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特許7164255延長保証システム、サーバ、及びプログラム
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  • 特許-延長保証システム、サーバ、及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】延長保証システム、サーバ、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/00 20120101AFI20221025BHJP
【FI】
G06Q30/00 310
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022076382
(22)【出願日】2022-05-05
【審査請求日】2022-06-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトのアドレス1(証明書1の公開資料): https://jp.oaxis.com/の各商品ページ、例えば、https://jp.oaxis.com/products/myfirstfone_r1 ウェブサイトの掲載日:令和3年5月6日 〔刊行物等〕 ウェブサイトのアドレス2(証明書2の公開資料): https://outlet.ace.jp/の各商品ページ、例えば、https://outlet.ace.jp/collections/suitcase_carry-bag/products/04122 ウェブサイトの掲載日:令和3年6月18日 〔刊行物等〕 ウェブサイトのアドレス3(証明書3の公開資料): https://feiyu-tech.shop/の各商品ページ、例えば、https://feiyu-tech.shop/collections/goodproducts/products/vlogpocket2 ウェブサイトの掲載日:令和3年6月28日 〔刊行物等〕 ウェブサイトのアドレス4(証明書4の公開資料): https://smile-honey.com/の各商品ページ、例えば、https://smile-honey.com/products/new-タッチコントロール-bluetooth5-0-ワイヤレス-イヤホン送料無料 ウェブサイトの掲載日:令和3年7月1日 〔刊行物等〕 ウェブサイトのアドレス5(証明書5の公開資料): https://www.kaedear.com/の各商品ページ、例えば、https://www.kaedear.com/products/kaedearカエディア-バイク用ドライブレコーダー-バイク-ドラレコ-全体防水-ip67-防水-hdr 機能-超高画質-3 インチ-コンパクト-モニター-アルミ製マウント-二輪車-sony-starvis-超暗視-前後カメラ-1080p 録画-200万画素-常時録画-駐車監視-衝撃-g センサー-150-広角-wifi-カメラ-ドライブレコーダー-オートバイ-マイク-リモコン-gps-一体型 等、令和4年6月4日付け新規性の喪失の例外証明書提出書に記載された事実
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521101206
【氏名又は名称】株式会社Kiva
(74)【代理人】
【識別番号】100160543
【弁理士】
【氏名又は名称】河野上 正晴
(74)【代理人】
【識別番号】100170874
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 和哉
(72)【発明者】
【氏名】磯崎 裕太
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-032171(JP,A)
【文献】特開2004-213617(JP,A)
【文献】特開2022-047881(JP,A)
【文献】特開2009-259196(JP,A)
【文献】米国特許第08229861(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2001/0051884(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の自然故障または物損に対する延長保証をするための延長保証システムであって、
前記商品を特定する商品情報、前記商品の購入行為を特定する購入情報、前記商品の購入者を特定する購入者情報、並びに前記商品情報、前記購入情報、及び前記購入者情報からなる群から選択される少なくとも1つに紐付けられた延長保証の内容を特定する保証情報を格納可能なデータベースが接続され、前記データベースへの前記商品情報、前記購入情報、前記購入者情報、及び前記保証情報の書き込み及び読み出しが可能なサーバを備え、
前記サーバは、前記商品を販売するECサイトまたはPOSレジとAPI連携が可能なAPI連携手段を有し、
前記ECサイトまたはPOSレジへの前記API連携により前記ECサイトまたはPOSレジで前記商品とともに購入された前記延長保証に基づいて前記商品の購入者の端末から送信される保証申請を受信する保証申請受信処理と、
(A)前記保証申請に基づいて、前記API連携により前記ECサイト若しくはPOSレジに、前記商品と同一の商品若しくは代替商品を無償若しくは一部負担で購入可能、前記商品を無償若しくは一部負担で修理可能、または前記商品の購入代金の少なくとも一部を返金可能なクーポンコードの発行申請を行うクーポンコード発行申請処理、
前記発行申請に基づいて前記ECサイト若しくはPOSレジで作成されたクーポンコードを前記API連携により受信するクーポンコード受信処理、及び
前記受信したクーポンコードを前記購入者の端末に送信するクーポンコード送信処理、
(B)前記保証申請に基づいて、前記API連携により前記ECサイト若しくはPOSレジに前記商品と同一の商品若しくは代替商品の疑似注文情報を送信する疑似注文情報送信処理、または
(C)前記保証申請に基づいて、前記API連携された前記ECサイト若しくはPOSレジを利用する前記商品の販売事業者の端末に、前記商品と同一の商品若しくは代替商品を前記購入者に送るように通知若しくは前記商品を修理するように通知する修理依頼通知処理と
を前記サーバに実行させる、延長保証システム。
【請求項2】
前記商品情報には、前記商品の製造元、商品名、型番、及び商品コードからなる群から選択される少なくとも一つが含まれる、請求項1に記載の延長保証システム。
【請求項3】
前記購入情報には、前記ECサイトまたはPOSレジのID、及び前記商品の購入日と前記商品の購入代金とを含む前記商品の購入IDが含まれる、請求項1に記載の延長保証システム。
【請求項4】
前記購入者情報には、次の(A)~(H):
(A)前記購入者に付与されるID、
(B)前記購入者のメールアドレス、SNSアドレス、またはそれらの組み合わせ、
(C)前記購入者の電話番号、
(D)前記購入者の氏名、
(E)前記購入者の生年月日、
(F)前記購入者の住所、
(G)前記購入者の保険証番号、及び
(H)前記購入者のマイナンバー
からなる群から選択される少なくとも一つが含まれる、請求項1に記載の延長保証システム。
【請求項5】
前記保証情報には、前記商品の交換、前記商品の修理、または前記商品の購入代金の少なくとも一部の返金を含む保証種類、前記商品の保証対象の故障モード、保証期間、保証料、保証番号、またはそれらの組合せが含まれる、請求項1に記載の延長保証システム。
【請求項6】
前記保証申請受信処理は、前記保証申請に含まれる前記保証番号または前記購入者情報と、前記データベースに格納された前記保証番号または前記購入者情報とが一致するか否かの判断を前記サーバに実行させることを含む、請求項に記載の延長保証システム。
【請求項7】
前記購入者情報が、前記購入者のメールアドレスまたは電話番号を含む、請求項6に記載の延長保証システム。
【請求項8】
前記商品と同一の商品または代替商品を無償若しくは一部負担で購入可能なクーポンコードの発行申請は、前記サーバが、前記API連携により、前記ECサイトまたはPOSレジに、前記商品情報、前記購入情報、及び前記購入者情報を含むクーポンコードの情報を送信することを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の延長保証システム。
【請求項9】
前記サーバが、前記データベースに格納された前記商品の購入代金と購入された前記延長保証の保証料とに基づいて、前記商品の購入代金に対する購入された前記延長保証の保証料の割合を集計する集計処理を実行する、請求項1~5のいずれか一項に記載の延長保証システム。
【請求項10】
