(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】ワイヤレス通信システムにおける電子デバイス、通信方法、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04B 7/0417 20170101AFI20221025BHJP
H04B 7/0452 20170101ALI20221025BHJP
H04L 27/26 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
H04B7/0417 100
H04B7/0452 100
H04L27/26 113
H04L27/26 114
(21)【出願番号】P 2019515502
(86)(22)【出願日】2018-05-04
(86)【国際出願番号】 CN2018085646
(87)【国際公開番号】W WO2018223794
(87)【国際公開日】2018-12-13
【審査請求日】2021-04-30
(31)【優先権主張番号】201710427221.0
(32)【優先日】2017-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュ ジン
(72)【発明者】
【氏名】何 超男
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ ジィエンフェイ
【審査官】原田 聖子
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-541263(JP,A)
【文献】特開2014-131201(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0143084(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/0417
H04B 7/0452
H04L 27/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信システムにおける電子デバイスであって、
ネットワーク制御デバイスによって割り当てられた第1のタイプのチャネル状態フィードバックのためのリソースを用いることによって、前記第1のタイプのチャネル状態情報を、前記ネットワーク制御デバイスにレポーティングし、
第2のタイプのチャネル状態フィードバックが必要とされていることを決定し、
前記ネットワーク制御デバイスに前記決定を通知する
ように構成された処理回路網を備え
、
前記決定は、ユーザデバイスによって用いられる通信リソースと、別のユーザデバイスによって用いられる通信リソースとの間の直交度に基づいてなされ、
前記直交度は、前記ユーザデバイスによって用いられる復調参照信号(DMRS)ポートのスクランブリングコードシーケンスと、前記別のユーザデバイスによって用いられるDMRSポートのスクランブリングコードシーケンスに基づいて決められる、
電子デバイス。
【請求項2】
ワイヤレス通信システムにおける電子デバイスであって、
第1のタイプのチャネル状態フィードバックのためのリソースをユーザデバイスに割り当て、
第2のタイプのチャネル状態フィードバックが必要とされていることを決定し、
前記ユーザデバイスに前記決定を通知する
ように構成された処理回路網を備え
、
前記決定は、前記ユーザデバイスによって用いられる通信リソースと、別のユーザデバ
イスによって用いられる通信リソースとの間の直交度に基づいてなされ、
前記直交度は、前記ユーザデバイスによって用いられる復調参照信号(DMRS)ポー
トのスクランブリングコードシーケンスと、前記別のユーザデバイスによって用いられる
DMRSポートのスクランブリングコードシーケンスに基づいて決められる、
電子デバイス。
【請求項3】
前記ユーザデバイスは、前記別のユーザデバイスによって用いられるDMRSポートの前記スクランブリングコードシーケンスについての情報を、前記ネットワーク制御デバイスにリクエストする、
請求項
1に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記決定は、前記ユーザデバイスと前記ネットワーク制御デバイスとの間のチャネルのチャネル品質の劣化度に基づいてなされる、
請求項
1に記載の電子デバイス。
【請求項5】
前記劣化度は、単一ユーザ通信における前記チャネル品質と、前記ユーザデバイス及び前記ネットワーク制御デバイスのマルチユーザ通信における前記チャネル品質との間の差によって示される、
請求項
4に記載の電子デバイス。
【請求項6】
前記通知することは、前記第2のタイプのチャネル状態フィードバックのカテゴリを示す情報を用いて実施される、
請求項
1に記載の電子デバイス。
【請求項7】
前記第2のタイプのチャネル状態フィードバックのカテゴリを示す前記情報は、アップリンク制御情報(UCI)に含まれる、
請求項
6に記載の電子デバイス。
【請求項8】
前記処理回路網は、前記ネットワーク制御デバイスによって割り当てられた前記第2のタイプのチャネル状態フィードバックのためのリソースを用いることによって、前記第2のタイプのチャネル状態情報を前記ネットワーク制御デバイスにレポーティングするようにさらに構成される、
請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項9】
前記処理回路網は、前記ユーザデバイスに前記第2のタイプのチャネル状態情報をレポーティングさせるように、前記第2のタイプのチャネル状態フィードバックのためのリソースを前記ユーザデバイスに割り当てるようにさらに構成される、
請求項2に記載の電子デバイス。
【請求項10】
前記ユーザデバイスと前記ネットワーク制御デバイスとの間の通信は、マルチユーザ-マルチ入力マルチ出力(MU-MIMO)通信の一部である、
請求項
1に記載の電子デバイス。
【請求項11】
前記第2のタイプのチャネル状態フィードバックは、線形結合されたコードブックに基づくプリコーディングされたフィードバック、共分散行列に基づくフィードバック、及びハイブリッドチャネル状態情報(CSI)フィードバックのいずれかを含む、
請求項1又は請求項2に記
載の電子デバイス。
【請求項12】
ワイヤレス通信システムにおける電子デバイスであって、
第1のタイプのチャネル状態フィードバックのためのリソースをユーザデバイスに割り当て、
第2のタイプのチャネル状態フィードバックが必要とされていることの決定に関する通知を前記ユーザデバイスから受信し、
前記第2のタイプのチャネル状態フィードバックのためのリソースを前記ユーザデバイスに割り当て、
前記第2のタイプのチャネル状態情報を受信する
ように構成された処理回路網を備え
、
前記決定は、前記ユーザデバイスによって用いられる通信リソースと、別のユーザデバイスによって用いられる通信リソースとの間の直交度に基づいてなされ、
前記直交度は、前記ユーザデバイスによって用いられる復調参照信号(DMRS)ポートのスクランブリングコードシーケンスと、前記別のユーザデバイスによって用いられるDMRSポートのスクランブリングコードシーケンスに基づいて決められる、
電子デバイス。
【請求項13】
ワイヤレス通信システムにおける電子デバイスであって、
ネットワーク制御デバイスによって割り当てられた第1のタイプのチャネル状態フィードバックのためのリソースを用いることによって、前記第1のタイプのチャネル状態情報を前記ネットワーク制御デバイスへレポーティングし、
第2のタイプのチャネル状態フィードバックが必要とされていることの決定に関する通知を前記ネットワーク制御デバイスから受信し、
前記ネットワーク制御デバイスによって割り当てられた前記第2のタイプのチャネル状態フィードバックのためのリソースを用いることによって、前記第2のタイプのチャネル状態情報を前記ネットワーク制御デバイスへレポーティングする
ように構成された処理回路網を備え
、
前記決定は、ユーザデバイスによって用いられる通信リソースと、別のユーザデバイスによって用いられる通信リソースとの間の直交度に基づいてなされ、
前記直交度は、前記ユーザデバイスによって用いられる復調参照信号(DMRS)ポートのスクランブリングコードシーケンスと、前記別のユーザデバイスによって用いられるDMRSポートのスクランブリングコードシーケンスに基づいて決められる、
電子デバイス。
【請求項14】
前記決定は、前記ユーザデバイスと前記ネットワーク制御デバイスとの間のチャネルのチャネル品質の劣化度に基づいてなされる、
請求項
13に記載の電子デバイス。
【請求項15】
前記劣化度は、単一ユーザ通信における前記チャネル品質と、前記ユーザデバイス及び前記ネットワーク制御デバイスのマルチユーザ通信における前記チャネル品質との間の差によって示される、
請求項
14に記載の電子デバイス。
【請求項16】
前記通知することは、前記第2のタイプのチャネル状態フィードバックのカテゴリを示す情報を用いて実施される、
請求項
13に記載の電子デバイス。
【請求項17】
前記第2のタイプのチャネル状態フィードバックのカテゴリを示す前記情報は、ダウンリンク制御情報(DCI)に含まれる、
請求項
16に記載の電子デバイス。
【請求項18】
前記ユーザデバイスと前記ネットワーク制御デバイスとの間の通信は、マルチユーザ-マルチ入力マルチ出力(MU-MIMO)通信の一部である、
請求項
13に記載の電子デバイス。
【請求項19】
前記第2のタイプのチャネル状態フィードバックは、線形結合されたコードブックに基づくプリコーディングされたフィードバック、共分散行列に基づくフィードバック、及びハイブリッドチャネル状態情報(CSI)フィードバックのいずれかを含む、
請求項14又は請求項15に記
載の電子デバイス。
【請求項20】
ネットワーク制御デバイスによって割り当てられた第1のタイプのチャネル状態フィードバックのためのリソースを用いることによって、前記第1のタイプのチャネル状態情報を、前記ネットワーク制御デバイスにレポーティングすることと、
第2のタイプのチャネル状態フィードバックが必要とされていることを決定することと、
前記ネットワーク制御デバイスに前記決定を通知することとを含
み、
前記決定は、ユーザデバイスによって用いられる通信リソースと、別のユーザデバイスによって用いられる通信リソースとの間の直交度に基づいてなされ、
前記直交度は、前記ユーザデバイスによって用いられる復調参照信号(DMRS)ポートのスクランブリングコードシーケンスと、前記別のユーザデバイスによって用いられるDMRSポートのスクランブリングコードシーケンスに基づいて決められる、
通信方法。
【請求項21】
第1のタイプのチャネル状態フィードバックのためのリソースをユーザデバイスに割り当てることと、
第2のタイプのチャネル状態フィードバックが必要とされていることを決定することと、
前記ユーザデバイスに前記決定を通知することとを含
み、
前記決定は、前記ユーザデバイスによって用いられる通信リソースと、別のユーザデバ
イスによって用いられる通信リソースとの間の直交度に基づいてなされ、
前記直交度は、前記ユーザデバイスによって用いられる復調参照信号(DMRS)ポー
トのスクランブリングコードシーケンスと、前記別のユーザデバイスによって用いられる
DMRSポートのスクランブリングコードシーケンスに基づいて決められる、
通信方法。
【請求項22】
第1のタイプのチャネル状態フィードバックのためのリソースをユーザデバイスに割り当てることと、
第2のタイプのチャネル状態フィードバックが必要とされていることの決定の通知を前記ユーザデバイスから受信することと、
前記第2のタイプのチャネル状態フィードバックのためのリソースを前記ユーザデバイスに割り当てることと、
前記第2のタイプのチャネル状態情報を受信することとを含
み、
前記決定は、前記ユーザデバイスによって用いられる通信リソースと、別のユーザデバイスによって用いられる通信リソースとの間の直交度に基づいてなされ、
前記直交度は、前記ユーザデバイスによって用いられる復調参照信号(DMRS)ポートのスクランブリングコードシーケンスと、前記別のユーザデバイスによって用いられるDMRSポートのスクランブリングコードシーケンスに基づいて決められる、
通信方法。
【請求項23】
ネットワーク制御デバイスによって割り当てられた第1のタイプのチャネル状態フィードバックのためのリソースを用いることによって、前記第1のタイプのチャネル状態情報を前記ネットワーク制御デバイスへレポーティングすることと、
第2のタイプのチャネル状態フィードバックが必要とされていることの決定の通知を前記ネットワーク制御デバイスから受信することと、
前記ネットワーク制御デバイスによって割り当てられた前記第2のタイプのチャネル状態フィードバックのためのリソースを用いることによって、前記第2のタイプのチャネル状態情報を前記ネットワーク制御デバイスへレポーティングすることとを含
み、
前記決定は、ユーザデバイスによって用いられる通信リソースと、別のユーザデバイスによって用いられる通信リソースとの間の直交度に基づいてなされ、
前記直交度は、前記ユーザデバイスによって用いられる復調参照信号(DMRS)ポートのスクランブリングコードシーケンスと、前記別のユーザデバイスによって用いられるDMRSポートのスクランブリングコードシーケンスに基づいて決められる、
通信方法。
【請求項24】
請求項
20から請求項
23のいずれか一項に記載の通信方法を実行する実行可能な命令を記憶する非一過性のコンピュータ可読の記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワイヤレス通信システムにおける電子デバイス、通信方法、及び記憶媒体に関し、特にワイヤレス通信システムにおけるチャネル状態フィードバック/レポーティングのための電子デバイス、通信方法、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレス通信技術がさらに発展するにつれ、チャネル状態情報(CSI)をレポーティングするための技術は益々重要な役割を果たしている。チャネル状態情報はワイヤレスチャネルの特性を反映し、例えば信号の散乱、環境に起因するフェージング、範囲に起因するフェージング等の伝送経路上の信号のフェージング要因を説明する。従来のチャネル状態フィードバックは、典型的にはプリコーディング・マトリクス・インジケータ(PMI)コードブックに基づいており、チャネル品質インジケータ(CQI)、PMI、ランク・インジケータ(RI)、チャネル状態情報推定用参照信号リソース・インジケータ(CSI-RSリソース・インジケータ、CRI)等の情報を提供することができる。得られたチャネル状態情報に基づいて、通信システムを現在のチャネル状態に適合させることにより、特にマルチアンテナ通信システムのために高い信頼性及び高速通信を保証することができる。
【0003】
加えて、強化された(enhanced)チャネル状態フィードバックが現在検討中である。従来のチャネル状態フィードバックと比較すると、強化されたチャネル状態フィードバックは、チャネル状態情報に、より高い空間分解能(より細かい粒度と共に)及び/又はより高い充実度を提供することができる。従って、深刻なチャネルの散乱又は角散乱の場合であっても正確なチャネル情報を得ることができる。しかしながら、強化されたチャネル状態フィードバックは処理及び伝送においてさらなるオーバーヘッドを必要とする。
【0004】
本開示の発明者らは、必要に応じて適切なチャネル状態フィードバックを選択することの要求が存在し得ることを認めている。
【0005】
例えば、マルチ入力・マルチ出力(MIMO)は、4G通信における物理レイヤ、又は5G通信における物理レイヤにとってさえも重要な技術であり、当該産業ではMIMOを向上させるための様々な技術を提案している。そこではマルチユーザMIMO(MU-MIMO)が理論的研究及び標準化において最新の事柄であり、次世代NR MIMOの標準化を巡り活発に議論されている。とりわけ、チャネル状態情報の精度は、特に沢山の伝送アンテナがある場合に、MU MIMOにとっては最も重要である。しかしながら、例えばダウンリンク・マルチユーザ・空間多重化等のMU MIMOのシナリオにおいて、ユーザによって用いられる通信リソースは、それらのリソース間において、十分に良好な空間直交度を有することが必要とされる。
