(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】乾燥装置、印刷装置
(51)【国際特許分類】
F26B 13/10 20060101AFI20221025BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20221025BHJP
F26B 3/28 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
F26B13/10 A
B41J2/01 125
B41J2/01 305
B41J2/01 301
F26B3/28
(21)【出願番号】P 2018205450
(22)【出願日】2018-10-31
【審査請求日】2021-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】鷲尾 裕一
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-355099(JP,A)
【文献】実開昭53-113449(JP,U)
【文献】特開2016-215428(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B 13/10
B41J 2/01
F26B 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷された媒体を支持する支持部と、
前記支持部に支持される前記媒体を搬送領域に沿って搬送する搬送部と、
前記支持部に支持される前記媒体を幅方向に亘って加熱可能な発熱部と、
前記発熱部を固定して支持する固定支持部と、
前記発熱部の伸縮を許容して該発熱部を支持する許容支持部と、
前記支持部に支持される前記媒体を乾燥させる乾燥室と、
流入口と流出口とを結ぶ送風路を形成する流路部材と、
前記乾燥室と前記送風路との間に設けられる加熱室と、
前記流入口から前記送風路に流入させた空気を前記流出口から前記乾燥室に送る送風部と、
を備え、
前記固定支持部は、前記幅方向において前記搬送領域の外側の領域である第1側方領域に位置し、
前記許容支持部は、前記幅方向において前記搬送領域の外側の領域であって、前記第1側方領域とは異なる第2側方領域に位置
し、
前記加熱室には、吸気口と連通口とが形成され、
前記連通口は、前記送風部と前記流出口との間の前記送風路と前記加熱室とを連通させることを特徴とする乾燥装置。
【請求項2】
前記搬送部は、前記搬送領域のうち前記第2側方領域に前記媒体を寄せて搬送することを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項3】
前記搬送部は、前記搬送領域のうち前記第1側方領域に前記媒体を寄せて搬送することを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項4】
前記幅方向において前記固定支持部と前記許容支持部との間に位置し、前記発熱部の伸縮を許容して該発熱部を支持する中間支持部をさらに備えることを特徴とする請求項1~請求項3のうち何れか一項に記載の乾燥装置。
【請求項5】
前記加熱室には
、排気
口が形成され、
前記排気口は、前記流出口より前記媒体の搬送方向の下流に位置することを特徴とする請求項1~請求項4のうち何れか一項に記載の乾燥装置。
【請求項6】
媒体に印刷する印刷部と、
印刷された前記媒体を支持する支持部と、
前記支持部に支持される前記媒体を搬送領域に沿って搬送する搬送部と、
前記支持部に支持される前記媒体を幅方向に亘って加熱可能な発熱部と、
前記発熱部を固定して支持する固定支持部と、
前記発熱部の伸縮を許容して該発熱部を支持する許容支持部と、
前記支持部に支持される前記媒体を乾燥させる乾燥室と、
流入口と流出口とを結ぶ送風路を形成する流路部材と、
前記乾燥室と前記送風路との間に設けられる加熱室と、
前記流入口から前記送風路に流入させた空気を前記流出口から前記乾燥室に送る送風部と、
を備え、
前記固定支持部は、前記幅方向において前記搬送領域の外側の領域である第1側方領域に位置し、
前記許容支持部は、前記幅方向において前記搬送領域の外側の領域であって、前記第1側方領域とは異なる第2側方領域に位置
し、
前記加熱室には、吸気口と連通口とが形成され、
前記連通口は、前記送風部と前記流出口との間の前記送風路と前記加熱室とを連通させることを特徴とする印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷された媒体を乾燥させる乾燥装置、媒体に印刷する印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1のように、発熱部の一例である赤外線照射部により媒体の一例であるメディアを加熱して乾燥させる乾燥装置の一例である赤外線ヒーターがある。赤外線ヒーターは、幅方向に長い赤外線照射部によりメディアを幅方向に亘って加熱する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
