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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】運転支援装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20221025BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20221025BHJP
【FI】
G08G1/16 C
G06T7/00 650A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018110076
(22)【出願日】2018-06-08
(65)【公開番号】P2019212191
(43)【公開日】2019-12-12
【審査請求日】2021-04-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001520
【氏名又は名称】弁理士法人日誠国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長嶋 太良
【審査官】佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-224714(JP,A)
【文献】特開2013-198065(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G06T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の前方の画像を撮像する撮像部と、
前記画像から道路標識を認識する認識処理部と、
前記道路標識に関する情報を乗員に報知させる出力処理部と、を備えた運転支援装置であって、
異なる道路の交点または交差点である道路ノード同士を接続する道路区間である道路リンクの情報を含む地図情報を記憶する地図情報管理部を備え、
前記出力処理部は、前記認識処理部によって進入禁止標識が複数認識されたとき、
前記自車両の中心を通って前記自車両の進行方向に延伸した直線と、前記進入禁止標識の中心を通って前記自車両の進行方向に延伸した直線との前記自車両の進行方向と直行する方向の距離の、複数の前記進入禁止標識の平均値が所定の閾値以下であり 、かつ、前記自車両の進行方向に存在する少なくとも1つの前記道路リンクに一方通行情報が含まれている場合、前記進入禁止標識に関する報知を行なう運転支援装置。
【請求項2】
前記出力処理部は、前記一方通行情報が含まれる前記道路リンクが現在の前記道路リンクと隣接していることを条件として、前記進入禁止標識に関する報知を行なう請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項3】
前記出力処理部は、前記認識処理部によって前記進入禁止標識が認識されると前記進入禁止標識に関する第1の報知を行ない、前記自車両の進行方向に存在する少なくとも1つの前記道路リンクに前記一方通行情報が含まれており、かつ、前記自車両が前記進入禁止標識を通過したと判定すると前記第1の報知とは異なる第2の報知を行なう請求項1または請求項2に記載の運転支援装置。
【請求項4】
自車両の前方の画像を撮像する撮像部と、
前記画像から道路標識を認識する認識処理部と、
前記自車両の走行する道路区間の規制情報を判断する規制情報判断部と、を備えた運転支援装置であって、
異なる道路の交点または交差点である道路ノード同士を接続する道路区間である道路リンクの情報を含む地図情報を記憶する地図情報管理部を備え、
前記規制情報判断部は、前記認識処理部によって進入禁止標識が複数認識されたとき、
前記自車両の中心を通って前記自車両の進行方向に延伸した直線と、前記進入禁止標識の中心を通って前記自車両の進行方向に延伸した直線との前記自車両の進行方向と直行する方向の距離の、複数の前記進入禁止標識の平均値が所定の閾値以下であり 、かつ、前記自車両の進行方向に存在する少なくとも1つの前記道路リンクに一方通行情報が含まれている場合、前記自車両が前記進入禁止標識を通過したと判定したときに、前記自車両が走行する道路区間は進入禁止区間であると判定する運転支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、進入禁止標識を検出すると、その標識の設置位置や向きに基づいてドライバに報知するか否かを決定することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-102665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のもののように、カメラによって進入禁止標識を検出し、運転者に報知する場合、進入禁止標識でない物体を誤って進入禁止標識として検出してしまい、誤報知をしてしまうことがある。
