(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成システム及び宛先設定方法
(51)【国際特許分類】
H04L 51/00 20220101AFI20221025BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20221025BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20221025BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20221025BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
H04L51/00
B41J29/38
B41J29/42 F
G03G21/00 386
H04N1/00 350
(21)【出願番号】P 2018169318
(22)【出願日】2018-09-11
【審査請求日】2021-07-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】太田 哲人
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-086292(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0063773(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0027719(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 51/00
B41J 29/38
B41J 29/42
G03G 21/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に画像を形成する画像形成部を備える画像形成装置において、
原稿の画像を読み取る画像読取部と、
前記画像読取部により読み取られた原稿データが添付されたメールを送信するメール送信部と、
人物の座席位置と前記人物のメールアドレスとが関連付けられた座席表を表示部に表示させる表示制御部と、
前記表示制御部により前記表示部に表示された座席表からユーザーにより選択された座席に該当する人物のメールアドレスを、前記メール送信部の送信宛先として設定する宛先設定部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記宛先設定部は、前記ユーザーにより選択された複数の座席にそれぞれ該当する人物のメールアドレスを、前記メール送信部の送信宛先として設定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記宛先設定部は、前記ユーザーによりブロック単位で一括選択された複数の座席にそれぞれ該当する人物のメールアドレスを、前記メール送信部の送信宛先として設定することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記宛先設定部は、前記ユーザーにより指定された領域内の複数の座席にそれぞれ該当する人物のメールアドレスを、前記メール送信部の送信宛先として設定することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、更に、前記人物の座席位置と前記人物が所属するグループとが関連付けられた座席表を前記表示部に表示させ、
前記宛先設定部は、前記ユーザーにより前記グループ単位で一括選択された複数の座席にそれぞれ該当する人物のメールアドレスを、前記メール送信部の送信宛先として設定することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、更に、事前に登録した宛先の一覧を表示する登録宛先一覧画面を前記表示部に表示させ、前記登録宛先一覧画面における所定のユーザー操作に基づいて前記座席表を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記座席表を、建物及びフロアごとに前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記画像形成装置が設置されている建物及びフロアの座席表を前記表示部に初期表示させることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、
前記画像形成装置を使用
しているユーザーの座席が含まれる座席表を前記表示部に初期表示させることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記表示制御部は、事前に登録した宛先の一覧を表示する登録宛先一覧画面において選択された人物が含まれる座席表を前記表示部に初期表示させることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記表示制御部は、前記登録宛先一覧画面において選択された人物が含まれる座席表を前記表示部に初期表示させる際、前記選択された人物の座席を強調して表示させることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記表示制御部は、前記座席表が前記表示部に収まらない場合、前記座席表をスクロール可能に表示させることを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記表示制御部は、前記座席表をスクロール可能に表示させる際、
前記画像形成装置を使用
しているユーザーの座席が含まれるエリアを初期表示させることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記座席表を記憶する記憶部を備えることを特徴とする請求項1~13のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記表示制御部は、前記座席表を前記表示部に表示させる際、各座席に該当する人物の名前を表示させることを特徴とする請求項1~14のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記表示制御部は、該当する人物の名前が表示された座席が選択された場合、前記選択された座席の人物の人物情報を表示させることを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
【請求項17】
用紙に画像を形成する画像形成部を備える画像形成装置と、前記画像形成装置とデータ通信可能に接続された情報処理装置と、からなる画像形成システムにおいて、