赤外線照射部は、熱により膨張することがある。赤外線照射部は、長さが長いほど膨張量が多くなり、変形しやすくなる。
こうした課題は、赤外線照射部を備える赤外線ヒーターに限らず、発熱部を備える乾燥装置、印刷装置についても生じる虞があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する乾燥装置は、印刷された媒体を支持する支持部と、前記支持部に支持される前記媒体を搬送領域に沿って搬送する搬送部と、前記支持部に支持される前記媒体を幅方向に亘って加熱可能な発熱部と、前記発熱部を固定して支持する固定支持部と、前記発熱部の伸縮を許容して該発熱部を支持する許容支持部と、を備え、前記固定支持部は、前記幅方向において前記搬送領域の外側の領域である第1側方領域に位置し、前記許容支持部は、前記幅方向において前記搬送領域の外側の領域であって、前記第1側方領域とは異なる第2側方領域に位置する。
【0006】
上記課題を解決する印刷装置は、媒体に印刷する印刷部と、印刷された前記媒体を支持する支持部と、前記支持部に支持される前記媒体を搬送領域に沿って搬送する搬送部と、前記支持部に支持される前記媒体を幅方向に亘って加熱可能な発熱部と、前記発熱部を固定して支持する固定支持部と、前記発熱部の伸縮を許容して該発熱部を支持する許容支持部と、を備え、前記固定支持部は、前記幅方向において前記搬送領域の外側の領域である第1側方領域に位置し、前記許容支持部は、前記幅方向において前記搬送領域の外側の領域であって、前記第1側方領域とは異なる第2側方領域に位置する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、乾燥装置及び印刷装置の一実施形態について、図を参照して説明する。印刷装置は、例えば、液体の一例であるインクを噴射することによって用紙などの媒体に文字、写真等の画像を印刷するインクジェット式のプリンターである。
【0009】
図1に示すように、印刷装置11は、媒体12に印刷する印刷部13と、印刷された媒体12を乾燥させる乾燥装置14と、を備える。乾燥装置14は、印刷された媒体12を支持する支持面15aを有する支持部15と、支持部15に支持される媒体12を加熱する発熱装置16と、を備える。
【0010】
乾燥装置14は、支持部15に支持される媒体12を乾燥させる空間である乾燥室19を備える。乾燥室19は、印刷された媒体12が搬入される搬入部20と、乾燥させた媒体12が搬出される搬出部21と、を有する。搬入部20と搬出部21とは、支持部15と発熱装置16とにより形成される開口である。支持部15と発熱装置16とは、互いに離れた状態で搬入部20と搬出部21とを形成してもよい。
【0011】
図面では、印刷装置11が水平面上に置かれているものとして重力の方向をZ軸で示し、Z軸と交差する面に沿う方向をX軸及びY軸で示す。X軸、Y軸、及びZ軸が互いに直交する場合、X軸とY軸は、水平面に沿う。以下の説明では、X軸方向を媒体12の幅方向X、Y軸方向を水平方向Y、Z軸方向を鉛直方向Zともいう。支持面15aに沿う方向のうち媒体12を搬送する方向を搬送方向D1ともいい、支持面15aに垂直な方向を法線方向Hともいう。搬送方向D1及び法線方向Hは、X軸と直交する。
【0012】
印刷装置11は、媒体12を乾燥装置14へ案内する案内部22を備えてもよい。案内部22は、印刷部13により印刷される媒体12や、印刷される前の媒体12を案内する。図面では、媒体12を支持部15及び案内部22から離して図示するが、媒体12は、支持部15及び案内部22に接触し、滑るように支持された状態で搬送される。
【0013】
印刷装置11は、印刷部13を収容する収容体24を備えてもよい。印刷装置11は、媒体12を搬送方向D1に搬送する搬送部25を備える。搬送部25は、媒体12を搬送する搬送ローラー27と、搬送ローラー27よりも搬送方向D1の上流に位置する繰出軸28と、搬送ローラー27よりも搬送方向D1の下流に位置する巻取軸29と、を備えてもよい。搬送部25が搬送ローラー27を備える場合、搬送部25が備える搬送ローラー27は複数であってもよい。繰出軸28と巻取軸29とは、長尺の媒体12を円筒状に巻き重ねたロールを回転可能に支持する。繰出軸28は、巻き重ねられた媒体12を巻き解きながら繰り出す。搬送ローラー27は、繰り出された媒体12を案内部22及び支持部15に沿って搬送する。巻取軸29は、搬送された媒体12を巻き取る。
【0014】
