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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20221025BHJP
【FI】
A63F7/02 316A
A63F7/02 304D
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021138044
(22)【出願日】2021-08-26
(62)【分割の表示】P 2018226014の分割
【原出願日】2018-11-30
(65)【公開番号】P2021181016
(43)【公開日】2021-11-25
【審査請求日】2021-08-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000161806
【氏名又は名称】京楽産業.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100107216
【弁理士】
【氏名又は名称】伊與田 幸穂
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】平澤 琢磨
(72)【発明者】
【氏名】有澤 裕太郎
(72)【発明者】
【氏名】前山 大介
(72)【発明者】
【氏名】小林 誠
(72)【発明者】
【氏名】藤田 恭浩
(72)【発明者】
【氏名】古谷 一馬
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 岳俊
(72)【発明者】
【氏名】若松 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 拓也
(72)【発明者】
【氏名】新名 憲治郎
【審査官】後藤 孝平
(56)【参考文献】
【文献】特許第7005017(JP,B2)
【文献】特開2011-212365(JP,A)
【文献】特開2013-236667(JP,A)
【文献】特開2012-100873(JP,A)
【文献】特開2017-023543(JP,A)
【文献】特開2017-148428(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域を形成する遊技盤と、
前記遊技盤に設けられ、遊技球が入賞する入賞口と、
遊技機の前後方向にスライド移動することによって、前記入賞口に遊技球を入球容易にする第1状態と、前記入賞口に遊技球を入球困難にする第2状態との間で変位可能な変位部材と、
前記変位部材における長手方向における端部側に設けられ、前記入賞口に入賞した遊技球を検出する検出部と、
前記変位部材の移動方向における前側に設けられ、前記変位部材に対向する対向部材と、
前記対向部材に設けられて装飾を施す装飾部と、
を備え、
前記変位部材は、遊技機の左右方向に進むに従って上下方向の高さが変化し、
前記対向部材は、透過領域を有し、前記変位部材および前記変位部材上に位置する遊技球を、前記透過領域を介して遊技者に見せることが可能に構成され、
前記装飾部は、前記遊技盤の垂直方向から見て、前記変位部材の一部および前記変位部材上に位置する遊技球の一部を覆って見え難くする装飾領域を有し、
複数の前記透過領域と少なくとも一つの前記装飾領域とが、各々の前記透過領域の間に前記装飾領域を形成するように、前記変位部材における遊技球の流下方向に沿って並べられており、前記複数の前記透過領域は所定の間隔を有し
前記変位部材は、遊技球の流れにおける前記変位部材の上流側および下流側にそれぞれ設けられて遊技球の経路を形成する遊技球経路形成部材と色が異なり、前記変位部材は有色かつ不透明であり、前記遊技球経路形成部材は無色かつ透明であることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機において、例えば特許文献1には、センター装飾体の右下部には、大入賞口を備えた大入賞装置が設けられ、大入賞装置は、開状態と閉状態とをとる開閉部材を備え、開閉部材の作動により大入賞口を開閉するものである。開閉部材は、大入賞口ソレノイドにより駆動され、大入賞口は、開閉部材が開いているときだけ遊技球が入球可能となることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば大入賞口や普通電動役物が設けられた始動口などの遊技球が入賞する入賞口において、遊技機の前後方向にスライド移動することで、入賞口に遊技球を入球容易にする状態と入賞口に遊技球を入球困難にする状態との間で変位可能な変位部材を備える遊技機が考えられる。そして、このような変位部材が設けられた入賞口においては、例えば遊技球を噛み込んだり、遊技球が滞留したりするなど、入賞に係る不具合が発生する可能性がある。
本発明は、入賞に係る不具合の発生を抑制したり、発生した不具合が解消され易くしたり構成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成する本発明は、次のような遊技機として実現される。この遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)は、遊技領域を形成する遊技盤(例えば、遊技盤110)と、前記遊技盤(例えば、遊技盤110)に設けられ、遊技球が入賞する入賞口(例えば、大入賞口125)と、遊技機の前後方向にスライド移動することによって、前記入賞口(例えば、大入賞口125)に遊技球を入球容易にする第1状態と、前記入賞口(例えば、大入賞口125)に遊技球を入球困難にする第2状態との間で変位可能な変位部材(例えば、シャッタ45)と、前記変位部材(例えば、シャッタ45)における長手方向における端部側に設けられ、前記入賞口(例えば、大入賞口125)に入賞した遊技球を検出する検出部(例えば、大入賞口スイッチ215)と、前記変位部材(例えば、シャッタ45)の移動方向における前側に設けられ、前記変位部材(例えば、シャッタ45)に対向する対向部材(例えば、前板42)と、前記対向部材(例えば、前板42)に設けられて装飾を施す装飾部(例えば、装飾部421)と、を備え、前記変位部材(例えば、シャッタ45)は、遊技機の左右方向に進むに従って上下方向の高さが変化し、前記対向部材(例えば、前板42)は、透過領域(例えば、第1透過部T12、第2透過部T23)を有し、前記変位部材(例えば、シャッタ45)および前記変位部材(例えば、シャッタ45)上に位置する遊技球を、前記透過領域(例えば、第1透過部T12、第2透過部T23)を介して遊技者に見せることが可能に構成され、前記装飾部(例えば、装飾部421)は、前記遊技盤(例えば、遊技盤110)の垂直方向から見て、前記変位部材(例えば、シャッタ45)の一部および前記変位部材(例えば、シャッタ45)上に位置する遊技球の一部を覆って見え難くする装飾領域(例えば、第2装飾領域S2)を有し、複数の前記透過領域(例えば、第1透過部T12、第2透過部T23)と少なくとも一つの前記装飾領域(例えば、第2装飾領域S2)とが、各々の前記透過領域(例えば、第1透過部T12、第2透過部T23)の間に前記装飾領域(例えば、第2装飾領域S2)を形成するように、前記変位部材(例えば、シャッタ45)における遊技球の流下方向に沿って並べられており、前記複数の前記透過領域(例えば、第1透過部T12、第2透過部T23)は所定の間隔を有し、前記変位部材(例えば、シャッタ45)は、遊技球の流れにおける前記変位部材(例えば、シャッタ45)の上流側および下流側にそれぞれ設けられて遊技球の経路を形成する遊技球経路形成部材(例えば、第1流路形成部43、第2流路形成部44)と色が異なり、前記変位部材(例えば、シャッタ45)は有色かつ不透明であり、前記遊技球経路形成部材(例えば、第1流路形成部43、第2流路形成部44)は無色かつ透明であることを特徴とする遊技機である。
【0006】
なお、本欄における上記符号は、本発明の説明に際して例示的に付したものであり、この符号により本発明が減縮されるものではない。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、入賞に係る不具合の発生を抑制したり、発生した不具合が解消され易くしたり構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態に係るパチンコ遊技機の概略正面図である。
図2】(A)は遊技盤の左下に設けられた表示器の一例を示す拡大図であり、(B)はパチンコ遊技機の部分平面図である。
図3】本実施の形態のパチンコ遊技機の制御ユニットの内部構成を示す図である。
図4】本実施の形態の遊技制御部の機能構成を示すブロック図である。
図5】遊技制御部による基本処理の動作を示すフローチャートである。
図6】遊技制御部による電源遮断時処理の動作を示すフローチャートである。
図7】遊技制御部の主制御処理を示すフローチャートである。
図8】大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
図9】賞球処理の内容を示すフローチャートである。
図10】本実施形態の遊技盤の盤面構成の説明図である。
図11】本実施形態のアタッカユニットの正面図である。
図12】本実施形態のアタッカユニットの側面図である。
図13】本実施形態のアタッカユニットの背面図である。
図14】本実施形態のアタッカユニットの上面図である。
図15】本実施形態のシャッタの形状の説明図である。
図16】本実施形態のアタッカユニットの動作の説明図である。
図17】本実施形態のシャッタの球噛み状態の説明図である。
図18】変形例のシャッタを示す図である。
図19】変形例のシャッタを示す図である。
図20】変形例のアタッカユニットを示す図である。
図21】遊技盤における球詰まりの説明図である。
図22】本実施形態の前板の装飾部の説明図である。
図23】変形例の装飾部の説明図である。
図24】本実施形態の遊技領域の前後方向におけるサイズの関係についての説明図である。
図25】本実施形態の大入賞口における異常入賞判定処理の内容を示すフローチャートである。
図26】大当たり遊技における大入賞口を開閉するシャッタの動作状態と、シャッタの動作状態を所定の試験装置に認識させるための試験信号の出力状態と、異常入賞判定処理との関係を示すタイミングチャートである。
図27】変形例のアタッカユニットの正面図である。
図28】電源OFF時のペナルティ処理の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
【0010】
図1に示す遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150とを備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
【0011】
遊技盤110は、前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域111と、下方から発射された遊技球が上昇して遊技領域111の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材112と、遊技領域111の右側に遊技球を案内する案内部材113とを備えている。
本実施の形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が設けられている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像や後述の保留表示を用いた演出画像を表示したりする。
また、遊技盤110の前面に、各種の演出に用いられる可動役物115および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで各種の演出を行う。
【0012】
遊技領域111には、遊技球が落下する方向に変化を与えるための図示しない遊技くぎ101(後述)および風車等が設けられている。また、遊技領域111には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に設けられている。また、遊技領域111には、遊技領域111に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域111の外に排出する排出口117が設けられている。
【0013】
本実施の形態では、入賞や抽選に関する種々の役物として、遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する第1始動口121および第2始動口122と、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する始動ゲート(以下、単にゲートと呼ぶ)124と、が遊技盤110に設けられている。なお、図1において、ゲート124は、遊技領域111の右に設けられているが、遊技領域111の左に設けられることを除外するものではない。また、ここにいう第1始動口121および第2始動口122とは、予め定められた1の特別図柄表示器の作動契機となる入賞口をいう。具体的には、第1始動口121および第2始動口122には、入賞の際に遊技球の通過を検知するスイッチ(後述の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212)が設けられている。そして、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した際にこのスイッチが遊技球の通過を検知することが、特別図柄表示器を作動させる契機となる。
【0014】
第2始動口122は、チューリップの花の形をした一対の羽根が電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ123を備えている。電動チューリップ123は、羽根が閉じていると、遊技球が第2始動口122へ入り難い一方で、羽根が開くと第2始動口122の入口が拡大して遊技球が第2始動口122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ123は、普通図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら羽根が規定時間(例えば0.15秒ないし1.8秒間)および規定回数(例えば1回ないし3回)だけ開く。
【0015】
パチンコ遊技機100は、遊技状態として、大当たり抽選の当選確率に基づき、当選確率の低い低確率状態と、低確率状態よりも当選確率の高い高確率状態とを有している。そして、大当たりや特別図柄抽選の抽選回数を契機とするなど所定の条件に基づいて低確率状態と高確率状態とのいずれかの状態に制御される。
また、パチンコ遊技機100は、遊技状態として、第2始動口122への入賞機会が少ない電サポ無状態と、電サポ無状態よりも第2始動口122への入賞機会が多い電サポ状態とを有している。そして、例えば、大当たりや特別図柄抽選の抽選回数を契機とするなど所定の条件において、電サポ無状態と、電サポ状態とのいずれかの状態に制御される。電サポ状態とは、例えば、普通図柄変動時間を短縮すること、電動チューリップ123の開時間を延長すること、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にすること、のいずれか一つまたは複数の組合せによって制御される遊技状態である。
また、パチンコ遊技機100は、遊技状態として、特別図柄変動時間が長い時短無状態と、時短無状態よりも特別図柄変動時間が短い時短状態とを有している。
なお、本実施の形態においては、電サポ状態と時短状態とは同時に制御されるものとする。また、以下の説明においては、電サポ状態かつ時短状態のことを単に時短状態とし、電サポ無状態かつ時短無状態のことを単に時短無状態とする。
【0016】
また、本実施の形態では、入賞や抽選に関するその他の役物として、特別図柄抽選の結果に応じて開放する特別電動役物としての大入賞口125と、遊技球が入賞しても抽選を行わない普通入賞口126と、が遊技盤110に設けられている。そして、大入賞口125には、大入賞口125を開閉するシャッタ45が設けられている。以下の説明において、シャッタ45の開閉状態や開閉動作のことを、便宜的に、大入賞口125の開閉状態や開閉動作として説明する場合がある。
本実施の形態では、遊技盤110の左下の位置に、判定結果や保留数に関する表示を行う表示器130が設けられている。
【0017】
また、遊技盤110の裏面には、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御基板、演出を統括的に制御する演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像制御基板、各種のランプおよび可動役物115による演出を制御するランプ制御基板などの図示しない各種の基板等が取り付けられる。また、遊技盤110の裏面には、供給された24VのAC電源をDC電源に変換して各種の基板等に出力するスイッチング電源(不図示)が設けられている。
【0018】
枠部材150は、遊技者がハンドル151に触れてレバー152を時計方向に回転させる操作を行うとその操作角度に応じた打球力にて遊技球を所定の時間間隔(例えば1分間に100個)で電動発射する発射装置(不図示)を備えている。また、枠部材150は、遊技者のレバー152による操作と連動したタイミングで発射装置に遊技球を1つずつ順に供給する供給装置(不図示)と、供給装置が発射装置に供給する遊技球を一時的に溜めておく皿153と、を備えている。この皿153には、例えば払い出しユニットによる払出球が払い出される。
なお、本実施の形態では、皿153を上下皿一体で構成しているが、上皿と下皿とを分離する構成例も考えられる。また、発射装置のハンドル151を所定条件下で発光させる構成例も考えられる。
【0019】
また、枠部材150は、発射装置のハンドル151に遊技者が触れている状態であっても遊技球の発射を一時的に停止させるための停止ボタン154と、皿153に溜まっている遊技球を箱(不図示)に落下させて取り出すための取り出しボタン155と、を備えている。
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。枠ランプ157は、LED等の発光体で構成され、点灯・点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるためのガラスや透明樹脂などの透明板(不図示)を備えている。
