(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】表示入力装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04817 20220101AFI20221025BHJP
G06F 3/0485 20220101ALI20221025BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20221025BHJP
【FI】
G06F3/04817
G06F3/0485
G06F3/0488
(21)【出願番号】P 2018234611
(22)【出願日】2018-12-14
【審査請求日】2021-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】滝 浩介
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-528619(JP,A)
【文献】特表2014-505932(JP,A)
【文献】特開2013-228831(JP,A)
【文献】特開2015-181071(JP,A)
【文献】特開2013-069190(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0080951(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048-3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアイコンが配置されたページを表示し、いずれかの前記アイコンの表示領域に接触体を接触させる操作を受け付けるタッチスクリーンと、
前記タッチスクリーンを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記ページのいずれかの辺から所定幅の領域を対象領域に設定し、前記アイコンを操作している前記接触体の前記タッチスクリーンに対する接触位置が前記対象領域に入っている状態または前記接触体が操作している前記アイコンの少なくとも一部が前記対象領域に入っている状態で予め定められたページ遷移条件が満たされると、別ページを表示して操作されている前記アイコンを前記別ページに移動する処理を前記タッチスクリーンに行わせ、
前記制御部は、複数の前記アイコンのうち、前記対象領域に入っていない前記アイコンを第1グループに分類するとともに、前記対象領域に少なくとも一部が入っている前記アイコンを第2グループに分類し、前記第1グループの前記アイコンが操作されている場合と前記第2グループの前記アイコンが操作されている場合とで前記ページ遷移条件を変えることを特徴とする表示入力装置。
【請求項2】
前記第1グループの前記アイコンが操作されている場合、前記制御部は、前記第1グループの前記アイコンを操作している前記接触体の前記タッチスクリーンに対する接触位置が前記対象領域に入っている状態または前記接触体が操作している前記第1グループの前記アイコンの少なくとも一部が前記対象領域に入っている状態で予め定められた第1時間が経過したとき、前記ページ遷移条件が満たされたと判断し、
前記第2グループの前記アイコンが操作されている場合、前記制御部は、前記第2グループの前記アイコンを操作している前記接触体の前記タッチスクリーンに対する接触位置が前記対象領域に入っている状態または前記接触体が操作している前記第2グループの前記アイコンの少なくとも一部が前記対象領域に入っている状態で前記第1時間よりも長い予め定められた第2時間が経過したとき、前記ページ遷移条件が満たされたと判断することを特徴とする請求項1に記載の表示入力装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2グループの前記アイコンを前記対象領域の領域外に移動させてから前記対象領域に移動させる操作が行われた場合、前記第2グループの前記アイコンを操作している前記接触体の前記タッチスクリーンに対する接触位置が前記対象領域に入っている状態または前記接触体が操作している前記第2グループの前記アイコンの少なくとも一部が前記対象領域に入っている状態で前記第1時間が経過したとき、前記ページ遷移条件が満たされたと判断することを特徴とする請求項2に記載の表示入力装置。
【請求項4】