印刷部13は、ノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッド31と、液体噴射ヘッド31を保持するキャリッジ32と、キャリッジ32の移動を案内するガイド軸33と、を備えてもよい。キャリッジ32は、ガイド軸33に沿って幅方向Xに往復移動する。液体噴射ヘッド31は、キャリッジ32と共に移動しながら案内部22に案内される媒体12に向かって液体を噴射する。媒体12に液体が付着して、媒体12が印刷される。
【0015】
乾燥装置14は、搬送方向D1において印刷部13よりも下流に設けられる。支持部15は、媒体12が印刷される印刷位置Pから搬送方向D1の下流に向かって搬送される印刷済みの媒体12を支持する。支持部15は、水平面に対して傾斜する。すなわち、支持部15は、搬送方向D1における上流部分が下流部分よりも上方に位置するように配置される。
【0016】
搬送部25により搬送される媒体12は、乾燥室19を通過する。乾燥室19では、印刷部13によって印刷された媒体12が発熱装置16によって加熱され、乾燥される。巻取軸29は、乾燥装置14を通過して乾燥した媒体12を巻き取る。
【0017】
次に、乾燥装置14について説明する。
図2に示すように、乾燥装置14は、熱を放出する発熱部35を備える。乾燥装置14は発熱部35を、複数備えてもよい。複数の発熱部35は、法線方向Hにおける支持部15との間隔が互いに同じになるように設けられると、媒体12の加熱斑が低減される。発熱部35は、例えば赤外線を照射するヒーターとしてもよいし、電流を流すと発熱する電熱線としてもよい。
【0018】
乾燥装置14は、発熱部35を覆うカバー37と、発熱部35が放出する赤外線を支持面15aに向けて反射させる反射板38と、を備えてもよい。反射板38が赤外線を反射すると、媒体12を効率よく加熱できる。反射板38は、カバー37との間に加熱室39を形成すると共に、支持部15との間に乾燥室19を形成する。
【0019】
カバー37には、支持部15もしくは支持部15に支持される媒体12と対向する開口41が形成されてもよい。乾燥装置14は、開口41を覆う金網42を備えてもよい。金網42が開口41に配置される構成では、金網42越しに発熱部35の熱が支持面15a上の媒体12に伝えられる。
【0020】
乾燥装置14は、流入口44と流出口45とを結ぶ送風路46を形成する流路部材47と、流入口44と流出口45との間の送風路46に設けられる送風部48と、を備える。流路部材47は、カバー37の外側に設けられ、カバー37を囲むように送風路46を形成する。そのため、加熱室39は、乾燥室19と送風路46との間に設けられる。流出口45は、乾燥室19に開口する。すなわち、送風路46は、流入口44と乾燥室19とを結ぶ。送風部48は、流入口44から送風路46に流入した空気を流出口45から乾燥室19に送る。流出口45は、搬送方向D1において発熱部35と搬入部20との間に位置する。流出口45を含む送風路46の下流部分は、支持面15a対して傾斜するように延びる。
【0021】
送風部48は、気流を発生させるファン50を有し、送風路46内の空気を流出口45に向けて流動させる。送風部48は、流入口44から送風路46に流入した空気を乾燥室19に送る。送風部48は、乾燥室19内の空気を搬送方向D1の上流から下流に向かって流動させる。具体的には、送風部48は、発熱部35よりも搬送方向D1の上流の位置から搬送方向D1の下流の媒体12に向かって空気を吹き付ける。乾燥室19内の空気は、発熱部35よりも搬送方向D1の下流に位置する搬出部21から媒体12と共に乾燥装置14の外部に排出される。本実施形態では、乾燥室19内の空気が搬出部21から乾燥装置14の外部に排出されるが、乾燥装置14に別途設けられる排気ダクトを介して、乾燥室19内の空気が乾燥装置14の外部に排出される構成であってもよい。
【0022】
加熱室39には、吸気口52、排気口53、及び連通口54が形成されている。吸気口52と排気口53は、乾燥室19と加熱室39とを連通させ、支持部15もしくは支持部15が支持する媒体12と対向する。連通口54は、送風部48と流出口45との間の送風路46と加熱室39とを連通させる。
【0023】
吸気口52は、流出口45よりも搬送方向D1の下流の位置であって、搬送方向D1において発熱部35と搬出部21との間に位置する。排気口53は、流出口45よりも搬送方向D1の下流の位置であって、搬送方向D1において発熱部35と搬入部20との間に位置する。排気口53は、吸気口52よりも鉛直方向Zの上方に位置する。連通口54は、排気口53よりも鉛直方向Zの上方に位置する。
【0024】
図3には、
図2における3-3線矢視断面を、カバー37、反射板38、流路部材47、及び金網42を省略して図示する。
図3に示すように、乾燥室19は、搬送される媒体12が通過し得る領域である搬送領域Atと、幅方向Xにおいて搬送領域Atの両側に位置する第1側方領域A1及び第2側方領域A2と、を有する。搬送部25は、支持部15に支持される媒体12を搬送領域Atに沿って搬送する。第1側方領域A1と、第1側方領域A1とは異なる第2側方領域A2とは、媒体12が通過しない領域である。
