(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04842 20220101AFI20221025BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20221025BHJP
G09G 5/36 20060101ALI20221025BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20221025BHJP
【FI】
G06F3/04842
G09G5/00 510V
G09G5/00 510H
G09G5/36 530Y
G06F3/0481
(21)【出願番号】P 2020004947
(22)【出願日】2020-01-16
(62)【分割の表示】P 2017201611の分割
【原出願日】2017-10-18
【審査請求日】2020-10-13
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】酒井 俊行
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-107713(JP,A)
【文献】特開2015-230648(JP,A)
【文献】特開2012-169866(JP,A)
【文献】特開平10-254665(JP,A)
【文献】特開2010-003077(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/048-04895
G09G5/00
5/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表示装置及び第2の表示装置を制御する制御装置であって、
表示部と、
入力部と、
制御部と、を備え
前記制御部は、
前記入力部が第1タブを選択する操作を受け付けた場合に、前記第1の表示装置を管理
するための
操作可能な状態の第1の管理画面と、
前記第1タブと、前記第1の管理画面か
ら前記第2の表示装置を管理するための第2の管理画面に表示を切り替える
第2タブと、
を前記表示部に表示させ、
前記第1の管理画面を前記表示部に表示しているときに、前記入力部が前記
第2タブ
を
選択する操作を受け付けた場合に、前記第1の管理画面で選択されていた所定の項目に対
応する項目が選択された
操作可能な状態の前記第2の管理画面
と、前記第2の管理画面か
ら前記第1の管理画面に表示を切り替える前記第1タブと、前記第2タブと、を前記表示
部に表示させ、
前記第1の管理画面に表示された前記所定の項目の値を変更するボタンと、前記第2の
管理画面に表示された前記所定の項目に対応する項目の値を変更するボタンと
は、同じ位
置に表示されることを特徴とする、制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置において、
前記所定の項目はフォーカスであることを特徴とする制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の制御装置において、
前記所定の項目はレンズシフトであることを特徴とする制御装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の制御装置において、
前記制御部は、
前記入力部が前記第
2タブに対する操作を受け付けた時に前記第2の管理画面で前記所
定の項目に対応す
る項目を選択するか否かを、設定スイッチに基づいて決定することを特
徴とする制御装置。
【請求項5】
第1の表示装置及び第2の表示装置を制御する制御装置の制御方法であって、
第1タブを選択する操作を受け付けた場合に、前記第1の表示装置を管理するための
操
作可能な状態の第1の管理画面と、
前記第1タブと、前記第1の管理画面から前記第2の
表示装置を管理するための第2の管理画面に表示を切り替える
第2タブと、を表示し、
前記第1の管理画面を表示しているときに、前記
第2タブを選択する操作を受け付けた
場合に、前記第1の管理画面で選択されていた所定の項目に対応する項目が選択された
操
作可能な状態の前記第2の管理画面
と、前記第2の管理画面から前記第1の管理画面に表
示を切り替える前記第1タブと、前記第2タブと、を表示し、
前記第2の管理画面において、前記所定の項目に対応する項目の値を変更するボタンが
、前記第1の管理画面における前記所定の項目の値を変更するボタンと同じ位置に表示さ
れることを特徴とする、制御方法。
【請求項6】
第1の表示装置及び第2の表示装置を制御する制御装置の制御プログラムであって、
第1タブを選択する操作を受け付けた場合に、前記第1の表示装置を管理するための
操
作可能な状態の第1の管理画面と、
前記第1タブと、前記第1の管理画面から前記第2の
表示装置を管理するための第2の管理画面に表示を切り替える
第2タブと、を表示する機
能と、
前記第1の管理画面を表示しているときに、前記
第2タブを選択する操作を受け付けた
場合に、前記第1の管理画面で選択されていた所定の項目に対応する項目が選択された
