(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】展開構造物
(51)【国際特許分類】
F16S 5/00 20060101AFI20221025BHJP
E04B 1/344 20060101ALI20221025BHJP
E04B 1/343 20060101ALI20221025BHJP
B64G 1/22 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
F16S5/00
E04B1/344 C
E04B1/343 S
B64G1/22
(21)【出願番号】P 2018190879
(22)【出願日】2018-10-09
【審査請求日】2021-06-14
(73)【特許権者】
【識別番号】519305524
【氏名又は名称】株式会社OUTSENSE
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】十亀 昭人
(72)【発明者】
【氏名】石松 慎太郎
【審査官】齋藤 卓司
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-505776(JP,A)
【文献】特開2003-237698(JP,A)
【文献】特開平11-223299(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16S 1/00-5/00
E04B 1/344
E04B 1/343
B64G 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々長手方向に沿って延びる一対の帯板部材と、
前記一対の帯板部材の厚さ方向一方側の表面において角部同士が近接した状態で、前記一対の帯板部材が所定平面に平行な折畳状態と、前記一対の帯板部材が前記所定平面に垂直な展開状態と、の間を変形自在となるように、前記一対の帯板部材同士を接続する接続部材と、
を備えたことを特徴とする展開構造物。
【請求項2】
前記一対の帯板部材の端部は、前記長手方向に沿って前記表面側に向かって山折りで折り曲げ可能な第1折曲部を介して前記接続部材に接続し、
前記接続部材は、前記一対の帯板部材各々と当該接続部材とを接続する一対の前記第1折曲部同士の相対位置を折畳状態から展開状態に至るまで不動に維持することを特徴とする請求項1に記載の展開構造物。
【請求項3】
前記一対の第1折曲部同士は、所定角度で交差して設けられ、
前記所定角度は、前記展開状態における前記一対の帯板部材の交差角度と同じであることを特徴とする請求項2項に記載の展開構造物。
【請求項4】
前記一対の帯板部材及び前記接続部材の展開状態において互いに接近する側面の少なくとも一方には、前記展開状態において前記一対の帯板部材及び前記接続部材の干渉を避ける第1切欠が形成されていることを特徴とする請求項1~3何れか1項に記載の展開構造物。
【請求項5】
前記一対の帯板部材の展開状態において互いに接近する側面には、前記展開状態において前記一対の帯板部材同士の干渉を避ける第2切欠が形成されていることを特徴とする請求項1~4何れか1項に記載の展開構造物。
【請求項6】
前記帯板部材は、長手方向の両端となる一対の第1両端部材と、前記一対の第1両端部
材各々に連結する一対の第1連結部材と、前記一対の連結部材間に連結される第1中央部材と、を備え、
前記第1両端部材と前記第1連結部材とが、前記長手方向に対して交差する第2折曲部を介して連結され、
前記第1連結部材と前記第1中央部材とが、前記長手方向に対して交差する第3折曲部を介して連結されることを特徴とする請求項1~5何れか1項に記載の展開構造物。
【請求項7】
前記第2折曲部及び前記第3折曲部は、一方が前記表面側に向かって山折りで、他方が前記表面側に向かって谷折りとなるように設けられたことを特徴とする請求項6に記載の展開構造物。
【請求項8】
前記第1中央部材は、前記長手方向の両端となる一対の第2両端部材と、前記一対の第2両端部材各々に連結する一対の第2連結部材と、前記一対の第2連結部材間に連結される第2中央部材と、を備え、
前記第2両端部材と前記第2連結部材とが、前記長手方向に対して交差する第4折曲部を介して連結され、
前記第2連結部材と前記第2中央部材とが、前記長手方向に対して交差する第5折曲部を介して連結されることを特徴とする請求項6又は7に記載の展開構造物。
【請求項9】
前記一対の帯板部材を有するユニットを複数備え、
前記ユニット同士は、帯幅方向側の端部が折り曲げ自在に接続されていることを特徴とする請求項1~8何れか1項に記載の展開構造物。
【請求項10】
前記展開状態において筒状に形成されたことを特徴とする請求項1~9何れか1項に記載の展開構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、展開構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、外形が小さくなる折畳状態と、外形が大きくなる展開状態と、の間で変形可能な展開構造物が知られている(例えば特許文献1、2)。しかしながら、これら展開構造物は、剛性の低い部材を折り畳むことを前提としており、剛性の高い部材を折り畳むことができない、という問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-308994号公報
