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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】空気質表示装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/52 20180101AFI20221025BHJP
   F24F 110/50 20180101ALN20221025BHJP
【FI】
F24F11/52
F24F110:50
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020196983
(22)【出願日】2020-11-27
(65)【公開番号】P2022085353
(43)【公開日】2022-06-08
【審査請求日】2021-06-25
(73)【特許権者】
【識別番号】391016358
【氏名又は名称】東芝情報システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100074147
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 崇
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】近藤 信一
(72)【発明者】
【氏名】北村 俊光
(72)【発明者】
【氏名】高橋 功次
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 晋也
【審査官】村山 美保
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-2128749(KR,B1)
【文献】登録実用新案第3180567(JP,U)
【文献】特表2020-513587(JP,A)
【文献】特開2007-173190(JP,A)
【文献】実開昭57-167340(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/52
F24F 110/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチルアルコールガスと水素ガスの濃度を検出するアルコール・水素ガスセンサである空気質センサと、
空気質の良・不良状態を表す色相と強度の光を射出する光源部と、
長手方向に2つの端部を有し、前記2つの端部が上下に位置し、内部に光を通過させる媒体を有する表示管体であって、前記光源部から射出された光を前記2つの端部の一端部から取り込み前記2つの端部の他端部側へ通過させると共に、前記2つの端部の間に位置する管体の側部から光を放射する表示管体と、
前記アルコール・水素ガスセンサである前記空気質センサにより検出されたガス濃度に基づき、二酸化炭素ガス濃度を算出する二酸化炭素濃度算出手段と、
前記二酸化炭素濃度算出手段により算出された二酸化炭素ガス濃度を用いて、空気質の良・不良状態を表す色相と強度に対応させた色数値情報を算出する色数値情報算出手段と、
前記色数値情報算出手段により算出された色数値情報に対応する色相と強度の光を前記光源部から射出されるように前記光源部を制御する光源制御手段と
を具備することを特徴とする空気質表示装置。
【請求項2】
前記表示管体は、円柱形状、円錐台形状、多角柱形状であることを特徴とする請求項1に記載の空気質表示装置。
【請求項3】
前記表示管体は、底面積が同一または異なる複数の円柱形状を積層し、または、底面積が同一または異なる複数の円錐台形状を積層し、または、底面積が同一または異なる複数の多角柱形状を積層して形成したものであることを特徴とする請求項1または2に記載の空気質表示装置。
【請求項4】
前記色数値情報算出手段は、前記所定ガスの濃度に基づき空気質の良・不良状態を最大値と最小値間で漸次連続変化する数値として求め、前記最大値と最小値を2つの色相に対応させ、漸次連続変化する数値のときにこの数値に対応する2つの色相と光強度である色数値情報を算出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の空気質表示装置。
【請求項5】
前記光源部から射出させる光の色相情報を記憶するための色相情報記憶手段と、
通信部と、
前記通信部により前記光源部から射出させる光の色相情報が到来すると、この色相情報を前記色相情報記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
を具備し、
前記色数値情報算出手段は、前記色相情報記憶手段に記憶されている色相情報を用いて色数値情報を算出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の空気質表示装置。
