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特許7163765補助電源装置及び電動パワーステアリング装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】補助電源装置及び電動パワーステアリング装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20221025BHJP
   B62D 6/00 20060101ALI20221025BHJP
   B62D 5/04 20060101ALI20221025BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
H02M3/155 H
B62D6/00
B62D5/04
H02J7/00 302A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018246005
(22)【出願日】2018-12-27
(65)【公開番号】P2020108286
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】杉山 豊樹
(72)【発明者】
【氏名】篠田 智史
【審査官】栗栖 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-097743(JP,A)
【文献】特開2006-282121(JP,A)
【文献】特開2010-000903(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/155
B62D 6/00
B62D 5/04
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主電源から給電対象への給電経路に設置される補助電源装置であって、補助電源を有するとともに、前記補助電源を充電する充電状態と、前記補助電源の充電電圧を保持する保持状態と、前記補助電源から放電する放電状態とを切替可能な補助電源装置において、
入力電圧を昇圧する昇圧回路を有しており、
前記補助電源は、前記主電源に第1端子が接続されて前記給電対象に第2端子が接続されているとともに前記主電源と前記給電対象との間に直列接続される直列接続態様と、前記主電源と前記給電対象との間のこれらが直列接続される部分に前記第1端子が接続される並列接続態様とで切り替え可能であり、
前記補助電源は、前記直列接続態様に切り替えられたときに、前記主電源の電圧を前記補助電源の放電電圧によってブーストして前記給電対象に給電し、
前記補助電源は、前記並列接続態様に切り替えられたときに、前記第2端子が前記昇圧回路の入力端子に接続され、前記補助電源の放電電圧を前記昇圧回路の入力電圧として昇圧し、当該昇圧した放電電圧を前記給電対象に給電するバックアップを行う補助電源装置。
【請求項2】
前記補助電源は、前記主電源から前記給電対象に対して給電するときに、前記並列接続態様に切り替えられて、前記第2端子が前記昇圧回路の出力端子に接続され、前記昇圧回路の入力端子は前記主電源に接続され、前記主電源の出力電圧を前記昇圧回路の前記入力電圧として昇圧し、当該昇圧した出力電圧によって前記補助電源を充電する請求項1に記載の補助電源装置。
【請求項3】
給電対象としてのモータと、主電源と、前記主電源から前記モータへの給電経路に設置される補助電源装置と、制御部とを備える電動パワーステアリング装置であって、
前記補助電源装置は、補助電源と、入力電圧を昇圧する昇圧回路とを有し、
前記補助電源は、前記主電源に第1端子が接続されて前記モータに第2端子が接続されているとともに前記モータと前記主電源との間に直列接続される直列接続態様と、前記主電源と前記給電対象との間のこれらが直列接続される部分に前記第1端子が接続される並列接続態様とで切り替え可能であり、
前記制御部は、前記補助電源を充電する充電状態と、前記補助電源の充電電圧を保持する保持状態と、前記補助電源から放電する放電状態とを切り替えるとともに、前記補助電源を前記直列接続態様と前記並列接続態様とで切り替えており、
前記補助電源は、前記直列接続態様に切り替えられたときに、前記主電源の電圧を前記補助電源の放電電圧によってブーストして前記モータに給電し、
前記補助電源は、前記並列接続態様に切り替えられたときに、前記第2端子が前記昇圧回路の入力端子に接続され、前記補助電源の放電電圧を前記昇圧回路の入力電圧として昇圧し、当該昇圧した放電電圧を前記モータに給電するバックアップを行う電動パワーステアリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、補助電源装置及び電動パワーステアリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の操舵機構にモータの回転力を操舵補助力として付与することにより、運転者のステアリング操作を補助する電動パワーステアリング装置(以下、「EPS」という。)が知られている。EPSの制御装置は、モータへの給電を制御することにより、モータの駆動を制御している。EPSの制御装置は、バッテリから供給される電力を用いて動作している。