操
作可能な状態の前記第2の管理画面
と、前記第2の管理画面から前記第1の管理画面に表
示を切り替える前記第1タブと、前記第2タブと、を表示する機能と、
前記第2の管理画面において、前記所定の項目に対応する項目の値を変更するボタンを
、前記第1の管理画面における前記所定の項目の値を変更するボタンと同じ位置に表示す
る機能と、をコンピューターに実行させることを特徴とする、制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、制御方法および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に示すように、パーソナルコンピューターのような1台の制御装置が、プロジェクターのような複数の表示装置を制御するシステムが知られている。このようなシステムでは、パーソナルコンピューターは、複数のプロジェクターを制御するための設定画面を表示部に表示し、ユーザーは表示された設定画面を操作して所望の設定を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数のプロジェクターを制御するための設定画面は、プロジェクター毎に独立しているため、ユーザーは、制御対象とするプロジェクター毎に設定画面を選択して切り替え、切り替えた設定画面毎に所望の設定を行う必要があり、プロジェクターをそれぞれ設定するのに操作が煩わしく手間が掛かり、ユーザーの利便性を損なった。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、プロジェクターの設定画面の切り替えが容易な制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]
本適用例にかかる制御装置は、第1の表示装置、及び第2の表示装置を制御する制御装置であって、前記第1の表示装置を管理するための第1の管理画面、及び前記第2の表示装置を管理するための第2の管理画面を表示する表示部と、前記第1の管理画面、及び前記第2の管理画面に対する操作を受け付ける入力部と、前記入力部が受け付けた前記操作に基づいて前記第1の表示装置及び前記第2の表示装置を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記制御装置が、前記第1の管理画面が操作可能な第1の状態から、前記第2の管理画面が操作可能な第2の状態に切り替わると、前記第2の状態において、前記第1の状態で前記第1の管理画面で選択されていた所定の項目に対応する項目が選択された前記第2の管理画面を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、第1の管理画面が操作可能な第1の状態から、第2の管理画面が操作可能な第2の状態に切り替わると、第2の状態において、第1の状態で第1の管理画面で選択されていた所定の項目に対応する項目が選択された第2の管理画面が表示される。従って、第1の管理画面で選択されていた所定の項目に対応する項目が、第2の管理画面において選択されるため、第1の表示装置、及び第2の表示装置に関して所定の項目の管理が迅速に行え、表示装置の管理に対する利便性が向上する。
【0008】
[適用例2]
上記適用例にかかる制御装置において、前記所定の項目は、前記第1の状態において前記第1の管理画面で選択されている第1の項目画面に含まれても良い。
【0009】
[適用例3]
上記適用例にかかる制御装置において、前記制御部は、前記第2の状態において、前記第1の項目画面と同一の第2の項目画面を前記第2の管理画面に選択させることが好ましい。
【0010】
このような構成によれば、第2の状態において、第1の状態で第1の管理画面で選択されていた第1の項目画面と同一の第2の項目画面が選択された第2の管理画面が表示される。従って、管理する表示装置を切り替えた場合、同一の項目画面が表示されるため、表示装置を切り替える度に項目画面を選択する手間が省ける。
【0011】
[適用例4]
上記適用例にかかる制御装置において、前記制御部は、前記第2の管理画面で前記第2の項目画面を選択させる場合、前記第2の項目画面の項目を初期値に設定しても良い。
【0012】
[適用例5]
上記適用例にかかる制御装置において、前記制御部は、前記第2の管理画面で前記第2の項目画面を選択させる場合、前記第2の表示装置の設定状態に基づいて、前記第2の項目画面の項目を決定しても良い。
【0013】
[適用例6]
上記適用例にかかる制御装置において、前記制御部は、前記所定の項目に対応する前記項目を選択するか、否かを設定スイッチに基づいて決定することが好ましい。
【0014】
このような構成によれば、第1の状態から第2の状態に切り替えた場合、設定スイッチに応じて、管理画面に表示する項目を決定できる。
【0015】
[適用例7]
