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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】鳥害防止具
(51)【国際特許分類】
   A01M 29/32 20110101AFI20221025BHJP
   H02G 7/00 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
A01M29/32
H02G7/00
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019093808
(22)【出願日】2019-05-17
(65)【公開番号】P2020184975
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-01-12
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390009999
【氏名又は名称】日動電工株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】300021839
【氏名又は名称】ミツギロン工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000222037
【氏名又は名称】東北電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】木村 英生
(72)【発明者】
【氏名】元家 正信
(72)【発明者】
【氏名】森本 典志
(72)【発明者】
【氏名】宮古 尚
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-150743(JP,A)
【文献】特開2011-239618(JP,A)
【文献】特開2000-116304(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 1/00 - 99/00
H02G 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線の長手方向に間隔を隔てて前記電線に取付自在な一対の線条支持体と、前記電線の上方側に位置する状態で一対の前記線条支持体に亘って張設自在な線条体とが備えられている鳥害防止具であって、
一対の前記線条支持体の夫々には、前記電線を挿通自在な挿通孔部と、その挿通孔部を開口させる開口状態と閉塞させる閉塞状態とに切替自在な開閉部と、前記開閉部を開口状態から閉塞状態に切り替える開閉切替部とが備えられ、
前記開閉切替部は、前記電線を前記挿通孔部内に移動させるための前記電線に対する前記線条支持体の移動操作に伴って、前記開閉部を開口状態から閉塞状態に切り替え
前記開閉部は、前記挿通孔部に対する上下方向での移動により、前記挿通孔部の下方側を開口させる開口状態と前記挿通孔部の下方側を閉塞させる閉塞状態とに切替自在に構成され、
前記開閉切替部は、前記移動操作としての前記電線に対する前記線条支持体の下方側への移動操作に伴って、前記電線との当接により前記開閉部を上方側に移動させて開口状態から閉塞状態に切り替えている鳥害防止具。
【請求項2】
前記開閉部を閉塞状態にロックするロック状態に切替自在なロック部が備えられ、
前記開閉切替部は、前記移動操作としての前記線条支持体の下方側への移動操作に引き続いて、電線に対して前記線条支持体が下方側へ移動されるに伴って、前記ロック部をロック状態に切り替えている請求項に記載の鳥害防止具。
【請求項3】
前記線条支持体には、電線の長手方向の一方側に別の線条支持体を連結自在な第1連結部と、電線の長手方向の他方側に別の線条支持体を連結自在な第2連結部とが備えられ、
前記第1連結部は、電線に対する別の線条支持体の下方側への移動操作に伴って、別の線条支持体の第2連結部と係合することで、別の線条支持体を連結自在に構成され、
前記第2連結部は、電線に対する別の線条支持体の下方側への移動操作に伴って、別の線条支持体の第1連結部と係合することで、別の線条支持体を連結自在に構成されている請求項1又は2に記載の鳥害防止具。
【請求項4】
一対の前記線条支持体の下方側部位には、前記線条体を電線の上方側に復帰位置させるように、一対の前記線条支持体に亘って架け渡された錘部が備えられ、
前記錘部の上方側には、一対の前記線条支持体に亘って錘部用線条体が張設されている請求項1~3の何れか1項に記載の鳥害防止具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線に鳥が止まることによる鳥害の発生を防止する鳥害防止具に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような鳥害防止具は、電線の長手方向に間隔を隔てて一対の線条支持体を電線に取り付け、電線の上方側に位置する状態で一対の線条支持体に亘ってガラス糸等の線条体を張設させることで、電線に鳥が止まることを防止している(例えば、特許文献1参照。)。線条支持体には、電線を挿通させる挿通孔部と、その挿通孔部を開口させる開口状態と閉塞させる閉塞状態とに切替自在な開閉部と、線条体の端部を固定させる線条体固定部とが備えられている。
