(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】検査画像管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20221025BHJP
G06F 16/58 20190101ALI20221025BHJP
G06T 11/80 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
G06Q50/08
G06F16/58
G06T11/80 A
(21)【出願番号】P 2018059125
(22)【出願日】2018-03-27
【審査請求日】2021-01-22
(73)【特許権者】
【識別番号】511300145
【氏名又は名称】株式会社穴吹カレッジサービス
(74)【代理人】
【識別番号】100149870
【氏名又は名称】芦北 智晴
(74)【代理人】
【識別番号】100147647
【氏名又は名称】岡本 直樹
(72)【発明者】
【氏名】橋本 昌典
(72)【発明者】
【氏名】平池 明日香
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-198251(JP,A)
【文献】特開2006-146682(JP,A)
【文献】特開平05-282421(JP,A)
【文献】特開2004-118733(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 16/50
G06T 11/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置と複数のクライアント装置とを含んで構成され、前記クライアント装置が撮影した検査箇所の画像を管理する検査画像管理システムであって、
複数の検査箇所に関する各種情報を前記クライアント装置に表示する検査箇所情報表示手段と、
撮影された検査箇所の画像に貼り付けるための豆図を作成する旨の指示を受け付ける豆図作成指示受付手段と、
前記豆図作成指示受付手段が豆図を作成する旨の指示を受け付けると、所定の元図から豆図を切り出すためのキャプチャ画面を前記クライアント装置に表示するキャプチャ画面表示手段と、
前記キャプチャ画面に表示された前記元図において豆図として切り出すべき領域を確定する旨の指示を受け付ける領域確定指示受付手段と、
前記領域確定指
示受付手段が受け付けた指示に基づいて前記元図から豆図を切り出す豆図キャプチャ手段と、
取り込まれた前記豆図を前記検査箇所に対応付ける豆図対応付け手段と、
対応付けされた前記豆図を記憶する豆図記憶手段と、
を備え、
前記キャプチャ画面表示手段が、切り出そうとする領域を指定するためのキャプチャ枠を前記キャプチャ画面に表示することを特徴とする検査画像管理システム。
【請求項2】
前記クライアント装置が所定の検査箇所を撮影する時に、当該検査箇所に対応付けて記憶された豆図を含む撮影時画面を前記クライアント装置に表示する撮影時画面表示手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の検査画像管理システム。
【請求項3】
前記検査箇所情報表示手段は、複数の検査箇所に関する各種情報を含んだ一覧表を前記クライアント装置に表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の検査画像管理システム。
【請求項4】
サーバ装置と複数のクライアント装置とを含んで構成され、前記クライアント装置が撮影した検査箇所の画像を管理する検査画像管理システムであって、
複数の検査箇所に関する各種情報を前記クライアント装置に表示する検査箇所情報表示手段と、
撮影された検査箇所の画像に貼り付けるための豆図を作成する旨の指示を受け付ける豆図作成指示受付手段と、
前記豆図作成指示受付手段が豆図を作成する旨の指示を受け付けると、所定の元図から豆図を切り出すためのキャプチャ画面を前記クライアント装置に表示するキャプチャ画面表示手段と、
前記キャプチャ画面に表示された前記元図において豆図として切り出すべき領域を確定する旨の指示を受け付ける領域確定指示受付手段と、
前記領域確定指
示受付手段が受け付けた指示に基づいて前記元図から豆図を切り出す豆図キャプチャ手段と、
取り込まれた前記豆図を前記検査箇所に対応付ける豆図対応付け手段と、
対応付けされた前記豆図を記憶する豆図記憶手段と、
を備え、
前記検査箇所情報表示手段は、複数の検査箇所に関する各種情報を含んだ一覧表を前記クライアント装置に表示し、
前記豆図対応付け手段は、前記豆図作成指示受付手段が受け付けた一の検査箇所について前記豆図記憶手段が豆図を記憶すると、前記一覧表において前記一の検査箇所に連続する次の検査箇所について豆図を対応付け可能な状態へと遷移することを特徴とする検査画像管理システム。
【請求項5】
前記キャプチャ画面表示手段が、切り出そうとする領域を指定するためのキャプチャ枠を前記キャプチャ画面に表示することを特徴とする請求項4に記載の検査画像管理システム。
【請求項6】
前記一覧表の各種情報が検査箇所の位置情報を含み、前記キャプチャ画面表示手段が、前記位置情報に対応する前記元図上の位置に前記キャプチャ枠を表示することを特徴とする請求項3又は5に記載の検査画像管理システム。
【請求項7】
前記キャプチャ画面表示手段が、前記元図のうち前記キャプチャ枠によって指定されている領域を、リアルタイム画像として前記キャプチャ画面に表示することを特徴とする請求項6に記載の検査画像管理システム。
【請求項8】
前記領域確定指示受付手段は、前記豆図作成指示受付手段が受け付けた一の検査箇所について前記豆図記憶手段が豆図を記憶すると、前記次の検査箇所の位置情報に対応する前記元図上の位置へ前記キャプチャ枠を移動させることを特徴とする、請求項5に直接的又は間接的に従属する場合の請求項6又は7に記載の検査画像管理システム。
【請求項9】
前記元図は、前記検査箇所における鉄筋の配置状態を示した配筋図であることを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の検査画像管理システム。
【請求項10】
