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特許7164197ドーム型テントの利用方法および2ウエイ式のドーム型テント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】ドーム型テントの利用方法および2ウエイ式のドーム型テント
(51)【国際特許分類】
   E04H 15/18 20060101AFI20221025BHJP
   E04H 15/32 20060101ALI20221025BHJP
   E04H 15/42 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
E04H15/18
E04H15/32 A
E04H15/42
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019235167
(22)【出願日】2019-12-25
(65)【公開番号】P2021102895
(43)【公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-08-18
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 掲載年月日:令和 1年12月 1日 https://sabbatical.jp/ https://sabbatical.jp/product/category/tent/89200005
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518454092
【氏名又は名称】株式会社ゼインアーツ
(74)【代理人】
【識別番号】100090170
【弁理士】
【氏名又は名称】横沢 志郎
(72)【発明者】
【氏名】小杉 敬
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特許第6566777(JP,B2)
【文献】実開平05-078840(JP,U)
【文献】実公昭58-051783(JP,Y2)
【文献】実公昭50-025527(JP,Y2)
【文献】欧州特許出願公開第0683292(EP,A1)
【文献】韓国公開実用新案第20-2009-0003145(KR,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 15/00 - 15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アーチ状に組み立てられるテントフレーム、前記テントフレームに架け渡してドーム状のテント内部空間を形成するフライシート、および、前記テント内部空間に寝室を設けるために前記フライシートに取り付けて用いるインナーテントから、ドーム型テントを構成し、
インナーテントとして、前記テント内部空間に、収容人数が3人以上の数人用寝室を形成するための数人用インナーテントと、前記数人用寝室よりも床面積が狭い1~2人用寝室を形成するための1~2人用インナーテントの2種類のインナーテントを用意し、
前記フライシートには、前記数人用インナーテントおよび前記1~2人用インナーテントを、選択的かつ取り外し可能な形態で取り付けるためのインナーテント吊下げ部を設けておき、
前記フライシートに設ける前記インナーテント吊下げ部の位置、および、前記テント内部空間の広さを、それぞれ、
前記数人用インナーテントを取り付けた場合には、前記数人用寝室に隣接した位置に、前記数人用寝室よりも狭い床面積の前室が残る数人用テント構造となり、かつ、
前記1~2人用インナーテントを取り付けた場合には、前記1~2人用寝室に隣接した位置に、前記数人用寝室よりも広い床面積の居室が形成された1~2人用2ルームテント構造となるように、設定しておき、
前記フライシートに取り付ける前記数人用インナーテントおよび前記1~2人用インナーテントを選択することにより、同一の前記ドーム型テントを、数人用テントおよび1~2人用2ルームテントの2ウエイで使用することを特徴とするドーム型テントの利用方法。
【請求項2】
アーチ状に組み立てられるテントフレーム、前記テントフレームに架け渡してドーム状のテント内部空間を形成するフライシート、および、前記テント内部空間に寝室を設けるために前記フライシートに取り付けて用いるインナーテントを備えており、