【0003】
EPSの高性能化に伴ってモータを駆動するために必要とされる電力が増大していることから、モータへ供給される電力の高出力化が求められている。バッテリが失陥して、バッテリからモータへ供給される電力が得られなくなると、ステアリング操作の補助の機能を継続することができなくなる。こうした事情を反映して、特許文献1に開示の技術では、EPSにはバッテリに対して直列接続された補助電源と、バッテリに対して並列接続された補助電源とが設けられている。高出力化が求められた場合、バッテリと直列接続された補助電源を用いて、バッテリからモータへ供給される電力をブーストする機能を実現している。また、バッテリが失陥した場合、バッテリと並列接続された補助電源を用いて、モータに対して供給される電力をバックアップする機能を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ブースト時とバックアップ時とでは、バックアップ時の方が必要とされる電圧が大きい場合、各補助電源の電圧が同じ場合には、バックアップ時に用いられる補助電源の方がブースト時に用いられる補助電源よりも補助電源の個数が多くなるように回路が構成される。回路構成をコンパクトにするために、ブースト時に用いられる補助電源とバックアップ時に用いられる補助電源との共通化が求められることがある。この場合には、バックアップ時に用いられる補助電源のうちの一部をブースト時にも用いるように共通化する構成が考えられる。この構成では、ブースト時には、共通化されている補助電源は放電状態となる一方、共通化されていない補助電源は保持状態のまま維持されることになる。そのため、バックアップ時には、充電状態の異なるものが混在した補助電源を用いて、モータへの給電をバックアップすることになる。このことから、充電状態の異なるものが混在した補助電源を用いてモータへの給電をバックアップした場合と、充電状態の異なるものが混在していない補助電源を用いてモータへの給電をバックアップした場合とで、補助電源からモータへの給電の電圧がばらつくことになる。このため、ブースト時に用いられる補助電源とバックアップ時に用いられる補助電源とを共通化することが困難であった。
【0006】
本発明の目的は、ブースト時に用いられる補助電源とバックアップ時に用いられる補助電源とを共通化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成しうる補助電源装置は、主電源から給電対象への給電経路に設置される補助電源装置であって、補助電源を有するとともに、前記補助電源を充電する充電状態と、前記補助電源の充電電圧を保持する保持状態と、前記補助電源から放電する放電状態とを切替可能な補助電源装置において、入力電圧を昇圧する昇圧回路を有しており、前記補助電源は、前記主電源に第1端子が接続されて前記給電対象に第2端子が接続されているとともに前記主電源と前記給電対象との間に直列接続される直列接続態様と、前記主電源と前記給電対象との間のこれらが直列接続される部分に前記第1端子が接続される並列接続態様とで切り替え可能であり、前記補助電源は、前記直列接続態様に切り替えられたときに、前記主電源の電圧を前記補助電源の放電電圧によってブーストして前記給電対象に給電し、前記補助電源は、前記並列接続態様に切り替えられたときに、前記第2端子が前記昇圧回路の入力端子に接続され、前記補助電源の放電電圧を前記昇圧回路の入力電圧として昇圧し、当該昇圧した放電電圧を前記給電対象に給電するバックアップを行う。
【0008】
上記構成によれば、補助電源装置の回路構成をコンパクトにするために、主電源と給電対象との間に直列接続される直列接続態様と、主電源と給電対象との間の直列接続される部分に補助電源の第1端子が接続される並列接続態様とで切り替え可能にしており、直列接続態様の補助電源と並列接続態様の補助電源とを共通化している。すなわち、バックアップ時にもブースト時にも共通化された補助電源を用いている。補助電源としては、主電源と比べて電源容量が小さいものを用いることを想定し、上記構成では、バックアップ時においては、補助電源の放電電圧を昇圧回路の入力電圧とすることで昇圧している。このように、ブースト時には、全ての補助電源が放電状態となることから、バックアップ時に充電状態の異なるものが混在した補助電源を用いて給電対象への給電をバックアップすることがなくなる。このため、補助電源からの放電電圧がばらつくことを抑えることができるため、バックアップ時において、補助電源からの放電電圧を安定させることができる。
【0009】
上記の補助電源装置において、前記補助電源は、前記主電源から前記給電対象に対して給電するときに、前記並列接続態様に切り替えられて、前記第2端子が前記昇圧回路の出力端子に接続され、前記昇圧回路の入力端子は前記主電源に接続され、前記主電源の出力電圧を前記昇圧回路の前記入力電圧として昇圧し、当該昇圧した出力電圧によって前記補助電源を充電することが好ましい。
【0010】