前記サーバが、前記データベースに格納された前記商品の購入数及び購入された前記延長保証の数に基づいて、前記商品毎の前記延長保証の加入率を算出する算出処理を実行する、請求項1~5のいずれか一項に記載の延長保証システム。
【請求項11】
前記サーバが、前記データベースに格納された前記商品毎の延長保証の申請数、前記商品毎の延長保証の履行数、またはそれらの組合せに基づいて、前記商品毎の損害率を算出する算出処理を実行する、請求項1~5のいずれか一項に記載の延長保証システム。
【請求項12】
前記サーバが、
前記データベースに格納された前記商品の購入数及び購入された前記延長保証の数に基づいて、前記商品毎の前記延長保証の加入率を算出する算出処理と
前記データベースに格納された前記商品毎の延長保証の申請数、前記商品毎の延長保証の履行数、またはそれらの組合せに基づいて、前記商品毎の損害率を算出する算出処理と、
前記加入率、前記損害率、及び購入された前記延長保証の保証料に基づいて、前記商品毎の保証料を変更する変更処理と
を実行する、請求項1~5のいずれか一項に記載の延長保証システム。
【請求項13】
商品の自然故障または物損に対する延長保証をするための延長保証システムにおけるサーバであって、
前記商品を特定する商品情報、前記商品の購入行為を特定する購入情報、前記商品の購入者を特定する購入者情報、並びに前記商品情報、前記購入情報、及び前記購入者情報からなる群から選択される少なくとも1つに紐付けられた延長保証の内容を特定する保証情報を格納可能なデータベースが接続され、
前記データベースへの前記商品情報、前記購入情報、前記購入者情報、及び前記保証情報の書き込み及び読み出し手段と、
前記商品を販売するECサイトまたはPOSレジとAPI連携が可能なAPI連携手段と、
前記ECサイトまたはPOSレジへの前記API連携により前記ECサイトまたはPOSレジで前記商品とともに購入された前記延長保証に基づいて前記商品の購入者の端末から送信される保証申請を受信する保証申請受信処理手段と、
(A)前記保証申請に基づいて、前記API連携により前記ECサイト若しくはPOSレジに、前記商品と同一の商品若しくは代替商品を無償若しくは一部負担で購入可能、前記商品を無償若しくは一部負担で修理可能、または前記商品の購入代金の少なくとも一部を返金可能なクーポンコードの発行申請を行うクーポンコード発行申請処理手段、
前記発行申請に基づいて前記ECサイト若しくはPOSレジで作成されたクーポンコードを前記API連携により受信するクーポンコード受信処理手段、及び
前記受信したクーポンコードを前記購入者の端末に送信するクーポンコード送信処理手段、
(B)前記保証申請に基づいて、前記API連携により前記ECサイト若しくはPOSレジに前記商品と同一の商品若しくは代替商品の疑似注文情報を送信する疑似注文情報送信処理手段、または
(C)前記保証申請に基づいて、前記API連携された前記ECサイト若しくはPOSレジを利用する前記商品の販売事業者の端末に、前記商品と同一の商品若しくは代替商品を購入者に送るように通知若しくは前記商品を修理するように通知する修理依頼通知処理手段と
を備えるサーバ。
【請求項14】
商品の自然故障または物損に対する延長保証をするための延長保証システムにおけるサーバに、
前記サーバに接続されたデータベースへの前記商品を特定する商品情報、前記商品の購入行為を特定する購入情報、前記商品の購入者を特定する購入者情報、並びに前記商品情報、前記購入情報、及び前記購入者情報からなる群から選択される少なくとも1つに紐付けられた延長保証の内容を特定する保証情報の書き込み及び読み出し処理と、
CサイトまたはPOSレジへのAPI連携により前記ECサイトまたはPOSレジで前記商品とともに購入された前記延長保証に基づいて前記商品の購入者の端末から送信される保証申請を受信する保証申請受信処理と、
(A)前記保証申請に基づいて、前記API連携により前記ECサイト若しくはPOSレジに、前記商品と同一の商品若しくは代替商品を無償若しくは一部負担で購入可能、前記商品を無償若しくは一部負担で修理可能、または前記商品の購入代金の少なくとも一部を返金可能なクーポンコードの発行申請を行うクーポンコード発行申請処理、
前記発行申請に基づいて前記ECサイト若しくはPOSレジで作成されたクーポンコードを前記API連携により受信するクーポンコード受信処理、及び
前記受信したクーポンコードを前記購入者の端末に送信するクーポンコード送信処理、
(B)前記保証申請に基づいて、前記API連携により前記ECサイト若しくはPOSレジに前記商品と同一の商品若しくは代替商品の疑似注文情報を送信する疑似注文情報送信処理、または
(C)前記保証申請に基づいて、前記API連携された前記ECサイト若しくはPOSレジを利用する前記商品の販売事業者の端末に、前記商品と同一の商品若しくは代替商品を購入者に送るように通知若しくは前記商品を修理するように通知する修理依頼通知処理と
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の延長保証に関する延長保証システム、サーバ、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品の販売事業者が所有するサーバにおいて、利用者により購入された商品の情報を管理することが知られている。例えば、管理用サーバに商品の識別情報及び保証情報を格納し、利用者からの要求に応じて保証情報の提供または保証内容の履行可否の判断を行うシステムが知られている(特許文献1)。
【0003】
また、メーカー保証終了後の一定期間に発生した製品の故障に対して、修理を無償で提供する延長保証が知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-234981号公報
【文献】特開2018-032184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び2のような従来の保証システムでは、商品の購入者が商品購入時に延長保証に加入したことを、延長保証を提供する運営事業者または保証会社が随時モニターすることはできない。そのため、商品の販売事業者は、運営事業者または保証会社に対して毎月まとめて延長保証が購入されたことを報告する必要があり、運営事業者または保証会社は、販売事業者から報告された延長保証の保証料に基づいて、販売事業者に保証料を請求する必要があり、延長保証の管理及び運用が煩雑であった。
【0006】
また、商品の販売サイトとは別個に存在する従来のオンデマンド型の延長保証システムでは、商品の購入者が延長保証に加入しようとする場合、商品の購入者が商品の販売サイトとは別の延長保証への加入を申し込めるサイトにいく必要があり、且つ、商品を購入したことを証明する書面、例えばレシートや保証書等を当該サイトに提出して、商品と延長保証との紐付けを行う必要がある。
【0007】
したがって、商品の販売事業者が延長保証を管理及び運用する負担が少なく、延長保証を提供する運営事業者または保証会社が商品購入時の延長保証への加入状況を随時モニターすることが可能で、商品の購入者が商品購入時に延長保証に容易に加入が可能な延長保証システムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)商品の自然故障または物損に対する延長保証をするための延長保証システムであって、
前記商品を特定する商品情報、前記商品の購入行為を特定する購入情報、前記商品の購入者を特定する購入者情報、並びに前記商品情報、前記購入情報、及び前記購入者情報からなる群から選択される少なくとも1つに紐付けられた延長保証の内容を特定する保証情報を格納可能なデータベースが接続され、前記データベースへの前記商品情報、前記購入情報、前記購入者情報、及び前記保証情報の書き込み及び読み出しが可能なサーバを備え、
前記サーバは、前記商品を販売するECサイトまたはPOSレジとAPI連携が可能なAPI連携手段を有し、
前記ECサイトまたはPOSレジへの前記API連携により前記ECサイトまたはPOSレジで前記商品とともに購入された前記延長保証に基づいて前記商品の購入者の端末から送信される保証申請を受信する保証申請受信処理と、
(A)前記保証申請に基づいて、前記API連携により前記ECサイト若しくはPOSレジに、前記商品と同一の商品若しくは代替商品を無償若しくは一部負担で購入可能、前記商品を無償若しくは一部負担で修理可能、または前記商品の購入代金の少なくとも一部を返金可能なクーポンコードの発行申請を行うクーポンコード発行申請処理、
前記発行申請に基づいて前記ECサイト若しくはPOSレジで作成されたクーポンコードを前記API連携により受信するクーポンコード受信処理、及び
前記受信したクーポンコードを前記購入者の端末に送信するクーポンコード送信処理、