本適用例にかかる制御方法は、第1の表示装置、及び第2の表示装置を制御する制御方法であって、前記第1の表示装置を管理するための第1の管理画面及び前記第2の表示装置を管理するための第2の管理画面を表示し、前記第1の管理画面が操作可能な第1の状態から、前記第2の管理画面が操作可能な第2の状態への切り替わりを判定し、前記第1の状態から前記第2の状態への切り替わりを判定した場合、前記第2の管理画面において、前記第1の状態で前記第1の管理画面で選択されていた所定の項目に対応する項目を選択し、前記第2の管理画面を操作可能に表示することを特徴とする。
【0016】
このような方法によれば、第1の管理画面が操作可能な第1の状態から、第2の管理画面が操作可能な第2の状態に切り替わると、第2の状態において、第1の状態で第1の管理画面で選択されていた所定の項目に対応する項目が選択された第2の管理画面が表示される。従って、第1の管理画面で選択されていた所定の項目に対応する項目が、第2の管理画面において選択されるため、第1の表示装置、及び第2の表示装置に関して所定の項目の管理が迅速に行え、表示装置の管理に対する利便性が向上する。
【0017】
[適用例8]
本適用例にかかる制御プログラムは、第1の表示装置、及び第2の表示装置を制御する制御プログラムであって、前記第1の表示装置を管理するための第1の管理画面及び前記第2の表示装置を管理するための第2の管理画面を表示する機能と、前記第1の管理画面が操作可能な第1の状態から、前記第2の管理画面が操作可能な第2の状態への切り替わりを判定する機能と、前記第1の状態から前記第2の状態への切り替わりを判定した場合、前記第2の管理画面において、前記第1の状態で前記第1の管理画面で選択されていた所定の項目に対応する項目を選択する機能と、前記第2の管理画面を操作可能に表示する機能と、をコンピューターに実行させることを特徴とする。
【0018】
このような構成によれば、第1の管理画面が操作可能な第1の状態から、第2の管理画面が操作可能な第2の状態に切り替わると、第2の状態において、第1の状態で第1の管理画面で選択されていた所定の項目に対応する項目が選択された第2の管理画面が表示される。従って、第1の管理画面で選択されていた所定の項目に対応する項目が、第2の管理画面において選択されるため、第1の表示装置、及び第2の表示装置に関して所定の項目の管理が迅速に行え、表示装置の管理に対する利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図4】プロジェクター設定プログラムの処理の流れを示すフローチャート。
【
図5】表示タブ変更処理の詳細を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0021】
(実施形態)
以下、実施形態に係る制御装置について、図面を参照して説明する。
図1は、投射システム5の概要を示す図である。
この投射システム5では、制御装置に相当する情報処理装置200と、表示装置に相当する複数のプロジェクター(100A,100B,100C)とが、所定の無線通信方式のプロトコルに従って接続され、ネットワーク10を介した通信を行うことができる。
情報処理装置200は、プロジェクター(100A,100B,100C)のそれぞれに対して、投射に係る設定を行う投射設定や、投射する画像データの供給等を行うことができる。投射設定は、フォーカス調整、歪み補正、ズーム設定およびレンズシフト調整等に関する設定を含む。
また、プロジェクター(100A,100B,100C)は、情報処理装置200からの指示に基づいて、動画を含む種々の画像をそれぞれのスクリーン(SC1,SC2,SC3)に投射することができる。
【0022】
<プロジェクターの機能構成>
本実施形態では、プロジェクター(100A,100B,100C)は同一の機種を想定する。従って、以降の説明として、プロジェクター100Aを採用する。
図2は、プロジェクター100Aの機能構成を示す構成図である。
【0023】
プロジェクター100Aは、通信部175を備える。本実施形態では、通信部175は、WiFi(登録商標)のような無線LANやBluetooth(登録商標)に対応する通信インターフェイスを備え、ネットワーク10を介して情報処理装置200と接続される。
尚、通信部175は、Ethernet(登録商標)、IEEE1394、HDMI(登録商標)、USB等の有線接続であっても良い。また、通信部175は、図示を略した、CPU等のプロセッサー、RAM等の記憶媒体とソフトウェアとが協働して機能する通信装置であっても良い。
【0024】
通信部175は、接続した情報処理装置200から投射設定や画像データ等を受信する。通信部175は、受信した投射設定に関するデータを制御部160に送る。また、通信部175は、受信した画像データを画像処理部152に送る。
また、通信部175は、接続した情報処理装置200に対して各種の情報データを送信できる。
プロジェクター100Aは、光学的な画像の形成を行い、スクリーンSC1に画像を投射(表示)する画像投射部50を備える。画像投射部50は、光源としての光源部55、光変調部80及び投射光学系90を備える。
【0025】
