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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】綴装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B42B 5/00 20060101AFI20221025BHJP
   B65H 37/04 20060101ALI20221025BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
B42B5/00
B65H37/04 Z
G03G15/00 432
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2018081475
(22)【出願日】2018-04-20
(65)【公開番号】P2019188642
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-03-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110000039
【氏名又は名称】特許業務法人アイ・ピー・ウィン
(72)【発明者】
【氏名】寺尾 尚人
(72)【発明者】
【氏名】粟野 宏明
(72)【発明者】
【氏名】松本 匡史
(72)【発明者】
【氏名】野辺 裕
(72)【発明者】
【氏名】牧田 拓也
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-178520(JP,A)
【文献】特開2014-058368(JP,A)
【文献】国際公開第2011/018897(WO,A1)
【文献】特開2018-065672(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42B 5/00
B65H 37/00-37/06
41/00
45/00-47/00
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に並んで配列された複数の歯を有する第1の歯型と、
前記一方向に並んで配列された複数の歯を有し、前記第1の歯型とかみ合い紙の束を加圧する第2の歯型と、
を有し、
前記第1の歯型の互いに隣り合う歯と歯の間の、紙の束を加圧する第2の歯型の歯よりも当該歯の先端から遠い側であって、紙の束を加圧する部分以外の部分に第1の溝が形成されていて、
前記第1の溝は、前記一方向と、前記第1の歯型と前記第2の歯型とが噛み合う方向とに直交する方向を法線とする面の断面積が、前記直交する方向において中央部分より端部の方が大きい綴装置。
【請求項2】
前記第2の歯型の互いに隣り合う歯と歯の間に第2の溝が形成されていて、
前記第2の溝は、前記直交する方向を法線とする面の断面積が、前記直交する方向において中央部分より端部の方が大きい請求項1記載の綴装置。
【請求項3】
一方向に並んで配列された複数の第1の歯を有する第1の歯型と、
前記一方向に並んで配列された複数の第2の歯を有し、前記第1の歯型とかみ合い紙の束を加圧する第2の歯型と、
第1の歯型と第2の歯型とから紙の束に加えられる圧力が高い側から低い側へと、前記第1の歯型の互いに隣り合う歯と歯の間の異物を移動させる移動手段と、
前記移動手段は、前記第1の歯型の歯と歯の間の、紙の束を加圧する第2の歯型の歯よりも当該歯の先端から遠い側であって、紙の束を加圧する部分以外の部分に形成されている第1の溝を有し、
前記第1の溝は、前記一方向と、前記第1の歯型と前記第2の歯型とが噛み合う方向とに直交する方向を法線とする面の断面積が、前記直交する方向における前記歯の中央部分より端部の方が大きい綴装置。
【請求項4】
前記第1の溝は、前記一方向の幅が、前記第1の歯型の前記直交する方向における外側が内側よりも広い請求項1から3いずれか記載の綴装置。
【請求項5】
前記第1の歯の1つを挟むように形成されている2つの前記第1の溝は、前記第1の歯の1つの前記直交する方向における中心に対して対称な形状を有する請求項記載の綴装置。
【請求項6】
前記第1の溝は、前記直交する方向において、前記第1の歯に対して斜めに形状が変化する請求項記載の綴装置。
【請求項7】
前記第1の溝は、前記噛み合う方向における幅が、前記第1の歯型の前記直交する方向における外側が内側よりも広い請求項1から6いずれか記載の綴装置。
【請求項8】
前記第1の溝は、
前記一方向の幅が、前記第1の歯型の前記直交する方向における外側が内側よりも広く、
前記噛み合う方向における幅が前記第1の歯型の前記直交する方向における外側が内側よりも広い
請求項1から7のいずれか記載の綴装置。
【請求項9】
前記第1の溝は、前記一方向の幅の変化量が、前記噛み合う方向における幅の変化量よりも大きい請求項8記載の綴装置。
【請求項10】
前記第1の溝における前記一方向と、前記第1の歯型と前記第2の歯型とが噛み合う方向とに直交する方向を法線とする面の断面積が、異物が前記第1の溝内に留まろうとする力よりも、異物が前記第1の溝外へと移動しようとする力が大きくなるように定められている請求項1から9のいずれかに記載の綴装置。
