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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】シミュレーションシステム
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20221025BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20221025BHJP
   G09F 5/00 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
G09G5/00 510B
G06Q50/08
G09F5/00 Z
G09G5/00 510H
G09G5/00 530T
G09G5/00 550C
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018162570
(22)【出願日】2018-08-31
(65)【公開番号】P2020034820
(43)【公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-04-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】末澤 貴大
(72)【発明者】
【氏名】三木 健史
(72)【発明者】
【氏名】南 裕介
(72)【発明者】
【氏名】平岡 千穂
(72)【発明者】
【氏名】岩田 翔士
(72)【発明者】
【氏名】川副 祐太
(72)【発明者】
【氏名】河上 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】大和 哲也
(72)【発明者】
【氏名】小川 正之
【審査官】武田 悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-213776(JP,A)
【文献】特開2004-246233(JP,A)
【文献】特開平10-228231(JP,A)
【文献】米国特許第4887898(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0330273(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00 - 5/42
G09F 5/00
G06Q 50/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物に関する物の外観をシミュレーションするシミュレーションシステムであって、
前記物に係る展示物と、
前記展示物における所定の表示箇所に画像を表示する表示装置と、
複数の画像の内容から前記展示物に表示される前記画像の内容を使用者が選択するための選択ツールと、
前記画像を前記表示装置に表示させる制御部と、
前記展示物に設けられる検出部と、を備え、
前記選択ツールは複数の個別選択パネルを含み、
前記複数の個別選択パネルのそれぞれは、複数の画像の内容のうちの1つに対応づけられ、対応づけられた画像の内容であって前記展示物に表示される前記画像に対応する情報を表示する表示部を含み、
前記複数の個別選択パネルのそれぞれには、前記個別選択パネルに対応づけられた画像の内容に紐づけられた前記画像に関する識別情報が登録され、
前記検出部は、前記個別選択パネルがかざされることによって前記個別選択パネルの前記識別情報を検出し、
前記制御部は、前記検出部の検出結果を参照して前記識別情報に基づいて前記個別選択パネルにおいて前記識別情報に紐づけられた前記画像を前記表示装置の前記所定箇所に表示させる、
シミュレーションシステム。
【請求項2】
前記表示部は前記展示物に表示される前記画像に対応するサンプル画像、および、前記画像に対応するサンプル素材の少なくとも一方を用いて前記情報を表示する
請求項1に記載のシミュレーションシステム。
【請求項3】
前記サンプル画像は前記展示物に対応する模様、および、前記展示物に設置される物品の少なくとも一方を含む
請求項2に記載のシミュレーションシステム。
【請求項4】
前記複数の個別選択パネルのそれぞれは、取り外し可能に前記展示物に設けられる
請求項1~3のいずれか一項に記載のシミュレーションシステム。
【請求項5】
前記複数の個別選択パネルのそれぞれはポータブルユニットである
請求項1~4のいずれか一項に記載のシミュレーションシステム。
【請求項6】
前記複数の個別選択パネルの前記表示部はそれぞれ異なる前記情報を表示する
請求項1~5のいずれか一項に記載のシミュレーションシステム。
【請求項7】
前記展示物の大きさは実物大である
請求項1~6のいずれか一項に記載のシミュレーションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシミュレーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