(B)前記保証申請に基づいて、前記API連携により前記ECサイト若しくはPOSレジに前記商品と同一の商品若しくは代替商品の疑似注文情報を送信する疑似注文情報送信処理、または
(C)前記保証申請に基づいて、前記API連携された前記ECサイト若しくはPOSレジを利用する前記商品の販売事業者の端末に、前記商品と同一の商品若しくは代替商品を前記購入者に送るように通知若しくは前記商品を修理するように通知する修理依頼通知処理と
を前記サーバに実行させる、延長保証システム。
(2)前記商品情報には、前記商品の製造元、商品名、型番、及び商品コードからなる群から選択される少なくとも一つが含まれる、上記(1)に記載の延長保証システム。
(3)前記購入情報には、前記ECサイトまたはPOSレジのID、及び前記商品の購入日と前記商品の購入代金とを含む前記商品の購入IDが含まれる、上記(1)または(2)に記載の延長保証システム。
(4)前記購入者情報には、次の(A)~(H):
(A)前記購入者に付与されるID、
(B)前記購入者のメールアドレス、SNSアドレス、またはそれらの組み合わせ、
(C)前記購入者の電話番号、
(D)前記購入者の氏名、
(E)前記購入者の生年月日、
(F)前記購入者の住所、
(G)前記購入者の保険証番号、及び
(H)前記購入者のマイナンバー
からなる群から選択される少なくとも一つが含まれる、上記(1)~(3)のいずれかに記載の延長保証システム。
(5)前記保証情報には、前記商品の交換、前記商品の修理、または前記商品の購入代金の少なくとも一部の返金を含む保証種類、前記商品の保証対象の故障モード、保証期間、保証料、保証番号、またはそれらの組合せが含まれる、上記(1)~(4)のいずれかに記載の延長保証システム。
(6)前記保証申請受信処理は、前記保証申請に含まれる前記保証番号または前記購入者情報と、前記データベースに格納された前記保証番号または前記購入者情報とが一致するか否かの判断を前記サーバに実行させることを含む、上記(1)~(5)のいずれかに記載の延長保証システム。
(7)前記購入者情報が、前記購入者のメールアドレスまたは電話番号を含む、上記(6)に記載の延長保証システム。
(8)前記商品と同一の商品または代替商品を無償若しくは一部負担で購入可能なクーポンコードの発行申請は、前記サーバが、前記API連携により、前記ECサイトまたはPOSレジに、前記商品情報、前記購入情報、及び前記購入者情報を含むクーポンコードの情報を送信することを含む、上記(1)~(7)のいずれかに記載の延長保証システム。
(9)前記サーバが、前記データベースに格納された前記商品の購入代金と購入された前記延長保証の保証料とに基づいて、前記商品の購入代金に対する前記購入された延長保証の保証料の割合を集計する集計処理を実行する、上記(1)~(8)のいずれかに記載の延長保証システム。
(10)前記サーバが、前記データベースに格納された前記商品の購入数及び購入された前記延長保証の数に基づいて、前記商品毎の前記延長保証の加入率を算出する算出処理を実行する、上記(1)~(9)のいずれかに記載の延長保証システム。
(11)前記サーバが、前記データベースに格納された前記商品毎の延長保証の申請数、前記商品毎の延長保証の履行数、またはそれらの組合せに基づいて、前記商品毎の損害率を算出する算出処理を実行する、上記(1)~(10)のいずれかに記載の延長保証システム。
(12)前記サーバが、
前記データベースに格納された前記商品の購入数及び購入された前記延長保証の数に基づいて、前記商品毎の前記延長保証の加入率を算出する算出処理と
前記データベースに格納された前記商品毎の延長保証の申請数、前記商品毎の延長保証の履行数、またはそれらの組合せに基づいて、前記商品毎の損害率を算出する算出処理と、
前記加入率、前記損害率、及び購入された前記延長保証の保証料に基づいて、前記商品毎の保証料を変更する変更処理と
を実行する、上記(1)~(11)のいずれかに記載の延長保証システム。
(13)商品の自然故障または物損に対する延長保証をするための延長保証システムにおけるサーバであって、
前記商品を特定する商品情報、前記商品の購入行為を特定する購入情報、前記商品の購入者を特定する購入者情報、並びに前記商品情報、前記購入情報、及び前記購入者情報からなる群から選択される少なくとも1つに紐付けられた延長保証の内容を特定する保証情報を格納可能なデータベースが接続され、
前記データベースへの前記商品情報、前記購入情報、前記購入者情報、及び前記保証情報の書き込み及び読み出し手段と、
前記商品を販売するECサイトまたはPOSレジとAPI連携が可能なAPI連携手段と、
前記ECサイトまたはPOSレジへの前記API連携により前記ECサイトまたはPOSレジで前記商品とともに購入された前記延長保証に基づいて前記商品の購入者の端末から送信される保証申請を受信する保証申請受信処理手段と、
(A)前記保証申請に基づいて、前記API連携により前記ECサイト若しくはPOSレジに、前記商品と同一の商品若しくは代替商品を無償若しくは一部負担で購入可能、前記商品を無償若しくは一部負担で修理可能、または前記商品の購入代金の少なくとも一部を返金可能なクーポンコードの発行申請を行うクーポンコード発行申請処理手段、
前記発行申請に基づいて前記ECサイト若しくはPOSレジで作成されたクーポンコードを前記API連携により受信するクーポンコード受信処理手段、及び
前記受信したクーポンコードを前記購入者の端末に送信するクーポンコード送信処理手段、
(B)前記保証申請に基づいて、前記API連携により前記ECサイト若しくはPOSレジに前記商品と同一の商品若しくは代替商品の疑似注文情報を送信する疑似注文情報送信処理手段、または
(C)前記保証申請に基づいて、前記API連携された前記ECサイト若しくはPOSレジを利用する前記商品の販売事業者の端末に、前記商品と同一の商品若しくは代替商品を購入者に送るように通知若しくは前記商品を修理するように通知する修理依頼通知処理手段と
を備えるサーバ。
(14)商品の自然故障または物損に対する延長保証をするための延長保証システムにおけるサーバに、
前記サーバに接続されたデータベースへの前記商品を特定する商品情報、前記商品の購入行為を特定する購入情報、前記商品の購入者を特定する購入者情報、並びに前記商品情報、前記購入情報、及び前記購入者情報からなる群から選択される少なくとも1つに紐付けられた延長保証の内容を特定する保証情報の書き込み及び読み出し処理と、
前記ECサイトまたはPOSレジへのAPI連携により前記ECサイトまたはPOSレジで前記商品とともに購入された前記延長保証に基づいて前記商品の購入者の端末から送信される保証申請を受信する保証申請受信処理と、
(A)前記保証申請に基づいて、前記API連携により前記ECサイト若しくはPOSレジに、前記商品と同一の商品若しくは代替商品を無償若しくは一部負担で購入可能、前記商品を無償若しくは一部負担で修理可能、または前記商品の購入代金の少なくとも一部を返金可能なクーポンコードの発行申請を行うクーポンコード発行申請処理、
前記発行申請に基づいて前記ECサイト若しくはPOSレジで作成されたクーポンコードを前記API連携により受信するクーポンコード受信処理、及び
前記受信したクーポンコードを前記購入者の端末に送信するクーポンコード送信処理、
(B)前記保証申請に基づいて、前記API連携により前記ECサイト若しくはPOSレジに前記商品と同一の商品若しくは代替商品の疑似注文情報を送信する疑似注文情報送信処理、または
(C)前記保証申請に基づいて、前記API連携された前記ECサイト若しくはPOSレジを利用する前記商品の販売事業者の端末に、前記商品と同一の商品若しくは代替商品を購入者に送るように通知若しくは前記商品を修理するように通知する修理依頼通知処理と
を実行させる、プログラム。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、商品の販売事業者が延長保証を管理及び運用する負担が少なく、延長保証を提供する運営事業者または保証会社が商品購入時の延長保証への加入状況を随時モニターすることが可能で、商品の購入者が延長保証に容易に加入が可能な延長保証システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本延長保証システムの一例を表す模式図である。
図2図2は、本延長保証システムとAPI連携されて商品と延長保証とを表示するECサイトの表示例である。
図3図3は、本延長保証システムとAPI連携されて、商品と延長保証とを、ECサイトのカートに入れた状態の表示例である。
図4図4は、本延長保証システムで取得した一ヶ月毎の延長保証の加入率、損害率、及び保証料を集計したグラフの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、商品の自然故障または物損に対する延長保証をするための延長保証システムであって、