【0005】
そこで、本発明は、画像認識処理により進入禁止標識を誤認識した場合であっても適切に進入禁止標識に関して判断することができる運転支援装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため本発明は、自車両の前方の画像を撮像する撮像部と、前記画像から道路標識を認識する認識処理部と、前記道路標識に関する情報を乗員に報知させる出力処理部と、を備えた運転支援装置であって、異なる道路の交点または交差点である道路ノード同士を接続する道路区間である道路リンクの情報を含む地図情報を記憶する地図情報管理部を備え、前記出力処理部は、前記認識処理部によって進入禁止標識が複数認識されたとき、前記自車両の中心を通って前記自車両の進行方向に延伸した直線と、前記進入禁止標識の中心を通って前記自車両の進行方向に延伸した直線との前記自車両の進行方向と直行する方向の距離の、複数の前記進入禁止標識の平均値が所定の閾値以下であり、かつ、前記自車両の進行方向に存在する少なくとも1つの前記道路リンクに一方通行情報が含まれている場合、前記進入禁止標識に関する報知を行なうものである。
【発明の効果】
【0007】
このように、本発明によれば、画像認識処理により進入禁止標識を誤認識した場合であっても適切に進入禁止標識に関して判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の一実施例に係る運転支援装置のブロック図である。
図2図2は、本発明の一実施例に係る運転支援装置の報知部の表示例を示す図である。
図3図3は、本発明の一実施例に係る運転支援装置の特定標識の例を示す図である。
図4図4は、本発明の一実施例に係る運転支援装置の進入禁止標識報知処理の手順を示すフローチャートである。
図5図5は、本発明の一実施例に係る運転支援装置の進入禁止標識報知終了処理の手順を示すフローチャートである。
図6図6は、本発明の一実施例に係る運転支援装置の進入禁止標識報知処理及び進入禁止標識報知終了処理による効果を説明するための図である。
図7図7は、本発明の一実施例に係る運転支援装置の複数の進入禁止標識認識処理の効果の第1の例を示す図である。
図8図8は、本発明の一実施例に係る運転支援装置の複数の進入禁止標識認識処理の効果の第2の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施の形態に係る運転支援装置は、自車両の前方の画像を撮像する撮像部と、画像から道路標識を認識する認識処理部と、道路標識に関する情報を乗員に報知させる出力処理部と、を備えた運転支援装置であって、異なる道路の交点または交差点である道路ノード同士を接続する道路区間である道路リンクの情報を含む地図情報を記憶する地図情報管理部を備え、出力処理部は、認識処理部によって進入禁止標識が認識され、かつ、自車両の進行方向に存在する少なくとも1つの道路リンクに一方通行情報が含まれている場合、進入禁止標識に関する報知を行なうよう構成されている。
【0010】
これにより、本発明の一実施の形態に係る運転支援装置は、画像認識処理により進入禁止標識を誤認識した場合であっても適切に進入禁止標識に関して判断することができる。
【実施例
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施例に係る運転支援装置について詳細に説明する。
図1において、本発明の一実施例に係る運転支援装置を搭載した車両1は、撮像部2と、報知部3と、通信部4と、地図情報管理部5と、制御部6とを含んで構成される。
【0012】
撮像部2は、例えば、カメラなどにより構成され、車両1の前方を撮像する。撮像部2は、撮像した画像を制御部6に出力する。
【0013】
報知部3は、例えば、モニタ装置、スピーカ、ランプ、メータ、ブザーなどで構成され、視覚、聴覚などを通じて各種情報を運転者に報知する。
【0014】
通信部4は、車両外部のサーバ装置や道路近辺に設置された路側通信装置などと通信して、情報を送受信する。
【0015】