建築物に関するデザインのシミュレーションを実施できるシミュレーションシステムが知られている。その一例である特許文献1に記載の構造物の意匠表示方法では、ディスプレイに建築物の外観、複数の屋根の形状、および、複数の外壁の模様を表示し、ユーザによって選択された屋根の形状、および、外壁の模様となるように建築物の外観のデザインを変更している。このため、ユーザは好みに応じた建築物に関するデザインのイメージを把握できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-328953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記構造物の意匠表示方法では、ディスプレイに表示されるデザインに基づいてシミュレーションが実施されるため、ユーザの想像する建築物に関するイメージと実物とに大きなずれが生じるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明に関するシミュレーションシステムは建築物に関する展示物に画像を表示する表示装置と、前記展示物に表示される前記画像の内容を選択する選択部とを備え、前記選択部は前記画像に対応する情報を表示する表示部を含む。
上記シミュレーションシステムでは、展示物に画像が表示されるため、建築物に関するデザイン、機能性、および、使用感について、実際の情報に近い情報をユーザに提供できる。このため、ユーザの想像する建築物に関するイメージと実物とのずれを小さくできる。
【0006】
(2)好ましい例では(1)に記載のシミュレーションシステムにおいて、前記表示部は前記展示物に表示される前記画像に対応するサンプル画像、および、前記画像に対応するサンプル素材の少なくとも一方を用いて前記情報を表示する。
このため、展示物に表示される画像をユーザが容易に把握できる。
【0007】
(3)好ましい例では(2)に記載のシミュレーションシステムにおいて、前記サンプル画像は前記展示物に対応する模様、および、前記展示物に設置される物品の少なくとも一方を含む。
このため、多様な情報をユーザに提供できる。
【0008】
(4)好ましい例では(1)~(3)のいずれか一項に記載のシミュレーションシステムにおいて、前記選択部は前記展示物に設けられる。
このため、画像の内容を容易に選択できる。
【0009】
(5)好ましい例では(1)~(4)のいずれか一項に記載のシミュレーションシステムにおいて、前記選択部はポータブルユニットである。
このため、シミュレーションシステムの構成を簡素化できる。
【0010】
(6)好ましい例では(1)~(5)のいずれか一項に記載のシミュレーションシステムにおいて、前記選択部は個別に構成される複数の個別選択部を含み、前記複数の個別選択部の前記表示部はそれぞれ異なる前記情報を表示する。
このため、多様な情報をユーザに提供できる。
【0011】
(7)好ましい例では(1)~(6)のいずれか一項に記載のシミュレーションシステムにおいて、前記展示物は前記選択部を検出する検出部を含む。
このため、展示物に画像を容易に表示できる。
【0012】
(8)好ましい例では(7)に記載のシミュレーションシステムにおいて、前記検出部の検出結果を参照して前記情報に対応する前記画像を前記表示装置に表示させる制御部をさらに備える。
このため、展示物に画像を容易に表示できる。
【0013】
(9)好ましい例では(8)に記載のシミュレーションシステムにおいて、前記制御部は前記検出部の検出結果を参照して前記展示物に対する前記画像の表示箇所を選択する。
このため、多様な情報をユーザに提供できる。
【0014】
(10)好ましい例では(1)~(9)のいずれか一項に記載のシミュレーションシステムにおいて、前記展示物の大きさは実物大である。
このため、ユーザの想像する建築物に関するイメージと実物とのずれを一層小さくできる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に関するシミュレーションシステムによれば、ユーザの想像する建築物に関するイメージと実物とのずれを小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態のシミュレーションシステムが適用される展示物の透視図。
図2】実施形態のシミュレーションシステムのブロック図。
図3図1の選択部の正面図。
図4図2の表示装置が展示物にマーカーを表示している状態の展示物の斜視図。
図5図2の表示装置が戸棚に表示画像を表示している状態の展示物の斜視図。
図6図2の表示装置が戸棚およびキッチンパネルに表示画像を表示している状態の展示物の斜視図。
図7図2の表示装置が戸棚、キッチンパネル、および、ワークトップに表示画像を表示している状態の展示物の斜視図。