【0006】
図1に示されるように、地理的に近い2人のユーザUE1及びUE2はMU MIMOを介して基地局とデータ伝送を実行する。各ユーザと基地局との間の直交度が悪い場合、チャネル間干渉が増加され、ユーザによってレポーティングされたチャネル状態情報の精度の低下を生じさせ得ることとなり、従ってMU MIMOのパフォーマンスの低下を生じさせ得ることとなる。この場合、さらに正確なチャネル状態フィードバックを用いる必要がある。
【0007】
上記のシナリオに加え、通信システムが、現在のチャネル状態フィードバックとは異なる別のチャネル状態フィードバックを用いることが必要とされる他の場合も存在し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本出願の1つの課題は、上記したような必要性を満たすようにチャネル状態フィードバックの種類を変更するための技術を提案することである。
【0009】
本開示の一部の態様についての基本的理解を目的として、以下に本開示に関する簡潔な概要が記載される。しかしながら、その概要は本開示の網羅的な記載ではないことは理解されるであろう。本開示のキーポイント又は重要な部分を特定することが意図されているわけではなく、本開示の範囲を限定することが意図されているわけでもない。簡素化された形式において本開示についての一部のコンセプトを記載することを目的としており、以下に与えられるより詳細な記載の事前の整理として役に立つものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様によれば、ネットワーク制御デバイスによって割り当てられた第1のタイプのチャネル状態フィードバックのためのリソースを用いることによって、上記第1のタイプのチャネル状態情報を、上記ネットワーク制御デバイスにレポーティングし、第2のタイプのチャネル状態フィードバックが必要とされていることを決定し、上記ネットワーク制御デバイスに上記決定を通知するように構成された処理回路網を備える、ユーザ側にある電子デバイスを提供する。
【0011】
本開示の一態様によれば、第1のタイプのチャネル状態フィードバックのためのリソースをユーザデバイスに割り当て、第2のタイプのチャネル状態フィードバックが必要とされていることの決定に関する通知を上記ユーザデバイスから受信し、上記第2のタイプのチャネル状態フィードバックのためのリソースを上記ユーザデバイスに割り当て、上記第2のタイプのチャネル状態情報を受信するように構成された処理回路網を備える、ネットワーク制御側にある電子デバイスを提供する。
【0012】
本開示の一態様によれば、第1のタイプのチャネル状態フィードバックのためのリソースをユーザデバイスに割り当て、第2のタイプのチャネル状態フィードバックが必要とされていることを決定し、上記ユーザデバイスに上記決定を通知するように構成された処理回路網を備える、ネットワーク制御側にある電子デバイスを提供する。
【0013】
本開示の一態様によれば、ネットワーク制御デバイスによって割り当てられた第1のタイプのチャネル状態フィードバックのためのリソースを用いることによって、上記第1のタイプのチャネル状態情報を上記ネットワーク制御デバイスへレポーティングし、第2のタイプのチャネル状態フィードバックが必要とされていることの決定に関する通知を上記ネットワーク制御デバイスから受信し、上記ネットワーク制御デバイスによって割り当てられた上記第2のタイプのチャネル状態フィードバックのためのリソースを用いることによって、上記第2のタイプのチャネル状態情報を上記ネットワーク制御デバイスへレポーティングするように構成された処理回路網を備える、ユーザ側にある電子デバイスを提供する。
【0014】
本開示の一態様によれば、ネットワーク制御デバイスによって割り当てられた第1のタイプのチャネル状態フィードバックのためのリソースを用いることによって、第1のタイプのチャネル状態情報を、上記ネットワーク制御デバイスにレポーティングすることと、第2のチャネル状態フィードバックが必要とされていることを決定することと、上記ネットワーク制御デバイスに上記決定を通知することとを含む、ユーザ側での通信方法を提供する。
【0015】
本開示の一態様によれば、第1のタイプのチャネル状態フィードバックのためのリソースをユーザデバイスに割り当てることと、第2のタイプのチャネル状態フィードバックが必要とされていることを決定することと、上記ユーザデバイスに上記決定を通知することとを含む、ネットワーク制御側での通信方法を提供する。
【0016】
本開示の一態様によれば、第1のタイプのチャネル状態フィードバックのためのリソースをユーザデバイスに割り当てることと、第2のタイプのチャネル状態フィードバックが必要とされていることの決定の通知を上記ユーザデバイスから受信することと、上記第2のタイプのチャネル状態フィードバックのためのリソースを上記ユーザデバイスに割り当てることと、上記第2のタイプのチャネル状態情報を受信することとを含む、ネットワーク制御側での通信方法を提供する。
【0017】
本開示の一態様によれば、ネットワーク制御デバイスによって割り当てられた第1のタイプのチャネル状態フィードバックのためのリソースを用いることによって、第1のタイプのチャネル状態情報を上記ネットワーク制御デバイスへレポーティングすることと、第2のタイプのチャネル状態フィードバックが必要とされていることの決定の通知を上記ネットワーク制御デバイスから受信することと、上記ネットワーク制御デバイスによって割り当てられた上記第2のタイプのチャネル状態フィードバックのためのリソースを用いることによって、上記第2のタイプのチャネル状態情報を上記ネットワーク制御デバイスへレポーティングすることとを含む、ユーザ側での通信方法を提供する。
【0018】
本開示の一態様によれば、実行された場合、上述の通信方法のいずれかを実施する実行可能な命令を記憶する非一過性のコンピュータ可読の記憶媒体を提供する。
【0019】
本開示の各態様によれば、ワイヤレス通信システムは、必要に応じて適切なチャネル状態フィードバックを用いることができ、従って、チャネル状態フィードバックの精度とそのオーバーヘッドとの間の最適な折衷点をなすことができる。
【0020】
添付の図面に関連して以下に与えられた詳細な記載を参照することにより、本開示のより良い理解が達成され得るものである。ここで同じ又は類似の参照記号は図面を通して同じ又は類似の部品を示すために用いられる。図面は明細書中に含まれ、以下の詳細な記載に沿って明細書の一部を形成するものであり、本開示の実施形態をさらに記載し、且つ本開示の理論及び利点を説明するものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は地理的に近いユーザデバイスがMU MIMOを実行するシナリオを示す。
【
図2A】
図2Aは本開示の第1の実施形態に係るユーザ側にある電子デバイスを示すブロック図である。
【
図2B】
図2Bは本開示の第1の実施形態に係るユーザ側にある電子デバイスによって実行される通信方法のシグナリングのフローチャートである。
【
図3A】
図3Aは本開示の第1の実施形態に係るネットワーク制御側にある電子デバイスを示すブロック図である。
【
図3B】
図3Bは本開示の第1の実施形態に係るネットワーク制御側にある電子デバイスによって実行される通信方法のシグナリングのフローチャートである。
【
図4A】
図4Aは本開示の第1の実施形態に係る決定プロセスの例を示す。
【
図4B】
図4Bは本開示の第1の実施形態に係る決定プロセスの別の例を示す。
【
図4C】
図4Cは本開示の第1の実施形態に係る前決定プロセスの例を示す。
【
図5】
図5は本開示の第1の実施形態がMU MIMOのシナリオに適用される場合の通信手順を示す。
【
図6A】
図6Aは本開示の第2の実施形態に係るネットワーク制御側にある電子デバイスを示すブロック図である。
【
図6B】
図6Bは本開示の第2の実施形態に係るネットワーク制御側にある電子デバイスによって実行される通信方法のシグナリングのフローチャートである。
【
図7A】
図7Aは本開示の第1の実施形態に係るユーザ側にある電子デバイスを示すブロック図である。
【
図7B】
図7Bは本開示の第2の実施形態に係るユーザ側にある電子デバイスによって実行される通信方法のシグナリングのフローチャートである。
【
図8A】
図8Aは本開示の第2の実施形態に係る決定プロセスの例を示す。
【
図8B】
図8Bは本開示の第2の実施形態に係る決定プロセスの別の例を示す。
【
図8C】
図8Cは本開示の第2の実施形態に係る前決定プロセスの例を示す。
【
図9】
図9は本開示の第2の実施形態がMU MIMOのシナリオに適用される場合の通信手順を示す。
【
図10】
図10は本開示の実施形態に係るネットワーク制御側にある電子デバイスの第1の例を示すブロック図である。
【
図11】
図11は本開示の実施形態に係るネットワーク制御側にある電子デバイスの第2の例を示すブロック図である。
【
図12】
図12は本開示の実施形態に係るスマートフォンの概略構成の例を示すブロック図である。
【
図13】
図13は本開示の実施形態に係る自動車ナビゲーションデバイスの概略構成の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明のさらなる特徴は添付の図面を参照して例示的な実施形態の以下の記載から明らかとなる。
【0023】
本発明の例示的な実施形態は図面を参照して以下に記載される。明確さ及び簡素さを目的として、明細書においては全ての特徴が記載されるわけではない。しかしながら、装置やサービスに関連する制限的な条件は、ある実施と別の実施とでは異なるものであり、例えばこれらに応じるようにして開発者の特定の目標を達成するように、特定の要件に従って発明を実施することにおいて、様々な実施に特定的な多くの設定がなされ得るものであることに留意されたい。さらに、本開示から利益を享受する当業者にとっては、発展中の研究は、複雑且つ長大であるもののルーチンな仕事であることは理解される。
【0024】
さらに、図面は本発明の技術的解決に密接に関連するプロセスのステップ及び/又はデバイスの部品のみを例示するものであり、本発明に関連が少ない他の詳細を省略することに留意されたい。
【0025】
次に、添付の図面を参照して、本発明に係る例示的な実施形態及び応用例について詳細な記載が与えられる。
【0026】
1.第1の実施形態
【0027】
1.1 第1の実施形態に係るユーザ側にある電子デバイス及びその通信方法
【0028】
第1の実施形態に係るユーザ側にある電子デバイス200及びその通信方法は、
図2A及び
図2Bを参照して以下で記載される。
【0029】
図2Aは、第1の実施形態に係る電子デバイス200を示すブロック図である。電子デバイス200は、携帯電話、車両内デバイス、タブレット等のユーザデバイス、又はその要素である。
図2Aに示されるように、電子デバイス200は、少なくとも処理回路網201を含む。電子デバイス200の処理回路網201は、電子デバイス200の様々な機能を提供する。例えば、処理回路網201はレポーティングユニット202、決定ユニット203、及び通知ユニット204を含み得る。
【0030】
レポーティングユニット202は、ネットワーク制御デバイスによって割り当てられたチャネル状態フィードバックのためのリソースを用いることによってチャネル状態情報(CSI)をレポーティングするように構成される。本明細書において用いられるように、ネットワーク制御デバイス(例えば、以下で記載されるように、電子デバイス300)は、例えば4G通信標準におけるeNB、又は5G通信標準におけるgNB等の基地局であるか、又はそうした基地局と類似する機能を実行する通信装置であるが、これらに限定されるものではない。典型的には、電子デバイス200とネットワーク制御デバイスとの間の通信チャネルのチャネル状態についての情報を得るためには、ネットワーク制御デバイスは、チャネル査定を実行するために、チャネル状態フィードバックのためのリソース、例えばセル固有の参照信号(CRS)又はCSI参照信号(CSI-RS)、パイロット信号等の参照信号を、電子デバイス200に割り当てる。以下では、CSI-RSは「チャネル状態フィードバックのためのリソース」の例としてしばしば用いられるが、本開示はこれに限定することを意図しておらず、任意の適切な参照信号が用いられ得ることを当業者は理解するものである。チャネルフィードバックの特定のタイプ、及びCSIを望ましく獲得する頻度に依存して、チャネル状態フィードバックのためのリソースは非周期的又は半永続的、又は周期的であってもよい。電子デバイス200のレポーティングユニット202は、例えばCSI-RS等の参照信号を測定することによって所望されるCSIを獲得することができ、且つ得られたCSIをネットワーク制御デバイスにレポーティングすることができる。
【0031】
レポーティングユニット202は、多くの仕方でチャネル状態フィードバックを実行してよい。例えば、レポーティングユニット202は、暗黙の(implicit)仕方でチャネル状態フィードバックを実行してよい。すなわち例えばCQI、PMI、RI、CRI等の、チャネル状態を特徴付ける情報をネットワーク制御デバイスへレポーティングしてよい。或いは、レポーティングユニット202は、明示的な仕方でチャネル状態フィードバックを実行することができる。すなわちチャネルパラメータを直接に、又は圧縮されたチャネルパラメータを、ネットワーク制御デバイスにレポーティングすることができる。
【0032】
レポーティングユニット202は、PMIコードブックに基づく従来のチャネル状態フィードバックに加え、強化されたチャネル状態フィードバックを実行することができる。強化されたチャネル状態フィードバックはいくつかのカテゴリを含む。それらは線形結合されたコードブックに基づくプリコーディングされたフィードバック、チャネル共分散行列のためのフィードバック、及びハイブリッドCSIフィードバックである。これらのフィードバックのカテゴリは、CSIに、より高い分解能、より高い精度、及びより高い充実度を提供することができるものであり、総じて強化されたチャネル状態フィードバックと呼ばれ得るものである。
【0033】
具体的には、線形結合されたコードブックに基づくプリコーディングされたフィードバックは、例えば、2段(two-level)のコードブック、すなわちW=W1W2に基づくフィードバックであってよく、ここでW1は、2次元離散フーリエ変換(2D DFT)ビームによって構成される基底ベクトルをオーバーサンプリングすることによる、2D DFTビームから選択されたL個の直交ビームの集合を表し、そのビーム選択は広帯域の粒度におけるものである。W2はW1におけるL個のビームの線形結合を表し、Lは構成可能であって、2、3、4、6等であり得る。W2におけるビームの線形結合係数に対しては、位相量子化の粒度はサブ帯域であり、マグニチュード・スケーリング因子の量子化粒度は広帯域又はサブ帯域であり得る。チャネル共分散行列のためのフィードバックは、M個の直交基底ベクトルの集合に基づいて、チャネル分散行列を量子化又は圧縮した後のフィードバックであり、レポーティングされるものは、M個の基底ベクトル及び各々の係数を含むことができ、分散行列のためのレポーティングの粒度は広帯域である。ハイブリッドのCSIフィードバックは、例えば、上述の2つのチャネル状態フィードバックのコードブック及びLTEのチャネル状態フィードバック(例えばLTE-クラスBタイプに類似するCSIフィードバック)を結合することができる。
【0034】
電子デバイス200の決定ユニット203は、チャネル状態フィードバックのタイプが変更される必要性があるかどうかの決定をするように構成される。決定ユニット203は、CSIのコンテンツ又は精度について通信サービスが有する要件、ユーザ間干渉等のチャネル干渉、CSIの処理及び伝送についてのオーバーヘッド等を含む様々な要因に基づいて、かような決定プロセスを実行することができる。本開示においては、現在のチャネル状態フィードバックが第1のタイプであって、第1のタイプのCSIをレポーティングするために用いられることを想定する。決定ユニット203は、第2のタイプのチャネル状態フィードバックが第2のタイプのCSIをレポーティングするために用いられることを決定することができる。第1のタイプは第2のタイプとは異なる。決定ユニット203は、第2のタイプのチャネル状態フィードバックの特定のカテゴリをさらに決定する。
