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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】グリップ加温装置
(51)【国際特許分類】
   B62J 33/00 20060101AFI20221025BHJP
【FI】
B62J33/00 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018196873
(22)【出願日】2018-10-18
(65)【公開番号】P2020062993
(43)【公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000213954
【氏名又は名称】朝日電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】大城 幸男
【審査官】中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-199913(JP,A)
【文献】実開平05-060996(JP,U)
【文献】特開2013-133027(JP,A)
【文献】特開2016-185748(JP,A)
【文献】特開平08-026164(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が具備するハンドルバーの先端に取り付け可能なハンドルパイプと、
前記ハンドルパイプに巻き付けられたシート状の可撓性部材から成り、所定の電熱線パターンが形成されて発熱可能な発熱部と、電源から延設された配線の接続部を前記電熱線パターンに接続可能な端子が形成された端子部とを有したフレキシブル基板と、
前記フレキシブル基板を介して前記ハンドルパイプの外周に形成され、運転者が把持可能なハンドルグリップと、
を具備し、前記電熱線パターンに電流を流して発熱部を発熱させることにより前記ハンドルグリップを加温するグリップ加温装置において、
前記ハンドルパイプは、少なくとも前記端子部の配設部位に凹部が形成され、且つ、前記フレキシブル基板は、前記端子部と前記発熱部とがスリットを介して区分けされるとともに、前記発熱部が前記ハンドルパイプに巻き付けられた状態で前記端子部が前記凹部に沿って延設して構成され、前記端子部は、前記発熱部の前記電熱線パターンに接続可能なプラス端子及びマイナス端子を有するとともに、前記スリットは、前記端子部と発熱部とを区分けしつつ当該端子部の前記プラス端子とマイナス端子とを区分け可能なT字状に形成されたことを特徴とするグリップ加温装置。
【請求項2】
前記ハンドルパイプは、基端側に鍔部を有するとともに、当該鍔部における前記凹部と隣接した部位が切欠かれて前記配線の接続部を挿通可能とされたことを特徴とする請求項1記載のグリップ加温装置。
【請求項3】
前記鍔部の切欠かれた部位には、前記配線の接続部を保持するコネクタが嵌入して固定されたことを特徴とする請求項2記載のグリップ加温装置。
【請求項4】
前記鍔部は、第1鍔部及び第2鍔部を有するとともに、これら第1鍔部及び第2鍔部が所定間隔離間して配線を嵌入可能な溝部が形成されたことを特徴とする請求項3記載のグリップ加温装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電熱線パターンに電流を流して発熱部を発熱させることによりハンドルグリップを加温するグリップ加温装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
二輪車やATV、雪上車などハンドルバーを具備した車両においては、そのハンドルバーの先端に運転者が把持し得るハンドルグリップが形成されている。かかるハンドルグリップには、従来、運転者が把持する際に暖かい状態とすべく、車両に搭載されたバッテリから電流を流し得る電熱線パターンが形成されたフレキシブル基板を内蔵させたものが提案されるに至っている。このようなグリップ加温装置は、例えば特許文献1にて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-215966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のグリップ加温装置においては、電熱線パターンが形成されたフレキシブル基板に配線と接続するための端子が形成されるので、配線の接続部の径寸法や端子と配線とを半田付け等する際に生じた肉盛りの高さ寸法等を考慮してハンドルグリップを厚く形成する必要がある。