理士】
【氏名又は名称】幸 芳
(72)【発明者】
【氏名】大西 広泰
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 桂吾
【審査官】楠 祐一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-046801(JP,A)
【文献】特開2015-039346(JP,A)
【文献】梅國智子, 貝沼圭二, 高橋節子,米の食味と糊化・老化特性,J.Appl.Glycosci.,2003年,50,395-403
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウニ、ゲル化剤、及びでん粉を含有するウニ様加工食品であって、
前記でん粉が、α化リン酸架橋でん粉であり、
前記α化リン酸架橋でん粉の、レーザ散乱法により測定される粒子径のメジアン径が、200μm以上であり、かつ、
前記α化リン酸架橋でん粉の配合量が、ウニ様加工食品中に0.5質量%以上である、ウニ様加工食品。
【請求項2】
前記α化リン酸架橋でん粉は、目開き250μmの篩のパス率が質量基準で、98%以下である、請求項1に記載のウニ様加工食品。
【請求項3】
前記α化リン酸架橋でん粉が、水不溶性のα化リン酸架橋でん粉である、請求項1又は2に記載のウニ様加工食品。
【請求項4】
前記α化リン酸架橋でん粉の配合量が、ウニ様加工食品中に0.5質量%~5質量%である、請求項1~3の何れか一項に記載のウニ様加工食品。
【請求項5】
前記水不溶性のα化リン酸架橋でん粉におけるでん粉の種類が、コーンでん粉由来、及びタピオカでん粉由来から選ばれる少なくとも1種である、請求項1~4の何れか一項に記載のウニ様加工食品。
【請求項6】
前記ゲル化剤が、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、タラガム、寒天、カラギナン、及びゼラチンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1~5の何れか一項に記載のウニ様加工食品。
【請求項7】
前記ウニが、生ウニ、又はウニ加工品である、請求項1~6の何れか一項に記載のウニ様加工食品。
【請求項8】
前記ウニ加工品が、ウニペースト、ウニピューレ、及びウニエキスからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項7に記載のウニ様加工食品。
【請求項9】
前記ウニ様加工食品中、生ウニの含有量が10質量%未満である、請求項1~8の何れか一項に記載のウニ様加工食品。
【請求項10】
さらに、粉末油脂を含む、請求項1~9の何れか一項に記載のウニ様加工食品。
【請求項11】
さらに、卵黄及び卵黄加工品からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1~10の何れか一項に記載のウニ様加工食品。
【請求項12】
ウニ及びゲル化剤を含有する食品組成物に、レーザ散乱法により測定される粒子径のメジアン径が、200μm以上である、α化リン酸架橋でん粉を、ウニ様加工食品中に0.5%質量以上の配合割合で添加する工程を備える、ウニのつぶつぶとした食感、及び/又は、食べた後の口に残るウニの風味を増加されたウニ様加工食品の製造方法。
【請求項13】
ウニ及びゲル化剤を含有する食品組成物に、レーザ散乱法により測定される粒子径のメジアン径が、200μm以上である、α化リン酸架橋でん粉を、ウニ様加工食品中に0.5質量以上の配合割合で添加する工程を備える、ウニのつぶつぶとした食感、及び/又は、食べた後の口に残るウニの風味を増加させる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウニ様加工食品に関する。
【背景技術】
【0002】
食用に供されるウニは、バフンウニ、アカウニ、ムラサキウニ等の棘皮動物の生殖腺(精巣又は卵巣)であり、我が国では古くから、刺し身、寿司種等の生鮮食品として、又は、練りウニ等の加工食品として愛好されてきた。近年、嗜好の高級化に伴ってウニに対する需要が増加する一方で、ウニ類の生息に適した海域が減少しているために、ウニが量的に不足し、希少価値のために高価な食品となっている。そのため、原料として使用するウニの量を減らした様々なウニ様加工食品が開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、原料として魚肉のすり身を使用したウニ様乾燥食品が記載されている。当該ウニ様乾燥食品は、長期保存が可能であり、お湯等で復元し、喫食することが可能であって、魚肉のすり身と、還元水あめと、澱粉と、油脂と、乳化剤と、卵白粉と、粉末セルロースと、膨化剤と、水と、を含む原料を擂潰したすり身材を、成型し、加熱することにより加熱凝固及び膨化剤による膨化処理を行い、凍結した後、真空凍結乾燥することにより製造することができる。
しかしながら、特許文献1の実施例に記載されたウニ様加工食品には、10重量%程度のウニピューレ、ウニエキス等のウニ素材が配合されており、さらに油脂、ゲル化剤等が加えられているため、ウニが持つ本来のつぶつぶとした食感は有しておらず、また、お湯等で復元して喫食することから、食べた後に口に残るウニ独特の風味は損なわれ、満足できるものではないといえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-156330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ウニが持つ本来のつぶつぶとした食感を有し、かつ、食べた後に口の中に残るウニ独特の風味を持つウニ様加工食品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らが、ウニ様加工食品を開発すべく鋭意検討した結果、原料としてα化加工でん粉を配合することで、上記したウニ様加工食品が提供できることを見出した。本発明は、このような知見に基づき完成されたものである。
【0007】
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
項1.
