(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】焚火台
(51)【国際特許分類】
A47J 37/07 20060101AFI20221025BHJP
F24C 1/16 20210101ALI20221025BHJP
F24B 1/18 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
A47J37/07
F24C1/16 B
F24B1/18 Z
(21)【出願番号】P 2022066732
(22)【出願日】2022-04-14
【審査請求日】2022-04-14
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 〔電気通信回線を通じて公開〕公開日:2021年7月7日、公開したウェブサイトのアドレス:https://www.makuake.com/project/belkroot/、公開日:2021年9月29日、公開したウェブサイトのアドレス:https://onl.bz/TqpVKDt、公開日:2021年6月6日、公開したウェブサイトのアドレス:https://onl.bz/LW3fNy2
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520446377
【氏名又は名称】山口 廣樹
(74)【代理人】
【識別番号】100151208
【氏名又は名称】植田 吉伸
(72)【発明者】
【氏名】山口 廣樹
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-205105(JP,A)
【文献】特開2020-020500(JP,A)
【文献】登録実用新案第3186537(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/00-37/12
F24B 1/00-1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
扇形形状を有し要部で互いに連結される複数の板部材を用いて円を形成するようにスライドさせて組立可能な火床部と、
組み立てられた前記火床部の底面に装着可能な脚部と、
を備えることを特徴とする焚火台。
【請求項2】
請求項1に記載の焚火台において、
前記火床部は、前記脚部と連結するための貫通孔を有し、
前記脚部は、前記火床部の底面側から前記貫通孔を貫通して突出し、内部に空間を有する筒部を有し、
前記火床部の上方に位置し前記脚部を立設するための地面に平行に配置可能な本体棒部と、前記本体棒部の一方側端部において前記本体棒部に略垂直となるように延伸し端部が前記筒部の内部に挿入可能な第1延伸棒部と、前記本体棒部の他方側端部において前記本体棒部に略垂直となるように延伸し端部が前記地面に接触可能な第2延伸棒部とを備える複数の載置棒部と、
を備えることを特徴とする焚火台。
【請求項3】
請求項2に記載の焚火台において、
前記複数の載置棒部は、2つの載置棒部で構成されており、
前記複数の板部材は、4枚の板部材で構成されており、
前記各板部材は、
前記火床部を組み立てる際に、隣り合う板部材を連結するために形成される凹凸部を有しており、かつ、
前記火床部を解体する際に、1枚の板部材に重ねて収納可能なように前記要部で連結されていることを特徴とする焚火台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焚火台に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、キャンプブームが到来しており、様々なキャンプ用品が開発されている。本発明に関連する技術として、例えば、特許文献1には、木材などの適宜な燃焼材を燃焼させて焚き火をする焚火台であって、脚を有する枠体を有し、この枠体の下方には前記燃焼材を載置する燃焼材載置部が設けられ、また、前記枠体の上方には第一調理部材を架設状態で配設する第一支持材が設けられ、更に、前記枠体には前記燃焼材載置部の下方に第二調理部材を架設状態で着脱自在に配設する第二支持材が着脱自在に設けられていることを特徴とする焚火台が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
キャンプでは、暖を取るなどの目的で焚火をする人が多い。従来の焚火台は、大型でスペースを取ってしまうものが多く、持ち運びもしづらいという課題がある。
【0005】
本発明の目的は、コンパクトに収納して持ち運びしやすい焚火台を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る焚火台は、扇形形状を有し要部で互いに連結される複数の板部材を用いて円を形成するようにスライドさせて組立可能な火床部と、組み立てられた前記火床部の底面に装着可能な脚部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る焚火台において、前記火床部は、前記脚部と連結するための貫通孔を有し、前記脚部は、前記火床部の底面側から前記貫通孔を貫通して突出し、内部に空間を有する筒部を有し、前記火床部の上方に位置し前記脚部を立設するための地面に平行に配置可能な本体棒部と、前記本体棒部の一方側端部において前記本体棒部に略垂直となるように延伸し端部が前記筒部の内部に挿入可能な第1延伸棒部と、前記本体棒部の他方側端部において前記本体棒部に略垂直となるように延伸し端部が前記地面に接触可能な第2延伸棒部とを備える複数の載置棒部と、を備えることが好ましい。
【0008】