前記インナーテントとして、前記テント内部空間に、3人以上の数人用寝室を形成するための数人用インナーテントと、前記数人用寝室よりも床面積が狭い1~2人用寝室を形成するための1~2人用インナーテントの2種類のインナーテントを備えており、
前記フライシートには、前記数人用インナーテントを取り外し可能な形態で取り付けるための第1インナーテント吊下げ部、および、前記1~2人用インナーテントを取り外し可能な形態で取り付けるための第2インナーテント吊下げ部が設けられており、
前記フライシートに設ける前記第1、第2インナーテント吊下げ部の位置、および、前記テント内部空間の広さは、それぞれ、
前記数人用インナーテントを取り付けた場合には、前記数人用寝室に隣接した位置に、前記数人用寝室よりも狭い床面積の前室が残る数人用テント構造となり、かつ、
前記1~2人用インナーテントを取り付けた場合には、前記1~2人用寝室に隣接した位置に、前記数人用寝室よりも広い床面積の居室が形成された1~2人用2ルームテント構造となるように、設定されていることを特徴とする2ウエイ式のドーム型テント。
【請求項3】
請求項2に記載の2ウエイ式のドーム型テントにおいて、
前記フライシートには、前記テント内部空間の長辺方向の一方の第1の端面部分に、開閉可能な第1の出入り口が設けられ、前記長辺方向の他方の第2の端面部分に、開閉可能な第2の出入り口が設けられており、
前記第1インナーテント吊下げ部は、前記テント内部空間における前記長辺方向の前記第1の端面部分の側に位置するように前記数人用インナーテントを吊り下げ可能であり、
前記第2インナーテント吊下げ部は、前記テント内部空間における前記長辺方向の前記第2の端面部分の側に位置するように、前記1~2人用インナーテントを吊り下げ可能である2ウエイ式のドーム型テント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインナーテントを備えたドーム型テントに関する。
【背景技術】
【0002】
野外キャンプ等での寝泊まりに用いられるテントとして、ロッジ型テント、ドーム型テント等のテントが知られている。例えば、ロッジ型テントは広い居住空間を確保できるので多人数が寝泊まりする場合や常設テント等として用いられる。ロッジ型テントとしては、特許文献1において2寝室タイプのものが提案されている。ここに記載のロッジ型テントでは、支持フレームに架け渡した幕体内部において、左右の隅の三角形断面の空間を利用して、左右対称の状態でインナーテントを配置している。
【0003】
一方、本発明の対象であるドーム型テントは、持ち運び等に便利なサイズ、重量のテントであり、少人数あるいは家族向けのテントとして広く利用されている。ドーム型テントにおいても、フライシートによって形成されるテント内部にインナーテントを配置する構成のものが知られている。インナーテントをフライシートの内部に配置することで、テント内部に寝室が区画形成される。
【0004】
インナーテント付きのドーム型テントには、収容人数に基づき、1~2人の少人数が利用する1~2人用テント、ファミリー等が利用する4~5人用テントなどがある。これらのテントは、特に、可搬性、取扱い容易性等の観点からコンパクトなサイズに設計されている。
【0005】
例えば、図6(a1)、(a2)に示すように、1~2人用テント100の場合、そのテント内部に収容人数に対応する大きさのインナーテント110を設置すると、出入り口用の前室として利用可能な狭い空間120しか残らない。ファミリー向け等の4~5人用テントの場合も同様であり、図6(c1)、(c2)に示すように、テント300の内部に収容人数4~5人に対応する大きさのインナーテント310を設置すると、出入り口用の前室として利用可能な狭い空間320しか残らない。
【0006】
日中等におけるキャンピングライフを楽しむために、テーブル、イス等を設置可能な居住空間を確保したい場合がある。このような場合、テント利用者は、図6(a1)、(a2)あるいは、図6(c1)、(c2)に示すように、テント100、300にタープ130、330を組み合わせたセットを利用して、テントに外付けの居住空間140、340を確保している。
【0007】