前記検査箇所情報表示手段、前記豆図作成指示受付手段、前記キャプチャ画面表示手段と、前記領域確定指示受付手段、前記豆図キャプチャ手段、前記豆図対応付け手段、及び前記豆図記憶手段のうち、少なくとも一つが前記サーバ装置に設けられていることを特徴とする請求項1から9の何れか一項に記載の検査画像管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置と複数のクライアント装置とを含んで構成され、クライアント装置が撮影した検査箇所の画像を管理する検査画像管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
建物の建設工事や修繕工事では、工事が設計図面通りに施工されているかどうかを確認するための検査が行われる。例えば、鉄筋コンクリートで造られる建物の躯体工事では、設計図面としての配筋図に示された通りに鉄筋の本数や配置等が施工されているかどうかを確認するための配筋検査が、複数の検査箇所において行われる(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
このような検査では、検査員が各検査箇所を撮影することによって複数の検査画像が生じる。従って、これら検査画像を管理するための検査画像管理システムが従来提唱されている(例えば、特許文献2を参照)。この検査画像管理システムでは、複数の検査画像に加えて、検査画像それぞれに貼り付けるための豆図も管理される。この豆図は、検査員等により、設計図面の一部、例えば配筋検査の場合には配筋図の一部を切り出して作成されると共に、所定の検査箇所に対応付けられる。そして、所定の検査箇所の検査画像に対し、その検査箇所に対応付けられた豆図が貼り付けられる。検査員は、検査画像と豆図とを比較することにより、工事が設計図面通りに施工されているかどうかを確認する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5491243号公報
【文献】特許第5747886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の検査画像管理システムでは、設計図面の一部を切り出して豆図を作成する作業、及び作成した豆図を所定の検査箇所に対応付ける作業を、検査員等が行っていた。従って、検査員等の作業負担が大きく、また作業時に人為的なミスが生じる可能性があるという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、豆図の作成に際して検査員等の作業負担が小さく且つ信頼性の高い検査画像管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の態様によれば、
サーバ装置と複数のクライアント装置とを含んで構成され、前記クライアント装置が撮影した検査箇所の画像を管理する検査画像管理システムであって、
複数の検査箇所に関する各種情報を前記クライアント装置に表示する検査箇所情報表示手段と、
撮影された検査箇所の画像に貼り付けるための豆図を作成する旨の指示を受け付ける豆図作成指示受付手段と、
前記豆図作成指示受付手段が豆図を作成する旨の指示を受け付けると、所定の元図から豆図を切り出すためのキャプチャ画面を前記クライアント装置に表示するキャプチャ画面表示手段と、
前記キャプチャ画面に表示された前記元図において豆図として切り出すべき領域を確定する旨の指示を受け付ける領域確定指示受付手段と、
前記領域確定指示受付手段が受け付けた指示に基づいて前記元図から豆図を切り出す豆図キャプチャ手段と、
取り込まれた前記豆図を前記検査箇所に対応付ける豆図対応付け手段と、
対応付けされた前記豆図を記憶する豆図記憶手段と、
を備える検査画像管理システムが提供される。
【0008】
なお、本発明の一の態様に係る検査画像管理システムは、
前記クライアント装置が所定の検査箇所を撮影する時に、当該検査箇所に対応付けて記憶された豆図を含む撮影時画面を前記クライアント装置に表示する撮影時画面表示手段を更に備えてもよい。
【0009】
また、本発明の一の態様に係る検査画像管理システムにおいては、
前記検査箇所情報表示手段は、複数の検査箇所に関する各種情報を含んだ一覧表を前記クライアント装置に表示してもよい。
【0010】
また、本発明の一の態様に係る検査画像管理システムにおいては、
前記豆図対応付け手段は、前記豆図作成指示受付手段が受け付けた一の検査箇所について前記豆図記憶手段が豆図を記憶すると、前記一覧表において前記一の検査箇所に連続する次の検査箇所について豆図を対応付け可能な状態へと遷移してもよい。
【0011】
また、本発明の一の態様に係る検査画像管理システムにおいては、
前記キャプチャ画面表示手段が、切り出そうとする領域を指定するためのキャプチャ枠を前記キャプチャ画面に表示してもよい。
【0012】
また、本発明の一の態様に係る検査画像管理システムにおいては、
前記一覧表の各種情報が検査箇所の位置情報を含み、前記キャプチャ画面表示手段が、前記位置情報に対応する前記元図上の位置に前記キャプチャ枠を表示してもよい。
【0013】
また、本発明の一の態様に係る検査画像管理システムにおいては、
前記キャプチャ画面表示手段が、前記元図のうち前記キャプチャ枠によって指定されている領域を、リアルタイム画像として前記キャプチャ画面に表示してもよい。
【0014】
また、本発明の一の態様に係る検査画像管理システムにおいては、
前記領域確定指示受付手段は、前記豆図作成指示受付手段が受け付けた一の検査箇所について前記豆図記憶手段が豆図を記憶すると、前記次の検査箇所の位置情報に対応する前記元図上の位置へ前記キャプチャ枠を移動させてもよい。
【0015】
また、本発明の一の態様に係る検査画像管理システムにおいては、
前記元図は、前記検査箇所における鉄筋の配置状態を示した配筋図であってもよい。
【0016】
また、本発明の一の態様に係る検査画像管理システムにおいては、
前記検査箇所情報表示手段、前記豆図作成指示受付手段、前記キャプチャ画面表示手段と、前記領域確定指示受付手段、前記豆図キャプチャ手段、前記豆図対応付け手段、及び前記豆図記憶手段のうち、少なくとも一つが前記サーバ装置に設けられてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一の態様に係る検査画像管理システムによれば、検査員等の作業負担が小さく且つ信頼性の高い豆図管理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態に係る検査画像管理システムの概略構成を示す模式図である。
【
図2】実施形態に係るサーバ装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係るグリッドを含んだ検査画像管理画面を示す概略図である。
