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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】歯科矯正用ブラケット
(51)【国際特許分類】
   A61C 7/28 20060101AFI20221025BHJP
【FI】
A61C7/28
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020544027
(86)(22)【出願日】2019-04-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-07
(86)【国際出願番号】 KR2019004953
(87)【国際公開番号】W WO2020218638
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2020-08-14
(31)【優先権主張番号】10-2019-0046638
(32)【優先日】2019-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520308813
【氏名又は名称】メディセン カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100196313
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 大輔
(72)【発明者】
【氏名】クォン, スン ヨン
【審査官】小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2019-0008708(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0106403(KR,A)
【文献】米国特許第07963767(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 7/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
矯正ワイヤの挿入のためのスロット(Slot)が形成されたブラケット胴体と、
前記ブラケット胴体に装着されて前記スロットの入口を開閉するブラケットカバーと、そして
前記ブラケットカバーに具備され、前記矯正ワイヤを前記スロットに拘束するために前記スロットを選択的に遮断するワイヤ結紮部材を含み、
前記ブラケットカバーは、前記ブラケット胴体に移動可能に具備され、
前記ブラケット胴体は、前記スロットを有するワイヤ支持体(Wire Supporter)を含み、
前記ワイヤ支持体は、
前記ブラケットカバーによって覆われて前記ブラケットカバーを支持して前記スロットの一側壁を形成する第1胴体部と、
前記第1胴体部の反対側に具備されて前記スロットの他側壁を形成する第2胴体部と、を含み、
前記第1胴体部は、前記ブラケットカバーの位置を維持する係止部を含み、
前記ワイヤ結紮部材は、前記矯正ワイヤを加圧する弾性結紮部材を含んで、前記弾性結紮部材は、前記係止部にかかるように前記第1胴体部に向かってそびえた弾性突出部と、前記矯正ワイヤを前記スロットの内側に加圧するためのワイヤ加圧部を有する弾性部材を含んで、前記弾性突出部は前記ブラケットカバーの開閉時に前記係止部によって押されて弾性変形可能なことを特徴する、歯科矯正用ブラケット。
【請求項2】
前記ブラケットカバーは、前記ブラケット胴体にスライディング移動可能に具備されて前記スロットを開閉し、前記ブラケット胴体は、前記ブラケットカバーを支持して前記ブラケットカバーのスライディング移動を案内し、前記ブラケットカバーが前記ブラケット胴体で前記ブラケット胴体の厚さ方向にはげることを防止することを特徴とする請求項に記載の歯科矯正用ブラケット。
【請求項3】
前記ブラケット胴体には、前記ブラケットカバーの移動を案内して前記ブラケットカバーが前記ブラケット胴体からはげることを防止するガイドレールが具備され、前記ガイドレールは、前記ブラケット胴体の両側に形成されることを特徴とする請求項に記載の歯科矯正用ブラケット。
【請求項4】
記ワイヤ支持体の一側には歯面に付着可能なベースが具備されることを特徴とする請求項に記載の歯科矯正用ブラケット。
【請求項5】
前記係止部は、前記ブラケットカバーの閉鎖状態と開かれた状態でそれぞれ前記ブラケットカバーの後退を制限することを特徴とする請求項に記載の歯科矯正用ブラケット。
【請求項6】
前記係止部は、前記ブラケットカバーの閉鎖位置で前記ブラケットカバーの開放防止のために前記ブラケットカバーの後退を制限する第1係止部と、前記ブラケットカバーの開放位置で前記ブラケットカバーの後退を制限する第2係止部と、を含むことを特徴とする請求項に記載の歯科矯正用ブラケット。
【請求項7】
