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特許7163478光導波路、平面型光回路および光源モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】光導波路、平面型光回路および光源モジュール
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/125 20060101AFI20221024BHJP
   G02B 6/42 20060101ALI20221024BHJP
   H01S 5/0225 20210101ALI20221024BHJP
【FI】
G02B6/125 301
G02B6/42
H01S5/0225
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021502017
(86)(22)【出願日】2020-02-18
(86)【国際出願番号】 JP2020006237
(87)【国際公開番号】W WO2020175236
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】P 2019031826
(32)【優先日】2019-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003029
【氏名又は名称】弁理士法人ブナ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松岡 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】松原 孝宏
【審査官】井部 紗代子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第101546014(CN,A)
【文献】特開平04-319905(JP,A)
【文献】特表平08-508351(JP,A)
【文献】特開平11-211924(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/12
G02B 6/122
G02B 6/125
G02B 6/42
H01S 5/022
Scopus
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端部から第2端部にかけて延びた第1導波路と、
前記第1導波路よりも光の入射側に位置しており、且つ、前記第1端部に接続された3本の第2導波路と、
前記第2端部に位置する光の出射部とを備え、
前記第1端部の幅が、前記第2端部の幅よりも大きく、
平面視において、前記第1導波路は、
前記第1端部から離れるにつれて前記第1導波路の第1中心軸に垂直な方向における幅が大きくなる第1領域と、
前記第1領域よりも前記第1端部から離れて位置しており、且つ、前記第1領域から離れるにつれて前記幅が小さくなる第2領域とを有し、
平面視において、前記3本の第2導波路のうち2つは、残りの1つを間に挟んで位置しており、且つ、当該前記3本の第2導波路のうち2つの少なくとも一方は、その第2中心軸を前記第1導波路に向かって延ばした仮想線が前記第1領域の界面と交わるように前記第1端部に接続されている、光導波路。
【請求項2】
前記第1中心軸に平行な方向における前記第1領域の長さが、前記第1中心軸に平行な方向における前記第2領域の長さよりも短い、請求項1に記載の光導波路。
【請求項3】
平面視において、前記第1導波路は、前記第1領域および前記第2領域の間に位置しており、且つ、前記第1中心軸に垂直な方向における前記幅が一定である第3領域をさらに有する、請求項1または2に記載の光導波路。
【請求項4】
前記第1中心軸に平行な方向における前記第3領域の長さが、前記第1中心軸に平行な方向における前記第1領域の長さおよび前記第2領域の長さのいずれよりも短い、請求項3に記載の光導波路。
【請求項5】
前記第1中心軸に平行な方向における前記第3領域の長さが、前記第1中心軸に平行な方向における前記第1領域の長さまたは前記第2領域の長さと、同じか、または長い、請求項3に記載の光導波路。
【請求項6】
前記出射部の数が1つである、請求項1~5のいずれか1つに記載の光導波路。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1つに記載の光導波路と、
前記光導波路を囲むように位置するクラッドと、
前記光導波路および前記クラッドを実装する基板とを備える、平面型光回路。
【請求項8】
請求項7に記載の平面型光回路と、
前記出射部に対向して位置するレンズと、
前記3本の第2導波路における光の入射側に位置する端部に対向して位置する光半導体素子と、
前記平面型光回路、前記レンズおよび前記光半導体素子を収容する容器とを備える、光源モジュール。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2019年2月25日に出願された日本国特許出願2019-31826号の優先権を主張するものであり、この先の出願の開示全体を、ここに参照のために取り込む。
【技術分野】
【0002】