【0025】
搬送領域Atは、幅方向Xにおいて、一方側に位置する第1側方領域A1と、他方側に位置する第2側方領域A2と、に挟まれる。すなわち、搬送領域Atは、幅方向Xの一方側で第1側方領域A1と隣り合い、他方側で第2側方領域A2と隣り合う。幅方向Xと平行な方向のうち、搬送領域Atから第1側方領域A1に向かう方向と、搬送領域Atから第2側方領域A2に向かう方向と、は反対の方向である。搬送領域Atに対して、第1側方領域A1は、第2側方領域A2とは反対側に位置する。
【0026】
幅方向Xにおける大きさである搬送領域Atの幅は、搬送部25が搬送可能な媒体12の最大幅以上である。搬送部25は、搬送領域Atよりも幅の狭い媒体12を搬送してもよい。媒体12の幅が搬送領域Atの幅よりも狭い場合、搬送部25は、搬送領域Atのうち第2側方領域A2に媒体12を寄せて搬送する。
【0027】
幅方向Xにおいて発熱部35は、搬送領域Atよりも大きい。そのため、発熱部35の幅方向Xの端である第1端35aは、幅方向Xにおいて搬送領域Atの外側の領域である第1側方領域A1に位置する。発熱部35において、第1端35aとは反対側の第2端35bは、幅方向Xにおいて搬送領域Atの外側の領域である第2側方領域A2に位置する。発熱部35は、支持部15に支持される媒体12を幅方向Xに亘って加熱可能である。
【0028】
図2,
図3に示すように、乾燥装置14は、発熱部35を固定して支持する固定支持部56と、発熱部35の伸縮を許容して発熱部35を支持する許容支持部57と、を備える。乾燥装置14は、幅方向Xにおいて固定支持部56と許容支持部57との間に位置する中間支持部58を備えてもよい。中間支持部58は、発熱部35の伸縮を許容して発熱部35を支持する。乾燥装置14は中間支持部58を、複数備えてもよい。固定支持部56は、第1側方領域A1に位置する。許容支持部57は、第2側方領域A2に位置する。中間支持部58は、搬送領域Atに位置する。1つの発熱部35を支持する固定支持部56、許容支持部57、及び中間支持部58は、幅方向Xに一列に並ぶ。
【0029】
固定支持部56、許容支持部57、及び中間支持部58は、基端がカバー37に固定され、反射板38に形成された貫通孔60を介して先端が乾燥室19に位置する。固定支持部56、許容支持部57、及び中間支持部58に支持される発熱部35は、乾燥室19に設けられる。
【0030】
発熱部35は、例えば円柱状をなし、発熱部35の長手方向が幅方向Xと一致するように設けられる。許容支持部57と中間支持部58とには、発熱部35が挿通する挿通孔61が形成されている。挿通孔61は、許容支持部57と中間支持部58を幅方向Xに貫通する。挿通孔61の直径は、発熱部35の直径よりも大きい。許容支持部57及び中間支持部58は、発熱部35の幅方向Xへの伸縮を許容し、幅方向Xとは異なる方向への移動を一定の範囲に制限する。具体的には、許容支持部57及び中間支持部58は、鉛直方向Z、法線方向H、水平方向Yへの発熱部35の移動を制限する。
【0031】
固定支持部56、許容支持部57、及び中間支持部58は、搬送方向D1において流出口45と吸気口52との間に位置する。幅方向Xにおいて流出口45と吸気口52の大きさは、搬送領域Atよりも大きくしてもよいし、搬送領域Atと同じ大きさにしてもよい。乾燥装置14は、幅方向Xにおいて搬送領域Atよりも小さな流出口45を複数形成してもよい。排気口53は、搬送方向D1において中間支持部58と流出口45との間に位置する。流出口45、排気口53、及び中間支持部58は、幅方向Xにおいて位置を揃えて形成される。具体的には、流出口45の少なくとも一部、排気口53の少なくとも一部、及び中間支持部58の少なくとも一部は、搬送方向D1に一列に並ぶ。すなわち、流出口45の少なくとも一部、排気口53の少なくとも一部、及び中間支持部58の少なくとも一部は、幅方向Xにおいて同じ領域に位置する。
【0032】
本実施形態の作用について説明する。
図2に示すように、乾燥室19及び加熱室39は、発熱部35により加熱される。送風部48は、流入口44から流入した送風路46内の空気を流出口45に向けて流動させる。送風部48は、流出口45から搬送方向D1の下流の媒体12に向かって空気を吹き付ける。
【0033】
排気口53と連通口54は、吸気口52よりも鉛直方向Zの上方に位置する。そのため、加熱室39内の温められた空気は、排気口53と連通口54とに向かって流動しやすい。連通口54は、送風路46に開口するため、加熱室39内の空気は、送風路46を流動する空気に引かれるように連通口54から送風路46に流出する。連通口54から送風路46に流出した空気は、加熱室39において加熱された空気であるため、流入口44から流入する空気より温度が高い。したがって、流入口44から流入した空気と、流入口44から流入した空気より温度の高い空気と、が混ざった空気は、流入口44から流入した空気よりも温度が高い。