光源部55は、光源駆動部121により駆動される。光源駆動部121は、内部バス180に接続される。光源駆動部121は、制御部160の制御に従って、光源部55の光源を点灯及び消灯させる。光源が点灯すると出射光L1が光変調部80に入光される。
光変調部80は、光源部55から入射する光を表示画像データに応じて変調する。光源部55からの出射光L1は、光変調部80によって変調され、画像光L2となる。光変調部80は、一対の透明基板間に液晶が封入された液晶パネルを含む液晶ライトバルブ(不図示)を備える。液晶ライトバルブは、3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の色光成分に対応する3枚の液晶パネルを備える。また光変調部80には、光変調部80を駆動する光変調駆動部122が接続される。光変調駆動部122は、内部バス180に接続される。
【0026】
光変調駆動部122は、画像処理部152から入力される表示画像データに基づいてR,G,Bの画像信号をそれぞれに生成する。光変調駆動部122は、生成したR,G,Bの画像信号に基づいて、光変調部80の対応する液晶パネル(図示は略す)を駆動し、画像を描画させる。
投射光学系90は、光変調部80からの画像光L2をスクリーンSC1方向へ投射して、スクリーンSC1上に結像させるレンズ群を備える。また、投射光学系90は、スクリーンSC1の投射画像の拡大・縮小及び焦点の調整を行うズーム機構、フォーカスの調整を行うフォーカス調整機構、およびスクリーンSC1上の投射位置を上下左右方向に移動させるレンズシフト機構を備える。
【0027】
本実施形態では、ズーム機構、フォーカス調整機構およびレンズシフト機構は、ユーザーの手動による調整に加えて、モーターおよびギヤ等で構成されるアクチュエーター92により調整することが可能である。例えば、アクチュエーター92は、モーターの回転をギヤ等で直動方向の移動に変換し、レンズ群の少なくとも一部を光軸方向に移動させたり、光軸と直交する方向に移動させたりする。
【0028】
投射光学系90には、光学系調整部123が接続される。光学系調整部123は、内部バス180に接続される。
光学系調整部123は、フォーカス調整、ズーム設定またはレンズシフト調整等に応じて制御部160から送られる指示に基づいて、アクチュエーター92の駆動信号を生成する。光学系調整部123は、生成した駆動信号に基づいて、投射光学系90のアクチュエーター92を駆動させる。
【0029】
プロジェクター100Aは、操作パネル131及び操作処理部133を備える。操作処理部133は、内部バス180に接続される。
ユーザーからの操作を受け付ける操作パネル131には、各種の操作キーや表示画面が表示される。操作処理部133は、操作パネル131に表示された操作キーが操作されると、操作されたキーに対応したデータを制御部160に出力する。また、操作処理部133は、制御部160の制御に従って、操作パネル131に各種画面を表示させる。
また、操作パネル131には、操作パネル131への接触を検出するタッチセンサーが重ね合わされて一体形成されても良い。操作処理部133は、ユーザーの手指等が接触した操作パネル131の位置を入力位置として検出し、検出した入力位置に対応したデータを制御部160に出力する。尚、操作指示は操作パネル131に対する入力には限定されず、例えば、図示を略した無線リモコン等から送信される態様も想定できる。
【0030】
プロジェクター100Aは、状態検出部140を備える。状態検出部140は、プロジェクター100Aが内蔵するカメラ142が出力する信号が入力される。
状態検出部140は、入力された信号に基づきプロジェクター100Aの状態を示す状態情報を生成し、制御部160に出力する。
カメラ142は、撮像光学系、CCDのような撮像素子及びインターフェイス回路等を有し、投射画像が投射されるスクリーンSC1の周辺、即ち、投射光学系90の投射方向を撮影する。カメラ142は、撮影した投射画像の画像データ信号を状態検出部140に出力する。
【0031】
プロジェクター100Aは、画像処理系を備える。画像処理系は、プロジェクター100Aの全体を統括的に制御する制御部160を中心に構成され、この他に、画像処理部152、フレームメモリー155及び記憶部170を備える。制御部160、画像処理部152及び記憶部170は、内部バス180に接続される。
【0032】
画像処理部152は、制御部160の制御に従って、通信部175から入力される画像データをフレームメモリー155に展開する。画像処理部152は、フレームメモリー155に展開された画像データに対して、歪みを補正する台形補正等の形状補正処理、デジタルズーム処理、画像の色合いや明るさの調整等の処理を行う。画像処理部152は、制御部160により指定された処理を実行し、必要に応じて、制御部160から入力されるパラメーターを使用して処理を行う。また、画像処理部152は、上記のうち複数の処理を組み合わせて実行することも勿論可能である。
画像処理部152は、処理後の画像データをフレームメモリー155から読み出し、表示画像データとして光変調駆動部122に出力する。