前記情報処理装置は、
人物の座席位置と前記人物のメールアドレスとが関連付けられた座席表を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された座席表を前記画像形成装置に送信する座席表送信部と、
を備え、
前記画像形成装置は、
原稿の画像を読み取る画像読取部と、
前記画像読取部により読み取られた原稿データが添付されたメールを送信するメール送信部と、
前記座席表送信部により送信された座席表を表示部に表示させる表示制御部と、
前記表示制御部により前記表示部に表示された座席表からユーザーにより選択された座席に該当する人物のメールアドレスを、前記メール送信部の送信宛先として設定する宛先設定部と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項18】
用紙に画像を形成する画像形成部を備える画像形成装置の宛先設定方法において、
人物の座席位置と前記人物のメールアドレスとが関連付けられた座席表を表示部に表示させる表示制御ステップと、
前記表示制御ステップで前記表示部に表示された座席表からユーザーにより選択された座席に該当する人物のメールアドレスを、原稿の画像を読み取る画像読取部により読み取られた原稿データが添付されたメールを送信するメール送信部の送信宛先として設定する宛先設定ステップと、
を含む宛先設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成システム及び宛先設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンター機能、コピー機能、ファクシミリ機能、スキャナー機能等の複数の機能を備えた多機能デジタル画像形成装置であるMFP(Multi Function Peripherals)が知られている。上記のMFPにおいて、スキャンして得られた原稿データを所定の人物に送りたいという要望がある。
【0003】
そこで、印刷物をスキャンして得られた原稿データから宛先情報を抽出し、抽出した宛先情報を参照して宛先の人物を特定するための画面を表示させる構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この場合、配布担当者は、表示された画面を参照して、所定の人物に印刷物を配布する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の技術は、誰宛ての印刷物であるかを特定し、表示された座席表に該当の人物を表示するものであるが、スキャンして得られた原稿データを該当の人物に自動的に送信することはできない。したがって、配布担当者がわざわざ該当の人物まで印刷物を届ける必要があり、手間が掛かる上、配布先を誤るおそれもある。
【0006】
そこで、スキャンして得られた原稿データを、指定したメールアドレスに送信する機能(以下、ScanToEmail)が知られている。
従来、ScanToEmailで宛先(メールアドレス)を指定する場合、宛先リストから選択された宛先が設定される仕様である。この場合、常用宛先や頭文字から送信相手の名前を検索して選択する必要があるため、手間が掛かってしまう。また、宛先リストに同姓や同姓同名のユーザーが登録されている場合、送信相手のメールアドレスを正確に覚えておかないと、正しい宛先を選択できないという課題がある。
【0007】
本発明は、送信相手のメールアドレスやフルネームを覚えることなく、簡単かつ正確に宛先を指定することが可能な画像形成装置、画像形成システム及び宛先設定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、
用紙に画像を形成する画像形成部を備える画像形成装置において、
原稿の画像を読み取る画像読取部と、
前記画像読取部により読み取られた原稿データが添付されたメールを送信するメール送信部と、
人物の座席位置と前記人物のメールアドレスとが関連付けられた座席表を表示部に表示させる表示制御部と、
前記表示制御部により前記表示部に表示された座席表からユーザーにより選択された座席に該当する人物のメールアドレスを、前記メール送信部の送信宛先として設定する宛先設定部と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記宛先設定部は、前記ユーザーにより選択された複数の座席にそれぞれ該当する人物のメールアドレスを、前記メール送信部の送信宛先として設定することを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、
前記宛先設定部は、前記ユーザーによりブロック単位で一括選択された複数の座席にそれぞれ該当する人物のメールアドレスを、前記メール送信部の送信宛先として設定することを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、
前記宛先設定部は、前記ユーザーにより指定された領域内の複数の座席にそれぞれ該当する人物のメールアドレスを、前記メール送信部の送信宛先として設定することを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、
前記表示制御部は、更に、前記人物の座席位置と前記人物が所属するグループとが関連付けられた座席表を前記表示部に表示させ、
前記宛先設定部は、前記ユーザーにより前記グループ単位で一括選択された複数の座席にそれぞれ該当する人物のメールアドレスを、前記メール送信部の送信宛先として設定することを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1~5のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記表示制御部は、更に、事前に登録した宛先の一覧を表示する登録宛先一覧画面を前記表示部に表示させ、前記登録宛先一覧画面における所定のユーザー操作に基づいて前記座席表を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1~6のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記表示制御部は、前記座席表を、建物及びフロアごとに前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の画像形成装置において、
前記表示制御部は、前記画像形成装置が設置されている建物及びフロアの座席表を前記表示部に初期表示させることを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の画像形成装置において、