【請求項6】
前記空気質センサと、前記光源部と、前記色数値情報算出手段と、前記光源制御手段とを少なくとも収容する筐体部を備え、
前記表示管体は、前記筐体部の上面から垂直に立設されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の空気質表示装置。
【請求項7】
周辺の光量を検出する光量センサを備え、
前記光源制御手段は、前記光量センサが検出した周辺の光量に基づき前記光源部から射出する光の光量を制御することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の空気質表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば室内の空気質(空気品質)を表示することが可能な空気質表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気質表示に関する技術を開示する非特許文献1には、CO2センサと温湿度センサを用いてCO2濃度の監視を行い、基準値を超えたときにLEDライトが点灯して警告が発せられ、警告に応じてCO2濃度が適正な値となるまで換気を行うようにすることができるシステムが開示されている。
【0003】
また、非特許文献2には、二酸化炭素の他に9種類の空気質を検出するセンサを用い、検出結果をスマートフォンに送って数値を表示するシステムが開示されている。
【0004】
また、特許文献1には、湿度検出手段、埃検出手段、二酸化炭素検出手段を備え、上記各手段により検出し、予め設定されている上記の各手段に対応する判定値を比較して、空気状態を検出し、表示器に段階表示などの表示を行うものが開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】アステリア株式会社、“エッジコンピューティングによる3密回避ソリューション”[online]、ニュース一覧2020年7月2日、[令和2年11月11日検索]、インターネット<URL:https://www.asteria.com/jp/news/press/2020/07/02_01.php>
【文献】SHOP FOCAL、“あなたの1日の呼吸回数を知っていますか?”[online]、2020年6月16日、[令和2年11月11日検索] 、インターネット<URL:https://shop.focal.co.jp/uhoo/>
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2009-150581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように空気質の検出と表示を行うものにおいては、多くのものが数字の表示や、警告の表示に留まり、色の変化により空気質の状態を報知するものは少ない。特許文献1のものにおいては、段階表示を行うものの、画面の前方に居る人にしか表示を見ることができず、不便なものであった。
【0008】
本発明は上記のような従来の空気質表示装置の課題に鑑みてなされたもので、その目的は、空気質の良・不良状態を色の変化により表示して、表示装置の基本的にどの方向に居る人でも、見た人が感覚的に空気質状態を把握できるようにした空気質表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態に係る空気質表示装置は、エチルアルコールガスと水素ガスの濃度を検出するアルコール・水素ガスセンサである空気質センサと、空気質の良・不良状態を表す色相と強度の光を射出する光源部と、長手方向に2つの端部を有し、前記2つの端部が上下に位置し、内部に光を通過させる媒体を有する表示管体であって、前記光源部から射出された光を前記2つの端部の一端部から取り込み前記2つの端部の他端部側へ通過させると共に、前記2つの端部の間に位置する管体の側部から光を放射する表示管体と、前記アルコール・水素ガスセンサである前記空気質センサにより検出されたガス濃度に基づき、二酸化炭素ガス濃度を算出する二酸化炭素濃度算出手段と、
前記二酸化炭素濃度算出手段により算出された二酸化炭素ガス濃度を用いて、空気質の良・不良状態を表す色相と強度に対応させた色数値情報を算出する色数値情報算出手段と、前記色数値情報算出手段により算出された色数値情報に対応する色相と強度の光を前記光源部から射出されるように前記光源部を制御する光源制御手段とを具備することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る空気質表示装置の機能ブロック図。