【0033】
制御部160は、何れも図示は略した、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサー、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のハードウェアを備える。ROMは、フラッシュROM等の不揮発性の記憶装置であり、制御プログラムやデータを格納する。RAMは、プロセッサーのワークエリアを構成する。プロセッサーは、ROMや記憶部170から読み出した制御プログラムをRAMに展開し、RAMに展開された制御プログラムを実行してプロジェクター100Aの各機能部を実現し、プロジェクター100Aの動作を統括して制御する。
【0034】
制御部160は、情報処理装置200から送信される投射設定に関するデータに基づいて、フォーカス調整、歪み補正、ズーム設定およびレンズシフト調整や、テストパターンの投射を行う。また、制御部160は、操作パネル131を介して入力される操作指示に基づいて、各機能の実行を制御する。
また、制御部160は、機能ブロックとして、投射制御部161および補正処理部163を備える。これらの機能ブロックは、何れも図示を略した、CPUと、ROMや記憶部170に記憶された制御プログラムと、が協働することで実現される。
記憶部170は、不揮発性の記憶装置であり、例えば、フラッシュメモリー、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、HDD(Hard Disc Drive)などの記憶装置により実現される。また、記憶部170は、画像投射部50によりスクリーンSC1に投射させる画像データや、制御部160が参照する各データやパラメーターや、テストパターンの画像データ等を記憶する。
【0035】
投射制御部161は、画像投射部50における画像の表示態様を調整し、スクリーンSC1への画像の投射を制御する。
具体的には、投射制御部161は、画像処理部152を制御して、通信部175が受信した画像データに対する画像処理を実行させる。この際、投射制御部161は、画像処理部152が処理に必要なパラメーターを記憶部170から読み出して、画像処理部152に出力してもよい。
また、投射制御部161は、光源駆動部121を制御して光源部55の光源を点灯させ、光源部55に対して光源の輝度を指示する。
【0036】
補正処理部163は、状態検出部140から出力される状態情報に基づいて、補正処理を実行する。
例えば、状態情報が、プロジェクター100Aの傾斜を示している場合、補正処理部163は、画像処理部152に対して補正を指示する。
また、補正処理部163は、情報処理装置200から送信された投射設定の歪み補正に関するデータに基づいて、画像処理部152に対して補正を指示する。
電源部190は、外部の電源195から供給される電力を所定の特性値に変換し、各機能部に供給する。
【0037】
<情報処理装置の機能構成>
図3は、プロジェクター(100A,100B,100C)と接続される情報処理装置200の機能構成を示す構成図である。以降の説明において、プロジェクター100Aは第1の表示装置に相当し、プロジェクター100Bは第2の表示装置に相当する。
情報処理装置200は、通信部210、制御部220、入出力部230および記憶部240を備える。
本実施形態では、情報処理装置200はノート型のコンピューターを想定するが、これには限定されない。例えば、情報処理装置200は、ユーザーが手に持って操作する小型の情報端末であっても良い。小型の情報端末は、例えば、スマートフォン等の高機能携帯電話や、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistants)等の多機能携帯端末を想定する。
【0038】
通信部210は、ネットワーク10を介してプロジェクター(100A,100B,100C)との間でデータを送受信する。例えば、通信部210は、プロジェクター(100A,100B,100C)で投射する画像データや、プロジェクター(100A,100B,100C)の投射設定に関するデータを送信する。
記憶部240は、画像や文書を示すファイル形式のコンテンツデータや、情報処理装置200で実行可能なプロジェクター設定プログラム250のデータを記憶する。プロジェクター設定プログラム250は、制御プログラムに相当し、接続しているプロジェクター(100A,100B,100C)の投射設定を行うためのアプリケーションプログラムである。本実施形態では、記憶部240は、例えば、フラッシュメモリー等を想定する。
【0039】
入出力部230は、接続しているプロジェクター(100A,100B,100C)を管理するための管理画面(操作画面)を表示する表示部234と、操作画面に対する操作を受け付ける入力部232と、を備える。本実施形態では、表示部234は、液晶パネルを想定し、例えば、実行中のプロジェクター設定プログラム250のユーザーインターフェイス等の画像を表示する。また、入力部232は、液晶パネルと一体化されたタッチパネル、キーボード、マウス等を想定し、例えば、表示したユーザーインターフェイスに対するユーザーの指示を受け付ける。