【0020】
図2は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100を説明する図であり、図2(A)は、遊技盤110の左下に設けられた表示器130の一例を示す拡大図であり、図2(B)は、パチンコ遊技機100の部分平面図である。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2(A)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞に基づき、特別図柄を変動表示した後に停止表示させて判定結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞に基づき、特別図柄を変動表示した後に停止表示させて判定結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過したことに基づき、普通図柄を変動表示した後に停止表示させて判定結果を表示する。本実施の形態では、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222は、各々LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって特別図柄抽選の判定結果が表示される。同様に、普通図柄表示器223も、LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって普通図柄抽選の判定結果が表示される。
【0021】
また、表示器130は、第1特別図柄表示器221での保留に対応して作動する第1特別図柄保留表示器218と、第2特別図柄表示器222での保留に対応して作動する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄表示器223での保留に対応して作動する普通図柄保留表示器220と、を備えている。本実施の形態では、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220は、各々LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって保留数が表示される。
【0022】
本実施の形態の表示器130において、第1特別図柄表示器221は、例えば複数(本実施の形態では7個)のLEDを同期して一斉に点滅させることによって、特別図柄の変動表示を行う。なお、第1特別図柄表示器221において特別図柄の変動が開始されてから変動停止するまでの間、複数のLEDの点滅の周期は変化せずに一定である。
【0023】
そして、第1特別図柄表示器221は、例えば複数のLEDのうち予め定められた位置のLEDを点灯させた状態を一定時間維持することで特別図柄の変動停止を表現する。
特別図柄抽選の判定結果がはずれである場合、第1特別図柄表示器221は、例えば複数のLEDのうち端部の1個のLEDだけを点灯させる。一方、特別図柄抽選の判定結果が大当たりである場合、第1特別図柄表示器221は、複数のLEDを予め定められた点灯パターンで点灯させる。なお、特別図柄抽選の判定結果が大当たりである場合、第1特別図柄表示器221は、大当たりに当選した場合の図柄の種類に応じて、異なる点灯パターンを表示する。
なお、第2特別図柄表示器222は、第2始動口122における遊技球の入賞に基づいて、第1特別図柄表示器221と同様の動作を行う。
【0024】
ここで、保留について説明する。特別図柄の変動表示動作中(入賞1回分の変動表示が行なわれている間)にさらに第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した場合、特別図柄が変動中であるために、後の入賞に基づく特別図柄の変動表示動作を開始することができない。そのため、後の入賞は規定個数(例えば4個)を限度に記憶され、その入賞した遊技球に対する特別図柄を始動させるための権利が、先に入賞した遊技球に対する変動表示動作が終了するまで、保留される。
なお、普通図柄に関しても、特別図柄と同様の処理を行う。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未変動数)が、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220に表示される。
【0025】
さらに、表示器130は、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224を備えている。本実施の形態では、状態表示器224は、3個のLEDを配列した表示装置で構成されている。3個のLEDのうち1つは、パチンコ遊技機100の状態が、特別図柄抽選の当選確率が高確率である高確率状態となっているか否かを点灯により報知するものである。また、他の1つは、パチンコ遊技機100の状態が、特別図柄変動時間が短い時短状態となっているか否かを点灯により報知するものである。さらに他の1つは、右打ちすることによって(遊技球の打球力を変更することによって)遊技者に有利な状態となっているか否かを点灯により報知するものである。
【0026】
また、表示器130は、特別図柄抽選の判定結果に応じて行われる大当たり遊技において大入賞口125が作動される際のラウンド数を表示するラウンド数表示器225を備えている。なお、大当たり遊技については後述する。ラウンド数表示器225は、LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって大当たり遊技における大入賞口125の作動ラウンド数が表示される。
【0027】
パチンコ遊技機100の枠部材150は、遊技者が演出に対する入力を行うための入力装置を備えている。図2(B)に示すように、本実施の形態では、入力装置の一例として、演出ボタン161と、演出ボタン161に隣接し、略十字に配列された複数のキーからなる演出キー162と、が枠部材150に設けられている。図示の例において、複数の画像の中から1つの画像を選択する操作を受け付ける演出を行う場合を考える。この場合、例えば、遊技者が十字に配列された4つのキーからなる演出キー162を操作することにより、画像表示部114に表示されている複数の画像のいずれかを指示し、演出ボタン161を操作することにより、指示した画像を選択するような演出を行うことができる。また、入力装置の形態としては、図示した演出ボタン161および演出キー162の他、レバーやハンドル等、演出の内容等に応じて様々な入力形態を採用することができる。
【0028】
〔制御ユニットの構成〕
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図3は、本実施の形態のパチンコ遊技機の制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。
【0029】
図3に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部330と、を備えている。
【0030】
〔遊技制御部の構成・機能〕
遊技制御部200は、特別図柄の当選の判定等を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
【0031】
遊技制御部200は、パチンコ遊技機100の遊技状態を、高確率状態または低確率状態のいずれか、時短無状態または時短状態のいずれかで制御する。これにより、パチンコ遊技機100の遊技状態は、高確率状態および時短状態である高確率時短遊技状態、低確率状態および時短状態である低確率時短遊技状態、高確率状態および時短無状態である高確率時短無遊技状態、低確率状態および時短無状態である低確率時短無遊技状態のいずれかとなる。そして、遊技制御部200は、上述のように大当たりや特別図柄抽選の抽選回数を契機とするなど所定の条件に基づき、高確率状態と低確率状態とを切り替え、時短無状態と時短状態とを切り替える。また、遊技制御部200は、時短状態において、時短無状態よりも普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、電動チューリップ123の開時間を延長する等の制御を行う。
【0032】
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞したことを契機として特別図柄抽選に用いられる乱数値を取得する。そして、遊技制御部200は、取得した乱数値を用いて特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選の判定結果に応じて大当たり遊技等の特別遊技を行う。特別遊技において、遊技制御部200は、特別電動役物である大入賞口125が閉鎖条件(例えば29.5秒経過または遊技球の10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを、大当たり図柄(種類)に応じて予め定められた回数だけ繰り返すように制御する。そして、遊技制御部200は、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
【0033】
また、遊技制御部200は、ゲート124を遊技球が通過したことを契機として普通図柄抽選に用いられる乱数値を取得する。そして、遊技制御部200は、取得した乱数値を用いて普通図柄抽選を行い、普通図柄抽選の判定結果に応じて電動チューリップ123の作動を制御する。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動中に遊技球が第1始動口121または第2始動口122へ入賞したことにより発生する保留や、普通図柄変動中に遊技球がゲート124を通過したことにより発生する保留の設定を行う。
さらに、遊技制御部200は、特別図柄抽選および普通図柄抽選の判定結果、高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報、保留の設定情報等の遊技制御に伴う情報を、後述するコマンドにより演出制御部300に送る。
【0034】
さらに、遊技制御部200は、第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出制御部330に対する指示を行う。例えば、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口126に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部330に指示命令(コマンド)を送る。なお、ゲート124を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは払出制御部330に指示しない。
払出制御部330が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部330から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
【0035】
遊技制御部200には、検知手段として、図3に示すように、第1始動口121への遊技球の入賞を検出する第1始動口検出部(第1始動口スイッチ(SW))211と、第2始動口122への遊技球の入賞を検出する第2始動口検出部(第2始動口スイッチ(SW))212と、電動チューリップ123を開閉する電動チューリップ開閉部213と、ゲート124への遊技球の通過を検出するゲート検出部(ゲートスイッチ(SW))214と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125のシャッタ45(後述)を閉状態と開状態とにする大入賞口扉開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
【0036】
また、遊技制御部200には、特別図柄の変動中に第1始動口121へ入賞した未変動分の保留個数を表示する第1特別図柄保留表示器218と、特別図柄の変動中に第2始動口122へ入賞した未変動分の保留個数を表示する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄の変動中にゲート124を通過した未変動分の保留個数を表示する普通図柄保留表示器220と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄の変動表示および普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
【0037】
そして、第1始動口スイッチ211、第2始動口スイッチ212、ゲートスイッチ214、大入賞口スイッチ215および普通入賞口スイッチ217にて検出された検出信号が、遊技制御部200に送られる。また、遊技制御部200からの制御信号が、電動チューリップ開閉部213、大入賞口扉開閉部216、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223および状態表示器224に送られる。それにより、遊技制御部200は、上記した払い出し賞球数に関連する各種制御を行う。
【0038】
さらに、遊技制御部200には、ホールに設置されたホストコンピュータ(不図示)に対して各種の情報を送信する盤用外部情報端子基板350が接続されている。そして、遊技制御部200は、払出制御部330から取得した、払い出した賞球数に関する情報や遊技制御部200の状態等を示す情報を、盤用外部情報端子基板350を介してホストコンピュータに送信する。
【0039】
〔払出制御部の構成・機能〕
払出制御部330は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU331と、CPU331にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM332と、CPU331の作業用メモリ等として用いられるRAM333と、を備えている。
そして、払出制御部330は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部330は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部334を制御する。ここでの払出駆動部334は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
【0040】
また、払出制御部330には、払出駆動部334により遊技球の貯留部から実際に払い出された賞球の数を検出する払出球検出部335と、貯留部(不図示)での遊技球の貯留の有無を検出する球有り検出部336と、遊技者が遊技する際に使用する遊技球や払い出された賞球が保持される皿153が満タン状態に有るか否かを検出する満タン検出部337と、が接続されている。そして、払出制御部330は、払出球検出部335、球有り検出部336および満タン検出部337にて検出された検出信号を受け取り、これらの検出信号に応じた所定の処理を行う。
さらに、払出制御部330には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板340が接続されている。そして、払出制御部330は、例えば払出駆動部334に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部335にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板340を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
【0041】
〔演出制御部の構成・機能〕
演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果および変動パターンに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン161または演出キー162を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン161等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。
さらには、演出制御部300は、遊技制御部200より受信した高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報に基づいて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
【0042】
さらに、演出制御部300には、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、が接続されている。
【0043】
〔遊技制御部の機能構成〕
続いて、遊技制御部200の機能構成を説明する。
図4は、遊技制御部200の機能構成を示すブロック図である。図4に示すように、遊技制御部200は、各種抽選処理を実行する機能部として、乱数取得部231と、普通図柄判定部232と、特別図柄変動制御部233と、特別図柄判定部234と、普通図柄変動制御部236と、を備えている。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動に伴う処理を実行する機能部として、変動パターン選択部235を備えている。
さらに、遊技制御部200は、各種役物の動作制御や賞球等に関するデータ処理を実行する機能部として、大入賞口動作制御部237と、電動チューリップ動作制御部238と、賞球処理部239と、出力制御部240と、乱数制御部241と、を備えている。
【0044】
乱数取得部231は、特別図柄抽選に用いられる乱数値と、普通図柄抽選に用いられる乱数値とを取得する。特別図柄抽選に用いられる乱数値の場合、具体的には、第1始動口121や第2始動口122に遊技球が入賞したことを条件として、乱数の種類ごとに、所定の範囲の数値の中から1つの数値(乱数値)が選択(取得)される。取得された乱数値は、特別図柄判定部234による判定に用いられる。詳しくは後述するが、特別図柄抽選に用いられる乱数としては、大当たりか否かを示す大当たり乱数、図柄の種類を示す図柄乱数、変動パターン乱数、リーチ乱数等が有る。