前記ブラケットカバーとワイヤ結紮部材は一体に挙動し、前記係止部は、前記ワイヤ結紮部材をかけて前記ワイヤ結紮部材を媒介で前記ブラケットカバーに位置拘束力を加えることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の歯科矯正用ブラケット。
【請求項8】
前記係止部は、前記第1胴体部の表面に少なくとも一つの係止突起を形成することを特徴とする請求項に記載の歯科矯正用ブラケット。
【請求項9】
前記第2胴体部は、
前記スロットの他側壁を形成する前記第2胴体部の一側面に形成されて前記弾性結紮部材のワイヤ加圧部が挟まれる結紮溝を含むことを特徴とする請求項に記載の歯科矯正用ブラケット。
【請求項10】
前記第1胴体部と第2胴体部は、前記第1胴体部と第2胴体部を連結して前記スロットの基底面を形成する底胴体で突き出され、前記ガイドレールは、前記第1胴体部の両側下端部に形成されることを特徴とする請求項に記載の歯科矯正用ブラケット。
【請求項11】
前記ブラケットカバーは、前記第1胴体部の上側を覆うカバー本体と、前記カバー本体の両側でそれぞれ前記底胴体に向けて形成されるカバーウイングを含んで、前記カバーウイングの下端部には前記ガイドレールに噛み合われるレール咬合部が形成されることを特徴とする請求項10に記載の歯科矯正用ブラケット。
【請求項12】
前記ガイドレールは、前記第1胴体部の両側面の下端部に沿って前記ブラケットカバーのスライディング方向に長く形成されるレール溝を含むことを特徴とする請求項11に記載の歯科矯正用ブラケット。
【請求項13】
前記ワイヤ結紮部材は、前記ブラケットカバーの内部で前記矯正ワイヤを拘束するために前記スロットを選択的に遮断可能なことを特徴とする請求項1乃至請求項のうちで何れか一つに記載の歯科矯正用ブラケット。
【請求項14】
前記ワイヤ結紮部材は、前記ブラケットカバーの内部に具備されて弾性を有することを特徴とする請求項13に記載の歯科矯正用ブラケット。
【請求項15】
前記ワイヤ結紮部材は、前記ブラケットカバーと一体で挙動し、前記ブラケットカバーが前記スロットを閉める時に前記ブラケットカバーの内部で前記スロットを遮断することを特徴とする請求項13に記載の歯科矯正用ブラケット。
【請求項16】
前記ワイヤ結紮部材は、所定太さ以上の矯正ワイヤをスロットの基底面に密着させるために、前記スロットを遮断して前記矯正ワイヤを前記スロットの内側に加圧することを特徴とする請求項15に記載の歯科矯正用ブラケット。
【請求項17】
前記ワイヤ結紮部材はプレート(Plate)形状を有する弾性部材であり、前記ワイヤ結紮部材のワイヤ加圧部が前記ブラケットカバーと共に前記スロットを選択的に遮断することを特徴とする請求項16に記載の歯科矯正用ブラケット。
【請求項18】
前記ブラケットカバーは、前記スロットを閉めて前記歯科矯正ブラケットの表面を丸く曲面で形成することを特徴とする請求項1に記載の歯科矯正用ブラケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科矯正術(歯列矯正手術)に使用される歯科矯正用ブラケットに関するものであり、より詳細には、矯正ワイヤが挟まれるスロットを開閉することができるし、矯正ワイヤをスロット内に安定的に拘束することができる構造の歯科矯正用ブラケットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
歯科矯正術(Orthodontic、歯列矯正)は、歯列が拗くれた歯牙、突き出口、不正咬合である歯牙を固定式、あるいは仮綴式補綴装置を利用して均一にしてくれる手術を言う。前述した歯列矯正は、日常生活に不便である程度に均一でない歯列を正しく直してくれる医学的機能と、捻れた歯牙を直して美しい顔で作ってくれる美容的機能を共に有している。
【0003】
歯列矯正器具の材料としては、メタルがたくさん使用されるが近来にはセラミックスも多く使用されている。例えば、歯列矯正のために前歯部にはセラミックス材質のブラケットが付着され、臼歯、すなわち臼歯部にはメタル材質のブラケットが使用されることもあるが、セラミックス材質のブラケットを使用する場合メタル材質に比べて費用が増加する。
【0004】
前記ブラケット(Bracket)は上述したように歯列矯正のために使用される歯科矯正器具として、矯正対象歯牙らの歯面にブラケットが付着され、前記ブラケットのスロットに弧線ワイヤなどのような矯正ワイヤが挟まれて結紮され、前記矯正ワイヤのトルク(Torque)が上述したブラケットを通じて矯正対象歯牙に持続的に伝達されながら歯列の矯正が進行される。
【0005】
前述したように、一般的な歯列矯正手術のためにブラケット(bracket)と矯正ワイヤ(Wire)が使用され、前記ブラケットは歯面(歯牙の表面)に固定された状態で上述した矯正ワイヤを支持し、矯正ワイヤで発現される矯正力は各歯牙のブラケットを通じて歯牙に伝達される。
【0006】
