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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】蜂捕獲具
(51)【国際特許分類】
   A01M 1/14 20060101AFI20221025BHJP
【FI】
A01M1/14 S
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018179399
(22)【出願日】2018-09-25
(65)【公開番号】P2020048445
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2020-07-27
(73)【特許権者】
【識別番号】516376710
【氏名又は名称】株式会社ネクストセンチュリー
(74)【代理人】
【識別番号】100089026
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 高明
(72)【発明者】
【氏名】小川 世紀
【審査官】磯田 真美
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-093807(JP,A)
【文献】実開昭59-150282(JP,U)
【文献】実開昭50-083266(JP,U)
【文献】特開2005-304312(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0283671(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 1/00 - 1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着面を備えた捕獲部、及びこの捕獲部の一端部に所定の角度をなして配置された捕集部を備える捕獲部材と、
前記捕獲部材と別体に構成され、背板部、及びこの背板部の一端部に所定の角度をなして延設される棚部を備え、前記背板部の前記棚部を設置した側に前記捕獲部を設置可能であり、かつ、前記棚部に前記捕集部を設置可能とした捕獲部材設置部と、
前記捕獲部材設置部における前記捕獲部材の設置側に設けられ、前記捕獲部材を覆うカバー部材とを備え、
前記捕獲部材は、方形状の板状基材の一方の面に粘着材が塗布された捕獲面が形成され、前記板状基材の両側辺部の中央位置を連結する中央線より前記両側辺部と直交に配置される他の側辺部のうち一方の側辺部側に位置し前記他の側辺部に沿って設定された折り曲げ箇所で折曲したとき、前記捕獲部と前記捕集部とを形成可能であり、
前記カバー部材は、全体立体的形状に形成され、蜂の進入を許容する開口部と、前記開口部の輪郭を形成して人の手指の進入を防止する枠部とを備え、前記枠部は、前記捕獲部の前方側に所定間隔をおいて、前記棚部と前記背板部との間に亘って、前記捕獲部の横方向及び縦方向に沿って設けられており、
前記捕獲部材は前記捕獲部材設置部から取り外し可能であることを特徴とする蜂捕獲具
【請求項2】
前記捕集部には粘着材が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の蜂捕獲具。
【請求項3】
前記捕獲部及び前記捕集部は、平板状、平板を湾曲した形状、又は平板を複数の折曲線で所定角度で折り曲げた形状のいずれかとしたことを特徴とする請求項1に記載の蜂捕獲具。
【請求項4】
前記カバー部材は、前記捕獲部材設置部を形成した箱状部材の稜部に枠部を残し、選択した面部に前記開口部を開設して構成したことを特徴とする請求項1に記載の蜂捕獲具。
【請求項5】
前記枠部は、前記捕獲部材設置部に複数の線状部材を組み合わせて生成した格子状部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の蜂捕獲具。
【請求項6】
前記カバー部材は、開口を備える板状部材と、線状部材を組み合わせて形成した格子状部材とを組み合わせて形成したことを特徴とする請求項1に記載の蜂捕獲具。
【請求項7】
前記格子状部材は取り外し可能であることを特徴とする請求項6に記載の蜂捕獲具。
【請求項8】
前記捕獲部材は平面長方形状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の蜂捕獲具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蜂を安全に捕獲するための蜂捕獲具に関する。
【背景技術】
【0002】
蜂としてスズメバチを例に説明する。一般に、スズメバチの駆除は、巣を除去し、巣の周囲に飛んでいるスズメバチを捕獲又は殺虫することで行われている。また、巣を除去する前において、巣の近くに配置することにより蜂の数を減ずることも行われている。更に、スズメバチを完全に駆除するためには、巣を離れていたスズメバチも併せて駆除をする必要があった。
【0003】
しかしながら、巣を離れていたスズメバチは、巣を取り除いた後に、巣のあった場所にいつ戻るかがわからないことから、このような蜂を確実に捕獲し、駆除することが難しいという問題があった。
【0004】