一方、テント内部に、インナーテントによる寝室空間に加え、テーブル、イス等を設置できる十分な広さの居住空間を確保したい場合がある。この場合には、図6(b1)、(b2)あるいは、図6(d1)、(d2)に示すように、テント利用者は、大きなサイズの「2ルームテント」と呼ばれるタイプのものを購入して使用している。1~2人用の2ルームテント200の内部に、インナーテント210によって形成される1~2人用寝室空間に加え、1~2人用の居住空間220が形成されるように、テントサイズが設定される。一般に、テントの天井高さは、140cm~170cm程度の低い高さであり、利用者は、前屈の姿勢でテントに出入りする。同様に、ファミリー向け等の4~5人用テントの場合には、図6(b1)、(b2)に示すように、テント内部に、寝室空間410に加え4~5人用の居住空間420が形成されるように、テントサイズを大きくした2ルームテント400が利用される。このようなファミリー向けの4~5人用の2ルームテント400の場合には、一般に、テント天井高さが、180cm~200cmと高く、人が屈むことなく出入り可能な高さに設定されている。
【0008】
一般的に、テント利用者は、1人あるいは夫婦2人などの少人数での利用が主流の場合には、タープとセットで1~2人用テントを購入して使用するか(図6(a1)、(a2))、あるいは、1~2人用の2ルームテントを購入して使用している(図6(b1)、(b2))。これに対して、家族等で野外キャンプを楽しむことが主流の場合には、タープとセットで4~5人用テントを購入して使用するか(図6(c1)、(c2))、あるいは、4~5人用の2ルームテントを購入して使用している(図6(d1)、(d2))。
【0009】
ここで、例えば、家族全員で利用していたテント利用者の家族構成が変化して、1人あるいは2人での少人数の利用形態に変化した場合には、1~2人用テントを別途、購入することが一般的に行われている。この場合、4~5人用テントを、そのまま、1人あるいは2人で使用することも可能ではあるが、持ち運び等を考慮すると、可能な限り、使用するテントはコンパクトで軽量であることが便利だからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特許第6566777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来におけるインナーテント付きのドーム型テントにおいては、同一サイズのテントに、利用者の増減に対応できるような汎用性を持たせることについては何ら着目されていない。このため、テント利用者は、利用人数が変化すると、それに応じた収容人数のテントを別に購入することが一般的であり、今まで使用していたテントが無駄になっている。
【0012】
本発明の目的は、この点に鑑みて、利用人数が1~2人から4~5人、あるいは、その逆に変化しても対応可能な汎用性をドーム型テントに付与する方法、および、この方法を用いた2ウエイ式のドーム型テントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、本発明では、アーチ状に組み立てられるテントフレーム、テントフレームに架け渡してドーム状のテント内部空間を形成するフライシート、および、テント内部空間に設置されるインナーテントを備えたドーム型テントにおいて、同一サイズのテントを、3人以上を収容可能なテント、例えば4~5人用テントとして使用できると共に、1~2人用の2ルームテントとしても用いることのできるように、テントに汎用性を付与している。
【0014】
このような2ウエイ式のドーム型テントを実現するために、本発明では、インナーテントとして、テント内部に収容人数が3人以上の数人用寝室を形成するための数人用インナーテントと、テント内部に、数人用寝室よりも床面積が狭い1~2人用寝室をテント内部に形成するための1~2人用インナーテントの2種類のインナーテントを取り付け可能としてある。数人用インナーテントは、例えば、3~4人用インナーテント、4~5人用インナーテント、5~7人用インナーテントである。
【0015】
また、フライシートによって形成されるテント内部空間の広さを次のように設定してある。まず、数人用インナーテントを取り付けた場合には、数人用寝室に隣接した位置に、数人用寝室と同一あるいはそれよりも床面積が狭い前室が残る数人用テント構造となり、かつ、1~2人用インナーテントを取り付けた場合には、テント内部において1~2人用寝室に隣接した位置に、数人用寝室よりも床面積が広い居室が形成された1~2人用2ルームテント構造となるように設定されている。