【
図4】実施形態に係るキャプチャ画面フォームを含んだキャプチャ画面を示す概略図である。
【
図6】実施形態に係る撮影時画面フォームを含んだ撮影時画面を示す概略図である。
【
図7】実施形態に係る工事黒板を示す概略図である。
【
図8】実施形態に係る対応付けテーブルを示す模式図である。
【
図9】実施形態に係るグリッド表示処理の流れを示すフローチャートである
【
図10】実施形態に係るキャプチャ画面表示処理の流れを示すフローチャートである。
【
図11】実施形態に係る豆図作成記憶処理の流れを示すフローチャートである。
【
図12】実施形態に係る撮影時豆図表示処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態に係る検査画像管理システムについて、図面を参照しつつ説明する。本実施形態に係る検査画像管理システムは、建物の建設工事や修繕工事の配筋検査時に撮影される画像を管理するシステムである。
【0020】
(検査画像管理システムの構成)
図1は、本発明の実施形態に係る検査画像管理システム100の概略構成を示す模式図である。検査画像管理システム100は、データセンタD等に設置されたサーバ装置1と、このサーバ装置1に対してインターネット等のネットワークNを介して通信可能に接続された複数のクライアント装置2と、を備えている。クライアント装置2は、現場事務所等に設置されるパーソナルコンピュータ2Aと、持ち運び可能なスマートフォン2Bとを含んでいる。なお、クライアント装置2としては、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯電話等、従来公知の情報端末を使用することができる。
【0021】
サーバ装置1は、クライアント装置2に対して所定のサービスを提供する。
図2は、サーバ装置1の機能的な構成を示すブロック図である。サーバ装置1は、クライアント装置2からの指示を受け付ける受付手段3と、指示に応じた各種情報をクライアント装置2に表示する表示手段4と、豆図に関する処理を行う豆図処理手段5と、各種情報を記憶する記憶手段6と、を含んで構成されている。
【0022】
受付手段3は、
図2に示すように、グリッド表示指示受付手段31と、豆図作成指示受付手段32と、領域確定指示受付手段33と、撮影指示受付手段34と、を有している。
【0023】
表示手段4は、
図2に示すように、グリッド表示手段41(本発明に係る「検査箇所情報表示手段4」に相当)と、キャプチャ画面表示手段42と、リアルタイム画像表示手段43と、撮影時画面表示手段44と、を有している。
【0024】
豆図処理手段5は、
図2に示すように、豆図キャプチャ手段51と、豆図対応付け手段52と、を有している。
【0025】
記憶手段6は、
図2に示すように、グリッド記憶手段61と、キャプチャ画面フォーム記憶手段62と、配筋図記憶手段63と、キャプチャ枠記憶手段64と、撮影時画面フォーム記憶手段65と、豆図記憶手段66と、対応付け情報記憶手段67と、を有している。
【0026】
(受付手段について)
グリッド表示指示受付手段31は、グリッドを表示する旨の指示をクライアント装置2から受け付ける。ここで、本願明細書における「グリッド」とは、検査が行われる工種ごと(例えば、鉄筋工事や型枠工事や鉄骨工事)や対象物ごと(例えば、柱やスラブ)や検査箇所ごと(例えば、6階や5階)に各種情報を示した一覧表を意味している。グリッド表示指示受付手段31は、
図2に示すように、グリッド表示指示を受け付けると、グリッド表示手段41に対し、クライアント装置2にグリッドを表示する旨の命令を発する。
【0027】
豆図作成指示受付手段32は、豆図を作成する旨の指示をクライアント装置2から受け付ける。ここで、本願明細書における「豆図」とは、検査時に撮影する画像と比較するために用いられる図面や写真等を意味している。本実施形態では、検査箇所における鉄筋の配置状態を図示する配筋図(本願発明に係る「元図」に相当)の一部を切り出すことにより、豆図が作成される。豆図作成指示受付手段32は、
図2に示すように、豆図作成指示を受け付けると、キャプチャ画面表示手段42に対し、クライアント装置2にキャプチャ画面を表示する旨の命令を発する。
【0028】
領域確定指示受付手段33は、配筋図上で豆図の領域を確定する旨の指示をクライアント装置2から受け付ける。この領域確定指示受付手段33は、
図2に示すように、領域確定指示を受け付けると、豆図キャプチャ手段51に対し、配筋図の一部を切り出して豆図を作成する旨の指示を発すると共に、豆図対応付け手段52に対し、作成された豆図を所定の検査箇所に対応付ける旨の命令を発する。
【0029】
撮影指示受付手段34は、検査箇所を撮影する旨の指示をクライアント装置2から受け付ける。この撮影指示受付手段34は、
図2に示すように、撮影指示を受け付けると、具体的にはクライアント装置2を撮影モードに切り替える旨の指示を受け付けると、撮影時画面表示手段44に対し、クライアント装置2に撮影時画面を表示する旨の命令を発する。
【0030】
(表示手段について)
グリッド表示手段41は、クライアント装置2にグリッドを表示する。このグリッド表示手段41は、
図2に示すように、クライアント装置2にグリッドを表示する旨の命令をグリッド表示指示受付手段31から受けると、グリッド記憶手段61にアクセスし、そこに記憶された所定のグリッドを読み出す。そして、グリッド表示手段41は、読み出したグリッドをクライアント装置2へ送信する。
【0031】
キャプチャ画面表示手段42は、クライアント装置2にキャプチャ画面を表示する。このキャプチャ画面表示手段42は、
図2に示すように、クライアント装置2にキャプチャ画面を表示する旨の命令を豆図作成指示受付手段32から受けると、キャプチャ画面フォーム記憶手段62にアクセスし、そこに記憶された所定のキャプチャ画面フォームを読み出す。ここで、本願明細書における「キャプチャ画面フォーム」とは、キャプチャ画面を構成する所定の画面様式を意味している。
【0032】
また、キャプチャ画面表示手段42は、
図2に示すように、配筋図記憶手段63にアクセスし、そこに記憶された所定の配筋図を読み出す。そして、キャプチャ画面表示手段42は、読み出した配筋図をキャプチャ画面の所定位置に配置する。更に、キャプチャ画面表示手段42は、キャプチャ枠記憶手段64にアクセスし、そこに記憶された所定のキャプチャ枠を読み出す。ここで、本願明細書における「キャプチャ枠」とは、配筋図上の一部の領域を指定可能な枠体を意味している。そして、キャプチャ画面表示手段42は、読み出したキャプチャ枠を配筋図の所定位置に配置する。