【請求項11】
前記移動手段は、第1の歯型と第2の歯型とから紙の束に加えられる圧力が高い側から低い側へと、前記第2の歯型の互いに隣り合う歯と歯の間の異物をさらに移動させる請求項3記載の綴装置。
【請求項12】
前記第1の歯型及び前記第2の歯型の少なくともいずれか一方を円弧に沿うように移動させて、前記第1の歯型と前記第2の歯型とを当接させ、離間させる移動機構をさらに有し、
前記移動機構により移動して、前記第1の歯型と前記第2の歯型とは互いに角度を持って接触する請求項1から11いずれか記載の綴装置。
【請求項13】
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部で画像が形成された記録媒体を綴る綴装置と、
を有し、
前記綴装置は、
一方向に並んで配列された複数の歯を有する第1の歯型と、
前記一方向に並んで配列された複数の歯を有し、前記第1の歯型とかみ合い紙の束を加圧する第2の歯型と、
を有し、
前記第1の歯型の互いに隣り合う歯と歯の間の、紙の束を加圧する第2の歯型の歯よりも当該歯の先端から遠い側であって、紙の束を加圧する部分以外の部分に第1の溝が形成されていて、
前記第1の溝は、前記一方向と、前記第1の歯型と前記第2の歯型とが噛み合う方向とに直交する方向を法線とする面の断面積が、前記直交する方向において中央部分より端部の方が大きい画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、綴装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数枚のシートからなるシート束に厚さ方向の凹凸を形成することで前記シート束を綴じるシート綴じ装置において、前記シート束の厚さ方向に移動可能に設けられ、前記シート束を挟持して前記シート束に厚さ方向の凹凸を形成する一対の歯型部材と、前記凹凸を形成してシート束を綴じるために前記一対の歯型部材に押圧力を付与する押圧力付与手段と、を有し、前記押圧力付与手段は、前記一対の歯型部材に付与する押圧力を、綴じるシート束の厚さが厚くなるほど大きくすることを特徴とするシート綴じ装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-189101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一対の歯型で紙の束を挟み込み、紙と紙とを圧着させ、紙の束を綴る綴装置では、例えば紙粉等の異物が一対の歯型を構成する各歯型に付着し、付着した異物が各歯型から排出されずに、各歯型に滞留する虞がある。
【0005】
本発明は、歯型に形成された溝の断面積が一定である場合や、第1の歯型と第2の歯型との距離が一定である場合や、異物を移動させる移動手段を有しない場合と比較して、異物の排出を促進することができる綴装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る本発明は、
一方向に並んで配列された複数の歯を有する第1の歯型と、
前記一方向に並んで配列された複数の歯を有し、前記第1の歯型とかみ合い紙の束を加圧する第2の歯型と、
を有し、
前記第1の歯型の互いに隣り合う歯と歯の間に第1の溝が形成されていて、
前記第1の溝は、前記一方向と、前記第1の歯型と前記第2の歯型とが噛み合う方向とに直交する方向を法線とする面の断面積が、前記直行する方向において中央部分より端部の方が大きい綴装置である。
【0007】
請求項2に係る本発明は、
前記第2の歯型の互いに隣り合う歯と歯の間に第2の溝が形成されていて、
前記第2の溝は、前記直交する方向を法線とする面の断面積が、前記直交する方向において中央部分より端部の方が大きい請求項1記載の綴装置である。
【0008】
請求項3に係る本発明は、
一方向に並んで配置された複数の第1の歯を有する第1の歯型と、
前記一方向に並んで配置され、前記一方向に直交する方向の断面が台形形状である複数の第2の歯を有し、前記第1の歯型とかみ合い紙の束を加圧する第2の歯型と、
を有し、
前記第1の歯型の互いに隣り合う第1の歯と第1の歯との間に第1の溝が形成されていて、
前記第1の溝内における前記第1の歯型と前記第2の歯型との間の距離が、前記台形形状の先端部分と前記第1の歯型との間よりも、前記台形形状の斜線部分と前記第1の歯型との間の位置の方が長い綴装置である。
【0009】
請求項4に係る本発明は、前記第1の溝内における前記第1の歯型と前記第2の歯型との間の距離の変化量は、前記台形形状の斜線部分と前記第1の歯型との間においてよりも、前記台形形状の先端部分と前記第1の歯型との間においての方が小さい請求項3記載の綴装置である。
【0010】
請求項5に係る本発明は、前記第1の溝内における前記第1の歯型と前記第2の歯型との間の距離は、前記台形形状の先端部分と前記第1の歯型との間で一定である請求項3又は4記載の綴装置である。
【0011】
請求項6に係る本発明は、
前記第1の歯は、前記一方向に直交する方向に断面が他の台形形状であって、
前記第2の歯型の互いに隣り合う第2の歯と第2の歯との間に第2の溝が形成されていて、
