IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 中国医▲薬▼研究▲開▼▲発▼中心有限公司の特許一覧

特許7164203ピロロ芳香族複素環化合物及びその製造方法並びに医薬用途
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】ピロロ芳香族複素環化合物及びその製造方法並びに医薬用途
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20221025BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20221025BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20221025BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20221025BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20221025BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20221025BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20221025BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20221025BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20221025BHJP
   C07D 487/04 20060101ALI20221025BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20221025BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20221025BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20221025BHJP
   A61K 31/541 20060101ALI20221025BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
C07D471/04 104Z
C07D471/04 CSP
A61P29/00
A61P37/02
A61P35/00
A61P29/00 101
A61P1/04
A61P19/02
A61P25/00
A61P17/06
A61P35/02
C07D487/04 140
C07D519/00 311
C07D519/00 301
A61K31/496
A61K31/519
A61K31/541
A61K31/5377
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2019542511
(86)(22)【出願日】2017-12-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-02
(86)【国際出願番号】 CN2017118424
(87)【国際公開番号】W WO2018145525
(87)【国際公開日】2018-08-16
【審査請求日】2020-10-14
(31)【優先権主張番号】201710068798.7
(32)【優先日】2017-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】508010385
【氏名又は名称】中国医▲薬▼研究▲開▼▲発▼中心有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】殷 惠▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲ヤン▼ 旭
(72)【発明者】
【氏名】宗 利斌
(72)【発明者】
【氏名】田 ▲衛▼学
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼ 礼
(72)【発明者】
【氏名】▲竇▼ 浩▲師▼
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ ▲ヤン▼
【審査官】伊佐地 公美
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/157021(WO,A1)
【文献】特表2015-514749(JP,A)
【文献】国際公開第2015/089327(WO,A1)
【文献】特表2016-528209(JP,A)
【文献】国際公開第2016/004272(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/102059(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61P
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式Iで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物又はその薬学的に許容される塩。
【化1】
(式中、Wは、N又はCRから選択され、
は、水素、ハロゲン、シアノ基、アルキル基から選択され、
Xは、-O-、-NR-、-CH-、-S-、-SO-、-SO-、-CO-から選択され、
は、水素、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基は、さらに、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシル基、エステル基、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基で置換されてもよく、
Yは、アリール基、ヘテロアリール基から選択され、前記アリール基、ヘテロアリール基は、さらに、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシ基、エステル基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基で置換されてもよく、
Zは、
【化2】
であり、
nは、0~4の整数であり、
は、水素、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基は、さらに、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシル基、エステル基、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基で置換されてもよく、
及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル基から選択され、前記アルキル基は、さらに複素環基、-NRから選択される1つ以上の基で置換されてもよく、前記複素環基は、さらに、ハロゲン又はアルキル基で置換されてもよく、
Cyは、アリール基、ヘテロアリール基から選択され、前記アリール基、ヘテロアリール基は、さらに、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、エステル基、オキソ基、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基から選択される1つ以上の基で置換されてもよく、
とLは、それぞれ独立して、単結合、-(CH-、-O-、-NR-、-S-、-SO-、-SO-及び-CO-から選択される1種又は複数種であり、
mは、1~4の整数であり、
は、水素、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基は、さらに、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシル基、エステル基、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基で置換されてもよく、
は、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基から選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基、複素環基は、さらに、1つ以上のRで置換されてもよく、
各Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、オキソ基、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基、-C(O)R、-O(O)CR、-C(O)OR、-C(O)NR、-NHC(O)R、-S(O)R、-S(O)、-S(O)NR、-NR、-S(O)NR、-NHS(O)R、-NHS(O)から選択され、前記アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基は、さらに、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシル基、エステル基、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基で置換されてもよく、
及びRは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基から選択され、前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基は、さらに、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、エステル基、オキソ基、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基で置換されてもよく、
又は、R及びRは、それらに結合された窒素原子と共に窒素含有複素環基を形成し、前記窒素含有複素環基は、さらに、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシル基、エステル基、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基で置換されてもよい。)
【請求項2】
Xは、-O-、-S-及び-NR-から選択され、Rは、水素、アルキル基、及びシクロアルキル基から選択される、請求項1に記載の一般式Iで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
Yは、フェニル基又はピリジン基を含む、C~C10アリール基、又は5~10員のヘテロアリール基から選択され、前記アリール基又はヘテロアリール基は、さらに、ハロゲン、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基から選択される1つ以上の基で置換されてもよい、請求項1又は2に記載の一般式Iで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
Zは、
【化3】
であり、nは、0であり、Rは、水素、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、R及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル基から選択され、前記アルキル基は、さらに、-NRから選択される1つ以上の基で置換されてもよく、R及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、又は、R及びRは、それらに結合された窒素原子と共に5~7員の窒素含有複素環基を形成し、前記窒素含有複素環基は、さらに、ハロゲン、オキソ基、アルキル基、アルコキシ基から選択される1つ以上の基で置換されてもよい、請求項1~3のいずれか1項に記載の一般式Iで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
Zは、
【化4】
であり、nは、0であり、Rは、水素、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、R及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル基から選択され、前記アルキル基は、さらに、複素環基から選択される1つ以上の基で置換されてもよく、前記複素環基は、さらに、ハロゲン又はアルキル基で置換されてもよい、請求項1~3のいずれか1項に記載の一般式Iで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
一般式IIで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物又はその薬学的に許容される塩である、請求項1~5のいずれか1項に記載の一般式Iで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物又はその薬学的に許容される塩。
【化5】
(式中、
Wは、N又はCRから選択され、
は、水素、ハロゲン、シアノ基、アルキル基から選択され、
Aは、N又はCRから選択され、
は、水素、ハロゲン、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基から選択され、
Xは、-O-、-S-、-NR-から選択され、
は、水素、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、
Zは、
【化6】
であり、
nは、0であり、
は、水素、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、
及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル基から選択され、前記アルキル基は、さらに、-NRから選択される1つ以上の基で置換されてもよく、
及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、
又は、R及びRは、それらに結合された窒素原子と共に5~7員の窒素含有複素環基を形成し、
Cy、L、L、Rは、請求項1において定義される通りである。)
【請求項7】
一般式IIIで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物又はその薬学的に許容される塩である、請求項6に記載の一般式IIで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物又はその薬学的に許容される塩。
【化7】
(式中、Wは、N又はCRから選択され、
は、水素、ハロゲン、シアノ基、アルキル基から選択され、
Aは、N又はCRから選択され、
は、水素、ハロゲン、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基から選択され、
Xは、-O-、-S-、-NR-から選択され、Rは、水素、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、
Zは、
【化8】
であり、
nは、0であり、
は、水素、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、
及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル基から選択され、前記アルキル基は、さらに、-NRから選択される1つ以上の基で置換されてもよく、
及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、
又は、R及びRは、それらに結合された窒素原子と共に5~7員の窒素含有複素環基を形成し、
Eは、N又はCRから選択され、
は、水素、ハロゲン、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基から選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基から選択され、
とLは、それぞれ独立して、単結合、-(CH-、-O-、-NR-、-S-、-SO-、-SO-及び-CO-から選択される1種又は複数種であり、
mは、1~4の整数であり、
は、水素、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、
は、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基から選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基、複素環基は、さらに、1つ以上のRで置換されてもよく、
各Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ基、オキソ基、アルキル基、アルコキシ基、-C(O)Ra’、-C(O)ORa’、-S(O)Ra’、-S(O)a’から選択され、前記アルキル基、アルコキシ基は、さらに、ハロゲンで置換されてもよく、
a’は、水素、アルキル基から選択される。)
【請求項8】
一般式IVで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物又はその薬学的に許容される塩である、請求項7に記載の一般式Iで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物又はその薬学的に許容される塩。
【化9】
(式中、Wは、N又はCRから選択され、
は、水素、ハロゲン、シアノ基、アルキル基から選択され、
Xは、-O-、-NR-及び-S-から選択され、
は、水素、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、
Aは、N又はCRから選択され、
は、水素、ハロゲン、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基から選択され、
Zは、
【化10】
から選択され、
は、水素、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基から選択され、
とLは、それぞれ独立して、単結合、-(CH-、-O-、-NR-、-S-、-SO-、-SO-及び-CO-から選択される1種又は複数種であり、
mは、1~4の整数であり、
は、水素、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、
は、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基から選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基、複素環基は、さらに、1つ以上のRで置換されてもよく、
各Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、オキソ基、アルキル基、-COOHから選択され、前記アルキル基は、さらに、ハロゲンで置換されてもよい。)
【請求項9】
-L-L-は、単結合、-(CH-、-O-、-NR-、-S-、-SO-、-SO-、-CO-、-NH-CO-、-NH-SO-、-CH-O-、-CH-S-、-CH-CO-、-CH-SO-、-NR-(CH-NR、-O-(CH-O-、-CH-NR-、又は-CO-NR-から選択され、mは、1又は2であり、Rは、水素、アルキル基、シクロアルキル基から選択される、請求項1~8のいずれか1項に記載の一般式Iで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
は、5~8員の複素環基であり、前記複素環基は、さらに、1つ以上のRで置換されてもよく、各Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、オキソ基、アルキル基、-COOHから選択され、前記アルキル基は、さらに、ハロゲンで置換されてもよい、請求項1~9のいずれか1項に記載の一般式Iで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
は、ピロリジル基、テトラヒドロイミダゾリル基、テトラヒドロピラリル基、テトラヒドロピラリル基、テトラヒドロチアゾリル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、チオモルホリン基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフェニル基、
【化11】
から選択され、それらは、さらに、1つ以上のRで置換されてもよく、各Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、オキソ基、アルキル基、-COOHから選択され、前記アルキル基は、さらに、ハロゲンで置換されてもよい、請求項1~9のいずれか1項に記載の一般式Iで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
前記化合物は、
N-(3-((5-クロロ-2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)オキシ)ベンゼン)アクリルアミド、
N-(3-((5-フルオロ-2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)オキシ)ベンゼン)アクリルアミド、
N-(3-((5-シアノ-2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)オキシ)ベンゼン)アクリルアミド、
N-(3-((5-メチル-2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)オキシ)ベンゼン)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-アルキンアミド、
N-(2-フルオロ-5-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-アルキンアミド、
4-(ジメチルアミノ)-N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4)-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-エナミド、
4-(ジメチルアミノ)-N-(2-フルオロ-5-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d)])ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-エナミド、
4-(シクロプロピル(メチル)アミノ)-N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4)-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-エナミド、
N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)-4-(ピロリジン-1-イル)ブタ-2-エナミド、
N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドN-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)チオ)フェニル)アクリルアミドN-(3-(メチル(6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド、
N-メチル-N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-メチル-N-(3-((6-(4-モルホリニルフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-シクロプロピル-N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル))オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(2-フルオロ-5-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、N-(2-フルオロ-5-((6-(4-モルホリニルフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(4-((6-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)アクリルアミド、
N-(2-メチル-5-((6-(4-モルホリニルフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(2-メトキシ-5-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(2-シアノ-5-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(6-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリジン-3-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(3-フルオロ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(3-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(3-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(3-(ジフルオロメトキシ)-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン)4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(ジメチルアミノ)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-((ジメチルアミノ)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(2-メトキシエトキシ)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-モルホリニルフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-モルホリニルフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(1,1-ジオキソチオモルホリニル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)ベンゼン)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(4-(2,2,2-トリフルオロエチル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(6-メチル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(2-チオ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(4-アセチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
1-(4-(4-(3-アクリルアミドフェノキシ)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-4-メチルピペラジン-2-カルボン酸、
N-(3-((6-(4-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c)ピロール-2(1H)-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-((1,1-ジオキソチオモルホリニル)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-((1,1-ジオキソチオモルホリニル)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(モルホリノメチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、N-(3-((6-(4-((4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(ピペリジン-1-イルメチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(ピロリジン-1-イルメチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-((6-メチル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-((5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-((3-メチル-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-((1-メチルピペリジン-4-イル)アミノ)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(モルホリン-4-ホルミル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-((1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(メチル(1-メチルピペリジン-4-イル)アミノ)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(((1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(((1-メチルピペリジン-4-イル)アミノ)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-((メチル(1-メチルピペリジン-4-イル)アミノ)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(4-(4-(3-アクリルアミドフェノキシ)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-1-メチルピペリジン-4-ホルムアミド、