前記別ページの前記ページに対する位置を示す位置関係情報を記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記ページの4辺のうち前記位置関係情報で示される位置に対応する辺から前記所定幅の領域を前記対象領域に設定することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の表示入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチスクリーンを備える表示入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タッチスクリーンを備える表示入力装置が知られている。このような表示入力装置は、特許文献1に開示されている。特許文献1の表示入力装置は、画像形成装置の操作パネルである。
【0003】
特許文献1の表示入力装置は、アイコンが配置されたページをタッチスクリーンに表示する。そして、アイコンに対してタップ操作が行われると、操作されたアイコンに対応付けられた処理を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、アイコンが配置されたページの表示中、タッチスクリーンに対して所定のタッチ操作を行うことにより、表示中のページに配置されたアイコンを別ページに移動させることができる(アイコンを別ページに配置することができる)。具体的には、アイコンに対してドラッグ操作を行い、操作しているアイコンをページの端部まで移動させると、タッチスクリーンに別ページが表示される(ページが遷移する)。別ページの表示後、アイコンに対するドラッグ操作を解除すると、操作していたアイコンが別ページに配置された状態となる。
【0006】
ここで、ページ内でのアイコンの配置位置は様々である。たとえば、ページの端部にアイコンが配置される。このようなページの表示中、ユーザーがページの端部に配置されたアイコンを操作したとき、ユーザーの意図に反してページが遷移してしまう場合がある。この場合、ページを戻す操作を行わなければならない。したがって、ユーザーにとっては操作性が悪い。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、表示中のページの端部に配置されたアイコンに対する操作性を向上させることが可能な表示入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の表示入力装置は、複数のアイコンが配置されたページを表示し、いずれかのアイコンの表示領域に接触体を接触させる操作を受け付けるタッチスクリーンと、タッチスクリーンを制御する制御部と、を備える。制御部は、ページのいずれかの辺から所定幅の領域を対象領域に設定し、アイコンを操作している接触体のタッチスクリーンに対する接触位置が対象領域に入っている状態または接触体が操作しているアイコンの少なくとも一部が対象領域に入っている状態で予め定められたページ遷移条件が満たされると、別ページを表示して操作されているアイコンを別ページに移動する処理をタッチスクリーンに行わせる。制御部は、複数のアイコンのうち、対象領域に入っていないアイコンを第1グループに分類するとともに、対象領域に少なくとも一部が入っているアイコンを第2グループに分類し、第1グループのアイコンが操作されている場合と第2グループのアイコンが操作されている場合とでページ遷移条件を変える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の構成では、表示中のページの端部に配置されたアイコンに対する操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態による表示入力装置の構成を示す図
【
図2】本発明の一実施形態による表示入力装置に表示されるホーム画面を示す図
【
図3】本発明の一実施形態による表示入力装置が行う分類処理の流れを示すフローチャート
【
図4】本発明の一実施形態による表示入力装置が行う分類処理について説明するための図
【
図5】本発明の一実施形態による表示入力装置が行う条件判断所処理(第1処理)の流れを示すフローチャート
【
図6】本発明の一実施形態による表示入力装置が行う条件判断所処理(第1処理)について説明するための図
【
図7】本発明の一実施形態による表示入力装置が行う条件判断所処理(第2処理)の流れを示すフローチャート
【
図8】本発明の一実施形態による表示入力装置が行う条件判断所処理(第2処理)について説明するための図
【
図9】本発明の一実施形態による表示入力装置が表示しているアイコンの移動軌跡を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施形態による表示入力装置について説明する。たとえば、スマートフォンおよびタブレットコンピューターなどの携帯端末に本発明が適用される。また、画像形成装置の操作パネルに本発明を適用することもできる。