前記第2の溝内における前記第2の歯型と前記第1の歯型との間の距離が、前記他の台形形状の先端部分と前記第2の歯型との間よりも、前記台形形状の斜線部分と前記第2の歯型との間の方が長い請求項4又は5記載の綴装置である。
【0012】
請求項7に係る本発明は、
一方向に並んで配列された複数の第1の歯を有する第1の歯型と、
前記一方向に並んで配列された複数の第2の歯を有し、前記第1の歯型とかみ合い紙の束を加圧する第2の歯型と、
第1の歯型と第2の歯型とから紙の束に加えられる圧力が高い側から低い側へと、前記第1の歯型の互いに隣り合う歯と歯の間の異物を移動させる移動手段と、
を有する綴装置である。
【0013】
請求項8に係る本発明は、
前記移動手段は、前記第1の歯型の歯と歯の間に形成されている第1の溝を有し、
前記第1の溝は、前記一方向と、前記第1の歯型と前記第2の歯型とが噛み合う方向とに直交する方向を法線とする面の断面積が、前記直行する方向における前記歯の中央部分より端部の方が大きい請求項7記載の綴装置である。
【0014】
請求項9に係る本発明は、前記第1の溝は、前記一方向の幅が、前記第1の歯型の前記直交する方向における外側が内側よりも広い請求項1から6のいずれか又は8記載の綴装置である。
【0015】
請求項10に係る本発明は、前記第1の歯の1つを挟むように形成されている2つの前記第1の溝は、前記第1の歯の1つの前記直交する方向における中心に対して対称な形状を有する請求項1から6のいずれか、8又は9記載の綴装置である。
【0016】
請求項11に係る本発明は、前記第1の溝は、前記直交する方向において、前記第1の歯に対して斜めに形状が変化する請求項1から6のいずれか又は8から11のいずれか記載の綴装置である。
【0017】
請求項12に係る本発明は、前記第1の溝は、前記噛み合う方向における幅が、前記第1の歯型の前記直交する方向における外側が内側よりも広い請求項1から6のいずれか又は8記載の綴装置である。
【0018】
請求項13に係る本発明は、
前記第1の溝は、
前記一方向の幅が、前記第1の歯型の前記直交する方向における外側が内側よりも広く、
前記噛み合う方向における幅が前記第1の歯型の前記直交する方向における外側が内側よりも広い
請求項1から6のいずれか又は8記載の綴装置である。
【0019】
請求項14に係る本発明は、前記第1の溝は、前記一方向の幅の変化量が、前記噛み合う方向における幅の変化量よりも大きい請求項13記載の綴装置である。
【0020】
請求項15に係る本発明は、前記第1の溝は、前記第1の歯型の紙の束を加圧する部分以外の部分に形成されている請求項1から6のいずれか又は8から14のいずれかに記載の綴装置である。
【0021】
請求項16に係る本発明は、
前記第1の溝における前記一方向と、前記第1の歯型と前記第2の歯型とが噛み合う方向とに直交する方向を法線とする面の断面積が、異物が前記第1の溝内に留まろうとする力よりも、異物が前記第1の溝外へと移動しようとうとする力が大きくなるように定められている請求項1から6のいずれか又は8から15のいずれかに記載の綴装置である。
【0022】
請求項17に係る本発明は、
前記移動手段は、第1の歯型と第2の歯型とから紙の束に加えられる圧力が高い側から低い側へと、前記第2の歯型の互いに隣り合う歯と歯の間の異物をさらに移動させる請求項7から16いずれか記載の綴装置である。
【0023】
請求項18に係る本発明は、
前記第1の歯型及び前記第2の歯型の少なくともいずれか一方を円弧に沿うように移動させて、前記第1の歯型と前記第2の歯型とを当接させ、離間させる移動機構をさらに有し、
前記移動機構により移動して、前記第1の歯型と前記第2の歯型とは互いに角度を持って接触する請求項1から17いずれ記載の綴装置である。
【0024】
請求項19に係る本発明は、
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部で画像が形成された記録媒体を綴る綴装置と、
を有し、
前記綴装置は、
一方向に並んで配列された複数の歯を有する第1の歯型と、
前記一方向に並んで配列された複数の歯を有し、前記第1の歯型とかみ合い紙の束を加圧する第2の歯型と、
を有し、
前記第1の歯型の互いに隣り合う歯と歯の間に第1の溝が形成されていて、
前記第1の溝は、前記一方向と、前記第1の歯型と前記第2の歯型とが噛み合う方向とに直交する方向を法線とする面の断面積が、前記直行する方向において中央部分より端部の方が大きい画像形成装置である。
【0025】
請求項20に係る本発明は、
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部で画像が形成された記録媒体を綴る綴装置と、
を有し、
前記綴装置は、
一方向に並んで配置された複数の第1の歯を有する第1の歯型と、
前記一方向に並んで配置され、前記一方向に直交する方向の断面が台形形状である複数の第2の歯を有し、前記第1の歯型とかみ合い紙の束を加圧する第2の歯型と、
を有し、
前記第1の歯型の互いに隣り合う第1の歯と第1の歯との間に第1の溝が形成されていて、