上記構成によれば、バックアップ時にも補助電源の充電時にも共通化された昇圧回路を用いている。このため、補助電源を充電する際に用いる昇圧回路とバックアップ時に用いる昇圧回路とをそれぞれ別個に補助電源装置に設ける場合と比べると、昇圧回路の構成を共通化している分、補助電源装置の回路構成をさらにコンパクトにすることができる。
【0011】
上記目的を達成しうる電動パワーステアリング装置は、給電対象としてのモータと、主電源と、前記主電源から前記モータへの給電経路に設置される補助電源装置と、制御部とを備える電動パワーステアリング装置であって、前記補助電源装置は、補助電源と、入力電圧を昇圧する昇圧回路とを有し、前記補助電源は、前記主電源に第1端子が接続されて前記モータに第2端子が接続されているとともに前記モータと前記主電源との間に直列接続される直列接続態様と、前記主電源と前記給電対象との間のこれらが直列接続される部分に前記第1端子が接続される並列接続態様とで切り替え可能であり、前記制御部は、前記補助電源を充電する充電状態と、前記補助電源の充電電圧を保持する保持状態と、前記補助電源から放電する放電状態とを切り替えるとともに、前記補助電源を前記直列接続態様と前記並列接続態様とで切り替えており、前記補助電源は、前記直列接続態様に切り替えられたときに、前記主電源の電圧を前記補助電源の放電電圧によってブーストして前記モータに給電し、前記補助電源は、前記並列接続態様に切り替えられたときに、前記第2端子が前記昇圧回路の入力端子に接続され、前記補助電源の放電電圧を前記昇圧回路の入力電圧として昇圧し、当該昇圧した放電電圧を前記モータに給電するバックアップを行う。
【0012】
上記構成によれば、補助電源装置の回路構成をコンパクトにするために、モータと主電源との間に直列に接続される直列接続態様と、主電源とモータとの間の直列接続されている部分に補助電源の第1端子が接続される並列接続態様とで切り替え可能にしており、直列接続態様の補助電源と並列接続態様の補助電源とを共通化している。すなわち、バックアップ時にもブースト時にも共通化された補助電源を用いている。補助電源としては、主電源と比べて電源容量が小さいものを用いることを想定し、上記構成では、バックアップ時においては、補助電源の放電電圧を昇圧回路の入力電圧とすることで昇圧している。このように、ブースト時には、全ての補助電源が放電状態となることから、バックアップ時に充電状態の異なるものが混在した補助電源を用いて給電対象への給電をバックアップすることがなくなる。このため、補助電源からの放電電圧がばらつくことを抑えることができるため、バックアップ時において、補助電源からの放電電圧を安定させることができる。このことから、補助電源からの放電電圧を安定させることができる電動パワーステアリング装置を実現することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の補助電源装置及び電動パワーステアリング装置によれば、ブースト時に用いられる補助電源とバックアップ時に用いられる補助電源とを共通化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】補助電源装置を搭載したステアリング装置の概略構成を示す構成図。
図2】補助電源装置の電気回路の構成を示す回路図。
図3】補助電源装置の各動作状態におけるスイッチング素子の動作状態を示す表。
図4】保持状態における補助電源装置のスイッチング素子の動作状態を示す回路図。
図5】充電状態における補助電源装置のスイッチング素子の動作状態を示す回路図。
図6】ブースト時の放電状態における補助電源装置のスイッチング素子の動作状態を示す回路図。
図7】バックアップ時の放電状態における補助電源装置のスイッチング素子の動作状態を示す回路図。
図8】補助電源装置の給電制御の状態の判定手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0015】
補助電源装置を電動パワーステアリング装置(以下、「EPS」という。)に適用した第1実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態のEPS1は、ステアリング軸4を備えている。ステアリング軸4の一端にはステアリングホイール2が固定されており、他端にはピニオンギア3が形成されている。ピニオンギア3は、ラック軸5に形成されたラックギア6に噛み合わされている。これらピニオンギア3及びラックギア6によりラックアンドピニオン機構が構成されている。ステアリング軸4の回転運動は、ラックアンドピニオン機構を介してラック軸5の長手方向(図1中の左右方向)の往復直線運動に変換される。EPS1は、ラック軸5の長手方向が車幅方向となるように車両に組み付けられている。ラック軸5の往復直線運動は、ラック軸5の両端にそれぞれ連結されたタイロッド8を介して左右の転舵輪7にそれぞれ伝達されることにより、転舵輪7の転舵角が変化し、車両の進行方向が変更される。
【0016】
ステアリング軸4には、ステアリングホイール2の操作によりステアリング軸4に加えられた操舵トルクTRを計測するためのトルクセンサ9が装着されている。本実施形態のトルクセンサ9は、ステアリング軸4の一部を構成するトーションバーの捩り量を検出して、その捩り量に基づいて操舵トルクTRを計測している。