制御部220は、何れも図示は略した、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサー、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のハードウェアを備える。ROMは、フラッシュROM等の不揮発性の記憶装置であり、オペレーティングシステム等の制御プログラムやデータを格納する。RAMは、プロセッサーのワークエリアを構成する。
プロセッサーは、ROMや記憶部240から読み出した制御プログラムをRAMに展開し、RAMに展開された制御プログラムを実行して情報処理装置200の各機能部を実現し、情報処理装置200の動作を統括して制御する。更に、制御部220は、入力部232が受け付けた操作に基づいて、プロジェクター(100A,100B,100C)の動作を制御する。
【0040】
本実施形態では、オペレーティングシステムとしてWindows(登録商標)を想定するが、これには限定されない。例えば、Android(登録商標)や、iOS(登録商標)も想定できる。
尚、制御部220は、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態は特に制限されない。従って、必ずしも各機能部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、ソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアで実現しても良く、あるいは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現しても良い。
【0041】
図4は、プロジェクター設定プログラム250の処理の流れ(制御方法)を示すフローチャートである。また、
図5は、表示タブ変更処理S310の詳細を示すフローチャートである。以降の説明において、操作画面の一例として、
図6A~
図6Cおよび
図7A~
図7Cを適宜参照して説明する。
本実施形態では、ユーザーの操作により、情報処理装置200においてプロジェクター設定プログラム250が実行され、設定対象とするプロジェクター(100A,100B,100C)が指定された場合を想定する。この場合、ユーザーインターフェイスとして機能する操作画面(例えば、
図7A~
図7C)は、プロジェクター(100A,100B,100C)毎に作成され、ユーザーインターフェイスを構成する部品の1つであるタブにより切り替え可能に情報処理装置200に表示される。
【0042】
尚、
図6Aまたは
図7Aに示すように、現在の状態は、プロジェクター100Aを示す「プロジェクターA」に関する操作画面(第1の管理画面)が最前面に表示され、操作可能な状態(第1の状態)である場合を想定する。また、「プロジェクターB」は、プロジェクター100Bを示し、「プロジェクターC」はプロジェクター100Cを示す。
この状態で、制御部220は、「プロジェクターB」のタブ、または「プロジェクターC」のタブがユーザーにより指示され、操作画面の変更が指示されたか、否かを判定する(ステップS300)。例えば、「プロジェクターB」のタブが指示されると、「プロジェクターB」に関する操作画面が最前面に表示され、操作可能な状態(第2の状態)に変更される。
【0043】
ここで、変更が指示されたと判定された場合(ステップS300でYes)、表示タブ変更処理S310が実行される。
ここで、
図5に基づいて、表示タブ変更処理S310の処理について説明する。
表示タブ変更処理S310が実行されると、最初に、制御部220は、操作画面が同期モードか、否かを判定する(ステップS312)。
本実施形態では、操作画面の右上部に「同期する」と表示した選択スイッチ(設定スイッチ)を配置し、ユーザーが選択スイッチを選択することで、同期モードのON/OFFが切り替わる。この「同期する」と表示した選択スイッチは、操作画面の切り替え前後において、所定の項目を表示する項目画面を同一にするか、否かを決定する。
【0044】
ここで、
図6Aのように「同期する」がチェックされ、操作画面が同期モードであると判定された場合(ステップS312でYes)、制御部220は、現在、操作可能である「プロジェクターA」のタブの操作画面の情報を取得する(ステップS314)。例えば、
図6Aでは、制御部220は、「プロジェクターA」の操作画面における所定の項目を示す項目画面が「フォーカス/歪み補正」であることを取得する。
次に、制御部220は、フォーカスが移行する移行先のタブの操作画面に関する情報を取得する(ステップS316)。例えば、ユーザーが「プロジェクターB」のタブを選択した場合、制御部220は、フォーカスが移行する「プロジェクターB」の操作画面に関する情報を取得する。尚、取得される情報には、「プロジェクターB」の操作画面が最前面に表示され、操作可能な状態に遷移する場合に、「プロジェクターB」の操作画面において選択される項目画面の設定情報が含まれる。この場合、設定情報は、「フォーカス/歪み補正」、「ズーム」、「レンズシフト」および「テストパターン」の何れかを示す。