このような問題に鑑みて特許出願人は、以下の蜂捕獲具を提案している。この蜂捕獲具は、板状に形成され、蜂を捕獲する粘着面を有する捕獲部を備えた蜂捕獲具として、捕獲部の端部には折曲線部が形成され、折曲線部において折曲されることにより形成される蜂捕獲部本体部と、蜂捕獲部本体部に付着した蜂を収納できると共に、折曲線部を介して折曲することにより蜂捕獲部本体部に対して折り畳むことが可能に形成されている蜂収納部とを有したものである(特許文献1参照)。
【0005】
この蜂捕獲具は、廃棄箱を別途設ける必要がなく、蜂を捕獲し収納することができ、更に、持ち運びが容易であると共に、狭い箇所にも設置することができ、その結果、コンパクトであり、かつ、低コストで製造することができるという有用な効果を備える。
【0006】
しかし、特許文献1に記載のものは、粘着面が露出状態であり、捕獲された蜂に人が触れたり、設置状態によっては、蜂捕獲具が風等で回転して粘着面が設置した建造物の壁等に触れてしまい、取り外しが面倒であったり、建造物を汚したりする可能性がある。
【0007】
また、小型害虫を捕獲する捕獲具として、開口部を備えて害虫が侵入可能な容器と、容器の内部に侵入した害虫を捕捉可能な捕捉手段とを備えた害虫捕獲器が提案されている。
特許文献2には、容器及び捕捉手段を、その内表面の少なくとも一部に粘着層を有する粘着シートが害虫のみを内部に侵入させて益虫を侵入させない複数の選択的害虫侵入用開口部が配設された箱体又は筒体の構造となるように一体的に組み立てることによって、形成するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2018-93807号公報
【文献】特開2007-167009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここで、蜂捕獲に有効的である特許文献1に係る蜂捕獲具を使用して、捕獲した蜂に人が触れることを防止したり、設置箇所における他の物品の汚染を防止したりすることが要望されている。
【0010】
しかし、特許文献1に係る蜂捕獲具は、特殊な構造を備えるものであるため、特許文献2に記載の構造を適用できない。
【0011】
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、簡単な構造を備えて低コストであり、確実に蜂を捕獲して簡単に処理することができると共に、粘着面に捕獲された蜂に人が触れたり、粘着面が設置した建造物の壁等に触れてしまうことを確実に防止したりすることができる蜂捕獲具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決する請求項1に記載の発明は、粘着面を備えた捕獲部、及びこの捕獲部の一端部に所定の角度をなして配置された捕集部を備える捕獲部材と、 前記捕獲部材と別体に構成され、背板部、及びこの背板部の一端部に所定の角度をなして延設される棚部を備え、前記背板部の前記棚部を設置した側に前記捕獲部を設置可能であり、かつ、前記棚部に前記捕集部を設置可能とした捕獲部材設置部と、 前記捕獲部材設置部における前記捕獲部材の設置側に設けられ、前記捕獲部材を覆うカバー部材とを備え、前記捕獲部材は、方形状の板状基材の一方の面に粘着材が塗布された捕獲面が形成され、前記板状基材の両側辺部の中央位置を連結する中央線より前記両側辺部と直交に配置される他の側辺部のうち一方の側辺部側に位置し前記他の側辺部に沿って設定された折り曲げ箇所で折曲したとき、前記捕獲部と前記捕集部とを形成可能であり、前記カバー部材は、全体立体的形状に形成され、蜂の進入を許容する開口部と、前記開口部の輪郭を形成して人の手指の進入を防止する枠部とを備え、前記枠部は、前記捕獲部の前方側に所定間隔をおいて、前記棚部と前記背板部との間に亘って、前記捕獲部の横方向及び縦方向に沿って設けられており、
前記捕獲部材は前記捕獲部材設置部から取り外し可能であることを特徴とする蜂捕獲具である。
【0013】
本発明によれば、蜂捕獲具において、捕獲部設置部材の背板部には捕獲部材の捕獲部を設置でき、同じく棚部には捕獲部材の捕集部が設置できる。そして、捕獲部材はカバー部材に覆われ、このカバー部材には蜂の侵入を許容する開口部と人の手指の侵入を阻止する枠部を備える。
【0014】
このため、蜂はカバー部材の開口から入り込み、捕獲部材の粘着面で捕獲されるが、人の手指はカバー部材の枠部で開口からの侵入を阻止され、安全である。また、捕獲部材はカバー部材で覆われているため、周囲の建造物等に粘着面が接触することが防止される。更に、捕獲部と捕集部とで捕獲した蜂を挟んで安全に処理できる。
【0015】
よって、本発明によれば、簡単な構造を備えて低コストであり、確実に蜂を捕獲して簡単に処理することができると共に、粘着面に捕獲された蜂に人が触れたり、粘着面が設置した建造物の壁等に触れたりしてしまうことを確実に防止することができる。
【0016】
また、請求項1に係る発明によれば、捕獲部材を折曲して捕獲部と捕集部とを簡単に形成でき、捕獲部を背板に捕集部を棚板に配置できる。よって、捕獲部材を一枚の部材で簡易に構成でき、蜂捕獲具を簡単な構造で特殊な材料を使用することなく低コストで製造できる。また、蜂捕獲部材を屈曲して、捕獲部と捕集部との間に捕獲した蜂を挟んで安全に処理できる。