【0012】
<表示入力装置の構成>
図1に示すように、本実施形態の表示入力装置100は、制御部1を備える。制御部1は、CPUのような処理回路を含む。制御部1は、制御用プログラムおよび制御用データに基づき、表示入力装置100の各部を制御する。
【0013】
また、表示入力装置100は、記憶部2を備える。記憶部2は、不揮発性メモリー(ROM)および揮発性メモリー(RAM)を含む。記憶部2は、制御部1に接続される。制御用プログラムおよび制御用データは記憶部2に記憶される。
【0014】
なお、表示入力装置100には、アプリケーションAP(以下、アプリAPと称する)がインストールされる。表示入力装置100にインストールされたアプリAPは記憶部2に記憶される。
【0015】
また、表示入力装置100は、タッチスクリーン3を備える。タッチスクリーン3は、液晶表示パネルおよびタッチパネルを含む。タッチスクリーン3は、画面を表示し、表示画面に対する操作をユーザーから受け付ける。ユーザーの指およびタッチペンなどの接触体をタッチスクリーン3に接触させるタッチ操作が表示画面に対する操作として受け付けられる。タッチ操作には、タップ操作(タッチパネル3を接触体で叩くような操作)やフリック操作(タッチパネル3を接触体で払うような操作)がある。
【0016】
タッチスクリーン3は、制御部1に接続される。制御部1は、タッチスクリーン3の表示動作を制御する。また、制御部1は、タッチスクリーン3の表示画面に対するタッチ操作を検知する。
【0017】
ここで、制御部1は、アプリAPを起動するためのアイコンC(
図2参照)をタッチスクリーン3に表示させる。制御部1は、たとえば、アイコンCの表示領域に対するタップ操作を検知すると、アプリAPを起動する起動操作を受け付けたと判断し、タップ操作を受けたアイコンCに対応するアプリAPを起動する。
【0018】
また、表示入力装置100は、通信部4を備える。通信部4は、表示入力装置100をインターネットなどのネットワークに接続するための通信インターフェースであり、通信用回路および通信用メモリーなどを含む。通信部4は、制御部1に接続される。制御部1は、通信部4を用いて、ネットワークに接続された外部機器と通信する。
【0019】
<アイコンが配置されたページ>
制御部1は、表示入力装置100が起動すると、
図2に示すようなホーム画面10をタッチスクリーン3に表示させる。ホーム画面10は、アプリAPに対応するアイコンCが配置されたページPの画面である。すなわち、ホーム画面10は、アプリAPの起動操作をユーザーから受け付けるための画面である。
【0020】
複数のアプリAPがインストールされている場合には、複数のアプリAPにそれぞれ対応する複数のアイコンCが表示される。なお、予め上限数が定められており、上限数を超えるアイコンCを単一のページPに配置することはできない。以下の説明では、上限数が16個(上下方向および左右方向の各上限数が4個)であるとする。
図2では、16個のアイコンCが配置されたページPを図示する。
【0021】
ここで、ホーム画面10のページPは追加可能である。すなわち、ホーム画面10のページPが複数存在する状態になり得る。なお、ホーム画面10のページPの追加はユーザーが任意に行うことができる。
【0022】
制御部1は、アプリAPの起動操作を受け付けるとき、ホーム画面10のページPが複数存在しても、或るページPだけをタッチスクリーン3に表示させ、他のページPはタッチスクリーン3に表示させない。制御部1は、ホーム画面10の表示中、ページ切替操作を受け付けたと判断したとき、ホーム画面10のページPの切り替えをタッチスクリーン3に行わせる。たとえば、制御部1は、ホーム画面10に対するフリック操作を検知すると、ページ切替操作を受け付けたと判断する。
【0023】
<別ページへのアイコンの移動>
制御部1は、ホーム画面10の表示中、予め定められたページ遷移条件が満たされたか否か(表示中のいずれかのアイコンCに対してページ遷移条件を満たす操作が行われているか否か)を判断する条件判断処理を行う。言い換えると、表示中のいずれかのアイコンCが操作されているとき、制御部1による条件判断処理が行われる。ページ遷移条件が満たされたと判断したとき、制御部1は、タッチスクリーン3にアイコン移動処理を行わせる。タッチスクリーン3は、アイコン移動処理として、表示中のページPに代えて別ページPを表示し、操作されているアイコンPを別ページPに移動(配置)する処理を行う。
【0024】