前記商品を特定する商品情報、前記商品の購入行為を特定する購入情報、前記商品の購入者を特定する購入者情報、並びに前記商品情報、前記購入情報、及び前記購入者情報からなる群から選択される少なくとも1つに紐付けられた延長保証の内容を特定する保証情報を格納可能なデータベースが接続され、前記データベースへの前記商品情報、前記購入情報、前記購入者情報、及び前記保証情報の書き込み及び読み出しが可能なサーバを備え、
前記サーバは、前記商品を販売するECサイトまたはPOSレジとAPI連携が可能なAPI連携手段を有し、
前記ECサイトまたはPOSレジへの前記API連携により前記ECサイトまたはPOSレジで前記商品とともに購入された前記延長保証に基づいて前記商品の購入者の端末から送信される保証申請を受信する保証申請受信処理と、
(A)前記保証申請に基づいて、前記API連携により前記ECサイト若しくはPOSレジに、前記商品と同一の商品若しくは代替商品を無償若しくは一部負担で購入可能、前記商品を無償若しくは一部負担で修理可能、または前記商品の購入代金の少なくとも一部を返金可能なクーポンコードの発行申請を行うクーポンコード発行申請処理、
前記発行申請に基づいて前記ECサイト若しくはPOSレジで作成されたクーポンコードを前記API連携により受信するクーポンコード受信処理、及び
前記受信したクーポンコードを前記購入者の端末に送信するクーポンコード送信処理、
(B)前記保証申請に基づいて、前記API連携により前記ECサイト若しくはPOSレジに前記商品と同一の商品若しくは代替商品の疑似注文情報を送信する疑似注文情報送信処理、または
(C)前記保証申請に基づいて、前記API連携された前記ECサイト若しくはPOSレジを利用する前記商品の販売事業者の端末に、前記商品と同一の商品若しくは代替商品を前記購入者に送るように通知若しくは前記商品を修理するように通知する修理依頼通知処理と
を前記サーバに実行させる、延長保証システムを対象とする。
【0012】
本システムによれば、ECサイトまたはPOSレジ(以下、ECサイト等ともいう)にAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)連携可能であるため、ECサイト等への商品の出品者(以下、販売事業者ともいう)は、ECサイト等に延長保証システムを簡単に導入することができる。
【0013】
また、販売事業者は、ECサイト等に本システムを導入した後は、延長保証の管理及び運用を行う必要がなく、且つ商品に紐付けられた延長保証を容易に提供することができる。また、本システムによれば、販売事業者は、延長保証の保証料の一部を受け取ることによる売上高向上、及び商品の購入者へのアフターサービスの満足度向上が見込める。
【0014】
本システムによればまた、ECサイト等での商品の購入者(以下、単に購入者ともいう)は、商品に紐付けられた延長保証に容易に加入することができる。購入者は、同じECサイト等内で、商品を購入する場合と同様に、延長保証の代金(保証料)を支払うことにより延長保証を購入することができる。販売事業者は、ECサイト等を介して、商品代金(購入代金)と、保証料の少なくとも一部を購入者から受け取ることができる。本システムの運営事業者または延長保証の保証会社(以下、運営事業者等ともいう)は、販売事業者から保証料の残りを受け取ることができる。
【0015】
また、購入者は、購入者の端末から本システムに対して、いつでも容易に延長保証の申請を行うことができ、本システムとAPI連携されたECサイト等から保証の履行を受けることができる。
【0016】
すなわち、本システムによれば、購入者は、購入者の端末により、本システムとAPI連携されたECサイト等内で延長保証への加入手続を完結することができ、また、自然故障または物損(以下、故障等ともいう)した商品について、購入者の端末により本システムに対して保証申請を行うことにより本システムとAPI連携されたECサイト等から保証の履行を受けることができる。このように、本システムによれば、購入者は、購入者の端末を用いて、延長保証の加入、延長保証の申請、及び延長保証の履行の受領を本システムとび本システムとAPI連携されたECサイト等で完結することができる。
【0017】
本システムがAPI連携可能なECサイトは特に限定されず、各種ECサイト、好ましくはクラウドサービスで構築されたECサイトまたはECサイトのカートシステムとAPI連携が可能である。本システムがAPI連携可能なPOSレジも特に限定されず、各種POSレジとAPI連携が可能である。そのため、本システムは、各種ECサイトまたはPOSレジへの組み込みを容易に行うことができる。販売事業者は、本システムで提供されるAPIを、ECサイトのカートシステム、決済サービス、セキュリティシステム、受注管理システム、メール配信システム、顧客管理システム、POSレジの基幹システム等に任意に連携させることができる。
【0018】
本願において、ECサイトとは、Eコマース(電子商取引)を行うWebサイトを意味し、ネットショップのサイト(ショッピングができるWebサイト)、ネットオークションサイト、コンテンツ配信サイト、オンライントレードのサイト等が含まれ、好ましくは、ネットショップのサイトである。
【0019】
ECサイトは、モール型サイトまたは自社ECサイトであることができる。モール型サイトは、多数の販売事業者が加入しているショッピングサイトであり、Amazon(登録商標)、楽天市場(登録商標)、Yahoo!ショッピング(登録商標)等が挙げられる。ECサイトのカートシステムは、shopify(登録商標)、MakeShop(登録商標)、futureshop(登録商標)、EC CUBE(登録商標)、ebisumart(登録商標)等が挙げられる。POSレジは、スマレジ(登録商標)等が挙げられる。自社ECサイトは、販売事業者単独のショッピングサイトであり、ユニクロ(登録商標)、アップル(登録商標)、無印良品(登録商標)等が挙げられる。
【0020】
本願において、POSレジとは、POS(Points of Sales)機能を備えたレジのことを指す。POSレジでは、会計作業と同時に、売れ筋商品の把握、在庫管理、オーダーエントリーシステムとの連携等が可能である。
【0021】
図1に、本開示の延長保証システム10の一例を表す模式図を示す。延長保証システム10は、サーバ1及びデータベース2を備える。
【0022】
データベース2には、購入された商品を特定する商品情報、商品の購入行為を特定する購入情報、及び商品の購入者を特定する購入者情報が格納される。データベース2にはまた、商品情報、購入情報、及び購入者情報からなる群から選択される少なくとも1つに紐付けられた延長保証の内容を特定する保証情報が格納される。
【0023】
サーバ1は、データベース2に接続され、データベース2への商品情報、購入情報、購入者情報、及び保証情報のデータの書き込み及び読み出しが可能である。サーバ1に接続されるデータベース2の接続形態は特に限定されず、サーバ1に内蔵されていてもよく、サーバ1の記憶部であってもよく、サーバ1と有線または無線で接続された別のサーバに内蔵されてもよく、インターネット等の通信ネットワークに接続された別のサーバまたはクラウドサーバ内に含まれてもよい。
【0024】
サーバ1は、インターネット等の通信ネットワークに接続されて、ECサイトまたはPOSレジ3(以下、ECサイト等3ともいう)及び商品の購入者端末4とデータの送受信が可能な通信部、記憶部、及び処理部を備える。購入者端末4は、購入者が所有する端末であり、スマートフォン、タブレット、パソコン等の携帯端末または情報端末が挙げられる。購入者端末4は、ネットワークを介してサーバ1及びECサイト等3に接続され得る。本願において、延長保証の申請者は、商品の購入者と同じでもよく、または購入者を代行する者若しくは購入者から延長保証を受ける権利を譲り渡された者でもよい。したがって、本願においては、購入者は、購入者自身だけでなく、代行者または権利の譲受者を含む概念であり、購入者端末4は、購入者の端末だけでなく、購入者を代行する者の端末または購入者から延長保証を受ける権利を譲り渡された者の端末を包含する概念である。
【0025】
記憶部には、ドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等のプログラムが記憶されている。記憶部には、送受信する商品情報、購入情報、購入者情報、及び保証情報が記憶されてもよい。
【0026】
処理部は、一個または複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。処理部は、サーバの全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。処理部は、商品情報、購入情報、購入者情報、及び保証情報の送受信、商品情報、購入情報、購入者情報、及び保証情報のデータベースへの格納(登録)、データベースに格納されている商品情報、購入情報、購入者情報、及び保証情報に基づき、各種集計が実行されるように、通信部、記憶部、及びデータベース2の動作を制御することができる。