【0033】
また、キャプチャ画面表示手段42は、
図2に示すように、リアルタイム画像表示手段43に対し、キャプチャ画面フォームの所定位置にリアルタイム画像を表示する旨の命令を発する。ここで、本願明細書における「リアルタイム画像」とは、ある時点においてキャプチャ枠によって指定されている配筋図の領域の画像を意味している。そして、キャプチャ画面表示手段42は、キャプチャ画面フォームの上に配筋図とキャプチャ枠とリアルタイム画像を配置することによって作成したキャプチャ画面を、クライアント装置2へ送信する。
【0034】
リアルタイム画像表示手段43は、キャプチャ画面フォームの所定位置にリアルタイム画像を表示する。このリアルタイム画像表示手段43は、
図2に示すように、リアルタイム画像を表示する旨の命令をキャプチャ画面表示手段42から受けると、その時点においてキャプチャ枠によって指定されている配筋図の領域の画像を取得する。そして、リアルタイム画像表示手段43は、取得した画像を拡大し、拡大した画像をキャプチャ画面フォームの所定位置にリアルタイム画像として表示する。
【0035】
なお、リアルタイム画像表示手段43は本発明に必須の構成ではない。すなわち、キャプチャ画面には少なくとも配筋図とキャプチャ枠が表示されれば足りる。但し、キャプチャ画面にリアルタイム画像が表示されると、クライアント装置2のユーザである検査員等が、配筋図においてキャプチャ枠によって現在包囲されている領域を拡大された状態で視認することができるので、豆図として切り出すべき領域を指定する作業が容易になるという利点がある。
【0036】
撮影時画面表示手段44は、クライアント装置2に撮影時画面を表示する。この撮影時画面表示手段44は、
図2に示すように、クライアント装置2に撮影時画面を表示する旨の命令を撮影指示受付手段34から受けると、撮影時画面フォーム記憶手段65にアクセスし、そこに記憶された所定の撮影時画面フォームを読み出す。ここで、本願明細書における「撮影時画面フォーム」とは、撮影時画面を構成する所定の画面様式を意味している。
【0037】
また、撮影時画面表示手段44は、
図2に示すように、対応付け情報記憶手段67にアクセスし、そこに記憶された対応付け情報を読み出す。この対応付け情報は、後述するように、検査箇所と豆図との対応関係を示す情報である。撮影時画面表示手段44は、豆図記憶手段66にアクセスし、読み出した対応付け情報に基づいて、対象となる検査箇所に対応する豆図を読み出す。そして、撮影時画面表示手段44は、読み出した豆図を撮影時画面フォームの上に配置することによって作成した撮影時画面を、クライアント装置2へ送信する。
【0038】
(豆図処理手段について)
豆図キャプチャ手段51は、配筋図から一部の領域を切り出すことによって豆図を作成する。この豆図キャプチャ手段51は、
図2に示すように、豆図を作成する旨の命令を領域確定指示受付手段33から受けると、その時点においてキャプチャ枠によって指定されている配筋図の領域を切り出すことにより、画像ファイルとして豆図を作成する。そして、豆図キャプチャ手段51は、豆図記憶手段66にアクセスし、作成した豆図をそこに記憶する。
【0039】
豆図対応付け手段52は、豆図と検査箇所との対応付けを行う。この豆図対応付け手段52は、
図2に示すように、豆図の対応付けを行う旨の命令を領域確定指示受付手段33から受けると、豆図作成指示受付手段32が豆図作成指示を受け付けた複数の検査箇所と、豆図キャプチャ手段51が作成した複数の豆図とを一対一で対応付けることにより、豆図対応付け情報を作成する。そして、豆図対応付け手段52は、対応付け情報記憶手段67にアクセスし、作成した豆図対応付け情報をそこに記憶する。
【0040】
(記憶手段について)
グリッド記憶手段61は、複数の検査箇所に関する検査箇所ごとの各種情報を一覧表として示すグリッドを記憶する。
図3は、実施形態に係るグリッド7を含んだ検査画像管理画面8を示す概略図である。検査画像管理画面8は、画面向かって左側に設けられた検査箇所絞り込みパネル9と、画面向かって中央部から右側に亘って設けられたグリッド7と、グリッド7の左上方に設けられた工事黒板切り替えボタン10と、グリッド7の右上方に設けられた豆図作成ボタン11と、を備えている。
【0041】
検査箇所絞り込みパネル9は、グリッド7に表示させようとする検査箇所を、工種や進捗状況や階数や通り芯等の情報に基づいて絞り込むために用いられる。
【0042】
グリッド7は、複数の行および列からなる一覧表形式を有する。このグリッド7には、その列方向に異なる検査箇所が配列されると共に、その行方向に一の検査箇所に関する各種情報が配列される。そして、このグリッド7は、通り芯表示欄71と、検査画像表示欄72と、豆図有無表示欄73と、情報編集欄74と、を有している。
【0043】
通り芯表示欄71には、その検査箇所の位置を特定するための通り芯、すなわち柱や壁等の中心線を表す数字やアルファベット等が表示される。検査画像表示欄72には、その検査箇所で検査員等によって撮影された検査画像Pがサムネイル表示される。豆図有無表示欄73には、その検査箇所について豆図が記憶されているか否かが表示される。具体的には、豆図が記憶されている検査箇所の豆図有無表示欄73には「有」の文字が表示され、豆図が記憶されていない検査箇所の豆図有無表示欄73は空欄となっている。そして、この「有」の文字は、その検査箇所について記憶された検査画像Pにリンク付けされている。従って、検査員等は、「有」の文字をクリックすることにより、その検査箇所の検査画像Pを閲覧することができる。情報編集欄74には、その検査箇所に関する情報を編集するための情報編集アイコンHAが配置されている。そして、この情報編集アイコンHAは、不図示の情報編集画面にリンク付けされている。従って、検査員等は、情報編集アイコンHAをクリックして情報編集画面を呼び出すことにより、その検査箇所の各種情報を編集することができる。
【0044】