【0017】
同じく請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の蜂捕獲具において、前記捕集部には粘着材が配置されていることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、捕集部にも粘着材が配置されているので、捕集部でも蜂を捕獲できるほか、捕獲部と捕集部とで蜂を挟んだとき捕獲部と捕集部とが確実に接合されるので、蜂を安全に処理できる。
【0019】
同じく請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の蜂捕獲具において、前記捕獲部及び前記捕集部は、平板状、平板を湾曲した形状、又は平板を複数の折曲線で所定角度で折り曲げた形状のいずれかとしたことを特徴とする。
【0020】
請求項3に係る発明によれば、捕獲部及び捕集部は平板状、平板を湾曲した形状、又は平板を複数の折曲線で所定角度で折り曲げた形状のいずれかの形状にできる。
【0021】
本発明によれば、捕獲部材の形状を蜂捕獲具の配置箇所や蜂の習性に応じて選択することができ、蜂を確実に捕獲、捕集できる。
【0022】
同じく請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の蜂捕獲具において、前記カバー部材は、前記捕獲部材設置部を形成した箱状部材の稜部に枠部を残し、選択した面部に前記開口部を開設して構成したことを特徴とする。
【0023】
請求項4に係る発明によれば、カバー部材は捕獲部設置部を備えた箱状部材の所定の面部に稜部に枠部を残して開口を形成して構成できる。そして、折り曲げた捕獲部材を箱状部材に設置することで蜂捕獲具を構成できる。よって、段ボール箱等の一般的材料を使用して簡単に構成でき、低コストで製造できる。
【0024】
同じく請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の蜂捕獲具において、前記枠部は、前記捕獲部材設置部に複数の線状部材を組み合わせて生成した格子状部材を備えることを特徴とする。
【0025】
請求項5に係る発明によれば、カバー部材は線状部材を組み合わせた格子状部材として形成できる。よって、一般的な材料で構成した線状部材である金属製針金、竹ひご、細い材木、合成樹脂材等を使用してカバー部材を簡単に構成でき低コストで製造できる。
【0026】
同じく請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の蜂捕獲具において、前記カバー部材は、開口を備える板状部材と、線状部材を組み合わせて形成した格子状部材とを組み合わせて形成したことを特徴とする。
【0027】
請求項6に係る発明によれば、カバー部材は開口を備える板状部材と、格子状部材とを組み合わせて構成できる。よって、一般的な材料である段ボール板、金属製針金、竹ひご、細い材木、合成樹脂材等を使用してカバー部材を簡単に構成でき低コストで製造できる。
【0028】
同じく請求項7に記載の発明は、前記格子状部材は取り外し可能であることを特徴とする。
【0029】
請求項7に係る発明によれば、格子部材は取り外し可能としている。このため、格子状部材を取り外した状態で、捕獲部設置部に捕獲部を容易に設置、取り外しできる。
【0030】
請求項8に記載の発明は、請求項4に記載の蜂捕獲具において、前記捕獲部材は平面長方形状に形成されていることを特徴とする。
【0031】
請求項8に係る発明によれば、捕獲部は平面長方形状であるので、長辺に沿って設けられる捕獲部と捕集部の寸法を確保できる。
【発明の効果】
【0032】
本発明に係る蜂捕獲具によれば、簡単な構造を備えて低コストであり、確実に蜂を捕獲して簡単に処理することができると共に、粘着面に捕獲された蜂に人が触れたり、粘着面が設置した建造物の壁等に触れたりしてしまうことを確実に防止することができる。
【0033】
即ち、請求項1に係る蜂捕獲具によれば、蜂捕獲具において、捕獲部設置部材の背板部には捕獲部材の捕獲部が設置でき、同じく棚部には捕獲部材の捕集部が設置できる。そして、捕獲部材はカバー部材に覆われ、このカバー部材には蜂の侵入を許容する開口部と人の手指の侵入を阻止する枠部を備える。
【0034】
このため、蜂はカバー部材の開口から入り込み、捕獲部材の粘着面で捕獲されるが、人の手指はカバー部材の枠部で開口からの侵入を阻止され、安全である。
【0035】
また、捕獲部材はカバー部材で覆われているため、周囲の建造物等に粘着面が接触することが防止される。更に、捕獲部と捕集部とで捕獲した蜂を挟んで安全に処理できる。
【0036】
よって、本発明によれば、簡単な構造を備えて低コストであり、確実に蜂を捕獲して簡単に処理することができると共に、粘着面に捕獲された蜂に人が触れたり、粘着面が設置した建造物の壁等に触れたりすることを確実に防止することができる。
【0037】
また、請求項1に記載の蜂捕獲具によれば、蜂捕獲部材を折曲して捕獲部と捕集部とを簡単に形成でき、捕獲部を背板に捕集部を棚板に配置できる。