N-(3-((6-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-((4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-アルキンアミド、
N-(3-((6-(4-(ピペリジン-1-イルメチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-アルキンアミドから選択される、請求項1~11のいずれか1項に記載の一般式Iで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の一般式Iで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物又はその薬学的に許容される塩を製造する方法であって、以下のステップを含む:
WがNである場合、
【化12】
ステップa)では、高温アルカリ性条件下で、触媒作用下で、化合物Iaと、対応するホウ酸系化合物とを反応させて化合物Ibを得て、
ステップb)では、高温アルカリ性条件下で、化合物Ibと、H-X-Y-Zとを反応させて化合物Icを得て、
ステップc)では、化合物Icを、まず酸性条件で、さらにアンモニア水で処理した後に一般式Iの化合物を得て、
W、X、Y、Z、Cy、L、L、R、Rは、請求項1において定義される通りである方法。
【請求項14】
ステップa)において、前記アルカリ性の試薬は、炭酸カリウム又は炭酸ナトリウムであり、前記触媒は、Pd(dppf)Cl又はPd(PPhであり、前記高温は、80~100℃である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ステップb)において、前記アルカリ性の試薬は、炭酸カリウムであり、前記高温は、80~120℃である、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
ステップc)において、前記酸性の試薬は、トリフルオロ酢酸である、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
請求項1~12のいずれか1項に記載の一般式Iで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物又はその薬学的に許容される塩を製造する方法であって、以下のステップを含む:
WがCRである場合、
【化13】
ステップd)では、高温条件下で、化合物IdとIClとを反応させてヨウ素化生成物Ieを得て、
ステップe)では、アルカリ性条件下で、触媒作用下で、化合物Ieと、対応するアルキン系化合物とをSonogashinaカップリング反応させて化合物Ifを得て、
ステップf)では、高温アルカリ性条件下で、化合物Ifを閉環反応させて化合物Igを得て、
ステップg)では、アルカリ性条件下で、化合物IgとSEMClとを反応させて化合物Ihを得て、
ステップh)では、高温アルカリ性条件下で、化合物Ihと、H-X-Y-Zとを反応させて化合物Ijを得て、
ステップi)では、化合物Ijを、まず酸性条件で、さらにアンモニア水で処理した後に一般式Iの化合物を得て、
W、X、Y、Z、Cy、L、L、R、Rは、請求項1において定義される通りである方法。
【請求項18】
ステップd)において、前記高温は、40℃である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
ステップe)において、前記アルカリ性の試薬は、トリエチルアミンであり、前記触媒は、Pd(PhP)Cl及びCuIから成る群から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
ステップf)において、前記アルカリ性の試薬は、カリウムtert-ブトキシドであり、前記高温は、70℃である、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
ステップg)において、前記アルカリ性の試薬は、NaHである、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
ステップh)において、前記アルカリ性の試薬は、炭酸カリウムであり、前記高温は、80~120℃である、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
ステップi)において、前記酸性の試薬は、トリフルオロ酢酸である、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
請求項1~12のいずれか1項に記載の一般式Iで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体を含有する、医薬組成物。
【請求項25】
請求項1~12のいずれか1項に記載の一般式Iで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物又はその薬学的に許容される塩、又は請求項24に記載の医薬組成物のBTKキナーゼ抑制剤の製造における使用。
【請求項26】
請求項1~12のいずれか1項に記載の一般式Iで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物又はその薬学的に許容される塩、又は請求項13に記載の医薬組成物の、BTKキナーゼ活性に関連する疾患を予防及び/又は治療する薬物の製造における使用。
【請求項27】
前記疾患は、炎症、自己免疫性疾患、又は癌から選択され、前記炎症は、リウマチ様関節炎及び乾癬性関節炎を含む関節炎、炎症性腸炎、ブドウ膜炎であり、前記自己免疫性疾患は、多発性硬化症、狼瘡、乾癬、結節性疾患を含み、前記癌症は、乳癌、子宮頚癌、結腸癌、肺癌、胃癌、直腸癌、膵臓癌、脳癌、皮膚癌、口腔癌、前立腺癌、骨癌、腎癌、卵巣癌、膀胱癌、肝癌、卵管癌、卵巣腫、腹膜腫瘍、黒色腫、固形腫瘍、神経膠腫、神経膠芽腫、肝細胞癌、乳頭状腎細胞癌、頭頸部腫瘍、白血病、リンパ腫、骨髄腫及び非小細胞性肺癌を含む、請求項15に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬の技術分野に属し、具体的には、新たなピロロ芳香族複素環化合物、その製造方法及びそれを含有する医薬組成物、並びにBrutonキナーゼ(BTK)活性を調節し、かつBTK活性に関連する疾患を治療及び/又は予防する用途に関する。
【背景技術】
【0002】
細胞内シグナル伝達過程は、細胞が外界刺激に対して反応し、かつ最終的に特異的生物学的効果を引き起こす効果的な方式である。サイトカインは、様々なシグナル伝達経路により細胞内シグナル伝達を行うことにより、細胞増殖、造血機能及び免疫関連の多くの重要な生物学的機能の調節に関与することができる。タンパク質チロシンキナーゼ中のBrutonキナーゼ(BTK)は、サイトカインシグナル伝達過程において重要な役割を果たしている。
【0003】
BTKファミリーは、1種の非受容体型プロテインキナーゼである。1952年、Brutonは、X連鎖無ガンマグロブリン血症(X-linked agammaglomulinemia、XLA)患者の体内で成熟B細胞が不足するため、自己免疫応答が効果的に生じることができないことを発見しており、遺伝子研究により、該患者のX染色体異常がBTK遺伝子を突然変異させることを発見し、これは、B細胞の発育成熟においてBTKが重要な役割を持つことを示している。BTKは、B細胞抗原受容体(B cell antigen receptor、BCR)経路によって調節されて免疫反応に関与するだけでなく、Toll様受容体(Toll like receptor、TLR)シグナル経路によって調節されて炎症反応に関与する。
【0004】
BTKファミリーのメンバーは、人体において主に造血組織に分布し、造血細胞の成長、分化に対して重要な調節作用を有する。BTKキナーゼは、主に骨髄由来の細胞及びB細胞に分布する。BTKは、細胞膜へのタンパク質の転位を媒介することを担うPHドメイン、PRR及びBtkの2つのモジュールを含むTHドメイン、BTKと他のタンパク質分子との相互作用を媒介するのに重要な役割を持つSH2及びSH3ドメイン、キナーゼ触媒ドメインのSH1ドメインという5つのドメインを含む。
【0005】
BTKは、PI3(ホスファチジルイノシトール-3-キナーゼK)、G-タンパク質共役受容体などと結合して活性化し、PLCγ2(ホスホリパーゼC-γ2)、PKCβI(セリンスレオニンキナーゼβI)などの下流のシグナル分子により、血管新生、細胞増殖及びアポトーシス、細胞運動への調節に関与する。BTK活性化の過程において、PHドメインとホスファチジルイノシトール-3,4,5-イノシトールトリスリン酸(PIP3)とが結合し、膜転位が完了する。膜局在化後のBTKは、活性化し、かつ2つのチロシン残基Tyr551及びTyr223のリン酸基の転移に関与し、活性化ループ上のTyr551残基がSrcファミリーのチロシンキナーゼによりリン酸化されるため、SH3ドメインにおけるTyr233の自己リン酸化を引き起こし、キナーゼの完全活性化に必要条件を提供する。BTK活性化は、PKCβのネガティブフィードバック調節を受け、PKCβは、BTKのSer180をリン酸化し、細胞膜へのBTKのリクルートメント及びリン酸基転移を減少させることにより、その活性を低下させる。PKC抑制性シグナルは、B細胞受容体シグナル経路におけるBTK活性のバランスを維持するのに重要な役割を持つ。
【0006】
BTKは、B細胞悪性腫瘍が発生する過程において、BCRとTCR経路により重要な役割を果たしている。複数種のB細胞悪性腫瘍において、BTK機能を標的とすることは、高い治療効果を示す。複数のBTK抑制剤は、慢性リンパ球白血病、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫及び多発性骨髄腫に対する臨床実験において適切な治療効果を示す。また、他のB細胞悪性腫瘍において、BTK抑制剤の作用も人々の興味を引き起こし、例えば、MYD88突然変異及びNF-κB信号経路が関与する脾辺縁帯リンパ腫と、細胞生存においてBCR抗原(及び自己抗原)識別に関与する濾胞性リンパ腫とが発見された。注目すべきことは、全身性自己免疫疾患がある患者において、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫及び辺縁帯リンパ腫の発病率がより高く、BTK経路の活性化は、自己免疫疾患の重要な病理学的事象であり、かつ臨床前の実験においてBTK抑制剤は高い効果を示すことである。研究により、BTKが乳癌細胞を保護しアポトーシスを回避するという作用を有することをさらに示した。
【0007】
リウマチ性関節炎(RA)は、自己免疫疾患であり、関節構造に炎症及び破壊が起こることを特徴とする。疾患が効果的に治療されていない場合には、関節機能の喪失により実質的な機能喪失と疼痛、ひいては早期死亡が起こる。したがって、RA治療は、疾患の進展を遅延させるだけでなく、症状を軽減することにより、関節破壊を止めることを目的とする。RAの全世界の有病率は約0.8%であり、女性の有病率は男性の3倍である。RAは、治療が困難であり、現在で治癒できず、かつ治療が主に疼痛を緩和し、患部関節の変性を防止することである。臨床的な治療ポリシーは、非ステロイド性抗炎症薬物(NSAIDs)、ホルモン、疾患修飾抗リウマチ薬物(DMARDS)及び生物薬を含み、主に関節損傷及び腫脹症状に対して緩和治療を行うことである。DMARDS(例えば、メトトレキサート、ヒドロキシクロロキン、レフルノミド、サラゾスルファピリジン)を臨床的に応用して、DMARDSと生物薬とを併用する効果は高い。抗RA薬物が多いにもかかわらず、30%以上の患者は依然として疼痛がある。最新研究は、BTKシグナル伝達経路の介入がRA治療の新たな方法となることを示す。
【0008】
T細胞は、滑液腔内に多く存在し、RAではB細胞を活性化することができるため、RAの治療において常に注目されている標的である。T細胞の共刺激の遮断治療が既に許可されているが、RAの治療においてT細胞を消耗することにより表現される治療価値は非常に限定されたものとなる。また、疾患の進展中のB細胞機能と自己抗原の生成が既に確認された。したがって、B細胞を標的として直接的又は間接的に治療する。重要なことは、B細胞を減少させることを目的とした療法がRAの臨床症状を効果的に改善し、B細胞がRA疾患において重要な役割を持つことを示す。B細胞を標的(B細胞数を減少させるか又はB細胞の生存を抑制する)とした療法のRAに対する有効性により、RAに対するB細胞の重要な役割を証明した。BTKは、BCRシグナル経路に関与することによりB細胞の成熟及び活性化に対して重要な役割を持つ。BTK高発現のB細胞において、BCR経路が強化され、かつ自己抗体の過発現が起こることにり、自己免疫反応が起こる。したがって、BTKは、自己免疫性疾患を治療する理想的な標的であり、前記自己免疫性疾患は、リウマチ様関節炎、多発性硬化症、狼瘡、乾癬、乾癬性関節炎、炎症性腸疾患、クローン病、ブドウ膜炎、結節性疾患を含むが、これらに限定されない。複数のBTK抑制剤は、臨床前動物モデルにおいて自己免疫疾患を治療する優れた治療効果を示す。
【0009】
近年、BTK抑制剤の開発は急速に進歩している。市販の薬物Ibrutinibは、主にB細胞リンパ腫の治療に用いられ、臨床中・後期にあるCC-292及びACP-196は、B細胞リンパ腫の治療に加えて、RAなどの自己免疫疾患適応症への応用を開発している。しかし、これらBTK抑制剤は、一般的に活性及び選択性が低く、また副作用が大きいなどの欠点を有する。したがって、キナーゼ、例えばBrutonキナーゼを抑制する新規又は改善された薬剤が常に必要とされて、新たな、より効果的な薬物を開発してRA又は他のBTKに関連する疾患を治療する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明者は、鋭意研究により、一連のピロロ芳香族複素環骨格を含有する化合物を設計して合成し、かつそれらに対してBTKキナーゼ活性のスクリーニングを行い、研究の結果、このような化合物は、突出した抗BTKキナーゼの活性を有し、かつBTKキナーゼ活性に関連する疾患を治療する薬物として開発されていることを示した。
【課題を解決するための手段】
【0011】
したがって、本発明は、一般式Iで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩を提供することを目的とする。
【0012】
【化1】
(式中、
Wは、N又はCRから選択され、
は、水素、ハロゲン、シアノ基、アルキル基から選択され、
Xは、-O-、-NR-、-CH-、-S-、-SO-、-SO-、-CO-から選択され、
は、水素、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基は、さらに、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシル基、エステル基、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基で置換されてもよく、
Yは、アリール基、ヘテロアリール基から選択され、前記アリール基、ヘテロアリール基は、さらに、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシ基、エステル基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基で置換されてもよく、
Zは、
【化2】
であり、
nは、0~4の整数であり、
は、水素、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基は、さらに、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシル基、エステル基、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基で置換されてもよく、
及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル基から選択され、前記アルキル基は、さらに、複素環基、-NRから選択される1つ以上の基で置換されてもよく、前記複素環基は、さらに、ハロゲン又はアルキル基で置換されてもよく、
Cyは、アリール基、ヘテロアリール基から選択され、前記アリール基、ヘテロアリール基は、さらに、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、エステル基、オキソ基、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基から選択される1つ以上の基で置換されてもよく、
とLは、それぞれ独立して、単結合、-(CH-、-O-、-NR-、-S-、-SO-、-SO-及び-CO-から選択される1種又は複数種であり、
mは、1~4の整数であり、
は、水素、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基は、さらに、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシル基、エステル基、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基で置換されてもよく、
は、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基から選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基、複素環基は、さらに、1つ以上のRで置換されてもよく、
各Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、オキソ基、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基、-C(O)R、-O(O)CR、-C(O)OR、-C(O)NR、-NHC(O)R、-S(O)R、-S(O)、-S(O)NR、-NR、-S(O)NR、-NHS(O)R、-NHS(O)から選択され、前記アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基は、さらに、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシル基、エステル基、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基で置換されてもよく、
及びRは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基から選択され、前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基は、さらに、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、エステル基、オキソ基、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基で置換されてもよく、
又は、R及びRは、それらに結合された窒素原子と共に窒素含有複素環基を形成し、前記窒素含有複素環基は、さらに、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシル基、エステル基、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基で置換されてもよい。)
【0013】
本発明の好ましい実施形態では、本発明に係る一般式Iで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩において、
Xは、-O-、-S-及び-NR-から選択され、
は、水素、アルキル基、及びシクロアルキル基から選択され、前記アルキル基は、好ましくは、C-C12アルキル基であり、より好ましくは、C-Cアルキル基であり、前記シクロアルキル基は、好ましくは、C-C12シクロアルキル基であり、より好ましくは、C-Cシクロアルキル基である。
【0014】
本発明の他の好ましい実施形態では、本発明に係る一般式Iで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩において、
Yは、C~C10アリール基、又は5~10員のヘテロアリール基から選択され、好ましくはフェニル基又はピリジン基であり、前記アリール基又はヘテロアリール基は、さらに、ハロゲン、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基から選択される1つ以上の基で置換されてもよく、前記アルキル基は、好ましくは、C-C12アルキル基であり、より好ましくは、C-Cアルキル基であり、前記アルコキシ基は、好ましくは、C-C12アルコキシ基であり、より好ましくは、C-Cアルコキシ基である。
【0015】
本発明の他の好ましい実施形態では、本発明に係る一般式Iで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩において、
Zは、
【化3】
であり、
nは、0であり、
は、水素、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、
及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル基から選択され、前記アルキル基は、さらに、-NRから選択される1つ以上の基で置換されてもよく、
及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、
又は、R及びRは、それらに結合された窒素原子と共に5~7員の窒素含有複素環基を形成し、前記窒素含有複素環基は、さらに、ハロゲン、オキソ基、アルキル基、アルコキシ基から選択される1つ以上の基で置換されてもよく、
前記アルキル基は、好ましくは、C-C12アルキル基であり、より好ましくは、C-Cアルキル基であり、
前記シクロアルキル基は、好ましくは、C-C12シクロアルキル基であり、より好ましくは、C-Cシクロアルキル基であり、
前記5~7員の窒素含有複素環基は、好ましくは、ピロリジル基、テトラヒドロイミダゾリル基、テトラヒドロピラリル基、テトラヒドロピラリル基、テトラヒドロチアゾリル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリニル基である。
【0016】
本発明の他の好ましい実施形態では、本発明に係る一般式Iで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩において、
Zは、
【化4】
であり、
nは、0であり、
は、水素、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、
及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル基から選択され、前記アルキル基は、さらに、複素環基から選択される1つ以上の基で置換されてもよく、前記複素環基は、さらに、ハロゲン又はアルキル基で置換されてもよく、
前記アルキル基は、好ましくは、C-C12アルキル基であり、より好ましくは、C-Cアルキル基であり、
前記シクロアルキル基は、好ましくは、C-C12シクロアルキル基であり、より好ましくは、C-Cシクロアルキル基であり、
前記複素環基は、好ましくは、3~8員の複素環基であり、より好ましくは、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフェニル基、テトラヒドロオキサゾリル基、テトラヒドロチアゾリル基である。)
【0017】
本発明の他の好ましい実施形態では、本発明に係る一般式Iで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩は、一般式IIで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩であり、
【化5】
式中、
Wは、N又はCRから選択され、
は、水素、ハロゲン、シアノ基、アルキル基から選択され、
Aは、N又はCRから選択され、
は、水素、ハロゲン、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基から選択され、
Xは、-O-、-S-、-NR-から選択され、
は、水素、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、
Zは、
【化6】
であり、
nは、0であり、
は、水素、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、
及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル基から選択され、前記アルキル基は、さらに、-NRから選択される1つ以上の基で置換されてもよく、
及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、
又は、R及びRは、それらに結合された窒素原子と共に5~7員の窒素含有複素環基を形成し、
前記アルキル基は、好ましくは、C-C12アルキル基であり、より好ましくは、C-Cアルキル基であり、
前記アルコキシ基は、好ましくは、C-C12アルコキシ基であり、より好ましくは、C-Cアルコキシ基であり、
前記シクロアルキル基は、好ましくは、C-C12シクロアルキル基であり、より好ましくは、C-Cシクロアルキル基であり、
前記5~7員の窒素含有複素環基は、好ましくは、ピロリジル基、テトラヒドロイミダゾリル基、テトラヒドロピラリル基、テトラヒドロピラリル基、テトラヒドロチアゾリル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリニル基であり、
Cy、L、L、Rは、一般式Iにおいて定義される通りである。
【0018】
本発明の他の好ましい実施形態では、本発明に係る一般式Iで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩は、本発明の前記一般式IIIで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩であり、
【化7】
式中、
Wは、N又はCRから選択され、
は、水素、ハロゲン、シアノ基、アルキル基から選択され、
Aは、N又はCRから選択され、
は、水素、ハロゲン、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基から選択され、
Xは、-O-、-S-、-NRから選択され、
は、水素、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、
Zは、
【化8】
であり、
nは、0であり、
は、水素、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、
及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル基から選択され、前記アルキル基は、さらに、-NRから選択される1つ以上の基で置換されてもよく、
及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、
又は、R及びRは、それらに結合された窒素原子と共に5~7員の窒素含有複素環基を形成し、
Eは、N又はCRから選択され、
は、水素、ハロゲン、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基から選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基から選択され、
とLは、それぞれ独立して、単結合、-(CH-、-O-、-NR-、-S-、-SO-、-SO-及び-CO-から選択される1種又は複数種であり、好ましくは、-L-L-は、単結合、-(CH-、-O-、-NR-、-S-、-SO-、-SO-、-CO-、-NH-CO-、-NH-SO-、-CH-O-、-CH-S-、-CH-CO-、-CH-SO-、-NR-(CH-NR、-O-(CH-O-、-CH-NR-、又は-CO-NR-から選択され、
mは、1~4の整数であり、
は、水素、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、
は、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基から選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基、複素環基は、さらに、1つ以上のRで置換されてもよく、
各Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ基、オキソ基、アルキル基、アルコキシ基、-C(O)R、-C(O)OR、-S(O)R、-S(O)から選択され、前記アルキル基、アルコキシ基は、さらに、ハロゲンで置換されてもよく、
は、水素、アルキル基から選択され、
前記アルキル基は、好ましくは、C-C12アルキル基であり、より好ましくは、C-Cアルキル基であり、
前記アルコキシ基は、好ましくは、C-C12アルコキシ基であり、より好ましくは、C-Cアルコキシ基であり、
前記シクロアルキル基は、好ましくは、C-C12シクロアルキル基であり、より好ましくは、C-Cシクロアルキル基であり、
前記複素環基は、好ましくは、5~8員の複素環基であり、より好ましくは、ピロリジル基、テトラヒドロイミダゾリル基、テトラヒドロピラリル基、テトラヒドロピラリル基、テトラヒドロチアゾリル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、チオモルホリン基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフェニル基、