【0035】
一例において、チャネル干渉、又は通信サービスよって必要とされるCSIの精度がより高度になっていることを検出したことに応じて、決定ユニット203は以下の決定をすることができる。すなわち、より高い精度を有するCSIがレポーティングされることであって、つまり第2のタイプのチャネル状態フィードバックの精度は第1のタイプのチャネル状態フィードバックよりも高い。一例において、好適なチャネル状態、又は通信サービスによって必要とされるCSIの精度が高くないことを検出したことに応じて、決定ユニット203は以下の決定をすることができる。すなわち、より低い精度を有するCSIがレポーティングされることであって、つまり第2のタイプのチャネル状態フィードバックの精度は第1のタイプのチャネル状態フィードバックよりも低い。一例において、レポーティングされたコンテンツについて通信が有する要件に基づいて、決定ユニット203は、レポーティングされたコンテンツに関連されるチャネル状態フィードバックが実行されること、すなわち第2のタイプのチャネル状態フィードバックは、必要に応じてレポーティングされたコンテンツ、例えばCQI、PMI、RI、CRI、チャネルパラメータ、又は圧縮されたチャネルパラメータ、チャネル共分散行列等をレポーティングすることの決定をすることができる。決定ユニット203が第2のタイプのチャネル状態フィードバックの特定のカテゴリを決定した後、その決定結果はネットワーク制御デバイスに通知するように、通知ユニットに提示される。
【0036】
通知ユニット204は、ネットワーク制御デバイス(例えば、以下で記載されるように、電子デバイス300)に対して、決定ユニット203によってなされた決定結果を通知するように構成される。通知ユニット204は、その決定結果を含むメッセージを生成し、そのメッセージをネットワーク制御デバイスに送信することによって、その通知を実行してよい。例えば、決定結果は、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)又は物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)を介して伝送されるアップリンク制御情報(UCI)に含まれることができ、或いはPUSCHを介して伝送されるCSIパケットの開始部分に含まれることができる。或いは、決定結果は新たに規定されたシグナリングに含まれることができ、PUCCH又はPUSCHを介してレポーティングされることができる。決定結果についての情報は、次になされることが所望されるチャネル状態フィードバックの特定のカテゴリを示してよく、それによりネットワーク制御デバイスは、通知ユニット204によって発行された通知を受信する際にどのチャネル状態フィードバックが次に実行されるかを学習することができ、第2のタイプのチャネル状態フィードバックを実行するために、レポーティングユニット202に対して対応のリソース(例えばCSI-RS)を割り当てる。
【0037】
電子デバイス200は通信ユニット205及びメモリ206をさらに含むことができる。
【0038】
電子デバイス200の通信ユニット205は、処理回路網201の制御の下で、ネットワーク制御デバイスと通信を行い、決定結果、CSI等を含む通知をネットワーク制御デバイスに送信するように構成されることができる。通信ユニット205は、トランスミッタ又はトランシーバとして実施されることができる。一例において、通信ユニット205は、アンテナ装置、無線周波数回路等の通信インタフェースコンポーネントとして実施されることができる。通信ユニット205は処理回路網201の内部に属していてもよく、又は電子デバイス200の外部に属していてもよいため、破線で示されている。
【0039】
電子デバイス200のメモリ206は、処理回路網201によって生成された様々な情報(例えば、決定ユニット203の決定結果)、電子デバイス200が動作するのに用いられるプログラム又はデータ、通信ユニット205によって伝送されるデータ又は情報(例えばCSI)を記憶することができる。メモリ206は処理回路網201の内部に属していてもよく、又は電子デバイス200の外部に属していてもよいため、破線で示されている。メモリ206は揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリであり得る。例えば、メモリ206は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミック・ランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティック・ランダムアクセスメモリ(SRAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリを含み得るがそれらに限定されるものではない。
【0040】
図2Bはユーザ側にある電子デバイス200によって実行される通信方法を示す。
【0041】
図2Bに示されるように、ステップS21において、レポーティングユニット202は、ネットワーク制御デバイスによって割り当てられた第1のタイプのチャネル状態フィードバックのためのリソースを用いることによって、第1のタイプのCSIをネットワーク制御デバイスにレポーティングすることができる。レポーティングユニット202によって実行されるチャネル状態フィードバックのタイプは、ネットワーク制御デバイスによって割り当てられたリソースに関連付けられる。例えば、一例において、ネットワーク制御デバイスは周期的なCSI-RSリソースを電子デバイス200に割り当てることができ、その結果、レポーティングユニット202は、例えば、CQI、CSI-RSリソースに基づくチャネル行列等に関連されるパラメータを測定することができ、且つそれらのCSIをネットワーク制御デバイスに周期的にレポーティングすることができる。
【0042】
ステップS22において、電子デバイス200の決定ユニット203は、第2のタイプのチャネル状態フィードバックが必要とされているかどうかを決定する。その決定プロセスは様々な要因に基づいて実行されることができ、その決定プロセスの例は以下のセクション1.3において後に詳述される。説明のために、強いチャネル干渉が検出された時を想定すると、CSIの精度を確保するためには、決定ユニット203は、第1のタイプのチャネル状態フィードバックとは異なり、且つより高い精度を有するチャネル状態フィードバックが用いられるようになることを決定することができ、例えば、決定ユニット203は、線形結合されたコードブック、共分散行列についてのフィードバック、及びそのハイブリッドのチャネル状態フィードバックに基づくフィードバックのいずれかであることを決定することができる。決定ユニット203がチャネル状態フィードバックのタイプが変更される必要がないことを決定する場合には、レポーティングユニット202は第1のタイプのチャネル状態フィードバックの実行を継続する。
【0043】
ステップS23において、電子デバイス200の通知ユニット204は、決定ユニット203によってなされた決定結果をネットワーク制御デバイスに通知する。かような通知プロセスは、第2のタイプのチャネル状態フィードバックの特定のカテゴリを含むメッセージを生成し且つ伝送することによって実施されることができる。通知プロセスの特定の例としては、以下のセクション1.4において記載される。それにより、その通知を受信する際、ネットワーク制御デバイスは、どのチャネル状態フィードバックが次に用いられるかを学習して、対応のCSI-RSリソースを割り当てることができる。
【0044】
任意に、破線によるボックス内に示されるように、電子デバイス200によって実行される通信方法は、ステップS24をさらに含むことができる。ステップS24において、電子デバイス200のレポーティングユニット202は、ネットワーク制御デバイスによって割り当てられた第2のタイプのチャネル状態フィードバックのためのリソース(例えばCSI-RS)を用いることによって、第2のタイプのCSIをレポーティングすることができる。なお、このとき、レポーティングユニット202は第1のタイプのチャネル状態フィードバックを停止させて第2のタイプのチャネル状態フィードバックのみを実行し得るか、又は第1のタイプのチャネル状態フィードバック及び第2のタイプのチャネル状態フィードバックを同時に実行し得る。
【0045】
1.2 第1の実施形態に係る、ネットワーク制御側にある電子デバイス及びその通信方法
【0046】
第1の実施形態に係る、ネットワーク制御側にある電子デバイス300及びその通信方法は、
図3A及び
図3Bを参照して以下に記載される。
【0047】
図3Aは、第1の実施形態に係る電子デバイス300を示すブロック図である。電子デバイス300は、4G通信標準におけるeNB等の基地局、又は5G通信標準におけるgNB等の基地局であるか、又は類似の機能を実行する通信手段である。電子デバイス300は少なくとも処理回路網301を含む。処理回路網301は、電子デバイス300の様々な機能性を提供する。例えば、処理回路網301は、割り当てユニット302、通知受信ユニット303、及びCSI受信ユニット304を含むことができる。
【0048】
電子デバイス300の割り当てユニット302は、チャネル状態フィードバックのタイプに依存して、ユーザデバイス(例えば電子デバイス200)へ、チャネル状態フィードバックのためのリソースを割り当てるように構成される。チャネル状態フィードバックのためのリソースは、CRS、CSI-RSリソース等の様々なダウンリンク参照信号又はパイロット信号であり得る。割り当てユニット302は、必要に応じて様々なタイプのチャネル状態フィードバックのための参照信号を割り当てることができる。CSI-RS等の参照信号は、特定の時間及び周波数リソースの下でのチャネル査定のために、これらの特定の時間及び周波数リソースに関連付けられる。一例において、割り当てユニット302は、ユーザデバイスがCQI、PMI、RI等の従来のCSIを測定するために、周期的にCSI-RSリソースを割り当てることができる。しかしながら、以下で記載されるように、別のタイプのチャネル状態フィードバックが実行される必要があるとの通知を通知受信ユニット303が受信する場合、割り当てユニット302は、この通知において示されるカテゴリのチャネル状態フィードバックのためのCSI-RSリソースを割り当てることができる。
【0049】
電子デバイス300の通知受信ユニット303は、現在のタイプのチャネル状態フィードバックとは異なる別のタイプのチャネル状態フィードバックを実行する必要があるかどうかに関する通知を受信するように構成される。この通知は、UCIシグナリング・メッセージ又は新たに規定されたシグナリング・メッセージに含まれることができ、且つ特定のカテゴリの別のタイプのチャネル状態フィードバックを示す。
【0050】
その通知を受信した後、電子デバイス300は、次に実行されるそのカテゴリのチャネル状態フィードバックを学習することができ、このようにしてCSI-RSリソース等のチャネル状態フィードバックのための対応のリソースをユーザデバイスに割り当てることができる。
【0051】
CSI受信ユニット304はユーザデバイスからCSIを受信するように構成され、特定のカテゴリの現行のチャネル状態フィードバックに依存し、CSIは、CQI、PMI、RI、CRI、チャネルパラメータ又は圧縮されたチャネルパラメータ、チャネル共分散行列等を含み得る。受信されたCSIは現在のワイヤレス伝送環境についての推定を提供し、且つダウンリンク伝送のリソーススケジューリング又はプリコーディングのための基準を提供することができる。
【0052】
電子デバイス300は通信ユニット305及びメモリ306をさらに含むことができる。
【0053】
電子デバイス300の通信ユニット305は、処理回路網301の制御下において、ユーザデバイスと通信するように構成されることができる。通信ユニット305はトランシーバとして実施可能である。一例において、通信ユニット305は、アンテナ装置、無線周波数回路等の通信インタフェースコンポーネントとして実施可能である。通信ユニット305は処理回路網301内部又は電子デバイス300の外部にも属し得るため、破線で示される。
【0054】
電子デバイス300のメモリ306は、処理回路網301によって生成された様々な情報、電子デバイス300によって用いられる、動作のためのプログラム又はデータ、或いは通信ユニット305によって伝送されるデータ又は情報を記憶することができる。メモリ306は処理回路網301内部又は電子デバイス300の外部にも属し得るため、破線で示される。メモリ306は、揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリであり得る。例えば、メモリ306は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミック・ランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティック・ランダムアクセスメモリ(SRAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリを含み得るが、それらに限定されない。
【0055】
電子デバイス300によって実行される通信方法は
図3Bを参照して以下に記載される。
【0056】
図3Bにおいて示されるように、ステップS31において、電子デバイス300の割り当てユニット302は、第1のタイプのチャネル状態フィードバックのリソースをユーザデバイスに割り当てる。例えば、一例において、ネットワーク制御デバイスは、ユーザデバイスがCQI、PMI、RI等のチャネル状態情報を周期的にレポーティングするために、周期的なCSI-RSリソースをユーザデバイス(例えば上述したような電子デバイス200)に割り当てることができる。
【0057】
次いで、ステップS32において、電子デバイス300の通知受信ユニット303は、第2のタイプのチャネル状態チャネルが実行される必要があるとの決定に関する通知をユーザデバイスから受信し、ここで第2のタイプは第1のタイプとは異なる。このような通知は、第2のタイプのチャネル状態フィードバックの特定のカテゴリについての指示情報を含む。
【0058】
ステップS33において、その指示情報に依存して、電子デバイス300は、どのチャネル状態のレポーティングが次に実行されるかを決定することができ、且つCSI-RSリソース等の第2のタイプのチャネル状態フィードバックのためのリソースを、割り当てユニット301によってユーザデバイスに割り当てることができる。
【0059】
次に、ステップS34において、電子デバイス300のCSI受信ユニット304は、
線形結合されたコードブックに基づくCSI、チャネル共分散行列、ハイブリッドCSI等、より高い精度を有する、ユーザデバイスによってレポーティングされる第2のタイプのCSIを受信する。
【0060】
第2のタイプのCSIを受信する場合、CSI受信ユニット304は第1のタイプのCSIの受信を停止することができる。或いは、CSI受信ユニット304は、第2のタイプのCSI及び第1のタイプのCSIの両方を受信可能である。
【0061】
1.3 第1の実施形態に係る決定プロセス
【0062】
上のセクションにおいて説明されるように、本開示の第1の実施形態において、現在のチャネル状態フィードバックのタイプとは異なるタイプの別のチャネル状態フィードバックを実行する必要性があるかどうかを決定する決定プロセスは、ユーザ側にあるデバイス(例えば電子デバイス200)においてなされる。その決定プロセスは、様々な要因を考慮して実行される。説明のために、マルチユーザでの通信シナリオにおいて実施されるかような決定プロセスの一例を以下に記載する。本明細書において用いられるように、マルチユーザにおける通信は、例えばMU MIMO通信である。
【0063】