前記第1の溝内における前記第1の歯型と前記第2の歯型との間の距離が、前記台形形状の先端部分と前記第1の歯型との間よりも、前記台形形状の斜線部分と前記第1の歯型との間の位置の方が長い画像形成装置である。
【0026】
請求項21に係る本発明は、
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部で画像が形成された記録媒体を綴る綴装置と、
を有し、
前記綴装置は、
一方向に並んで配列された複数の第1の歯を有する第1の歯型と、
前記一方向に並んで配列された複数の第2の歯を有し、前記第1の歯型とかみ合い紙の束を加圧する第2の歯型と、
第1の歯型と第2の歯型とから紙の束に加えられる圧力が高い側から低い側へと、前記第1の歯型の互いに隣り合う歯と歯の間の異物を移動させる移動手段と、
を有する画像形成装置である。
【発明の効果】
【0027】
請求項1に係る本発明によれば、第1の溝の断面積が一定である場合と比較して、異物の排出を促進することができる綴装置を提供することができる。
【0028】
請求項2に係る本発明によれば、第2の溝の断面積が一定である場合と比較して、異物の排出を促進することができる。
【0029】
請求項3に係る本発明によれば、第1の歯型と第2の歯型との距離が一定である場合と比較して、異物の排出を促進することができる綴装置を提供することができる。
【0030】
請求項4に係る本発明によれば、第1の歯型と第2の歯型との距離の変化量が一定である場合と比較して、異物の排出を促進することができる綴装置を提供することができる。
【0031】
請求項5に係る本発明によれば、第2の歯の断面の台形形状の先端部分と第1の歯型の距離が一定でない場合と比較して、紙の束に加えられる圧力を維持しやすくすることができる。
【0032】
請求項6に係る本発明によれば、第1の歯型と第2の歯型との距離が一定である場合と比較して、異物の排出を促進することができる綴装置を提供することができる。
【0033】
請求項7に係る本発明によれば、異物を移動させる移動手段を有しない場合と比較して、第1の歯型の互いに隣り合う歯と歯の間の異物の排出を促進することができる綴装置を提供することができる。
【0034】
請求項8に係る本発明によれば、移動手段が有する第1の溝の断面積が一定である場合と比較して、異物の排出を促進することができる
【0035】
請求項9に係る本発明によれば、溝の幅が一定である場合と比較して、異物の排出を促進することができる。
【0036】
請求項10に係る本発明によれば、2つの第1の溝が、第1の歯の1つに対して非対称な形状を有する場合と比較して、紙の束に圧力が均一に加えられるようにすることができる。
【0037】
請求項11に係る本発明によれば、溝の形状が一定である場合と比較して、異物の排出を促進することができる。
【0038】
請求項12に係る本発明によれば、第1の溝の幅が一定である場合と比較して、異物の排出を促進することができる。
【0039】
請求項13に係る本発明によれば、第1の溝の幅が、互いに交わる2方向の双方において一定である場合と比較して、異物の排出を促進することができる。
【0040】
請求項14に係る本発明によれば、第1の溝の幅の変化量が、互いに交わる2方向で同じである場合と比較して、歯の大きさの変化量を少なくすることができる。
【0041】
請求項15に係る本発明によれば、溝が歯型の紙の束を加圧する部分に形成されている場合と比較して、歯型の強度を上げることができる。
【0042】
請求項16に係る本発明によれば、溝の断面形状が、異物が溝に留まろうとする力が、異物が溝から排出しようようする力よりも大きくなるように定められている場合と比較して、異物の排出を促進することができる。
【0043】
請求項17に係る本発明によれば、異物を移動させる移動手段を有しない場合と比較して、第2の歯型の互いに隣り合う歯と歯の間の異物の排出を促進することができる綴装置を提供することができる。
【0044】
請求項18に係る本発明によれば、第1の歯型と第2の歯型とが互いに角度を持って接触する場合であっても、異物の排出を促進することができる。
【0045】
請求項19に係る本発明によれば、第1の溝の断面積が一定である場合と比較して、異物の排出を促進することができる画像形成装置を提供することができる。
【0046】
請求項20に係る本発明によれば、第1の歯型と第2の歯型との距離が一定である場合と比較して、異物の排出を促進することができる画像形成装置を提供することができる。
【0047】
請求項21に係る本発明によれば、異物を移動させる移動手段を有しない場合と比較して、歯型の互いに隣り合う歯と歯の間の異物の排出を促進することができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】本発明の実施形態で用いられる画像形成装置の断面を示す図である。
図2図1に示す画像形成装置が有する綴装置の構成を示す図である。
図3図2に示す綴装置が有する上側歯型及下側歯型の動作と、上側歯型及び下側歯型を移動させる移動機構とを示す図である。
図4図2に示す綴装置で用いられる下側歯型の第1の例を示す斜視図である。