そして、前記ブラケットすなわち、歯列矯正用ブラケットは一般的に歯科用接着レジン(Resin)によって歯面に付着される。一般的なブラケットは前記矯正ワイヤが挟まれるようにブラケットの前面に形成されたスロット(Slot)を有するスロット型構造として、歯面にブラケットベースが付着され、スロットの角度は正確な矯正のために非常に重要である。
【0007】
前記ブラケットのスロットに挟まれる矯正ワイヤ(Wire)の結紮のために一般的なブラケットにはウイング(Wing)が具備される。したがって、ブラケットのスロットに矯正ワイヤが挟まれた後に、ワイヤ結束部材、例えば結紮用ゴム紐が前記ウイングに絡められて矯正ワイヤの離脱を防止するようになる。
【0008】
通常のブラケットは、ゴム紐結束のためのウイングとスロットを有するブラケット胴体と、ブラケット胴体を支持するブラケットベースを含む。そして、前記ブラケットの一種である自家結紮ブラケット(Self Ligature Bracket)は、スロットを有するブラケット胴体にクリップ形態のワイヤ結紮部材を結合して前記矯正ワイヤの離脱を防止し、前記ワイヤ結紮部材が前記スロットを開閉することができる。
【発明の詳細な説明】
【0009】
【技術的課題】
【0010】
本発明は矯正ワイヤをスロット内に安定的に拘束することができるし、矯正ワイヤの力を歯牙に正確に持続的に伝達することができる歯科矯正用ブラケットを提供することにその目的がある。
【技術的解決方法】
【0011】
本発明の一形態は、矯正ワイヤの挿入のためのスロット(Slot)が形成されたブラケット胴体と、前記ブラケット胴体に装着されて前記スロットの入口を開閉するブラケットカバーと、そして前記ブラケットカバーに具備され、前記矯正ワイヤを前記スロットに拘束するために前記スロットを選択的に遮断するワイヤ結紮部材を含む歯科矯正用ブラケットを提供する。
【0012】
前記ブラケットカバーは、前記ブラケット胴体に移動可能に具備されて前記スロットを入口を開閉することができる。
【0013】
前記ブラケットカバーは、前記ブラケット胴体にスライディング移動可能に具備されて前記スロットを開閉し、前記ブラケット胴体は、前記ブラケットカバーを支持して前記ブラケットカバーのスライディング移動を案内し、前記ブラケットカバーが前記ブラケット胴体で前記ブラケット胴体の厚さ方向にはげることを防止することができる。例えば、前記ブラケット胴体は、前記ブラケットカバーがスライディング移動中に前記ブラケット胴体で前記ブラケット胴体の厚さ方向に分離されることを防止する。
【0014】
前記ブラケット胴体には、前記ブラケットカバーの移動を案内して前記ブラケットカバーが前記ブラケット胴体からはげることを防止するガイドレールが具備され、前記ガイドレールは、前記ブラケット胴体の両側に形成されることができる。
【0015】
前記ブラケット胴体は、前記スロットを有するワイヤ支持体(Wire Supporter)を含んで、前記ワイヤ支持体の一側には歯面に付着可能なベースが具備される。
【0016】
前記ワイヤ支持体は、前記ブラケットカバーによって覆われて前記ブラケットカバーを支持して前記スロットの一側壁を形成する第1胴体部と、前記第1胴体部の反対側に具備されて前記スロットの他側壁を形成する第2胴体部を含む。
【0017】
前記第1胴体部は、前記ブラケットカバーの位置を維持する係止部を含む。そして前記係止部は、前記ブラケットカバーの閉鎖状態と開かれた状態でそれぞれ前記ブラケットカバーの後退を制限するストッパ(Stopper)である。
【0018】
前記係止部は、前記ブラケットカバーの閉鎖位置で前記ブラケットカバーの開放防止のために前記ブラケットカバーの後退を制限する第1係止部と、前記ブラケットカバーの開放位置で前記ブラケットカバーの後退を制限する第2係止部を含むことができる。
【0019】
前記ブラケットカバーとワイヤ結紮部材は一体で挙動することができるし、前記係止部は、前記ワイヤ結紮部材をかけて前記ワイヤ結紮部材を媒介で前記ブラケットカバーに位置拘束力を加えることができる。
【0020】
前記係止部は、前記第1胴体部の表面で前記ブラケットカバーに向けてふくらんでいる係止突起を形成することができる。すなわち、前記係止部は、前記第1胴体部の表面に少なくとも一つの係止突起を形成することができる。そして、前記ワイヤ結紮部材は、前記矯正ワイヤを加圧する弾性結紮部材を含むことができる。
【0021】
前記弾性結紮部材は、前記係止部にかかるように前記第1胴体部に向かってそびえた弾性突出部と、前記矯正ワイヤを前記スロットの内側に加圧するためのワイヤ加圧部を有する弾性部材を含んで、前記弾性突出部は、前記ブラケットカバーの開閉時に前記係止部によって押されて弾性変形されることができる。
【0022】
前記第2胴体部は、前記スロットの他側壁を形成する前記第2胴体部の一側面に形成されて前記弾性結紮部材のワイヤ加圧部が挟まれる結紮溝を含むことができる。
【0023】