【文献】特開2009-1183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、剛性の高い部材でも折り畳むことができる展開構造物を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するためになされた本発明の態様である展開構造物は、各々長手方向に沿って延びる一対の帯板部材と、前記一対の帯板部材の厚さ方向一方側の表面において角部同士が近接した状態で、前記一対の帯板部材が所定平面に平行な折畳状態と、前記一対の帯板部材が前記所定平面に垂直な展開状態と、の間を変形自在となるように、前記一対の帯板部材同士を接続する接続部材と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
また、前記一対の帯板部材の端部は、前記長手方向に沿って前記表面側に向かって山折りで折り曲げ可能な第1折曲部を介して前記接続部材に接続し、前記接続部材は、前記一対の帯板部材各々と当該接続部材とを接続する一対の前記第1折曲部同士の相対位置を折畳状態から展開状態に至るまで不動に維持するようにしてもよい。
【0007】
また、前記一対の第1折曲部同士は、所定角度で交差して設けられ、前記所定角度は、前記展開状態における前記一対の帯板部材の交差角度と同じであってもよい。
【0008】
また、前記一対の帯板部材及び前記接続部材の展開状態において互いに接近する側面の少なくとも一方には、前記展開状態において前記一対の帯板部材及び前記接続部材の干渉を避ける第1切欠が形成されていてもよい。
【0009】
また、前記一対の帯板部材の展開状態において互いに接近する側面には、前記展開状態において前記一対の帯板部材同士の干渉を避ける第2切欠が形成されていてもよい。
【0010】
また、前記帯板部材は、長手方向の両端となる一対の第1両端部材と、前記一対の第1両端部材各々に連結する一対の第1連結部材と、前記一対の連結部材間に連結される第1中央部材と、を備え、前記第1両端部材と前記第1連結部材とが、前記長手方向に対して交差する第2折曲部を介して連結され、前記第1連結部材と前記第1中央部材とが、前記長手方向に対して交差する第3折曲部を介して連結されていてもよい。
【0011】
また、前記第2折曲部及び前記第3折曲部は、一方が前記表面側に向かって山折りで、他方が前記表面側に向かって谷折りとなるように設けられていてもよい。
【0012】
また、前記第1中央部材は、前記長手方向の両端となる一対の第2両端部材と、前記一対の第2両端部材各々に連結する一対の第2連結部材と、前記一対の第2連結部材間に連結される第2中央部材と、を備え、前記第2両端部材と前記第2連結部材とが、前記長手方向に対して交差する第4折曲部を介して連結され、前記第2連結部材と前記第2中央部材とが、前記長手方向に対して交差する第5折曲部を介して連結されていてもよい 。
【0013】
また、前記一対の帯板部材を有するユニットを複数備え、前記ユニット同士は、帯幅方向側の端部が折り曲げ自在に接続されていてもよい。
【0014】
また、前記展開状態において筒状に形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明の態様によれば、剛性の高い部材でも折り畳むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1実施形態における展開構造物の折畳状態を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す展開構造物の折畳状態と展開状態との間の状態を示す斜視図である。
【
図3】
図1に示す展開構造物の展開状態を示す斜視図である。
【
図4】
図1に示す展開構造物を構成する筒高さ方向に連結する一対の帯板部材の折畳状態を示す表面側 斜視図である。
【
図6】
図4に示す一対の帯板部材の折畳状態と展開状態との間の状態を示す斜視図である
【
図7】
図4に示す一対の帯板部材の展開状態における表面側斜視図である。
【
図8】
図4に示す一対の帯板部材の展開状態における裏面側斜視図である。
【
図9】
図1の接続部材4A付近の部分拡大図である。
【
図10】
図3の接続部材4A付近の部分拡大図である。
【
図13】
図3に示す展開構造物から接続部材を取り除いた状態の部分上面図である。
【
図14】第2実施形態における展開構造物の折畳状態を示す斜視図である。
【
図15】
図14に示す展開構造物の折畳状態と展開状態との間の状態を示す斜視図である。
【
図16】
図14に示す展開構造物の展開状態を示す斜視図である。
【
図19】第3実施形態における筒高さ方向に連なる一対の帯板部材の折畳状態を示す表面側斜視図である。
【
図21】
図19に示す一対の帯板部材の折畳状態と展開状態との間の状態を示す斜視図である。
【
図22】
図19に示す一対の帯板部材の展開状態を示す表面側斜視図である。
【
図23】
図19に示す一対の帯板部材の展開状態を示す裏側斜視図である。
【
図24】第1~第3実施形態の変形例である展開構造物の上面図である。
【
図25】第4実施形態における展開構造物の折畳状態を示す斜視図である。
【
図26】
図25に示す展開構造物の折畳状態と展開状態との間の状態を示す斜視図である。
【