【0003】
線条支持体を電線に取り付ける場合には、開閉部を開口状態に切り替えて挿通孔部を開口させた状態で、電線が挿通孔部内に移動するように、電線に対して線条支持体を接近移動させることで、電線を挿通孔部に挿通させている。その後、開閉部を閉塞状態に切り替えて挿通孔部を閉塞させ、開閉部における止め具の先端部を穴に嵌合させて、閉塞状態にロックすることで、線条支持体を電線に固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平10-155408号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の鳥害防止具では、線条支持体を電線に取り付ける場合に、電線を挿通孔部に挿通させただけでは、挿通孔部が開口されている開口状態のままとなっている。それ故に、作業者は、開閉部を閉塞状態に切り替えるための切替操作を行わなければならず、しかも、線条支持体の落下を防止しながら、その切替操作を行う必要がある。よって、電線に対する線条支持体の取付作業が複雑で煩わしいものとなっている。特に、電線に対する線条支持体の取付作業は、高所にて行われる作業であることから、その取付作業の簡素化が望まれている。
【0006】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、電線に対する線条支持体の取付作業の簡素化を図ることができる鳥害防止具を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1特徴構成は、電線の長手方向に間隔を隔てて前記電線に取付自在な一対の線条支持体と、前記電線の上方側に位置する状態で一対の前記線条支持体に亘って張設自在な線条体とが備えられている鳥害防止具において、
一対の前記線条支持体の夫々には、前記電線を挿通自在な挿通孔部と、その挿通孔部を開口させる開口状態と閉塞させる閉塞状態とに切替自在な開閉部と、前記開閉部を開口状態から閉塞状態に切り替える開閉切替部とが備えられ、
前記開閉切替部は、前記電線を前記挿通孔部内に移動させるための前記電線に対する前記線条支持体の移動操作に伴って、前記開閉部を開口状態から閉塞状態に切り替えている点にある。
【0008】
本構成によれば、電線に対して一対の線条支持体を取り付ける場合には、作業者が、電線を挿通孔部内に移動させるための電線に対する線条支持体の移動操作を行うと、その線条支持体の移動操作に伴って、開閉切替部が、挿通孔部を開口させる開口状態から、開閉部にて開口を閉塞させる閉塞状態に切り替えている。閉塞状態では、挿通孔部の開口が閉塞されているので、電線に対して線条支持体を仮固定することができる。
【0009】
これにより、作業者は、電線を挿通孔部内に移動させるための電線に対する線条支持体の移動操作を行うだけで、開閉部を閉塞状態に切り替えるための操作を行わなくても、電線に対して線条支持体を仮固定して、線条支持体の落下を防止することができる。よって、電線を挿通孔部に挿通させるという通常の操作を行うだけで、線条支持体の落下を防止することができ、電線に対する線条支持体の取付作業の簡素化を図ることができる。
【0010】
本発明の第2特徴構成は、前記開閉部は、前記挿通孔部に対する上下方向での移動により、前記挿通孔部の下方側を開口させる開口状態と前記挿通孔部の下方側を閉塞させる閉塞状態とに切替自在に構成され、
前記開閉切替部は、前記移動操作としての前記電線に対する前記線条支持体の下方側への移動操作に伴って、前記電線との当接により前記開閉部を上方側に移動させて開口状態から閉塞状態に切り替えている点にある。
【0011】
本構成によれば、開閉部が開口状態である場合には、挿通孔部の下方側が開口しているので、例えば、電線に対して線条支持体を左右方向に移動させて、挿通孔部の下方側に電線を位置させた状態において、開口を通して電線を挿通孔部内に移動させるために、作業者が、電線に対して線条支持体を下方側へ移動操作することになる。この線条支持体の下方側への移動操作に伴って、開閉切替部が、電線と開閉部との当接により開閉部を上方側に移動させて開口状態から閉塞状態に切り替えている。
【0012】
このように、作業者が、電線に対して線条支持体を下方側へ移動操作するだけで、電線と開閉部との当接を利用して閉塞状態に切り替えて、電線に対する線条支持体の仮固定を簡易に且つ適切に行うことができる。しかも、線条支持体の下方側への移動操作に伴って閉塞状態に切り替えているので、作業者は、線条支持体等の自重を利用しながら、少ない操作力で線条支持体の下方側への移動操作を簡易に行うことができる。更に、例えば、移動操作の途中等に、線条支持体を落下させても、その自重により線条体支持体が下方側に移動することになる。よって、このような場合でも、開閉切替部が、線条支持体の落下により閉塞状態に切り替えることができ、線条支持体の取付作業の簡素化をより一層図ることができる。