MU MIMO通信において、地理的に互いに近いマルチユーザデバイスは、空間多重化によって通信システムに導かれ、各ユーザデバイスは、データ伝送のために1つ以上のレイヤと共に割り当てられる。個々のユーザデバイスによって用いられるレイヤは互いに独立しているが、それぞれのユーザデバイスによって用いられるレイヤ間の直交度に依存し、ある程度のレイヤ間干渉が存在する。レイヤ間干渉が強い場合、MU MIMO通信の伝送パフォーマンスは低減され、CSIの精度を低下させ得る。
【0064】
かようなレイヤ間干渉を査定することによって、現在のチャネル状態フィードバックがそのニーズに見合うかどうかが決定可能である。
【0065】
1.3.1 通信リソース間の直交度に基づく決定プロセス
【0066】
多重化及びマルチ-アクセス技術を用いて通信が実行される場合、ユーザ間干渉は、ユーザデバイスによって用いられる通信リソース間の直交度に大きく依存する。一般的には、それぞれのユーザデバイスに割り当てられる通信リソース(例えば空間多重化におけるレイヤ)間の直交度はより良く、ユーザ間干渉はより小さく、且つ逆にユーザ間干渉はより大きい。それゆえ、ユーザデバイスによって用いられる通信リソース間の直交度に基づき、別のタイプのチャネル状態フィードバックに切り替えるかどうかが決定可能である。
【0067】
一例において、各ユーザデバイスのそれぞれのレイヤに対応する復調参照信号(DMRS)ポートに基づいて直交度が決められることができる。単一のユーザデバイスが複数のレイヤを使用し得る場合には、それぞれのレイヤに対応する異なるDMRSポートが存在する。DMRSはLTEのためのリリース10において導入されたアップリンク参照信号であり、アップリンク制御チャネル及びアップリンクデータチャネルの相互に関連付けられた(correlated)復調のために用いられる。DMRSのスクランブリングコードシーケンスは、ユーザデバイスによる所定の集合のスクランブリングコードシーケンスから選択され、スクランブリングコードシーケンスの数によって識別される。スクランブリングコードシーケンスは対応するDMRSポートを示すことができるので、異なるユーザデバイスによって用いられるレイヤ間の直交度は、それぞれのDMRSポートのスクランブリングコードシーケンス間の相関度によって決められることができる。
【0068】
図4AはDMRS構成情報に基づく決定プロセスの一例のフローチャートである。
【0069】
まず、点線の矢印によって示されるように、現在のユーザデバイス(第1の実施形態に係る通信方法を実行するユーザデバイス)及びマルチユーザ通信に関与している他の対にされたユーザデバイスは、DMRS構成が決定された後、DMRS構成情報をネットワーク制御デバイスにレポーティングする。ユーザデバイスによってレポーティングされたDMRS構成情報は、ユーザデバイスのDMRSポート数、スクランブリングコードシーケンス数、セル数、時間周波数マッピング位置等を含むことができる。かようなレポーティングプロセスは、マルチユーザ通信のためのプレスケジューリングの間に完了可能であり、全てのユーザデバイスによってレポーティングされたDMRS構成情報はそのネットワーク制御デバイスにて保存される。
【0070】
次いで、現在のユーザデバイスはDMRS構成情報リクエストR1をネットワーク制御デバイスに伝送する。リクエストR1の受信に応答して、ネットワーク制御デバイスはそのDMRS構成情報を現在のユーザデバイスに伝送する。現在のユーザデバイスはそれ自身のDMRS構成に関連する情報を保存しているので、ネットワーク制御デバイスは、伝送量を低減するために、現在のユーザデバイスを除いた他の対にされたユーザデバイスのDMRS構成情報を伝送する必要がある。
【0071】
次に、他の対にされたユーザデバイスのDMRS構成情報を獲得した後、現在のユーザデバイスは、そのm(m≧1)のDMRSポートのスクランブリングコードシーケンスと、各々の対にされたユーザデバイスのDMRSポート(トータルでn、n≧1)のスクランブリングコードシーケンスとの間の相関度を決めることができる。
【0072】
例えば、現在のユーザデバイスの各々のDMRSポートのスクランブリングコードシーケンスと、他の対にされたユーザデバイスの各々のDMRSポートのスクランブリングコードシーケンスとのドット積が計算可能であり、m×nのドット積はトータルで取得可能である。一例において、m×nのドット積について平均が計算可能であり、その平均はスクランブリングコードシーケンス間の全体の相関度を示す。次いで、その平均は所定の閾値と比較され、その平均が所定の閾値よりも大きい場合、現在のユーザデバイスと、他の対にされたユーザデバイスとによって用いられたDMRSポートのスクランブリングコードシーケンス間の全体の相関度が高い、すなわち現在のユーザデバイスと他の対にされたユーザデバイスとによって用いられたレイヤ間の直交度が悪く、強いレイヤ間干渉を生じさせる傾向にあることが想定可能である。従って、現在のユーザデバイス(例えば、電子デバイス200の決定ユニット203)は、より高い精度にて、チャネル状態フィードバックを用いる必要性があることを決定することができる。その平均が所定の閾値より小さいか、又は等しい場合、現在のユーザデバイスと他の対にされたユーザデバイスとによって用いられたレイヤ間の直交度が良く、強いレイヤ間干渉を生じさせる傾向にないことが想定可能である。従って、現在のユーザデバイス(例えば、電子デバイス200の決定ユニット203)は、より高い精度にて、チャネル状態フィードバックを用いる必要性がないことを決定することができる。
【0073】
或いは、現在のユーザデバイスの単一のDMRSポートについて、スクランブリングコードシーケンス間の相関度を判断するように、m×nのドット積のサブ集合について平均が計算可能であり、その結果、現在のユーザデバイスの所定のレイヤが干渉される傾向にある限りで、さらに正確なチャネル状態フィードバックを用いる必要があることが決定される。
【0074】
2つのスクランブリングコードシーケンスのドット積を計算することによってスクランブリングコードシーケンスの相関度を判断するアプローチが上述されているが、2つのスクランブリングコードシーケンスの間において、コサイン類似度、ユークリッド距離等を計算することによって他のアプローチも利用可能である。
【0075】
1.3.2 チャネル品質の劣化度に基づく決定プロセス
【0076】
別のタイプのチャネル状態フィードバックを実行する必要性が存在するか否かを決定することにおいて、それはユーザデバイスによって用いられる通信リソース間の直交度に基づくことに加え、ユーザデバイスとネットワーク制御デバイスとの間のチャネルのチャネル品質の劣化度に基づき得る。
【0077】
ユーザデバイスとネットワーク制御デバイスとの間のワイヤレスチャネルが干渉される場合、チャネル状態の劣化及びチャネル品質の低下を生じる可能性が高い場合があり、その結果、チャネル状態フィードバックの制度は低下される。例えば、ユーザデバイスが単一ユーザ通信からマルチユーザ通信(例えばMU MIMO)へと切り替えられた場合、現在のユーザデバイスのチャネルは他のユーザデバイスの通信によって干渉される傾向にある。それゆえ、チャネル品質の劣化度を検出することによって、より正確なチャネル状態フィードバックを用いる必要性が存在するかが決定可能である。
【0078】
図4Bはチャネル品質の劣化度に基づく決定プロセスの一例のフローチャートを示す。
【0079】
まず、ユーザデバイスを関与させるMU MIMO等のマルチユーザ通信の間、ネットワーク制御デバイスは、チャネル状態フィードバックのためのCSI-RSリソースをユーザデバイスに割り当て、ユーザデバイスは、そのCSI-RSリソースに基づき、CQI等のCSIを獲得可能である。このとき獲得されたCQIは、ユーザデバイスのマルチユーザ通信の間のチャネル品質を示し、MU_CQIで示される。
【0080】
その後、ユーザデバイスは、MU-CQIと、マルチユーザ通信前の単一ユーザ通信の間に獲得されたCQIとの差、すなわちΔCQI=SU_CQI-MU_CQIを計算可能である。ここで、ΔCQIは、単一ユーザ通信の間のチャネル品質に対する、マルチユーザ通信の間のユーザデバイスの、ユーザ間干渉に起因するチャネル品質の劣化度を示す。
【0081】
次いで、ユーザデバイスは、ΔCQIに基づいて別のタイプのチャネル状態フィードバックを用いる必要性が存在するかどうかを決定することができる。例えば、ΔCQIが所定の閾値よりも大きい場合、チャネル品質はチャネル状態フィードバックの精度に対して影響を与えるよう十分に劣化され得ることが想定可能であり、こうしてユーザデバイス(例えば電子デバイス200の決定ユニット203)はより正確なチャネル状態フィードバックを用いる必要性が存在するかどうかを決定することができる。対照的に、ΔCQIが所定の閾値よりも大きくない場合、チャネル品質はチャネル状態フィードバックの精度に対して影響を与えるよう十分に劣化されていないことが想定可能であり、こうしてユーザデバイスはチャネル状態フィードバックのタイプを変更する必要性が存在しないことを決定することができる。
【0082】
1.3.3 前決定プロセス
【0083】
第1の実施形態において、別のタイプのチャネル状態フィードバックを実行する必要性が存在するかどうかを決定する間、
図4A又は
図4Bにあるように、決定プロセスを実行することに加え、前決定プロセスがまず実行可能であり、次いで
図4A又は
図4Bにあるように、決定プロセスが実行される。ここで前決定プロセスは、以降の決定プロセスを実行することが必要であるかどうかを決めるよう、現在のチャネル状態を大まかに査定することを目的とする。
【0084】
図4Cは第1の実施形態に係るマルチユーザ通信のプレスケジューリングの間の前決定プロセスの一例のシグナリングのフローチャートを示し、ここでプレスケジューリングとは、通信システムのネットワーク制御デバイスが、通信リソース(例えば時間及び周波数のリソース)等の最適な割り当て等を含む、最適なスケジューリングを見出すよう、マルチユーザ通信のための様々なスケジューリング・ソリューションをテストすることを意味する。
【0085】
図4Cに示されるように、MU MIMO等のマルチユーザ通信のプレスケジューリングはLのサブフレームの期間に起きるものである。各プレスケジューリングの間、ネットワーク制御デバイスはCSI-RSリソースをユーザデバイスに割り当て、そのユーザデバイスは、割り当てられたCSI-RSリソースを用いることによって、現在のスケジューリング・ソリューションの下でCQIを測定することができる。
【0086】
Lのプレスケジューリングが完了した後、ユーザデバイスはLのCQIを取得可能である。次いで、ユーザデバイスは、LのCQIのうち、所定の値よりも小さいCQIの数をカウントすることができる。所定の値よりも小さいCQIが所定数を超える場合、例えば、L/2を超える場合(ここでL/2は単なる例であって、その数は任意の他の適切な数であり得る)、全体のプレスケジューリングの間の全体のチャネル品質が満足のいくものではないことが想定可能であり、後に正式に実行されるマルチユーザ通信において、強いユーザ間干渉が、最適スケジューリング・ソリューションに従った場合でさえも生じる傾向が高い可能性がある。この場合、前決定プロセスの結果に基づいて、
図4A又は
図4Bにおいて示されるように、チャネル状態フィードバックのタイプを変更する必要性が存在するかどうかの最終的な決定に達するよう、決定プロセスが実行可能である。
【0087】
所定の値よりも小さいCQIがL/2を越えない場合、問題となっているマルチユーザ通信のためのスケジューリング・ソリューションが強いユーザ間干渉をもたらさないことが想定可能であり、
図4A又は
図4Bに示されるように、処理オーバーヒア又はシグナリング・オーバーヘッドを低減するよう、その決定プロセスを実行することは必要ない。
【0088】
上述のように、前決定されたプロセスを実行することにより、チャネル状態フィードバックのタイプを変更する必要性が存在するかどうかに関する決定プロセスは、特にマルチユーザ通信のスケジューリング・ソリューションが大きなチャネル干渉をもたらさない場合に、低減可能である。
【0089】
1.4 第1の実施形態に係る通知プロセス
【0090】
上のセクションにおいて記載されたように、電子デバイス200の通知ユニット204は、チャネル状態フィードバックのタイプを変更することに関して決定ユニット203によってなされた決定結果を、ネットワーク制御デバイス(例えば電子デバイス300)へ通知することができる。その通知は、第2のタイプのチャネル状態フィードバックのカテゴリを示す情報を伝送することによって実施可能である。
【0091】
一例において、第2のタイプのチャネル状態フィードバックのカテゴリについての指示情報CSI_TYPE_Flagは、アップリンク・シグナリング・メッセージ、例えばPUCCH又はPUSCHを介して伝送されるアップリンク制御情報(UCI)又はPUSCHを介して伝送されるCSIパケットに含まれることができる。好ましくは、指示情報CSI_TYPE_FlagはUCIにおいて、例えば、目下使用されていないUCIのフィールドにおいて、又はUCIの新たに追加されたフィールドにおいて(例えば、UCIの最初に、その中間に、その最後に新たに追加された部分)、含まれることができる。
【0092】
或いは、指示情報CSI_TYPE_Flagは、新たに規定されたアップリンク・シグナリング・メッセージにおいて含まれることができ、且つPUCCH又はPUSCHを介してネットワーク制御デバイスへ伝送されることができる。アップリンク・シグナリング・メッセージはその指示情報CSI_TYPE_Flagを含むフィールドを少なくとも有する。
【0093】
指示情報CSI_TYPE_Flagを含むシグナリング・メッセージを受信した後、ネットワーク制御デバイスは、対応するCSI-RSリソースを割り当てるために、チャネル状態フィードバックのどのタイプが実行されるかを学習することができる。
【0094】
指示情報CSI_TYPE_Flagはわずか数ビットで表されることができる。
【0095】
一例において、指示情報CSI_TYPE_Flagは、例えばCSI_TYPE_Flag=0の場合、1ビットで表されることができ、それは、低い精度でのチャネル状態フィードバックが実行され、CQI、PMI、CRI等のチャネル状態情報のみがレポーティングされることを意味する。CSI_TYPE_Flag=1の場合、それは、より正確なチャネル状態フィードバックが実行され、例えば線形結合されたコードブックに基づくプリコーディングされたフィードバック、共分散行列のためのフィードバック、ハイブリッドCSIフィードバック等を意味する。指示情報CSI_TYPE_Flag=1を受信した後、ネットワーク制御デバイスは、CSIの精度が改善される限りにおいて、それ自身においてどのタイプのチャネル状態フィードバックかを決めることができ、且つ対応するCSI-RSリソースを割り当てることができる。
【0096】
好適な例において、指示情報CSI_TYPE_Flagは、以下の表に示されるように、例えば2ビットで表されることができる。
【0097】
【0098】
なお、上記の表はあくまで例示であって、ビット値及び指示情報の対応はそれに限定されない。
【0099】
別の例において、指示情報CSI_TYPE_Flagは、チャネル状態フィードバックのさらなるカテゴリに対応可能であることのフィージビリティを有するために、2ビットよりも大きいビットで表されることができる。
【0100】
1.5 第1の実施形態に係る適用例
【0101】
第1の実施形態の態様が上述されたが、以下では
図5を参照してMU MIMO通信シナリオの下での適用例を記載する。この適用例はMU MIMO通信シナリオを考慮するものであるが、他のマルチユーザ通信シナリオにも適用可能である。
【0102】
MU MIMO通信の開始前に、ユーザデバイスは、非ゼロ電力(non-zero-power)のCSI-RSの受信電力、すなわち参照信号受信電力(RSRP)を測定可能であり、RSRPが閾値P’(P’はセルの端にいるユーザのRSRPの最大である)よりも大きい場合にのみ、そのユーザデバイスがセルの端にはいないことが想定可能であり、MU MIMO通信が実行可能である。
【0103】
MU MIMO通信をユーザデバイスが実行可能であることを決定した後、ネットワーク制御デバイスは、
図5に示されるように、そのユーザデバイス及び他のユーザデバイスについて、MU MIMOの最適なスケジューリング・ソリューションを決定するように、地理的に互いに近くにあるそれらのユーザデバイスについてプレスケジューリングを実行することができる。