前記第1胴体部と第2胴体部は、前記第1胴体部と第2胴体部を連結して前記スロットの基底面を形成する底胴体で突き出され、前記ガイドレールは、前記第1胴体部の両側下端部に形成されることができる。
【0024】
前記ブラケットカバーは、前記第1胴体部の上側を覆うカバー本体と、前記カバー本体の両側でそれぞれ前記底胴体に向けて形成されるカバーウイングを含んで、前記カバーウイングの下端部には前記ガイドレールに噛み合われるレール咬合部が形成される。
【0025】
前記ガイドレールは、前記第1胴体部の両側面下端部に沿って前記ブラケットカバーのスライディング方向に長く形成されるレール溝を含むことができる。
【0026】
前記ワイヤ結紮部材は、前記ブラケットカバーの内部で前記矯正ワイヤを拘束するために前記スロットを選択的に遮断可能である。前記ワイヤ結紮部材は、前記ブラケットカバーの内部に具備されて弾性を有することが良い。
【0027】
前記ワイヤ結紮部材は前記ブラケットカバーと一体で挙動し、前記ブラケットカバーが前記スロットを閉める時に前記ブラケットカバーの内部で前記スロットを遮断する。すなわち、前記ブラケットカバーと前記ワイヤ結紮部材は同時に共に前記スロットを遮断する。
【0028】
前記ワイヤ結紮部材は、所定太さ以上の矯正ワイヤをスロットの基底面に密着させるために、前記スロットを遮断して前記矯正ワイヤを前記スロットの内側に加圧することができる。
【0029】
前記ワイヤ結紮部材はプレート(Plate)形状を有する弾性部材であり、前記ワイヤ結紮部材のワイヤ加圧部が前記ブラケットカバーと共に前記スロットを選択的に遮断することができる。
【0030】
前記ブラケットカバーは、前記スロットを閉めて前記歯科矯正用ブラケットの表面を丸く曲面で形成する。より具体的に、前記ブラケットカバーが閉まれば前記歯科矯正用ブラケットのわくと前面がふくらんでいる丸い曲面、例えば球形曲面または楕円体曲面などの形状になる。
【0031】
[発明の効果]
本発明による歯科矯正用ブラケットは次のような利点を有する。
第一、本発明によれば矯正ワイヤの力、例えばトルク(Torque)が歯牙に正確に持続的に伝達することができるし、スロットの開閉によるワイヤ結紮部材の変形や損傷その他の故障要因が最小化または防止されることができる。
第二、本発明によれば、ブラケット胴体を覆うブラケットカバーに弾性のワイヤ結紮部材が具備され、ブラケットカバーにワイヤ結紮部材が搭載されてブラケットカバーと一体で挙動するので、矯正ワイヤの結紮及び解除のためのスロットの開閉が容易に遂行されることができる。結論的に、本発明はアクティブ(Active)タイプの自家結紮ブラケットとパッシブ(Passive)タイプの自家結紮ブラケットの長所を共に具現することができる。
第三、本発明によれば、ブラケットの表面、例えばブラケットのわくと前面が丸い曲面構造であるので、口腔内で舌わだかまりなどのような異物感が最小化されることがあるし、ブラケットによる口腔内軟組織の損傷などの問題が最小化または防止されることがある。
第四、本発明によれば、矯正ワイヤをスロットの内側で押してくれるワイヤ結紮部材がブラケットカバーで分離(除去)されることができるので、矯正段階に合わせてワイヤ結紮部材がブラケットカバーに選択的に着脱されることができる。
五番目、本発明によれば、ブラケットの開閉のために一定水準以上の力がブラケットカバーに加えられる場合のみにブラケットの移動(開閉)がなされることができるので、ブラケットカバーの位置が閉鎖状態と開かれた状態でそれぞれ安定的に維持されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本発明の特徴及び長所は後述する本発明の実施形態に対する詳細な説明と共に、次に説明される図面を参考にしてよりよく理解されることができ、前記図面のうち:
図1】本発明による歯列矯正用ブラケットの一実施例を示した斜視図である。
図2図1に示されたブラケットに矯正ワイヤが挟まれた状態を示した斜視図である。
図3図1に示されたブラケットの側面図である。
図4図1に示されたブラケットの分解斜視図である。
図5】ブラケットカバーが開かれた状態のブラケットを示した斜視図である。
図6図1に示されたブラケットのブラケット胴体を示した斜視図である。
図7図1に示されたブラケットのブラケットカバーにワイヤ結紮部材が結合された状態を示した斜視図である。
図8図7に示されたブラケットカバーとワイヤ結紮部材の分解斜視図である。
図9図8に示されたワイヤ結紮部材の斜視図である。
図10図1に示されたブラケットのスロットが開放された状態を示した側面図である。
図11図1に示されたブラケットのスロットが閉まった状態を示した断面図である。
図12図1に示されたブラケットのスロットが開かれた状態を概略的に示した断面図である。
図13図6に示されたブラケット胴体の断面図である。
【発明の実施のための最善の形態】
【0033】