図8図2の表示装置が戸棚、キッチンパネル、ワークトップ、および、第1所定領域に表示画像を表示している状態の展示物の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施形態)
図1および図2を参照して、シミュレーションシステム1の一例について説明する。シミュレーションシステム1は建築物に関する展示物100(以下「展示物100」という)に画像を表示することによって、建築物に関するデザイン、機能性、および、使用感について、実際の情報に近い情報をユーザに提供できるように構成されるシステムである。展示物100は例えば、建築物の内装に関する展示物、および、建築物の外装に関する展示物である。建築物の内装に関する展示物の一例はキッチン、リビング、ダイニング、リビングダイニング、寝室、応接室、書斎、玄関、廊下、階段室、トイレ、洗面所、脱衣所、浴室、物置、および、納戸である。建築物の外装に関する展示物の一例は屋根、外壁、バルコニー、手摺、面材、基礎、および、笠木である。図1等に示される例では、展示物100はキッチンを含む建築物の内装の一部である。展示物100は戸棚110、キッチンパネル120、ワークトップ130、および、一対の壁部140を備える。展示物100の大きさは任意に選択できる。好ましい例では、展示物100の大きさは実物大である。このため、ユーザの想像する建築物に関するイメージと実物とのずれを一層小さくできる。展示物100が設置される場所は任意に選択できる。第1例では、展示物100は移動式展示場の屋内または屋外に設置される。第2例では、展示物100は常設展示場の屋内または屋外に設置される。
【0018】
図2に示されるように、シミュレーションシステム1を構成する主な要素は表示装置10、選択部20(図1参照)、検出部30、および、端末装置40である。表示装置10は展示物100に画像を投影することによって、展示物100に画像を表示する。表示装置10は例えばプロジェクタである。表示装置10は展示物100に画像を表示できる位置に設置される。表示装置10の数は1または複数である。図1等に示される例では、表示装置10は第1表示装置11および第2表示装置12を備える。第1表示装置11および第2表示装置12は展示物100に表示する画像(以下「表示画像」という)に影が形成されないように展示物100に画像を表示する。表示画像は第1種画像、第2種画像、および、第3種画像を含む。第1種画像は展示物100の模様に関する画像である。第2種画像は展示物100に設置される物品に関する画像である。第3種画像は第1種画像および第2種画像に対応するデザインに設定された場合の費用に関する情報(以下「費用情報」という)を含む画像である。展示物100に設置される物品は展示物100の種類に応じて任意に選択される。展示物100がキッチンを含む内装の一部である場合、展示物100に設置される物品の一例はシンクおよびコンロである。このため、建築物に関するデザイン、機能、および、使用感についての多様な情報をユーザに提供できる。
【0019】
選択部20は表示画像の内容を選択する。選択部20が設けられる場所は任意に選択できる。図1等に示される第1例では、選択部20は展示物100の一方の壁部140に設けられる。このため、表示画像の内容を容易に選択できる。第2例では、選択部20は展示物100のうちの一方の壁部140以外の部分に設けられる。第3例では、選択部20は展示物100以外の任意の場所に設けられる。図3に示されるように、選択部20は個別に構成される複数の個別選択部21、複数の個別選択部21のそれぞれに取り付けられるRF(Radio Frequency)タグ22、および、複数の個別選択部21を支持する支持部23を備える。
【0020】
複数の個別選択部21の形態は任意に選択できる。図3等に示される例では、複数の個別選択部21の形態は支持部23から取り外して持ち運ぶことができるポータブルユニットである。このため、シミュレーションシステム1の構成を簡素化できる。一例では、複数の個別選択部21は小型のパネルである。別の例では、複数の個別選択部21はスマートフォンまたはタブレット端末である。複数の個別選択部21を構成する材料は任意に選択できる。好ましい例では、複数の個別選択部21はユーザが容易に持ち運べることができるように、軽量な材料によって構成される。その一例はスチレンボード、ベニヤ板、MDF(medium density fiberboard)、および、布である。複数の個別選択部21は表示画像に対応する情報(以下「表示画像情報」という)を表示する表示部21Aを備える。複数の個別選択部21の表示部21Aはそれぞれ異なる表示画像情報を表示する。
【0021】