工事黒板切り替えボタン10は、豆図を含んだいわゆる工事黒板の種類を切り替えるために用いられる。より詳細には、法制上の制約等により、検査箇所の撮影時には、検査箇所に関する各種情報や検査結果に関する各種情報が検査画像Pに付加される必要がある。そこで、必要な情報が表示された工事黒板の画像が、検査画像Pの一部領域に貼り付けられる。そして、検査画像Pに付加すべき情報の種類や数は検査の種類に応じて異なるため、表示する情報の種類や数が異なる複数種類の工事黒板が予め用意されている。クライアント装置2のユーザである検査員等は、この工事黒板切り替えボタン10を押下して、不図示の工事黒板選択画面を呼び出すことにより、所望の工事黒板を選択することができる。なお、
図3に示すように、選択された工事黒板Bは、工事黒板切り替えボタン10に隣接した位置にサムネイル表示される。これにより、現在どの工事黒板Bが選択された状態であるかを、検査員が目視で容易に確認することができる。
【0045】
豆図作成ボタン11は、所定の検査箇所について豆図の作成を指示するために用いられる。検査員等は、豆図有無表示欄73が空欄になっている検査箇所、すなわち豆図がまだ記憶されていない検査箇所について豆図を作成及び記憶したい場合、まずその検査箇所の豆図有無表示欄73をクリックし、カーソルCをその豆図有無表示欄73へ移動させる。その状態において、検査員等が豆図作成ボタン11を押下すると、豆図を作成するためのキャプチャ画面に切り替わる、或いはキャプチャ画面がポップアップする。
【0046】
図2に示すキャプチャ画面フォーム記憶手段62は、キャプチャ画面を構成する画面様式としてのキャプチャ画面フォームを記憶する。
図4は、実施形態に係るキャプチャ画面フォーム12を含んだキャプチャ画面13を示す概略図である。キャプチャ画面フォーム12は、画面向かって左側に設けられた元図表示エリア14と、この元図表示エリア14の上方に設けられた検査箇所情報表示エリア15と、画面向かって右側上部に設けられたリアルタイム画像表示エリア16と、このリアルタイム画像表示エリア16の内部に配置されたキャプチャ確定ボタン17と、画面向かって右側下部に設けられた豆図表示エリア18と、を備えている。
【0047】
元図表示エリア14には、豆図を作成する際の元となる元図、本実施形態では配筋
図19が表示される。更に、元図表示エリア14には、キャプチャ枠20も表示される。また、検査箇所情報表示エリア15には、
図3に示すグリッド7の一部、具体的には検査画像表示欄72と豆図有無表示欄73と情報編集欄74とを除いた部分が表示されている。これにより、検査員等は、どこの検査箇所について豆図を作成しようとしているかを、目視により常時確認することができる。なお、検査箇所情報表示エリア15に表示される検査箇所に関する情報の内容は、本実施形態に限定されず任意に変更が可能である。
【0048】
リアルタイム画像表示エリア16には、キャプチャ枠20によって指定されている配筋
図19の一部領域が、リアルタイム画像30として表示される。また、キャプチャ確定ボタン17は、配筋
図19において豆図として切り出すべき領域を確定させるために用いられる。すなわち、検査員等がこのキャプチャ確定ボタン17を押下すると、その時点においてキャプチャ枠20によって指定されている配筋
図19の領域が、豆図として切り出される。また、豆図表示エリア18には、配筋
図19から切り出された豆
図21が順次表示される。
【0049】
図2に示す配筋図記憶手段63は、元図としての配筋
図19を記憶する。
図5は、実施形態に係る配筋
図19を示す概略図である。配筋
図19は、所定の検査箇所に設けられた柱や梁等について、その内部に配置される鉄筋の設計上の配置状態、すなわち設計上の鉄筋の本数や配置位置を示す図である。本実施形態の配筋
図19は、複数の行および列からなる一覧表形式を有し、建物の各階における複数の位置について、配置される梁の配筋状態を示している。特に、配筋
図19に設けられた複数の断面図表示欄22には、その位置に配置される梁Hの断面図がそれぞれ表示されている。なお、本実施形態の配筋
図19には、梁Hの断面図以外に、上端筋や下端筋や腹筋や巾止め筋やスターラップといった各種鉄筋の仕様が表示されている。なお、本実施形態では、本発明に係る元図として配筋
図19を用いたが、元図は配筋
図19に限られない。元図としては、検査の種類に応じて、検査画像Pと比較し得る他の設計図面や写真等を用いることが可能である。
【0050】
図2に示すキャプチャ枠記憶手段64は、配筋
図19の一部領域を指定するために用いるキャプチャ枠20を記憶する。このキャプチャ枠20は、
図4に示すように、略矩形の外形を有する中空の枠体であって、検査員等の操作に応じて、任意に拡大または縮小可能であり、また任意の位置へ移動可能である。そして、このキャプチャ枠20によって包囲された配筋
図19の一部領域が、リアルタイム画像として取得され、または豆
図21として切り出される。本実施形態では、
図5に示すように、6階の通り芯A-1の位置に設けられた梁Hの断面図を包囲するようにして、キャプチャ枠20が配筋
図19の上に配置されている。なお、キャプチャ枠20の形状は、配筋
図19の領域を指定可能な範囲で任意に設計変更が可能である。なお、本願明細書における「通り芯」とは、設計図面上において柱や壁等の中心を結んで作成される線を意味している。
【0051】
図2に示す撮影時画面フォーム記憶手段65は、撮影時画面フォームを記憶する。
図6は、実施形態に係る撮影時画面フォーム23を含んだ撮影時画面24を示す概略図である。撮影時画面フォーム23は、画面中央部に設けられた映像表示エリア25と、画面右端中央部に配置されたシャッターボタン26と、画面左下隅部に設けられたキャンセルボタン27と、映像表示エリア25の内部における左上隅部に設けられた工事黒板表示エリア28と、画面右下隅部に設けられた工事黒板切り替えボタン29と、を備えている。なお、工事黒板表示エリア28や各種ボタンの配置位置は、本実施形態に限られず適宜設計変更が可能である。
【0052】
映像表示エリア25には、図に詳細は示さないが、クライアント装置2で撮影中の検査画像が表示される。シャッターボタン26は、検査員等が撮影を実行する旨の指示を発するために使用する。キャンセルボタン27は、検査員等が撮影時画面24を閉じて撮影を終了する旨の指示を発するために使用する。工事黒板切り替えボタン29は、検査員等が工事黒板表示エリア28に表示される工事黒板Bを切り替える旨の指示を発するために使用する。
【0053】
また、工事黒板表示エリア28には、検査員等が選択した工事黒板Bの画像が表示される。
図7は、本実施形態に係る工事黒板Bを示す概略図である。工事黒板Bには、検査箇所に関する各種情報や検査結果に関する各種情報を入力及び表示可能な欄が複数設けられているが、その一つとして、豆