また、普通図柄抽選に用いられる乱数値の場合、具体的には、ゲート124を遊技球が通過したことを条件として、所定の範囲の数値の中から1つの数値(乱数値)が選択(取得)される。取得された乱数値は、普通図柄判定部232による判定に用いられる。なお、普通図柄抽選に用いられる乱数としては、当たりか否かを示す当たり乱数の他、当たりの種類を示す図柄乱数や変動パターン乱数等が設定される場合もある。
特別図柄変動制御部233は、特別図柄抽選が行われた場合に、判定結果に応じて、第1特別図柄表示器221または第2特別図柄表示器222における特別図柄の変動を制御する。
【0045】
特別図柄判定部234は、特別図柄の変動開始時に、不図示の乱数テーブルを用いて、特別図柄抽選の判定結果が「大当たりか否か」、「大当たりに当選した場合の図柄の種類」、「大当たりに当選していない場合での小当たりかはずれか」を判定する。すなわち、乱数取得部231は、検知手段である第1始動口スイッチ211または第2始動口スイッチ212により遊技球の通過が検知されたことを契機として特別図柄に関する乱数値を取得し、特別図柄判定部234は、取得した乱数値に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技(大当たり遊技等)を行うか否かを判定する。なお、前述した特別図柄の抽選(大当たり抽選)は、乱数取得部231および特別図柄判定部234における処理のことをいう。
【0046】
ここで、「大当たり」は、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に応じて複数の種類に分けられる。具体的には、時短無状態か時短状態か、および高確率状態か低確率状態かの組合せによって図柄の種類が決まる。すなわち、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に基づく図柄の種類としては、大当たり遊技の終了後に、高確率時短遊技状態となる大当たり(以下、高確率時短遊技状態の大当たり)、低確率時短遊技状態となる大当たり(以下、低確率時短遊技状態の大当たり)、高確率時短無遊技状態となる大当たり(以下、高確率時短無遊技状態の大当たり)、低確率時短無遊技状態となる大当たり(以下、低確率時短無遊技状態の大当たり)が有り得る。これらの大当たりは、各々個別の特別図柄に対応付けられている。
【0047】
また、「大当たり」は、大当たり遊技の時間が長く多量の遊技球の払い出しが期待できる大当たりと、大当たり遊技の時間が短く遊技球の払出がほとんど期待できない大当たりとに分けられる場合がある。前者は「長当たり」と呼ばれ、後者は「短当たり」と呼ばれる。例えば、「長当たり」では、大入賞口125の開状態が所定条件(例えば29.5秒経過または10個の遊技球の入賞)を満たすまで維持されるラウンドが所定回数(例えば15回)繰り返される。また、「短当たり」では、一定時間(例えば0.9秒)だけ大入賞口125が開状態となるラウンドが所定回数(例えば2回)繰り返される。
【0048】
また、大当たりに当選していない場合の「小当たり」は、一定時間(例えば0.9秒)だけ大入賞口125が開状態となる態様が所定回数(例えば2回)行われる小当たり遊技が行われる。なお、小当たり当選時には、小当たり遊技が終了した後においても小当たり当選前の遊技状態を継続する。すなわち、小当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても高確率時短遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。同様に、小当たりの当選時の遊技状態が低確率時短無遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても低確率時短無遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。
また、「小当たり」は、「はずれ」の一種であり、遊技者に有利となる上記の遊技状態の何れも設定されない。
【0049】
変動パターン選択部235は、第1特別図柄表示器221や第2特別図柄表示器222にて表示する特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択する。具体的には、変動パターン選択部235は、大当たり遊技を行うか否かの判定結果および特別図柄変動にともなう装飾図柄変動演出においてリーチ演出を行うことが可能な変動パターン(例えば13.5秒以上)とするか否かの判定結果等に基づいて、変動パターンを決定する。そして、変動パターン選択部235により選択された変動パターンに基づいて、特別図柄変動制御部233が特別図柄の変動を制御する。変動パターン選択部235および特別図柄変動制御部233の動作の詳細については後述する。
ここで、「リーチ」とは、後述する装飾図柄において遊技者に大当たりを期待させるための演出である。
【0050】
普通図柄判定部232は、普通図柄の変動開始時に、不図示の乱数テーブルを用いて、普通図柄の判定結果が「当たりか否か」を判定する。すなわち、普通図柄判定部232は、乱数取得部231により取得された普通図柄抽選用の乱数値に基づいて、電動チューリップ123を開閉作動させる補助遊技を行うか否かを判定する。また、普通図柄抽選において複数の種類の当たりが設定される場合は、普通図柄判定部232は、判定結果が当たりであった場合の「当たりの種類」を判定する。なお、普通図柄抽選は、乱数取得部231および普通図柄判定部232により行われる処理である。
普通図柄変動制御部236は、普通図柄抽選が行われた場合に、判定結果に応じて、普通図柄表示器223による普通図柄の変動を制御する。
電動チューリップ動作制御部238は、普通図柄判定部232により普通図柄抽選において「当たり」と判定された場合に、電動チューリップ123を規定時間および規定回数だけ開放し、第2始動口122に遊技球が入賞容易となる状態を発生させる。また、「はずれ」と判定された場合には、電動チューリップ123のこのような開放状態を発生させない。電動チューリップ123の作動パターンについては後述するが、例えば0.15秒の開放時間で1回開く作動パターン、および0.90秒の開放時間で2回開放する作動パターンなどがある。
【0051】
大入賞口動作制御部237は、特別図柄判定部234により特別図柄抽選において「大当たり」と判定された場合に、大当たり遊技として、当選した図柄の種類に基づいて特定される作動パターンで大入賞口125の開放動作を制御する。また、大入賞口動作制御部237は、特別図柄判定部234により特別図柄抽選において「小当たり」と判定された場合に、小当たり遊技として、規定時間および規定回数だけ大入賞口125を開放する。例えば、大入賞口125が0.90秒の開放時間で2回開放する作動パターンなどがある。
賞球処理部239は、入賞や抽選に関する種々の役物への入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力制御部240は、遊技制御部200から演出制御部300および払出制御部330へ制御用コマンドの出力を制御する。
乱数制御部241は、乱数取得部231が所定のタイミングで取得する各種の乱数値を更新する。
【0052】
〔遊技機の基本動作〕
次に、パチンコ遊技機100の基本動作を説明する。
パチンコ遊技機100の遊技制御部200は、電源が投入されると、起動時の基本処理(復旧処理)を実行する。そして、基本処理を行った後、遊技制御部200は、遊技の進行に関する一連の処理である主制御処理を繰り返し実行する。また、電源を遮断する際には、遊技制御部200は、一連の電源遮断時処理を実行する。
【0053】
図5は、遊技制御部200による基本処理の動作を示すフローチャートである。
遊技制御部200は、パチンコ遊技機100の電源が投入されると、まず、RAM203(図3参照)へのアクセスを許可する(ステップ(以下、ステップを「S」と記載する)601)。そして、遊技制御部200は、RAM203をクリアするためのRAMクリアスイッチがONとなっているか否かを判断する(S602)。
RAMクリアスイッチがOFFである場合(S602でNo)、次に、遊技制御部200は、電源遮断時の動作に関するバックアップフラグがONとなっているか否かを判断する(S603)。
バックアップフラグがONである場合(S603でYes)、次に、遊技制御部200は、電源遮断時に作成されたチェックサムが正常か否かを判断する(S604)。
チェックサムが正常である場合(S604でYes)、次に、遊技制御部200は、復帰処理を実行する(S605)。この復帰処理において、遊技制御部200は、電源が遮断された状態からの復帰に伴う、演出制御部300等のサブ制御手段の設定を行う。具体的には、遊技制御部200は、電源が遮断される際におけるパチンコ遊技機100の遊技状態(大当たり遊技中か否か、高確率状態と低確率状態のいずれか、時短状態と時短無状態のいずれか)を反映させるように、サブ制御手段を設定するためのコマンドを演出制御部300へ出力する。また、この復帰処理において、遊技制御部200は、バックアップフラグをOFFにする。
【0054】
一方、RAMクリアスイッチがON(S602でYes)、バックアップフラグがOFF(S603でNo)、チェックサムが異常(S604でNo)のいずれかに該当する場合、次に遊技制御部200は、初期化処理として、RAM203の記憶内容をクリアし(S606)、RAM203の作業領域を設定する(S607)。そして、遊技制御部200は、サブ制御手段を設定(初期化)するためのコマンドを演出制御部300へ出力し、サブ基板(サブ制御手段)の設定を行う(S608)。サブ基板の設定には、各サブ基板に搭載されているRAM303、RAM313、RAM323をクリアすること等が含まれる。
【0055】
復帰処理(S605参照)が終了した後、またはサブ基板の設定(S608参照)が終了した後、遊技制御部200は、遊技制御に用いられる各種のカウンタおよびタイマーを設定する(S609)。そして、遊技制御部200は、割り込み許可(S610)、割り込み禁止(S611)、図柄乱数制御処理(S612)、初期値乱数更新処理(S613)、電源遮断フラグがONとなっているか否かの判断(S614)をループ処理として繰り返し実行する。
ここで、割り込み許可(S610)および割り込み禁止(S611)は、このループ処理(S610~S614)の実行中に割り込み処理の実行を可能とするために設けられている。本実施の形態では、この割り込み処理により、遊技制御における主制御処理が実行される。主制御処理の詳細については後述する。
図柄乱数制御処理(S612)において、遊技制御部200は、特別図柄抽選で用いられる変動パターン乱数の更新を行う。
初期値乱数更新処理(S613)において、遊技制御部200は、遊技制御において用いられる各種の乱数値の初期値を更新する。
電源遮断フラグの判断において、電源遮断フラグがOFFである場合(S614でNo)、パチンコ遊技機100の電源は遮断されず、遊技制御部200は、ループ処理(S610~S614)と共に割り込みによる主制御処理を繰り返し実行する。一方、電源遮断フラグがONである場合(S614でYes)、遊技制御部200は、パチンコ遊技機100の電源を遮断するための処理(電源遮断時処理)を開始する。
【0056】
図6は、遊技制御部200による電源遮断時処理の動作を示すフローチャートである。
電源遮断時処理において、遊技制御部200は、まず、各種の出力を行うための出力ポートの設定をクリアする(S701)。次に、遊技制御部200は、チェックサムを作成し、RAM203に格納する(S702)。次に、遊技制御部200は、バックアップフラグをONにし(S703)、RAM203へのアクセスを禁止して(S704)、無限ループに移行する。
【0057】
〔遊技機の主制御処理〕
次に、パチンコ遊技機100の主制御処理を説明する。
遊技制御部200は、主制御処理において、パチンコ遊技機100における遊技を制御すると共に、サブ制御手段である演出制御部300に対して演出の制御を指示し、払出制御部330に対して賞球の払い出しの制御を指示する。
【0058】
図7は、遊技制御部200の主制御処理を示すフローチャートである。
主制御処理は、遊技制御における一連の処理からなり、予め設定された一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行される。本実施の形態において、遊技制御部200は、予め設定された一定時間ごとに割り込みを発生させ、図5に示すループ処理の中で割り込みが許可(S610参照)されると、割り込み処理として主制御処理を実行する。図7に示すように、主制御処理では、乱数更新処理、スイッチ処理、図柄処理、電動役物処理、賞球処理、出力処理が順次実行される(S801~S806)。
【0059】
乱数更新処理(S801)では、遊技制御部200は、乱数制御部241の機能(サブルーチン)を呼び出し、遊技制御部200による遊技制御で用いられる各種の乱数の値を更新する。乱数の設定および乱数値の更新の詳細については後述する。
【0060】
スイッチ処理(S802)としては、始動口スイッチ処理、ゲートスイッチ処理が行われる。
始動口スイッチ処理では、遊技制御部200は、乱数取得部231の機能(サブルーチン)を呼び出し、図3の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する。また、詳しくは後述するが、第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212において事前判定処理を行う場合は、特別図柄判定部234、変動パターン選択部235の各機能(サブルーチン)を呼び出し、事前判定のための処理を実行する。
ゲートスイッチ処理では、遊技制御部200は、乱数取得部231の機能(サブルーチン)を呼び出し、図3のゲートスイッチ214の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、普通図柄抽選のための処理を実行する。
これらのスイッチ処理の詳細な内容については後述する。
【0061】
図柄処理(S803)としては、特別図柄処理、普通図柄処理が行われる。
特別図柄処理では、遊技制御部200は、特別図柄変動制御部233、特別図柄判定部234、変動パターン選択部235の各機能(サブルーチン)を呼び出し、特別図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理を実行する。
普通図柄処理では、遊技制御部200は、普通図柄判定部232および普通図柄変動制御部236の機能(サブルーチン)を呼び出し、普通図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理を実行する。
これらの図柄処理の詳細な内容については後述する。
【0062】
電動役物処理(S804)としては、大入賞口処理および電動チューリップ処理が行われる。
大入賞口処理では、遊技制御部200は、大入賞口動作制御部237の機能(サブルーチン)を呼び出し、所定の条件に基づいて特別電動役物である大入賞口125の開放動作を制御する。
電動チューリップ処理では、遊技制御部200は、電動チューリップ動作制御部238の機能(サブルーチン)を呼び出し、所定の条件に基づいて普通電動役物である電動チューリップ123の開放動作を制御する。
これらの電動役物処理の詳細な内容については後述する。
【0063】
賞球処理(S805)では、遊技制御部200は、賞球処理部239の機能(サブルーチン)を呼び出し、入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。賞球処理部239が行う賞球処理の具体的な内容については、後述する。
【0064】
出力処理(S806)では、遊技制御部200は、出力制御部240の機能(サブルーチン)を呼び出し、演出制御用のコマンドを演出制御部300へ出力し、払い出し制御用のコマンドを払出制御部330へ出力する。演出制御用コマンドは、S802からS804までの各処理において生成され、RAM203に設けられた制御用コマンドの格納領域に格納(セット)される。払い出し制御用コマンドは、S805の処理において生成され、RAM203に設けられた制御用コマンドの格納領域に格納(セット)される。RAM203には、制御用コマンドの種類ごとに格納領域が設定されている。
【0065】
出力制御部240は、RAM203の各制御用コマンドの格納領域を順に調べ、個々の格納領域に制御用コマンドが格納されていれば(すなわち、S802~S805の処理で制御用コマンドが生成されていれば)、その制御用コマンドを読み出し、出力先(演出制御部300または払出制御部330)へ出力する。
【0066】
本実施の形態では、図7に示したように、一連の主制御処理の最後に出力処理を行う。すなわち、第1の処理手段としての上記各機能によるS802~S805の各処理において生成されたコマンドを、その各処理においてはRAM203の対応する格納領域に格納しておく。そして、これらの処理の後に、第2の処理手段としての出力制御部240が、RAM203の格納領域に蓄積された、各処理で生成されたコマンドをまとめて出力する。言い換えれば、本実施の形態では、主制御処理を1サイクル実行すると、その1サイクルの実行において生成されたコマンドが、その1サイクルの実行における最後のコマンド生成が行われた後に、出力される。
【0067】
〔遊技機の基本動作の変形例〕
なお、図5乃至図7を参照して説明した動作例では、基本処理におけるループ処理の部分で割り込みを許可し、割り込み処理として一連の処理からなる主制御処理を実行した。しかしながら、主制御処理は、一定時間ごとに繰り返し実行されるように構成されていれば良く、具体的な実現手段(実行手順)は、図5乃至図7に示した例には限定されない。例えば、基本処理の一連の動作の中に主制御処理を組み入れておき、所定のタイミングで経過時間を計測し、一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに主制御処理へ戻る構成としても良い。また、基本処理の一連の動作の中に主制御処理を組み入れる一方で、図5乃至図7を参照して説明した動作と同様に、一定時間ごとに割り込みを発生させ、割り込みが発生したならば基本処理中に組み入れられた主制御処理へ戻る構成としても良い。