【0034】
排気口53は、流出口45よりも搬送方向D1の下流に位置する。そのため、加熱室39内の空気は、流出口45から搬送方向D1の下流に向かって流動する空気に引かれるように排気口53から乾燥室19に流出する。流出口45から流出した空気は、排気口53から流出した空気が混ざるとさらに高温になる。したがって、流入口44から流入した空気より温度の高い空気を、乾燥室19に位置する媒体12に吹き付けることができる。
【0035】
幅方向Xにおいて、排気口53もしくは連通口54が位置する領域で、媒体12に吹き付けられる空気の温度は、排気口53及び連通口54が無い領域で媒体12に吹き付けられる空気の温度より高くなりやすい。特に搬送方向D1において、排気口53の下流の領域では、発熱部35が放出する熱を中間支持部58が遮るため、幅方向Xにおいて中間支持部58が位置する領域の媒体12が加熱されにくい。すなわち、幅方向Xにおいて温度が上がりにくい領域には、高温の空気が流れるため、媒体12の乾燥斑を低減できる。
【0036】
加熱室39内の空気が連通口54及び排気口53から流出すると、加熱室39には吸気口52から空気が流入する。吸気口52から流入する空気は、乾燥室19において発熱部35により温められた空気である。空気は、加熱室39、送風路46、乾燥室19を循環する。
【0037】
図3に実線で示す常温の発熱部35は、発熱部35の温度が変化すると、固定支持部56に固定された位置を基点として伸縮する。温度変化に伴う発熱部35の伸縮量は、発熱部35の長さに比例する。発熱部35は、鉛直方向Z、搬送方向D1、及び法線方向Hの長さよりも幅方向Xの長さが長い。そのため、発熱部35は、鉛直方向Z、搬送方向D1、及び法線方向Hよりも、幅方向Xに大きく伸縮する。
【0038】
発熱部35を固定して支持する固定支持部56は、発熱部35が伸縮する場合の基点となる。第1側方領域A1に位置する発熱部35の第1端35aから固定支持部56までの幅方向Xの長さは、第2側方領域A2に位置する発熱部35の第2端35bから固定支持部56までの幅方向Xの長さよりも短い。そのため、発熱部35の温度変化に伴う第1端35aの移動量は、第2端35bの移動量よりも少ない。
【0039】
図3に二点鎖線で示すように、発熱部35の温度が上昇すると、発熱部35は、第2端35bが固定支持部56から離れるように幅方向Xに伸長する。
図3に二点鎖線で示す状態から発熱部35の温度が低下すると、発熱部35は、第2端35bが固定支持部56に近づくように幅方向Xに収縮する。
【0040】
本実施形態の効果について説明する。
(1)例えば、発熱部35の複数箇所を固定して支持すると、固定された複数箇所の間で、伸長した発熱部35が湾曲する虞がある。その点、固定支持部56と許容支持部57は、搬送領域Atの両側で発熱部35を支持する。発熱部35は、固定支持部56を基点として伸縮する。許容支持部57は、発熱部35の伸縮を許容しつつ発熱部35を支持する。したがって、発熱部35が変形する虞を低減できる。
【0041】
(2)発熱部35により加熱される媒体12は、幅方向Xにおいて端部分よりも中央部分の温度が上がりやすい。その点、搬送部25は、許容支持部57が位置する第2側方領域A2に媒体12を寄せて搬送する。第1側方領域A1に位置する固定支持部56に固定される発熱部35は、温度が上がって伸長すると、第2側方領域A2に位置する部分が長くなる。したがって、温度が上がりにくい媒体12の端部分を加熱しやすくできる。
【0042】
(3)例えば、幅の広い媒体12を搬送する場合、搬送領域Atの両側に位置する固定支持部56と許容支持部57の間隔も広くなる。固定支持部56と許容支持部57の間隔が広い場合、発熱部35が自重で撓む虞がある。その点、固定支持部56と許容支持部57との間で発熱部35を支持する中間支持部58を備える。中間支持部58は、発熱部35の伸縮を許容して発熱部35を支持するため、発熱部35が撓む虞を低減できる。
【0043】
(4)例えば、送風部48を通過する空気の温度が高い場合には、送風部48を耐熱仕様にする必要がある。その点、加熱室39に形成される排気口53は、流出口45より搬送方向D1の下流に位置する。そのため、送風部48が流出口45から、流出口45より搬送方向D1の下流の媒体12に向けて空気を吹き付けると、排気口53から空気が引き出されて、媒体12に吹き付けられる。したがって、媒体12に温度の高い空気を吹き付ける場合でも、送風部48を通過する空気の温度を低くできる。
【0044】
(5)例えば、送風部48を通過する空気の温度が高い場合には、送風部48を耐熱仕様にする必要がある。その点、連通口54は、送風部48と流出口45との間の送風路46を加熱室39と連通させる。そのため、送風部48が流出口45に向かって空気を送ると、加熱室39内の空気が送風路46に引き出されて流出口45から乾燥室19に送られる。したがって、流出口45から温度の高い空気を送る場合でも、送風部48を通過する空気の温度を低くできる。