このようにハンドルグリップを厚く形成すると、運転者が把持する把持面(すなわち、ハンドルグリップの表面)と電熱線パターン(フレキシブル基板の発熱部)との間の離間寸法が大きくなってしまい、ハンドルグリップの加温効率が低下してしまう虞があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ハンドルグリップの加温効率を向上させることができるグリップ加温装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、車両が具備するハンドルバーの先端に取り付け可能なハンドルパイプと、前記ハンドルパイプに巻き付けられたシート状の可撓性部材から成り、所定の電熱線パターンが形成されて発熱可能な発熱部と、電源から延設された配線の接続部を前記電熱線パターンに接続可能な端子が形成された端子部とを有したフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板を介して前記ハンドルパイプの外周に形成され、運転者が把持可能なハンドルグリップとを具備し、前記電熱線パターンに電流を流して発熱部を発熱させることにより前記ハンドルグリップを加温するグリップ加温装置において、前記ハンドルパイプは、少なくとも前記端子部の配設部位に凹部が形成され、且つ、前記フレキシブル基板は、前記端子部と前記発熱部とがスリットを介して区分けされるとともに、前記発熱部が前記ハンドルパイプに巻き付けられた状態で前記端子部が前記凹部に沿って延設して構成され、前記端子部は、前記発熱部の前記電熱線パターンに接続可能なプラス端子及びマイナス端子を有するとともに、前記スリットは、前記端子部と発熱部とを区分けしつつ当該端子部の前記プラス端子とマイナス端子とを区分け可能なT字状に形成されたことを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のグリップ加温装置において、前記ハンドルパイプは、基端側に鍔部を有するとともに、当該鍔部における前記凹部と隣接した部位が切欠かれて前記配線の接続部を挿通可能とされたことを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項2記載のグリップ加温装置において、前記鍔部の切欠かれた部位には、前記配線の接続部を保持するコネクタが嵌入して固定されたことを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のグリップ加温装置において、前記鍔部は、第1鍔部及び第2鍔部を有するとともに、これら第1鍔部及び第2鍔部が所定間隔離間して配線を嵌入可能な溝部が形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、ハンドルパイプは、少なくとも端子部の配設部位に凹部が形成されたので、配線の接続部の径寸法や端子に生じた肉盛り等の厚さ寸法を凹部で吸収してフレキシブル基板の発熱部とハンドルグリップの把持面との間の離間寸法を小さくすることができ、ハンドルグリップの加温効率を向上させることができる。
【0011】
また、フレキシブル基板は、端子部と発熱部とがスリットを介して区分けされるとともに、発熱部がハンドルパイプに巻き付けられた状態で端子部が凹部に沿って延設したので、端子部と発熱部とを別個に曲げて巻き付けることができ、発熱部のハンドルパイプに対する巻き付け状態を良好に維持しつつ端子部を凹部に沿って正確に延設させることができる。
【0012】
さらに、端子部は、発熱部の電熱線パターンに接続可能なプラス端子及びマイナス端子を有するとともに、スリットは、端子部と発熱部とを区分けしつつ当該端子部のプラス端子とマイナス端子とを区分け可能なT字状に形成されたので、プラス端子が形成された端子部とマイナス端子が形成された端子部とを別個に曲げて巻き付けることができ、端子部を凹部に沿ってより良好に延設させることができる。また、プラス端子とマイナス端子とがスリットによって確実に離間されることとなり、プラス端子とマイナス端子との間で通電してショートしてしまうのを確実に防止できる。
【0013】
請求項の発明によれば、ハンドルパイプは、基端側に鍔部を有するとともに、当該鍔部における凹部と隣接した部位が切欠かれて配線の接続部を挿通可能とされたので、凹部に位置する端子に対して配線の接続部を円滑且つ良好に接続させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係るグリップ加温装置を示す正面図及び端面図
図2図1におけるII-II線断面図
図3】同グリップ加温装置におけるハンドルグリップが形成される前の状態を示す斜視図
図4】同グリップ加温装置におけるハンドルグリップが形成される前の状態を示す正面図及び側面図
図5】同グリップ加温装置におけるハンドルグリップが形成される前であって、フレキシブル基板が取り付けられる前の状態を示す斜視図
図6】同グリップ加温装置におけるハンドルグリップが形成される前であって、フレキシブル基板が取り付けられる前の状態を示す正面図及び側面図
図7】同グリップ加温装置におけるハンドルグリップが形成される前であって、フレキシブル基板が取り付けられた状態を示す正面図及び側面図
図8】同グリップ加温装置におけるフレキシブル基板を示す平面図
図9】同グリップ加温装置における配線及びコネクタを示す模式図
図10】同グリップ加温装置における他の形態のフレキシブル基板を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係るグリップ加温装置は、二輪車のハンドルバーにおける先端に取り付けられたハンドルグリップ(運転者が把持する左右の把持グリップ)を加温するためのものであり、図1~9に示すように、ハンドルパイプ1と、フレキシブル基板2と、ハンドルグリップGと、カバーKとを有して構成されている。なお、図1中符号Hは、ハンドルグリップGが取り付けられるハンドルバーを示している。