ここで、制御部1は、条件判断処理に先立って、表示中のページPに配置された複数のアイコンCのページP内での各配置位置に基づき、複数のアイコンCを第1グループと第2グループとに分類する分類処理を行う。そして、制御部1は、第1グループのアイコンCが操作されている場合と第2グループのアイコンCが操作されている場合とでページ遷移条件を変える。以下に具体的に説明する。
【0025】
まず、
図3に示すフローチャートを参照し、制御部1が行う分類処理の流れについて説明する。
図3に示すフローチャートは、ホーム画面10の複数のページPのいずれかがタッチスクリーン3に表示されたときにスタートする。
【0026】
ステップS1において、制御部1は、表示中のページP(以下、符号P1を付す)から遷移可能な別ページP(以下、符号P2を付す)のページP1に対する位置を示す位置関係情報を抽出し、当該抽出した位置関係情報で示される位置を認識する。位置関係情報は記憶部2に記憶される。
【0027】
たとえば、表示中のページP1の前に別ページP2が追加されている場合には、ページP1に対応する位置関係情報には別ページP2の位置が左である旨の情報が含められる。表示中のページP1の後に別ページP2が追加されている場合には、ページP1に対応する位置関係情報には別ページP2の位置が右である旨の情報が含められる。
【0028】
表示中のページP1の前後に別ページP2が追加されている場合には、ページP1に対応する位置関係情報には、別ページP2の位置が左である旨の情報および別ページP2の位置が右である旨の情報が含められる。なお、表示中のページP1の上に別ページP2が追加されている場合もあるし、表示中のページP1の下に別ページP2が追加されている場合もある。
【0029】
ステップS2において、制御部1は、表示中のページP1の4辺(上辺、下辺、左辺および右辺)のうち位置関係情報で示される位置に対応する辺を対象辺として認識する。そして、制御部1は、対象辺から所定幅Wの領域を対象領域TA(
図4参照)に設定する。なお、所定幅Wは予め定められる。所定幅Wを示す情報は記憶部2に記憶される。たとえば、所定幅Wは数mm~十数mmに設定される。所定幅Wはユーザーが任意に変更することができる。
【0030】
たとえば、表示中のページP1の前後に別ページP2が追加されているとする。この場合には、
図4に示すように、ページP1の左辺から所定幅Wの領域(一点鎖線で囲まれた領域)およびページP1の右辺から所定幅Wの領域(一点鎖線で囲まれた領域)がそれぞれ対象領域TAに設定される。なお、
図4では、便宜上、16個のアイコンCにそれぞれ符号C1~C16を付す(以下の説明で参照する図面についても同様である)。
【0031】
図3に戻り、ステップS3において、制御部1は、表示中のページP1に配置された複数のアイコンCをグループ分けする。制御部1は、複数のアイコンCのうち対象領域TAに入っていないアイコンCを第1グループに分類する。また、制御部1は、複数のアイコンCのうち対象領域TAに少なくとも一部が入っているアイコンCを第2グループに分類する。
【0032】
図4に示す例では、アイコンC2、C3、C6、C7、C10、C11、C14およびC15が第1グループに分類される。また、アイコンC1、C4、C5、C8、C9、C12、C13およびC16が第2グループに分類される。
【0033】
次に、制御部1が行う条件判断処理について説明する。
【0034】
制御部1は、表示中のいずれかのアイコンCが操作されているときに条件判断処理を行う。ただし、表示中のアイコンCに対する操作がタップ操作やフリック操作である場合には、制御部1は条件判断処理を行わない。言い換えると、表示中のアイコンCに対する操作がドラッグ操作や長押し操作である場合に、制御部1は条件判断処理を行う。ドラッグ操作は、アイコンCの表示領域に接触体を接触させた後、タッチスクリーン3から接触体を離すことなく接触体を移動させる操作である。長押し操作は、アイコンCの表示領域に接触体を接触させた後、所定時間が経過するまでタッチスクリーン3に接触体を接触させ続ける操作である。
【0035】
ここで、条件判断処理には、第1処理と第2処理とがある。制御部1は、操作されているアイコンCが第1グループである場合には第1処理を行う。一方で、制御部1は、操作されているアイコンCが第2グループである場合には第2処理を行う。
【0036】
第1処理を行う場合、制御部1は、第1グループのアイコンCを操作している接触体のタッチスクリーン3に対する接触位置に基づき、ページ遷移条件が満たされたか否かを判断する。なお、接触体が操作している第1グループのアイコンCの位置(ドラッグ操作による移動後の位置)に基づきページ遷移条件が満たされたか否かを制御部1が判断してもよい。