図5図4に示す下側歯型を示し、図5(A)は、下側歯型を図4に示す矢印A側から示す図であり、図5(B)は、下側歯型を図4に示す矢印B側から示す図である。
図6図4に示す下側歯型の図4における線Cでの断面を示す第1の図である。
図7図4に示す下側歯型の一部を拡大して示す図である。
図8図4に示す下側歯型の図4における線Cでの断面を示す第2の図である。
図9】下側歯型の第1の例と上側歯型の第1の例とが噛み合う状態を示す断面図である。
図10】下側歯型に付着した異物に加わる力を説明する図である。
図11図2に示す綴装置で用いられる下側歯型の第2の例を示す図である。
図12】下側歯型の第2の例が有する溝を拡大して示す図である。
図13図2に示す綴装置で用いられる下側歯型の第3の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
次に、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態で用いられる画像形成装置10を前側から示す断面図である。図1に示すように、画像形成装置10は、画像形成ユニット100と、後処理ユニット300と、搬送ユニット800とを有する。
【0050】
画像形成ユニット100は、画像形成ユニット本体112を有し、画像形成ユニット本体112内に、像形成部120と、例えば2つの供給装置140とが配置されている。また、画像形成ユニット本体112内には、搬送路160が形成されている。
【0051】
像形成部120は、記録媒体の一例であり、紙の一例である紙Pに画像を形成する。像形成部120は、電子写真方式が採用されていて、感光体ドラム122の表面に形成された潜像をトナーで現像してトナー像を形成し、このトナー像を紙Pに転写し、紙Pに転写されたトナー像を紙Pに定着することで紙Pに画像を形成する。像形成部120に電子写真方式を採用することに替え、例えばインクジェット方式等の他の方式を採用してもよい。
【0052】
供給装置140は、積層された状態で収納された紙Pを1枚ずつ像形成部120へと供給する。
【0053】
搬送路160は、供給装置140から供給された紙Pを像形成部120へと搬送するために用いられ、像形成部120で画像が形成された紙Pを画像形成ユニット本体112から排出するように搬送するために用いられる。
【0054】
後処理ユニット300は、後処理ユニット本体312を有し、後処理ユニット本体312内に綴装置400が配置されている。綴装置400は、例えば画像が形成された紙P等の紙を綴る装置であって、複数の紙を綴じて一纏めとする。綴装置400の詳細は後述する。
【0055】
後処理ユニット本体312には、綴装置400で綴じられた紙Pが排出される排出部314が装着されている。
【0056】
また、後処理ユニット本体312内には、搬送路320が形成されている。搬送路320は、後処理ユニット本体312内へと搬送されてきた紙Pを綴装置400へと搬送するために用いられる。
【0057】
搬送ユニット800は、搬送ユニット本体812を有し、搬送ユニット本体812内に搬送路820が形成されている。搬送路820は、画像形成ユニット本体112から排出された紙Pを、後処理ユニット本体312内へと搬送するために用いられる。搬送ユニット800内に、紙Pに孔を開ける孔開け装置(不図示)を配置してもよい。
【0058】
図2には、綴装置400が示されている。図2に示すように、綴装置400は、一対の受取りロール410を有する。一対の受取りロール410は、受取り手段の一例であって、搬送ユニット800から搬送されてきた紙Pを受け取る。また、一対の受取りロール410は、先述の搬送路320に沿って配置されている。
【0059】
綴装置400は積載部420をさらに有する。積載部420は、積載手段の一例であって、積載部420には、受取りロール410が受取り、受取りロール410から供給された複数の紙Pが積載される。また、積載部420は、積載板422と、突当部材424とを有する。
【0060】
積載板422は、突当部材424側の端部が突当部材424と逆側の端部よりも重力方向において下方に位置するように傾斜していて、重力方向における上側の面に複数の紙Pが積載される。また、突当部材424には、複数の紙Pの搬送方向における後端部が付き当てられる。そして、後端部が突当部材424に付き当てられることで、複数の紙Pが搬送方向において揃えられる。
【0061】
綴装置400は、揃え装置426をさらに有する。揃え装置426は、一対の揃え板428(図2においては前側の揃え板428のみを図示)で複数の紙Pを挟み込むようにして、搬送方向と交わる方向において複数の紙Pを揃える。
【0062】
綴装置400は、押し込み装置430をさらに有する。押し込み装置430は、例えば3個の羽根部432を有し、矢印方向に回転をすることで、紙Pの後端部を突当部材424に突き当てるように紙Pを押し込む。
【0063】
綴装置400は、排出装置436をさらに有する。排出装置436は、一対のロールを有し、一対のロールが矢印方向に回転して、綴じられた後の複数の紙Pを後処理ユニット本体312外へと排出する。
【0064】