以下、本発明の目的が具体的に実現することができる本発明の望ましい実施例らが添付された図面を参照して説明される。本実施例らを説明するにおいて、同一構成に対しては同一名称及び同一符号が使用されてこれによる付加的な説明は下記で省略される。
【0034】
本明細書で使用される用語は、本発明の実施例を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図ではなくて、“第1”と“第2”などのように序数を含む用語は同一名称の構成要素らを説明する時これらを相互区分することに使用されることができるが、構成要素の数を定義するか、または限定するものではない。
【0035】
そして、ある構成要素が他の構成要素に“連結されて”いるか“接続されて”いると言及された時には、その他の構成要素に直接的に連結されているか、または接続されていることもあるが、中間に他の構成要素が存在する連結関係、すなわち間接的に連結される関係も含むと理解されなければならないであろう。
【0036】
本明細書で、“含む”または“有する”などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを意味することであり、一つまたはその以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在、すなわち付加可能性を排除しないものとして理解されなければならない。
【0037】
図1乃至図5を参照すれば、本発明の一実施例による歯科矯正用ブラケット(以下'ブラケット'と称する)は、矯正ワイヤ(W)の挿入のためのスロット(Slot)101が形成されたブラケット胴体100と、前記ブラケット胴体に装着されて前記スロット101を開閉するブラケットカバー200と、前記ブラケットカバーに具備されるワイヤ結紮部材300とを含む。本実施例で前記ワイヤ結紮部材300は、前記矯正ワイヤ(W)を前記スロット101に拘束するために前記スロット101を選択的に遮断する構成要素である。
【0038】
前記ブラケットカバー200は、前記ブラケット胴体100に移動可能に具備されて前記スロット101の入口を開閉することができる。そして、前記ワイヤ結紮部材300は、前記ブラケットカバー200の内部で前記矯正ワイヤ(W)を拘束するため、前記スロット101を選択的に遮断することができる。この時、前記ワイヤ結紮部材300は、前記ブラケットカバー220の内部に具備されて弾性を有することが良い。すなわち、前記ワイヤ結紮部材300は前記矯正ワイヤ(W)を弾力的に加圧して矯正ワイヤをスロット101内に密着させることができる。前記ワイヤ結紮部材300の材質は公知された自家結紮ブラケットのワイヤ結紮用材料が適用されることができるので限定されないが、人体に無害な材質、例えばNiTiなどのようなチタン合金やSST(ステンレススチール)などのような金属材質や歯科用レジンなど多様な材質で製造されることができる。
【0039】
本実施例で前記ワイヤ結紮部材300は前記ブラケットカバー200と一体で挙動し、前記ブラケットカバー200が前記スロットを閉める時前記ブラケットカバー200の内部で前記スロット101を遮断する。言い替えれば、前記ブラケットカバー200は前記ワイヤ結紮部材300の外側で前記スロットを開閉し、前記ブラケットが閉まれば前記ブラケットカバー200と前記ワイヤ結紮部材300が同時に共に前記スロット101を遮断する。反対に、前記ブラケットカバー200が開かれて前記スロットを開放すれば、前記ワイヤ結紮部材300もブラケットカバー200と共に移動して前記スロット101の遮断を解除する。
【0040】
前記ワイヤ結紮部材300は、所定太さ以上の矯正ワイヤ(W)をスロット101の基底面(図3でスロットの底面)に密着させるために、前記スロット101を遮断して前記矯正ワイヤ(W)を前記スロット101の内側に加圧することができる。
【0041】
本実施例で前記ワイヤ結紮部材300はプレート(Plate)形状を有する弾性部材であり、前記ワイヤ結紮部材のワイヤ加圧部310が前記ブラケットカバー200と共に前記スロット101を選択的に遮断することができる。
【0042】
より具体的に説明すれば、前記ブラケットカバー200は前記ブラケットカバー200に移動可能に具備される。例えば、前記ブラケットカバー200が前記ブラケット胴体100に回転可能に連結されるか、またはスライディング可能に装着されることで、前記ブラケット胴体のスロット101を開閉することができる。
【0043】
本実施例では前記ブラケットカバー200が前記ブラケット胴体100にスライディング移動可能に具備されて前記スロット101を開閉する。そして、前記ブラケット胴体100は、前記ブラケットカバー200を支持して前記ブラケットカバー200のスライディング移動を案内する。
【0044】
図4乃至図10を参照すれば、前記ブラケット胴体100は、前記ブラケットカバー200が前記ブラケット胴体100で前記ブラケット胴体100の厚さ方向にはげることを防止することができる。言い替えれば、前記ブラケット胴体100は、前記ブラケットカバー200がスライディング移動中に前記ブラケット胴体100で前記ブラケット胴体100の厚さ方向(スライディング方向に垂直な方向)に分離されることを防止する。