【0013】
本発明の第3特徴構成は、前記開閉部を閉塞状態にロックするロック状態に切替自在なロック部が備えられ、
前記開閉切替部は、前記移動操作としての前記線条支持体の下方側への移動操作に引き続いて、電線に対して前記線条支持体が下方側へ移動されるに伴って、前記ロック部をロック状態に切り替えている点にある。
【0014】
本構成によれば、開閉切替部は、線条支持体の下方側への移動操作に引き続いて、電線に対して線条支持体が下方側へ移動されるに伴って、ロック部をロック状態に切り替えているので、作業者は、開閉部が閉塞状態となっても、線条支持体の下方側への移動操作を引き続いて行うだけで、開閉部を閉塞状態にロックするロック状態に切り替えて、電線に対して線条支持体を固定することができる。よって、作業者は、電線に対して線条支持体を下方側へ移動操作するだけで、線条支持体の仮固定だけでなく、線条支持体の本固定を行うことができ、線条支持体の取付作業の簡素化をより一層図ることができる。
【0015】
本発明の第4特徴構成は、前記線条支持体には、電線の長手方向の一方側に別の線条支持体を連結自在な第1連結部と、電線の長手方向の他方側に別の線条支持体を連結自在な第2連結部とが備えられ、
前記第1連結部は、電線に対する別の線条支持体の下方側への移動操作に伴って、別の線条支持体の第2連結部と係合することで、別の線条支持体を連結自在に構成され、
前記第2連結部は、電線に対する別の線条支持体の下方側への移動操作に伴って、別の線条支持体の第1連結部と係合することで、別の線条支持体を連結自在に構成されている点にある。
【0016】
本構成によれば、線条支持体には第1連結部と第2連結部とが備えられているので、電線の長手方向の両側において別の線条支持体を連結することができる。これにより、作業者は、電線の長手方向に移動しなくても、線条支持体に別の線条支持体を連結させて、電線の長手方向に連結した線条支持体を移動させることで、一対の線条支持体を1つの組として、複数組の線条支持体を電線の長手方向に連続させる状態で取り付けることができる。
【0017】
しかも、第1連結部は、電線に対する別の線条支持体の下方側への移動操作に伴って、別の線条支持体の第2連結部と係合することで、別の線条支持体に連結されるので、作業者は、別の線条支持体を電線に取り付けるために、電線に対して別の線条支持体を下方側へ移動操作するだけで、別の線条支持体の取付作業と別の線条支持体の連結作業とを同時に行うことができる。また、第2連結部も、電線に対する別の線条支持体の下方側への移動操作に伴って、別の線条支持体の第1連結部と係合することで、別の線条支持体に連結されるので、電線に対して別の線条支持体を下方側へ移動操作するだけで、別の線条支持体の取付作業と別の線条支持体の連結作業とを同時に行うことができる。これにより、複数組の線条支持体を取り付ける場合でも、取付作業を効率よく行うことができ、取付作業の簡素化及び作業時間の短縮化を図ることができる。
【0018】
本発明の第5特徴構成は、一対の前記線条支持体の下方側部位には、前記線条体を電線の上方側に復帰位置させるように、一対の前記線条支持体に亘って架け渡された錘部が備えられ、
前記錘部の上方側には、一対の前記線条支持体に亘って錘部用線条体が張設されている点にある。
【0019】
本構成によれば、線条体を電線の上方側に復帰位置させるように、一対の線条支持体に亘って架け渡された錘部を備えることで、例えば、線条支持体が電線を中心に回転してしまっても、線条体を電線の上方側に復帰位置させることができ、電線に鳥が止まるのを適切に防止することができる。
【0020】
しかしながら、錘部を備えることで、例えば、小鳥等が錘部に止まることも考えられる。そこで、本構成によれば、錘部の上方側には、一対の線条支持体に亘って錘部用線条体が張設されているので、錘部用線条体の存在により、錘部に小鳥等が止めることも防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】鳥害防止具を電線に取り付けた状態を示す斜視図
図2】鳥害防止具を電線に取り付ける過程を示す斜視図
図3】鳥害防止具を電線に取り付ける過程を示す斜視図
図4】線条支持体を示す斜視図
図5】線条支持体を示す斜視図
図6】既設の線条支持体に対する別の線条支持体の連結過程を示す斜視図
図7】既設の線条支持体に対する別の線条支持体の連結状態を示す斜視図
図8】既設の線条支持体に対する別の線条支持体の連結過程を示す斜視図
図9】鳥害防止具の取付作業を行っている状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に係る鳥害防止具の実施形態を図面に基づいて説明する。