【0045】
次に、制御部220は、現在の「プロジェクターA」の操作画面と、「プロジェクターB」に変更された場合の操作画面とを比較して、2つの操作画面が一致するか、即ち、共に「フォーカス/歪み補正」のように、項目画面が一致するか、否かを判定する(ステップS318)。
ここで、2つの操作画面が一致しないと判定された場合(ステップS318でNo)、制御部220は、移行先のタブの操作画面を、現在のタブの操作画面に合わせて表示させ(ステップS320)、ステップS310を終了する。
【0046】
例えば、
図6Aのように「プロジェクターA」の操作画面が「フォーカス/歪み補正」の項目画面(第1の項目画面)であり、移行先の「プロジェクターB」の項目画面が「フォーカス/歪み補正」とは異なる「レンズシフト」である場合、制御部220は、「プロジェクターB」の項目画面が「フォーカス/歪み補正」に対応する項目を有する項目画面(本実施形態では、「フォーカス/歪み補正」と同一の項目画面(第2の項目画面))になるように設定情報を変更し、「プロジェクターB」の操作画面を最前面に表示して操作可能な第2の状態に遷移させる。これにより、
図6Bに示すように、項目画面が「フォーカス/歪み補正」である「プロジェクターB」の操作画面(第2の管理画面)が操作可能に表示される。
尚、本実施形態では、項目画面を同一にする態様を説明したが、これには限定されない。項目画面の機能が同一であれば良い。例えば、「プロジェクターB」の操作画面の項目画面は、「プロジェクターA」の操作画面における「フォーカス/歪み補正」の項目画面とは異なるデザインであり、「フォーカス/歪み補正」を行うことができる項目画面であっても良い。
【0047】
本実施形態では、項目画面には、プロジェクター(100A,100B,100C)毎にウェブサイト上のアドレス(URL:Uniform Resource Locator)が割り当てられ、フォルダー名には項目画面毎に同一のファイル名が割り当てられている。例えば、「フォーカス/歪み補正」の場合のフォルダー名は、「focus」である。
従って、制御部220は、「プロジェクターB」の項目画面として「フォーカス/歪み補正」になるように設定情報を変更する場合、「プロジェクターA」の現在の項目画面に対応するURLを編集する。即ち、フォルダー名を「focus」に変更し、プロジェクター100Aのパス名をプロジェクター100Bのパス名に書き換えることで、プロジェクター100Bの項目画面を容易かつ迅速に設定できる。
【0048】
尚、本実施形態では、URLが割り当てられている項目画面の各項目は、初期値(デフォルト値)が設定された初期状態を示す態様を想定するが、これには限定されない。例えば、「フォーカス/歪み補正」では、フォーカス設定および歪み補正における複数の設定値に対応する設定画面がそれぞれ作成され、作成された設定画面にURLがそれぞれ割り当てられても良い。この場合、制御部220は、プロジェクター(100A,100B,100C)に設定されている設定状態に基づいて、複数の設定画面の中から1つを決定して表示させても良い。
また、ユーザーが「プロジェクターC」のタブを選択した場合、制御部220は、
図6Cに示すように、「プロジェクターC」の操作画面を「フォーカス/歪み補正」の項目画面に変更し、最前面に表示して操作可能な状態に遷移させる。
【0049】
他方で、ステップS318において、2つの操作画面が一致すると判定された場合(Yes)、制御部220は、移行先のタブの操作画面を表示させ(ステップS325)、ステップS310を終了する。
例えば、
図6Aのように「プロジェクターA」の現在の操作画面が「フォーカス/歪み補正」の項目画面である場合、移行先の「プロジェクターB」の項目画面も「フォーカス/歪み補正」の項目画面であるため、
図6Bに示すように表示される。同様に、移行先の「プロジェクターC」の項目画面も「フォーカス/歪み補正」の項目画面であるため、
図6Cに示すように表示される。
【0050】
また、ステップS312において、
図7Aのように操作画面が同期モードでないと判定された場合(No)、制御部220は、移行先のタブの操作画面を表示させ(ステップS325)、ステップS310を終了する。
この場合、
図6Aのように「プロジェクターA」の現在の操作画面が「フォーカス/歪み補正」の項目画面であっても、移行先の「プロジェクターB」の項目画面は、
図7Bに示すように、設定情報に基づいて「レンズシフト」の項目画面が表示される。同様に、移行先の「プロジェクターC」の項目画面は、
図7Cに示すように、設定情報に基づいて「テストパターン」の項目画面が表示される。
【0051】
