(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】トレーニング補助器具
(51)【国際特許分類】
A63B 21/00 20060101AFI20221025BHJP
A63B 23/035 20060101ALI20221025BHJP
A61H 1/02 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
A63B21/00
A63B23/035 Z
A61H1/02 A
(21)【出願番号】P 2019081876
(22)【出願日】2019-04-23
【審査請求日】2022-03-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年12月7日~平成31年2月18日 ワイエムファクトリー店舗内において販売
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成31年1月19日 ウェブサイト(https://www.instagram.com/p/BsyzS2Nn1Rc/)において公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519104097
【氏名又は名称】山本 昌弘
(73)【特許権者】
【識別番号】519148747
【氏名又は名称】山本 明弘
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】山本 明弘
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05158510(US,A)
【文献】特開平09-206404(JP,A)
【文献】特開2007-082643(JP,A)
【文献】中国実用新案第208003325(CN,U)
【文献】米国特許第03458188(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 1/00 - 26/00
A61H 1/00 - 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレーニング器具に直接的又は間接的に接続する複数の環状の留め具と、
身体の一部に巻いて固定する帯状の部材であって、前記留め具を保持する本体部と、を有
し、
前記本体部は、装着時に内側に位置する第1の帯状部材と、外側に位置する第2の帯状部材とを有し、
前記第1の帯状部材及び前記第2の帯状部材は、各々長手方向の両端を結合自在に係止する係止部材を有
し、
前記第2の帯状部材を貫通して該第2の帯状部材の外側に露出する複数の保持部を有し、
前記複数の留め具は、前記複数の保持部により各々前記本体部に保持され
、
前記保持部は、前記第1の帯状部材の外側かつ前記第2の帯状部材の内側から、前記第2の帯状部材を貫通して前記第2の帯状部材の外側に露出する、トレーニング補助器具。
【請求項2】
請求項1に記載のトレーニング補助器具であって、
帯状の部材であって、前記トレーニング器具と前記留め具とを直接的又は間接的に接続する第1の接続部材を有する、トレーニング補助器具。
【請求項3】
請求項
1又は2に記載のトレーニング補助器具であって、
前記保持部は、前記第2の帯状部材からの露出箇所において内側に位置する第1の保持部材と、外側に位置する第2の保持部材とを有する、トレーニング補助器具。
【請求項4】
請求項1から
3のいずれか一項に記載のトレーニング補助器具であって、
帯状の部材であって、前記トレーニング補助器具と、身体の他の部分に固定される他の前記トレーニング補助器具とを接続する第2の接続部材を有する、トレーニング補助器具。
【請求項5】
使用者の身体の一部にトレーニング補助器具を装着する補助器具装着ステップと、
トレーニング器具が有する把持部材に、前記トレーニング補助器具の有する第1の接続部材を接続する接続ステップと、
使用者が前記把持部材に身体の一部を接触する接触ステップと、
使用者が前記把持部材に身体の一部を接触したまま、かつ、
前記トレーニング補助器具の前記トレーニング補助器具の装着部分と前記把持部材との距離が、前記第1の接続部材の長さにより定まる距離を保ったまま、前記把持部材を前記使用者の身体方向に牽引する牽引ステップと、
を有する、トレーニング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレーニング補助器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、下肢用トレーニング補助具に関する技術が開示されている。同文献には、「補助具本体の長手方向の両端には、前記両端を結合自在にする係止具を取り付け、かつ前記補助具本体の長手方向略中央には、掛け止め部を取り付けた下肢用トレーニング補助具である」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