図21を表示するための豆図表示欄B1が設けられている。なお、豆
図21の表示位置は、工事黒板Bの豆図表示欄B1に限られず、撮影時画面フォーム23における任意の位置とすることができる。また、本実施形態では、豆
図21以外に、工事名、工種、撮影月日、検査箇所、設計寸法、実測寸法、立ち会い者といった情報が工事黒板Bに表示されているが、工事黒板Bの種類に応じて工事黒板Bに表示される情報の数や組み合わせは、種々異なっている。
【0054】
図2に示す豆図記憶手段66は、配筋
図19の一部を切り出して作成された豆
図21を記憶する。
図7に示す豆
図21は、
図5に示す配筋
図19における6階の通り芯A-1の断面図表示欄22から切り出して作成されたものである。この豆
図21には、上端筋70や下端筋71や腹筋72や巾止め筋73やスターラップ74といった各種鉄筋について、梁Hの内部における配置位置や本数等の設計情報が示されている。なお、豆
図21は本実施形態に限定されず、任意の元図の任意の位置から切り出して作成することが可能である。
【0055】
図2に示す対応付け情報記憶手段67は、豆
図21と検査箇所との対応関係を示す対応付け情報を記憶する。本実施形態に係る対応付け情報記憶手段67は、対応付け情報に基づいて作成する対応付けテーブルを記憶する。
図8は、本実施形態に係る対応付けテーブルTを示す模式図である。対応付けテーブルTにおいては、複数の検査箇所CPと複数の豆
図21とが一対一で対応している。なお、検査箇所CPは、建物の階数と通り芯によって表されている。
【0056】
(グリッド表示処理)
次に、実施形態に係る検査画像管理システム100がクライアント装置2にグリッド7を表示するグリッド表示処理について説明する。
図9は、グリッド表示処理の流れを示すフローチャートである。
【0057】
グリッド表示処理が開始すると、
図2に示すグリッド表示指示受付手段31は、グリッド7を表示する旨の指示をクライアント装置2から受け付けたか否かを判別する(ステップS1)。その結果、グリッド7を表示する旨の指示を受け付けていないと判断した場合(ステップS1:No)、グリッド表示指示受付手段31は、ステップS1へ戻って判別を繰り返す。なお、グリッド7表示する旨の指示は、図に詳細は示さないが、例えばクライアント装置2のメインメニュー画面において検査員等が所定のアイコンをクリックすることにより、クライアント装置2からサーバ装置1に向けて発せられる。
【0058】
一方、ステップS1における判別の結果、グリッド7を表示する旨の指示を受け付けたと判断した場合(ステップS1:Yes)、グリッド表示指示受付手段31は、
図2に示すグリッド表示手段41に対し、クライアント装置2にグリッド7を表示する旨の命令を発する。そうすると、グリッド表示手段41は、
図2に示すグリッド記憶手段61からグリッド7を読み出す(ステップS2)。そして、グリッド表示手段41は、読み出したグリッド7をクライアント装置2へ送信する(ステップS3)。これにより、例えば
図3に示すグリッド7がクライアント装置2に表示され、グリッド表示処理が終了する。
【0059】
(キャプチャ画面表示処理)
次に、実施形態に係る検査画像管理システム100がクライアント装置2にキャプチャ画面13を表示するキャプチャ画面表示処理について説明する。
図10は、キャプチャ画面表示処理の流れを示すフローチャートである。
【0060】
キャプチャ画面表示処理が開始すると、
図2に示す豆図作成指示受付手段32は、豆
図21を作成する旨の指示をクライアント装置2から受け付けたか否かを判別する(ステップS4)。なお、豆
図21を作成する旨の指示は、例えばクライアント装置2に表示された
図3に示す検査画像管理画面8において、グリッド7中に表示された豆図作成ボタン11を検査員等がクリックすることにより、クライアント装置2からサーバ装置1に向けて発せられる。
【0061】
ステップS4における判別の結果、豆
図21を作成する旨の指示を受け付けていないと判断した場合(ステップS4:No)、豆図作成指示受付手段32は、ステップS4へ戻って判別を繰り返す。一方、ステップS4における判別の結果、豆
図21を作成する旨の指示を受けたと判断した場合(ステップS4:Yes)、豆図作成指示受付手段32は、
図2に示すキャプチャ画面表示手段42に対し、クライアント装置2にキャプチャ画面13を表示する旨の命令を発する。
【0062】
そうすると、キャプチャ画面表示手段42は、
図2に示すキャプチャ画面フォーム記憶手段62からキャプチャ画面フォーム12を読み出す(ステップS5)。次に、キャプチャ画面表示手段42は、
図2に示す配筋図記憶手段63から配筋
図19を読み出す(ステップS6)。次に、キャプチャ画面表示手段42は、
図2に示すグリッド記憶手段61から、検査箇所CPに関する各種情報のうち検査箇所情報表示エリア15に表示すべき情報を読み出す(ステップS7)。次に、キャプチャ画面表示手段42は、
図2に示すキャプチャ枠記憶手段64からキャプチャ枠20を読み出す(ステップS8)。そして、キャプチャ画面表示手段42は、キャプチャ画面フォーム12の所定位置に配筋
図19を配置し、その配筋
図19の上にキャプチャ枠20を配置し、更に検査箇所CPに関する各種情報を検査箇所情報表示エリア15に表示することにより、キャプチャ画面13を作成する(ステップS9)。ここで、配筋
図19におけるキャプチャ枠20の配置位置は、クライアント装置2から豆
図21作成指示があった検査箇所CPに対応する位置である。例えば、検査員等が
図3に示す検査画像管理画面8においてグリッド7中の最上部に位置する6階の通り芯A-1の位置に表示された豆図作成ボタン11をクリックした場合、
図5に示す配筋
図19における同じく6階の通り芯A-1の位置に、キャプチャ枠20が配置される。
【0063】
また、キャプチャ枠表示手段4は、
図2に示すリアルタイム画像表示手段43に対し、キャプチャ画面フォーム12の所定位置にリアルタイム画像を表示する旨の命令を発する。そうすると、リアルタイム画像表示手段43は、
図4に示すキャプチャ枠20によって現在包囲されている配筋
図19の一部領域の画像を取得し、その画像をリアルタイム画像30としてキャプチャ画面フォーム12の所定位置に表示する(ステップS10)。キャプチャ画面表示手段42は、このようにして完成したキャプチャ画面13を、クライアント装置2に送信する(ステップS11)。これにより、例えば