【化9】
であり、
W、X、A、Zは、一般式IIにおいて定義される通りである。
【0019】
本発明の他の好ましい実施形態では、本発明に係る一般式Iで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩は、一般式IVで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩であり、
【化10】
Wは、N又はCRから選択され、
は、水素、ハロゲン、シアノ基、アルキル基から選択され、
Xは、-O-、-NR-及び-S-から選択され、
は、水素、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、
Aは、N又はCRから選択され、
は、水素、ハロゲン、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基から選択され、
Zは、
【化11】
から選択され、
は、水素、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基から選択され、
とLは、それぞれ独立して、単結合、-(CH-、-O-、-NR-、-S-、-SO-、-SO-及び-CO-から選択される1種又は複数種であり、
mは、1~4の整数であり、
は、水素、アルキル基、シクロアルキル基から選択され、
は、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基から選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基、複素環基は、さらに、1つ以上のRで置換されてもよく、
各Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、オキソ基、アルキル基、-COOHから選択され、前記アルキル基は、さらに、ハロゲンで置換されてもよく、
-L-L-は、好ましくは、単結合、-(CH-、-O-、-NR-、-S-、-SO-、-SO-、-CO-、-NH-CO-、-NH-SO-、-CH-O-、-CH-S-、-CH-CO-、-CH-SO-、-NR-(CH-NR、-O-(CH-O-、-CH-NR-、又は-CO-NR-から選択され、
前記複素環基は、好ましくは、5~8員の複素環基であり、より好ましくは、ピロリジル基、テトラヒドロイミダゾリル基、テトラヒドロピラリル基、テトラヒドロピラリル基、テトラヒドロチアゾリル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、チオモルホリン基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフェニル基、
【化12】
である。
【0020】
本発明の代表的な化合物は、
N-(3-((5-クロロ-2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)オキシ)ベンゼン)アクリルアミド、
N-(3-((5-フルオロ-2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)オキシ)ベンゼン)アクリルアミド、
N-(3-((5-シアノ-2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)オキシ)ベンゼン)アクリルアミド、
N-(3-((5-メチル-2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)オキシ)ベンゼン)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-アルキンアミド、
N-(2-フルオロ-5-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-アルキンアミド、
4-(ジメチルアミノ)-N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4)-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-エナミド、
4-(ジメチルアミノ)-N-(2-フルオロ-5-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d)])ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-エナミド、
4-(シクロプロピル(メチル)アミノ)-N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4)-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-エナミド、
N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)-4-(ピロリジン-1-イル)ブタ-2-エナミド、
N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)チオ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-(メチル(6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド、
N-メチル-N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-メチル-N-(3-((6-(4-モルホリニルフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-シクロプロピル-N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル))オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(2-フルオロ-5-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(2-フルオロ-5-((6-(4-モルホリニルフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(4-((6-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)アクリルアミド、
N-(2-メチル-5-((6-(4-モルホリニルフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(2-メトキシ-5-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(2-シアノ-5-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(6-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリジン-3-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(3-フルオロ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(3-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(3-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(3-(ジフルオロメトキシ)-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン)4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(ジメチルアミノ)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-((ジメチルアミノ)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(2-メトキシエトキシ)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-モルホリニルフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-モルホリニルフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(1,1-ジオキソチオモルホリニル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)ベンゼン)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(4-(2,2,2-トリフルオロエチル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(6-メチル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(2-チオ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(4-アセチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
1-(4-(4-(3-アクリルアミドフェノキシ)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-4-メチルピペラジン-2-カルボン酸、
N-(3-((6-(4-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c)ピロール-2(1H)-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-((1,1-ジオキソチオモルホリニル)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-((1,1-ジオキソチオモルホリニル)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(モルホリノメチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-((4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(ピペリジン-1-イルメチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(ピロリジン-1-イルメチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-((6-メチル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-((5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-((3-メチル-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-((1-メチルピペリジン-4-イル)アミノ)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(モルホリン-4-ホルミル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-((1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(メチル(1-メチルピペリジン-4-イル)アミノ)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(((1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-(((1-メチルピペリジン-4-イル)アミノ)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-((メチル(1-メチルピペリジン-4-イル)アミノ)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(4-(4-(3-アクリルアミドフェノキシ)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-1-メチルピペリジン-4-ホルムアミド、
N-(3-((6-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(4-((4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-アルキンアミド、
N-(3-((6-(4-(ピペリジン-1-イルメチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-アルキンアミド、
又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩を含むが、これらに限定されない。
【0021】
本発明の別の態様では、本発明に係る一般式Iで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩を製造する方法は、以下のステップを含む:
1)WがNである場合、
【化13】
ステップa)では、高温アルカリ性条件下で、触媒作用下で、化合物Iaと、対応するホウ酸系化合物とを反応させて化合物Ibを得て、前記アルカリ性の試薬は、好ましくは、炭酸カリウム又は炭酸ナトリウムであり、前記触媒は、好ましくは、Pd(dppf)Cl又はPd(PPhであり、前記温度は、好ましくは、80~100℃であり、
ステップb)では、高温アルカリ性条件下で、化合物Ibと、H-X-Y-Zとを反応させて化合物Icを得て、前記アルカリ性の試薬は、好ましくは、炭酸カリウムであり、前記温度は、好ましくは、80~120℃であり、
ステップc)では、化合物Icを、まず酸性条件で、さらにアンモニア水で処理した後に一般式Iの化合物を得て、前記酸性の試薬は、好ましくは、トリフルオロ酢酸であり、
2)WがCRである場合、
【化14】
ステップd)では、高温条件下で、化合物IdとIClとを反応させてヨウ素化生成物Ieを得て、前記温度は、好ましくは、40℃であり、
ステップe)では、アルカリ性条件下で、触媒作用下で、化合物Ieと、対応するアルキン系化合物とをSonogashinaカップリング反応させて化合物Ifを得て、前記アルカリ性の試薬は、好ましくは、トリエチルアミンであり、前記触媒は、好ましくは、Pd(PhP)Cl及びCuIであり、
ステップf)では、高温アルカリ性条件下で、化合物Ifを閉環反応させて化合物Igを得て、前記アルカリ性の試薬は、好ましくは、カリウムtert-ブトキシドであり、前記温度は、好ましくは、70℃であり、
ステップg)では、アルカリ性条件下で、化合物IgとSEMClとを反応させて化合物Ihを得て、前記アルカリ性の試薬は、好ましくは、NaHであり、
ステップh)では、高温アルカリ性条件下で、化合物Ihと、H-X-Y-Zとを反応させて化合物Ijを得て、前記アルカリ性の試薬は、好ましくは、炭酸カリウムであり、前記温度は、好ましくは、80~120℃であり、
ステップi)では、化合物Ijを、まず酸性条件で、さらにアンモニア水で処理した後に一般式Iの化合物を得て、前記酸性の試薬は、好ましくは、トリフルオロ酢酸であり、
W、X、Y、Z、Cy、L、L、R、Rは、一般式Iにおいて定義される通りである。
【0022】
本発明の別の態様は、有効量の一般式Iに示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦型剤を含有する医薬組成物に関する。本発明は、さらに、一般式Iに示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はそれらの混合物形式、又は薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体、希釈又は賦型剤を混合することを含む上記組成物の製造方法に関する。
【0023】
本発明は、さらに、一般式Iで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩、又はそれらを含む医薬組成物のBTKキナーゼ抑制剤の製造における用途に関する。
【0024】
本発明は、さらに、一般式Iで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩、又はそれらを含む医薬組成物の、BTKキナーゼ活性に関連する疾患を予防及び/又は治療する薬物の製造における用途に関する。BTK活性に関連する前記疾患は、炎症、自己免疫性疾患、又は癌から選択されてよく、前記炎症は、特にリウマチ様関節炎、乾癬性関節炎のような関節炎、炎症性腸炎、ブドウ膜炎であり、前記自己免疫性疾患は、例えば、多発性硬化症、狼瘡、乾癬、結節性疾患であり、前記癌症は、例えば、乳癌、子宮頚癌、結腸癌、肺癌、胃癌、直腸癌、膵臓癌、脳癌、皮膚癌、口腔癌、前立腺癌、骨癌、腎癌、卵巣癌、膀胱癌、肝癌、卵管癌、卵巣腫、腹膜腫瘍、黒色腫、固形腫瘍、神経膠腫、神経膠芽腫、肝細胞癌、乳頭状腎細胞癌、頭頸部腫瘍、白血病、リンパ腫、骨髄腫及び非小細胞性肺癌である。
【0025】
本発明は、さらに、BTKキナーゼ抑制剤として用いられる一般式Iで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩、又はそれらを含む医薬組成物の用途に関する。
【0026】
本発明は、さらに、BTK活性に関連する疾患を予防及び/又は治療する薬物として用いられる一般式Iで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩、又はそれらを含む医薬組成物の用途に関する。BTK活性に関連する前記疾患は、炎症、自己免疫性疾患、又は癌から選択されてよく、前記炎症は、特にリウマチ様関節炎、乾癬性関節炎のような関節炎、炎症性腸炎、ブドウ膜炎であり、前記自己免疫性疾患は、例えば、多発性硬化症、狼瘡、乾癬、結節性疾患であり、前記癌症は、例えば、乳癌、子宮頚癌、結腸癌、肺癌、胃癌、直腸癌、膵臓癌、脳癌、皮膚癌、口腔癌、前立腺癌、骨癌、腎癌、卵巣癌、膀胱癌、肝癌、卵管癌、卵巣腫、腹膜腫瘍、黒色腫、固形腫瘍、神経膠腫、神経膠芽腫、肝細胞癌、乳頭状腎細胞癌、頭頸部腫瘍、白血病、リンパ腫、骨髄腫及び非小細胞性肺癌である。
【0027】
本発明は、さらに、BTKキナーゼの抑制が必要とされる患者に、治療有効量の一般式Iで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩、又はそれらを含む医薬組成物を投与することを含む、BTKキナーゼを抑制する方法に関する。
【0028】
本発明は、さらに、BTK活性に関連する疾患の予防及び/又は治療が必要とされる患者に、治療有効量の一般式Iで示される化合物又はそのメソ体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はその混合物形態、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩、又はそれらを含む医薬組成物を投与することを含む、BTK活性に関連する疾患を予防及び/又は治療する方法に関する。BTK活性に関連する前記疾患は、炎症、自己免疫性疾患、又は癌から選択されてよく、前記炎症は、特にリウマチ様関節炎、乾癬性関節炎のような関節炎、炎症性腸炎、ブドウ膜炎であり、前記自己免疫性疾患は、例えば、多発性硬化症、狼瘡、乾癬、結節性疾患であり、前記癌症は、例えば、乳癌、子宮頚癌、結腸癌、肺癌、胃癌、直腸癌、膵臓癌、脳癌、皮膚癌、口腔癌、前立腺癌、骨癌、腎癌、卵巣癌、膀胱癌、肝癌、卵管癌、卵巣腫、腹膜腫瘍、黒色腫、固形腫瘍、神経膠腫、神経膠芽腫、肝細胞癌、乳頭状腎細胞癌、頭頸部腫瘍、白血病、リンパ腫、骨髄腫及び非小細胞性肺癌である。
【0029】
本発明の属する分野の従来方法に従って、本発明の一般式Iで示される化合物は、酸と反応して薬学的に許容される酸性付加塩を生成することができる。前記酸は、無機酸及び有機酸を含み、特に好ましくは、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、クエン酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、安息香酸を含む。
【0030】
また、本発明は、さらに、本発明の一般式Iで示される化合物のプロドラッグを含む。本発明に記載のプロドラッグは、一般式Iで示される化合物の誘導体であり、それ自体は、弱い活性を有し、ひいては活性がない可能性があるが、投与後に生理的条件下で(例えば代謝、溶剤分解又は別の方式により)対応する生物学的活性を有する形態に変換される。
【0031】
活性成分を含有する医薬組成物は、経口に適用する形態、例えば、タブレット、糖衣錠、錠剤、水又は油懸濁液、分散可能な粉末又は顆粒、乳液、硬又は軟カプセル、又はシロップ剤又はエリキシル剤であってよい。本分野の任意の既知の医薬組成物の製造方法に従って、経口組成物を製造することができ、このような組成物は、甘味剤、矯味剤、着色剤及び防腐剤という成分から選択される1種又は複数種を含有して、美しくておいしい薬用製剤を提供する。タブレットは、活性成分と、混合に用いられる、タブレットを適切に製造する無毒の薬学的に許容される賦形剤とを含有する。これらの賦形剤は、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、乳糖、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウムのような不活性賦形剤、微結晶セルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、コーンスターチ又はアルギン酸のような造粒剤及び崩壊剤、デンプン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン又はアラビアゴムのような接着剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルカムパウダーのような潤滑剤であってよい。これらのタブレットは、コーティングされなくてもよく、薬物の味を遮蔽するか又は胃腸内で崩壊及び吸収を遅延させるように長時間にわたって徐放作用を提供するという既知の技術によりコーティングされてもよい。例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性の味遮蔽物質、又はエチルセルロース、セルロースアセテートブチレート等の時間延長物質を用いることができる。
【0032】
また、活性成分と、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム若しくはカオリンのような不活性固体希釈剤とを混合した硬ゼラチンカプセル、又は活性成分と、ポリエチレングリコールのような水溶性担体、又はピーナッツ油、流動パラフィン若しくはオリーブ油のような油溶媒とを混合した軟ゼラチンカプセルを用いて、経口製剤を提供することができる。
【0033】
水懸濁液は、活性物質と、混合に用いられる、水懸濁液を適切に製造する賦形剤とを含有する。このような賦形剤は、懸濁剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン及びアラビアゴムであり、分散剤又は湿潤剤は、天然に生成されるリン脂質(例えばレシチン)、又はアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えばポリオキシエチレンステアレート)、又はエチレンオキシドと長鎖脂肪アルコールとの縮合生成物(例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール(heptadecaethyleneoxycetanol))、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合生成物(例えばポリエチレンオキシドソルビットモノオレエート)、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導された部分エステルとの縮合生成物(例えばポリエチレンオキシドソルビタンモノオレエート)であってよい。水懸濁液もエチルパラベン又はプロピルパラベンのような1種又は複数種の防腐剤と、1種又は複数種の着色剤と、1種又は複数種の矯味剤と、スクロース、サッカリン又はアスパルテームのような1種又は複数種の甘味剤とを含有することができる。
【0034】
油懸濁液は、活性成分をピーナッツ油、オリーブ油、ごま油又はヤシ油のような植物油、又は流動パラフィンのような鉱物油に懸濁させることにより製造することができる。油懸濁液は、増粘剤、例えば蜜蝋、固形パラフィン又はセチルアルコールを含有することができる。上記甘味剤及び矯味剤を添加することにより口に合う製剤を提供する。酸化防止剤、例えばブチルヒドロキシアニソール又はα-トコフェロールを添加することにより、これらの組成物を保存することができる。
【0035】
水を添加することにより、水懸濁液の製造に適用する分散可能な粉末及び顆粒を用いて、活性成分と混合のための分散剤又は湿潤剤、懸濁剤又は1種又は複数種の防腐剤を提供することができる。適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤は、上記例を説明することができる。さらに、他の賦形剤、例えば甘味剤、矯味剤及び着色剤を添加することができる。酸化防止剤、例えばアスコルビン酸を添加することにより、これらの組成物を保存する。
【0036】
本発明の医薬組成物も、水中油型エマルションの形態である。油相は、オリーブ油若しくはピーナッツ油のような植物油、又は流動パラフィンのような鉱物油、又はそれらの混合物であってよい。適切な乳化剤は、天然に産生されるリン脂質(例えば大豆レシチン)、脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導されたエステル又は部分エステル(例えばソルビタンモノオレエート)、前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物(例えばポリエチレンオキシドソルビットモノオレエート)であってよい。乳剤も甘味剤、矯味剤、防腐剤及び酸化防止剤を含有することができる。甘味剤、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール又はスクロースでシロップ及びエリキシル剤を製造することができる。このような製剤も緩和剤、防腐剤、着色剤及び酸化防止剤を含有することができる。
【0037】
医薬組成物は、無菌注射水溶液の形態であってよい。使用される許容可能な溶媒及び溶剤は、水、リンガー溶液及び等張食塩水を含む。無菌注射製剤は、活性成分が油相に溶解される無菌注射水中油型マイクロエマルションであってよい。例えば、活性成分を大豆油とレシチンの混合物に溶解する。次に油溶液を水とグリセリンの混合物に添加し処理してマイクロエマルションを形成する。局所的に大量に注射することにより、注射液又はマイクロエマルションを患者の血流に注入することができる。又は、本発明の化合物の一定の循環濃度を保持できる方式で、溶液とマイクロエマルションを投与することが好ましい。このような一定の濃度を保持するために、連続静脈内投与装置を用いることができる。このような装置の例はDeltecCADD-PLUS.TM.5400型の静脈注射ポンプである。
【0038】
医薬組成物は、筋肉内及び皮下投与用の無菌注射水又は油懸濁液の形態であってよい。既知の技術に応じて、上記適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤で該懸濁液を製造することができる。無菌注射製剤も非毒性の非経口投与に許容可能な希釈剤又は溶剤中で製造された無菌注射溶液又は懸濁液、例えば1,3-ブチレングリコールで製造された溶液であってよい。また、無菌不揮発性油を溶剤又は懸濁媒体としやすい。この目的のために、合成したモノグリセリド又はジグリセリドを含む任意のブレンド不揮発性油を使用することができる。また、脂肪酸、例えばオレイン酸も、注射剤の製造に用いられる。
【0039】
直腸投与のための坐薬形態で本発明の化合物を投与することができる。薬物を、通常の温度で固体であるが直腸中に液体であるため、直腸中に溶けて薬物を放出する適切な非刺激性の賦形剤と混合して、これらの医薬組成物を製造することができる。このような物質は、カカオ脂、グリセロゼラチン、水素化植物油、各種分子量のポリエチレングリコール及びポリエチレングリコールの脂肪酸エステルの混合物を含む。
【0040】
当業者によく知られているように、薬物の投与量は、様々な要因に依存し、使用される特定化合物の活性、患者の年齢、患者の体重、患者の健康状況、患者の行動、患者の食事、投与時間、投与方式、排泄の速度、薬物の組み合わせなどの要因を含むが、これらに限定されず、また、最適な治療方式、例えば治療のモード、一般式化合物の日用量又は薬学的に許容される塩の種類は、従来の治療プランに基づいて検証することができる。
【0041】
本発明は、一般式Iのピロロ芳香族複素環骨格を含有する化合物及びその薬学的に許容可能な塩、水和物又は溶媒和物を活性成分として含有し、薬学的に許容可能な担体又は賦形剤と混合して組成物を製造し、かつ臨床的に許容できる剤型を製造することができる。他の不利な作用、例えばアレルギー反応等が発生しない限り、本発明の誘導体は、他の活性成分と組み合わせて使用することができる。本発明の化合物は、唯一の活性成分としてもよいし、BTK活性に関連する疾患を治療する他の薬物と併用してもよい。併用治療は、各治療成分を同時、別途又は連続的に投与することにより実現される。
【0042】
本発明では、BTK活性試験により、本発明の化合物がBTKキナーゼの活性を顕著に調節する効果を有するため、BTKの活性に関連する疾患、例えば炎症、自己免疫性疾患、癌又は他の疾患の治療及び/又は予防に用いることができることを発見した。特にリウマチ様関節炎、乾癬、及び/又は軟骨の劣化、骨関節の劣化に関連する疾患を治療及び/又は予防する薬物の製造に用いられる。