また、本発明に係る焚火台において、前記複数の載置棒部は、2つの載置棒部で構成されており、前記複数の板部材は、4枚の板部材で構成されており、前記各板部材は、前記火床部を組み立てる際に、隣り合う板部材を連結するために形成される凹凸部を有しており、かつ、前記火床部を解体する際に、1枚の板部材に重ねて収納可能なように前記要部で連結されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、コンパクトに収納して持ち運びしやすい焚火台を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係る実施形態の焚火台において、組み立て前の様子を示す図である。
【
図2】本発明に係る実施形態の焚火台の平面図である。
【
図3】本発明に係る実施形態の焚火台の斜視図である。
【
図4】本発明に係る実施形態の焚火台の試作品において、4枚の板部材をスライドさせている様子を示す写真である。
【
図5】本発明に係る実施形態の焚火台の試作品において、隣り合う板部材を連結するために形成される凹凸部を連結している様子を示す写真である。
【
図6】本発明に係る実施形態の焚火台の試作品において、火床部に装着された脚部に載置棒部を嵌合させている様子を示す写真である。
【
図7】本発明に係る実施形態の焚火台の試作品を斜め方向から見た様子を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0012】
図1は、本発明に係る実施形態の焚火台10において、組み立て前の様子を示す図である。
図2は、本発明に係る実施形態の焚火台10の平面図である。
図3は、本発明に係る実施形態の焚火台10の斜視図である。
【0013】
図4は、本発明に係る実施形態の焚火台10の試作品において、4枚の板部材12aをスライドさせている様子を示す写真である。
図5は、本発明に係る実施形態の焚火台10の試作品において、隣り合う板部材12aを連結するために形成される凸部12b及び凹部12cを連結している様子を示す写真である。
【0014】
図6は、本発明に係る実施形態の焚火台10の試作品において、火床部12に装着された脚部16に載置棒部14を嵌合させている様子を示す写真である。
図7は、本発明に係る実施形態の焚火台10の試作品を斜め方向から見た様子を示す写真である。
【0015】
焚火台10は、キャンプなどのアウトドアにおいて焚火をするための装置である。焚火台10は、火床部12と、載置棒部14と、脚部16と、串部18とを備えている。
【0016】
火床部12は、扇形形状を有し要部12dで互いに連結される複数の板部材12aを用いて円を形成するようにスライドさせて組立可能な火床である。
【0017】
ここでは、複数の板部材12aは、4枚で構成されるものとして説明するが、もちろん、適宜増減させることが出来る。
【0018】
各板部材12aは、中心角を約75°に設定し、半径を約20cmに設定した扇形形状を有している。各板部材12aは、厚みが約0.4mmのステンレスで構成されているものとして説明するが、各サイズや中心角などは適宜変更することが出来る。
【0019】
各板部材12aは、複数のスリット状の貫通孔12eが形成されており、扇形の半径部の外径側に設けられる貫通孔12f、凸部12b及び凹部12cが形成されている。貫通孔12eは、火床部12が組み立てられた後に焚火をする際に、火床に空気を流通させる役割を担う。また、スリット状の貫通孔12eの幅は、約2.5mmに設定されている。
【0020】
各板部材12aは、扇形形状の要部12dにおいて、互いに連結されている。1枚の板部材12aに残り3枚の板部材12aに重ねて収納できるように要部12dで連結されている
【0021】
貫通孔12fは、脚部16と連結するための円形の孔である。より具体的には、脚部16の突出部16aを挿通させるための孔である。
【0022】
凸部12b及び凹部12cは、火床部12を組み立てる際に、隣り合う板部材12aを連結するために形成される凹凸部である。板部材12aの半径部の外径側の一方側に凸部12bが設けられ、対応する位置の反対側に凹部12cが形成されている。
【0023】
脚部16は、組み立てられた火床部12の底面に装着可能である脚である。脚部16は、
図1に示されるように収納時は側面視でW字のような形状であり、平面視でI字のような形状を有している。
【0024】
脚部16を火床部12の脚として機能させる場合には、
図3に示されるように中心部の軸を中心として開いた状態にする。この際、脚部16の平面視の形状は十字形状となる。また、脚部16は、適度な強度を有する材質、例えば、ステンレスで構成されている。
【0025】
脚部16を平面視で十字形状となるように開いて地面に設置したときに、4つの突出部16aが天井側に位置する。
図3に示されるように、4つの突出部16aは、火床部12の貫通孔12fを貫通して突出する。4つの突出部16aは、内部に空間を有する筒状を有しており、載置棒部14の第1延伸棒部14bを挿通可能な開口部を有している。
【0026】
脚部16を平面視で十字形状に開いた際に形成される矩形の略対角線上の長さは、約30cmに設定される。また、脚部16の高さは、約4cmの高さを有する突出部16aを除くと約12cmであり、突出部16aを含めると全体で約16cmの高さとなる。脚部16の太さは、約6mmに設定されている。
【0027】
2つの載置棒部14は、火床部12に装着された脚部16の突出部16aに装着可能であり、五徳として機能する棒部材である。
【0028】
各載置棒部14は、本体棒部14aと、第1延伸棒部14bと、第2延伸棒部14cとを備えている。各載置棒部14は、適度な強度を有する材質、例えば、ステンレスで構成されている。本体棒部14aは、火床部12の上方に位置し、脚部16を立設するための地面に平行に配置可能な棒部材である。
【0029】