以上述べたように、制御部220は、操作可能な操作画面をプロジェクター100Aからプロジェクター100Bに同期させて変更する場合、プロジェクター100Aが操作可能な状態であったときに、プロジェクター100Aの操作画面において選択されていた所定の項目に対応する項目がプロジェクター100Bの操作画面においても表示されるように制御する。即ち、制御部220は、プロジェクター100Aの操作画面において第1の項目画面が操作可能に選択されていた場合、プロジェクター100Bの操作画面においても第1の項目画面と同じ項目を有する第2の項目画面が操作可能に選択されて表示される。
【0052】
ここで、
図4に戻り、表示タブ変更処理S310を終了すると、ステップS330が実行される。
また、ステップS300において、変更が指示されていないと判定された場合(ステップS300でNo)も、ステップS330が実行される。
ステップS330では、制御部220は、操作画面の設定が変更されたか、否かを判定する。
【0053】
ここで、操作画面の設定が変更されたと判定された場合(ステップS330でYes)、制御部220は、対応するプロジェクター(100A,100B,100C)に、変更された設定を送信し(ステップS340)、ステップS350に進む。
また、操作画面の設定が変更されていないと判定された場合(ステップS330でNo)、ステップS350に進む。
ステップS350では、制御部220は、終了が指示されたか、否かを判定し、終了が指示されたと判定された場合(Yes)、処理を終了する。
他方で、終了が指示されていないと判定された場合(ステップS350でNo)、プロジェクター設定プログラム250の処理の最初(ステップS300)に戻り、上述の処理を繰り返す。
【0054】
以上述べた実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
(1)ユーザーの操作により、例えば、「プロジェクターA」の操作画面が操作可能な第1の状態から、「プロジェクターB」の操作画面が操作可能な第2の状態に切り替わると、第2の状態において、第1の状態で「プロジェクターA」の操作画面で選択されていた項目画面に対応する項目画面が選択された「プロジェクターB」の操作画面が表示される。従って、「プロジェクターA」の操作画面で選択されていた項目画面に対応する項目画面が、「プロジェクターB」の操作画面において選択された状態であるため、プロジェクター100A、及びプロジェクター100Bに関して所定の項目の管理が迅速に行え、プロジェクター100A,100Bの管理に対する利便性が向上する。
【0055】
(2)「プロジェクターA」の操作画面が操作可能な第1の状態から、「プロジェクターB」の操作画面が操作可能な第2の状態に切り替わると、第2の状態において、第1の状態で「プロジェクターA」の操作画面で選択されていた項目画面と同一の項目画面が選択された「プロジェクターB」の操作画面が表示される。従って、管理するプロジェクター100A,100Bを切り替えた場合、同一の操作画面が表示されるため、プロジェクター100A,100Bを切り替える度に操作画面を選択する手間が省ける。
【0056】
(3)「プロジェクターA」の操作画面が操作可能な第1の状態から、「プロジェクターB」の操作画面が操作可能な第2の状態に切り替えた場合、選択スイッチに応じて、「プロジェクターB」の操作画面を「プロジェクターA」の操作画面の項目画面と同一の項目画面に変更して表示したり、「プロジェクターB」の操作画面で選択されている項目画面を変更せず表示したりできる。
【0057】
以上、本発明を図示した実施形態に基づいて説明したが、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、以下に述べるような変形例も想定できる。
(1)プロジェクター(100A,100B,100C)は、光変調部80として液晶ライトバルブを用いた方式には限定されず、DLP(Digital Light Processing)方式やLCOS(Liquid Crystal On Screen)方式等の他の方式も想定できる。
(2)表示装置はプロジェクター(100A,100B,100C)には限定されない。例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイやヘッドマウントディスプレイ等のような直視の表示装置であってもよい。
【符号の説明】
【0058】
5…投射システム、10…ネットワーク、50…画像投射部、55…光源部、80…光変調部、90…投射光学系、92…アクチュエーター、100A…プロジェクター、100B…プロジェクター、100C…プロジェクター、121…光源駆動部、122…光変調駆動部、123…光学系調整部、131…操作パネル、133…操作処理部、140…状態検出部、142…カメラ、152…画像処理部、155…フレームメモリー、160…制御部、161…投射制御部、163…補正処理部、170…記憶部、175…通信部、180…内部バス、190…電源部、195…外部の電源、200…情報処理装置、210…通信部、220…制御部、230…入出力部、232…入力部、234…表示部、240…記憶部、250…プロジェクター設定プログラム、L1…出射光、L2…画像光、SC1,SC2,SC3…スクリーン。