地図情報管理部5は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、フラッシュメモリと、ハードディスク装置と、入力ポートと、出力ポートとを備えたコンピュータユニットによって構成されている。
【0016】
地図情報管理部5のROMには、各種制御定数や各種マップ等とともに、当該コンピュータユニットを地図情報管理部5として機能させるためのプログラムが記憶されている。すなわち、CPUがROMに記憶されたプログラムを実行することにより、当該コンピュータユニットは、地図情報管理部5として機能する。
【0017】
地図情報管理部5の入力ポートには、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信装置53、不図示の加速度センサを含む各種センサ類が接続されている。
【0018】
GNSS受信装置53は、不図示のGNSSアンテナを介してGNSS衛星からの電波を受信し、受信した電波に含まれる情報から、現在位置の緯度・経度等を取得する。加速度センサは、車両1の加速度を検出する。
【0019】
地図情報管理部5と制御部6は、CAN(Controller Area Network)等の規格に準拠した車内LAN(Local Area Network)を介して制御信号等の信号の送受信を相互に行なう。
【0020】
地図情報管理部5は、例えばハードディスク装置に記憶された、道路標識の情報、信号機の情報、道路の車線の情報などを含む静的な地図情報を道路リンク毎に管理する静的情報記憶部51として機能する。
【0021】
道路リンクは、例えば、交差点や道路の節点などのノードの、2つのノード間の道路区間を表す。
【0022】
地図情報管理部5は、通信部4を介して、サーバ装置や路側通信装置などから道路交通情報、道路規制情報、道路工事情報、渋滞情報、事故情報、ITS(Intelligent Transport Systems)情報、天候情報などの動的な情報を取得する動的情報取得部52として機能する。
【0023】
地図情報管理部5は、上述したGNSS受信装置53や加速度センサなどにより自車両の現在位置を検出することができる。
【0024】
地図情報管理部5は、現在位置から現在位置の道路リンクを取得し、道路リンクに関連付けて記憶されている道路標識の情報や信号機の情報、道路種別の情報、道路属性の情報などの地図情報を取得する。
【0025】
地図情報管理部5は、現在位置周辺の渋滞情報や事故情報などの交通情報、天候情報などを取得する。
【0026】
地図情報管理部5は、取得した地図情報や交通情報、天候情報などを制御部6に送信する。地図情報管理部5は、例えば、道路リンクが変わったときや、サーバ装置や路側通信装置などから情報を取得したときなどに取得した地図情報や交通情報、天候情報などを制御部6に送信する。
【0027】
制御部6は、CPUと、RAMと、ROMと、フラッシュメモリと、入力ポートと、出力ポートとを備えたコンピュータユニットによって構成されている。
【0028】
制御部6のROMには、各種制御定数や各種マップ等とともに、当該コンピュータユニットを制御部6として機能させるためのプログラムが記憶されている。すなわち、CPUがROMに記憶されたプログラムを実行することにより、当該コンピュータユニットは、制御部6として機能する。
【0029】
制御部6の入力ポートには、撮像部2を含む各種センサ類が接続されている。制御部6の出力ポートには、報知部3を含む各種制御対象類が接続されている。
【0030】
制御部6は、撮像部2が撮像した画像データを読み込む画像読込部61として機能する。制御部6は、画像読込部61が読み込んだ画像データに所定の画像処理を行なう、画像処理部62として機能する。
【0031】
制御部6は、画像処理部62が画像処理した画像データから所定の認識処理を行なう場合の、認識する対象物の設定などを行なう検出処理部63として機能する。
【0032】
制御部6は、検出処理部63の設定に基づいて、画像処理部62が画像処理した画像データから自車両前方の道路標識、文字、看板、人、自動車、自動車用信号機、歩行者用信号機、料金所のゲート、道路の車線などを認識する認識処理部64として機能する。
【0033】
制御部6は、認識処理部64により認識された道路標識を報知部3により運転者に報知させる出力処理部65として機能する。
【0034】
制御部6は、車両1の走行する道路リンクの規制情報を判断する規制情報判断部66として機能する。
【0035】
制御部6は、認識処理部64により道路標識が認識されると、報知部3により道路標識が存在することを報知させる。