【0068】
また、基本処理で生成されたコマンドを出力する場合は、原則として、コマンドを生成する度に、RAM203のコマンド格納領域に格納し、第2の処理手段である出力制御部240の機能を呼び出して出力する。基本処理は、遊技の進行に関わる主制御処理とは異なり、電源投入時にのみ行われる初期動作等の特別な処理である。また、基本処理は、電源投入時のパチンコ遊技機100の状態等の条件に基づく分岐により処理手順が変動する場合があるため、出力処理に漏れが無いように、生成したコマンドを速やかに出力する処理である。なお、関連する複数の処理により連続的にコマンドが生成される場合等、具体的な処理の要請に応じて、複数のコマンドをRAM203のコマンド格納領域に格納し、まとめて出力する処理手順を採っても良い。
【0069】
〔遊技制御部による乱数更新処理〕
特別図柄抽選等の遊技制御における各種の抽選に用いられる判定情報としての乱数値は、カウンタによって計数され、所定の初期値から始まって、図7に示す主制御処理の乱数更新処理(S801)が行われるたびに1ずつ加算される。そして、各抽選が行われた時点の値が始動口スイッチ処理およびゲートスイッチ処理で取得され、特別図柄処理や普通図柄処理で使用される。この乱数値のカウンタは無限ループカウンタであり、計数された乱数値が、設定されている乱数の最大値に達した後は、再び初期値に戻る。また、乱数更新処理は一定時間ごとに行われるため、各乱数の初期値が特定されてしまうと、更新間隔や初期値の情報に基づいて当選値が推定される恐れがある。そこで、主制御処理から図5に示す基本処理に戻った後、S613の初期値乱数更新処理において、各乱数の初期値をランダムに変更する。
【0070】
〔遊技制御部による大入賞口処理〕
図8は、図7のS804に示した電動役物処理のうちの大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
この大入賞口処理において、遊技制御部200の大入賞口動作制御部237は、まず、RAM203のフラグ設定において大当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1701)。大当たり遊技フラグがOFFである場合、大入賞口125への入賞はないので、大入賞口処理を終了する(S1701でNo)。一方、大当たり遊技フラグがONである場合(S1701でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、パチンコ遊技機100が停止中処理で開始された大当たり時の動作制御におけるオープニング動作の最中か否かを判断する(S1702)。
【0071】
パチンコ遊技機100がオープニング中である場合(S1702でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(S1703)。オープニング時間を経過していないならば、大入賞口125でのオープニング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1703でNo)。一方、オープニング時間を経過したならば(S1703でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動設定を行い(S1704)、入賞個数Cを初期化(C=0)し(S1705)、大入賞口125の作動のラウンド数Rの値を現在の値から1加算して(S1706)、大入賞口125を作動開始(開放)する(S1707)。
【0072】
S1704の作動設定では、大入賞口125の作動パターンと、その作動パターンで作動させるラウンド数(作動ラウンド数)とが設定される。大入賞口125が作動する場合の例としては、特別図柄抽選で、長当たりまたは短当たりの大当たりであった場合と、小当たりであった場合がある。作動パターンおよびラウンド数は、これらの当たりの種類に応じて様々に設定される。なお、大当たり遊技においては、大入賞口125の作動を複数回(複数ラウンド)連続して行うことが規定されている。一例としては、長当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行う。短当たりの場合、例えば、2ラウンド(2R)作動させ、1ラウンドでは0.9秒の開放を1回行う。さらに説明をすると、0.9秒開放して1.0秒閉鎖した後、0.9秒開放する。一方、小当たりの場合、例えば、0.9秒開放して1.0秒閉鎖した後、0.9秒開放する。ここで、短当たりでの作動と小当たりでの作動を上記の例で比較すると、共に0.9秒の開放が2回行われることとなる。すなわち、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同じであり、遊技盤110上の大入賞口125の動作のみから短当たりと小当たりとを区別することはできない。
【0073】
なお、小当たりの際には、大入賞口125の開放累積時間が1.8秒以内に設定されなければならないことが法令により定められている。一方で、大当たり(長当たりまたは短当たり)の際には、大当たり遊技のラウンド数Rだけ、大入賞口125を複数回連続開放させなければならない。そこで、上記のように小当たりでの作動と短当たりでの作動を外見上区別し難くしようとする場合、小当たりでは、1作動での開放累積時間が1.8秒以内を満たす範囲で、大入賞口125が2回以上開放する作動形態が設定され、短当たりでは、小当たりの開放回数と同数のラウンド数が設定される。
【0074】
次に、大入賞口動作制御部237は、S1704で設定された作動パターンにおける開放時間を経過したか否かを判断する(S1708)。大入賞口125での開放状態が開放時間を経過していない場合(S1708でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125への入賞個数Cが規定の個数(例えば9個)以上か否かを判断する(S1709)。開放時間を経過しておらず、かつ入賞個数Cが規定個数未満である場合は、大入賞口125の作動状態(開放状態)が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1709でNo)。一方、開放時間を経過したか(S1708でYes)、または入賞個数Cが規定個数に達した場合(S1709でYes)、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125を作動終了(閉状態に)する(S1710)。
【0075】
さらに、本実施形態の大入賞口処理では、S1710にて大入賞口125が作動終了すると、異常入賞判定処理を実行する(S1711)。
次に、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動のラウンド数RがS1704で設定された最大値に達したか否かを判断する(S1712)。そして、最大値に達していないならば、残りの作動が行われるため、大入賞口処理を終了する(S1712でNo)。
【0076】
大入賞口125の作動のラウンド数Rが最大値に達したならば(S1712でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、エンディング動作を開始する(S1713)。ここで、エンディング動作の内容は、長当たり遊技、短当たり遊技の各遊技において設定されたエンディング動作のうち、大当たり遊技フラグの状態に対応するものとなる。
この後、大入賞口動作制御部237は、演出制御部300において大当たり遊技フラグに応じたエンディング動作における演出を行うためのエンディングコマンドをRAM203にセットする(S1714)。このエンディングコマンドは、図7のS806に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
【0077】
次に、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動のラウンド数Rを0にリセットした後(S1715)、エンディング動作の開始からの経過時間が予め設定されたエンディング動作が行われるべき時間(エンディング時間)を経過したか否かを判断する(S1718)。エンディング時間を経過していないならば、エンディング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1718でNo)。一方、エンディング時間を経過したならば(S1718でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、遊技制御部200による遊技状態設定処理を経た後(S1719)、大当たり遊技フラグをOFFにして、大入賞口処理を終了する(S1720)。遊技状態設定処理の内容については後述する。
【0078】
S1702で、パチンコ遊技機100がオープニング中ではないと判断した場合(S1702でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、エンディング中か否かを判断する(S1716)。そして、エンディング中であるならば(S1716でYes)、上記S1718以降の動作を実行する。
【0079】
一方、パチンコ遊技機100がエンディング中でもないならば(S1716でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125が作動(開放)中か否かを判断する(S1717)。そして、作動中でないならば(S1717でNo)、上記S1705以降の動作を実行し、作動中であるならば(S1717でYes)、上記S1708以降の動作を実行する。
なお、前述した小当たり遊技で行われる演出は、短当たり遊技で行われる演出と同様であり、演出から短当たりと小当たりとを区別することはできない。
【0080】
なお、大入賞口処理において、パチンコ遊技機100の本体電源が切れる際に実行される処理である第1態様処理と、パチンコ遊技機100の本体電源が入ったままで大入賞口125のソレノイドに対する電源供給が断たれる際に実行される処理である第2態様処理とが行われる場合がある。
【0081】
大入賞口125が開放中に何らかの理由で遊技機本体の電源が切れると、第1態様処理では、例えば1ラウンド分の開放時間(例えば、29.5秒)を計測する遊技制御基板に設けられた計測手段のカウント(計測)を止める。また、第1態様処理では、大入賞口125のシャッタを開放させるソレノイドに対する電源供給が行われなくなるため、大入賞口125が閉じた状態になる。
その後に、パチンコ遊技機100本体の電源が再び入ると、上述した計測手段による開放時間のカウントを再開する。ただし、大入賞口125は、パチンコ遊技機100本体の電源が入れられても、シャッタを駆動するソレノイドやリンク機構などメカニカルな動きを伴う分、シャッタが開状態となるタイミングが、電源が入れられたタイミングに対して遅れる。その結果として、第1態様処理では、遊技制御基板における計測手段のカウント時間と、シャッタが実際に開く時間とに、時間差が生じる。例えば、第1態様処理では、ある1ラウンドにおいて、大入賞口125のシャッタが実際に開放している合計の時間は、予め設定された大入賞口125の開放時間よりも短くなる。
なお、第1態様処理では、電源の入り/切りを繰り返せば繰り返すほど、時間差が累積する。この場合、例えば、ある1ラウンドにおいて、予め設定された大入賞口125の開放時間に対して、大入賞口125のシャッタが実際に開放している合計の時間は更に短くなる。
【0082】
また、遊技制御基板と大入賞口125との間を電気的につなぐ接続線の接続が何らかの理由で脱線したり断線したりすると、第2態様処理では、大入賞口125のシャッタを駆動するソレノイドに対する電源供給がなくなるため、シャッタが閉状態になる。一方で、第2態様処理では、遊技制御基板に設けられる計測手段による大入賞口125の開放時間のカウントを継続して行う。従って、第2態様処理では、例えば、ある1ラウンドにおいて、大入賞口125のシャッタが実際に開放している合計の時間は、予め設定された大入賞口125の開放時間よりも短くなる。特に、予め設定された大入賞口125のシャッタの開放時間に対する、実際のシャッタの合計の開放時間の時間差は、第1態様処理よりも第2態様処理の方が大幅に長くなる傾向がある。
【0083】
〔遊技制御部による賞球処理(大入賞口)〕
図9は、図7のS805に示した賞球処理のうちの大入賞口における処理の内容を示すフローチャートである。
賞球処理において、遊技制御部200は、大入賞口スイッチ215から検出信号を受信したか否かを判断する(S901)。遊技制御部200は、大入賞口スイッチ215から検出信号を受信していないと判断した場合(S901でNo)には、再びS901に戻り、検出信号を受信するまで判断を繰り返す。
【0084】
一方で、遊技制御部200は、大入賞口スイッチ215から検出信号を受信したと判断した場合(S901でYes)、大入賞口125にて異常な入賞が行われたことを示すフラグである異常入賞フラグがONであるか否かを判断する(S902)。
そして、遊技制御部200は、大入賞口スイッチ215から検出信号を受信し(S901でYes)、かつ、異常入賞フラグがONでない(S902でNo)と判断した場合、賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする(S903)。本実施形態では、例えば大入賞口125に対して遊技球が1個入賞した場合、13個の遊技球を払出制御部330に払い出させるための命令を含む賞球の払い出しの制御用コマンドが生成される。
【0085】
これに対して、遊技制御部200は、大入賞口スイッチ215から検出信号を受信したと判断した場合(S901でYes)であって、異常入賞フラグがONであると判断した場合(S902でYes)、賞球の払い出しの制御用コマンドを生成せずに処理を終了する。すなわち、本実施形態のパチンコ遊技機100では、大入賞口125に対して異常な入賞が行われたと判断される事象が発生した場合には、賞球の払い出しが行われないようにしている。
【0086】
図10は、本実施形態の遊技盤110の盤面構成の説明図である。
図10に示すように、遊技盤110は、入賞や抽選に関する種々の役物が取り付けられる遊技板110Pを有する。
なお、本実施形態の説明において、図10に示す遊技板110Pの紙面手前側を「前側」とし、紙面奥側を「後側」とし、これらの方向を「前後方向」と称して説明する。また、図10に示す遊技板110Pの紙面右側を「右側」とし、紙面左側を「左側」とし、これらの方向を「左右方向」と称して説明する。さらに、図10に示す遊技板110Pの紙面上側を「上側」とし、紙面下側を「下側」とし、これらの方向を「上下方向」と称して説明する。
また、遊技板110P(遊技盤110)の前側が、遊技者が対向する遊技者側となる。そして、上記の方向の関係は、パチンコ遊技機100を遊技する遊技者から見た方向の関係に対応する。
【0087】
本実施形態の遊技板110Pは、樹脂材料によって形成されている。そして、遊技板110Pは、無色かつ透明に構成されている。従って、遊技板110Pは、例えば遊技板110Pの後側にLED光源が設けられている場合には、その光を透過させて前側の遊技者に見せることができる。また、遊技板110Pは、後述するように、各種の役物や装飾部品等が設けられることで遊技板110Pの光の透過が遮られない限り、遊技板110Pを通して遊技板110Pの後側の部材を遊技者に見せることができる。
【0088】
遊技板110Pは、前側にて遊技球が流下する主面P1を有している。主面P1は、各種の役物が取り付けられる箇所を除いて平面状に形成されている。そして、遊技板110Pの前側には、複数の遊技くぎ101が打ち込まれている。なお、遊技くぎ101は、少なくとも一部が遊技板110Pに埋め込まれ、他の部分が遊技板110Pの主面P1から前後方向に沿って立ち上がるように設けられる。
【0089】
さらに、遊技板110Pには、レール部材112、第1始動口121、第2始動口122、ゲート124、電動チューリップ123、大入賞口125および普通入賞口126など各種の役物が設けられる。
レール部材112は、遊技板110Pの前側にて、主面P1に略垂直に対して立ち上がるように設けられる。また、第1始動口121、第2始動口122、ゲート124、電動チューリップ123、大入賞口125および普通入賞口126は、一部が、遊技板110Pを貫通するように設けられる。
【0090】
第1始動口121、第2始動口122、ゲート124、大入賞口125および普通入賞口126は、遊技板110Pの前側に、主面P1から突出するとともに遊技領域111を流下する遊技球が入球する開口部を有する。そして、第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126では、遊技板110Pの前側の開口部に入球した遊技球は、遊技板110Pの後側へと誘導され、不図示の排出部へと排出される。また、ゲート124では、遊技板110Pの前側の開口部を通過した遊技球を、開口部に設けられるゲートスイッチ214にて検出し、その後、同じく遊技板110Pの前側に流下させる。
【0091】
また、電動チューリップ123は、本実施形態の大入賞口125のシャッタ45と同様の構成となっている。電動チューリップ123は、遊技板110Pの主面P1から前側にて突出した状態と、遊技板110Pの主面P1よりも後側に退いた状態とを形成する。そして、電動チューリップ123は、第2始動口122を開状態または閉状態にする。
【0092】
続いて、本実施形態のパチンコ遊技機100における各種部品の配置について説明する。
本実施形態では、第1始動口121、第2始動口122、ゲート124、電動チューリップ123、大入賞口125および普通入賞口126のうち、上下方向においてゲート124が最も上側に配置される。そのゲート124の下側にて、電動チューリップ123、第2始動口122の順で上側から下側に配置される。
【0093】
そして、本実施形態の大入賞口125(シャッタ45)は、第1始動口121よりも下側に配置される。また、本実施形態の大入賞口125(シャッタ45)は、第1始動口121の下側に設けられ、第1始動口121への入球を誘導する2本の遊技くぎであるヘソくぎ101Hよりも下側に配置される。図10に示すように、大入賞口125(シャッタ45)は、遊技盤110における所定の基準高さに対して、高さLv1に設けられる。また、第1始動口121は、基準高さに対して、大入賞口125よりも高い、高さLv2に設けられる。そして、ヘソくぎ101Hは、基準高さに対して、大入賞口125および第1始動口121よりも更に高い、高さLv3に設けられる。