図27】
図25に示す展開構造物の展開状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態における本発明の展開構造物を、
図1~
図13に基づいて説明する。第1実施形態における展開構造物1Aは、四角筒状の展開状態(
図3)と、展開状態よりも筒径及び筒高さが小さくなるように折り畳まれる折畳状態(
図1)と、の間で変形自在となる構造物である。展開構造物1Aは、筒高さ方向に接続される複数の筒状ユニット2Aを備えている。本実施形態では、展開構造物1Aは、2個の筒状ユニット2Aを備えている。
【0018】
筒状ユニット2Aは各々、四角筒の一面を各々構成する4個の帯板部材3Aと、これら4個の帯板部材3A同士を接続する4個の接続部材4Aと、を備えている。
【0019】
4個の帯板部材3Aは各々、
図7及び
図8に示すように、展開状態において所定の長さ、幅および厚みを有した帯板状に形成されている。4個の帯板部材3Aは、厚みがあり柔軟性がない剛体で構成されている。帯板部材3Aは各々、展開状態において長手方向及び幅方向に沿い、かつ、厚さ方向に対向する長方形状の表面301及び裏面302と、長手方向に対向する側面303及び側面304と、幅方向に対向する側面305及び側面306と、を有している。
【0020】
4個の帯板部材3Aは、
図7及び
図8に示すように帯板状となる展開状態と、
図4及び
図5に示すように中央が幅方向に突出するようにU状に折り畳まれる折畳状態と、の間で変形自在に構成されている。4個の帯板部材3Aの詳細な構成については後述する。
【0021】
次に、上記4個の帯板部材3Aの折畳状態及び展開状態における配置について説明する。4個の帯板部材3Aは、
図1に示すように、折畳状態において厚さ方向が筒高さ方向に平行に配置され、所定平面xyに対して各々平行となる。即ち、折畳状態において同一平面上に配置される。なお、所定平面xyは、筒高さ方向に対して垂直な平面である。
【0022】
また、折畳状態において隣り合う一対の帯板部材3A,3Aは、後述する第1両端部材311の表面301において角部307同士が接し、かつ、角部307から長手方向に沿って延在する表面301の端部が互いに90度(=四角形の内角)を成すように配置される。
【0023】
また、4個の帯板部材3Aは、
図3に示すように、展開状態において幅方向が筒高さ方向に平行に配置され、所定平面xyに対して各々垂直となる。このとき、帯板部材3Aの表面301が四角筒の外側面、裏面302が四角筒の内側面になるように配置される。また、展開状態において隣り合う一対の帯板部材3A,3Aは、角部307同士が接し、かつ、90度を成すように配置される。
【0024】
4個の接続部材4Aは、一対の帯板部材3A,3Aの角部307同士が接した状態で、折畳状態と展開状態との間を変形自在となるように、一対の帯板部材3A,3A同士を各々接続している。
【0025】
本実施形態では、接続部材4Aは各々、
図9~
図12に示すように、帯板部材3Aと同じ厚みを有し、筒高さ方向に直交する表面401と、表面401の端部に連結される一対の側面402,402、403,403、404,404と、を有している。表面401は、帯板部材3Aの第1両端部材311における表面301と折畳状態において同一平面上に配置され(
図11)、展開状態において直交するように配置される(
図12)。
【0026】
また、
図9に示すように、表面401は、略四角形状(本実施形態では略正方形状)に設けられている。また、表面401は、正方形の一辺をそれぞれ構成すると共に、90度に交差する一対の端部T1,T1が一対の帯板部材3A表面301において角部307から長手方向に延在する端部に接して配置される。また、表面401には、角部307と対向する角部に第4切欠406が形成されている。
【0027】
一対の側面402,402は、表面301の上記一対の端部T1,T1にそれぞれ連なっている。一対の側面403,403は、正方形の一辺をそれぞれ構成すると共に、上記一対の端部T1、T2に各々に対して90度に交差する一対の端部T2,T2にそれぞれ連なり、表面301と直交するように設けられている。
【0028】
一対の側面404,404は、表面401の第4切欠406により形成された端部T3,T3にそれぞれ連なり、表面301と直交するように設けられている。また、一対の側面404,404は、互いに直交し、
図3に示すように、展開状態において帯板部材3Aの裏面302と同一平面となる。
【0029】
上記一対の帯板部材3A,3Aの表面301において角部307から長手方向に延在する端部は、当該端部に沿って折り曲げ可能な第1折曲部5のみを介して接続部材4Aの表面401の一対の端部T1,T1に各々接続されている。この第1折曲部5により、一対の帯板部材3A、3A及び接続部材4Aは、長手方向に沿って表面301、401側に向かって山折りで折り曲げ可能となる。
【0030】
第1折曲部5は、接着テープのような薄くて剛性の低い柔軟な部材から構成され、帯板部材3Aの表面301及び接続部材4Aの表面401の互いに接する端部同士を接続する。なお、第1折曲部5としては、本実施形態では接着テープを一例に挙げて説明しているが、これに限ったものではなく、折り曲げ自在な構成を有するものであればよい。例えば、接着テープに代えて蝶番のように折り曲げ自在な金具などから構成されていてもよい。