【0036】
報知部3は、例えば、図2に示すように、認識された道路標識のイメージを表示して、道路標識が存在することを報知する。
【0037】
図2において、報知部3は、二つの領域AとBに道路標識のイメージを表示する。例えば、Aの領域には、図中矢印の元に示した道路標識のイメージを表示し、Bの領域には、図中矢印の元に示した道路標識のイメージを表示する。
【0038】
制御部6は、報知部3により道路標識が存在することを報知している場合、所定の報知終了条件が満たされると、道路標識が存在することの報知を終了させる。
【0039】
報知終了条件は、自車両が進路変更したこと、自車両の走行する道路リンクが変わったこと、などが含まれる。
【0040】
制御部6は、画像認識処理により進入禁止標識が認識され、かつ地図情報管理部5に記憶された地図情報において自車両の進行方向に存在する少なくとも1つの道路リンクに一方通行道路であることを示す一方通行情報が含まれている場合、認識された進入禁止標識を報知部3に報知させる。例えば、自車両が十字路に向かって走行している場合、自車両の進行方向には、当該十字路のノードを起点として3つの道路リンクが存在する。この3つの道路リンクのうち少なくとも1つの道路リンクに一方通行情報が含まれている場合も、上述の場合に含まれる。
【0041】
制御部6は、一方通行情報が含まれている道路リンクが現在の道路リンクと隣接している場合に、認識された進入禁止標識を報知部3に報知させるようにしてもよい。
【0042】
制御部6は、画像認識処理により進入禁止標識が認識されたときに、報知部3に第1の報知を行なわせる。
【0043】
制御部6は、画像認識処理により進入禁止標識が認識されたときに、地図情報管理部5に記憶された地図情報において自車両の進行方向に存在する少なくとも1つの道路リンクに一方通行情報が含まれていて、かつ自車両が認識された進入禁止標識を通過したと判定した場合、自車両の走行する道路区間は進入禁止区間であると判定し、報知部3に第1の報知とは異なる第2の報知を行なわせる。
【0044】
ここで、第1の報知は、例えば、ランプの点灯であり、第2の報知は、例えば、ランプの点滅である。第1の報知及び第2の報知は、音声による報知や、警告表示による報知であってもよい。第1の報知は、進入禁止標識が存在することの報知であり、第2の報知は、逆走状態にあることの報知である。
【0045】
制御部6は、進入禁止標識を報知部3により報知しているときに、画像認識処理により自車両の通行を禁止する特定標識以外の道路標識が認識されると、進入禁止標識の報知を終了させる。特定標識は、図3に示すような、車両の通行を禁止する道路標識である。特定標識として、自車両の進行方向と反対方向のみの通行を許可する一方通行標識や歩行者専用道路標識を含んでもよい。
【0046】
制御部6は、進入禁止標識を報知部3により報知しているときに、画像認識処理により自車両の通行を禁止する特定標識以外の道路標識が認識されると、進入禁止標識の報知を変更させるようにしてもよい。報知の変更とは、例えば、ランプの点滅を点灯にしたり、表示を薄くしたり、表示を小さくしたりすることである。
【0047】
進入禁止標識の報知とは、進入禁止標識の表示や、上述の第1の報知、上述の第2の報知を含む報知である。
【0048】
制御部6は、進入禁止標識を報知部3により報知しているときに、画像認識処理により特定標識以外の道路標識が認識されておらず、かつ上述の報知終了条件が満たされた場合、進入禁止標識の報知を含め全ての道路標識に関する報知を終了する。
【0049】
制御部6は、進入禁止標識を報知部3により報知しているときに、画像認識処理により特定標識以外の道路標識が認識されると、進入禁止標識の報知のみを終了または変更する。
【0050】
以上のように構成された本実施例に係る運転支援装置による進入禁止標識報知処理について、図4を参照して説明する。なお、以下に説明する進入禁止標識報知処理は、制御部6が動作を開始すると開始され、予め設定された時間間隔で実行される。
【0051】
ステップS1において、制御部6は、撮像部2により撮像された画像から、進入禁止標識を認識したか否かを判定する。進入禁止標識を認識していないと判定した場合、制御部6は、ステップS1の処理を繰り返す。
【0052】
ステップS1において進入禁止標識を認識したと判定した場合、ステップS2において、制御部6は、進入禁止標識の第1の報知を報知部3に行なわせる。
【0053】
ステップS3において、制御部6は、自車両の進行方向に存在する次の道路リンクに一方通行情報があるか否かを判定する。次の道路リンクに一方通行情報が無いと判定した場合、制御部6は、処理を終了する。