第1延伸棒部14bは、本体棒部14aの一方側端部において本体棒部14aに略垂直となるように延伸し、端部が突出部16aの内部に挿入可能な棒部材である。第2延伸棒部14cは、本体棒部14aの他方側端部において本体棒部14aに略垂直となるように延伸し、端部が地面に接触可能な棒部材である。
【0030】
ここで、載置棒部14の直径は約4mmである。そして、第1延伸棒部14bの長さは、約8cmであり、第2延伸棒部14cの長さは、約22cmであり、本体棒部14aの長さは、約33cmである。
【0031】
串部18は、
図1に示されるように、略A字を形成するような棒部材である。串部18は、適度な強度を有する材質、例えば、ステンレスで構成されている。串部18は、約30cmの長さを有する2つの縦棒部と、2つの縦棒部に跨るように設けられ約5cmの長さを有する2つの架設棒部とを備えている。なお、串部18の直径は約4mmである。
【0032】
続いて、上記構成の焚火台10の作用について説明する。近年、新型コロナウィルス感染症の流行などにより、感染リスクの低いレジャーとしてキャンプブームが生じている。また、一人でキャンプに出掛けるといった所謂ソロキャンプもブームとなっている。
【0033】
キャンプの中の楽しみの中の1つとして焚火がある。しかしながら、従来の焚火台は大きく持ち運びがしづらいという課題があった。このような課題に対し、本発明の実施形態に係る焚火台10は顕著な効果を発揮する。
【0034】
図1に示されるように、焚火台10のセットを準備する。次に、脚部16を
図3に示されるように、十字形状となるように広げて地面に立設させる。次いで、
図4に示されるように4枚の板部材12aをスライドさせて、
図5に示されるように隣り合う板部材12aの凸部12bと凹部12cとを嵌合させる。これを4枚の板部材12aに対して行うことで円を形成する。この際、外径側から内径側に向けて下方に向けて若干傾斜した形状(略円錐状)を有する火床部12が完成する。このような略円錐状にすることにより、薄い材質で強度を保つことができるという利点がある。
【0035】
その後、
図6に示されるように、脚部16に火床部12を装着する。具体的には、脚部16の突出部16aを貫通孔12fに貫通させて突出させた部分に載置棒部14の第1延伸棒部14bを挿入し、第2延伸棒部14cを火床部12の外側に位置するようにして地面に起立させる。
【0036】
1つの載置棒部14を取り付けた後、もう1つの載置棒部14を取り付けて、
図3に示されるように2つの載置棒部14の第2延伸棒部14c同士を近づけるようにし、2つの載置棒部14で、平面視で略V字形状にするようにする。そして、
図3に示されるように、この2つの載置棒部14の上に串部18を載せる。このようにして完成したもの焚火台10の写真を
図7に示す。
【0037】
この後、火床部12に蒔を置いて、蒔きに火をつける。ここで、火床部12は、直径が約40cmあるため、蒔き割りをすることなく、そのまま蒔きを投入することが出来る。
【0038】
このように、蒔きに火をつけた後、載置棒部14や串部18に耐火性材料で構成される鍋、カップ、皿などを載置することで食べ物や飲み物を温めることが出来る。焚火台10によれば、2つの載置棒部14と串部18とを五徳のように使用することができるため、焚火を楽しむだけでなく、料理も楽しむことができるという効果を奏する。
【0039】
なお、載置棒部14は、火床部12の外側にまで伸びているため、必要に応じて載置している鍋、カップ、皿を移動させて火に近づけたり遠ざけたりすることで温度調整をすることも出来る。
【0040】
また、2つの載置棒部14は、第1延伸棒部14bは、突出部16aに挿入されているが、第2延伸棒部14cはフリーであるため、第2延伸棒部14cの位置を変えることで、さらに火力を強めるような状態にすることも可能である。また、第1延伸部14bを挿入する突出部16aの位置を変えることで、さらにバリエーションを増やすことが出来る。
【0041】
このように、焚火台10を用いて焚火と料理を楽しんだ後、串部18を取り除き、二つの載置棒部14を取り外す。その後、火床部12を脚部16から取り外し、隣り合う板部材12aの凸部12bと凹部12cを外しつつ、1つの板部材12aに残り3つの板部材12aが重なり合うようにスライドさせる。
【0042】
そして、脚部16を平面視で十字状からI字状へとなるように畳む。
図1に示されるように、解体した焚火台10は、コンパクトな状態となるため、このまま収納袋に収納することで持ち運びすることが出来るという利点がある。
【符号の説明】
【0043】
10 焚火台、12 火床部、12a 板部材、12b 凸部、12c 凹部、12d要部、12e 貫通孔、12f 貫通孔、14 載置棒部、14a 本体棒部、14b 第1延伸棒部、14c 第2延伸棒部、16 脚部、16a 突出部、18 串部。
【要約】 (修正有)
【課題】コンパクトに収納して持ち運びしやすい焚火台を提供することである。
【解決手段】焚火台10は、互いに連結される複数の板部材を用いて円を形成するようにスライドさせて組立可能な火床部12と、組み立てられた火床部12の底面に装着可能である脚部16と、を備える。また、火床部12は、脚部16と連結するための貫通孔を有し、脚部16は、火床部12の底面側から貫通孔を貫通して突出し、内部に空間を有する突出部16aを有し、火床部12の上方に位置し脚部16を立設するための地面に平行に配置可能な本体棒部14aと、本体棒部14aの一方側端部において本体棒部14aに端部が突出部16aの内部に挿入可能な第1延伸棒部14bと、本体棒部14aの他方側端部において本体棒部14aに端部が地面に接触可能な第2延伸棒部14cとを備える複数の載置棒部14と、を備える。
【選択図】
図3