本開示は、光導波路、平面型光回路および光源モジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
光導波路として、例えば、下記特許文献1に記載の高分子光導波路が知られている。特許文献1に記載の高分子光導波路は、帯状のコア層を備えている。コア層は、帯状の層幅が導波光の入射端部から出射端部まで導波光の進行方向に連続的に縮小している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4200436号公報
【発明の概要】
【0005】
本開示の光導波路は、第1端部から第2端部にかけて延びた第1導波路と、前記第1導波路よりも光の入射側に位置しており、且つ、前記第1端部に接続された複数の第2導波路と、前記第2端部に位置する光の出射部とを備えている。平面視において、前記第1導波路は、前記第1端部から離れるにつれて前記第1導波路の第1中心軸に垂直な方向における幅が大きくなる第1領域と、前記第1領域よりも前記第1端部から離れて位置しており、且つ、前記第1領域から離れるにつれて前記幅が小さくなる第2領域とを有している。
【0006】
本開示の平面型光回路は、上述した本開示に係る光導波路と、前記光導波路を囲むように位置するクラッドと、前記光導波路および前記クラッドを実装する基板とを備えている。
【0007】
本開示の光源モジュールは、上述した本開示に係る平面型光回路と、前記出射部に対向して位置するレンズと、前記複数の第2導波路における光の入射側に位置する端部に対向して位置する光半導体素子と、前記平面型光回路、前記レンズおよび前記光半導体素子を収容する容器とを備えている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態に係る光導波路および平面型光回路を示す斜視図である。
図2図1に示す光導波路および平面型光回路の平面図である。
図3図2に示す光導波路における第1導波路の拡大図である。
図4図3に示す第1導波路における第1領域の拡大図である。
図5図3に示す第1導波路における第2領域の拡大図である。
図6】本開示の実施形態に係る光源モジュールを示す斜視図である。
図7図6に示す光源モジュールにおいて蓋を省略した状態の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<光導波路>
以下、本開示の実施形態に係る光導波路について、図面を用いて詳細に説明する。但し、以下で参照する図は、説明の便宜上、実施形態を説明する上で必要な構成のみを簡略化して示したものである。したがって、本開示の光導波路は、参照する図に示されていない任意の構成を備え得る。また、図中の構成の寸法は、実際の構成の寸法および寸法比率などを忠実に表したものではない。例えば、図1および図2に例示されている光導波路1は、クラッド11で囲まれているが、便宜的に実線で示す。上述した点は、後述する平面型光回路および光源モジュールにおいても同様である。
【0010】
図1および図2に示す光導波路1は、コアとも呼ばれる部分であり、第1導波路2、複数の第2導波路3および光の出射部4を備えている。
【0011】
図3に示すように、第1導波路2は、第1端部2aから第2端部2bにかけて延びている。第1導波路2は、複数の第2導波路3から入射される光を合成させる部位として機能することが可能である。それゆえ、第1導波路2は、複数の第2導波路3を1本に結合させる結合部と言い換えることができる。
【0012】
複数の第2導波路3は、第1導波路2よりも光の入射側に位置しており、且つ、第1導波路2の第1端部2aに接続されている。複数の第2導波路3は、第1導波路2へ光を入射させる部位として機能することが可能である。
【0013】
複数の第2導波路3のそれぞれの構成は、同じであってもよく、また、異なっていてもよい。第2導波路3の数は、2本以上であればよく、その上限値は特に限定されない。図1および図2に例示されている光導波路1は、複数の第2導波路3として、赤色(R)用導波路31、緑色(G)用導波路32および青色(B)用導波路33を備えている。図2に示す平面視において、R用導波路31およびB用導波路33は曲線状であり、G用導波路32は直線状である。また、G用導波路32は、R用導波路31およびB用導波路33の間に位置している。R用導波路31、G用導波路32およびB用導波路33のそれぞれの形状および位置は、例示した構成に限定されない。
【0014】
光の出射部4は、図3に示すように、第1導波路2の第2端部2bに位置している。出射部4は、外部に光を出射させる部位として機能することが可能である。図3に例示されている出射部4の断面形状は、矩形状である。出射部4の断面形状は、矩形状に限定されない。
【0015】
次に、光導波路1による光の出射について、光源として光半導体素子を使用する場合を例に挙げて説明する。図1および図2に例示されている光半導体素子102は、赤色(R)レーザダイオード103、緑色(G)レーザダイオード104および青色(B)レーザダイオード105である。Rレーザダイオード103、Gレーザダイオード104およびBレーザダイオード105は、R用導波路31、G用導波路32およびB用導波路33における光の入射側に位置する端部3aに対向して位置している。
【0016】