ウニ、ゲル化剤、及びでん粉を含有するウニ様加工食品であって、
前記でん粉が、α化加工でん粉である、ウニ様加工食品。
項2.
前記α化加工でん粉が、α化リン酸架橋でん粉である、項1に記載のウニ様加工食品。
項3.
前記α化加工でん粉が、水不溶性のα化加工でん粉である、項1又は2に記載のウニ様加工食品。
項4.
前記α化加工でん粉の、レーザ散乱法により測定される粒子径のメジアン径が、200μm以上である、項1~3の何れか一項に記載のウニ様加工食品。
項5.
前記α化加工でん粉におけるでん粉の種類が、コーンでん粉由来、及びタピオカでん粉由来から選ばれる少なくとも1種である、項1~4の何れか一項に記載のウニ様加工食品。
項6.
前記ゲル化剤が、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、タラガム、寒天、カラギナン、及びゼラチンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、項1~5の何れか一項に記載のウニ様加工食品。
項7.
前記ウニが、生ウニ、又はウニ加工品である、項1~6の何れか一項に記載のウニ様加工食品。
項8.
前記ウニ加工品が、ウニペースト、ウニピューレ、及びウニエキスからなる群より選ばれる少なくとも1種である、項7に記載のウニ様加工食品。
項9.
前記ウニ様加工食品中、生ウニの含有量が10質量%未満である、項1~8の何れか一項に記載のウニ様加工食品。
項10.
さらに、粉末油脂を含む、項1~9の何れか一項に記載のウニ様加工食品。
項11.
さらに、卵黄及び卵黄加工品からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、項1~10の何れか一項に記載のウニ様加工食品。
項12.
ウニ及びゲル化剤を含有する食品組成物に、α化加工でん粉を添加する工程を備える、ウニのつぶつぶとした食感、及び/又は、食べた後の口に残るウニの風味を増加されたウニ様加工食品の製造方法。
項13.
ウニ及びゲル化剤を含有する食品組成物に、α化加工でん粉を添加する工程を備える、ウニのつぶつぶとした食感、及び/又は、食べた後の口に残るウニの風味を増加させる方法。
項14.
α化でん粉を含むウニの風味増加剤であって、ウニ及びゲル化剤を含有する食品組成物に対して、α化でん粉を添加することで、ウニのつぶつぶとした食感、及び/又は、食べた後の口に残るウニの風味を増加させる、ウニの風味増加剤。
項15.
項1~11の何れか一項に記載のウニ様加工食品、及び油脂組成物を含む、ウニ様加工食品組成物。
項16.
項1~11の何れか一項に記載のウニ様加工食品が油脂組成物でコーティングされたウニ様加工食品組成物。
項17.
項15又は項16に記載のウニ様加工食品組成物を含むウニ様加工成形品。
項18.
項15又は項16に記載のウニ様加工食品組成物が充填された小袋。
項19.