【0045】
このために、前記ブラケット胴体100には、前記ブラケットカバー200の移動を案内して前記ブラケットカバー200が前記ブラケット胴体100からはげることを防止するガイドレール110aが具備される。前記ガイドレール110aは、前記ブラケット胴体100の両側に形成されることができる。前記ブラケットカバー200のスライディング方向をX軸方向とする時、前記ブラケットカバー200がブラケット胴体の両側ガイドレール110aに咬合された状態でスライディング移動することで、X軸方向に直交するY軸方向(例えば、厚さ方向)及び/またはZ軸方向(例えば、幅方向)での離脱が防止されることができる。
【0046】
前記ブラケット胴体100は、前記スロット101を有するワイヤ支持体(Wire Supporter)110を含んで、前記ワイヤ支持体110の一側には歯面(歯牙表面、舌側面または舌/頬側面)に付着可能なベース120が具備される。したがって、前記ベース120の一側面(背面、図6では底面)は歯牙付着面を形成する。
【0047】
前記ワイヤ支持体110は上述した矯正ワイヤ(W)が搭載される部分として、前記スロット101の一側壁を形成する第1胴体部111と、前記スロット101の他側壁を形成する第2胴体部112を含む。
【0048】
前記第1胴体部111は前記ブラケットカバー200によって覆われて前記ブラケットカバー200を支持する。そして、前記第2胴体部112は前記第1胴体部111の反対側に具備され、上述したように前記スロット101の他側壁を形成する。
【0049】
本実施例で前記第1胴体部111は、前記ブラケットカバー200の位置を維持する少なくとも一つの係止部114a、114bを含む。前記係止部114a、114bは、前記ブラケットカバー200の閉鎖状態と開かれた状態でそれぞれ前記ブラケットカバーの後退を制限するストッパ(Stopper)の機能をすることができて、本実施例では前記係止部114a、144bによって、前記ブラケットカバー200が開閉状態で位置が維持されることができる。
【0050】
前記係止部は、前記ブラケットカバー200の閉鎖位置で前記ブラケットカバー200の開放防止のために前記ブラケットカバー200の後退を制限する第1係止部114aを含む。そして前記係止部は、前記ブラケットカバー200の開放位置で前記ブラケットカバー200の後退を制限する第2係止部114bをさらに含むことができる。
【0051】
したがって、前記第1係止部114aによって前記ブラケットカバー200の閉鎖状態が維持されることができるし、前記第2係止部114bによって前記ブラケットカバー200の分離(ガイドレールからの抜け)が防止されることができるし、本実施例で前記第1係止部114aと第2係止部114bによって前記ブラケットカバー200が開き状態で位置が維持されることができる。すなわち、前記第1係止部114aは、前記ブラケットカバー200が開かれた状態で閉まることを防止することができるし、反対に閉まった状態では開かれることを防止する。
【0052】
そして、上述したように前記ブラケットカバー200とワイヤ結紮部材300は一体に挙動して、本実施例で前記係止部114a、114bは、前記ワイヤ結紮部材300をかけて前記ワイヤ結紮部材300を媒介で前記ブラケットカバー200に位置拘束力を加えることができる。言い替えれば、前記ブラケットカバー200の位置は前記ワイヤ結紮部材300を媒介にして間接的に拘束される。勿論、前記ブラケットカバーの位置維持のためのメカニズムが上述した例に限定されるものではなく、ブラケット胴体は公知されたブラケットの材料で製造可能なことが当然である。
【0053】
図6乃至図13を参照すれば、前記係止部114a、114bは、前記第1胴体部111の表面(前面、図13で上側面)に前記ブラケットカバー200に向けてふくらんでいる係止突起を形成することができる。本実施例で前記ワイヤ結紮部材300は、前記矯正ワイヤ(W)を加圧する弾性結紮部材、例えば板スプリング構造になることができる。
【0054】
より具体的に説明すれば、前記ワイヤ結紮部材300、すなわち弾性結紮部材は、前記矯正ワイヤ(W)を加圧するためのワイヤ加圧部310と、前記係止部114a、114bにかかるように前記第1胴体部111に向けてそびえた弾性突出部320を含む。
【0055】
本実施例では前記ワイヤ結紮部材300の先端部が前記ワイヤ加圧部310の機能をし、前記スロット101を遮断して前記矯正ワイヤ(W)を前記スロット101の内側で加圧/密着させる。そして、前記弾性突出部310は、前記ブラケットカバー200の開閉時に前記係止部、特に第1係止部114aを越えることができるように、前記第1係止部114aによって押されて弾性変形されることができる。
【0056】