【0043】
発明の詳細な説明:
特に反する記載がない限り、明細書及び特許請求の範囲に用いられる用語は、下記の意味を有する。
【0044】
用語「アルキル基」とは、1~20個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖基である飽和脂肪族炭化水素基を指し、好ましくは、1~12個の炭素原子を含有するアルキル基であり、より好ましくは、1~6個の炭素原子を含有するアルキル基である。非限定的な例は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、s-ブチル基、n-ペンチル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、n-ヘキシル基、1-エチル-2-メチルプロピル基、1,1,2-トリメチルプロピル基、1,1-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、2,3-ジメチルブチル基、n-ヘプチル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、4-メチルヘキシル基、5-メチルヘキシル基、2,3-ジメチルペンチル基、2,4-ジメチルペンチル基、2,2-ジメチルペンチル基、3,3-ジメチルペンチル基、2-エチルペンチル基、3-エチルペンチル基、n-オクチル基、2,3-ジメチルヘキシル基、2,4-ジメチルヘキシル基、2,5-ジメチルヘキシル基、2,2-ジメチルヘキシル基、3,3-ジメチルヘキシル基、4,4-ジメチルヘキシル基、2-エチルヘキシル基、3-エチルヘキシル基、4-エチルヘキシル基、2-メチル-2-エチルペンチル基、2-メチル-3-エチルペンチル基、n-ノニル基、2-メチル-2-エチルヘキシル基、2-メチル-3-エチルヘキシル基、2,2-ジエチルペンチル基、n-デシル基、3,3-ジエチルヘキシル基、2,2-ジエチルヘキシル基及びその様々な分岐鎖異性体等を含む。より好ましくは、1~6個の炭素原子を含有する低級アルキル基であり、非限定的な例は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、s-ブチル基、n-ペンチル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、n-ヘキシル基、1-エチル-2-メチルプロピル基、1,1,2-トリメチルプロピル基、1,1-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、2,3-ジメチルブチル基等を含む。アルキル基は、置換されるか又は置換されなくてよく、置換された場合、置換基は、任意の使用可能な接続点で置換されてよく、前記置換基は、好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ハロゲン、メルカプト基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルコキシ基、ヘテロシクロアルコキシ基、シクロアルキルチオ基、ヘテロシクロアルキルチオ基、オキソ基、カルボキシル基又はカルボン酸エステル基から独立して選択される1つ以上の基である。
【0045】
用語「アルケニル基」とは、少なくとも2つの炭素原子及び少なくとも1つの炭素-炭素二重結合からなる上記で定義されたようなアルキル基、例えばビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-、2-又は3-ブテニル基等を指す。アルケニル基は、置換されるか又は置換されなくてよく、置換された場合、置換基は、好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ハロゲン、メルカプト基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルコキシ基、ヘテロシクロアルコキシ基、シクロアルキルチオ基、ヘテロシクロアルキルチオ基から独立して選択される1つ以上の基である。
【0046】
用語「アルキニル基」とは、少なくとも2つの炭素原子及び少なくとも1つの炭素-炭素三重結合からなる上記で定義されたようなアルキル基、例えばエチニル基、プロピニル基、ブチニル基等を指す。アルキニル基は、置換されるか又は置換されなくてよく、置換された場合、置換基は、好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ハロゲン、メルカプト基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルコキシ基、ヘテロシクロアルコキシ基、シクロアルキルチオ基、ヘテロシクロアルキルチオ基から独立して選択される1つ以上の基である。
【0047】
用語「シクロアルキル基」とは、飽和又は一部不飽和の単環又は多環式環状炭化水素置換基を指し、シクロアルキル環は、3~20個の炭素原子を含み、好ましくは、3~12個の炭素原子を含み、より好ましくは、3~6個の炭素原子を含む。単環式シクロアルキル基の非限定的な例は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロヘプチル基、シクロヘプタトリエニル基、シクロオクチル基等を含み、多環式シクロアルキル基は、スピロ環、縮合環及び橋かけ環式シクロアルキル基を含む。
【0048】
用語「スピロシクロアルキル基」とは、5~20員の単環間に1つの炭素原子(スピロ原子と呼ばれる)を共有し、1つ以上の二重結合を含有してよいが、完全に共役したπ電子系を有する環がない多環式基を指す。好ましくは、6~14員であり、より好ましくは、7~10員である。環同士が共有するスピロ原子の数量に応じて、スピロシクロアルキル基を単環式スピロシクロアルキル基、二環式スピロシクロアルキル基又は多環式スピロシクロアルキル基に分け、好ましくは、単環式スピロシクロアルキル基及び二環式スピロシクロアルキル基である。より好ましくは、4員/4員、4員/5員、4員/6員、5員/5員又は5員/6員の単環式スピロシクロアルキル基である。スピロシクロアルキル基の非限定的な例は、
【化15】
を含む。
【0049】
用語「縮合シクロアルキル基」とは、系における各環と系における他の環とが、隣接した一対の炭素原子を共有し、1つ以上の環が、1つ以上の二重結合を含有してよいが、完全に共役したπ電子系を有する環がない5~20員の全炭素多環式基を指す。好ましくは、6~14員であり、より好ましくは、7~10員である。構成する環の数量に応じて、二環、三環、四環又は多環式縮合シクロアルキル基に分けられてよく、好ましくは、5員/5員又は5員/6員のビシクロアルキル基である。縮合シクロアルキル基の非限定的な例は、
【化16】
を含む。
【0050】
用語「橋かけ環式シクロアルキル基」とは、いずれか2つの環が直接結合しない2つの炭素原子を共有し、1つ以上の二重結合を含有してよいが、完全に共役したπ電子系を有する環がない5~20員の全炭素多環式基を指す。好ましくは、6~14員であり、より好ましくは、7~10員である。構成する環の数量に応じて、二環、三環、四環又は多環式橋かけ環式シクロアルキル基に分けられてよく、好ましくは、二環、三環又は四環であり、より好ましくは、二環又は三環である。橋かけ環式シクロアルキル基の非限定的な例は、
【化17】
を含む。
【0051】
前記シクロアルキル環は、アリール基、ヘテロアリール基又はヘテロシクロアルキル環に縮合されてよく、親構造に結合された環は、シクロアルキル基であり、非限定的な例は、インダニル基、テトラヒドロナフチル基、ベンゾシクロヘプタン基等を含む。アルキニル基は、任意に置換されるか又は置換されなくてよく、置換された場合、置換基は、好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ハロゲン、メルカプト基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルコキシ基、ヘテロシクロアルコキシ基、シクロアルキルチオ基、ヘテロシクロアルキルチオ基、オキソ基、カルボキシル基又はカルボン酸エステル基から独立して選択される1つ以上の基である。
【0052】
用語「複素環基」とは、3~20個の環構成原子を含み、1つ以上の環構成原子が窒素、酸素又はS(O)m(mが0~2の整数である)から選択されるヘテロ原子であるが、-O-O-、-O-S-又は-S-S-の環部分を含まず、他の環構成原子が炭素である飽和又は一部不飽和の単環又は多環式環状炭化水素置換基を指す。好ましくは、3~12個の環構成原子を含み、そのうちの1~4個がヘテロ原子であり、最も好ましくは、3~8個の環構成原子を含み、そのうちの1~3個がヘテロ原子であり、最も好ましくは、5~7個の環構成原子を含み、そのうちの1~2個又は1~3個がヘテロ原子である。単環式複素環基の非限定的な例は、ピロリジル基、イミダゾリル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチエニル基、ジヒドロイミダゾリル基、ジヒドロフラン基、ジヒドロピラゾリル基、ジヒドロピロリル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、ホモピペラジニル基、ピラニル基等を含む、好ましくは、1,2,5-オキサジアゾリル基、ピラニル基又はモルホリニル基である。多環式複素環基は、スピロ環、縮合環及び橋かけ環式複素環基を含む。
【0053】
用語「スピロ複素環基」とは、5~20員の単環間に1つの原子(スピロ原子と呼ばれる)を共有し、1つ以上の環構成原子が窒素、酸素又はS(O)m(mが0~2の整数である)から選択されるヘテロ原子であり、他の環構成原子が炭素である多環式複素環基を指す。1つ以上の二重結合を含有してよいが、完全に共役したπ電子系を有する環がない。好ましくは、6~14員であり、より好ましくは、7~10員である。環同士が共有するスピロ原子の数量に応じて、スピロ複素環基を単環式スピロ複素環基、二環式スピロ複素環基又は多環式スピロ複素環基に分け、好ましくは、単環式スピロ複素環基と二環式スピロ複素環基である。より好ましくは、4員/4員、4員/5員、4員/6員、5員/5員又は5員/6員の単環式スピロ複素環基である。スピロ複素環基の非限定的な例は、
【化18】
を含む。
【0054】
用語「縮合複素環基」とは、系における各環と系における他の環が、隣接した一対の原子を共有し、1つ以上の環が、1つ以上の二重結合を含有してよいが、完全に共役したπ電子系を有する環がなく、かつ1つ以上の環構成原子が窒素、酸素、又はS(O)m(mが0~2の整数である)から選択されるヘテロ原子であり、他の環構成原子が炭素である5~20員の多環式複素環基を指す。好ましくは、6~14員であり、より好ましくは、7~10員である。構成する環の数量に応じて、二環、三環、四環又は多環式縮合複素環基に分けられてよく、より好ましくは、5員/5員又は5員/6員の二環式縮合複素環基である。縮合複素環基の非限定的な例は、
【化19】
を含む。
【0055】
用語「橋かけ環式複素環基」とは、いずれか2つの環が直接結合しない2つの原子を共有し、1つ以上の二重結合を含有してよいが、完全に共役したπ電子系を有する環がなく、かつ1つ以上の環構成原子が窒素、酸素又はS(O)m(mが0~2の整数である)から選択されるヘテロ原子であり、他の環構成原子が炭素である5~14員の多環式複素環基を指す。好ましくは、6~14員であり、より好ましくは、7~10員である。構成する環の数量に応じて、二環、三環、四環又は多環式橋かけ環式複素環基に分けられてよく、好ましくは、二環、三環又は四環であり、より好ましくは、二環又は三環である。橋かけ環式複素環基の非限定的な例は、
【化20】
を含む。
【0056】
前記複素環基環は、アリール基、ヘテロアリール基又はシクロアルキル環に縮合されてよく、親構造に結合された環は複素環基であり、その非限定的な例は、
【化21】
を含む。
【0057】
複素環基は、任意に置換されるか又は置換されなくてよく、置換された場合、置換基は、好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ハロゲン、メルカプト基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルコキシ基、ヘテロシクロアルコキシ基、シクロアルキルチオ基、ヘテロシクロアルキルチオ基、オキソ基、カルボキシル基又はカルボン酸エステル基から独立して選択される1つ以上の基である。
【0058】
用語「アリール基」とは、共役したπ電子系を有する6-14員の全炭素単環又は縮合多環式(つまり、隣接した炭素原子対を共有する環)基を指し、好ましくは、6-10員であり、例えばフェニル基及びナフチル基である。より好ましくは、フェニル基である。前記アリール環は、ヘテロアリール基、複素環基又はシクロアルキル基の環に縮合されてよく、親構造に結合された環はアリール環であり、その非限定的な例は、
【化22】
を含む。
【0059】
アリール基は、置換されるか又は置換されなくてよく、置換された場合、置換基は、好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ハロゲン、メルカプト基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルコキシ基、ヘテロシクロアルコキシ基、シクロアルキルチオ基、ヘテロシクロアルキルチオ基、カルボキシル基又はカルボン酸エステル基から独立して選択される1つ以上の基である。
【0060】
用語「ヘテロアリール基」とは、酸素、硫黄及び窒素から選択される1~4個のヘテロ原子、5~14個の環構成原子を含むヘテロ芳香族系を指す。ヘテロアリール基は、好ましくは、5~10員であり、1~3個のヘテロ原子を含有し、より好ましくは、5員又は6員であり、1~2個のヘテロ原子を含有し、好ましくは、例えば、イミダゾリル基、フリル基、チエニル基、チアゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、ピロリル基、テトラゾール基、ピリジル基、ピリミジル基、チアジアゾール、ピラジニル基等であり、好ましくは、イミダゾリル基、チアゾリル基、ピラゾリル基又はピリミジニル基、チアゾリル基であり、より好ましくは、ピラゾリル基又はチアゾリル基である。前記ヘテロアリール基は、アリール基、複素環基又はシクロアルキル基の環に縮合されてよく、親構造に結合された環はヘテロアリール環であり、その非限定的な例は、
【化23】
を含む。
【0061】
ヘテロアリール基は、任意に置換されるか又は置換されなくてよく、置換された場合、置換基は、好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ハロゲン、メルカプト基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルコキシ基、ヘテロシクロアルコキシ基、シクロアルキルチオ基、ヘテロシクロアルキルチオ基、カルボキシル基又はカルボン酸エステル基から独立して選択される1つ以上の基である。
【0062】
用語「アルコキシ基」は、-O-(アルキル基)及び-O-(非置換のシクロアルキル基)を指し、アルキル基の定義は上述のとおりである。アルコキシ基の非限定的な例は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基を含む。アルコキシ基は、任意に置換されるか又は置換されなくてよく、置換された場合、置換基は、好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ハロゲン、メルカプト基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルコキシ基、ヘテロシクロアルコキシ基、シクロアルキルチオ基、ヘテロシクロアルキルチオ基、カルボキシル基又はカルボン酸エステル基から独立して選択される1つ以上の基である。
【0063】
用語「ハロゲン化アルキル基」とは、1つ以上のハロゲンで置換されたアルキル基を指し、アルキル基は、上記で定義したようなものである。
【0064】
用語「ハロゲン化アルコキシ基」とは、1つ以上のハロゲンで置換されたアルコキシ基を指し、アルコキシ基は、上記で定義したようなものである。
【0065】
用語「ヒドロキシアルキル基」とは、ヒドロキシ基で置換されたアルキル基を指し、アルキル基は、上記で定義したようなものである。
【0066】
用語「ヒドロキシ基」とは、-OH基を指す。
【0067】
用語「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を指す。
【0068】
用語「アミノ基」とは、-NHを指す。
【0069】
用語「シアン基」とは、-CNを指す。
【0070】
用語「ニトロ基」とは、-NOを指す。
【0071】
用語「オキソ基」とは、=Oを指す。
【0072】
用語「カルボキシル基」とは、-C(O)OHを指す。
【0073】
用語「メルカプト基」とは、-SHを指す。
【0074】
用語「エステル基」とは、-C(O)O(アルキル基)又は-C(O)O(シクロアルキル基)を指し、アルキル基及びシクロアルキル基は、上記で定義したようなものである。
【0075】
用語「アシル基」とは、-C(O)R基を含有する化合物を指し、Rは、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基である。
【0076】
用語「スルホン酸基」とは、-S(O)OHを指す。
【0077】
用語「スルホン酸エステル基」とは、-S(O)O(アルキル基)又は-S(O)O(シクロアルキル基)を指し、アルキル基及びシクロアルキル基は、上記で定義したようなものである。
【0078】
「任意」又は「任意に」は、後に記載されるイベント又は環境が発生してよいが、必ずしも発生することではないことを意味し、該説明は、該イベント又は環境が発生するか又は発生しない場合を含む。例えば、「任意にアルキル基で置換された複素環基」は、アルキル基が存在してよいが、必ずしも存在するものではないことを意味し、該説明は、複素環基がアルキル基で置換される場合と、複素環基がアルキル基で置換されない場合とを含む。
【0079】
「置換」とは、基における1つ以上の水素原子、好ましくは最多5個、より好ましくは1~3個の水素原子がそれぞれ独立して、対応する数量の置換基で置換されることを指す。置換基が可能な化学部位のみにあることは言うまでもない。当業者であれば、努力することなく、(実験又は理論により)可能又は不可能な置換を特定することができる。例えば、遊離水素を有するアミノ基又はヒドロキシル基と、不飽和結合を有する炭素原子(例えば、エチレン系)とが結合する場合、安定しない可能性がある。
【0080】
「医薬組成物」は、1種又は複数種の本発明に記載の化合物又はその生理学的/薬学的に許容される塩又はプロドラッグと他の化学成分の混合物、及び生理学的/薬学的に許容される担体と賦型剤のような他の成分を含有するものを示す。医薬組成物は、生体への投与を促進し、活性成分の吸収を容易にすることにより、生物学的活性を発揮することを目的とする。
【0081】
「薬学的に許容される塩」は、本発明の化合物の塩を意味し,このような塩は、哺乳動物の体内に投与する場合に安全性及び有効性を有し、かつ所望の生物学的活性を有する。
【0082】
本発明の化合物の合成方法
本発明の目的を達成するために、本発明は、以下の技術手段を採用する。
【0083】
本発明の一般式Iで示される化合物又はその塩の製造方法は以下のとおりである。
1)WがNである場合、スキーム1の方法に従い、化合物Iaを出発原料として、Suzuki反応、カップリング及び脱保護反応を経て一般式Iの化合物を得ることができる。
【化24】
スキーム1における合成:
高温アルカリ性条件下で、触媒作用下で、化合物Iaと、対応するホウ酸又はホウ酸ピナコールエステル系化合物とを反応させて化合物Ibを得て、前記アルカリ性の試薬は、好ましくは、炭酸カリウム又は炭酸ナトリウムであり、前記触媒は、好ましくは、Pd(dppf)Cl又はPd(PPhであり、前記温度は、好ましくは、80~100℃であり、次に、高温アルカリ性条件下で、化合物Ibと、H-X-Y-Zとを反応させて化合物Icを得て、前記アルカリ性の試薬は、好ましくは、炭酸カリウムであり、前記温度は、好ましくは、80~120℃であり、最後に、化合物Icを、まず酸性条件で、さらにアンモニア水で処理した後に一般式Iの化合物を得て、前記酸性の試薬は、好ましくは、トリフルオロ酢酸である。
2)WがCRである場合、スキーム2の方法に従い、Idを出発原料として、ヨウ素化反応、Sonogashinaカップリング反応、閉環反応、SEM保護、カップリング及び脱保護反応を経て一般式Iの化合物を得ることができる。
【化25】
スキーム2における合成:
高温条件下で、化合物IdとIClとを反応させてヨウ素化生成物Ieを得て、前記温度は、好ましくは、40℃であり、次に、アルカリ性条件下で、触媒作用下で、化合物Ieと、対応するアルキン系化合物とをSonogashinaカップリング反応させて化合物Ifを得て、前記アルカリ性の試薬は、好ましくは、トリエチルアミンであり、前記触媒は、好ましくは、Pd(PhP)Cl及びCuIであり、次に、高温アルカリ性条件下で、化合物Ifを閉環反応させて化合物Igを得て、前記アルカリ性の試薬は、好ましくは、カリウムtert-ブトキシドであり、前記温度は、好ましくは、70℃であり、次に、アルカリ性条件下で、化合物IgとSEMClとを反応させて化合物Ihを得て、前記アルカリ性の試薬は、好ましくは、NaHであり、さらに、高温アルカリ性条件下で、化合物Ihと、H-X-Y-Zとを反応させて化合物Ijを得て、前記アルカリ性の試薬は、好ましくは、炭酸カリウムであり、前記温度は、好ましくは、80~120℃であり、最後に、化合物Ijを、まず酸性条件で、さらにアンモニア水で処理した後に一般式Iの化合物を得て、前記酸性の試薬は、好ましくは、トリフルオロ酢酸である。
【発明を実施するための形態】
【0084】
以下、実施例と合わせて本発明をさらに説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
【0085】
化合物の構造は、核磁気共鳴(NMR)又は/及び質量分析(MS)により決定される。NMR変位は、10-6(ppm)の単位で与えられる。NMRの測定は、Brukerdps300型核磁気計を用いて、測定溶媒が重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d)、重水素化クロロホルム(CDCl)、重水素化メタノール(CDOD)であり、内部標準がテトラメチルシラン(TMS)である。
MSの測定は、1100SeriesLC/MSDTrap(ESI)質量分析計(メーカー:Agilent,)を用いる。
【0086】
液相の製造は、lc3000高速液体クロマトグラフ及びlc6000高速液体クロマトグラフ(メーカー:創新通恒)を用いる。
【0087】
HPLCの測定は、島津LC-20AD高速液体クロマトグラフ(AgilentTC-C18250×4.6mm5vmクロマトグラフィーカラム)と島津LC-2010AHT高速液体クロマトグラフ(PhenomenexC18250×4.6mm5umクロマトグラフィーカラム)を用いる。
【0088】
キナーゼ平均抑制率及びIC50値の測定は、多機能Cytation3マイクロプレートリーダー(米国Bioteck社)を用いる。
【0089】
薄層クロマトグラフィーシリカゲルプレートは、青島海洋化工GF254シリカゲルプレートを用いて、薄層クロマトグラフィー(TLC)において使用されたシリカゲルプレートの規格は0.15mm~0.2mmであり、薄層クロマトグラフィーにより製品を分離精製する規格は0.4mm~0.5mmである。
【0090】
カラムクロマトグラフィーは、一般的に、青島海洋シリカゲル100~200メッシュ、200~300メッシュのシリカゲルを担体として用いる。
【0091】
本発明の既知の出発原料は、当分野において公知の方法に従って合成してよいか、又は網化商城、北京偶合、Sigma、百霊威、易世明、上海書亜、伊諾凱、安耐吉化学などの会社から購入することができる。
【0092】
実施例では、別途記載されない限り、反応は、いずれもアルゴン雰囲気又は窒素雰囲気下で行うことができる。
【0093】
アルゴン雰囲気又は窒素雰囲気は、反応瓶に約1Lの容積のアルゴンガス又は窒素ガスバルーンを接続することを指す。
【0094】
マイクロ波反応には、CEMSDiscoverSP型マイクロ波反応器を用いる。
【0095】
実施例では、別途記載されない限り、溶液とは、水溶液を指す。
【0096】
実施例では、別途記載されない限り、反応の温度は室温で、20℃~30℃である。
【0097】
実施例における反応プロセスの監視は、薄層クロマトグラフィー(TLC)を用いて、反応において用いられる展開剤系は、A:ジクロロメタン及びメタノール系と、B:n-ヘキサン及び酢酸エチル系と、C:石油エーテル及び酢酸エチル系と、D:アセトンと、を含み、溶剤の体積比は、化合物の極性によって調節される。
【0098】
化合物を精製する場合に採用されたカラムクロマトグラフィーの溶離剤系及び薄層クロマトグラフィーの展開剤系は、A:ジクロロメタン及びメタノール系と、B:n-ヘキサン及び酢酸エチル系と、C:石油エーテル及び酢酸エチル系と、を含み、溶剤の体積比は、化合物の極性によって調節され、さらに少量のトリエチルアミンと酢酸等のアルカリ性又は酸性試薬を添加して調節することができる。
【0099】
実施例1:N-(3-((5-クロロ-2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)オキシ)ベンゼン)アクリルアミドの製造
【化26】
ステップ1:4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンズアルデヒド(中間体1A)の合成
4-フルオロベンズアルデヒド(5g、40mmol)を30mLの水に溶解し、N-メチルピペラジン(6.86g、68mmol)と炭酸ナトリウム(7.26g、68mmol)を添加し、反応液を100℃に加熱し16時間撹拌する。反応液を室温まで冷却し、100mLの水を添加し、ジクロロメタン(50mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮した後にn-ヘキサン(100mL)でパルプ化し、濾過し、濾過ケーキをn-ヘキサンで洗浄し、7gの黄色固体状の標題生成物を得て、収率が85%である。
【0100】
ステップ2:1-(4-エチニルフェニル)-4-メチルピペラジン(中間体1B)の合成
TMSCH(18mL、36mmol)を無水テトラヒドロフラン(50mL)に溶解し、窒素雰囲気下で温度を-78℃まで下げ、n-BuLi(14.4mL、36mmol)を徐々に滴下し、滴下が完了した後、-78℃で1時間反応し続ける。4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンズアルデヒド(6.12g、30mmol)を無水テトラヒドロフラン(20mL)に溶解して徐々に反応液に滴下し、滴下が完了した後に1時間撹拌し続け、その後に室温までゆっくり昇温し、1時間撹拌し続ける。反応液に飽和塩化アンモニウム溶液(50mL)を添加してクエンチし、酢酸エチル(100mL×2)を添加して抽出し、有機相を合わせ、さらに飽和食塩水(100mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮した後、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、ジクロロメタン:メタノール=50:1~ジクロロメタン:メタノール=10:1)により精製して、5gの黄色固体状の標題生成物を得て、収率が83%である。
【0101】
ステップ3:4-ブロモ-5-クロロピリジン-2-アミン(中間体1C)の合成
4-ブロモピリジン-2-アミン(17.3g、100mmol)をDMF(200mL)に溶解し、温度を-20℃まで下げ、NCS(14.7g、110mmol)を数回に分けて添加した後、反応液を室温までゆっくり昇温し、24時間撹拌する。反応が完了した後、反応液に200mLの水を添加し、酢酸エチル(100m×3)で抽出し、有機相を合わせ、次に飽和食塩水(100mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、石油エーテル:酢酸エチル=5:1~石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製し、15gの黄色固体状の標題生成物を得て、収率が72%である。
【0102】
ステップ4:4-ブロモ-5-クロロ-3-ヨードピリジン-2-アミン(中間体1D)の合成
4-ブロモ-5-クロロピリジン-2-アミン(15g、72mmol)をDMF(200mL)に溶解し、40℃まで昇温し、ICl(12.2g、75mmol)を添加し、4時間撹拌し続け、ICl(13g、80mmol)を追加し、追加した後に4時間撹拌し続け、さらにICl(10.0g、62mmol)を追加し、追加した後に24時間撹拌し続ける。反応が完了した後、室温まで冷却し、反応液に水(200mL)を添加し、次にジクロロメタン(200mL×3)を添加して抽出し、有機相を合わせ、さらにチオ硫酸ナトリウム水溶液(100mL×3)及び飽和食塩水(100mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、石油エーテル:酢酸エチル=5:1~石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製し、12gの黄褐色固体状の標題生成物を得て、収率が50%である。
【0103】
ステップ5:4-ブロモ-5-クロロ-3-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)エチニル)ピリジン-2-アミン(中間体1E)の合成