筋力トレーニング等に用いられるトレーニング器具を使用するにあたり、身体と器具との接触部分に過度に負荷がかかり、トレーニングの目的となる部位に適切に負荷がかからない状況が発生しうる。
【0005】
特許文献1に記載された下肢用トレーニング補助具は、トレーニング器具を使用する際の補助となる器具ではない。また、他の器具との接続部分に生じる負荷を適切に分散するものではない。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、トレーニング器具を使用する際にかかる負荷を調整することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで上記課題を解決するため、本発明の一態様に係るトレーニング補助器具は、トレーニング器具に直接的又は間接的に接続する複数の環状の留め具と、身体の一部に巻いて固定する帯状の部材であって、前記留め具を保持する本体部と、を有する。
【0008】
上記のトレーニング補助器具は、帯状の部材であって、前記トレーニング器具と前記留め具とを直接的又は間接的に接続する第1の接続部材を有してもよい。
【0009】
前記本体部は、装着時に内側に位置する第1の帯状部材と、外側に位置する第2の帯状部材とを有し、前記第1の帯状部材及び前記第2の帯状部材は、各々長手方向の両端を結合自在に係止する係止部材を有してもよい。
【0010】
上記のトレーニング補助器具は、前記第2の帯状部材を貫通して該第2の帯状部材の外側に露出する複数の保持部を有し、前記複数の留め具は、前記複数の保持部により各々前記本体部に保持されてもよい。
【0011】
前記保持部は、前記第1の帯状部材の外側かつ前記第2の帯状部材の内側から、前記第2の帯状部材を貫通して前記第2の帯状部材の外側に露出してもよい。
【0012】
前記保持部は、前記第2の帯状部材からの露出箇所において内側に位置する第1の保持部材と、外側に位置する第2の保持部材とを有してもよい。
【0013】
上記のトレーニング補助器具は、帯状の部材であって、前記トレーニング補助器具と、身体の他の部分に固定される他の前記トレーニング補助器具とを接続する第2の接続部材を有してもよい。
【0014】
本発明の他の態様に係るトレーニング方法は、使用者の身体の一部にトレーニング補助器具を装着する補助器具装着ステップと、トレーニング器具が有する把持部材に、前記トレーニング補助器具の有する第1の接続部材を接続する接続ステップと、使用者が前記把持部材に身体の一部を接触する接触ステップと、前記トレーニング補助器具の装着部分と前記把持部材との距離が、前記第1の接続部材の長さにより定まる距離を保ったまま、前記把持部材を前記使用者の身体方向に牽引する牽引ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、トレーニング器具を使用する際にかかる負荷を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】トレーニング補助器具の外観の一例を示す図である。
【
図2】トレーニング補助器具の有する本体部の外観の一例を示す図である。
図2(A)は、本体部の正面図であって、
図2(B)は、本体部の平面図である。
【
図3】トレーニング補助器具の使用方法の一例を示す図である。
【
図4】トレーニング補助器具の使用方法の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
図1は、トレーニング補助器具1の外観の一例を示す図である。
図2は、トレーニング補助器具1の有する本体部10の外観の一例を示す図である。
図2(A)は、本体部10の正面図であって、
図2(B)は、本体部10の平面図である。トレーニング補助器具1は、本体部10と、複数の留め具11と、複数の保持部12と、固定部材13と、第1の接続部材100とを有する。
【0019】
本体部10は、使用者の身体の一部に巻いて固定する帯状の部材である。本体部10が装着される部分は、上腕部、前腕部、下腿部、大腿部、手首、足首など、身体のどの部分であってもよい。
【0020】
留め具11は、トレーニング器具に直接的又は間接的に接続する環状の部材である。
図1に記載する留め具11は、金属製のリングである。留め具11は、後述する保持部12により保持可能な程度に閉じた形状であって、トレーニング器具又はカラビナ等の部材を挿通することができる。留め具11の形状は円形形状に限られない。留め具11は例えば円形形状のうち1箇所が直線形状(いわゆるかまぼこ型)であってもよい。