【0027】
処理部は、記憶部に記憶されているプログラム(ドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて各種処理を実行する。また、処理部は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行できる。データベースは、サーバの記憶部であってもよい。
【0028】
サーバ1は、ECサイト等3とAPI連携可能なAPI連携手段を有し、販売事業者はECサイトから、購入者は購入者端末から、及び本システムの運営事業者等はサーバ1から、APIで延長保証を操作することができる。本システムのサーバ1とECサイト等3とが、商品情報、商品の購入情報、購入者情報、及び/または保証情報をAPI連携することができるので、販売事業者は、商品と延長保証とを紐付ける作業を行う必要がない。
【0029】
商品情報は、購入された商品を特定する情報であり、好ましくは、商品の製造元、商品名、型番、及び商品コードからなる群から選択される少なくとも一つを含む。
【0030】
購入情報は、購入行為を特定する情報であり、好ましくは、ECサイト等のID、及び商品の購入日と商品の購入代金とを含む商品の購入IDを含む。購入情報は、商品を購入したECサイトのURLをさらに含んでもよい。
【0031】
購入者情報は、購入者を特定する情報であり、好ましくは、次の(A)~(H):
(A)前記購入者に付与されるID、
(B)前記購入者のメールアドレス、SNSアドレス、またはそれらの組み合わせ、
(C)前記購入者の電話番号、
(D)前記購入者の氏名、
(E)前記購入者の生年月日、
(F)前記購入者の住所、
(G)前記購入者の保険証番号、及び
(H)前記購入者のマイナンバー
からなる群から選択される少なくとも一つを含む。
【0032】
購入者情報は、より好ましくは、(A)前記購入者に付与されるID、(B)前記購入者のメールアドレスまたは(C)前記購入者の電話番号、(D)前記購入者の氏名、(E)前記購入者の生年月日、及び(F)前記購入者の住所を含む。
【0033】
保証情報は、延長保証の内容を特定する情報であり、好ましくは、商品の交換、商品の修理、または商品の代金の少なくとも一部の返金を含む保証種類、商品の保証対象の故障モード、保証期間、保証料、保証番号、またはそれらの組合せを含む。
【0034】
保証対象の故障モードは、ECサイト等で購入した商品の延長保証の対象となる故障モードであり、自然故障または物損が対象になり得る。自然故障とは、取扱説明書またはメーカー保証規定に沿った使用環境で適切に使用している中で発生した故障、すなわち、製品そのものに起因する電気的・機械的な故障であり、部品交換が必要な故障である。物損とは、製品本体の内部から起因した症状ではなく、破損・外圧・水濡れ等の不測且つ突発的な外的要因に起因して発生した故障であり、紛失、盗難、地震等の天災地変による故障等も含まれる。保証対象の故障モードは、販売事業者が商品毎に任意に決定することができ、例えば、自然故障のみを保証対象にすること、自然故障と物損を保証対象にするが、紛失、盗難、地震等の天災地変による故障は保証対象外にすること、自然故障と物損の全てを補償対象にすること等であることができる。
【0035】
保証対象の故障モードはまた、ECサイト等で購入した商品が、例えば、電源が入らない、音声がでない、映像が映らない、映像が乱れる、動かない等であることができる。
【0036】
保証種類は、ECサイト等で購入した商品の交換、商品の修理、または商品の代金の少なくとも一部の返金を含む。商品の代金の少なくとも一部の代金は、商品代金の0%超~100%の間であることができ、例えば50%返金または100%返金でもよい。保証種類は、保証申請時に商品毎に一律でもよく、故障モードに基づいて決められてもよい。
【0037】
延長保証の保証期間は、商品のメーカー保証の満了日の翌日から起算する期間であり、例えば、月単位または年単位であることができる。
【0038】
サーバ1とECサイト等3とのAPI連携の方法は特に限定されないが、例えば、ECサイト等3のシステムに、本システムのプログラムをインストール及びスクリプトコードを埋め込むことにより連携する方法、ECサイト等3が有する外部システム連携機能を用いてECサイト等3の認証コード等の認証情報をサーバ1またはデータベース2に格納して連携する方法、ECサイト等3のサーバに本システムのAPIを組み込んで連携する方法等により行うことができる。
【0039】
本システムは、ECサイト等3に組み込むときに、ECサイト等3から様々な権限が与えられる。権限には、商品情報を入手可能な権限、購入情報を入手可能な権限、同一商品または代替商品を無料で購入可能なクーポン発行権限等が含まれ得る。
【0040】
API連携により、サーバ1は、ECサイト等3の商品情報や、ECサイト等3が受信した商品の購入情報を取得し、データベース2に格納することができる。API連携において、好ましくは、ECサイト等3にSDK(Software Development Kit)を組み込む。SDKを組み込むことにより、販売事業者は、ECサイト等3上での延長保証ボタンの表示を調整することができる。
【0041】
延長保証の操作には、好ましくは、延長保証プランの作成、延長保証の申込み(購入)、延長保証のキャンセル、保証申請、保証申請の承諾、保証の履行、及び延長保証の価格の変更が含まれる。
【0042】
延長保証プランの作成は、サーバ1から行われ得る。延長保証プランは、好ましくは、保証対象の故障モード、保証期間、保証種類、及び保証料を含む。保証種類には、商品の交換、商品の修理、または商品代金の少なくとも一部の返金が含まれる。本願において、商品の交換とは、同一の商品または代替商品を無償若しくは一部負担で購入可能であることを意味する。無償とは、購入者の追加の金銭的負担がないことをいう。
【0043】
本システムを介して提供される延長保証の保証プランは、ECサイト等の販売事業者が所望によりカスタマイズすることができる。保証プランは、例えば、後述する故障モードが自然故障の場合は保証料を低く設定し、物損の場合は保証料を高く設定すること等が含まれる。
【0044】
延長保証の申込み(購入)は、購入者が購入者端末4によりECサイト等3上で行うことができる。ネットワークに接続された購入者端末4により、ECサイト等3上で、商品に紐付けられた延長保証を選択して購入することができる。購入された商品がクーリングオフされたとき等は、販売事業者はECサイト等3で延長保証のキャンセルを行うことができる。
【0045】
本システムによれば、商品と紐付けられた延長保証を容易に申し込みすることができるように、ECサイト等3の同一画面上に、商品の購入ボタンと延長保証の購入ボタンとを表示することができる。商品と延長保証の保証内容との紐付けは、好ましくは、商品に付与された商品コードとECサイト等のIDとを紐付けることで行われる。延長保証が購入されると、紐付けられた商品コードとECサイト等のIDとが、保証情報、好ましくは保証番号とさらに紐付けられる。
【0046】
本システムによれば、保証期間と申し込み金額が表示された延長保証のボタンを、商品を表示するECサイト等上に表示することができる。図2に、商品画像と、加入可能な延長保証である「1年保証-¥1,000」、「2年保証-¥2,000」、及び「3年保証-¥3,000」とが表示され、「2年保証-¥2,000」が選択された状態のECサイト等の表示例を示す。商品購入の場合と同様の方法で、延長保証のボタンを選択して「カートに追加する」のボタンまたは「今すぐ購入」のボタンをクリックして、商品と一緒に延長保証を購入することができる。
【0047】
購入者は、購入者端末4により、商品代金と同様に延長保証の代金(保証料)をECサイト等3のカートで購入することができる。本システムによれば、商品の購入者による延長保証の保証料の支払いの決済は、商品代金の支払いの決済と同様に、ECサイト等3内で完結することができる。図3に、商品である11,000円のヘッドホンを1つと、延長保証である1,000円の1年保証を1つとを、ECサイト等3のカートに入れた状態の表示例を示す。
【0048】
購入者は、購入者端末4から、ECサイト等3上のショッピングカートにおいて、購入する商品に合わせて延長保証の保証種類を選択することができる。購入者はまた、購入者端末4から、ECサイト等3上のショッピングカートにおいて、購入する商品の個数に合わせて延長保証の個数を1または2以上の範囲で選択することができる。
【0049】