図5に示すキャプチャ画面13がクライアント装置2に表示され、キャプチャ画面表示処理が終了する。なお、キャプチャ画面表示処理におけるステップS5からステップS8までの処理は、本実施形態の順序に限定されず任意の順序で実行することが可能である。
【0064】
(豆図作成記憶処理)
次に、実施形態に係る検査画像管理システム100が豆
図21を作成して記憶する豆図作成記憶処理について説明する。
図11は、豆図作成記憶処理の流れを示すフローチャートである。
【0065】
豆図作成記憶処理が開始すると、
図2に示す領域確定指示受付手段33は、配筋
図19上で豆
図21の領域を確定する旨の指示をクライアント装置2から受け付けたか否かを判別する(ステップS12)。なお、豆
図21の領域を確定する旨の指示は、例えばクライアント装置2に表示された
図4に示すキャプチャ画面13において、検査員等がキャプチャ確定ボタン17を押下することにより、クライアント装置2からサーバ装置1に向けて発せられる。
【0066】
ステップS12における判別の結果、豆
図21の領域を確定する旨の指示を受け付けていないと判断した場合(ステップS12:No)、領域確定指示受付手段33は、ステップS12へ戻って判別を繰り返す。なお、豆
図21の領域を確定する旨の指示は、例えば
図4に示すキャプチャ画面13において検査員等がキャプチャ確定ボタン17を押下することにより、クライアント装置2からサーバ装置1に向けて発せられる。
【0067】
一方、ステップS12における判別の結果、豆
図21の領域を確定する旨の指示を受け付けたと判断した場合(ステップS12:Yes)、領域確定指示受付手段33は、
図2に示す豆図キャプチャ手段51に対し、豆
図21をキャプチャする旨の命令を発する。そうすると、豆図キャプチャ手段51は、
図4に示すキャプチャ画面13において、その時点でキャプチャ枠20によって包囲されている配筋
図19の領域を切り出すことにより、豆
図21を作成する(ステップS13)。そして、豆図キャプチャ手段51は、作成した豆
図21を
図2に示す豆図記憶手段66に記憶する(ステップS14)。
【0068】
また、領域確定指示受付手段33は、
図2に示す豆図対応付け手段52に対し、作成した豆
図21を検査箇所CPと対応付ける旨の命令を発する。そうすると、豆図対応付け手段52は、豆図キャプチャ手段51が作成した豆
図21と、豆図作成指示受付手段32がステップS4で豆図作成指示を受け付けた検査箇所CPとを一対一で対応付けることにより、豆図対応付け情報を作成する(ステップS15)。そして、豆図対応付け手段52は、
図2に示す対応付け情報記憶手段67にアクセスし、作成した豆図対応付け情報をそこに記憶する(ステップS16)。なお、ステップS13からステップS16までの処理は、本実施形態の順序に限定されず任意の順序で実行することが可能である。
【0069】
次に、領域確定指示受付手段33は、キャプチャ画面13を終了する旨の指示を受け付けたか否かを判別する(ステップS17)。なお、キャプチャ画面13を終了する旨の指示は、
図4に示すキャプチャ画面13において画面向かって右上隅部に設けられた画面終了アイコンSAを検査員等がクリックすることにより、クライアント装置2からサーバ装置1に向けて発せられる。
【0070】
ステップS17における判別の結果、キャプチャ画面13を終了する旨の指示を受け付けていないと判断した場合(ステップS17:No)、領域確定指示受付手段33は、まず
図2に示す豆図対応付け手段52に対し、次回に豆
図21を対応付けるべき検査箇所CPを変更する旨の命令を発する。そうすると、豆図対応付け手段52は、次回に豆
図21を対応付けるべき検査箇所CPを、今回豆
図21を作成した検査箇所CPに連続する次の検査箇所CPへと変更する(ステップS18)。例えば、
図3に示す検査画像管理画面8において6階の通り芯A-1の検査箇所CPについて今回豆
図21を作成した場合、豆図対応付け手段52は、次回に豆
図21を対応付けるべき検査箇所CPを、6階の通り芯A-2の検査箇所CPに変更する。具体的には、
図8に示す対応付けテーブルTにおいて、次に登録させるべき位置を一段下に移動させる。これにより、次の検査箇所CPについて豆
図21の作成を行いたい場合、検査員等は、キャプチャ画面13からから検査画像管理画面8に戻って次の検査箇所CPを指定する必要がなく、キャプチャ画面13にとどまったままで次の検査箇所CPについて豆
図21を作成することができる。
【0071】
次に、領域確定指示受付手段33は、
図2に示すグリッド表示手段41に対し、検査画像管理画面8においてカーソルCの位置を変更する旨の命令を発する(
図2では図示を省略)。そうすると、グリッド表示手段41は、検査員等が豆
図21作成を指示した検査箇所CPに位置しているカーソルCを、それに連続する次の検査箇所CPへ移動させる(ステップS19)。例えば、
図3に示すようにグリッド7の上から三段目に表示された6階の通り芯A-3の検査箇所CPにカーソルCが位置している場合、豆図対応付け手段52は、その一段下に表示された6階の通り芯A-4の検査箇所CPへ、カーソルCを移動させる(
図3では移動後のカーソルCを破線で表示)。これにより、次に作成する豆
図21がどこの検査箇所CPに対応付けられるかを、検査員等は目視により容易に確認することができる。
【0072】
次に、領域確定指示受付手段33は、
図2に示すキャプチャ画面表示手段42に対し、キャプチャ画面13を更新する旨の命令を発する(
図2では図示を省略)。そうすると、キャプチャ画面表示手段42は、新たに作成したキャプチャ画面13をクライアント装置2へ送信することにより、キャプチャ画面13を更新する(ステップS20)。より詳細には、キャプチャ画面表示手段42は、まず配筋
図19上におけるキャプチャ枠20の位置を変更する。例えば、
図4に示すように6階の通り芯A-1の検査箇所CPにキャプチャ枠20が位置していた場合、それに連続する次の検査箇所CPである6階の通り芯A-2の検査箇所CPへキャプチャ枠20を移動させる(
図4では移動後のキャプチャ枠20を破線で表示)。加えて、キャプチャ画面表示手段42は、検査箇所情報表示エリア15の表示内容を変更する。例えば、検査箇所情報表示エリア15に6階の通り芯A-1の検査箇所CPに関する検査箇所情報が表示されていた場合、それに連続する検査箇所CPである6階の通り芯A-2の検査箇所CPに関する検査箇所情報を表示するように変更する。このように、ある検査箇所CPについて豆