【0038】
よって、捕獲部材を一枚の部材で簡易に構成でき、蜂捕獲具を簡単な構造で特殊な材料を使用することなく低コストで製造できる。
【0039】
また、蜂捕獲部材を屈曲して、捕獲部と捕集部との間に捕獲した蜂を挟んで安全に処理できる。
【0040】
また、請求項1に係る蜂捕獲具によれば、格子部材は取り外し可能としている。このため、格子状部材を取り外した状態で、捕獲部設置部に捕獲部を容易に設置、取り外しできる。
【0041】
また、請求項2に記載の蜂捕獲具によれば、捕集部にも粘着材が配置されているので、捕集部でも蜂を捕獲できるほか、捕獲部と捕集部とで蜂を挟んだとき捕獲部と捕集部とが確実に接合されるので、蜂を安全に処理できる。
【0042】
また、請求項3に記載の蜂捕獲具によれば、捕獲部及び捕集部は平板状、平板を湾曲した形状、又は平板を複数の折曲線で所定角度で折り曲げた形状のいずれかの形状にできる。よって、捕獲部材の形状を蜂捕獲具の配置箇所や蜂の習性に応じて選択することができ、蜂を確実に捕獲、捕集できる。
【0043】
また、請求項4に係る蜂捕獲具によれば、カバー部材は、捕獲部設置部を備えた箱状部材の所定の面部に稜部に枠部を残して開口を形成して構成できる。そして、折り曲げた捕獲部材を箱状部材に設置することで蜂捕獲具を構成できる。よって、段ボール箱等の一般的材料を使用して簡単に構成でき、低コストで製造できる。
【0044】
また、請求項5に係る蜂捕獲具によれば、枠部は、線状部材を組み合わせた格子状部材として形成できる。よって、一般的な材料で構成した線状部材である金属製針金、竹ひご、細い材木、合成樹脂材等を使用してカバー部材を簡単に構成でき低コストで製造できる。
【0045】
また、請求項6に係る蜂捕獲具によれば、カバー部材は開口を備える板状部材と、格子状部材とを組み合わせて構成できる。よって、一般的な材料である段ボール板、金属製針金、竹ひご、細い材木、強瀬樹脂材等を使用してカバー部材を簡単に構成でき低コストで製造できる。
【0046】
また、請求項7に係る蜂捕獲具によれば、格子部材は取り外し可能としている。このため、格子状部材を取り外した状態で、捕獲部設置部に捕獲部を容易に設置、取り外しできる。
【0047】
そして、請求項8に記載の蜂捕獲具によれば、捕獲部は平面長方形状であるので、長辺に沿って設けられる捕獲部と捕集部の寸法を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】本発明の実施形態に係る蜂捕獲具に使用する捕獲部材を示すものであり、(a)は伸張した状態を示す斜視図、(b)は折り曲げた状態を示す斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る蜂捕獲具を示す斜視図である。
図3】同第1実施形態に係る蜂捕獲具を示すものであり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は上面図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る蜂捕獲具を示す斜視図である。
図5】同第2実施形態に係る蜂捕獲具を示すものであり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は上面図である。
図6】本発明の第3実施形態に係る蜂捕獲具を示す斜視図である。
図7】同第3実施形態に係る蜂捕獲具を示すものであり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は上面図である。
図8】本発明に係る蜂捕獲具に使用する捕獲部材の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本発明を実施するための形態に係る蜂捕獲具を図面に基づいて説明する。
【0050】
まず、本発明の実施形態に係る蜂捕獲具で使用する捕獲部材の一例について説明する。
図1は本発明の実施形態に係る蜂捕獲具に使用する捕獲部材を示すものであり、(a)は伸張した状態を示す斜視図、(b)は折り曲げた状態を示す斜視図である。この捕獲部材10は後述する3つの実施形態に係る蜂捕獲具で共通して使用される。
【0051】
図1(a)に示すように、捕獲部材10は、厚紙で長方形状に形成され板状基材13の一方の面に粘着材が塗布された粘着面12を備える捕獲面11を形成している。捕獲部材10は、両側片部構成する長辺10c、10d、この長辺10c、10dに直交する他方の側辺部を構成する短辺10a、10bを備え、各辺には折り返し部14a、14b、14c、14dが形成されている。
【0052】
また、この捕獲部材10は、2つの長辺10c、10dの中央位置を連結する中央線Oより一方の短辺10b側に位置し短辺10a、10bに沿って設定された折り曲げ箇所である折曲線15が直線状に形成されている。また、捕獲部材10は、中央線Oも折曲線として捕獲部材10の折曲が可能に構成される。なお、符号16は、捕獲部材10を折り曲げて畳んだとき、捕獲面11どうしが接合しないようにする凸部である。
【0053】