好ましくは、サーバ1は、API連携により、購入者が購入者端末4によりECサイト等3で購入(加入)した延長保証の保証情報を、商品情報、購入者情報、及び購入情報とともに取得し、データベース2に格納される。保証情報には、保証種類及び保証料が含まれる。
【0050】
購入者端末4による延長保証の購入は、ECサイト等3上で完結することができる。初めて商品を購入するECサイト等または購入者情報を登録していないECサイト等で延長保証を購入する際は、ECサイト等3に購入者情報を入力することができる。
【0051】
購入者情報とは、購入者の連絡先情報であり、例えば、購入者の氏名、メールアドレス、電話番号、住所等である。住所は、国、住所、及び氏名または名称であることができ、購入者が居住する住所、請求書の請求先住所等、購入者と連絡がとれる任意の住所であることができる。連絡先情報は、好ましくは、購入者のメールアドレスまたは携帯電話番号である。購入者情報は、ECサイト等内に保存することができる。
【0052】
延長保証の保証料の支払いは、クレジットカード、電子マネー、現金等、所望の方法で行うことができる。
【0053】
例えば、購入者情報及びクレジットカード情報または電子マネー情報を入力後、ECサイト等3上で「今するお支払い」等のボタンをクリックすると、商品ともに延長保証の購入を完了することができる。
【0054】
商品の購入が完了すると、購入者情報として入力したメールアドレスに、ECサイト等3から商品の購入内容の確認通知メールが送信され得る。確認通知メールにおいては、購入者情報、商品の配送先情報、購入した商品、購入した延長保証、商品及び延長保証の保証料、配送料、並びに税金の表示とともに、購入番号が表示され得る。
【0055】
商品の購入とともに延長保証の購入を完了すると、購入者情報として入力したメールアドレスに、延長保証加入の通知メールも送信され得る。延長保証加入の通知メールにおいては、商品情報、購入情報、購入者情報、保証情報、またはそれらの組合せが含まれ得、好ましくは、保証番号、保証料、商品名、商品の写真若しくは画像、保証種類、保証期間、保証の詳細情報、それらを表示するリンク(URL)、またはそれらの組合せが表示され得る。
【0056】
ある商品を複数購入する場合に、そのうちの一部または全てに延長保証をつけるかどうか、ECサイト等3上で購入者端末4から決定することができる。例えば、ある同じ商品を3つ購入する場合に、延長保証の個数も3つにして3つ全ての商品に延長保証をつけることができる。また、例えば、ある同じ商品を3つ購入する場合に、延長保証の個数を2つにして3つのうち2つの商品に延長保証をつけることができる。商品毎の製造番号と延長保証とを紐付ければ、同じ商品を複数購入する場合でも各商品に延長保証を紐付けて管理することができる。購入者は、購入した商品が故障等した場合に、購入した延長保証に基づいて購入者端末4から保証申請を行うことができる。
【0057】
サーバ1は、ECサイト等3にAPI連携されることによりECサイト等3上で商品とともに購入された延長保証に基づいて購入者端末4から送信される保証申請を受信する保証申請受信処理を実行する。
【0058】
保証申請受信処理は、サーバ1に、購入者端末4から送信される保証申請を受信して、データベース2に保証申請の登録処理を実行させることを含む。サーバ1は、データベース2に保証申請が行われたことを登録すると、購入者端末4に、保証申請が承諾されたことを通知することができる。サーバ1は、購入者端末4から送信される保証申請を随時受信することができるので、保証申請の受信処理を迅速に行うことができる。
【0059】
購入者は、商品が自然故障または物損した場合、購入者端末4により、購入した延長保証に基づいて保証申請を行うことができる。購入者端末4から保証契約情報をサーバ1に送信することにより保証申請を行うことができる。
【0060】
保証申請は、購入者端末4を介してサーバ1が提供する保証申請画面、例えば保証申請用フォームまたはチャットボットから行うことができる。例えば、延長保証加入時にサーバ1から購入者端末4に送信された延長保証加入の通知メールに表示された保証申請ボタンをクリックするか、通知メールに表示された保証番号をクリックすることにより、保証申請画面に遷移され得る。
【0061】
保証申請は、保証申請に含まれる保証番号、購入者情報、またはそれらの組合せを含む保証契約情報を用いて行うことができる。購入者端末4から保証申請画面において、保証契約情報を入力及びサーバ1に送信することにより、保証申請を行うことができる。
【0062】
保証申請受信処理は、好ましくは、保証申請に含まれる保証番号または購入者情報と、データベースに格納された保証番号または購入者情報とが一致するか否かの判断をサーバ1に実行させることを含む。保証番号または購入者情報の一致が確認されると、サーバ1は、保証申請を承諾し、購入者端末4に、保証申請が承諾されたことを通知することができる。
【0063】
サーバ1は、保証申請に含まれる保証番号または購入者情報と、データベースに格納された保証番号または購入者情報とが一致しない場合は、購入された延長保証(保証契約)が見つからないこと及び問い合わせ先を購入者端末4に通知することができる。問い合わせ先は、メールアドレス、電話番号、またはそれらの組合せであることができる。
【0064】
購入者情報は、好ましくは、購入者のメールアドレスまたは電話番号を含む。
【0065】
保証申請受信処理は、好ましくは、購入者端末4から送信される保証申請を受信すると、サーバ1に、データベース2に格納された保証契約情報に紐付けられた1つまたは複数の商品情報を購入者端末4に表示させることを含む。購入者端末4に表示された商品情報を選択すると、故障等した日付(以下、故障日ともいう)、自然故障または物損かどうか等の故障等の内容等を入力または選択することができる。
【0066】
保証申請受信処理は、好ましくは、購入者端末4から送信される保証申請を受信すると、サーバ1に、データベース2に登録されたメールアドレス等の購入者情報に変更があるかどうかを確認する通知を購入者端末4に送信することを含む。確認通知に対して購入者端末4からサーバ1に回答を送信することができる。例えば、保証申請が保証番号で行われたとき、サーバ1は、購入者端末4に、メールまたはチャットボットにより、購入者情報に変更があるかどうかを確認する通知を購入者端末4に送信することができ、送信されたメールに返信するか、またはメールにリンクされたウェブサイト若しくはチャットボットに入力することにより、変更有無及び変更された購入者情報を回答することができる。
【0067】
サーバ1は、購入者情報に変更がないという回答を受信した場合、データベース2に登録されたメールアドレスに保証申請が承諾されたことを通知するメールを送信することができる。サーバ1は、購入者情報に変更が有ること及び変更された購入者情報を受信した場合、変更された購入者情報がデータベース2に登録され、サーバ1は、変更された購入者情報に含まれるメールアドレスに、保証申請が承諾されたことを通知するメールを送信することができる。
【0068】
保証申請受信処理は、好ましくは、サーバ1に、保証申請の内容とデータベース2に格納された延長保証のデータとに基づいて購入者端末4から送信された保証申請を承諾するかどうかの判断処理を実行させることを含む。サーバ1は、送信された保証申請の内容とデータベース2に格納された延長保証のデータとが一致している場合、保証申請を承諾することができ、一致していない場合、保証申請を却下することができる。サーバ1は、保証申請を承諾したとき、購入者端末4に、保証申請が承諾されたことを通知することができ、保証申請を却下したとき、購入者端末4に、保証申請が却下されたことを通知することができる。保証申請を却下する場合、メールアドレス、電話番号、またはそれらの組合せの問い合わせ先を購入者端末4に通知することができる(以下、同様)。
【0069】
保証申請受信処理は、好ましくは、サーバ1に、保証申請に含まれる故障日が、データベース2に格納された保証情報の保証期間内かどうかの判断処理を実行させることを含む。サーバ1は、故障日が保証期間内であると判断したときは、保証申請を承諾し、購入者端末4に保証申請が承諾されたことを通知することができる。サーバ1は、保証期間外であると判断したときは、保証申請を却下し、購入者端末4に保証期間外であるため保証申請が却下されたことを通知することができる。
【0070】
保証申請受信処理は、好ましくは、サーバ1に、保証申請に含まれる故障等の内容が、データベース2に格納された延長保証の保証対象の故障モードであるかどうかの判断処理を実行させることを含む。サーバ1は、故障等の内容が保証対象の故障モードであると判断したときは、保証申請を承諾し、購入者端末4に保証申請が承諾されたことを通知することができる。サーバ1は、保証対象の故障モードでないと判断したときは、保証申請を却下し、保証対象外であるため保証申請が却下されたことを通知することができる。