【0045】
(6)加熱室39には、吸気口52と、排気口53と、連通口54と、が形成される。そのため、例えば加熱室39に排気口53と連通口54との何れか一方を設ける場合に比べ、流出口45から媒体12に吹き付けられる空気の温度をより高温にできる。
【0046】
(7)発熱部35を支持する中間支持部58は、発熱部35が放出する熱を遮り、媒体12の加熱を妨げてしまう。そのため、中間支持部58と支持部15との間に位置する媒体12は、加熱されにくい。その点、加熱室39に形成される排気口53は、中間支持部58と流出口45との間に位置する。送風部48は、流出口45から中間支持部58と支持部15との間、及び中間支持部58に向かって空気を送る。加熱室39内の空気は、送風部48により流出口45から送られる空気に引かれて排気口53から乾燥室19へ送られる。すなわち、中間支持部58と支持部15との間、及び中間支持部58には、流出口45から流出した空気に、加熱室39において温められた空気が混ざった高温の空気が送られる。中間支持部58と支持部15との間に高温の空気を送ることにより、加熱されにくい位置に位置する媒体12の加熱を補うことができる。中間支持部58の温度は、吹き付けられる空気の温度が高いほど温度が上昇しやすい。中間支持部58から放射される赤外線量は、中間支持部58の温度が高いほど大きい。したがって、中間支持部58に高温の空気を吹き付けることにより、中間支持部58から放出される赤外線量を増やし、媒体12の加熱を補うことができる。したがって、中間支持部58が発熱部35を支持する場合でも、媒体12の温度斑を低減できる。
【0047】
(8)発熱部35が放出する熱を反射させる反射板38を設けると、反射板38自身も加熱されて反射板38の裏の空間が高温になる虞がある。その点、反射板38の裏の空間を加熱室39とし、加熱室39に吸気口52、排気口53、及び連通口54を形成して加熱室39内の空気を流動させる。これにより、反射板38の裏の空間の温度が上がり過ぎる虞を低減できる。
【0048】
(9)例えば幅方向Xに複数の発熱部35を並べると、発熱部35のつなぎ目では温度が上がりにくく、加熱斑が生じる虞がある。その点、発熱部35は、搬送領域Atを幅方向Xに亘って加熱するため、加熱斑が生じる虞を低減できる。
【0049】
(10)例えば、発熱部35において、幅方向Xの複数個所を固定支持部56により固定して支持すると、温度が上昇して膨張した発熱部35は、複数の固定支持部56の間で湾曲するように変形する。発熱部35が大きく変形した場合には、発熱部35が破損する虞があるが、発熱部35が破損しない程度の変形であっても、発熱部35と媒体12の法線方向Hの距離が変化してしまう。具体的には、例えば幅方向Xの両端が固定された発熱部35が膨張し、中央が媒体12に近づくように湾曲した場合、搬送領域Atの中央における発熱部35と媒体12と距離は、搬送領域Atの端における発熱部35と媒体12との距離よりも短くなる。そのため、搬送領域Atにおいて、中央の領域は、端の領域よりも温度が上がりやすくなり、加熱斑が生じる。印刷された媒体12を乾燥させる乾燥装置14では、加熱斑が生じると印刷品質を低下させる虞がある。発熱部35は、幅方向Xにおける長さが長いほど変形量が大きくなるため、特に、幅が大きな大判の媒体12に印刷する印刷装置11では、発熱部35の変形が印刷品質に影響を与えやすい。その点、乾燥装置14は、許容支持部57により発熱部35の伸縮を許容して発熱部35を支持する。したがって、媒体12と発熱部35との距離が変化する虞を低減し、印刷品質が低下する虞を低減できる。
【0050】
(11)発熱部35は、幅方向Xにおいて支持される間隔が広くなるほど、自重で撓みやすくなる。すなわち、固定支持部56と許容支持部57により発熱部35を支持する場合、固定支持部56と許容支持部57の間隔が広くなるほど、発熱部35は撓みやすくなる。許容支持部57に形成される挿通孔61の直径は、発熱部35の直径よりも大きい。許容支持部57は、発熱部35の幅方向Xへの伸縮を許容し、発熱部35の鉛直方向Zへの移動を一定の範囲に制限する。そのため、発熱部35が撓んだ場合、発熱部35と許容支持部57の接触面積が狭くなり、許容支持部57が発熱部35の伸縮を阻害してしまう虞がある。その点、乾燥装置14は、中間支持部58を備え、発熱部35を支持する間隔を狭くして発熱部35の撓みを低減できる。したがって、乾燥装置14は、発熱部35を滑らかに伸縮させることができる。