項16に記載のウニ様加工食品組成物の製造方法であって、ウニ、ゲル化剤、及びα化加工でん粉を含有する食品組成物を加熱する工程、加熱して得られたウニ様加工食品を小袋に充填する工程、ウニ様加工食品が充填された小袋に油脂組成物を充填する工程、及び、得られたウニ様加工食品を冷却する工程を備える、ウニ様加工食品組成物の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ウニが持つ本来のつぶつぶとした食感を有し、かつ、食べた後に口の中に残るウニ独特の風味を持つウニ様加工食品を提供することができる。
本発明のウニ様加工食品は、高価なウニを少量配合しているだけで、ウニ本来の食感及び風味を再現できることから、安価に製造することができる。
本発明のウニ様加工食品は、寿司、巻寿司等の具、軍艦巻きのトッピング等に用いることができる。また、本発明のウニ様加工食品は、そのまま刺し身として賞味することもできる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<ウニ様加工食品>
本発明のウニ様加工食品は、ウニ、ゲル化剤、及びα化加工でん粉を含んでいる。
【0010】
ウニ
本明細書において、ウニは、ウニ綱に属する棘皮動物の生殖腺(「生ウニ」ということもある。)を指す。本発明では、食用に適したウニであって、例えば、ホウンニ亜目のバフンウニ、エゾバフンウニ、キタムラサキウニ、アカウニ、ムラサキウニ等、サンショウウニ亜目のシラヒゲウニ等の生殖腺(精巣又は卵巣)を用いることができる。ウニの産地としては、特に限定はなく、日本産でも、外国産でもよい。
【0011】
ウニとしては、生ウニだけでなく、ウニペースト、ウニピューレ、ウニエキス等のウニ加工品を用いることができる。
【0012】
ウニペーストとしては、例えば、生のウニをそのまま、又は生のウニを加熱したものを、チョッパー、マスコロイダ等で、ペースト状にしたもの(ウニ100質量%のもの)等が挙げられる。また、このウニペーストには、必要に応じて、食塩等の調味料;油脂;着色料(色素)等の副原料を配合して得られたものであってもよい。ここで、副原料を配合する場合、その副原料の配合量は、ウニペースト中に、例えば、0.01~60質量%程度とすることができる。
【0013】
ウニピューレとしては、例えば、生のウニをそのまま、又は生のウニを加熱したものを、ミキサー等ですりつぶして裏ごしした、とろみのある半液体状のもの(ウニ100質量%のもの)等が挙げられる。また、ウニピューレには、必要に応じて、食塩等の調味料;油脂;着色料(色素)等の副原料を配合して得られたものであってもよい。ここで、副原料を配合する場合、その副原料の配合量は、ウニピューレ中に、例えば、0.01~5質量%程度とすることができる。
【0014】
ウニエキスとしては、特に限定はなく、ウニを含むエキスであればよい。エキスとは、日本エキス調味料協会において、「食品として用いられる農・水・畜産物を原料として、衛生的管理の下に抽出又は搾汁、自己消化、酵素処理、精製、濃縮等により製造し、原料由来の成分を含有するもの、またはこれに副原料、呈味成分を加えたもので、食品に風味を付与するものいう」と定義されており、本発明で用いるウニエキスも、これに準じたものを意味する。つまり、ウニエキスには、例えば、生のウニをそのまま、又は生のウニを加熱したものを原料として、衛生的管理の下に、すり潰し、これに副原料(食塩、アミノ酸、油脂、還元澱粉糖化物、ほたてエキス等の調味料、pH調整剤の添加剤等)を調合し、加熱殺菌して製品化したもの等が挙げられる。ここで、副原料を配合する場合、その副原料の配合量は、ウニエキス中に、例えば、0.01~40質量%とすることができる。
また、これらウニ又はウニ加工品は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0015】
ウニ(生ウニ)の配合量(配合割合)は、ウニ様加工食品中に、通常、10質量%未満であるが、10質量%以上の場合を除外しているわけではなく、ウニの量が多い方が、よりウニの風味が向上するものといえる。ウニの配合量の下限は0.01質量%以上であればよく、好ましいウニの配合量は0.1質量%以上9質量%未満であり、より好ましくは1~7質量%である。
【0016】
ゲル化剤
ゲル化剤としては、特に限定はなく、例えば、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、タラガム、寒天、カラギナン、ゼラチン等が挙げられる。ゲル化剤として好ましくは、キサンタンガム、グアーガム、寒天、カラギナン、及びゼラチンであり、より好ましくはキサンタンガム、寒天、カラギナン、及びゼラチンである。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0017】