綴装置400は、下側歯型460と上側歯型450とをさらに有する。下側歯型460は、第1の歯型の一例であって、一方向(後述する方向D1)に並んで配列された複数の歯462を有する。また、下側歯型460は、複数の歯462が上側歯型450の側を向くように、上側歯型450よりも下側に配置されている。
【0065】
上側歯型450は、第2の歯型の一例であって、一方向(方向D1)に並んで配列された複数の歯452を有し、下側歯型460とかみ合い紙Pの束を加圧する。また、上側歯型450は、歯452が下側歯型460側を向くように、下側歯型460よりも上側に配置されている。
【0066】
以上のように構成された下側歯型460と上側歯型450とにおいては、図2に示す点線で囲まれた領域A内で、下側歯型460と上側歯型450とが紙Pの束を挟み込み、下側歯型460と上側歯型450とが紙Pの束を加圧する。そして、下側歯型460と上側歯型450とに加圧されることによって、紙Pの束の中の互いに隣り合う紙Pが互いに付着し、紙Pの束が一纏めに綴じられる。尚、下側歯型460の詳細は後述する。
【0067】
図3には、上側歯型450と下側歯型460との動作と、上側歯型450と下側歯型460とを移動させる移動機構480とが説明されている。図3に示すように、上側歯型450と下側歯型460とは、例えばモータ等の駆動源440からの駆動が移動機構480介して伝達され移動する。
【0068】
図3に示すように、移動機構480は、駆動片482と駆動片484とを有し、駆動片482の一端部側に上側歯型450が装着されていて、駆動片484の一端側に下側歯型460が装着されている。また、駆動片482と駆動片484は、軸部材486を用いて連結されている。
【0069】
移動機構480は、付勢部材488と付勢部材490とをさらに有する。付勢部材488は、駆動片482の他端部側に装着されていて、付勢部材490は、駆動片484の他端部側に装着されている。そして、付勢部材488によって、駆動片482は、軸部材486を中心として、上側歯型450が下側歯型460から離れる方向に回転するように付勢されている。また、付勢部材490によって、駆動片484は、軸部材486を中心として、下側歯型460が上側歯型450から離れる方向に回転するように付勢されている。
【0070】
移動機構480は、カム部材492をさらに有する。カム部材492は、駆動片482の他端部側と駆動片484の他端部側とに挟み込まれるように配置されていて、軸部材494を中心に回転するように支持されている。また、カム部材492には、減速機構496を介して、先述の駆動源440が連結されていて、駆動源440から駆動が伝達されることで、カム部材492が軸部材494を中心として回転するようになっている。
【0071】
以上のように構成された移動機構480においては、図3に示す状態からカム部材492が回転をすると、カム部材492は、付勢部材488の付勢に抗して、駆動片482を上側歯型450が下側歯型460に接近する方向に回転させる。また、図3に示す状態からカム部材492が回転をすると、カム部材492は、付勢部材490の付勢に抗して駆動片484を、下側歯型460が上側歯型450に接近する方向に回転させる。
【0072】
そして、上側歯型450と下側歯型460と互いに接近するように駆動片482と駆動片484とが回転をすることで、紙Pの束が上側歯型450と下側歯型460とに挟み込まれ、紙Pの束が綴じられる。
【0073】
綴装置400においては、移動機構480が、上側歯型450と下側歯型460とを軸部材486を中心として回転するように接近させ、離間させる。このように、移動機構480は、下側歯型460及び上側歯型450の少なくともいずれか一方を円弧に沿うように移動させて、下側歯型460と上側歯型450とを当接させ、離間させる移動機構の一例である。
【0074】
また、移動機構480を用いた場合、上側歯型450と下側歯型460とは円弧に沿って移動をするため、互いに平行な状態を保ったままで、接触し、離間するのではなく、互いに角度を有した状態で接触し、離間する。
【0075】
以上のように構成された綴装置400においては、上側歯型450及び下側歯型460で紙Pの束を挟み込み、紙Pの束を加圧するために、例えば歯452等の上側歯型450の紙Pに接触する部分や、例えば歯462等の下側歯型460の紙Pに接触する部分に、例えば紙粉等の異物が付着する虞がある。そして、付着された異物が上側歯型450及び下側歯型460から排出されずに、上側歯型450及び下側歯型460に滞留する虞がある。
【0076】
このため、綴装置400には、移動手段200が設けられていて、移動手段200で異物を移動させることで、上側歯型450と下側歯型460に異物を滞留しにくくしている。ここで、移動手段200は、下側歯型460と上側歯型450とから紙Pに加えられる力が高い側から低い側へと異物を移動させ、互いに隣り合う歯462と歯462との間の異物を移動させ、互い隣り合う歯452と歯452とのの間の異物を移動させる。また、移動手段200は、後述する溝464を有するとともに、後述する溝454を有する。尚、移動手段200の詳細は、後述する。
【0077】
図4図5及び図6には、下側歯型460の第1の例が示されている。