この鳥害防止具1は、図1に示すように、電線2の長手方向に間隔を隔てて電線2に取付自在な一対の線条支持体3と、電線2の上方側に位置する状態で一対の線条支持体3に亘って張設自在な線条体4(例えば、ワイヤー)とが備えられている。ちなみに、線条体4については、ワイヤー等の直線状に延びる延設体のみから構成されているものに限らず、例えば、直線状に延びる延設体にその周方向に延びる針状の突起部を備えたものから線条体を構成することもでき、線条体4の構成は適宜変更が可能である。
【0023】
線条支持体3は、図4及び図5に示すように、支持体本体5と可動体6との2つの部材を組み付けて構成されている。支持体本体5は、図1に示すように、電線2を挿通させる状態で電線2に固定されており、可動体6は、図4及び図5に示すように、支持体本体5に対して上下方向に可動自在に組み付けられている。
【0024】
支持体本体5は、電線2の長手方向で所定の間隔を隔てた状態で上下方向に延びる姿勢の一対の壁部5dが備えられている。支持体本体5は、幅狭の上方側部位5aと、上方側部位5aよりも幅広の中間部位5bと、中間部位5bの左右方向の一方側から下方側に延びる下方側部位5cとを有している。
【0025】
上方側部位5aは、同一の左右幅で上方側に延び、その上端部が左右方向の中央側ほど上位に位置する山形形状に形成されている。中間部位5bは、その上方側が左右方向の中央側ほど上位に位置する傾斜状に形成され、その上方側から左右に分岐して下方側に延びる二股状に形成されている。下方側部位5cは、中間部位5bにおいて左右に分岐された一方側から下方側に延び、その下端部が左右方向の中央部に位置するように屈曲されたL字状に形成されている。ちなみに、「左右方向」は、線条支持体3及び支持体本体5の左右方向であり、電線2の長手方向に対して水平方向で直交する方向としている。
【0026】
可動体6は、図4に示すように、電線2の長手方向の一方側から見るとL字状に形成され、図5に示すように、可動体6において電線2の長手方向の他方側には、上下方向及び左右方向に延びる板状部7が備えられている。板状部7には、左右方向で支持体本体5の下方側部位5cが存在する側とは反対側が開口された上下方向に長い楕円形状の挿通孔部用凹部7aが形成されており、電線2の長手方向の他方側から見るとC字状に形成されている。
【0027】
可動体6は、図4及び図5に示すように、上下方向に沿って直線状に延びる溝部8に沿って移動自在に備えられている。溝部8は、支持体本体5の中間部位5b及び下方側部位5cに亘って形成されており、可動体6には、図4(a)の仮想線にて示すように、左右方向で支持体本体5の下方側部位5cが存在する側に突出する一対の爪部9が備えられている。可動体6における一対の爪部9を溝部8に係合させることで、可動体6が、溝部8に案内される状態で上下方向に移動自在に備えられている。
【0028】
図5に示すように、可動体6において電線2の長手方向の他方側には、板状部7が備えられており、この板状部7が、支持体本体5の下方側部位5c及び中間部位5bの壁部5dに摺動自在に備えられている。可動体6が支持体本体5に対して上下方向に移動するときには、可動体6の板状部7が支持体本体5の壁部5dに対して当接して移動することで、可動体6の上下方向での移動を案内している。支持体本体5の中間部位5bの上方側には、図5(c)に示すように、可動体6の板状部7に当接することで、可動体6の上方側への移動を規制する規制部10が備えられている。
【0029】
線条支持体3には、図4及び図5に示すように、電線2を挿通自在な挿通孔部31(図4参照)と、挿通孔部31を開口させる開口状態と閉塞させる閉塞状態とに切替自在な開閉部32と、開閉部32を開口状態から閉塞状態に切り替える開閉切替部33と、開閉部32を閉塞状態にロックするロック状態に切替自在なロック部34と、線条体4の端部を固定する線条体固定部35とが備えられている。
【0030】
ちなみに、図4及び図5では、(a)において、挿通孔部31の下方側を開口させる開口状態を示しており、(b)において、挿通孔部31の下方側を開閉部32にて閉塞させる閉塞状態を示しており、(c)において、挿通孔部31の下方側を開閉部32にて閉塞させる閉塞状態にロック部34がロックするロック状態を示している。図4(b)及び(c)、図5(b)及び(c)では、図4(a)、図5(a)と同様であるので、一部の符号を省略している。
【0031】
挿通孔部31は、図4に示すように、支持体本体5の左右方向の中央部に配置され、その上方側部位を構成する上方側凹部31aとその下方側部位を構成する下方側凹部32aとが備えられている。挿通孔部31は、上方側凹部31aと下方側凹部32aとにより上下方向に長い楕円形状に構成されている。
【0032】