図21の作成と記憶が完了するとキャプチャ枠20が自動的に次の検査箇所CPへ移動するので、検査員等がキャプチャ画面13においてキャプチャ枠20を移動させる操作を行う必要がなく、検査員等の作業負担が軽減されるという利点がある。また、検査箇所情報も自動的に次の検査箇所CPの検査箇所情報に変更されるので、次に作成する豆
図21がどこの検査箇所CPに対応付けられるかを、検査員等は目視により容易に確認することができる。なお、このようにキャプチャ枠20が自動的に移動する機能は、任意の機能である。
【0073】
その後、領域確定指示受付手段33は、ステップS12へ戻り、豆
図21の領域を確定する旨の次の指示を受け付けるまで、判別を繰り返す。
【0074】
一方、ステップS16における判別の結果、キャプチャ画面13を終了する旨の指示を受け付けたと判断した場合(ステップS17:Yes)、領域確定指示受付手段33は、キャプチャ画面13を閉じる(ステップS21)。これにより、豆図作成記憶処理が終了する。
【0075】
なお、豆図作成記憶処理におけるステップS18からステップS20までの処理は、本実施形態の順序に限定されず任意の順序で実行することが可能である。また、ステップS18からステップS20までの処理を実行せず、検査画像管理画面8やキャプチャ画面13において、検査員等がカーソルCやキャプチャ枠20を移動させる操作を行ってもよい。
【0076】
(撮影時豆図表示処理)
次に、実施形態に係る検査画像管理システム100が検査箇所CPの撮影時にクライアント装置2に豆
図21を表示する撮影時豆図表示処理について説明する。
図12は、撮影時豆図表示処理の流れを示すフローチャートである。
【0077】
撮影時豆図表示処理が開始すると、
図2に示す撮影指示受付手段34は、検査箇所CPの撮影を開始する旨の指示をクライアント装置2から受け付けたか否かを判別する(ステップS22)。なお、検査箇所CPの撮影を開始する旨の指示は、検査員等によってクライアント装置2が撮影モードに切り替えられることにより、クライアント装置2からサーバ装置1に向けて発せられる。
【0078】
ステップS22における判別の結果、撮影を開始する旨の指示を受け付けていないと判断した場合(ステップS22:No)、撮影指示受付手段34は、ステップS22へ戻って判別を繰り返す。一方、撮影を開始する旨の指示を受け付けたと判断した場合(ステップS22:No)、撮影指示受付手段34は、
図2に示す撮影時画面表示手段44に対し、クライアント装置2に撮影時画面24を表示する旨の命令を発する。そうすると、撮影時画面表示手段44は、撮影時画面フォーム記憶手段65にアクセスし、そこに記憶された撮影時画面フォーム23を読み出す(ステップS23)。
【0079】
次に、撮影時画面表示手段44は、読み出した撮影時画面フォーム23の工事黒板表示エリア28に工事黒板Bを表示することにより、撮影時画面24を作成する(ステップS24)。この工事黒板Bとしては、予め定められた既定の工事黒板Bや、検査者が事前に選択した工事黒板B等が用いられる。そして、撮影時画面表示手段44は、作成した工事黒板Bをクライアント装置2へ送信する(ステップS25)。これにより、
図6に示すように、工事黒板Bを含んだ撮影時画面24がクライアント装置2に表示される。
【0080】
次に、撮影時画面表示手段44は、工事黒板Bに対して検査箇所CPに関する検査箇所情報が入力されたか否かを判別する(ステップS26)。その結果、工事黒板Bに対して検査箇所CPに関する検査箇所情報が入力されていないと判断した場合(ステップS26:No)、撮影時画面表示手段44は、ステップS26へ戻って判別を繰り返す。
【0081】
一方、工事黒板Bに対して検査箇所CPに関する情報が入力されたと判断した場合(ステップS26:Yes)、撮影時画面表示手段44は、
図2に示す対応付け情報記憶手段67にアクセスし、そこに記憶された対応付け情報を読み出す(ステップS27)。そして、撮影時画面表示手段44は、
図2に示す豆図記憶手段66にアクセスし、先に読み出した対応付け情報すなわち検査箇所CPと豆
図21との対応関係に基づいて、工事黒板Bで入力された検査箇所CPに対応する豆
図21を読み出す(ステップS28)。そして、撮影時画面表示手段44は、読み出した豆
図21をクライアント装置2へ送信する(ステップS29)。これにより、クライアント装置2では工事黒板Bの豆図表示欄B1に豆
図21が表示され、撮影時豆図表示処理が終了する。
【0082】
なお、図に詳細は示さないが、撮影時豆図表示処理が終了した後、クライアント装置2において検査員等が撮影時画面24でシャッターボタン26を押下することにより、検査箇所CPの検査画像Pが取得される。そして、取得された検査画像Pは、クライアント装置2からサーバ装置1に向けて送信される。サーバ装置1では、検査画像Pは、豆
図21と同様に検査箇所CPと対応付けた状態で記憶される。これにより、例えば
図3に示すグリッド7の検査画像表示欄72に、対応する検査箇所CPの検査画像Pが表示される。
【0083】
なお、本実施形態では、
図2に示すように、受付手段3と表示手段4と豆図処理手段5と記憶手段6の全てがサーバ装置1に設けられている場合について説明した。しかし、これら受付手段3、表示手段4、豆図処理手段5、記憶手段6のうち一部が、クライアント装置2に設けられてもよい。しかし、本実施形態のように高い処理性能を有するサーバ装置1に多くの手段を設けた方が、より高速での処理が可能になるという利点がある。また、豆
図21や検査画像P等の情報を複数のクライアント装置2の間で共有するためには、少なくとも記憶手段6をサーバ装置1に設けることが好適である。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、例えば建物の建設工事や修繕工事における検査時に撮影した検査箇所の画像を管理するための検査画像管理システムに適用することができる。
【符号の説明】
【0085】
1 サーバ装置
2 クライアント装置
4 検査箇所情報表示手段
7 グリッド(一覧表)
13 キャプチャ画面
19 配筋図(元図)
20 キャプチャ枠
21 豆図
24 撮影時画面
30 リアルタイム画像
32 豆図作成指示受付手段
33 領域確定指示受付手段
42 キャプチャ画面表示手段
44 撮影時画面表示手段
51 豆図キャプチャ手段
52 豆図対応付け手段
66 豆図記憶手段
100 検査画像管理システム
CP 検査箇所