前記第1胴体部111と第2胴体部112は前記スロット101の基底面を形成する底胴体113に具備される。前記底胴体113は、前記第1胴体部111と第2胴体部112を連結しながら上述したように前記スロット101の基底面(図13でスロットの底面)を形成する。そして、前記第1胴体部111と第2胴体部112は前記底胴体113から前方(図13で上方)に突き出される。言い替えれば、前記底胴体113の一側(図13で上側)には前記第1胴体部111と第2胴体部112が具備されて、前記底胴体113の他側には上述した歯牙付着面を成すベース120が具備される。
【0057】
前記ブラケットカバー200は、前記第1胴体部111の表面(前面、図13で第1胴体部の上側面)すなわち、前記ベース120が形成される部分の反対側表面を覆うカバー本体210と、前記カバー本体210の両側でそれぞれ形成されて前記第1胴体部111の両側に具備されるカバーウイング220を含む。前記ブラケットカバー200の材質で公知されたブラケットの材料が適用されることができるのでそれに対する詳細な説明は省略されることができるし、その種類が限定されないが人体に無害な材質、例えばジルコニアなどのようなセラミックス系列材料やNiTiとSSTなどのような金属材質や歯科用レジンなど多様な材質で製造されることができるし、より具体的には硬質として堅い表面を形成することができるし、図面らに示されたもののように前記ワイヤ結紮部材300を覆う。
【0058】
本実施例で前記カバーウイング220は上述した底胴体113に向けて延長形成され、前記ガイドレール110aは前記第1胴体部111の両側に形成される。そして、前記カバーウイング220には前記ガイドレール110aに噛み合われるレール咬合部221が形成される。したがって、前記カバー本体とカバーウイングの内側にワイヤ結紮部材の設置及び第1胴体部の収容のための空間230が形成されることができる。
【0059】
より具体的に説明すれば、前記ガイドレール110aは前記第1胴体部111の両側下端部、すなわち底胴体113との境界部分に形成され、前記レール咬合部221は前記カバーウイング220の下端部に形成されて前記ブラケットカバー200の開閉時に前記ガイドレール110aに沿ってスライディング移動する。
【0060】
前記ガイドレール110aとレール咬合部221のうちで何れか一つには溝形状が適用され、他の一つは突起形状が適用されることができる。本実施例では。前記ガイドレール110aが溝形状であり、前記レール咬合部221は前記ガイドレール110aに挟まれる突起形状として、前記ガイドレール110aは前記第1胴体部111の両側面、特に側面下端部に沿って前記ブラケットカバー200のスライディング方向に長く形成されるレール溝を含む。
【0061】
一方、本実施例に開示されるワイヤ結紮部材300は屈曲された形状として、前記第1胴体部111の表面には前記ワイヤ結紮部材300の移動空間114が形成される。前記ワイヤ結紮部材300の移動空間114には前記係止部、例えば上述した係止突起形状の第1係止部114aと第2係止部114bが突き出形成され、前記第1係止部114aが第1係止突起になって第2係止部114bが第2係止突起になる。
【0062】
前記第1係止部114aは前記第2胴体部112と前記第2係止部114bとの間に形成される。すなわち、本実施例では前記スロット101の一側壁を形成する前記第1胴体部111の一側でその反対側である他側方向に行きながら前記第1係止部114aと第2係止部114bが順に間隔を置いて形成される。
【0063】
したがって、前記弾性突出部320が前記第1係止部114aと第2係止部114bとの間領域に形成される固定溝114cに位置するようになれば、前記ブラケットカバー200の開き状態が維持される。そして、前記弾性突出部320が前記第1係止部114aを超えて前記第1係止部114aの外側(第2係止部の反対側領域)に位置すれば、前記ブラケットカバー200の閉鎖状態が維持されることができる。
【0064】
本実施例のワイヤ結紮部材300は波形(Wave Shape)で製造され、前記ワイヤ結紮部材300の一部分が前記第1胴体部111に向けてふくらんでいる形状で撓めて上述した弾性突出部320を形成する。
【0065】
前記ブラケットカバー200の開閉のために前記ブラケットカバー200のスライディング方向に一定水準以上の力が前記ブラケットカバー200に加えられれば、前記弾性突出部320が前記第1係止部114aを通過しながら前記第1係止部114aによって押されて弾性変形され、前記第1係止部114aを通過した後には原状に復元されながら前記第1係止部114aの一側または他側にかかるようになる。
【0066】
そして、前記ワイヤ結紮部材300は前記弾性突出部320で前記第2胴体部112側に延長される区間を有して、この区間は前記ブラケットカバー200より具体的にはカバー本体210に向けてふくらんでいるように撓めた形状の屈曲部330を有する。