挿通孔部31の上方側凹部31aは、図4に示すように、支持体本体5の中間部位5bに備えられている。中間部位5bの二股状部分にて上方側凹部31aが構成されており、図4(a)に示すように、上方側凹部31aの下方側が開口されている。これにより、挿通孔部31は、その下方側が開口されている状態で備えられている。
【0033】
挿通孔部31の下方側凹部32aは、図4及び図5に示すように、開閉部32に備えられている。開閉部32は、可動体6にて構成されており、支持体本体5に対して上下方向での移動により、挿通孔部31の下方側を開口させる開口状態(図4(a)及び図5(a)参照)と挿通孔部31の下方側を閉塞させる閉塞状態(図4(b)及び図5(b)参照)とに切替自在に構成されている。開閉部32としての可動体6には、その上面部に下方側凹部32aが備えられている。開閉部32が閉塞状態となることで、上方側凹部31aと下方側凹部32aとにより下方側が閉塞された挿通孔部31を形作るようにしている。また、電線2の長手方向の他方側では、図5に示すように、可動体6に板状部7が備えられていることから、図5(c)に示すように、板状部7の挿通孔部用凹部7aによって、挿通孔部31において電線2の長手方向の他方側の端部が構成されている。
【0034】
開閉切替部33は、図4及び図5に示すように、可動体6にて構成されており、電線2を挿通孔部31内に移動させるための電線2に対する線条支持体3の移動操作に伴って、開閉部32を開口状態から閉塞状態に切り替えている。開閉切替部33としての可動体6には、図5に示すように、板状部7が備えられ、その板状部7には、挿通孔部31を構成するための挿通孔部用凹部7aが形成されている。挿通孔部用凹部7aの上方側部位は、電線2の外周部に当接自在な半円形状に構成されている。これにより、開閉切替部33は、図5(b)に示すように、移動操作としての電線2に対する上下方向での線条支持体3の下方側への移動操作に伴って、可動体6の板状部7における挿通孔部用凹部7aと電線2との当接により開閉部32(可動体6)を上方側に移動させて開口状態から閉塞状態に切り替えている。
【0035】
ロック部34は、図4及び図5に示すように、開閉部32(可動体6)にて挿通孔部31の下方側を閉塞した閉塞状態において、開閉部32の下方側への移動を規制することで、ロック状態に切り替えている。ロック部34は、ロック用孔部36と、そのロック用孔部36に挿脱自在な挿脱部37と、ロック用孔部36に挿脱部37が挿入された状態を保持する保持部38とが備えられている。
【0036】
ロック用孔部36は、図4(a)及び図5(a)に示すように、可動体6において、左右方向で支持体本体5の下方側部位5cが存在する側とは反対側で下方側凹部32aに隣接する位置に備えられている。挿脱部37は、支持体本体5の中間部位5bにおいて左右方向で支持体本体5の下方側部位5cが存在する側とは反対側の下端部に備えられ、上下方向でロック用孔部36に対向する位置に配置されている。挿脱部37は、弾性力を有する板状部材を上下方向で折り返して構成されている。挿脱部37は、下方側に延びる下方側延設部37aと、下方側延設部37aの下端部にて折り返して上方側に延びる上方側延設部37bとが、左右方向に間隔を隔てて並ぶ状態で備えられている。上方側延設部37bの上端部は、左右方向で支持体本体5の下方側部位5cが存在する側とは反対側に延びるように折り曲げられた折曲部37cとなっている。上方側延設部37bの上方側には、左右方向で支持体本体5の下方側部位5cが存在する側とは反対側に突出する板状の保持部38が備えられ、保持部38が、ロック用孔部36に挿入された状態で、ロック用孔部36の周部36aに当接して係合自在に備えられている。保持部38がロック用孔部36の周部36aに当接して係合することで、可動体6の下方側への移動が規制され、ロック状態となっている。
【0037】
線条体固定部35は、図4及び図5に示すように、支持体本体5の上方側部位5aに備えられている。線条体固定部35は、線条体4の端部を固定する孔部にて構成されている。線条体固定部35は、支持体本体5の左右方向の中央部において、上方側部位5aの上端部と下端部との上下2箇所に備えられている。
【0038】
一対の線条支持体3の下方側部位には、図1に示すように、線条体4を電線2の上方側に復帰位置させるように、一対の線条支持体3に亘って架け渡された錘部11が備えられている。錘部11は、一対の線条支持体3に亘る直線状の棒状体にて構成されている。線条支持体3の支持体本体5には、錘部11の端部を固定する貫通孔状の錘部固定部39が備えられている。錘部固定部39は、支持体本体5の左右方向の中央部において、下方側部位5cの下端部に備えられている。これにより、線条支持体3が電線2の周りで回動しても、錘部11の自重により、一対の線条支持体3の夫々が電線2を中心に回動することで、線条体4を電線2の上方側に復帰位置させている。このように、錘部11を一対の線条支持体3に亘る状態で固定することで、電線2の長手方向に所定の間隔を隔てる状態で一対の線条支持体3を配置させながら、一対の線条支持体3の夫々を同じ姿勢に保持するようにしている。