蜂捕獲具に使用するとき、捕獲部材10は、全体を折曲線15で折り曲げて使用する。捕獲部材10は、折曲線15を境界として、図1(a)(b)に示すように、捕獲部11Aと、捕集部11Bとにわけられる。使用時には、捕獲部11Aを鉛直方向、捕集部11Bを水平方向に向けて直角に折曲される。ここで、捕獲部材10は、平面長方形状であるので、捕獲部11Aと、捕集部11Bの短辺10bに直交する方向の寸法を確保できる。
【0054】
なお、捕獲部材10として、捕獲部11Aと捕集部11Bを別部材に構成することができる。この場合、捕獲部11A及び捕集部11Bは、所定寸法の方形状厚紙で構成した板状基材に粘着材を塗布した捕獲面を形成して構成することができる。また、捕獲部材10の板状基材は紙、合成樹脂、その他の板状の素材で形成できる。
【0055】
また、捕集部11Bには、粘着材を塗布しないことができる。この場合でも、捕獲部11Aで蜂を捕獲でき、捕獲部11Aと捕集部11Bとで捕獲した蜂を挟んで安全に処理できる。更に、捕獲部11Aと捕集部11Bとは直角なるように配置することができる他、他の任意の角度をなすように配置できる。
【0056】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態に係る蜂捕獲具について説明する。図2は本発明の第1実施形態に係る蜂捕獲具を示す斜視図、図3は同第1実施形態に係る蜂捕獲具を示すものであり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は上面図である。
【0057】
第1実施形態に係る蜂捕獲具20は、捕獲部材10を、カバー部材21に配置して構成される。カバー部材21は、捕獲部材設置部30と、枠部40と、左側開口部61、前側開口部62、右側開口部63、上側開口部64を形成した直方体箱状の部材である。このカバー部材21は、例えば段ボール製の箱状部材であり、左側開口部61、前側開口部62、右側開口部63、上側開口部64の周囲に枠体41~51が形成されて構成されている。なお、カバー部材21は、段ボール製に代え、異なる素材、例えば合成樹脂、金属、木材その他の材質製とすることができる。また、カバー部材21の一部を開閉式の蓋部とし、捕獲部材10の着脱用に開閉できる構成とすることができる。
【0058】
即ち、本実施形態では、箱状のカバー部材21の奥側板部を背板部31とし、下側の板部を背板部31の下側端部から水平方向に延設した棚部32として捕獲部材設置部30を形成する。なお、カバー部材21の奥側、手前側、右側、左側、上側、下側は、図2に示した方向を示す。なお、棚部32は水平方向の他、背板部31に対して90度以外の角度を持って配置することができる。
【0059】
そして、カバー部材21の左側の板部には、左側開口部61を開設し、手前側板部には前側開口部62を開設し、右側板部には右側開口部63を開設し、上側板部には上側開口部64を開設する。これにより、左側開口部61、前側開口部62、右側開口部63、上側開口部64の周囲には、各開口の輪郭をなしカバー部材21の稜部を含む枠部40が形成される。枠部40は、11つの枠体41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51を備える。
【0060】
左側開口部61、前側開口部62、右側開口部63、上側開口部64は、捕獲対象である蜂が通過できる大きさである。また、これらの開口部に手指を差し込むことは可能ではあるが、左側開口部61、前側開口部62、右側開口部63、上側開口部64は枠部40で囲われているため、手指の進入を防止することができる。なお、開口部の形状、個数等は適宜変更できる。
【0061】
そして、蜂捕獲具20には、蜂捕獲具20を吊すための吊り下げ部材55が配置されている。吊り下げ部材55は紐、針金等で形成することができる。
【0062】
この構成を備える蜂捕獲具20を使用するには、捕獲部材設置部30に捕獲部材10を配置する。設置箇所は、蜂の巣を撤去した後の場所、或いは巣を撤去する前の巣の近くが好適である。このとき、捕獲部材10は、カバー部材21の左側開口部61、前側開口部62、右側開口部63、上側開口部64のいずれか、又はカバー部材21に形成した開閉部から挿入して配置する。このとき、捕獲部材10の捕獲部11Aを背板部31に、捕集部11Bを棚部32に配置し固定する。固定は、両面テープ、接着材、クリップ等の接合具を使用することができる。
【0063】
そして、捕獲部材10を配置した蜂捕獲具20を捕獲箇所に配置する。配置は、吊り下げ部材55を使用して蜂捕獲具20を壁部に吊り下げることの他、棚部32を設置面に配置する等により行う。
【0064】
蜂捕獲具20を配置した状態で風等により蜂捕獲具20の姿勢が変化しても、捕獲面11は枠部40で覆われているので、粘着面12が壁等に付着することはない。また、左側開口部61、前側開口部62、右側開口部63、上側開口部64は蜂が侵入可能な大きさであるので、蜂は左側開口部61、前側開口部62、右側開口部63、上側開口部64から侵入して捕獲部材10で捕獲される。
【0065】
そして、蜂が捕獲された後には、捕獲部材10をカバー部材21から取り出し、捕獲部材10を中央線Oから2つに折り曲げる。これにより、捕獲された蜂は、折り曲げられた捕獲部材10で挟まれ、捕獲部材10と共に廃棄することができ、廃棄処理が容易になる。