【0054】
ステップS3において次の道路リンクに一方通行情報があると判定した場合、ステップS4において、制御部6は、自車両が認識された進入禁止標識を通過したか否かを判定する。進入禁止標識を通過していないと判定した場合、制御部6は、ステップS4の処理を繰り返す。
【0055】
ステップS4において進入禁止標識を通過したと判定した場合、ステップS5において、制御部6は、進入禁止標識の第2の報知を報知部3に行なわせ、処理を終了する。
【0056】
なお、ステップS3において、次の道路リンクに一方通行情報が無いと判定した場合、第1の報知を終了させて、処理を終了させるようにしてもよい。
【0057】
本実施例に係る運転支援装置による進入禁止標識報知終了処理について、図5を参照して説明する。なお、以下に説明する進入禁止標識報知終了処理は、制御部6が動作を開始すると開始され、予め設定された時間間隔で実行される。
【0058】
ステップS11において、制御部6は、進入禁止標識を報知中であるか否かを判定する。進入禁止標識を報知中でないと判定した場合、制御部6は、ステップS11の処理を繰り返す。
【0059】
ステップS11において進入禁止標識を報知中であると判定した場合、ステップS12において、制御部6は、特定標識以外の道路標識を認識したか否かを判定する。特定標識以外の道路標識を認識したと判定した場合、ステップS13において、制御部6は、進入禁止標識のみの報知を終了させて、処理を終了する。
【0060】
ステップS12において特定標識以外の道路標識を認識していないと判定した場合、ステップS14において、制御部6は、報知終了条件を満たしたか否かを判定する。報知終了条件を満たしていないと判定した場合、制御部6は、ステップS12に処理を戻す。
【0061】
ステップS14において報知終了条件を満たしたと判定した場合、ステップS15において、制御部6は、全ての道路標識の報知を終了させ、処理を終了する。
【0062】
このように、撮像部2により撮像された画像から進入禁止標識が認識され、さらに自車両の進行方向にある次の道路リンクに一方通行情報が含まれていることを条件として進入禁止標識が存在することを報知するため、図6に示すように、図中Cで示す物体を進入禁止標識であると誤認識した場合であっても、自車両の進行方向にある次の道路リンクに一方通行情報が含まれていなければ、進入禁止標識が存在することの報知を行なわないため、画像認識処理において進入禁止標識でないものを進入禁止標識として誤認識した場合でも誤判定することなく、適切に進入禁止標識に関する報知を行なうことができる。
【0063】
また、図6において、図中Cで示す物体を進入禁止標識であると誤認識し、自車両の進行方向にある次の道路リンクの情報が取得できない場合であっても、特定標識以外の道路標識Dを認識すれば、進入禁止標識が存在することの報知を終了するため、画像認識処理において進入禁止標識でないものを進入禁止標識として誤認識した場合でも誤判定することなく、適切に進入禁止標識に関する報知を行なうことができる。
【0064】
制御部6は、画像認識処理により進入禁止標識が複数認識されたとき、自車両の中心を通って自車両の進行方向に延伸した直線と、進入禁止標識の通中心を通って自車両の進行方向に延伸した直線との自車両の進行方向と直行する方向の距離の、複数の進入禁止標識の平均値が所定の閾値以下である場合、自車両が走行中の道路に向けた進入禁止標識が存在すると判定し、当該標識を通過すると自車両が一方通行路を逆走していると判定する。
【0065】
制御部6は、複数の進入禁止標識から自車両が走行中の道路に向けた進入禁止標識が存在すると判定し、自車両の進行方向に存在する少なくとも1つの道路リンクに一方通行情報が含まれていて、かつ自車両が認識された進入禁止標識を通過したと判定した場合、自車両の走行する道路区間は進入禁止区間であると判定する。
【0066】
例えば、図7に示すように、L2の道路に対する複数の進入禁止標識E、Fが認識された場合、L1の道路を走行中の車両1は、複数の進入禁止標識との距離の平均値がGの値となり閾値を超えて、自車両が走行中の道路に向けた進入禁止標識が存在すると判定されない。
【0067】
L2の道路を走行中の車両は、複数の進入禁止標識との距離の平均値が閾値以下となり、自車両が走行中の道路に向けた進入禁止標識が存在すると判定される。
【0068】