前記表示制御部は、前記画像形成装置を使用しているユーザーの座席が含まれる座席表を前記表示部に初期表示させることを特徴とする。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項7に記載の画像形成装置において、
前記表示制御部は、事前に登録した宛先の一覧を表示する登録宛先一覧画面において選択された人物が含まれる座席表を前記表示部に初期表示させることを特徴とする。
【0018】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の画像形成装置において、
前記表示制御部は、前記登録宛先一覧画面において選択された人物が含まれる座席表を前記表示部に初期表示させる際、前記選択された人物の座席を強調して表示させることを特徴とする。
【0019】
請求項12に記載の発明は、請求項1~11のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記表示制御部は、前記座席表が前記表示部に収まらない場合、前記座席表をスクロール可能に表示させることを特徴とする。
【0020】
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の画像形成装置において、
前記表示制御部は、前記座席表をスクロール可能に表示させる際、前記画像形成装置を使用しているユーザーの座席が含まれるエリアを初期表示させることを特徴とする。
【0021】
請求項14に記載の発明は、請求項1~13のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記座席表を記憶する記憶部を備えることを特徴とする。
【0022】
請求項15に記載の発明は、請求項1~14のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記表示制御部は、前記座席表を前記表示部に表示させる際、各座席に該当する人物の名前を表示させることを特徴とする。
【0023】
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の画像形成装置において、
前記表示制御部は、該当する人物の名前が表示された座席が選択された場合、前記選択された座席の人物の人物情報を表示させることを特徴とする。
【0024】
請求項17に記載の発明は、
用紙に画像を形成する画像形成部を備える画像形成装置と、前記画像形成装置とデータ通信可能に接続された情報処理装置と、からなる画像形成システムにおいて、
前記情報処理装置は、
人物の座席位置と前記人物のメールアドレスとが関連付けられた座席表を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された座席表を前記画像形成装置に送信する座席表送信部と、
を備え、
前記画像形成装置は、
原稿の画像を読み取る画像読取部と、
前記画像読取部により読み取られた原稿データが添付されたメールを送信するメール送信部と、
前記座席表送信部により送信された座席表を表示部に表示させる表示制御部と、
前記表示制御部により前記表示部に表示された座席表からユーザーにより選択された座席に該当する人物のメールアドレスを、前記メール送信部の送信宛先として設定する宛先設定部と、
を備えることを特徴とする。
【0025】
請求項18に記載の発明は、
用紙に画像を形成する画像形成部を備える画像形成装置の宛先設定方法において、
人物の座席位置と前記人物のメールアドレスとが関連付けられた座席表を表示部に表示させる表示制御ステップと、
前記表示制御ステップで前記表示部に表示された座席表からユーザーにより選択された座席に該当する人物のメールアドレスを、原稿の画像を読み取る画像読取部により読み取られた原稿データが添付されたメールを送信するメール送信部の送信宛先として設定する宛先設定ステップと、
を含む。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、送信相手のメールアドレスやフルネームを覚えることなく、簡単かつ正確に宛先を指定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本実施形態に係る画像形成システムの構成を示す図である。
【
図2】画像形成装置の概略構成を示す正面図である。
【
図3】画像形成装置の制御構造を示す機能ブロック図である。
【
図4】座席表のデータ構成(座席表テーブル)の一例を示す図である。
【
図5】画像形成装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図8】座席表画面において座席が選択された様子の一例を示す図である。
【
図10】座席表画面において座席が複数選択された様子の一例を示す図である。
【
図11】座席が複数選択された場合のアドレス表示画面の一例を示す図である。
【
図12】座席がブロック単位で一括選択された様子の一例を示す図である。
【
図13】ユーザーにより指定された領域内の座席が一括選択された様子の一例を示す図である。
【
図14】座席がグループ単位で一括選択された様子の一例を示す図である。
【
図15】aa棟2Fの座席表画面が表示された様子の一例を示す図である。
【
図16】登録宛先一覧画面において「iijk」が選択された様子の一例を示す図である。
【
図17】選択された人物の座席が強調表示された様子の一例を示す図である。
【
図18】座席表をスクロール可能に表示させた様子の一例を示す図である。
【
図19】使用ユーザーの座席が含まれるエリアが初期表示された様子の一例を示す図である。
【
図20】各座席に該当する人物の名前を表示させた様子の一例を示す図である。
【
図21】選択された座席の人物の人物情報を表示させた様子の一例を示す図である。
【
図22】変形例14に係る画像形成システムの構成を示す図である。
【
図23】変形例14に係る画像形成システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
[1.構成の説明]
本実施形態に係る画像形成システム1は、
図1に示すように、画像形成装置10と、画像形成装置10から送信されるメールを受信する端末装置20と、を備えて構成されている。画像形成システム1を構成する各装置は、通信ネットワークNにデータ通信可能に接続される。通信ネットワークNは、具体的には、電話回線、専用線、移動体通信網、通信衛星網、CATV回線等の様々な通信回線を適用可能なLAN(Local Area Network)である。なお、WAN(Wide Area Network)やインターネット等の様々なネットワーク形態を適用してもよい。
【0030】