【0066】
本実施形態に係る捕獲部材10は、段ボール製のカバー部材21に捕獲部材10を配置するだけで、簡単な構造を備えて低コストである。また、蜂の捕獲後において、捕獲部材10を二つ折りにして確実に簡単に捕獲した蜂を処分することができる。更に、粘着面に捕獲された蜂に人が触れたり、粘着面が設置した建造物の壁等に触れたりしてしまうことを確実に防止することができる。
【0067】
<第2実施形態>
次に本発明の第2の実施形態に係る蜂捕獲具について説明する。図4は本発明の第2実施形態に係る蜂捕獲具を示す斜視図、図5は同第2実施形態に係る蜂捕獲具を示すものであり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は上面図である。
【0068】
第2実施形態に係る蜂捕獲具70は、捕獲部材10を、カバー部材71に配置して構成される。本実施形態に係るカバー部材71は板状部材である枠部80と、線状部材で構成した格子部90とで構成される。即ち、カバー部材71は、捕獲部材設置部30と、枠部80と、格子部90を備えて構成される。このカバー部材71には、左側開口部101、前側開口部102、右側開口部103が開設され、左側開口部101、前側開口部102、右側開口部103の周囲には、枠部80を構成する枠体81~87が形成されている。
【0069】
本実施形態では、左側開口部101、右側開口部103は下側を底辺とする三角形状であり、前側開口部102は長方形状である。
【0070】
また、左側開口部101には、格子部を構成する左横線状部材91が、前側開口部102には、上下線状部材92、93が、右側開口部103には、右横線状部材94が配置されている。左横線状部材91、上下線状部材92、93、右横線状部材94は枠体81から取り外すことができる状態で配置することができる。なお、線状部材の本数や配置箇所は適宜変更することができる。
【0071】
そして、左横線状部材91、上下線状部材92、93、右横線状部材94を配置することで、左側開口部101及び右側開口部103は、上下に2分割され、前側開口部102は幅方向に3分割され、所定の大きさとなる。ことため、各開口の大きさは、蜂が侵入するのに充分であり、かつ手指の侵入を防止することができる。
【0072】
ここで、カバー部材71の捕獲部材設置部30及び枠部80は、段ボール箱を穴開け加工して形成できる他、段ボールと異なる素材、例えば合成樹脂、金属、木材その他の材質のもので形成することができる。また、左横線状部材91、上下線状部材92、93、右横線状部材94は、金属製の針金、合成樹脂線状部材、竹ひご、木製の線状部材等で形成することができる。
【0073】
本実施形態では、カバー部材71の奥側の板部を背板部31とし、下側の板部を棚部32として捕獲部材設置部30を形成する。なお、カバー部材21の奥側、手前側、右側、左側、上側、下側は、図4に示した方向を示す。なお、棚部32は水平方向の他、背板部31に対して90度以外の角度を持って配置することができる。
【0074】
そして、蜂捕獲具70には、蜂捕獲具70を吊すための吊り下げ部材88が配置されている。吊り下げ部材88は紐、針金等で形成することができる。
【0075】
この構成を備える蜂捕獲具70を使用するには、捕獲部材10を捕獲部材設置部30に配置する。このとき、捕獲部材10は、カバー部材71の前側開口部102から左横線状部材91、上下線状部材92、93、右横線状部材94のいずれかを取り外して配置することができる。そして、捕獲部材10の捕獲部11Aを背板部31に、捕集部11Bを棚部32に配置し固定する。固定は、両面テープ、接着材、クリップ等の接合具を使用することができる。
【0076】
そして、捕獲部材10を配置した蜂捕獲具70を捕獲箇所に配置する。配置は、吊り下げ部材88を使用して蜂捕獲具70を壁部に吊り下げることの他、棚部32を設置面に配置する等により行う。
【0077】
蜂捕獲具70を配置した状態で風等により蜂捕獲具70の姿勢が変化しても、捕獲面11は枠部80で覆われているので、粘着面12が壁等に付着することはない。また、左側開口部101、前側開口部102、右側開口部103は、左横線状部材91、上下線状部材92、93、右横線状部材94で分割され蜂が侵入可能な大きさであるので、蜂は左側開口部101、前側開口部102、右側開口部103から侵入して捕獲部材10で捕獲される。
【0078】
そして、蜂が捕獲された後には、捕獲部材10をカバー部材71から取り出し、捕獲部材10を中央線Oから2つに折り曲げる。これにより、捕獲された蜂は、折り曲げられた捕獲部材10で挟まれ、捕獲部材10と共に廃棄することができ、廃棄処理が容易になる。
【0079】
本実施形態に係る捕獲部材10は、段ボール製及び針金製のカバー部材71に捕獲部材10を配置するだけで、簡単な構造を備えて低コストである。また、蜂の捕獲後において、捕獲部材10を二つ折りにして確実に簡単に捕獲した蜂を処分することができる。更に、粘着面に捕獲された蜂に人が触れたり、粘着面が設置した建造物の壁等に触れたりしてしまうことを確実に防止することができる。
【0080】
<第3実施形態>