【0071】
保証申請受信処理は、好ましくは、サーバ1に、購入者端末4に、故障等した商品を返送するためのリンクまたは情報コードを送信させることを含む。リンクをクリックまたは情報コードを読み取ることによって、配送業者のサイトに遷移することができる。配送業者のサイトにて、故障等した商品を返送するため手続きを行うことができる。
【0072】
情報コードは、好ましくは、1次元コード、2次元コード、またはそれらの組み合わせである。1次元コードは、好ましくは、CODE39、CODE128、JAN、EAN、UPC、NW-7、ITF、またはそれらの組み合わせのバーコードである。2次元コードは、好ましくは、マトリックスコードまたはスタックコードである。マトリックスコードは、好ましくは、QRコード(登録商標)、マイクロQRコード(登録商標)、SPコード、ベリコード(VeriCode)、マキシコード(MaxiCode)、CPコード、データマトリックス(DataMatrix)、DataMatrix ECC200、Code1、AztecCode、インタクタコード、カードe、またはカメレオン・コードである。スタックコードは、好ましくは、PDF417、マイクロPDF417、Code49、Code16K、Codablock、SuperCode、Ultra Code、RSS Composite、またはAztecMesaである。
【0073】
サーバ1は、保証申請受信処理を実行したとき、好ましくは保証申請受信処理及び保証申請承諾処理を実行したとき、後述する(A)クーポンコード発行申請処理、クーポンコード受信処理、及びクーポンコード送信処理、(B)疑似注文情報送信処理、または(C)修理依頼通知処理を実行することができる。
【0074】
(クーポンコード発行申請処理、クーポンコード受信処理、及びクーポンコード送信処理)
サーバ1は、保証申請に基づいて、API連携によりECサイト等3に、故障等した商品と同一の商品または代替商品を無償若しくは一部負担で購入(交換ともいう)可能、故障等した商品を無償若しくは一部負担で修理可能、または故障等した商品の購入代金の少なくとも一部を返金可能なクーポンコードの発行申請を行うクーポンコード発行申請処理を実行することができる。ECサイト等3がクーポンコードを外部から発行可能なAPIを有するASPカートシステムである場合、サーバ1は、クーポンコード発行申請処理を実行することができる。代替商品は、同一の商品がECサイト等で販売されていない場合に、クーポンコードで購入可能な同等金額以下の類似商品であり、購入者端末4に表示された1種類または2種類以上の商品から代替商品を選択することができる。
【0075】
クーポンコードは、故障等した商品と同一の商品または代替商品を無償若しくは一部負担で購入可能なクーポン、故障等した商品を無償若しくは一部負担で修理可能なクーポン、または故障等した商品の購入代金の少なくとも一部を返金可能なクーポンである。修理には、故障等した商品を返送して修理してもらう方法、または申請者に修理キットを送付する方法が含まれ得る。返金は、例えば商品代金の50%または100%相当額のクーポンコード、電子マネー、現金等を提供することにより行われ得る。
【0076】
クーポンコード発行申請処理には、サーバ1からECサイト等3にAPI連携により、購入可能商品、利用可能上限価格、及び利用可能期間、またはそれらの組合せを含むクーポン条件を送信することが含まれる。ECサイト等3は、API連携により受信したクーポンコード発行申請に含まれるクーポン条件に基づいてクーポンコードを作成し、作成されたクーポンコードがサーバ1に送信される。サーバ1は、送信されたクーポンコードを購入者端末4に送信する。クーポンコード発行申請から購入者端末4へのクーポン送付はAPI連携を介して自動で行われる。
【0077】
サーバ1は、クーポンコード発行申請に基づいてECサイト等3で作成されたクーポンコードを、API連携により受信するクーポンコード受信処理を実行する。
【0078】
サーバ1は、受信したクーポンコードを購入者端末4に送信するクーポンコード送信処理を実行する。
【0079】
上記のように、本システムは、サーバ1が、ECサイト等3で使えるクーポンコードをAPI経由でECサイト等3に発行させて、購入者端末4に送信する。購入者端末4に送信されたクーポンコードは、好ましくは、ECサイト等のカート画面へのリンクを含む。上記リンクを含むクーポンコードをクリックすることにより、ECサイト等のカート画面に遷移し、商品の交換、商品の修理、または商品代金の返金の手続きをより容易に行うことができる。
【0080】
購入者は、購入者端末4に送信されたクーポンコードを利用して、前回、商品を購入したECサイトで、故障等した商品と同一の商品または代替商品を無償若しくは一部負担で購入するか、故障等した商品を無償若しくは一部負担で修理依頼をするか、または故障した商品の購入代金の少なくとも一部の返金を受けることができる。
【0081】
保証種類が交換の場合、購入者は、同じECサイト等で同一の商品または代替商品を無償若しくは一部負担で再度購入することができる。このように、本システムは、購入者端末4を同じECサイトに再度アクセスさせるため、リピーターの創出に寄与することができる。同一の商品または代替商品の代金の全額または一部は本システムの運営事業者等が負担することができる。
【0082】
保証種類が交換の場合の一実施形態を説明する。サーバ1は、保証申請受信処理を実行すると、保証申請が承諾されたことを購入者端末4に送信し、購入者端末4に交換手配用のボタンを表示することができる。交換手配用のボタンは、交換商品の送付先住所を入力可能な画面に遷移するリンクを有し得る。
【0083】
交換手配用のボタンがおされると、交換商品の送付先住所を入力用または確認用画面が購入者端末4に表示される。入力用または確認用画面は、商品代金が0円表示または減額された金額表示であること以外は、通常の商品購入時の送付先住所の入力用または確認用画面と同じであることができる。送付先住所を入力または確認してお支払いへ進むボタンをクリックすることで、交換商品の配送手配を完了することができる。
【0084】
保証種類が修理の場合の一実施形態を説明する。サーバ1は、保証申請受信処理を実行すると、保証申請が承諾されたことを購入者端末4に送信し、購入者端末4に修理するために故障等した商品を返送するためのリンクまたは情報コードを表示することができる。リンクをクリックまたは情報コードを読み取ることによって、配送業者のサイトに遷移することができる。配送業者のサイトにて、本システムの運営事業者等または運営事業者等が委託する修理業者に、故障等した商品を返送するため手続きを行うことができる。
【0085】
保証種類が修理の場合は、故障等した商品を本システムの運営事業者等または運営事業者等が委託する修理業者が検品し、保証対象の故障であると判断した場合は、サーバ1に保証申請の承諾処理を実行させてもよい。保証対象の故障等であるかどうかの判断は、故障等の内容が保証対象であるか否か、及び/または申請通りの故障等であるか否かを判断することにより行われ得る。
【0086】
商品の購入者から支払われる延長保証の保証料は、ECサイト等を介して販売事業者の口座に電子的に入金され得る。販売事業者の口座に電子的に入金された延長保証の保証料のうち一部は、本システムの運営事業者の口座及び/または保証会社の口座に電子的に入金され得る。
【0087】
サーバ1は、データベース2に格納される延長保証の保証料に基づいて、ECサイト等の販売事業者端末5に、保証料の少なくとも一部を請求する請求書を送信することができる。販売事業者は、販売事業者端末5に送信された請求書に基づいて、本システムの運営事業者の口座及び/または保証会社の口座に請求額を電子的に入金することができる。
【0088】
好ましくは、同一の商品または代替商品を無償若しくは一部負担で購入可能なクーポンコードの発行申請は、サーバ1が、API連携により、ECサイト等3に、商品情報、購入情報、及び購入者情報を含むクーポンコードの情報を送信することを含む。
【0089】
(疑似注文情報送信処理)
サーバ1は、保証申請に基づいて、API連携によりECサイト等3に、故障等した商品と同一の商品若しくは代替商品の疑似注文情報を送信する疑似注文情報送信処理を実行することができる。疑似注文情報送信処理とは、ECサイト等3が注文情報作成APIを有するASPカートシステムの場合に、API連携によりECサイト等3に、サーバ1が延長保証の申請者を代行して、故障等した商品と同一の商品若しくは代替商品を購入する処理を実施することを含む。
【0090】
(修理依頼通知処理)