照射面をXY平面、光の進行方向をZとするとき、広がり角がX方向とY方向とで異なる光源からの光が、R用導波路31、G用導波路32およびB用導波路33の3本の第2導波路3にそれぞれ入射される。そして、3本の第2導波路3にそれぞれ入射されたRGB光は、第1導波路2において白色光となった後、出射部4から外部へ出射される。
【0017】
ここで、図3に示すように、平面視において、第1導波路2は、第1領域21と第2領域22とを有している。第1領域21は、第1端部2aから離れるにつれて第1導波路2の第1中心軸S1に垂直な方向における幅Wが大きくなっている。第2領域22は、第1領域21よりも第1端部2aから離れて位置しており、且つ、第1領域21から離れるにつれて幅Wが小さくなっている。このような構成によれば、光漏れが発生しにくく、且つ、X方向とY方向とで同じ広がり角で照射面に光を照射することができる。
【0018】
具体的に説明すると、第1導波路2が第1領域21を有していない場合には、第1領域21に対応する領域において、第2導波路3から第1導波路2に入射される光が全反射せずに透過してしまい、光漏れが発生する。その場合、光がロスされるだけでなく、迷光となる。
【0019】
図4に示すように、第1導波路2が第1領域21を有していると、第1導波路2への入射角度θ1が、第1領域21を有していない場合よりも相対的に大きくなる。その結果、第2導波路3から第1導波路2に入射される光が第1導波路2を透過せずに全反射し得るため、光漏れが発生しにくい。
【0020】
また、出射部4からの出射光は、光源の照射角を反映する。光源からの光が、X方向とY方向とで広がり角が異なると、照射面でも広がり方が異なる。図5に示すように、第2領域22において、第1角度θ2は、出射部4における第1中心軸S1と光線Rとがなす角度であり、第2角度θ3は、第1中心軸S1と光線Rとがなす角度である。このように、第1導波路2が第2領域22を有していると、第1角度θ2が第2角度θ3よりも大きくなる。一方、第1導波路2が第2領域22を有していない場合には、照射面におけるX方向の寸法が狭くなることがある。このように、第1導波路2が第2領域22を有していると、上述のように出射部4における第1角度θ2が相対的に大きくなることから、照射面におけるX方向の寸法も広がる。その結果、XY方向における広がり角に偏りが少なくなり、同じ広がり角で照射面に光を照射することができる。
【0021】
第1中心軸S1は、第1端部2aの中心と、第2端部2bの中心とを結ぶ線であってもよい。第1中心軸S1は、光軸とも呼ばれる。また、図3に例示されている、第1領域21(第2領域22)において最大となる幅Wは、複数の第2導波路3のそれぞれの幅を合算した幅に相当する第1端部2aの幅W2aよりも広くてもよい。例えば、R用導波路31、G用導波路32およびB用導波路33のそれぞれの幅が35μmである場合には、幅W2aは105μmであり、幅Wは120~260μmに設定されてもよい。
【0022】
入射角度θ1は、第1導波路2の界面(第1領域21の界面211)に垂直な仮想直線L1と、光線Rとがなす角度であってもよい。また、第1角度θ2および第2角度θ3は、第1導波路2の寸法と、光導波路1(コア)の屈折率とに応じて決定されてもよい。例えば、図3において、第1領域21の長さL21を1.5mm、後述する第3領域23の長さL23を0.13mm、第2領域22の長さL22を1.5mm、第1端部2aの幅W2aを105μm、第1領域21の最大幅Wを260μm、第2端部2bの幅W2bを35μmに設定してよい。また、図4に例示されている入射角度θ1を85度に設定した場合、図5に例示されている第2角度θ3は5度となってもよい。更に、光導波路1の屈折率を1.6とした場合、第1角度θ2は29度となってもよい。
【0023】
図4に示すように、複数の第2導波路3のうち少なくとも1つは、第2導波路3の第2中心軸S2を第1導波路2に向かって延ばした仮想線L2が第1領域21の界面211と交わるように第1端部2aに接続されていてもよい。図4に示す一例においては、R用導波路31およびB用導波路33が上述した構成を満たす。第2中心軸S2は、第1中心軸S1と同様に定義することができる。第2導波路3が曲線状のときは、第2導波路3の長手方向に垂直な断面の中心を連続することで第2中心軸S2を得てもよい。
【0024】
図3に示すように、第1領域21は、第1端部2aに接続されていてもよい。このような構成を満たすときは、第2導波路3から第1導波路2にスムーズに光が入射される。第1領域21は、その機能を奏する限りにおいて、第1端部2aとの間に間隔をおいて位置していてもよい。
【0025】
第2領域22は、第2端部2bに接続されていてもよい。このような構成を満たすときは、第2端部2bに位置している出射部4からスムーズに光が出射される。第2領域22は、その機能を奏する限りにおいて、第2端部2bとの間に間隔をおいて位置していてもよい。
【0026】
第1端部2aの幅W2aは、第2端部2bの幅W2bよりも大きくてもよい。
【0027】
第1中心軸S1に平行な方向における第1領域21の長さL21は、第1中心軸S1に平行な方向における第2領域22の長さL22よりも短くてもよい。長さL22を長くすることによって、全反射する光が増加し得るので、光漏れが発生しにくく、迷光が少なくなり得る。