複数の個別選択部21は表示部21Aが表示する表示画像情報の種類に応じて、第1グループGA、第2グループGB、および、第3グループGCに分類される。第1グループGAに分類される個別選択部21の表示部21Aは表示画像情報として展示物100の模様を表示する。展示物100の模様は展示物100の種類に応じて決められる。展示物100がキッチンを含む内装の一部である場合、展示物100の模様の一例は木目調の模様、大理石調の模様、タイル調の模様、石材調の模様、クロス調の模様、任意の塗装の模様、および、金属調の模様である。表示部21Aの表示画像情報の表示方法は表示画像の内容をユーザが認識できる手段から任意に選択できる。一例では、表示部21Aは表示画像に対応するサンプル画像、および、表示画像に対応するサンプル素材の少なくとも一方を用いて表示画像情報を表示する。このため、表示画像をユーザが容易に把握できる。図3等に示される例では、表示部21Aは表示画像に対応するサンプル画像を用いて表示画像情報を表示する。表示画像に対応するサンプル画像は個別選択部21に印刷される、または、貼り付けられる。表示部21Aが表示画像に対応するサンプル素材を用いて表示画像情報を表示する場合、表示画像に対応するサンプル素材は個別選択部21に貼り付けられる、または、サンプル素材を用いて個別選択部21が構成される。個別選択部21がスマートフォンまたはタブレット端末の場合、表示画像情報は表示部21Aとしてのディスプレイに表示される。
【0022】
第2グループGBに分類される個別選択部21の表示部21Aは表示画像情報として展示物100の模様におけるタイルの形状を表示する。第3グループGCに分類される個別選択部21の表示部21Aは表示画像情報として、展示物100に設置される物品を文字、または、物品のサンプル画像を用いて表示する。図3等に示される例では、第3グループGCに分類される個別選択部21の表示部21Aは表示画像情報として、展示物100に設置される物品を文字で表示する。
【0023】
RFタグ22には、表示部21Aが表示している表示画像情報を識別する情報(以下「識別情報」という)、および、表示部21Aが表示している表示画像情報に対応する費用情報が登録される。RFタグ22はパッシブタグ、アクティブタグ、または、セミアクティブタグである。RFタグ22の電波の伝達方式は電磁誘導方式または電波方式である。RFタグ22は複数の個別選択部21にそれぞれ結合される。
【0024】
複数の支持部23は一方の壁部140に取り付けられる。複数の支持部23の一例は釘フックである。複数の個別選択部21は複数の支持部23に引っ掛けられた状態で支持される。
【0025】
図2に示される検出部30は選択部20のRFタグ22(図3参照)に登録されている識別情報を検出する。検出部30の一例は一般的な受信機またはRFID(radio frequency identifier)リーダである。検出部30は端末装置40と通信できるように端末装置40と接続される。検出部30と端末装置40との通信の形態は無線通信または有線通信である。検出部30は検出した識別情報を端末装置40に送信する。検出部30が設けられる位置は任意に選択できる。図1等に示される第1例では、検出部30は展示物100に設けられる。第2例では、検出部30は展示物100以外の任意の場所に設けられる。
【0026】
検出部30は第1検出部31、第2検出部32、第3検出部33、第4検出部34、第5検出部35、および、第6検出部36を含む。第1検出部31、第2検出部32、および、第3検出部は一方の壁部140の内部に設けられる。第1検出部31、第2検出部32、および、第3検出部33は第1グループGAおよび第2グループGBに含まれる複数の個別選択部21に取り付けられているRFタグ22に登録されている識別情報を検出する。第1検出部31が識別情報を検出した場合、識別情報に対応する表示画像が戸棚110に表示される。第2検出部32が識別情報を検出した場合、識別情報に対応する表示画像がキッチンパネル120に表示される。第3検出部33が識別情報を検出した場合、識別情報に対応する表示画像がワークトップ130に表示される。第1検出部31、第2検出部32、および、第3検出部33が識別情報を検出した場合、検出した識別情報に対応する費用情報が展示物100に表示される。展示物100のうちの費用情報が表示される箇所は任意に選択できる。一例では、費用情報は第1検出部31、第2検出部32、および、第3検出部33のうちの識別情報を検出した検出部の近傍に表示される。
【0027】
第4検出部34、第5検出部35、および、第6検出部36は第3グループGCに含まれる個別選択部21に取り付けられているRFタグ22に登録されている識別情報を検出する。第4検出部34、第5検出部35、および、第6検出部36はワークトップ130の裏面に設けられる。第4検出部34、第5検出部35、および、第6検出部36はワークトップ130の長手方向に沿って所定の間隔をあけて配置される。第4検出部34はワークトップ130の長手方向において、ワークトップ130の裏面のうちの一方の壁部140側に設けられる。第5検出部35はワークトップ130の長手方向において、ワークトップ130の裏面のうちの中央に設けられる。第6検出部36はワークトップ130の長手方向において、ワークトップ130の裏面のうちの他方の壁部140側に設けられる。