ゲル化剤の配合量(配合割合)としては、ウニ様加工食品中に、通常、0.01~10質量%であり、好ましくは0.05質量%以上8質量%未満であり、より好ましくは0.1~5質量%である。
【0018】
α化加工でん粉
α化加工でん粉は、加工でん粉をα化したものである(以下、「α化した加工でん粉」ということもある。)。ここで、でん粉は、デンプン、でんぷん、又は、澱粉と表記することができる。なお、「加工でん粉」は、化工でん粉又はでん粉誘導体とも言い換えできる。
【0019】
上記加工でん粉とは、食品安全委員会添加物専門調査会(2007年11月発行)に定義されているとおり、でん粉を原料に化学的な加工を施すことで、様々な機能を高めたものであり、食品添加物の一つである。英語では、modified starch(変性でん粉)という。加工でん粉は、日本では、現在12種類の加工でん粉が使用できる。食品の原材料表示では、加工でん粉は物質名で表示することが原則であるが、消費者にとって分かりにくい等の理由から、簡略名である加工でん粉(又は加工デンプン、加工澱粉)と表記されることが多い。
【0020】
上記12種類の加工でん粉としては、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、アセチル化酸化デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、酢酸デンプン、酸化デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン、リン酸化デンプン、リン酸架橋デンプン、及びデンプングリコール酸ナトリウムが挙げられる。
【0021】
アセチル化アジピン酸架橋デンプンとは、デンプンを無水酢酸と無水アジピン酸でエステル化したものであり、一般式(1):(C10(C(CO)で表される化合物である。
【0022】
アセチル化リン酸架橋デンプンとは、デンプンをオキシ塩化リン又は三メタリン酸及び無水酢酸又は酢酸ビニルでエステル化したものであり、一般式(2):(C10(PHO(CO)で表される化合物である。
【0023】
アセチル化酸化デンプンとは、デンプンを次亜塩素酸ナトリウムで処理(酸化)後、無水酢酸でエステル化したものであり、一般式(3):(C10(CHO(CO)で表される化合物である。
【0024】
オクテニルコハク酸デンプンナトリウムとは、デンプンを無水オクテニルコハク酸でエステル化したものであり、一般式(4):(C10[C(O)CH(CHCOONa)CHCH=CH(CHCHで表される化合物である。
【0025】
酢酸デンプンとは、デンプンを無水酢酸又は酢酸ビニルでエステル化したものであり、一般式(5):(C10(CO)で表される化合物である。酢酸でん粉とは、アセチル化でん粉ということもある。
【0026】
酸化デンプンとは、デンプンを次亜塩素酸ナトリウムで処理(酸化)したものであり、一般式(6):(C10(CHO)で表される化合物である。
【0027】
ヒドロキシプロピルデンプンとは、デンプンをプロピレンオキシドでエーテル化したものであり、一般式(7):(C10[CHCH(OH)CHで表される化合物である。
【0028】
ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプンとは、デンプンを無水オクテニルコハク酸でエステル化したものであり、一般式(8):(C10(CHO(CO)で表される化合物である。
【0029】
リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプンとは、リン酸化デンプンとリン酸架橋デンプンの製造法を組み合わせて製造したものであり、一般式(9):(C10(PHO(PHで表される化合物である。
【0030】
リン酸化デンプンとは、デンプンをオルトリン酸、又はオルトリン酸カリウム、又はオルトリン酸ナトリウム、又はトリポリリン酸ナトリウムでエステル化したものであり、一般式(10):(C10(PHで表される化合物である。
【0031】
リン酸架橋デンプンとは、デンプンをトリメタリン酸ナトリウム又はオキシ塩化リンでエステル化したものであり、一般式(11):(C10(PHOで表される化合物である。
【0032】
デンプングリコール酸ナトリウムとは、デンプンをアルカリ性に変えて作られたものであり、一般式(12):(CNaで表される化合物である。
【0033】
α化加工でん粉におけるでん粉の種類としては、特に限定はなく、例えば、タピオカでん粉由来、モチゴメでん粉由来、コメでん粉由来、馬鈴薯でん粉由来、小麦でん粉由来、コーンでん粉由来、ワキシーコーンでん粉由来、サトイモでん粉由来、サゴでん粉由来等のものが挙げられる。中でも、でん粉の種類としてはコーンでん粉由来、及びタピオカでん粉由来が好ましい。つまり、でん粉(加工する前のでん粉)としては、特に限定はなく、例えば、タピオカでん粉、モチゴメでん粉、コメでん粉、馬鈴薯でん粉、小麦でん粉、コーンでん粉、ワキシーコーンでん粉、サトイモでん粉、サゴでん粉等の可食性のでん粉が挙げられ、コーンでん粉、及びタピオカでん粉が好ましい。