【0104】
プレスケジューリングが完了した後、ネットワーク制御デバイスは、その最適なスケジューリング・ソリューションに従ってMU MIMO伝送を実施することができる。
【0105】
MU MIMO伝送の間、ネットワーク制御デバイスは第1のタイプのCSI-RSリソースをユーザデバイスに割り当てることができ、そのユーザデバイスは、そのCSI-RSリソースを用いる第1のタイプのCSIを獲得し、且つ獲得されたCSIを、使用するためにネットワーク制御デバイスにレポーティングする。
【0106】
他方で、そのユーザデバイスは、第2のタイプのチャネル状態フィードバックを実行する必要性が存在するかどうかに関する決定プロセスを実行することができる。例えば、ユーザデバイスは、
図4A又は
図4Bにおいて示されるように、決定プロセスを実行することができるか、或いはまず
図4Cにおいて示されるように、前決定プロセスを実行し、次いで
図4A又は
図4Bにおいて示されるように、決定プロセスを実行することができる。ユーザデバイスがチャネル状態フィードバックのタイプを変更する必要性が存在することを決定しており、且つ特定のカテゴリのチャネル状態フィードバックを決定する場合、その決定を含む通知が生成可能であり、且つセクション1.4において上記されたように、例えば、通知プロセスを用いることによって、ネットワーク制御デバイスに送信可能である。
【0107】
通知を受信した後、ネットワーク制御デバイスは、実行されるチャネル状態フィードバックのカテゴリを学習することができ、且つ第2のタイプのCSI-RSリソースをユーザデバイスに割り当てることができる。第2のタイプのCSI-RSリソースを割り当てることと同時に、ネットワーク制御デバイスは第1のタイプのCSI-RSリソースを割り当てることを停止することができる。或いは、ネットワーク制御デバイスは、第2のタイプのCSI-RSリソースを割り当てる間、第1のタイプのCSI-RSリソースを割り当てることを継続することができる。
【0108】
次いで、ユーザデバイスは、第2のタイプのCSIを獲得するために、第2のタイプのCSI-RSリソースを用いることができ、且つその獲得された第2のタイプのCSIをネットワーク制御デバイスにレポーティングすることができる。第2のタイプのCSIをレポーティングする間、ユーザデバイスは、ネットワーク制御デバイスが第1のタイプのCSI-RSリソースの割り当てを停止することに応じて、第1のタイプのCSIのレポーティングを停止してもよく、或いは、ネットワーク制御デバイスが第1のタイプのCSI-RSリソースの割り当てを継続することに応じて、第1のタイプのCSIのレポーティングを継続することができる。
【0109】
2.第2の実施形態
【0110】
上記のように第1の実施形態において、チャネル状態フィードバックのタイプを変更する必要性が存在するかどうかに関する決定プロセスは、ユーザ側において実行されるが、その決定プロセスはネットワーク制御側で実行されることも可能である。
【0111】
本発明の第2の実施形態は図面を参照して記載される。以下の記載は第1の実施形態とは異なる部分に焦点を当て、同様の部分の記載は省略されるか簡略化される。
【0112】
2.1 第2の実施形態に係るネットワーク制御側にある電子デバイス及びその通信方法
【0113】
第2の実施形態に係るネットワーク制御側にある電子デバイス600及びその通信方法は
図6A及び
図6Bを参照して以下に記載される。
【0114】
図6Aは第2の実施形態に係る電子デバイス600を示すブロック図である。電子デバイス600は、例えば4G通信標準におけるeNB、又は5G通信標準におけるgNB等の基地局であるか、又は類似する機能を実行する通信手段である。電子デバイス600は処理回路網601を少なくとも含む。処理回路網601は電子デバイス600の様々な機能を提供する。例えば、処理回路網601は割り当てユニット602、決定ユニット603、及び通知ユニット604を含むことができる。
【0115】
電子デバイス600の割り当てユニット602は、チャネル状態フィードバックのタイプに依存して、チャネル状態フィードバックのためのリソースをユーザデバイス(例えば以下に記載されるように電子デバイス700)に割り当てるように構成される。チャネル状態フィードバックのためのリソースは、CRS、CSI-RS等の様々なダウンリンク参照信号又はパイロット信号であり得る。割り当てユニット602は、様々なタイプのチャネル状態フィードバックのための参照信号を割り当てることができる。例えば、割り当てユニット602は、ユーザデバイスがCQI、PMI、RI等の従来のCSIを測定するために、周期的にCSI-RSリソースを割り当てることができる。しかしながら、以下で記載されるように、強化されたチャネル状態フィードバックが実行されることを決定ユニット603が決定する場合、その強化されたチャネル状態フィードバックのためのリソースは割り当てユニット602によって割り当て可能である。
【0116】
電子デバイス600の決定ユニット603は、チャネル状態フィードバックのタイプを変更する必要性があるかどうかを決定するように構成される。決定ユニット603は、CSIのコンテンツ又は精度について通信サービスが有する要件、ユーザ間干渉等のチャネル干渉、CSIの処理及び伝送についてのオーバーヘッド等を含む様々な要因に基づいて、かような決定プロセスを実行することができる。本開示においては、現在のチャネル状態フィードバックが第1のタイプであって、第1のタイプのCSIをレポーティングするために用いられることを想定する。決定ユニット603は、第2のタイプのチャネル状態フィードバックが第2のタイプのCSIをレポーティングするために用いられることを決定することができる。決定ユニット603は、第2のタイプのチャネル状態フィードバックの特定のカテゴリをさらに決定する。
【0117】
通知ユニット604は、決定ユニット603によってなされた決定結果をユーザデバイス(例えば以下に記載されるように電子デバイス700)に通知するように構成される。通知ユニット604は、その決定結果を含むメッセージを生成することによって通知を実行することができ、且つそれをユーザデバイスに送信することができる。例えば、決定結果は、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を介して伝送されるダウンリンク制御情報(DCI)シグナリングに含まれることができるか、又はPDCCHを介してユーザデバイスに伝送される新たに規定されたダウンリンク・シグナリング・メッセージに含まれることができる。その決定結果についての情報は、次に実行されることが所望されるチャネル状態フィードバックの特定のカテゴリを示してよく、このようにしてネットワーク制御デバイスは、通知ユニット604によって発行される通知を受信すると、どのチャネル状態フィードバックが次に実行されるかを知ることができ、且つチャネル状態フィードバックのための対応のリソース(例えばCSI-RS)を利用することによって、第2のタイプのCSIを獲得し、レポーティングすることができる。
【0118】
電子デバイス600は通信ユニット605及びメモリ606をさらに含むことができる。
【0119】
電子デバイス600の通信ユニット605は、処理回路網601の制御下でユーザデバイスと通信するように構成可能である。通信ユニット605はトランシーバとして実施可能である。一例において、通信ユニット605は、アンテナ装置、無線周波数回路等の通信インタフェースコンポーネントとして実施可能である。通信ユニット605は処理回路網601内部又は電子デバイス600の外部にも属し得るため、破線で示される。
【0120】
電子デバイス600のメモリ606は、処理回路網601によって生成された様々な情報、電子デバイス600が動作するのに用いられるプログラム又はデータ、通信ユニット605によって伝送されるデータ又は情報を記憶することができる。メモリ606は処理回路網601の内部に属していてもよく、又は電子デバイス300の外部に属していてもよいため、破線で示されている。メモリ606は揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリであり得る。例えば、メモリ606は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミック・ランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティック・ランダムアクセスメモリ(SRAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリを含み得るがそれらに限定されるものではない。
【0121】
電子デバイス600によって実行される通信方法は
図6Bを参照して以下に記載される。
【0122】
図6Bに示されるように、ステップS61において、電子デバイス600の割り当てユニット602は第1のタイプのチャネル状態フィードバックのためのリソースをユーザデバイスに割り当てる。例えば、一例において、ネットワーク制御デバイスは、ユーザデバイスがCQI、PMI、RI等のチャネル状態情報を周期的にレポーティングするために、周期的なCSI-RSリソースをユーザデバイス(例えば以下に記載されるように電子デバイス700等)に割り当てることができる。
【0123】
次いで、ステップS62において、電子デバイス600の決定ユニット602は第2のタイプのチャネル状態フィードバックを実行するかどうかを決定し、ここで第2のタイプは第1のタイプとは異なるものである。決定プロセスは様々な要因に基づいて実行可能であり、その決定プロセスの例は以下のセクション2.3において詳細に記載される。決定ユニット603が、第2のタイプのチャネル状態フィードバックが実行されることを決定する場合、その決定結果及び第2のタイプのチャネル状態フィードバックの特定のカテゴリについての情報は通知ユニット604へ提示される。決定ユニット603が、チャネル状態フィードバックのタイプが変更される必要がないことを決定する場合、割り当てユニット702は第1のタイプのチャネル状態フィードバックの実行を継続する。
【0124】
ステップS63において、電子デバイス600の通知ユニット604は、決定ユニット603によってなされた決定結果をユーザデバイスに通知する。かような通知プロセスは、第2のタイプのチャネル状態フィードバックの特定のカテゴリを含むメッセージを生成及び伝送することによって実施可能である。通知プロセスの特定の例は以下のセクション2.4において記載される。
【0125】
次に、ステップS64において、電子デバイス600の割り当てユニット602は、決定ユニット603によってなされた決定結果に基づき、第2のタイプのチャネル状態フィードバックのためのリソースの割り当てを開始することができ、このようにしてユーザデバイスは第2のタイプのCSIを獲得及びレポーティングすることができる。
【0126】
2.2 第2の実施形態に係る、ユーザ側にある電子デバイス及びその通信方法
【0127】
第2の実施形態に係る、ユーザ側にある電子デバイス700及びその通信方法は、
図7A及び
図7Bを参照して以下に記載される。
【0128】
図7Aは、第2の実施形態に係る電子デバイス700を示すブロック図である。電子デバイス200は、携帯電話、車両内デバイス、タブレット等のユーザデバイス、又はその要素である。
図7Aに示されるように、電子デバイス700は、少なくとも処理回路網701を含む。電子デバイス700の処理回路網701は、電子デバイス200の様々な機能を提供する。例えば、処理回路網701はレポーティングユニット702及び通知受信ユニット703を含み得る。
【0129】
レポーティングユニット702は、ネットワーク制御デバイス(例えば上で記載されたように電子デバイス600等)によって割り当てられたチャネル状態フィードバックのためのリソースを用いることによってCSIを獲得及びレポーティングするように構成される。レポーティングユニット702は様々な方法でチャネル状態フィードバックを実行し得る。例えば、レポーティングユニット702は、暗黙の仕方でチャネル状態フィードバックを実行してよい。すなわち例えばCQI、PMI、RI、CRI等の、チャネル状態を特徴付ける情報をネットワーク制御デバイスへレポーティングしてよい。或いは、レポーティングユニット702は、線形結合されたコードブックに基づくプリコーディングされたフィードバック、チャネル共分散行列のためのフィードバック、ハイブリッドCSIフィードバック等を含む明示的な仕方でのレポーティングを実行することができる。
【0130】
電子デバイス700の通知受信ユニット703は、ネットワーク制御デバイスから別のタイプのチャネル状態フィードバックを実行することが要求されるかどうかについての通知を受信するように構成される。この通知は、電子デバイス700によって実行されるチャネル状態フィードバックの特定のカテゴリについての情報を含むことができ、この情報に基づいて、電子デバイス700のレポーティングユニット702は、ネットワーク制御デバイスによる使用のために、例えばリソーススケジューリング又はプリコーディングの実行において使用するために、対応のCSIをレポーティングすることができる。
【0131】
電子デバイス700は通信ユニット705及びメモリ706をさらに含むことができる。
【0132】
電子デバイス700の通信ユニット705は、CSI等をネットワーク制御デバイスに伝送するよう、処理回路網701の制御下で、ユーザデバイスと通信するように構成可能である。通信ユニット705は、トランスミッタ又はトランシーバとして実施可能である。一例において、通信ユニット705は、アンテナ装置、無線周波数回路等の通信インタフェースコンポーネントとして実施されることができる。通信ユニット705は処理回路網701の内部に属していてもよく、又は電子デバイス700の外部に属していてもよいため、破線で示されている。
【0133】
電子デバイス700のメモリ706は、処理回路網701によって生成された様々な情報、電子デバイス700によって用いられる、動作のためのプログラム又はデータ、通信ユニット705によって伝送されるデータ又は情報(例えばCSI)を記憶することができる。メモリ706は処理回路網701内部又は電子デバイス700の外部にも属し得るため、破線で示される。メモリ706は、揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリであり得る。例えば、メモリ706は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミック・ランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティック・ランダムアクセスメモリ(SRAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリを含み得るが、それらに限定されない。
【0134】
図7Bは、ユーザ側にある電子デバイス700によって実行される通信方法を示す。
【0135】
図7Bにおいて示されるように、ステップS71において、電子デバイス700のレポーティングユニット702は、ネットワーク制御デバイスによって割り当てられた第1のタイプのチャネル状態フィードバックのためのリソースを用いることによって、第1のタイプのCSIをレポーティングすることができる。レポーティングユニット702によって実行されるチャネル状態フィードバックのタイプは、そのネットワーク制御デバイスによって割り当てられたリソースに関連付けられている。例えば、一例において、ネットワーク制御デバイスは、周期的なCSI-RSリソースを電子デバイス700へ割り当てることができ、このようにしてレポーティングユニット702は、CSI-RSリソースを用いることによって、例えばCQI、チャネル行列に関連されるパラメータ等を測定することができ、CSIをネットワーク制御デバイスに周期的にレポーティングすることができる。
【0136】