本実施形態に係る画像形成装置10は、プリンター機能、コピー機能、ファクシミリ機能、スキャナー機能等の複数の機能を備えたMFPである。画像形成装置10は、原稿から画像を読み取って得られた画像データ又は端末装置20等の外部機器から受信した画像データ(プリントデータ)に基づいて、用紙上に画像を形成する。
【0031】
画像形成装置10は、
図2及び
図3に示すように、制御部11と、画像読取部12と、画像形成部13と、記憶部14と、操作パネル15(表示部151、操作部152)と、ユーザー認証部16と、通信部17と、メール送信部18と、を備えて構成されている。
【0032】
制御部11は、CPU、RAM、ROM等を備えて構成される。CPUは、操作部152から入力される操作信号又は通信部17により受信される指示信号に応じて、ROMに記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、RAMに展開した各種プログラムとの協働により、画像形成装置10の動作を統括的に制御する。
例えば、制御部11は、画像読取部12でスキャンして得られた原稿データを、メール送信部18を介して指定したメールアドレスに送信する機能(ScanToEmail)を実現する。具体的には、制御部11は、記憶部14に記憶されている座席表データを表示部151に表示させ、ユーザーにより選択された座席に該当する人物のメールアドレスをScanToEmailの宛先に設定し、スキャンして得られた原稿データをメール送信させる。
【0033】
画像読取部12は、図示しない原稿台又は自動原稿搬送部(ADF:Auto Document Feeder)に載置された原稿の画像を走査露光装置の光学系により走査露光し、その反射光をラインイメージセンサーにより読み取り、これにより、画像信号を得る。この画像信号は、A/D変換、シェーディング補正、圧縮等の処理が施された後、画像データとして制御部11に入力される。なお、制御部11に入力される画像データとしては、画像読取部12で読み取ったものに限らず、例えば、通信部17を介して端末装置20から受信したものであってもよい。
【0034】
画像形成部13は、画像処理された原画像の各画素の4色の画素値に応じて、C、M、Y及びKの4色からなる画像を用紙上に形成する。
画像形成部13は、
図2に示すように、4つの書込みユニット131、中間転写ベルト132、2次転写ローラー133、定着装置134等を備えて構成されている。
【0035】
4つの書込みユニット131は、中間転写ベルト132のベルト面に沿って直列(タンデム)に配置され、C、M、Y及びKの各色の画像を形成する。各書込みユニット131は形成する画像の色が異なるだけで構成は同じであり、
図2に示すように、光走査装置131a、感光体131b、現像部131c、帯電部131d、クリーニング部131e及び1次転写ローラー131fを備えて構成されている。
【0036】
画像形成時、各書込みユニット131では、帯電部131dにより感光体131bを帯電させた後、原画像に基づいて光走査装置131aにより出射した光束で感光体131b上を走査し、静電潜像を形成する。現像部131cによりトナー等の色材を供給して現像すると、感光体131b上に画像が形成される。
4つの書込みユニット131の感光体131b上にそれぞれ形成した画像を、それぞれの1次転写ローラー131fにより、中間転写ベルト132上に順次重ねて転写(1次転写)する。これにより、中間転写ベルト132上には各色からなる画像が形成される。中間転写ベルト132は、複数のローラーに巻き回されて回動する像担持体である。1次転写後、クリーニング部131eにより感光体131b上に残留する色材を除去する。
【0037】
画像形成部13では、回動する中間転写ベルト132上の画像が2次転写ローラー133の位置に至るタイミングに合わせて、手差しトレイT1又は給紙トレイT2から用紙を給紙する。2次転写ローラー133は、対をなす一方のローラーが中間転写ベルト132に圧接し、他方が中間転写ベルト132を巻き回す複数のローラーのうちの1つを構成している。2次転写ローラー133の圧接により、中間転写ベルト132から用紙上に画像を転写(2次転写)すると、定着装置134に用紙を搬送して定着処理を施し、排紙トレイT3へ排紙する。定着処理は、定着ローラー134aにより用紙を加熱及び加圧して画像を用紙に定着させる処理である。用紙の両面に画像を形成する場合、反転経路135に用紙を搬送して用紙面を反転させた後、2次転写ローラー133の位置へ再度用紙を給紙する。
【0038】
記憶部14は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(solid state drive)等により構成される不揮発性の記憶手段であり、各種プログラムや各種設定データ等を制御部11から読み書き可能に記憶する。
記憶部14は、様々なジョブを記憶することが可能なジョブ記憶部141を備えて構成されている。例えば、制御部11は、通信部17を介して端末装置20から送信された印刷ジョブを取得した場合、その印刷ジョブをジョブ記憶部141に記憶させる。
【0039】
また、記憶部14は、人物の座席位置と人物のメールアドレスとが関連付けられた座席表のデータを記憶することが可能な座席表記憶部142を備えて構成されている。
図4に、座席表のデータ構成(座席表テーブルD1)の一例を示す。
座席表テーブルD1には、
図4に示すように、人物の氏名情報である「氏名D11」、表示部151に表示する机(座席)に記載する情報である「表示名D12」、人物が画像形成装置10や端末装置20にログインする際に使用する「ユーザーIDD13」、人物が所属する部署に関する「所属D14」、人物のE-mailアドレスである「E-mailD15」、人物の電話番号である「TELD16」、表示部151に座席を描画するための座標情報(X座標,Y座標)である「机座標D17」、座席がどのブロック(島)に属するかを記載した「ブロックD18」、座席がどの建物にあるかを記載した「建物D19」、座席が各建物のどのフロアにあるかを記載した「フロアD20」、といった情報が関連付けられて記録されている。
【0040】
操作パネル15は、ユーザーに対して各種情報を表示する表示部151と、ユーザーによる操作入力を受け付ける操作部152と、を備えて構成されている。
表示部151は、カラー液晶ディスプレイなどで構成され、制御部11から入力される表示制御信号に従って、操作画面等(各種設定画面、各種ボタン、各機能の動作状況等)を表示する。例えば、表示部151は、座席表のデータを表示する。