【0034】
上記α化加工でん粉としては、α化リン酸架橋でん粉、及び、α化アセチル化アジピン酸架橋でん粉が好ましく、これらの中でもα化リン酸架橋でん粉がより好ましい。
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0035】
α化リン酸架橋でん粉の市販品としては、例えば、テクステイドA(TEXTAID(登録商標) A)(イングレディオン社製)、インスタントテクステイドA(INSTANT TEXTAID(登録商標) A)(イングレディオン社製)、テクステイドA FP(TEXTAID(登録商標) A FP)(イングレディオン社製)、パインゴールドVE(松谷化学工業社製)等を使用することができる。
【0036】
α化加工でん粉としては、水溶性、又は、水不溶性のα化加工でん粉が挙げられる。α化加工でん粉として、水不溶性のα化加工でん粉を使用することが好ましい。ここで、水不溶性とは、水に溶解しにくく、その水溶液の粘度が高くないものを指す。具体的には、α化加工でん粉5%を含む水溶液を90℃で10分間加熱した後、この水溶液を冷却し、室温(25℃)にて、B型粘度計で測定した粘度の上限は、200mPaS以下であることが好ましく、100mPaS以下がより好ましい。また、粘度の下限は、1mPaS以上であることが好ましく、10mPaS以上がより好ましい。
【0037】
α化加工でん粉に含まれる粉末の粒子径及び粒子形状は、特に限定はなく、例えば、レーザ散乱法により測定される粒子径のメジアン径(体積基準で累積度数50%の粒子径)が200μm以上であることが好ましく、300μm以上がより好ましい。粒子径のメジアン径の上限としては、2000μm以下であることが好ましく、1000μm以下であることがより好ましい。
【0038】
前記メジアン径は、通常の粒度分布測定装置を用いて測定することができる。具体的には、粒度分布測定装置としてベックマン・コールター社製のレーザ回析散乱式粒子径分布測定装置LS 13 320 XRを利用した乾式測定が挙げられるが、これには限定されない。
【0039】
本発明のウニ様加工食品は、ウニのようなつぶつぶとした食感を感じることができ、また、食べた(飲み込んだ)後に口に残るウニの風味及び口から鼻に抜けるウニの風味もより感じることができる。ここで、「ウニの風味」とは、ウニ独特の苦み、渋味、甘み等の呈味を感じられるものだけでなく、磯っぽく甘さを伴った香りも含まれる。
【0040】
α化加工でん粉は、目開き250μmの篩のパス率が質量基準で好ましくは98%以下、より好ましくは60%以下、最も好ましくは40%以下である。目開き250μmの篩はISO規格のR20シリーズの篩の1つとして入手可能である。
【0041】
α化加工でん粉の配合量(配合割合)としては、ウニ様加工食品中に、通常、0.01~15質量%であり、好ましくは0.1~10質量%であり、より好ましくは0.3~7質量%である。
【0042】
本発明のウニ様加工食品は、さらに、必要に応じて、粉末油脂、卵黄又は卵黄加工品、油脂組成物、その他の成分を配合することができる。
【0043】
粉末油脂
粉末油脂とは、油を水中に乳化させた水中油型乳化液、若しくは水を油中に乳化させた油中水型乳化液を乾燥粉末化させたもの、又は、油脂を乾燥粉末化させたものである。粉末油脂としては水中油型乳化液を乾燥粉末化させたものが好ましい。
【0044】
粉末油脂としては、任意の油相及び水相を含む乳化液から得られたものを使用することができる。
【0045】
粉末油脂に使用される油脂としては、食用であれば特に限定はなく、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、菜種油(キャノーラ油)、大豆油、綿実油、ヒマワリ油、米油、サフラワー油、コーン油、オリーブ油、ゴマ油、魚油、シア脂、サル脂、イリッペ脂、カカオ脂、豚脂(ラード)、牛脂、乳脂、それらの分別油又はそれらの加工油(硬化及びエステル交換反応のうち1つ以上の処理がなされたもの)等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0046】
粉末油脂は、賦形剤を含む水相に、上記のような油脂を含む油相を添加し、ホモミキサー等で攪拌した後、ホモジナイザー等で均質化することにより、水中油型乳化物とし、その後、乾燥粉末化して得ることができる。
【0047】