第4検出部34が識別情報を検出した場合、ワークトップ130の表面のうちの第4検出部34を含む所定領域(以下「第1所定領域RA」という)に識別情報に対応する表示画像が表示される。第5検出部35が識別情報を検出した場合、ワークトップ130の表面のうちの第5検出部35を含む所定領域(以下「第2所定領域RB」という)に識別情報に対応する表示画像が表示される。第6検出部36が識別情報を検出した場合、ワークトップ130の表面のうちの第6検出部36を含む所定領域(以下「第3所定領域RC」という)に識別情報に対応する表示画像が表示される。第4検出部34、第5検出部35、および、第6検出部36が識別情報を検出した場合、検出した識別情報に対応する費用情報が展示物100に表示される。展示物100のうちの費用情報が表示される箇所は任意に選択できる。一例では、費用情報は第4検出部34、第5検出部35、および、第6検出部36のうちの識別情報を検出した検出部に対応する所定領域RA~RCのうちの任意の領域に表示される。
【0028】
端末装置40の一例はパーソナルコンピュータ、サーバ、または、スマートデバイスである。スマートデバイスの一例はタブレットおよびスマートフォンである。端末装置40がサーバである場合、端末装置40は展示場の屋内または屋外に設置される。図2に示される例では、端末装置40はパーソナルコンピュータである。端末装置40は記憶装置41およびプロセッサ42を備える。記憶装置41は例えばハードディスク等の補助記憶装置である。記憶装置41には、展示物100に表示画像を表示するための1または複数のアプリケーションソフトウェア(以下「画像表示ソフト」)が記憶されている。
【0029】
プロセッサ42は記憶装置41と通信できるように記憶装置41と接続されている。プロセッサ42が記憶装置41に記憶されている画像表示ソフトを実行することによって、プロセッサ42の1または複数の機能ブロックが構築される。1または複数の機能ブロックには、制御部PAが含まれる。プロセッサ42による画像表示ソフトの実行により得られた情報は記憶装置41に記憶される。
【0030】
制御部PAは検出部30の検出結果を参照して、識別情報と紐付けられる表示画像情報に対応する画像を表示装置10に表示させる。このため、展示物100に画像を容易に表示できる。制御部PAは検出部30の検出結果を参照して、展示物100に対する画像の表示箇所を選択する。このため、多様な情報をユーザに提供できる。第1検出部31が識別情報を検出した場合、制御部PAは戸棚110を表示箇所として選択する。第2検出部32が識別情報を検出した場合、制御部PAはキッチンパネル120を表示箇所として選択する。第3検出部33が識別情報を検出した場合、制御部PAはワークトップ130を表示箇所として選択する。第4検出部34が識別情報を検出した場合、制御部PAは第1所定領域RAを表示箇所として選択する。第5検出部35が識別情報を検出した場合、制御部PAは第2所定領域RBを表示箇所として選択する。第6検出部36が識別情報を検出した場合、制御部PAは第3所定領域RCを表示箇所として選択する。
【0031】
図4図8を参照して、シミュレーションシステム1の使用方法の一例について説明する。検出部30がいずれのRFタグ22の識別情報を検出していない場合、図4に示されるように、表示装置10は表示画像として、検出部30の位置を表示するマーカーMAのみを展示物100に表示する。なお、マーカーMAは展示物100に印刷等によって表示してもよい。
【0032】
図5に示されるように、ユーザが第1グループGAまたは第2グループGBに含まれる任意の個別選択部21を第1検出部31の位置を表示するマーカーMAにかざした場合、第1検出部31が識別情報を検出する。表示装置10はかざされた個別選択部21の表示部21Aが表示する表示画像情報に対応する表示画像を戸棚110に表示する。表示装置10はかざされた個別選択部21の表示部21Aが表示する表示画像情報に対応する費用情報CAを第1検出部31の近傍に表示する。
【0033】
図6に示されるように、ユーザが第1グループGAまたは第2グループGBに含まれる任意の個別選択部21を第2検出部32の位置を表示するマーカーMAにかざした場合、第2検出部32が識別情報を検出する。表示装置10はかざされた個別選択部21の表示部21Aが表示する表示画像情報に対応する表示画像をキッチンパネル120に表示する。表示装置10はかざされた個別選択部21の表示部21Aが表示する表示画像情報に対応する費用情報CBを第2検出部32の近傍に表示する。
【0034】
図7に示されるように、ユーザが第1グループGAまたは第2グループGBに含まれる任意の個別選択部21を第3検出部33の位置を表示するマーカーMAにかざした場合、第3検出部33が識別情報を検出する。表示装置10はかざされた個別選択部21の表示部21Aが表示する表示画像情報に対応する表示画像をワークトップ130に表示する。表示装置10はかざされた個別選択部21の表示部21Aが表示する表示画像情報に対応する費用情報CCを第3検出部33の近傍に表示する。