【0017】
ステアリング軸4には、操舵補助用のモータ10が減速機11を介して連結されている。減速機11は、モータ10の回転を減速し、当該減速した回転力をステアリング軸4に伝達する。本実施形態のモータ10としては、3相ブラシレスモータが採用されている。また、本実施形態の減速機11としては、ウォームギア機構が採用されている。
【0018】
EPS1は、駆動回路12、補助電源装置13、及び電子制御ユニット14を備えている。駆動回路12には、モータ10の各相(U相、V相、W相)にそれぞれ2つのスイッチング素子を備えた公知の回路が採用されている。また、EPS1が車両に組み付けられた際には、補助電源装置13及び電子制御ユニット14は、主電源としての車載バッテリ15にそれぞれ接続される。
【0019】
電子制御ユニット14は、EPS1の制御に係る演算処理を実行する演算処理回路16と、制御用のプログラムやデータが格納されたメモリ17と、を備えている。また、電子制御ユニット14には上述のトルクセンサ9が接続されている。さらに、EPS1が車両に組付けられた際に、電子制御ユニット14には、車両に設置されて当該車両の走行速度VSを検出する車速センサ18が接続される。また、電子制御ユニット14には、電流センサ19が接続されている。電流センサ19は、補助電源装置13から駆動回路12への給電の実電流値Iを検出する。具体的には、電流センサ19は、補助電源装置13の出力ポート21(図2参照)の実電流値Iを検出する。
【0020】
電子制御ユニット14は、車両に組み付けられた状態のEPS1において、モータ10により付与される操舵補助力の制御を行っている。操舵補助力の制御に際して電子制御ユニット14は、操舵トルクTR及び走行速度VSに基づき、操舵補助力の目標値である目標操舵補助力を決定する。そして、電子制御ユニット14は、目標操舵補助力分の操舵補助力を発生すべく、駆動回路12及び補助電源装置13の動作を制御する。
【0021】
図2に示すように、補助電源装置13は、入力ポート20と出力ポート21とを備えている。入力ポート20は、EPS1が車両に組み付けられる際に車載バッテリ15に接続される。また、出力ポート21は、補助電源装置13がEPS1に組み付けられた際に、駆動回路12を介して給電対象であるモータ10に接続される。
【0022】
補助電源装置13は、後述の保持状態及び充電状態時の給電経路となるラインである第1ライン23を備えている。第1ライン23は、入力ポート20及び出力ポート21に接続された配線である。
【0023】
補助電源装置13は、電荷を充放電可能な補助電源24を備えている。補助電源24は、車載バッテリ15とモータ10との間にこれらが直列接続される直列接続態様と、第1ライン23上の接続点P2に第1端子T1が接続される並列接続態様とで切り替え可能に接続されている。接続点P2は、車載バッテリ15とモータ10との間のこれらが直列接続される部分である。補助電源24は、2つのキャパシタ24a,24bを有している。補助電源24の有するキャパシタ24a,24bの数は、EPS1で要求される電圧に対して、キャパシタ24a,24bの容量を考慮して定められている。キャパシタ24a,24bは、正の極性を有した電極板及び負の極性を有した電極板をそれぞれ備えている。キャパシタ24aの負側の電極板24cの第1端子T1は第1ライン23に接続されており、キャパシタ24bの正側の電極板24dの第2端子T2は後述のブースト時及びバックアップ時の給電経路となるラインである第2ライン26に接続されている。補助電源24を総体として見た場合、補助電源24での電荷の充電は、キャパシタ24aの負側の電極板24cとキャパシタ24bの正側の電極板24dとの間で行われる。補助電源24が直列接続態様に切り替えられたとき、第1端子T1は第1ライン23を介して車載バッテリ15へと接続され、第2端子T2は第2ライン26を介してモータ10へと接続されている。補助電源24が並列接続態様に切り替えられたとき、第1端子T1は第1ライン23を介してグランドへと接続され、第2端子T2が第2ライン26を介してモータ10へと接続されている。本実施形態では、キャパシタ24a,24bとして、リチウムイオンキャパシタを採用している。
【0024】
リチウムイオンキャパシタは、耐熱性が良く、寿命が長く、充放電性能が良好で、エネルギー密度が高く、安全性が高いという利点がある。これに対し、電気二重層キャパシタは、耐熱性が高く、寿命が長く、充放電性能が良好であり、安全性が高いという利点がある一方、エネルギー密度が低く、耐熱性を高める場合には大型化しやすいという欠点がある。本実施形態では、キャパシタ24a,24bにリチウムイオンキャパシタを採用していることから、キャパシタ24a,24bは上記の利点を有している。
【0025】