【0031】
上記一対の帯板部材3A,3A各々と接続部材4Aとを接続する第1折曲部5同士は、90度(所定角度)で交差して設けられる。この角度は、展開状態における一対の帯板部材3A,3Aの交差角度と同じである。接続部材4Aは、一対の第1折曲部5同士の相対位置を折畳状態から展開状態に至るまで不動に維持する。
【0032】
また、
図7及び
図8に示すように、一対の帯板部材3A,3Aの展開状態において互いに接近する側面303、304には、展開状態において一対の帯板部材3A,3A同士の干渉を避ける第2切欠308が形成されている。第2切欠308は、表面301から裏面302に亘って形成され、この第2切欠308により側面303、側面304は、裏面302に近づくに従って長手方向が短くなるような傾斜面に設けられている。そして、
図13に示すように、展開状態において、一対の帯板部材3A,3Aの側面303及び側面304同士が接触する。なお、
図13は、
図3に示す展開構造物から接続部材を取り除いた状態の部分上面図である。
【0033】
また、
図7及び
図8に示すように、帯板部材3Aの展開状態において接続部材4Aに接近する角部307側の側面305には、展開状態において接続部材4Aとの干渉を避ける第1切欠309が形成されている。第1切欠309は、第1折曲部5に連結される表面301端部から裏面302に亘って切り欠いて形成され、この第1切欠309により側面305の長手方向両端部には、裏面302に近づくに従って幅方向が短くなるような傾斜面310が設けられる。
【0034】
接続部材4Aの展開状態において一対の帯板部材3Aに各々接近する側面402,402にも、
図9に示すように、展開状態において帯板部材3Aとの干渉を避ける第1切欠405が形成されている。第1切欠405は、側面402,402の表面401から離れた側の端部が側面404,404の表面401から離れた側の端部に交差するように設けられている。この第1切欠405により、
図11に示すように、側面402,402は、折畳状態において表面401から離れるに従って帯板部材3Aから離れるような傾斜面に設けられている。そして、展開状態において、
図12に示すように、一対の帯板部材3A,3Aの傾斜面310と、接続部材4Aの側面402,402と、が接触する。
【0035】
次に、帯板部材3Aのさらに詳細な構成について説明する。帯板部材3Aは、
図7及び
図8に示すように、厚みがあり柔軟性のない剛体で形成されていて、一対の第1両端部材311、一対の第1連結部材312及び第1中央部材313の5個に分割されていている。一対の第1両端部材311は、長手方向の両端となる。一対の連結部材312は、一対の第1両端部材311に連結している。 第1中央部材313は、一対の第1連結部材312間に連結されている。
【0036】
これら一対の第1両端部材311、一対の第1連結部材312及び第1中央部材313同士は、接着テープのように厚みが薄く柔軟性のある後述する第2折曲部6及び第3折曲部7により連結されている。帯板部材3Aは、第2折曲部6及び第3折曲部7に沿って折り曲げ自在となっている。なお、第2折曲部6及び第3折曲部7としては、本実施形態では接着テープを一例に挙げて説明しているが、これに限ったものではなく、折り曲げ自在な構成を有するものであればよい。例えば、接着テープに代えて蝶番のように折り曲げ自在な金具などから構成されていてもよい。
【0037】
第1両端部材311には、上述した第2切欠308、第1切欠309が設けられている。第1両端部材311と第1連結部材312とは、長手方向に45度で交差する分割線に沿って長手方向に分割して設けられ、この分割線に沿った第2折曲部6を介して連結されている。第2折曲部6は、第1両端部材311及び第1連結部材312の裏面302の分割線に沿った端部同士を接続する。なお、第2折曲部6は、側面305に近づくに従って長手方向中央に近づく傾斜に設けられている。即ち、一対の第1両端部材311と一対の第1連結部材312とを各々連結する一対の第2折曲部6は、直角を成すように設けられている。
【0038】
また、一対の第1連結部材312と第1中央部材313とは、長手方向に45度で交差する分割線に沿って長手方向に分割して設けられ、この分割線に沿った第3折曲部7を介して連結されている。第3折曲部7は、第1連結部材312及び第1中央部材313の表面301の分割線に沿った端部同士を接続する。なお、第3折曲部7は、側面305に近づくに従って長手方向中央に近づく傾斜が設けられている。即ち、一対の第1連結部材312と第1中央部材313とを各々連結する一対の第3折曲部7は、直角を成すように設けられている。本実施形態では、一対の第3折曲部7は、側面305側の端部で離間するように設けられている。
【0039】
上記第3折曲部7に沿って表面301側に向かって谷折りにすると、第1中央部材313に連結される一対の第1連結部材312の側面305が近づくように折り畳まれる。本実施形態では、一対の第1連結部材312の側面305同士が間隔を空けて対向するように折り畳まれる(
図4参照)。また、第2折曲部6に沿って表面301側に向かって山折りにすると、第1両端部材311及び第1連結部材312の長手方向が直交するように折り曲げられる。これにより、帯板部材3Aは、中央が幅方向一方側に突出しU状に折り畳まれる。なお、折畳状態において、帯板部材3Aは、