【0051】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・搬送部25は、搬送領域Atのうち第1側方領域A1に媒体12を寄せて搬送してもよい。発熱部35は、第1側方領域A1に位置する固定支持部56を基点として伸縮する。したがって、発熱部35が伸縮する場合でも、発熱部35において固定支持部56に固定される側の端と、媒体12の端と、の位置関係を維持しやすくできる。
【0052】
・加熱室39には、吸気口52、排気口53、及び連通口54のうち、少なくとも1つを形成しなくてもよい。すなわち、加熱室39には、吸気口52、排気口53、及び連通口54を形成しなくてもよい。
【0053】
・加熱室39には、吸気口52と排気口53とを形成し、連通口54を形成しなくてもよい。乾燥装置14は、加熱室39、排気口53、乾燥室19、及び吸気口52を介して空気を循環させてもよい。
【0054】
・加熱室39には、吸気口52と連通口54とを形成し、排気口53を形成しなくてもよい。乾燥装置14は、加熱室39、連通口54、送風路46、乾燥室19、及び吸気口52を介して空気を循環させてもよい。
【0055】
・加熱室39には、排気口53と連通口54の少なくとも一方を形成し、吸気口52を形成しなくてもよい。吸気口52は、加熱室39と乾燥装置14の外部とを連通するように形成してもよい。
【0056】
・貫通孔60の大きさは、中間支持部58よりも大きくてもよい。すなわち、貫通孔60と中間支持部58との間には、隙間を設けてもよい。中間支持部58は、発熱部35が放出する熱を遮るため、幅方向Xにおいて中間支持部58が位置する領域は、中間支持部58が位置しない領域に比べて温度が上がりにくい。その点、乾燥室19内の空気を貫通孔60を介して加熱室39に流入させると、流出口45から流出する空気を貫通孔60に向けて誘導できる。そのため、中間支持部58が位置して温度が上がりにくい領域の空気を流動させやすくでき、媒体12の乾燥斑を低減できる。
【0057】
・連通口54は、送風部48と対向させてもよい。すなわち、送風部48は、送風路46内の空気を連通口54を介して加熱室39に流入させてもよい。加熱室39内の空気は、例えば貫通孔60を介して乾燥室19に流出させてもよい。貫通孔60は、中間支持部58が位置して温度が上がりにくい領域に位置する。そのため、加熱室39で加熱された空気を貫通孔60から流出させると、媒体12の乾燥斑を低減できる。
【0058】
・乾燥装置14は、反射板38とは別に乾燥室19と加熱室39とを仕切る仕切り壁を備えてもよい。
・反射板38は、カバー37から離して設けてもよい。乾燥装置14は、反射板38を備えない構成としてもよい。すなわち、乾燥装置14は、加熱室39と乾燥室19とを仕切らない構成としてもよい。乾燥装置14は、乾燥室19を備えず、外部に開放された空間で媒体12を加熱してもよい。
【0059】
・流路部材47は、例えば管状のダクトとしてもよい。送風路46は、カバー37から離れた位置に形成してもよい。
・乾燥装置14は、媒体12に印刷する印刷装置とは別体で設けてもよい。
【0060】
・印刷装置11は、媒体12にインクなどの液体を付着させることにより文字や絵、写真などの画像を印刷する装置であって、シリアルプリンター、ラテラル式プリンター、ラインプリンター、ページプリンターなどとしてもよい。また、印刷装置は、オフセット印刷装置、捺染印刷装置などとしてもよい。
【0061】
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
乾燥装置は、印刷された媒体を支持する支持部と、前記支持部に支持される前記媒体を搬送領域に沿って搬送する搬送部と、前記支持部に支持される前記媒体を幅方向に亘って加熱可能な発熱部と、前記発熱部を固定して支持する固定支持部と、前記発熱部の伸縮を許容して該発熱部を支持する許容支持部と、を備え、前記固定支持部は、前記幅方向において前記搬送領域の外側の領域である第1側方領域に位置し、前記許容支持部は、前記幅方向において前記搬送領域の外側の領域であって、前記第1側方領域とは異なる第2側方領域に位置する。
【0062】
例えば、発熱部の複数箇所を固定して支持すると、固定された複数箇所の間で、伸長した発熱部が湾曲する虞がある。その点、この構成によれば、固定支持部と許容支持部は、搬送領域の両側で発熱部を支持する。発熱部は、固定支持部を基点として伸縮する。許容支持部は、発熱部の伸縮を許容しつつ発熱部を支持する。したがって、発熱部が変形する虞を低減できる。
【0063】
乾燥装置において、前記搬送部は、前記搬送領域のうち前記第2側方領域に前記媒体を寄せて搬送してもよい。
発熱部により加熱される媒体は、幅方向において端部分よりも中央部分の温度が上がりやすい。その点、この構成によれば、搬送部は、許容支持部が位置する第2側方領域に媒体を寄せて搬送する。第1側方領域に位置する固定支持部に固定される発熱部は、温度が上がって伸長すると、第2側方領域に位置する部分が長くなる。したがって、温度が上がりにくい媒体の端部分を加熱しやすくできる。
【0064】