【0021】
なお、留め具11は、保持部12により保持される箇所以外の部分が円弧形状であると、トレーニング器具との接続部分にかかる負荷を適切に分散することができる。また、留め具11の材料は金属に限定されない。本実施形態において、本体部10に複数の留め具11が保持されることで、トレーニング器具との間で生じる負荷を適切に分散することが可能となる。
【0022】
保持部12は、留め具11を本体部10に保持する部材である。保持部12が留め具11を保持する方法については後述する。
図2(A)及び
図2(B)に示すように、複数の保持部12は、各々留め具11を本体部10に保持する。固定部材13は、保持部12を本体部10に固定する。トレーニング補助器具1は、1又は複数の固定部材13を有する。
図1に示すトレーニング補助器具1は、固定部材13である鋲を3つ有する。
【0023】
第1の接続部材100は、図示しないトレーニング器具と留め具11とを直接的又は間接的に接続する。第1の接続部材100は、例えば化学繊維などの可撓性のある帯状の材料で構成される。なお、本実施形態における第1の接続部材100は、その延伸方向には実質的に伸縮性を有さない。「実質的に伸縮性を有さない」とは、通常の使用状態において、第1の接続部材100に加わる力によって、第1の接続部材100を構成する帯状材料の延伸方向の長さがほとんど伸縮しないことを示している。本実施形態における第1の接続部材100は、輪状であって、トレーニング器具の一部と、カラビナ等の開閉自在な部材とを挿通することができる。
【0024】
なお、第1の接続部材100の形状は輪状に限定されない。また、第1の接続部材100は、カラビナを使用せず、トレーニング器具と留め具11とを直接接続してもよい。
【0025】
本体部10は、装着時に内側即ち使用者の肌側に位置する第1の帯状部材110と、外側に位置する第2の帯状部材120とを有する。第2の帯状部材120は、その中央付近が第1の帯状部材110に縫合等によって固定されている。即ち、第2の帯状部材120の両端は自由端であって、第1の帯状部材110に固定されていない。
【0026】
第1の帯状部材110及び第2の帯状部材120は、各々長手方向の両端を結合自在に係止する係止部材111・112・121・122を有する。
【0027】
本実施形態において、第1の帯状部材110は角の丸い長方形形状である。第1の帯状部材110の有する係止部材111・112は、互いにかみ合って第1の帯状部材110の両端を係止する面ファスナーである。
【0028】
また、本実施形態において、第2の帯状部材120は中央が膨らんだベルト形状である。係止部材121はバックルであって、係止部材122の有する孔に「つく棒」を挿し通すことにより係止する。なお、第1の帯状部材110及び第2の帯状部材120の形状は、当該形状に限られない。例えば第2の帯状部材120は、係止部材121を有する帯状部材と、係止部材122を有する帯状部材との異なる複数の帯状部材により構成されていてもよい。また、係止部材111・112・121・122についても、本実施形態に示す例に限定されない。
【0029】
図3は、トレーニング補助器具1の使用方法の一例を示す図である。本図は、把持部材を上体方向に牽引することにより、背筋等を鍛えるトレーニング器具tに対してトレーニング補助器具1を用いる例を説明するための図である。例えば使用者がトレーニング器具tの把持部材を牽引すると、トレーニング器具tの図示しない本体部と把持部材とを接続するケーブルが延び、把持部材が使用者の上体に向かって移動する。
【0030】
使用者は、本体部10を身体の一部に巻いて固定する。本図では、使用者は、2つの本体部10を左右各々の上腕部に巻き付け、係止部材111・112を係止することにより第1の帯状部材110を上腕部に固定する。また、係止部材121・122を係止することにより、第2の帯状部材120を上腕部に固定する。
【0031】
また、使用者は、留め具11にカラビナkを接続し、トレーニング器具tの把持部材に接続された第1の接続部材100をカラビナkに接続する。即ち、留め具11はトレーニング器具tに間接的に接続した状態となる。その後、使用者はトレーニング器具tの把持部材に手指を掛け、肘を背面方向又は下方向に引き下げることにより、把持部材を上体方向に牽引する。即ち、使用者は把持部材に身体の一部を接触させ、把持部材を使用者の身体方向に牽引する。
【0032】