【0078】
下側歯型460の形状の説明に先立ち、下側歯型460の形状の説明に用いられる方向D1、方向D2及び方向D3について説明する。方向D1は、特許請求の範囲に記載の一方向の一例であって、図4に示すように、複数の歯462が配置される際に複数の歯462が並べられる方向である。また、方向D2は、特許請求の範囲に記載の噛み合う方向の一例であって、図4に示すように上側歯型450と下側歯型460とが噛み合う方向である。また、方向D3は、特許請求の範囲に記載の直交する方向の一例であって、図4に示すように、方向D1と方向D2と直交する方向である。
【0079】
ここで、噛み合う方向とは、上側歯型450と下側歯型460とが接触し、離間する位置直近における上側歯型450及び下側歯型460の少なくとも一方が移動する方向をいう。先に説明をしたように、上側歯型450と下側歯型460とは円弧に沿うように移動をするものの、上側歯型450と下側歯型460とが接触し、離間する位置直近における上側歯型450及び下側歯型460の移動方向は、直線的な移動とみなすことができる。
【0080】
図4図5、及び図6に示すように、下側歯型460の第1の例は、先述の複数の歯462を有し、この例実施形態においては、歯462の数は12個である。
【0081】
また、下側歯型460には、溝464が形成されている。溝464は、第1の溝の一例であって、下側歯型460の複数の歯462の互いに隣り合う歯462と歯462との間に形成されている。ここで、溝464は、先述の移動手段200の一部を構成している。
【0082】
ここで、下側歯型460においては、紙Pの束を加圧する部分は、下側歯型460の歯462であって、下側歯型460の溝464は、紙Pの束を加圧する部分ではない。このように、溝464は、下側歯型460の紙Pの束を加圧する部分以外の部分に形成されている。
【0083】
また、下側歯型460には、案内面470と案内面472とが形成されている。案内面470と案内面472とは、それぞれが傾斜していて、それぞれの溝464から排出された異物の重力方向下側への移動を案内する。
【0084】
図7は、下側歯型460の一部を拡大して示す図であり、図8は、下側歯型460の断面を示す図である。図7図8とに示すように、溝464の方向D3における一端部を一端部464aとし、溝464の方向D3における他端部を他端部464bとし、溝464の方向D3における中央部を中央部464cとする。そして、一端部464aにおける溝464の方向Dを法線とする断面Paの面積を面積Sa、他端部464bにおける溝464の方向Dを法線とする断面Pbの面積を面積Sb、中央部464cにおける溝464の方向D1を法線とする断面Pcの面積を面積Scとする。
【0085】
ここで、面積Saと面積Scとを比較すると、面積Saは面積Scより大きくなっている。また、面積Sbと面積Scとを比較すると、面積Sbは面積Scよりも大きくなっている。すなわち、下側歯型460においては、溝464は、方向Dを法線とする面の断面積が、方向D1において中央部よりも端部が大きくなっている。
【0086】
また、図7に示すように、下側歯型460の第1の例では、断面Pa、断面Pb、断面Pcの方向D1おける幅は一定であるものの、図8に示すように、断面Pa、断面Pb、断面Pcの方向D2方向の幅(高さ)は、断面Paが断面Pcよりも広く(高く)、断面Pbが断面Pcよりも広く(高く)なっている。
【0087】
そして、以上のように構成された溝464においては、方向Dを法線とする面の断面積が大きい中央部464c側から、方向Dを法線とする面の断面積が小さい一端部464a側と他端部464b側とに異物が移動する。すなわち、溝464は、方向D3を法線とする面の断面積が、異物が溝464内に留まろうとする力よりも、異物が溝464から外へと移動しようとする力が大きくなるように定められている。
【0088】
図9には、上側歯型450と下側歯型460とが噛み合う直前の状態が示されている。図9に示すように、上側歯型450は、先述の歯452を有する。また、図9に示すように、上側歯型450には、溝454が形成されている。ここで、溝454は、先述の移動手段200の一部を構成している。
【0089】
また、溝454は、第2の溝の一例であって、D1方向の方向に並べられ、互いに隣り合う2つの歯452の間に形成されている。そして、溝454は、溝464と同様に、方向D1を法線とする面の断面積が、方向D1において中央部よりも端部が大きくなっている。また、図9に示すように、歯452は、方向D1に直交する方向の断面456が台形形状である。
【0090】
以下の説明において、上側歯型450と下側歯型との距離を距離Lとする。また、断面456の断面の台形状における先端部分を先端部分456a、断面456の断面形状のおける斜線部分を斜線部分456bとする。また、先端部分456aと下側歯型460との距離を距離L1として、斜線部分456bと下側歯型460との距離を距離L2とする。
【0091】