なお、ヘソくぎ101Hは、2本の遊技くぎ101によって構成される。そして、ヘソくぎ101Hは、2本の遊技くぎ101の間に遊技球を通過させることで、2本の遊技くぎの間を通過した遊技球を第1始動口121にほぼ確実に入球させる。すなわち、ヘソくぎ101Hは、実質的に、第1始動口121への遊技球の入り口を構成する遊技くぎである。
【0094】
続いて、大入賞口125を構成するアタッカユニット400について説明する。
図11は、本実施形態のアタッカユニット400の正面図である。
図12は、本実施形態のアタッカユニット400の側面図である。
図13は、本実施形態のアタッカユニット400の背面図である。
図14は、本実施形態のアタッカユニット400の上面図である。
【0095】
図11および図12に示すように、アタッカユニット400は、ユニット筐体部41と、ユニット筐体部41の前側に設けられる前板42(対向部材の一例)と、シャッタ45の右側に設けられる第1流路形成部43(遊技球経路形成部材の一例)と、シャッタ45の左側に設けられる第2流路形成部44(遊技球経路形成部材の一例)と、大入賞口125を開閉するシャッタ45(変位部材の一例)と、を備える。また、アタッカユニット400は、大入賞口125に入賞した遊技球の経路を形成する内側流路形成部46と、大入賞口125に入球した遊技球を検知する大入賞口スイッチ215と、シャッタ45を駆動するソレノイド47と、ソレノイド47とシャッタ45とを接続するリンク機構48と、を備える。
【0096】
なお、本実施形態のアタッカユニット400において、遊技球は、右側から左側に向けて流下する。従って、以下の説明においては、右側を遊技球の流れの上流側とし、左側を遊技球の流れの下流側として説明する場合がある。
【0097】
ユニット筐体部41は、上記の前板42などアタッカユニット400を構成する各種部品を保持する。ユニット筐体部41は、遊技板110Pと同様に無色透明な樹脂材料により形成されている。また、アタッカユニット400は、後板411を有している。後板411は、所定の厚みを有するとともに、前側にて遊技球が流下可能な領域を形成する。
さらに、図11および図12に示すように、本実施形態においては、後板411には、ねじなどの固定部材が取り付けられる固定部412が形成される。そして、ユニット筐体部41は、固定部412にて遊技板110Pに固定される。
【0098】
また、図13に示すように、ユニット筐体部41は、後側に、配線215Lを束ねるバンド部材80を保持するバンド保持部414と、大入賞口125に入賞した遊技球が出てくる出口415とを有している。
本実施形態のバンド保持部414は、大入賞口スイッチ215に接続する配線215Lを束ねるバンド部材80を保持する。そして、バンド保持部414は、大入賞口スイッチ215よりも下側に設けられる。これによって、配線215Lは、少なくとも大入賞口スイッチ215よりも下側に引き回されるようになる。ここで、本実施形態においては、アタッカユニット400における前板42や後板411および遊技板110Pは、透明に構成されている。従って、本実施形態のパチンコ遊技機100では、配線215Lを大入賞口スイッチ215よりも下側に引き回されることで、アタッカユニット400よりも上側にてアタッカユニット400を見下ろす遊技者に対して、配線215Lが見え難くなるようにしている。
また、出口415は、アタッカユニット400において最も下側に設けられる。そして、出口415は、図示しない排出部に対して遊技球を送る。
【0099】
(前板42)
図14に示すように、前板42は、シャッタ45などアタッカユニット400を構成する各種部品よりも前側に配置される。また、前板42は、遊技板110Pと同様に無色かつ透明の樹脂材料により形成されている。
また、前板42には、装飾部421(後述する図22参照)が設けられる。装飾部421は、例えばパチンコ遊技機100のタイトルに関する内容、大入賞口125であることを示す内容など、各種の装飾が含まれる。装飾部421は、デザインが施されたシールによって構成され、前板42に貼り付けられていてもよい。また、装飾部421は、前板42に直接印刷されることで構成されていても良い。
【0100】
(第1流路形成部43)
図11に示すように、第1流路形成部43は、上下方向における上側を向く面を有し、遊技球の流下方向において、シャッタ45の上流側に配置される。また、第1流路形成部43は、前後方向において後板411と前板42との間に挟まれる(図14参照)。そして、本実施形態の第1流路形成部43は、右側が高く左側が低くなるように傾斜している。また、第1流路形成部43は、遊技球をシャッタ45または大入賞口125へと導く経路を形成する。
さらに、本実施形態の第1流路形成部43は、前板42および後板411と同様に、無色かつ透明の樹脂材料によって形成されている。
【0101】
(第2流路形成部44)
第2流路形成部44は、上下方向における上側を向く面を有し、遊技球の流下方向において、シャッタ45の下流側に配置される。また、第2流路形成部44は、前後方向において後板411と前板42との間に挟まれる。そして、第2流路形成部44は、右側が高く左側が低くなるように傾斜している。
さらに、本実施形態の第2流路形成部44は、前板42および後板411と同様に、無色かつ透明な樹脂材料によって形成されている。
【0102】
(シャッタ45)
図11に示すように、本実施形態のシャッタ45は、薄い板状の部材により構成されている。また、シャッタ45は、略矩形状に形成されている(図14参照)。そして、シャッタ45は、主面(最も面積が大きい面)であって上下方向の上側を向くシャッタ上面45Aと、シャッタ上面45Aに対して裏側となるシャッタ下面45Bとを有する。シャッタ下面45Bには、前後方向に沿って形成されるとともに突出する被ガイド部452が形成されている。この被ガイド部452は、ユニット筐体部41のガイド部413により案内される。そして、シャッタ45は、シャッタ上面45Aおよびシャッタ下面45Bがそれぞれ上下方向を向いた状態を維持しながら、前後方向にスライド移動する。本実施形態では、シャッタ45のスライド移動によって、大入賞口125を開状態にしたり閉状態にしたりする。
【0103】
図14に示すように、本実施形態のシャッタ45は、前側に最も突出した状態となる前板42に対して最も近接した状態で、前板42に当接(接触)しない非当接部を有している。なお、本実施形態のシャッタ45は、前板42に対して最も近接した状態で、シャッタ45の前側における全ての部分が前板42に当接せず、前側における全領域が非当接部として機能する。
そして、本実施形態のシャッタ45は、前板42との間に非当接部を有することにより、シャッタ45を手動にて変位させる際に、操作者によって操作される被操作部を構成する。
【0104】
本実施形態のパチンコ遊技機100では、後述するように、シャッタ45の構造やシャッタ45の開閉に係わる機構によって、シャッタ45と前板42との間に遊技球が挟み込まれ難くしている。しかしながら、何らかの理由により、結果的に、シャッタ45と前板42との間に遊技球が挟まれた状態が形成される可能性がある。そこで、本実施形態のパチンコ遊技機100では、シャッタ45に被操作部を設けることによって、操作者がシャッタ45の被操作部を操作することでシャッタ45を変位させて、遊技球が挟み込まれた状態を解消し易くしている。
【0105】
また、シャッタ45は、有色であって不透明な樹脂材料によって形成されている。シャッタ45の色には、赤色や黄色など遊技者に目立ち易い色を用いることができる。そして、本実施形態では、シャッタ45を有色かつ不透明にすることで、例えば、無色かつ透明に構成される第1流路形成部43、第2流路形成部44および内側流路形成部46とは異なる外観になるようにしている。同様に、シャッタ45は、無色かつ透明に構成される前板42や後板411や遊技板110Pと異なる外観になるようにしている。
【0106】
なお、シャッタ45を無色かつ透明に構成し、第1流路形成部43、第2流路形成部44および内側流路形成部46を有色かつ不透明にしても良い。
【0107】
シャッタ45は、大入賞口125を開状態と閉状態にする部品であり、遊技者が大入賞口125の状態を認識するための重要な構成部である。そして、本実施形態では、シャッタ45の周囲の部品である例えば第1流路形成部43、第2流路形成部44および内側流路形成部46は、無色かつ透明に構成されている。ここで、仮に、シャッタ45も無色かつ透明にしてしまうと、周囲の部品と同化してしまい、大入賞口125の状態を遊技者が認識し難くなる。そこで、本実施形態では、シャッタ45を、周囲の部品と視覚的に異なる構成とすることで、遊技者がシャッタ45の位置や状態を認識し易くしている。
なお、シャッタ45の詳細な形状について後に詳しく説明する。
【0108】
(内側流路形成部46)
図11に示すように、内側流路形成部46は、上下方向においてシャッタ45の下側に配置される。そして、内側流路形成部46は、シャッタ45が大入賞口125を開状態としているときに、遊技球が導かれるように構成されている。また、内側流路形成部46は、右側が高く、左側が低くなるように傾斜している。従って、内側流路形成部46上の遊技球は、内側流路形成部46の左側の端部に向けて自重により転がる。
【0109】
大入賞口スイッチ215は、内側流路形成部46の長手方向の端部側に設けられている。すなわち、大入賞口スイッチ215は、シャッタ45の長手方向における端部側に設けられる。特に、本実施形態のアタッカユニット400において、遊技球は、右側から左側に向けて流れる。従って、大入賞口スイッチ215は、シャッタ45の長手方向における左側の端部に設けられる。そして、大入賞口スイッチ215は、内側流路形成部46を流れた遊技球が通過したときに、通過した遊技球を検知する。
なお、アタッカユニット400において、遊技球が左側から右側に向けて流れる場合には、シャッタ45の長手方向における右側の端部に設ければ良い。
【0110】
(ソレノイド47)
図13に示すように、ソレノイド47(駆動部の一例)は、進退するプランジャ471(駆動軸部の一例)と、プランジャ471を進退移動させるコイル472と、プランジャ471にバネ力を付与するバネ473(弾性部材の一例)とを有する。
プランジャ471は、軸方向の一端部がリンク機構48に接続し、他端部にコイル472に引っ張られる磁石(不図示)が設けられている。
コイル472は、配線215Lから給電されることで励磁し、プランジャ471を引き込む。一方、コイル472は、非通電状態となることで励磁されず、プランジャ471を進出可能な状態にする。
バネ473は、プランジャ471がコイル472に対して突出する方向のバネ力をプランジャ471に対して付与する。本実施形態では、コイル472が非通電状態であるときに、バネ473は、プランジャ471を進出させる。
【0111】
以上のように構成されるソレノイド47は、シャッタ45との関係において、シャッタ45の移動方向である前後方向とは異なる方向に、プランジャ471の軸方向が向くように配置される(図12参照)。これによって、本実施形態のパチンコ遊技機100では、ソレノイド47を設けるに際して空間の有効利用を図っている。
本実施形態のパチンコ遊技機100では、シャッタ45は、前後方向よりも左右方向に長く形成されている。また、遊技球は重力方向に移動するため、大入賞口125において遊技球が移動する領域は、上下方向において設ける必要がある。
そこで、本実施形態では、シャッタ45の移動方向である前後方向とは異なる方向にプランジャ471の軸方向が向くように配置することで、ソレノイド47を配置するためだけに所定方向において空間を確保する必要性を無くし、空間の有効利用を図っている。
【0112】
ここで、例えば、プランジャ471が上下方向に沿うようにソレノイド47を配置することで、上述のとおり空間の有効利用を図ることができる。さらに、プランジャ471が進退する側が下側を向くようにソレノイド47を配置することで、ソレノイド47の非通電状態においては、プランジャ471が自重により下側に落下した状態となる。本実施形態では、ソレノイド47を非通電状態とすることで大入賞口125のシャッタ45を閉状態に維持しようとする構成を採用している。従って、プランジャ471が進退する側が下側を向くようにソレノイド47を配置することで、バネ473のだけではなく、重力の作用を利用して、シャッタ45を閉状態とする位置にプランジャ471を安定させることができる。
【0113】
ただし、ソレノイド47のプランジャ471は、電気的な要因で振動が起こるチャタリングを生じる可能性がある。このチャタリングが発生した場合に、例えばプランジャ471が重力方向となる上下方向に沿って設けられていると、重力の作用によってプランジャ471の振動が助長されるおそれがある。
そこで、本実施形態のパチンコ遊技機100では、ソレノイド47のプランジャ471を、シャッタ45の移動方向である前後方向とは異なる方向である左右方向に配置し、重力の影響を低減している。このように、ソレノイド47のプランジャ471が左右方向に沿うように配置することで、チャタリングに起因してプランジャ471の動作が不安定化することを抑制できる。また、プランジャ471が左右方向に沿うようにソレノイド47を配置することで、上述のとおり空間の有効利用を図ることができる。
【0114】
また、図12に示すように、ソレノイド47は、シャッタ45に対して後側に配置される。具体的には、本実施形態のソレノイド47は、大入賞口125を閉状態とするシャッタ45に対して、後側に配置される。そして、本実施形態では、ソレノイド47をシャッタ45に対して後側に配置することで、シャッタ45の前側に遊技球が入球する大入賞口125を形成するスペースを確保している。
【0115】
さらに、本実施形態では、ソレノイド47をシャッタ45に対して後側に配置することで、開状態となることで後側に移動してきたシャッタ45と、上下方向において重なるようにして(後述する図16参照)。省スペース化を図っている。このように、本実施形態のパチンコ遊技機100では、シャッタ45が開状態となった場合においても、省スペース化が図られるようにしている。
【0116】
(リンク機構48)
リンク機構48は、ソレノイド47のプランジャ471の動きをシャッタ45に伝達する。本実施形態において、リンク機構48は、プランジャ471が押し出されると、シャッタ45を前側に移動させる。一方、リンク機構48は、プランジャ471が引き込まれると、シャッタ45を後側に移動させる。
【0117】
続いて、シャッタ45について詳細に説明する。
図15は、本実施形態のシャッタ45の形状の説明図である。
【0118】
図15(A)に示すように、本実施形態のシャッタ45は、右側が高く左側が低くなるように傾斜している。これによって、シャッタ45上の遊技球が、上流側から下流側に向けて自重により転がるようにしている。つまり、シャッタ45は、シャッタ45上にて遊技球が停止しないようにしている。これよって、例えばシャッタ45上にて遊技球が滞留し、球詰まりなどの不具合が生じないようにしている。
【0119】
また、図15(B)に示すように、シャッタ45は、上側から見た状態で、左右方向に進むに従って前後方向における幅Bが異なっている。そして、シャッタ45は、前側がテーパ状に形成されている。本実施形態のシャッタ45は、左右方向における右側から左側に進むに従って、前後方向における幅Bが次第に小さくなる。そして、本実施形態のパチンコ遊技機100では、シャッタ45の前側が、前板42に対して斜めに形成される。
【0120】
そして、本実施形態のシャッタ45は、前側を前板42に対して斜めに形成することで、前板42との間で遊技球を噛み込んだ場合に、遊技球を左右方向に押す。その結果、本実施形態のパチンコ遊技機100では、遊技球を左右方向に移動させ、噛み込みを解消するようにしている。
【0121】
さらに、シャッタ45は、前板42に対して間隙Wを形成する。この間隙Wは、左右方向における右側から左側に進むに従って次第に大きくなる。そして、シャッタ45は、前板42との間に、非当接部や被操作部を形成している。なお、非当接部や被操作部については、後に詳しく説明する。
【0122】
なお、本実施形態のシャッタ45は、シャッタ45の前側の端部450の全ての領域が前板42に接触していないが、この態様に限定されない。シャッタ45は、シャッタ45の前側の端部450の少なくとも一部の領域が前板42に接触しても良い。
また、シャッタ45は、左右方向における右側から左側に進むに従って、前後方向における幅Bが等しくても良い。
【0123】
そして、図15(C)に示すように、シャッタ45は、右側から見た状態で、前後方向に進むに従って上下方向における幅Hが変化する。そして、シャッタ45は、前側かつ下側がテーパ状に形成されている。本実施形態のシャッタ45は、前後方向における後側から前側に進むに従って、上下方向における幅Hが次第に小さくなる。
具体的には、本実施形態のシャッタ45は、前側の端部450に、上側に形成される上側端面450Tと、下側に形成される下側端面450Bとを有している。そして、上側端面450Tは、シャッタ上面45Aに対して略直交している。一方で、下側端面450Bは、シャッタ上面45Aに対して傾斜している。そして、本実施形態のシャッタ45は、下側端面450Bを有することによって、上下方向における幅Hを異ならせている。
【0124】
そして、本実施形態のシャッタ45の下側端面450Bは、シャッタ上面45Aに対して傾斜するとともに、下側を向いている。これによって、シャッタ45は、前板42との間で遊技球を噛み込んだ場合に、遊技球を下側に押す。その結果、本実施形態のパチンコ遊技機100では、遊技球を下側に落とし、噛み込みを解消するようにしている。
【0125】
なお、本実施形態のシャッタ45は、前側の端部450に、下側を向いて傾斜する下側端面450Bを有しているが、この態様に限定されない。例えば、シャッタ45は、上側を向いて傾斜する端部450を有していても良い。この場合、シャッタ45は、前板42との間に遊技球を噛み込んだ場合に、遊技球を上側に押す。その結果、シャッタ45は、シャッタ上面45A上に遊技球を押し出し、遊技球の噛み込みを解消する。そして、遊技球は、シャッタ45のシャッタ上面45A上を流れて、第2流路形成部44へと向かう。なお、この場合には、遊技球は、大入賞口125には入球しない。