図1に示すように、中央が突出する幅方向一方側が筒内に向かうように配置されている。
【0040】
また、帯板部材3Aの裏面302には、
図7に示すように、折畳状態において第1両端部材311及び第1連結部材312の干渉を避ける第5切欠317が設けられている。この第5切欠317は、第1両端部材311及び第1連結部材312の折畳状態において互いに厚さ方向に重ねられる端部に設けられている。この第5切欠317によって、一対の第1両端部材311及び一対の第1連結部材312において互いに重なる部分の厚さが、他の部分の半分になっている。
【0041】
また、帯板部材3Aの表面301には、
図8に示すように、 折畳状態において第1連結部材312及び第1中央部材313の干渉を避ける第6切欠318が設けられている。この第6切欠318は、第1連結部材312及び第1中央部材313の折畳状態において互いに厚さ方向に重ねられる部分に設けられている。この第6切欠318によって、一対の第1連結部材312及び第1中央部材313において互いに重なる部分の厚さが、他の部分の半分になっている。
【0042】
そして、折畳状態において、
図4に示すように、第1両端部材311の表面301、第1連結部材312の裏面302が同一平面となる。また、
図5に示すように、第1両端部材311の裏面302、第1連結部材312の表面及び第1中央部材313の表面301が同一平面となる。
【0043】
また、筒状ユニット2A同士は、筒高さ方向に連結され、蛇腹状に折り畳まれる。展開状態において筒高さ方向に隣り合う一対の帯板部材3Aの側面306(
図6)同士が接触するように連結している。また、折畳状態において筒高さ方向に隣り合う一対の帯板部材3Aの表面301同士、裏面302同士が接触する。
【0044】
詳しく説明すると、筒高さ方向に並ぶ一対の帯板部材3Aは、
図6に示すように、一対の第1両端部材311の裏面302において側面306側の端部同士、一対の第1連結部材312の裏面302において側面306側の端部同士、第1中央部材313の裏面302において側面306側の端部同士が第6折曲部10を介して連結されている。
【0045】
筒状ユニット2Aを増やしたい場合は、展開状態において帯板部材3Aの側面305同士が接触するように筒高さ方向に連結させる。そして、側面305同士が接触する一対の筒状ユニット2Aの帯板部材3A~3Bは、一対の第1両端部材311の裏面302において側面305側の端部同士、一対の第1連結部材312の裏面302において側面305側の端部同士、第1中央部材313の裏面302において側面305側の端部同士が第7折曲部(図示せず)を介して連結されている。
【0046】
即ち、3個以上の筒状ユニット2Aを連結した場合、展開状態において筒高さ方向に帯板部材3Aの側面305同士、側面306同士が交互に連結され、折畳状態によって隣り合う筒状ユニット2A同士が第6折曲部12、第7折曲部(図示せず)により山折り谷折りを繰り返すように折り畳まれる。
【0047】
以上の構成により、展開構造物1Aは、
図3に示す四角筒状の展開状態から第6折曲部10に沿って折り曲げると、筒高さ方向に連なる帯板部材3Aが厚さ方向に重ねられるように折り畳まれて筒高さが小さくなる。また、第2折曲部6、第3折曲部7に沿って折り畳むと、一対の連結部材及び第1両端部材が四角筒の内側に向かって折り畳まれて筒径が小さくなる。
【0048】
上述した第1実施形態によれば、接続部材4Aが、一対の帯板部材3A,3Aの厚さ方向一方側の表面301において角部307同士が近接した状態で、一対の帯板部材3A,3Aが所定平面xyに平行な折畳状態と、一対の帯板部材3A,3Aが所定平面xyに垂直な展開状態と、の間を変形自在となるように、一対の帯板部材3A,3A同士を接続する。これにより、帯板部材3Aが、剛体の高い部材で形成されていても、折り畳むことができる。
【0049】
上述した第1実施形態の展開構造物1Aによれば、一対の帯板部材3A,3Aの端部は、長手方向に沿って表面301側に向かって山折りで折り曲げ可能な第1折曲部5を介して接続部材4Aに接続し、接続部材4Aは、一対の第1折曲部5同士の相対位置を折畳状態から展開状態に至るまで不動に維持する。これにより、接続部材4Aによって一対の帯板部材3A,3Aの展開状態への変化をガイドすることができる。
【0050】
また、上述した第1実施形態の展開構造物1Aによれば、一対の帯板部材3A,3Aと接続部材4Aとを接続する第1折曲部5同士は、90度で交差して設けられ、この90度は、展開状態における一対の帯板部材3A,3Aの交差角度と同じである。これにより、接続部材4Aによって一対の帯板部材3A,3Aの展開状態への変化をガイドすることができる。
【0051】
また、上述した第1実施形態の展開構造物1Aによれば、一対の帯板部材3A,3A及び接続部材4Aの展開状態において互いに接近する側面305、403、404には、展開状態において互いの干渉を避ける第1切欠309、405が形成されている。帯板部材3Aと接続部材4Aとが干渉することなく、帯板部材3Aを折り畳むことができる。
【0052】
また、上述した第1実施形態の展開構造物1Aによれば、一対の帯板部材3A,3Aにおいて互いに接近する側面303、304には、展開状態において一対の帯板部材3A,3A同士の干渉を避ける第2切欠308が形成されている。これにより、一対の帯板部材3A,3A同士が干渉することなく、帯板部材3Aを折り畳むことができる。