補助電源装置13は、昇圧用のコイルであるチョッパコイル25を備えている。チョッパコイル25の一端は、第1スイッチング素子(以下、「FET1」と記載する。)を介してグランドに接続されるとともに、第2スイッチング素子(以下、「FET2」と記載する。)を介して第2ライン26に接続されている。これらチョッパコイル25、FET1、及びFET2によって入力電圧を昇圧する昇圧回路30が構成されている。昇圧回路30は、車載バッテリ15または補助電源24の第2端子T2に切り替え可能に接続されている。チョッパコイル25の他端は、第5スイッチング素子(以下、「FET5」と記載する。)を介して第1ライン23に接続されている。第2ライン26は、FET2とキャパシタ24bの電極板24dとを、第6スイッチング素子(以下、「FET6」と記載する。)を介して接続する配線となっている。
【0026】
補助電源装置13は、第2ライン26と出力ポート21との間に設けられた第2ライン26とモータ10との間の接続を切り替えるための第3スイッチング素子(以下、「FET3」と記載する。)と、第1ライン23と出力ポート21との間に設けられた第1ライン23とモータ10との間の接続を切り替えるための第4スイッチング素子(以下、「FET4」と記載する。)とを有している。第2ライン26におけるFET2とFET3との間の接続点P1には、第2端子T2と第2ライン26との間の接続を切り替えるためのFET6が接続されている。また、第1ライン23におけるFET4とキャパシタ24aの電極板24cとの間の接続点P2には、第1端子T1とグランドとの間の接続を切り替えるための第7スイッチング素子(以下、「FET7」と記載する。)が接続されている。第1ライン23におけるチョッパコイル25とFET5との間の接続点P3には、第2端子T2とチョッパコイル25との間の接続を切り替えるための第8スイッチング素子(以下、「FET8」と記載する。)が接続されている。
【0027】
FET1~FET8には、MOS-FET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)が採用されている。FET1~FET8のゲートには、電子制御ユニット14が接続されている。電子制御ユニット14は、FET1~FET8のゲートに対して駆動信号を出力することにより、駆動信号に応じてFET1~FET8をオン状態とオフ状態との間で切り替える。電子制御ユニット14は、これらFET1~FET8のオン状態及びオフ状態を切り替えることによって、補助電源24を直列接続態様あるいは並列接続態様に切り替える。
【0028】
電子制御ユニット14が実行する補助電源装置13の給電制御を説明する。
図3には、充電状態、保持状態、及び放電状態の補助電源装置13におけるFET1~FET8の動作状態が示されている。充電状態は、補助電源24を充電するように給電制御する状態である。保持状態は、補助電源24の充電電圧を保持するように給電制御する状態である。放電状態は、補助電源24から放電するように給電制御する状態である。本実施形態では、放電状態として、ブースト時の放電状態及びバックアップ時の放電状態の2つの状態がある。ブースト時には、車載バッテリ15からのバッテリ電圧Vbを補助電源24の放電電圧であるキャパシタ電圧Vcによってブーストしている。バックアップ時には、補助電源24の放電電圧を昇圧回路30の入力電圧として昇圧し、当該昇圧した放電電圧をモータ10に給電する。これにより、車載バッテリ15からの給電が途絶えた場合においても、モータ10への給電を継続できるようにしている。
【0029】
電子制御ユニット14は、給電制御に際して、操舵トルクTR及び走行速度VSに基づき、操舵補助力の目標値である目標操舵補助力を決定する。電子制御ユニット14は、モータ10が目標操舵補助力分の操舵補助力を発生させるために必要な電圧である要求電圧Vrを演算する。電子制御ユニット14は、車載バッテリ15から補助電源装置13への給電の電圧であるバッテリ電圧Vb、要求電圧Vr、及び接続点P1の電圧である第1電圧V1に応じて、充電状態、保持状態、及び放電状態の間で給電制御の状態を切り替える。
【0030】
図3及び図4に示すように、電子制御ユニット14は、要求電圧Vrがバッテリ電圧Vb以下であり、かつ第1電圧V1が規定の最大充電電圧以上の場合、給電制御の状態を保持状態に切り替える。最大充電電圧とは、補助電源24が最大限充電された際の電圧のことである。電子制御ユニット14は、給電制御の状態を保持状態に切り替える場合、FET1~FET3、FET5、FET7、FET8をオフ状態とするとともに、FET4及びFET6をオン状態とする。この場合、FET4がオン状態であることから、車載バッテリ15は第1ライン23を介してモータ10へと接続されている。補助電源装置13の出力ポート21の電圧である第2電圧V2は、車載バッテリ15からのバッテリ電圧Vbとほとんど等しい値となる。車載バッテリ15のバッテリ電圧Vbは、第1ライン23を介してモータ10に給電されることになる。一方、FET2及びFET3がオフ状態であり、FET8がオフ状態であることから、補助電源24に蓄積された電荷は放電されることがなく、それまでに充電された補助電源24の充電電圧は保持される。また、昇圧回路30は、FET5がオフ状態であることから車載バッテリ15から切り離されており、FET8がオフ状態であることから補助電源24から切り離されている。
【0031】