4-ブロモ-5-クロロ-3-ヨードピリジン-2-アミン(5g、15mmol)をDMF(50mL)に溶解し、1-(4-エチニルフェニル)-4-メチルピペラジン(3g、15mmol)、Pd(PhP)Cl(1.05g、1.5mmol)、ヨウ化第一銅(570mg、3mmol)及びトリエチルアミン(50mL)を添加した後、窒素ガスで3回置換し、窒素ガス雰囲気下で、室温で24時間撹拌する。反応が完了した後、反応液に水(200mL)を添加し、ジクロロメタン(100m×3)で抽出し、有機相を合わせ、次に飽和食塩水(100mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、ジクロロメタン:メタノール=50:1~ジクロロメタン:メタノール=10:1)により精製し、3gの黄褐色固体状の標題生成物を得て、収率が50%である。
【0104】
ステップ6:4-ブロモ-5-クロロ-2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(中間体1F)の合成
4-ブロモ-5-クロロ-3-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)エチニル)ピリジン-2-アミン(3g、7.4mmol)をNMP(50mL)に溶解し、カリウムtert-ブトキシド(1.0g、8.9mmol)を数回に分けて添加した後、70℃まで昇温して5時間反応させる。反応が完了した後、飽和塩化アンモニウム溶液(20mL)を添加してクエンチし、酢酸エチル(100mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、さらに飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮した後、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、ジクロロメタン:メタノール=50:1~ジクロロメタン:メタノール=10:1)により精製して、1.5gの黄褐色固体状の標題生成物を得て、収率が50%である。
【0105】
ステップ7:4-ブロモ-5-クロロ-2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(中間体1G)の合成
4-ブロモ-5-クロロ-2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(1.5g、3.7mmol)を無水テトラヒドロフラン(50mL)に溶解し、温度を0℃まで下げ、NaH(0.22g、5.5mmol)を添加し、反応液を0℃で1時間撹拌し続け、さらにSEMCl(0.74g、4.4mmol)を添加した後、室温までゆっくり昇温し、2時間撹拌し続ける。反応が完了した後、飽和塩化アンモニウム溶液(20mL)を添加してクエンチし、酢酸エチル(50mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、さらに飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮した後、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、石油エーテル:酢酸エチル=5:1~石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製して、1.2gの黄色油状物の標題生成物を得て、収率が60%である。
【0106】
ステップ8:3-((5-クロロ-2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)オキシ)アニリン(中間体1H)の合成
4-ブロモ-5-クロロ-2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(0.8g、1.5mmol)をトルエン(100mL)に溶解し、3-アミノフェノール(0.2g、1.8mmol)、Pd(dba)(0.137g、0.15mmol)、Xantphos(0.173g、0.3mmol)、KCO(0.41g、3mmol)を添加し、反応液を窒素ガスで3回置換した後、窒素ガス雰囲気下で3時間還流する。反応が完了した後、減圧濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、ジクロロメタン:メタノール=50:1~ジクロロメタン:メタノール=10:1)により精製し、0.6gの黄色固体状の標題生成物を得て、収率が72%である。
【0107】
ステップ9:N-(3-((5-クロロ-2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド(中間体1I)の合成
3-((5-クロロ-2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)オキシ)アニリン(0.6g、1mmol)をTHF/HO(30mL/50mL)の混合溶液に溶解し、温度を0℃まで下げ、NaHCO(180mg、2mmol)を添加し、さらに塩化アクリル(100mg、1mmol)を添加し、その後に0℃で1時間撹拌し続ける。反応が完了した後、酢酸エチル(50mL×3)を添加して抽出し、有機相を合わせ、さらに飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮した後、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、ジクロロメタン:メタノール=50:1~ジクロロメタン:メタノール=10:1)により精製して、0.5gの黄色固体状の標題生成物を得て、収率が77%である。
【0108】
ステップ10:N-(3-((5-クロロ-2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)オキシ)ベンゼン)アクリルアミドの合成(化合物1)
N-(3-((5-クロロ-2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド(0.5g、0.8mmol)をジクロロメタン(15mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(15mL)を添加し、反応液を室温で24時間撹拌する。反応が完了した後、減圧濃縮し、残留物を製造された液相で精製し、30mgの淡黄色固体状の標題生成物を得て,収率が7.9%である。
【0109】
MS:m/z=488.3[M+H]
【0110】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.39(s,1H)、10.20(s,1H)、9.73(s,1H)、8.27(s,1H)、7.72-7.74(m,2H)、7.46(m,1H)、7.37(m,2H)、7.02(m,3H)、6.79(m,1H)、6.35(m,1H)、6.19(m,2H)、5.72(m,1H)、3.95(m,2H)、3.50(m,2H)、3.13(m,2H)、3.01(m,2H)、2.85(s,3H)。
【0111】
実施例2:N-(3-((5-フルオロ-2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)オキシ)ベンゼン)アクリルアミドの製造
【化27】
4-ブロモ-5-クロロピリジン-2-アミン(中間体1C)の代わりに4-ブロモ-5-フルオロピリジン-2-アミンを使用する以外、実施例1の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0112】
MS:m/z=471.3[M+H]
【0113】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.51(s,1H)、10.33(s,1H)、8.29(s,1H)、7.69-7.78(m,2H)、7.40(m,1H)、7.33(m,1H)、6.94-7.03(m,3H)、6.80(m,1H)、6.41(m,1H)、6.24(m,2H)、5.70(m,1H)、3.72(m,4H)、3.14(m,2H)、2.99(m,2H)、2.87(s,3H)。
【0114】
実施例3:N-(3-((5-シアノ-2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)オキシ)ベンゼン)アクリルアミドの製造
【化28】
4-ブロモ-5-クロロピリジン-2-アミン(中間体1C)の代わりに6-アミノ-4-ブロモニコチンを使用する以外、実施例1の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0115】
MS:m/z=479.4[M+H]
【0116】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.55(s,1H)、10.33(s,1H)、8.41(s,1H)、7.80(m,2H)、7.50(m,1H)、7.39(m,2H)、7.10(m,3H)、6.85(m,1H)、6.39(m,1H)、6.21(m,2H)、5.75(m,1H)、3.78(m,4H)、3.13(m,4H)、2.85(s,3H)。
【0117】
実施例4:N-(3-((5-メチル-2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)オキシ)ベンゼン)アクリルアミドの製造
【化29】
4-ブロモ-5-クロロピリジン-2-アミン(中間体1C)の代わりに4-ブロモ-5-メチルピリジン-2-アミンを使用する以外、実施例1の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0118】
MS:m/z=479.4[M+H]
【0119】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.69(s,1H)、10.51(s,1H)、8.10(s,1H)、7.66-7.74(m,2H)、7.40(m,1H)、7.35(m,2H)、6.97(m,3H)、6.76(m,1H)、6.33(m,1H)、6.20(m,2H)、5.70(m,1H)、3.93-3.99(m,2H)、3.46-3.53(m,2H)、3.13(m,2H)、2.99(m,2H)、2.90(s,3H)。
【0120】
実施例5:N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化30】
ステップ1:6-ブロモ-4-クロロ-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(中間体5A)の合成
1.1g(4.72mmol)の6-ブロモ-4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(網化商城から購入)を40mLのTHFに溶解し、得られた溶液を0~5℃に冷却した後、その中に283mg(7.08mmol)のNaHを添加し、該温度で反応液を1時間撹拌し、さらに1.2g(7.08mmol)のSEM-Clを添加し、反応液を3時間撹拌し続ける。40mLの飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチし、40mLのジクロロメタンで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、かつ無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、石油エーテル:酢酸エチル=20:1~石油エーテル:酢酸エチル=5:1)により精製して、900mgの白色固体状の標題生成物を得て、収率が52.6%である。
【0121】
ステップ2:4-クロロ-6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(中間体5B)の合成
6-ブロモ-4-クロロ-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(900mg、2.48mmol)を100mLの反応フラスコに入れ、その中に(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸(491mg、2.23mmol)、50mLのジオキサン、炭酸ナトリウム(632mg、5.96mmol)、5mLの水、Pd(dppf)Cl(100mg、0.14mmol)を順に添加する。アルゴン雰囲気下で、混合物を80℃に加熱し、かつ4時間撹拌反応させる。反応液を室温まで冷却し、乾燥まで減圧濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤:酢酸エチル)により精製し、600mgの褐色油状物の標題生成物を得て、収率が52.8%である。
【0122】
ステップ3:N-(6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)ベンゼン-1,3-ジアミン(中間体5C)の合成

窒素ガス雰囲気下で、4-クロロ-6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(600mg、1.31mmol)、1,3-フェニレンジアミン(284mg、2.62mmol)、TsOH(226mg、1.31mmol)、25mLのn-BuOHを反応フラスコに順に添加し、混合物を100℃に加熱して2時間反応させる。反応液を減圧濃縮して遠心乾燥し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、メタノール:ジクロロメタン=1:20)により精製し、450mgの標題生成物を得て、収率が52.8%である。
【0123】
ステップ4:N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジニルピペリジン-4-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド(中間体5D)の合成
N-(6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)ベンゼン-1,3-ジアミン(450mg、0.76mmol)を30mLのジクロロメタンに溶解し、かつ156mg(1.52mmol)のトリエチルアミンを添加し、反応液を0-5℃に冷却した後、その中に、75mg(0.83mmol)の塩化アクリルを10mLのジクロロメタンに溶解させた溶液を徐々に滴下した後、0-5℃に保持して1時間撹拌する。反応が完了した後、反応液に40mLの水を添加してクエンチし、有機相を50mLの飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮し、20mgの粗生成物を得て、精製を行わずにそのまま次の反応に用いる。
【0124】
ステップ5:N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド(化合物5)の合成
520mg(0.89mmol)のN-(3-((6-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジンピペリジン-4-イル)フェニル)アクリルアミドを50mLの反応フラスコに入れ、かつその中に5mLのジクロロメタン、5mLのトリフルオロ酢酸を添加し、反応液を室温で一晩撹拌した後、乾燥まで減圧濃縮する。残留物に20mLのメタノールと3mLのアンモニア水を添加し、室温で3時間撹拌する。反応が完了した後、反応液に10mLの飽和食塩水、20mLのジクロロメタンを添加して抽出し、有機相を乾燥まで減圧濃縮する。残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、ジクロロメタン:メタノール=10:1)により精製し、120gの淡黄色固体状の標題生成物を得て、収率が29.7%であり、純度が95.4%である。
【0125】
MS:m/z=454.6[M+H]
【0126】
HNMR(300MHz,MeOD):δ8.18(s,1H)、8.08(d,1H)、7.73(d,2H)、7.53(m,2H)、7.28(m,1H)、7.13(d,2H)、6.93(s,1H)、6.41(m,2H)、5.80(m,1H)、3.75(m,4H)、3.18(m,4H)、2.98(m,3H)。
【0127】
実施例6:N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-アルキンアミドの製造
【化31】
ステップ1:3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)アニリン(中間体6A)の合成
1.50g(3.28mmol)の4-クロロ-6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジンを50mLの反応フラスコに入れ、かつその中に0.54g(4.90mmol)のm-アミノフェノール、0.90g(6.55mmol)の炭酸カリウム、15mLのDMFを添加し、反応液を100℃まで昇温して一晩撹拌する。反応が完了した後、乾燥まで減圧濃縮する。残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、ジクロロメタン:メタノール=30:1)により精製し、1.20gの淡黄色油状物の標題生成物を得て、収率が69.1%であり、純度が96.4%である。
【0128】
ステップ2:N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-アルキンアミド(中間体6B)の合成
2-ブチン酸クロライドの製造:
2.0g(23.8mmol)の2-ブチン酸を50mLの反応フラスコに入れ、かつその中にTHF(20mL)を添加し、室温で撹拌し、1.2mLの塩化オキサリルを徐々に滴下した後にDMFを3滴添加し、室温で1時間撹拌する。乾燥まで濃縮して使用に備える。
【0129】
1.2g(2.26mmol)の3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)アニリンを50mLの反応フラスコに入れ、かつその中に0.29g(3.40mmol)の炭酸水素ナトリウム、20mLのTHF、4mLの水を添加し、氷浴下で撹拌し、前に製造された2-ブチン酸クロライドを10mLのTHFに添加し、反応フラスコに徐々に滴下した後、室温で1時間撹拌する。反応が完了した後、50mLの塩化アンモニウム飽和水溶液を添加してクエンチし、50mLのジクロロメタンを添加して抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、乾燥まで減圧濃縮する。残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、ジクロロメタン:メタノール=50:1-ジクロロメタン:メタノール=10:1)により精製し、500gの淡黄色油状物の標題生成物を得て、収率が37.1%であり、純度が97.4%である。
【0130】
ステップ3:N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-アルキンアミド(化合物6)の合成
500mg(0.80mmol)のN-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-アルキンアミドを50mLの反応フラスコに入れ、かつその中に5mLのジクロロメタン、5mLのトリフルオロ酢酸を添加し、反応液を室温で一晩撹拌した後、乾燥まで減圧濃縮する。残留物に3mLのメタノールと3mLのアンモニア水を添加し、室温で1時間撹拌する。反応が完了した後、吸引濾過し、濾過ケーキを5mLの水で洗浄し、濾過ケーキを乾燥させ、180mgの淡黄色固体状の標題生成物を得て、収率が46.0%であり、純度が95.3%である。
【0131】
MS:m/z=467.9[M+H]
【0132】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.53(s,1H)、10.77(s,1H)、8.26(m,1H)、7.80(m,2H)、7.56(m,1H)、7.42(m,2H)、7.01(m,3H)、6.83(m,1H)、3.33(m,4H)、3.24(m,4H)、2.26(s,3H)、2.05(s,3H)。
【0133】
実施例7:N-(2-フルオロ-5-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-アルキンアミドの製造
【化32】
3-アミノフェノールの代わりに3-アミノ-4-フルオロフェノールを使用する以外、実施例6の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0134】
MS:m/z=485.3[M+H]
【0135】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.48(s,1H)、10.69(s,1H)、8.28(m,1H)、7.83(m,2H)、7.53(m,3H)、7.08(m,3H)、6.85(m,1H)、3.38(m,4H)、3.25(m,4H)、2.26(s,3H)、2.05(s,3H)。
【0136】
実施例8:4-(ジメチルアミノ)-N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4)-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-エナミドの製造
【化33】
ステップ1:3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)アニリン(中間体6A)の合成

3.00g(6.55mmol)の4-クロロ-6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジンを50mLの反応フラスコに入れ、かつその中に1.08g(9.80mmol)のm-アミノフェノール、1.80g(13.10mmol)の炭酸カリウム、30mLのDMFを添加し、反応液を100℃まで昇温して一晩撹拌する。反応が完了した後、乾燥まで減圧濃縮する。残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、ジクロロメタン:メタノール=30:1)により精製し、2.30gの淡黄色油状物の標題生成物を得て、収率が66.2%であり、純度が95.7%である。
【0137】
ステップ2:(2-((3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-2-オキソエチル)ホスホン酸ジエチルエステル(中間体8A)の合成
0.93g(5.86mmol)のN,N’-カルボニルジイミダゾール、THF(20mL)を50mLの反応フラスコに入れ、室温で10分間撹拌し、1.50g(7.66mmol)のジエトキシホスフィニル酢酸を10mLのTHFに添加し、反応フラスコに徐々に滴下し、次に1.40g(2.64mmol)の3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)アニリンを10mLのTHFに添加し、反応フラスコに徐々に滴下し、室温で一晩撹拌する。反応が完了した後、50mLの酢酸エチル、50mLの水を添加して洗浄し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、有機相を乾燥まで減圧濃縮し、1.50gの褐色固体状の標題生成物を得て、収率が80.2%であり、純度が95.0%である。
【0138】
ステップ3:4-(ジメチルアミノ)-N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-エンアミド(中間体8B)の合成
(ジメチルアミノ)アセトアルデヒド溶液の製造:
5mLの濃塩酸、2mLの水を50mLの反応フラスコに入れ、40℃に加熱して撹拌し、N,N-ジメチルアミノアセトアルデヒドジエチルアセタールを反応フラスコに入れ、40℃で一晩撹拌し、使用に備える。
【0139】
1.00g(1.40mmol)の(2-((3-((6-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アミノ)-2-オキソエチル)ホスホン酸ジエチル、10mLのDMFを50mLの反応フラスコに入れ、氷浴下で撹拌し、0.5g(20.83mmol)のNaHを添加し、氷浴下で30分間撹拌した後、5mLの(ジメチルアミノ)アセトアルデヒド溶液を反応フラスコに入れ、氷浴下で1時間反応させる。反応が完了した後、50mLの水、20mLの酢酸エチルを添加して抽出し、水層をNaOH水溶液でpH9~10に調節し、20mLの酢酸エチルを添加して抽出し、有機相を乾燥まで濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、ジクロロメタン:メタノール=10:1)により精製し、0.30gの黄色固体状の標題生成物を得て、収率が33.1%であり、純度が98.7%である。
【0140】
ステップ4:4-(ジメチルアミノ)-N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4)-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-エナミド(化合物8)の合成
300mg(0.47mmol)の4-(ジメチルアミノ)-N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-エナミドを25mLの反応フラスコに入れ、その中に3mLのジクロロメタン、3mLのトリフルオロ酢酸を添加し、反応液を室温で一晩撹拌した後、乾燥まで減圧濃縮する。残留物に3mLのメタノールと3mLのアンモニア水を添加し、室温で1時間撹拌する。反応が完了した後、吸引濾過し、濾過ケーキを5mLの水で洗浄し、濾過ケーキを乾燥させ、110mgの淡黄色固体状の標題生成物を得て、収率が46.0%であり、純度が95.3%である。
【0141】
MS:m/z=512.3[M+H]
【0142】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.53(s,1H)、10.68(s,1H)、8.24(m,1H)、7.76(m,2H)、7.54(m,1H)、7.40(m,2H)、7.00(m,3H)、6.80(m,1H)、6.74(m,1H)、6.06(m,1H)、3.10(m,4H)、3.01(m,2H)、2.58(m,4H)、2.34(m,3H)、2.18(s,6H)。
【0143】
実施例9:4-(ジメチルアミノ)-N-(2-フルオロ-5-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d)])ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-エナミドの製造
【化34】
3-アミノフェノールの代わりに3-アミノ-4-フルオロフェノールを使用する以外、実施例8の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0144】
MS:m/z=530.1[M+H]
【0145】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.48(s,1H)、10.56(s,1H)、8.28(m,1H)、7.80(m,2H)、7.43(m,2H)、7.00(m,3H)、6.83(m,1H)、6.78(m,1H)、6.12(m,1H)、3.10(m,4H)、3.01(m,2H)、2.58(m,4H)、2.34(m,3H)、2.18(s,6H)。
【0146】
実施例10:4-(シクロプロピル(メチル)アミノ)-N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4)-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-エナミドの製造
【化35】
ステップ1:4-ブロモ-N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-エナミド(中間体10A)の合成
4-ブロモブタ-2-アクリル酸(164mg、1mmol)を塩化カルシウム乾燥管、アルゴン保護ガスが備えられた三口フラスコに入れ、無水ジクロロメタン(3mL)を添加し、撹拌して溶解し、反応フラスコに塩化オキサリル(139mg、1.1mmol)を添加し、さらに無水DMFを1滴添加し、4-5時間撹拌し続けて反応させ、減圧濃縮して蒸発乾燥し、使用に備える。
【0147】
反応フラスコに3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)アニリン(265mg、0.5mmol)とテトラヒドロフラン(10mL)を順に添加し、室温で15分間撹拌し、炭酸水素ナトリウム(127mg、1.5mmol)と蒸留水(1mL)を添加し、予備の濃縮液をテトラヒドロフラン1mLに溶解し、0℃で反応フラスコに徐々に入れ、室温で20時間撹拌し続ける。反応混合物にジクロロメタン(50mL)を添加し、水(40mL×3)で洗浄し、分液して有機層を得て、無水硫酸ナトリウムで一晩乾燥させ、濾過し、濾液を回転蒸発器で減圧濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、ジクロロメタン:メタノール=12:1)により精製し、82mgの淡灰黄色固体状の標題生成物を得て、収率が24.3%である。
【0148】
ステップ2:4-(シクロプロピル(メチル)アミノ)-N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-エナミド(中間体10B)の合成
4-ブロモ-N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-エナミド(82mg、0.12mmol)をDMF(5mL)に溶解し、氷浴条件下で、N-メチルシクロプロピルアミン(99mg、1.38mmol)とヨウ化カリウム(3.3mg、0.02mmol)を順に添加し、反応液を室温で15時間撹拌する。反応液にジクロロメタン(50mL)を添加し、水(40mL×3)で洗浄し、分液して有機層を得て、無水硫酸ナトリウムで一晩乾燥させ、濾過し、濾液を回転蒸発器で乾燥まで減圧濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、ジクロロメタン:メタノール=6:1)により精製し、50mgの淡灰黄色固体状の標題生成物を得て、収率が61.0%である。
【0149】