次に本発明の第3の実施形態に係る蜂捕獲具について説明する。図6は本発明の第3実施形態に係る蜂捕獲具を示す斜視図、図7は同第3実施形態に係る蜂捕獲具を示すものであり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は上面図である。
【0081】
第3実施形態に係る蜂捕獲具110は、捕獲部材10を、カバー部材120に配置して構成される。カバー部材120は、捕獲部材設置部30と、格子状部材である格子部130を備えて構成される。
【0082】
本実施形態では、捕獲部材設置部30は、背板部31と棚部32でL字状に構成された部材であり、折曲線15で折り曲げられた捕獲部材10が配置される。なお、棚部32は水平方向の他、背板部31に対して90度以外の角度を持って配置することができる。
【0083】
本実施形態では、捕獲部材設置部30に格子部130を取り外し可能に配置している。格子部130は、図6及び図7に示すように、格子部130の左側部において水平方向に配置される2本の左横線状部材131、132と、前側部において水平方向に配置される2本の前横線状部材133、134と、前側部において上下方向に配置される3本の上下方向線状部材135、136、137と、右側部において、水平方向に配置される2本の左横線状部材138、139とを接合して構成される。なお、奥側、手前側、右側、左側、上側、下側は、図6に示した方向を示す。
【0084】
上下方向線状部材135、136、137は、背板部31の上端縁と、棚部32の前端縁とを連結する。また、左横線状部材131、132は、背板部31の左端縁と上下方向線状部材135とを連結する。更に、左横線状部材138、139は、背板部31の右端縁と上下方向線状部材137とを連結する。そして、前横線状部材133は、上下方向線状部材135、136、137、及び左横線状部材131、左横線状部材138に接続され、前横線状部材134は、上下方向線状部材135、136、137、及び左横線状部材132、左横線状部材139に接続されている。
【0085】
これにより、蜂捕獲具110には、左側部に3分割された全体三角形状の左側開口部141が、前側部に6分割された全体長方形状の前側開口部142が、右側部に3分割された全体三角形状の右側開口部143が形成される。なお、格子部130の全体形状は前記形状に限らず直方体状等に適宜変更できる。また、各線状部材の本数や配置状態も適宜変更することができる。
【0086】
捕獲部材設置部30、段ボール板で形成できる他、段ボールと異なる素材、例えば合成樹脂、金属、木材その他の材質のもので形成することができる。また、左横線状部材131、132、前横線状部材133、134、上下方向線状部材135、136、137、左横線状部材138、139は、金属製の針金、合成樹脂線状部材、竹ひご、木製の線状部材で形成することができる。
【0087】
そして、蜂捕獲具110には、蜂捕獲具110を吊すための吊り下げ部材144が配置されている。吊り下げ部材144は紐、針金等で形成することができる。
【0088】
この構成を備える蜂捕獲具110を使用するには、捕獲部材10を捕獲部材設置部30に配置する。このとき、捕獲部材10は、捕獲部材設置部30から格子部130を取り外して配置することができる。そして、捕獲部材10の捕獲部11Aを背板部31に、捕集部11Bを棚部32に配置し固定する。固定は、両面テープ、接着材、クリップ等の接合具を使用することができる。
【0089】
そして、捕獲部材10を配置した蜂捕獲具110を捕獲箇所に配置する。配置は、吊り下げ部材144を使用して蜂捕獲具110を壁部に吊り下げることの他、棚部32を設置面に配置する等により行う。
【0090】
蜂捕獲具110を配置した状態で風等により蜂捕獲具110の姿勢が変化しても、捕獲部材10は格子部130で覆われているので、粘着面12が壁等に付着することはない。また、左側開口部141は、左横線状部材131、132で、前側開口部142は、前横線状部材133、134、上下方向線状部材136で、右側開口部143は左横線状部材138、139で分割されてはいるが蜂の進入を許容する大きさであるので、蜂は分割された左側開口部141、前側開口部142、右側開口部143から侵入して捕獲部材10で捕獲される。また、左側開口部141、前側開口部142、右側開口部143は左横線状部材131、132、前横線状部材133、134、上下方向線状部材135、136、137、左横線状部材138、139で分割されているので、手指の挿入が防止される。
【0091】
そして、蜂が捕獲された後には、捕獲部材10をカバー部材120から取り出し、捕獲部材10を中央線Oから2つに折り曲げる。これにより、捕獲された蜂は、折り曲げられた捕獲部材10で挟まれ、捕獲部材10と共に廃棄することができ、廃棄処理が容易になる。
【0092】
本実施形態に係る捕獲部材10は、段ボール製の捕獲部材設置部30及び針金製の格子部130で構成されたカバー部材120に捕獲部材10を配置するだけの簡単な構造を備えて低コストである。また、蜂の捕獲後において、捕獲部材10を二つ折りにして確実に簡単に捕獲した蜂を処分することができる。更に、粘着面に捕獲された蜂に人が触れたり、粘着面が設置した建造物の壁等に触れたりすることを確実に防止することができる。