操作部152は、表示部151の画面上に設けられるタッチパネルと、表示部151の画面周囲に配置される各種ハードキーと、を備えて構成されている。操作部152は、画面上に表示されたボタンが手指やタッチペン等で押下された場合、押下された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置に対応付けられた操作信号を制御部11に出力する。なお、タッチパネルは感圧式に限らず、例えば静電式や光式等であってもよい。また、操作部152は、ハードキーが押下された場合、押下されたキーに対応付けられた操作信号を制御部11に出力する。ユーザーは、操作部152を操作して、画質設定、倍率設定、応用設定、出力設定及び用紙設定等の画像形成に関する設定、用紙搬送指示、並びに装置の停止操作などを行うことができる。
【0041】
ユーザー認証部16は、ユーザーによって入力されたIDやパスワード等の認証用データを、予め登録された参照用データと照合することにより、ユーザーを識別するための認証処理を行う。なお、参照用データは、記憶部14に記憶されていてもよいし、図示しない外部のサーバー装置等に格納されていてもよい。また、外部のサーバー装置でユーザー認証を行い、その結果に基づいてユーザー認証部16がユーザーを識別してもよい。
【0042】
通信部17は、画像形成装置10を通信ネットワークNに接続するインターフェースである。通信部17は、通信用IC及び通信コネクタなどを有し、制御部11の制御の下、所定の通信プロトコルを用いて通信ネットワークNに接続されている他の画像形成装置10又は端末装置20と各種情報の送受信を行う。また、通信部17は、USBを介して各種情報の入出力を行うことも可能である。
【0043】
メール送信部18は、操作部152を介してユーザーにより指定されたメールアドレスに、画像読取部12でスキャンして得られた原稿データが添付されたメールを送信する。
【0044】
[2.動作の説明]
次に、本実施形態に係る画像形成システム1における画像形成装置10の動作について、
図5のフローチャートを参照して説明する。この動作は、制御部11が、ユーザーによるスキャンボタン(操作部152に設けられたハードキー又は表示部151に表示されたソフトキー)の押下を検知したことを契機として開始される。
【0045】
まず、制御部11は、事前に登録したScanToEmailの宛先の一覧を表示する登録宛先一覧画面G1(
図6参照)を表示部151に表示させる(ステップS101)。登録宛先一覧画面G1には、
図6に示すように、ScanToEmailの宛先をリスト表示させるリストアイコンI1と、座席表画面へと遷移させる机アイコンI2と、が設けられている。登録宛先一覧画面G1においては、座席表テーブルD1(
図4参照)の「氏名D11」情報がリスト表示され、ユーザーにより選択された人物のメールアドレスが座席表テーブルD1の「E-mailD15」から取得される。
【0046】
次に、制御部11は、ステップS101で表示された登録宛先一覧画面G1に設けられている机アイコンI2が押下されたか否かを判定する(ステップS102)。ここで、机アイコンI2を押下する操作が、本発明の「所定のユーザー操作」に相当する。
制御部11は、ステップS101で表示された登録宛先一覧画面G1に設けられている机アイコンI2が押下されたと判定した場合(ステップS102:YES)、次のステップS103へと移行する。
一方、制御部11は、ステップS101で表示された登録宛先一覧画面G1に設けられている机アイコンI2が押下されていないと判定した場合(ステップS102:NO)、机アイコンI2が押下されるまでステップS102の処理を繰り返す。
【0047】
次に、制御部11は、座席表画面G2(
図7参照)を表示部151に表示させる(ステップS103)。座席表画面G2には、
図7に示すように、座席の選択を完了するためのOKボタンG21が設けられている。座席表画面G2においては、人物の座席位置と人物のメールアドレスとが関連付けられている。すなわち、制御部11は、本発明の表示制御部として機能する。なお、座席表画面G2に表示される各座席は、座席表テーブルD1(
図4参照)の「机座標D17」に基づいて描画される。
【0048】
次に、制御部11は、ステップS103で表示された座席表画面G2において、座席が選択されたか否かを判定する(ステップS104)。具体的には、制御部11は、座席表画面G2において座席が選択された後、座席表画面G2に設けられているOKボタンG21が押下された場合に、座席が選択されたと判定する。
図8に、座席表画面G2において座席が選択された様子の一例を示す。なお、本実施形態では、選択された座席G22にチェックマークが付けられるようになっている。
制御部11は、座席が選択されたと判定した場合(ステップS104:YES)、次のステップS105へと移行する。
一方、制御部11は、座席が選択されていないと判定した場合(ステップS104:NO)、座席が選択されるまでステップS104の処理を繰り返す。
【0049】
次に、制御部11は、選択された座席に該当する人物のメールアドレスを取得する(ステップS105)。なお、選択された座席に該当する人物のメールアドレスは、座席表テーブルD1(
図4参照)の「E-mailD15」に基づいて取得される。
【0050】
次に、制御部11は、ステップS105で取得したメールアドレスを、ScanToEmailの宛先に設定(メール送信部18の送信宛先として設定)する(ステップS106)。すなわち、制御部11は、本発明の宛先設定部として機能する。
【0051】
次に、制御部11は、ステップS106でScanToEmailの宛先に設定されたメールアドレスG31を表示するアドレス表示画面G3(
図9参照)を表示部151に表示させる(ステップS107)。アドレス表示画面G3には、
図9に示すように、画像読取部12による原稿のスキャンを実行するためのスキャンボタンG32が設けられている。
【0052】
次に、制御部11は、ステップS107で表示されたアドレス表示画面G3に設けられているスキャンボタンG32が押下されたか否かを判定する(ステップS108)。
制御部11は、ステップS107で表示されたアドレス表示画面G3に設けられているスキャンボタンG32が押下されたと判定した場合(ステップS108:YES)、次のステップS109へと移行する。
一方、制御部11は、ステップS107で表示されたアドレス表示画面G3に設けられているスキャンボタンG32が押下されていないと判定した場合(ステップS108:NO)、スキャンボタンG32が押下されるまでステップS108の処理を繰り返す。
【0053】
次に、制御部11は、画像読取部12による原稿のスキャンを実行させる(ステップS109)。
【0054】
次に、制御部11は、メール送信部18を介して、ステップS106で設定した宛先にステップS109でスキャンして得られた原稿データをメール送信させる(ステップS110)。