【0126】
図16は、本実施形態のアタッカユニット400の動作の説明図である。
次に、図16を参照しながら、本実施形態のアタッカユニット400の動作について説明する。
大入賞口125を開状態に制御する場合には、ソレノイド47のコイル472に対して通電を行う。そうすると、プランジャ471がバネ473に抗して引き込まれる。そして、プランジャ471は、リンク機構48を介してシャッタ45を後側に向けてスライド移動させる。これによって、シャッタ45は、後板411に対して更に後側に退いた状態になり、先端部が後板411に略揃った位置になる。そして、シャッタ45は、大入賞口125に遊技球が入球容易な開状態を形成する。
【0127】
一方、大入賞口125を閉状態に制御する場合には、ソレノイド47のコイル472を非通電の状態にする。そうすると、プランジャ471は、バネ473のバネ力によって突出した状態になる。そして、プランジャ471は、リンク機構48を介してシャッタ45を前側に向けてスライド移動させる。これによって、シャッタ45は、後板411から突出した状態になる。なお、本実施形態のシャッタ45は、最も突出した状態で、前板42には接触せず、前板42との間に予め定められた隙間を形成する。
【0128】
図17は、本実施形態のシャッタ45の球噛み状態の説明図である。
続いて、シャッタ45と前板42との間に遊技球が挟み込まれた状態(以下、球噛み状態)の説明をする。
なお、図17(A-1)は、本実施形態のシャッタ45が閉状態である場合の説明図であり、図17(A-2)は、シャッタ45が球噛み状態である場合の説明図である。また、図17(B-1)は、比較例のシャッタ90が閉状態である場合の説明図であり、図17(B-2)は、シャッタ90が球噛み状態である場合の説明図である。
【0129】
ここで、まず先に、比較例のシャッタ90について説明する。図17(B-1)に示すように、シャッタ90が閉状態である場合、ソレノイド47は、プランジャ471が最も突出した状態となる。この場合に、バネ473は、最も伸びた状態になっている。これに対して、シャッタ90が球噛み状態である場合、ソレノイド47は、バネ473が予め定められた量(L2)だけ縮められた状態になる。このバネ473の縮み量は、シャッタ90の引き込み量(L2)に対応する。
【0130】
一方で、図17(A-1)に示すように、本実施形態のシャッタ45が閉状態である場合、ソレノイド47は、プランジャ471が最も突出した状態となる。この場合に、バネ473は、最も伸びた状態になっている。これに対して、シャッタ45が球噛み状態である場合、ソレノイド47は、バネ473が予め定められた量(L1)だけ縮められた状態になる。このバネ473の縮み量は、シャッタ90の引き込み量(L1)に対応する。
【0131】
ここで、本実施形態のシャッタ45は、前板42に対して接触しない非当接部を有している。そして、上述のとおり、シャッタ45が球噛み状態である場合、ソレノイド47は、バネ473が予め定められた量(L1)だけ縮められた状態になる。この量L1は、比較例のシャッタ90のL2よりも小さくなる(L1<L2)。そのため、バネ473のバネ力は、縮められる量が小さいL1の方が、縮められる量が大きいL2よりも小さくなる。ここで、バネ473は、より長く縮められた方が、生じるバネ力がより大きくなる。逆に、バネ473は、より短く縮められた方が、生じるバネ力がより小さくなる。従って、シャッタ45が遊技球を噛み込む力は、比較例のシャッタ90が遊技球を噛み込む力よりも小さくなる。
【0132】
次に、変形例のシャッタ45について説明する。
図18は、変形例のシャッタ45を示す図である。
【0133】
図18(A-1)に示すように、シャッタ45は、左右方向において右側から左側に進むに従って、前後方向における幅Bが次第に大きくなっても良い。また、前板42との関係において、シャッタ45は、左右方向における右側から左側に進むに従って、前板42との間隙Wが次第に小さくなっても良い。
さらに、図18(A-2)に示すように、シャッタ45は、図18(A-1)と同様な形状であって、少なくとも一部が前板42と接触し、他の部分が前板42との間に間隙Wを形成するようにしても良い。
【0134】
図18(B-1)に示すように、シャッタ45は、左右方向において右側から左側に進むに従って、前後方向における幅Bが変化しない直線状部453を有するとともに、前後方向における幅Bが次第に小さくなる他の部分を有していても良い。
さらに、図18(B-2)に示すように、シャッタ45は、図18(B-1)と同様な形状であって、直線状部453が前板42と接触し、他の部分が前板42との間に間隙Wを形成するようにしても良い。
【0135】
図18(C-1)に示すように、シャッタ45は、左右方向において右側から左側に進むに従って、前後方向における幅Bが次第に小さくなる部分と、屈曲点454を境に、左右方向において右側から左側に進むに従って、前後方向における幅Bが次第に大きくなる他の部分とを有していても良い。
さらに、図18(C-2)に示すように、シャッタ45は、図18(C-1)と同様な形状であって、例えば両端部が前板42に接触し、その他の部分が前板42との間に間隙Wを形成するようにしても良い。
【0136】
図18(D-1)に示すように、シャッタ45は、左右方向において右側から左側に進むに従って、前後方向における幅Bが次第に大きくなる部分と、屈曲点455を境に、左右方向において右側から左側に進むに従って、前後方向における幅Bが次第に小さくなる他の部分とを有していても良い。
さらに、図18(D-2)に示すように、シャッタ45は、図18(D-1)と同様な形状であって、例えば屈曲点455の部分が前板42に接触し、その他の部分が前板42との間に間隙Wを形成するようにしても良い。
【0137】
そして、以上のように構成されるシャッタ45は、最も突出した状態で前板42との間に間隙Wを有することによって、操作者が手動にてシャッタ45を閉状態から開状態とする(シャッタ45を変位させる)際に操作される被操作部を形成する。
例えば、シャッタ45が最も突出した閉状態である場合に、シャッタ45の前側の全ての領域が前板42との間に隙間なく前板42と接触していると、シャッタ45を操作者が操作してシャッタ45を開状態にしようとする際に、シャッタ45の前側の端部に例えば指や治具などを引っ掛けることが困難である。
これに対して、本実施形態のシャッタ45は、少なくとも一部に前板42との間に間隙Wを形成する被操作部を有している。これによって、操作者は、被操作部として機能する間隙Wに例えば指や治具などを引っ掛けることで、シャッタ45を容易に操作することができる。
【0138】
次に、シャッタ45に設けられる被操作部の観点に基づく変形例を説明する。
図19は、変形例のシャッタ45を示す図である。
図20は、変形例のアタッカユニット400を示す図である。
【0139】
図19(A)に示すように、変形例のシャッタ45は、シャッタ45の前側に、上下方向に貫通する孔456を有している。この例では、孔456は、左右方向における端部の一例として、右側の端部に形成されている。そして、操作者は、被操作部として機能する孔456に例えば治具などをさし込むことによって、シャッタ45を容易に操作することができる。
なお、孔456は、必ずしも上下方向に貫通している必要はない。また、孔456は、複数設けられていても良い。
【0140】
図19(B)に示すように、変形例のシャッタ45は、前側であって、シャッタ下面45Bに下側に向けて突出する把手部457を有している。この例では、把手部457は、左右方向における端部の一例として、左側の端部に設けられている。そして、操作者は、被操作部として機能する把手部457に手の指を引っ掛けるなどすることによって、シャッタ45を容易に操作することができる。
なお、把手部457は、シャッタ上面45Aにて、上側に向けて突出していても良い。
【0141】
図19(C)に示すように、変形例のシャッタ45は、シャッタ上面45Aに、上側に向けて所定の高さを有するとともに略矩形状に突出する突出部458を有している。この例では、突出部458は、複数設けられる。そして、複数の突出部458は、シャッタ上面45Aにおいて全体的に配置される。操作者は、被操作部として機能する突出部458に手の指や冶具などを引っ掛けるなどして、シャッタ45を容易に操作することができる。
【0142】
図19(D)に示すように、変形例のシャッタ45は、シャッタ上面45Aにて、左右方向に沿って伸びるともに、上側に向けて突出する突条部459を有している。この例では、突条部459は、複数設けられる。そして、操作者は、被操作部として機能する突条部459に手の指や冶具などを引っ掛けるなどすることで、シャッタ45を容易に操作することができる。
【0143】
図20に示すように、変形例の前板42には、開口部42Hが設けられている。開口部42Hは、例えば、細長い棒状の冶具95を通すことが可能な程度の内径を有している。また、変形例のシャッタ45は、開口部42Hと対向する位置に、開口部42Hを貫通する冶具95を受ける受部45Rを有している。すなわち、開口部42Hと受部45Rとは、互いに対向する位置に設けられる。なお、本実施形態においては、上側端面450Tを受部45Rとして機能させることができる。
そして、操作者は、被操作部として機能するシャッタ45の受部45Rに対して、冶具95を押し当てるなどして、シャッタ45を容易に操作することができる。
【0144】
次に、本実施形態の大入賞口125と第1始動口121との位置関係について説明する。
図21は、遊技盤110における球詰まりの説明図である。
【0145】
図21(A)に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機100では、遊技球が円滑に流下するように構成しているものの、何らかの原因によって遊技球が遊技領域111の途中で停止するなどし、複数の遊技球がブドウ状に積み重なる状態(以下、「ブドウ」と称する)が発生する場合がある。
これに対して、本実施形態のアタッカユニット400では、シャッタ45を、第1始動口121よりも下側に設けている。従って、シャッタ45上にブドウが形成された場合であっても、例えばブドウの上側をさらに遊技球が流下して第1始動口121に遊技球が向かい難くなっている。
【0146】
ここで、図21(B)に示すように、比較例のパチンコ遊技機の盤面構成について説明する。
比較例のパチンコ遊技機において、比較例の第1始動口121は、所定の基準高さに対して、高さLv4に設けられている。また、比較例のヘソくぎ101Hは、基準高さに対して、第1始動口121よりも高い、高さLv5に設けられている。そして、比較例の大入賞口125(シャッタ45)は、基準高さに対して、第1始動口121およびヘソくぎ101Hよりも高い、高さLv6に設けられている。
そして、比較例のパチンコ遊技機においては、大入賞口125のシャッタ45上にてブドウが発生すると、ブドウを構成する遊技球が比較的少ない数でも、第1始動口121よりも上側までブドウが形成されてしまう。これによって、ブドウの上側から第1始動口121へと遊技球が流れる経路が形成される可能性が高くなる。
【0147】
これに対して、図21(A)に示すように、本実施形態では、上述したとおり、大入賞口125のシャッタ45上にブドウとしてある程度の数の遊技球が溜まったとしても、第1始動口121に対して遊技球が流れ難くすることができる。
特に、遊技盤110において、本実施形態の大入賞口125は、第1始動口121よりも下側に設けられている。特に、本実施形態では、大入賞口125のシャッタ45は、シャッタ45に対して第1始動口121が設けられている側である左側が右側よりも低くなっている。これによって、第1始動口121側におけるブドウの高さが比較的低くなり、ブドウの発生に伴う第1始動口121への遊技球の流れが抑制される。
【0148】
引き続いて、アタッカユニット400における装飾部421について詳細に説明する。
図22は、本実施形態の前板42の装飾部421の説明図である。
装飾部421は、前板42において、全面的に形成される。また、装飾部421は、前側から遊技者が見た場合に、シャッタ45と重なる位置に設けられる。さらに、装飾部421は、透明な前板42に設けられ、前板42を通して後側を透過させて見せない、または、見え難くする色や模様や形状を有している。
そして、本実施形態の装飾部421は、遊技盤110の盤面(遊技板110Pの主面P1)の垂直方向から遊技者がシャッタ45を見た場合に、シャッタ45の少なくとも一部を視認困難または視認不能にする。さらに、装飾部421は、遊技盤110の盤面(遊技板110Pの主面P1)の垂直方向と交差する方向であってシャッタ45よりも上側から遊技者がシャッタ45を見た場合には、シャッタ45の少なくとも一部を視認容易または視認可能にする。
【0149】
具体的には、図22(A)に示すように、アタッカユニット400は、例えば遊技盤110においてアタッカユニット400が設けられる位置であって、遊技盤110の盤面に対して垂直方向からアタッカユニット400を遊技者が見た場合に、シャッタ上面45Aの前側の端部450(上側端面450Tおよび下側端面450B)の少なくとも一部を、装飾部421によって隠す。本実施形態では、アタッカユニット400は、遊技盤110における比較的下側に位置している。従って、遊技者の目の高さが遊技盤110における比較的下側となるアタッカユニット400の高さに合っている場合には、アタッカユニット400では、シャッタ上面45Aの前側の端部450(上側端面450Tおよび下側端面450B)の少なくとも一部が装飾部421と重なり、端部450の少なくとも一部が見えない、あるいは、端部450の少なくとも一部が見え難い状態になる。
【0150】
これに対して、図22(B)に示すように、アタッカユニット400は、遊技盤110の盤面に対して交差する交差方向であって、アタッカユニット400の上側からアタッカユニット400を見た場合に、シャッタ45の前側の端部450を、装飾部421により隠さず、遊技者に見せることができる。本実施形態では、アタッカユニット400は、遊技盤110における比較的下側に位置している。従って、アタッカユニット400では、遊技者の目線が例えばアタッカユニット400よりも上側の画像表示部114の画面の高さにある場合に、遊技者の目の高さがアタッカユニット400の高さに合っている場合に遊技者が見えなかった端部450(上側端面450Tおよび下側端面450B))が見える、あるいは、見え易い状態にする。
【0151】
また、図22(A)に示すように、アタッカユニット400は、例えば遊技盤110においてアタッカユニット400が設けられる位置であって、遊技盤110の盤面に対して垂直方向からアタッカユニット400を遊技者が見た場合には、シャッタ45のシャッタ上面45Aを見せない、または、見え難くする。
一方で、図22(B)に示すように、アタッカユニット400は、遊技盤110の盤面に対して交差する交差方向であって、アタッカユニット400の上側からアタッカユニット400を見た場合に、シャッタ45のシャッタ上面45Aを、装飾部421より隠さず、遊技者が見える、あるいは、遊技者が見え易い状態にする。
【0152】
以上のように構成される本実施形態のアタッカユニット400では、遊技者の目の高さを、好ましい高さにすることを促すことができる。すなわち、例えば遊技者の目線がアタッカユニット400の高さにある場合、上述のとおり、シャッタ45の少なくとも一部が装飾部421と重なって見えない状態になる。この場合、遊技者は、シャッタ45の一部が装飾部421により重なって見えなくならないように、座席の座面の高さを調整するなどして、例えば画像表示部114の画面の位置など遊技盤110において比較的高い位置に目の高さを合わせる。その結果、シャッタ45の一部は、装飾部421に隠されずに見える状態になる。そして、遊技演出が行われる画像表示部114の画面の高さに遊技者の目の高さを合わせることを促すことができる。
【0153】
なお、上述した例では、遊技者の目の高さが遊技盤110における比較的下側に位置している場合、シャッタ45の前側の端部450の一部が隠されるように構成されるが、この態様に限定されない。遊技者の目の高さが遊技盤110における比較的下側に位置している場合、シャッタ45の前側の端部450の全てが装飾部421によって隠されていても良い。
【0154】
なお、図22(A)に示すように、アタッカユニット400を見る遊技者の目の高さが、アタッカユニット400の高さに合っている状態で、装飾部421は、遊技球の上側の一部(例えば、遊技球の3分の2)は、常に見せた状態にする。一方で、アタッカユニット400を見る遊技者の目の高さが、アタッカユニット400の高さに合っている状態で、変形例の装飾部421は、残りの下側の一部(例えば、遊技球の3分の1)は、装飾部421に対する位置に応じて、隠したり見せたりする。
【0155】
次に、変形例の装飾部421について説明する。
図23は、変形例の装飾部421の説明図である。
変形例の装飾部421は、前板42にシール材などが貼り付けられることで設けられる。そして、図23に示すように、変形例の装飾部421は、シャッタ45の上側に対応する位置であって、シャッタ45の流下方向に沿って第1装飾領域S1と、第2装飾領域S2と、第3装飾領域S3と、有している。これら、第1装飾領域S1、第2装飾領域S2、および、第3装飾領域S3は、透明な前板42に設けられ、前板42を通して後側を透過させて見せない、または、見えにくくする色や模様や形状を有している。さらに、第1装飾領域S1、第2装飾領域S2、および第3装飾領域S3は、シャッタ45における遊技球の流下方向に沿って、所定の間隔を有して並べられる。そして、各々の装飾領域の間には、透明である前板42を通して後側を透過して見せる第1透過部T12と、第2透過部T23とが形成される。
【0156】
そして、変形例のアタッカユニット400を見る者の目の高さが、変形例のアタッカユニット400の高さに合っている状態で、変形例の装飾部421は、遊技球の上側の一部(例えば、遊技球の3分の2)は、常に見せた状態にする。一方で、変形例のアタッカユニット400を見る者の目の高さが、変形例のアタッカユニット400の高さに合っている状態で、変形例の装飾部421は、残りの下側の一部(例えば、遊技球の3分の1)は、装飾部421に対する位置に応じて、隠したり見せたりする。