図2】本発明の実施形態に係る空気質表示装置の主要素をコンピュータにより構成した場合の機能ブロック図。
図3】本発明の実施形態に係る空気質表示装置の組み立て斜視図。
図4】本発明の実施形態に係る空気質表示装置の表示管体の他の例(一例目)を示す側面図。
図5】本発明の実施形態に係る空気質表示装置の表示管体の他の例(二例目)を示す側面図。
図6】本実施形態において用いる二酸化炭素ガスの濃度と、対応して表示する色相の出力強度の関係を示すテーブル。
図7図6のテーブルから作成した色相「緑」と色相「赤」の光出力の強度のグラフ。
図8】二酸化炭素ガス濃度が200ppm程度で緑色の光による表示がなされた場合の表示例。
図9】二酸化炭素ガス濃度が2000ppm程度で赤色の光による表示がなされた場合の表示例。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下添付図面を参照して、本発明に係る空気質表示装置の実施形態を説明する。各図において、同一の構成要素には同一の符号を付し重複する説明を省略する。図1は、空気質表示装置における実施形態の機能ブロック図である。この空気質表示装置は、コンピュータにより構成される演算部100に、空気質センサ101、光源部102、通信部103、光量センサ104が接続されている。また、光源部102には、表示管体105が結合され、光源部102から射出される光が表示管体105内へ送られる。
【0012】
上記空気質センサ101は、所定ガスの濃度を検出するもので、例えば二酸化炭素ガスや、エチルアルコール・水素ガスなどの濃度を検出するものである。本実施形態の空気質表示装置は、最終的に空気質の良・不良状態を、いずれかのガス等(対象ガスという)の濃度によって表示出力するものであり、空気質センサ101により検出するガスと、対象ガスとが同じガスでなくとも良い。本実施形態では、対象ガスは二酸化炭素ガスであり、空気質センサ101により検出するガスは、エチルアルコールガスと水素ガスである。他の実施形態では、対象ガスは二酸化炭素ガスであり、空気質センサ101により検出するガスも、二酸化炭素ガスとすることができる。
【0013】
光源部102は、空気質の良・不良状態を表す色相と強度の光を射出するもので、全ての色相の光を射出可能である。通信部103は、外部の通信機器により送られる、光源部から射出させる光の色相情報を受信するための構成である。光量センサ104は、周辺の光量を検出するものである。
【0014】
演算部100には、色数値情報算出手段110、光源制御手段120、色相情報記憶手段130、記憶制御手段140、二酸化炭素濃度検出手段150が備えられている。色数値情報算出手段110は、空気質センサ101により検出された所定ガスの濃度に基づき空気質の良・不良状態を表す色相と強度に対応させた色数値情報を算出するものである。光源制御手段120は、上記色数値情報算出手段110により算出された色数値情報に対応する色相と強度の光を上記光源部102から射出されるように上記光源部102を制御するものである。色相情報記憶手段130は、光源部102から射出させる光の色相情報を記憶するためのものである。記憶制御手段140は、通信部103により上記光源部102から射出させる光の色相情報が到来すると、この色相情報を上記色相情報記憶手段130に記憶させるものである。通信部103は例えば、Bluetooth(登録商標)などの近距離通信によりスマートフォンなどの携帯通信端末と通信を行うものであり、携帯通信端末に色相情報の設定機能を備えさせることにより、どのような色相により空気質表示を行うかの情報である色相情報を色相情報記憶手段130に記憶させることができ、変更などが容易である。
【0015】
本実施形態の空気質センサ101は、エチルアルコールガスと水素ガスの濃度を検出するアルコール・水素ガスセンサであるため、二酸化炭素濃度検出手段150は例えば機械学習による予測モデルを有し、上記アルコール・水素ガスセンサにより検出されたガス濃度を説明変数とし、二酸化炭素ガス濃度を目的変数とする上記予測モデルにより二酸化炭素ガス濃度を算出するものである。また、光源制御手段120は、上記光量センサ104が検出した周辺の光量に基づき上記光源部102から射出する光の光量を制御する。この構成によって、周囲が暗くなるに従って上記光源部102から射出する光の光量を減少させることができ、空気質表示装置が眩しく感じられる不具合を防止することができる。
【0016】
上記の空気質表示装置は、具体的には、図2に示されるコンピュータにより実現することができる。図2のコンピュータは、主メモリ11内に備えられている色数値情報算出手段110、光源制御手段120、記憶制御手段140、二酸化炭素濃度検出手段150を実現するためのプログラムと、主メモリ11の一部を色相情報記憶手段130として機能させ、この色相情報記憶手段130に記憶された色相情報を用いて表示管体105へ色相と強度の光を送出する構成を備えている。