【0039】
錘部11の上方側には、一対の線条支持体3に亘って錘部用線条体12が張設されている。線条支持体3の支持体本体5には、錘部用線条体12の端部を固定する錘部用線条体固定部40が備えられている。錘部用線条体固定部40は、支持体本体5の左右方向の中央部において、下方側部位5cに備えられている。
【0040】
図1に示すように、一対の線条支持体3を電線2に取り付けた状態では、上方側から、2本の線条体4、電線2、錘部用線条体12、錘部11の順に一直線状に並ぶ状態で備えられている。2本の線条体4が電線2の上方側に位置することで、電線2に鳥が止まるのを防止しており、更に、錘部用線条体12が錘部11の上方側に位置することで、錘部11に対して鳥が止まるのを防止している。
【0041】
以下、電線2に対して一対の線条支持体3を取り付ける際の動作や構成について説明する。
線条支持体3の取付作業は、図9に示すように、作業者13が、電線2に直接触れることなく、電線2に対して、作業用工具14を用いて線条支持体3を移動操作することで、電線2に対して間接的に作業を行う間接工法にて行われている。図9は、あくまで間接工法での作業状態を示す参考図であり、何人の作業者13にて作業するのか、及び、どのような作業用工具14を使用するかについては適宜変更が可能である。
【0042】
図1図3に示すように、線条体4、錘部11、錘部用線条体12等を一対の線条支持体3に亘って予め張設しておき、一対の線条支持体3を1つの鳥害防止具1として同時に電線2に取り付けるようにしているが、例えば、一対の線条支持体3を別々に電線2に取り付け、線条体4、錘部11、錘部用線条体12等を後付けすることも可能である。
【0043】
まず、図2図4(a)及び図5(a)に示すように、作業者13が支持体本体5に対して可動体6を下方側に移動させることで、支持体本体5と可動体6との間に左右方向に開口する左右開口部15(図2参照)を形成しておく。支持体本体5における溝部8の下端部まで可動体6を移動させておくことで、上下方向に幅の広い左右開口部15(図2参照)を形成することができる。
【0044】
作業者13は、作業用工具14を用いて一対の線条支持体3(以下、単に「線条支持体3」と略称する)を移動操作して、電線2と左右開口部15との上下方向での位置合わせを行った状態において、電線2に対して線条支持体3を接近させるように線条支持体3を左右方向で移動操作する。これにより、図2図4(a)及び図5(a)に示すように、電線2を左右開口部15を通して線条支持体3の挿通孔部31の下方側に移動させることができる。ちなみに、電線2と左右開口部15との上下方向での位置合わせを行う場合には、作業者13から見て、電線2の奥側に線条支持体3を配置させた状態で行うことで、作業者13の手前側から、電線2と左右開口部15との位置関係を確認しながら、線条支持体3の左右方向での移動操作を行うことができる。
【0045】
次に、図2に示すように、電線2を挿通孔部31の下方側に位置させた状態において、矢印にて示すように、作業者13は、電線2を上方側の挿通孔部31内に移動させるために、電線2に対する上下方向での線条支持体3の下方側への移動操作を行う。この線条支持体3の下方側への移動操作に伴って、図5(b)に示すように、可動体6における板状部7の挿通孔部用凹部7aの上方側部位と電線2とが当接する。この当接状態において線条支持体3が下方側へ移動操作されることで、下方側に移動される支持体本体5に対して、可動体6が上方側への押圧力を受けることになる。よって、可動体6が支持体本体5に対して上方側に移動して、挿通孔部31の下方側が開口された開口状態から、可動体6(開閉部32)にて閉塞された閉塞状態に切り替えられる。
【0046】
このようにして、開閉切替部33は、電線2に対する上下方向での線条支持体3の下方側への移動操作に伴って、可動体6の板状部7における挿通孔部用凹部7aと電線2との当接により開閉部32を上方側に移動させて開口状態から閉塞状態に切り替えている。よって、作業者13は、線条支持体3等の自重を利用しながら、少ない操作力で線条支持体3の下方側への移動操作を簡易に行うことができる。
【0047】
ここで、電線2に対する上下方向での線条支持体3の下方側への移動操作の途中等において、作業者13が線条支持体3を落下させたとしても、線条支持体3(支持体本体5)の自重により、線条支持体3(支持体本体5)が電線2に対して下方側に移動することになる。よって、このような場合でも、開閉切替部33は、電線2に対する上下方向での線条支持体3の下方側への移動に伴って、可動体6の板状部7における挿通孔部用凹部7aと電線2との当接により開閉部32を上方側に移動させて開口状態から閉塞状態に切り替えることができる。
【0048】