本実施形態において、第1の接続部材100は伸縮性を有さないため、使用者が把持部材を牽引すると、使用者のトレーニング補助器具1の装着部分と把持部材との距離が、第1の接続部材100の長さにより定まる距離を保ったまま、把持部材と上体との距離が縮まる。より具体的には、使用者は、把持部材に指を掛けたまま、肘を背面方向又は下方向に引く。この動きに伴い、本体部10に保持された留め具11が、引かれた方向に移動する。すると、第1の接続部材100が把持部材を同方向に牽引する。これにより、把持部材が上体方向に移動する。
【0033】
付言すると、トレーニング補助器具1を使用しない場合、使用者が把持部材を把持して上体方向に牽引すると、把持部材を引く力は使用者の手指や手首にかかるため、同部分に負荷が生じる。そのため、例えば広背筋など、本来鍛えたい部分に適切に負荷がかけられないことがあった。
【0034】
本実施形態のトレーニング補助器具1を用いれば、これまで手指や手首にかかっていた負荷を第1の接続部材100又は第1の接続部材100に接続されたトレーニング補助器具1に分散することができ、鍛えたい箇所に負荷を集中することができる。また、複数の環状の留め具11を用いることにより、本体部10にかかる負荷を適切に分散することができる。
【0035】
なお、先述したように、トレーニング補助器具1を装着する箇所は、上腕部に限定されない。また、トレーニング器具tの把持部材を、留め具11に直接挿通してもよい。また、
図3に示す例において、手指を把持部材に掛けず、肘を背面方向又は下方向に引くことにより、トレーニング補助器具1(及び第1の接続部材100)を引く力のみをもって把持部材を牽引してもよい。これにより、手指以外の鍛えたい部分に適切に負荷をかけたトレーニングが可能となる。また、手指に力が入らない使用者のリハビリ等に、トレーニング補助器具1を使用することができる。
【0036】
なお、本実施形態において、把持部材を牽引する結果、把持部材が上体方向に移動するが、これは把持部材と上体との距離が縮まることを意味するものであり、上体が把持部材の方向に移動することが含まれる。
【0037】
図4は、トレーニング補助器具1の使用方法の他の例を示す図である。本図は、把持部材を手前方向に牽引することにより、背筋等を鍛えるトレーニング器具tに対してトレーニング補助器具1を用いる例を説明するための図である。例えば使用者がトレーニング器具tの把持部材を牽引すると、トレーニング器具tの本体部と把持部材とを接続するケーブルが延び、把持部材が使用者の上体に向かって移動する。
【0038】
本使用例においても、
図3に示す使用例と同様に、トレーニング補助器具1の装着部分と把持部材との距離が、第1の接続部材100の長さにより定まる距離を保ったまま、把持部材を使用者の身体方向に牽引することができる。これにより、手指や手首に過度な負荷をかけずに、鍛えたい箇所に負荷を集中することができる。
【0039】
なお、トレーニング補助器具1を接続するトレーニング器具tは、
図3及び
図4に示す例に限定されない。例えば脚を鍛えるために用いられる器具であってもよい。トレーニング器具tは、留め具11又は第1の接続部材100に挿通するなどして本体部10に接続可能な器具であればよい。なお、第1の接続部材100は、本体部10とトレーニング器具tとを接続可能な部材であればよく、接続方法は挿通に限定されない。
【0040】
図5は、本体部10の断面のイメージ図である。第1の帯状部材110は、内布113、及び外布114を有する。また、第2の帯状部材120は、内布123、及び外布124を有する。第1の帯状部材110の有する内布113は、柔らかい皮革、又はポリエステル等により構成される。内布113には、通気性のよいメッシュ生地を使用することができる。
【0041】
外布114は、皮革等により構成される。第2の帯状部材120の有する内布123は、ポリエステル、又はナイロン等の強度の高い材料により構成することができる。外布124は、強度のある皮革等により構成される。
【0042】
第1の帯状部材110及び第2の帯状部材120は、各々その周囲を縫合することにより、内布113と外布114、及び内布123と外布124が固定されている。また、第2の帯状部材120は、膨らんだ中央付近の周囲が外布114と縫合されている。また、第2の帯状部材120は、後述する複数の固定部材13の各々の周囲が、外布114と縫合されている。これにより、第1の帯状部材と第2の帯状部材120とが固定される。
【0043】
なお、内布113・123又は第1の帯状部材110、外布114・124又は第2の帯状部材120の固定方法は、上述の方法に限定されない。例えば、各布又は部材を接着することによって固定してもよいし、接着かつ縫合することにより固定してもよい。
【0044】
外布114・124、及び内布123には、保持部12を挿通する孔sが穿たれている。保持部12は、第1の帯状部材110の外側かつ第2の帯状部材120の内側から、第2の帯状部材120の有する孔sを貫通して第2の帯状部材120の外側に露出する。