【0016】
本発明のドーム型テントは、数人用インナーテントを取り付けて、前室を備えた数人用テントとして利用でき、また、1~2人用インナーテントを取り付けて、広い居室を備えた1~2人用の2ルームテントとしても利用できる。したがって、例えば、家族全員で利用していたテント利用者の家族構成が変化して、1人あるいは2人での少人数の利用形態に変化した場合に、1~2人用テントを別途、購入する必要がなく、取り付けるインナーテントを1~2人用インナーテントに変更するだけでよい。
【0017】
また、数人用テントとして用いる場合において、テーブル、複数のイスなどを設置可能な広い居室を設けたいときには、従来のテントの場合と同様に、居室空間を外部に隣接して設置するためのタープおよびこれを張るためのホール等の部品一式を携帯すればよい。人数が多いので、持ち運びに不便を来すこともない。
【0018】
これに対して、1~2人用テントとして利用する場合には、テーブル、イスなどを配置可能な床面積が十分に広い居室を備えた2ルームテント構造になる。居室空間を外部に隣接して設置するためのタープおよびこれを張るためのホール等の部品一式を携帯する必要がない。よって、従来の少人数用の2ルームテントの場合と同様な可搬性を維持できる。
【0019】
なお、ドーム型テントは、持ち運び等を考慮すると、可能な限り、コンパクトで軽量であることが便利である。したがって、本発明のドーム型テントは、既存の1~2人用の2ルームテントの場合と同様に、天井高さを140cm~170cm程度の高さの大きさとしておくことが望ましい。
【0020】
以上説明したように、本発明によれば、利用人数が1~2人から4~5人、あるいは、その逆に変化しても、その変化に対応可能な汎用性を備えた、インナーテント付きのドーム型テントを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明を適用したドーム型テントの実施の形態を示す外観斜視図、正面図および平面図である。
図2】ドーム型テントの各部の構造を示す説明図である。
図3】ドーム型テントにおけるインナーテントの配置位置を示す説明図、第1インナーテントを示す外観斜視図、第2インナーテントを示す外観斜視図である。
図4】ドーム型テントの利用形態(間取り)を示す説明図である。
図5】ドーム型テントの製品例を示す画像である。
図6】既存のドーム型テントの利用形態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した2ウエイ式のドーム型テントの実施の形態を説明する。なお、実施の形態は本発明の一例を示すものであり、本発明を実施の形態に限定することを意図したものではない。
【0023】
図1(a)は本実施の形態に係る2ウエイ式のドーム型テントを示す外観斜視図であり、図1(b)はその正面図であり、図1(c)はその平面図である。図2はドーム型テントの各部の構造を示す説明図である。ドーム型テント1の基本構造、素材は一般的なものであるので、構造の概要を説明し、詳細については説明を省略する。
【0024】
ドーム型テント1は、アーチ状に組まれたテントフレーム2と、テントフレーム2に架け渡してドーム状のテント内部空間3を形成するフライシート4とを備えている。フライシート4で覆われるテント内部空間3には、後述のように、1~2人用インナーテントとして2人用インナーテント5を配置可能であり、3人以上の数人用インナーテントとして5人用インナーテント7を配置可能となっている(図3、4参照)。
【0025】
テントフレーム2は、3組のアーチ状に連結した支持フレーム21、22、23と、これらの支持フレーム21~23の間に架け渡した2本の連結フレーム24、25とを備えている。支持フレーム21~23は、ドーム型テント1の設置場所において、その長辺方向Lに所定の間隔で設置される。各支持フレーム21~23の両側の下端部は、テント設置面上において長辺方向に配置した固定式ビルディングテープ26に連結されている。また、各支持フレーム21~23の両側の下端部には、テント設置面上において短辺方向Wに延びる着脱式ビルディングテープ27が、クリップ式の連結具28を介して、取り付けられている。
【0026】