ここで、距離L2と距離L1とを比較すると、距離L2は、距離L1よりも長くなっている。すなわち、綴装置400においては、下側歯型460と上側歯型450との距離は、断面456の台形形状における先端部分456aと下側歯型460と間よりも、断面456の断面形状における斜線部分456bと下側歯型460との間の方が長くなっている。尚、図9は、図示の便宜上、歯452が溝464内に挿入された状態ではなく、歯452が溝464内に挿入される直線の状態を示している。
【0092】
このように、下側歯型460と上側歯型450の距離が異なる場合、下側歯型460と上側歯型450から紙Pの束に加えられる圧力は、下側歯型460と上側歯型450と距離が短い部分ほど高くなり、下側歯型460と上側歯型450との距離が長い部分程低くなる。そして、上側歯型450や下側歯型460に付着した異物は、紙Pの束に加えられる圧力が高く、異物に対して加えられる圧力が高い側から、紙Pの束に加えられる圧力が低く、異物に加えられる圧力が低い側へと移動する。
【0093】
このため、この綴装置400においては、溝464内の異物は、加えられる圧力が高い溝464内の中央部464c側から、加えられる圧力が低い一端部464a側か他端部464b側へ移動して、溝464内から排出される。
【0094】
また、図9に示すように、距離Lの変化量は、断面456の台形形状における斜線部分456bと下側歯型460との間においてよりも、断面456の台形形状の先端部分456aと下側歯型460との間においての方向小さくなっている。また、図9に示すように、距離Lは、断面の台形形状の先端部分456aと下側歯型460との間で、方向D3の位置が異なっても一定となっている。
【0095】
以上で説明をした上側歯型450と同様に、下側歯型460も歯462の方向D1に直交する方向の断面は台形形状である。そして、距離Lは、歯462の断面形状の先端部と上側歯型450との間よりも、歯462の先端部と上側歯型450との間の方が長くなっている。そして、溝464内の異物も、溝454内の異物と同様に、加えられる圧力が高い溝454内の中央部側から、加えられる圧力が低い一端部側か他端部側へと移動して、溝454から排出される。
【0096】
図10には、下側歯型460に付着した異物に加わる力が説明されている。尚、図10の説明においては、異物を異物900とする。溝464に異物900が付着している場合に、異物900には、図10に示すように方向D1の力F1が加わる。これは、先述のように、上側歯型450と下側歯型460とは互いに平行な状態を保ったままで、接触し、離間するのではなく、互いに角度を有した状態で接触し、離間するためである。
【0097】
また、異物900を溝464から排出するように、異物900の加わるD3方向の力を力F3とする。ここで、力F3は、力F1が加えられても、異物900を溝464から排出させることができる大きさとなっている。換言すると、力F3が加えられても、異物900を溝464から排出することができる大きさの力F1が生じるように、例えば断面積を定めて、溝464が形成されている。
【0098】
図11には、下側歯型460の第2の例が、図2に示すB-B面側から示されている。先述の下側歯型460の第1の例では、溝464は、方向D3を法線とする面の断面積が、方向D3において中央部よりも端部が大きくなっていて、溝464は、方向D2方向の幅(高さ)が、外側が内側よりも広く(高く)なっていた。これに対して、この第2の例では、先述の第1の例と同様に、溝464は、方向D1を法線とする面の断面積が、方向D3における中央部よりも端部が大きくなっているものの、溝464は、方向D1の幅が、外側が内側よりも広くなっている。
【0099】
図12には、下側歯型460の第2の例の溝464が拡大して示されている。図11に示すように、歯462を挟む2つの溝464は、歯462の方向D3方向における中心cに対して対称な形状を有している。また、溝464は、少なくとも一部が、方向D3に対して斜めに形状が形成されている。
【0100】
図13には、下側歯型460の第3の例が示されている。この下側歯型460の第3の例では、先述の下側歯型460の第1の例と同様に、溝464は、方向D3を法線とする面の断面積が、方向D3において中央部よりも端部が大きくなっている。また、この下側歯型460の第3の例では、溝464は、方向D2方向の幅(高さ)が、外側が内側よりも広く(高く)なっていることに加えて、方向D1の幅が、外側が内側よりも広くなっている。
【0101】
また、この下側歯型460の第3の例では、溝464は、方向D1の幅の変化量が、方向D2における幅の変化量よりも大きい。
【符号の説明】
【0102】
10・・・画像形成装置
120・・・像形成部
200・・・移動手段
400・・・綴装置
450・・・上側歯型
452・・・歯
454・・・溝
456・・・断面
456a・・・先端部分
456b・・・斜線部分
460・・・下側歯型
462・・・歯
464・・・溝
464a・・・一端部
464b・・・他端部
464c中央部
480・・・移動機構
900・・・異物
D1、D2、D3・・・方向
L1、L2・・・ 距離
Pa、Pb、Pc・・・断面
Sa、Sb、Sc 面積
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13