図3図4(b)及び図5(b)に示すように、開閉切替部33が開閉部32を閉塞状態に切り替えることで、挿通孔部31の下方側の開口が閉塞されることになり、電線2に対して線条支持体3を仮固定することができる。よって、電線2を挿通孔部31内に移動させるために、作業者13は、電線2に対して上下方向で線条支持体3を下方側に移動操作するだけという簡易な操作によって、挿通孔部31の開口を閉塞させるための操作を行わずに、電線2に対して線条支持体3を仮固定することができる。
【0049】
電線2に対して線条支持体3を仮固定するために、作業者13は、電線2に対して上下方向で線条支持体3を下方側に移動操作するが、この下方側への移動操作に引き続いて、電線2に対して上下方向で線条支持体3を下方側に移動操作することで、ロック部34をロック状態に切り替えることができる。
【0050】
電線2に対する上下方向での線条支持体3の下方側への移動操作に伴って、可動体6の板状部7における挿通孔部用凹部7aと電線2との当接により可動体6を支持体本体5に対して下方側から上方側に移動させることで、開閉部32にて挿通孔部31の下方側を閉塞する閉塞状態となる。このとき、図4(b)及び図5(b)に示すように、可動体6を支持体本体5に対して下方側から上方側に移動させることで、挿脱部37の下方側部位がロック用孔部36に挿入される。これにより、引き続いて、電線2に対する上下方向での線条支持体3の下方側への移動操作が行われることで、可動体6が更に上方側に移動することになり、図4(c)及び図5(c)に示すように、挿脱部37の全体がロック用孔部36に挿入される。
【0051】
挿脱部37の全体がロック用孔部36に挿入される際に、保持部38がロック用孔部36の周部36a等に当接して左右方向での押圧力を受け、挿脱部37が弾性変形して下方側延設部37aと上方側延設部37bとの間隔が小さくなる。これにより、保持部38が、図4(c)及び図5(c)に示すように、ロック用孔部36の周部36aを乗り越えてロック用孔部36に挿入され、周部36aに当接して係合することになる。保持部38と周部36aとの係合(当接)により、支持体本体5に対する可動体6の下方側への移動が規制され、開閉部32を閉塞状態にロックするロック状態に切り替えることができる。
【0052】
作業者13は、電線2を挿通孔部31内に移動させるために、電線2に対して上下方向で線条支持体3を下方側に移動操作して、電線2に対して線条支持体3を仮固定し、引き続いて電線2に対して上下方向で線条支持体3を下方側に移動操作することで、開閉部32を閉塞状態にロックするロック状態に切り替えて、電線2に対して線条支持体3を固定することができる。よって、作業者13は、電線2に対して上下方向で線条支持体3を下方側に移動操作するという簡易な操作を行うだけで、電線2に線条支持体3を仮固定させるだけでなく、引き続いて、電線2に線条支持体3を本固定することができる。
【0053】
ロック状態の解除について説明すると、ロック状態では、図4(c)及び図5(c)に示すように、挿脱部37における折曲部37cが左右方向に突出した姿勢となっている。作業者13は、折曲部37cに対して左右方向で押圧力を作用させることで、挿脱部37が弾性変形して下方側延設部37aと上方側延設部37bとの間隔が小さくなる。これにより、保持部38とロック用孔部36の周部36aとの係合(当接)が解除され、ロック状態を解除することができ、支持体本体5に対して可動体6を下方側に移動させることができる。
【0054】
次に、線条支持体3同士の連結について説明する。
線条支持体3には、図4に示すように、電線2の長手方向の一方側に別の線条支持体3を連結自在な第1連結部41と、図5に示すように、電線2の長手方向の他方側に別の線条支持体3を連結自在な第2連結部42とが備えられている。このように、線条支持体3は、第1連結部41と第2連結部42とを備えることで、線条支持体3に対して、電線2の長手方向の両側で別の線条支持体3を連結自在に構成されている。
【0055】
第1連結部41は、図4及び図6に示すように、電線2の長手方向で支持体本体5の壁部5dとの間に左右一対の挿脱用隙間41aを形成する状態で板状係合部41bが備えられている。挿脱用隙間41aは、上下方向及び左右方向の外側に開口された隙間となっている。板状係合部41bは、支持体本体5の中間部位5bに相当する位置に配置されており、下方側が開口するC字状に形成され、電線2の外周部に当接自在に構成されている。
【0056】
第2連結部42は、図5に示すように、支持体本体5の中間部位5bにおける壁部5dに連なる板状部位を折り曲げて構成されている。第2連結部42は、支持体本体5の壁部5dの左右両端部から電線2の長手方向に折り曲げて延びる左右一対の第1折曲部42aと、その第1折曲部42aの先端部から左右方向の内方側に折り曲げて延びる左右一対の第2折曲部42bとが備えられている。第1折曲部42aと第2折曲部42bは、支持体本体5の壁部5dから連続する平面視で左右一対のL字状の壁状に構成されている。これにより、第2連結部42には、支持体本体5の壁部5dと第1折曲部42aと第2折曲部42bとに囲まれた挿脱用空間42cが備えられている。左右一対の第2折曲部42bは、左右方向でその先端部同士の間に隙間を形成する状態で左右方向の内方側に延びるように備えられ、挿脱用空間42cは、上下方向及び電線2の配設方向の他方側に開口する空間となっている。