水中油型乳化物を乾燥粉末化する方法としては、一般的に知られている噴霧乾燥法、真空凍結乾燥法、真空乾燥法等を用いることができる。
【0048】
賦形剤としては、例えば、蛋白質又はその分解物、糖質等が挙げられる。
【0049】
蛋白質としては、例えば、乳蛋白質、大豆蛋白質、小麦蛋白質、全脂粉乳、脱脂粉乳、ホエイパウダー、バターミルクパウダー、コラーゲン、ゼラチン等が挙げられる。
蛋白質の分解物としては、例えば、蛋白質を酵素消化等により加水分解したペプチド等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0050】
乳蛋白質としては、例えば、酸カゼイン、レンネットカゼイン、カゼインナトリウム、カゼインカリウム等のカゼイン類、ホエイ蛋白質、ミルクプロテインコンセントレート、トータルミルクプロテイン等が挙げられる。
乳蛋白質の分解物としては、例えば、乳蛋白質を酵素消化等により加水分解した乳ペプチド等が挙げられる。これらの中でも、カゼインナトリウム、カゼインカリウム、ホエイ蛋白質、乳ペプチド、酸カゼイン等の非ミセル状態であるものは、乳化安定性が向上する点で好ましい。
【0051】
粉末油脂を配合する場合、その粉末油脂の配合量(配合割合)としては、ウニ様加工食品中に、通常、0.01~15質量%であり、好ましくは0.1~10質量%であり、より好ましくは0.3~7質量%である。
【0052】
卵黄又は卵黄加工品
本発明のウニ様加工食品は、さらに、必要に応じて、卵黄又は卵黄加工品を配合することができる。
【0053】
卵黄は、生卵黄だけでなく、凍結卵黄、加糖卵黄、加塩卵黄、加熱卵黄、冷凍変性卵黄、酵素処理卵黄等の卵黄加工品を用いることができる。ここで、卵黄とは、鶏、アヒル、うずら等の卵の黄身である。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0054】
酵素処理卵黄としては、例えば、プロテアーゼ、ホスホリパーゼ等で処理した卵黄が挙げられる。特に、冷凍処理、再加熱処理等において良好な乳化安定性を実現することができる、ホスホリパーゼによりリゾ化処理された卵黄を好ましく使用することができる。ここで、リゾ化処理された卵黄とは、卵黄の主成分であるリポ蛋白質(リン脂質と蛋白質との複合体)を構成するリン脂質をリゾリン脂質とした卵黄のことである。
【0055】
卵黄又は卵黄加工品の配合量(配合割合)としては、ウニ様加工食品中に、通常、0.01~30質量%であり、好ましくは0.1~20質量%であり、より好ましくは0.5~15質量%である。
【0056】
油脂組成物
油脂組成物としては、油脂のみ又は油脂及びその他任意成分を含む組成物を意味する。
油脂としては、食用であれば特に限定はなく、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、菜種油(キャノーラ油)、大豆油、綿実油、ヒマワリ油、米油、サフラワー油、コーン油、オリーブ油、ゴマ油、魚油、それらの分別油又はそれらの加工油(硬化及びエステル交換反応のうち1つ以上の処理がなされたもの)等のチルド温度から室温において液体である油脂が挙げられる。チルド温度から室温とは、通常、3~30℃程度を意味する。油脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて調合油を使用してもよい。その他任意成分としては、例えば、ウニフレーバー等が挙げられる。ここで、任意成分も、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0057】
油脂組成物は、ウニ様加工食品中に配合させるだけでなく、ウニ様加工食品中には配合せず、ウニ様加工品の周囲をコーティング(被覆)させるために用いてもよく、又は、ウニ様加工食品中に配合させ、かつ、ウニ様加工食品の周囲をコーティング(被覆)させるため用いることもできる。中でも、油脂としては、菜種油を用いることが好ましく、菜種油にウニフレーバーを配合させたものを用いることがより好ましい。
【0058】
油脂組成物をウニ様加工食品中に配合させる場合、油脂組成物の配合量(配合割合)としては、ウニ様加工食品中に、通常、0.01~15質量%であり、好ましくは0.1~10質量%であり、より好ましくは0.3~7質量%である。
油脂組成物をウニ様加工食品の周囲にコーティング(被覆)させる場合、例えば、まず、ウニ様加工食品を小袋等に入れ、その後、その小袋等に、油脂組成物を充填させて、ウニ様加工食品をコーティングさせることができる。その場合、油脂組成物の使用量としては、ウニ様加工食品30gに対して、通常、0.01~30gあり、好ましくは0.1~10gであり、より好ましくは0.5~5gである。
【0059】
その他の成分
本発明のウニ様加工食品は、さらに必要に応じて、その他成分として、酵母エキス、ブドウ糖等の糖、食塩、調味料、ウニフレーバー等の香料、着色料、増粘剤、酸化防止剤、油脂等を配合することができる。