L3の道路を走行中の車両は、L1の道路と同様に、複数の進入禁止標識との距離の平均値が閾値を超えて、自車両が走行中の道路に向けた進入禁止標識が存在すると判定されない。
【0069】
例えば、図8に示すように、L4の道路に対する進入禁止標識HとL5の道路に対する進入禁止標識Iの複数の進入禁止標識が認識された場合、L4の道路を走行中の車両1は、複数の進入禁止標識との距離の平均値がJの値となり閾値以下であり、自車両が走行中の道路に向けた進入禁止標識が存在すると判定される。
【0070】
L5の道路を走行中の車両も、複数の進入禁止標識との距離の平均値がJと同じ値となり閾値以下であり、自車両が走行中の道路に向けた進入禁止標識が存在すると判定される。
【0071】
このようにすることで、隣接する他の道路に対する進入禁止標識を、自車両が走行中の道路に対する進入禁止標識と誤認識することなく、適切に進入禁止標識に関する報知を行なうことができる。
【0072】
このように、上述の実施例では、撮像部2により撮像された画像から進入禁止標識が認識され、さらに自車両の進行方向にある次の道路リンクに一方通行情報が含まれていることを条件として進入禁止標識が存在することを報知するため、画像認識処理において進入禁止標識でないものを進入禁止標識として誤認識した場合でも誤報知することなく、適切に進入禁止標識に関する報知を行なうことができる。
【0073】
また、撮像部2により撮像された画像から進入禁止標識が認識され、さらに自車両の進行方向にある次の道路リンクに一方通行情報が含まれていて、かつ自車両が認識された進入禁止標識を通過したと判定した場合、自車両の走行する道路区間は進入禁止区間であると判定しているため、画像認識処理において進入禁止標識でないものを進入禁止標識として誤認識した場合でも誤判定することなく、適切に進入禁止標識に関する判定を行なうことができる。
【0074】
また、進入禁止標識が認識されたときに第1の報知を行ない、その後その進入禁止標識を通過する際に、次の道路リンクに一方通行情報が含まれていることを条件として第2の報知を行なうため、進入禁止標識に関する報知をしつつ、その進入禁止標識の確実性が上がり、その進入禁止標識を通過した場合により注意を引く報知を行なうことができ、適切に進入禁止標識に関する報知を行なうことができる。
【0075】
また、進入禁止標識や逆走状態にあることの報知を行なっている際に、自車両に向けた特定標識以外の道路標識が認識されると報知を終了するため、自車両が侵入しようとしている道路、または、自車両が走行している道路が進入禁止道路でない状況であるにもかかわらず、進入禁止標識や逆走状態にあることの誤報知を防止することができる。
【0076】
例えば、自車両が進入禁止道路に進入していると判断し、その旨を報知している場合であっても、特定標識以外の道路標識の表側を認識した場合、自車両に向けた道路標識が存在することから、実際に自車両が走行している道路は進入禁止道路ではないと判定し、報知を終了または変更することができ、誤報知が継続することを防止することができる。
【0077】
また、報知終了条件が満たされた場合は全ての道路標識に関する報知を終了するのに対し、特定標識以外の道路標識が認識され自車両が走行している道路が進入禁止道路でないと判定した場合は進入禁止標識の報知のみを終了または変更するため、進入禁止標識の誤報知の継続のみを防止することができ、正しい報知と誤報知とを適切に処理して運転者に正しい情報を提供することができる。
【0078】
自車両が走行する道路が変化した場合を報知終了条件とすると、報知終了条件が満たされた場合と、特定標識以外の道路標識が認識され自車両が走行している道路が進入禁止道路でないと判定した場合とで報知終了する道路標識を異ならせることができ、正しい報知と誤報知とを適切に処理して運転者に正しい情報を提供することができる。
【0079】
本実施例では、各種センサ情報に基づき制御部6が各種の判定や算出を行なう例について説明したが、これに限らず、通信部4から送信された各種センサの検出情報に基づき車外装置によって各種の判定や算出が行なわれ、その判定結果や算出結果を通信部4で受信して、その受信した判定結果や算出結果を用いて各種制御を行なってもよい。
【0080】
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0081】
1 車両
2 撮像部
3 報知部
5 地図情報管理部
6 制御部
64 認識処理部
65 出力処理部
66 規制情報判断部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8