ステップ3:4-(シクロプロピル(メチル)アミノ)-N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)フェニル)ブタ-2-エナミド(化合物10)の合成
50mg(0.074mmol)の4-(シクロプロピル(メチル)アミノ)-N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-エナミドを25mLの反応フラスコに入れ、その中に3mLのジクロロメタン、1mLのトリフルオロ酢酸を添加し、反応液を室温で一晩撹拌した後、乾燥まで減圧濃縮する。残留物に1mLのメタノールと1mLのアンモニア水を添加し、室温で1時間撹拌する。反応が完了した後、吸引濾過し、濾過ケーキを5mLの水で洗浄し、濾過ケーキを乾燥させ、31mgの淡黄色固体状の標題生成物を得て、収率が54.3%であり、純度が95.9%である。
【0150】
MS:m/z=538.5[M+H]
【0151】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.51(s,1H)、10.33(s,1H)、8.27(m,1H)、7.80(m,2H)、7.55(m,3H)、6.97(m,3H)、6.80(m,2H)、6.40(m,1H)、3.51(m,4H)、3.29(m,2H)、3.22(m,4H)、2.84(m,4H)、2.44(s,3H)、2.38(m,3H)、1.99(m,1H)、0.76(m,4H)。
【0152】
実施例11:N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)-4-(ピロリジン-1-イル)ブタ-2-エナミドの製造
【化36】
N-メチルシクロプロピルアミンの代わりにテトラヒドロピロールを使用する以外、実施例10の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0153】
MS:m/z=538.5[M+H]
【0154】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.58(s,1H)、10.41(s,1H)、8.27(m,1H)、7.83(m,2H)、7.58(m,3H)、7.00(m,3H)、6.82(m,2H)、6.38(m,1H)、3.51(m,4H)、3.22(m,4H)、3.06(m,2H)、2.84(m,4H)、2.44(s,3H)、1.80(m,4H)。
【0155】
実施例12:N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化37】
ステップ1:N-(3-ヒドロキシフェニル)アクリルアミド(中間体12A)の合成
m-アミノフェノール(10.0g、90mmol)、テトラヒドロフラン(200mL)、炭酸水素ナトリウム(11.4g、135mmol)及び30mLの蒸留水を順に反応フラスコに入れ、氷浴下で温度を0~10℃に制御し、塩化アクリル(8.2g、90mmol)を50mLのテトラヒドロフランに溶解させた溶液を反応フラスコに徐々に滴下し、滴下が完了した後、反応液を室温まで昇温し一晩撹拌反応させる。反応が完了した後、反応液に100mLのジクロロメタン、100mLの飽和塩化アンモニウム溶液を添加して抽出する。有機相を飽和塩化アンモニウム溶液で2回洗浄し、毎回100mLである。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、ジクロロメタン:メタノール=10:1)により精製して、12gの白色固体状の標題生成物を得て、収率が81.7%である。
【0156】
ステップ2:4-クロロ-6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(中間体5B)の合成
6-ブロモ-4-クロロ-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(900mg、2.48mmol)を100mLの反応フラスコに入れ、その中に(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸(491mg、2.23mmol)、50mLのジオキサン、炭酸ナトリウム(632mg、5.96mmol)、5mLの水、Pd(dppf)Cl(100mg、0.14mmol)を順に添加する。アルゴン雰囲気下で、混合物を80℃に加熱して4時間撹拌反応させる。反応液を室温まで冷却し、乾燥まで減圧濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶出剤:酢酸エチル)により精製し、600mgの褐色油状物の標題生成物を得て,収率が52.8%である。
【0157】
ステップ3:N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド(中間体12B)の合成
1.0g(2.2mmol)の4-クロロ-6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン、0.64g(3.9mmol)のN-(3-ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、0.8g(5.8mmol)の炭酸カリウム、10mLのDMFを一口フラスコに順に入れ、混合物を100℃に加熱し、かつ4時間撹拌する。次に反応液を室温まで冷却し、乾燥まで減圧濃縮する。残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、ジクロロメタン:メタノール=30:1)により精製し、1.0gの黄色固体状の標題生成物を得て、収率が78%である。
【0158】
ステップ4:N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド(化合物12)の合成
1.0g(1.7mmol)のN-(3-((6-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドを50mLの反応フラスコに入れ、その中に5mLのジクロロメタン、5mLのトリフルオロ酢酸を添加し、かつ室温で一晩撹拌する。その後、反応液を乾燥まで減圧濃縮し、かつ20mLのメタノールと3mLのアンモニア水を添加し、室温で3時間撹拌する。反応が完了した後、反応液に10mLの飽和食塩水、20mLのジクロロメタンを添加して抽出する。有機相を乾燥まで濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、ジクロロメタン:メタノール=10:1)により精製し、160mgの淡黄色固体状の標題生成物を得て、収率が20.7%であり、純度が95.6%である。
【0159】
MS:m/z=455.3[M+H]
【0160】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.53(s,1H)、10.30(s,1H)、8.27(m,1H)、7.80(m,2H)、7.68(m,1H)、7.44(m,2H)、7.00(m,3H)、6.82(m,1H)、6.40(m,1H)、6.28(m,1H)、5.77(m,1H)、3.66(m,4H)、3.16(m,4H)、2.44(s,3H)。
【0161】
実施例13:N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)チオ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化38】
m-フェニレンジアミンの代わりにm-アミノチオフェノールを使用する以外、実施例5の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0162】
MS:m/z=471.3[M+H]
【0163】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.69(s,1H)、10.54(s,1H)、8.31(s,1H)、7.91(m,1H)、7.73(m,3H)、7.48(m,2H)、7.06(m,3H)、6.88(m,1H)、6.45(m,1H)、6.29(m,1H)、5.83(m,1H)、3.76(m,4H)、3.10(m,4H)、2.79(s,3H)。
【0164】
実施例14:N-(3-(メチル(6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化39】
m-フェニレンジアミンの代わりにN-メチルフェニレンジアミンを使用する以外、実施例5の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0165】
MS:m/z=468.5[M+H]
【0166】
HNMR(300MHz,DSMO):δ12.58(s,1H)、10.31(s,1H)、8.23(s,1H)、7.89(m,1H)、7.73(m,2H)、7.42(m,2H)、7.25(m,1H)、7.14(m,2H)、6.85(m,1H)、6.45(m,1H)、6.29(m,1H)、5.90(m,1H)、3.81(m,4H)、3.10(m,2H)、3.05(m,2H)、2.74(s,3H)、2.53(s,3H)。
【0167】
実施例15:N-メチル-N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化40】
ステップ1:N-メチル-N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド(中間体15A)の合成
0.71g(1.22mmol)のN-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド、10mLのDMFを一口フラスコに入れ、氷浴下で撹拌し、0.04g(1.59mmol)のNaHを添加し、氷浴下で30min撹拌し、その後に0.17g(1.22mmol)のヨウ化メチルを5mLのDMFに添加し、反応フラスコに徐々に滴下した後、4時間反応させる。反応が完了した後、30mLの水、30mLの酢酸エチルを添加して抽出し、有機相をそれぞれ30mLの飽和塩化ナトリウム水溶液、30mLの水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、乾燥まで減圧濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、石油エーテル:酢酸エチル=2:1)により精製し、260mgの淡黄色固体状の標題生成物を得て、収率が35.8%であり、純度が95.0%である。
【0168】
ステップ2:N-メチル-N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル))オキシ)フェニル)アクリルアミド(化合物15)の合成
260mg(0.43mmol)のN-メチル-N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドを25mLの反応フラスコに入れ、その中に3mLのジクロロメタン、3mLのトリフルオロ酢酸を添加し、室温で一晩撹拌する。その後、反応液を乾燥まで減圧濃縮し、かつ3mLのメタノールと1mLのアンモニア水を添加し、室温で1時間撹拌する。反応が完了した後、吸引濾過し、濾過ケーキを水で1回洗浄し、乾燥させて87mgの淡黄色固体状の標題生成物を得て、収率が42.7%であり、純度が95.0%である。
【0169】
MS:m/z=469.3[M+H]
【0170】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.57(s,1H)、8.26(s,1H)、7.82(m,2H)、7.73(m,1H)、7.58(m,1H)、7.38(m,1H)、6.99(m,3H)、6.79(m,1H)、6.40(m,1H)、6.27(m,1H)、5.75(m,1H)、3.35(s,3H)、3.26(m,4H)、2.45(m,4H)、2.32(s,3H)。
【0171】
実施例16:N-メチル-N-(3-((6-(4-モルホリニルフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化41】
(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸の代わりに(4-モルホリニルフェニル)ボロン酸を使用する以外、実施例16の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0172】
MS:m/z=456.2[M+H]
【0173】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.53(s,1H)、8.30(m,1H)、7.62(m,2H)、7.54(m,1H)、7.28(m,3H)、7.04(m,2H)、6.80(m,1H)、6.18(m,2H)、5.78(m,1H)、3.76(m,4H)、3.33(m,3H)、3.20(m,4H)。
【0174】
実施例17:N-シクロプロピル-N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル))オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化42】
ヨウ化メチルの代わりにシクロプロピルブロマイドを使用する以外、実施例16の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0175】
MS:m/z=495.6[M+H]
【0176】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.39(s,1H)、8.35(m,1H)、7.73(m,3H)、7.50(m,1H)、7.31(m,1H)、7.08(m,3H)、6.79(m,1H)、6.31(m,2H)、5.73(m,1H)、3.83(m,1H)、3.77(m,4H)、2.90(m,4H)、2.38(m,3H)、1.23(m,2H)、0.99(m,2H)。
【0177】
実施例18:N-(2-フルオロ-5-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化43】
m-アミノフェノールの代わりに3-アミノ-4-フルオロフェノールを使用する以外、実施例12の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0178】
MS:m/z=473.1[M+H]
【0179】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.53(s,1H)、10.10(s,1H)、8.26(m,1H)、8.02(m,1H)、7.81(m,2H)、7.32(m,1H)、7.05(m,3H)、6.85(m,1H)、6.63(m,1H)、6.28(m,1H)、5.78(m,1H)、3.24(m,4H)、2.48(m,4H)、2.23(m,3H)。
【0180】
実施例19:N-(2-フルオロ-5-((6-(4-モルホリニルフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化44】
ステップ1においてm-アミノフェノールの代わりに3-アミノ-4-フルオロフェノールを使用し、ステップ2において(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸の代わりに(4-モルホリニルフェニル)ボロン酸を使用する以外、実施例12の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0181】
MS:m/z=460.2[M+H]
【0182】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.55(s,1H)、10.11(s,1H)、8.27(m,1H)、8.02(m,1H)、7.84(m,2H)、7.37(m,1H)、7.09(m,3H)、6.88(m,1H)、6.66(m,1H)、6.26(m,1H)、5.79(m,1H)、3.76(m,4H)、3.22(m,4H)。
【0183】
実施例20:N-(4-((6-(4-モルホリニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)アクリルアミドの製造
【化45】
ステップ1においてm-アミノフェノールの代わりに2-アミノピリジン-4-オールを使用し、ステップ2において(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸の代わりに(4-モルホリニルフェニル)ボロン酸を使用する以外、実施例12の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0184】
MS:m/z=443.2[M+H]
【0185】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.60(s,1H)、10.20(s,1H)、8.31(m,1H)、8.12(m,1H)、7.99(m,1H)、7.80(m,2H)、7.33(m,1H)、7.06(m,2H)、6.85(m,1H)、6.66(m,1H)、6.27(m,1H)、5.76(m,1H)、3.76(m,4H)、3.20(m,4H)。
【0186】
実施例21:N-(2-メチル-5-((6-(4-モルホリニルフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化46】
ステップ1においてm-アミノフェノールの代わりに3-アミノ-4-メチルフェノールを使用し、ステップ2において(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸の代わりに(4-モルホリニルフェニル)ボロン酸を使用する以外、実施例12の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0187】
MS:m/z=456.3[M+H]
【0188】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.57(s,1H)、10.17(s,1H)、8.31(m,1H)、7.70(m,2H)、7.55(m,1H)、7.28(m,2H)、7.06(m,3H)、6.81(m,1H)、6.21(m,2H)、5.78(m,1H)、3.75(m,4H)、3.19(m,4H)、2.29(s,3H)。
【0189】
実施例22:N-(2-メトキシ-5-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化47】
m-アミノフェノールの代わりに3-アミノ-4-メトキシフェノールを使用する以外、実施例12の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0190】
MS:m/z=485.4[M+H]
【0191】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.51(s,1H)、10.19(s,1H)、8.27(m,1H)、7.63(m,2H)、7.58(m,1H)、7.21(m,2H)、7.03(m,2H)、6.75(m,1H)、6.25(m,2H)、5.69(m,1H)、3.86(s,3H)、3.69(m,4H)、2.85(m,4H)、2.33(s,3H)。
【0192】
実施例23:N-(2-シアノ-5-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化48】
m-アミノフェノールの代わりに3-アミノ-4-シアノフェノールを使用する以外、実施例12の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0193】
MS:m/z=480.5[M+H]
【0194】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.63(s,1H)、10.15(s,1H)、8.30(m,1H)、7.61(m,2H)、7.51(m,1H)、7.23(m,2H)、6.99(m,2H)、6.81(m,1H)、6.29(m,2H)、5.70(m,1H)、3.72(m,4H)、2.88(m,4H)、2.33(s,3H)。
【0195】
実施例24:N-(3-((6-(6-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリジン-3-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化49】
(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸の代わりに(6-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリジン-3-イル)ボロン酸を使用する以外、実施例12の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0196】
MS:m/z=456.6[M+H]
【0197】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.49(s,1H)、10.53(s,1H)、8.73(m,1H)、8.35(m,1H)、7.73(m,2H)、7.50(m,1H)、7.31(m,1H)、7.08(m,1H)、6.83(m,2H)、6.32(m,2H)、5.67(m,1H)、3.66(m,4H)、2.84(m,4H)、2.31(s,3H)。
【0198】
実施例25:N-(3-((6-(3-フルオロ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化50】
(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸の代わりに(3-フルオロ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸ピナコールエステル(文献WO2012167733を参照して製造)を使用する以外、実施例12の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0199】
MS:m/z=473.4[M+H]
【0200】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.48(s,1H)、10.41(s,1H)、8.27(s,1H)、7.79(m,1H)、7.59(m,2H)、7.39(m,2H)、6.97(m,2H)、6.80(m,1H)、6.40(m,1H)、6.22(m,1H)、5.72(m,1H)、3.39(m,4H)、2.94(m,4H)、2.27(s,3H)。
【0201】
実施例26:N-(3-((6-(3-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化51】
(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸の代わりに(3-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸ピナコールエステル(文献WO2013053051を参照して製造)を使用する以外、実施例12の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0202】
MS:m/z=485.5[M+H]
【0203】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.39(s,1H)、10.17(s,1H)、8.29(s,1H)、7.69(m,3H)、7.40(m,2H)、7.09(m,2H)、6.83(m,1H)、6.33(m,1H)、6.25(m,1H)、5.73(m,1H)、3.95(s,3H)、3.56(m,4H)、2.71(m,4H)、2.38(s,3H)、2.21(s,3H)。
【0204】
実施例27:N-(3-((6-(3-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化52】
(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸の代わりに(3-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸ピナコールエステル(文献WO2012048411を参照して製造)を使用する以外、実施例12の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0205】
MS:m/z=469.3[M+H]
【0206】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.50(s,1H)、10.31(s,1H)、8.24(s,1H)、7.79(m,2H)、7.65(m,1H)、7.37-7.47(m,2H)、6.95-7.01(m,2H)、6.80(m,1H)、6.40(m,1H)、6.22(m,1H)、5.73(m,1H)、3.56(m,4H)、2.99(m,4H)、2.38(s,3H)、2.21(s,3H)。
【0207】
実施例28:N-(3-((6-(3-(ジフルオロメトキシ)-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン)4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化53】
(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸の代わりに(3-(ジフルオロメトキシ)-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸ピナコールエステルを使用する以外、実施例12の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0208】
MS:m/z=520.3[M+H]
【0209】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.39(s,1H)、10.33(s,1H)、8.27(s,1H)、7.80(m,1H)、7.63(m,2H)、7.40(m,3H)、6.98(m,2H)、6.80(m,1H)、6.38(m,1H)、6.26(m,1H)、5.69(m,1H)、3.56(m,4H)、2.96(m,4H)、2.28(s,3H)。
【0210】
実施例29:N-(3-((6-(4-(ジメチルアミノ)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化54】
(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸の代わりに(4-(ジメチルアミノ)フェニル)ボロン酸を使用する以外、実施例12の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0211】
MS:m/z=400.5[M+H]
【0212】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.55(s,1H)、10.19(s,1H)、8.31(m,1H)、7.83(m,2H)、7.63(m,1H)、7.40(m,2H)、6.99(m,3H)、6.79(m,1H)、6.31(m,2H)、5.76(m,1H)、3.11(s,6H)。
【0213】
実施例30:N-(3-((6-(4-((ジメチルアミノ)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化55】
(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸の代わりに(4-((ジメチルアミノ)メチル)フェニル)ボロン酸を使用する以外、実施例12の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0214】
MS:m/z=414.4[M+H]
【0215】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.59(s,1H)、10.11(s,1H)、8.29(m,1H)、7.79(m,2H)、7.60(m,1H)、7.41(m,2H)、7.00(m,3H)、6.80(m,1H)、6.26(m,2H)、5.76(m,1H)、3.57(m,2H)、2.30(s,6H)。
【0216】
実施例31:N-(3-((6-(4-(2-メトキシエトキシ)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化56】
(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸の代わりに(4-(2-メトキシエトキシ)フェニル)ボロン酸を使用する以外、実施例12の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0217】
MS:m/z=431.3[M+H]
【0218】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.60(s,1H)、10.17(s,1H)、8.23(m,1H)、7.73(m,2H)、7.58(m,1H)、7.39(m,2H)、7.03(m,3H)、6.75(m,1H)、6.29(m,2H)、5.76(m,1H)、4.28(m,2H)、3.66(m,2H)、3.42(s,3H)。
【0219】
実施例32:N-(3-((6-(4-モルホリニルフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化57】
(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸の代わりに(4-モルホリニルフェニル)ボロン酸を使用する以外、実施例6の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0220】
MS:m/z=441.2[M+H]