【0055】
以上のように、本実施形態に係る画像形成システム1における画像形成装置10は、原稿の画像を読み取る画像読取部12と、画像読取部12により読み取られた原稿データが添付されたメールを送信するメール送信部18と、人物の座席位置と人物のメールアドレスとが関連付けられた座席表を表示部151に表示させる表示制御部(制御部11)と、表示制御部により表示部151に表示された座席表からユーザーにより選択された座席に該当する人物のメールアドレスを、メール送信部18の送信宛先として設定する宛先設定部(制御部11)と、を備える。
したがって、本実施形態に係る画像形成装置10によれば、表示部151に表示された座席表をみて送信宛先を指定することができるので、送信相手のメールアドレスやフルネームを覚える必要がなくなり、簡単かつ正確に宛先を指定することができる。
【0056】
また、本実施形態に係る画像形成装置10によれば、表示制御部は、更に、事前に登録した宛先の一覧を表示する登録宛先一覧画面を表示部151に表示させ、登録宛先一覧画面における所定のユーザー操作に基づいて座席表を表示部151に表示させる。
したがって、本実施形態に係る画像形成装置10によれば、宛先一覧から宛先を選択することが困難な場合に、簡易な操作で座席表を表示させることができるので、簡単かつ正確に宛先を指定することができる。
【0057】
また、本実施形態に係る画像形成装置10によれば、座席表を記憶する記憶部14を備える。
したがって、本実施形態に係る画像形成装置10によれば、外部のサーバー装置等を備えることなく座席表を表示させることができるので、運用に掛かるコストを低減することができる。
【0058】
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0059】
(変形例1)
例えば、上記実施形態では、ScanToEmailの宛先として、1つのメールアドレスを設定した場合(座席表画面G2において座席を1つ選択した場合)を例示して説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、ScanToEmailの宛先として、複数のメールアドレスを設定できる(座席表画面G2において座席を複数選択できる)ようにしてもよい。
図10に、座席表画面G2において座席が複数(図中では3つ)選択された様子の一例を示す。また、
図11に、座席が複数(図中では3つ)選択された場合のアドレス表示画面G3の一例を示す。
上記のように、宛先設定部が、ユーザーにより選択された複数の座席にそれぞれ該当する人物のメールアドレスを、メール送信部18の送信宛先として設定することで、簡単に複数の宛先を指定することができるので、宛先指定に掛かる手間を低減することができる。
【0060】
(変形例2)
また、ScanToEmailの宛先として、ブロック(島)単位で一括選択された複数のメールアドレスを設定できる(座席表画面G2において座席をブロック単位で一括選択できる)ようにしてもよい。
図12に、座席表画面G2において座席がブロック単位で一括選択された様子の一例を示す。変形例2の座席表画面G2には、
図12に示すように、座席をブロック単位で一括選択するためのALLボタンG23がブロックごとにそれぞれ設けられている。ユーザーによりALLボタンG23がタッチされると、該当のブロックに属する座席が一括で選択される。各ALLボタンG23は、座席表テーブルD1(
図4参照)の「ブロックD18」と関連付けられており、例えば、「ブロックD18」が「1」であるALLボタンG23がタッチされると、「ブロックD18」情報が「1」である人物が選択される。
上記のように、宛先設定部が、ユーザーによりブロック単位で一括選択された複数の座席にそれぞれ該当する人物のメールアドレスを、メール送信部18の送信宛先として設定することで、簡単にブロック単位で宛先を指定することができるので、宛先指定に掛かる手間を低減することができる。
【0061】
(変形例3)
また、ScanToEmailの宛先として、ユーザーにより指定された領域内の複数の座席にそれぞれ該当する人物のメールアドレスを設定できる(座席表画面G2においてユーザーにより指定された領域内の座席を一括選択できる)ようにしてもよい。
図13に、座席表画面G2においてユーザーにより指定された領域E1内の座席が一括選択された様子の一例を示す。なお、ユーザーにより指定された領域E1内の座席であるか否かは、座席表テーブルD1(
図4参照)の「机座標D17」の座標が領域E1の範囲内にあるか否かにより判定される。
上記のように、宛先設定部が、ユーザーにより指定された領域内の複数の座席にそれぞれ該当する人物のメールアドレスを、メール送信部18の送信宛先として設定することで、簡単に複数の宛先を指定することができるので、宛先指定に掛かる手間を低減することができる。
【0062】
(変形例4)
また、ScanToEmailの宛先として、所属するグループ(部署等)単位で一括選択された複数のメールアドレスを設定できる(座席表画面G2において座席をグループ単位で一括選択できる)ようにしてもよい。
図14に、座席表画面G2において座席がグループ単位で一括選択された様子の一例を示す。
図14に示す例では、人物の座席位置と人物が所属するグループとが関連付けられており、各座席が部署ごとにグループ分けされている。変形例4の座席表画面G2の上部には、
図14に示すように、座席をグループ単位で一括選択するためのグループボタンG24がグループごとにそれぞれ設けられている。ユーザーによりグループボタンG24がタッチされると、該当のグループに属する人物の座席が一括で選択される。各グループボタンG24は、座席表テーブルD1(
図4参照)の「所属D14」と関連付けられており、例えば、「所属D14」が「aa部」であるグループボタンG24がタッチされると、「所属D14」情報が「aa部」である人物が選択される。
上記のように、表示制御部が、更に、人物の座席位置と人物が所属するグループとが関連付けられた座席表を表示部151に表示させ、宛先設定部が、ユーザーによりグループ単位で一括選択された複数の座席にそれぞれ該当する人物のメールアドレスを、メール送信部18の送信宛先として設定することで、簡単にグループ単位で宛先を指定することができるので、宛先指定に掛かる手間を低減することができる。
【0063】
(変形例5)
また、上記実施形態では、1つの座席表を表示部151に表示させるようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、複数の座席表のデータ(例えば、建物及びフロアごとの座席表のデータ)を記憶部14に記憶しておくようにし、複数の座席表を択一的に表示部151に表示させるようにしてもよい。