【0060】
本発明のウニ様加工食品の大きさ及び形状は、特に限定はなく、ウニの大きさ及び形状と同一又は類似するもの等が挙げられる。ウニ様加工食品を成形するためには、ウニ様の型(例えば、小袋、ウニの形状を模った型等)に上記ウニ加工食品を充填することで形成することができる。このようにして得られたウニ様加工成形品は、本物のウニと類似の形状、食感及び風味を有している。
【0061】
その他の成分の配合量(配合割合)としては、ウニ様加工食品中に、それぞれ、通常、0.001~15質量%であり、好ましくは0.005~10質量%であり、より好ましくは0.01~8質量%である。
【0062】
<ウニ様加工食品の製造(作製)方法>
本発明の他の態様として、ウニ及びゲル化剤を含有する組成物に、α化加工でん粉を添加する工程を備える、ウニのつぶつぶとした食感、及び/又は、食べた後の口に残るウニの風味を増加されたウニ様加工食品の製造方法が挙げられる。
【0063】
原料(材料)の添加順序としては、特に限定はなく、ウニ、ゲル化剤、及びα化加工でん粉を一度に又はそれぞれ別々に混合する方法などが挙げられる。その他の成分も、一度に又はそれぞれ別々の混合することができる。
【0064】
<ウニ様加工食品組成物>
本発明のウニ様加工食品は、例えば、所定の量のウニ様加工食品を小袋等に入れ、その後、その小袋等に、油脂及びその他任意成分を含む油脂組成物を充填させて、ウニ様加工食品を油脂組成物でコーティングさせたウニ様加工食品組成物にすることができる。ウニ様加工食品組成物は、上記ウニ様加工食品と液体の油脂組成物を含み、ウニ様加工食品が油脂組成物でコーティングされている。これによって、ウニ様加工食品は、よりウニの風味を増すことができる。小袋の大きさ(容量)としては、特に限定はなく、例えば、5~50ml程度の袋が挙げられる。小袋の形としては、特に限定はなく、ウニの形状、通常の袋としての形状等が挙げられる。
ウニ様加工食品組成物の製造方法としては、原料(材料)を混合する工程、その混合物を加熱する工程、加熱して得られたウニ様加工食品を小袋等に充填する工程、ウニ様加工食品が充填された小袋等に油脂組成物を充填する工程、得られた加工食品組成物を冷却する工程等を備えることができる。
【0065】
加熱する工程(加熱工程)において、加熱温度としては、特に限定はなく、通常、40~130℃、好ましくは50~100℃、より好ましくは70~90℃である。加熱温度は、急激に上げるのでも、又は、段階的に徐々に上げるのでもよい。
【0066】
加熱して得られたウニ様加工食品を小袋等に充填する工程において、充填方法としては、特に限定はなく、例えば、小袋に所定の量を、スプーン、容器等で加える方法;充填機を用いて充填する方法等が挙げられる。
【0067】
小袋等に油脂組成物を充填する工程において、充填方法としては、特に限定はなく、例えば、ウニ様加工食品が充填された小袋に、所定の量の油脂組成物を注ぎ入れる方法;充填機を用いて充填する方法等が挙げられる。
【0068】
得られたウニ様加工食品組成物を冷却する工程において、冷却温度としては、特に限定はなく、例えば、-20℃~チルド温度~室温が挙げられる。チルド温度~室温とは、通常3~30℃程度を意味する。冷却速度は、急激に下げるのでも、又は、段階的に徐々に下げるのでもよい。
【0069】
本発明のウニ様加工食品組成物の大きさ及び形状は、特に限定はなく、ウニの大きさ及び形状と同一又は類似するもの等が挙げられる。ウニ様加工食品組成物から得られたウニ様加工成形品は、本物のウニと類似の形状、食感及び風味を有している。
【0070】
<ウニの風味を増加させる方法>
本発明の他の態様として、ウニ及びゲル化剤を含有する組成物に、α化加工でん粉を添加する工程を備える、ウニのつぶつぶとした食感、及び/又は、食べた後の口に残るウニの風味を増加させる方法が挙げられる。
【0071】
<ウニの風味増加剤>
本発明の他の態様として、α化でん粉を含むウニの風味増加剤であって、ウニ及びゲル化剤を含有する組成物に対して、α化でん粉を添加することで、ウニのつぶつぶとした食感、及び/又は、食べた後の口に残るウニの風味増加剤が挙げられる。
【0072】
<用途>
本発明のウニ様加工食品の用途としては、特に限定はなく、例えば、寿司、巻寿司等の具、軍艦巻きのトッピング等に用いることができるだけでなく、そのまま刺し身として使用することができる。また、本発明のウニ様加工食品は、パスタ、ごはん、どんぶり等のトッピング、ドレッシング、パスタソース、グラタンソース、スープ等の様々な用途に使用することができる。
【実施例
【0073】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲は、これらの例示に限定されるものではない。