図3及び図5に示すように、電子制御ユニット14は、要求電圧Vrがバッテリ電圧Vb以下であり、かつ第1電圧V1が最大充電電圧未満の場合、給電制御の状態を充電状態に切り替える。電子制御ユニット14は、給電制御の状態を充電状態に切り替える場合、FET3、FET7、FET8をオフ状態とするとともに、FET4~FET6をオン状態とする。一方、電子制御ユニット14は、充電状態である場合、FET1及びFET2が交互にオフ状態となるようにPWM駆動する。この場合、FET4がオン状態であることから、車載バッテリ15は第1ライン23を介してモータ10へと接続されている。補助電源装置13の出力ポート21の電圧である第2電圧V2は、車載バッテリ15からのバッテリ電圧Vbとほとんど等しい値となる。車載バッテリ15のバッテリ電圧Vbは、第1ライン23を介してモータ10に給電されることになる。一方、FET5及びFET6がオン状態であり、かつFET1及びFET2がPWM駆動されていることから、補助電源24は車載バッテリ15に接続されている。また、FET5がオン状態であることから、昇圧回路30の入力端子T3は車載バッテリ15に接続されており、FET8がオフ状態であることから、昇圧回路30の入力端子T3は補助電源24の第2端子T2に接続されていない。一方、FET6がオン状態であることから、昇圧回路30の出力端子T4は補助電源24の第2端子T2に接続されており、FET3がオフ状態であることから、昇圧回路30の出力端子T4はモータ10へと接続されていない。そして、FET4~FET6がオン状態であり、FET1及びFET2がPWM駆動されていることから、車載バッテリ15の出力電圧であるバッテリ電圧Vbは、チョッパコイル25を通じて補助電源24に給電される。昇圧回路30には、バッテリ電圧Vbが入力電圧として入力される。昇圧回路30は、入力されるバッテリ電圧Vbを第1電圧V1に昇圧し、当該昇圧した第1電圧V1を出力電圧として出力する。そして、昇圧回路30によって昇圧された第1電圧V1によって補助電源24は充電される。
【0032】
図3及び図6に示すように、電子制御ユニット14は、走行速度VSが走行速度閾値VS0以下であり、出力ポート21の実電流値Iが電流閾値I0以上である場合、給電制御の状態をブースト時の放電状態に切り替える。走行速度閾値VS0は、やむをえずステアリング操作の補助を停止することが好ましくない状況であるか否かを判別する観点で定められた閾値である。走行速度VSが走行速度閾値VS0以下である場合とは、停車を含む車両が低速で走行している場合である。停車を含む車両が低速で走行している場合は、車両が高速で走行している場合と比べてやむをえずステアリング操作の補助を停止しても運転者への影響が小さいが、モータ10が目標操舵補助力分の操舵補助力を発生させるためにEPS1が必要な要求電圧Vrが大きくなりやすい状況である。また、電流閾値I0は、ステアリング操作の補助によって実際に出力ポート21を流れる実電流値Iが急操舵のステアリング操作を示すものであるか否かを判別する観点で定められた閾値である。実電流値Iが電流閾値I0以上である場合は、急操舵のステアリング操作を示すものであり、要求電圧Vrがバッテリ電圧Vbを超えつつある状況にあるといえる。電子制御ユニット14は、給電制御の状態をブースト時の放電状態に切り替える場合、FET1、FET2、FET4、FET5、FET7、FET8をオフ状態とするとともに、FET3、FET6をオン状態とする。これにより、電子制御ユニット14は、補助電源24の接続態様を直列接続態様に切り替えている。補助電源24が直列接続態様に切り替えられたとき、補助電源24の第1端子T1は、第1ライン23の接続点P2に接続されており、第1ライン23を介して車載バッテリ15に接続されている。また、補助電源24の第2端子T2は、FET3及びFET6がオン状態であることから、第2ライン26を介してモータ10へと接続されている。これにより、車載バッテリ15のバッテリ電圧Vbは、第1ライン23、補助電源24、第2ライン26を介してモータ10に給電される。このように、車載バッテリ15と補助電源24とは直列接続されており、車載バッテリ15のバッテリ電圧Vbを補助電源24の放電電圧であるキャパシタ電圧Vcによってブーストしてモータ10に給電している。車載バッテリ15と補助電源24とは直列接続されていることから、補助電源24の第2端子T2からは、バッテリ電圧Vbとキャパシタ電圧Vcとの総和の電圧が出力されることになる。これにより、給電対象であるモータ10への給電をブーストしている。
【0033】