【0057】
第1連結部41は、図6に示すように、電線2に対する上下方向での別の線条支持体3a(図6中左側に位置する線条支持体3a)の下方側への移動操作に伴って、別の線条支持体3aの第2連結部42と係合することで、別の線条支持体3aを連結自在に構成されている。図6では、図中右側に位置する線条支持体3が既に電線2に取り付けられた既設の線条支持体3となっており、図中左側に位置する別の線条支持体3aを、電線2に取り付けながら、既設の線条支持体3に連結させる状態を示している。
【0058】
既設の線条支持体3の第1連結部41に別の線条支持体3aの第2連結部42を連結させる場合には、図6に示すように、別の線条支持体3aを電線2に取り付けるために、電線2に対して上下方向で別の線条支持体3aを下方側へ移動操作する。このとき、第1連結部41の挿脱用隙間41aが上下方向に開口しているので、別の線条支持体3aの第2連結部42における第2折曲部42bが、第1連結部41における挿脱用隙間41aに挿入される。これにより、図7に示すように、第1連結部41の板状係合部41bと第2連結部42の第2折曲部42bとが係合することになり、既設の線条支持体3と別の線条支持体3aとの間で電線2の長手方向での移動が規制され、既設の線条支持体3と別の線条支持体3aとを連結させることができる。
【0059】
第2連結部42は、図8に示すように、電線2に対する上下方向での別の線条支持体3a(図8中右側に位置する線条支持体3a)の下方側への移動操作に伴って、別の線条支持体3aの第1連結部41と係合することで、別の線条支持体3aを連結自在に構成されている。図8では、図中左側に位置する線条支持体3が既に電線2に取り付けられた既設の線条支持体3となっており、図中右側に位置する別の線条支持体3aを、電線2に取り付けながら、既設の線条支持体3に連結させる状態を示している。
【0060】
既設の線条支持体3の第2連結部42に別の線条支持体3aの第1連結部41を連結させる場合には、図8に示すように、別の線条支持体3aを電線2に取り付けるために、電線2に対して上下方向で別の線条支持体3aを下方側へ移動操作する。このとき、第2連結部42の挿脱用空間42c(図5参照)が上下方向に開口しているので、別の線条支持体3aの第1連結部41における板状係合部41bが、第2連結部42における挿脱用空間42cに挿入される。これにより、図7と同様であるので、図示は省略するが、第1連結部41の板状係合部41bと第2連結部42の第2折曲部42bとが係合することになり、既設の線条支持体3と別の線条支持体3aとの間で電線2の長手方向での移動が規制され、既設の線条支持体3と別の線条支持体3aとを連結させることができる。
【0061】
作業者13は、別の線条支持体3aを電線2に取り付けるために、別の線条支持体3aの下方側への移動操作を行うだけで、別の線条支持体3aの取付作業と既設の線条支持体3に対する連結作業とを同時に行うことができる。しかも、既設の線条支持体3に対して電線2の長手方向の両側に別の線条支持体3aを連結することができるので、図9に示すように、作業者13は、電線2の長手方向に移動しなくても、既設の線条支持体3に別の線条支持体3aを連結させて、図9中の矢印にて示すように、電線2の長手方向に連結した線条支持体3を移動させることで、一対の線条支持体3を1つの組として、複数組の線条支持体3を電線2の長手方向に連続させる状態で取り付けることができる。
【0062】
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。
尚、以下に説明する各実施形態の構成は、夫々単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0063】
(1)上記実施形態では、開閉切替部33が、電線2に対する線条支持体3の下方側への移動操作に伴って、電線2との当接により開閉部32を上方側に移動させて開口状態から閉塞状態に切り替えているが、開閉切替部が開閉部を開口状態から閉塞状態に切り替えるための移動操作は、電線を挿通孔部内に移動させるための電線に対する線条支持体の移動操作であればよく、例えば、電線に対する線条支持体の左右方向での移動操作等、電線に線条支持体を取り付けるための各種の移動操作を適用することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 鳥害防止具
2 電線
3 線条支持体
4 線条体
11 錘部
12 錘部用線条体
31 挿通孔部
32 開閉部
33 開閉切替部
34 ロック部
41 第1連結部
42 第2連結部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9