【0028】
平面視において、第1導波路2は、第1領域21および第2領域22の間に位置しており、且つ、第1中心軸S1に垂直な方向における幅Wが一定である第3領域23をさらに有していてもよい。このような構成を満たすときは、第1中心軸S1に平行な方向における第1導波路2の全体の長さを調整し易い。
【0029】
第3領域23の幅Wが一定であるとは、第3領域23の全長にわたって幅Wが厳密に一定であることに限らない。すなわち、第3領域23の幅Wは、実質的に一定であればよい。
【0030】
図3に例示されている第3領域23は、第1中心軸S1に平行な方向における第3領域23の長さL23が、長さL21および長さL22のいずれよりも短いが、これに限定されない。長さL23を短くすることによって、全長を短くすることができる。但し、長さL23は、例えば、長さL21または長さL22よりも長くてもよく、また、長さL21または長さL22と同じであってもよい。長さL23は、例えば、125μm以上に設定されてもよい。
【0031】
第1導波路2は、第3領域23を有していなくてもよい。言い換えれば、第2領域22が第1領域21に接続されていてもよい。
【0032】
図3に示す一例のように、出射部4の数が1つであってもよい。このような構成によれば、例えば、後述する光源モジュールにおけるレンズの数を1つにすることができる。その結果、光源モジュールを構成する部品点数を少なくすることができ、光源モジュールを小型化することができる。図3に例示されている出射部4には、他の導波路が接続されていない。
【0033】
上述した光導波路1の材質としては、例えば、エポキシまたはアクリルなどの透明な樹脂、石英ガラスまたはシリコンなどが挙げられる。光導波路1は、例えば、フォトリソグラフィ技術などを利用して製造することができる。
【0034】
<平面型光回路>
次に、本開示の実施形態に係る平面型光回路について、上述した光導波路1を備える場合を例に挙げて、図1および図2を参照して詳細に説明する。
【0035】
図1および図2に示す平面型光回路(Planar Lightwave Circuit:以下、「PLC」ということがある。)10は、光導波路1と、光導波路1(コア)を囲むように位置するクラッド11と、光導波路1およびクラッド11を実装する基板12とを備えている。
【0036】
PLC10は、光漏れが発生しにくく、且つ、同じ広がり角で照射面に光を照射できる光導波路1を備えることから、光漏れによる光学損失を低減しつつ、高品質な光を照射することができる。
【0037】
クラッド11は、光導波路1よりも屈折率が小さい部材であってもよい。クラッド11の材質としては、例えば、エポキシまたはアクリルなどの透明な樹脂、石英ガラスまたはシリコンなどが挙げられる。
【0038】
基板12は、光導波路1およびクラッド11を実装可能に構成されている。基板12の材質としては、例えば、酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、炭化珪素質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、窒化珪素質焼結体またはガラスセラミックなどが挙げられる。
【0039】
PLC10は、基板12に実装されている複数の第1電極13をさらに備えていてもよい。このような構成を満たすときは、複数の第1電極13を介して外部からの電力を光半導体素子102に供給することができる。
【0040】
<光源モジュール>
次に、本開示の実施形態に係る光源モジュールについて、上述したPLC10を備える場合を例に挙げて、図6および図7を参照して詳細に説明する。
【0041】
図6および図7に示す光源モジュール100は、PLC10と、レンズ101と、光半導体素子102と、容器106とを備えている。レンズ101は、出射部4に対向して位置している。光半導体素子102は、複数の第2導波路3における光の入射側に位置する端部3aに対向して位置している。容器106は、PLC10、レンズ101および光半導体素子102を収容している。
【0042】
光源モジュール100は、光漏れが発生しにくく、且つ、同じ広がり角で照射面に光を照射できる光導波路1を含むPLC10を備えることから、光漏れによる光学損失を低減しつつ、高品質な光を照射することができる。
【0043】
レンズ101は、コリメートレンズとも呼ばれ、出射部4からの出射光を平行光にすることが可能な部材である。レンズ101の材質としては、例えば、サファイア、非晶質ガラスまたは透明プラスティックなどが挙げられる。図6および図7に例示されているレンズ101は、容器106に実装されているが、レンズ101は、PLC10の基板12に実装されていてもよい。
【0044】
図6および図7に示す一例のように、レンズ101の数が1つであってもよい。このような構成によれば、光源モジュール100を構成する部品点数を少なくすることができ、光源モジュール100を小型化することができる。
【0045】