【0053】
また、上述した第1実施形態の展開構造物1Aによれば、帯板部材3Aは、長手方向の両端となる一対の第1両端部材311と、一対の第1両端部材311各々に連結する一対の第1連結部材312と、一対の連結部材312間に連結される第1中央部材313と、を備えている。また、第1両端部材311と第1連結部材312とが、長手方向に45度で交差する第2折曲部6を介して連結され、第1連結部材312と第1中央部材313とが、第2折曲部6と平行な第3折曲部7を介して連結される。これにより、帯板部材3Aの中央部分を幅方向に向けて折り曲げることができ、折畳状態における長手方向を小さくすることができる。
【0054】
また、上述した第1実施形態の展開構造物1Aによれば、第2折曲部6は、表面301に向かって山折りとなるように設けられ、第3折曲部7は、表面301に向かって谷折りとなるように設けられる。これにより、折り畳んだときの厚さ方向も薄くすることができる。
【0055】
また、上述した第1実施形態の展開構造物1Aによれば、一対の帯板部材3Aを有する筒状ユニット2Aを複数備え、筒状ユニット2A同士は、帯幅方向側の端部が折り曲げ自在に接続されている。これにより、折畳状態において筒高さ方向に連なる帯板部材3Aが厚さ方向に重なるように折り畳むことができ、筒高さを小さくすることができる。
【0056】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について
図14~
図18に基づいて説明する。同図において、
図1~
図17について既に説明した上述した第1実施形態と同等の部分は同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0057】
同図に示すように、第2実施形態における展開構造物1Bは、六角筒状の展開状態(
図16)と、展開状態よりも筒径及び筒高さが小さくなるように折り畳まれる折畳状態(
図14)と、の間で変形自在となる構造物である。展開構造物1Bは、筒高さ方向に接続される複数の筒状ユニット2Bを備えている。本実施形態では、展開構造物1Bは、12個の筒状ユニット2Bを備えている。
【0058】
筒状ユニット2Bは、六角筒の一面を各々構成する6個の帯板部材3Aと、これら6個の帯板部材3A同士を接続する6個の接続部材4Bと、を備えている。6個の帯板部材3Aは、第1実施形態で説明した帯板部材3Aと同等であるためその詳細な説明を省略する。
【0059】
次に、この6個の帯板部材3Aの折畳状態及び展開状態における配置について説明する。第1実施形態と第2実施形態とで異なる点は、角部307から長手方向に沿って延在する表面301の端部同士がなす角度である。第1実施形態では、上記角度が90度であったが、第2実施形態では正六角形の内角である120度になっている。また、
図16に示すように展開状態において隣り合う一対の帯板部材3A,3A同士がなす角度も120度になっている。
【0060】
これに合わせて接続部材4Bの形状も第1実施形態と異なる。第2実施形態において、接続部材4Bは、筒高さ方向に直交する表面401と、表面401の端部に連結される一対の側面402,402、403,403、404,404(
図14~
図18においては図示せず)と、を有している。
【0061】
第1実施形態では、接続部材4Aの表面401は略正方形状に設けられ、正方形の一辺をそれぞれ構成する端部T1,T1が正方形の内角である90度で交差している。これに対して、第2実施形態では、接続部材4Bの表面は略四角形状に設けられ、四角形の一辺をそれぞれ構成する端部T1,T1が正六角形の内角である120度で交差して設けられている。
【0062】
このように構成することにより、六角筒であっても第1実施形態と同様に折り畳むことができる。
【0063】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について
図19~
図23に基づいて説明する。第1及び第2実施形態では、帯板部材3Aは、
図7及び
図8に示すように5つに分割されて、折り畳み自在に設けられていたが、これに限ったものではない。
図7及び
図8に示す帯板部材3Aに代えて、
図19~
図23に示すような10個に分割された帯板部材3Bを用いてもよい。
【0064】
なお、
図19~
図23において、上述した第1及び第2実施形態で既に説明した帯板部材3Aと同等の部分には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。同図に示すように、帯板部材3Bは、第1実施形態と同様に一対の第1両端部材311、一対の第1連結部材312及び第1中央部材313に分割されている。第3実施形態では、第1中央部材313が、さらに第1中央部材313の長手方向両端となる一対の第2両端部材314と、第2両端部材314に連結される一対の第2連結部材315と、一対の第2連結部材315間に連結される第2中央部材316と、に分割されている。即ち、第3実施形態において帯板部材3Bは、9個に分割されている。
【0065】
これら一対の第1両端部材311、一対の第1連結部材312、第1中央部材313を構成する一対の第2両端部材314、一対の第2連結部材315及び第2中央部材316同士は、接着テープのように厚みが薄く柔軟性がある第2折曲部5、第3折曲部6、第4折曲部7及び第5折曲部8に沿って折り曲げ自在となっている。