【0157】
本実施形態のパチンコ遊技機100では、例えば第1装飾領域S1、第2装飾領域S2および第3装飾領域S3のいずれかの領域の後側に遊技球が位置しているときには、第1装飾領域S1、第2装飾領域S2および第3装飾領域S3のいずれかの領域と重なることで遊技球の下側の一部を見せないようにしている。一方で、本実施形態のパチンコ遊技機100では、第1透過部T12および第2透過部T23の後側に遊技球が位置しているときには、前板42を通して遊技球の全部を見せるようにしている。
なお、本実施形態において、第1装飾領域S1、第2装飾領域S2および第3装飾領域S3がそれぞれ遊技球の一部を隠している状態において、遊技球のうち見せない領域の面積(例えば、遊技球の3分の1)は、遊技球のうち見せる領域の面積(例えば、遊技球の3分の2)よりも小さくなるようにしている。
【0158】
本実施形態では、シャッタ45の特定の領域(一部)上を通過する遊技球の視認性は、シャッタ45の特定の領域(一部)以外の他の領域(他部)を通過する遊技球の視認性よりも低くなっている。そして、シャッタ45上を流下する遊技球に関して、遊技球の視認性が高い領域と低い領域とを設けることで、シャッタ45上における遊技球の流下速度を目視で確認できるようにしている。
【0159】
ところで、遊技球の表面に油分を付着させることで、遊技領域111において遊技球が滞留したり、遊技球同士を付着させたりする不正行為が行われる場合がある。そして、油分が付着した遊技球は、油分が付着していない遊技球と比較して転がり抵抗が高いため遊技球の流下速度が遅くなる。このように、本実施形態のパチンコでは、シャッタ45上において、遊技球の流下速度を見ることで、遊技球の表面に油分などが付着しているか否かを確認できるようになっている。
【0160】
例えば、図23(B)に示すように、油分が付着していなければ、第1装飾領域S1を通過し、次の第2装飾領域S2に至るまでにかかる時間は、比較的早くなる。一方で、図23(C)に示すように、油分が付着している場合には、第1装飾領域S1を通過し、次の第2装飾領域S2に至るまでにかかる時間は、比較的遅くなる。このように、本実施形態では、比較的長い距離であって直線的に遊技球が流れるシャッタ45上で遊技球の流下速度を確認するようにしている。
【0161】
続いて、本実施形態の遊技領域111の前後方向におけるサイズの関係について説明する。
図24は、本実施形態の遊技領域111の前後方向におけるサイズの関係についての説明図である。
本実施形態では、遊技板110Pの主面P1からの、各部品の突出高さは、以下のようになっている。遊技くぎ101は、高さT1であり、前板42は、高さT2である。そして、高さT1および高さT2は、略等しくなっている(T1=T2)。また、本実施形態のパチンコ遊技機100において、遊技くぎ101の高さT1および前板42の高さT2は、主面P1からの突出高さが、遊技領域111に設けられる部品の中でも最も高くなっている。
【0162】
また、本実施形態において、後板411の高さT3は、他の部品の中で最も低くなっている。さらに、シャッタ45において最も突出している部分の高さT4は、高さT3よりも高く、高さT1および高さT2よりも低くなっている(T3<T4<(T1またはT2))。
【0163】
そして、遊技板110Pの前後方向における幅A1は、部品単体の厚みとしては、アタッカユニット400を構成する部品よりも大きくなっている。前板42は、所定の幅A2に形成されている。また、後板411は、所定の幅A3(=高さT3)に形成されている。この前板42の幅A2および後板411の幅A3は、略等しくなっている(A2=A3)。
【0164】
そして、以上のようなサイズの関係を有することによって、以下のように構成している。本実施形態のパチンコ遊技機100は、遊技球が入賞可能な開放状態と遊技球が入球不可能な閉鎖状態とに変化可能なアタッカユニット400によって、遊技盤110において遊技くぎ101が植設された部分における前後方向の流下可能領域である第1領域R1と、第1領域R1よりも前後方向における流下可能領域が狭い第2領域R2と、その第2領域R2を形成するための前板42とを備える。
【0165】
そして、アタッカユニット400は、前板42の後側に位置するとともに、大入賞口125を閉じる状態において遊技球が通過可能なシャッタ上面45Aを有し、アタッカユニット400におけるシャッタ45の閉状態において遊技盤110(遊技板110P)の前側に突出するシャッタ上面45Aの前後方向における突出長さT4が遊技くぎ101の突出長さT1よりも短く構成されている。そして、アタッカユニット400では、第2領域R2は、後板411と前側の面と、前板42の後側の面とによって形成される。また、第2領域R2の長さは、前板42が突出する高さT2から前板42の幅A2および後板411の幅A3を差し引いた長さとなる(R2=T2-(A2+A3))。
【0166】
以上のように構成されるパチンコ遊技機100において、遊技くぎ101は、例えば製造時における調整が行われる。このとき、遊技くぎ101の突出高さが比較的高い方が、遊技くぎ101の調整を行い易い。また、パチンコ遊技機100においては、遊技くぎ101によって遊技球が上下方向、左右方向、前後方向のいずれの方向においても移動できることで、遊技者が遊技を楽しむことができる。そのため、例えば、遊技板110Pと前面ガラス板との間の前後方向において自由度が高い状態で遊技球が移動できるように構成することが好ましい。一方で、大入賞口125においては、遊技球が入賞し易くなるように、前後方向における移動範囲をある程度狭める方が好ましい。
【0167】
そこで、本実施形態のパチンコ遊技機100では、遊技くぎ101が設けられる箇所においては、遊技球が前後方向において比較的移動し易くなるように第1領域R1を設ける。また、本実施形態のパチンコ遊技機100では、大入賞口125が設けられる箇所においては、遊技球が前後方向において比較的移動し難くなるように第2領域R2を設けている。
【0168】
続いて、本実施形態の大入賞口125における不正入賞処理について説明する。
図8を参照しながら説明したとおり、大入賞口処理において、大入賞口125の作動のラウンド数が設定された最大値に達すると、大当たり遊技が終了する。ここで、大当たり遊技が終了したにもかかわらず、大入賞口125に遊技球が入賞する場合がある。そして、大当たり遊技が終了した後における遊技球の入賞を抑制するために、例えば画像表示部114の画面にてエラーが発生していることを表示する制御が考えられる。しかしながら、エラー報知を行う条件を厳しく設定し過ぎると、例えば、不正な操作を行っていないにもかかわらずエラー表示が行われ、不正を行っていない遊技者が不快な思いをすることになる。一方で、条件を緩く設定し過ぎると、不正な操作を助長してしまうおそれがある。
【0169】
そこで、本実施形態のパチンコ遊技機100では、大入賞口125のシャッタ45が閉状態となった後、所定の入賞猶予期間を計測し、さらにその後、大入賞口125に対する所定の入賞猶予個数(例えば、3球など)をカウントする。そして、本実施形態のパチンコ遊技機100では、所定の入賞猶予期間の経過後に、所定の入賞猶予個数よりも多くの遊技球が大入賞口125に入球した場合には、不正入賞操作であると判断し、エラー報知を行うようにしている。
【0170】
次に、図8を参照しながら説明した大入賞口処理における、異常入賞判定処理について説明する。
図25は、本実施形態の大入賞口125における異常入賞判定処理の内容を示すフローチャートである。
【0171】
大入賞口125の作動が終了する度(S1710、図8参照)に、異常入賞判定処理が実行される。本実施形態では、図25に示すように、遊技制御部200は、大入賞口125が閉状態になったタイミングから予め定められた時間が経過したか否かを判断する(S2501)。大入賞口125が閉状態になったタイミングから予め定められた時間が経過していない場合(S2501でNo)には、再びS2501に戻り、予め定められた時間が経過するまで処理を繰り返す。
【0172】
一方で、遊技制御部200は、大入賞口125が閉状態になったタイミングから予め定められた時間が経過したと判断した場合(S2501でYes)、予め定められた数以上の遊技球が大入賞口125に入賞したか否かを判断する(S2502)。
【0173】
ここで、予め定められた数以上の遊技球が大入賞口125に入賞しない場合(S2502でNo)、処理が終了する。
一方、大入賞口125が閉状態になったタイミングから予め定められた時間が経過し(S2501でYes)、さらに、予め定められた数以上の遊技球が大入賞口125に入賞した場合(S2502でYes)、遊技制御部200は、異常入賞フラグをONする(S2503)。
【0174】
そして、本実施形態のパチンコ遊技機100では、異常入賞フラグがONであることに基づいて、演出制御部300が、エラー報知を実行する。本実施形態のエラー報知は、例えば、画像表示部114の画面にて、不正入賞が行われた旨のメッセージを表示することで行うことができる。また、エラー報知は、パチンコ遊技機100に設けられる枠ランプ157などを赤色など目立つ発光色にて発光させても良い。さらに、エラー報知は、スピーカ156から遊技演出の際に出力される演出音よりもボリュームが大きい警告音を出力しても良い。
【0175】
なお、図示は省略するが、遊技制御部200は、パチンコ遊技機100の電源がOFFされるか、または、異常入賞フラグがONとなってから新たに大入賞口125が作動開始される(開状態になる)ことで、ONしていた異常入賞フラグをOFFする。
【0176】
ここで、図25に示した異常入賞判定処理について、図26のタイミングチャートを用いて更に詳細に説明する。
図26は、大当たり遊技における大入賞口125を開閉するシャッタ45の動作状態と、シャッタ45の動作状態を所定の試験装置に認識させるための試験信号の出力状態と、異常入賞判定処理との関係を示すタイミングチャートである。
【0177】
異常入賞判定処理は、先述のとおりシャッタ45を駆動するソレノイド47が非通電状態となることにより大入賞口125が閉鎖状態となっている期間(以下、「閉鎖期間」と称する。)において実行される処理である。
【0178】
図26(A)および図26(B)に示すように、当該閉鎖期間は、インターバル時間と、インターバル時間の終了後の休止時間とで構成される。インターバル時間とは、ラウンド遊技間に設定される時間であって、単一のラウンド遊技の開始と終了とを遊技者に対して認識させるための時間である。休止時間とは、インターバル時間と同じくラウンド遊技間に設定される時間であって、単一のラウンド遊技の開始と終了とを遊技機外部の所定の試験装置に対して認識させるための時間である。インターバル時間と休止時間とでは、インターバル時間の方が休止時間よりも長く設定される。
【0179】
所定の試験装置とは、遊技機の性能試験において遊技機の動作状態が適正であるか否かを判定するための装置である。遊技機は、遊技場に設置される以前に、所定の試験機関にて行われる当該性能試験に合格する必要がある。そして、当該性能試験において大当たり遊技中のシャッタ45の動作状態(すなわち、ラウンド遊技の実行有無、大入賞口の開閉状態)を示すための信号が本実施形態での試験信号である。
【0180】
試験信号は、シャッタ45を駆動するソレノイド47が通電状態となり大入賞口125が開放状態となる時点から出力開始され、シャッタ45を駆動するソレノイド47が非通電状態となり大入賞口125が閉鎖状態となってから所定のインターバル時間が経過した時点で出力を終了する。そして、その後、新たにシャッタ45を駆動するソレノイド47が通電状態となり大入賞口125が開放状態となると再び出力開始され、以降、最終のラウンド遊技が終了するまで上記の信号出力を繰り返し実行する。なお、試験信号は、休止時間中は出力が停止される。
【0181】
インターバル時間と休止時間とはいずれも大入賞口125の閉鎖状態中の時間であり、外見上その違いは遊技者には認識不能であるが、遊技制御部200(メイン制御手段)の主制御処理内においては制御上異なる時間として設定または監視される時間である。
【0182】
遊技制御部200は、ラウンド遊技が終了すると予め定められたインターバル時間の計測を開始する。当該インターバル時間は、図25のS2501の「予め定められた時間」に相当し、大入賞口125への入賞と払い出しを許可する期間である。なお、インターバル時間中は、大入賞口125への入賞と払い出しは許可するが、大入賞口125への入賞個数のカウントは行わない。また、遊技制御部200は、インターバル時間中であるか否かの判定のためにインターバルフラグを設定し、インターバルフラグが有効であればインターバル時間の計測を行い、インターバルフラグが無効であればインターバル時間の計測を行わない。また、インターバルフラグは、シャッタ45を駆動するソレノイド47が非通電状態となることで有効となり、インターバル時間の計測が終了することで無効となる。
【0183】
そして、遊技制御部200は、インターバル時間の計測が終了すると予め定められた休止時間の計測を開始する。当該休止時間は、図25のS2502の「予め定められた数」をカウントする時間に相当し、大入賞口125への入賞個数3個をカウントするまで大入賞口125への入賞と払い出しを許可する期間である。遊技制御部200は、休止時間中であるか否かの判定のために休止フラグを設定し、休止フラグが有効であれば休止時間の計測および大入賞口125への入賞個数のカウント(最大3個まで)を行い、休止フラグが無効であれば休止時間の計測を行わない。なお、休止フラグは、インターバル時間の計測が終了することで有効となり、休止時間の計測が終了することで無効となる。
【0184】
さらに、図26(B)に示すように、最終ラウンドが終了して、その後閉鎖期間が終了すると、エンディング時間へと移行する。遊技制御部200は、当該エンディング時間中は、休止時間から継続して大入賞口125への入賞個数のカウントを継続する。そして、遊技制御部200は、休止時間から通じて大入賞口125への入賞個数3個をカウントすることで異常入賞と判定する。この際、休止フラグをエンディング時間に亘って継続して有効とすることで入賞個数3個のカウントを行うこととしてもよいし、入賞個数のカウント結果を休止時間から引き継ぎつつ、休止フラグとは別フラグを有効としてエンディング時間の計測を行うこととしてもよい。
【0185】
また、本実施形態では、インターバル時間と休止時間とを各々のフラグに基づいて各々カウントするものとしたが、これに限られることはない。例えば、インターバル時間と休止時間とを通じてインターバル総時間としてカウントしつつ、本実施形態における休止時間の開始タイミングに相当する時点から、インターバル総時間後半フラグを有効とすることでインターバル時間と休止時間とを判別することとしてもよい。
【0186】
以上のように、大当り遊技におけるシャッタ45を駆動するソレノイド47の非通電状態というのは、遊技者からの外見上は大入賞口125の閉鎖中であるが、遊技制御部200の制御上はインターバル時間と休止時間とに大別される構成となっている。そして、異常入賞判定処理は、インターバル時間と休止時間とを監視することによって実現される。また、試験装置に対する試験信号の出力は、シャッタ45の開放動作の開始でONとなり、休止時間の開始でOFFされる。つまり、異常入賞判定は大入賞口125の閉鎖中に行われるものであって、大入賞口の閉鎖中はインターバル時間と休止時間との2種類の時間で構成され、休止時間は試験信号のON出力を複数回行うために試験信号をOFFすることを担保する時間である。
【0187】
次に、変形例のアタッカユニット400について説明する。
図27は、変形例のアタッカユニット400の正面図である。
変形例のアタッカユニット400は、遊技領域111全体として遊技球の流下方向に対して、シャッタ45の傾斜が上述した実施形態とは異なるものである。
変形例のアタッカユニット400は、遊技領域111における右側に設けられている。本実施形態において、排出口117は、遊技盤110の中央部に設けられている(図1参照)。従って、遊技領域111の右側においては、遊技球は、右側から左側への遊技球の流れが流下方向となる。
【0188】
そして、変形例のアタッカユニット400では、シャッタ45は、遊技球の流下方向の下流側が上流側よりも高くなるように構成されている。これによって、変形例のアタッカユニット400では、大当たり遊技が行われているときに、ラウンドとラウンドとの間(インターバル)のタイミングで、シャッタ45が閉まったとき、遊技球がシャッタ45を一時的に滞留する。この状態において、シャッタ45が開くと、シャッタ45上を昇っている遊技球は、大入賞口125に入球することができる。なお、シャッタ45が開かなければ、第1流路形成部43または第2流路形成部44を流れて、遊技盤110の下側へと流れて行く。
以上のように構成される変形例のアタッカユニット400では、大当たり遊技のラウンドのインターバルのタイミングで大入賞口125に到達した遊技球が、その後、大入賞口125に入球できるようになっている。
なお、例えばシャッタ45上における遊技球の転がり速度を抑えるという点では、シャッタ45(シャッタ上面45A)の高さを、左右方向に進むに従って水平に設けても良い。
【0189】
図28は、電源OFF時のペナルティ処理の説明図である。
続いて、正常な操作ではない異常操作が行われた場合に、実行させるペナルティ処理について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機100では、大当たり遊技が行われているときに、パチンコ遊技機100の本体における電源がOFFされた場合に、大入賞口125の開放時間を予め定められた開放時間よりも短くする第1ペナルティ処理を行う。この第1ペナルティ処理を行うことによって、パチンコ遊技機100本体の電源をOFFすることが好ましくない操作であることを明示するようにしている。
【0190】