【0037】
以下に、
図5に示すフローチャートを参照し、第1処理について具体的に説明する。
図5に示すフローチャートは、条件判断処理の開始条件が満たされたと制御部1が判断したときにスタートする。制御部1は、第1グループのアイコンCを操作している接触体のタッチスクリーン3に対する接触位置が対象領域TAに入ったとき、条件判断処理の開始条件が満たされたと判断する。
【0038】
ここで、
図6上図に示すように、第1グループのアイコンC(アイコンC2、C3、C6、C7、C10、C11、C14およびC15)は、対象領域TAに入っていない。このため、第1グループのアイコンCに対してドラッグ操作が行われ、第1グループのアイコンCを操作している接触体のタッチスクリーン3に対する接触位置が対象領域TAに入ると、条件判断処理の開始条件が満たされたと制御部1が判断する。
図6では、アイコンC3に対してドラッグ操作が行われている状態を図示する。また、
図6では、接触体を指マークで示し、アイコンC3の移動軌跡を白抜き矢印で示す。
【0039】
ステップS11において、制御部1は、第1グループのアイコンCを操作している接触体のタッチスクリーン3に対する接触位置が対象領域TAに入った状態で予め定められた第1時間が経過したか否かを判断する。接触体が操作している第1グループのアイコンCの位置に基づきページ遷移条件が満たされたか否かを制御部1が判断する構成では、制御部1は、操作されている第1グループのアイコンCの少なくとも一部が対象領域TAに入った状態で第1時間が経過したか否かを判断する。
【0040】
ステップS11において、第1時間が経過していないと制御部1が判断した場合には、ステップS12に移行する。ステップS12に移行すると、制御部1は、キャンセル条件が満たされたか否かを判断する。その結果、キャンセル条件が満たされたと制御部1が判断した場合には、本フローは終了する。一方で、キャンセル条件が満たされていないと制御部1が判断した場合には、ステップS11に移行する。
【0041】
制御部1は、第1時間が経過する前に接触体がタッチスクリーン3から離されたとき、キャンセル条件が満たされたと判断する。
【0042】
また、制御部1は、第1時間が経過する前に、接触体のタッチスクリーン3に対する接触位置が対象領域TAから外れたとき、キャンセル条件が満たされたと判断する。接触体が操作している第1グループのアイコンCの位置に基づきページ遷移条件が満たされたか否かを制御部1が判断する構成では、制御部1は、第1時間が経過する前に、操作されている第1グループのアイコンCが対象領域TAから外れたとき、キャンセル条件が満たされたと判断する。
【0043】
ステップS11において、第1時間が経過したと制御部1が判断した場合には、ステップS13に移行する。ステップS13に移行すると、制御部1は、ページ遷移条件が満たされたと判断する。その後、ステップS14において、制御部1は、タッチスクリーン3にアイコン移動処理を行わせる。
【0044】
たとえば、
図6上図に示した状態(ページP1が表示されている状態)で、ページ遷移条件が満たされたとする。この場合には、ページP1から別ページP2への表示遷移が行われる。そして、
図6下図に示すように、アイコンC3が別ページP2に移動する。ページP1から別ページP2への遷移後、タッチスクリーン3から接触体を離すことにより、別ページP2にアイコンC3が配置された状態にすることができる。
【0045】
第2処理を行う場合、制御部1は、第2グループのアイコンCを操作している接触体のタッチスクリーン3に対する接触位置に基づき、ページ遷移条件が満たされたか否かを判断する。なお、接触体が操作している第2グループのアイコンCの位置に基づきページ遷移条件が満たされたか否かを制御部1が判断してもよい。
【0046】
以下に、
図7に示すフローチャートを参照し、第2処理について具体的に説明する。
図7に示すフローチャートは、条件判断処理の開始条件が満たされたと制御部1が判断したときにスタートする。制御部1は、第2グループのアイコンCを操作している接触体のタッチスクリーン3に対する接触位置が対象領域TAに入ったとき、条件判断処理の開始条件が満たされたと判断する。
【0047】
ここで、
図8上図に示すように、第2グループのアイコンC(アイコンC1、C4、C5、C8、C9、C12、C13およびC16)は、それぞれ、対象領域TAに入っている第1部分と対象領域TAに入っていない第2部分とを有する。このため、第2グループのアイコンCの第1部分に対して長押し操作が行われると、条件判断処理の開始条件が満たされたと制御部1が判断する。また、第2グループのアイコンCの第2部分への接触体の接触後、ドラッグ操作が行われることによって接触体のタッチスクリーン3に対する接触位置が対象領域TAに入ると、条件判断処理の開始条件が満たされたと制御部1が判断する。