【0017】
CPU10からはバス12が延びており、バス12には、空気質センサインタフェース13、LEDインタフェース14、通信インタフェース15、光量センサインタフェース16が接続されている。空気質センサインタフェース13には空気質センサ101が接続されており、LEDインタフェース14には光源部102であるLED102Aが接続されており、通信インタフェース15には通信部103が接続されており、光量センサインタフェース16には光量センサ104が接続されている。
【0018】
図3に、本実施形態に係る空気質表示装置の組み立て斜視図を示す。直方体形状の筐体部200の上面210に穴220が形成されており、表示管体105が立設される。表示管体105は、長手方向に2つの端部131、132を有し、上記2つの端部131、132が上下に位置し、内部に光を通過させる媒体を有するもので、概ね半透明な管体である。この表示管体105は、光源部102から射出された光を表示管体105の2つの端部の一端部から取り込み、上記2つの端部の他端部側へ通過させると共に、上記2つの端部の間に位置する管体の側部から光を放射する程度の半透明であることを要する。また、表示管体105は、上記光源部102から射出された光を2つの端部131、132の一端部である下端部131から取り込み2つの端部の他端部132側へ通過させると共に、2つの端部131、132の間に位置する管体の側部133から光を放射するように構成され、全方位(360度の範囲)から目視することが可能に構成されている。表示管体105が筐体部200の穴220にカシメにより或いはネジにより垂直に立設され、立設された状態の下端部131の下端面には、図3では表示されないが、LED102Aが当接されて設けられる。
【0019】
筐体部200の正面に設けられている穴230の内側には空気質センサ101が近接して設けられており、また、穴240の内側には光量センサ104が近接されて設けられている。筐体部200内には、図2に示した構成中の表示管体105を除く構成が設けられる。他の実施形態では、筐体部200内には、上記空気質センサ101と、上記光源部102と、上記色数値情報算出手段110と、上記光源制御手段120とを少なくとも収容する。
【0020】
表示管体105の形状は、ここでは、円柱状のものを示すが、円柱形状、円錐台形状、多角柱形状のいずれであっても良い。また、表示管105の形状は、底面積が同一または異なる複数の円柱形状を積層し、または、底面積が同一または異なる複数の円錐台形状を積層し、または、底面積が同一または異なる複数の多角柱形状を積層して形成したものであっても良い。図4には、4側面の角錐台を積層して形成した表示管体105Aを示し、図5は、球形の上下に平面部を設けた立体を複数積層して形成した表示管体105Bを示す。
【0021】
以上のように構成された空気質表示装置においては、色相情報記憶手段130に予め色相情報「緑」、「赤」が記憶されているものとする。本実施形態では、空気質の良・不良状態を、空気質センサ101によって求めたエチルアルコール・水素ガスの濃度に基づき得た対象ガスである二酸化炭素ガスの濃度によって表示出力するものであり、二酸化炭素ガスの濃度が200ppm(最小値)以下を色相「緑」によって表示し、二酸化炭素ガス濃度が2000ppm(最大値)以上を色相「赤」で表示する。二酸化炭素ガスの濃度が200ppm(最小値)より大きく2000ppmより小さい値の場合を、ガス濃度に応じた強度の色相「緑」と色相「赤」の光で表示する。本実施形態では、自然界の二酸化炭素ガス濃度は400ppmであるとされているため、最小値としてはこれよりも小さな200ppmを用いたが、自然界の二酸化炭素ガス濃度(400ppm)を用いることができ、更には、これに近い値である450ppmや300ppmなどを用いることができる。また、この値は本実施形態に係る空気質表示装置を設置する場所における対象ガス濃度を考慮して、上記最小値と最大値を決定することは勿論である。
【0022】
即ち、色数値情報算出手段110は、所定ガスの濃度に基づき空気質の良・不良状態を最大値と最小値間で漸次連続変化する数値として求め、上記最大値と上記最小値を2つの色相に対応させ、漸次連続変化する数値のときに、この数値に対応する2つの色相の光強度である色数値情報を算出する。
【0023】