光半導体素子102は、光源として機能することが可能な部材である。光半導体素子102としては、例えば、発光ダイオードまたは半導体レーザダイオードなどが挙げられる。図6および図7に例示されている光半導体素子102は、Rレーザダイオード103、Gレーザダイオード104およびBレーザダイオード105である。したがって、図6および図7に例示されている光源モジュール100は、RGBレーザモジュールとも呼ばれる。図6および図7に例示されている光半導体素子102は、PLC10の基板12に実装されているが、光半導体素子102は、容器106に実装されていてもよい。
【0046】
容器106は、その内部にPLC10、レンズ101および光半導体素子102を収容可能に構成されている。容器106の材質としては、例えば、各種セラミック材料、銅、タングステン、鉄、ニッケルまたはコバルトなどの金属、あるいはこれらの金属を複数種含む合金、更には各種セラミックと金属を組み合わせたものなどが挙げられる。
【0047】
図6に示すように、容器106は、PLC10、レンズ101および光半導体素子102を挿通可能な開口部107を有していてもよい。このような構成を満たすときは、PLC10、レンズ101および光半導体素子102を容器106の内部に収容するときの作業性に優れる。
【0048】
容器106は、開口部107を塞ぐ蓋108をさらに有していてもよい。このような構成を満たすときは、容器106の内部を気密にできる。蓋108は、容器106の材質で例示した金属および合金の他、例えば、酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、炭化珪素質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、窒化珪素質焼結体またはガラスセラミックなどのセラミックスで構成されていてもよい。また、開口部107を蓋108で塞ぐときは、接合部材を使用してもよい。接合部材としては、例えば、ろう材または半田などが挙げられる。
【0049】
容器106は、レンズ101よりも光の出射側に位置している側壁部109と、側壁部109のうちレンズ101に対向して位置している部位を厚み方向に貫通している貫通孔110とをさらに有していてもよい。このような構成を満たすときは、貫通孔110を介して容器106の外部に光を出射させることができる。
【0050】
図6および図7に示すように、光源モジュール100は、容器106の内部から貫通孔110を塞ぐように位置しており、且つ、光を透過可能なウィンドウ111をさらに備えていてもよい。このような構成を満たすときは、容器106の気密性を維持しつつ、ウィンドウ111および貫通孔110を介して容器106の外部に光を出射させることができる。ウィンドウ111の材質としては、例えば、サファイアまたはガラスなどが挙げられる。
【0051】
光源モジュール100は、容器106に実装されている複数の第2電極112をさらに備えていてもよい。このような構成を満たすときは、例えば、複数の第2電極112をボンディングワイヤなどで複数の第1電極13と電気的に接続して、外部からの電力を光半導体素子102に供給することができる。
【0052】
光源モジュール100は、サーミスタをさらに備えていてもよい。サーミスタのサイズとしては、例えば、0603などが挙げられるが、これに限定されない。サーミスタは、容器106に実装されていてもよく、また、PLC10の基板12に実装されていてもよい。
【0053】
上述した光源モジュール100は、例えば、ピコプロジェクタのレーザ光源として使用することができる。ピコプロジェクタとしては、例えば、VR(Virtual Reality:仮想現実)用、AR(Augmented Reality:拡張現実)用またはMR(Mixed Reality:複合現実)用のゴーグルまたはグラス、HUD(Head-Up Display)などを含む車載ディスプレイ、スマートフォンまたはタブレット端末などからの投影、携帯プロジェクタまたはポケットパソコンなどが挙げられる。光源モジュール100の用途は、例示した用途に限定されない。
【0054】
以上、本開示に係る実施形態について例示したが、本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない限り任意のものとすることができることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0055】
1・・・光導波路
2・・・第1導波路
2a・・・第1端部
2b・・・第2端部
21・・・第1領域
211・・・界面
22・・・第2領域
23・・・第3領域
S1・・・第1中心軸
3・・・第2導波路
3a・・・端部
31・・・赤色(R)用導波路
32・・・緑色(G)用導波路
33・・・青色(B)用導波路
S2・・・第2中心軸
4・・・出射部
10・・・平面型光回路(PLC)
11・・・クラッド
12・・・基板
13・・・第1電極
100・・・光源モジュール
101・・・レンズ
102・・・光半導体素子
103・・・赤色(R)レーザダイオード
104・・・緑色(G)レーザダイオード
105・・・青色(B)レーザダイオード
106・・・容器
107・・・開口部
108・・・蓋
109・・・側壁部
110・・・貫通孔
111・・・ウィンドウ
112・・・第2電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7