【0221】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.14(s,1H)、10.21(s,1H)、9.37(m,1H)、8.27(m,2H)、7.70(m,3H)、7.30(m,2H)、7.06(m,3H)、6.50(m,1H)、6.30(m,1H)、6.24(m,1H)、5.75(m,1H)、3.76(m,4H)、3.16(m,4H)。
【0222】
実施例33:N-(3-((6-(4-モルホリニルフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化58】
(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸の代わりに(4-モルホリニルフェニル)ボロン酸を使用する以外、実施例12の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0223】
MS:m/z=442.1[M+H]
【0224】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.84(s,1H)、10.68(s,1H)、8.35(m,1H)、7.99(m,3H)、7.78(m,1H)、7.60(m,1H)、7.45(m,2H)、7.02(m,1H)、6.57(m,2H)、6.29(m,1H)、6.24(m,1H)、3.91(m,4H)、3.42(m,4H)。
【0225】
実施例34:N-(3-((6-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化59】
(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸の代わりに4-(4-Boc-1-ピペラジニル)ベンゼンボロン酸ピナコールエステルを使用する以外、実施例12の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0226】
MS:m/z=441.2[M+H]
【0227】
HNMR(600MHz,DMSO):δ12.55(s,1H)、10.29(s,1H)、8.78(s,2H)、8.26(m,1H)、7.85(m,2H)、7.68(m,1H)、7.37(m,2H)、6.71-7.17(m,6H)、6.21-6.38(m,2H)、5.73(m,1H)、3.43(m,4H)、3.23(m,4H)。
【0228】
実施例35:N-(3-((6-(4-(1,1-ジオキソチオモルホリニル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)ベンゼン)アクリルアミドの製造
【化60】
ステップ1:(4-(1,1-ジオキソチオモルホリニル)フェニル)ボロン酸ピナコールエステル(中間体35A)の合成
2.0g(6.8mmol)の4-(4-ブロモフェニル)チオモルホリン-1,1-ジオキシドを100mLの反応フラスコに入れ、その中に1.36g(14.0mmol)の酢酸カリウム、40mLのジオキサン、0.48g(0.6mmol)のPd(dppf)Cl、1.2g(4.8mmol)のビス(ピナコラート)ジボロンを順に添加する。アルゴン雰囲気下で、混合物を80℃に加熱して16時間撹拌反応させる。反応液を室温まで冷却し、乾燥まで減圧濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、酢酸エチル:石油エーテル=1:3)により精製し、1.1gの淡黄色固体状の標題生成物を得て、収率が48.2%である。
【0229】
ステップ2:4-(4-(4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)チオモルホリン-1,1-ジオキシド(中間体35B)の合成
1.1g(3.3mmol)の(4-(1,1-ジオキソチオモルホリニル)フェニル)ボロン酸ピナコールエステルを100mLの反応フラスコに入れ、その中に440mg(1.90mmol)の6-ブロモ-4-クロロ-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン、0.53g(3.8mmol)の炭酸カリウム、40mLのジオキサン、139mg(0.18mmol)のPd(dppf)Cl、及び4mLの水を順に添加する。アルゴン雰囲気下で、混合物を80℃に加熱して16時間撹拌反応させる。反応液を室温まで冷却し、乾燥まで減圧濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、酢酸エチル:石油エーテル=1:3)により精製し、100mgの淡黄色固体状の標題生成物を得て、収率が14.5%である。
【0230】
ステップ3:N-(3-((6-(4-(1,1-ジオキソチオモルホリニル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)ベンゼン)アクリルアミド(化合物35)の合成
100mg(0.28mmol)の4-(4-(4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)チオモルホリン-1,1-ジオキシド、50mg(0.31mmol)のN-(3-ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、75mg(0.54mmol)の炭酸カリウム、10mLのDMFを一口フラスコに順に入れ、混合物を130℃に加熱し、かつ4時間撹拌する。次に反応液を室温まで冷却し、乾燥まで減圧濃縮する。残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、ジクロロメタン:メタノール=40:1)により精製し、5mgの黄色固体状の標題生成物を得て、収率が3.7%である。
【0231】
MS:m/z=490.3[M+H]
【0232】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.67(s,1H)、10.38(s,1H)、8.29(m,1H)、7.88(m,2H)、7.65(m,1H)、7.45(m,4H)、7.02(m,2H)、6.27(m,2H)、5.79(m,1H)、3.21(m,4H)、2.98(m,4H)。
【0233】
実施例36:N-(3-((6-(4-(4-(2,2,2-トリフルオロエチル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化61】
ステップ1:1-(4-ブロモフェニル)ピペラジン塩酸塩(中間体36A)の合成
4-(4-ブロモフェニル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(2.6g、7.65mmol)を4M塩酸/ジオキサン(50mL)に溶解し、室温で24時間撹拌する。反応液を乾燥まで減圧濃縮し、2.50gの白色固体状の標題生成物を得て、収率が100%である。
【0234】
ステップ2:1-(4-(4-ブロモフェニル)ピペラジン-1-イル)-2,2,2-トリフルオロエタ-1-オン(中間体36B)の合成
1-(4-ブロモフェニル)ピペラジン塩酸塩(900mg、3.24mmol)をジクロロメタン(50mL)に溶解し、トリエチルアミン(1.5g、15mmol)を添加し、室温下で無水トリフルオロ酢酸(900mg、4.29mmol)を徐々に滴下し、滴下が終了した後、室温で16時間撹拌する。反応液に水(50mL)を添加して抽出し、有機相を収集し、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、乾燥まで減圧濃縮する。残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、ジクロロメタン:メタノール=50:1-ジクロロメタン:メタノール=20:1)により精製し、1000mgの黄色固体状の標題生成物を得て、収率が92.6%である。
【0235】
ステップ3:1-(4-ブロモフェニル)-4-(2,2,2-トリフルオロエチル)ピペラジン(中間体36C)の合成
1-(4-(4-ブロモフェニル)ピペラジン-1-イル)-2,2,2-トリフルオロエタ-1-オン(1.00g,3.00mmol)を無水テトラヒドロフラン(30mL)に溶解し、ボランジメチルスルフィド(10M、1.5mL)を添加し、反応液を6時間加熱還流した後、室温まで冷却し、メタノールを滴ずつ添加してクエンチし、乾燥まで減圧濃縮する。残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、ジクロロメタン:メタノール=50:1-ジクロロメタン:メタノール=20:1)により精製し、900gの黄色固体状の標題生成物を得て、収率が93.2%である。
【0236】
その後のステップは、4-(4-ブロモフェニル)チオモルホリン-1,1-ジオキシドの代わりに1-(4-ブロモフェニル)-4-(2,2,2-トリフルオロエチル)ピペラジンを使用する以外、実施例35の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0237】
MS:m/z=523.2[M+H]
【0238】
HNMR(600MHz,DMSO):δ12.50(s,1H)、10.26(s,1H)、8.24(s,1H)、7.79(m,2H)、7.65(m,1H)、7.37-7.47(m,2H)、6.95-7.01(m,3H)、6.80(m,1H)、6.40(m,1H)、6.22(m,1H)、5.73(m,1H)、3.23(m,6H)、2.74(m,4H)。
【0239】
実施例37:N-(3-((6-(4-(6-メチル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化62】
ステップ1:2-(4-ヨードフェニル)-6-メチル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン(中間体37A)の製造
窒素ガス雰囲気下で、20mLのDMFにp-ジヨードベンゼン(3.30g,10mmol)、6-メチル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタンシュウ酸塩(2.02g,20mmol)、リン酸カリウム(4.24g、20mmol)、ヨウ化第一銅(0.19g、1mmol)、及び1,1’-ビ-2-ナフトール(0.28g、1mmol)を順に添加し、混合液を室温で48時間撹拌反応させる。反応液に水40mLを添加し、酢酸エチル(30mL×3)で抽出し、有機相を合わせた後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮する。残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、ジクロロメタン:メタノール=50:1-ジクロロメタン:メタノール=20:1)により精製し、2.13gの黄色油状物の標題生成物を得て、収率が67.8%である。
【0240】
その後のステップは、4-(4-ブロモフェニル)チオモルホリン-1,1-ジオキシドの代わりに2-(4-ヨードフェニル)-6-メチル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタンを使用する以外、実施例35の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0241】
MS:m/z=467.3[M+H]
【0242】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.62(s,1H)、10.30(s,1H)、8.22(s,1H)、7.80(m,2H)、7.65(m,1H)、7.40(m,2H)、6.98(m,3H)、6.35-6.75(m,2H)、6.23(m,1H)、5.71(m,1H)、3.58(m,4H)、3.20(m,4H)、2.30(s,3H)。
【0243】
実施例38:N-(3-((6-(4-(2-チオ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化63】
6-メチル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタンシュウ酸塩の代わりに2-チア-6-アザスピロ[3.3]ヘプタンシュウ酸塩を使用する以外、実施例37の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0244】
MS:m/z=470.2[M+H]
【0245】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.59(s,1H)、10.33(s,1H)、8.22(s,1H)、7.80(m,2H)、7.64(m,1H)、7.38(m,2H)、7.05(m,3H)、6.40(m,2H)、6.23(m,1H)、5.68(m,1H)、3.61(m,4H)、3.10(m,4H)。
【0246】
実施例39:N-(3-((6-(4-(4-アセチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化64】
(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸の代わりに4-(4-アセチルピペラジン)フェニルボロン酸ピナコールエステルを使用する以外、実施例12の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0247】
MS:m/z=483.3[M+H]
【0248】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.56(s,1H)、10.32(s,1H)、8.28(m,1H)、7.83(m,2H)、7.70(m,1H)、7.41(m,1H)、7.35(m,1H)、7.00(m,3H)、6.85(m,1H)、6.43(m,1H)、6.25(m,1H)、5.77(m,1H)、3.59(m,4H)、3.22(m,4H)、2.05(s,3H)。
【0249】
実施例40:N-(3-((6-(4-(2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化65】
(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸の代わりに(4-(2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸を使用する以外、実施例12の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0250】
MS:m/z=469.4[M+H]
【0251】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.59(s,1H)、10.38(s,1H)、8.26(s,1H)、7.82(m,2H)、7.66(m,1H)、7.37(m,2H)、6.99(m,3H)、6.83(m,1H)、6.43(m,1H)、6.20(m,1H)、5.69(m,1H)、3.44-2.78(m,6H)、2.32(m,1H)、2.29(m,3H)、1.21(m,3H)。
【0252】
実施例41:1-(4-(4-(3-アクリルアミドフェノキシ)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-4-メチルピペラジン-2-カルボン酸の製造
【化66】
6-メチル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタンシュウ酸塩の代わりに4-メチルピペラジン-2-カルボン酸を使用する以外、実施例37の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0253】
MS:m/z=499.4[M+H]
【0254】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.50(s,1H)、10.31(s,1H)、8.28(s,1H)、7.82(m,2H)、7.65(m,1H)、7.31(m,2H)、7.01(m,3H)、6.85(m,1H)、6.44(m,1H)、6.20(m,1H)、5.65(m,1H)、4.32(m,1H)、3.50(m,2H)、3.18(m,4H)、2.33(s,3H)。
【0255】
実施例42:N-(3-((6-(4-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化67】
6-メチル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタンシュウ酸塩の代わりに4,4-ジフルオロピペリジンを使用する以外、実施例37の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0256】
MS:m/z=476.3[M+H]
【0257】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.50(s,1H)、10.38(s,1H)、8.28(s,1H)、7.88(m,2H)、7.70(m,1H)、7.29(m,2H)、7.05(m,3H)、6.84(m,1H)、6.38(m,1H)、6.25(m,1H)、5.68(m,1H)、3.47(m,4H)、2.03(m,4H)。
【0258】
実施例43:N-(3-((6-(4-(5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c)ピロール-2(1H)-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化68】
6-メチル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタンシュウ酸塩の代わりに2-メチルオクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロールを使用する以外、実施例37の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0259】
MS:m/z=481.4[M+H]
【0260】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.53(s,1H)、10.31(s,1H)、8.26(s,1H)、7.83(m,2H)、7.67(m,1H)、7.31(m,2H)、6.95(m,3H)、6.83(m,1H)、6.27(m,1H)、6.22(m,1H)、5.68(m,1H)、2.93-3.23(m,6H)、2.17-2.43(m,4H)、2.07(m,3H)。
【0261】
実施例44:N-(3-((6-(4-((1,1-ジオキソチオモルホリニル)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化69】
ステップ1:(4-(1,1-ジオキソチオモルホリニル)メチル)フェニル)ボロン酸ピナコールエステル(中間体44A)の合成
5.0g(1.68mmol)の4-ブロモメチルベンゼンボロン酸ピナコール、2.74g(2.02mmol)の1,1-ジアミンチオモルホリン、2.79g(2.02mmol)の炭酸カリウムを反応フラスコに入れ、25mLのDMFを添加し、80℃で4時間撹拌反応させる。室温まで冷却し、反応液を125mLの氷水に注ぎ、30min撹拌し、吸引濾過して4.72gの白色固体状の標題生成物を得て、収率が79.7%である。
【0262】
ステップ2:4-(4-(4-クロロ-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)ベンジル)チオモルホリン-1,1-ジオキシド(中間体44B)の合成
1.87g(5.16mmol)の6-ブロモ-4-クロロ-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジンを100mLの反応フラスコに入れ、その中に1.64g(4.32mmol)の(4-(1,1-ジオキソチオモルホリニル)メチル)フェニル)ボロン酸ピナコールエステル、20mLのジオキサン、1.33g(12.55mmol)の炭酸ナトリウム、4mLの水、0.22g(0.30mmol)のPd(dppf)Clを順に添加する。アルゴン雰囲気下で、混合物を80℃に加熱して一晩撹拌反応させる。反応が完了した後、反応液を室温まで冷却し、乾燥まで減圧濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、酢酸エチル:石油エーテル-酢酸エチル)により精製し、1.05gの淡ピンク色固体状の標題生成物を得て、収率が40.2%である。
【0263】
ステップ3:N-(3-((6-(4-((1,1-ジオキソチオモルフィニル)メチル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル))エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド(中間体44C)の合成
0.46g(0.9mmol)の4-(4-(4-クロロ-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)ベンジル)チオモルホリン-1,1-ジオキシド、0.32g(2.0mmol)のN-(3-ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、0.40g(2.9mmol)の炭酸カリウム、10mLのDMFを一口フラスコに順に入れ、混合物を100℃に加熱し、かつ4時間撹拌する。次に反応液を室温まで冷却し、乾燥まで減圧濃縮する。残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、ジクロロメタン:メタノール=40:1)により精製し、0.46gの黄色固体状の標題生成物を得て、収率が80.1%である。
【0264】
ステップ4:N-(3-((6-(4-((1,1-ジオキソチオモルホリニル)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
0.46g(0.7mmol)のN-(3-((6-(4-((1,1-ジオキソチオモルフィニル)メチル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル))エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドを50mLの反応フラスコに入れ、その中に5mLのジクロロメタン、5mLのトリフルオロ酢酸を添加し、かつ室温で一晩撹拌する。その後、反応液を乾燥まで減圧濃縮し、かつ20mLのメタノールと3mLのアンモニア水を添加し、室温で2時間撹拌する。反応が完了した後、反応液に10mLの飽和食塩水、20mLのジクロロメタンを添加して抽出する。有機相を乾燥まで濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、ジクロロメタン:メタノール=10:1)により精製し、110mgの淡黄色固体状の標題生成物を得て、収率が30.1%であり、純度が95.3%である。
【0265】
MS:m/z=504.9[M+H]
【0266】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.73(s,1H)、10.32(s,1H)、8.33(m,1H)、7.94(m,2H)、7.71(m,1H)、7.44(m,4H)、7.02(m,2H)、6.29(m,1H)、6.23(m,1H)、5.79(m,1H)、3.72(m,2H)、3.14(m,4H)、2.90(m,4H)。
【0267】
実施例45:N-(3-((6-(4-((1,1-ジオキソチオモルホリニル)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化70】
(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸の代わりに(4-(1,1-ジオキソチオモルホリニル)メチル)フェニル)ボロン酸ピナコールエステル(中間体44A)を使用する以外、実施例5の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0268】
MS:m/z=503.9[M+H]
【0269】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.27(s,1H)、10.17(s,1H)、9.45(s,1H)、8.29(m,2H)、7.81(m,2H)、7.67(m,1H)、7.44(m,2H)、7.31(m,3H)、6.50(m,1H)、6.28(m,1H)、5.76(m,1H)、3.71(m,2H)、3.13(m,4H)、2.91(m,4H)。
【0270】
実施例46:N-(3-((6-(4-(モルホリノメチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化71】
チオモルホリン-1,1-ジオキシドの代わりにモルホリンを使用する以外、実施例44の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0271】
MS:m/z=455.0[M+H]
【0272】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.79(s,1H)、10.77(s,1H)、8.32(m,1H)、7.97(m,2H)、7.76(m,1H)、7.60(m,2H)、7.40(m,2H)、7.00(m,2H)、6.57(m,1H)、6.25(m,1H)、5.75(m,1H)、3.35(s,2H)、2.45(m,4H)、1.96(m,4H)。
【0273】
実施例47:N-(3-((6-(4-((4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化72】
チオモルホリン-1,1-ジオキシドの代わりに4,4-ジフルオロピペリジンを使用する以外、実施例44の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0274】
MS:m/z=490.3[M+H]
【0275】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.72(s,1H)、10.31(s,1H)、8.33(m,1H)、7.93(m,2H)、7.71(m,1H)、7.49(m,1H)、7.42(m,3H)、7.04(m,2H)、6.43(m,1H)、6.29(m,1H)、5.78(m,1H)、3.59(s,2H)、2.49(m,4H)、1.97(m,4H)。
【0276】
実施例48:N-(3-((6-(4-(ピペリジン-1-イルメチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化73】
チオモルホリン-1,1-ジオキシドの代わりにピペリジンを使用する以外、実施例44の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0277】
MS:m/z=454.5[M+H]
【0278】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.52(s,1H)、10.33(s,1H)、8.33(m,1H)、7.94(m,2H)、7.72(m,1H)、7.50(m,1H)、7.42(m,3H)、7.05(m,1H)、7.00(m,1H)、6.43(m,1H)、6.26(m,1H)、5.76(m,1H)、3.60(s,2H)、2.50(m,4H)、1.55(m,4H)、1.43(m,2H)。
【0279】
実施例49:N-(3-((6-(4-(ピロリジン-1-イルメチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化74】
チオモルホリン-1,1-ジオキシドの代わりにピロリジンを使用する以外、実施例44の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0280】
MS:m/z=440.1[M+H]
【0281】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.65(s,1H)、10.55(s,1H)、8.30(s,1H)、7.90(m,2H)、7.69(m,1H)、7.50(m,2H)、7.11(m,3H)、6.85(m,1H)、6.50(m,1H)、6.26(m,1H)、5.77(m,1H)、3.38(m,2H)、3.05(m,2H)、2.49(m,2H)、1.74(m,4H)。
【0282】
実施例50:N-(3-((6-(4-((6-メチル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化75】
チオモルホリン-1,1-ジオキシドの代わりに2-メチル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタンシュウ酸塩を使用する以外、実施例44の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0283】
MS:m/z=481.5[M+H]
【0284】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.70(s,1H)、10.52(s,1H)、8.28(s,1H)、7.88(m,2H)、7.70(m,1H)、7.48(m,2H)、7.00-7.33(m,3H)、6.85(m,1H)、6.49(m,1H)、6.30(m,1H)、5.76(m,1H)、3.46(m,2H)、3.40-3.25(m,8H)、2.25(s,3H)。
【0285】
実施例51:N-(3-((6-(4-((5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化76】