サーバ1は、保証申請に基づいて、API連携されたECサイト等3を利用する販売事業者の端末5に、故障等した商品と同一の商品若しくは代替商品を購入者に送るように通知若しくは前記商品を修理するように通知する修理依頼通知処理を実行することができる。
【0091】
サーバ1は、好ましくは、データベース2に、延長保証の履行情報の登録処理を行う。履行情報には、保証対応前または保証対応後を示す対応ステータス、修理、交換、または返金の対応方法、及び保証履行にかかったコストが含まれ得る。履行情報にはまた、クーポンコードの発行済または発行前のクーポンコードのステータス情報、疑似注文情報送信の処理前または処理後の疑似注文情報送信のステータス情報、または修理依頼通知の処理前または処理後の修理依頼通知のステータス情報が含まれ得る。例えば、サーバ1が備え得るモニターには、クーポンコードの発行前においては、「発行する」等の表示を有するクーポンコード発行ボタンがアクティブで表示されてもよい。本システムの運営業者がクーポンコード発行ボタンをクリックすると、サーバ1はクーポンコード発行申請処理を実行し、APIを介して、例えば12000円分のクーポンコードが作成され、購入者端末4に送信される。
【0092】
サーバ1は、API連携を介して、ECサイト等3で行われる商品の購入と延長保証の加入のデータを継続的に取得し、データベース2に格納することができる。サーバ1は、前記データに基づいて、商品の売上げに対する保証料の割合、商品毎の延長保証の加入率、商品毎の損害率等を随時把握することができ、保証料の見直し、例えば、商品の売上げに対する延長保証の保証料が最大化するように、保証料を随時修正することができる。
【0093】
好ましくは、サーバ1は、データベース2に格納された商品の購入代金と購入された延長保証の保証料とに基づいて、商品の購入代金に対する購入された延長保証の保証料の割合を集計する。本システムによれば、ECサイト等で商品が購入されるときに延長保証が同時に購入されたかどうかを随時把握することができ、商品の売上げに対する保証料の割合も随時把握することができる。
【0094】
好ましくは、サーバ1は、データベース2に格納された購入された商品数及び購入された延長保証の数に基づいて、商品毎の延長保証の加入率を算出する。本システムによれば、ECサイト等で購入された商品数及び購入された延長保証の数を随時把握することができ、商品毎の延長保証の加入率を随時把握することができる。
【0095】
好ましくは、サーバ1は、データベース2に格納された商品毎の延長保証の申請数、商品毎の延長保証の履行数、またはそれらの組合せに基づいて、商品毎の損害率を算出する。本システムによれば、ECサイト等で購入された商品毎の延長保証の申請数、商品毎の延長保証の履行数、またはそれらの組合せを随時把握することができ、商品毎の損害率を随時把握することができる。
【0096】
好ましくは、サーバ1は、データベース2に格納された商品毎の延長保証の加入率、商品毎の損害率、及び購入された延長保証の保証料に基づいて、商品毎の保証料を変更する。本システムによれば、ECサイト等で購入された商品毎の延長保証の加入率、商品毎の損害率、及び購入された延長保証の保証料を随時把握することができるので、例えば、加入率が低い場合は保証料を下げる方向、及び損害率が高い場合は保証料を上げる方向で、保証料を任意のタイミングで変更することができる。加入率及び損害率の増減に基づく保証料の変更は、加入率の増減及び損害率の増減にそれぞれ所定の係数を乗じて行うことができる。
【0097】
図4に、本延長保証システムで取得した購入代金が6980円の商品についての一ヶ月毎の延長保証の加入率、損害率、及び保証料を集計したグラフの一例を示す。延長保証の加入率と損害率に基づいて保証料が最大化するように保証料が調整される。
【0098】
本開示はまた、商品の自然故障または物損に対する延長保証をするための延長保証システムにおけるサーバであって、
前記商品を特定する商品情報、前記商品の購入行為を特定する購入情報、前記商品の購入者を特定する購入者情報、並びに前記商品情報、前記購入情報、及び前記購入者情報からなる群から選択される少なくとも1つに紐付けられた延長保証の内容を特定する保証情報を格納可能なデータベースが接続され、
前記データベースへの前記商品情報、前記購入情報、前記購入者情報、及び前記保証情報の書き込み及び読み出し手段と、
前記商品を販売するECサイトまたはPOSレジとAPI連携が可能なAPI連携手段と、
前記ECサイトまたはPOSレジへの前記API連携により前記ECサイトまたはPOSレジで前記商品とともに購入された前記延長保証に基づいて前記商品の購入者の端末から送信される保証申請を受信する保証申請受信処理手段と、
(A)前記保証申請に基づいて、前記API連携により前記ECサイト若しくはPOSレジに、前記商品と同一の商品若しくは代替商品を無償若しくは一部負担で購入可能、前記商品を無償若しくは一部負担で修理可能、または前記商品の購入代金の少なくとも一部を返金可能なクーポンコードの発行申請を行うクーポンコード発行申請処理手段、
前記発行申請に基づいて前記ECサイト若しくはPOSレジで作成されたクーポンコードを前記API連携により受信するクーポンコード受信処理手段、及び
前記受信したクーポンコードを前記購入者の端末に送信するクーポンコード送信処理手段、
(B)前記保証申請に基づいて、前記API連携により前記ECサイト若しくはPOSレジに前記商品と同一の商品若しくは代替商品の疑似注文情報を送信する疑似注文情報送信処理手段、または
(C)前記保証申請に基づいて、前記API連携された前記ECサイト若しくはPOSレジを利用する前記商品の販売事業者の端末に、前記商品と同一の商品若しくは代替商品を購入者に送るように通知若しくは前記商品を修理するように通知する修理依頼通知処理手段と
を備えるサーバを対象とする。
【0099】
本開示はまた、商品の自然故障または物損に対する延長保証をするための延長保証システムにおけるサーバに、
前記サーバに接続されたデータベースへの前記商品を特定する商品情報、前記商品の購入行為を特定する購入情報、前記商品の購入者を特定する購入者情報、並びに前記商品情報、前記購入情報、及び前記購入者情報からなる群から選択される少なくとも1つに紐付けられた延長保証の内容を特定する保証情報の書き込み及び読み出し処理と、
前記ECサイトまたはPOSレジへのAPI連携により前記ECサイトまたはPOSレジで前記商品とともに購入された前記延長保証に基づいて前記商品の購入者の端末から送信される保証申請を受信する保証申請受信処理と、
(A)前記保証申請に基づいて、前記API連携により前記ECサイト若しくはPOSレジに、前記商品と同一の商品若しくは代替商品を無償若しくは一部負担で購入可能、前記商品を無償若しくは一部負担で修理可能、または前記商品の購入代金の少なくとも一部を返金可能なクーポンコードの発行申請を行うクーポンコード発行申請処理、
前記発行申請に基づいて前記ECサイト若しくはPOSレジで作成されたクーポンコードを前記API連携により受信するクーポンコード受信処理、及び
前記受信したクーポンコードを前記購入者の端末に送信するクーポンコード送信処理、
(B)前記保証申請に基づいて、前記API連携により前記ECサイト若しくはPOSレジに前記商品と同一の商品若しくは代替商品の疑似注文情報を送信する疑似注文情報送信処理、または
(C)前記保証申請に基づいて、前記API連携された前記ECサイト若しくはPOSレジを利用する前記商品の販売事業者の端末に、前記商品と同一の商品若しくは代替商品を購入者に送るように通知若しくは前記商品を修理するように通知する修理依頼通知処理と
を実行させる、プログラムを対象とする。
【符号の説明】
【0100】
10 延長保証システム
1 サーバ
2 データベース
3 ECサイトまたはPOSレジ
4 購入者端末
5 販売事業者端末

【要約】
【課題】商品の販売事業者が延長保証を管理及び運用する負担が少なく、延長保証を提供する運営事業者等が商品購入時の延長保証への加入状況を随時モニターすることが可能で、商品の購入者が商品購入時に延長保証に容易に加入が可能な延長保証システムを提供する。
【解決手段】商品の自然故障または物損に対する延長保証をするための延長保証システムであって、商品情報、購入情報、購入者情報、及び保証情報を格納可能なデータベースが接続され、データベースへの商品情報等の書き込み及び読み出しが可能なサーバを備え、サーバは、商品を販売するECサイト等とAPI連携が可能なAPI連携手段を有し、ECサイト等へのAPI連携によりECサイト等で商品とともに購入された延長保証に基づいて商品の購入者の端末から送信される保証申請を受信する保証申請受信処理を前記サーバに実行させる、延長保証システム。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4