図8では、アイコンC4に対してドラッグ操作が行われている状態を図示する。また、
図8では、接触体を指マークで示し、アイコンC4の移動軌跡を白抜き矢印で示す。
【0048】
ステップS21において、制御部1は、第2グループのアイコンCを操作している接触体のタッチスクリーン3に対する接触位置が対象領域TAに入った状態で第1時間よりも長い予め定められた第2時間が経過したか否かを判断する。接触体が操作している第2グループのアイコンCの位置に基づきページ遷移条件が満たされたか否かを制御部1が判断する構成では、制御部1は、操作されている第2グループのアイコンCの少なくとも一部が対象領域TAに入った状態で第2時間が経過したか否かを判断する。
【0049】
ステップS21において、第2時間が経過していないと制御部1が判断した場合には、ステップS22に移行する。ステップS22に移行すると、制御部1は、キャンセル条件が満たされたか否かを判断する。その結果、キャンセル条件が満たされたと制御部1が判断した場合には、本フローは終了する。一方で、キャンセル条件が満たされていないと制御部1が判断した場合には、ステップS21に移行する。
【0050】
制御部1は、第2時間が経過する前に接触体がタッチスクリーン3から離されたとき、キャンセル条件が満たされたと判断する。
【0051】
また、制御部1は、第2時間が経過する前に、接触体のタッチスクリーン3に対する接触位置が対象領域TAから外れたとき、キャンセル条件が満たされたと判断する。接触体が操作している第2グループのアイコンCの位置に基づきページ遷移条件が満たされたか否かを制御部1が判断する構成では、制御部1は、第2時間が経過する前に、操作されている第2グループのアイコンCが対象領域TAから外れたとき、キャンセル条件が満たされたと判断する。
【0052】
ステップS21において、第2時間が経過したと制御部1が判断した場合には、ステップS23に移行する。ステップS23に移行すると、制御部1は、ページ遷移条件が満たされたと判断する。その後、ステップS24において、制御部1は、タッチスクリーン3にアイコン移動処理を行わせる。
【0053】
たとえば、
図8上図に示した状態(ページP1が表示されている状態)で、ページ遷移条件が満たされたとする。この場合には、ページP1から別ページP2への表示遷移が行われる。そして、
図8下図に示すように、アイコンC4が別ページP2に移動する。ページP1から別ページP2への遷移後、タッチスクリーン3から接触体を離すことにより、別ページP2にアイコンC4が配置された状態にすることができる。
【0054】
ここで、
図9に示すように、第2グループのアイコンCを対象領域TAの領域外に移動させ(上図参照)、その後、対象領域TAに移動させる(下図参照)、という操作が行われる場合がある。この場合にも、制御部1は、条件判断処理の開始条件が満たされたと判断する。ただし、この場合には、制御部1は、条件判断処理として、第2処理ではなく第1処理を行う。
【0055】
すなわち、
図9に示す操作が第2グループのアイコンCに対して行われている場合、制御部1は、第2グループのアイコンCを操作している接触体のタッチスクリーン3に対する接触位置が対象領域TAに入った状態で第1時間が経過したとき、ページ遷移条件が満たされたと判断する。接触体が操作している第2グループのアイコンCの位置に基づきページ遷移条件が満たされたか否かを制御部1が判断する構成では、制御部1は、操作されている第2グループのアイコンCの少なくとも一部が対象領域TAに入った状態で第1時間が経過したとき、ページ遷移条件が満たされたと判断する。
【0056】
本実施形態の表示入力装置100は、上記のように、複数のアイコンCが配置されたページP(P1)を表示し、表示中のいずれかのアイコンCの表示領域に接触体を接触させる操作を受け付けるタッチスクリーン3と、タッチスクリーン3を制御する制御部1と、を備える。制御部1は、表示中のページPのいずれかの辺から所定幅Wの領域を対象領域TAに設定し、アイコンCを操作している接触体のタッチスクリーン3に対する接触位置が対象領域TAに入っている状態または接触体が操作しているアイコンCの少なくとも一部が対象領域TAに入っている状態で予め定められたページ遷移条件が満たされると、タッチスクリーン3にアイコン移動処理を行わせる。タッチスクリーン3は、アイコン移動処理として、別ページP(P2)を表示し、操作されているアイコンCを別ページPに移動する処理を行う。