ステップS72において、電子デバイス700の通知受信ユニット703は、第2のタイプのチャネル状態フィードバックを実行する必要性が存在することの通知を、ネットワーク制御デバイスから受信する。その通知に含まれる情報が抽出され、このようにして第2のタイプのチャネル状態フィードバックの特定のカテゴリについての指示情報が取得可能である。
【0137】
ステップS73において、その通知から抽出された指示情報に基づいて、電子デバイス700のレポーティングユニット702は第2のタイプのチャネル状態フィードバックを実行し、獲得されたCSIをネットワーク制御デバイスにレポーティングする。
【0138】
2.3 第1の実施形態に係る決定プロセス
【0139】
本開示の第1の実施形態において、現在のチャネル状態フィードバックのタイプとは異なるタイプの別のチャネル状態フィードバックを実行する必要性が存在するかどうかを決定する決定プロセスが、ネットワーク制御側にあるデバイス(例えば電子デバイス600)においてなされる。その決定プロセスは、様々な要因を考慮して実行可能である。説明を目的として、マルチユーザ通信のシナリオにおいて実施されるそのような決定プロセスの一例が以下に詳細に記載される。本明細書において用いられるように、マルチユーザ通信は、例えば、MU MIMO通信である。
【0140】
MU MIMO通信において、各々のユーザデバイスによって用いられるレイヤ間の直交度に依存して、ある程度、レイヤ間干渉が存在する。レイヤ間干渉が強い場合、MU MIMO通信の伝送のパフォーマンスは低減され、CSIの精度を低下させ得る。かようなレイヤ間干渉を査定することによって、現在のチャネル状態フィードバックがその必要性を満たすか否かを決めることができる。
【0141】
2.3.1 通信リソース間の直交度に基づく決定プロセス
【0142】
上のセクション1.3.1において説明されるように、チャネル状態フィードバックのタイプを変更する必要性が存在するかどうかに関する決定プロセスは、ユーザデバイスによって用いられる通信リソース間の直交度に基づいて実行可能である。
【0143】
一例において、直交度は、各々のユーザデバイスのレイヤに対応する変調参照信号(DMRS)ポートに基づいて決めることができる。ここでDMRSポートは、対応のスクランブリングコードシーケンスによって示されることができる。異なるユーザデバイスによって用いられるレイヤ間の直交度は、各々のDMRSポートのスクランブリングコードシーケンス間の相関度を査定することによって決められてよい。
【0144】
図8Aは、DMRS構成情報に基づく決定プロセスの例のシグナリングのフローチャートである。
【0145】
まず、点線の矢印によって示されるように、現在のユーザデバイス(第2の実施形態に係る通信方法を実行するユーザデバイス)及びマルチユーザ通信に関与している他の対にされたユーザデバイスは、DMRS構成が決定された後、DMRS構成情報をネットワーク制御デバイスにレポーティングする。ユーザデバイスによってレポーティングされたDMRS構成情報は、ユーザデバイスのDMRSポート数、スクランブリングコードシーケンス数、セル数、時間周波数マッピング位置等を含むことができる。かようなレポーティングプロセスは、マルチユーザ通信のためのプレスケジューリングの間に完了可能であり、全てのユーザデバイスによってレポーティングされたDRMS構成情報はそのネットワーク制御デバイスにて保存される。
【0146】
次いで、ネットワーク制御デバイスは、ユーザデバイスによってレポーティングされたDMRS構成に基づいて、各々のユーザデバイスによって用いられる通信リソース間の直交度を査定することができる。ネットワーク制御デバイスは、現在のユーザデバイスのm(m≧1)のDMRSポートのスクランブリングコードシーケンスと、他の対にされたユーザデバイスのDMRSポート(トータルでn、n≧1)のスクランブリングコードシーケンスとの間の相関度を決めることができる。
【0147】
例えば、現在のユーザデバイスの各々のDMRSポートのスクランブリングコードシーケンスと、他の対にされたユーザデバイスの各々のDMRSポートのスクランブリングコードシーケンスとのドット積が計算可能であり、m×nのドット積はトータルで取得可能である。一例において、m×nのドット積について平均が計算可能であり、その平均はスクランブリングコードシーケンス間の全体の相関度を示す。次いで、その平均は所定の閾値と比較され、その平均が所定の閾値よりも大きい場合、現在のユーザデバイスと、他の対にされたユーザデバイスとによって用いられたDMRSポートのスクランブリングコードシーケンス間の全体の相関度が高い、すなわち現在のユーザデバイスと他の対にされたユーザデバイスとによって用いられたレイヤ間の直交度が悪く、強いレイヤ間干渉を生じさせる傾向にあることが想定可能である。従って、現在のユーザデバイス(例えば、電子デバイス600の決定ユニット603)は、より高い精度にて、チャネル状態フィードバックを用いる必要性があることを決定することができる。その平均が所定の閾値より小さいか、又は等しい場合、現在のユーザデバイスと他の対にされたユーザデバイスとによって用いられたレイヤ間の直交度が良く、強いレイヤ間干渉を生じさせる傾向にないとことが想定可能である。従って、現在のユーザデバイス(例えば、電子デバイス600の決定ユニット603)は、より高い精度にて、チャネル状態フィードバックを用いる必要性がないことを決定することができる。
【0148】
或いは、現在のユーザデバイスの単一のDMRSポートについて、スクランブリングコードシーケンス間の相関度を判断するように、m×nのドット積のサブ集合について平均が計算可能であり、その結果、現在のユーザデバイスの所定のレイヤが干渉される傾向にある限りで、さらに正確なチャネル状態フィードバックを用いる必要があることが決定される。
【0149】
2つのスクランブリングコードシーケンスのドット積を計算することによってスクランブリングコードシーケンスの相関度を決定するアプローチが上述されているが、例えば2つのスクランブリングコードシーケンスの間において、コサイン類似度、ユークリッド距離等を計算することによって他のアプローチも利用可能である。
【0150】
2.3.2 チャネル品質の劣化度に基づく決定プロセス
【0151】
別のタイプのチャネル状態フィードバックを実行する必要性が存在するか否かを決定することにおいて、それはユーザデバイスによって用いられる通信リソース間の直交度に基づくことに加え、ユーザデバイスとネットワーク制御デバイスとの間のチャネルのチャネル品質の劣化度に基づき得る。
【0152】
図8Bはチャネル品質の劣化度に基づく決定プロセスの一例のシグナリングのフローチャートを示す。
【0153】
まず、ユーザデバイスを関与させるMU MIMO等のマルチユーザ通信の間、ネットワーク制御デバイスは、チャネル状態フィードバックのためのCSI-RSリソースをユーザデバイスに割り当て、ユーザデバイスは、そのCSI-RSリソースに基づき、CQIを含むCSIを獲得可能である。このとき獲得されたCQIは、ユーザデバイスのマルチユーザ通信の間のチャネル品質を示し、MU_CQIで示される。
【0154】
その後、ネットワーク制御デバイスは、MU-CQIと、マルチユーザ通信前の単一ユーザ通信の間に獲得されたCQIとの差、すなわちΔCQI=SU_CQI-MU_CQIを計算可能である。ここで、ΔCQIは、単一ユーザ通信の間のチャネル品質に対する、マルチユーザ通信の間のユーザデバイスの、ユーザ間干渉に起因するチャネル品質の劣化度を示す。
【0155】
次いで、ネットワーク制御デバイスは、ΔCQIに基づく別のタイプのチャネル状態フィードバックを用いる必要性が存在するかどうかを決定することができる。例えば、ΔCQIが所定の閾値よりも大きい場合、チャネル品質はチャネル状態フィードバックの精度に対して影響を与えるよう十分に劣化され得ることが想定可能であり、こうしてユーザデバイス(例えば電子デバイス600の決定ユニット603)はより正確なチャネル状態フィードバックを用いる必要性が存在するかどうかを決定してよい。対照的に、ΔCQIが所定の閾値よりも大きくない場合、チャネル品質はチャネル状態フィードバックの精度に対して影響を与えるよう十分に劣化されていないことが想定可能であり、こうしてユーザデバイスはチャネル状態フィードバックのタイプを変更する必要性が存在しないことを決定し得る。
【0156】
2.3.3 前決定プロセス
【0157】
第2の実施形態において、別のタイプのチャネル状態フィードバックを実行する必要性が存在するかどうかを決定する間、
図8A又は
図8Bにあるように、決定プロセスを実行することに加え、前決定プロセスがまず実行可能であり、次いで
図8A又は
図8Bにあるように、決定プロセスが実行される。ここで前決定プロセスは、以降の決定プロセスを実行することが必要であるかどうかを決めるよう、現在のチャネル状態を大まかに査定することを目的とする。
【0158】
図8Cは第2の実施形態に係るマルチユーザ通信のプレスケジューリングの間の前決定プロセスの一例のシグナリングのフローチャートを示す。
【0159】
図8Cに示されるように、MU MIMO等のマルチユーザ通信のプレスケジューリングはLのサブフレームの期間に起きるものである。各プレスケジューリングの間、ネットワーク制御デバイスはCSI-RSリソースをユーザデバイスに割り当て、そのユーザデバイスは、割り当てられたCSI-RSリソースを用いることによって、現在のスケジューリング・ソリューションの下でCQIを測定することができる。
【0160】
Lのプレスケジューリングが完了した後、ユーザデバイスはLのCQIを取得可能である。次いで、ユーザデバイスは、LのCQIのうち、所定の値よりも小さいCQIの数をカウントすることができる。所定の値よりも小さいCQIが所定数を超える場合、例えば、L/2を超える場合(ここでL/2は単なる例であって、その数は任意の他の適切な数であり得る)、全体のプレスケジューリングの間の全体のチャネル品質が満足のいくものではないことが想定可能であり、後に正式に実行されるマルチユーザ通信において、いくつかのユーザ間干渉が、最適スケジューリング・ソリューションに従った場合でさえも生じる傾向が高い可能性がある。この場合、前決定プロセスの結果に基づいて、
図8A又は
図8Bにおいて示されるように、チャネル状態フィードバックのタイプを変更する必要性が存在するかどうかの最終的な決定に達するよう、決定プロセスが実行可能である。
【0161】
所定の値よりも小さいCQIがL/2を越えない場合、問題となっているマルチユーザ通信のためのスケジューリング・ソリューションが強いユーザ間干渉をもたらさないことが想定可能であり、
図8A又は
図8Bに示されるように、処理オーバーヒア又はシグナリング・オーバーヘッドを低減するよう、その決定プロセスを実行することは必要ない。
【0162】
上述のように、前決定されたプロセスを実行することにより、チャネル状態フィードバックのタイプを変更する必要性が存在するかどうかに関する決定プロセスは、特にマルチユーザ通信のスケジューリング・ソリューションが大きなチャネル干渉をもたらさない場合に、低減可能である。
【0163】
2.4 第1の実施形態に係る通知プロセス
【0164】
上のセクションにおいて記載されたように、電子デバイス600の通知ユニット604は、チャネル状態フィードバックのタイプを変更することに関して決定ユニット603によってなされた決定結果を、ユーザデバイス(例えば電子デバイス700)へ通知することができる。その通知は、第2のタイプのチャネル状態フィードバックのカテゴリを示す情報を伝送することによって実施可能である。
【0165】
一例において、第2のタイプのチャネル状態フィードバックのカテゴリについての指示情報CSI_TYPE_Flagは、ダウンリンク・シグナリング・メッセージ、例えばPDCCHを介して伝送されるダウンリンク制御情報(DCI)に含まれることができる。好ましくは、指示情報CSI_TYPE_FlagはDCIにおいて、例えば、目下使用されていないDCIのフィールドにおいて、又は新たに追加されたDCIのフィールドにおいて(例えば、DCIの最初に、その中間に、その最後に新たに追加された部分)、含まれることができる。
【0166】
或いは、指示情報CSI_TYPE_Flagは、新たに規定されたダウンリンク・シグナリング・メッセージにおいて含まれることができる。
【0167】
指示情報CSI_TYPE_Flagを含むシグナリング・メッセージを受信した後、ユーザデバイスは、チャネル状態フィードバックのどのタイプが実行されるかを学習することができ、且つネットワーク制御デバイスによって割り当てられた、対応するCSI-RSリソースを用いることによって、そのチャネル状態フィードバックを実行することができる。
【0168】
指示情報CSI_TYPE_FLAGに対しては、数ビットで表すことができる。指示情報CSI_TYPE_FLAGについての表示は、上のセクション1.4において記載されており、詳細な記載はここでは省略する。
【0169】
2.5 第2の実施形態に係る適用例
【0170】
第2の実施形態の態様が上述され、以下では
図9を参照し、MU MIMO通信のシナリオの下での応用例について記載する。この応用例はMU MIMO通信のシナリオを考慮するものであるが、他のマルチユーザ通信のシナリオにも適用可能である。
【0171】
MU MIMO通信の開始前に、ユーザデバイスは、非ゼロ電力のCSI-RSの受信電力、すなわち参照信号受信電力(RSRP)を測定可能であり、RSRPが閾値P’(P’はセルの端にいるユーザのRSRPの最大である)よりも大きい場合にのみ、そのユーザデバイスがセルの端にはいないことが想定可能であり、MU MIMO通信が実行可能である。
【0172】
MU MIMO通信をユーザデバイスが実行可能であることを決定した後、ネットワーク制御デバイスは、
図9に示されるように、そのユーザデバイス及び他のユーザデバイスについて、MU MIMOの最適なスケジューリング・ソリューションを決定するように、地理的に互いに近くにあるそれらのユーザデバイスについてプレスケジューリングを実行することができる。
【0173】
プレスケジューリングが完了した後、ネットワーク制御デバイスは、その最適なスケジューリング・ソリューションに従ってMU MIMOを実行することができる。
【0174】
MU MIMO伝送の間、ネットワーク制御デバイスは第1のタイプのCSI-RSリソースをユーザデバイスに割り当てることができ、そのユーザデバイスは、そのCSI-RSリソースを用いる第1のタイプのCSIを獲得し、且つ獲得されたCSIを、使用するためにネットワーク制御デバイスにレポーティングする。
【0175】
他方で、そのネットワーク制御デバイスは、第2のタイプのチャネル状態フィードバックを実行することが必要とされるかどうかに関する決定プロセスを実行することができる。例えば、ユーザデバイスは、
図8A又は
図8Bにおいて示されるように、決定プロセスを実行することができるか、或いはまず
図8Cにおいて示される前決定プロセスを実行し、次いで
図8A又は
図8Bにおいて示される決定プロセスを実行することができる。ネットワーク制御デバイスがチャネル状態フィードバックのタイプを変更することが必要とされることを決定しており、且つ特定のカテゴリのチャネル状態フィードバックを決定する場合、その決定結果はセクション2.4において上記されたように、例えば通知プロセスを用いることによって、ユーザデバイスに通知可能である。
【0176】
通知を受信した後、ユーザデバイスは、実行されるチャネル状態フィードバックのカテゴリを学習することができ、且つネットワーク制御デバイスによって割り当てられた第2のタイプのCSI-RSリソースを用いることにより、第2のタイプのCSI-RSリソースを獲得することができる。第2のタイプのCSI-RSリソースをレポーティングすることと同時に、ネットワーク制御デバイスが第1のタイプのCSI-RSリソースの割り当てを停止することに応じて、そのネットワーク制御デバイスは第1のタイプのCSIのレポーティングを停止することができる。或いは、ネットワーク制御デバイスが第1のタイプのCSI-RSリソースの割り当てを継続することに応じて、ユーザデバイスは第1のタイプのCSIをレポーティングすることを継続することができる。
【0177】
3.本出願の適用例
【0178】
本出願に係る技術は様々な製品に適用可能である。
【0179】