図3及び図7に示すように、電子制御ユニット14は、走行速度VSが走行速度閾値VS0を超えて、かつ要求電圧Vrがバッテリ電圧Vbを超える場合、給電制御の状態をバックアップ時の放電状態に切り替える。走行速度VSが走行速度閾値VS0を超える場合とは、車両が高速で走行している場合であり、モータ10が目標操舵補助力分の操舵補助力を発生させるためにEPS1が必要な要求電圧Vrが小さくなりやすい状況であるが、ステアリング操作の補助を停止することが好ましくない状況である。要求電圧Vrがバッテリ電圧Vbを超える場合とは、例えば車載バッテリ15が断線故障した場合や車載バッテリ15のバッテリ電圧Vbが規定値よりも低くなっている場合等の車載バッテリ15の失陥時に生じる。電子制御ユニット14は、給電制御の状態をバックアップ時の放電状態に切り替える場合、FET4~FET6をオフ状態とするとともに、FET3、FET7、FET8をオン状態とする。電子制御ユニット14は、バックアップ時の放電状態である場合、FET1及びFET2を交互にオフ状態となるようにPWM駆動する。これにより、電子制御ユニット14は、補助電源24の接続態様を並列接続態様に切り替えている。補助電源24が並列接続態様に切り替えられたとき、FET7はオン状態に切り替えられる。これにより、補助電源24が並列接続態様に切り替えられたとき、補助電源24の第1端子T1は、接続点P2に接続されているとともに、FET7を介してグランドに接続されている。また、FET8がオン状態であることから、補助電源24の第2端子T2は、昇圧回路30の入力端子T3に接続されている。また、FET6がオフ状態であることから、補助電源24の第2端子T2は、第2ライン26の接続点P1と接続されておらず、昇圧回路30の出力端子T4に接続されていない。また、FET4及びFET5がオフ状態であることから、車載バッテリ15のバッテリ電圧Vbは、モータ10へは給電されない。また、FET3がオン状態であることから、昇圧回路30の出力端子T4はモータ10へと接続されている。そして、FET3、FET7、FET8がオン状態であり、FET1及びFET2がPWM駆動されていることから、補助電源24からの放電電圧であるキャパシタ電圧Vcは、チョッパコイル25を通じてモータ10に給電される。昇圧回路30には、補助電源24からのキャパシタ電圧Vcが入力電圧として入力される。昇圧回路30は、入力されるキャパシタ電圧Vcを第1電圧V1に昇圧し、当該昇圧した第1電圧V1を出力電圧として出力する。そして、昇圧回路30によって昇圧された第1電圧V1によってモータ10は給電される。
【0034】
電子制御ユニット14によって実行される給電制御の状態の判定手順をフローチャートを用いて説明する。給電制御の状態の判定処理は、所定周期毎に繰り返し実行される。
図8に示すように、電子制御ユニット14は、走行速度VSが走行速度閾値VS0以下であるか否かを判定する(ステップS1)。
【0035】
電子制御ユニット14は、走行速度VSが走行速度閾値VS0以下である場合(ステップS1のYES)、実電流値Iが電流閾値I0以上であるか否かを判定する(ステップS2)。
【0036】
電子制御ユニット14は、実電流値Iが電流閾値I0以上である場合(ステップS2のYES)、給電制御の状態をブースト時の放電状態に切り替える(ステップS3)。
電子制御ユニット14は、実電流値Iが電流閾値I0未満の場合(ステップS2のNO)、処理を終了する。この場合、電子制御ユニット14は、給電制御の状態を保持状態あるいは充電状態に切り替える。
【0037】
電子制御ユニット14は、走行速度VSが走行速度閾値VS0を超える場合(ステップS1のNO)、バッテリ電圧Vbが要求電圧Vr以下であるか否かを判定する(ステップS4)。
【0038】
電子制御ユニット14は、バッテリ電圧Vbが要求電圧Vr以下である場合(ステップS4のYES)、給電制御の状態をバックアップ時の放電状態に切り替える(ステップS5)。
【0039】
電子制御ユニット14は、バッテリ電圧Vbが要求電圧Vrを超える場合(ステップS4のNO)、処理を終了する。この場合、電子制御ユニット14は、給電制御の状態を保持状態あるいは充電状態に切り替える。
【0040】
以上で電子制御ユニット14によって実行される給電制御の状態の判定処理を終了する。
本実施形態の作用及び効果を説明する。
【0041】
(1)補助電源装置13の回路構成をコンパクトにするために、給電対象であるモータ10と車載バッテリ15との間のこれらが直列接続される直列接続態様と、接続点P2に補助電源24の第1端子T1が接続される並列接続態様とで切り替え可能にしており、直列接続態様の補助電源24と並列接続態様の補助電源24とを共通化している。すなわち、バックアップ時にもブースト時にも共通化された補助電源24を用いている。補助電源24としては、車載バッテリ15と比べて電源容量が小さいものを用いることを想定し、本実施形態では、バックアップ時においては昇圧回路30を用いて補助電源24からのキャパシタ電圧Vcを昇圧している。これにより、ブースト時には、全ての補助電源24が放電状態となることから、バックアップ時に充電状態の異なるものが混在した補助電源を用いて給電対象への給電をバックアップすることがなくなる。このため、補助電源24からの放電電圧であるキャパシタ電圧Vcがばらつくことを抑えることができるため、バックアップ時において補助電源24からの放電電圧を安定させることができる。
【0042】
(2)バックアップ時にも補助電源の充電時にも共通化された昇圧回路30を用いている。このため、補助電源24を充電する際に用いる昇圧回路30とバックアップ時に用いる昇圧回路30とをそれぞれ別個に補助電源装置13に設ける場合と比べると、昇圧回路30の構成を共通化している分、補助電源装置13の回路構成をさらにコンパクトにすることができる。