【0067】
前記ワイヤ結紮部材の弾性突出部320からスロット方向に延長される屈曲部330は、前記屈曲部の頂上(床部分)で前記第2胴体部112に向けて斜線方向に延長されるワイヤ加圧部310を形成し、前記ワイヤ結紮部材300の先端で屈曲方向が転換される。例えば、前記ワイヤ結紮部材300の先端が前記屈曲部330の反対方向にふくらんでいるように撓めるか、またはスロット101の基底面に並んで一定長さが延長された形状でベンディング(Bending)されることができる。勿論、前記ワイヤ結紮部材300の形状が上述した例に限定されるものではないことは当然である。
【0068】
前記ワイヤ結紮部材300は上述したブラケットカバー200の内側、より具体的には前記カバー本体210の内側に具備される。本実施例で前記ワイヤ結紮部材300は前記カバー本体210の内側に結合される。前記ワイヤ結紮部材300は前記ブラケットカバー200に着脱可能に結合されることもできる。
【0069】
例えば、前記ワイヤ結紮部材300がネジなどの締結部材400によって前記ブラケットカバー200に固定されることができるし、前記ワイヤ結紮部材300がネジによって前記カバー本体210に固定される場合、前記カバー本体210の内側にはネジホール211が形成される。そして、前記ワイヤ結紮部材にもネジ結合ホール301が形成される。勿論、前記ワイヤ結紮部材300を前記ブラケットカバー200に固定する方式に上述した例に限定されるものではないことは当然である。例えば、前記ブラケットカバーに前記ワイヤ結紮部材の組み立てのための組み立て溝が形成され、前記組み立て溝に前記ワイヤ結紮部材が圧嵌されることもでき、前記ワイヤ結紮部材が前記ブラケットカバーに接着方式で固定されることもでき、インサート射出方式や3Dプリンティング方式によって前記ブラケットカバーとワイヤ結紮部材が一体化されることもできるので、前記ワイヤ結紮部材が多様な方式によって前記ブラケットカバーに具備されることができる。
【0070】
一方、前記スロット101の他側壁を形成する前記第2胴体部112の一側面は前記弾性結紮部材のワイヤ加圧部310が挟まれる結紮溝115を含むことができる。すなわち、前記ブラケットカバー200が閉まれば前記ワイヤ加圧部310、より具体的には前記ワイヤ結紮部材300の先端が前記結紮溝115に挿入される。
【0071】
前記ブラケットカバー200の表面は丸い曲面を成して、前記ブラケットカバー200は前記スロット101を閉めて前記歯科矯正用ブラケットの表面を丸く曲面で形成した方が良い。より具体的に、前記ブラケットカバー200が閉まれば前記歯科矯正用ブラケットのわくとベース反対側の表面がふくらんでいる丸い曲面、例えば、球形曲面または楕円体曲面などのように曲面構造を有する形状になることで、歯牙に付着された状態で舌わだかまりなどの異物感を最小化することができる。
【0072】
本実施例の説明のための図面らには、ブラケット胴体100の上側にブラケットカバー200が結合される構造で図示されてベース120が横方向に表現されているが、実際では上述したブラケットが縦方向に立てられた状態、すなわちベース120が縦方向に歯牙に付着される。
【0073】
したがって、前記ベース120の表面、すなわち歯牙付着面をブラケットの背面と称する時、前記ベース110の前方に上述したワイヤ支持体110が具備され、ワイヤ支持体110の前面、特に前記第1胴体部111の前面が前記ブラケットカバー200によってカバーされる。
【0074】
そして、上述したように前記ベース120の歯牙付着面をブラケットの背面と称する時、本実施例では前記ブラケットの前面とブラケットのわくが丸いふくらんでいる曲面を成す形状であり、前記ブラケットカバー200が閉まれば前記ブラケットカバー200の表面と第2胴体部112の表面が段差なく滑っこく連結される。勿論、前述したブラケットの外形が丸い曲面形状に限定されるものではないことは当然である。
【0075】
以上のように本発明による実施例らを説明したし、前で説明された実施例ら以外にも本発明がその趣旨や範疇から脱することがなしに他の特定形態で具体化されることができるという事実は、該当技術に通常の知識を有した人々には自明なことである。
【0076】
それで、上述した実施例は制限的なものではなく例示的なものとして思われなければならないし、これによって本発明は上述した説明に限定されないで添付された請求項の範疇及びその同等範囲内で変更されることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、歯科矯正装置に関するものであり、特に、矯正ワイヤを支持するブラケット(Bracket)と関連されて歯科矯正装置製造分野で利用されることができるし、矯正ワイヤの力を円滑に歯牙に伝達することができるし、ワイヤ結紮が容易な構造のブラケットを開示する。
図1
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