【0035】
図8に示されるように、ユーザが第3グループGCに含まれる任意の個別選択部21を第4検出部34の位置を表示するマーカーMAにかざした場合、第4検出部34が識別情報を検出する。表示装置10はかざされた個別選択部21の表示部21Aが表示する表示画像情報に対応する表示画像をワークトップ130の第1所定領域RAに表示する。図8では、表示装置10が第1所定領域にコンロの画像を表示している状態を示している。表示装置10はかざされた個別選択部21の表示部21Aが表示する表示画像情報に対応する費用情報CDを第1所定領域RAのうちの任意の箇所に表示する。
【0036】
シミュレーションシステム1の作用および効果について説明する。
展示物100に画像が表示されるため、建築物に関するデザイン、機能性、および、使用感について、実際の情報に近い情報をユーザに提供できる。このため、ユーザの想像する建築物に関するイメージと実物とのずれを小さくできる。
【0037】
(変形例)
上記実施形態は本発明に関するシミュレーションシステムが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に関するシミュレーションシステムは実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、または、実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下に実施形態の変形例の一例を示す。
【0038】
・表示装置10の構成は任意に変更できる。変形例のシミュレーションシステム1の表示装置10は表示画像を表示するディスプレイを含む。この変形例の場合、表示装置10のディスプレイが展示物100に表面に取り付けられる、または、展示物100がディスプレイによって構成される。表示装置10のディスプレイが展示物100の表面に取り付けられる場合、ディスプレイの形状は展示物100の表面の形状と実質的に同じであることが好ましい。この変形例のシミュレーションシステム1では、表示装置10は検出部30の検出結果を参照して表示画像情報に対応する表示画像をディスプレイに表示する。この変形例のシミレーションシステム1によれば、実施形態のシミュレーションシステム1と実質的に同じ効果が得られる。
【0039】
・選択部20の構成は任意に変更可能である。第1変形例のシミュレーションシステム1の選択部20は表示部21Aとして、表示画像情報を表示するディスプレイを備える。第1変形例のシミュレーションシステム1の表示部21Aは予め登録される表示画像情報に加えて、ユーザが所持する記録媒体に記録される表示画像情報を表示できることが好ましい。記録媒体の一例はメモリーカード、コンパクトディスク、フラッシュメモリ、および、ハードディスクである。第1変形例のシミュレーションシステム1の表示装置10は予め登録される表示画像情報、および、ユーザが所持する記録媒体に記録される表示画像情報に対応する表示画像を展示物100に表示する。第2変形例のシミュレーションシステムの選択部20はRFタグ22に代えて、識別情報が登録された一次元コードまたは二次元コードを備える。第2変形例の場合、検出部30は一次元コードまたは二次元コードを読み取るコードリーダである。
【0040】
・個別選択部21の種類は任意に変更可能である。第1変形例のシミュレーションシステム1は展示物100に設置される物品について、複数のサイズに対応する第3グループGCに分類される個別選択部21を備える。第1変形例のシミュレーションシステムによれば、ユーザの好みに応じて、展示物100に設置される物品のサイズを変更することができるため、建築物に関するデザイン、機能性、および、使用感について、一層多様な情報をユーザに提供できる。第2変形例のシミュレーションシステム1は第4グループに分類される個別選択部21を備える。第4グループに分類される個別選択部21の表示部21Aは表示画像情報として展示物100の全体のデザインに関する情報を文字、絵、および、写真の少なくとも1つを用いて表示する。第2変形例では、第4グループに分類される個別選択部21が備えるRFタグ22に登録されている識別情報を検出部30が検出した場合、表示装置10は展示物100の全体が統一感のあるデザインとなるような表示画像を展示物100に表示する。統一感のあるデザインの一例はヨーロッパ風のデザイン、コロニアル風のデザイン、セドナ風のデザイン、および、ファームハウス風のデザインである。
【符号の説明】
【0041】
1 :シミュレーションシステム
10 :表示装置
20 :選択部
21 :個別選択部
21A:表示部
30 :検出部
100:展示物
PA :制御部
図1
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図8