乾燥装置において、前記搬送部は、前記搬送領域のうち前記第1側方領域に前記媒体を寄せて搬送してもよい。
この構成によれば、搬送部は、固定支持部が位置する第1側方領域に媒体を寄せて搬送する。発熱部は、第1側方領域に位置する固定支持部を基点として伸縮する。したがって、発熱部が伸縮する場合でも、発熱部において固定支持部に固定される側の端と、媒体の端と、の位置関係を維持しやすくできる。
【0065】
乾燥装置は、前記幅方向において前記固定支持部と前記許容支持部との間に位置し、前記発熱部の伸縮を許容して該発熱部を支持する中間支持部をさらに備えてもよい。
例えば、幅の広い媒体を搬送する場合、搬送領域の両側に位置する固定支持部と許容支持部の間隔も広くなる。固定支持部と許容支持部の間隔が広い場合、発熱部が自重で撓む虞がある。その点、この構成によれば、固定支持部と許容支持部との間で発熱部を支持する中間支持部を備える。中間支持部は、発熱部の伸縮を許容して発熱部を支持するため、発熱部が撓む虞を低減できる。
【0066】
乾燥装置は、前記支持部に支持される前記媒体を乾燥させる乾燥室と、流入口と流出口とを結ぶ送風路を形成する流路部材と、前記乾燥室と前記送風路との間に設けられる加熱室と、前記流入口から前記送風路に流入させた空気を前記流出口から前記乾燥室に送る送風部と、を備え、前記加熱室には、吸気口と排気口とが形成され、前記排気口は、前記流出口より前記媒体の搬送方向の下流に位置してもよい。
【0067】
例えば、送風部を通過する空気の温度が高い場合には、送風部を耐熱仕様にする必要がある。その点、加熱室に形成される排気口は、流出口より搬送方向の下流に位置する。そのため、送風部が流出口から、流出口より搬送方向の下流の媒体に向けて空気を吹き付けると、排気口から空気が引き出されて、媒体に吹き付けられる。したがって、媒体に温度の高い空気を吹き付ける場合でも、送風部を通過する空気の温度を低くできる。
【0068】
乾燥装置は、前記支持部に支持される前記媒体を乾燥させる乾燥室と、流入口と流出口とを結ぶ送風路を形成する流路部材と、前記乾燥室と前記送風路との間に設けられる加熱室と、前記流入口から前記送風路に流入させた空気を前記流出口から前記乾燥室に送る送風部と、を備え、前記加熱室には、吸気口と連通口とが形成され、前記連通口は、前記送風部と前記流出口との間の前記送風路と前記加熱室とを連通させてもよい。
【0069】
例えば、送風部を通過する空気の温度が高い場合には、送風部を耐熱仕様にする必要がある。その点、この構成によれば、連通口は、送風部と流出口との間の送風路を加熱室と連通させる。そのため、送風部が流出口に向かって空気を送ると、加熱室内の空気が送風路に引き出されて流出口から乾燥室に送られる。したがって、流出口から温度の高い空気を送る場合でも、送風部を通過する空気の温度を低くできる。
【0070】
乾燥装置において、前記加熱室には、連通口が形成され、前記連通口は、前記送風部と前記流出口との間の前記送風路と前記加熱室とを連通させてもよい。
この構成によれば、加熱室には、吸気口と、排気口と、連通口と、が形成される。そのため、例えば加熱室に排気口と連通口との何れか一方を設ける場合に比べ、流出口から媒体に吹き付けられる空気の温度をより高温にできる。
【0071】
印刷装置は、媒体に印刷する印刷部と、印刷された前記媒体を支持する支持部と、前記支持部に支持される前記媒体を搬送領域に沿って搬送する搬送部と、前記支持部に支持される前記媒体を幅方向に亘って加熱可能な発熱部と、前記発熱部を固定して支持する固定支持部と、前記発熱部の伸縮を許容して該発熱部を支持する許容支持部と、を備え、前記固定支持部は、前記幅方向において前記搬送領域の外側の領域である第1側方領域に位置し、前記許容支持部は、前記幅方向において前記搬送領域の外側の領域であって、前記第1側方領域とは異なる第2側方領域に位置する。
【0072】
この構成によれば、上記乾燥装置と同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0073】
11…印刷装置、12…媒体、13…印刷部、14…乾燥装置、15…支持部、15a…支持面、16…発熱装置、19…乾燥室、20…搬入部、21…搬出部、22…案内部、24…収容体、25…搬送部、27…搬送ローラー、28…繰出軸、29…巻取軸、31…液体噴射ヘッド、32…キャリッジ、33…ガイド軸、35…発熱部、35a…第1端、35b…第2端、37…カバー、38…反射板、39…加熱室、41…開口、42…金網、44…流入口、45…流出口、46…送風路、47…流路部材、48…送風部、50…ファン、52…吸気口、53…排気口、54…連通口、56…固定支持部、57…許容支持部、58…中間支持部、60…貫通孔、61…挿通孔、A1…第1側方領域、A2…第2側方領域、At…搬送領域、P…印刷位置、X…幅方向、Y…水平方向、D1…搬送方向、H…法線方向、Z…鉛直方向。