例えば、本開示の実施形態に係る電子デバイス300又は600は、様々なネットワーク制御デバイスとして実施され得るものであるか、又は様々なネットワーク制御デバイス内に備えられ得るものであり、また本開示の実施形態に係る電子デバイス200又は700は、様々なユーザデバイスとして実施され得るものであるか、又は様々なユーザデバイス内に備えられ得るものであり、或いは本開示の実施形態に係る通信方法は、様々なネットワーク制御デバイス又はユーザデバイスによって実施可能である。
【0180】
ネットワーク制御デバイスは任意のタイプの基地局として実施されてもよく、好ましくは例えば、3GPPの5G通信標準のNR(New Radio)アクセス技術におけるマクロgNB又はスモールgNBとして実施されてもよい。スモールgNBは、例えばピコgNB、ミクロgNB、及びホーム(フェムト)gNB等、マクロセルよりも小さいセルをカバーするgNBであってよい。その代わり、ネットワーク制御デバイスは、NodeB、eNodeB、及び基地局(BTS)等の任意の他のタイプの基地局として実施されてよい。ネットワーク制御デバイスは、ワイヤレス通信を制御するように構成された本体(基地局デバイスとも呼ばれる)と、その本体とは異なる場所に配置された1つ以上の遠隔無線ヘッド(RRH)とを含んでよい。
【0181】
ユーザデバイスは、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータ(PC)、ノートブック型PC、携帯ゲーム端末、携帯/ドングル型のモバイルルータ、及びデジタルカメラ装置等のモバイル端末、又はカーナビゲーションデバイス等の車内端末として実施されてもよい。ユーザデバイスは、マシンツーマシン(M2M)通信を実行する(マシン型通信(MTC)端末とも呼ばれる)端末として実施されてもよい。さらに、ユーザデバイスは、上の端末の各々に搭載されるワイヤレス通信モジュール(単一のダイを含む集積回路モジュール等)であってよい。
【0182】
3.1 制御デバイス側にある電子デバイスに関連する適用
【0183】
本開示において用いられるように、「ネットワーク制御デバイス」又は「基地局」の用語はその包括的な意味のうちの全ての広がりを有するものであり、ワイヤレス通信システム又は通信を目的とした無線システムの一部として用いられるワイヤレス通信局を少なくとも含むことは理解される。基地局の例としては、例えば、GSM(登録商標)システムにおける基地局(BTS)及び基地局制御装置(BSC)のいずれか又は両方、WCDMA(登録商標)システムにおける無線ネットワーク制御装置(RNC)又はNodeBのいずれか又は両方、LTE及びLTE-AdvancedシステムにおけるeNB、或いは未来の通信システムにおいて対応のネットワークノード(例えば、5G通信システムにおいて登場するであろうgNB等)であり得るが、それらに限定されない。D2D、M2M、及びV2V等の通信シナリオにおいて、その通信全体の制御機能を有する論理エンティティは基地局と呼ばれ得る。コグニティブ無線通信のシナリオにおいて、周波数スペクトル整合の機能を有する論理エンティティもまた、基地局と呼ばれ得る。
【0184】
(第1の適用例)
【0185】
図10は、本出願の技術が適用され得るネットワーク制御デバイスの概略構成の第1の例を示すブロック図である。ネットワーク制御デバイスは、例えば、ダウンリンク伝送のための電子デバイス300又は600を含み得る。
図10において、ネットワーク制御デバイスはgNB800として示される。gNB800は、複数のアンテナ810及び1つの基地局デバイス820を含む。基地局デバイス820及び各アンテナ810はRFケーブルを介して互いに接続されてよい。
【0186】
アンテナ810は1つ以上のアンテナアレイを含んでよく、これは複数のアンテナ素子(例えばマルチ入力及びマルチ出力(MIMO)アンテナに含まれる複数のアンテナ素子)を含み、基地局デバイス820が無線信号を送信及び受信するために用いられる。gNB800は、
図10に示されるように、複数のアンテナ810を含み得る。例えば、複数のアンテナ810はgNB800によって用いられる複数の周波数帯に対応可能であってよい。
図10は、gNB800が複数のアンテナ810を含む例を示す。
【0187】
基地局デバイス820はコントローラ821、メモリ822、ネットワークインタフェース823、及び無線通信インタフェース825を含む。
【0188】
コントローラ821は、例えばCPU又はDSPであってよく、基地局デバイス820のより高いレイヤの様々な機能を動作させる。例えば、コントローラ821は、上述の処理回路網301又は601を含んでよく、上の第1又は第2の実施形態に記載されたように、ネットワーク制御側にて通信方法を実行してよく、又は電子デバイス300又は600のコンポーネントを制御してもよい。例えば、コントローラ821は、無線通信インタフェース825によって処理される信号におけるデータからデータパケットを生成し、且つネットワークインタフェース823を介してその生成されたパケットを転送する。コントローラ821は、複数のベースバンドプロセッサからのデータをバンドルして、そのバンドルされたパケットを生成してよく、且つその生成後のバンドルされたパケットを転送してよい。コントローラ821は、無線リソース制御、無線ベアラ制御、モビリティ・マネジメント、アドミッション・コントロール、及びスケジューリング等の制御を実行する論理機能を有してよい。その制御は、gNB又はその近傍にあるコアネットワークノードを有する団体において実行されてよい。メモリ822はRAM及びROMを含み、コントローラ821によって実行されるプログラム、ならびに端末リスト、伝送電力データ、及びスケジューリングデータ等の様々なタイプの制御データを記憶する。
【0189】
ネットワークインタフェース823は、基地局デバイス820をコアネットワーク824に接続するための通信インタフェースである。コントローラ821は、ネットワークインタフェース823を介してコアネットワークノード又は別のgNBと通信してよい。その場合、gNB800、及びコアネットワークノード又は他のgNBは、S1インタフェース及びX2インタフェース等の論理インタフェースを介して、互いに接続されてよい。ネットワークインタフェース823は、有線の通信インタフェース、又は無線バックホールのための無線通信インタフェースであってもよい。ネットワークインタフェース823が無線通信インタフェースである場合、ネットワークインタフェース823は、無線通信インタフェース825によって用いられる周波数帯よりも、無線通信のためのより高い周波数帯を使用してよい。
【0190】
無線通信インタフェース825は、LTE(Long Term Evolution)及びLTE-Advanced等の任意のセルラ通信スキームをサポートし、アンテナ810を介して、gNB800のセル内に位置する端末への無線接続を提供する。無線通信インタフェース825は、例えばベースバンド(BB)プロセッサ826及びRF回路827を典型的には含んでよい。BBプロセッサ826は、例えば、エンコーディング/デコーディング、変調/復調、及び多重化/逆多重化を実行してよく、L1、媒体アクセス制御(MAC)、無線リンク制御(RLC)、及びパケットデータ・コンバージェンスプロトコル(PDCP)等、様々なタイプのレイヤの信号処理を実行する。BBプロセッサ826は、コントローラ821の代わりに上述の論理機能の一部又は全部を有してよい。BBプロセッサ826は、通信制御プログラムを記憶するメモリ、又はそのプログラム及び関連される回路を実行するように構成されたプロセッサを含むモジュールであってよい。プログラムのアップデートにより、BBプロセッサ826の機能は変更可能であってよい。モジュールは基地局デバイス820のスロットに挿入されるカード又はブレードであってよい。或いは、モジュールはまた、カード又はブレードに搭載されるチップであってもよい。他方でRF回路827は、例えばミキサ、フィルタ、及びアンプを含んでよく、アンテナ810を介して無線信号を送信及び受信する。
【0191】
無線通信インタフェース825は、
図10に示されるように、複数のBBプロセッサ826を含んでよい。例えば、複数のBBプロセッサ826は、gNB800によって用いられる複数の周波数帯に対応可能であってよい。無線通信インタフェース825は、
図10に記載されるように、複数のRF回路827を含んでよい。例えば、複数のRF回路827は複数のアンテナ素子に対応可能であってよい。
図10は無線通信インタフェース825が複数のBBプロセッサ826及び複数のRF回路827を含む例を示すが、無線通信インタフェース825は単一のBBプロセッサ826又は単一のRF回路827を含んでもよい。
【0192】
図10に示されるgNB800において、
図3Aを参照して記載された処理回路網301、又は
図6Aを参照して記載された処理回路網601に含まれる1つ以上のコンポーネント(例えば割り当てユニット302、602)は、無線通信インタフェース825において実施されてよい。或いは、これらのコンポーネントの少なくとも一部はコントローラ821において実施されてもよい。一例として、gNB800は、無線通信インタフェース825及び/又はコントローラ821を含むモジュールの一部(例えばBBプロセッサ826)又は全体を含み、その1つ以上のコンポーネントはそのモジュールにおいて実施されてよい。この場合、そのモジュールは、プロセッサを1つ以上のコンポーネントとして機能させるプログラム(言い換えれば、プロセッサに1つ以上のコンポーネントの動作を実行させるプログラム)を記憶してよく、且つそのプログラムを実行してよい。別の例として、プロセッサを1つ以上のコンポーネントとして機能させるプログラムは、gNB800にインストールされてよく、無線通信インタフェース825(例えばBBプロセッサ826)及び/又はコントローラ821はそのプログラムを実行してよい。上述のように、1つ以上のコンポーネントを含むデバイスとして、gNB800、基地局デバイス820、又はモジュールが提供されてよい。加えて、プログラムが記録される可読媒体が提供されてよい。
【0193】
(第2の適用例)
【0194】
図11は、本出願の技術が適用され得るネットワーク制御デバイスの概略構成の第2の例を示すブロック図である。ネットワーク制御デバイスは、例えば、ダウンリンクの伝送のための電子デバイス300又は600を含むことができる。
図11において、ネットワーク制御デバイスはgNB830として示される。gNB830は、1つ以上のアンテナ840、基地局デバイス850、及びRRH860を含む。各アンテナ840及びRRH860はRFケーブルを介して互いに接続されてよい。基地局デバイス850及びRRH860は光ファイバケーブル等の高速回線を介して互いに接続されてよい。
【0195】
アンテナ840は、上述のように1つ以上のアンテナアレイを含み、アンテナアレイは、MIMOアンテナに含まれる複数のアンテナ素子等の複数のアンテナ素子を含み、RRH860が無線信号を送信及び受信するために用いられる。gNB830は
図11に示されるように、複数のアンテナ840を含んでよい。例えば、複数のアンテナ840はgNB830によって用いられる複数の周波数帯に対応可能であってよい。
図11はgNB830が複数のアンテナ840を含む例を示す。
【0196】
基地局デバイス850は、コントローラ851、メモリ852、ネットワークインタフェース853、無線通信インタフェース855、及び接続インタフェース857を含む。コントローラ851、メモリ852、及びネットワークインタフェース853は、
図10を参照して記載されたコントローラ821、メモリ822、及びネットワークインタフェース823と同じである。
【0197】
無線通信インタフェース855は、LTE及びLTE-Advanced等の任意のセルラ通信スキームをサポートし、RRH860及びアンテナ840を介して、RRH860に対応するセクタ内に位置する端末に無線通信を提供する。無線通信インタフェース855は、例えばBBプロセッサ856を典型的には含み得る。BBプロセッサ856は、接続インタフェース857を介してRRH860のRF回路864に接続されることを除き、
図10を参照して記載されたBBプロセッサ826と同じである。無線通信インタフェース855は、
図11に示されるように、複数のBBプロセッサ856を含み得る。例えば、複数のBBプロセッサ856は、gNB830によって用いられる複数の周波数帯に対応可能であってよい。
図11は無線通信インタフェース855が複数のBBプロセッサ856を含む例を示すが、無線通信インタフェース855は単一のBBプロセッサ856を含んでもよい。
【0198】
接続インタフェース857は、基地局デバイス850(無線通信インタフェース855)をRRH860に接続するためのインタフェースである。接続インタフェース857は、基地局デバイス850(無線通信インタフェース855)をRRH860に接続する上述の高速回線における通信のための通信モジュールであってもよい。
【0199】
RRH860は、接続インタフェース861及び無線通信インタフェース863を含む。
【0200】
接続インタフェース861はRRH860(無線通信インタフェース863)を基地局デバイス850に接続するためのインタフェースである。接続インタフェース861はまた、上記の高速回線における通信のための通信モジュールであってもよい。
【0201】
無線通信インタフェース863はアンテナ840を介して無線信号を送信及び受信する。無線通信インタフェース863は、例えばRF回路864を典型的には含み得る。RF回路864は、例えばミキサ、フィルタ、及びアンプを含み得るものであり、アンテナ840を介して無線信号を送信及び受信する。無線通信インタフェース863は、
図11に示されるように、複数のRF回路864を含み得る。例えば、複数のRF回路864は、複数のアンテナ素子をサポートし得る。
図11は無線通信インタフェース863が複数のRF回路864を含むが、無線通信インタフェース863は単一のRF回路864を含んでもよい。
【0202】
図11に示されるgNB830において、
図3Aを参照して記載された処理回路網301、又は
図6Aを参照して記載された処理回路網601の1つ以上のコンポーネント(例えば割り当てユニット302、602)は、無線通信インタフェース855において実施されてよい。或いは、これらのコンポーネントの少なくとも一部はコントローラ851において実施されてもよい。一例として、gNB830は、無線通信インタフェース855及び/又はコントローラ851を含むモジュールの一部(例えばBBプロセッサ856)又は全体を含み、その1つ以上のコンポーネントはそのモジュールにおいて実施されてよい。この場合、そのモジュールは、プロセッサを1つ以上のコンポーネントとして機能させるプログラム(言い換えれば、プロセッサに1つ以上のコンポーネントの動作を実行させるプログラム)を記憶してよく、且つそのプログラムを実行してよい。別の例として、プロセッサを1つ以上のコンポーネントとして機能させるプログラムは、gNB830にインストールされてよく、無線通信インタフェース855(例えばBBプロセッサ856)及び/又はコントローラ851はそのプログラムを実行してよい。上述のように、1つ以上のコンポーネントを含むデバイスとして、gNB830、基地局デバイス850、又はモジュールが提供されてよい。プロセッサを1つ以上のコンポーネントとして機能させるプログラムもまた提供されてよい。加えて、プログラムが記録される可読媒体が提供されてよい。
【0203】
3.2 ユーザ側にある電子デバイスに関連する適用
【0204】
(第1の適用例)
【0205】
図12は、本開示の技術が適用され得るスマートフォン900の概略構成の例を示すブロック図である。ここでスマートフォン900は、
図2Aを参照して記載された電子デバイス200又は
図7Aを参照して記載された電子デバイス700として実施可能である。スマートフォン900は、プロセッサ901、メモリ902、記憶装置903、外部接続インタフェース904、カメラ906、センサ907、マイクロフォン908、入力装置909、表示装置910、スピーカ911、無線通信インタフェース912、1つ以上のアンテナスイッチ915、1つ以上のアンテナ916、バス917、バッテリ918、及び補助コントローラ919を含む。