テントフレーム2に架け渡されているフライシート4は、ドームの頂部となる部位に、各支持フレーム21~23が通されるスリーブ41、42、43が形成されている。また、フライシート4におけるドームの左右の側面には、各支持フレーム21~23に沿った複数の位置に、フック付きのシート吊掛け用バンド44が縫合されている。同様に、フライシート4におけるドームの頂部の両側の部位には各連結フレーム24、25に沿った複数の位置に、フック付きのシート吊掛け用バンド45が縫合されている。連結フレーム24、25の両端部は、スリーブ41、43に取付けたグロメット付きの補強部41a、43aの部位に差し込まれて固定されている。フライシート4は、テント設置面上に位置するシート裾部分が図1(c)に示すように、扁平な八角形を描くように、テントフレーム2に架け渡される。シート裾部分には、その8か所の角部分を含む複数の部位に、アンカー用の二重ゴムリング46が取り付けられており、テント設置面に打ち込まれるペグ(図示せず)に取付けられる。また、テントフレーム2、フライシート4は、これらとテント設置面との間に張設した複数本のアンカー用のロープ49によって保持される。
【0027】
本例のフライシート4は、その長辺方向の両端面の部分が、例えば、線ファスナーによって開閉可能な扉部分40a、40b(第1、第2の出入り口)となっている。同様に、フライシート4における短辺方向の両側において、支持フレーム21と22の間の部分、および、支持フレーム22と23の間の部分が、線ファスナーによって開閉可能な扉部分40c、40dとなっている。これらの扉部分40a~40dを巻き上げると、テント内部空間3への出入り口が開口する。なお、フライシート4の長辺方向の両端には、その頂部分の両側に、通気口47がそれぞれ配置されている。
【0028】
図3(a)はドーム型テント1における2人用インナーテント5、5人用インナーテント7の配置位置を示す説明図であり、図3(b1)、(b2)は2人用インナーテント5を示す外観斜視図であり、図3(c1)、(c2)は5人用インナーテント7を示す外観斜視図である。
【0029】
2人用インナーテント5は、1~2人が横になれる広さのテントであり、テント内部空間3における長辺方向Lの一方の端(第1の端)の側の内部空間部分と相補的な形状をしたテントである。具体的には、2人用インナーテント5は、六角形の底面部分50と、底面部分50の6つの辺からそれぞれ上方に延びている6つの側面部分51~56と、これらの側面51~56の上辺に連続した2つの天面部分57、58とを備えた左右対称な立体形状をしている。4つの側面部分51、52、54、56には、線ファスナーによって開閉可能な扉部分が形成されている。
【0030】
2人用インナーテント5の長辺方向に延びる天面部分57、58の各辺には、それらの両端に、フック付きの吊掛け具61が取り付けられている。これらの吊掛け具61のフックを着脱可能な状態で吊掛け可能なフック取付け部91(第1インナーテント吊下げ部)がフライシート4の内側表面における対応する部位に取付けられている。また、底面部分50の各角部には、アンカー用の連結具62が取り付けられている。
【0031】
5人用インナーテント7は、4~5人が横になれる広さのテントであり、テント内部空間3における長辺方向Lの他方の端(第2の端)の側の内部空間部分と相補的な形状をしたテントである。5人用インナーテント7は、六角形の底面部分70と、底面部分70の6つの辺からそれぞれ上方に延びている6つの側面部分71~76と、これらの側面71~76の上辺に連続した2つの天面部分77、78とを備えた左右対称な立体形状をしている。4つの側面部分71、72、74、76には、線ファスナーによって開閉可能な扉部分が形成されている。
【0032】
5人用インナーテント7の長辺方向に延びる天面部分77、78の各辺には、それらの両端および中央の3か所に、それぞれ、フック付きの吊掛け具81が取り付けられている。これらの吊掛け具81のフックを着脱可能な状態で吊掛け可能なフック取付け部92(第2インナーテント吊下げ部)がフライシート4の内側表面における対応する部位に取付けられている。また、底面部分70の各角部には、アンカー用の連結具82が取り付けられている。
【0033】
このように、本例では、ドーム型テント1において、フック取付け部91に取り付けた2人用インナーテント5は、テント内部空間3における長辺方向Lの一方の端の側に配置される。これに対して、フック取付け部92に取り付けた5人用インナーテント7は、テント内部空間3における長辺方向Lの反対側に配置される。