まず、図28(1)に示すように、大当たりに当選すると、画面には、特別図柄抽選の判定結果が大当たりの場合の組合せで、装飾図柄51が確定停止する。なお、大当たりであることが報知される際、画面には、保留されている大当たり判定の権利の数を数字で示す保留数表示55、および装飾図柄51よりも小さく表示され装飾図柄51とは別に図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知する小図柄56とがそれぞれ表示されている。
【0191】
そして、図28(2)に示すように、画面には、オープニング画像75が表示される。オープニング画像75は、大当たり遊技の開始を遊技者に報知するための画像である。具体的には、本実施の形態のオープニング画像75では、「BIG Bonus!Congratulations」のテキストを表示する。このオープニング画像75は、大当たりの種類(例えば、総ラウンド数)を示唆する内容となっている。
【0192】
また、右打ち画像79は、遊技者に対して、大入賞口125(図11参照)に向けて遊技球を発射させることを遊技者に促す表示である。本実施の形態においては、大入賞口125は、遊技領域111の右側に配置されている(図10参照)。従って、本実施の形態では、大当たり遊技が実行されている際には、右打ち画像79の表示を行う。
なお、右打ち画像79は、右打ちすることによって(遊技球の打球力を変更することによって)遊技者に有利な状態になっているときに表示される。すなわち、右打ち画像79は、右打ちすることによって(遊技球の打球力を変更することによって)遊技者に有利な状態になっていることを遊技者に報知するための画像である。
【0193】
また、本実施の形態では、右打ち画像79は、少なくとも大当たり遊技中に継続して表示される。なお、例えば大当たり遊技が開始される際に、右打ち画像79とは異なる態様の冒頭の右打ち画像を一時的に表示しても良い。この冒頭の右打ち画像は、右打ち画像79とは表示サイズや表示デザインなど表示態様が異なる。例えば、冒頭の右打ち画像は、右打ち画像79よりもサイズが大きく、装飾性が高い目立つデザインを採用することができる。
【0194】
そして、図28(3)に示すように、大入賞口125が開放されるラウンド遊技が開始されると、画像表示部114の表示画面には、右打ち画像79、ラウンド進行画像76、ラウンド画像77、大当たり図柄表示画像78およびカウント画像74がそれぞれ表示される。
【0195】
ラウンド進行画像76は、大当たり遊技における総ラウンド数に対して達成したラウンドの数を示す表示である。例えば、10ラウンド(10R)の大当たりに当選した場合、ラウンド進行画像76は、10個の白い丸を表示するとともに、各ラウンドが消化される度に、白い丸を例えば黒などの他の色に1個ずつ変化させる。
【0196】
ラウンド画像77は、大当たり遊技において現在実行しているラウンドのラウンド数を遊技者に報知するための画像である。例えば、ラウンド画像77では、10ラウンドの大当たりに当選した場合には、「Round1」から「Final Round(Round10)」まで順に表示が行われる。
【0197】
そして、大当たり図柄表示画像78は、大当たり遊技が実行されている際に、大当たりの種類を示唆する画像である。すなわち、大当たりに当選した際に揃った3つの装飾図柄51を示唆する画像である。本実施の形態では、大当たりに当選した際に揃った3つの装飾図柄51のうち1つの装飾図柄51を表示することで構成している。
【0198】
また、カウント画像74は、1つのラウンドにおける大入賞口125の入賞個数を示す表示である。なお、本実施形態のパチンコ遊技機100では、大入賞口125の1ラウンドあたりの閉鎖条件として、開状態となってから29.5秒経過、または、10個の入賞を条件としている。そして、カウント画像74は、閉鎖条件である10個の入賞の条件に対応して、10個の白い星を表示し、大入賞口125に1球入賞するごとに白い星を例えば黒などの他の色に1個ずつ変化させる。
【0199】
ここで、図28(4)に示すように、例えば第1ラウンド中に、パチンコ遊技機100の電源がOFFされたとする。なお、画像表示部114に対する電源供給が絶たれるため、当然ながら、画面には何も表示されない。
その後、パチンコ遊技機100に対する電源がONにされる。そうすると、パチンコ遊技機100では、復旧動作が実行される。また、図28(5)に示すように、画像表示部114の画面には、復旧中であることを示す復旧中画像81が表示される。
【0200】
そして、復旧後、図28(6)に示すように、画像表示部114の画面には、再び、右打ち画像79、ラウンド進行画像76、ラウンド画像77、大当たり図柄表示画像78およびカウント画像74がそれぞれ表示される。
【0201】
さらに、図28(6)に示すように、本実施形態では、画像表示部114の画面には、電源をOFFしないように促す警告表示82と、大当たり遊技中に電源をOFFしたことのペナルティとして、大入賞口125の1ラウンドにおける開放時間が短くなったことを通知するペナルティ表示83と、をそれぞれ表示する。
【0202】
ここで、比較のために、本実施形態のペナルティ処理が実行されない場合について説明する。ペナルティ処理が実行されない場合には、あるラウンドが開始されてからパチンコ遊技機100の電源がOFFされるまでに経過した経過時間が計測されて、その経過時間が一時的に記憶される。そして、パチンコ遊技機100の電源がONされると、一時的に記憶された経過時間から、大入賞口125のデフォルトの閉鎖条件である予め定められた時間(この例では、29.5秒)に向けて1ラウンド分の開放時間の計測が再び開始される。
【0203】
これに対して、本実施形態のペナルティ処理が実行される場合には、あるラウンドが開始されてからパチンコ遊技機100の電源がOFFされるまでに経過した経過時間が計測されて、その経過時間が一時的に記憶される。そして、パチンコ遊技機100の電源がONされると、一時的に記憶された経過時間から、デフォルトの開放時間よりも短く設定されたペナルティ用の開放時間(例えば、28秒)に向けて1ラウンド分の開放時間の計測が再び開始される。
【0204】
このように、本実施形態のパチンコ遊技機100では、電源OFFが行われたラウンド(この例では、第1ラウンド)において、閉鎖条件として予め定められた開放時間が、例えば数秒単位で減少させられる。従って、例えば、閉鎖条件として大入賞口125に対して10個の遊技球が入賞しない場合、大入賞口125のシャッタ45が開状態となる総時間は29.5秒よりも短く制御されるようになっている。
【0205】
なお、第1ラウンドにおいて、再度、パチンコ遊技機100の電源がOFFされた場合には、大入賞口125が開状態となる総開放時間がさらに減少させられることになる。この場合、パチンコ遊技機100の電源が再びOFFされるまでに経過した経過時間が一時的に記憶される。そして、パチンコ遊技機100の電源がONされると、一時的に記憶された経過時間から、デフォルトの開放時間よりも更に短く設定されたペナルティ用の開放時間(例えば、27秒)に向けて1ラウンド分の開放時間の計測が再び開始される。
また、この場合に、上述した、警告表示82およびペナルティ表示83が再び画面に表示される。
【0206】
その後、図28(7)に示すように、例えば、大入賞口125の第1ラウンドにおける閉鎖条件が満たされると、第1ラウンドが終了し、図28(8)に示すように、第2ラウンドが開始される。この第2ラウンドにおいて、上述したようなパチンコ遊技機100本体の電源がOFFにされなければ、閉鎖条件が満たされるまで、大入賞口125の開状態が継続される。ただし、この第2ラウンドにおいても、上述したようなパチンコ遊技機100本体の電源がOFFにされた場合には、上述したように、大入賞口125の開放時間を減少させるペナルティ処理が実行される。このことは、第3ラウンド以降においても同様である。
【0207】
さらに、例えば、アタッカユニット400に接続する配線215Lが脱線したり断線したりする場合、アタッカユニット400に対する電源供給が行われなくなる。この場合においても、再びアタッカユニット400に接続する配線215Lが接続されると、デフォルトの開放時間よりも更に短く設定されたペナルティ用の開放時間(例えば、25秒)に向けて1ラウンド分の開放時間の計測が再び開始される。また、パチンコ遊技機100では、例えば、画像表示部114の画面にて、アタッカユニット400に対する電源供給を行うことを促す警告表示を行っても良い。さらに、この場合においても、大入賞口125が開状態となる時間が短くなる旨を画面にて表示しても良い。
【0208】
以上のように構成される本実施形態のパチンコ遊技機100は、遊技球が入賞する大入賞口125と、遊技機の前後方向にスライド移動することによって、大入賞口125に遊技球を入球容易にする開状態と、大入賞口125に遊技球を入球困難にする閉状態との間で変位可能なシャッタ45と、所定方向に移動するプランジャ471を有し、バネ473の弾性力を用いてシャッタ45を駆動するソレノイド47と、シャッタ45の移動方向における前側に設けられ、シャッタ45に対向する前板42と、を備え、シャッタ45は、前板42に対して最も近接した状態で、前板42に当接しない非当接部を有し、ソレノイド47は、シャッタ45の後側であって、所定方向が移動方向と異なるように配置される。
【0209】
また、以上のように構成される本実施形態のパチンコ遊技機100は、遊技球が入賞する大入賞口125と、遊技機の前後方向にスライド移動することによって、大入賞口125に遊技球を入球容易にする開状態と、大入賞口125に遊技球を入球困難にする閉状態との間で変位可能なシャッタ45と、所定方向に移動するプランジャ471を有し、シャッタ45を駆動するソレノイド47と、シャッタ45の移動方向における前側に設けられ、シャッタ45に対向する前板42と、を備え、シャッタ45は、シャッタ45を手動にて変位させる際に操作される被操作部を有し、ソレノイド47は、シャッタ45の後側であって、所定方向が移動方向と異なるように配置される。
【0210】
また、以上のように構成される本実施形態のパチンコ遊技機100は、遊技盤に設けられ遊技球が入賞する大入賞口125と、遊技機の前後方向にスライド移動することによって、大入賞口125に遊技球を入球容易にする開状態と、大入賞口125に遊技球を入球困難にする閉状態との間で変位可能なシャッタ45と、シャッタ45の移動方向における前側に設けられ、シャッタ45に対向する前板42と、を備え、シャッタ45は、遊技球の流れにおけるシャッタ45の上流側および下流側にそれぞれ設けられて遊技球の経路を形成する第1流路形成部43および第2流路形成部44と色が異なり、シャッタ45の少なくとも一部は、遊技盤の盤面の垂直方向から見た場合に視認困難または視認不能であるが、一部は、垂直方向と交差する方向であってシャッタ45よりも上側から見た場合には視認容易または視認可能である。
【0211】
また、以上のように構成される本実施形態のパチンコ遊技機100は、遊技盤に設けられ遊技球が入賞する大入賞口125と、遊技機の前後方向にスライド移動することによって、大入賞口125に遊技球を入球容易にする開状態と、大入賞口125に遊技球を入球困難にする閉状態との間で変位可能なシャッタ45と、シャッタ45の移動方向における前側に設けられ、シャッタ45に対向する前板42と、を備え、シャッタ45は、遊技球の流れにおけるシャッタ45の上流側および下流側にそれぞれ設けられて遊技球の経路を形成する第1流路形成部43および第2流路形成部44と色が異なり、シャッタ45のシャッタ上面45Aの少なくとも一部を通過する遊技球の視認性は、遊技盤の盤面に対する垂直方向から見た場合には低いが、垂直方向と交差する方向であってシャッタ45よりも上側から見た場合には高い。
【0212】
また、以上のように構成される本実施形態のパチンコ遊技機100は、遊技球が入賞する大入賞口125と、遊技機の前後方向にスライド移動することによって、大入賞口125に遊技球を入球容易にする開状態と、大入賞口125に遊技球を入球困難にする閉状態との間で変位可能なシャッタ45と、を備え、シャッタ45は、遊技機の左右方向に進むに従って上下方向の高さが変化するとともに、前後方向に進むに従って上下方向における幅が変化する。
【0213】
また、以上のように構成される本実施形態のパチンコ遊技機100は、遊技球が入賞する大入賞口125と、遊技機の前後方向にスライド移動することによって、大入賞口125に遊技球を入球容易にする開状態と、大入賞口125に遊技球を入球困難にする閉状態との間で変位可能なシャッタ45と、を備え、シャッタ45は、遊技機の左右方向に進むに従って上下方向の高さが変化するとともに、左右方向に進むに従って前後方向における幅が変化する。
【0214】
また、以上のように構成される本実施形態のパチンコ遊技機100は、遊技球が入賞する大入賞口125と、遊技機の前後方向にスライド移動することによって、大入賞口125に遊技球を入球容易にする開状態と、大入賞口125に遊技球を入球困難にする閉状態との間で変位可能なシャッタ45と、シャッタ45における長手方向における端部側に設けられ、大入賞口125に入賞した遊技球を検出する大入賞口スイッチ215と、を備え、シャッタ45は、遊技機の左右方向に進むに従って上下方向の高さが変化する。
【0215】
また、以上のように構成される本実施形態のパチンコ遊技機100は、遊技球が入賞する大入賞口125と、遊技機の前後方向にスライド移動することによって、大入賞口125に遊技球を入球容易にする開状態と、大入賞口125に遊技球を入球困難にする閉状態との間で変位可能なシャッタ45と、を備え、シャッタ45は、前後方向に進むに従って上下方向における幅が変化するとともに、遊技機の左右方向に進むに従って前後方向における幅が変化する。
【0216】
また、以上のように構成される本実施形態のパチンコ遊技機100は、遊技球が入賞する大入賞口125と、遊技機の前後方向にスライド移動することによって、大入賞口125に遊技球を入球容易にする開状態と、大入賞口125に遊技球を入球困難にする閉状態との間で変位可能なシャッタ45と、シャッタ45の長手方向における端部側に設けられ、大入賞口125に入賞した遊技球を検出する大入賞口スイッチ215と、を備え、シャッタ45は、前後方向に進むに従って上下方向における幅が変化する。
【0217】
また、以上のように構成される本実施形態のパチンコ遊技機100は、遊技球が入賞する大入賞口125と、遊技機の前後方向にスライド移動することによって、大入賞口125に遊技球を入球容易にする開状態と、大入賞口125に遊技球を入球困難にする閉状態との間で変位可能なシャッタ45と、シャッタ45の長手方向における端部側に設けられ、大入賞口125に入賞した遊技球を検出する大入賞口スイッチ215と、を備え、シャッタ45は、遊技機の左右方向に進むに従って前後方向における幅が変化する。
【0218】
また、以上のように構成される本実施形態のパチンコ遊技機100は、遊技領域を形成する遊技盤と、遊技盤に設けられ、遊技球が入賞する第1始動口121と、遊技盤において第1始動口121よりも下側に設けられる大入賞口125と、遊技機の前後方向にスライド移動することによって、遊技球が入球容易になる開状態と、遊技球が入球困難になる閉状態との間で変位可能なシャッタ45と、を備え、大入賞口125は、シャッタ45を有し、シャッタ45は、遊技機の左右方向に進むに従って上下方向の高さが変化する。
【0219】
また、以上のように構成される本実施形態のパチンコ遊技機100は、遊技領域を形成する遊技盤と、遊技盤に設けられ、遊技球が入賞する第1始動口121と、遊技盤において第1始動口121よりも下側に設けられる大入賞口125と、遊技機の前後方向にスライド移動することによって、遊技球が入球容易になる開状態と、遊技球が入球困難になる閉状態との間で変位可能なシャッタ45と、を備え、大入賞口125は、シャッタ45を有し、シャッタ45は、前後方向に進むに従って上下方向における幅が変化する。
【0220】
また、以上のように構成される本実施形態のパチンコ遊技機100は、遊技盤に設けられ、遊技球が入賞する第1始動口121と、遊技盤において第1始動口121よりも下側に設けられる大入賞口125と、遊技機の前後方向にスライド移動することによって、遊技球が入球容易になる開状態と、遊技球が入球困難になる閉状態との間で変位可能なシャッタ45と、を備え、大入賞口125は、シャッタ45を有し、シャッタ45は、遊技機の左右方向に進むに従って前後方向における幅が変化する。
【0221】
また、以上のように構成される本実施形態のパチンコ遊技機100は、遊技領域を形成する遊技盤と、遊技盤に設けられ遊技球が入賞する第1始動口121と、遊技盤において第1始動口121よりも下側に設けられる大入賞口125と、遊技機の前後方向にスライド移動することによって、遊技球が入球容易になる開状態と、遊技球が入球困難になる閉状態との間で変位可能なシャッタ45と、シャッタ45の移動方向における前側に設けられ、シャッタ45に対向する前板42と、バネ473の弾性力を用いて、シャッタ45を移動方向において駆動するソレノイド47と、を備え、大入賞口125は、シャッタ45を有し、シャッタ45は、前板42に対して最も近接した状態で、前板42に当接しない非当接部を有する。
【0222】
なお、本実施形態のアタッカユニット400の前板42は、必須の構成ではない。その場合、遊技くぎ101の前側に設けられ、遊技者と遊技領域111とを隔てる透明部材(ガラス部材)が対向部材に相当する。
【0223】
以上、パチンコ遊技機100の種々の演出について説明したが、説明した内容の全部または一部を他の演出や制御等に応用ないし組み合わせることは、特に言及がない場合であっても可能である。また、種々の実施の形態や変形例についても言及したが、かかる実施の形態や変形例の内容を他の演出等に応用することや組み合わせることは、本書に言及がない場合であっても可能である。また、種々の実施の形態や変形例同士を組み合わせることや、一部を入れ替えることは、本書に言及がない場合であっても可能である。
【符号の説明】
【0224】
41…ユニット筐体部、42…前板、43…第1流路形成部、44…第2流路形成部、45…シャッタ、45A…シャッタ上面、45B…シャッタ下面、45R…受部、46…内側流路形成部、47…ソレノイド、48…リンク機構、100…パチンコ遊技機、110P…遊技板、121…始動口、125…大入賞口
図1
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