【0206】
プロセッサ901は、例えばCPU、又はシステムオンチップ(SoC)であってよく、スマートフォン900のアプリケーション・レイヤ及び他のレイヤの機能を制御する。メモリ902はRAM及びROMを含み、プロセッサ901によって実行されるプログラム、及びデータを記憶する。記憶装置903は半導体メモリ及びハードディスク等の記憶媒体を含み得る。外部接続インタフェース904は、メモリカード及びUSB(ユニバーサル・シリアル・バス)等の外部デバイスをスマートフォン900に接続するためのインタフェースである。
【0207】
カメラ906は、CCD(電荷結合素子)及びCMOS(相補型金属酸化膜半導体)等の画像センサを含み、キャプチャされた画像を生成する。センサ907は、測定センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ、加速度センサ等の一群のセンサを含んでよい。マイクロフォン908は、スマートフォン900に入力される音声を音声信号に変換する。入力装置909は、例えば、表示装置910のスクリーン上への接触を検出するように構成されたタッチセンサ、キーパッド、キーボード、ボタン、又はスイッチを含み、動作、又はユーザからの情報を受け入れる。表示装置910は、液晶ディスプレイ(LCD)及び有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ等のスクリーンを含み、スマートフォン900の出力画像を表示する。スピーカ911はスマートフォン900から出力された音声信号を音声に変換する。
【0208】
無線通信インタフェース912は、LTE及びLTE-Advanced等の任意のセルラ通信スキームをサポートし、無線通信を実行する。無線通信インタフェース912は、例えばBBプロセッサ913及びRF回路914を典型的には含んでよい。BBプロセッサ913は、例えば、エンコーディング/デコーディング、変調/復調、及び多重化/逆多重化を実行してよく、無線通信のための様々なタイプの信号処理を実行する。他方でRF回路914は、例えばミキサ、フィルタ、及びアンプを含んでよく、アンテナ916を介して無線信号を送信及び受信する。無線通信インタフェース912はワンチップモジュールであってよく、そのモジュール上でBBプロセッサ913及びRF回路914を統合する。無線通信インタフェース912は、
図12に示されるように、複数のBBプロセッサ913及び複数のRF回路914を含んでよい。
図12は無線通信インタフェース912が複数のBBプロセッサ913及び複数のRF回路914を含む例を示すが、無線通信インタフェース912は単一のBBプロセッサ913又は単一のRF回路914を含んでもよい。
【0209】
さらに、セルラ通信スキームに加え、無線通信インタフェース912は、近距離(short-distance)無線通信スキーム、近距離(near field)通信スキーム、及びワイヤレス・ローカルエリアネットワーク(LAN)スキーム等の別のタイプの無線通信スキームをサポートしてよい。その場合、無線通信インタフェース912は、各々の無線通信スキームに対してBBプロセッサ913及びRF回路914を含んでよい。
【0210】
アンテナスイッチ915の各々は、無線通信インタフェース912に含まれる複数の回路(例えば、様々な無線通信スキームのための回路)のうちのアンテナ916の接続先を切り替える。
【0211】
アンテナ916の各々は、MIMOアンテナに含まれる複数のアンテナ素子等の単一又は複数のアンテナ素子を含み、無線通信インタフェース912が無線信号を送信及び受信するために用いられる。スマートフォン900は、
図12に示されるように、複数のアンテナ916を含み得る。
図12は、スマートフォン900が複数のアンテナ916を含む例を示すが、スマートフォン900は単一のアンテナ916を含んでもよい。
【0212】
さらに、スマートフォン900は各々の無線通信スキームに対してアンテナ916を含んでよい。その場合、アンテナスイッチ915はスマートフォン900の構成から省略されてよい。
【0213】
バス917は、プロセッサ901、メモリ902、記憶装置903、外部接続インタフェース904、カメラ906、センサ907、マイクロフォン908、入力装置909、表示装置910、スピーカ911、無線通信インタフェース912、及び補助コントローラ919を互いに接続する。バッテリ918は、送電線を介して
図12に示されるスマートフォン900のブロックに電力を供給する。送電線は図中、破線で部分的に示されている。補助コントローラ919は、例えばスリープモード中、スマートフォン900の最小限必要な機能を動作させる。
【0214】
図12に示されるスマートフォン900において、
図2Aを参照して記載される処理回路網201(レポーティングユニット202、決定ユニット203、通知ユニット204)に備わる1つ以上のコンポーネント、又は
図7Aを参照して記載される処理回路網701(レポーティングユニット702、通知受信ユニット703)に備わる1つ以上のコンポーネントは、無線通信インタフェース912において実施されてよい。或いは、これらのコンポーネントの少なくとも一部は、プロセッサ901又は補助コントローラ919において実施されてもよい。一例として、スマートフォン900は、無線通信インタフェース912の一部(例えばBBプロセッサ913)又は全体、及び/又は、プロセッサ901並びに/或いは補助コントローラ919を含むモジュールを含み、1つ以上のコンポーネントはそのモジュール内で実施されてよい。この場合、モジュールはプロセッサを1つ以上のコンポーネントとして機能させるプログラム(言い換えれば、プロセッサに1つ以上のコンポーネントの動作を実行させるプログラム)を記憶してよく、且つそのプログラムを実行してよい。別の例として、プロセッサを1つ以上のコンポーネントとして機能させるプログラムは、スマートフォン900にインストールされてよく、無線通信インタフェース912(例えばBBプロセッサ913)、プロセッサ901及び/又は補助コントローラ919はそのプログラムを実行してよい。上述のように、1つ以上のコンポーネントを含むデバイスとして、スマートフォン900又はそのモジュールが提供されてよい。プロセッサを1つ以上のコンポーネントとして機能させるプログラムもまた、提供されてよい。加えて、プログラムが記録される可読媒体が提供されてよい。
【0215】
加えて、
図12に示されるスマートフォン900において、例えば、
図2Aを参照して記載された通信ユニット205又は
図7Aを参照して記載された通信ユニット705は、無線通信インタフェース912、例えばRF回路914において実施されてよい。
【0216】
(第2の適用例)
【0217】
図13は、本出願の技術の一実施形態が適用され得るカーナビゲーションデバイス920の概略構成の例を示すブロック図である。ここでカーナビゲーションデバイス920は、
図2Aを参照して記載された電子デバイス200又は
図7Aを参照して記載された電子デバイス700として実施可能である。カーナビゲーションデバイス920は、プロセッサ921、メモリ922、全地球測位システム(GPS)モジュール924、センサ925、データインタフェース926、コンテンツプレーヤ927、記憶媒体インタフェース928、入力装置929、表示装置930、スピーカ931、無線通信インタフェース933、1つ以上のアンテナスイッチ936、1つ以上のアンテナ937、及びバッテリ938を含む。
【0218】
プロセッサ921は、例えばCPU又はSoCであってよく、ナビゲーション機能、及びカーナビゲーションデバイス920の他の機能を制御する。メモリ922は、RAM及びROMを含み、プロセッサ921によって実行されるプログラム、及びデータを記憶する。
【0219】
GPSモジュール924は、カーナビゲーションデバイス920の緯度、経度、及び高度等、位置を測定するために、GPS衛星から受信されるGPS信号を用いる。センサ925は一群のセンサ、例えばジャイロセンサ、地磁気センサ、及び空気圧センサを含んでよい。データインタフェース926は、例えば、不図示の端末を介して車両内ネットワーク941に接続され、車速データ等、車両によって生成されるデータを獲得する。
【0220】
コンテンツプレーヤ927は、記憶媒体インタフェース928に挿入されるCD及びDVD等の記憶媒体に記憶されるコンテンツを再生する。入力装置929は、例えば、表示装置930のスクリーンへの接触を検出するように構成されたタッチセンサ、ボタン、又はスイッチを含み、動作又はユーザからの情報入力を受け入れる。表示装置930は、LCD又はOLEDディスプレイ等のスクリーンを含み、ナビゲーション機能の画像又は再生されたコンテンツを表示する。スピーカ931はナビゲーション機能の音声、又は再生されたコンテンツを出力する。
【0221】
無線通信インタフェース933は、LET及びLTE-Advanced等の任意のセルラ通信スキームをサポートし、無線通信を実行する。無線通信インタフェース933は、例えばBBプロセッサ934及びRF回路935を典型的には含んでよい。BBプロセッサ934は、例えば、エンコーディング/デコーディング、変調/復調、及び多重化/逆多重化を実行してよく、無線通信のための様々なタイプの信号処理を実行する。他方でRF回路935は、例えばミキサ、フィルタ、及びアンプを含んでよく、アンテナ937を介して無線信号を送信及び受信する。無線通信インタフェース933はワンチップモジュールであってよく、そのモジュール上でBBプロセッサ934及びRF回路935を統合する。無線通信インタフェース933は、
図13に示されるように、複数のBBプロセッサ934及び複数のRF回路935を含んでよい。
図13は無線通信インタフェース933が複数のBBプロセッサ934及び複数のRF回路935を含む例を示すが、無線通信インタフェース933は単一のBBプロセッサ934又は単一のRF回路935を含んでもよい。
【0222】
さらに、セルラ通信スキームに加え、無線通信インタフェース933は、近距離(short-distance)無線通信スキーム、近距離(near field)通信スキーム、及びワイヤレスLANスキーム等の別のタイプの無線通信スキームをサポートしてよい。その場合、無線通信インタフェース933は、各々の無線通信スキームに対してBBプロセッサ934及びRF回路935を含んでよい。
【0223】
アンテナスイッチ936の各々は、無線通信インタフェース933に含まれる複数の回路(例えば、様々な無線通信スキームのための回路)のうちのアンテナ937の接続先を切り替える。
【0224】
アンテナ937の各々は、MIMOアンテナに含まれる複数のアンテナ素子等の単一又は複数のアンテナ素子を含み、無線通信インタフェース933が無線信号を送信及び受信するために用いられる。カーナビゲーションデバイス920は、
図13に示されるように、複数のアンテナ937を含み得る。
図13は、カーナビゲーションデバイス920が複数のアンテナ937を含む例を示すが、カーナビゲーションデバイス920は単一のアンテナ937を含んでもよい。
【0225】
さらに、カーナビゲーションデバイス920は各々の無線通信スキームに対してアンテナ937を含んでよい。その場合、アンテナスイッチ936はカーナビゲーションデバイス920の構成から省略されてよい。
【0226】
バッテリ938は、送電線を介して
図13に示されるカーナビゲーションデバイス920のブロックに電力を供給する。送電線は図中、破線で部分的に示されている。バッテリ938は車両から供給される電力を蓄える。
【0227】
図13に示されるカーナビゲーションデバイス920において、
図2Aを参照して記載される処理回路網201(レポーティングユニット202、決定ユニット203、通知ユニット204)に備わる1つ以上のコンポーネント、又は
図7Aを参照して記載される処理回路網701(レポーティングユニット702、通知受信ユニット703)に備わる1つ以上のコンポーネントは、無線通信インタフェース933において実施されてよい。或いは、これらのコンポーネントの少なくとも一部は、プロセッサ921において実施されてもよい。一例として、カーナビゲーションデバイス920は、無線通信インタフェース933の一部(例えばBBプロセッサ934)又は全体、及び/又は、プロセッサ921を含むモジュールを含み、1つ以上のコンポーネントはそのモジュール内で実施されてよい。この場合、モジュールはプロセッサを1つ以上のコンポーネントとして機能させるプログラム(言い換えれば、プロセッサに1つ以上のコンポーネントの動作を実行させるプログラム)を記憶してよく、且つそのプログラムを実行してよい。別の例として、プロセッサを1つ以上のコンポーネントとして機能させるプログラムは、カーナビゲーションデバイス920にインストールされてよく、無線通信インタフェース933(例えばBBプロセッサ934)、及び/又はプロセッサ921はそのプログラムを実行してよい。上述のように、1つ以上のコンポーネントを含むデバイスとして、カーナビゲーションデバイス920又はそのモジュールが提供されてよい。プロセッサを1つ以上のコンポーネントとして機能させるプログラムもまた提供されてよい。加えて、プログラムが記録される可読媒体が提供されてよい。
【0228】
加えて、
図13に示されるカーナビゲーションデバイス920において、例えば、
図2Aを参照して記載された通信ユニット205又は
図7Aを参照して記載された通信ユニット705は、無線通信インタフェース933、例えばRF回路935において実施されてよい。
【0229】
本出願の技術は、カーナビゲーションデバイス920、車両内ネットワーク941、及び車両モジュール942のうちの1つ以上のブロックを含む車両内システム(又は車両)940として実現されてもよい。車両モジュール942は、車速、エンジン回転速度、及び故障情報等の車両データを生成し、その生成されたデータを車両内ネットワーク941へ出力する。
【0230】
加えて、プログラムを記録する可読記憶媒体が提供可能である。従って、本開示は、処理回路網によってローディングされ且つ実行された場合に、
図2B、
図3B、
図6B、及び
図7Bに記載された通信方法を実行するのに用いられる命令を含むプログラムを記憶するコンピュータ可読記憶媒体にも関するものである。
【0231】
本開示の例示的な実施形態が添付図面を参照して記載されているが、無論、本開示は上述の例に限定されない。当業者は添付の特許請求の範囲内で様々に適合且つ修正を達成可能であり、無論、そうした適合や修正が本開示の技術範囲内にあることは理解される。
【0232】
例えば、上述の実施形態において、1つのモジュールに含まれる複数の機能が別個の手段によって実施可能である。或いは、上述の実施形態において、複数のモジュールに含まれる複数の機能は、個々に別個の手段によって実施可能である。加えて、上の機能のうちの1つが複数のモジュールによって実施可能である。言うまでもなく、かような構成は本開示の技術範囲内に含まれる。
【0233】
本明細書において、フローチャートにおいて記載されたステップは、時系列の順序において順番に行われるプロセスのみならず、必ずしも時系列に行われるのではなくて、平行して、或いは別々に行われるプロセスをも含むものである。さらには、時系列の順序で行われるステップであったとしても、その順序は必要に応じて変更可能であることは言うまでもない。
【0234】
本開示及びその特徴的利点が詳細に記載されているが、添付の特許請求の範囲によって規定される本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、変形が可能であることは理解される。加えて、「含む(include)」や「備える(comprise)」の用語、或いは本開示の実施形態のその他の変形は、非限定的で包括的であることが意図されているゆえ、そのプロセス、方法、物品、又は一連の要素を含むデバイスは、これらの要素を含むのみならず、特定的にリストされていないものもまた含むものであり、或いはそのプロセス、方法、物品、又はデバイスに固有のものをも含むものである。さらなる限定が付される場合、「あるものを含む(include one)」といった文章によって規定される要素は、この要素を含んでいるプロセス、方法、物品、又はデバイスにおいて更なる同様の要素の存在を排除しない。