【0034】
図4および図5を参照して、ドーム型テント1の利用形態(間取りの変化)を説明する。図4(a1)、(a2)はドーム型テント1の寸法例を示す正面図および端面図である。図4(b)は5人用テントとしての利用形態を示す平面図であり、図4(c)は2人用の2ルームテントとしての利用形態を示す平面図である。図5(a1)、(a2)は実際の製品例の外観画像および正面画像であり、図5(b1)、(b2)は5人用テントとして利用する場合の外観画像および正面画像であり、図5(c1)、(c2)は2人用の2ルームテントとして利用する場合の外観画像および正面画像である。なお、図4に示す各部の寸法の単位は「cm」である。また、各部の寸法は一例であり、図示の寸法に限定されるものではない。
【0035】
図4(b)、図5(b1)、(b2)を参照して、大きなサイズの5人用インナーテント7のみを配置した場合を説明する。この場合には、テント内部空間3において、その長辺方向Lの一方の端に設置された5人用インナーテント7の内部に5人用寝室32が形成され、5人用寝室32に隣接して、ほぼ同一広さの床面積の前室30aが残る。これにより、5人用テントとして利用できる。5人用寝室32は、長辺方向Lにおける扉部分40bの側に配置される。長辺方向Lの両端部分、短辺方向の両側部分に出入り口用の扉が付いているので、出入りが容易である。
【0036】
図4(c)、図5(c1)、(c2)を参照して、小さなサイズの2人用インナーテント5のみを配置した場合を説明する。この場合には、テント内部空間3において、その長辺方向Lの他方の端の側に設置された2人用インナーテント5の内部に2人用寝室31が形成され、2人用寝室31に隣接して、広い床面積の居室30bが形成される。2人用寝室31は、長辺方向Lにおける扉部分40aの側に配置される。居室30bは、5人用インナーテント7の5人用寝室32よりも広い床面積の空間である。したがって、居室30bには、テーブルおよび複数台のイスを設置可能である。このように、2人用インナーテント5を取り付けた場合には、ドーム型テント1を、2人用の2ルームテントとして利用できる。
【0037】
なお、日中等においては、2人用インナーテント5、5人用インナーテント7の双方を取り外し、テント内部空間3を広い居住空間として利用することができる。本例では、双方のインナーテント5、7を取り付けることも可能である。
【0038】
このように、本例のドーム型テント1においては、そのテント内部空間3を、利用人数、利用形態に応じて間取りに変更して、5人用テントおよび2人用の2ルームテントとして使用することができる。従来のような固定した間取りのテント内部空間に比べて、使い勝手のよいテントを提供できる。
【0039】
なお、フライシート4において、5人用インナーテント7の取付け側に、2人用インナーテント5も取り付け可能にすることもできる。この場合には、テント内部空間3において、その長辺方向のいずれの側にも選択的に2人用インナーテント5を設置することがでる。同様に、フライシート4において、2人用インナーテント5の取付け側に、5人用インナーテント7も取付け可能にすることできる。場合によっては、インナーテント5、7とは異なるサイズ、種類のインナーテントを取り付け可能にすることもできる。このような場合には、例えば、各インナーテントの取付け構造を共通の構造にしてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 ドーム型テント
2 テントフレーム
3 テント内部空間
4 フライシート
5 2人用インナーテント
7 5人用インナーテント
21、22、23 支持フレーム
24、25 連結フレーム
26 固定式ビルディングテープ
27 着脱式ビルディングテープ
28 連結具
30a 前室
30b 居室
31 2人用寝室
32 5人用寝室
40a~40d 扉部分
41、42、43 スリーブ
41a、43a 補強部
44、45 シート吊掛け用バンド
46 二重ゴムリング
47 通気口
49 ロープ
50 底面部分
51~56 側面部分
57、58 天面部分
61 吊掛け具
62 連結具
70 底面部分
71~76 側面部分
77、78 天面部分
81 吊掛け具
82 連結具
91、92 フック取付け部
図1
図2
図3
図4
図5
図6