【0043】
(3)補助電源24からのキャパシタ電圧Vcを安定させることができるEPS1を実現することができる。
なお、本実施形態は次のように変更してもよい。また、以下の他の実施形態は、技術的に矛盾しない範囲において、互いに組み合わせることができる。
【0044】
・電子制御ユニット14は、図8のステップS2において、実電流値Iが電流閾値I0以上であるか否かを判定したが、これに限らない。例えば、電子制御ユニット14は、図8のステップS2において、ステアリングホイール2の操舵速度が所定の閾値以上であるか否かに基づく判定をするようにしてもよい。
【0045】
・電子制御ユニット14は、図8において、ステップS1として走行速度VSが走行速度閾値VS0以下であるか否かを判定したが、これは判定しなくてもよい。この場合、例えば電子制御ユニット14は、バッテリ電圧Vbが要求電圧Vr以下であるか否かを判定し、バッテリ電圧Vbが要求電圧以下である場合に給電制御の状態をバックアップ時の放電状態に切り替える。一方、電子制御ユニット14は、バッテリ電圧Vbが要求電圧Vrを超えている場合、実電流値Iが電流閾値I0以上か否かを判定し、実電流値Iが電流閾値I0以上である場合に給電制御の状態をブースト時の放電状態に切り替える。また、電子制御ユニット14は、バッテリ電圧Vbが要求電圧Vrを超えていて、かつ実電流値Iが電流閾値I0未満である場合、処理を終了する。この場合、電子制御ユニット14は、給電制御の状態を保持状態あるいは充電状態に切り替える。
【0046】
図8のステップS2の判定処理に用いられる電流閾値I0は、据え切りを含むステアリング操作の負荷が大きい状況であるか否かを判別する観点で定められてもよい。
・電子制御ユニット14は、車載バッテリ15の失陥時に給電制御の状態をバックアップ時の放電状態に切り替えたが、車載バッテリ15が失陥しているか否かに関係なく、給電制御の状態をバックアップ時の放電状態に切り替えることは可能である。
【0047】
・スイッチング素子(FET1~FET8)の一部、あるいは全てをMOS-FET以外のスイッチング素子によって構成してもよい。MOS-FET以外のスイッチング素子としては、例えばIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)等が挙げられる。
【0048】
・モータ10は、3相ブラシレスモータに限らない。例えば、モータ10は、ブラシ付きモータであってもよい。
・本実施形態では、補助電源24を充電する際に用いた昇圧回路30とバックアップ時に用いた昇圧回路30とを共通化していたが、これに限らない。すなわち、バックアップ時に用いた昇圧回路30を、補助電源24を充電する際に用いた昇圧回路30と別個に設けるようにしてもよい。
【0049】
・本実施形態では、電流センサ19は補助電源装置13の出力ポート21の実電流値Iを検出したが、これに限らない。例えば、電流センサ19は、入力ポート20の実電流値Iを検出するようにしてもよい。
【0050】
・本実施形態では、EPS1で要求される電圧とキャパシタ24a,24bの容量との関係で、補助電源装置13の補助電源24を構成するキャパシタ24a,24bの数は2つであったが、この数は適宜変更可能である。例えば、補助電源24を構成するキャパシタは1つであってもよいし、3つ以上のキャパシタで構成されていてもよい。
【0051】
・本実施形態では、補助電源24としてリチウムイオンキャパシタを用いたが、これに限らない。すなわち、補助電源24は、電気二重層キャパシタ(EDLC)であってもよいし、リチウムイオン電池や、鉛蓄電池であってもよい。
【0052】
・本実施形態では、EPS1は、ステアリング軸4に減速機11を介してモータ10が連結されたEPSとして構成したが、モータ10が減速機11を介してラック軸5に連結されたEPSとして構成してもよい。
【0053】
・本実施形態では、補助電源装置13をEPS1に適用したが、無停電電源装置に適用してもよいし、無人搬送車に適用してもよいし、送架線に適用してもよい。
【符号の説明】
【0054】
1…EPS、2…ステアリングホイール、3…ピニオンギア、4…ステアリング軸、5…ラック軸、6…ラックギア、7…転舵輪、8…タイロッド、9…トルクセンサ、10…モータ、11…減速機、12…駆動回路、13…補助電源装置、14…電子制御ユニット、15…車載バッテリ、16…演算処理回路、17…メモリ、18…車速センサ、19…電流センサ、20…入力ポート、21…出力ポート、23…第1ライン、24…補助電源、24a,24b…キャパシタ、24c,24d…電極板、25…チョッパコイル、26…第2ライン、30…昇圧回路、I…実電流値、I0…電流閾値、P1,P2,P3…接続点、T1…第1端子、T2…第2端子、T3…入力端子、T4…出力端子、TR…操舵トルク、V1…第1電圧、V2…第2電圧、Vb…バッテリ電圧、Vc…キャパシタ電圧、Vr…要求電圧、VS…走行速度、VS0…走行速度閾値。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8