【0066】
第1両端部材311と第1連結部材312とは、第1実施形態と同様に、長手方向に45度で交差する分割線に沿って長手方向に分割して設けられ、この分割線に沿った第2折曲部6を介して連結されている。第2折曲部6は、第1両端部材311及び第1連結部材312の裏面302の分割線に沿った端部同士を接続する。なお、第2折曲部6は、側面305に近づくに従って長手方向中央に近づく傾斜に設けられている。即ち、一対の第1両端部材311と一対の第1連結部材312とを各々連結する一対の第2折曲部6は、直角を成すように設けられている。
【0067】
また、一対の第1連結部材312と一対の第2両端部材314とは、長手方向に45度で交差する分割線に沿って長手方向に分割して設けられ、この分割線に沿った第3折曲部7を介して連結されている。第3折曲部7は、第1連結部材312及び第2両端部材314の表面301の分割線に沿った端部同士を接続する。なお、第3折曲部7は、側面305に近づくに従って長手方向中央に近づく傾斜が設けられている。即ち、一対の第1連結部材311と第2両端部材314とを各々連結する一対の第3折曲部7は、直角を成すように設けられている。
【0068】
また、一対の第2両端部材314と一対の第2連結部材315とは、長手方向に45度で交差する分割線に沿って長手方向に分割して設けられ、この分割線に沿った第4折曲部8を介して連結されている。第4折曲部8は、第2両端部材314及び第2連結部材315の表面301の分割線に沿った端部同士を接続する。なお、第4折曲部8は、側面305に近づくに従って長手方向両端部に近づく傾斜に設けられている。即ち、一対の第2両端部材314と一対の第2連結部材315とを各々連結する一対の第4折曲部8は、直角を成すように設けられている。
【0069】
また、一対の第2連結部材315と第2中央部材316とは、長手方向に45度で交差する分割線に沿って長手方向に分割して設けられ、この分割線に沿った第5折曲部9を介して連結されている。第5折曲部9は、第2連結部材315及び第2中央部材316の裏面302の分割線に沿った端部同士を接続する。なお、第5折曲部9は、側面305に近づくに従って長手方向中央に近づく傾斜が設けられている。即ち、一対の第2連結部材315と第2中央部材316とを各々連結する一対の第3折曲部9は、直角を成すように設けられている。本実施形態では、一対の第3折曲部9は、側面305側の端部で互いに交わるように設けられている。
【0070】
上記第5折曲部9に沿って表面301を山折りにすると、第2中央部材316に連結される一対の第2連結部材315の側面306同士が近づくように折り畳まれる。本実施形態では、一対の第2連結部材315の側面306同士が接触するように折り畳まれる。また、第3折曲部7及び第4折曲部8に沿って表面301を谷折りにすると、第2両端部材314に連結される第1連結部材312及び第2連結部材315の側面305同士が近づくように折り畳まれる。本実施形態では、第1連結部材312及び第2連結部材315の側面305同士が接触するように折り畳まれる。また、第2折曲部6に沿って表面301を山折りにすると、第1両端部材311及び第1連結部材312の長手方向が直交するように折り曲げられる。これにより、帯板部材3Bは、中央が幅方向一方側に突出しW状に折り畳まれる。なお、折畳状態において、帯板部材3Bは、中央が突出する幅方向一方側が筒内に向かうように配置される。
【0071】
また、帯板部材3Bの裏面302には、
図22に示すように、折畳状態において第1両端部材311及び第1連結部材312の干渉を避ける第5切欠317が設けられている。この第5切欠317は、第1両端部材311及び第1連結部材312の折畳状態において互いに重ねられる端部に設けられている。この第5切欠317によって、一対の第1両端部材311及び一対の第1連結部材312において互いに重なる部分の厚さが、他の部分の半分になっている。
【0072】
また、帯板部材3Bの表面301には、
図22に示すように、折畳状態において第1連結部材312及び第2両端部材314、第2両端部材314及び第2連結部材315の干渉を避ける第6切欠318が設けられている。この第6切欠318は、第1連結部材312及び第2両端部材314、第2両端部材314及び第2連結部材315の折畳状態において互いに重ねられる部分に設けられている。この第6切欠318によって、一対の第1連結部材312、第2両端部材314及び第2連結部材315において互いに重なる部分の厚さが、他の部分の半分になっている。
【0073】
また、帯板部材3Bの裏面302には、
図22に示すように、折畳状態において第2連結部材315及び第2中央部材316の干渉を避ける第7切欠319が設けられている。この第7切欠319は、第2連結部材315及び第2中央部材316の折畳状態において互いに重ねられる部分に設けられている。この第7切欠319によって、一対の第2連結部材315及び第2中央部材316において互いに重なる部分の厚さが、他の部分の半分になっている。
【0074】