【0016】
ハンドルパイプ1は、二輪車(車両)が具備する操舵のためのハンドルバーHの先端に取り付け可能なもので、図5~7に示すように、筒状に成形した硬質樹脂(例えば、ガラス繊維入りのナイロン6等の硬質樹脂)から成る。かかるハンドルパイプ1のフレキシブル基板2が巻き付けられる部位には、複数の凸部1b及び開口部1cが形成されており、図3、4に示すように、フレキシブル基板2の各開口2cが凸部1b及び開口部1cとそれぞれ合致するようになっている。
【0017】
さらに、本実施形態に係るハンドルパイプ1は、図5~7に示すように、基端側に第1鍔部1d及び第2鍔部1eを有するとともに、これら第1鍔部1d及び第2鍔部1eが所定寸法離間して配線hを嵌入可能な溝部mが形成されている。なお、第1鍔部1d及び第2鍔部1eは、カバーKが取り付けられており、溝mに嵌入された配線hがカバーKにて覆われるようになっている。
【0018】
フレキシブル基板2は、ハンドルパイプ1に巻き付けられたシート状の可撓性部材から成り、図8に示すように、その表面又は裏面に所定の電熱線パターンAが形成されて発熱可能な発熱部2aと、不図示の電源(例えば車両に搭載されたバッテリ)から延設された配線hの接続部haを電熱線パターンAに接続可能な端子(B1、B2)が形成された端子部2bとを有して構成されている。
【0019】
具体的には、フレキシブル基板2は、印刷等により電熱線パターンAが形成されてヒータを構成しており、配線hの一方の接続部haにプラス端子B1が接続されるとともに、他方の接続部haにマイナス端子B2が接続されるよう構成されている。これらプラス端子B1及びマイナス端子B2は、それぞれフレキシブル基板2に形成された端子から成り、発熱部2aの電熱線パターンAに電気的に接続されている。そして、電源から電流を供給すると、電熱線パターンAに電流が流れて発熱部2aが発熱するので、その熱がハンドルグリップGに伝わって把持面を加温することができる。
【0020】
また、フレキシブル基板2は、凸部1b及び開口部1cと対応した位置に複数の開口2cが形成されており、ハンドルパイプ1の側面に巻かれる際、凸部1bを開口2cに挿通させることにより当該ハンドルパイプ1に対する位置決めが行われるとともに、開口部1c及び開口2cが連通することとなる。なお、フレキシブル基板2は、予め裏面に両面テープが貼付されており、ハンドルパイプ1に巻き付けた状態で粘着固定されるようになっている。また、フレキシブル基板2の裏面に接着剤を塗布し、ハンドルパイプ1に巻き付けた状態にて接着固定されるようにしてもよい。
【0021】
ハンドルグリップGは、フレキシブル基板2を介してハンドルパイプ1の外周に形成され、運転者が把持可能なもので、所定の樹脂材(例えば、エラストマー等の軟質樹脂やゴム材等)から成る。具体的には、フレキシブル基板2が巻き付けられたハンドルパイプ1を所定の型内に載置し、その外周に所定の樹脂材にてインサート成形することにより、フレキシブル基板2を内在させたハンドルグリップGを得ることができる。
【0022】
ここで、本実施形態に係るハンドルパイプ1は、図5、6に示すように、少なくとも端子部2bの配設部位に凹部1aが形成されている。具体的には、本実施形態に係る凹部1aは、ハンドルパイプ1における基端側(第1鍔部1dが形成された部位近傍)に形成されて他の部位より凹んだ面から成り、図2に示すように、ハンドルパイプ1における凹部1aの表面と他の表面との間が径方向にt1の寸法だけ段となっている。
【0023】
一方、本実施形態に係るフレキシブル基板2は、図8に示すように、端子部2bと発熱部2aとがスリットαを介して区分けされるとともに、図3、4に示すように、発熱部2aがハンドルパイプ1に巻き付けられた状態で端子部2bが凹部1aに沿って延設して構成されている。さらに、本実施形態に係るスリットαは、T字状に形成されており、端子部2bと発熱部2aとを区分けしつつ当該端子部2bのプラス端子B1とマイナス端子B2とを区分けするようになっている。
【0024】
加えて、本実施形態に係るハンドルパイプ1は、その基端側に形成された第1鍔部1dにおける凹部1aと隣接した部位が切欠かれて切欠き部1daを有しており、その切欠き部1daに配線hの接続部haを挿通可能とされている。また、配線hの接続部haは、図9に示すように、コネクタCにて保持されており、図7に示すように、コネクタCを第1鍔部1dの切欠き部1daに嵌入して固定させることにより、接続部haが切欠き部1daに挿通するようになっている。
【0025】
しかして、本実施形態のグリップ加温装置を製造するには、図7に示すように、ハンドルパイプ1にフレキシブル基板2の発熱部2aを巻き付け、フレキシブル基板2の裏面に貼付された両面テープにて粘着固定するとともに、端子部2bを凹部1aに沿って延設させて巻き付けた後、第1鍔部1dの切欠き部1daにコネクタCを固定させ、配線hの接続部haを端子部2bのプラス端子B1及びマイナス端子B2に接続する。
【0026】
しかるに、配線hの接続部haとプラス端子B1及びマイナス端子B2とは、半田付けによりそれぞれ接続されており、図2に示すように、配線hの接続部haや当該プラス端子B1及びマイナス端子B2に半田付けで生じた肉盛りRが凹部1a内に位置する。これにより、配線hの接続部haの径寸法やプラス端子B1及びマイナス端子B2に形成される肉盛りRの径方向の突出寸法が凹部1aの寸法t1により吸収されることとなる。