チオモルホリン-1,1-ジオキシドの代わりに2-メチルオクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロールを使用する以外、実施例44の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0286】
MS:m/z=495.4[M+H]
【0287】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.68(s,1H)、10.37(s,1H)、8.31(s,1H)、7.79(m,2H)、7.71(m,1H)、7.58(m,2H)、7.42(m,2H)、6.91(m,2H)、6.51(m,1H)、6.27(m,1H)、5.78(m,1H)、3.39(m,2H)、3.19(m,2H)、2.56(m,4H)、2.19(m,4H)、2.08(s,3H)。
【0288】
実施例52:N-(3-((6-(4-((3-メチル-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化77】
チオモルホリン-1,1-ジオキシドの代わりに3-メチル-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン二塩酸塩を使用する以外、実施例44の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0289】
MS:m/z=495.3[M+H]
【0290】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.71(s,1H)、10.31(s,1H)、8.27(s,1H)、7.80(m,2H)、7.69(m,1H)、7.60(m,2H)、7.40(m,2H)、6.99(m,2H)、6.53(m,1H)、6.31(m,1H)、5.76(m,1H)、3.66(m,2H)、2.89(m,2H)、2.52(m,2H)、2.27(m,2H)、2.20(m,5H)、1.45-1.66(m,4H)。
【0291】
実施例53:N-(3-((6-(4-((1-メチルピペリジン-4-イル)アミノ)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化78】
ステップ1:N-(4-ブロモフェニル)-1-メチルピペリジン-4-アミン(中間体54A)の合成
4-ブロモアニリン(4.30g、25mmol)と1-メチルピペリジン-4-オン(2.83g、25mmol)を100mLの無水テトラヒドロフランに溶解し、室温で2時間撹拌した後、トリアセトキシホウ水素ナトリウム(10.6g、50mmol)を添加し、反応液を20時間還流する。反応液を室温まで冷却し、濾過し、乾燥まで減圧濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、ジクロロメタン:メタノール=30:1~ジクロロメタン:メタノール=10:1)により精製し、4.28gの白色固体状の標題生成物を得て、収率が64.0%である。
【0292】
ステップ2:(4-((1‐メチルピペリジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)ボロン酸ピナコールエステル(中間体54B)の合成
N-(4-ブロモフェニル)-1-メチルピペリジン-4-アミン(3.0g、11.2mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(4.24g、16.7mmol)、酢酸カリウム(2.19g、22.3mmol)及びPd(dppf)Cl(0.81g、1.1mmol)を80mLのジオキサンに順に添加し、窒素ガス雰囲気下で100℃まで昇温し、20時間撹拌する。反応液を室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキを少量の酢酸エチルで洗浄する。濾液を合わせ、乾燥まで減圧濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、ジクロロメタン:メタノール=30:1~ジクロロメタン:メタノール=10:1)により精製し、1.66gの褐色油状物の標題生成物を得て、収率が47.0%である。
【0293】
その他のステップは、(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸の代わりに(4-((1‐メチルピペリジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)ボロン酸ピナコールエステル(中間体54B)を使用する以外、実施例12のステップ2、3及び4のプロセスと同じであり、標題化合物を得る。
【0294】
MS:m/z=469.4[M+H]
【0295】
HNMR(600MHz,DMSO):δ12.36(s,1H)、10.26(s,1H)、8.21(m,1H)、7.81(m,3H)、7.45(m,1H)、7.36(m,1H)、6.97(m,1H)、6.64(m,3H)、6.39(m,1H)、6.21(m,1H)、5.75(m,2H)、3.23(m,1H)、2.78(m,2H)、2.17(s,3H)、2.06(m,2H)、1.87(m,2H)、1.40(m,2H)。
【0296】
実施例54:N-(3-((6-(4-(モルホリン-4-ホルミル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化79】
4-(4-ブロモフェニル)チオモルホリン-1,1-ジオキシドの代わりに(4-ブロモフェニル)(モルホリニル)オン(文献Tetrahedron、2010、66、1472を参照して製造)を使用する以外、実施例35の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0297】
MS:m/z=470.4[M+H]
【0298】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.50(s,1H)、10.40(s,1H)、8.31(s,1H)、7.80(m,2H)、7.60(m,1H)、7.40(m,2H)、7.00(m,3H)、6.81(m,1H)、6.36(m,1H)、6.23(m,1H)、5.69(m,1H)、3.75-3.50(m,8H)。
【0299】
実施例55:N-(3-((6-(4-((1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化80】
4-(4-ブロモフェニル)チオモルホリン-1,1-ジオキシドの代わりに4-(4-ブロモフェノキシ)-1-メチルピペリジン(文献WO2011123946を参照して製造)を使用する以外、実施例35の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0300】
MS:m/z=470.3[M+H]
【0301】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.66(s,1H)、10.29(s,1H)、8.29(m,1H)、7.89(m,2H)、7.71(m,1H)、7.33(m,4H)、6.98(m,2H)、6.39(m,1H)、6.22(m,1H)、5.69(m,1H)、4.10(m,1H)、2.75(m,2H)、2.40(m,2H)、2.11(m,2H)、1.95(m,2H)。
【0302】
実施例56:N-(3-((6-(4-(メチル(1-メチルピペリジン-4-イル)アミノ)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化81】
4-ブロモアニリンの代わりに4-ブロモ-N-メチルアニリンを使用する以外、実施例54の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0303】
MS:m/z=483.5[M+H]
【0304】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.38(s,1H)、10.20(s,1H)、8.29(m,1H)、7.85(m,2H)、7.69(m,1H)、7.40(m,2H)、7.19(m,3H)、6.81(m,1H)、6.49(m,1H)、6.25(m,1H)、5.73(m,1H)、3.61(m,1H)、2.85(s,3H)、2.77-2.38(m,4H)、2.28(s,3H)、2.03-1.81(m,4H)。
【0305】
実施例57:N-(3-((6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化82】
4-(4-ブロモフェニル)チオモルホリン-1,1-ジオキシドの代わりに1-((4-ブロモフェニル)スルホニル)-4-メチルピペラジンを使用する以外、実施例35の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0306】
MS:m/z=519.2[M+H]
【0307】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.51(s,1H)、10.38(s,1H)、8.29(s,1H)、7.87(m,2H)、7.67(m,1H)、7.48(m,2H)、7.09(m,3H)、6.88(m,1H)、6.53(m,1H)、6.28(m,1H)、5.71(m,1H)、3.28(m,4H)、2.51(m,4H)。
【0308】
実施例58:N-(3-((6-(4-(((1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化83】
チオモルホリン-1,1-ジオキシドの代わりに1-メチル-ピペリジン-4-オールを使用する以外、実施例44の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0309】
MS:m/z=484.4[M+H]
【0310】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.69(s,1H)、10.50(s,1H)、8.33(s,1H)、7.81(m,2H)、7.60(m,1H)、7.51(m,2H)、6.99(m,3H)、6.82(m,1H)、6.55(m,1H)、6.27(m,1H)、5.66(m,1H)、4.80(s,2H)、3.89(m,1H)、2.58(m,4H)、2.26(s,3H)、1.88(m,4H)。
【0311】
実施例59:N-(3-((6-(4-(((1-メチルピペリジン-4-イル)アミノ)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化84】
チオモルホリン-1,1-ジオキシドの代わりに1-メチルピペリジン-4-アミンを使用する以外、実施例44の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0312】
MS:m/z=483.3[M+H]
【0313】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.71(s,1H)、10.39(s,1H)、8.28(s,1H)、7.79(m,2H)、7.57(m,1H)、7.51(m,2H)、6.99(m,3H)、6.83(m,1H)、6.57(m,1H)、6.29(m,1H)、5.73(m,1H)、3.98(s,2H)、2.78(m,1H)、2.55(m,4H)、2.28(s,3H)、1.88(m,2H)、1.49(m,2H)。
【0314】
実施例60:N-(3-((6-(4-((メチル(1-メチルピペリジン-4-イル)アミノ)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化85】
チオモルホリン-1,1-ジオキシドの代わりにN,1-ジメチルピペリジン-4-アミンを使用する以外、実施例12の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0315】
MS:m/z=497.3[M+H]
【0316】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.70(s,1H)、10.69(s,1H)、8.35(m,1H)、7.90(m,2H)、7.73(m,1H)、7.55(m,2H)、7.39(m,2H)、7.00(m,2H)、6.57(m,1H)、6.25(m,1H)、5.75(m,1H)、4.07(m,1H)、3.69(m,1H)、2.57(m,4H)、2.40(m,1H)、2.32(s,3H)、2.26(s,3H)、1.95(m,2H)、1.55(m,2H)。
【0317】
実施例61:N-(4-(4-(3-アクリルアミドフェノキシ)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-1-メチルピペリジン-4-ホルムアミドの製造
【化86】
4-(4-ブロモフェニル)チオモルホリン-1,1-ジオキシドの代わりにN-(4-ブロモフェニル)-1-メチルピペリジン-4-ホルムアミド(文献WO2010054279を参照して製造)を使用する以外、実施例35の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0318】
MS:m/z=496.4[M+H]
【0319】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.55(s,1H)、10.41(s,1H)、9.38(s,1H)、8.33(s,1H)、7.87(m,2H)、7.69(m,1H)、7.48(m,2H)、7.19(m,3H)、6.85(m,1H)、6.53(m,1H)、6.27(m,1H)、5.67(m,1H)、2.75-2.40(m,5H)、2.33(m,2H)、1.73(m,2H)。
【0320】
実施例62:N-(3-((6-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化87】
4-(4-ブロモフェニル)チオモルホリン-1,1-ジオキシドの代わりに1-(4-ブロモフェニル)-4-(エチルスルホニル)ピペラジンを使用する以外、実施例35の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0321】
MS:m/z=533.2[M+H]
【0322】
HNMR(600MHz,DMSO):δ12.55(s,1H)、10.38(s,1H)、8.25(m,1H)、7.81(m,2H)、7.49(m,3H)、6.96(m,4H)、6.47(m,1H)、6.21(m,1H)、5.73(m,1H)、3.35(m,8H)、3.08(m,2H)、1.21(m,3H)。
【0323】
実施例63:N-(3-((6-(4-((4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-アルキンアミドの製造
【化88】
ステップ1:(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル)ピペリジン(中間体63A)の合成
5.0g(1.68mmol)の4-ブロモメチルベンゼンボロン酸ピナコール、2.44g(2.02mmol)の4,4-ジフルオロピペリジン、2.79g(2.02mmol)の炭酸カリウムを反応フラスコに入れ、25mLのDMFを添加し、80℃で4時間撹拌反応させる。室温まで冷却し、反応液を125mLの氷水に注ぎ、30min撹拌し、吸引濾過して5.06gの白色固体状の標題生成物を得て、収率が88.8%である。
【0324】
ステップ2:4-クロロ-6-(4-((4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)メチル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(中間体63B)の合成
1.87g(5.16mmol)の6-ブロモ-4-クロロ-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジンを100mLの反応フラスコに入れ、その中に1.64g(4.32mmol)の(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル)ピペリジン、20mLのジオキサン、1.33g(12.55mmol)の炭酸ナトリウム、4mL水、0.22g(0.30mmol)のPd(dppf)Clを順に添加する。アルゴン雰囲気下で、混合物を80℃に加熱して一晩撹拌反応させる。反応が完了した後、反応液を室温まで冷却し、乾燥まで減圧濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、酢酸エチル:石油エーテル=1:5)により精製し、1.22gの淡黄色固体状の標題生成物を得て、収率が47.9%である。
【0325】
ステップ3:3-((6-(4-((4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)メチル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)アニリン(中間体63C)の合成
1.20g(2.44mmol)の4-クロロ-6-(4-((4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)メチル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジンを50mLの反応フラスコに入れ、かつその中に0.32g(2.93mmol)のm-アミノフェノール、0.67g(4.88mmol)の炭酸カリウム、15mLのDMFを添加し、反応液を100℃まで昇温して一晩撹拌する。反応が完了した後、乾燥まで減圧濃縮する。残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、酢酸エチル:石油エーテル=2:1)により精製し、0.40gの淡黄色油状物の標題生成物を得て、収率が29.0%であり、純度が97.0%である。
【0326】
ステップ4:N-(3-((6-(4-((4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)メチル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-アルキンアミド(中間体63D)の合成
2-ブチン酸クロライドの製造:
1.0g(11.9mmol)の2-ブチン酸を50mLの反応フラスコに入れ、かつその中にTHF(20mL)を添加し、室温で撹拌し、1.2mLの塩化オキサリルを徐々に滴下した後にDMFを3滴添加し、室温で1時間撹拌する。乾燥まで濃縮して使用に備える。
【0327】
0.4g(1.22mmol)の3-((6-(4-((4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)メチル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)アニリンを50mLの反応フラスコに入れ、かつその中に0.12g(1.46mmol)の炭酸水素ナトリウム、20mLのTHF、4mLの水を添加し、氷浴下で撹拌し、前に製造された2-ブチン酸クロライドを10mLのTHFに添加し、反応フラスコに徐々に滴下した後、室温で1時間撹拌する。反応が完了した後、50mLの塩化アンモニウム飽和水溶液を添加してクエンチし、50mLのジクロロメタンを添加して抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、乾燥まで減圧濃縮する。残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、酢酸エチル:石油エーテル=2:1)により精製し、170mgの淡黄色油状物の標題生成物を得て、収率が38.0%であり、純度が96.4%である。
【0328】
ステップ5:N-(3-((6-(4-((4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)メチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-アルキンアミド(化合物63)の合成
170mg(0.27mmol)のN-(3-((6-(4-((4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)メチル)フェニル)-7-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-アルキンアミドを50mLの反応フラスコに入れ、かつその中に2mLのジクロロメタン、2mLのトリフルオロ酢酸を添加し、反応液を室温で一晩撹拌した後、乾燥まで減圧濃縮する。残留物に3mLのメタノールと1mLのアンモニア水を添加し、室温で1時間撹拌する。反応が完了した後、吸引濾過し、濾過ケーキを5mLの水で洗浄し、濾過ケーキを乾燥させ、20mgの淡黄色固体状の標題生成物を得て、収率が14.8%であり、純度が95.0%である。
【0329】
MS:m/z=502.2[M+H]
【0330】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.40(s,1H)、9.81(s,1H)、8.20(m,1H)、7.93(m,2H)、7.70(m,1H)、7.47(m,1H)、7.40(m,3H)、7.00(m,2H)、3.49(s,2H)、2.40(m,4H)、2.19(m,3H)、1.97(m,4H)。
【0331】
実施例64:N-(3-((6-(4-(ピペリジン-1-イルメチル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)ブタ-2-アルキンアミドの製造
【化89】
4,4-ジフルオロピペリジンの代わりにピペリジンを使用する以外、実施例63の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0332】
MS:m/z=497.3[M+H]
【0333】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.43(s,1H)、9.81(s,1H)、8.15(m,1H)、7.93(m,2H)、7.71(m,1H)、7.49(m,1H)、7.43(m,3H)、7.02(m,2H)、3.48(s,2H)、2.37(m,4H)、2.19(m,3H)、1.57(m,4H)、1.43(m,2H)。
【0334】
実施例65:N-(3-((6-(5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化90】
(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸の代わりに(5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)ボロン酸を使用する以外、実施例12の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0335】
MS:m/z=456.5[M+H]
【0336】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.48(s,1H)、10.23(s,1H)、8.76(m,1H)、8.40(m,1H)、7.75(m,2H)、7.45(m,1H)、7.29(m,1H)、7.08(m,1H)、6.86(m,2H)、6.30(m,2H)、5.67(m,1H)、3.58(m,4H)、2.86(m,4H)、2.29(s,3H)。
【0337】
実施例66:N-(3-((6-(5-((4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)-7H-ピロール[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化91】
チオモルホリン-1,1-ジオキシドの代わりに4,4-ジフルオロピペリジンを使用し、4-ブロモメチルベンゼンボロン酸ピナコールの代わりに(5-(ブロモメチル)ピリジン-2-イル)ボロン酸ピナコールエステルを使用する以外、実施例44の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0338】
MS:m/z=491.3[M+H]
【0339】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.68(s,1H)、10.31(s,1H)、8.73(m,1H)、8.38(m,1H)、7.80(m,2H)、7.49(m,1H)、7.27(m,1H)、7.04(m,1H)、6.43(m,1H)、6.29(m,1H)、5.75(m,1H)、3.61(s,2H)、2.50(m,4H)、1.95(m,4H)。
【0340】
実施例67:N-(3-((6-(2-フルオロ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化92】
(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸の代わりに(2-フルオロ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸ピナコールエステルを使用する以外、実施例12の製造方法と同じであり、標題化合物を得る。
【0341】
MS:m/z=473.3[M+H]
【0342】
HNMR(300MHz,DMSO):δ12.47(s,1H)、10.43(s,1H)、8.26(s,1H)、7.83(m,1H)、7.66(m,2H)、7.41(m,2H)、6.95(m,2H)、6.80(m,1H)、6.40(m,1H)、6.27(m,1H)、5.70(m,1H)、3.34(m,4H)、2.90(m,4H)、2.27(s,3H)。
【0343】
本発明の化合物の生物学的評価
【0344】
試験例1:BTK抑制活性の評価
384反応プレート(6008280、PerkinElmer)に2μL/ウェルのBTK溶液(Promega社から購入)を添加する。100%DMSOで測定対象化合物(10mM貯蔵溶液)を100μMまで希釈し、384希釈プレート(3657、corning)中で1:3で等比希釈し、測定対象化合物の勾配濃度は、100、33.3、11.1、3.7、1.24、0.41、0.14、0.046、0.015、0.0051、0μMである。2μLの測定対象化合物を、38μLの1Xキナーゼ反応緩衝液を含有する384希釈プレートに移し、均一に混合して1000rpmで遠心する。1μLの測定対象化合物を384反応プレートに移し、1000rpmで遠心し、かつ25℃で15分間インキュベートする。2μLの基質混合物(ATP:10mM、4μL、PolyE4Y1:1mg/mL、20μL、キナーゼ反応緩衝液:776μL)を384反応プレートに移し、1000rpmで遠心し、かつ25℃で60分間インキュベートする。測定対象化合物は、反応系において、最終濃度勾配が1000、333.3、111.1、37.03、12.35、4.14、1.37、0.46、0.15、0.051、0nMである。DMSOの最終濃度は1%である。5μLのADP-Glo溶液(Promega社から購入)を384反応プレートに移し、1000rpmで遠心し、かつ25℃で40分間インキュベートする。10μLのDetection溶液を384反応プレートに移し、1000rpmで遠心し、かつ25℃で40分間インキュベートする。Envision多機能リーダ(PerkinElmer)を用いてRLU(Relative luminescence unit)信号を読み取り、信号強度はBTKキナーゼの活性度を特徴づける。MicrosoftExcelを用いることによりIC50の計算と分析を行う。試験結果を表4に示す。
【0345】
表1において、AとはIC50<100nMを指し、BとはIC50=100nM~500nMを指し、CとはIC50=500nM~1000nMを指し、DとはIC50>1000nMを指す。
【表1】
結論:以上の表に示すように、本発明化合物は、いずれも優れたBTK抑制活性を示す。
【0346】
試験例2:II型コラーゲン誘導性DBA/1Jマウス関節炎モデル(CIA)
【0347】
CIAモデルは、ヒトリウマチ様関節炎を治療する薬物活性を研究するために広く用いられる動物モデルである。
【0348】
動物:DBA/1マウス 性別:雄性、数量:30匹、体重:14-16g、週齢範囲:6-7週齢、北京市維通利華実験動物技術有限公司から購入され、SPFレベル、動物生産許可証番号:SCXK(京)2012-0001、証明書発行機関:北京市科学技術委員会。
【0349】
群:モデル対照群、投与群(30mg/Kg)(実施例33の化合物)
【0350】
適量のBovine Type II Collage(Chondrex.Incから購入)を0.05Mの酢酸中(4mgのコラーゲン/mL)に溶解し、4℃の冷蔵庫で一晩静置する。等量の完全フロイントアジュバントと氷浴環境下で十分に乳化し、DBA/1Jマウス毎に0.1mL(200μgのコラーゲン含有)のエマルションで尾部1.5cm箇所に皮下注射する。モデル作成後の4週間に臨床症状観察と関節炎スコアを行い、症状が出る全ての動物のスコアをランキングして層ごとにランダムに群分けし、2群に分け、それぞれモデル対照群(経口で等量の溶媒0.5%CMCを胃内投与する)と投与群(経口で30mg/kgの実施例33の化合物を胃内投与する)であり、1回/日投与し、21日間連続的に投与し、投与後に3日おきに関節炎スコア及び体重変化を1回測定して観察する。
【0351】
関節炎指数スコア:Wood氏の関節炎スコア標準で関節炎指数スコアを作成し、具体的には以下のとおりである。
0点:正常
1点:1つの指関節が赤く腫れがり、
2点:2つ以上の指関節が赤く腫れがるか又は足爪全体が軽度に赤く腫れがり、
3点:足爪が重度に赤く腫れがり、
4点:足爪が重度に赤く腫れがり、関節が硬直し、弾性に乏しい。
4つの足爪の各爪の損傷は、いずれも0-4点に分けて四肢の総積分を計算する。異なる時間の積分(関節炎指数)を比較する。
【0352】
【表2】
結論:本発明の化合物は、CIAモデル動物の関節炎スコアを著しく低下させ、本発明の化合物がCIAマウスの関節炎症状に対して明らかな改善作用を有することを説明する。