図15に、aa棟2Fの座席表画面G2が表示された様子の一例を示す。変形例5の座席表画面G2には、
図15に示すように、座席表を表示させる建物を選択するための建物選択ボタンG25及び座席表を表示させるフロアを選択するためのフロア選択ボタンG26が設けられている。ユーザーにより建物選択ボタンG25がタッチされると、建物の一覧がドロップダウンでリスト表示され、ユーザーにより1つの建物(例えばaa棟)が選択されると、座席表を表示させる建物として当該選択された建物(例えばaa棟)が設定される。同様に、ユーザーによりフロア選択ボタンG26がタッチされると、フロアの一覧がドロップダウンでリスト表示され、ユーザーにより1つのフロア(例えば2F)が選択されると、座席表を表示させるフロアとして当該選択されたフロア(例えば2F)が設定される。そして、座席表を表示させる建物及びフロアが設定されると、当該設定された建物及びフロアの座席表が表示部151に表示される。各座席表データは、座席表テーブルD1(
図4参照)の「建物D19」、「フロアD20」と関連付けられており、表示部151にはユーザーにより選択された「建物D19」及び「フロアD20」に属する人物の座席情報が描画される。
上記のように、表示制御部が、座席表を、建物及びフロアごとに表示部151に表示させることで、送信相手の座席を容易に探し出すことができるので、宛先指定に掛かる手間を低減することができる。
【0064】
(変形例6)
また、複数の座席表を択一的に表示部151に表示させる際、初期表示を自装置(画像形成装置10)が設置されている建物及びフロアの座席表とするようにしてもよい。例えば、自装置がaa棟2Fに設置されている場合、aa棟2Fの座席表画面G2(
図15参照)を初期表示させるようにしてもよい。
上記のように、表示制御部が、画像形成装置10が設置されている建物及びフロアの座席表を表示部151に初期表示させることで、最も送信需要が多いと思われる自装置の設置フロアの座席表が初期表示されるので、宛先指定に掛かる画像形成装置10の運用効率を向上させることができる。
【0065】
(変形例7)
また、複数の座席表を択一的に表示部151に表示させる際、初期表示を使用ユーザーの座席が含まれる座席表とするようにしてもよい。ここで、使用ユーザーとは、画像形成装置10にログインして使用しているユーザーのことである。例えば、使用ユーザーがaa棟2Fに座席を有している場合、aa棟2Fの座席表画面G2(
図15参照)を初期表示させるようにしてもよい。ユーザーの認証情報(座席表テーブルD1(
図4参照)の「ユーザーIDD13」)と座席表データとが紐付けられており、表示部151には使用ユーザーの「ユーザーIDD13」と紐付けられた座席表が初期表示される。
上記のように、表示制御部が、使用ユーザーの座席が含まれる座席表を表示部151に初期表示させることで、最も送信確率が高いと思われる使用ユーザーの座席周辺を含んだ座席表が初期表示されるので、宛先指定に掛かる画像形成装置10の運用効率を向上させることができる。
【0066】
(変形例8)
また、複数の座席表を択一的に表示部151に表示させる際、初期表示を登録宛先一覧画面G1(
図16等参照)において選択された人物が含まれる座席表とするようにしてもよい。例えば、
図16に示すように、登録宛先一覧画面G1において、リスト表示されている宛先一覧から「aa棟2F」のユーザーである「iijk」が選択された状態で机アイコンI2が押下された場合、aa棟2Fの座席表画面G2(
図15参照)を初期表示させるようにしてもよい。
上記のように、表示制御部が、事前に登録した宛先の一覧を表示する登録宛先一覧画面において選択された人物が含まれる座席表を表示部151に初期表示させることで、送信宛先が正しいか否かを最終確認することができるので、正確に宛先を指定することができる。
【0067】
(変形例9)
また、初期表示を登録宛先一覧画面G1(
図16等参照)において選択された人物が含まれる座席表とする際、選択された人物の座席を強調して表示させるようにしてもよい。例えば、
図16に示すように、登録宛先一覧画面G1において、リスト表示されている宛先一覧から「aa棟2F」のユーザーである「iijk」が選択された状態で机アイコンI2が押下された場合、aa棟2Fの座席表画面G2が初期表示される。その際、
図17に示すように、選択された人物の座席がどの座席に該当するのか分かるように表示させる(
図17に示す例では、選択された人物の座席G22にチェックマークが付けられている)ようにしてもよい。
上記のように、表示制御部が、登録宛先一覧画面において選択された人物が含まれる座席表を表示部151に初期表示させる際、選択された人物の座席を強調して表示させることで、送信宛先が正しいか否かをよりわかりやすく最終確認することができるので、より正確に宛先を指定することができる。
【0068】
(変形例10)
また、座席表を表示部151に表示させる際、表示する座席表が表示部151に収まらない(表示しきれない)ケースもあり得る。このような場合、
図18に示すように、初期表示した部分(
図18中の点線内の部分)E2から縦方向や横方向にスクロール可能に表示させるようにしてもよい。
上記のように、表示制御部が、座席表が表示部151に収まらない場合、座席表をスクロール可能に表示させることで、座席表が表示部151に収まらないケースであっても座席表を全て表示させることができるので、確実に宛先を探し出すことができる。
【0069】
(変形例11)
また、座席表をスクロール可能に表示させる際、
図19に示すように、使用ユーザーの座席が含まれるエリア(
図18中の点線内のエリア)E3を初期表示させるようにしてもよい。なお、表示部151に初期表示させる座標は、座席表テーブルD1(
図4参照)における使用ユーザーの「机座標D17」を参照して決定される。
上記のように、表示制御部が、座席表をスクロール可能に表示させる際、使用ユーザーの座席が含まれるエリアを初期表示させることで、最も送信確率が高いと思われる使用ユーザーの座席周辺を含んだエリアが初期表示されるので、宛先指定に掛かる画像形成装置10の運用効率を向上させることができる。
【0070】
(変形例12)
また、座席表を表示部151に表示させる際、
図20に示すように、各座席に該当する人物の名前を表示させるようにしてもよい。なお、各座席に表示させる人物の名前は、座席表テーブルD1(
図4参照)の「表示名D12」を参照して取得される。
上記のように、表示制御部が、座席表を表示部151に表示させる際、各座席に該当する人物の名前を表示させることで、座席に該当する人物を正確に認識することができるので、正確に宛先を指定することができる。