【0045】
保持部12は、第2の帯状部材120からの露出箇所において内側に位置する第1の保持部材125と、外側に位置する第2の保持部材126と、を有する。第1の保持部材125及び第2の保持部材126は、共に帯状であって、各々端部以外の部分を第2の帯状部材120の孔sから引き出すことにより、第2の帯状部材120の外側に輪状に露出する。輪状の中央部分に留め具11を挿通することにより、保持部12は留め具11を保持する。なお、
図5において、留め具11の図示を省略している。
【0046】
第1の保持部材125は、第1の帯状部材110の外側かつ第2の帯状部材120の内側から、第2の帯状部材120を貫通して外側に露出して留め具11を保持する。
【0047】
第2の保持部材126は、第1の帯状部材110の有する外布114の内側から、外布114を貫通して第1の帯状部材110の外側に到達し、第1の帯状部材110の外側かつ第2の帯状部材120の内側から、第2の帯状部材120を貫通して外側に露出し、留め具11を保持する。
【0048】
固定部材13は、第1の保持部材125及び第2の保持部材126を本体部10に固定する。より具体的には、1つの固定部材13が固定する箇所には、第1の帯状部材110及び第2の帯状部材120の少なくとも一部と、1つの第1の保持部材125と、折り重なった2つの第2の保持部材126とが積層されている。なお、本実施形態において、固定部材13は本体部10の少なくとも一部を刺し貫く鋲であるが、固定部材13は鋲に限定されない。積層された本体部10の少なくとも一部を縫合する糸であってもよいし、接着剤であってもよい。
【0049】
以上、本実施形態では、固定部材13が第1の保持部材125及び第2の保持部材126をより強固に固定する。従って、トレーニングにより力の加わる留め具11をより確実に本体部10に保持することができる。
【0050】
なお、本実施形態において、第1の帯状部材110及び第2の帯状部材120の素材及び構成は、
図5に示す例に限られない。例えば、内布113・123及び外布114・124の間に、緩衝の役割を有する素材を有していてもよい。また、第1の保持部材125は、内布123を貫通せず、内布123の外側かつ外布124の内側から外布124を貫通するものであってもよい。
【0051】
また、第2の保持部材126は、第2の帯状部材120を構成する複数の布地の少なくとも1つを貫通すればよく、第2の保持部材126は、内布113を貫通してもよい。その場合、第1の保持部材125は、第1の帯状部材110の外布114を貫通してもよい。また、固定部材13は、同じ数の第1の保持部材125及び第2の保持部材126を本体部10に固定するものであってもよい。
【0052】
以上、本発明に係る各実施形態及び変形例の説明を行ってきたが、本発明は、上記した実施形態の一例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態の一例は、本発明を分かり易くするために詳細に説明したものであり、本発明は、ここで説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ある実施形態の一例の構成の一部を他の一例の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施形態の一例の構成に他の一例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の一例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることもできる。
【0053】
例えば、使用者が複数のトレーニング補助器具1を使用する際、各々のトレーニング補助器具1を図示しない第2の接続部材で接続してもよい。例えば
図3に示す例において、背中を横断するよう構成された第2の接続部材で、左右のトレーニング補助器具1を接続する。これにより、例えば身体の末端付近にトレーニング補助器具1を装着する場合や、身体の一部が欠損している場合等に、トレーニング補助器具1が末端から抜けることを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0054】
1:トレーニング補助器具、10:本体部、11:留め具、12:保持部、13:固定部材、100:第1の接続部材、110:第1の帯状部材、120:第2の帯状部材、111・112・121・122:係止部材、113・123:内布、114・124:外布、125:第1の保持部材、126:第2の保持部材、k:カラビナ、s:孔、t:トレーニング器具