【0093】
<捕獲部材の変形例>
本発明では、捕獲部材として他の形状のものを採用できる。図8は本発明に係る蜂捕獲具に使用する捕獲部材の変形例を示す斜視図である。
【0094】
図8(a)に示す例は、捕獲部材150の捕獲部151を、横断面が捕集部152側が凹となる弧状としたものである。捕獲部151は、平板を湾曲形成して円筒の一部を形成するものとして形成している。また、捕集部152は平板状としている。本例によれば、捕獲部151が湾曲しているので、捕獲部151から横に逃げようとする蜂確実に捕獲できる。捕獲部材150は、捕獲部151及び捕集部152に粘着材を塗布して構成することができる他、捕獲部151だけに粘着材を塗布して構成することができる。
【0095】
図8(b)に示す例は、捕獲部材160の捕獲部161を、平板を複数の折曲線163で折り曲げて捕獲部161側が凹となるよう形成している。これにより、捕獲部161は、多角形筒の一部をなすように構成されている。また、捕集部162は平板状としている。本例によれば、捕獲部171が折曲形成されているので、蜂の粘着材への接着面積が増え、蜂を確実に捕獲できる。捕獲部材160は、捕獲部161及び捕集部162に粘着材を塗布して構成することができる他、捕獲部161だけに粘着材を塗布して構成することができる。本例によれば、捕獲部161が湾曲しているので、捕獲部161から横に逃げようとする蜂を確実に捕獲できる。
【0096】
図8(c)に示す例は、捕獲部材170の捕集部172を、縦断面が下に凸である弧状としたものである。捕集部172は、平板を湾曲して円筒の一部を形成するように形成することができる。また、捕集部172の両側端部には三日月形状の立壁部173、173を配置している。これにより、蜂が捕集部172の側部からこぼれるのを防止することができる。捕集部172は捕獲部171に対して鈍角α(α>90度)をなしている。なお、捕獲部171は平板状としている。捕獲部材170は、捕獲部171及び捕集部172に粘着材を塗布して構成することができる他、捕獲部171だけに粘着材を塗布して構成することができる。
【0097】
図8(d)に示す例は、捕獲部材180の捕獲部181、捕集部182を平板として形成している。本例では、捕集部182の4つの辺部のうち、捕獲部181に接しない3つの辺部に壁状の枠部183を形成している。枠部183は、捕集部182から蜂が落下するのを防止することができる。捕獲部材180は、捕獲部171及び捕集部182に粘着材を塗布して構成することができる他、捕獲部181だけに粘着材を塗布して構成することができる。
【0098】
図8(e)に示す例は、捕獲部材190の捕獲部191、捕集部192を平板として形成している。本例では、捕獲部191の両側端部にそれぞれ壁状の枠部193を立設してる。枠部193は、捕獲部191から横に逃げる蜂を阻止し、捕獲部191で確実に捕獲することができる。捕獲部材190は、捕獲部191及び捕集部192に粘着材を塗布して構成することができる他、捕獲部191だけに粘着材を塗布して構成することができる。
【0099】
このように捕獲部材の形状は、蜂捕獲具の配置箇所や蜂の習性に応じて選択することができる。このため、蜂を確実に捕獲、捕集できる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明に係る蜂捕獲具は、蜂の捕獲具として広く利用可能であり、産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0101】
10:捕獲部材
10a:短辺
10b:短辺
10c:長辺
10d:長辺
11:捕獲面
11A:捕獲部
11B:捕集部
12:粘着面
13:板状基材
14a:折り返し部
14b:折り返し部
14c:折り返し部
14d:折り返し部
15:折曲線
20:蜂捕獲具
21:カバー部材
30:捕獲部材設置部
31:背板部
32:棚部
40:枠部
41~51:枠体
55:吊り下げ部材
61:左側開口部
62:前側開口部
63:右側開口部
64:上側開口部
70:蜂捕獲具
71:カバー部材
80:枠部
81~87:枠体
88:吊り下げ部材
90:格子部
91:左横線状部材
92:上下線状部材
93:上下線状部材
94:右横線状部材
101:左側開口部
102:前側開口部
103:右側開口部
110:蜂捕獲具
120:カバー部材
130:格子部
131、132:左横線状部材
133、134:前横線状部材
135、136、137:上下方向線状部材
138、139:左横線状部材
141:左側開口部
142:前側開口部
143:右側開口部
144:吊り下げ部材
150:捕獲部材
151:捕獲部
152:捕集部
160:捕獲部材
161:捕獲部
162:捕集部
163:折曲線
170:捕獲部材
171:捕獲部
172:捕集部
173:立壁部
180:捕獲部材
181:捕獲部
182:捕集部
183:枠部
190:捕獲部材
191:捕獲部
192:捕集部
193:枠部
O:中央線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8