【0071】
(変形例13)
また、
図21に示すように、該当する人物の名前が表示された座席G27が選択された場合、選択された座席G27の人物の人物情報G28を表示させるようにしてもよい。人物情報G28は、例えば、該当する人物の顔写真、氏名、メールアドレス、電話番号、所属部署などのプロパティ情報である。表示させる人物情報G28は、座席表テーブルD1(
図4参照)の各情報を参照して取得される。
上記のように、表示制御部が、該当する人物の名前が表示された座席が選択された場合、選択された座席の人物の人物情報を表示させることで、座席に該当する人物をより正確に認識することができるので、より正確に宛先を指定することができる。
【0072】
(変形例14)
また、上記実施形態では、座席表のデータを画像形成装置10の記憶部14に記憶させるようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、
図22に示すように、画像形成システム1を、画像形成装置10、端末装置20及びサーバー装置(情報処理装置)30で構成するようにし、座席表のデータをサーバー装置30の記憶部32に記憶させるようにしてもよい。なお、サーバー装置30は、少なくとも制御部31と、記憶部32と、を備えて構成されている。記憶部32には、座席表のデータの他、座席表に含まれる全ての人物のユーザー情報(例えば、メールアドレス等)を併せて記憶している。
以下、変形例14に係る画像形成システム1の動作について、
図23のフローチャートを参照して説明する。
【0073】
ステップS201及びステップS202の処理は、
図5のステップS101及びステップS102の処理と同様であるので、説明を省略する。
【0074】
次に、制御部11は、座席表のデータの送信をサーバー装置30に依頼する(ステップS203)。
【0075】
次に、サーバー装置30の制御部31は、記憶部32に記憶された座席表のデータを読み出して、画像形成装置10に送信する(ステップS204)。すなわち、制御部31は、本発明の座席表送信部として機能する。このとき、座席表のデータと併せて、座席表に含まれる全ての人物のユーザー情報(メールアドレス)を送信する。
【0076】
次に、画像形成装置10の制御部11は、ステップS204でサーバー装置30から送信された座席表のデータに基づいて、座席表画面G2(
図7参照)を表示部151に表示させる(ステップS205)。
【0077】
次のステップS206~ステップS212の処理は、
図5のステップS104~ステップS110の処理と同様であるので、説明を省略する。
【0078】
以上のように、変形例14に係る画像形成システム1の情報処理装置(サーバー装置30)は、人物の座席位置と人物のメールアドレスとが関連付けられた座席表を記憶する記憶部32と、記憶部32に記憶された座席表を画像形成装置10に送信する座席表送信部(制御部31)と、を備える。また、画像形成装置10は、原稿の画像を読み取る画像読取部12と、画像読取部12により読み取られた原稿データが添付されたメールを送信するメール送信部18と、座席表送信部により送信された座席表を表示部151に表示させる表示制御部(制御部11)と、表示制御部により表示部151に表示された座席表からユーザーにより選択された座席に該当する人物のメールアドレスを、メール送信部18の送信宛先として設定する宛先設定部(制御部11)と、を備える。
したがって、変形例14に係る画像形成システム1によれば、表示部151に表示された座席表をみて送信宛先を指定することができるので、送信相手のメールアドレスやフルネームを覚える必要がなくなり、簡単かつ正確に宛先を指定することができる。また、座席表を、画像形成装置10とは別のサーバー装置30の記憶部32に記憶させることができるので、記憶部14の記憶容量が少ない画像形成装置10であっても、問題なく座席表を表示させることができる。
【0079】
なお、上記変形例14では、ステップS204において、座席表のデータとともに座席表に含まれる全ての人物のユーザー情報(メールアドレス)を送信するようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、ステップS204においては、座席表のデータのみを送信するようにし、ステップS206で座席が選択された際に、当該選択された座席に該当する人物のユーザー情報(メールアドレス)の送信をサーバー装置30に依頼するようにしてもよい。この場合、サーバー装置30の制御部31は、該当する人物のユーザー情報(メールアドレス)を記憶部32から読み出して画像形成装置10に送信し、画像形成装置10の制御部11は、サーバー装置30から送信されたユーザー情報(メールアドレス)を取得する(ステップS207)。
【0080】
また、上記変形例14では、サーバー装置30の記憶部32に、座席表のデータ及び座席表に含まれる全ての人物のユーザー情報を記憶させる構成を例示して説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、座席表のデータは、画像形成装置10の記憶部14に記憶させ、座席表に含まれる全ての人物のユーザー情報は、サーバー装置30の記憶部32に記憶させる構成であってもよい。また、座席表のデータは、サーバー装置30の記憶部32に記憶させ、座席表に含まれる全ての人物のユーザー情報は、画像形成装置10の記憶部14に記憶させる構成であってもよい。
【0081】
(その他の変形例)
また、上記実施形態では、登録宛先一覧画面G1を表示部151に表示させた後、机アイコンI2が押下された場合に座席表画面G2を表示させるようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、メニュー画面において、座席表画面G2を表示させるためのボタンやアイコンを設けることで、登録宛先一覧画面G1を経由することなく、座席表画面G2を表示させることができるようにしてもよい。
【0082】
その他、画像形成システムを構成する各装置の細部構成及び各装置の細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0083】
1 画像形成システム
10 画像形成装置
11 制御部(表示制御部、宛先設定部)
12 画像読取部
13 画像形成部
131 書込みユニット
132 中間転写ベルト
133 2次転写ローラー
134 定着装置
14 記憶部
141 ジョブ記憶部
142 座席表記憶部
15 操作パネル
151 表示部
152 操作部
16 ユーザー認証部
17 通信部
18 メール送信部
20 端末装置
30 サーバー装置(情報処理装置)
31 制御部(座席表送信部)
32 記憶部
N 通信ネットワーク