【0027】
その後、上記の如く組み付けられたハンドルパイプ1の第1鍔部1d及び第2鍔部1eにカバーKを取り付けた後にハンドルパイプ1を所定の型内に載置し、その外周に所定の樹脂材を流し込んでインサート成形することにより、ハンドルパイプ1の外周に厚さ寸法t2(図2参照)のハンドルグリップGを形成し、グリップ加温装置を得ることができる。なお、配線hの接続部haとプラス端子B1及びマイナス端子B2とは、半田付けとは異なる他のロウ付けであってもよい。
【0028】
上記実施形態によれば、ハンドルパイプ1は、少なくとも端子部2bの配設部位に凹部1aが形成されたので、配線hの接続部haの径寸法や端子(B1、B2)に生じた肉盛りR等の厚さ寸法を凹部1aで吸収してフレキシブル基板2の発熱部2aとハンドルグリップGの把持面との間の離間寸法(すなわち、図2で示すハンドルグリップGの厚さt2))を小さくすることができ、ハンドルグリップGの加温効率を向上させることができる。
【0029】
また、本実施形態に係るフレキシブル基板2は、端子部2bと発熱部2aとがスリットαを介して区分けされるとともに、発熱部2aがハンドルパイプ1に巻き付けられた状態で端子部2bが凹部1aに沿って延設したので、端子部2bと発熱部2aとを別個に曲げて巻き付けることができ、発熱部2aのハンドルパイプ1に対する巻き付け状態を良好に維持しつつ端子部2bを凹部1aに沿って正確に延設させることができる。
【0030】
さらに、本実施形態に係る端子部2bは、発熱部2aの電熱線パターンAに接続可能なプラス端子B1及びマイナス端子B2を有するとともに、スリットαは、端子部2bと発熱部2aとを区分けしつつ当該端子部2bのプラス端子B1とマイナス端子B2とを区分けする(T字に形成された)ので、プラス端子B1が形成された端子部2bとマイナス端子B2が形成された端子部2bとを別個に曲げて巻き付けることができ、端子部2bを凹部1aに沿ってより良好に延設させることができる。また、プラス端子B1とマイナス端子B2とがスリットαによって確実に離間されることとなり、プラス端子B1とマイナス端子B2との間で通電してショートしてしまうのを確実に防止できる。
【0031】
またさらに、本実施形態に係るハンドルパイプ1は、基端側に鍔部(第1鍔部1d)を有するとともに、当該鍔部(第1鍔部1d)における凹部1aと隣接した部位が切欠かれて配線hの接続部haを挿通可能とされたので、凹部1aに位置する端子(B1、B2)に対して配線hの接続部haを円滑且つ良好に接続させることができる。なお、本実施形態においては、コネクタCを第1鍔部1dの切欠き部1daに取り付けているが、配線hを直接、切欠き部1daに挿通させるようにしてもよい。
【0032】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えばフレキシブル基板2は、図8のものに限定されず、例えば図10に示すように、L字状のスリットβにより端子部2bと発熱部2aとを区分けするものとしてもよい。この場合であっても、T字状のスリットαと同様、端子部2bと発熱部2aとを別個に曲げて巻き付けることができ、発熱部2aのハンドルパイプ1に対する巻き付け状態を良好に維持しつつ端子部2bを凹部1aに沿って正確に延設させることができる。
【0033】
また、適用される二輪車においては、ハンドルバーの左右それぞれの先端にハンドルグリップGを具備しており、本実施形態においては、右側のハンドルバーHに対して回転操作可能なスロットルグリップとされている。しかるに、左側のハンドルバーHに取り付けられたハンドルグリップGを上記と同様のグリップ加温装置に適用してもよい。なお、本実施形態においては、二輪車のハンドルグリップGを加温するものに適用されているが、他の車両(ATV、雪上車などハンドルバーを具備した車両)に適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
少なくとも端子部の配設部位に凹部が形成されたハンドルパイプを有し、且つ、フレキシブル基板は、端子部と発熱部とがスリットを介して区分けされるとともに、発熱部がハンドルパイプに巻き付けられた状態で端子部が凹部に沿って延設して構成され、端子部は、発熱部の電熱線パターンに接続可能なプラス端子及びマイナス端子を有するとともに、スリットは、端子部と発熱部とを区分けしつつ当該端子部のプラス端子とマイナス端子とを区分け可能なT字状に形成されたグリップ加温装置であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 ハンドルパイプ
1a 凹部
1b 凸部
1c 開口部
1d 第1鍔部
1da 切欠き部
1e 第2鍔部
2 フレキシブル基板
2a 発熱部
2b 端子部
2c 開口
h 配線
ha 接続部
C コネクタ
m 溝部
G ハンドルグリップ
H ハンドルバー
K カバー
A 電熱線パターン
B1 プラス端子
B2 マイナス端子
α スリット
β スリット
R 肉盛り
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10