図6は、本実施形態において用いる二酸化炭素ガス(図では、CO2)の濃度が200ppm(最小値)より大きく2000ppmより小さい値の場合の色相「緑」と色相「赤」の光出力の強度を100ppm毎に求めたテーブルである。ppmによるガス濃度の値の右側の欄の値は、200ppm~2000ppmを0.0~1.0の割合で示したものである。例えば、300ppmの場合には、0.55556の割合に相当し、このときに、色相「赤」の出力強度を0.173141%とし、色相「緑」の出力強度を4.984568%とすることを示している。図7は、図6のテーブルから作成した色相「緑」と色相「赤」の光出力の強度のグラフである。二酸化炭素ガス濃度(図では、CO2)は100ppm毎の値で得られるわけではないので図6のグラフから得られる出力強度でLED102Aが駆動される。200ppm~2000ppmの範囲の連続する値について、色相「緑」と色相「赤」の光出力の強度が対応付けられたテーブルを備えていても良い。
【0024】
次に、以上の構成の空気質表示装置の動作を説明する。空気質表示装置が部屋の中央などの所定位置に置かれ、図示しないスイッチがオンとされ、測定が開始される。空気質センサ101により所定ガスの濃度検出がなされ、エチルアルコールガスと水素ガスの濃度が検出される。このエチルアルコールガスと水素ガスの濃度に基づき、機械学習による予測モデルを用いて二酸化炭素ガス濃度を求める(二酸化炭素濃度検出手段150)。
【0025】
上記二酸化炭素ガス濃度に基づき、200ppm~2000ppmの範囲の連続する値について、色相「緑」と色相「赤」の光出力の強度の対応テーブルを用いるなどして、色相「緑」と色相「赤」の光出力を行う。この場合、光源制御手段120が、上記光量センサ104が検出した周辺の光量に基づき上記光源部102から射出する光の光量を制御する。
【0026】
これによって、表示管体105の下端部131から光強度に応じた彩度と明るさ(明度)で光束が上方へ光強度に応じた長さで射出され、表示管体105内で二酸化炭素ガス濃度に応じた色相で表示がなされる。図8は、二酸化炭素ガス濃度が200ppm程度で緑色の光による表示がなされた場合を示し、図9は、二酸化炭素ガス濃度が2000ppm程度で赤色の光による表示がなされた場合を示す。
【0027】
表示管体105による表示は、全方位(360度の範囲)から目視することが可能に構成されており、室内のどこからでも空気質の良・不良状態を把握し、必要な場合に換気などを行うことができる。この実施形態では、表示管体105が円柱形状であるから、上方へ向かって漸次に光が減衰する表示となるが、図4の4側面の角錐台を積層して形成した表示管体105Aや図5の球形の上下に平面部を設けた立体を複数積層して形成した表示管体105Bでは、繋ぎ目などのような光路が角度をもって変更される部位が彩度や明度に変化を生じる表示がなされる。このため、高さ方向のどの位置まで光が到達しているかなどの表示を目視することにより、空気質の良・不良状態を把握することも可能となる。
【0028】
上の実施形態においては、空気質の良・不良状態を最大値と最小値間で漸次連続変化する数値として求め、前記最大値と最小値を2つの色相に対応させる場合の2つの色相を「緑」と「赤」としたが、これに限定されるものではない。いずれの2色相を選択するかについては限定がないが、空気質の良・不良状態を表示するものであるから、例えば、良状態を黄色で表示し、不良状態を紫で表示したり、良状態を青色で表示し、不良状態を赤で表示したりするようにしても良い。ただし、通常はマンセルの色相環において隣接する2色相を選択すると、区別が付き難くなるので避けることが好ましい。また、本実施形態では、空気質センサとして、エチルアルコールガスと水素ガスの濃度を検出するアルコール・水素ガスセンサを採用し、このセンサにより検出したガス濃度を二酸化炭素ガス濃度に変換して空気質の良・不良状態としたが、空気質センサとしてはこれ以外のガスセンサを用いて二酸化炭素ガス濃度に変換して空気質の良・不良状態としても良く、更には、空気質センサとして二酸化炭素ガスを採用し、対象ガスである二酸化炭素ガスの濃度を直接検出しても良い。また、対象ガスを二酸化炭素ガス以外のガスとする場合には、対象ガスの濃度検出に好適な空気質ガスが用いられる。
【符号の説明】
【0029】
10 CPU 11 主メモリ
12 バス 13 空気質センサインタフェース
14 LEDインタフェース 15 通信インタフェース
16 光量センサインタフェース 100 演算部
101 空気質センサ 102 光源部
103 通信部 104 光量センサ
105、105A、105B 表示管体 110 色数値情報算出手段
120 光源制御手段 130 色相情報記憶手段
131、132 端部 133 側部
140 記憶制御手段 150 二酸化炭素濃度検出手段
200 筐体部 210 上面
220、230、240 穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9