【0074】
各種でん粉について、下記表1に、商品名、メーカー名、でん粉の種類、及び、実測したメジアン径(μm)を示した。ここでいうメジアン径は、ベックマン・コールター社製のレーザ回析散乱式粒子径分布測定装置LS 13 320 XRを利用し、乾式測定によりメジアン径を求めた。メジアン径は、「メディアン径」、「D50」と言い換えることができる。径は、粒径、粒子径と言い換えることができる。
【0075】
【表1】
【0076】
[実施例1]
ウニペースト、ゲル化剤、でん粉1(α化加工でん粉:テクステイドA(TEXTAID(登録商標) A)、イングレディオン社製))、粉末油脂、卵黄加工品、酵母エキス、ブドウ糖、食塩、調味料、ウニフレーバー、着色料、増粘剤、及び、水を表2に記載の配合で混合し、混合物を85℃に達するまで加熱した。その後、その混合物を小袋に30g入れ、さらに油脂(菜種油98%、ウニフレーバー2%)1gを充填した後、冷却し、ウニ様加工食品を得た。なお、ウニペーストは、冷凍ウニ(チリ産)を解凍し、ミンサー(ボニー社製電動式キッチンミンサーBK-220(1.6mmプレート使用))を用いてペースト化したものを使用した。ウニペーストは、ウニの含有量が100質量%のものである。
【0077】
[実施例2]
α化加工でん粉として、でん粉1の代わりに、でん粉2(α化加工でん粉:インスタントテクステイドA(INSTANT TEXTAID(登録商標) A)、イングレディオン社製)を使用する以外は、実施例1の方法に従ってウニ様加工食品を作製した。
【0078】
[実施例3]
でん粉1の配合量を1gから0.5gにし、水を71gにする以外は、実施例1の方法に従ってウニ様加工食品を作製した。
【0079】
[実施例4]
でん粉1の配合量を1gから2gにし、水を69.5gにする以外は、実施例1の方法に従ってウニ様加工食品を作製した。
【0080】
[実施例5]
でん粉1の配合量を1gから0.1gにし、水を71.4gにする以外は、実施例1の方法に従ってウニ様加工食品を作製した。
【0081】
[実施例6]
でん粉1の配合量を1gから5gにし、水を66.5gにする以外は、実施例1の方法に従ってウニ様加工食品を作製した。
【0082】
[比較例1]
α化加工でん粉を添加せず、水を71.5gにする以外は、実施例1の方法に従ってウニ様加工食品を作製した。
【0083】
[比較例2]
でん粉1の代わりに、でん粉5(α化でん粉:アミコール(登録商標)KF(日澱化学製))を使用する以外は、実施例1の方法に従ってウニ様加工食品を作製した。
【0084】
[比較例3]
でん粉1の代わりに、でん粉6(加工でん粉:PB-7000(日澱化学製))を使用する以外は、実施例1の方法に従ってウニ様加工食品を作製した。
【0085】
[比較例4]
でん粉1の代わりに、でん粉7(生でん粉:可溶性でん粉CN(日澱化学製))を使用する以外は、実施例1の方法に従ってウニ様加工食品を作製した。
【0086】
【表2】
【0087】
<試験例>
上記実施例又は比較例で作製したウニ様加工食品を喫食し、官能評価を行った。官能評価は、熟練の5人の専門家パネリストにより、官能評価1「ウニのようなつぶつぶした食感」及び官能評価2「食べた後に口に残るウニの風味」について評価を行った。
【0088】
その評価結果として、各パネリストの点数、その平均点、上記官能評価1の平均点と官能評価2の平均点との合計点、総合評価、及びコメントを表3に示した。なお、総合評価の基準は、上記官能評価1の平均点及び官能評価2の平均点の合計点が5.5以上であるものを合格とし、合計点が5.5未満であるものを不合格とした。
【0089】
・ウニのようなつぶつぶした食感
5点:非常に感じられる
4点:とても感じられる
3点:やや感じられる
2点:わずかに感じられる
1点:感じられない
【0090】
・食べた後に口に残るウニの風味
5点:非常に感じられる
4点:とても感じられる
3点:やや感じられる
2点:わずかに感じられる
1点:感じられない
【0091】
【表3】
【0092】
表3より、実施例1~6に記載のウニ様加工食品は、いずれもウニのようなつぶつぶした食感、及び、食べた後に口に残るウニの風味が優れており、総合評価は合格であった。一方、比較例1~4のウニ様加工食品は、いずれもウニのようなつぶつぶした食感、及び、食べた後に口に残るウニの風味が劣っており、総合評価は不合格であった。
【要約】
【課題】
本発明が解決しようとする課題は、ウニが持つ本来のつぶつぶとした食感を有し、かつ、食べた後に口の中に残るウニ独特の風味を持つウニ様加工食品を提供することである。
【解決手段】
ウニ、ゲル化剤、及び、でん粉を含有するウニ様加工食品であって、
前記でん粉が、α化加工でん粉である、ウニ様加工食品。
【選択図】なし