【0057】
また、制御部1は、表示中の複数のアイコンCのうち、対象領域TAに入っていないアイコンCを第1グループに分類し、対象領域TAに少なくとも一部が入っているアイコンCを第2グループに分類する。そして、制御部1は、第1グループのアイコンCが操作されている場合と第2グループのアイコンCが操作されている場合とでページ遷移条件を変える。
【0058】
本実施形態の構成では、表示中のページPに配置された複数のアイコンCのうち、ページPの中央部に配置されたアイコンCが第1グループに分類され、ページPの端部に配置されたアイコンCが第2グループに分類される。これにより、ページPの中央部に配置されたアイコンCが操作されている場合とページPの端部に配置されたアイコンCが操作されている場合とでページ遷移条件を変えることができる。すなわち、ページPの端部に配置されたアイコンCが操作されているときにページPが遷移され難くすることができる。これにより、ページPの端部に配置されたアイコンCに対する操作性を向上させることができる。たとえば、ページPの端部に配置されたアイコンCに対応するアプリAPの起動を意図していたにもかかわらずページPが遷移する、といった不都合が発生するのを抑制することができる。
【0059】
また、本実施形態では、上記のように、第1グループのアイコンCが操作されている場合、制御部1は、第1グループのアイコンCを操作している接触体のタッチスクリーン3に対する接触位置が対象領域TAに入っている状態または接触体が操作している第1グループのアイコンの少なくとも一部が対象領域TAに入っている状態で予め定められた第1時間(第2時間よりも短い時間)が経過したとき、ページ遷移条件が満たされたと判断する。この構成では、ページPの中央部に配置されたアイコンCの別ページPへの移動(ページPの遷移)を意図して当該アイコンCをページPの端部に移動させる操作を行った場合に、ページPが遷移されるまでに時間がかかる(ユーザーの待ち時間が長くなる)という不都合が発生するのを抑制することができる。
【0060】
また、本実施形態では、上記のように、第2グループのアイコンCが操作されている場合、制御部1は、第2グループのアイコンCを操作している接触体のタッチスクリーン3に対する接触位置が対象領域TAに入っている状態または接触体が操作している第2グループのアイコンCの少なくとも一部が対象領域TAに入っている状態で第1時間よりも長い予め定められた第2時間が経過したとき、ページ遷移条件が満たされたと判断する。この構成では、第2時間が経過するまで接触体をタッチスクリーン3に接触させ続けなければ、ページPは遷移しない。これにより、意図していないにもかかわらずページPが遷移するという不都合が発生するのを確実に抑制することができる。
【0061】
また、本実施形態では、上記のように、制御部1は、第2グループのアイコンCを対象領域TAの領域外に移動させてから対象領域TAに移動させる操作が行われた場合、第2グループのアイコンCを操作している接触体のタッチスクリーン3に対する接触位置が対象領域TAに入っている状態または接触体が操作している第2グループのアイコンCの少なくとも一部が対象領域TAに入っている状態で第1時間が経過したとき、ページ遷移条件が満たされたと判断する。この構成では、ページPの端部に配置されたアイコンCを別ページPに移動したい場合(ページPを遷移したい場合)、当該アイコンCを対象領域TAの領域外に移動させてから対象領域TAに移動させることにより、速やかにページPを遷移させることができる。
【0062】
ここで、
図6に示した例において、ページP1の後にだけ別ページP2が追加されているとする。この場合、ページP1の右端部でアイコンCを操作すると別ページP2に遷移するが、ページP1の左端部でアイコンCを操作しても別ページP2には遷移しない。このため、ページP1の左端部のアイコンC(アイコンC1、C5、C9およびC13)を第2グループに分類する必要はない。
【0063】
そこで、制御部1は、表示中のページPの4辺のうち位置関係情報で示される位置に対応する辺(対象辺)から所定幅Wの領域を対象領域TAに設定する。これにより、上記例では、ページP1の右端部にだけ対象領域TAが設定される。その結果、ページP1の左端部のアイコンC(アイコンC1、C5、C9およびC13)は第1グループに分類される。
【0064】
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0065】
1 制御部
2 記憶部
3 タッチスクリーン
100 表示入力装置
C アイコン
P ページ
TA 対象領域