上述した第3実施形態によれば、第1中央部材313は、長手方向の両端となる一対の第2両端部材314と、一対の第2両端部材314各々に連結する一対の第2連結部材315と、一対の第2連結部材315間に連結される第2中央部材316と、を備え、第2両端部材314と第2連結部材315とが、長手方向に45度で交差する第4折曲部8を介して連結され、第2連結部材315と第2中央部材316とが、第4折曲部8と平行な第5折曲部9を介して連結される。これにより、より一層、長手方向を短くするように帯板部材3Bを折り畳むことができる。
【0075】
(第1~第3実施形態の変形例)
次に、第1~第3実施形態の変形例について
図24を参照して説明する。
図24は、本発明の展開構造物のバリエーションを示す上面図である。
図24(A)は、第2実施形態と同様に展開状態が正六角筒状に形成された展開構造物1Bである。
図24(C)は、第3実施形態の帯状部材3Bで構成された展開状態が正六角筒状の展開構造物である。上述した第1~第3実施形態によれば、帯状部材3A、3Bは、筒の内側に向かってU字状に折り畳まれていたがこれに限ったものではない。
図24(B)に示すように、帯状部材3A、3Bが、筒の外側に向かってU字状に折り畳まれるようにしてもよい。
【0076】
また、第1~第3実施形態によれば、帯状部材3A、3Bは折畳状態においても鏡面対称に設けられていていたが、これに限ったものではない。
図24(D)、(E)に示すように、帯状部材としては鏡面対称でなくてもよく、展開構造物として、折畳状態において回転対称に設けてもよい。
【0077】
また、第1~第3実施形態によれば、展開構造物は、1軸回転対称の筒状に設けられていたが、これに限ったものではない。展開構造物としては、
図24(F)に示すように、非対称の筒状に設けられていてもよいし、
図24(G)に示すように、筒状でなくてもよい。
【0078】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について
図25~
図27を参照して説明する。同図に示すように、第4実施形態における展開構造物1Cは、四角筒状の展開状態(
図27)と、展開状態よりも筒高さが小さくなるように折り畳まれる折畳状態(
図25)と、の間で変形自在となる構造物である。展開構造物1Cは、筒高さ方向に接続された複数の筒状ユニット2Cを備えている。本実施形態では、展開構造物1Cは、2個の筒状ユニット2Cを備えている。
【0079】
筒状ユニット2Cは、四角筒の一面を各々構成する4個の帯板部材3Cと、これら4個の帯板部材3C同士を接続する4個の接続部材4Cと、を備えている。第1~第3実施形態と第4実施形態とで大きく異なる点は、帯板部材3Cの構成である。第1~第3実施形態では、帯板部材3A、3Bは、長手方向が短くなるように折り畳むことができた。これに対して、帯板部材3Cは、長手方向に短くなるように折り畳むことのできない一枚の表面長方形状の板状に形成されている。
【0080】
また、第4実施形態においては、接続部材4Cの構成も第1実施形態とは異なっている。第1実施形態では、接続部材4Aに第4切欠406が設けられていたが、第4実施形態では、第4切欠406が形成されていない。このように第4切欠406は必須ではなく、なくてもよい。
【0081】
なお、上述した第1~第4実施形態によれば、接続部材4A~4Cには、側面402に第1切欠405を設けていたが、これに限ったものではない。接続部材としては、薄板状に設けられていれば、第1切欠405を設ける必要はない。
【0082】
また、上述した第1~第4実施形態によれば、展開構造物1A~1Cは、筒状に形成されていたが、これに限ったものではない。展開構造物としては、筒状に形成されていなくてもよい。
【0083】
また、上述した第1~第4実施形態によれば、展開構造物1A~1Cは、一対の帯板部材3A~3Cの角部307が接触した状態で折畳状態から展開状態に変形自在に設けられていたが、これに限ったものではない。角部307同士は、接近した状態であればよく、接触していなくてもよい。
【0084】
また、上述した第1~第4実施形態によれば、一対の帯板部材3A~3Cは、長手方向に沿って表面301側に向かって山折りで折り曲げ可能な第1折曲部5を介して接続部材4A~4Cに接続し、接続部材4A~4Cは、一対の帯板部材3A~3Cと接続部材4A~4Cとを接続する一対の第1折曲部5同士の相対位置を折畳状態から展開状態に至るまで不動に維持していたが、これに限ったものではない。接続部材4A~4Cとしては、一対の帯板部材3A~3Cの厚さ方向一方側の表面301において角部307同士が近接した状態で、一対の帯板部材3A~3Cが所定平面xyに平行な折畳状態と、一対の帯板部材3A~3Cが所定平面xyに垂直な展開状態と、の間を変形自在となるように、一対の帯板部材3A~3C同士を接続するものであればよい。従って、接続部材としては、例えば、一対の帯状部材3A~3Cの角部307同士を接続する自在継手から構成されていてもよい。
【0085】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0086】
1A~1C 展開構造物
2A~2C 筒状ユニット(ユニット)
3A、3B 帯板部材
4A~4C 接続部材
5 第1折曲部
6 第2折曲部
7 第3折曲部
8 第4折曲部
9 第5折曲部
301表面
307 角部
308 第2切欠
309 第1切欠
311 第1両端部材
312 第1連結部材
313 第1中央部材
314 第2両端部材
315 第2連結部材
316 第2中央部材
405 第1切欠
xy 所定平面